説明

経口リバビリン医薬組成物

本発明は、ウイルス疾患の予防及び/又は治療のための経口医薬組成物に関する。本発明は、これらの医薬組成物を使用して、これらのウイルス疾患の予防及び/又は治療方法を対象とする。本発明に関する主な課題のひとつは、抗ウイルス治療、特に例えばインターフェロンと組み合わせてリバビリンを用いるC型肝炎に対する治療の効率を向上させることである。本発明に係る経口リバビリン抗ウイルス組成物は、リバビリンの生体吸収時間を増大し、かくして患者の治療を改善する。前記組成物はリバビリンの少なくとも1つの修飾された放出形態を含み、前記放出形態の生体吸収時間BATは、同じ用量で投与されるリバビリンの参照*即時放出形態の生体吸収時間BAT*よりも長く;BATは、好ましくは2から15時間、より好ましくは4から12時間の間に含まれる。前記組成物は、リザーバータイプの形態であるか又はマトリックタイプの形態である。前記組成物は、胃保持系であるか又は多粒子形態である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス疾患の予防及び/又は治療のための経口医薬組成物に関する。本発明は、これらの経口組成物を使用して、これらのウイルス疾患の予防及び/又は治療する方法も対象とする。
【0002】
本発明に特に関連するウイルス疾患は、特にC型肝炎感染のようなウイルス感染である。
【0003】
場合によって、リバビリンが、インターフェロンのような活性共成分と組み合わせて使用されて良い。
【背景技術】
【0004】
リバビリンは、広範な抗ウイルス活性を有する既知の合成ヌクレオシドアナログである。米国特許3 927 216号参照。リバビリンは140g/Lもの水への溶解度を有する無色の物質であり、2つの多型が存在することが知られている。
【0005】
リバビリンは、最近では、C型肝炎(HC)の併用療法としての使用について示されている。その様なものとして、リバビリンは多量に、例えば1日に1200mgもの用量でインターフェロン注射と共に投与される。投与計画は、HC感染の治療については、1日に4から6カプセルを必要とする。多数のカプセルを1日に二回摂取する。この投与は、多数の月日(典型的には48週)に亘って毎日継続される。しかしながら、インターフェロン又は持続作用型ペグ化インターフェロンのいずれかと組み合わせて、結果として得られるHCの治療効率は制限されたものである。典型的には、持続的なウイルス学的応答が、30から55%の遺伝子型I患者についてのみ得られる。
【0006】
この様な背景において、本発明に関連する主な課題の1つは、例えばインターフェロンと組み合わせてリバビリンを用いる、特にHCに対する抗ウイルス治療の効率を向上することである。
【0007】
US-A-2005/0019406は、水性の環境におけるリバビリンの溶解速度を低減する被覆されたペレットに基づくリバビリンの持続放出型製剤を開示している。しかしながら、この特許出願は、リバビリン1を用いることによる、特にHCに対する抗ウイルス治療の効率を向上する方法を教示していない。
【0008】
WO-A-2005/016370は、門脈において臨床的に有効なリバビリン血中濃度を提供し、全身循環において臨床的に有効な血中濃度を提供するのに必要とされるものよりは少ない、場合によってインターフェロンと共投与される低用量及び/又は低速放出型リバビリン製剤に基づく、リバビリンによるウイルス感染の治療方法を開示している。この特許出願は、リバビリンによる特にHCに対する抗ウイルス治療の効率を向上することが可能な、任意の特に低速放出型リバビリン製剤を開示していない。
【0009】
かくして、リバビリンを用いるHCに対する抗ウイルス治療の効率を向上するための改善されたリバビリン組成物が持続的に必要とされている。
【0010】
ウイルス感染の治療において、ウイルスが存在する場所で十分に長期間に亘って効率的な抗ウイルス濃度を維持することが非常に重要である。HC及びリバビリンの場合には、ウイルスの病巣は肝臓及び門脈である。
【0011】
理論に拘束されることを意図しないが、本発明者以下の仮説を立てている。
リバビリン及びインターフェロンを用いる治療の準最適な効率は、ウイルス感染の治療において、ウイルスが存在する肝臓及び門脈におけるリバビリン濃度を長期に亘って持続することが非常に重要であるという事実に由来するものである。
【0012】
経口投与後、リバビリンは、小腸の非常に上部で急速に生体吸収される。この吸収の狭い窓が、投与の一時間後に生体吸収の鋭いピークを生じさせ、その後に吸収速度の急速な減退が続く。肝臓を最初に通過した後に、全身循環に浸入する前記薬剤は、急速に赤血球に分配され、少量が血漿中に残存する。最後に、門脈及び肝臓は、限られた生体吸収時間、及び肝臓を介する前記薬剤の一定の通過時間の間にのみ供給される。
【0013】
リバビリンの門脈及び肝臓の通過時間は一定であり、門脈及び肝臓にリバビリンを供給する時間を増大する1つの解決方法は、適当な剤形を用いてリバビリンの生体吸収時間を増大することである。
【0014】
かくして、HC及びリバビリンに関して、本発明者は、
・肝臓及び門脈において、十分に長期間に亘って有効なリバビリン濃度を維持するという課題について集中して考察し;
・リバビリンの門脈及び肝臓の通過時間は一定値に固定されており、調節することができないと考え;
・次いで、適当な剤形を用いてリバビリンの生体吸収時間を増大するように、リバビリンを門脈及び肝臓に供給する期間を増大することを提案した。
【0015】
従って、その時点での背景の一つは、長期間に亘ってリバビリンを門脈及び肝臓に供給する経口医薬組成物を使用して、リバビリンに基づく治療方法を改善するという事実に依存する。
【0016】
薬剤のin vitroにおける溶解時間を増大する既知の持続放出型製剤、特に上述のものは、吸収窓が狭いリバビリンのような薬剤の生体吸収時間及び作用期間を増大するものではない。例えば、放出時間が非常に長い場合、薬剤の大半は非常に遅く放出され、剤形が吸収窓の範囲外にある際には、生体吸収時間の有意な増大が全く無しで、乏しいバイオアベイラビリティーを生じさせることになる。反対に、放出時間が非常に短い場合には、バイオアベイラビリティーは許容されるものであるが、生体吸収時間が短い。さらに、リバビリンの既知の持続放出型製剤は、必ずしも、非常に狭いリバビリン生体吸収窓にリバビリンを保持し、放出させるものではない。次いで、任意の持続放出型リバビリン製剤は、長期間に亘って門脈及び肝臓において、リバビリンの一定の治療上有効濃度を維持することを可能にするものではない。
【0017】
1994年から、本出願人は、Micropump(登録商標)技術(US-B-6,022,562)と称される微粒子の制御された放出技術を開発している。Micropump(登録商標)微粒子は、長期間、つまり少なくとも約5時間に亘って小腸に保持し得るように設計されており、延長された生体吸収時間、つまり少なくとも小腸におけるそれらの滞留期間の一部の間の活性成分の吸収を可能にする。前記活性成分は抗ウイルス剤、例えば吸収窓が小腸に限られるアシクロビルであって良い。この特許は、抗ウイルス薬の放出時間を延長するのに有益であることも開示されている。Micropump(登録商標)微粒子は、特定の以下:50から90%エチルセルロース;2から25%ポリビニルピロリドン;2から20%ヒマシ油、及び2から20%ステアリン酸マグネシウムの組成物(コーティング組成物全体の乾燥重量)の少なくとも1つのコーティング皮膜で被覆されたAPIの50から1000μmのマイクロカプセルである。
【0018】
リバビリンの場合では、当業者は、門脈及び肝臓への供給を維持するために、非常に狭い生体吸収窓を標的とする必要に直面し、Micropump(登録商標)技術が適用できるか疑わしく思うであろう。この段階では、多くの困難が生じている。
【特許文献1】米国特許3 927 216号
【特許文献2】US-A-2005/0019406
【特許文献3】WO-A-2005/016370
【特許文献4】US-B-6,022,562
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
第一の困難性は、in vitro放出プロフィールの最も適当な範囲の選択にある。
【0020】
第二の困難性は、剤形内における高いリバビリン装薬量を維持することである。活性成分、つまりリバビリンの遅い放出が、数ミクロンの厚さのポリマーの膜でリザーバータイプの微粒子の各々を被覆することによって得られる。経口投与後に、前記微粒子は胃腸管の流動体に接触して、前記活性成分がゆっくりと放出される。活性成分放出の駆動力は、その溶解度に比例する活性成分の浸透圧である。リバビリンは非常に水溶性であり、その持続的な放出は厚いコーティングを必要とし、粒子の装薬量を低減する。高用量、つまり3000μg/日までのリバビリンの場合では、装薬量を最大化し、次いで限られた量のコーティング賦形剤でリバビリンの持続放出を得ることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本出願人は、門脈及び肝臓にリバビリンを供給する時間を増大するために重要なのが、生体吸収時間を増大すると同時に、許容されるレベルでリバビリンのバイオアベイラビリティーを維持するために、胃腸の流動体におけるリバビリンの放出時間の細かい調整によるものであることの特定を成し遂げた。
【0022】
かくして、本発明は、リバビリンの生体吸収時間を増大し、かくしてウイルス感染に対する患者の治療を改善するための経口リバビリン抗ウイルス組成物に関する。前記組成物の改善は、リバビリンの少なくとも1つの修飾された放出(MR)形態を含み、その生体吸収時間BATは、同じ用量で投与されるリバビリンの参照*即時放出(IR)形態の生体吸収時間BAT*より大きい。換言すると、BAT>BAT*である。
