説明

結合された超伝導性物品

名目厚さtn1 を持つ第1の超伝導性セグメント、名目厚さtn2 を持つ第2の超伝導性セグメント、および前記第1の超伝導性セグメントと前記第2の超伝導性セグメントとを互いに接続するスプライスよりなる接合領域を含む。前記スプライスは、前記第1及び第2の超伝導性セグメントの前記接合領域に沿う部分の上に横たわるものであり、該接合領域は、1.8tn1と1.8tn2 の少なくとも1つより大きくない厚みtjr を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、超伝導性物品、およびそれを製造するための方法に向けられている。本発明は、特に、結合されたコートされた導体の形の超伝導性物品、およびこれらを組み込んでいるデバイスに関係している。
【背景技術】
【0002】
超伝導体材料は、長い間、技術共同体によって知られてきており、理解されてきている。液体ヘリウムの使用(4.2K)を必要とする温度で超伝導特性を示す、低温(低−Tc)超伝導体は、およそ1911年から知られてきた。しかしながら、酸化物ベースの高温(高−Tc)超伝導体が発見されたのは、いくぶん最近である。1986年のあたりに、液体窒素の温度(77K)以上の温度で、超伝導特性を持つ、最初の高温超伝導体(HTS)、すなわち、YBa2Cu3O7-x(YBCO)が発見され、それに続いて、過去15年にわたって Bi2Sr2Ca2Cu3010+y(BSCCO)、およびその他を含む追加的な材料が開発されてきた。高−Tc 超伝導体の開発は、このような材料を組み込んでいる超伝導素子の経済的に利用可能な開発の可能性を、液体ヘリウムに基づく、比較的より高価な極低温構造体よりむしろ、液体窒素でこのような超伝導体を動作させるコストに、一部依存して、作ってきた。
【0003】
可能性のある無数の応用のなかで、産業は、発電、送電、配電、および貯蔵を含む電力産業においてこのような材料の使用を開発することを求めてきた。この点に関して、銅ベースの商用電力要素の自然抵抗は、電力の損失において1年に何十億ドルにも達していると推定され、したがって、電力産業は、送電および配電電力ケーブルにおいて、発電機、変圧器、および無効電流阻止器等の電力要素において、高温超伝導体を利用することに基づき、利益を得る位置にある。さらに、電力産業における高温超伝導体の他の利点は、従来技術に対する、電力処理能力の3割から10割の増加、電力設備の大きさ(すなわち、設置面積)の実質的な減少、環境に対する衝撃の減少、より大きな安全性、および増大した能力を含む。このような高温超伝導体の可能性のある利点が、きわめて競争力がある反面、高温超伝導体の製造、および商業化においては、数々の技術的挑戦が、大規模に存在しつづけている。
【0004】
高温超伝導体の商業化と関連する挑戦の中で、多くが種々の電力要素の形成に利用することのできる超伝導テープの製造の周りにある。第1世代超伝導性テープは、前述の BSCCO 高温超伝導体の使用を含む。この材料は一般に、分離したフィラメントの形で与えられ、これは代表的には、銀である貴金属のマトリックスの中に埋め込まれている。このような導体は、電力産業において実施されるに必要な延長された長さ(たとえば、キロメートルのオーダー)に形成されるが、材料および製造コストによって、このようなテープは、商業的に利用可能な製品を与えることができない。
【0005】
したがって、非常に多くの興味は、優秀な商業的実現可能性を持つ、いわゆる第2世代HTS テープで生み出されてきた。これらのテープは、代表的に、一般に機械的支持を与えるフレキシブル基板、該基板の上に横たわる少なくとも1つのバッファ層であって、該バッファ層は任意に複数の膜を含む、および該超伝導性層の上に横たわる、代表的には貴金属より形成される、電気的安定化層を含む層構造に依拠している。しかしながら、今日まで、このような第2世代テープの完全な商業化の前に数多くの工業的および製造上の挑戦が残っている。
【0006】
したがって、上記に鑑み、超伝導体の技術において、特に商業的に存続可能な超伝導性テープ、これを製造する方法、およびこのような超伝導性テープを利用した電力要素を提供するにおいて種々の必要が存在しつづけている。
【特許文献1】米国特許第6,561,412号明細書
【特許文献2】米国特許第6,159,905号明細書
【特許文献3】米国特許第6,584,333号明細書
【特許文献4】米国特許第6,765,151号明細書
【特許文献5】米国特許第5,912,607号明細書
【特許文献6】国際公開第80/02084号パンフレット
【発明の開示】
【0007】
第1の側面によれば、超伝導性導体、特に、超伝導性物品は、名目厚さtn1を持つ第1の超伝導性セグメント、名目厚さtn2を持つ第2の超伝導性セグメント、前記第1の超伝導性セグメントと前記第2の超伝導性セグメントとを結合するスプライスよりなる接合領域とを含む。前記スプライスは、前記第1及び第2の超伝導性セグメントの前記接合領域に沿う部分の上に横たわるものであり、該接合領域は、1.8tn1および1.8tn2の少なくとも1つより大きくない厚みtjrを持つ。
【0008】
