説明

経口投与用シクロスポリン、プロピレングリコールエステルおよび非イオン性界面活性剤含有医薬組成物。

本出願は、水または消化管液への暴露で5ミクロン未満の粒径を有するエマルションを形成する、均一溶液の形態で経口投与に適した医薬組成物であって、該溶液は以下、(a)医薬上有効量のシクロスポリンと、(b)8〜10の炭素原子を有する脂肪酸またはそのような脂肪酸の混合物と、プロピレングリコールとの、モノ−およびジエステルの混合物を含むキャリア媒体であって、該モノエステルが該混合物の60モル%未満を構成する、および(c)10より大きい親水性/親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤とを含む前記組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物に、特にシクロスポリンのマイクロエマルション濃縮液に関する。
【背景技術】
【0002】
シクロスポリンは、重要な薬理学的活性、特に免疫抑制活性、抗炎症活性、および/または駆虫性活性を有する環状ウンデカペプチドのクラスである。初めて単離されたシクロスポリンであり、そして最も一般に既知であるシクロスポリンは、シクロスポリンAであり、その配合物は、SANDIMMUNE(登録商標)およびNEORAL(登録商標)の商品名で市販されている。
【0003】
シクロスポリンは、非常に親油性かつ疎水性の化合物であり、これは水にはやや溶けにくいが、メタノール、エタノール、クロロホルムなどの有機溶媒には容易に溶解する。水への溶解性が低いことは、経口で投与された場合のシクロスポリンのバイオアベイラビリティを極度に低くしている。これは、より多くの投薬量を必要とさせ、その結果望ましくない副作用の可能性を導く可能性がある。それゆえ、経口で投与された場合に体内に治療上有効濃度の薬物を提供することは、大きな挑戦である。経口投与に有効なシクロスポリン配合物を見いだすために鋭意探索が行われてきた。従来技術により提案された、経口投与に適したシクロスポリン製剤が多数存在している。
【0004】
従来技術の経口投与用シクロスポリン配合物は、界面活性剤、油、および共界面活性剤(co-surfactant)との組み合わせに関するものが多い。そのような配合物は、飲用する前に水で希釈することが意図されてきた。しかしながら、これはかなり不便であり、かつまた得られる水性組成物は不快な風味を有する。
【0005】
経口投与前に水で組成物を希釈しなければならないこと、および得られる溶液の不快な風味という問題を少しでも軽減するために、液体組成物は軟カプセル製剤に配合されてきた。例えば、SANDIMMUNE(登録商標)の商品名で市販されている配合物は、ゼラチン殻の軟カプセルに封入されている。その配合物は、シクロスポリンを可溶化するために、エタノールを含有している。しかしながら、エタノールはカプセルのゼラチン殻を透過することが可能であり、そして室温で揮発する。このことは、内容物の組成が貯蔵の間に変化し得ることを意味する。あまりに多くのエタノールが失われた場合、シクロスポリンは、バイオアベイラビリティへの悪影響を伴って組成物から析出する可能性がある。これは、投薬量についての不確実性をもたらす。
【0006】
米国特許第4,388,307号は、少なくとも一種の以下の成分、
a)天然または硬化植物油トリグリセリドとポリアルキレンポリオールとのエステル交換生成物と、
b)飽和脂肪酸トリグリセリドと、
c)モノまたはジグリセリドと、
と一緒にシクロスポリンを含有する組成物を開示している。さらなる可溶化剤としてエタノールが用いられることが好ましく、かつ実施例で開示される経口投与用組成物は全て、エタノールを含有する。
【0007】
米国特許第5,342,625号は、マイクロエマルション濃縮液(pre-concentrate)およびマイクロエマルション形態中にシクロスポリンを含有する医薬組成物を開示している。組成物は、親水相、親油相、および界面活性剤を含む組成物中に処理されたシクロスポリンを含有する。親水相は、1,2−プロピレングリコールまたはR−(O−(CH))−ORを含み、式中、Rは、C1〜5アルキルまたはテトラヒドロフルフリル基であり、Rは、C1〜5アルキルもしくはテトラヒドロフルフリル基であるかまたは水素であり、そしてXは1〜6である。親油相は、一般的には脂肪酸トリグリセリドを含む。組成物は、共溶媒として、エタノールなどのC1〜5アルカノールを含んでもよい。しかしながら、米国特許第5,342,625号に開示される組成物は、経口使用について「一般に安全と認められる」(GRAS)とは見なされていないためにFDAを含む世界中の監督庁のいくつかにより医薬的使用が制限されている成分を含んでいる。
【0008】
米国特許第5,759,997号は、シクロスポリン、脂肪酸トリグリセリド、およびグリセリン脂肪酸部分エステルあるいはプロピレングリコールまたはソルビトールの完全または部分エステルを含有する医薬組成物を開示している。組成物はまた、天然植物油トリグリセリドとポリアルキレンポリオールとのエステル交換生成物などの粘度減少剤(viscosity reducer)を含んでもよい。エタノールもまた使用され得るが、あまり好ましくはない。組成物はまた、乳化剤、好ましくは少なくとも10の親水性/親油性バランス(HLB)を有する界面活性剤(tenside)を含んでもよい。
【0009】
米国特許第6,057,289号は、シクロスポリンおよび以下、
(a)基本的にC〜C22脂肪酸からなるシクロスポリン可溶化剤と、
(b)水溶性非イオン性界面活性剤と、
