説明

結節性硬化症処置

神経皮膚症候群の処置に使用するためのラパマイシン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結節性硬化症複合体(TSC)により仲介される、例えば結節性硬化症のような、および神経線維腫症1型により仲介されるような、神経皮膚症候群の処置および予防方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで使用する神経皮膚症候群は、結節性硬化症複合体が仲介する障害(TSC)、例えば結節性硬化症および関連障害ならびに神経線維腫症1型および関連障害を含む。
神経線維腫症1型(NF1)および結節性硬化症複合体(TSC)は、罹患した個体が高頻度で腫瘍を発症する、2種の神経皮膚症候群を意味する。
【0003】
TSCは、広汎性良性過誤腫、癲癇、精神遅滞、および自閉症により特徴付けられる常染色体優性障害である。TSCは、腫瘍サプレッサー遺伝子、TSC1およびTSC2の変異と関連する。これら2個の遺伝子のいずれかにおける変異が、TSCの臨床的顕在化をもたらす。一般的な臨床症状は、発作、精神遅滞、自閉症、腎不全、顔面血管線維腫および心臓横紋筋腫(cardial Rhabdomyomas)を含み、そして、それに加えて、多くの罹患個体は、骨格の特定領域、特に手指および足指の骨(指骨)に、嚢胞様領域を有する。特徴的皮膚病変は、明確に定義される皮膚退色領域(色素脱失)を含み、これは乳児期に発症する可能性があり、4歳頃から、頬および鼻に相対的に小さい赤色小結節が出現し得る。この赤味がかった病変は最終的に大きくなり、一緒になり(癒着)、そして、疣贅様の見かけ(脂腺腺腫)となる。さらなる皮膚病変も発症し得て、平らな、皮膚色素が増加した“コーヒー色”領域(カフェオレ斑);爪の周りまたは下に起こる良性、線維性小結節(線維腫);または背下部の粗野な、盛り上がった(elevated)、“でこぼこした”病変(粒起革様皮)を含む。
【0004】
TSCの多くの特性は本来神経学的であるが、腎臓機能不全は、本疾患の共通した特徴である。TSC患者の約70−80%が腎臓血管筋脂肪腫(AML)を発症する。AMLは、平滑筋、血管、および脂肪細胞を含む3種の異なる細胞型から成る異種性の、良性腫瘍である。TSC患者にはまた、リンパ脈管筋腫症(LAM)と呼ばれる、破滅的な形態の肺疾患の証拠も存在する。LAMは、主に閉経前女性を苦しめる、独特で稀な嚢胞性肺疾患である。時間と共に、筋肉細胞が肺へのおよび肺からの空気、血液、およびリンパの流れを遮断し、肺が身体の残りの部分に酸素を提供することを妨げる。しばしば無症候性である腎臓腫瘍もまたLAMの患者で見られ、例えば臨床症状は、呼吸困難(dysapnea)、慢性咳、喘鳴、気胸、および胸部痛である。これらの症状は、LAM細胞が肺に移動し、嚢胞性実質破壊および進行性呼吸器不全を起こすに連れて発症し、悪化する。LAMはまた独立した状態として(散発性LAM)またはTSCの二次的状態として(TSC−LAM)起こり得る。AMLは、LAM(来院(presenting)患者の50%)およびTSC(来院患者の70%)の両方に症候的であり、これら2種の障害からのAMLの間に放射線学的、形態学的または遺伝的差異はない。
【0005】
結節性硬化症遺伝子変異は、リンパ脈管筋腫症(lymphyangioleiomyomatosis)(LAM)の原因であることが報告されている。この変異は、4名のLAM女性からの血管筋脂肪腫細胞およびLAM細胞に見られた。変異は、正常肺、腎臓または血液細胞には存在せず、LAMの女性が、遺伝性疾患である結節性硬化症を有していないことを示した。結節性硬化症と散発性LAMの間のこの遺伝的関連の同定は、LAM研究における重要な段階である。(例えば“Mutations in the tuberous sclerosis complex gene TSC2 are a cause of sporatic lymphyangioleiomyomatosis”; Carsillo, Astrinidis and Henske; PNAS 2000 97:6085-90を参照のこと)。
【0006】
一部のTSC患者は、上衣下巨細胞星状細胞腫(SEGA)を発症し、この疾患は典型的に脳室(ventricular)閉塞が起こるまで無症候性であり、生命を脅かす急性水頭症に至る腫瘍である。これらの腫瘍が深部に存在するため、外科的摘出は困難であり、しばしば顕著な罹病率と関連する。
【0007】
神経線維腫症1型(NF1、フォンレックリングハウゼン病)は、男性における最も一般的な遺伝子障害である。NF1は、NFL遺伝子の変異により引き起こされる。NF1は皮膚、脳、眼、腎臓および身体の他の部分に影響する。NF1は、全身、特に皮膚および脳における神経線維腫(良性および悪性腫瘍/塊)の形成を伴う、神経系、筋肉、骨および皮膚における発生変化により特徴付けられる:NF1の顕在化は神経線維腫(良性および悪性腫瘍/塊、神経膠腫、例えば視覚経路神経膠腫、例えば全身、特に皮膚、脳、視覚経路、骨の低グレード神経膠腫、皮膚の過色素沈着領域、例えばカフェオレ斑と呼ばれる色素沈着パッチ(コーヒー色母斑)、骨疾患、学習障害、骨髄悪性病変、高血圧、およびいくつかの臓器における他の合併症を含む。側弯症(脊椎の湾曲)もまた関連し得る。神経膠腫(原発性脳腫瘍)は脳または脊髄組織で開始する。それらは体の他の領域には広がらないが、神経系内で拡散し得る。神経膠は良性(遅い増殖)または悪性(速い増殖)のいずれかであり得る。神経膠腫のタイプは、例えば
−星状細胞と呼ばれる脳細胞で開始し、脳のほとんどの領域(および、時折脊髄)で起こり得る星状細胞腫;それは脳の主要部である大脳において最も一般的に見られる;
−脳および脊髄を保護する特別な体液(脳脊髄液と呼ばれる)が製造され、貯蔵される場所である脳内の通路を裏打ちする細胞である、上衣で開始される上衣腫。それは稀な神経膠腫であり、脳または脊椎のどこにでも見ることができるが、最も一般的には、脳の主要分である大脳である:
−神経インパルスを伝達する細胞のための支持および滋養を提供するオリゴデンドロサイトと呼ばれる脳細胞で開始する原発性脳腫瘍である乏突起膠腫。この腫瘍は、通常大脳に見られる;
−星状細胞、上衣細胞および/またはオリゴデンドロサイトの細胞を含む、1種以上の脳細胞の脳腫瘍である、混合型神経膠腫。混合型神経膠腫の最も一般的な部位は脳の主要部である大脳である。他の神経膠腫と同様、それは脳の他の場所に拡散し得る。
【0008】
低グレード神経膠腫は、ゆっくり増殖する。高グレード(悪性)神経膠腫増殖は、はるかに速い。グレード(Grad)IV神経膠腫は、神経膠芽腫と命名される。
神経線維腫症はまた、良性軟組織腫瘍の悪性対応物である悪性末梢神経外筒腫瘍(MPNST)(顕在化はまた神経線維腫およびシュワン腫とも命名される)も含む。神経線維腫症、例えばNF1型の患者は、若年でこのような悪性シュワン腫または神経原性肉腫を発症する。
【0009】
驚くべきことに、ある種のラパマイシン誘導体が、結節性硬化症およびNF−1モデルにおいて有効であり、そしてこのような化合物が、結節性硬化症および神経線維腫症1型のような、罹患個体が高頻度で腫瘍を発症する神経皮膚症候群(関連障害を含む)の処置に適していることが、判明した。
【発明の開示】
【0010】
一つの局面において、本発明は
1.1 神経皮膚症候群の処置に使用するための、式
【化1】

〔式中、
はCHまたはC3−6アルキニルであり、
はH、−CH−CH−OHまたは−CH−CH−O−(C1−8)アルキル、例えば−CH−CH−O−CH−CHであり、
そして
Xは=O、(H、H)または(H、OH)である。
ただし、Xが=Oであり、そしてRがCHであるとき、RはH以外である。〕
の化合物(例えば、式
【化2】

の化合物を含む)、または化合物ABT578(例えばゾタロリムスとも呼ばれる)、化合物CCI779(例えばテムシロリムスとも呼ばれる)、化合物AP23573(Ariadから)、例えば40−(ジメチルホスフィニル)−ラパマイシン、または化合物TAFA−93(Isotechnikaから)を提供する。
【0011】
いくつかの局面において、本発明はさらに以下を提供する:
1.2a 結節性硬化症複合体が仲介する障害の処置、結節性硬化症複合体が仲介する障害の緩解の促進、結節性硬化症複合体が仲介する障害と関連する症状の処置、結節性硬化症複合体が仲介する障害と関連する障害の処置、および/または結節性硬化症複合体が仲介する障害の阻止または管理のための、
例えば、ここで、結節性硬化症複合体が仲介する障害が結節性硬化症、腎臓血管筋脂肪腫(ALM)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、上衣下および/または巨細胞星状細胞腫(SEGA)を含む、
、RおよびXが上記で定義の通りである式Iの化合物、化合物ABT578、または化合物TAFA−93の使用。
【0012】
1.2b 神経線維腫症1型(NF1)の処置、NF1が仲介する障害の緩解の促進、NF1と関連する症状の処置、および/またはNF1が仲介する障害の阻止または管理のための、
、RおよびXが上記で定義の通りである式Iの化合物、または化合物ABT578、化合物CCI779、化合物AP23573または化合物TAFA−93の使用。
【0013】
好ましい式の化合物は、
40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、および/または
32−デオキソラパマイシン、および/または
16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、および/または
16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、および/または
16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、
例えば
40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンおよび/または32−デオキソラパマイシン、
例えばエベロリムスの名の下に既知の40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン
を含む。
【0014】
式Iの化合物は、バイオリムス、例えばRがメチルであり、Xが=Oであり、そしてRが−CH−CH−O−CH−CHである式Iの化合物である、バイオリムス−9を含む。
【0015】
化合物ABT578、TAFA−93およびR、RおよびXが上記で定義の通りである式Iの化合物もまたここでは“本発明の(に従う)TSC−化合物”と呼ぶ。
【0016】
化合物ABT578、CCI779、AP223573、TAFA−93およびR、RおよびXが上記で定義の通りである式Iの化合物もまたここでは“本発明の(に従う)NF1−化合物”と呼ぶ。
【0017】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
1.3a 結節性硬化症複合体が仲介する障害を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のTSC−化合物を投与することを含む、方法。
1.4a 結節性硬化症複合体が仲介する障害の緩解を促進する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のTSC−化合物を投与することを含む、方法。
1.5a 結節性硬化症複合体が仲介する障害と関連する症状を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のTSC−化合物を投与することを含む、方法。
1.6a 結節性硬化症複合体が仲介する障害と関連する障害を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のTSC−化合物を投与することを含む、方法。
1.7a 結節性硬化症複合体が仲介する障害を阻止または管理する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のTSC−化合物を投与することを含む、方法。
【0018】
他の局面において、本発明は、以下を提供する
1.3b 神経線維腫症1型(NF1)障害を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のNF1−化合物を投与することを含む、方法。
1.4b NF1が仲介する障害の緩解を促進する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のNF1−化合物を投与することを含む、方法。
1.5b NF1と関連する症状を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のNF1−化合物を投与することを含む、方法。
1.6b NF1が仲介する障害を阻止または管理する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本発明のNF1−化合物を投与することを含む、方法。
【0019】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
1.8 本発明の化合物が40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、または16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン;
例えば、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンまたは32−デオキソラパマイシン、
例えば40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン(例えばここでは“化合物A”とも呼ぶ)である、