第2の側面によれば、超伝導性物品は、第1のセグメント端部を持つ第1の超伝導性セグメントであって、該第1のセグメント端部が減少された厚みtr1を持つもの、第2のセグメント端部を持つ第2の超伝導性セグメントであって、該第2のセグメント端部が減少された厚みtr2を持つもの、および前記第1および第2のセグメントを互いに接続するスプライスを含む。該スプライスは、前記第1および第2のセグメント端部の上に横たわる。
【0009】
もう1つの側面によれば、超伝導性物品は、第1のセグメント端部を持つ第1の超伝導性セグメントであって、該第1の超伝導性セグメントは名目上の厚さtn1を持ち、前記第1のセグメント端部はtn1より小さい厚みtr1を持つもの、第2のセグメント端部を持つ第2の超伝導性セグメントであって、該第2の超伝導性セグメントは名目上の厚さtn2を持ち、前記第2のセグメント端部はtn2より小さい厚みtr2を持つもの、を備え、前記第1および第2の端部は、接合領域で互いに接合されている。該接合領域は、1.8tn1および1.8tn2の少なくとも1つより大きくない厚さtjr を持つ。
【0010】
もう1つの側面によれば、超伝導性物品は、名目上の厚さtn1を持つ第1の超伝導性導体、および接合領域に沿って前記第1の超伝導性導体上に横たわる第2の超伝導性導体を含み、前記接合領域は、1.8tn1より大きくない厚みを有する。
【0011】
もう1つの側面によれば、超伝導性物品は、第1の基板、第1の基板上に横たわる第1の超伝導性セグメント、および第1の超伝導性層の上に横たわる安定化層を含む。該物品はさらに、第2の基板、第2の基板上に横たわる第2の超伝導性セグメント、および第1の超伝導性層の上に横たわる安定化層を含む。スプライスよりなる接合領域は、第1および第2の超伝導性セグメントを互いに接続するよう設けられており、該スプライスは、超伝導性層よりなるが、安定化層と基板との少なくとも1つからフリーである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照して、本発明の1実施形態による超伝導性物品の一般化された層構造が、描かれている。
【0013】
超伝導性物品は、基板10、基板10の上に横たわるバッファ層12、代表的には貴金属層よりなるキャップ層16により覆われる超伝導性層14、および代表的には、たとえば銅等の非貴金属よりなる安定化層18を含む。
【0014】
基板10は、一般に金属ベースのものであり、代表的には少なくとも2つ金属元素の合金よりなる。特に、適切な基板材料は、公知の、Inconel(登録商標)グループの合金のようなニッケルベースの金属合金を含む。Inconel(登録商標)合金は、膨張率、引っ張り強度、降伏強度、および伸張を含む、所望のクリープ、化学的、および機械的特性を持つ傾向がある。これらの金属は、一般に、代表的にリールツーリールテープを利用する超伝導性テープの製造に特に適した糸巻き状のテープの形態で商業的に利用可能である。基板10は、代表的に高い寸法比を持つテープ形状にある。例えば、テープの幅は一般におよそ0.4−10センチのオーダーであり、テープの長さは、代表的に、少なくとも約100mであり、もっとも代表的には、約500mより大きい。実際、本発明の実施形態は、1kmのオーダーまたはそれ以上の長さを有する基板10を含む超伝導性テープを与える。したがって、基板は、かなり高い、10より小さくない、約102より小さくない、あるいはさらに、約103より小さくない、寸法比を持つことができる。ある実施形態は、104、およびそれより高い寸法比を持ち、より長い。ここで使用されるように、用語“寸法比”は、基板またはテープの長さの、次に長い寸法、すなわち、基板またはテープの幅、に対する比を示すために用いられる。
【0015】
1つの実施形態において、基板は、超伝導性テープの構成層の続いて起こる堆積のために好ましい特性を持つように処理される。例えば、該基板は、所望の平坦性および表面粗さにまで軽く研磨される。追加的に、該基板は、公知のRABiTS (roll assisted biaxially textured substrate ) 技術によるように、従来技術において理解されているように、2軸テキスチャー処理を行うことができる。ただし、個々の実施形態では、代表的に、上記した商業的に利用可能なニッケルベーステープのようなテキスチャーしていない多結晶基板を利用している。
【0016】
バッファ層12を見て、該バッファ層は単一層であってもよいが、より共通には、複数の層からなってもよい。より代表的には、該バッファ層は、膜の平面内および平面外の両方において、一般に結晶軸に沿って配向された結晶テキスチャーをもつ2軸テキスチャード膜を含む。このような2軸テキスチャリングは、IBADによって遂行することができる。技術において理解されているように、IBADはイオンビームアシスティッドデポジションの略称であり、これは優秀な超伝導特性のための望ましい結晶学的方位を持つ超伝導性層の順次の形成のために、適切にテキスチャーされたバッファ層を形成するために利用される。マグネシウム酸化物は、IBAD膜のために選択される代表的な材料であり、たとえば、50から200Åのように、50から500Åのオーダーにある。一般に、IBAD膜は、米国特許6,190,752で定義され、開示されているように、岩塩のような結晶構造を持つものであり、該特許はここに参照により組み入れられる。
