説明

経口薬物送達システムおよびその使用方法

本発明は、粘膜炎、口内炎、および口腔の他の障害を処置するために口腔に薬剤を送達するための、デバイスおよび方法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は、疾患の処置および予防の分野に関する。
【0002】
口腔粘膜炎は、口腔に紅斑、潰瘍形成、および疼痛をもたらす口腔粘膜の損傷を特徴とする。粘膜炎は、しばしば癌化学療法または放射線療法などの抗腫瘍療法の合併症として生じる。粘膜炎の疼痛性潰瘍性病変は、患者の経口的な食物および液体の摂取を制限し、結果として患者は体重が減少し、かつ脱水症を患う可能性がある。重篤な粘膜炎は、抗腫瘍療法の段階的縮小または完全な中断を必要とする。
【0003】
疼痛を引き起こすことに加えて、粘膜炎病変は二次感染部位でもあり、内因性口腔微生物の進入路としての機能を果たす。これは免疫無防備状態の患者において特に重大な懸念である。粘膜炎はしたがって、慢性消耗性局所感染(例えば酵母感染症)および命にかかわる全身感染(敗血症)の重大な危険因子である。粘膜炎および好中球減少症を有する患者は、粘膜炎を持たない個体より少なくとも4倍高い敗血症の相対リスクを有する。粘膜炎は、米国特許第6,841,578号(特許文献1)および6,663,850号(特許文献2)、ならびに米国特許出願第10/434,752号(特許文献3)にさらに記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み入れられる。
【0004】
他の一般的かつ疼痛性の口腔障害はアフタ性口内炎である。人口の約10%が、あるどこかの時点でこれらの口内の痛みを患う。この障害の潰瘍はストレスおよび口内への軽い傷害に関連する傾向があるが、アフタ性口内炎の病因は十分に理解されていない。
【0005】
これらの障害の標準的治療は主に待機的である。粘膜炎治療の場合、リドカインなどの鎮痛剤を局所的に投与してもよく、麻酔剤および抗生物質を全身的に投与してもよい。アフタ性口内炎については、ステロイドの局所適用が一部の患者に軽減をもたらす。しかしながら、満足のいくような処置は現在、各状態に利用可能ではない。したがって、粘膜炎、アフタ性口内炎、ならびに口腔の同様の疾患および障害を処置および予防する効果的な方法に対する必要性が存在している。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,841,578号
【特許文献2】米国特許第,663,850号
【特許文献3】米国特許出願第10/434,752号
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
ある局面において、本発明は、液体薬物を入れるためのバイアルと、バイアルに取り外し可能に取り付けられたポンプアセンブリとを含む、液体薬物送達装置を特徴とし、そのようなポンプアセンブリはバイアルの内側に位置する開口部を有するディップチューブ、ノズルを有する可動式スプレーアーム、ならびに薬物を計量しかつバイアルからディップチューブ内の開口部を通してスプレーアームノズルの外に放出する手段を含む。
【0008】
上記の局面の特定の態様において、バイアルはその基部に薬物を蓄積し得る内部ウェルを含み、ディップチューブの開口部がこのウェルの内側に位置する。ある態様において、ウェルは錐台の形状である。
【0009】
上記の局面の特定の態様において、装置は、垂直位置の15度以内に方向付けられかつ水平表面上で解放された場合にそれ自身を垂直位置に戻す、低い重心を有する。
【0010】
上記の局面の特定の態様において、ディップチューブの開口部には、プロセスにおいて封鎖が起こることなくディップチューブがバイアルに直接接触できるように、切り込みが付けられている。一つの態様において、切り込みはV字形である。
【0011】
上記の局面の特定の態様において、装置は口腔の障害の処置に使用される。本発明により処置され得る口腔障害は、粘膜炎(例えば、軽症または重篤な粘膜炎)、口内炎、アフタ性口内炎、カンジダ症、歯肉炎、歯周疾患、歯冠周囲炎(periocoronitis)、歯周炎、口内乾燥(口渇)、膿瘍、口唇ヘルペス、口臭、口腔内のウイルス性病変(例えば帯状ヘルペス)、口腔内の真菌感染症(例えばステロイド処置に関連するカンジダ症)、口腔への外傷性傷害、および抜歯を含む歯科外科手術の後遺症を含む。例えば、装置は喉(例えば喉の奥)、頬の内側、頬側溝、舌、舌下領域、歯肉、軟口蓋、硬口蓋、食道、または他の任意の口腔領域の処置に使用され得る。装置は、口腔の任意の所望の領域に対する直接的な薬物投与に使用され得る。ある態様において、口腔障害は抗腫瘍療法(例えば、例としてシスプラチン処置が挙げられる化学療法、または例としてコバルト放射線もしくは線形加速器放射線を用いる放射線療法)により引き起こされる。
【0012】
上記の局面の特定の態様において、装置は、口腔の、味覚受容器を欠いている一つまたは複数の領域への噴霧によって、患者の味覚受容器を迂回するために使用される。例えば、例として抗真菌薬物である、不快な味を有する任意の薬物を、本発明の装置を使用して例えば喉の奥に投与することができる。
