説明

経口懸濁液用免疫抑制性マクロライド粉末

本発明は、懸濁液用粉末として高度な安定性を示す経口懸濁液用タクロリムス粉末を含む医薬品組成物であって、即席懸濁液として調製すると、ケーキ状の塊を生じることなく、同時に満足な風味と心地良い香りを有する医薬品組成物を開示する。本発明は、医薬品組成物を調製する方法及び同様の乾燥方法であって、タクロリムスと予めふるいにかけた薬学的に許容可能な担体とを適切な時間に渡って混合するステップを具える方法、並びに、移植器官の拒絶反応及びアトピー性皮膚炎を治療及び防止するための医薬品組成物の使用も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸濁液用粉末として高い安定性を示し、また、即席懸濁液として調製すると、ケーキ状の塊を生じることなく、満足な風味と心地よい香りがある、経口懸濁液用タクロリムス粉末を含む医薬品組成物を開示する。本発明は、タクロリムスと予めふるいにかけた薬学的に許容可能な担体とを適切な時間に渡って混合するステップを具える、前記医薬品組成物の調製方法及び同様の乾燥方法、並びに、移植器官の拒絶反応及びアトピー性皮膚炎を治療及び防止するための前記医薬品組成物の使用も開示する。
【背景技術】
【0002】
タクロリムスは、移植器官(主として肝臓及び腎臓)の拒絶反応の予防及び治療用に経口及び静脈内から一般に投与される免疫抑制医薬品である(Plosker GL,Foster RH.Tacrolimus:a further update of its pharmacology and therapeutic use in the management of organ transplantation.Drugs.2000,59(2):323−89)。また、タクロリムスは、アトピー性皮膚炎の治療用に局所的に使用される(Gonzalez de Olano D;Roan Roan J,de la Hoz Caballer D,Amaruch Garcia N,Moral Jimenez S,Murie A,Sanchez Cano M.Tacrolimus como tratamiento de la dermatitis atopica:estudio piloto observacional en la practica clinica(Tacrolimus as a treatment for atopical dermatitis:observational pilot study in clinical practice).Alergol.Inmunol.Clin.2003,18:269−273)。
【0003】
タクロリムスは、FKBP−12タンパクと結合して、タクロリムス−FKBP−12−カルシウム−カルモデュリン−カルシニューリン複合体を形成した後にその治療効果を発揮する。この複合体は、カルシニューリンのホスファターゼ活性を抑制し、従って、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、TNF−α及びGM−CSF)のなどのサイトカイン及びインターフェロンχ(IFN−χ)を形成する遺伝子の転写に干渉する核因子である活性化Tリンパ球(NF−AT)の核因子の脱リン酸化及び置換を防止する。これらのサイトカインは、Tリンパ球の活性化の第一ステップに関与しており、該ステップにおいては、タクロリムスが前記細胞伝達物質の活性化を抑制する。タクロリムスが、インビトロにおいて皮膚肥満細胞、好塩基球及び好酸球の伝達物質の放出を減少させることも示されている(Plosker GL,Foster RH.Tacrolimus:a further update of its pharmacology and therapeutic use in the management of organ transplantation.Drugs.2000,59(2):323−89)。
【0004】
経口投与後のタクロリムスの吸収は変化しやすく、低い溶解性及び胃腸運動によって影響される。肝移植を受けた患者に経口で(0.3mg/Kg/日)投与すると、平均1〜3時間以内で血流中最大濃度(Cmax)に到し、多くのケースにおいて3日後に定常状態の濃度に到する。生体有用性は、低く、4〜89%の範囲で非常に変わりやすく、また、食べ物の存在によって低下する。タクロリムスは、ほとんどの組織に分布しており、0.85〜1.94L/Kgの分布率と、タンパク(主としてアルブミン及びα1−グリコタンパク)に対する高い結合性(99%)を示す。タクロリムスは、総血漿中の赤血球に20:1の血液比率で結合する。