上記1.1、1.2aから1.7a、または1.2bから1.6bの下に示す使用または方法のための、いずれかの化合物。
【0020】
好ましい局面において、本発明は、以下を提供する
2.1 結節性硬化症の処置のための、上記1.1、1.8および1.2aから1.7aの下に示す使用または方法のための、いずれかの化合物。
2.2 腎臓血管筋脂肪腫(ALM)の処置のための、上記1.1、1.8および1.2aから1.7aの下に示す使用または方法のための、いずれかの化合物。
2.3 リンパ脈管筋腫症(LAM)の処置のための、上記1.1、1.8および1.2aから1.7aの下に示す使用または方法のための、いずれかの化合物。
2.4 急性水頭症(例えば上衣下巨細胞星状細胞腫(SEGA)によりもたらされる急性水頭症)の処置のための、上記1.1、1.8および1.2aから1.7aの下に示す使用または方法のための、いずれかの化合物。
【0021】
さらなる局面において、本発明は、以下を提供する:
3.1a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7aまたは2.1から2.4の下に定義した(例えば、上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用において使用するための医薬の製造において使用するための、本発明のTSC−化合物。
3.2a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7aまたは2.1から2.4の下に定義した(例えば、上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用において使用するための医薬の製造のための、本発明のTSC−化合物の使用。
【0022】
さらなる局面において、本発明は、以下を提供する:
3.1b 上記1.1、1.8または1.2bから1.7bの下に定義した(例えば、上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用において使用するための医薬の製造において使用するための、本発明のNF1−化合物。
3.2b 上記1.1、1.8または1.2bから1.7bの下に定義した(例えば、上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用において使用するための医薬の製造のための、本発明のNF1−化合物の使用。
【0023】
上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、1.2bから1.6bまたは2.1から2.4の下に定義したいずれかの方法または使用において使用するための、または、上記3.1a、3.2a、3.1bまたは3.2bの下に定義した(例えば、上記で定義した好ましい局面を含む)、医薬の製造のための例えばTSC−化合物およびNF1−化合物を含む、いずれかの本発明の化合物は、好ましくは医薬組成物の形で使用する。
【0024】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
4.1a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用において使用するための;
例えばおよび上記3.1aおよび3.2aで定義した医薬の製造において使用するための;
本発明のTSC−化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば増量剤、結合剤、崩壊剤、流動調節剤、平滑剤、糖または甘味剤、香料、防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含む、例えば適当な担体および/または希釈剤と共に含む、医薬組成物。
4.1b 上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bに定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用において使用するための;
例えばおよび上記3.1bおよび3.2bで定義した医薬の製造において使用するための;
本発明のNF1−化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば増量剤、結合剤、崩壊剤、流動調節剤、平滑剤、糖または甘味剤、香料、防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含む、例えば適当な担体および/または希釈剤と共に含む、医薬組成物。
【0025】
いずれかの本発明の化合物(例えばTSC−化合物およびNF1−化合物を含む)は、本発明により提供されるいずれかの方法、いずれかの使用およびいずれかの医薬組成物において、単独でまたは1種以上、少なくとも1種の、第2医薬物質と組み合わせて使用できる。
【0026】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
5.1a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)、いずれかの方法または使用のための、本発明のTSC−化合物と少なくとも1種の第2医薬物質の組み合わせ。
5.2a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用のための、本発明の化合物を少なくとも1種の第2医薬物質と組み合わせて含む、医薬組み合わせ。
5.3a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用のための、少なくとも1種の第2医薬物質および1種以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて、本発明のTSC−化合物を含む、医薬組成物。
5.4a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用において使用するための、第2医薬物質と組み合わせて使用するための医薬の製造のための、本発明のTSC−化合物の使用。
5.5a 上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用において使用するための医薬の製造のための、少なくとも1種の第2医薬物質と組み合わせた、本発明のTSC−化合物。
5.6a 治療的有効量の本発明のTSC−化合物および少なくとも1種の第2医薬物質を、例えば医薬組み合わせまたは組成物の形で、同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法。
5.7a 本発明のTSC−化合物を間欠的に投与する、上記5.6aの下に定義した方法。
【0027】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
5.1b 上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用のための、本発明のNF1−化合物と少なくとも1種の第2医薬物質の組み合わせ。
5.2b 上記1.1、1.8、1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用のための、本発明のNF1−化合物を少なくとも1種の第2医薬物質と組み合わせて含む、医薬組み合わせ。
5.3b 上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用のための、少なくとも1種の第2医薬物質および1種以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて本発明のNF1−化合物を含む、医薬組成物。
5.4b 上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用において使用するための、第2医薬物質と組み合わせて使用するための医薬の製造のための、本発明のNF1−化合物の使用。
5.5b 上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用において使用するための医薬の製造のための、少なくとも1種の第2医薬物質と組み合わせた、本発明のNF1−化合物。
5.6b 治療的有効量の本発明のNF1−化合物および少なくとも1種の第2医薬物質を、例えば医薬組み合わせまたは組成物の形で、同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法。
5.7b 本発明のNF1−化合物を間欠的に投与する、上記5.6bの下に定義した方法。
【0028】
組み合わせは、本発明の化合物、および少なくとも1種の第2医薬物質が同じ製剤中にある固定された組み合わせ;別々の製剤の本発明の化合物および少なくとも1種の第2医薬物質が同じパッケージで、例えば併用投与のための指示と共に提供されるキット;および本発明の化合物および少なくとも1種の第2医薬物質が別々に包装されているが、同時のまたは連続的投与のための指示が与えられる、自由な組み合わせを含み;
例えば、ここで、本発明の化合物はTSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである。
【0029】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用において使用するための;
5.8a 本発明のTSC−化合物である第一医薬物質および少なくとも1種の第2医薬物質と、それに加えて組み合わせ投与のための指示を含む、医薬包装物;
5.9a 本発明のTSC−化合物と、それに加えて少なくとも1種の第2医薬物質との組み合わせ投与のための指示を含む、医薬包装物;
5.10a 少なくとも1種の第2医薬物質と、それに加えて本発明のTSC−化合物との組み合わせ投与のための指示を含む、医薬包装物。
【0030】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
上記1.1、1.8、または1.2bから1.6bの下に定義した(例えば上記で定義した好ましい局面を含む)いずれかの方法または使用において使用するための;
5.8b 本発明のNF1−化合物である第一医薬物質および少なくとも1種の第2医薬物質、それに加えて組み合わせ投与のための指示を含む、医薬包装物;
5.9b 本発明のNF1−化合物と、それに加えて少なくとも1種の第2医薬物質との組み合わせ投与のための指示を含む、医薬包装物;
5.10b 少なくとも1種の第2医薬物質と、それに加えて本発明のNF1−化合物との組み合わせ投与のための指示を含む、医薬包装物。
【0031】
本発明の組み合わせでの処置は、単剤処置と比較して改善を提供し得る。
【0032】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義したいずれかの方法または使用において使用するための;
5.11a 一定量の本発明のTSC−化合物および一定量の第2医薬物質を含む医薬組み合わせ(ここで、これらの量は相乗的治療効果を生じるのに適する);
5.12a 本発明のTSC−化合物の治療的有用性を改善する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物および第2医薬物質を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、方法。
5.13a 第2医薬物質の治療的有用性を改善する方法であって、治療的有効量の本発明のTSC−化合物および第2医薬物質を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、方法。
【0033】
他の局面において、本発明は、以下を提供する:
上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義したいずれかの方法または使用において使用するための;
5.11b 一定量の本発明のNF1−化合物および一定量の第2医薬物質を含む医薬組み合わせ(ここで、これらの量は相乗的治療効果を生じるのに適する);
5.12b 本発明のNF1−化合物の治療的有用性を改善する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物および第2医薬物質を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、方法。
5.13b 第2医薬物質の治療的有用性を改善する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物および第2医薬物質を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、方法。
【0034】
上記5.11aから5.13aの下に定義した医薬組み合わせまたは方法において、例えば上記1.1、1.8、1.2aから1.7a、または2.1から2.4の下に定義したいずれかの方法または使用において使用したとき、本発明のTSC−化合物または第2医薬物質の活性は単剤処置と比較して増強され得て、例えば組み合わせ処置は相乗効果をもたらし得るか、または本発明のTSC−化合物または化学療法剤に対する耐性に打ち勝ち得る。
【0035】
上記5.11bから5.13bの下に定義した医薬組み合わせまたは方法において、例えば上記1.1、1.8または1.2bから1.6bの下に定義したいずれかの方法または使用において使用したとき、本発明のNF1−化合物または第2医薬物質の活性は単剤処置と比較して増強され得て、例えば組み合わせ処置は相乗効果をもたらし得るか、または本発明のNF1−化合物または化学療法剤に対する耐性に打ち勝ち得る。
【0036】
5.1aから5.13aの下に定義した(医薬)組み合わせ、例えば組成物は、
a) 本発明のTSC−化合物である第一医薬物質および