を含むキャリアを含む医薬組成物を開示している。界面活性剤は、10より大きい親水性/親油性バランス(HLB)を有するべきであり、そして適した界面活性剤として、硬化植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油またはポリエトキシル化硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体などが挙げられる。組成物は、水性媒体との接触でマイクロエマルションを形成するためのものである。
【0010】
米国特許第5,858,401号は、シクロスポリン、少なくとも50%のモノグリセリド含量を有するC〜C12脂肪酸の中鎖モノグリセリド、および少なくとも1種の界面活性剤を含有する組成物を開示している。界面活性剤は、例えば、400〜2000の間のPEG分子量およびC〜C18の間の脂肪酸鎖長を有するポリグリコール化グリセリドまたはエトキシ化グリセリドであってもよい。組成物は、水性媒体との接触でマイクロエマルションを形成するためのものである。
【0011】
国際公開00/33862号パンフレットは、C−C18脂肪酸のプロピレングリコールモノエステルを含むシクロスポリン配合物を開示している。使用している前記者エステルの含量は、一般的には90%より多く、通常100%である。この公報の比較例2は、45−50%のモノエステル含量のプロピレングリコールラウレートが使用されるときシクロスポリンは溶解せず、2週間後に沈殿および析出の増加が起こったことを示している。
【0012】
当該技術分野の記述を考慮すると、経口投与に適したさらなるシクロスポリン配合物、特に軟ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤に配合され得り、かつエタノールなどの揮発性成分の使用を回避するエマルション濃縮液(すなわち、水または消化管液への暴露で5ミクロン未満の粒径を有するエマルションを形成する均一溶液)、好ましくはマイクロエマルション濃縮液であり、かつ一般に安全と認められる(GRAS)化合物を利用するものを提供することが望ましいことが明らかである。
【0013】
シクロスポリン配合物のもうひとつの問題は、前記配合物の潜在的(potential)吸湿性である。前記配合物による水の吸収を減らすことが、前記配合物の安定性には明らかに重要である。しかしながら、搬送形態が軟カプセル剤であるとき、前記軟カプセル剤から水が吸収されると、その殻が脆くなるため、このことが特に重要である。
【0014】
高いシクロスポリン濃度を有し得り(それにより、所定の投薬量に要求されるカプセルの大きさを減少させる)、高い経口バイオアベイラビリティを示し、かつ貯蔵に際して安定である(特にシクロスポリンの析出に対して安定である)、経口投与用シクロスポリン配合物を提供することも引き続いて必要とされている。配合物は可能な限り少ない成分を有するべきであり、それにより製造を容易にすることもまた望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、少なくてもある程度これらの要件を満たす、シクロスポリン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、水または消化管液への暴露で5ミクロン未満の粒径を有するエマルションを形成する、均一溶液の形態で経口投与に適した医薬組成物であって、該溶液は以下、
(a)医薬上有効量のシクロスポリンと、
(b)8〜10の炭素原子を有する脂肪酸またはそのような脂肪酸の混合物と、プロピレングリコールとの、モノおよびジエステルの混合物を含むキャリア媒体であって、該モノエステルは該混合物の60モル%未満を構成する、および
(c)10より大きい親水性/親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤とを含む前記組成物提供する。
【0017】
本発明は、上記(b)に定義されるとおりのキャリア媒体がシクロスポリンにとって特に良好な溶媒媒体となり、それゆえ、エタノール、プロピレングリコールなどの共溶媒を除くことが可能になるという発見に一部基づく。本発明による組成物は、したがって、好ましくはそのような共溶媒(co-solvent)を有さず、そして特に好ましくは、エタノールを含有しない。
【0018】
驚いたことに、国際公開00/33862号パンフレットの教示に関し、本願発明では、C−C10脂肪酸を使用することを条件に、60%未満、好ましくは50と60%の間のモノエステル含量で用いられるとき、その時はシクロスポリンの効果的な安定化が得られうる。従って、的確な脂肪酸およびモノエステル含量がシクロスポリンを効果的に安定にする。さらに、モノエステル含量の軽減が、配合物の吸湿性を軽減する。
【0019】
本発明による組成物は、好ましくは、感知される(appreciable)量の水を含有しない、すなわちそれらは実質的に無水である。
【0020】
本発明による組成物は、貯蔵に際して優れた安定性を示し、そして組成物中、高濃度のシクロスポリンが達成され得る。
【0021】
本発明による組成物は、in vivoでのシクロスポリンの優れたバイオアベイラビリティを示す均一混合物である。
【0022】
シクロスポリンは、好ましくはシクロスポリンAである。シクロスポリンは、好ましくは組成物の1〜25重量%を構成し、より好ましくは組成物の5〜20重量%を構成し、そして最も好ましくは組成物の15〜20重量%を構成する。シクロスポリンは、本発明の組成物中、医薬上有効量で存在する。それらの量は、当該技術分野で既知である。例えば、慢性炎症を治療するかまたは免疫抑制効果を誘発する場合、一日量は約3mg/kg〜約50mg/kgの範囲であることが好ましい。