【0017】
該バッファ層は、直接接触するよう設けられた、かつIBAD 膜と基板との間におかれるバリア膜のような付加的な膜を含むことができる。この点に関し、バリア膜は、イットリアのような酸化物で有利に形成することができ、基板をIBAD膜から分離するように作用する。バリア膜はまた、シリコン窒化物のような非酸化物で形成することもできる。バリア膜の堆積に適した技術は、化学気相成長、およびスパッタリングを含む物理気相成長を含む。バリア膜の代表的な厚さは、約100から200Åの範囲内にあってよい。さらに、該バッファ層は、IBAD 膜上に形成されるエピタキシャル成長膜をも含むことができる。この文脈において、エピタキシャル成長膜は、IBAD膜の厚さを増やすのに有効であり、かつ望ましくは、MgO等のIBAD膜に利用されるのと原則的に同じ材料より、形成することができる。
【0018】
MgOベースのIBAD膜および/またはエピタキシャル膜を利用する実施形態において、 MgO材料と超伝導性層の材料との間に格子不整合が存在する。したがって、バッファ層は、さらにもう1つのバッファ膜を含むことができ、これは特に、超伝導性層とその下にあるIBAD膜および/またはエピタキシャル膜との間の格子定数不整合を低減するために含まれている。このバッファ膜は、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ストロンチウムルテネート、ランタンマンガネート、および一般には、ペロブスカイト構造セラミック材料、より形成することができる。該バッファ膜は、種々の物理的気相堆積技術により堆積することができる。
【0019】
上記は、原理的にバッファスタック(層)における2軸テキスチャード膜IBAD 等のテキスチャリングプロセスによる含蓄に焦点を当てて説明してきたが、代わりに、基板表面それ自身を2軸テキスチャー化するようにしてもよい。この場合、バッファ層は一般に、バッファ層内の2軸テキスチャリングを保持するようテキスチャー化された基板上にエピタキシャル成長される。2軸テキスチャー基板を形成する1つの方法は、技術においてRABiTS (roll assisted biaxially textured substrates)として知られているプロセスであり、一般に技術において理解されている。
【0020】
超伝導性層14は一般に、高温超伝導体(HTS)層の形にある。HTS 材料は、代表的に、液体窒素の温度である77K以上の温度で超伝導特性を示す高温超伝導性材料の任意のものから選択される。このような材料は、例えば、YBa2Cu3O7-x、Bi2Sr2Ca2Cu3O10+y、 Tl2Ba2Ca2Cu3O10+y、およびHgBa2Ca2Cu3O8+yを含み得る。材料の1つのクラスは、REBa2Cu3O7-xを含み、ここでREは希土類元素である。以上のうちで、YBa2Cu3O7-xが、これは一般にYBCOとも言うが、有利に利用され得る。超伝導性層14は、厚膜および薄膜形成技術の任意の1つにより形成することができる。好ましくは、パルスレーザ堆積(PLD)のような薄膜物理気相堆積技術を、高堆積レートのために用いることができ、あるいは化学気相成長技術を、低コストおよび大表面領域処理のために用いることができる。代表的に、超伝導性層は、超伝導性層14と関連した、望ましい定格電流を得るために、約1から約30ミクロンの、より代表的には、例えば、約2から約10ミクロンのような、約2から約20ミクロンのオーダーの厚さを持っている。
【0021】
キャップ層16および安定化層18は一般に、低抵抗インタフェースを与えるため、および実際の使用における超伝導体の焼失を防止するために役立つ電気的安定性を与えるために組み込まれている。より特定的には、層16および18は、冷却の失敗があり、あるいは臨界電流密度が超えてしまったような場合に、超伝導体に沿って電荷が継続して流れるのを助けるものであり、かつ該超伝導性層は、超伝導性状態から移って抵抗性状態になる。代表的に、安定化層と超伝導性層との間の望まれない相互作用を防止するためのキャップ層16には、代表的に貴金属が使用される。代表的な貴金属は、金、銀、プラチナ、およびパラジウムを含む。銀は、そのコストおよび一般的な入手可能性のために代表的に使用される。キャップ層16は、代表的に安定化層18から超伝導性層14への望まれない要素の拡散を防止するのに充分な厚さに形成されるが、しかしコストの理由(原材料、および処理コスト)により、代表的に薄く形成される。キャップ層16の代表的な厚さは、例えば0.5から約5.0ミクロンのような、約0.1から約10.0ミクロン内の範囲にわたる。DCマグネトロンスパッタリングのような物理気相堆積を含む種々の技術を、キャップ層16の堆積のために使用することができる。
【0022】