b) 例えば、前記または後記に定義した化学療法剤である、併用剤としての第2医薬物質
を含む。
【0037】
5.1bから5.13bの下に定義した(医薬)組み合わせ、例えば組成物は、
a) 本発明のNF1−化合物である第一医薬物質および
b) 例えば、前記または後記に定義した化学療法剤である、併用剤としての第2医薬物質
を含む。
【0038】
本発明により提供される処置は、防止(予防)を含む。ここで使用する障害は、疾患を含む。
【0039】
このような処置のために、適当な投与量は、もちろん、例えば、使用する化合物の化学的性質および薬物動態学的データ、個々の宿主、投与の形態および処置する状態の性質および重症度により変化する。しかしながら、一般に、大型哺乳動物、例えばヒトにおける満足な結果のために、指示される1日投与量は
− 約0.0001gから約1.5g、例えば0.001gから1.5g;
− 約0.001mg/kg 体重から約20mg/kg 体重、例えば0.01mg/kg 体重から20mg/kg 体重
を含み、例えば分割量で1日4回まで投与する。
【0040】
本発明により提供される方法、使用、組み合わせ、医薬組み合わせまたは医薬組成物において、TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物を、適当に、例えば本発明の化合物について既知の用量で、任意の投与経路で、例えば経腸的に、例えば経口で、または非経腸的に投与できる。例えばエベロリムスは、例えば経口で、0.1mgから15mgまで、例えば0.1mgから10mg。例えば0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、2.5mg、5mg、または10mg、より好ましくは0.5mgから10mgの用量で、例えば(分散性)錠剤の形で投与できる;例えば固体分散の形のエベロリムスを含む;例えば1週間の投与量は、例えば(e.e.)、処置する疾患によって、70mgまで、例えば10から70mg、例えば30から50mgまでを含み得る。TSC−化合物またはNF1化合物のいずれかである、本発明の他のラパマイシン誘導体は、同様に、例えば類似の投与範囲で投与できる。
【0041】
第2医薬物質は、適当に、例えば慣用の方法に従い、例えば、具体的な薬剤について単剤処置のために与えられる投与指示に準じて、組み合わせ治療において投与できる。
【0042】
ここで使用する第2医薬物質は、任意の慣用の経路で、例えば経腸的に(例えば経鼻、口腔、直腸、経口投与を含む);非経腸的に(例えば静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内注入、経皮(無傷の皮膚を介する拡散)、経粘膜(粘膜を介する拡散)、吸入投与を含む);局所的に(例えば皮膚上、鼻腔内、気管内投与を含む);腹腔内(腹腔への注入または注射);硬膜外(硬膜外の)(硬膜外領域への注入または注射);髄腔内(脳脊髄液への注射または注入);硝子体内(眼を介する投与);または医療デバイス、例えば局所送達のために、例えばステントを介して;
例えば被覆または非被覆錠剤、カプセル、(注射可能)溶液、輸液、固体溶液、懸濁液、分散、固体分散の形で;例えばアンプル、バイアルの形で、クリーム、ゲル、ペースト、インヘイラー粉末、泡沫、チンキ、リップスティック、液滴、スプレーの形、または坐薬の形で投与できる。
【0043】
ここで使用する第2医薬物質は、薬学的に許容される塩、または遊離形;所望により溶媒和物の形で投与できる。
【0044】
本発明の医薬組成物は、慣用法に従って、例えば準じて、例えば混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥法により製造できる。単位投与形態は、例えば、約0.1mgから約1500mg、例えば1mgから約1000mgを含み得る。
【0045】
本発明の組み合わせを含む医薬組成物およびここに記載の第2医薬物質を含む医薬組成物は、適当に、慣用法に、例えば従い、例えば準じて、またはここで、本発明の医薬組成物について記載の通り提供し得る。
【0046】
結節性硬化症複合体を介する疾患は、対象における欠損Tsc経路が原因の疾患を含む。
“欠損Tsc経路”は、Tsc経路内の細胞または組織に有害な作用の原因となる、例えば、表現型的に、遺伝的に、生化学的に、および分子学的に、結節性硬化症疾患を顕在化させる、生物学的効果をもたらす、Tsc経路の制御を含む。欠損TSC経路は適当に、例えば慣用法に従って同定できる。
【0047】
結節性硬化症は、本来神経学的である機能不全および腎臓機能不全を含む。結節性硬化症疾患と関連する症状および疾患は、例えば発作、精神的遅滞、自閉症、腎不全、顔面血管線維腫および心臓横紋筋腫;骨格の特定領域、特に手指および足指の骨(指骨)の、嚢胞様領域;明確に定義される皮膚退色領域(色素脱失)を含み、頬および鼻に相対的に小さい赤色小結節が出現し得て、この赤味がかった病変は最終的に大きくなり、一緒になり(癒着)、そして、疣贅様の見かけ(脂腺腺腫)となる特徴的皮膚病変、平らな、皮膚色素が増加した“コーヒー色”領域(カフェオレ斑);例えば爪の周りまたは下に起こる良性、線維性小結節(線維腫);または背下部の粗い、盛り上がった、“凹凸のある”病変(粒起革様皮)、臓器または体の一部の、その構成細胞のサイズの増加による増加または過増殖を意味する肥大(例えば右心室肥大、肥大型心筋症、良性前立腺肥大を含む);例えば平滑筋、血管、および脂肪細胞を含む3種の異なる細胞型から成る異種性の、腎臓血管筋脂肪腫(AML);肺へのおよび肺からの空気、血液、およびリンパの流れが遮断された、重篤な肺疾患、例えばリンパ脈管筋腫症(LAM)、LAMと関連する腎臓腫瘍、呼吸困難、慢性咳、喘鳴、気胸、および胸部痛、嚢胞性実質破壊、進行性呼吸器不全を含む。
【0048】
ここで使用する用語“第2医薬物質”は、TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物以外の、全ての化学療法剤のいずれかを意味する。
【0049】
例えば、ここで使用する第2医薬物質は、例えば抗癌剤、抗炎症性および/または免疫調節性および/または抗アレルギー性薬剤、鎮痒剤、収斂剤、局所麻酔剤を含む。
【0050】
例えば、本発明のTSC−化合物の場合、ここで使用する第2医薬物質は、例えば結節性硬化症複合体が仲介する障害に関連する症状の処置に有用な薬剤、例えば、結節性硬化症、腎臓血管筋脂肪腫(ALM)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、上衣下、および/または巨細胞星状細胞腫(SEGA)および/またはそれに伴う症状および/または障害の処置に有用な薬剤を含み;
例えば、本発明のNF1−化合物の場合、ここで使用する第2医薬物質は、例えばNF1および/またはそれに関連する障害および/または症状の処置に有用な薬剤である。
【0051】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物のいずれかとの組み合わせパートナーとして有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある抗癌剤は、例えば以下を含む:
i. ステロイド;例えばプレドニゾン。
ii. 核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝を標的とし、低下させ、または阻害するアデノシン−キナーゼ−阻害剤;例えば、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン, 5−ヨード−7−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても既知の5−ロドツベルシジン(lodotubercidin)。
iii. 5−FU−TS結合を増強するアジュバント;ならびにアルカリホスファターゼを標的とし、低下させ、または阻害する化合物、例えばロイコボリン、レバミソール。
iv. 副腎皮質の活性を標的とし、低下させ、または阻害し、そして、コルチコステロイドの末梢代謝を変化させ、17−ヒドロキシコルチコステロイドの低下をもたらす、副腎皮質アンタゴニスト;例えばミトタン。
v. AKT経路阻害剤;例えば、タンパク質キナーゼB(PKB)としても既知のAktを標的とし、低下させ、または阻害する化合物、例えば、3H−ビス[1]ベンゾピラノ[3,4−b:6',5'−e]ピラン−7(7aH)−オン, 13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−, (7aS, 13aS)−(9Cl)としても既知のデグエリン;および1,4,5,6,8−ペンタアザアセナフチレン−3−アミン, 1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても既知のトリシリビン。
vi. DNAのアルキル化を引き起こし、DNA分子中の破壊ならびに二本鎖の架橋の破壊をもたらし、それ故にDNA複製およびRNA転写を妨害する、アルキル化剤;例えばクロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、エストラムスチン;ニトロソウレア(nitrosueras)、例えばカルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(streptozotocin、STZ)、BCNU;グリアデル;ダカルバジン、メクロレタミン(例えば塩酸塩の形)、プロカルバジン(例えば塩酸塩の形)、チオテパ、テモゾロミド、窒素マスタード、マイトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、エストラムスチン、ウラムスチン。シクロホスファミドは、例えば、商品名CYCLOSTIN(登録商標)の下に、例えば、市販の形で;イホスファミドはHOLOXAN(登録商標)として、テモゾロミドはTEMODAR(登録商標)として、窒素マスタードはMUSTARGEN(登録商標)として、エストラムスチンはEMYCT(登録商標)として、ストレプトゾシンはZANOSAR(登録商標)投与できる。
【0052】
vii. 新血管の生成を標的とし、低下させ、または阻害する、例えば、メチオニンアミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1アルファ)、CCL5、TGF−ベータ、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、およびトポイソメラーゼを標的とする、または、間接的にp21、p53、CDK2およびコラーゲン合成を標的とする血管形成阻害剤;例えば2,4,6,8−デカテトラエンジオイック酸, モノ[(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクト−6−イル]エステル, (2E,4E,6E,8E)−(9CI)としても既知のフマギリン;1,4−ナフタレンジオン, 5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても既知のシコニン;安息香酸, 2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]−(9Cl)としても既知のトラニラスト;ウルソール酸;スラミン;ベンガミドまたはそれらの誘導体、サリドマイド、TNP−470を含む。
viii. 前立腺組織の正常および悪性増殖を刺激する、副腎および精巣由来のアンドロゲンの作用を遮断する抗アンドロゲン;例えばニルタミド;例えば、US4636505に記載の通りに製剤できるビカルタミド(CASODEX(登録商標))。
ix. エストロゲン受容体レベルでのエストロゲンの作用に拮抗する抗エストロゲン;例えば、エストロゲン産生、すなわち、基質アンドロステンジオンおよびテストステロン各々から、エストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害するアロマターゼ阻害剤、例えばアタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、トレミフェン;ビカルタミド;フルタミド;タモキシフェン、クエン酸タモキシフェン;タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェン、塩酸ラロキシフェンを含む。タモキシフェンは、市販の形、例えば、NOLVADEX(登録商標)で、例えば、投与でき;そして塩酸ラロキシフェンはEVISTA(登録商標)として市販されている。フルベストラントはUS4659516に記載の通り製剤でき、そしてFASLODEX(登録商標)として市販されている。
x. 高カルシウム血症の処置に使用する抗高カルシウム血症剤;例えば硝酸ガリウム(III)水和物;およびパミドロン酸二ナトリウム。
【0053】
xi. DNAの合成を阻害または中断させ、細胞死をもたらす代謝拮抗剤;例えば6−メルカプトプリン;シタラビン;フルダラビン;フレクスウリジン(flexuridine);フルオロウラシル;5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、カペシタビン;ラルチトレキセド;メトトレキサート;クラドリビン;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;チオグアニン;6−チオグアニン、ヒドロキシウレア;DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン;エダトレキサート;葉酸アンタゴニスト、例えばペメトレキセド。カペシタビンおよびゲムシタビンは、例えば、XELODA(登録商標)およびGEMZAR(登録商標)のような、例えば、市販の形で投与できる。