【0013】
上記の局面の特定の態様において、装置には、例えば任意の処方薬物または市販薬である液体薬物が入れられている。ある態様では装置は最大限度まで充填されており;他の態様においては、本装置は部分的に充填されている。さらに別の態様において、薬物は薬学的に許容される担体を含む。さらに別の態様において、薬物は、三葉型ペプチド(trefoil peptide)などの精製されたポリペプチドを含む。ある態様において、三葉型ペプチドは、二量体の形態の腸管三葉型因子(ITF)またはITFの類似体もしくは生物学的活性断片である。ある態様では、ヒトITFが使用される。別の態様では、三葉型ペプチドは、鎮痙性ポリペプチド(SP)もしくはpS2、または鎮痙性ポリペプチドもしくはpS2の類似体または生物学的活性断片である。さらに別の態様において、三葉型ペプチドは、hITF15-73、hITF25-62、hITF22-62、hITF21-62、hITF25-70、hITF22-70、hITF25-72、hITF22-72、hITF21-72、hITF25-73、hITF22-73、hITF21-73、またはEA-hITF15-73であり;これらの断片の説明は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第10/698,572号に見出すことができる。
【0014】
上記の局面の特定の態様において、薬物を放出する手段はスプレーアクチュエータを含む。
【0015】
上記の局面の特定の態様において、薬物を放出する手段は電子的構成要素を含む。例えば、ポンプアセンブリは手動手段ではなく電子的手段により作動させてもよく、または電子的手段および手動手段の両方を組み合わせて作動させてもよい。
【0016】
上記の局面の特定の態様において、液体薬物が入った装置は、ポンプアセンブリの配備に基づいて、有効用量の薬物をスプレーアームノズルを通して投薬する。本装置は、任意の有効量の体積、例えば10 μl、50 μl、100 μl、200 μl、500 μl、1 ml、2 ml、5 ml、または10 ml体積の投薬に使用され得る。本装置は、単位用量、複数単位用量、またはマルチ用量(multidose)の送達システムとして動作する。
【0017】
上記の局面の特定の態様において、ポンプアセンブリは、一旦呼水注入が行われると(primed)、呼水注入が行われたままとなる。
【0018】
上記の局面の特定の態様において、可動式スプレーアームは5センチメートル(cm)よりも短い。他の態様では、可動式スプレーアームは5cmであるかまたはそれよりも長い。
【0019】
上記の局面の特定の態様において、バイアルは、2つ以上のポンプアセンブリと適合する。ある態様において、各作動において放出される薬物の体積は、1つのポンプアセンブリを取り外して別のポンプアセンブリを取り付ける事により変化し得;各ポンプアセンブリは上記の概括的な説明にあてはまるが、ポンプ内の計量チャンバーの体積は異なる場合がある。
【0020】
上記の局面の特定の態様において、装置は作動に100ニュートン未満の力を必要とする。他の態様では、装置は作動に10ニュートン未満の力を必要とする。さらに他の態様において、装置は作動に1ニュートン未満の力を必要とする。
【0021】
上記の局面の特定の態様において、液体薬物が入った装置は作動時に前記薬物の噴霧を生じさせ、この噴霧中の1%以下の薬物の飛沫は、空気動力学的直径における10ミクロンよりも小さい。他の態様において、装置には溶液、懸濁液、またはエマルジョンからなる薬物が入れられる。さらに他の態様において、薬物は粘膜付着性薬剤を含む。「粘膜付着性」は、一般に水素結合およびファン・デル・ワールス力などの非共有結合性の相互作用を介して粘膜に付着可能なポリマー、オリゴマー、または混合物を含む組成物を意味する(例えば、それぞれが参照により本明細書に組み入れられる、Tabor, J. Colloid Interface Sci. 58:2-13, 1977、およびGood, J. Colloid Interface Sci. 59:398-419, 1977を参照されたい)。この粘膜付着性薬剤は、セルロース、デンプン、または他の化合物を含み得る。典型的な粘膜付着性薬剤は、Carbopol、ペクチン、アルギナート、キトサン、オリゴ糖、多糖、ゲラン、カラゲナン、キサンタンガム、アラビアゴム、タマリンドゴム、デキストラン、セルロース、セルロース誘導体、ポリエーテルポリマー、ポリエーテルオリゴマー、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸アミド、多価アルコール、ポリエーテル化合物、ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、およびカルボマーであり;同様に、他の粘膜付着性薬剤も使用され得る。ある態様において、薬物はさらに界面活性剤を含む。例えば、界面活性剤はTweenまたはSpan化合物などのソルビタンエステル含み得る。さらに他の態様において、薬物は抗菌性保存剤を含有する。効果的な抗菌性保存剤はメチルパラベンおよびプロピルパラベンを含む。
