絞り装置、光量調整装置、レンズ鏡筒および撮像装置
【課題】光学的性能を確保しつつ小型化を図る上で有利な絞り装置、光量調整装置、レンズ鏡筒および撮像装置を提供する。
【解決手段】絞り装置40は、絞り用ベース部材42、仕切り板44、一対の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50、2枚のスペーサ52、環板54、絞り用モータ56、絞り用蓋体58などを含んで構成されている。絞り用蓋体58に絞り用ベース部材42側に窪む凹部5850が設けられている。凹部5850が設けられる絞り用蓋体58の箇所は、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方の移動軌跡の外側の箇所である。凹部5850に他の光学装置、またはその一部、光学部材、またはその一部を収容して配置することで光軸L方向におけるレンズ鏡筒の寸法を短縮化することができる。
【解決手段】絞り装置40は、絞り用ベース部材42、仕切り板44、一対の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50、2枚のスペーサ52、環板54、絞り用モータ56、絞り用蓋体58などを含んで構成されている。絞り用蓋体58に絞り用ベース部材42側に窪む凹部5850が設けられている。凹部5850が設けられる絞り用蓋体58の箇所は、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方の移動軌跡の外側の箇所である。凹部5850に他の光学装置、またはその一部、光学部材、またはその一部を収容して配置することで光軸L方向におけるレンズ鏡筒の寸法を短縮化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は絞り装置、光量調整装置、レンズ鏡筒および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の携帯型の撮像装置、あるいは、液晶プロジェクター等の投影系光学装置には、光量調整装置が設けられている。
光量調整装置は、例えば、光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを含んで構成されている。
この種の絞り装置として、絞り用開口の周囲に配置された複数枚の絞り羽根を連動して揺動させることにより絞り用開口の大きさを調整する虹彩絞りを採用したものが知られている(特許文献1参照)。
また、この種のNDフィルタ装置として、NDフィルタを絞り用開口内に出没させるものが知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−333554
【特許文献2】特開2001−117133
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の光量調整装置では、その構造上、光軸方向の寸法(厚み)を縮小することが難しい。
そのため、光軸方向において光量調整装置の前後にズームレンズあるいはフォーカスレンズなどの可動レンズが配置される場合には、次のような不都合が生じる。
すなわち、可動レンズのストロークを十分確保した場合には、光軸方向におけるレンズ鏡筒の寸法が大きなものとなることから撮像装置の小型化を図る上で不利がある。
また、光軸方向におけるレンズ鏡筒の寸法を限られた寸法に収める場合には、可動レンズのストロークを十分確保することができないためにズーム率が制約を受けるといったような光学的な性能の向上を図る上で不利がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は光学的性能を確保しつつ小型化を図る上で有利な絞り装置、光量調整装置、レンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明の絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている。
また本発明の光量調整装置は、光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、前記NDフィルタ装置は、前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、前記NDフィルタを収容するケースとを有し、前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、前記凸部は前記凹部に収容されている。
また本発明のレンズ鏡筒は、絞り装置を備え、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている。
また本発明のレンズ鏡筒は、光学系を通過する光量を調整する光量調整装置を備え、前記光量調整装置は、前記光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、前記NDフィルタ装置は、前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、前記NDフィルタを収容するケースとを有し、前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、前記凸部は前記凹部に収容されている。
また本発明の撮像装置は、絞り装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている。
また本発明の撮像装置は、光量調整装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、前記光量調整装置は、光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、前記NDフィルタ装置は、前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、前記NDフィルタを収容するケースとを有し、前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、前記凸部は前記凹部に収容されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、絞り装置の収容部材の一方の側面に凹部が設けられているので、凹部に他の光学装置、またはその一部、光学部材、またはその一部を収容して配置することで光軸方向におけるレンズ鏡筒の寸法を短縮化することができる。したがって、撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
あるいは、レンズ鏡筒の長さを大型化することなく、ズームレンズあるいはフォーカスレンズなどの可動レンズのストロークを大きく確保することができる。したがって、ズーム率を大きく確保でき、あるいは、焦点調整範囲を大きく確保でき、レンズ鏡筒の光学的性能の向上を図る上で有利となる。
また、可動レンズとして屈折率が比較的小さく厚みの大きな安価なレンズを使用でき、撮像装置のコストダウンを図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の撮像装置10の斜視図、図2は撮像装置10のディスプレイパネル22が開放位置に位置した状態の斜視図、図3は撮像装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【0007】
まず、図3を参照して撮像装置10の制御系の構成について説明する。
本実施の形態では、撮像装置10はビデオカメラであり記録媒体に対して撮影した動画、静止画、音声などのデータを記録し、また、記録媒体からそれらのデータを再生する。
本実施の形態では、記録媒体として板状または棒状の記録媒体であるメモリカード2を用いた場合について説明する。しかしながら、記録媒体として磁気記録テープ、光ディスク、ハードディスク装置などを用いてもよいことは無論であり、記録媒体として何を用いるかは任意である。
【0008】
撮像装置10は外装を構成する筐体12を有し、筐体12には撮影光学系14が組み込まれたレンズ鏡筒16が設けられている。
レンズ鏡筒16の後端には撮影光学系14によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子18が設けられ、レンズ鏡筒16に後述する光量調整装置39が組み込まれている。この光量調整装置39は撮影光学系14を通過する光量を調整するもので、光量調整装置39は、絞り装置40と、NDフィルタ装置41とを含んで構成されている。
また、撮像装置10は、マイク20、ディスプレイパネル22、スピーカー26、映像信号用増幅部102、映像信号処理部104、マイクロフォン用増幅部106、音声信号処理部108、出力用増幅部110、記録再生部112、制御部114を備えている。
撮像装置10は、ディスプレイパネルドライバ116、バッファメモリ118、メモリカード用インターフェース120、操作部126、外部入出力インターフェース128、外部入出力端子130、モータ駆動部43などをさらに含んで構成されている。
撮像素子18で生成された撮像信号は映像信号用増幅部102で増幅され、映像信号処理部104に供給される。
映像信号処理部104は、撮像信号に所定の信号処理を行うことで、動画データおよび静止画データを生成し、記録再生部112に供給される。
マイクロフォン20で収音された音声信号はマイクロフォン用増幅部106で増幅され、音声信号処理部108によって所定の信号処理がなされ音声データとして記録再生部112に供給される。
【0009】
記録再生部112は、映像信号処理部104から供給された動画データおよび静止画データと、音声信号処理部108から供給された音声データとを制御部114の制御にしたがってメモリカード用インターフェース120を介してメモリカード2に記録する。
記録再生部112によるメモリカード2へのデータの記録は、例えば、メモリカード2に記録すべきデータをいったんバッファメモリ118に蓄積したのち、バッファメモリ118から読み出したデータをメモリカード2に書き込むことでなされる。
また、記録再生部112は、記録再生部112から供給された動画データおよび静止画データを、ディスプレイパネルドライバ116を介してディスプレイパネル22に供給して画像の表示を行わせる。
また、記録再生部112は、メモリカード用インターフェース120を介してメモリカード2から供給される動画データ、静止画データを、ディスプレイパネルドライバ116を介してディスプレイパネル22に供給して画像の表示を行わせる。
また、記録再生部112は、メモリカード用インターフェース120を介してメモリカード2から供給される音声信号を出力用増幅部110を介してスピーカー26に供給して音声の出力を行わせる。
外部入出力インターフェース128は記録再生部112で再生された音声データおよび画像データを所定の信号形式に変換して、外部入出力端子130を介してテレビジョン装置、HDDレコーダー、パーソナルコンピュータなど外部機器に出力するものである。
【0010】
操作部126は、図2に示す複数の操作スイッチ24、電源スイッチ28A、静止画撮影用スイッチ28B、ズーム用スイッチ28C、モード切り換え用スイッチ28D、動画撮影用スイッチ28Eを備えている。
これらスイッチ24、28A乃至28Eは撮影にまつわる種々の機能を実行するための操作スイッチを構成している。
【0011】
制御部114は、電源スイッチ28Aの操作に基づいて撮像装置10の電源のオン、オフを行う。
制御部114は、静止画撮影用スイッチ28Bの操作に基づいて映像信号処理部104および記録再生部112に指令を与える。これにより、制御部114は、映像信号処理部104から供給される静止画データを記録再生部112を介してメモリカード用インターフェース120に供給することで静止画データをメモリカード2に記録させる。
言い換えると、静止画撮影用スイッチ28Bは、いわゆるシャッタボタンとして機能している。
【0012】
制御部114は、ズーム用スイッチ28Cの操作に基づいて不図示のズーム駆動部に指令を与えることにより、撮影光学系14の可動レンズを移動させることにより、撮影光学系14のズーム率を変化させる。
制御部114は、モード切り換え用スイッチ28Dの操作に基づいて映像信号処理部104に指令を与える。これにより、制御部114は、映像信号処理部104によって動画データを生成させる動画撮影モードと、映像信号処理部104によって静止画データを生成させる静止画撮影モードとを切り換える。
なお、動画撮影モードでは、映像信号処理部104で生成された動画データが記録再生部112を介してメモリカード2に記録される。また、静止画撮影モードでは、映像信号処理部104で生成されたで生成された静止画データが記録再生部112を介してメモリカード2に記録される。
【0013】
制御部114は、動画撮影用スイッチ28Eの操作に基づいて動画データの記録の開始、記録の停止を行わせる。
すなわち、制御部114は、動画撮影用スイッチ28Eの操作に基づいて映像信号処理部104および記録再生部112に指令を与える。これにより、制御部114は、映像信号処理部104からに供給される動画データを記録再生部112を介してメモリカード用インターフェース120に供給する。この結果、制御部114は、動画データをメモリカード2に記録させる動作を開始させ、あるいは、その動作を停止させる。
言い換えると、動画撮影用スイッチ28Eは、いわゆる撮影スタート/ストップの操作部材として機能している。
【0014】
また、パネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cは制御部114に接続されている。
パネル側動画撮影用スイッチ30Aは動画撮影用スイッチ28Eと同様の機能を有している。
パネル側ズーム用スイッチ30Bはズーム用スイッチ28Cと同様の機能を有している。
また、メニュー操作用スイッチ30Cは、ディスプレイパネル22に表示されるメニューの階層を最上位の階層に直接戻すために操作されるスイッチである。
モータ駆動部43は、制御部114の制御に基づいて後述する絞り装置40の絞り用モータ56(図4)とNDフィルタ装置41のフィルタ用モータ84の駆動制御を行うものである。
【0015】
次に撮像装置10の構成について説明する。
図1、図2に示すように、筐体12は、左右方向の幅よりも大きな寸法の前後方向の長さおよび上下方向の高さを有している。なお、本明細書において左右は、撮像装置10を後方から見た状態でいうものとし、また、光学系の光軸方向で被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
レンズ鏡筒16は、筐体12の上部の前部で前後に延在し、その前部が筐体12の前面に臨むように設けられている。したがって、被写体像は筐体12の前部から筐体12の内部に導かれる。
撮像素子18(図3)はレンズ鏡筒16の後端に設けられている。
マイクロフォン20はレンズ鏡筒16の上面に設けられている。
【0016】
ディスプレイパネル22は、筐体12の左側部に開閉可能に設けられている。
ディスプレイパネル22は、ディスプレイ装置32とパネル用ケース34とを備え、長方形板状を呈している。
図2に示すように、ディスプレイ装置32は、撮像素子18によって撮像された被写体像などを表示するものである。
ディスプレイ装置32は、画像を表示する長方形の表示面3202を有し、この表示面3202はディスプレイパネル22の内面を構成している。
本実施の形態では、ディスプレイ装置32は液晶ディスプレイ装置で構成されているが、ディスプレイ装置32の種類は任意であり、例えば、有機ELディスプレイ装置であってもよい。
【0017】
ディスプレイパネル22は、その一方の短辺寄りの箇所がヒンジ2202を介して筐体12の左側部の前部寄りの箇所に連結されている。
これにより、ディスプレイパネル22は、筐体12の上下方向に延在する第1の軸線O1回りに揺動可能に、かつ、第1の軸線O1と直交する第2の軸線O2回りに揺動可能に連結されている。
本実施の形態では、ディスプレイパネル22は、図1に示す収容位置と、図2に示すよ開放位置との間で揺動するように構成されている。
すなわち、図1の収容位置では、ディスプレイパネル22は、第1の軸線O1回りで、ディスプレイ装置32の表示面3202(パネル22の内面)が筐体12の左側面12Aに重ね合わされている。