【0023】
本発明において、生体吸収時間BATの増大は、下記の方法M1及び/又はM2の少なくとも1つによって評価されて良い。
【0024】
第一の方法M1:
MR及びIR*リバビリンのBAT及びBAT*を、リバビリンの生体吸収血漿プロフィールから推定する。前記生体吸収血漿プロフィールは、"Pharmacokinetics in drug discovery and development, R.D Schoenwald ED., CRC Press, 2002"に詳細に説明されているように、リバビリンの入力応答関数による平均血漿プロフィールの解析によって算出する。BATは、90%の生体吸収可能なリバビリンが生体吸収される時間として任意に規定される。
【0025】
第二の方法M2:
生体吸収時間の増大に、1回の注射後の平坦な血漿プロフィールが反映される。前記血漿プロフィールの平坦性は、本発明では、ピーク時の平均血漿濃度であるCmaxを投与後24時間の平均血漿濃度であるC24で割った比として規定されるピーク及びトラフの比であるRによって測定する。本発明では、生体吸収時間の増大は、本発明に係る製剤のピーク及びトラフの比であるRが、同じ条件で投与されるリバビリンの同じ用量を含有するリバビリンの参照*即時放出形態のピーク及びトラフの比R*よりも小さい。したがって、R<R*である際は、BAT>BAT*である。
【0026】
そのため、本発明に係る経口リバビリン組成物は、経口リバビリン組成物がN人(好ましくは、N≧20又は30人)のヒトのサンプルに対して1回の投与で経口投与される、参照臨床試験において得られる血漿濃度プロフィールによって特徴付けられて良い。次いで、個々の血漿濃度プロフィールを各患者について測定し、そこから個々の薬物動態パラメーター、例えば血漿濃度が最大値に達した後の時間Ti,max及びこの最大濃度Ci,maxが得られる。個々のパラメーターに基づいて、当業者は、これらのパラメーターの平均値及びそれらの標準偏差を簡便に算出する。これらのパラメーターの議論に関する更なる詳細は、Pharmacokinetics and pharmacodynamic Data Analysis 3rd ed., J. Gabrelsson et al., Kristianstads Bocktryckeri AB, Sweden, 2000という文献において認められるであろう。参照臨床試験の実験条件は、例えば、以下:交差試験の過程における、20人の正常なヒトのボランティアに対する、朝食の一時間前の1日1回の形態(ゼラチンカプセル剤又は錠剤又は懸濁剤)の投与である。リバビリンの血漿濃度は、投与後0-0.25-0.5-0.75-1-1.5-2-3-4-6-8-10-12-16-18-24-36-48時間に測定する。この臨床試験は、試験条件下で特異的に得られる薬物動態特性により本発明を規定する。それにもかかわらず、本発明は、参照臨床試験の条件下で実施することに制限されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本明細書において、用語「修飾された放出」は、経口医薬組成物による活性成分(例えば、リバビリン)の長期又は持続放出、及び/又は遅延放出、及び/又はパルス状の放出を意味する。その様な修飾された放出型の医薬組成物は、例えば、即時放出期と遅延放出期とを含んで良い。修飾された放出型の経口組成物は当該技術分野において既知であり、例えば、Remington: The Science and practice of pharmacy, 19th edition, Mack Publishing Co.Pennsylvania, USA参照。修飾された放出は、特に、長期の及び/又は遅延した放出であって良い。
【0028】
「即時放出形態」は、本明細書において、
・含有される活性成分(例えば、リバビリン)の量の大半が、in vitro溶解試験においてシンクコンディション、pH6.8で、比較的短期間で放出される;例えば、少なくとも70%の活性成分(例えば、リバビリン)が、60分、好ましくは45分、更に好ましくは30分で放出される形態;
・含有される活性成分(例えば、リバビリン)の量の大半が、比較的短期間で放出される;例えば、少なくとも70%の活性成分(例えば、リバビリン)が、経口摂取後の60分、好ましくは45分、更に好ましくは30分で放出される形態
を意図する。
【0029】
本明細書で参照するいかなる溶解プロフィールも、「Dissolution test for solid oral forms」という表題のEuropean Pharmacopoeia, 4th edition:100rpmで攪拌しながらシンクコンディションで実施されるtype II溶解試験の指標に従って測定される。
【0030】
本発明に係る経口リバビリン組成物の生体吸収時間は、例えば、2から15時間の間、より好ましくは4から12時間の間に含まれる。
【0031】
有利には、本発明に係る経口リバビリン組成物は、リバビリンの異なるMR形態、場合によってはリバビリンの1つ又は複数のIR形態、並びに場合によっては1つ又は複数の他の活性成分の少なくとも1つのMR及び/又はIR形態を含んで良い。
【0032】
本発明者は、バイオアベイラビリティーのいずれの劇的な低減なく、リバビリンの生体吸収時間の延長を生じさせるリバビリンの最適な放出プロフィールを同定することを成し遂げた。
【0033】
本発明者は、多数の試行錯誤の後に、リバビリンの修飾された放出形態の最適な放出プロフィールが、70%のリバビリンが1.5から16時間の間、好ましくは2から10時間の間、更に好ましくは3から8時間の間の期間に亘って放出されるような、1.5時間に亘ってpH1.4に維持し、次いでpH6.8に増大させる溶解試験において得られる放出プロフィールであることの実証を成し遂げた。かくして、本発明は、BAT>BAT*であるか否か、つまり経口リバビリン組成物において、リバビリンの修飾された放出形態が、70%のリバビリンが1.5から16時間の間の期間に亘って放出されるような、1.5時間に亘ってpH1.4に維持し、次いでpH6.8に増大させる溶解試験における放出プロフィールを有するか否かについて言及する。
【0034】
本発明者は、多数の試行錯誤の後に、コーティング組成物の特定の選択が、限定された量の賦形剤で薬剤の適当な放出プロフィールを得ることを可能にすることの実証を成し遂げた。
【0035】
本明細書で使用する用語「リバビリン」は、リバビリン、又は任意のアナログ若しくはプロドラッグ、例えば殺ウイルス活性を有することが認められているビラミジン及びレボビリンを含む。
【0036】
本発明は、C型肝炎感染の治療、並びにインターフェロン及びリバビリンの併用に特に適用される。しかしながら、本発明は、主な組織損傷及びウイルス複製の主な部位が肝臓であるウイルス感染の他の形態の治療にも適用される。
【0037】
経口リバビリンとインターフェロンα-2b(INF)又はペグインターフェロンα-2bとの併用は、現在において、慢性C型肝炎、特に遺伝子型1bであり、高いウイルス力価のC型肝炎を有する患者の治療における標準的な治療である。リバビリンの1日の経口投与量は、最近では患者の体重に基づいて決定されるが、認められるリバビリンの用量は国ごとによって異なる。日本では、例えば、前記用量は、INFとの併用療法において、60kg未満の体重の患者については600mg/dであり、60kgより大きい体重の患者については800mg/dである。米国及び欧州では、リバビリンは、例えば、全体で1000mg(75kg未満)又は1200mg(75kgを超える)の1日の用量で投与される。さらに、リバビリンがペグインターフェロンα-2bと併用される際は、前記用量は米国では800mg/dに固定されるが、欧州では65kg未満の患者については800mg/d、65-85kgの患者については1000mg/d、及び85kgを超える患者については1200mg/dである。更に詳細には、参照によって本願明細書にその全体を含める以下の文献:Jen, J., Laughlin, M., Chung, C, Heft, S., Affrime, M.B., Gupta, S.K., Glue, P., and Hajian, G. - Ribavirin dosing in chronic hepatitis C: application of population pharmacokinetic-pharmacodynamic models - Clin Pharmacol Ther, 2002. 72(4): p. 349- 61), F.J.Torriani et al., The New England. Journal of Medicine, 2004, 351(5), 438-450において認められる。上述した事項の先入観無く、本発明は、上で挙げているもの以外のリバビリン及び/又はインターフェロンの双方の用量もその範囲とすることを強調する。
【0038】
本発明に係る経口リバビリン組成物と組み合わせて使用され得るインターフェロンは、
・前記経口リバビリンと任意の適切な経路で共投与され、及び/又は
・治療上有効量で経口リバビリン組成物に含まれて良い。