安定化層18は一般に、超伝導性層14の上に横たわるために組み入れられ、特に図1に示される特定の実施形態では、キャップ層16の上に横たわり、かつこれに直接接触する。安定化層18は、厳しい環境条件および超伝導性の終了に対する安定性を向上するために、保護/並列層として機能する。該層は、一般に密であり、熱的および電気的に導電性であり、かつ超伝導性層の失敗の場合には、電流をバイパスさせるように機能する。それはたとえば、あらかじめ形成された銅ストリップを、超伝導性テープ上に、半田あるいはフラックス等の中間的なボンディング材料を用いて積層すること等により、種々の厚膜および薄膜形成技術の任意の1つにより形成することができる。他の技術は、物理気相堆積、代表的には、蒸着またはスパッタリングばかりでなく、エレクトレスプレーティングのような化学プロセス、およびエレクトロプレーティング上に、焦点を集めてきた。この点に関して、キャップ層16は、その上に銅を堆積するシード層として機能することができる。
【0023】
図1に示された特定の実施形態において、導電性層8が、基板10の背面、すなわち、超伝導性物品の構成層、最も顕著なものは、活性層(超伝導性層14)、と反対の側上に設けられている。該導電性層8は、安定化層18の形成の間に同時に、あるいはその同じ処理シーケンスの間に堆積することができ、かつ銅のような同じ材料により形成することができる。導電性層8は、代表的に、電気的に伝導性があり(しかし、超伝導性ではない)、かつ前記安定化層に電気的に接続されており、追加的な安定化機能性を提供している。
【0024】
超伝導性物品の一般化された構造が、図1に関連して説明されたが、超伝導性物品のより詳細な概観を図示する図2に注意が向けられる。これは、特に、2つの超伝導性セグメントが互いに接合されて超伝導性物品200、それは図1に示される超伝導性物品1の基本構造を持つ、を形成する領域の部分を図示する。ここで、類似の参照番号は、同様の構造的な特徴を示すために利用される。構成要素層の記述は、以下では、繰り返さない;読者は、超伝導性物品の構成層に関しての詳細な説明を参照されたい。
【0025】
より詳細に、超伝導性物品200は、第1および第2の超伝導性セグメント1a、1bを、それぞれ含む。セグメント1a、1bは、第1および第2の基板10a、10bを含み、その上には、第1および第2のバッファ層12a、12b、第1および第2の超伝導性層14a、14b、第1および第2のキャップ層16a、16b、および第1および第2の安定化層18a、18bが積層されている。見られるように、第1および第2のセグメント1a、1bは、端と端を接して配置されるように位置している。特に、第1および第2のセグメント1a、1bの各端は、一般にインタフェース202で当接する、あるいはほとんど当接するように位置している。わずかなギャップがインタフェース202に沿って見られるが、該セグメントは互いに直接接触しているよう位置している。
【0026】
図2に示される実施形態の特定の特徴によれば、第1および第2の超伝導性セグメント 1a、1bは、電気的および機械的に、接合領域204に沿って互いに接合されている。スプライス206は、両セグメント間に、電気的および機械的接続性を与えるように接合領域204にわたるように設けられている。図2に示された特定の実施形態において、スプライス206は、一般にセグメントの層構造に関して反転された超伝導性構造を含む。さらにスプライス206は安定化層から自由である。より特定的には、スプライス206は、基板26、バッファ層22、超伝導性層24、キャップ層26を、記述されたような一般的な順序で含む。特定のスプライス206は、超伝導性セグメントを形成する基本的なプロセスフローに従って製造することができるが、しかし、安定化層を形成するプロセスの前に、である。あるいは、完成された超伝導性構造は、安定化層を除くように修正されてもよく、かつスプライス206を形成するよう、適当な長さあるいはクーポンに、カットすることができる。
【0027】
スプライス206はボンド層25の使用を通して、第1および第2のセグメント1a、1bに接着される。典型的に、ボンド層25は、たとえばインジウム半田あるいは銅−錫半田のような半田より形成される。
【0028】
図2および図5を参照して、第1および第2のセグメントは、それぞれ第1セグメント端部222および第2セグメント端部224を含み、それらの各々は、減少された厚みを持つ。より特定的には、第1セグメント端部222および第2セグメント端部224は、該第1および第2の超伝導性セグメントの通常厚みに対して減少された厚みtr1およびtj2を持つ。追加的な記述が、図5に関連して以下に与えられる。
【0029】
図3は、図2に図示された実施形態にいくぶん類似した、さらにもう1つの実施形態を図示する。しかしながら一般的に言って、図3に示された実施形態は、スプライスが、基板を含まない、むしろ、安定化層を含む、異なるスプライス構造を利用している。より詳細には、超伝導性物品300は、図2に関連して記述されたような第1および第2の超伝導性セグメントを含む。スプライス306は、接合領域304を広げるよう設けられている。スプライス306は、安定化層38、キャップ層36a、超伝導性層34、および第2のキャップ層36bを含む。同様に、図2の実施形態に関して、スプライス306は、ボンド層35の使用を通して、第1および第2の超伝導性セグメントに接着されている。