また、図2の開放位置では、ディスプレイパネル22は、収容位置から90度開かれディスプレイ装置32の表示面3202が後方を向いている。
なお、表示面3202(パネル22の内面)を筐体12の左側面12Aに重ね合わせた収容位置においてディスプレイパネル22の外面2210(図1)が外方に向けられる。
また、ディスプレイパネル22は、前記開放位置において第2の軸線O2回りに、ディスプレイ装置32の表示面3202が前方を向いた位置と、下方を向いた位置との間で270度の範囲で揺動するように構成されている。
【0018】
図2に示すように、筐体12の左側面12Aには、種々の操作を行うための複数の操作スイッチ24、スピーカー26などが設けられている。
筐体12の上部の後部寄りの箇所には、電源スイッチ28A、静止画撮影用スイッチ28B、ズーム用スイッチ28C、モード切り換え用スイッチ28Dなどが設けられている。
また、筐体12の後面には、動画撮影用スイッチ28Eが設けられている。
また、ディスプレイパネル22には、パネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cなどが設けられている。
【0019】
図2に示すように、筐体12の左側面12Aの下部に、メモリカード2が挿脱されるスロット36とスロット36の開口3602を開閉する蓋体38が設けられている。
メモリカード2はスロット36に挿入されることで、メモリカード2の接続端子がスロット36内部のコネクタ(不図示)に電気的に接続される。これにより、メモリカード2は、コネクタを介してメモリカード用インターフェース120との間で信号の授受を行う。
【0020】
光量調整装置39は、絞り装置40とNDフィルタ装置41を含んで構成され、それら絞り装置40とNDフィルタ装置41はレンズ鏡筒に組み込まれている。
図4乃至図26を参照して絞り装置40から説明する。
図4は前方から見た絞り装置40の分解斜視図、図5は後方から見た絞り装置40の分解斜視図である。
図6はベース部材42に対する絞り用モータ56の組み立て説明図、図7はベース部材42に絞り用モータ56と環板54とが組み込まれた状態を示す平面図である。
図8はベース部材42に対する環板54と固定絞り70と仕切り板44の組み立て説明図、図9は仕切り板44、絞り用蓋体58、各絞り羽根46、48、50およびスペーサ52を示す分解斜視図である。
図10は仕切り板44を後方から見た斜視図、図11は絞り用蓋体58を前方から見た斜視図である。
図12は絞り用開口2が開放状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
図13は絞り用開口2を1段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
図14は絞り用開口2を6段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
図15は絞り用開口2が全閉状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
【0021】
図3、図12に示すように、絞り装置40は、撮影光学系14を介して撮像素子18に導かれる光線束を制限する絞り用開口2の大きさを調整することで、撮像素子18に導かれる光量の調整を行うものである。
絞り装置40は、撮像素子18の前方に配置されている。
本実施の形態では、絞り装置40は、絞り用ベース部材42、仕切り板44、一対の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50、2枚のスペーサ52、環板54、絞り用モータ56、絞り用蓋体58などを含んで構成されている。
本実施の形態では、一対の直進絞り羽根46と一対の第1揺動絞り羽根48と一対の第2揺動絞り羽根50とを収容する収容部材が、絞り用ベース部材42と絞り用蓋体58とで構成されている。
【0022】
絞り用ベース部材42は光を透過しない合成樹脂製で長方形板状を呈し、その長辺方向を筐体12の上下に向けた状態でレンズ鏡筒16に組み込まれている。
絞り用ベース部材42は、図4、図5に示すように、前方に臨む前面42Aと後方に臨む後面42Bとを有し、絞り用ベース部材42には撮影光学系14の光軸Lを中心とした円形の光路用孔42Cが形成されている。
絞り用ベース部材42の後面42Bには、図5に示すように、仕切り板44と、一対の直進絞り羽根46と、一対の第1揺動絞り羽根48と、一対の第2揺動絞り羽根50と、2枚のスペーサ52と、環板54とを収容する凹状の収容部60が設けられている。
また、後面42には、図7に示すように、2つの直進絞り羽根46をそれぞれスライド可能に案内する直進絞り羽根用ガイドピン62が1つの直進絞り羽根46について2つずつ設けられている。それら直進絞り羽根用ガイドピン62は光路用孔42Cの周囲近傍に設けられている。
また、後面42Bには、図7に示すように、一対の第1揺動絞り羽根48をそれぞれ揺動可能に支持する第1揺動絞り羽根用支軸64がそれぞれ設けられている。また、後面42Bには、一対の第2揺動絞り羽根50をそれぞれ揺動可能に支持する第2揺動絞り羽根用支軸66がそれぞれ設けられている。
凹状の収容部60の底部で光路用孔42Cの周囲には、図6に示すように、環板54を収容すると共に、環板54を回転可能に支持する円形の凹部68が形成されている。
凹部68には、図7、図8に示すように、後述する環板54の突片54Cおよびギア部55が移動するための扇状凹部68A、68Bが凹部68の半径方向外側に突出しかつ凹部68の周方向に延在形成されている。
【0023】
環板54は光を透過しない合成樹脂製で、図5、図7に示すように、環板状の環板部54Aを有し、環板部54Aの中心には光路用孔54Bが形成されている。
環板部54Aの外周の一部に、突片54Cが設けられている。
また、環板部54Aの外周の一部で、突片54Cに対して180度の間隔をおいた箇所にギア部55が設けられ、ギア部55は、環板54の中心軸を中心とする扇状に形成されている。
環板部54Aが厚さ方向の他方に臨む面(後方に臨む面)には、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと、2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eとが設けられている。
突片54Cが厚さ方向の他方に臨む面(後方に臨む面)とギア部55が厚さ方向の他方に臨む面(後方に臨む面)とには、第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fがそれぞれ1つずつ突設されている。
2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dは、環板54の中心軸を中心に180度の間隔をおいて設けられている。
2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eは、環板54の中心軸を中心に180度の間隔をおいて設けられている。
2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fは、環板54の中心軸を中心に180度の間隔をおいて設けられている。
【0024】
絞り用モータ56は、図6に示すように、ケース56Aと、取り付け片56Bと、駆動ギア56Cとを有し、モータ駆動部43(図3)から供給される駆動電流に基づいて駆動ギア56Cが正方向あるいは逆方向に回転駆動される。
ケース56Aは取り付け片56Bを介してベース42の前面42Aに取着されている。
駆動ギア56Cはケース56Aの一端から突出する駆動軸に固定されている。
図7に示すように、駆動ギア56Cは、ベース42に設けられた開口4202を介してベース42の後面42Bに臨み、環板54のギア部55に噛合している。
絞り用モータ56が正逆方向に回転駆動することにより、駆動ギア56Cおよびギア部55を介して環板54が該環板54の中心軸を中心として時計回り、反時計回りに揺動される。
【0025】
図5において、符号70は環板54と仕切り板44との間に設けられる固定絞りである。
固定絞り70は、光を透過しない合成樹脂製で薄板状に形成されている。
図8に示すように、固定絞り70の中央には、絞り用開口2の最大径を決定する正円状の孔70Aが形成されている。
固定絞り70には、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと、2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eとが挿通される逃げ溝70Bが光軸Lの周方向に延在して2つ設けられている。
さらに、固定絞り70には、4つの直進絞り羽根用ガイドピン62が挿通される挿通孔70Cが形成されている。
固定絞り70は、各挿通孔70Cに直進絞り羽根用ガイドピン62が挿通されることで光軸Lと直交する面内で移動不能とされる。
【0026】
仕切り板44は、図4、図5に示すように、環板54と複数の絞り羽根46、48、50との間に設けられ、環板54と複数の絞り羽根46、48、50とを隔てるものである。
仕切り板44は、矩形状を呈する板金製の鋼板で形成され、絞り用ベース部材42に取り付けられた状態で絞り用開口2を光軸L方向に露出させる光路用孔44Aが形成されている。
光路用孔44Aは固定絞り70の孔70Aと同一またはそれ以上の直径を有している。
【0027】
図5、図10に示すように、仕切り板44には、第1の挿通部4402、第2の挿通部4404と、第1のレール4410、第2のレール4412、第3のレール4414、第4のレール4416、第5のレール4418とが形成されている。
【0028】
第1の挿通部4402は、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eは第1の挿通部4402内において仕切り板44に干渉されずに揺動する。
第2の挿通部4404は、2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fは、第2の挿通部4404内において仕切り板44に干渉されずに揺動する。
【0029】
第1のレール4410は、一対の直進絞り羽根46のうち仕切り板44寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して4つ設けられている。
第2のレール4412は、一対の第2揺動絞り羽根50のうち仕切り板44寄りに配置される第2揺動絞り羽根50の移動を案内するものであり、本実施の形態では、第2揺動絞り羽根50の移動方向に沿って円弧状に延在して2つ設けられている。
第3のレール4414は、一対の直進絞り羽根46のうち絞り用蓋体58寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して3つ設けられている。
【0030】
第4のレール4416は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の一方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第4のレール4416は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して2つ設けられている。
第5のレール4418は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の他方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第5のレール4418は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して1つ設けられている。
【0031】
図10において、符号4420は仕切り板44に形成され、4つの直進絞り羽根用ガイドピン62がそれぞれ遊嵌される切り欠きを示している。
また、符号4422は仕切り板44に形成され、2つの第1揺動絞り羽根用支軸64がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
また、符号4424は仕切り板44に形成され、2つの第2揺動絞り羽根用支軸66がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
これら2つの第1揺動絞り羽根用支軸64と2つの第2揺動絞り羽根用支軸66とがそれぞれ挿通穴4422、4424に挿通されることで、仕切り板44は光軸Lと直交する面内で移動不能とされる。
また、符号4426は仕切り板44に形成され、仕切り板44を絞り用ベース部材42に係合させる係合爪を示し、本実施の形態では、係合爪4426は、仕切り板44の長手方向の一方(上側)の縁部に1つ、他方(下側)の縁部に2つ設けられている。
【0032】
図21は直進絞り羽根46の平面図である。
直進絞り羽根46は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し、直線部と、該直線部に続く湾曲部とで構成されている。
直線部には、2つの直線状案内溝4602と、カム溝4604が形成され、湾曲部には、開口形成用縁部46Aが形成されている。
2つの直線状案内溝4602は、該直進絞り羽根46を直進移動可能に案内するものであり、板部46Aの直線部に沿った同一直線上に延在形成されている。
カム溝4604は2つの直線状案内溝4602の間の箇所で前記直線と直交する方向に延在形成されている。
開口形成用縁部46Aは、絞り装置40の絞り用開口2を形成するものであり、板部46Aの湾曲部に沿って凹状の半円弧状に延在形成されている。
【0033】
図22は第1揺動絞り羽根48の平面図である。
第1揺動絞り羽根48は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し細長形状を呈している。
第1揺動絞り羽根48には、孔4802と、カム溝4804と、開口形成用縁部48Aが設けられている。
孔4802は、第1揺動絞り羽根48の長手方向の一端に形成されている。
カム溝4804は、第1揺動絞り羽根48の長手方向の中間部に延在形成されている。
開口形成用縁部48Aは、絞り装置40の絞り用開口2を形成するものであり、第1揺動絞り羽根48の長手方向の他端寄りの幅方向の一側に沿って凹状の円弧状に延在形成されている。
【0034】
図23は第2揺動絞り羽根50の平面図である。
第2揺動絞り羽根50は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し、長手方向の両端に至るに従ってその幅が次第に狭くなる形状を呈している。
第2揺動絞り羽根50には、孔5002と、カム溝5004と、開口形成用縁部50Aが設けられている。
孔5002は、板部50Aの長手方向の一端に形成されている。
カム溝5004は、板部50Aの長手方向の中間部に延在形成される。
開口形成用縁部50Aは、絞り装置40の絞り用開口2を形成するものであり、第2揺動絞り羽根50の長手方向の他端寄りの幅方向の一側に沿って凹状の円弧状に延在形成されている。
【0035】
図24はスペーサ52の平面図である。
スペーサ52は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し細長形状を呈している。
スペーサ52は長手方向に間隔をおいて2つの取付孔5202が形成されている。
【0036】
絞り用蓋体58は、絞り用ベース部材42に取着され収容部60に収容した複数の絞り羽根46、48、50、スペーサ52、固定絞り70、環板54を覆うものであり、それら部材を絞り用ベース部材42に脱落不能に保持している。
絞り用蓋体58は、板金製の矩形状の薄い鋼板からなる。
絞り用蓋体58には、絞り用ベース部材42に取り付けられた状態で絞り用開口2を光軸L方向に露出させる光路用孔58Aが形成されている。
光路用孔58Aは固定絞り70の孔70Aと同一またはそれ以上の直径を有している。
【0037】
図5、図11に示すように、絞り用蓋体58には、第3の挿通部5802、第4の挿通部5804と、第6のレール5810、第7のレール5812、第8のレール5814、第9のレール5816、第10のレール5818とが形成されている。