さらに、インターフェロンα又はペグ化インターフェロンαを含むが、それらに限らないインターフェロンの任意の形態及びその任意の誘導体が、ウイルス感染の治療において使用されて良い。したがって、意図されるインターフェロンの任意の形態が、C型肝炎又は他の形態の肝炎ウイルスに対して有効性があることを過去に示されているものである。しかしながら、本発明は、肝炎の処置において経口投与されて良いものを含む、将来のインターフェロンの形態の使用も意図する。本明細書で使用する用語「インターフェロンα」は、US 6,472,373の4欄39行目〜5欄55行目に規定のような非常に相同性が高い種特異的タンパク質のファミリーを意味する。他の修飾されたインターフェロン、例えば、新規な遺伝子融合タンパク質であるAlbuferon fusion protein(Human genome Science Inc.)が開発中である。したがって、本発明は、将来的なインターフェロンの経口形態又はその様な誘導体を含むインターフェロンの任意の形態又はその任意の誘導体と共にリバビリンを使用することを企図する。
【0039】
本発明に係る経口リバビリン組成物の第一の実施態様によれば、リバビリンの修飾された放出形態は、70%のリバビリンが、1.5から15時間、好ましくは2から10時間、更に好ましくは3から8時間の間の期間(以下t(70%))に亘って放出されるような、pH6.8における放出プロフィールを有する持続放出形態である。
【0040】
前記第一の実施態様の特定の下位の実施態様によれば、リバビリンの修飾された放出の形態は、2時間からt(70%)の間の時間tの任意の値、好ましくは1時間からt(70%)の間の時間tの任意の値に亘って、溶解(放出)したリバビリンが35t/t(70%)以上であるような、pH6.8の0.05Mリン酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム緩衝媒体におけるin vitro放出プロフィールを有する。換言すると、2時間からt(70%)、好ましくは1時間からt(70%)のtの任意の値に亘って、in vitro放出プロフィールが、0からt(70%)の間に35%の薬剤を放出する理論的な直線的放出プロフィールより高い状態を維持する。本発明に係る経口リバビリン組成物の第二の実施態様によれば、リバビリンの修飾された放出形態は、以下:
-リバビリンの放出が、2つの異なる制御機構(一方はpHの変化に基づくものであり、他方は胃における所定の滞留期間後に活性成分を放出させることを可能にする)によって調節され;
- pH1.4の一定のpHにおいて、溶解プロフィールが、7時間以下、好ましくは5時間以下、更に好ましくは1から5時間の間の遅滞期を含み;及び
-pH1.4からpH7.0への変化が、遅滞期なしで開始する放出期を生じさせる
ようなin vitro溶解動態を有する持続放出形態である。
【0041】
さらに好ましくは、この第二の実施態様に係るリバビリンの修飾された放出形態は、
・20%未満のリバビリンがpH1.4において2時間後に放出され;
・少なくとも50重量%のリバビリンがpH1.4において16時間後に放出される
ような、in vitro溶解試験において測定されるin vitro溶解動態を有する。
【0042】
本発明に係る経口リバビリン組成物の修飾された放出形態は、
・リザーバータイプの形態、及び/又は
・マトリックスタイプの形態
であって良い。
【0043】
「リザーバータイプの形態」は、本明細書において、活性成分(例えば、リバビリン)を含有する物質の容量が、活性成分(例えば、リバビリン)の拡散放出速度を調節する少なくとも1つの皮膜で全体的に被覆されているが、その連続する皮膜(膜)は活性成分(例えば、リバビリン)を含まない形態を示すことを意図する。この放出は、胃腸管の液体と前記系が接触して生じる。活性成分(例えば、リバビリン)含有物質は、例えば、活性成分(例えば、リバビリン)自体、医薬賦形剤の混合物、又は医薬賦形剤と活性成分(例えば、リバビリン)との混合物である。リザーバータイプの形態は、例えば、多数の個々に被覆されたマイクロカプセル又はモノリシックな系、例えば被覆された錠剤、錠剤、又は多数の被覆されたマイクロカプセルを含有する任意の他の医薬形態を含む。
【0044】
「マトリックスタイプの形態」は、本明細書において、活性成分(例えば、リバビリン)の拡散放出速度を調節する固体の連続する(ポリマーの)層(マトリックス)中に、リバビリンが分散されている形態を示すことを意図する。前記マトリックスは、徐々に破壊されるものであるか又はそうではなくて良い。前記マトリックスは、例えば、当業者に既知の医薬品として許容される賦形剤からなる。マトリックスタイプの形態は、例えば、活性成分(例えば、リバビリン)を含有する多数のマトリックスマイクロ顆粒(マトリックス成分)を含む。これらのマトリックス成分は、少なくとも1つの皮膜によって被覆されていないか又は部分的に被覆されている。マトリックスタイプの形態は、モノリシックな系(マトリックス成分)、例えば、リザーバータイプを含まない、少なくとも1つの連続する皮膜によって部分的に被覆されている錠剤であって良い。そのため、マトリックスタイプの形態は、多数の活性成分(例えば、リバビリン)IR顆粒又は活性成分(例えば、リバビリン)SR顆粒を含有する錠剤であって良く、前記顆粒はポリマーマトリックスに分散される。
【0045】
本発明に係る経口リバビリン組成物の下位の実施態様a)によれば、含まれる修飾された放出形態は胃保持系である。
【0046】
本発明に係る経口リバビリン組成物の下位の実施態様b)によれば、含まれる修飾された放出形態は多粒子形態である。
【0047】
下位の実施態様a)について、胃保持系は、例えば、胃において膨潤するか又は胃の流動体に浮き、かくして胃に長期に亘って保持される投与形態として規定されて良い。
【0048】
胃保持系において使用するために適切なポリマーは、例えば、胃の流動体を吸収して膨潤し、数時間に亘って徐々に破壊されるものである。前記投与形態の表面が胃の流動体と接触して、膨潤するプロセスと徐々に破壊されるプロセスとは同時に開始する。本発明の投与形態において使用するために適切なポリマーは、直鎖、分枝鎖、デンドリマー、又は星型ポリマーであって良く、合成親水性ポリマー並びに半合成及び天然親水性ポリマーを含む。前記ポリマーはホモポリマー又はコポリマーであって良く、コポリマーである場合は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトコポリマーのいずれかであって良い。本発明で有用な合成親水性ポリマーは、
-ポリアルキレンオキシド、特にポリ(エチレンオキシド)、ポリエチレングリコール、及びポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)コポリマー;
-セルロースポリマー;
-アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー、コポリマー、並びにそのエステル、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及びそのコポリマーの互いを用いて又はアミノエチルアクリレートのような追加のアクリレート種を用いて形成されるもの;
-マレイン無水コポリマー;
-ポリマレイン酸;
-ポリ(アクリルアミド)、例えば、ポリアクリルアミド自体、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びポリ(N-イソプロピル-アクリルアミド);
-ポリ(オレフィンアルコール)、例えば、ポリ(ビニルアルコール);
-ポリ(N-ビニルラクタム)、例えば、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニルカプロラクタム)、及びそれらのコポリマー;
-ポリオール、例えば、グリセロール、ポリグリセロール(特に、高度に分枝状のポリグリセロール)、プロピレングリセロール、及び1つ以上のポリアルキレンオキシドで置換されたトリメチレングリセロール、例えば、モノ、ジ、及びトリポリオキシエチレン化グリセロール、モノ及びジポリオキシエチレン化プロピレングリコール、並びにモノ及びジポリオキシエチレン化トリメチレングリコール;
-ポリオキシエチレン化ソルビトール及びポリオキシエチレン化グルコース;
-ポリオキサゾリン、例えばポリ(メチルオキサゾリン)及びポリ(エチルオキサゾリン);
-ポリビニルアミン;
-ポリビニルアセテート、例えば、ポリビニルアセテート自体、並びにエチレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアセテートフタレートなど;
-ポリイミン、例えば、ポリエチレンイミン;
-デンプン及びデンプン系ポリマー;
-ポリウレタンヒドロゲル;
-キトサン;
-ポリサッカリドガム;
-ゼイン;並びに
-セラック、アンモニアセラック(ammoniated shellac)、セラック-アセチルアルコール、及びセラックn-ブチルステアレート
を含むが、それらに限らない。
【0049】
第一の実施態様及び下位の実施態様b)に関して、本発明に係る経口リバビリン組成物は、微粒子が1000ミクロン以下、好ましくは20から800ミクロンの間に含まれる、さらに好ましくは50から600ミクロンの間に含まれる容量平均直径を有するという事実によって特徴付けられる。第二の実施態様及び下位の実施態様b)に関して、本発明に係る経口リバビリン組成物は、微粒子が2000μm未満、好ましくは50から800μmの間、さらに好ましくは100から600μmの間の平均直径を有するという事実によって特徴付けられる。容量平均直径は、例えば粒子レーザー寸法測定器(サイザー)(particle laser sizer)を用いて測定されるであろう。
【0050】