【0023】
キャリア媒体は、好ましくは組成物の20〜80重量%を構成し、より好ましくは組成物の35〜60重量%を構成し、そして最も好ましくは組成物の40〜55重量%を構成する。キャリア媒体において、モノエステルが、好ましくは、モノ−およびジエステルの混合物の50と60モル%の間で構成される。
【0024】
特に好ましい実施形態において、キャリア媒体は、カプリン酸およびカプリル酸とプロピレングリコールとの、モノ−およびジエステルの混合物から成る。もう1つの特に好ましい実施形態において、キャリア媒体は、カプリル酸とプロピレングリコールとの、モノ−およびジエステルの混合物から成る。適切な製品が、IMWITOR(登録商標)408およびCAPRYOL(登録商標)PGMCとして入手可能である。
【0025】
非イオン性界面活性剤は、好ましくは組成物の5〜60重量%を構成し、より好ましくは組成物の20〜50重量%を構成し、そして最も好ましくは組成物の30〜40重量%を構成する。
【0026】
非イオン性界面活性剤の親水性/親油性バランス(HLB)は、10より大きく、より好ましくは12より大きく、そして最も好ましくは14より大きい。
【0027】
非イオン性界面活性剤は、消化管内など、水性流動体と接触した時に、組成物の安定なエマルションを、好ましくは微細なエマルション(1ミクロン未満の粒径)を、そして最も好ましくはマイクロエマルションを形成し得なければならない。
【0028】
好ましくは、上記非イオン性界面活性剤は、硬化植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体からなる群より選択される。特に好ましい界面活性剤を表1に記載する。これらの界面活性剤の混合物も使用することができる。
【0029】
【表1】

【0030】
本発明による医薬組成物は、さらに抗酸化剤を含んでもよい。この抗酸化剤は、存在する場合には、好ましくは組成物の0.01%〜2重量%の量で、そしてより好ましくは組成物の0.5〜1重量%の量で存在する。抗酸化剤は、任意の適した抗酸化剤であってよく、そのようなものは当業者に既知である。特に好ましい抗酸化剤は、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、およびα−トコフェロールである。
【0031】
製薬分野で通常使用される他の添加剤、賦形剤、および希釈剤は、任意選択的に、組成物に添加され得る。それらには、増粘剤、分散剤、香味剤、甘味剤、着色剤、安定化剤(pH安定化剤を含む)、および保存剤が挙げられる。しかしながら、本発明の組成物は、好ましくは、請求項1に定義される成分のみからなるか、または少なくとも、請求項1に定義される成分を、少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、そしてより好ましくは少なくとも98重量%含む。
【0032】
本発明による医薬組成物は、飲料として、または硬カプセルもしくは軟カプセルとして配合されうる。軟カプセル配合物が特に好ましい。ゼラチンカプセル剤もまた好ましい。
【0033】
本発明による医薬組成物は、室温または上限40℃の温度などそれよりわずかに高い温度で、透明な溶液が得られるまで、キャリア媒体、シクロスポリン、および界面活性剤を一緒に、均一かつ完全に混合し、次いで組成物を室温に冷却することにより、都合良く調製され得る。次いで、上記で示される他の添加剤がそれらとともに完全に混和される。シクロスポリンは溶液のままであり、かつ結晶化も析出もしない。
【0034】
本発明による組成物は、好ましくは哺乳類、および特にヒトへ投与するためのものである。本発明の医薬組成物は、カプセル、経口用液体、飲料などの形態で投与されることが好ましい。好ましい一実施形態において、組成物は、経口単位剤形で経口投与に適合した形態にある。好ましい経口剤形を代表するカプセル剤、例えば、軟または硬ゼラチンカプセル剤は、経口投与に特に適した単位剤形である。
【0035】
本発明による経口単位剤形は、5〜400mgそしてより好ましくは20〜200mgの、例えば、25、50、100、125、150、または200mgのシクロスポリンを適切に含む。薬物の投薬量および患者への投与回数は、患者の年齢、患者の症状の重篤度、および過去の医療歴などの複数の要因によって変わるだろうし、担当医師により決められるべき事柄であるだろう。
【0036】
本発明の組成物が軟カプセルまたは硬カプセルの形態で調製される場合、組成物は、任意の従来の可塑剤を含むゼラチン殻中に封入され得る。適した可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、ヘキサントリオール、炭酸プロピレン、ヘキサングリコール、ソルビタン、テトラヒドロフリルアルコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−トリメチル−2−イミダゾリドン、ジメチルイソソルビド、およびそれらの混合物である。しかしながら、可塑剤は、まさに記載されるものに限定されず、かつ任意の適した可塑剤が使用され得る。
【0037】
封入は、当該技術分野で既知である標準技法により達成され得る。
【0038】
本発明による組成物は、シクロスポリンの高い溶解性を示し、それによりカプセルまたは他の経口単位剤形の大きさを減少させる。それらはまた、経口使用についてGRASである材料のみを用いる。
【0039】
本発明はここで、以下の実施例を参照してさらに記載されるだろう。それらは本発明を例示することを意図されており、その範囲を制限するものではないことが理解される。
【実施例】