【0022】
上記の局面の特定の態様において、装置は使用中、無菌完全性(sterility integrity)を維持する。この様式で操作される装置は、微生物がノズルの先端からアクチュエータまたはバイアルに逆行する事を防止する。ある態様において、装置は、抗菌性保存剤が不要な、滅菌された製品として製造される。
【0023】
上記の局面の特定の態様において、装置は吸着能の低い材料をさらに含む。ある態様では、バイアルはガラスで構成されている。別の態様では、バイアルはプラスチックで構成されている。
【0024】
第二の局面において、本発明は、液体薬物を入れるためのバイアルと、バイアルに取り外し可能に取り付けられたポンプアセンブリとを含む、液体薬物送達装置を特徴とし、そのようなポンプアセンブリはバイアル下部に位置する取り入れ口、ノズルを有する可動式スプレーアーム、ならびに薬物を計量し、かつバイアルからオリフィスを介してポンプアセンブリ内に、次いで計量チャンバーを通してスプレーアームノズルの外に放出する手段を含む。本局面の装置は、逆方向であることからディップチューブを必要としない。
【0025】
特定の態様の説明
以降、本発明の特定の態様を記載する。
【0026】
構造
図1Aを参照すると、液体薬物送達装置(12)は、液体薬物(13)が配置される、基部(5)内にウェル(2)が入ったバイアル(1)を含む。装置(12)はさらに、ディップチューブ(3)、ねじぶたアセンブリ(6)、スプレーアクチュエータ(7)、およびをスプレーアーム(9)含むポンプアセンブリ(14)を含む。ディップチューブ(3)はディップチューブ開口部(4)を含み、かつこれはねじぶたアセンブリ(6)の一部である。スプレーアクチュエータ(7)はさらにねじぶたアセンブリ(6)に接続され、かつスプレーアクチュエータ陥凹(8)を含む。スプレーアーム(9)はスプレーアクチュエータ(7)に接続され、かつ液体薬物(13)がこれを通して放出されるスプレーアームノズル(10)を含む。スプレーアーム(9)は、旋回装置(11)を介してスプレーアクチュエータ(7)に接続される。
【0027】
図1Bを参照すると、ディップチューブ開口部(4)は切り込みを含む。
【0028】
図2Aを参照すると、ねじぶたアセンブリ(6)はねじ山(15)を介してバイアル(1)に接続される。スプレーアクチュエータ(7)は、アクチュエータ連結装置(16)を介してねじぶたアセンブリ(6)に接続される。
【0029】
図2Bを参照すると、ねじぶたアセンブリ(6)は、互いに嵌って組み立てられるねじぶたケーシング(17)およびポンプ(18)からなる。ポンプ(18)は、ディップチューブ(3)およびガスケット(19)を含む。
【0030】
図2Cを参照すると、ポンプ(18)はプランジャー(20)、スプリング(21)、バルブ(22)、および一定体積計量チャンバー(23)を含む。スプリング(21)は、プランジャー(20)領域に巻き付けられる(図示)。プランジャー(20)は、アクチュエータ連結装置(16)を含む。
【0031】
図2Dを参照すると、スプレーアクチュエータ(7)は、アクチュエータ連結装置(16)に接続するスプレーアクチュエータ開口部(24)を含む。
【0032】
製造
装置(12)は、吸着能の低いプラスチックまたは他の材料から構築される。装置(12)のプラスチック構成要素は、従来のマルチキャビティプラスチック成形またはシングルキャビティプラスチック成形を用いて製作される。構成要素の品質および寸法許容差を保証するために、目視検査システムを使用してもよい。ガスケット(19)、プランジャー(20)、スプリング(21)、バルブ(22)、一定体積計量チャンバー(23)、ねじぶたケーシング(17)、スプレーアクチュエータ(7)、およびスプレーアーム(9)を含むポンプアセンブリ(14)は従って、例えばクラス10,000 HEPAろ過空気環境などの清潔な条件で組み立てられる。必要に応じて、装置(12)は防腐処理段階におけるγ線照射によって滅菌してもよい。
【0033】
バイアル(1)は、標準的な成形ガラス押し出し製作技術により作製することができる。バイアル(1)の寸法は、ディップチューブ(3)の長さに設計される。バイアル(1)上に含まれるねじ山(15)は、ポンプアセンブリ(14)のねじぶたアセンブリ(6)に適合する。必要に応じて、バイアル(1)は乾熱滅菌またはγ線照射により滅菌される。
【0034】
薬物(13)は当業者に公知の製薬技術に従って調剤される。例えば、エマルジョン、懸濁液、またはリポソーム調合物が高剪断混合工程により調製される。典型的に、調合物は攪拌手段を使用することにより薬剤が溶剤に分散しかつ溶解した溶液である。その後、pH、重量オスモル濃度、粘度、または粘膜付着特性を変更する添加剤などのさらなる添加剤が適切な濃度で混和される。防腐処理段階の一部として、調合物は、異物を取り除くために例えば0.2ミクロンフィルターを通してろ過される。調合物は、必要ではなくても、防腐処理してもよく、抗菌性保存剤を含んでもよい。