さらに下位の実施態様b)に関して、本発明は、リバビリンの修飾された放出を有する多数のマイクロカプセルを含む、リザーバータイプの形態である多粒子形態の実施の特定の方法も含み、これらのマイクロカプセルは、個々に、所定のリバビリンを含む微粒子からなり、リバビリンの修飾された放出のための少なくとも1つのコーティングで被覆されている。この多数の微粒子の形態は、とりわけ、リバビリンを含有する被覆された微粒子からなるマイクロカプセルを含んで良い。リバビリンを含有するこれらの微粒子は、例えば、結晶状態の(純粋な)粗リバビリンの微粒子、各種の他の成分とリバビリンとのマトリックス顆粒、又は代替的に中性のマイクロスフェア、例えば、少なくとも1つのリバビリンを含む層で被覆されたセルロース又は糖からなるものであって良い。リバビリンマイクロカプセルは、互いに同一であるか又は異なる、リバビリンとは異なる1つ又は複数の活性成分を含有しても良い。他の変形例では、本発明に係る経口リバビリン組成物は、リバビリンMR微粒子(例えば、マイクロカプセル)に加えて、互いに同一であるか異なる、リバビリンとは異なる1つ又は複数の活性成分のMR微粒子(例えばマイクロカプセル)を含んでも良い。さらに一般的には、リバビリンとは異なるこれらの他の活性成分は、MR形態、例えばマトリックス形態、及び/又はリザーバー形態、及び/又は多粒子形態、及び/又は胃保持形態の組成物に存在して良い。まとめると、本発明に係る組成物は、各種のMR微粒子の集団からなって良く、これらの集団は、少なくとも含有される活性成分(リバビリン)の性質によって、並びに/あるいはコーティング又はマトリックスの組成によって互いに異なる。
【0051】
リバビリン及び場合によっては他の活性成分のMR形態に加えて、本発明に係る経口リバビリン組成物は、リバビリン及び場合によっては他の活性成分のIR形態を含んでも良い。特に、これらのIR形態は、多数の微粒子の形態、つまり上述のマイクロカプセルの集団において使用されるものと同じタイプの活性成分(リバビリン)の被覆されていない微粒子であって良い。
【0052】
本発明の下位の実施態様b)に係る組成物において使用されるマイクロカプセルの構造に関しては、2つの好ましいマイクロカプセルの構造の例を、制限すること無く以下に詳細に挙げる。第一の例によれば、少なくとも幾つかの活性成分の調節された放出を有する微粒子の各々が、
・活性成分(リバビリン)の修飾された放出のための少なくとも1つのコーティング
・前記コーティングで被覆された活性成分(リバビリン)の微粒子
を含む。好ましくは、活性成分(リバビリン)の微粒子は、活性成分(リバビリン)及び1つ又は複数の医薬品として許容される賦形剤を含む顆粒である。
【0053】
第二の例によれば、少なくとも幾つかの活性成分(リバビリン)の修飾された放出を有するマイクロカプセルの各々が、
・中性の核
・活性成分を含み、中性の核を被覆する少なくとも1つの活性層、及び
・活性成分(リバビリン)の修飾された放出のための少なくとも1つのコーティング
を含む。第1の可能性によれば、前記中性の核は、スクロース、及び/又はデキストロース、及び/又はラクトースを含有する。第2の可能性によれば、前記中性の核は、セルロースマイクロスフェアである。有利には、前記中性の核は、1から800μmの間、好ましくは20から500μmの間の平均直径を有する。前記活性層は、活性成分(ラミニン)に加えて、1つ又は複数の医薬品として許容される賦形剤を任意に含んで良い。例えば、この活性層は、活性成分、少なくとも1つの膨潤剤、少なくとも1つのバインダー、及び少なくとも1つの界面活性剤を含んで良い。
【0054】
活性成分の修飾された放出を有するマイクロカプセルのコーティングの組成物に関しては、本発明は、以下に記載の特異性を有するマイクロカプセルを選択することからなる。
【0055】
リバビリンの修飾された放出形態が、70%のリバビリンが1.5から16時間の期間に亘って放出されるような、1.5時間に亘ってpH1.4を維持し、次いでpH6.8に増大される溶解試験における放出プロフィールを有する第一の上記の実施態様と、下位の実施態様b)のリザーバータイプの変形例との組み合わせにおいて、マイクロカプセルコーティングは、好ましくは、リバビリンの修飾された放出を調節する少なくとも1つの層を含み、その組成物は、以下:
A.胃腸管の流動体に不溶性の少なくとも1つの皮膜形成(コ)ポリマー(A);
B.任意に、胃腸管の流動体に不溶性であり、胃腸管の流動体中でイオン化される基を有する少なくとも1つの親水性皮膜形成(コ)ポリマー(B);
C.胃腸管の流動体に可溶性の少なくとも1つの(コ)ポリマー
D.少なくとも1つの可塑剤(D);
E.任意に、少なくとも1つの界面活性剤及び/又は潤滑剤(E)
である。
【0056】
本発明の好ましい態様によれば、
*(A)は、以下のもの:
・セルロースの非水溶性誘導体、好ましくはエチルセルロース及び/又はセルロースアセテート、
・ポリビニルアセテート、
・及びそれらの混合物
からなる群から選択される。
*(B)は、水溶性の荷電したアクリル誘導体、好ましくは少なくとも1つの四級アンモニウム基を有するアクリル酸及びメタクリル酸エステルの(コ)ポリマーから選択され、(B)は、更に好ましくは、アルキル(メタ)アクリレート及びトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの少なくとも1つのコポリマーを含み、より正確にはEUDRAGIT(登録商標)RS及び/又はRLという商品名で市販されている製品、例えば粉末EUDRAGIT(登録商標)RL PO及び/又はEUDRAGIT(登録商標)RS PO、並びに/あるいは顆粒EUDRAGIT(登録商標)RL 100及び/又はEUDRAGIT(登録商標)RS 100、並びに/あるいはこれらのEUDRGIT(登録商標)RL及びRSの懸濁物及び/又は溶液、つまり各々EUDRAGIT(登録商標)RL 30D、及び/又はEUDRAGIT(登録商標)RS 30D、及び/又はEUDRAGIT(登録商標) RL 12.5、及び/又はEUDRAGIT(登録商標)RS 12.5を含む。
*(C)は、
・窒素(コ)ポリマー、好ましくはポリアクリルアミド、ポリ-N-ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)、及びポリ-N-ビニルラクタム;
・セルロースの水溶性誘導体;
・ポリビニルアルコール(PVA);
・ポリオキシエチレン(POE);及び
・それらの混合物
から選択される。ポリビニルピロリドンが特に好ましい。
*(D)は、
・セチルアルコールエステル;
・グリセロール及びそのエステル、好ましくは以下の亜群:アセチル化グリセリド、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリブチレート;
・フタレート、好ましくは以下の亜群:ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート;
・シトレート、好ましくは以下の亜群:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート;
・セバケート、好ましくは以下の亜群:ジエチルセバケート、ジブチルセバケート;
・アジペート;
・アゼレート;
・ベンゾエート;
・植物油;
・フマレート、好ましくはジエチルフマレート;
・マレート、好ましくはジエチルマレート;
・オキサレート、好ましくはジエチルオキサレート;
・スクシネート、好ましくはジブチルスクシネート;
・ブチレート;
・マロネート、好ましくはジエチルマロネート;
・ヒマシ油(これは特に好ましい);並びに
・これらの混合物
を含む群から選択される。
*(E)は、
・アニオン性界面活性剤、好ましくは以下の亜群:脂肪酸、ステアリン酸、及び/又は好ましくはオレイン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩;並びに/あるいは
・非イオン性界面活性剤、好ましくは以下の亜群:
-ポリオキシエチレン化油、好ましくはポリエチレン化水素化ヒマシ油;
-ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー;
-ソルビタンのポリオキシエチレン化エステル;
-ヒマシ油のポリオキシエチレン化誘導体;
-ステアレート、好ましくはカルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、アルミニウムステアレート、又は亜鉛ステアレート;
-ステアリルフマレート、好ましくはナトリウムステアリルフマレート;
-グリセリルベヘネート;並びに
-それらの混合物
を含む群から選択される。
【0057】
特定の有利な態様によれば、修飾された放出層の組成は、以下:
A.皮膜形成ポリマー(A)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで10から90重量%、好ましくは40から80重量%の割合で存在する;
B.任意の非水溶性親水性皮膜形成ポリマー(B)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで10から90重量%、好ましくは40から80重量%の割合で存在する;
C.胃腸管の流動体に可溶性のポリマー(C)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで2から25重量%、好ましくは5から20重量%の割合で存在する;
D.可塑剤(D)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで2から20重量%、好ましくは4から15重量%の割合で存在する;
E.任意の界面活性剤及び/又は潤滑剤(E)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで2から20重量%、好ましくは4から15重量%の割合で存在する
ものである。
【0058】