【0038】
第3の挿通部5802は、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。
第4の挿通部5804は、2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。
【0039】
第6のレール5810は、一対の直進絞り羽根46のうち絞り用蓋体58寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して4つ設けられている。
第7のレール5812は、一対の第2揺動絞り羽根50のうち絞り用蓋体58寄りに第2揺動絞り羽根50の移動を案内するおのであり、本実施の形態では、第2揺動絞り羽根50の移動方向に沿って円弧状に延在して2つ設けられている。
第8のレール5814は、一対の直進絞り羽根46のうち仕切り板44寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して3つ設けられている。
【0040】
第9のレール5816は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の一方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第9のレール5816は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して1つ設けられている。
第10のレール5818は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の他方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第10のレール5818は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して2つ設けられている。
したがって、本実施の形態では、仕切り板44の幅方向の一方に配置されるスペーサ52は、第4のレール4416と第9のレール5816により光軸L方向において挟まれ、光軸L方向の位置決めがなされている。
また、本実施の形態では、仕切り板44の幅方向の他方に配置されるスペーサ52は、第5のレール4418と第10のレール5818により光軸L方向において挟まれ、光軸L方向の位置決めがなされている。
【0041】
図11において、符号5820は4つの直進絞り羽根用ガイドピン62がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
また、符号5822は絞り用蓋体58に形成され、2つの第1揺動絞り羽根用支軸64がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
また、符号5824は絞り用蓋体58に形成され、2つの第2揺動絞り羽根用支軸66がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
これら2つの第1揺動絞り羽根用支軸64と2つの第2揺動絞り羽根用支軸66とがそれぞれ挿通穴5822、5824に挿通されることで、絞り用蓋体58は光軸Lと直交する面内で移動不能とされる。
また、符号5826は絞り用蓋体58に形成され、絞り用蓋体58を絞り用ベース部材42に係合させる係合爪を示し、本実施の形態では、係合爪5826は、絞り用蓋体58の長手方向の一方(上側)の縁部に2つ、他方(下側)の縁部に1つ設けられている。
【0042】
後述するように、絞り用蓋体58寄りに、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方とが配置される。
また、絞り用ベース部材42寄りに、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方とが配置される。
そして、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方は、絞り装置40のほぼ上半部の領域で移動する。
また、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方は、絞り装置40のほぼ下半部の領域で移動する。
すなわち、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方は、光軸Lと直交する仮想線で絞り装置40を2分した場合に、2分された領域のほぼ一方の領域で移動する。
また、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方は、光軸Lと直交する仮想線で絞り装置40を2分した場合に、2分された領域のほぼ他方の領域で移動する。
【0043】
絞り用蓋体58に絞り用ベース部材42側に窪む凹部5850(図32、図35)が設けられている。
凹部5850が設けられる絞り用蓋体58の箇所は、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方の移動軌跡の外側の箇所である。
本実施の形態では、凹部5850は、図32に斜線で示すように、絞り用蓋体58の下半部で左右方向の中央部分の領域に設けられる。
さらに、凹部5850の深さは、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方との間に光軸方向に沿って隙間を確保する寸法で形成されている。
なお、本実施の形態では、絞り用ベース部材42と絞り用蓋体58とからなる収容部材は、光軸L方向において対向する一対の側面を有し、一対の側面の一方は絞り用蓋体58で構成され、一対の側面の他方は絞り用ベース部材42で構成されている。そして、凹部5850が一対の側面の一方である絞り用蓋体58に形成されていることになる。
【0044】
次に、絞り装置40の組み付けについて説明する。
図4、図5に示すように、まず、環板54の直進絞り羽根用駆動ピン54D、第1揺動絞り羽根用駆動ピン54E、第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを後方に向けた状態で環板54を絞り用ベース部材42の凹部68に収容する。
次いで、固定絞り70の逃げ溝70Bに、各駆動ピン54D、54Eを挿通させ、挿通孔70Cに、各直進絞り羽根用ガイドピン62を挿通させることで固定絞り70を環板部54を挟んで絞り用ベース部材42に取着する。
【0045】
次に、仕切り板44を絞り用ベース部材42に組み付ける。
すなわち、仕切り板44の各レール4410、4412、4414、4416、4418を後方に向け、第1の挿通部4402に直進絞り羽根用駆動ピン54Dと第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通させる。これと共に、第2の挿通部4404に各第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通させる。
またこれと共に、挿通孔4422、4424に第1揺動絞り羽根用支軸64、第2揺動絞り羽根用支軸66をそれぞれ挿通させる。
そして、係合爪4426を絞り用ベース部材42に係合させることにより、仕切り板44を固定絞り70および環板部54を挟んで絞り用ベース部材42に取着する。
【0046】
次に、一対の直進絞り羽根46の一方と、一対の第1揺動絞り羽根48の一方と、一対の第2揺動絞り羽根50の一方と、2枚のスペーサ52の一方とを絞り用ベース部材42に組み付ける。
すなわち、図5に示すように、一対の第2揺動絞り羽根50のうち一方の第2揺動絞り羽根50を絞り用ベース部材42の後面42Bに臨ませつつ、第2揺動絞り羽根50の孔5002に一方の第2揺動絞り羽根用支軸66を挿通する。これと共に、一方の第2揺動絞り羽根50のカム溝5004に一方の第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通する。
次いで、一対の第1揺動絞り羽根48のうち一方の第1揺動絞り羽根48を一方の第2揺動絞り羽根50の上に重ね合わせるように、一方の第1揺動絞り羽根48の孔4802に一方の第1揺動絞り羽根用支軸64を挿通する。これと共に、一方の第1揺動絞り羽根48のカム溝4804に一方の第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通する。
次いで、一対の直進絞り羽根46のうち一方の直進絞り羽根46を、一方の第1、第2揺動絞り羽根48、50の上に重ね合わせるように、一方の直進絞り羽根46の2つの直線状案内溝4602に一方の直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。これと共に、一方の直進絞り羽根46のカム溝4604に一方の直進絞り羽根用駆動ピン54Dを挿通する。
次いで、2枚のスペーサ52のうち一方のスペーサ52を一方の直進絞り羽根46の上に重ね合わせるように、一方のスペーサ52の2つの取付孔5202に一方の2つの直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。
【0047】
次に、一対の直進絞り羽根46の他方と、一対の第1揺動絞り羽根48の他方と、一対の第2揺動絞り羽根50の他方と、2枚のスペーサ52の他方とを絞り用ベース部材42に組み付ける。
すなわち、2枚のスペーサ52のうち他方のスペーサ52を一方の第1揺動絞り羽根48の上に重ね合わせるように、他方のスペーサ52の2つの取付孔5202に他方の2つの直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。
次いで、一対の直進絞り羽根46のうち他方の直進絞り羽根46を、2枚のスペーサ52の上に重ね合わせるように、他方の直進絞り羽根46の2つの直線状案内溝4602に他方の直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。これと共に、他方の直進絞り羽根46のカム溝4604に他方の直進絞り羽根用駆動ピン54Dを挿通する。
次いで、一対の第1揺動絞り羽根48のうち他方の第1揺動絞り羽根48を他方の直進絞り羽根46の上に重ね合わせるように、他方の第1揺動絞り羽根48の孔4802に他方の第1揺動絞り羽根用支軸64を挿通する。これと共に、他方の第1揺動絞り羽根48のカム溝4804に他方の第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通する。
次いで、一対の第2揺動絞り羽根50のうち他方の第2揺動絞り羽根50を他方の直進絞り羽根46および他方の第1揺動絞り羽根48の上に重ね合わせるように、他方の第2揺動絞り羽根50の孔5002に他方の第2揺動絞り羽根用支軸66を挿通する。これと共に、他方の第2揺動絞り羽根50のカム溝5004に他方の第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通する。
【0048】
このようにして、図31に示すように、一対の直進絞り羽根46と、一対の第1揺動絞り羽根48と、一対の第2揺動絞り羽根50と、2枚のスペーサ52が孔42Cの周囲に配置される。そして、それら羽根46、48、50、スペーサ52と絞り用ベース部材42とにより仕切り板44、固定絞り70、環板54が挟まれる。
【0049】
最後に、図4、図5に示すように、絞り用蓋体58を、絞り用ベース部材42の後方から絞り用ベース部材42に取り付ける。
すなわち、絞り用蓋体58の各レール5810、5812、5814、5816、5818を前方に向け、第3の挿通部5802に直進絞り羽根用駆動ピン54Dと第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通させる。これと共に、第4の挿通部5804に各第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通させる。
またこれと共に、挿通孔5822、5824に第1揺動絞り羽根用支軸64、第2揺動絞り羽根用支軸66をそれぞれ挿通させる。
そして、係合爪5826を絞り用ベース部材42に係合させる。
これにより収容部60に収容され絞り用ベース部材42に組み付けられた環板54、固定絞り70、仕切り板44、一対の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50、2枚のスペーサ52が絞り用蓋体58によって覆われる。
また、図32、図35に示すように、絞り用蓋体58の凹部5850が光軸Lよりも下方に配置される。
【0050】
したがって、仕切り板44上に、一方の第2揺動絞り羽根50、一方の第1揺動絞り羽根48、一方の直進絞り羽根46、他方の直進絞り羽根46、他方の第1揺動絞り羽根48、他方の第2揺動絞り羽根50がこれらの順番に重ね合わされた状態となる。
また、これと共に、一方のスペーサ52が一方の直進絞り羽根46と他方の第1揺動絞り羽根48との間に介在され、他方のスペーサ52が一方の第1揺動絞り羽根48と他方の直進絞り羽根46との間に介在された状態となる。
また、2組の各一対の揺動絞り羽根46、48のうちの一方の揺動絞り羽根46、48は、一対の直進絞り羽根46が光軸方向に臨む両面のうちの一方の面である前面側に配置される。
また、2組の各一対の揺動絞り羽根46、48のうちの他方の揺動絞り羽根46、48は、一対の直進絞り羽根46が光軸方向に臨む両面のうちの他方の面である後面側に配置されることになる。
また、一対の直進絞り羽根46は、絞り用開口2の対向する箇所に光軸Lと直交する平面に沿って光軸Lに対して接離する方向に直線移動可能に設けられることになる。
また、一対の第1揺動絞り羽根48は、絞り用開口2の対向する箇所に光軸Lと平行する軸心を中心として光軸Lに対して接離する方向に揺動可能に設けられることになる。
また、一対の第2揺動絞り羽根50は、絞り用開口2の対向する箇所に光軸Lと平行する軸心を中心として光軸Lに対して接離する方向に揺動可能に設けられることになる。
【0051】
また、直進絞り羽根46を直線移動させると共に第1、第2揺動絞り羽根48、50を揺動させることで絞り用開口2の大きさを調整する絞り用駆動機構が、絞り用モータ56と、駆動ギア56Cと、ギア部55と、環板54とを含んで構成されている。
また、図12乃至図15に示すように、直進絞り羽根46の開口形成用縁部44Aにより、直進絞り羽根46が直線移動される方向における絞り用開口2の縁部分が形成される。
また、第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部46Aおよび第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部48Aにより、直進絞り羽根46が直線移動される方向と直交する方向おける絞り用開口2の縁部分が形成される。
また、図12乃至図15に示すように、第1揺動絞り羽根用支軸64(一対の第1揺動絞り羽根48の揺動支点)は、光軸方向から見て一対の直進絞り羽根46の移動軌跡の延長範囲内に位置している。
また、図12乃至図15に示すように、第2揺動絞り羽根用支軸66(一対の第2揺動絞り羽根50の揺動支点)は、光軸方向から見て一対の直進絞り羽根46の移動軌跡の延長範囲内に位置している。
また、図12乃至図15に示すように、前記駆動機構は、光軸方向から見て一対の直進絞り羽根46の移動軌跡の延長範囲内に位置している。
【0052】
次に、絞り装置40の動作について説明する。
まず、図12に示すように、絞り用開口2が開放状態にある場合について説明する。
直進絞り羽根46の直線状案内溝4602の長手方向の一端に直進絞り羽根用ガイドピン62が位置している。
また、第1揺動絞り羽根48のカム溝4804の長手方向の一端に第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが位置し、第2揺動絞り羽根50のカム溝5004の長手方向の一端に第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが位置している。