タクロリムスは腸及び肝臓のシトクロムP450(CYP3A4)によって代謝され、それによる主要な代謝産物は、13−O−デスメチルタクロリムス及び15−O−デスメチルタクロリムスである。これらのいずれもが測定可能な程度の免疫抑制効果を有していない。除去半減期は12〜19時間の範囲で変動する。除去の主要な経路は胆汁であり(90%以上)、変化しない状態で1%未満が尿から排泄される(Bartlomiejczyk I,Zochowska D,Sanko−Resmer J,Matuszewicz D,Paczek L.Therapeutic monitoring of tacrolimus concentrations in blood of renal and liver transplant recipients:comparison of microparticle enzyme immunoassay and enzyme multiplied immunoassay methods.Transplant.Proc.2006,38(1):94−96);Venkataramanan R,Swaminathan A,Prasad T,Jain A,Zuckerman S,Warty V,McMichael J,Lever J,Burckart G,Starzl T.Clinical pharmacokinetics of tacrolimus.Clin.Pharmacokinet.1995,29(6):404−30)。
【0005】
タクロリムスは、バクテリアストレプトミセスツクバエンシスによって作られる、一般式C4469NO12、P.M.:804,02、mp127−129°(無水物)、C4469NO12xHO、P.M.:822,03(一水和物)を有するマクロライドである。タクロリムスは、化学的に、[3S−[3R[E(1S,3S,4S)],4S,5R,8S,9E,12R,14R,15S,16R,18S,19S,26aR]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチルエテニル]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−(2−プロペニル)−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトラオン,モノハイドレートに対応する。タクロリムスは、水に不溶性であり、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム及びジエチルエーテルに可溶性である(The Merk index−14edition)。
【0006】
今までに開発された商業用タクロリムス製品は、カプセル剤及び軟膏剤であり、あるいは、静脈内注射の形態でも与えられ、そのような形態は、安定性及び生体有用性に関する問題があり、年配者及び小児に投与するのが困難である。
【0007】
タクロリムスの生理化学的な特性、特に、水溶性及び吸湿性が低いことは、より高い安定性、消化管吸収性及び適切な生体有用性を確実に有する経口投与用医薬品組成物の製剤に好都合である。
【0008】
これらの不都合を解決するために様々な製剤が開発されており、ある場合には、そのような製剤をカプセル剤、錠剤及びシロップ剤などの経口投与用の剤型で組み込むことができる。固体分散液としては、腸溶性ポリマーを添加した固体分散液(WO2006052098)、2000nm未満のナノ粒子及び添加した表面安定剤(WO2006066063)、表面剤並びにエタノール及びポビドンなどの溶剤の添加を含む経口投与用の製剤(CN1919186−2007−02−28)、腸溶性被膜を有する固体分散液(US2006287352)、製剤が親水性媒体に溶解及び/又は分散しているか、又は、水に混和性であることによって、室温において分散固体又は固体溶液を形成する固体分散液(WO2005020994)、顆粒の形成(WO2007091109)、共同界面活性剤、界面活性剤及び油脂の添加によって調剤したエマルション(WO2006062334)が挙げられる。
【0009】
医薬製剤溶液の場合、タクロリムスのさらに高い溶解性は、溶液の表面張力を弱める薬剤である界面活性剤を加えて、水に溶けない様々な物質の溶解及び乳化を可能にすることによって達成される。通常、野菜由来又は動物由来の界面活性剤を用い、あるいは、合成陽イオン性化合物、陰イオン性化合物、又は、非イオン性化合物を用いる。しかしながら、タクロリムスの安定溶液を調製するために適切な界面活性剤を選択することは困難である。親水親油性バランス(HLB)及び臨界ミセル濃度(CMC)などの生理化学的特性の理由から、ヒマシ油ポリエチレンオキシドを用いることが望ましい(韓国特許第0177158号,Chung Y,Cho H.高水溶性タクロリムス誘導体の調製:プロドラッグとしてのポリ(エチレングリコール)エステル,Arch.Pharm.Res.2004,27(8):878−83)。