更に詳細には、特に質及び量についての詳細については、コーティング組成物の構成成分の少なくとも幾つかは、例えば、参照することによってその内容を本明細書に組み込む欧州特許EP-B-0 709 087又はPCT出願WO-A-2004/010983及びWO-A-2004/010984が参照されるであろう。
【0059】
2つの制御機構によってリバビリンがin vitroで放出される上述の第2の実施態様と、下位の実施態様b)のリザーバータイプの変形例との組み合わせでは、
活性成分(例えば、リバビリン)の修飾された放出を有するマイクロカプセルのコーティングは、以下:
・活性成分(例えば、リバビリン)の修飾された放出のためのコーティングは、
-中性のpHでイオン化する基を有する、少なくとも1つの親水性ポリマーA''、
-少なくとも1つの疎水性化合物B''
を含み;
40以下の質量分率(マイクロカプセルの全重量に対する重量%)を表わす
複合材料を含み;並びに
・平均直径が、2000μm未満、好ましくは50から800μmの間、更に好ましくは100から600μmの間である、
という特性を有する。
【0060】
他の有利な特性によれば、溶解度の低い活性成分の修飾された放出のためのコーティングの複合材料A''B''は、
→B''/A''重量比が、0.2から1.5の間、好ましくは0.5から1.0の間であり、且つ
→疎水性化合物B''が、固体状態で結晶であり、40℃以上の融点MpB、好ましくは50℃以上の融点MpB、更に好ましくは40℃以上90℃以下の融点MpBを有するものから選択される
ようなものである。
【0061】
好ましい態様によれば、親水性ポリマーA''は、
-A''.a (メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルのコポリマー、並びにそれらの混合物;
-A''.b セルロース誘導体、好ましくはセルロースアセテート、セルロースフタレート、セルローススクシネート、及びそれらの混合物、並びに更に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、及びそれらの混合物;並びに
-それらの混合物
から選択される。
【0062】
更に好ましいポリマーA''は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、C1-C6アルキル)エステルである。これらのコポリマーは、例えば、Rohm Pharma Polymers社によってEUDRAGIT(登録商標)シリーズL及びS(例えば、EUDRAGIT(登録商標)L100、S100、L30D55、及びL100-55)という商品名で市販されているものである。これらのコポリマーは、胃で接触するものよりも高いpHで水性媒体に可溶性のアニオン性腸溶性コポリマーである。
【0063】
好ましい実施態様によれば、化合物B''は、以下:
B''.a 単独又は混合物としての植物ワックス;
B''.b 単独又は混合物としての水素化植物油;
B''.c グリセロール及び少なくとも1つの脂肪酸のモノ及び/又はジ及び/又はトリエステル;
B''.d グリセロール及び少なくとも1つの脂肪酸のモノエステル、ジエステル、及びトリエステルの混合物;並びに
B''.e それらの混合物
の生産物の群から選択される。
【0064】
更に好ましくは、化合物Bは、以下の生産物:水素化綿実油、水素化ダイズ油、水素化パーム油、グリセリルベヘネート、水素化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、黄ロウ、固い脂肪若しくは坐剤の基剤に有用な脂肪、無水乳脂肪、ラノリン、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルステアレート、ラウリルマクロゴルグリセリド、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノステアレート、オメガ-3、並びにそれらの任意の混合物の群から、好ましくは以下の生産物:水素化綿実油、水素化ダイズ油、水素化パーム油、グリセリルベヘネート、水素化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、並びにそれらの任意の混合物の亜群から選択される。
【0065】
実際には、これに制限されるものではないが、化合物B''は、
・以下の商品名:Dynasan(登録商標), Cutina(登録商標), Hydrobase(登録商標), Dub(登録商標), Castorwax(登録商標), Croduret(登録商標), Compritol(登録商標), Sterotex(登録商標), Lubritab(登録商標), Apifil(登録商標), Akofine(登録商標), Softtisan(登録商標), Hydrocote(登録商標), Livopol(登録商標), Super Hartolan(登録商標), MGLA(登録商標), Corona(登録商標), Protalan(登録商標), Akosoft(登録商標), Akosol(登録商標), Cremao(登録商標), Massupol(登録商標), Novata(登録商標), Suppocire(登録商標), Wecobee(登録商標), Witepsol(登録商標), Lanolin(登録商標), Incromega(登録商標), Estaram(登録商標), Suppoweiss(登録商標), Gelucire(登録商標), Precirol(登録商標), Emulcire(登録商標), Plurol diisostearique(登録商標), Geleol(登録商標), Hydrine(登録商標), 及びMonthyle(登録商標)で市販されている生産物並びにそれらの混合物の群;
・以下のコード:E 901、E 907、及びE903の添加剤、並びにそれらの混合物の群;
・好ましくは以下の商品名:Dynasan(登録商標) P60, Dynasan(登録商標) 114, Dynasan(登録商標) 116, Dynasan(登録商標) 118, Cutina(登録商標) HR, Hydrobase(登録商標) 66-68, Dub(登録商標) HPH, Compritol(登録商標) 888, Sterotex(登録商標) NF, Sterotex(登録商標) K, Lubritab(登録商標)で市販されている生産物及びそれらの混合物の群
から選択されることが好ましい。
【0066】
第2の実施態様及び下位の実施態様b)の組み合わせの他の有利な特性によれば、活性成分(例えば、リバビリン)の修飾された放出のためのコーティングは、タルクを含まない。
【0067】
第二の実施態様及び下位の実施態様b)の組み合わせのマイクロカプセルの調製に関する更なる詳細に関しては、特に、活性成分を含む少なくとも1つの活性層と、活性成分の修飾された放出のための少なくとも1つの外側のコーティングとを使用する実施態様は、参照によってその内容を本明細書に取り込むPCT出願WO-A-FR03/030878の内容を参照する。
【0068】
以下に、第一の実施態様と下位の実施態様b)との組み合わせ、及び第二の実施態様と下位の実施態様b)との組み合わせの双方に共通な可能性がある特徴を記載する。
【0069】
多数のマイクロカプセルからなる形態は、多数のマイクロカプセルの間で分割されて投与されることが有利である(典型的には5000-50000)。制限されること無いが、本発明に係る経口リバビリン組成物は、
・活性成分(例えば、リバビリン)を含有する5000から50000マイクロ単位、又は
・活性成分(例えば、リバビリン)の修飾された放出を有する5000から50000マイクロ単位
を含む、一日に一回又は二回の経口用量の形態で提供され得るという点で特に有利であるであることが強調されるべきである。
【0070】
上述の多数の例によって説明した多数のマイクロカプセルは、哺乳動物によって非常に良好に許容される医薬形態を構成する。これらのマイクロカプセルは、全て、その生産が当業者によく知られた技術、例えば、流動空気床におけるスプレーコーティング、湿式造粒、圧縮、押し出し球形化などに従って単純且つ経済的に実施されるため、非常に有利である。
【0071】
有利には、マイクロカプセルのコーティングは、必須成分に加えて、当業者に既知の他の従来の成分、例えば、特に顔料又は色素、可塑剤、(例えばジブチルセバケート)、親水性化合物(例えば、セルロース及びその誘導体、又はポリビニルピロリドン及びその誘導体、並びにそれらの混合物)、フィラー、消泡剤などを含んで良い。
【0072】
有利な変形例によれば、本発明の化合物は、リバビリンの修飾された放出に寄与するマイクロカプセルコーティングが、単独のコーティング層又は単独のコーティング皮膜からなることを特徴とする。このことは、それらの調製を単純化し、コーティングの程度を制限する。量に関しては、前記単独のコーティング層は、例えば、最大でマイクロカプセルの40重量%、好ましくは最大で30重量%を占めて良い。コーティングのその様な制限された量が、全体として飲み込むことに関して許容されない大きさを超えること無く、活性成分の高用量を各々含有する医薬単位を生産することを可能にする。
【0073】
本発明によれば、マイクロカプセルにおけるリバビリンの割合(マイクロカプセルの全重量の乾燥ベースにおける重量%で表わされる)は5から90の間、好ましくは10から60の間、さらに好ましくは20から50の間である実用的な実施が更に好ましい。その様な装薬の最適化が得られる一方で、リバビリンの持続放出のためのコーティング賦形剤の量を制限する。その顕著な利点は、コーティング賦形剤の特定の組み合わせの選択によるものであって良く、例えば、上述の第一の実施態様A(B:任意)CD(E:任意)に従ってコーティングを調製する。更に好ましくは、このコーティングA(B:任意)CD(E:任意)は、例えば以下の組成(コーティング組成物の全重量に対する乾燥ベースにおける重量%):