この状態で、絞り用開口2は、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部44Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部46Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部48Aとによって略円形の形状となるように形成されている。
また、本実施の形態では、この開放状態において絞り用開口2の直径と固定絞り70の孔70Aの直径とが同一となっている。
【0053】
ここで、絞り用モータ56が正方向に回転駆動されることにより、環板54が所定量回転されると、一対の直進絞り羽根46のカム溝4404に係合する直進絞り羽根用駆動ピン54Dが揺動する。
これにより、直進絞り羽根46は、ガイド溝4402およびこのガイド溝4402に係合する直進絞り羽根用ガイドピン62を介して所定量直線移動する。
この結果、図13に示すように、対向する一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aの間隔、すなわち、絞り用開口2の直径が縮小される。
また、環板54が所定量回転されると、第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが揺動することによりカム溝4604を介して一対の第1揺動絞り羽根48は第1揺動絞り羽根用支軸64を中心に所定量揺動する。
これにより、図13に示すように、対向する一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aの間隔、すなわち、絞り用開口2の直径が縮小される。
また、環板54が所定量回転されると、第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが揺動することによりカム溝4804を介して一対の第2揺動絞り羽根50は第2揺動絞り羽根用支軸66を中心に所定量揺動する。
これにより、図13に示すように、対向する一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aの間隔、すなわち、絞り用開口2の直径が縮小される。
この際、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aの間隔と、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aの間隔と、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aの間隔との3つの間隔は略同一寸法となる。
言い換えると、一対の直進絞り羽根46で形成される絞り用開口2の直径と、一対の第1揺動絞り羽根48で形成される絞り用開口2の直径と、一対の第2揺動絞り羽根50で形成される絞り用開口2の直径とが等しくなるようにした。
この結果、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって形成される絞り用開口2が縮小される。
図13の場合は、絞り用開口2が1段分絞られており、絞り用開口2の形状は、開口形成用縁部46A、48A、50Aによって略正六角形の形状となる。
なお、絞り用開口2が図12の開放状態から図13の1段絞られた状態に至る過程において、絞り用開口2の形状は略円形から略正六角形の形状に連続的に変化している。
【0054】
図13の状態から、さらに、絞り用モータ56が正方向に回転駆動され、環板54がさらに回転されると、上述と同様の動作により、一対の直進絞り羽根46が直線移動する。これと共に、一対の第1揺動絞り羽根48および一対の第2揺動絞り羽根50が揺動する。
これにより、図14に示すように、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって形成される絞り用開口2がさらに縮小される。
図14の場合は、絞り用開口2が6段分絞られており、絞り用開口2の形状は、開口形成用縁部46A、48A、50Aによって略正六角形の形状となる。
【0055】
図14の状態から、さらに、絞り用モータ56が正方向に回転駆動され、環板54がさらに回転されると、上述と同様の動作により、一対の直進絞り羽根46が直線移動する。これと共に、第1、第2揺動絞り羽根48、50が揺動する。
これにより、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって形成される絞り用開口2がさらに縮小される。やがて、図15に示すように、絞り用開口2の全閉状態が形成される。
なお、この全閉状態において、一対の直進絞り羽根46のガイド溝4402の長手方向の他端に直進絞り羽根用ガイドピン62が位置している。
また、一対の第1揺動絞り羽根48のカム溝4604の長手方向の他端に第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが位置し、一対の第2揺動絞り羽根50のカム溝4804の長手方向の他端に第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが位置している。
【0056】
図15の全閉状態から、絞り用モータ56が逆方向に回転駆動され、環板54が上記とは逆方向に回転される。すると、一対の直進絞り羽根46が上述と逆の方向に直線移動すると共に、一対の第1揺動絞り羽根48および一対の第2揺動絞り羽根50が上述と逆方向に揺動する。
これにより、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって絞り用開口2が形成される。
そして、図14、図13に示すように、絞り用開口2が形成され、絞り用モータ56の逆方向への回転駆動により、絞り用開口2が次第に拡大され、やがて、図12に示す絞り用開口2の開放状態が形成される。
なお、絞り用開口2が図13の1段絞られた状態から図12の開放状態に至る過程において、絞り用開口2の形状は略正六角形から略円形の形状に連続的に変化している。
【0057】
したがって、絞り用モータ56の回転方向および回転量を制御することにより、絞り装置40の絞り用開口2が開放状態と全閉状態との間で調整される。
【0058】
次に、スペーサ52の機能について説明する。
図25はスペーサ52近傍箇所の拡大図であり、図26は図25からスペーサ52を省いた拡大図である。
スペーサ52は一対の第1揺動絞り羽根48の揺動の円滑化を図るものである。
すなわち、図26に示すように、2つの直進絞り羽根46のうち一方の直進絞り羽根46の直線状案内溝4602に対して2つの第1揺動絞り羽根48のうち他方の第1揺動絞り羽根48の縁部4810が臨んでいる。
そのため、縁部4810が直線状案内溝4602に近接する方向に揺動したときに、縁部4810と直線状案内溝4602の縁部とが干渉して第1揺動絞り羽根48の円滑な揺動が阻害されるおそれがある。
【0059】
そこで、本実施の形態では、図25に示すように、スペーサ52を一方の直線絞り羽根46の直線状案内溝4602と他方の第1揺動絞り羽根48の縁部4810との間に介在させる。言い換えると、直線絞り羽根46と第1揺動絞り羽根48とを、それらの厚さ方向においてスペーサ52を用いて分離する。
これにより、縁部4810と直線状案内溝4602の縁部との干渉が防止され、2つの第1揺動絞り羽根48のうち他方の第1揺動絞り羽根48の揺動の円滑化が図られている。
なお、2つのスペーサ52のうち他方のスペーサ52は、2つの直線絞り羽根46のうち他方の直線絞り羽根46の直線状案内溝4602と2つの第1揺動絞り羽根48のうち一方の第1揺動絞り羽根48の縁部4810との間に介在されている。
これにより上述と同様に、2つの第1揺動絞り羽根48のうち一方の第1揺動絞り羽根48の揺動の円滑化が図られている。
【0060】
図16は絞り用開口2の開放状態における一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
図17は絞り用開口2の全閉状態における一方の第2揺動絞り羽根50を示す平面図である。
図18は絞り用開口2の開放状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
図19は絞り用開口2の全閉状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
図20は、仕切り板44、一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の断面図である。
【0061】
次に、仕切り板44に形成された各レールの機能について詳細に説明する。
図20に示すように、一対の第2揺動絞り羽根50のうちの一方の第2絞り羽根50、一対の第1揺動絞り羽根48のうちの一方の第1揺動絞り羽根48、一対の直進絞り羽根46のうちの一方の直進絞り羽根46がこの順番で仕切り板44上に重ねられている。
また、図18、図19に示すように、一方の直進絞り羽根46を案内する第1のレール4410は、一方の直進絞り羽根46の移動軌跡内に配置され、一方の直進絞り羽根46を案内するに足る高さで形成されている。
また、図16、図17に示すように、一方の第2揺動絞り羽根50を案内する第2のレール4412は、一方の第2揺動絞り羽根50の移動軌跡内に配置され、一方の第2揺動絞り羽根50を案内するに足る高さで形成されている。この第2のレール4412は、第1のレール4410と異なる高さで形成されている。
また、図16、図17に示すように、第1、第2のレール4410、4412は、第1揺動絞り羽根48の移動軌跡外に配置されている。
この結果、一方の直進絞り羽根46は、第2のレール4412に接触することなく、第1のレール4410によって円滑に案内される。
また、一方の第2揺動絞り羽根50は、第1のレール4410に接触することなく、第2のレール4412によって円滑に案内される。
また、第1揺動絞り羽根48は、図20に示すように、直進絞り羽根46と第2絞り羽根50との間に挟持された状態で、仕切り板44に形成された複数のレールに接触することなく揺動される。
なお、本実施の形態では、一方の直進絞り羽根46は、図11に示す絞り用蓋体58に形成された第8のレール5814によっても案内されるため、一方の直進絞り羽根46の移動の円滑化がより一層図られている。
【0062】
図11に示すように、絞り用蓋体58に形成された各レールの機能についても仕切り板44に形成された各レールの機能と同様である。
図5に示すように一対の直進絞り羽根46のうちの他方の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48のうちの他方の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50のうちの他方の第2絞り羽根50がこの順番で一対のスペーサ52上に重ねられている。
また、他方の直進絞り羽根46を案内する第6のレール5810は、他方の直進絞り羽根46の移動軌跡内に配置され、他方の直進絞り羽根46を案内するに足る高さで形成されている。
また、他方の第2揺動絞り羽根50を案内する第7のレール5812は、他方の第2揺動絞り羽根50の移動軌跡内に配置され、他方の第2揺動絞り羽根50を案内するに足る高さで形成されている。この第7のレール5812は、第6のレール5810と異なる高さで形成されている。
また、第6、第7のレール5810、5812は、第1揺動絞り羽根48の移動軌跡外に配置されている。
この結果、他方の直進絞り羽根46は、第7のレール5812に接触することなく、第6のレール5810に円滑に案内される。
また、他方の第2揺動絞り羽根50は、第6のレール5810に接触することなく、第7のレール5812に円滑に案内される。
また、第1揺動絞り羽根48は、直進絞り羽根46と第2絞り羽根50との間に挟持された状態で、仕切り板44に形成された複数のレールに接触することなく揺動される。
したがって、他方の直進絞り羽根46および他方の第2絞り羽根50は、第6、第7のレール5810、5812によって円滑に案内されるため、移動の安定化が図られている。
なお、他方の直進絞り羽根46、他方の第1揺動絞り羽根48、他方の第2絞り羽根50についても、仕切り板44によって環板54と隔てられ環板54に接触しないため、摩擦負荷が軽減されることは無論である。
また、本実施の形態では、他方の直進絞り羽根46は、図10に示す仕切り板44に形成された第3のレール4414によっても案内されるため、他方の直進絞り羽根46の移動の円滑化がより一層図られている。
【0063】
このような絞り装置40によれば、図32、図35に示すように、絞り用蓋体58に凹部5850が設けられているので、凹部5850に他の光学装置、またはその一部、光学部材、またはその一部を収容して配置することで光軸L方向におけるレンズ鏡筒の寸法を短縮化することができる。したがって、撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
あるいは凹部5850に他の光学装置やその一部などを収容することで、それら装置の寸法を短縮化することができ、レンズ鏡筒の長さを大型化することなく、ズームレンズあるいはフォーカスレンズなどの可動レンズのストロークを大きく確保することができる。
したがって、ズーム率を大きく確保でき、あるいは、焦点調整範囲を大きく確保でき、レンズ鏡筒の光学的性能の向上を図る上で有利となる。
また、レンズ鏡筒の長さを大型化することなく可動レンズのストロークを大きく確保できるので、可動レンズとして屈折率が比較的小さく厚みの大きな安価なレンズを使用でき、撮像装置のコストダウンを図る上で有利となる。
【0064】
次に、絞り用蓋体58の凹部5850に、NDフィルタ装置41の一部を収容し、それら絞り装置40およびNDフィルタ装置41の光軸L方向に沿った寸法を短縮した具体例について説明する。
図27は光量調整装置39の分解斜視図、図28は光量調整装置39を前方から見た斜視図である。
図29はNDフィルタ装置41の分解斜視図、図30はNDフィルタ72が取着されたフィルタ用支持体74の斜視図である。
図31は絞り用蓋体58を取り外した絞り装置40を後方から見た斜視図、図32は絞り用蓋体58を取着した絞り装置40を後方から見た斜視図である。
図33はフィルタ用蓋体82を絞り装置40に取着した斜視図、図34は図33にフィルタ用蓋体82とフィルタ用支持体74を取着した斜視図である。
図35はNDフィルタ72の退避位置を示す図34のAA線断面図、図36はNDフィルタ72の使用位置を示す図35のAA線断面図である。
図37はNDフィルタ72の退避位置を示す光量調整装置39の断面図である。
【0065】
図27、図29に示すように、NDフィルタ装置41は、NDフィルタ72と、フィルタ用支持体74と、フィルタ用駆動機構76と、ケース78とを含んで構成されている。
ケース78は、フィルタ用ベース部材80と、フィルタ用蓋体82とを含んで構成されている。
NDフィルタ装置41は、図35、図36、図37に示すように、絞り用蓋体58に重ね合わせるように配置されている。
【0066】
NDフィルタ72は、入射光の波長成分を変えることなく透過光量を減少させるフィルタであり、図35、図36に示すように、光軸方向Lから見て絞り用開口2内に位置する使用位置と絞り用開口2外に位置する退避位置との間で移動される。
【0067】
図30、図34に示すように、フィルタ用支持体74は、NDフィルタ72を支持するものである。
フィルタ用支持体74は、光を透過しない合成樹脂製の平坦な薄板で形成されている。
フィルタ用支持体74は、左右両側にフィルタ用ベース部材80(図29)により上下に移動可能に案内される長溝からなる案内部7402を有している。
また、フィルタ用支持体74は、光路形成用の切り欠き7404を有している。NDフィルタ72はその縁部が切り欠き7404の周囲の縁部に重ね合わされて接着剤により取着されている。これによりNDフィルタ72が切り欠き7404を覆うようにフィルタ用支持体74に設けられている。
また、フィルタ用支持体74の下部に、フィルタ用支持体74を上下に直線移動させるためのカム溝7406が形成されている。
したがって、フィルタ用支持体74をその厚さ方向から見た場合に、図29に示すように、NDフィルタ72はフィルタ用支持体74からフィルタ用蓋体82側に突出している。
【0068】
フィルタ用ベース部材80は、図29に示すように、合成樹脂製で板状に設けられている。