【0035】
防腐処理段階のさらなる一部として、薬物(13)は、定量ポンプ手段により体積測定的にバイアル(1)中に充填される。バイアル(1)は次にポンプアセンブリ(14)によって閉められ、品質管理試験に供される。
【0036】
操作
装置(12)は、抗腫瘍療法により引き起こされる粘膜炎を罹患している患者の口腔に治療量の液体薬物を提供する。薬物(13)は、ピキア-パストリス(Pichia pastoris)において発現される15〜73位の残基(hITF15-73)にわたる、精製された組換え型二量体ヒト腸管三葉型ペプチドを含む。薬物(13)はまた、口腔粘膜表面上のhITF15-73の維持を向上させるための粘膜付着性薬剤を含む。この薬剤は口腔粘膜表面への付着において有効であるが、hITF15-73への結合または相互作用は起こらず、細胞の有糸分裂誘発に影響を及ぼすこともない。さらに、薬物(13)は、粘膜付着性の湿潤性を増加させるため、したがってその維持能を増加させるために、界面活性剤を含有する。薬物(13)の調合物における抗菌性保存剤の含有物は、装置(12)がその中に入った薬物(13)の使用期限前に使用され得るような、多くの日数の期間にわたるマルチ用量システムとしてのその使用を可能にする。
【0037】
装置(12)は、100μlの液体薬物(13)を送達し、これは各作動サイクルにおいて4 mgのhITF15-73に固定された用量を含有する。それぞれの予定された投与時間において、装置(12)は、患者が毎回口腔粘膜表面の異なる領域に狙いを定める状態かあるいは毎回同一の領域に狙いを定める状態で3回作動し、薬物(13)が口腔粘膜表面に投与される。唾液が自然に治療用物質を希釈するため、患者は、薬物(13)を1日当たり複数回投与する。標準的な治療コースは、毎日を通して8回の投与(それぞれ3回の作動)を含む。
【0038】
患者は、このような装置を口の近くに垂直に保持し、スプレーアームノズル(10)が口腔表面から約3 cmに狙いを定めるようにスプレーアーム(9)を方向付け、スプレーアクチュエータ陥凹(8)上に親指を置いて押し、スプレーアクチュエータ(7)を押し下げることによって装置(12)を作動させる。スプレーアクチュエータ(7)の押し下げはポンプ(18)内のプランジャー(20)を押し下げ、スプリング(21)を押し縮めてポンプ(18)内にバルブ(22)による封鎖を形成させる。この封鎖は空気または薬物(13)がポンプ(18)からディップチューブ開口部(4)を介して出ることを防止し、代わりに薬物(13)がスプレーアクチュエータ連結装置(24)を通過してスプレーアームノズル(10)から出るようにする。封鎖を維持してデバイス漏れを防止するために、組み立て時にガスケット(19)に対して確実に隙間なく嵌るようバイアル(1)の頂部縁は平らかつ平滑に設計され、それによってデバイス漏れが防止される。薬物(13)は、一定体積計量チャンバー(23)により計量され、噴霧プルームの形で口腔表面上に放出される。患者は次にスプレーアクチュエータ(7)を放し、これはその元の位置に戻る。スプレーアクチュエータ(7)の解放はプランジャー(20)を解放し、バルブ(22)を動かしてディップチューブ開口部(4)を通して薬物(13)をポンプ(18)に吸い込ませる。
【0039】
装置(12)の作動に必要とされる力は最小であり、これにより装置(12)は特に病人または高齢者による使用に適用できる。患者は、スプレーアーム(9)の方向づけおよび配置を導くために鏡を使用してもよい。
【0040】
薬物(13)の初期投与の前に、装置(12)はまず呼水注入しなければならない。呼水注入は、上記のようにスプレーアクチュエータ(7)を押し下げ次に解放することにより行われる。5〜6サイクルの呼水注入が、液体薬物送達装置(12)の最初の治療的使用の前に行われる。その後、始動させる際に、液体薬物送達装置(12)が垂直のままでディップチューブ開口部(4)が薬物(13)中に浸漬したままである限り、さらなる呼水注入は必要ではない。
【0041】
性能を最適化するため、装置(12)は、薬物(13)がウェル(2)内に在りかつディップチューブ開口部(4)の上の高さで在り続けるよう、垂直位置に常に維持されるべきである。患者は、装置(12)を垂直に保ちながらスプレーアーム(9)を適切に方向付けることにより、装置(12)の狙いを定める。この様式で維持した場合、バイアル(1)中の薬物(13)のほぼ100%が、治療的投与に利用可能である。ウェル(2)は、薬物(13)が高価であるかまたは入手困難でありかつ過多量を最小にしなければならない場合に特に重要な特徴である。例として、3 100μl用量の薬物(13)を1日当たり8回投薬するために、約3.0 mlの薬物(13)が必要とされ;従来の薬物送達装置における1.5〜2.0 mlの過多量と比較して、これにより生じる過多量は0.6 mlのみである。
【0042】