A. 50から90、好ましくは40から80;
B. 0;
C. 5から20;
D. 4から15;
E. 0
を有する不浸透性のコーティングであって良い。
【0074】
マイクロカプセルの調製による他の顕著な特徴によれば、活性成分は、当業者に既知の方法、例えば、流動空気床における「スプレーコーティング」、湿式造粒、圧縮、押出粒形化などの技術によって核に堆積される。
【0075】
本発明に係る組成物は、リバビリンの修飾された放出を有するマイクロカプセルからなるマイクロ単位に加えて、マイクロカプセル以外のリバビリンのマイクロ単位を含んで良い。それらは、例えば、リバビリン及び/又は1つ若しくは複数の他の活性成分の即時放出を有する微粒子であろう。これらの即時放出マイクロカプセルは、有利にはコーティングされておらず、本発明に係るマイクロカプセルの調製において使用されるものと同じタイプのものであって良い。
【0076】
加えて、本発明の組成物を構成する全てのマイクロ単位(微粒子及び/又はマイクロカプセル)は、マイクロ単位の各種の集団からなって良く、これらの集団は、少なくともこれらのマイクロ単位に含有されるリバビリン以外の活性成分の性質、及び/又はリバビリンもしくは含有される他の任意の活性成分の量、及び/又はコーティングの組成、及び/又は修飾された放出又は即時放出集団であるという事実によって互いに異なる。
【0077】
好ましくは、即時放出を有する活性成分を含有するマイクロ単位は、コーティングされてない微粒子である。
【0078】
本発明に係る組成物は、粉末のサッシェ剤、液体懸濁物に再構成される多用量懸濁物のための粉末剤、錠剤、又はゼラチンカプセル剤の形態で提供されて良い。前記錠剤は有利には経口分散錠剤であり、ゼラチンカプセルは例えばマイクロカプセルを含有して良い。
【0079】
これらの錠剤、これらのゼラチンカプセル剤、これらの粉末剤、及びこれらの懸濁剤は、各種のマイクロ単位、特に本発明に係る活性成分のマイクロカプセルの混合物からなってよく、好ましくはそれらと、活性成分(例えば、リバビリン)の即時放出を有するマイクロ単位又は微粒子(例えば、顆粒)を組み合わせて良い。
【0080】
さらに、本発明は、好ましくは有利に経口的に分散する錠剤、粉末剤、又はゼラチンカプセル剤の形態の医薬品又は食餌、微粒子の経口医薬形態を形成するための、上述の活性成分の修飾された放出を有するマイクロカプセル、並びに任意に即時放出を有する活性成分を含有するマイクロ単位の使用を対象とするものであって良い。同じゼラチンカプセル、同じ錠剤、又は同じ経口懸濁物のための粉末剤において、異なるが、本発明の特性に含まれるリバビリン放出動態を有する少なくとも2種のマイクロカプセルを混合することが有利であって良いことに注意するべきである。本発明に係るマイクロカプセルと、生体内で即時に利用可能な一定量のリバビリンとを混合して良いことも想起されて良い。
【0081】
有利には、リバビリンの修飾された放出を有するマイクロカプセルを含有するか又は含有しない組成物は、当業者に既知の従来からの、例えば錠剤のマイクロカプセルを提供するために有用な医薬品として許容される賦形剤を含んでも良い。例えば、これらの賦形剤は、特に
・錠剤化する薬剤、例えばマイクロクリスタリンセルロース又はマンニトール
・染料
・崩壊剤
・流動剤、例えばタルク
・潤滑剤、例えばグリセリルベヘネート
・芳香剤、
・保存剤、並びに
・それらの混合物
であって良い。
【0082】
組成物製品が錠剤の形態である際は、その表示:色、外観、味の遮蔽などを改善するための当業者に既知の技術及び製剤によって被覆されて良い。
【0083】
用量に関しては、本発明に係る組成物は、
・20から400mg、
・50から800mg、
・50から1200mg、
・50から2000mg、又は
・50から3000mg
の間に含まれる1日の用量を有利に含んで良い。
【0084】
例えば、前記1日の用量は、400、800、1200、2000、及び3000を含む1日の用量(mg)の群から選択されて良い。
【0085】
本発明に係る新規のリバビリンに基づく組成物は、それらの構造、それらの表示、及びそれらの組成に関して独特であり、特に一日に一回又は二回の用量で、例えば上記の用量で経口投与されて良い。
【0086】
換言すると、本発明に係る経口リバビリン組成物は、一日に一回又は二回の経口用量に適する単位用量の形態で提供される。
【0087】
他の態様によれば、本発明は、上記のマイクロカプセル自体にも関する。
【0088】
最後に、本発明は、本発明に係る経口リバビリン組成物を患者に投与する工程を含む、患者のウイルス感染を治療する方法をも対象とする。
【0089】
好ましくは、この方法は、少なくともインターフェロンの治療上有効量を患者に共投与する工程を含む。
【0090】
更に好ましくは、この方法はC型肝炎を治療する方法である。
【0091】
更に、本発明の方法は、好ましくは錠剤、経口懸濁物のための粉末剤、安定な液体懸濁剤、あるいはゼラチンカプセル剤の形態の医薬品又は食餌(例えば、微粒子)の経口剤形を調製するための、上述の経口リバビリン組成物の使用も対象とする。
【0092】
本発明は、説明のためにのみ挙げられ、本発明を明確に理解させ、及び本発明の実施の変形例及び/又使用を各種の利点と共に明らかにすることを可能にする以下の実施例によって全体として更に説明されるであろう。
【実施例】
【0093】
(実施例1)
200mgリバビリンカプセル剤の調製
工程1:成層
720gのリバビリン及び80gのヒドロキシプロピルセルロース(Klusel(登録商標)EF)を、1800gの水に分散させる。その懸濁物を、次いで、Glatt(登録商標)GPCG1流動空気床装置において200gのセルロースの球体にスプレーする。
工程2:コーティング
850.0gの工程1で得られた顆粒を、Glatt(登録商標)GPCG1流動空気床装置において、エタノール/水(70/30% m/m)混合物に溶解した105gのエチルセルロース(Ethocel(登録商標) 20 Premium/Dow)、20gのポビドン(Plasdone(登録商標) K29/32/ISP)、15gのヒマシ油、及び10gのPEG40水素化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40/BASF)で被覆する。
工程3:カプセル化
326mgの工程2で得られた微粒子を、サイズ1のゼラチンカプセルに詰める。このカプセルは200mgのリバビリンを含有し、最終的な製品を構成する。
【0094】
(実施例2)
200mgリバビリンカプセル剤の調製
工程1:顆粒化
900gのリバビリン及び100gのヒドロキシプロピルセルロース(Klusel(登録商標)EF)を、高剪断造粒機(Aeromatic PMA1)において5分間混合する。この混合物を、次いで、200mgの水を添加して顆粒化した。その生産物を通風炉で40℃において乾燥させ、500μm格子に移動させる。200から500μmの間の画分をふるいによって選択する。
工程2:コーティング
450.0gの工程1で得られた顆粒を、Glatt(登録商標)GPCG1流動空気床装置において、エタノール/水(70/30% m/m)混合物に溶解した36gのエチルセルロース(Ethocel(登録商標) 20 Premium/Dow)、5gのポビドン(Plasdone(登録商標) K29/32/ISP)、5gのヒマシ油、及び4gのPoloxamer 188(Lutrol F-68/BASF)で被覆する。
工程3:カプセル化
247mgの工程2で得られた微粒子を、サイズ2elのゼラチンカプセルに詰める。このカプセルは200mgのリバビリンを含有し、最終的な製品を構成する。
【0095】
(実施例3)
200mgリバビリン錠剤の調製
工程1:顆粒化
920gのリバビリン及び80gのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)EF)を、高剪断造粒機(Aeromatic PMA1)において5分間混合する。この混合物を200gの水を添加して顆粒化する。その生産物を通風路において40℃で乾燥させ、500μm格子に移す。最後に200から500μmの間の画分をふるいによって選択した。
工程2:コーティング
400.0gの工程1で得られた顆粒を、Glatt(登録商標)GPCG1流動空気床装置において、アセトン/イソプロピルアルコール(60/40% m/m)混合物に溶解した72gのエチルセルロース(Ethocel(登録商標)20Premium/Dow)、12gのポビドン(Plasdone(登録商標) K29/32/ISP)、10gのヒマシ油、及び6gのPoloxamer 188(Lutrol F-68/BASF)で被覆する。
工程3:錠剤化
271gの工程2で得られた271gの微粒子を、Turbula mixerで120gのマイクロクリスタリンセルロース(Avicel PH101)、280gのマンニトール(Pearlitol SD200)、及び9gのマグネシウムステアレートと混合する。
680mgの錠剤が上述のKorsch alternating pressにおける混合により生じる。これらの錠剤は200mgのリバビリンを含有し、最終的な製品を構成する。
【0096】
(実施例4)
pH6.8におけるin vitro溶解プロフィール