【0010】
リシン油脂としても知られているヒマシ油は、感作過敏性及び/又は胃腸障害を生じさせることがある。後者は、低カリウム血症を伴う加水分解異常も生じさせることがある刺激性緩下剤効果の結果として生じる。移植腎の拒絶反応を防ぐことが示されており、まして上記タクロリムスの副作用のうち、腹痛及び下痢を含む腎毒性や胃腸障害が見られる場合、タクロリムスを小児患者又は老年患者に投与すると上述の副作用とより関連性が高くなる。
【0011】
更に、懸濁液用粉末の医薬品組成物において、主たる障害は、組成物を再懸濁したとき及び効果期間中の組成物の安定性である。タクロリムスの場合には、長期保存後に沈殿する傾向があり、製剤の安定性が損なわれることがあり、また、それと共に有効成分量が減少することもある。
【0012】
Jacobson et al.及びHan et al.は、ora−plus及び一般的なシロップにおいて商業的に入手可能なタクロリムスカプセル剤の内容物が懸濁されている調製した液体経口製剤の物理的安定性及び微生物的安定性を評価した(Jacobson PA,Johnson CE,West NJ,Foster JA.Stability of tacrolimus in an extemporaneously compounded oral liquid.Am J Health Syst Pharm.1997,54(2):178−80;Han J,Beeton A,Long PF,Wong I,Tuleu C.Physical and microbiological stability of an extemporaneous tacrolimus suspension for paediatric use.J Clin Pharm Ther.2006,31(2):167−72)。著者らは、HPLCによって測定される懸濁液のタクロリムスの初期濃度の少なくとも98%が、色彩又はpHに変化がなく、バクテリア又は菌による汚染がなく、観察期間中(第0日、第7日、第15日、第45日及び第56日)を通して懸濁液中に維持されれば、調製した懸濁液が貯蔵条件下(24〜26℃)で安定であると仮定する。これらのパラメーターは、本発明で説明するものと同様に、製剤の安定性を決定していると考えることができる。
【0013】
基本的に、タクロリムスを含む製剤の調製方法は、有機溶剤、親水性ポリマーに有効成分を溶解させるステップと、界面活性剤を加えるか又はリポソームを形成するステップと、次いで、薬剤を乾燥及び調製するステップとを含んでおり、これらのステップによって製作の時間とコストが増大する。従って、適切な溶解性及び安定性品質を有しており、生物学的効果を確実に発揮する経口投与用タクロリムス製剤が必要である。同時に、単純な方法で、できるだけ少ないステップで、効率的に、安価に、かつ、特殊実験室装置を必要とせずにこの製剤を生産すべきである。
【発明の概要】
【0014】
本出願は、即席で懸濁液を調製すると、化学的に安定であり、ケーキ状の塊を生じることなく、微生物汚染がなく、経口投与の固体形態と比較して、良い味、心地よい香り及び改善された生体有用性をさらに有する、経口懸濁液用の安定な粉末状医薬品組成物を開示する。
【0015】
上記特性は、懸濁液を再懸濁するときにpH3.5〜4.5の水性懸濁液を与えて有効成分の分解を防ぐ緩衝物質を混合することによって、及び、増粘剤、保存剤、稀釈剤、抗被着剤、甘味料、着色剤及び着香料などの薬学的に許容可能な添加剤を添加することによって可能である。
【0016】
薬学的に許容可能な添加剤は:バッファーとして、クエン酸並びに無水クエン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム二水和物などの薬学的に許容可能なその塩(最終製剤重量の0.5〜10.0%);増粘剤として、グアーガム、キサンタンガム、トラガント、カルメロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルアルコール、カルボマー、ゼラチン、マルトデキストリン及びポリデキストロース(最終製剤重量の0.5〜10.0%);保存剤として、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸フェニル水銀、フェニル硝酸水銀、プロピオン酸ナトリウム及びチオマーサル(最終製剤重量の0.1〜5.0%);稀釈剤として、ソルビトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、フルクトース