装置(12)は、各作動サイクルにおいて、再現性が高い体積の液体薬物(13)を送達する。各作動サイクルにおいて生じた噴霧プルームは、衝撃により口腔粘膜表面をさらに刺激しない、穏やかな噴霧中に生じる運動量の低い飛沫からなる。運動量の低い噴霧は、スプレーアーム(9)およびスプレーアームノズル(10)の幾何学構造、ならびにポンプ(18)のデザインから生じる。薬物は、鎮静を助けるために低温(2〜8℃)で投与してもよい。
【0043】
装置(12)により作られる噴霧プルームは、標的とする粘膜表面上に薬物(13)を均等に分散させる。これは、口内炎の処置に対して特に有用な特徴である。スプレーアーム(9)が可動式であるため、粘膜表面の任意の接触可能な領域を容易に標的とすることができる。
【0044】
通常、患者は薬物(13)の投与中は吸入しない。しかしながら、患者が吸入する場合、少量の薬物(13)が患者の肺に入り得る。肺への曝露を最小にするするために、各作動サイクルにおいて生じた噴霧プルーム中の薬物(13)の複数の飛沫の5%以下は、呼吸に適した大きさ(空気動力学的直径で約10ミクロンまたはそれ未満)である。薬物(13)の飛沫の10%は、空気動力学的直径における16ミクロンよりも小さい。薬物(13)の飛沫の50%は、空気動力学的直径における49ミクロンよりも小さい。薬物(13)の飛沫の90%は、空気動力学的直径における163ミクロンよりも小さい。飛沫の大きさの分布は再現可能である。タンパク質または他の免疫原性化合物を投与した場合、肺曝露の最小化は、過敏性免疫応答の回避における、重要な問題点であり得る。
【0045】
使用と使用の間、装置(12)は基部(5)が垂直位置にあるように置かれる。装置(12)は、容易に転倒せず、かつ垂直位置の15度以内に方向付けられかつ水平表面上で解放された場合にそれ自身を垂直位置に戻すように、低い重心を有する。低い重心は、デバイス製造中および患者の使用中の両方において有利な特性である。
【0046】
他の態様
その他の態様は特許請求の範囲に記載される。例えば、本発明のバイアルは、円錐形、ピラミッド形、半球状、または円柱形を含む任意の幾何学的形状のウェル含み得る。このウェルは切頭型であってよく、またはだんだんと細くなり先がとがっていてもよい。その基部にいかなるウェルも欠いているバイアルも可能である。さらに、本発明のバイアルは非円形断面を有してもよい。例えば、断面は三角形、正方形、長方形、台形、平行四辺形、楕円形、または任意の他の正多角形もしくは非正多角形、または他の二次元幾何学形状であり得る。さらに、バイアルはガラス、プラスチック、または他の材料を含む任意の材料で構成され得る。バイアルは、灰色、白色、または褐色を含む任意の色であってよく;褐色バイアルの使用は薬物の酸化的分解反応の最小化に役立ち得る。バイアルは無色であってもよい。これはまた、透過性、半透明、または不透明であり得る。
【0047】
本発明の装置は、低い重心を有することを必要とせず、水平表面に置かれた場合に垂直を維持するよう設計することを必要としない。
【0048】
本発明のディップチューブは、任意の形状の切り込みを有し得るか、または完全に切り込みを欠いていてもよい。あるいは、ディップチューブは斜方向の傾斜末端を有してもよい。ディップチューブはバイアルに直接接するように位置してもよく、またはバイアルに直接接しないように位置してもよい。
【0049】
本発明のバイアルは、モノドース(monodose)システムを構成するように非常に小さくてもよい。
【0050】
装置は、非口腔障害を処置するために使用され得る。例えば、本装置は眼の角膜病変、乾性角結膜炎(ドライアイ)、または他の眼の障害もしくは外傷を処置するために使用され得る。これはまた、屈折矯正手術後に使用され得る。処置され得る身体の他の領域には、耳、鼻道(nasal passage)、呼吸器管(薬物飛沫の大きさの変更を伴って肺を含む)、四肢(すなわち手および足)、皮膚の任意の部分、肛門、または腟粘膜、子宮頚管粘膜、もしくは子宮内膜を含む生殖器管もしくは尿生殖器管が含まれる。病変、潰瘍、熱傷、または擦過傷などの、任意の部類の創傷が本発明により処置され得る。身体の任意の上皮細胞が、本発明により処置され得る。喘息などの任意の呼吸条件が、本発明により処置され得る。さらに、内部創傷または外傷が、例えば外科処置中に本発明により処置され得る。
【0051】
本発明の装置には、薬物が入っている必要はない。本装置には、生理食塩水、水、またはアルコール/水混合物を入れることが可能である。装置に液体薬物が入っていない場合、これは精製されたもしくは精製されていないポリペプチド、小分子、任意のFDAに認可された薬剤、任意のFDAに認可されていない薬剤、または任意の他の薬学的化合物を含み得る。薬物は、水性または非水性の溶液を含み得る。薬物はまた、水/油、油/水、または水/油/水型エマルジョンの形態であってもよい。さらに、薬はリポソーム含んでもよく;この態様では、装置の作動はリポソームのラメラを破壊しない。さらに、薬物は抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、局所防腐剤、鎮痛剤、またはステロイドを含み得る。これらの薬剤の例は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第10/434,752号に見出すことができる。薬物は、特に、粘膜付着性薬剤の存在がこのような薬物の治療効果を低減しうる障害を処置する場合は、粘膜付着性薬剤を含む必要はない。