【0030】
スプライス306の特定の構造は、いくつかの異なる態様で形成することができる。例えば、完成された超伝導性セグメント部は、該構造を超伝導性層/バッファ層界面に沿って剥がすことにより、該セグメント部から基板を除去するよう剥がすことができる。安定化層および超伝導性層を含む剥がされた構造は、そののち任意に、超伝導性層34の上に第2のキャップ層を堆積するよう、処理することができる。
【0031】
図4は、よりさらに簡略化された、安定化層48および超伝導性層44を含む、スプライス406を図示する。図3および図4にそれぞれ示された、特定のスプライス構造306および406は、実際の使用において接合領域の安定性を改善する安定化層を有利に利用する。したがって、このようなスプライス構造は、接合安定化が重要なパラメータである特定の応用のためには優先的なものであろう。
【0032】
ここに記述された実施形態によれば、スプライスは一般に超伝導性層を含む。この特定の側面は、望ましい低い接合抵抗を保証するのを助ける。特にここでの実施形態によれば、ここで記述されたもののような接合構造を組み入れている超伝導性物品は、例えば50マイクロオームcm2より大きくない、あるいはさらに、25マイクロオームcm2より大きくない等の、約100マイクロオームcm2より大きくない接合抵抗を持つ。さらに接合抵抗は、たとえば、接合あたり0.25W/cm2より大きくない等の、接合あたり0.5W/cm2 より大きくない上限を持つ、放散される熱により定量化することもできる。
【0033】
特に図5を見て、種々の技術的な特徴が、超伝導性物品500に関連して図示される。ここで、超伝導性物品500は、第1および第2のセグメント51aおよび51bを含み、それぞれは、名目上の厚さtn1およびtn2 を持つ。これらの名目上の厚みは、各セグメントの、特に、図5においてそれぞれ第1セグメント端部522および第2セグメント端部524としてラベルされたセグメント端部を除く、該セグメントの長さのほとんどの部分に沿っての厚みに相当する。第1および第2セグメント端部522および524は、それぞれ減少された厚み、特に図示されたような、減少された厚みtr1およびtr2を有する。該端部と関連する減少された厚みは、(相対的により薄い名目上の厚みを持つ)各セグメント部の主体に対する該端部における種々の構造上の変形を通して達成することができる。例えば、該セグメントの終端は、安定化層の一部を、いくつかの実施形態においては、安定化層の全体を除去するよう、エッチングすることができる。あるいは、処理の間に、該セグメントの終端部は、安定化層の堆積の間、マスクされているか、さもなければ、処理されないままにしておくことができる。典型的に、該セグメントの終端部分に関連した減少された厚みは、該セグメントの名目上の厚みの80%より大きくない、あるいはさらに70%より大きくない等の、90%より大きくないものである。実際、ある実施形態においては、該終端部分の厚みは、各名目上の厚みの60%より大きくない値であってよく、ある実施形態においては、超伝導性セグメントの名目上の厚みの半分である約50%までであってよい。一般に、第1および第2のセグメントは、互いの約10%以内の減少された厚みを持つのが望ましく、最も代表的には、処理制御による厚みのマイナーな変動を除いて、該減少された厚みは相互に等しいのが望ましい。
【0034】
超伝導性セグメントの、その端部での厚みの減少は、相対的に低プロファイルの接合領域の形成を可能にする。より詳細には、特に図5を参照して、セグメント終端部522および524にわたる接合領域504は、厚さtjr を持つ。 一般に、接合領域tjr の厚さは、1.8tn1 および1.8tn2 の少なくとも1つより、より大きくはない。しばしば、接合領域のプロファイルは、約1.6tn1 あるいは1.6tn2より大きくはない。さらに、接合領域の厚さは、1.5tn1および1.5tn2の少なくとも1つより大きくない、あるいは1.3tn1および1.3tn2の少なくとも1つより大きくない、のように、さらに減少させることができる。1つの実施形態によれば、接合厚さは、超伝導性セグメントの少なくとも1つの名目上の厚さと実質的に等しい。図面には図示されていないが、接合領域な厚さは、超伝導性セグメントの厚みの1つ、または両方の厚みより小さいものであってよい。
【0035】
ここでの実施形態によれば、接合された超伝導性物品は比較的長い長さを持ち、特に、図1に関連してすでに述べた寸法を持つ。さらに、個々のセグメントはまた、たとえば、約100より小さくない、あるいは約1000より小さくない等の、たとえば、約10より小さくない比較的長くされた長さを持つ。該超伝導体物品は、該物品の長さおよび寸法比をさらに延ばす付加的な超伝導性セグメント、各セグメントは、ここで述べた構造および/または技術にしたがって接合される、を含むことができる。延長された長さは、市街地を横切る、あるいは広大な地理的領域をさえ横切るような、長距離電流運搬能力に特に適したものである。また、長い長さの高寸法比の超伝導性物品は、以下で述べるように、回転機械および変圧器等の、コイル状のまたは巻回された構造における使用に特に有利であろう。