xii. 細胞におけるその死を導く正常な一連の事象を誘発する、例えばアポトーシスタンパク質XIAPのX連鎖哺乳動物アポトーシス抑制タンパク質を選択的に誘発する、または例えばBCL−xLを下方制御するアポトーシスインデューサー;例えばエタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ]−(9Cl);ガンボグ酸;2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン, 2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシルとしても既知のエンベリン;三酸化ヒ素(TRISENOX(登録商標))。
xiii. G2/Mチェックポイントから有糸分裂チェックポイントまでおよび後期有糸分裂に至る全ての細胞サイクルの後期段階を標的とし、低下させ、または阻害するオーロラキナーゼ阻害剤;例えばメタンイミドアミド, N'−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−5−イル]−N,N−ジメチル−(9CI)としても既知のビヌクレイン2。
xiv. ヒトおよびマウスB細胞発育を標的とし、低下させ、または阻害するブルートンのチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;例えばテレ酸。
xv. T細胞活性化経路を標的とし、低下させ、または阻害するカルシニューリン阻害剤;例えばシクロプロパンカルボン酸, 3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−, シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(9Cl)としても既知のシペルメトリン;シクロプロパンカルボン酸, 3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル, (1R,3R)−(9Cl)としても既知のデルタメトリン;ベンゼン酢酸, 4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−, シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(9Cl)としても既知のフェンバレレート;およびチロホスチン8;ただし、シクロスポリンまたはFK506を除く。
【0054】
xvi. ホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む、構造的に関連する酵素のファミリーを形成するCaMキナーゼを標的とし、低下させ、または阻害するCaMキナーゼII阻害剤;例えば5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ−(9Cl)。
xvii. 種々の炎症および免疫障害の処置を助ける、Src−ファミリータンパク質−チロシンキナーゼ上のpTyr残基の脱リン酸化制御を標的とし、低下させ、または阻害するCD45チロシンホスファターゼ阻害剤;例えばホスホン酸, [[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]−(9Cl)。
xviii. 腫瘍における過剰発現した脱リン酸化サイクリン依存性キナーゼを標的とし、低下させ、または阻害するCDC25ホスファターゼ阻害剤;例えば1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロキシ(hydroy)エチル)チオ]−(9Cl)。
xix. 抗アポトーシス性タンパク質Bcl−2の過剰発現を標的とし、低下させ、または阻害するCHKキナーゼ阻害剤;例えばデブロモヒメニアルジシン。CHKキナーゼ阻害剤の標的は、CHK1および/またはCHK2である。
xx. ゲニステイン、オロモウシン(olomucine)および/またはチロホスチンを制御するための制御剤;例えば、4H−1−ベンゾピラン−4−オン, 7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−(9Cl)としても既知のダイゼイン;イソオロモウシン、およびチロホスチン1。
【0055】
xxi. シクロオキシゲナーゼ阻害剤;例えば酵素cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的とし、低下させ、または阻害するCox−2阻害剤を含む;例えば1H−インドール−3−アセトアミド, 1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル)−(9Cl);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5−メチル−2−(2'−クロロ−6'−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;およびセレコキシブ。
xxii. TNFにより誘発されるE−セレクチンおよび血管接着分子−1の上方制御を標的とし、低下させ、または阻害するcRAFキナーゼ阻害剤;例えば3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドール−2−オン;およびベンズアミド, 3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−(9Cl)。Rafキナーゼは、細胞分化、増殖、およびアポトーシスの細胞外シグナル制御キナーゼとして重要な役割を担う。cRAFキナーゼ阻害剤の標的は、RAF1を含み、これに限定されない。
【0056】
xxiii. 哺乳動物細胞サイクルの制御において役割を有するサイクリン依存性キナーゼを標的とし、低下させ、または阻害するサイクリン依存性キナーゼ阻害剤;例えばN9−イソプロピル−オロモウシン;オロモウシン;安息香酸, 2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても既知のプルバラノールB;ロスコビチン(roascovitine);2H−インドール−2−オン, 3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−(9CI)としても既知のインジルビン;インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン, 9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−(9CI)としても既知のケンパウロン;1−ブタノール, 2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−, (2R)−(9CI)としても既知のプルバラノールA;インジルビン−3'−モノオキシム。細胞サイクル進行は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)およびサイクリンの活性化およびその後の不活性化を含む、一連の連続的事象により制御される。Cdkは、制御サブユニット、サイクリンに結合することにより活性ヘテロ二量体複合体を形成するセリン/スレオニンキナーゼのグループである。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例は、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3ベータ、およびERKを含み、これらに限定されない。
xxiv. 哺乳動物細胞ターンオーバーおよびアポトーシスにおいて重要な役割を担うシステインプロテアーゼを標的とし、低下させ、または阻害するシステインプロテアーゼ阻害剤;例えば4−モルホリンカルボキサミド, N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]−(9Cl)。
【0057】
xxv. DNAに結合し、DNA、RNA、およびタンパク質合成を阻害するDNAインターカレーター;例えばプリカマイシン、ダクチノマイシン。
xxvi. DNA鎖切断を引き起こし、DNA合成の阻害、RNAおよびタンパク質合成の阻害をもたらすDNA鎖破壊剤;例えばブレオマイシン。
xxvii. ユビキチン鎖からタンパク質への転移を阻害するE3リガーゼを標的とし、低下させ、または阻害し、プロテアソームによる分解のためにマーキングする、E3リガーゼ阻害剤;例えばN−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミド。
xxviii. 主に下垂体で作用することにより、男性においてホルモンの抑制をもたらし、正味の効果はテストステロンの去勢レベルまでの低下であり;女性において卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン合成の両方が阻害される内分泌ホルモン;例えばリュープロリド;メゲストロール、酢酸メゲストロール。
【0058】
xxix. 受容体チロシンキナーゼの上皮細胞増殖因子ファミリー(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物、例えば、EGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害する、または、EGFまたはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、および特にWO9702266(例えば実施例39の化合物)、EP0564409、WO9903854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5747498、WO9810767、WO9730034、WO9749688、WO9738983および、とりわけ、WO9630347(例えばCP358774として既知の化合物)、WO9633980(例えばZD1839として既知の化合物);およびWO9503283(例えばZM105180として既知の化合物)に一般的におよび具体的に開示の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えばトラスツマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、例えばWO03013541に記載の7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、エルロチニブ、ゲフィチニブを含む。エルロチニブは、例えば、その市販の、例えばTARCEVA(登録商標)の形で投与でき、そしてゲフィチニブはIRESSA(登録商標)として投与でき、上皮細胞増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体はABX−EGFRを含む。
【0059】
xxx. EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;例えばチロホスチン23、チロホスチン25、チロホスチン47、チロホスチン51およびチロホスチンAG825を含むEGFRキナーゼ阻害剤;2−プロペンアミド, 2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−(2E)−(9Cl);チロホスチンAg1478;ラベンダスティンA;3−ピリジンアセトニトリル, α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−, (αZ)−(9Cl);EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例、例えばチロホスチン46を含む。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤はチロホスチン46を含む。EGFRキナーゼ阻害剤の標的は、グアニリルサイクラーゼ(GC−C)HER2、EGFR、PTKおよびチューブリンを含む。
xxxi. Rasタンパク質を標的とし、低下させ、または阻害するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;例えばa−ヒドロキシファルネシルホスホン酸;酪酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−, 1−メチルエチルエステル、(2S)−(9cl);マニュマイシンA;L−744,832またはDK8G557、ティピファルニブ(R115777)、SCH66336(ロナファルニブ)、BMS−214662、
xxxii. Flk−1チロシンキナーゼ活性を標的とし、低下させ、または阻害するFlk−1キナーゼ阻害剤;例えば2−プロペンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−(2E)−(9Cl)。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的は、KDRを含み、これに限定されない。
【0060】
xxxiii. グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)を標的とし、低下させ、または阻害するグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)阻害剤;例えばインジルビン−3'−モノオキシム。非常に保存され、偏在的に発現されるセリン/スレオニンタンパク質キナーゼであるグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)は、多数の細胞性過程におけるシグナル伝達カスケードに関与する;これは、タンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管集合/脱集合、およびアポトーシスを含む、細胞機能の様々なアレイの制御に関与することが示されているタンパク質キナーゼである。