【0052】
本発明の装置は、通常の(すなわち非ろ過空気)条件下で組み立てられ得、防腐処理段階は必要ではない。
【0053】
本発明のバイアルおよびポンプアセンブリは、ねじ、圧着、またはスナップ止めを含む、任意の機構により所定の位置に取り付けてもよい。さらに、本発明のバイアルは、無菌または非無菌条件下で、分離したスクリューキャップを用いて閉じてもよく;ポンプアセンブリをその後、例えば患者が使用する直前に取り付けてもよい。
【0054】
本発明の装置は、各作動サイクルにおいて投与される液体薬物の体積を変更するために調整してもよい。例えば、異なる計量チャンバー体積を有するポンプを、異なる用量を送達するために選択してもよく、またはポンプアセンブリは、放出される液体薬物の体積を制御する調整可能ダイヤルを含んでもよい。さらに、作動当たりの薬剤用量は、装置の液体薬物中の薬剤濃度を変更することにより調整してもよい。
【0055】
本発明の装置は、予圧ポンプを含み得る。このようなポンプは、たとえ患者がゆっくりとまたは部分的にアクチュエータを押し下げたとしても、作動時に計量された全体の用量を放出するために、作動前に部分的に圧縮したスプリングを含んでもよい。このようなポンプは、装置の液体薬物の部分的な用量の投与を防ぐ。
【0056】
本発明の装置は、最初の使用の前に、任意の数の呼水注入サイクルを必要とし得る。特に呼水注入を最小にすることを目的として設計されたポンプは、本発明の薬物が特に高価であるかまたは入手困難である場合に使用され得る。別の態様においては、呼水注入サイクルは必要ではない。
【0057】
本発明の装置は、装置の性能を著しく変えることなく、広い動作温度範囲で使用され得る。
【0058】
本発明の装置は、プルームの任意の所望の幾何学的形状を生じさせる手段を含み得;このような手段は、作動により生じた液体薬物プルームの大きさ、形状、および組成に影響を及ぼすために調節され得る。例えば、プルーム中の薬物飛沫の大きさの分布は、飛沫の肺沈着に有利であるように変更してもよい。具体的には、飛沫の5%、10%、20%、50%、または100%などの、増加した割合が、空気動力学的直径で5〜10ミクロンであり得、したがってより容易に細気管支領域に沈着する。さらに、飛沫の5%、10%、20%、50%、または100%などの、増加した割合が、空気動力学的直径で1〜6ミクロンであり得、したがってより容易に肺の肺胞領域に沈着する。さらに、粘膜付着性薬剤が本発明の薬物に含まれる場合、プルーム飛沫の大きさの分布は、粘膜付着性の粘度に基づいて、粘膜表面上の噴霧分布の均一性を最適化するように変更してもよい。
【0059】
プルームの幾何学的形状に影響を及ぼす一つの要因は、本発明のスプレーアームノズルの幾何学的形状である。例えば、ある態様において、本発明の装置は、広い錐の角度の噴霧を作るスプレーアームノズルを含み;これを5 cmまたはこれ未満のスプレーアームと組み合わせて使用した場合、このような装置は、化学療法に誘導される粘膜炎またはアフタ性口内炎のような口腔全体にわたって病変を引き起こす障害の処置に特に有用である。別の態様において、スプレーアームノズルの異なる幾何学的形状は、狭い噴霧角度をもたらし;これを5 cmまたはこれ以上のスプレーアームと組み合わせて使用した場合、この態様の装置は、軟口蓋または口腔の深部もしくは食道の他の領域に悪影響を及ぼす障害の処置に特に有用である。例えば、頭部および頸部に投与される放射線療法がこのような障害を引き起こし得る。
【0060】
本発明の装置は、単回用量または複数回用量送達システムとして使用され得る。例えば、本装置は、投与当たりの作動の任意の望ましい数を含む、1日当たり1回、1日当たり2〜40回、または任意の他の望ましい投与頻度で使用され得る。
【0061】
本発明の方法は、本発明の装置を用いた自己投与を特徴とし得;あるいは、医療従事者など他の人がこのような装置を使用して患者に薬物を投与することができるか、または投与は、音、タイマー、または任意の他の手段を介する作動を特徴とする自動化された様式で行うことができる。
【0062】
本明細書に引用されたすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願それぞれが明確かつ個々に示されて参照として組み入れられているのと同様に、本明細書に参照として組み入れられている。上記の発明は、明確に理解できるように説明および例示を用いてやや詳細に記載されているが、本発明が示す内容を基に添付の請求項の範囲の意図および範囲を逸脱することなく特定の変更や改変を加えることが可能であることは、当業者であれば容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】組み立てられた本発明の液体薬物送達装置の側面図である。