フィルタ用ベース部材80には、光路用開口8002が形成されている。
光路用開口8002の下方で絞り装置40と反対に位置するフィルタ用ベース部材80の箇所にフィルタ用モータ84が取着されている。
フィルタ用モータ84はモータ駆動部43(図3)から供給される駆動電流に基づいて駆動ギア56Cが正方向あるいは逆方向に回転駆動されるものである。
フィルタ用モータ84は、該フィルタ用モータ84の出力軸に連結されたアーム8402を備え、アーム8402の先端のピン8404がフィルタ用支持体74のカム溝7406に係合される。
そして、フィルタ用モータ84の正逆転でアーム8402によりフィルタ用支持体74を上下に移動させ、NDフィルタ72を絞り用開口2に出没させる。
光路用開口8002の左右両側でフィルタ用支持体74に対向するフィルタ用ベース部材80の箇所に、フィルタ用支持体74の案内部7402の長溝に係合しフィルタ用支持体74を上下に直線移動可能に案内するガイドピン8004が突設されている。
本実施の形態では、フィルタ用駆動機構76は、フィルタ用モータ84、アーム8402、ピン8404、カム溝7406、ガイドピン8004、案内部7402を含んで構成されている。
【0069】
フィルタ用蓋体82は、図29、図37に示すように、フィルタ用支持体74を覆うようにフィルタ用ベース部材80に取着されている。
フィルタ用蓋体82は合成樹脂製の薄板で形成されている。
フィルタ用蓋体82には、光路用開口8202が形成され、光路用開口8202の左右両側の箇所には、ガイドピン8004が嵌合される嵌合孔8204が形成されている。
また、フィルタ用蓋体82にはピン8404の揺動を確保するための長溝8206が形成されている。
フィルタ用蓋体82は、絞り用蓋体58に重ね合わせて配置される。
フィルタ用蓋体82には、絞り用蓋体58側に突出し退避位置でNDフィルタ72が収容される凸部8210が形成されている。
凸部8210は、図33に斜線で示すように、光軸Lから離れる方向における光路形成用開口8202の端部8202Aを含んで構成されている。
【0070】
NDフィルタ装置41は、図37に示すように、凸部8210が凹部5850に収容されて絞り装置40の絞り用ベース部材42に取着されている。
【0071】
次に、NDフィルタ装置41を含む光量調整装置39の動作について説明する。
まず、図35、図37に示すように、NDフィルタ72が退避位置にある場合について説明する。
すなわち、NDフィルタ72は、光軸方向Lから見て絞り用開口2外に位置している。
ここで、前述したように絞り用モータ56の回転方向および回転量を制御することにより、絞り装置40の絞り用開口2が開放状態と全閉状態との間で調整され、絞り装置40で形成される絞り用開口2によって絞られた光束が撮像素子18に至る。
【0072】
絞り装置40の絞り用開口2を小さくするほど、絞り装置40を通過する被写体像を形成する光束の光量を減少させることができるが、絞り用開口2が小さくなりすぎると、絞り用開口2で回折光が発生し、撮像素子18で撮像される画像の品質に悪影響を及ぼす。
そのため、絞り装置40による絞り用開口2の下限(最小絞り)は、回折の影響が生じない程度に留める必要があり、光量をさらに減少させる場合には、NDフィルタ72を用いる。
【0073】
NDフィルタ72を使用する際には、フィルタ用モータ84が正方向に一定量回転駆動されることにより、アーム8402が一定量揺動すると、アーム8402のピン8404を介してフィルタ用支持体74が所定量直線移動する。
この結果、図36に示すように、NDフィルタ72は光軸方向Lから見て絞り用開口2内に位置する。すなわち、NDフィルタ72は使用位置に位置した状態となる。
NDフィルタ72は、光軸L方向から見てこの使用位置で光路用開口8202の半径方向の内側に位置し、かつ、光軸Lと直交する方向から見てフィルタ用蓋体82の厚さの範囲と重複する箇所に位置している。
NDフィルタ72が使用位置に位置することにより、絞り装置40の絞り用開口2によって絞られた光束はNDフィルタ72を通過することでさらに光量が減少され、撮像素子18に至る。したがって、撮像素子18は回折の影響を受けることなく撮像を行うことができる。
また、フィルタ用モータ84が逆方向に一定量回転駆動されることにより、図35、図37に示すように、NDフィルタ72は退避位置に戻る。
【0074】
以上説明したように、本例によれば、絞り用蓋体58に設けられた凹部5850にフィルタ用蓋体82の凸部8210を収容し、この凸部8210に退避位置に位置するNDフィルタ72を収容したので、光軸L方向における光量調整装置39の寸法を短縮化できる。したがって、レンズ鏡筒の寸法を短縮化することができ、撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
あるいは、光軸L方向における光量調整装置39の寸法を短縮化することにより、前述したように可動レンズのストロークを確保できレンズ鏡筒の光学的性能の向上を図る上で有利となる。また、可動レンズとして屈折率が比較的小さく厚みの大きな安価なレンズを使用でき、撮像装置のコストダウンを図る上で有利となる。
【0075】
次に、図39乃至図41を参照して本実施の形態と比較例とを比較する。
図39は比較例1の絞り装置40Aの断面図である。
図40は比較例2の絞り装置40Bの断面図、図41は比較例2の絞り羽根の平面図である。
なお、比較例1、2において本実施の形態と同様の箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
比較例1は絞り用蓋体58に凹部5850を形成しない絞り装置40Aであり、絞り羽根の構成は本実施の形態と同一である。
絞り装置40Aでは、絞り用蓋体58が凹部5850を有しておらず、平坦な板状に形成されている。
これに対応してNDフィルタ装置41のフィルタ用蓋体82も平坦な板状に形成されている。
本実施の形態では、図37に示すように、NDフィルタ72の退避位置において、NDフィルタ72とのフィルタ用蓋体82との間に隙間Sが確保されている。この隙間Sは、NDフィルタ72のフィルタ用蓋体82との接触を防止するためのものである。
一方、絞り装置40Aでは、図39に示すように、NDフィルタ72とフィルタ用蓋体82の全域との間に隙間Sが確保されている。
したがって、図37の上半部および図39の上半部においては、絞り用ベース部材42の前面42Aからフィルタ用蓋体82の前面82Aまでの距離D1は等しい。
しかしながら、本実施の形態では比較例1に比較して、前面42AからNDフィルタ72の前面までの距離D2は凹部5850の深さ分小さい寸法となる。
また、本実施の形態では比較例1に比較して、前面42Aからフィルタ用ベース部材80の後面までの距離D3も凹部5850の深さ分小さい寸法となる。
したがって、本実施の形態によれば、比較例1に比較して光量調整装置39の光軸方向に沿った寸法を短縮化することができる。
【0076】
次に本実施の形態と比較例2とを比較する。
比較例2の絞り装置40Bでは、図41に示す虹彩絞りを用いる。
虹彩絞りは、光軸を中心とする円周上で互いに重ね合わされた複数の絞り羽根90を光軸と平行する軸92回りに揺動させることによって絞り用開口2を拡縮するものである。
図40に示すように、絞り装置40Bは、複数の絞り羽根92が互いに重なり合った状態で揺動するためのスペースを光軸Lを中心とした円周上に沿って確保する必要がある。
このような構造上、絞り用蓋体58に凹部5850を形成することは不可能である。
したがって、比較例2では、比較例1と同様に本実施の形態に比べて光量調整装置39の光軸L方向に沿った寸法を短縮化する上で不利がある。
【0077】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図38は第2の実施の形態における光量調整装置39の断面図である。
第2の実施の形態は、図38に示すように、フィルタ用蓋体82と絞り用蓋体58とを単一の部材により構成した点が第1の実施の形態と異なっている。
フィルタ用蓋体82を、絞り装置40の絞り用蓋体58として考えると、フィルタ用蓋体82には凹部5850が形成されていることになる。
また、フィルタ用蓋体82を、NDフィルタ装置41のフィルタ用蓋体82として考えると、フィルタ用蓋体82には凸部8210が形成されていることになる。
このような第2の実施の形態によれば、フィルタ用蓋体82と絞り用蓋体58とを単一の部材により構成されているので、一方の蓋体の厚さ分、光量調整装置39の光軸方向に沿った寸法を短縮化する上でさらに有利となる。
【0078】
なお、本実施の形態では、絞り装置40が一対の直進絞り羽根46と、一対の第1揺動絞り羽根48と、一対の第2揺動絞り羽根50との合計6枚の絞り羽根を有する場合について説明したが、絞り装置40は一対の直進絞り羽根と一対の揺動絞り羽根で構成されていてもよく、その場合、一対の揺動絞り羽根は複数組設けられていてもよく、要するに絞り羽根の合計枚数は4枚であってもあるいは8枚以上であってもよい。
また、本実施の形態では、撮像装置がビデオカメラである場合について説明したが、本発明は、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機、監視カメラ装置などの撮像装置に広く適用可能である。
また、本実施の形態では、絞り装置が撮像装置に適用される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本発明に係る絞り装置をプロジェクター装置における光源の絞り装置として用いるなど任意である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施の形態の撮像装置10の斜視図である。
【図2】撮像装置10のディスプレイパネル22が開放位置に位置した状態の斜視図である。
【図3】撮像装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】前方から見た絞り装置40の分解斜視図である。
【図5】後方から見た絞り装置40の分解斜視図である。
【図6】絞り用ベース部材42に対する絞り用モータ56の組み立て説明図である。
【図7】絞り用ベース部材42に絞り用モータ56と環板54とが組み込まれた状態を示す平面図である。
【図8】絞り用ベース部材42に対する環板54と固定絞り70と仕切り板44の組み立て説明図である。
【図9】仕切り板44、絞り用蓋体58、各絞り羽根46、48、50およびスペーサ52を示す分解斜視図である。
【図10】仕切り板44を後方から見た斜視図である。
【図11】絞り用蓋体58を前方から見た斜視図である。
【図12】絞り用開口2が開放状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図13】絞り用開口2を1段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図14】絞り用開口2を6段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図15】絞り用開口2が全閉状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図16】絞り用開口2の開放状態における一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
【図17】絞り用開口2の全閉状態における一方の第2揺動絞り羽根50を示す平面図である。
【図18】絞り用開口2の開放状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
【図19】絞り用開口2の全閉状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
【図20】仕切り板44、一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の断面図である。
【図21】直進絞り羽根46の平面図である。
【図22】第1揺動絞り羽根48の平面図である。
【図23】第2揺動絞り羽根50の平面図である。
【図24】スペーサ52の平面図である。
【図25】スペーサ52近傍箇所の拡大図である。
【図26】図25からスペーサ52を省いた拡大図である。
【図27】光量調整装置39の分解斜視図である。
【図28】光量調整装置39を前方から見た斜視図である。
【図29】NDフィルタ装置41の分解斜視図である。
【図30】NDフィルタ72が取着されたフィルタ用支持体74の斜視図である。
【図31】絞り用蓋体58を取り外した絞り装置40を後方から見た斜視図である。
【図32】絞り用蓋体58を取着した絞り装置40を後方から見た斜視図である。
【図33】フィルタ用蓋体82を絞り装置40に取着した斜視図である。
【図34】図33にフィルタ用蓋体82とフィルタ用支持体74を取着した斜視図である。
【図35】NDフィルタ72の退避位置を示す図34のAA線断面図である。
【図36】NDフィルタ72の使用位置を示す図35のAA線断面図である。
【図37】NDフィルタ72の退避位置を示す光量調整装置39の断面図である。
【図38】第2の実施の形態における光量調整装置39の断面図である。
【図39】比較例1の絞り装置40Aの断面図である。
【図40】比較例2の絞り装置40Bの断面図である。
【図41】比較例2の絞り羽根の平面図である。
【符号の説明】
【0080】
L……光軸、2……絞り用開口、10……撮像装置、16……レンズ鏡筒、39……光量調整装置、40……絞り装置、41……NDフィルタ装置、42……絞り用ベース部材、46……直進絞り羽根、48……第1揺動絞り羽根、50……第2揺動絞り羽根、58……絞り用蓋体、5850……凹部、60……収容部、72……NDフィルタ、78……ケース、8210……凸部。
【技術分野】
【0001】
本発明は絞り装置、光量調整装置、レンズ鏡筒および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の携帯型の撮像装置、あるいは、液晶プロジェクター等の投影系光学装置には、光量調整装置が設けられている。
光量調整装置は、例えば、光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを含んで構成されている。
この種の絞り装置として、絞り用開口の周囲に配置された複数枚の絞り羽根を連動して揺動させることにより絞り用開口の大きさを調整する虹彩絞りを採用したものが知られている(特許文献1参照)。
また、この種のNDフィルタ装置として、NDフィルタを絞り用開口内に出没させるものが知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−333554
【特許文献2】特開2001−117133
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の光量調整装置では、その構造上、光軸方向の寸法(厚み)を縮小することが難しい。
そのため、光軸方向において光量調整装置の前後にズームレンズあるいはフォーカスレンズなどの可動レンズが配置される場合には、次のような不都合が生じる。
すなわち、可動レンズのストロークを十分確保した場合には、光軸方向におけるレンズ鏡筒の寸法が大きなものとなることから撮像装置の小型化を図る上で不利がある。
また、光軸方向におけるレンズ鏡筒の寸法を限られた寸法に収める場合には、可動レンズのストロークを十分確保することができないためにズーム率が制約を受けるといったような光学的な性能の向上を図る上で不利がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は光学的性能を確保しつつ小型化を図る上で有利な絞り装置、光量調整装置、レンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明の絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている。
また本発明の光量調整装置は、光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、前記NDフィルタ装置は、前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、前記NDフィルタを収容するケースとを有し、前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、前記凸部は前記凹部に収容されている。