、カオリン、炭酸マグネシウム、マルトース、微結晶性セルロース及びα澱粉(最終製剤重量の10.0〜95.0%);抗被着剤として、コロイドシリカジオキシド、ステアリン酸カルシウム、酸化マグネシウム及び滑石(最終製剤重量の0.1〜5.0%);甘味料として、スクラロース、スクロース、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、フルクトース、マルトース及びソルビトール(最終製剤重量の0.1〜5.0%);着香料として、トゥッティフルッティエッセンス、バニラエッセンス及びメントール(最終製剤重量の0.1〜5.0%);着色剤として、食品医薬品化粧品法イエローNo.6、食品医薬品化粧品法レッドNo.40、β−カロチン及び酸化鉄(最終製剤重量の0.001〜0.5%)、から選択される。
【0017】
本発明によって得られる製剤は、水中で再懸濁させると、わずかに撹拌するだけで容易に再懸濁され、ケーキ状の塊を生じることなく、密度が1.05〜1.11g/mLの、pHが3.5〜4.5の液体懸濁液が生じる粉末である。
【0018】
大多数のタクロリムス懸濁液は、懸濁液を安定化させるための界面活性剤を含んでいる。驚いくべきことに、本発明の製剤は、界面活性剤を含まずに、これによって、感覚過敏性、及び/又は、小児科及び老人患者で主として見られるこれらの種の物質に特徴的な胃腸障害を防止しながら、安定な懸濁液を可能にする。この挙動は、当業者に全く予測可能できないものである。
【0019】
更に、提案されているこの医薬品組成物は、タクロリムスを有機溶剤中に溶解させる必要がなく、また、製剤コストを増加させる保護膜、ナノ粒子又は顆粒を製剤する必要ないという長所がある。
【0020】
本発明に記載されている新規でかつ安価な調製方法は、製剤の各成分をふるいにかけるステップと、稀釈剤から始めてタクロリムス及び着色剤で終える異なる成分をミキサーに加えるステップと、(20〜30分間)適切に混合するステップと、包装した包装容器内に置き、バイアルに分注するステップとを具える。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施例
表1は、本発明で提案されているタクロリムス1mg/mLの医薬品組成物の例を示している。

【0022】
本発明で提案されている懸濁液用タクロリムス粉末の医薬品組成物を製作する方法は下記ステップを具える。
1.No.40メッシュで製剤の成分をふるいにかける。
2.適切な大きさのミキサー内にすべての成分を置き、選択した添加剤で処理を開始し、製剤の外見の逆順で続け、タクロリムス及び着色剤で終えるように、20〜30分間混合する。
3.ポリエチレンバッグで2重に包装した包装容器内に置く。
4.適切な大きさのバイアル瓶、好ましくは、安全性カバーを有する琥珀色のヨーロッパ加水分解タイプIII中に分注する。
【0023】
実施例1の医薬品組成物は、前記方法を用いて生産され、再懸濁させたときに懸濁液の全使用期間に渡ってその生理化学的特性及び微生物学特性を保持する。
【0024】
医薬品組成物の安定性試験(実施例1)
プラスチック安全カバーを有する琥珀色ヨーロッパ加水分解タイプIIIバイアル瓶内に含まれている懸濁液(1mg/mL)に対してタクロリムス粉末7gを、20mLの精製水で再懸濁して、25mLの懸濁液を得て、25℃±2℃、60%±5%の相対湿度で維持した。懸濁液を調製してから8日後、15日後、22日後及び30日後に、視覚的外観、pH、タクロリムス量(滴定)及び不純物量を評価し、懸濁液を再懸濁したときに示された特性(初期条件)と比較した。
【0025】
実施例1の懸濁液に対してタクロリムス粉末を水で再懸濁した懸濁液について独立に実施した3つの安定度試験の結果を表2、表3及び表4に示す。
【0026】
これらの結果(表2、表3及び表4)は、懸濁液が全評価期間を通して流動性、オレンジ色、果実の香り及び甘味を保持したことを示している。pHは3.5〜4.5の最適な範囲内で保持され、観察された変動は3.5%未満であった。活性主要成分であるタクロリムスの量は、わずかな減少を示しており、その減少は第30日に5%未満である。開始時及び第8日目にクロマトグラフィーによって不純物は検出されず、第30日において2%未満であった。このことは、再懸濁させた懸濁液の有効期間中に、製剤に用いる有効成分又は薬学的に許容可能な添加剤の分解生成物が生じていないことを示している。
【0027】