【図1B】本発明のディップチューブおよびウェルの近接図である。
【図2A】図1の装置の分解組立図である。
【図2B】図2Aのねじぶたアセンブリさらなる分解組立図である。
【図2C】図2Bのポンプの内部を示す側面図である。
【図2D】図2Aのスプレーアクチュエータの底面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体薬物を入れるためのバイアル(a)と、
それを通して開口部が開通している、前記バイアル内に位置するディップチューブ(i);
ノズルを有する可動式スプレーアーム(ii);および
前記薬物を、前記バイアルから前記ディップチューブ内の前記開口部を通して該ノズルの外に放出する手段(iii)
を含む、前記バイアルに取り外し可能に取り付けられたポンプアセンブリ(b)と
を含む、液体薬物送達装置。
【請求項2】
バイアルが、薬物を蓄積する内部ウェルをその基部に含み、ディップチューブ内の開口部が、該ウェルの内側に位置する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
ウェルが錐台の形状である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
垂直位置の15度以内に方向付けられかつ水平表面上で解放された場合にそれ自身を垂直位置に戻す、請求項1記載の装置。
【請求項5】
ディップチューブ内の開口部が切り込みを備える、請求項1記載の装置。
【請求項6】
切り込みがV字形である、請求項5記載の装置。
【請求項7】
口腔障害の処置に使用される、請求項1記載の装置。
【請求項8】
障害が粘膜炎を含む、請求項7記載の装置。
【請求項9】
障害が口内炎を含む、請求項7記載の装置。
【請求項10】
口内炎がアフタ性口内炎である、請求項9記載の装置。
【請求項11】
障害が抗腫瘍療法により引き起こされる、請求項7記載の装置。
【請求項12】
障害がカンジダ症を含む、請求項7記載の装置。
【請求項13】
障害が歯肉炎を含む、請求項7記載の装置。
【請求項14】
障害が歯冠周囲炎(periocoronitis)を含む、請求項7記載の装置。
【請求項15】
障害が歯周炎を含む、請求項7記載の装置。
【請求項16】
障害が口内乾燥を含む、請求項7記載の装置。
【請求項17】
液体薬物をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項18】
薬物が精製されたポリペプチドを含む、請求項17記載の装置。
【請求項19】
薬物が三葉型ペプチド(trefoil peptide)を含む、請求項18記載の装置。
【請求項20】
三葉型ペプチドがITF(intestinal trefoil factor)である、請求項19記載の装置。
【請求項21】
ITFがヒトITFである、請求項20記載の装置。
【請求項22】
三葉型ペプチドがITFの類似体または生物学的活性断片である、請求項19記載の装置。
【請求項23】
ITFの生物学的活性断片が、hITF15-73、hITF25-62、hITF22-62、hITF21-62、hITF25-70、hITF22-70、hITF25-72、hITF22-72、hITF21-72、hITF25-73、hITF22-73、hITF21-73、およびEA-hITF15-73からなる群より選択される、請求項22記載の装置。
【請求項24】
三葉型ペプチドが鎮痙性ポリペプチド(SP)またはpS2である、請求項19記載の装置。
【請求項25】
三葉型ペプチドが鎮痙性ポリペプチドもしくはpS2の類似体または生物学的活性断片である、請求項19記載の装置。
【請求項26】
薬物を放出する手段がスプレーアクチュエータを含む、請求項1記載の装置。
【請求項27】
薬物を放出する手段が電子的構成要素を含む、請求項1記載の装置。
【請求項28】
ポンプアセンブリの配備が、治療的有効用量の薬物をノズルを通して放出させる、請求項17記載の装置。
【請求項29】
ポンプが、前記ディップチューブ内の前記開口部が前記薬物中に浸漬されたままという条件で一旦呼水注入が行われると(primed)、呼水注入が行われたままである、請求項17記載の装置。
【請求項30】
可動式のスプレーアームが5センチメートル(cm)よりも短い、請求項1記載の装置。
【請求項31】
可動式のスプレーアームが5センチメートル(cm)であるかまたはそれよりも長い、請求項1記載の装置。
【請求項32】
バイアルが2つ以上のポンプに適合する、請求項1記載の装置。
【請求項33】
各作動において放出される薬物の体積が、1つのポンプアセンブリを取り外して別のポンプアセンブリを取り付ける事により変化し得る、請求項32記載の装置。
【請求項34】
作動に100ニュートン未満の力を必要とする、請求項1記載の装置。
【請求項35】