また本発明のレンズ鏡筒は、絞り装置を備え、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている。
また本発明のレンズ鏡筒は、光学系を通過する光量を調整する光量調整装置を備え、前記光量調整装置は、前記光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、前記NDフィルタ装置は、前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、前記NDフィルタを収容するケースとを有し、前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、前記凸部は前記凹部に収容されている。
また本発明の撮像装置は、絞り装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている。
また本発明の撮像装置は、光量調整装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、前記光量調整装置は、光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、前記絞り装置は、光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、前記NDフィルタ装置は、前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、前記NDフィルタを収容するケースとを有し、前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、前記凸部は前記凹部に収容されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、絞り装置の収容部材の一方の側面に凹部が設けられているので、凹部に他の光学装置、またはその一部、光学部材、またはその一部を収容して配置することで光軸方向におけるレンズ鏡筒の寸法を短縮化することができる。したがって、撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
あるいは、レンズ鏡筒の長さを大型化することなく、ズームレンズあるいはフォーカスレンズなどの可動レンズのストロークを大きく確保することができる。したがって、ズーム率を大きく確保でき、あるいは、焦点調整範囲を大きく確保でき、レンズ鏡筒の光学的性能の向上を図る上で有利となる。
また、可動レンズとして屈折率が比較的小さく厚みの大きな安価なレンズを使用でき、撮像装置のコストダウンを図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の撮像装置10の斜視図、図2は撮像装置10のディスプレイパネル22が開放位置に位置した状態の斜視図、図3は撮像装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【0007】
まず、図3を参照して撮像装置10の制御系の構成について説明する。
本実施の形態では、撮像装置10はビデオカメラであり記録媒体に対して撮影した動画、静止画、音声などのデータを記録し、また、記録媒体からそれらのデータを再生する。
本実施の形態では、記録媒体として板状または棒状の記録媒体であるメモリカード2を用いた場合について説明する。しかしながら、記録媒体として磁気記録テープ、光ディスク、ハードディスク装置などを用いてもよいことは無論であり、記録媒体として何を用いるかは任意である。
【0008】
撮像装置10は外装を構成する筐体12を有し、筐体12には撮影光学系14が組み込まれたレンズ鏡筒16が設けられている。
レンズ鏡筒16の後端には撮影光学系14によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子18が設けられ、レンズ鏡筒16に後述する光量調整装置39が組み込まれている。この光量調整装置39は撮影光学系14を通過する光量を調整するもので、光量調整装置39は、絞り装置40と、NDフィルタ装置41とを含んで構成されている。
また、撮像装置10は、マイク20、ディスプレイパネル22、スピーカー26、映像信号用増幅部102、映像信号処理部104、マイクロフォン用増幅部106、音声信号処理部108、出力用増幅部110、記録再生部112、制御部114を備えている。
撮像装置10は、ディスプレイパネルドライバ116、バッファメモリ118、メモリカード用インターフェース120、操作部126、外部入出力インターフェース128、外部入出力端子130、モータ駆動部43などをさらに含んで構成されている。
撮像素子18で生成された撮像信号は映像信号用増幅部102で増幅され、映像信号処理部104に供給される。
映像信号処理部104は、撮像信号に所定の信号処理を行うことで、動画データおよび静止画データを生成し、記録再生部112に供給される。
マイクロフォン20で収音された音声信号はマイクロフォン用増幅部106で増幅され、音声信号処理部108によって所定の信号処理がなされ音声データとして記録再生部112に供給される。
【0009】
記録再生部112は、映像信号処理部104から供給された動画データおよび静止画データと、音声信号処理部108から供給された音声データとを制御部114の制御にしたがってメモリカード用インターフェース120を介してメモリカード2に記録する。
記録再生部112によるメモリカード2へのデータの記録は、例えば、メモリカード2に記録すべきデータをいったんバッファメモリ118に蓄積したのち、バッファメモリ118から読み出したデータをメモリカード2に書き込むことでなされる。
また、記録再生部112は、記録再生部112から供給された動画データおよび静止画データを、ディスプレイパネルドライバ116を介してディスプレイパネル22に供給して画像の表示を行わせる。
また、記録再生部112は、メモリカード用インターフェース120を介してメモリカード2から供給される動画データ、静止画データを、ディスプレイパネルドライバ116を介してディスプレイパネル22に供給して画像の表示を行わせる。
また、記録再生部112は、メモリカード用インターフェース120を介してメモリカード2から供給される音声信号を出力用増幅部110を介してスピーカー26に供給して音声の出力を行わせる。
外部入出力インターフェース128は記録再生部112で再生された音声データおよび画像データを所定の信号形式に変換して、外部入出力端子130を介してテレビジョン装置、HDDレコーダー、パーソナルコンピュータなど外部機器に出力するものである。
【0010】
操作部126は、図2に示す複数の操作スイッチ24、電源スイッチ28A、静止画撮影用スイッチ28B、ズーム用スイッチ28C、モード切り換え用スイッチ28D、動画撮影用スイッチ28Eを備えている。
これらスイッチ24、28A乃至28Eは撮影にまつわる種々の機能を実行するための操作スイッチを構成している。
【0011】
制御部114は、電源スイッチ28Aの操作に基づいて撮像装置10の電源のオン、オフを行う。
制御部114は、静止画撮影用スイッチ28Bの操作に基づいて映像信号処理部104および記録再生部112に指令を与える。これにより、制御部114は、映像信号処理部104から供給される静止画データを記録再生部112を介してメモリカード用インターフェース120に供給することで静止画データをメモリカード2に記録させる。
言い換えると、静止画撮影用スイッチ28Bは、いわゆるシャッタボタンとして機能している。
【0012】
制御部114は、ズーム用スイッチ28Cの操作に基づいて不図示のズーム駆動部に指令を与えることにより、撮影光学系14の可動レンズを移動させることにより、撮影光学系14のズーム率を変化させる。
制御部114は、モード切り換え用スイッチ28Dの操作に基づいて映像信号処理部104に指令を与える。これにより、制御部114は、映像信号処理部104によって動画データを生成させる動画撮影モードと、映像信号処理部104によって静止画データを生成させる静止画撮影モードとを切り換える。
なお、動画撮影モードでは、映像信号処理部104で生成された動画データが記録再生部112を介してメモリカード2に記録される。また、静止画撮影モードでは、映像信号処理部104で生成されたで生成された静止画データが記録再生部112を介してメモリカード2に記録される。
【0013】
制御部114は、動画撮影用スイッチ28Eの操作に基づいて動画データの記録の開始、記録の停止を行わせる。
すなわち、制御部114は、動画撮影用スイッチ28Eの操作に基づいて映像信号処理部104および記録再生部112に指令を与える。これにより、制御部114は、映像信号処理部104からに供給される動画データを記録再生部112を介してメモリカード用インターフェース120に供給する。この結果、制御部114は、動画データをメモリカード2に記録させる動作を開始させ、あるいは、その動作を停止させる。
言い換えると、動画撮影用スイッチ28Eは、いわゆる撮影スタート/ストップの操作部材として機能している。
【0014】
また、パネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cは制御部114に接続されている。
パネル側動画撮影用スイッチ30Aは動画撮影用スイッチ28Eと同様の機能を有している。
パネル側ズーム用スイッチ30Bはズーム用スイッチ28Cと同様の機能を有している。
また、メニュー操作用スイッチ30Cは、ディスプレイパネル22に表示されるメニューの階層を最上位の階層に直接戻すために操作されるスイッチである。
モータ駆動部43は、制御部114の制御に基づいて後述する絞り装置40の絞り用モータ56(図4)とNDフィルタ装置41のフィルタ用モータ84の駆動制御を行うものである。
【0015】
次に撮像装置10の構成について説明する。
図1、図2に示すように、筐体12は、左右方向の幅よりも大きな寸法の前後方向の長さおよび上下方向の高さを有している。なお、本明細書において左右は、撮像装置10を後方から見た状態でいうものとし、また、光学系の光軸方向で被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
レンズ鏡筒16は、筐体12の上部の前部で前後に延在し、その前部が筐体12の前面に臨むように設けられている。したがって、被写体像は筐体12の前部から筐体12の内部に導かれる。
撮像素子18(図3)はレンズ鏡筒16の後端に設けられている。
マイクロフォン20はレンズ鏡筒16の上面に設けられている。
【0016】
ディスプレイパネル22は、筐体12の左側部に開閉可能に設けられている。
ディスプレイパネル22は、ディスプレイ装置32とパネル用ケース34とを備え、長方形板状を呈している。
図2に示すように、ディスプレイ装置32は、撮像素子18によって撮像された被写体像などを表示するものである。
ディスプレイ装置32は、画像を表示する長方形の表示面3202を有し、この表示面3202はディスプレイパネル22の内面を構成している。
本実施の形態では、ディスプレイ装置32は液晶ディスプレイ装置で構成されているが、ディスプレイ装置32の種類は任意であり、例えば、有機ELディスプレイ装置であってもよい。
【0017】
ディスプレイパネル22は、その一方の短辺寄りの箇所がヒンジ2202を介して筐体12の左側部の前部寄りの箇所に連結されている。
これにより、ディスプレイパネル22は、筐体12の上下方向に延在する第1の軸線O1回りに揺動可能に、かつ、第1の軸線O1と直交する第2の軸線O2回りに揺動可能に連結されている。
本実施の形態では、ディスプレイパネル22は、図1に示す収容位置と、図2に示すよ開放位置との間で揺動するように構成されている。
すなわち、図1の収容位置では、ディスプレイパネル22は、第1の軸線O1回りで、ディスプレイ装置32の表示面3202(パネル22の内面)が筐体12の左側面12Aに重ね合わされている。
また、図2の開放位置では、ディスプレイパネル22は、収容位置から90度開かれディスプレイ装置32の表示面3202が後方を向いている。
なお、表示面3202(パネル22の内面)を筐体12の左側面12Aに重ね合わせた収容位置においてディスプレイパネル22の外面2210(図1)が外方に向けられる。
また、ディスプレイパネル22は、前記開放位置において第2の軸線O2回りに、ディスプレイ装置32の表示面3202が前方を向いた位置と、下方を向いた位置との間で270度の範囲で揺動するように構成されている。
【0018】
図2に示すように、筐体12の左側面12Aには、種々の操作を行うための複数の操作スイッチ24、スピーカー26などが設けられている。
筐体12の上部の後部寄りの箇所には、電源スイッチ28A、静止画撮影用スイッチ28B、ズーム用スイッチ28C、モード切り換え用スイッチ28Dなどが設けられている。
また、筐体12の後面には、動画撮影用スイッチ28Eが設けられている。
また、ディスプレイパネル22には、パネル側動画撮影用スイッチ30A、パネル側ズーム用スイッチ30B、メニュー操作用スイッチ30Cなどが設けられている。
【0019】
図2に示すように、筐体12の左側面12Aの下部に、メモリカード2が挿脱されるスロット36とスロット36の開口3602を開閉する蓋体38が設けられている。
メモリカード2はスロット36に挿入されることで、メモリカード2の接続端子がスロット36内部のコネクタ(不図示)に電気的に接続される。これにより、メモリカード2は、コネクタを介してメモリカード用インターフェース120との間で信号の授受を行う。
【0020】
光量調整装置39は、絞り装置40とNDフィルタ装置41を含んで構成され、それら絞り装置40とNDフィルタ装置41はレンズ鏡筒に組み込まれている。
図4乃至図26を参照して絞り装置40から説明する。
図4は前方から見た絞り装置40の分解斜視図、図5は後方から見た絞り装置40の分解斜視図である。
図6はベース部材42に対する絞り用モータ56の組み立て説明図、図7はベース部材42に絞り用モータ56と環板54とが組み込まれた状態を示す平面図である。
図8はベース部材42に対する環板54と固定絞り70と仕切り板44の組み立て説明図、図9は仕切り板44、絞り用蓋体58、各絞り羽根46、48、50およびスペーサ52を示す分解斜視図である。
図10は仕切り板44を後方から見た斜視図、図11は絞り用蓋体58を前方から見た斜視図である。
図12は絞り用開口2が開放状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
図13は絞り用開口2を1段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
図14は絞り用開口2を6段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
図15は絞り用開口2が全閉状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
【0021】
図3、図12に示すように、絞り装置40は、撮影光学系14を介して撮像素子18に導かれる光線束を制限する絞り用開口2の大きさを調整することで、撮像素子18に導かれる光量の調整を行うものである。
絞り装置40は、撮像素子18の前方に配置されている。
本実施の形態では、絞り装置40は、絞り用ベース部材42、仕切り板44、一対の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50、2枚のスペーサ52、環板54、絞り用モータ56、絞り用蓋体58などを含んで構成されている。
本実施の形態では、一対の直進絞り羽根46と一対の第1揺動絞り羽根48と一対の第2揺動絞り羽根50とを収容する収容部材が、絞り用ベース部材42と絞り用蓋体58とで構成されている。
【0022】
絞り用ベース部材42は光を透過しない合成樹脂製で長方形板状を呈し、その長辺方向を筐体12の上下に向けた状態でレンズ鏡筒16に組み込まれている。