xxxiv. ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有するヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;例えばWO0222577に開示の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよび薬学的に許容されるそれらの塩;スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびそれらの誘導体;酪酸、ピロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド;デプデシン;トラポキシン、シクロ[L−アラニル−D−アラニル−(□S,2S)−□−アミノ−□−オキソオキシランオクタノイル−D−プロリル](9CI)としても既知のHC毒素;フェニル酪酸ナトリウム、スベロイルビス−ヒドロキサム酸;トリコスタチンA、BMS−27275、ピロキサミド、FR−901228、バルプロ酸。
【0061】
xxxv. HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させ、または阻害する;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解し、標的とし、低下させ、または阻害するHSP90阻害剤。HSP90の内因性ATPase活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、とりわけHSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の他の例は、ゲルダナマイシン,17−デメトキシ−17−(2−プロペニルアミノ)−(9Cl)を含む。HSP90阻害剤の可能性のある間接的標的は、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A53および/またはNQ012を含む。
xxxvi. NF−カッパBを標的とし、低下させ、または阻害するI−カッパB−アルファキナーゼ阻害剤(IKK);例えば2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(2E)−(9Cl)。
【0062】
xxxvii. ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管関連タンパク質、およびS6キナーゼの活性を調節するインスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;例えばヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸、LY294002。
xxxviii. Jun N−末端キナーゼを標的とし、低下させ、または阻害するc−Jun N−末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;例えばピラゾールアントロンおよび/またはエピガロカテキンガラート。Jun N−末端キナーゼ(JNK)、セリン指向性タンパク質キナーゼは、c−JunおよびATF2のリン酸化および活性化に関与し、代謝、増殖、細胞分化、およびアポトーシスに重要な役割を担う。JNKキナーゼ阻害剤の標的は、DNMTを含むが、これに限定されない。
【0063】
xxxix 有糸分裂および静止期細胞機能に必須な微小管ネットワークを破壊することにより作用する微小管結合剤;例えばビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン;ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;ビノレルビン;タキサン類、例えばドセタキセル;パクリタキセル;ディスコデルモライド;コルヒチン、エポチロンおよびそれらの誘導体、例えばエポチロンBまたはその誘導体。パクリタキセルはタキソール(登録商標)として;ドセタキセルはタキソテール(登録商標)として;硫酸ビンブラスチンはVINBLASTIN R.P(登録商標)として;および硫酸ビンクリスチンはFARMISTIN(登録商標)として市販されている。また包含されるのは、パクリタキセルの一般的な形ならびにパクリタキセルの種々の投与形である。パクリタキセルの一般的な形は、塩酸ベタキソロールを含み、これに限定されない。パクリタキセルの種々の投与形は、ABRAXANE(登録商標);ONXOL(登録商標)、CYTOTAX(登録商標)として市販されているアルブミンナノ粒子パクリタキセルを含み、これに限定されない。ディスコデルモライドは、例えば、US5010099に開示の通り得ることができる。また包含されるのは、US6194181、WO98/0121、WO9825929、WO9808849、WO9943653、WO9822461およびWO0031247に開示のエポシロン(Epotholine)誘導体である。とりわけ好ましいのはエポシロン(Epotholine)Aおよび/またはBである。
【0064】
xl. マイトージェン−活性タンパク質を標的とし、低下させ、または阻害するマイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;例えばベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ−(9Cl)。マイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼは、種々の細胞外刺激に応答して活性化され、細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介する、タンパク質セリン/スレオニンキナーゼのグループである。それらは炎症、アポトーシス細胞死、発癌性形質転換、腫瘍細胞侵襲、および転移を含むいくつかの生理学的および病的細胞現象を制御する。
xli. MDM2とp53腫瘍サブレッサーの相互作用を標的とし、低下させ、または阻害するMDM2阻害剤;例えばtrans−4−ヨード, 4'−ボラニル−カルコン。
xlii. MAPキナーゼMEKのキナーゼ活性を標的とし、低下させ、または阻害するMEK阻害剤;例えばNexavar(登録商標)(トシル酸ソラフェニブ)、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]−(9Cl)。MEK阻害剤の標的は、ERKを含み、これに限定されない。MEK阻害剤の間接的標的は、サイクリンD1を含み、これに限定されない。
【0065】
xliii: 腫瘍周囲の組織構造の喪失の促進および腫瘍増殖、血管形成、および転移の促進に関与する酵素MMP−2およびMMP−9を含む、ポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラスを標的とし、低下させ、または阻害するマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;例えばブタンジアミド, N−4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−, (2R)−(9CI)としても既知のアクチノニン;エピガロカテキンガラート;コラーゲンペプチド模倣性および非ペプチド模倣性阻害剤;テトラサイクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣性阻害剤バチマスタット;およびその経口で生体利用可能なアナログであるマリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、ネオバスタット、タノマスタット、TAA211、BMS−279251、BAY12−9566、MMI270BまたはAAJ996。MMP阻害剤の標的は、ポリペプチドデホルミラーゼを含み、これに限定されない。
【0066】
xliv. 神経増殖因子依存性p140c−trkチロシンリン酸化を標的とし、低下させ、または阻害するNGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤;例えばチロホスチンAG879。NGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤の標的は、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCを含み、これに限定されない。間接的標的はRAF1発現を阻害する。
xlv. MAPKファミリーメンバーであるp38−MAPKを標的とし、低下させ、または阻害する、SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含む、p38MAPキナーゼ阻害剤、例えばフェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−(9Cl)。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例は、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−(9Cl)を含み、これらに限定されない。MAPKファミリーメンバーは、チロシンおよびスレオニン残基のリン酸化により活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼは、多くの細胞ストレスおよび炎症性刺激により、リン酸化および活性化され、アポトーシスおよび炎症性反応のような重要な細胞反応の制御に関与すると考えられる。
xlvi. T−細胞発生および活性化に重要なリンパ系−特異的srcファミリーチロシンキナーゼである酵素である、p56チロシンキナーゼを標的とし、低下させ、または阻害するp56チロシンキナーゼ阻害剤;例えば2−アントラセンカルボキシアルデヒド, 9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1メトキシ−9,10−ジオキソ−(9Cl)、チロホスチン46としても既知のダムナカントール。p56チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、Lckを含み、これに限定されない。Lckは、CD4、CD8の細胞質ドメインおよびIL−2受容体のベータ−鎖と結合し、TCR−介在T−細胞活性化の初期工程に関与すると考えられている。
【0067】
xlvii. C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的とし、低下させ、または阻害する、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、低下させ、または阻害する、とりわけc−Kit受容体を阻害する、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、PDGFR、FLT3および/またはc−KITを含み、これに限定されない;例えばチロホスチンAG1296;チロホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル, 2−アミノ−4−(1H−インドール−5−イル)−(9Cl);N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、IRESSA(登録商標)。PDGFは、正常細胞ならびに癌、アテローム性動脈硬化症、および繊維性疾患のような種々の疾患状態における細胞増殖、走化性、および生存の制御に中心的役割を担う。PDGFファミリーは、二量体異性体(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、およびPDGF−DD)から成り、これらは、2個の受容体チロシンキナーゼに異なって結合することにより細胞効果を発揮する。PDGFR−およびPDGFR−βは、各々170および180kDaの分子量を有する。
【0068】
xlviii. PI3−キナーゼを標的とし、低下させ、または阻害するホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;例えば3H−フロ[4,3,2−de]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン、11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−、(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI);8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オンとしても既知のワートマニン;ケルセチン、ケルセチン二水和物。PI3−キナーゼ活は、インスリン、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、上皮細胞増殖因子、コロニー刺激因子、および肝細胞増殖因子を含む多くのホルモンおよび増殖因子刺激に応答して増加し、細胞増殖および形質転換に関連する工程に関与している。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的の例は、Pi3Kを含み、これに限定されない。
xlix. ホスファターゼを標的とし、低下させ、または阻害するホスファターゼ阻害剤;例えばカンタリド酸;カンタリジン;およびL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)−(9Cl)。ホスファターゼは、ホスホリル基を除去し、タンパク質をその本来の脱リン酸化状態に戻す。故に、リン酸化−脱リン酸化サイクルは、分子“オン−オフ”スイッチと見なし得る。