【0040】
実施例では、成分を表2に示される量で用いた。シクロスポリンAをキャリア媒体に溶解させ、界面活性剤を加え、そして溶液が均一になるまで、室温で10分〜30分間、混合物を混ぜた。
【0041】
次いで、溶液を上限24時間で終夜貯蔵し、結晶化が起こらないことを確認した。
【0042】
【表2】

【0043】
エマルションが形成されることを検証するため、各組成物の1部を10部の水に加えて穏やかに撹拌した。5ミクロン未満の粒径を有する微小エマルションが形成され、そして、シクロスポリンAは析出も結晶化もしなかった。
【0044】
組成物は、硬または軟ゼラチンカプセルに封入するのに適している。
【0045】
比較例
キャリア媒体が、カプリン酸/カプリル酸とプロピレングリコールのジエステル(MIGLYOL(登録商標)840)(比較例1);ラウリン酸とプロピレングリコールとのモノ−およびジエステルの混合物(LAUROGLYCOL FCC)(比較例2);およびカプリン酸/カプリル酸のモノおよびジ-グリセライドの混合物(CAPMUL(登録商標)MCM)(比較例3)である類似例と実施例1の配合物を比較した。
【0046】
前記組成物は、透明な溶液が形成されるまで、表3で設定された成分を室温で混合することによって調製した。生じた溶液を室温で4週間維持し、そして比較した。結果を表4に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
吸湿性試験
吸湿性試験では、モノエステル含量が約90%のC脂肪酸のポリプロピレングリコールエステル(国際公開00/33862号参照)は、軟ゲルカプイセルから水分を3〜4%吸収するにもかかわらず、本願発明で使用するようなモノエステル含量が50%と60%の間のC脂肪酸のポリプロピレングリコールエステルは、水分を1〜2%のみ吸収する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または消化管液への暴露で5ミクロン未満の粒径を有するエマルションを形成する、均一溶液の形態で経口投与に適した医薬組成物であって、該溶液は以下、
(a)医薬上有効量のシクロスポリンと、
(b)8〜10の炭素原子を有する脂肪酸またはそのような脂肪酸の混合物と、プロピレングリコールとの、モノ−およびジエステルの混合物を含むキャリア媒体であって、該モノエステルが該混合物の60モル%未満を構成する、および
(c)10より大きい親水性/親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤とを含む前記組成物。
【請求項2】
前記モノエステルが、モノ−およびジエステルの混合物の50および60モル%の間を構成する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記シクロスポリンは、前記組成物の1〜25重量%を構成する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記シクロスポリンは、前記組成物の5〜20重量%を構成する、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記キャリア媒体は、前記組成物の20〜80重量%を構成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記キャリア媒体は、前記組成物の35〜60重量%を構成する、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤は、前記組成物の5〜60重量%を構成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記非イオン性界面活性剤は、前記組成物の20〜50重量%を構成する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記キャリア媒体が、カプリン酸およびカプリル酸と、プロピレングリコールとの、モノ−およびジエステルの混合物から成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記キャリア媒体が、カプリル酸とプロピレングリコールとの、モノおよびジエステルの混合物から成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記非イオン性界面活性剤は、硬化植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体からなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記非イオン性界面活性剤は、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、PEG−30硬化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン40ヒマシ油、ポリオキシエチレン60ヒマシ油、ポリオキシエチレン35ヒマシ油、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
抗酸化剤を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記抗酸化剤は、前記組成物の0.01重量%〜2重量%の量で存在する、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記抗酸化剤は、BHA、BHT、およびα−トコフェロールからなる群より選択される、請求項13または請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記シクロスポリンはシクロスポリンAである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