【0036】
さらにもう1つの実施形態によれば、減少した厚さの終端部を持つ第1および第2セグメントは、スプライスなしで互いに接着することができる。この文脈において、第1および第2セグメントは、減少した厚さの終端部分が互いに重なるように重なり合う態様で互いに接合することができる。この点に関して、1つの実施形態は、前記終端部分のおのおのに沿って安定化材料を除去することを含み、これにつづいて、セグメントの一方が反転されて相互に接合される。代わりに、接合された構造は、セグメントの一方の反転を必要としないであろう。ここで、安定化層の第1の超伝導性セグメントに沿った部分は、第2の超伝導性セグメントの終端部分に沿って導電性層および/または基板の一部を除去する間に除去することができ、これにより、一方のセグメントを反転させることなく、2つのセグメントを接合することが可能となる。この特定の構造は、特に、超伝導性セグメントが、巻回されたあるいはコイル状の構造物において使用される応用を含む数々の応用において有利であろう。以上の代替的な実施形態に比し、上記で述べた実施形態は、接合のためのスプライスに依拠しているが、上記代替的な実施形態は、減少された厚さの終端セグメントを持つ超伝導性導体は、低プロファイル接合を実行するために利用されるという概念を共有している。
【0037】
注目すべきは、ここに使われるように、用語「超伝導性導体」は、一般に、超伝導性セグメントまたはスプライスのような、超伝導性の要素を示すのに用いられる。すなわち、該用語は、本願明細書および請求項において一般的意味で用いられている。
【0038】
ここでの実施形態によれば、接合された超伝導性物品は、比較的低プロファイルの接合領域を用いて説明されてきたことは明らかであろう。この低プロファイルの接合領域は、種々の産業上の応用、特に接合領域に沿っての高いプロファイル、あるいは誇張されたプロファイルに敏感である応用においては特に有用であろう。しばしば、従来の重ね継ぎ接合は、各超伝導性セグメントのおのおのの名目上の厚さの2倍のオーダーの望ましくない過度のプロファイルを持つ。このような厚さ、あるいはプロファイルは、種々の応用で許容されないかも知れず、かつ技術状態の重ね継ぎによるスプライスされた領域の機械的な性能は、譲歩されなければならない。
【0039】
超伝導導体の特定の構造から離れて、図6および図7は商業上の電力要素、すなわち電力ケーブルにおける、超伝導導体の実装を図示している。図6は、プラスチックあるいはスチール導管よりなり得る地下導管を通って延びるいくつかの電力ケーブル42を図示している。図6は、明確性のために地面41をも示している。見られるように、いくつかの電力ケーブルは導管40の中を走っている。
【0040】
図7を見て、電力ケーブルの特定の構造が図示されている。超伝導性電力ケーブルを超伝導性の状態に維持するように冷却を与えるために、液体窒素がLN2 管44を通って、電力ケーブルを通って供給される。1つあるいは複数のHTS 導体46が、管44をカバーするように設けられている。従来のテープは、一般に管44上にらせん状の態様で置かれるが、本発明の実施形態による導体は、曲がっている必要はないが、しかし他の実施形態においては、電力ケーブルの縦軸に平行に線形に延びていることができる。さらなる素子は、銅シールド48、素子の誘電分離のための誘電テープ50、第2のHTS テープ52、複数の芯出しワイヤ56を持つ銅シールド54、第2の大きいLN2管58、極低温状態を維持するのを助けるために設けられた熱絶縁60、スキッドワイヤ64および外装包み66を含む、機械的支持のための波形のスティールパイプ62を含む。
【0041】
図8は、その周りに1次巻線72および2次巻線74が設けられた中央コア76を有する電力変圧器を、模式的に図示している。図8は、性質上、模式的であり、該技術においてよく理解されているように、変圧器の実際の幾何学的形状は変更し得るものである。しかしながら、該変圧器は、少なくとも基本的な1次巻線、および2次巻線を有する。この点に関して、図8に示される実施形態では、1次巻線は、2次巻線74より多くの数のコイルをもっており、入力する電力信号の電圧を下げる下降変圧器を表している。逆に、1次巻線に、2次巻線より少ない数のコイルを与えると、電圧の昇圧を与える。この点に関して、代表的に、昇圧変圧器は、長い距離にわたる電力損失を低減するために電圧を高電圧に増大するよう、送電サブステーションにおいて利用され、他方、降圧変圧器は、電力の後段ステージでのエンドユーザへの配電のために配電サブステーションに集積される。1次巻線と、2次巻線の少なくとも1つ、および好ましくは両方は、先の記述による超伝導性導体よりなる。
【0042】
図9を見て、発電機の模式的図解が与えられる。該発電機は、技術において知られているように、タービンにより駆動されるローター86を含む。ローター86は、高強度の電磁石を含み、これらは、電力の発生のための所要の電磁界を形成するローターコイル87よりなる。該電磁界の発生は、ステーター88において電力を生じ、これは、すくなくとも1つの導電性のステーター巻線89よりなる。特定の特徴によれば、ローターコイル87および/またはステーター巻線89は、上記した実施形態による超伝導性導体よりなる。ステーター巻線において用いられる低損失超伝導体は、一般に、ヒステリシス損失を実質的に低減する。