l. 白金を含み、DNA分子の鎖内および鎖間架橋を形成することによりDNA合成を阻害する白金剤;例えばカルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラスチン;サトラプラチンおよびZD0473のような白金剤。カルボプラチンは、例えば、その市販されている形で、例えばCARBOPLAT(登録商標)で;およびオキサリプラチンはELOXATIN(登録商標)で投与できる。
【0069】
li. タンパク質ホスファターゼを標的とし、低下させ、または阻害する;PP1およびPP2阻害剤およびチロシンホスファターゼ阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤。PP1およびPP2A阻害剤の例は、カンタリド酸および/またはカンタリジンを含む。チロシンホスファターゼ阻害剤の例は、L−P−ブロモテトラミソールオキサレート;2(5H)−フラノン, 4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−, (5R)−(9Cl);およびベンジルホスホン酸を含み、これに限定されない。
ここで使用する用語“PP1またはPP2阻害剤”は、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。PP1を含む、I型ホスファターゼは、阻害剤−1(I−1)および阻害剤−2(I−2)として既知の2個の熱安定タンパク質により阻害できる。それらはホスホリラーゼキナーゼのサブユニットを優勢に脱リン酸化する。II型ホスファターゼは、本態性に活性(PP2A)、CA2+依存性(PP2B)、およびMg2+依存性(PP2C)クラスのホスファターゼに細分される。
ここで使用する用語“チロシンホスファターゼ阻害剤”は、チロシンホスファターゼを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は、比較的最近ホスファターゼファミリーに加えられた。それらは、タンパク質のリン酸化チロシン残基からホスフェート基を除去する。PTPは、種々の構造特性を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動性、および細胞骨格機能の制御に重要な役割を担う。チロシンホスファターゼ阻害剤の標的の例は、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPase、および/または前立腺酸ホスファターゼを含み、これに限定されない。
【0070】
lii. PKC阻害剤およびPKCデルタキナーゼ阻害剤:ここで使用する用語“PKC阻害剤”は、タンパク質キナーゼCならびにそのアイソザイムを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。遍在する、リン脂質−依存性酵素であるタンパク質キナーゼC(PKC)は、細胞増殖、分化、およびアポトーシスと関連するシグナル伝達に関与する。PKC阻害剤の標的の例は、を含み、MAPKおよび/またはNF−カッパBこれに限定されない。PKC阻害剤の例は、1−H−ピロロ−2,5−ジオン,3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル]−4−(1H−インドール−3−イル)−(9Cl);ビスインドリルマレイミドIX;4−オクタデセン−1,3−ジオール, 2−アミノ−, (2S,3R,4E)−(9CI)としても既知のスフィンゴシン;9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3',2',1'−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オンとしても既知のスタウロスポリン、EP0296110に開示のようなスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−, (9S,10R,11R,13R)−(9CI);チロホスチン51;およびフェナントロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン、1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−としても既知のヒペリシン、立体異性体(6CI,7CI,8CI,9CI)、UCN−01、サフィンゴール、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;ルルモフォシン(llmofosine);RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;LY333531/LY379196を含み、これらに限定されない。ここで使用する用語“PKCデルタキナーゼ阻害剤”は、PKCのデルタアイソザイムを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。デルタアイソザイムは一般的なPKCアイソザイムであり、Ca2+依存性である。PKCデルタキナーゼ阻害剤の例は、2−プロペン−1−オン, 1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−, (2E)−(9CI)としても既知のロテレリンを含み、これに限定されない。
【0071】
liii. ポリアミンスペルミジンを標的とし、低下させ、または阻害するポリアミン合成阻害剤;例えば(−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても既知のDMFO;N1, N12−ジエチルスペルミン4HCl。ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンは細胞増殖に極めて重要であるが、それらの厳密な作用機序は不明である。腫瘍細胞のポリアミンホメオスタシスは変えられており、生合成酵素およびポリアミンプールの貯蔵の増加により反映される。
liv. プロテアソームを標的とし、低下させ、または阻害するプロテオソーム阻害剤;例えばアクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN341;ボルテゾミブ;ベルケイドプロテオソーム阻害剤の標的の例は、O(2)(−)−産生NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルトランスフェラーゼIを含み、これに限定されない。
lv. PTP1Bを標的とし、低下させ、または阻害するPTP1B阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;例えばL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−, (E)−(9Cl)。
【0072】
lvi. SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;およびJAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含むタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;
ここで使用する用語“タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤”は、タンパク質チロシンキナーゼを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は、細胞増殖、分化、代謝、移動、および生存の制御に重要な役割を有する。それらは受容体PTKおよび非受容体PTKとして分類される。受容体PTKは、一ポリペプチド鎖と経膜セグメントを含む。このセグメントの細胞外末端は、高親和性リガンド結合ドメインを含み、一方細胞質末端は触媒コアおよび制御配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、ERK1、ERK2、ブルートンのチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3を含み、これに限定されない。間接的標的の例は、TNFアルファ、NO、PGE2、IRAK、iNOS、ICAM−1、および/またはE−セレクチンを含み、これに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤の例は、チロホスチンAG126;チロホスチンAg1288;チロホスチンAg1295;ゲルダナマイシン;およびゲニステインを含み、これに限定されない。
非受容体チロシンキナーゼは、Src、Tec、JAK、Fes、Abl、FAK、Csk、およびSykファミリーのメンバーを含む。それらは細胞質ならびに核に存在する。それらは異なるキナーゼ制御、基質リン酸化、および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御はまたいくつかのヒト疾患と関連する。
ここで使用する用語“SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤”は、SRCを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例は、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン, 1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)−(9CI)としても既知のPP1;および1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン, 3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−(9CI)としても既知のPP2を含み、これに限定されない。
ここで使用する用語“Sykチロシンキナーゼ阻害剤”は、Sykを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、Syk、STAT3、および/またはSTAT5を含み、これに限定されない。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例は、1,2−ベンゼンジオール, 4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]−(9CI)としても既知のピシアタンノールを含み、これに限定されない。
ここで使用する用語“ヤヌス(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤”は、ヤヌスチロシンキナーゼを標的とし、低下させ、または阻害する化合物に関する。ヤヌスチロシンキナーゼ阻害剤は、抗血栓性、抗アレルギー性および免疫抑制性特性と共に抗白血病であることが示される。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、JAK2、JAK3、STAT3を含み、これに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的標的は、CDK2を含み、これに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例は、チロホスチンAG490;および2−ナフチルビニルケトンを含み、これに限定されない。
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらに遺伝子融合産物の活性を阻害する化合物は、例えばPD180970;AG957;またはNSC680410を含む。
【0073】
lvii. レチノイド依存性受容体を標的とし、低下させ、または阻害するレチノイド;例えばイソトレチノイン、トレチノイン。
lviii. CHO細胞におけるインスリン刺激核および細胞質p70S6キナーゼを標的とし、低下させ、または阻害する;RNAポリメラーゼII転写を標的とし、低下させ、または阻害する(これはカゼインキナーゼIIに依存性であり得る);およびウシ卵母細胞における胚胞破壊を標的とし、低下させ、または阻害する;RNAポリメラーゼII伸長阻害剤;例えば5,6−ジクロロ−1−ベータ−D−リボフラノシルベンゾイミダゾール。
lvix. セリン/スレオニンキナーゼを阻害するセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;例えば1H−プリン−2−アミン(9Cl)としても既知の2−アミノプリン。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例は、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)を含み、これに限定されない。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的標的の例は、MCP−1、NF−カッパB、elF2アルファ、COX2、RANTES、IL8、CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポエチン、および/またはCYP1A1を含み、これに限定されない。
lx. コレステロールのようなステロールの生合成を阻害するステロール生合成阻害剤;例えばテルビナジン(terbinadine)。ステロール生合成阻害剤の標的の例は、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6を含み、これに限定されない。
【0074】