実施例1、2、及び3のリバビリンカプセル剤又は錠剤のin vitro放出動態を測定した。溶解試験は、75rpmの速度のパドル及び37±0.5℃に維持されるpH6.8のリン酸緩衝液(0.05M KH2PO4/NaOH)の900mlの容器を備えるUSPタイプII装置において実施する。実施例1、2、及び3に記載の最終的な製品の放出プロフィールは図1に挙げる。図1に示すように、リバビリンのin vitro放出動態の大きな範囲が得られる。このことが、各種のin vivoにおける機能を有する製品を調製することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、実施例1、2、及び3に記載の最終的な製品の放出プロフィールを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リバビリンの生体吸収時間を増大することによって患者の治療を改善するための経口リバビリン抗ウイルス組成物であって、リバビリンの少なくとも1つの修飾された放出形態を含み、前記放出形態の生体吸収時間BATが、同じ用量で投与されるリバビリンの参照*即時放出形態の生体吸収時間BAT*より大きく、BATが好ましくは2から15時間の間、更に好ましくは4から12時間の間に含まれる、組成物。
【請求項2】
前記リバビリンの修飾された放出形態が、リバビリンの70%が1.5から16時間の間の期間に亘って放出されるような、pHが1.5時間に亘ってpH1.4に維持され、次いでpH6.8に増大される溶解試験における放出プロフィールを有する、請求項1に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項3】
少なくともインターフェロンの治療上有効量を含む、請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項4】
前記リバビリンの修飾された放出形態が、リバビリンの70%が1.5時間から15時間、好ましくは2から10時間、さらに好ましくは3から8時間の間の期間(t(70%)と示す)に亘って放出されるような、pH6.8における放出プロフィールを有する持続放出形態である、請求項2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項5】
前記リバビリンの修飾放出形態が、2時間からt(70%)の間の時間tの任意の値について、好ましくは1時間からt(70%)の間の時間tの任意の値について、溶解(放出)したリバビリンの%が35t/t(70%)以上である、pH6.8で0.05Mリン酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム緩衝媒体におけるin vitro放出プロフィールを有する、請求項4に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項6】
前記リバビリンの修飾された放出形態が、
-リバビリンの放出が、2つの異なる制御機構(一方はpHの変化に基づき、他方は胃における所定の滞留期間後に活性成分を放出させる)によって調節され;
-前記溶解プロフィールが、pH1.4の一定のpHで、7時間以下、好ましくは5時間以下、さらに好ましくは1から5時間の間の遅滞期を含み;並びに
- pH1.4からpH7.0への変化が、全く遅滞期無しで開始する放出期を生じさせる
ようなin vitro溶解動態を備える持続放出形態である、請求項2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項7】
前記リバビリンの修飾された放出形態が、
・リバビリンの20%未満が、pH1.4で2時間後に放出され;
・リバビリンの少なくとも50重量%が、pH1.4で16時間後に放出される
ような、in vitro溶解試験において測定されるin vitro溶解動態を有する、請求項6に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項8】
前記修飾された放出形態がリザーバータイプの形態である、請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項9】
前記修飾された放出形態がマトリックスタイプの形態である、請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項10】
前記修飾された放出形態が胃保持系である、請求項8又は9に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項11】
前記修飾された放出形態が多粒子形態である、請求項8又は9に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項12】
前記微粒子が、1000ミクロン以下であり、好ましくは20から800ミクロンの間に含まれ、より好ましくは50から600ミクロンの間に含まれる平均直径を有する、請求項4又は5に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項13】
前記微粒子が、2000μm未満、好ましくは50から800μmの間、さらに好ましくは100から600μmの間である平均直径を有する、請求項6に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項14】
前記修飾された放出形態が、リバビリンの修飾された放出を備える多数のマイクロカプセルを含むリザーバータイプの形態であり、これらのマイクロカプセルの各々がいくらかのリバビリンを含む微粒子からなり、リバビリンの修飾された放出のための少なくとも1つのコーティングで被覆されている、請求項11に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項15】
前記リバビリンマイクロカプセルコーティングが、リバビリンの修飾された放出を調節する少なくとも1つの層を含み、以下:
A)胃腸管の流動体に不溶性の少なくとも1つの皮膜形成(コ)ポリマー(A);
B)任意に、胃腸管の流動体に不溶性であり、胃腸管の流動体においてイオン化される基を有する少なくとも1つの非水溶性親水性皮膜形成(コ)ポリマー(B);
C)胃腸管の流動体に可溶性の少なくとも1つの(コ)ポリマー(C);
D)少なくとも1つの可塑剤(D);
E)任意に、少なくとも1つの界面活性剤及び/又は潤滑剤(E)
の組成を含む、請求項14に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項16】
*(A)が、以下の生産物:
・セルロースの非水溶性誘導体、好ましくはエチルセルロース及び/又はセルロースアセテート、
・ポリビニルアセテート、
・それらの混合物
の群から選択され;
*(B)は、水溶性の荷電したアクリル誘導体、好ましくは少なくとも1つの四級アンモニウム基を有するアクリル酸及びメタクリル酸エステルの(コ)ポリマーから選択され、(B)は、更に好ましくは、アルキル(メタ)アクリレート及びトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの少なくとも1つのコポリマーを含み;
*(C)は、
・窒素(コ)ポリマー、好ましくはポリアクリルアミド、ポリ-N-ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)、及びポリ-N-ビニルラクタム;
・セルロースの水溶性誘導体;
・ポリビニルアルコール(PVA);
・ポリオキシエチレン(POE);及び
・それらの混合物
から選択され、ポリビニルピロリドンが特に好ましく;
*(D)は、
・セチルアルコールエステル;
・グリセロール及びそのエステル、好ましくは以下の亜群:アセチル化グリセリド、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリブチレート;
・フタレート、好ましくは以下の亜群:ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート;
・シトレート、好ましくは以下の亜群:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート;
・セバケート、好ましくは以下の亜群:ジエチルセバケート、ジブチルセバケート;
・アジペート;
・アゼレート;
・ベンゾエート;
・植物油;
・フマレート、好ましくはジエチルフマレート;
・マレート、好ましくはジエチルマレート;
・オキサレート、好ましくはジエチルオキサレート;
・スクシネート、好ましくはジブチルスクシネート;
・ブチレート;
・マロネート、好ましくはジエチルマロネート;
・ヒマシ油(これは特に好ましい);並びに
・これらの混合物
を含む群から選択され;
*(E)は、
・アニオン性界面活性剤、好ましくは以下の亜群:脂肪酸、ステアリン酸、及び/又は好ましくはオレイン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩;並びに/あるいは
・非イオン性界面活性剤、好ましくは以下の亜群:
-ポリオキシエチレン化油、好ましくはポリオキシエチレン化水素化ヒマシ油;
-ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー;
-ソルビタンのポリオキシエチレン化エステル;
-ヒマシ油のポリオキシエチレン化誘導体;
-ステアレート、好ましくはカルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、アルミニウムステアレート、又は亜鉛ステアレート;
-ステアリルフマレート、好ましくはナトリウムステアリルフマレート;
-グリセリルベヘネート;並びに
-それらの混合物
を含む群から選択される、