絞り用ベース部材42は、図4、図5に示すように、前方に臨む前面42Aと後方に臨む後面42Bとを有し、絞り用ベース部材42には撮影光学系14の光軸Lを中心とした円形の光路用孔42Cが形成されている。
絞り用ベース部材42の後面42Bには、図5に示すように、仕切り板44と、一対の直進絞り羽根46と、一対の第1揺動絞り羽根48と、一対の第2揺動絞り羽根50と、2枚のスペーサ52と、環板54とを収容する凹状の収容部60が設けられている。
また、後面42には、図7に示すように、2つの直進絞り羽根46をそれぞれスライド可能に案内する直進絞り羽根用ガイドピン62が1つの直進絞り羽根46について2つずつ設けられている。それら直進絞り羽根用ガイドピン62は光路用孔42Cの周囲近傍に設けられている。
また、後面42Bには、図7に示すように、一対の第1揺動絞り羽根48をそれぞれ揺動可能に支持する第1揺動絞り羽根用支軸64がそれぞれ設けられている。また、後面42Bには、一対の第2揺動絞り羽根50をそれぞれ揺動可能に支持する第2揺動絞り羽根用支軸66がそれぞれ設けられている。
凹状の収容部60の底部で光路用孔42Cの周囲には、図6に示すように、環板54を収容すると共に、環板54を回転可能に支持する円形の凹部68が形成されている。
凹部68には、図7、図8に示すように、後述する環板54の突片54Cおよびギア部55が移動するための扇状凹部68A、68Bが凹部68の半径方向外側に突出しかつ凹部68の周方向に延在形成されている。
【0023】
環板54は光を透過しない合成樹脂製で、図5、図7に示すように、環板状の環板部54Aを有し、環板部54Aの中心には光路用孔54Bが形成されている。
環板部54Aの外周の一部に、突片54Cが設けられている。
また、環板部54Aの外周の一部で、突片54Cに対して180度の間隔をおいた箇所にギア部55が設けられ、ギア部55は、環板54の中心軸を中心とする扇状に形成されている。
環板部54Aが厚さ方向の他方に臨む面(後方に臨む面)には、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと、2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eとが設けられている。
突片54Cが厚さ方向の他方に臨む面(後方に臨む面)とギア部55が厚さ方向の他方に臨む面(後方に臨む面)とには、第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fがそれぞれ1つずつ突設されている。
2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dは、環板54の中心軸を中心に180度の間隔をおいて設けられている。
2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eは、環板54の中心軸を中心に180度の間隔をおいて設けられている。
2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fは、環板54の中心軸を中心に180度の間隔をおいて設けられている。
【0024】
絞り用モータ56は、図6に示すように、ケース56Aと、取り付け片56Bと、駆動ギア56Cとを有し、モータ駆動部43(図3)から供給される駆動電流に基づいて駆動ギア56Cが正方向あるいは逆方向に回転駆動される。
ケース56Aは取り付け片56Bを介してベース42の前面42Aに取着されている。
駆動ギア56Cはケース56Aの一端から突出する駆動軸に固定されている。
図7に示すように、駆動ギア56Cは、ベース42に設けられた開口4202を介してベース42の後面42Bに臨み、環板54のギア部55に噛合している。
絞り用モータ56が正逆方向に回転駆動することにより、駆動ギア56Cおよびギア部55を介して環板54が該環板54の中心軸を中心として時計回り、反時計回りに揺動される。
【0025】
図5において、符号70は環板54と仕切り板44との間に設けられる固定絞りである。
固定絞り70は、光を透過しない合成樹脂製で薄板状に形成されている。
図8に示すように、固定絞り70の中央には、絞り用開口2の最大径を決定する正円状の孔70Aが形成されている。
固定絞り70には、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと、2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eとが挿通される逃げ溝70Bが光軸Lの周方向に延在して2つ設けられている。
さらに、固定絞り70には、4つの直進絞り羽根用ガイドピン62が挿通される挿通孔70Cが形成されている。
固定絞り70は、各挿通孔70Cに直進絞り羽根用ガイドピン62が挿通されることで光軸Lと直交する面内で移動不能とされる。
【0026】
仕切り板44は、図4、図5に示すように、環板54と複数の絞り羽根46、48、50との間に設けられ、環板54と複数の絞り羽根46、48、50とを隔てるものである。
仕切り板44は、矩形状を呈する板金製の鋼板で形成され、絞り用ベース部材42に取り付けられた状態で絞り用開口2を光軸L方向に露出させる光路用孔44Aが形成されている。
光路用孔44Aは固定絞り70の孔70Aと同一またはそれ以上の直径を有している。
【0027】
図5、図10に示すように、仕切り板44には、第1の挿通部4402、第2の挿通部4404と、第1のレール4410、第2のレール4412、第3のレール4414、第4のレール4416、第5のレール4418とが形成されている。
【0028】
第1の挿通部4402は、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eは第1の挿通部4402内において仕切り板44に干渉されずに揺動する。
第2の挿通部4404は、2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fは、第2の挿通部4404内において仕切り板44に干渉されずに揺動する。
【0029】
第1のレール4410は、一対の直進絞り羽根46のうち仕切り板44寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して4つ設けられている。
第2のレール4412は、一対の第2揺動絞り羽根50のうち仕切り板44寄りに配置される第2揺動絞り羽根50の移動を案内するものであり、本実施の形態では、第2揺動絞り羽根50の移動方向に沿って円弧状に延在して2つ設けられている。
第3のレール4414は、一対の直進絞り羽根46のうち絞り用蓋体58寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して3つ設けられている。
【0030】
第4のレール4416は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の一方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第4のレール4416は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して2つ設けられている。
第5のレール4418は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の他方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第5のレール4418は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して1つ設けられている。
【0031】
図10において、符号4420は仕切り板44に形成され、4つの直進絞り羽根用ガイドピン62がそれぞれ遊嵌される切り欠きを示している。
また、符号4422は仕切り板44に形成され、2つの第1揺動絞り羽根用支軸64がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
また、符号4424は仕切り板44に形成され、2つの第2揺動絞り羽根用支軸66がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
これら2つの第1揺動絞り羽根用支軸64と2つの第2揺動絞り羽根用支軸66とがそれぞれ挿通穴4422、4424に挿通されることで、仕切り板44は光軸Lと直交する面内で移動不能とされる。
また、符号4426は仕切り板44に形成され、仕切り板44を絞り用ベース部材42に係合させる係合爪を示し、本実施の形態では、係合爪4426は、仕切り板44の長手方向の一方(上側)の縁部に1つ、他方(下側)の縁部に2つ設けられている。
【0032】
図21は直進絞り羽根46の平面図である。
直進絞り羽根46は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し、直線部と、該直線部に続く湾曲部とで構成されている。
直線部には、2つの直線状案内溝4602と、カム溝4604が形成され、湾曲部には、開口形成用縁部46Aが形成されている。
2つの直線状案内溝4602は、該直進絞り羽根46を直進移動可能に案内するものであり、板部46Aの直線部に沿った同一直線上に延在形成されている。
カム溝4604は2つの直線状案内溝4602の間の箇所で前記直線と直交する方向に延在形成されている。
開口形成用縁部46Aは、絞り装置40の絞り用開口2を形成するものであり、板部46Aの湾曲部に沿って凹状の半円弧状に延在形成されている。
【0033】
図22は第1揺動絞り羽根48の平面図である。
第1揺動絞り羽根48は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し細長形状を呈している。
第1揺動絞り羽根48には、孔4802と、カム溝4804と、開口形成用縁部48Aが設けられている。
孔4802は、第1揺動絞り羽根48の長手方向の一端に形成されている。
カム溝4804は、第1揺動絞り羽根48の長手方向の中間部に延在形成されている。
開口形成用縁部48Aは、絞り装置40の絞り用開口2を形成するものであり、第1揺動絞り羽根48の長手方向の他端寄りの幅方向の一側に沿って凹状の円弧状に延在形成されている。
【0034】
図23は第2揺動絞り羽根50の平面図である。
第2揺動絞り羽根50は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し、長手方向の両端に至るに従ってその幅が次第に狭くなる形状を呈している。
第2揺動絞り羽根50には、孔5002と、カム溝5004と、開口形成用縁部50Aが設けられている。
孔5002は、板部50Aの長手方向の一端に形成されている。
カム溝5004は、板部50Aの長手方向の中間部に延在形成される。
開口形成用縁部50Aは、絞り装置40の絞り用開口2を形成するものであり、第2揺動絞り羽根50の長手方向の他端寄りの幅方向の一側に沿って凹状の円弧状に延在形成されている。
【0035】
図24はスペーサ52の平面図である。
スペーサ52は光を透過しない合成樹脂製で薄板状を呈し細長形状を呈している。
スペーサ52は長手方向に間隔をおいて2つの取付孔5202が形成されている。
【0036】
絞り用蓋体58は、絞り用ベース部材42に取着され収容部60に収容した複数の絞り羽根46、48、50、スペーサ52、固定絞り70、環板54を覆うものであり、それら部材を絞り用ベース部材42に脱落不能に保持している。
絞り用蓋体58は、板金製の矩形状の薄い鋼板からなる。
絞り用蓋体58には、絞り用ベース部材42に取り付けられた状態で絞り用開口2を光軸L方向に露出させる光路用孔58Aが形成されている。
光路用孔58Aは固定絞り70の孔70Aと同一またはそれ以上の直径を有している。
【0037】
図5、図11に示すように、絞り用蓋体58には、第3の挿通部5802、第4の挿通部5804と、第6のレール5810、第7のレール5812、第8のレール5814、第9のレール5816、第10のレール5818とが形成されている。
【0038】
第3の挿通部5802は、2つの直進絞り羽根用駆動ピン54Dと2つの第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。
第4の挿通部5804は、2つの第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが遊嵌されるものであり、光軸Lの周方向に延在して2つ形成されている。
【0039】
第6のレール5810は、一対の直進絞り羽根46のうち絞り用蓋体58寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して4つ設けられている。
第7のレール5812は、一対の第2揺動絞り羽根50のうち絞り用蓋体58寄りに第2揺動絞り羽根50の移動を案内するおのであり、本実施の形態では、第2揺動絞り羽根50の移動方向に沿って円弧状に延在して2つ設けられている。
第8のレール5814は、一対の直進絞り羽根46のうち仕切り板44寄りに配置される直進絞り羽根46の移動を案内するものであり、本実施の形態では、直進絞り羽根46の移動方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して3つ設けられている。
【0040】
第9のレール5816は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の一方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第9のレール5816は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して1つ設けられている。
第10のレール5818は、一対のスペーサ52のうち仕切り板44の幅方向の他方に配置されるスペーサ52に当接するものである。本実施の形態では、第10のレール5818は、スペーサ52の延在方向に沿って(上下方向に沿って)直線状に延在して2つ設けられている。
したがって、本実施の形態では、仕切り板44の幅方向の一方に配置されるスペーサ52は、第4のレール4416と第9のレール5816により光軸L方向において挟まれ、光軸L方向の位置決めがなされている。
また、本実施の形態では、仕切り板44の幅方向の他方に配置されるスペーサ52は、第5のレール4418と第10のレール5818により光軸L方向において挟まれ、光軸L方向の位置決めがなされている。
【0041】
図11において、符号5820は4つの直進絞り羽根用ガイドピン62がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
また、符号5822は絞り用蓋体58に形成され、2つの第1揺動絞り羽根用支軸64がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
また、符号5824は絞り用蓋体58に形成され、2つの第2揺動絞り羽根用支軸66がそれぞれ挿通される挿通孔を示している。
これら2つの第1揺動絞り羽根用支軸64と2つの第2揺動絞り羽根用支軸66とがそれぞれ挿通穴5822、5824に挿通されることで、絞り用蓋体58は光軸Lと直交する面内で移動不能とされる。
また、符号5826は絞り用蓋体58に形成され、絞り用蓋体58を絞り用ベース部材42に係合させる係合爪を示し、本実施の形態では、係合爪5826は、絞り用蓋体58の長手方向の一方(上側)の縁部に2つ、他方(下側)の縁部に1つ設けられている。
【0042】
後述するように、絞り用蓋体58寄りに、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方とが配置される。
また、絞り用ベース部材42寄りに、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方とが配置される。
そして、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方は、絞り装置40のほぼ上半部の領域で移動する。
また、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方は、絞り装置40のほぼ下半部の領域で移動する。