【0043】
図10を見て、電力グリッドの基本的模式図が与えられる。基本的に、電力グリッド110は、代表的に複数の発電機を収容する電力プラント90を含む。該電力プラント90は、送電サブステーション94に電気的に接続されており、かつ、代表的に共通に位置している。送電サブステーションは、一般に、昇圧電力変圧器のバンクを含み、これらは、発生された電力の電圧を、昇圧するために利用される。代表的に、電力は、数千ボルトのオーダーでの電圧レベルで発生され、該送電サブステーションは、電圧が、ライン損失を低減するために、10万から100万ボルトのオーダーであるように、昇圧する。代表的な送電距離は、50から1,000マイルであり、電力は、それらの距離を、送電ケーブル96により運ばれる。電力送電ケーブル96は、複数の電力サブステーション98(図10では1つのみが示される。)にルート付けされている。電力サブステーションは、一般に、送電レベル電圧を、比較的高い値から、代表的には、約1万ボルトより小さい配電電圧に降圧するよう、降圧電力変圧器のバンクを収容する。複数のさらなる電力サブステーションは、また、エンドユーザへの局所的な電力配電のために局所的とされたエリア内でグリッド状の態様で配置することができる。しかしながら、簡単のために、単一の電力サブステーションのみが示され、下流の電力サブステーションが、直列に設けられてもよい。配電レベル電力は、そののち、電力配電ケーブル100に沿って、商業的エンドユーザばかりでなく、住民エンドユーザをも含むエンドユーザ102にまで送電される。個々の変圧器は、個人の、またはグループのエンドユーザのために、局所的に設けられてもよい。ある特定の特徴によれば、電力プラント90内に設けられた複数の発電機、変圧器および送電サブステーション、電力送信ケーブル、電力サブステーションに設けられた変圧器、および電力配電ケーブルのうちの少なくとも1つは、本記述による超伝導性テープを含む。
【0044】
本発明は、特定の実施形態の文脈で図示され、記述されてきたが、種々の修正および置き換えが、本発明の範囲からどのようにも離れることなくなされ得るので、示された詳細に限定されることが意図されているものではない。例えば、付加的な、あるいは等価な置き換えを設けることができ、かつ、付加的な、あるいは等価な製造ステップを使用することができる。このように、ここで記述された発明のさらなる修正および等価物は、以下の請求項で定義される発明の範囲内にあるものと信じられる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による超伝導性テープ導体の一般化された層構造を図示する。
【図2】図2は、接合された超伝導性物品の特定の構造を図示する実施形態を示す。
【図3】図3は、接合された超伝導性物品のもう1つの実施形態を示す。
【図4】図4は、実施形態によるスプライスを図示する。
【図5】図5は、もう1つの実施形態による接合された超伝導性物品による基本構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導性物品であって、以下のものよりなる:
名目厚さtn1を持つ第1の超伝導性セグメント;
名目厚さtn2を持つ第2の超伝導性セグメント;および
前記第1の超伝導性セグメントと、前記第2の超伝導性セグメントとを結合するスプライスよりなる接合領域であって、前記スプライスは、前記第1及び第2の超伝導性セグメントの前記接合領域に沿う部分の上に横たわるものであり、該接合領域は、1.8tn1と 1.8tn2の少なくとも1つより大きくない厚みtjrを持つ。
【請求項2】
請求項1の超伝導物品であって、前記スプライスは、超伝導性層よりなる。
【請求項3】
請求項2の超伝導物品であって、前記スプライスは、さらに前記超伝導性層の上に横たわる安定化層よりなる。
【請求項4】
請求項2の超伝導物品であって、前記スプライスは、さらに前記超伝導性層の上に横たわる基板よりなる。
【請求項5】
請求項1の超伝導性物品であって、tn1は、実質的にtn2に等しい。
【請求項6】
請求項1の超伝導性物品であって、tjrは1.6tn1および1.6tn2の少なくとも1つより大きくない。
【請求項7】
請求項6の超伝導性物品であって、tjrは1.5tn1および1.5tn2の少なくとも1つより大きくない。
【請求項8】
請求項7の超伝導性物品であって、tjrは1.3tn1および1.3tn2の少なくとも1つより大きくない。
【請求項9】
請求項1の超伝導性物品であって、tjrは、tnlおよびtn2の少なくとも1つと実質的に等しい。
【請求項10】
請求項1の超伝導性物品であって、前記第1の超伝導性セグメントは、第1の基板、該第1の基板上に横たわる第1の超伝導性層、および該第1の超伝導性層の上に横たわる第1の安定化層を含み、前記第2の超伝導セグメントは、第2の基板、該第2の基板上に横たわる第2の超伝導性層、および該第2の超伝導性層の上に横たわる第2の安定化層を含む。