lxi. トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含むトポイソメラーゼ阻害剤。トポイソメラーゼI阻害剤の例は、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテカンおよびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン接合PNU−166148(WO9917804においてA1と呼ばれる化合物);10−ヒドロキシカンプトテシン酢酸塩;エトポシド;塩酸イダルビシン;塩酸イリノテカン;テニポシド;トポテカン、塩酸トポテカン;ドキソルビシン;エピルビシン、塩酸エピルビシン;ミトキサントロン、塩酸ミトキサントロン;ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、ダサチニブ(BMS−354825)を含み、これに限定されない。イリノテカンは、その、例えば、商品名CAMPTOSAR(登録商標)の下に市販された形で、例えば投与できる。トポテカンは、その、例えば、商品名HYCAMTIN(登録商標)の下に市販された形で、例えば投与できる。ここで使用する用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン類、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えば、CAELYX(登録商標)を含む)、ダウノルビシン(リポソーム製剤、例えば、DAUNOSOME(登録商標)を含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin);アントラキノン類ミトキサントロンおよびロソキサントロン;およびポドフィロトキシン類エトポシドおよびテニポシドを含み、これに限定されない。エトポシドはETOPOPHOS(登録商標)として;テニポシドはVM26-BRISTOL(登録商標)として;ドキソルビシンはADRIBLASTIN(登録商標)またはアドリアマイシン(登録商標)として;エピルビシンはFARMORUBICIN(登録商標)として;イダルビシンはZAVEDOS(登録商標)として;およびミトキサントロンはNOVANTRON(登録商標)として市販されている。
【0075】
lxii. 正常および病的血管形成の調節に関与する既知血管新生増殖因子およびサイトカインを標的とし、低下させおよび/または阻害するVEGFRチロシンキナーゼ阻害剤。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)、およびVEGFR−3(Flt−4)]は、血管新生およびリンパ脈管新生過程の多くの相の制御において、主要なおよび絶対必須の役割を有する。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は、3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンを含む。VEGFRの活性を標的とし、低下させ、または阻害する化合物は、とりわけVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害する、VEGF受容体を阻害するまたはVEGFに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO9835958(例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩、例えばコハク酸塩)、またはWO0009495、WO0027820、WO0059509、WO9811223、WO0027819およびEP0769947;例えばM. Prewett et al in Cancer Research 59(1999)5209-5218、F. Yuan et al in Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996、Z. Zhu et al in Cancer Res. 58,1998,3209-3214およびJ. Mordenti et al in Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999により;WO0037502およびWO9410202に一般的におよび具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;M. S. O'Reilly et al, Cell 79, 1994, 315-328により記載されたアンジオスタチン;M. S. O'Reilly et al, Cell 88, 1997, 277-285により記載されたエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばRhuMab(ベバシズマブ)である。抗体は、完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全な抗体から形成された多特異的抗体、および望む生物学的活性を示す限り、抗体フラグメントを意味する。VEGF−R2阻害剤の例は、例えばアクシチニブを含む。
【0076】
lxiii. ゴナドレリンアゴニスト、例えばアバレリクス、ゴセレリン、酢酸ゴセレリン、
lxiv. 細胞分化過程を誘発する化合物、例えばレチノイン酸、アルファ−、ガンマ−または8−トコフェロールまたはアルファ−、ガンマ−または8−トコトリエノール。
lxv. ビスホスホネート、例えばエチドロン、クロドロン、チルドロン、パミドロン、アレンドロン、イバンドロン、リセドロンおよびゾレドロン酸を含む。
lxvi. 硫酸ヘパラン分解を防止するヘパラナーゼ阻害剤、例えばPI−88、
lxvii. 生物学的応答修飾剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンアルファ、
lxviii. テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン、
lxix. カテコール−O−メチルトランスフェラーゼのメディエーター、例えば阻害剤、例えばエンタカポン、
lxx: イスピンシブ(ispinesib)、ペメトレキセド(permetrexed)(Alimta(登録商標))、スニチニブ(SU11248)、ジエチルスチルベストロール(DES)、BMS224818(LEA29Y)、
lxxi. ソマトスタチンまたはソマトスタチンアナログ、例えばオクトレオチド(Sandostatin(登録商標)またはSandostatin LAR(登録商標))。
lxxii. 増殖ホルモン−受容体アンタゴニスト、例えばペグビソマント、フィルグラスチムまたはペグフィルグラスチム、またはインターフェロンアルファ。
【0077】
例えば、ここに記載の抗癌剤と組み合わせた処置は、放射線療法と組み合わせてもよい。
【0078】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある抗炎症性および/または免疫調節性剤は、例えば、以下を含む:
− カルシニューリンのメディエーター、例えば阻害剤、例えばシクロスポリンA、FK506;
− 免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981;
− コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;レフルノミド;ミゾルビン;
− ミコフェノール酸または塩;例えばナトリウム、ミコフェノール酸モフェチル;
− 15−デオキシスペルグアリンまたは免疫抑制性ホモログ、アナログまたはその誘導体;
− bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばGleevec(イマチニブ);
− p38 MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− 例えばWO0238561またはWO0382859に記載の通りの、例えば実施例56または70化合物のような、PKC活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばN−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナムアミド(チロホスチンAG490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4'−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI-P131)、[4−(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI-P154)、[4−(3',5'−ジブロモ−4'−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えばモノクエン酸塩(CP−690,550とも呼ばれる)3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル、またはWO2004052359またはWO2005066156に開示の化合物;
− S1P受容体活性のメディエーター、例えばアゴニストまたはモジュレーター、例えば所望によりリン酸化されているFTY720またはそのアナログ、例えば所望によりリン酸化されている2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
− 免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、Blys/BAFF受容体、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD52、CD58、CD80、CD86、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;
− 他の免疫調節性化合物、例えばCTLA4の細胞外ドメインの少なくとも一部またはその変異体を有する、例えば、非CTLA4タンパク質配列に結合したCTLA4の少なくとも細胞外部分またはその変異体を有する組み換え結合分子、例えばCTLA4Ig(例えば、命名ATCC68629)またはその変異体、例えばLEA29Y;
− 接着分子活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
− CCR9活性のメディエーター、例えばアンタゴニスト、
− MIF活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− 5−アミノサリチレート(5−ASA)剤、例えばスルファサラジン、Azulfidine(登録商標)、Asacol(登録商標)、Dipentum(登録商標)、Pentasa(登録商標)、Rowasa(登録商標)、Canasa(登録商標)、Colazal(登録商標)、例えばメサラミン含有薬剤;例えばヘパリンと組み合わせたメサラジン;
− TNF−アルファ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばTNF−アルファに結合する抗体を含む、例えばインフリキシマブ(Remicade(登録商標))、サリドマイド、レナリドマイド、
− 一酸化窒素遊離性非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、例えばCOX阻害性NO供与剤(CINOD)を含む;
− PDE4B活性のホスホロジエステラーゼ、例えばメディエーター、例えば阻害剤、
− カスパーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− Gタンパク質共役受容体GPBAR1のメディエーター、例えばアゴニスト、
− セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− ‘多機能的抗炎症’剤(MFAID)、例えば細胞質ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えばグリコサミノグリカンに結合した膜固定ホスホリパーゼA2阻害剤;
− 抗生物質、例えばペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、例えばスルファジアジン、スルフイソキサゾール;スルホン、例えばダプソン;プレウロムチリン、フルオロキノロン、例えばメトロニダゾール、キノロン、例えばシプロフロキサシン;レボフロキサシン;プロバイオティクスおよび共生細菌例えば乳酸菌、ロイテリ菌;
− 抗ウイルス剤、例えばリバビリン(ribivirin)、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、オセルタミビルホスフェート、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ジダノシン、エファビレンツ、フォスカーネット、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ジドブジン。