作動時に飛沫を含む薬物の噴霧を生じさせ、該飛沫の1%以下が空気動力学的直径で10ミクロンよりも小さい、請求項17記載の装置。
【請求項36】
薬物が溶液、懸濁液、またはエマルジョンからなる、請求項17記載の装置。
【請求項37】
薬物が粘膜付着性薬剤を含む、請求項17記載の装置。
【請求項38】
粘膜付着性薬剤が、Carbopol、ペクチン、アルギナート、キトサン、オリゴ糖、多糖、ゲラン、カラゲナン、キサンタンガム、アラビアゴム、タマリンドゴム、デキストラン、セルロース、セルロース誘導体、ポリエーテルポリマー、ポリエーテルオリゴマー、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸アミド、多価アルコール、ポリエーテル化合物、ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、およびカルボマーからなる群より選択される、請求項37記載の装置。
【請求項39】
薬物が界面活性剤をさらに含む、請求項37記載の装置。
【請求項40】
界面活性剤がソルビタンエステルを含む、請求項39記載の装置。
【請求項41】
吸着能の低い材料をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項42】
薬物が抗菌性保存剤を含む、請求項17記載の装置。
【請求項43】
バイアルがガラスを含む、請求項1記載の装置。
【請求項44】
バイアルがプラスチックを含む、請求項1記載の装置。
【請求項45】
液体薬物を入れるためのバイアル(a)と、
前記バイアルの下方に位置する取り入れ口(i);
ノズルを有する可動式スプレーアーム(ii);および
該薬物を前記バイアルから前記取り入れ口内に、そして前記ノズルの外に放出する手段(iii)
を含む、前記バイアルに取り外し可能に取り付けられたポンプアセンブリ(b)と
を含む、液体薬物送達装置。
【請求項46】
請求項1または45記載の装置を使用する段階を含む、患者を処置する方法。
【請求項47】
装置が患者における口腔障害の処置に使用される、請求項46記載の方法。
【請求項48】
障害が粘膜炎を含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
障害が口内炎を含む、請求項47記載の方法。
【請求項50】
口内炎がアフタ性口内炎を含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
障害が抗腫瘍療法により引き起こされる、請求項47記載の方法。
【請求項52】
障害がカンジダ症を含む、請求項47記載の方法。
【請求項53】
障害が歯肉炎を含む、請求項47記載の方法。
【請求項54】
障害が歯冠周囲炎を含む、請求項47記載の方法。
【請求項55】
障害が歯周炎を含む、請求項47記載の方法。
【請求項56】
障害が口内乾燥を含む、請求項47記載の方法。
【請求項57】
装置が液体薬物を含む、請求項46記載の方法。
【請求項58】
薬物が精製されたポリペプチドを含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
薬物が三葉型ペプチドを含む、請求項58記載の方法。
【請求項60】
三葉型ペプチドがITF(intestinal trefoil factor)である、請求項59記載の方法。
【請求項61】
ITFがヒトITFである、請求項60記載の方法。
【請求項62】
三葉型ペプチドがITFの類似体または生物学的活性断片である、請求項59記載の方法。
【請求項63】
ITFの生物学的活性断片がhITF15-73、hITF25-62、hITF22-62、hITF21-62、hITF25-70、hITF22-70、hITF25-72、hITF22-72、hITF21-72、hITF25-73、hITF22-73、hITF21-73、およびEA-hITF15-73からなる群より選択される、請求項62記載の方法。
【請求項64】
三葉型ペプチドが鎮痙性ポリペプチド(SP)またはpS2である、請求項59記載の方法。
【請求項65】
三葉型ペプチドが鎮痙性ポリペプチドもしくはpS2の類似体または生物学的活性断片である、請求項59記載の方法。
【請求項66】
障害が口臭を含む、請求項7記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【公表番号】特表2008−540034(P2008−540034A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512380(P2008−512380)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/018564
【国際公開番号】WO2006/124681
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507374697)ザ ジーアイ カンパニー インコーポレーティッド (1)
【Fターム(参考)】