物理的なデータ及び化学的安定性データに基づくと、本発明において説明されている製剤に選択すべき包装材料部材は、プラスチックの安全性カバーを有する琥珀色加水分解タイプIIIのバイアル瓶である。また、直射日光が遮られた25℃を超えない、涼しくかつ乾燥した保存条件を選択すべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクロリムス又は薬学的に許容可能なその塩の1つの経口懸濁液用粉末と、高度な安定性を示すその水和物又は溶媒和物と、薬学的に許容可能な添加剤と、を含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の医薬品組成物において、前記薬学的に許容可能な添加剤が、バッファー、増粘剤、抗被着剤、保存剤、稀釈剤、甘味料、着色剤及び着香料に少なくとも相当することを特徴とする医薬品組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医薬品組成物において、前記バッファーが、0.5〜10.0重量%の濃度のクエン酸及び薬学的に許容可能なその塩から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記増粘剤が、0.5〜10.0重量%の濃度の、グアーガム、キサンタンガム、トラガント、カルメロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルアルコール、カルボマー、ゼラチン、バクガデキストリン及びポリデキストロース又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記保存剤が、0.5〜10.0重量%の濃度の、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸フェニル水銀、フェニル硝酸水銀、プロピオン酸ナトリウム及びチオマーサル又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記稀釈剤が、10.0〜95.0重量%の濃度の、ソルビトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、フルクトース、カオリン、炭酸マグネシウム、マルトース、微結晶性セルロース及びαデンプン又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記抗被着剤が、0.1〜5.0重量%の濃度の、コロイドシリカジオキシド、ステアリン酸カルシウム、酸化マグネシウム及び滑石又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記甘味料が、0.1〜5.0重量%の濃度の、スクラロース、スクロース、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、フルクトース、マルトース及びソルビトール又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記着香料が、0.1〜5.0重量%の濃度の、トゥッティフルッティエッセンス、バニラエッセンス及びメントールから選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬品組成物において、前記着色剤が、0.001〜0.5重量%の濃度の、食品医薬品化粧品法イエローNo.6、食品医薬品化粧品法レッドNo.40、β−カロチン及び酸化鉄又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬品組成物を調製する方法において、製剤の各成分をふるいにかけるステップと、ミキサーへの前記各成分の添加をソルビトールから開始してタクロリムス及び着色剤で終えるようにして20〜30分間混合するステップと、その混合物を包装容器内に置いてバイアル瓶に分注するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬品組成物の使用であって、移植器官の拒絶反応及びアトピー性皮膚炎の予防及び治療に主として用いられる薬剤を調製するように用いることを特徴とする使用。


【公表番号】特表2011−511059(P2011−511059A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545589(P2010−545589)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050455
【国際公開番号】WO2009/098649
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510196796)
【氏名又は名称原語表記】IGLOO ZONE CHILE S.A.
【出願人】(510196785)
【氏名又は名称原語表記】GYNOPHARM S.A.
【Fターム(参考)】