【0079】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある抗炎症剤は、例えば、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、例えばプロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサール)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカン)、サリチレート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ビズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えばセレコキシブ;ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害剤;ケモカイン受容体、とりわけCCR−1、CCR−2、およびCCR−3のアンタゴニスト;コレステロール低下剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、および他のスタチン)、捕捉剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベンズフィブラート(benzafibrate))、およびプロブコール;抗コリン作動剤、例えばムスカリンアンタゴニスト(イプラトロピウムブロマイド);他の化合物、例えばテオフィリン、スルファサラジンおよびアミノサリチレート、例えば5−アミノサリチル酸およびそれらのプロドラッグ、抗リウマチ剤を含む。
【0080】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある抗アレルギー剤は、例えば抗ヒスタミン(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えばブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミンピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン、および非ステロイド性抗喘息剤、例えばβ2−アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロールおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、イプラトロピウムブロマイド、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジロートン、BAY−1005);気管支拡張剤、抗喘息剤(肥満細胞安定化剤)を含む。
【0081】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある麻酔剤は、例えば、エタノール、ブピバカイン、クロロプロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォール、セボフルラン、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、マーカイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマドール、ベンゾカイン、ジブカイン、エチルクロライド、キシロカイン、およびフェナゾピリジンを含む。
【0082】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある鎮痒剤は、例えばメントール、カンファー、オートミール・バス(oatmeal baths)、プラモキシン、カラミンローション、ドキセピン、クロルフェニラミン、シプロヘプタジン(例えば塩酸塩の形)、スルファピリジン、酢酸アルミニウム(酢酸アルミニウム)、ヒドロキシジン(例えば塩酸塩の形またはパモ酸塩の形(VISTARIL(登録商標))、フェキソフェナジン、TRK−820、テルフェナジン、ブロー液(Burrow's solution)、ウンナブーツ(Unna's boot)、タールエマルジョンを含む。
【0083】
TSC−化合物またはNF1−化合物のいずれかである本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向のある、例えば本発明に従って有用な傾向のある収斂剤は、例えばアルム、オートミール、マンサク、超冷水、およびアルコール、例えばSurgical Spiritで擦ることを含み;収斂剤製剤は、硝酸銀、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ブロー液、ベンゾインのチンキ、タンニン酸および没食子酸のような植物性物質を含む。
【0084】
特許出願または科学文献が引用されているいずれの場合も、化合物に関連する対象は、引用により本明細書に包含させ、例えば包含されるのは、同様に、薬学的に許容されるそれらの塩、対応するラセミ体、ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体ならびに存在するとき、その中に書いてある上記化合物の対応する結晶修飾、例えば溶媒和物、水和物および多形である。本発明の組み合わせにおいて活性成分として使用する化合物を、各々、引用文献に記載の通りまたは製品明細に記載の通り、製造し、投与できる。また、上記の2種以上の別々の活性成分の組み合わせもまた本発明の範囲内であり、すなわち、本発明の範囲内の医薬組み合わせは、3種以上の活性成分を含み得る。さらに、第一剤および併用剤の両方とも同一成分ではない。
【0085】
コード番号、一般名または商品名により同定した医薬物質の構造は、インターネット、標準概論“The Merck Index”の現行版またはデータベース、例えば、Patents International、例えば、IMS World Publications、または上記および下記の文献から取り得る。それらの対応する内容は引用により本明細書に包含させる。
【実施例】
【0086】
本発明に従う方法において使用する化合物の活性は、以下の通り示すことができる:
Tsc1またはTsc2のいずれかの欠失があり、Aktを介するシグナル伝達が顕著に減少しているMEF細胞株を産生する。減少したAkt活性化は、血清、PDGF、EGF、インスリン、およびIGF1を含む全刺激に対する応答において見ることができる。PDGFに応答するシグナル伝達の減少の基礎を測定し、PDGFRαおよびPDGFRβのレベルが、減少した転写/翻訳のために、Tsc1またはTsc2ヌル細胞において一貫して減少していることが判明する。加えて、短期間および長期間トランフェクションによるPDGFRαの過発現は、多数の増殖因子に応答したAktリン酸化および刺激の増加に至る。さらに、Tsc2ヌルまたはTsc1ヌル細胞株におけるPDGFRαの発現は、皮下腫瘍モデルにおいてインビボで増強された腫瘍増殖に至り、この下方制御が、TSC患者で起きている相対的に腫瘍の良性性質の決定に重要であることを示す。
【0087】
血清、PDGF、EGF、インスリン、およびIGF1の全てのシグナル伝達下流がまた、PDGFRαおよびPDGFRβの両方を欠くように遺伝的に操作した細胞においてまた減少していることも観察され得て、これらの受容体間のクロストークを示す。
IGF1と化合物Aとの組み合わせに応答したTsc1またはTsc2ヌルMEFのシグナル伝達も試験し得る。ワートマニンをIGF1阻害剤として使用し得る。
血清中のTsc1−/−およびTsc2−/−および対照MEF細胞株の増殖も、MTTアッセイを使用して、均一密度で播種した細胞のトリプリケートウェルで評価できる。増殖応答を、全ての刺激の非存在下の増殖に対して、各細胞株について個々に標準化する。Tsc1ヌルおよび対照細胞株の両方により、血清に応答した確固たる増殖があるが、これらの細胞のIGF1刺激に対する応答はわずかであり、そして化合物Aが全ての条件下で増殖を減少させ、IGF1に対する細胞の全ての増殖応答を遮断することが証明できる。
【0088】
Tscマウスモデルにおける化合物Aでの処置の試験も行い得る(1ヶ月試験)。最初の試験はTsc1+/−マウスで行い、ここで、腫瘍発症に性差があるため、雌マウスのみを試験する。2回目の試験はTsc2+/−マウスで行い、ここで、発癌物質ENUの使用を、腎臓における腫瘍形成の促進および加速のために行う。
化合物Aが、Tsc1+/−マウスおよびまたTsc2+/−マウスにおける腎臓および肝臓腫瘍の減少に劇的な効果を有することが証明できる。
神経線維腫症における活性を、NF1欠損細胞または動物(マウス)モデルで、例えばTSC欠損細胞または動物(マウス)モデルに準じて証明できる。化合物Aは、対応するアッセイで活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経皮膚症候群の処置に使用するための、式
【化1】

〔式中、
はCHまたはC3−6アルキニルであり、
はH、−CH−CH−OHまたは−CH−CH−O−(C1−8)アルキル、例えば−CH−CH−O−CH−CHであり、
そして
Xは=O、(H、H)または(H、OH)である。
ただし、Xが=Oであり、そしてRがCHであるとき、RはH以外である。〕
の化合物、または化合物ABT578、化合物CCI779、化合物AP23573もしくは化合物TAFA−93。
【請求項2】
化合物が、請求項1で定義の式Iの化合物、化合物ABT578または化合物TAFA−93から選択され、使用が、結節性硬化症複合体が仲介する障害の処置、結節性硬化症複合体が仲介する障害の緩解の促進、結節性硬化症複合体が仲介する疾患に関連する症状の処置、結節性硬化症複合体が仲介する障害に関連する障害の処置から選択される、請求項1に従い使用するための化合物。
【請求項3】
神経線維腫症1型(NF1)、NF1が仲介する障害の緩解の促進、NF1と関連する症状の処置、および/またはNF1を仲介する障害の阻止または管理のための、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
結節性硬化症複合体が仲介する障害の処置、結節性硬化症複合体が仲介する障害の緩解の促進、結節性硬化症複合体が仲介する疾患と関連する症状の処置、結節性硬化症複合体が仲介する障害と関連する障害の処置、および/または結節性硬化症複合体が仲介する障害の阻止または管理のための方法であって、結節性硬化症複合体が仲介する障害が、結節性硬化症、腎臓血管筋脂肪腫(ALM)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、上衣下および/または巨細胞星状細胞腫(SEGA)から選択され、そして、処置を必要とする対象に治療的有効量の請求項2に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項5】
神経線維腫症1型(NF1)の処置、NF1が仲介する障害の緩解の促進、NF1と関連する症状の処置、および/またはNF1が仲介する障害の阻止または管理のための方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項6】
40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、または16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンから選択される、請求項1から5のいずれかに記載の使用または方法のための化合物。
【請求項7】
40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンである、請求項1から6のいずれかに記載の使用または方法のための化合物。
【請求項8】
請求項2に定義した使用のための、または請求項4に定義した方法において使用するための医薬の製造のための、請求項2、6または7のいずれかに記載した化合物の使用。
【請求項9】
請求項3に定義した使用のための、または請求項5に定義した方法において使用するための医薬の製造のための、請求項1、3、6または7のいずれかに記載した化合物の使用。
【請求項10】
請求項2に定義した使用のための、または請求項4に定義した方法において使用するための、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と共に、請求項2、6または7のいずれかに定義した化合物を含む、医薬組成物。
【請求項11】
請求項3に定義した使用のための、または請求項5に定義した方法において使用するための、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と共に、請求項1、3、6または7のいずれかに定義した化合物を含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項2に定義した使用のための、または請求項4に定義した方法において使用するための、請求項1、2、6または7のいずれかに定義した化合物と、少なくとも1種の第2医薬物質の組み合わせ。
【請求項13】
請求項3に定義した使用のための、または請求項5に定義した方法において使用するための、請求項1、3、6または7のいずれかに定義した化合物と、少なくとも1種の第2医薬物質の組み合わせ。
【請求項14】
請求項2に定義した使用のための、または請求項4に定義した方法において使用するための、第2医薬物質と組み合わせて使用するための医薬の製造のための、請求項1、2、6または7のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項15】
請求項3に定義した使用のための、または請求項5に定義した方法において使用するための、第2医薬物質と組み合わせて使用するための医薬の製造のための、請求項1、3、6または7のいずれかに記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−525294(P2009−525294A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552737(P2008−552737)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/000818
【国際公開番号】WO2007/088034
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】