飲料として配合される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
硬カプセルまたは軟カプセルとして配合される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または消化管液への暴露で5ミクロン未満の粒径を有するエマルションを形成する、均一溶液の形態で経口投与に適した医薬組成物であって、該溶液は以下、
(a)医薬上有効量のシクロスポリンと、
(b)8〜10の炭素原子を有する脂肪酸またはそのような脂肪酸の混合物と、プロピレングリコールとの、モノおよびジエステルの混合物を含むキャリア媒体であって、該モノエステルが該混合物の50および60モル%未満の間を構成する、および
(c)10より大きい親水性/親油性バランス(HLB)を有する非イオン性界面活性剤を含む前記組成物。
【請求項2】
前記シクロスポリンは、前記組成物の1〜25重量%を構成する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記シクロスポリンは、前記組成物の5〜20重量%を構成する、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記キャリア媒体は、前記組成物の20〜80重量%を構成する、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記キャリア媒体は、前記組成物の35〜60重量%を構成する、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤は、前記組成物の5〜60重量%を構成する、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤は、前記組成物の20〜50重量%を構成する、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記キャリア媒体が、カプリン酸およびカプリル酸と、プロピレングリコールとの、モノ−およびジエステルの混合物から成る請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記キャリア媒体が、カプリル酸とプロピレングリコールとの、モノおよびジエステルの混合物から成る請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記非イオン性界面活性剤は、硬化植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体からなる群より選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記非イオン性界面活性剤は、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、PEG−30硬化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、PEG−50硬化ヒマシ油、PEG−60硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン40ヒマシ油、ポリオキシエチレン60ヒマシ油、ポリオキシエチレン35ヒマシ油、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
抗酸化剤を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記抗酸化剤は、前記組成物の0.01重量%〜2重量%の量で存在する、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記抗酸化剤は、BHA、BHT、およびα−トコフェロールからなる群より選択される、請求項12または請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記シクロスポリンはシクロスポリンAである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
飲料として配合される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
硬カプセルまたは軟カプセルとして配合される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2006−501208(P2006−501208A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−525538(P2004−525538)
【出願日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003304
【国際公開番号】WO2004/012716
【国際公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(505041977)
【氏名又は名称原語表記】PATEL, Satishchandra Punambhai
【住所又は居所原語表記】27 Yale Court, Livingston, New Jersey 07039, United States of America
【Fターム(参考)】