請求項15に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項17】
前記修飾された放出層の組成が、
A.皮膜形成ポリマー(A)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで10から90重量%、好ましくは40から80重量%の割合で存在し;
B.任意の非水溶性親水性皮膜形成ポリマー(B)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで0から90重量%、好ましくは0から40重量%の割合で存在し;
C.窒素ポリマー(C)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで2から25重量%、好ましくは5から20重量%の割合で存在し;
D.少なくとも1つの可塑剤(D)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで2から20重量%、好ましくは4から15重量%の割合で存在し;
E.任意の界面活性剤及び/又は潤滑剤(E)が、コーティング組成物の全重量に対して乾燥ベースで2から20重量%、好ましくは4から15重量%の割合で存在する、
である、請求項16に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項18】
前記リバビリンマイクロカプセルコーティングが、リバビリンの修飾された放出を調節する少なくとも1つの層を含み、その組成が以下:
・活性成分の修飾された放出のためのコーティングは、
-中性のpHでイオン化する基を有する、少なくとも1つの親水性ポリマーA''、
-少なくとも1つの疎水性化合物B''
を含み;
40以下の質量分率(マイクロカプセルの全重量に対する重量%)を表わす
複合材料を含み;並びに
・前記マイクロカプセルが、2000μm未満の平均直径を有する、
である、請求項14に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項19】
低溶解度の活性成分の修飾された放出のためのコーティングの前記複合材料A''B''が、以下:
→B''/A''重量比が、0.2から1.5の間、好ましくは0.5から1.0の間であり、且つ
→疎水性化合物Bが、固体状態で結晶であり、40℃以上の融点MpB、好ましくは50℃以上の融点MpB、更に好ましくは40℃以上90℃以下の融点MpBを有するものから選択される
ようなものである、請求項17に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項20】
前記親水性ポリマーA''が、
-A''.a (メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルのコポリマー、並びにそれらの混合物;
-A''.b セルロース誘導体、好ましくはセルロースアセテート、セルロースフタレート、セルローススクシネート、及びそれらの混合物、並びに更に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート、及びそれらの混合物;並びに
-それらの混合物
から選択される、請求項18に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項21】
前記化合物B''が、以下の生産物:
B''.a 単独又は混合物としての植物ワックス;
B''.b 単独又は混合物としての水素化植物油;
B''.c グリセロール及び少なくとも1つの脂肪酸のモノ及び/又はジ及び/又はトリエステル;
B''.d グリセロール及び少なくとも1つの脂肪酸のモノエステル、ジエステル、及びトリエステルの混合物;並びに
B''.e それらの混合物
の群から選択される、請求項18に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項22】
化合物B''が、以下の生産物:
水素化綿実油、水素化ダイズ油、水素化パーム油、グリセリルベヘネート、水素化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、黄ロウ、固い脂肪若しくは坐剤の基剤に有用な脂肪、無水乳脂肪、ラノリン、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルステアレート、ラウリルマクロゴルグリセリド、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノステアレート、オメガ-3、並びにそれらの任意の混合物の群から、
好ましくは以下の生産物:
水素化綿実油、水素化ダイズ油、水素化パーム油、グリセリルベヘネート、水素化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、並びにそれらの任意の混合物の亜群から、
選択される、請求項21に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項23】
前記化合物B''が、
・以下の商品名:Dynasan(登録商標), Cutina(登録商標), Hydrobase(登録商標), Dub(登録商標), Castorwax(登録商標), Croduret(登録商標), Compritol(登録商標), Sterotex(登録商標), Lubritab(登録商標), Apifil(登録商標), Akofine(登録商標), Softtisan(登録商標), Hydrocote(登録商標), Livopol(登録商標), Super Hartolan(登録商標), MGLA(登録商標), Corona(登録商標), Protalan(登録商標), Akosoft(登録商標), Akosol(登録商標), Cremao(登録商標), Massupol(登録商標), Novata(登録商標), Suppocire(登録商標), Wecobee(登録商標), Witepsol(登録商標), Lanolin(登録商標), Incromega(登録商標), Estaram(登録商標), Suppoweiss(登録商標), Gelucire(登録商標), Precirol(登録商標), Emulcire(登録商標), Plurol diisostearique(登録商標), Geleol(登録商標), Hydrine(登録商標), 及びMonthyle(登録商標)で市販されている生産物並びにそれらの混合物の群;
・以下のコード:E 901、E 907、及びE903の添加剤、並びにそれらの混合物の群;
・好ましくは、以下の商品名:Dynasan(登録商標) P60, Dynasan(登録商標) 114, Dynasan(登録商標) 116, Dynasan(登録商標) 118, Cutina(登録商標) HR, Hydrobase(登録商標) 66-68, Dub(登録商標) HPH, Compritol(登録商標) 888, Sterotex(登録商標) NF, Sterotex(登録商標) K, Lubritab(登録商標)で市販されている生産物及びそれらの混合物の群
から選択される、請求項22に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項24】
前記リバビリンの一日の用量が、
・20から400mg、
・50から800mg、
・50から1200mg、
・50から2000mg、又は
・50から3000mg
の間に含まれる、請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項25】
一日に一回又は二回の経口投与に適する単位用量形態で提供される、請求項24に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項26】
粉末のサッシェ剤、液体懸濁物に再構成させるような複数用量懸濁物のための粉末剤、錠剤、又はゼラチンカプセル剤の形態で提供される、請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物。
【請求項27】
請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物を患者に投与する工程を含む、患者においてウイルス感染を治療する方法。
【請求項28】
少なくともインターフェロンの治療上有効量を患者に共投与する工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ウイルス感染がC型肝炎である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
好ましくは、錠剤、経口懸濁物のための粉末剤、安定液体懸濁剤、又はゼラチンカプセル剤の形態の、医薬品又は食餌(例えば、微粒子)の経口剤形を調製するための、請求項1又は2に記載の経口リバビリン組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2009−514784(P2009−514784A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515226(P2008−515226)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063070
【国際公開番号】WO2006/131566
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(505437321)フラメル・テクノロジーズ (14)
【Fターム(参考)】