【請求項11】
請求項10の物品であって、前記第1および第2の超伝導性セグメントは、それぞれ第1および第2のバッファ層を含み、該第1のバッファ層は、前記第1の基板と前記第1の超伝導性層との間に設けられ、前記第2のバッファ層は、前記第2の基板と前記第2の超伝導性層との間に設けられている。
【請求項12】
請求項10の物品であって、前記第1および第2の超伝導性層は、約77Kより小さくない臨界温度Tcを持つ高温超伝導体材料よりなる。
【請求項13】
請求項12の物品であって、前記超伝導体材料はREBa2Cu3O7-xよりなり、そこで、REは希土類元素である。
【請求項14】
請求項1の物品であって、該物品は、およそ10より小さくない寸法比を持つ。
【請求項15】
請求項14の物品であって、該物品は、およそ100より小さくない寸法比を持つ。
【請求項16】
請求項1の物品であって、前記第1および第2の超伝導性セグメントの各々は、およそ10より小さくない寸法比を持つ。
【請求項17】
請求項1の物品であって、さらに、前記スプライスと前記第1および第2の超伝導性層との間に設けられた接合層を備える。
【請求項18】
請求項1の物品において、前記接合層は、はんだよりなる。
【請求項19】
請求項1の物品であって、前記接合領域は、およそ100マイクロオームcm2より大きくない接合抵抗を持つ。
【請求項20】
超伝導性物品であって、以下のものよりなる:
第1のセグメント端部を持つ第1の超伝導性セグメントであって、該第1のセグメント端部は、減少された厚みtr1を持つ;
第2のセグメント端部を持つ第2の超伝導性セグメントであって、該第2のセグメント端部は、減少された厚みtr2を持つ;および
前記第1および第2のセグメントを互いに接続するスプライスであって、該スプライスは、前記第1および第2のセグメント端部の上に横たわる。
【請求項21】
超伝導性物品であって、以下のものよりなる:
第1のセグメント端部を持つ第1の超伝導性セグメントであって、該第1の超伝導性セグメントは、名目厚さtn1を持ち、第1のセグメント端部は、tn1より小さい減少された厚さtr1を持つ;
第2のセグメント端部を持つ第2の超伝導性セグメントであって、該第2の超伝導性セグメントは、名目厚さtn2 を持ち、第2のセグメント端部は、tn2より小さい減少された厚さtr2を持つ、ここで、前記第1および第2の端部は、接合領域で互いに接合されており、該接合領域は、1.8tn1および1.8tn2の少なくとも1つより大きくない厚さtjr を持つ。
【請求項22】
請求項21の物品であって、前記接合領域は、前記第1の超伝導性セグメントと前記第2の超伝導性セグメントとを結合するスプライスよりなり、該スプライスは、前記第1および第2のセグメント端部の上に横たわる。
【請求項23】
超伝導性物品であって、以下のものよりなる:
名目厚さtn1を持つ第1の超伝導性導体;および
接合領域に沿って前記第1の導体の上に横たわる第2の超伝導性導体であって、該接合領域は、1.8tn1より大きくない厚さを持つ。
【請求項24】
請求項23の物品であって、前記第1の超伝導性導体は、第1の超伝導性セグメントであり、前記第2の超伝導性導体は、スプライスである。
【請求項25】
請求項24の物品であって、さらに第2の超伝導性セグメントを備え、前記スプライスは、前記第1および第2の超伝導セグメントの両方の上に横たわり、該接合領域は、前記第1および第2のセグメントの両方にわたる。
【請求項26】
超伝導性物品であって、以下のものよりなる:
第1の基板、該第1の基板上に横たわる第1の超伝導性層、および該第1の超伝導性層の上に横たわる第1の安定化層、よりなる第1の超伝導性セグメント;
第2の基板、該第2の基板上に横たわる第2の超伝導性層、および該第2の超伝導性層の上に横たわる第2の安定化層、よりなる第2の超伝導セグメント;および
前記第1および第2の超伝導セグメントを互いに接続するスプライスよりなり、該スプライスは、超導電性層よりなり、しかし安定化層と基板のうちの1つからフリーである接合領域。
【請求項27】
請求項26の物品であって、前記スプライスは、基板を含み、しかし安定化層からフリーである。
【請求項28】
請求項26の物品であって、前記スプライスは、安定化層を含み、しかし基板からフリーである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−538648(P2008−538648A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505622(P2008−505622)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/013278
【国際公開番号】WO2006/110637
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(505448796)スーパーパワー インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】