すなわち、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方は、光軸Lと直交する仮想線で絞り装置40を2分した場合に、2分された領域のほぼ一方の領域で移動する。
また、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方は、光軸Lと直交する仮想線で絞り装置40を2分した場合に、2分された領域のほぼ他方の領域で移動する。
【0043】
絞り用蓋体58に絞り用ベース部材42側に窪む凹部5850(図32、図35)が設けられている。
凹部5850が設けられる絞り用蓋体58の箇所は、一対の直進絞り羽根46の一方と一対の第1揺動絞り羽根48の一方と一対の第2揺動絞り羽根50の一方の移動軌跡の外側の箇所である。
本実施の形態では、凹部5850は、図32に斜線で示すように、絞り用蓋体58の下半部で左右方向の中央部分の領域に設けられる。
さらに、凹部5850の深さは、一対の直進絞り羽根46の他方と一対の第1揺動絞り羽根48の他方と一対の第2揺動絞り羽根50の他方との間に光軸方向に沿って隙間を確保する寸法で形成されている。
なお、本実施の形態では、絞り用ベース部材42と絞り用蓋体58とからなる収容部材は、光軸L方向において対向する一対の側面を有し、一対の側面の一方は絞り用蓋体58で構成され、一対の側面の他方は絞り用ベース部材42で構成されている。そして、凹部5850が一対の側面の一方である絞り用蓋体58に形成されていることになる。
【0044】
次に、絞り装置40の組み付けについて説明する。
図4、図5に示すように、まず、環板54の直進絞り羽根用駆動ピン54D、第1揺動絞り羽根用駆動ピン54E、第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを後方に向けた状態で環板54を絞り用ベース部材42の凹部68に収容する。
次いで、固定絞り70の逃げ溝70Bに、各駆動ピン54D、54Eを挿通させ、挿通孔70Cに、各直進絞り羽根用ガイドピン62を挿通させることで固定絞り70を環板部54を挟んで絞り用ベース部材42に取着する。
【0045】
次に、仕切り板44を絞り用ベース部材42に組み付ける。
すなわち、仕切り板44の各レール4410、4412、4414、4416、4418を後方に向け、第1の挿通部4402に直進絞り羽根用駆動ピン54Dと第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通させる。これと共に、第2の挿通部4404に各第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通させる。
またこれと共に、挿通孔4422、4424に第1揺動絞り羽根用支軸64、第2揺動絞り羽根用支軸66をそれぞれ挿通させる。
そして、係合爪4426を絞り用ベース部材42に係合させることにより、仕切り板44を固定絞り70および環板部54を挟んで絞り用ベース部材42に取着する。
【0046】
次に、一対の直進絞り羽根46の一方と、一対の第1揺動絞り羽根48の一方と、一対の第2揺動絞り羽根50の一方と、2枚のスペーサ52の一方とを絞り用ベース部材42に組み付ける。
すなわち、図5に示すように、一対の第2揺動絞り羽根50のうち一方の第2揺動絞り羽根50を絞り用ベース部材42の後面42Bに臨ませつつ、第2揺動絞り羽根50の孔5002に一方の第2揺動絞り羽根用支軸66を挿通する。これと共に、一方の第2揺動絞り羽根50のカム溝5004に一方の第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通する。
次いで、一対の第1揺動絞り羽根48のうち一方の第1揺動絞り羽根48を一方の第2揺動絞り羽根50の上に重ね合わせるように、一方の第1揺動絞り羽根48の孔4802に一方の第1揺動絞り羽根用支軸64を挿通する。これと共に、一方の第1揺動絞り羽根48のカム溝4804に一方の第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通する。
次いで、一対の直進絞り羽根46のうち一方の直進絞り羽根46を、一方の第1、第2揺動絞り羽根48、50の上に重ね合わせるように、一方の直進絞り羽根46の2つの直線状案内溝4602に一方の直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。これと共に、一方の直進絞り羽根46のカム溝4604に一方の直進絞り羽根用駆動ピン54Dを挿通する。
次いで、2枚のスペーサ52のうち一方のスペーサ52を一方の直進絞り羽根46の上に重ね合わせるように、一方のスペーサ52の2つの取付孔5202に一方の2つの直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。
【0047】
次に、一対の直進絞り羽根46の他方と、一対の第1揺動絞り羽根48の他方と、一対の第2揺動絞り羽根50の他方と、2枚のスペーサ52の他方とを絞り用ベース部材42に組み付ける。
すなわち、2枚のスペーサ52のうち他方のスペーサ52を一方の第1揺動絞り羽根48の上に重ね合わせるように、他方のスペーサ52の2つの取付孔5202に他方の2つの直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。
次いで、一対の直進絞り羽根46のうち他方の直進絞り羽根46を、2枚のスペーサ52の上に重ね合わせるように、他方の直進絞り羽根46の2つの直線状案内溝4602に他方の直進絞り羽根用ガイドピン62をそれぞれ挿通する。これと共に、他方の直進絞り羽根46のカム溝4604に他方の直進絞り羽根用駆動ピン54Dを挿通する。
次いで、一対の第1揺動絞り羽根48のうち他方の第1揺動絞り羽根48を他方の直進絞り羽根46の上に重ね合わせるように、他方の第1揺動絞り羽根48の孔4802に他方の第1揺動絞り羽根用支軸64を挿通する。これと共に、他方の第1揺動絞り羽根48のカム溝4804に他方の第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通する。
次いで、一対の第2揺動絞り羽根50のうち他方の第2揺動絞り羽根50を他方の直進絞り羽根46および他方の第1揺動絞り羽根48の上に重ね合わせるように、他方の第2揺動絞り羽根50の孔5002に他方の第2揺動絞り羽根用支軸66を挿通する。これと共に、他方の第2揺動絞り羽根50のカム溝5004に他方の第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通する。
【0048】
このようにして、図31に示すように、一対の直進絞り羽根46と、一対の第1揺動絞り羽根48と、一対の第2揺動絞り羽根50と、2枚のスペーサ52が孔42Cの周囲に配置される。そして、それら羽根46、48、50、スペーサ52と絞り用ベース部材42とにより仕切り板44、固定絞り70、環板54が挟まれる。
【0049】
最後に、図4、図5に示すように、絞り用蓋体58を、絞り用ベース部材42の後方から絞り用ベース部材42に取り付ける。
すなわち、絞り用蓋体58の各レール5810、5812、5814、5816、5818を前方に向け、第3の挿通部5802に直進絞り羽根用駆動ピン54Dと第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eを挿通させる。これと共に、第4の挿通部5804に各第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fを挿通させる。
またこれと共に、挿通孔5822、5824に第1揺動絞り羽根用支軸64、第2揺動絞り羽根用支軸66をそれぞれ挿通させる。
そして、係合爪5826を絞り用ベース部材42に係合させる。
これにより収容部60に収容され絞り用ベース部材42に組み付けられた環板54、固定絞り70、仕切り板44、一対の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50、2枚のスペーサ52が絞り用蓋体58によって覆われる。
また、図32、図35に示すように、絞り用蓋体58の凹部5850が光軸Lよりも下方に配置される。
【0050】
したがって、仕切り板44上に、一方の第2揺動絞り羽根50、一方の第1揺動絞り羽根48、一方の直進絞り羽根46、他方の直進絞り羽根46、他方の第1揺動絞り羽根48、他方の第2揺動絞り羽根50がこれらの順番に重ね合わされた状態となる。
また、これと共に、一方のスペーサ52が一方の直進絞り羽根46と他方の第1揺動絞り羽根48との間に介在され、他方のスペーサ52が一方の第1揺動絞り羽根48と他方の直進絞り羽根46との間に介在された状態となる。
また、2組の各一対の揺動絞り羽根46、48のうちの一方の揺動絞り羽根46、48は、一対の直進絞り羽根46が光軸方向に臨む両面のうちの一方の面である前面側に配置される。
また、2組の各一対の揺動絞り羽根46、48のうちの他方の揺動絞り羽根46、48は、一対の直進絞り羽根46が光軸方向に臨む両面のうちの他方の面である後面側に配置されることになる。
また、一対の直進絞り羽根46は、絞り用開口2の対向する箇所に光軸Lと直交する平面に沿って光軸Lに対して接離する方向に直線移動可能に設けられることになる。
また、一対の第1揺動絞り羽根48は、絞り用開口2の対向する箇所に光軸Lと平行する軸心を中心として光軸Lに対して接離する方向に揺動可能に設けられることになる。
また、一対の第2揺動絞り羽根50は、絞り用開口2の対向する箇所に光軸Lと平行する軸心を中心として光軸Lに対して接離する方向に揺動可能に設けられることになる。
【0051】
また、直進絞り羽根46を直線移動させると共に第1、第2揺動絞り羽根48、50を揺動させることで絞り用開口2の大きさを調整する絞り用駆動機構が、絞り用モータ56と、駆動ギア56Cと、ギア部55と、環板54とを含んで構成されている。
また、図12乃至図15に示すように、直進絞り羽根46の開口形成用縁部44Aにより、直進絞り羽根46が直線移動される方向における絞り用開口2の縁部分が形成される。
また、第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部46Aおよび第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部48Aにより、直進絞り羽根46が直線移動される方向と直交する方向おける絞り用開口2の縁部分が形成される。
また、図12乃至図15に示すように、第1揺動絞り羽根用支軸64(一対の第1揺動絞り羽根48の揺動支点)は、光軸方向から見て一対の直進絞り羽根46の移動軌跡の延長範囲内に位置している。
また、図12乃至図15に示すように、第2揺動絞り羽根用支軸66(一対の第2揺動絞り羽根50の揺動支点)は、光軸方向から見て一対の直進絞り羽根46の移動軌跡の延長範囲内に位置している。
また、図12乃至図15に示すように、前記駆動機構は、光軸方向から見て一対の直進絞り羽根46の移動軌跡の延長範囲内に位置している。
【0052】
次に、絞り装置40の動作について説明する。
まず、図12に示すように、絞り用開口2が開放状態にある場合について説明する。
直進絞り羽根46の直線状案内溝4602の長手方向の一端に直進絞り羽根用ガイドピン62が位置している。
また、第1揺動絞り羽根48のカム溝4804の長手方向の一端に第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが位置し、第2揺動絞り羽根50のカム溝5004の長手方向の一端に第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが位置している。
この状態で、絞り用開口2は、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部44Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部46Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部48Aとによって略円形の形状となるように形成されている。
また、本実施の形態では、この開放状態において絞り用開口2の直径と固定絞り70の孔70Aの直径とが同一となっている。
【0053】
ここで、絞り用モータ56が正方向に回転駆動されることにより、環板54が所定量回転されると、一対の直進絞り羽根46のカム溝4404に係合する直進絞り羽根用駆動ピン54Dが揺動する。
これにより、直進絞り羽根46は、ガイド溝4402およびこのガイド溝4402に係合する直進絞り羽根用ガイドピン62を介して所定量直線移動する。
この結果、図13に示すように、対向する一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aの間隔、すなわち、絞り用開口2の直径が縮小される。
また、環板54が所定量回転されると、第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが揺動することによりカム溝4604を介して一対の第1揺動絞り羽根48は第1揺動絞り羽根用支軸64を中心に所定量揺動する。
これにより、図13に示すように、対向する一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aの間隔、すなわち、絞り用開口2の直径が縮小される。
また、環板54が所定量回転されると、第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが揺動することによりカム溝4804を介して一対の第2揺動絞り羽根50は第2揺動絞り羽根用支軸66を中心に所定量揺動する。
これにより、図13に示すように、対向する一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aの間隔、すなわち、絞り用開口2の直径が縮小される。
この際、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aの間隔と、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aの間隔と、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aの間隔との3つの間隔は略同一寸法となる。
言い換えると、一対の直進絞り羽根46で形成される絞り用開口2の直径と、一対の第1揺動絞り羽根48で形成される絞り用開口2の直径と、一対の第2揺動絞り羽根50で形成される絞り用開口2の直径とが等しくなるようにした。
この結果、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって形成される絞り用開口2が縮小される。
図13の場合は、絞り用開口2が1段分絞られており、絞り用開口2の形状は、開口形成用縁部46A、48A、50Aによって略正六角形の形状となる。
なお、絞り用開口2が図12の開放状態から図13の1段絞られた状態に至る過程において、絞り用開口2の形状は略円形から略正六角形の形状に連続的に変化している。
【0054】
図13の状態から、さらに、絞り用モータ56が正方向に回転駆動され、環板54がさらに回転されると、上述と同様の動作により、一対の直進絞り羽根46が直線移動する。これと共に、一対の第1揺動絞り羽根48および一対の第2揺動絞り羽根50が揺動する。
これにより、図14に示すように、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって形成される絞り用開口2がさらに縮小される。
図14の場合は、絞り用開口2が6段分絞られており、絞り用開口2の形状は、開口形成用縁部46A、48A、50Aによって略正六角形の形状となる。
【0055】
図14の状態から、さらに、絞り用モータ56が正方向に回転駆動され、環板54がさらに回転されると、上述と同様の動作により、一対の直進絞り羽根46が直線移動する。これと共に、第1、第2揺動絞り羽根48、50が揺動する。
これにより、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって形成される絞り用開口2がさらに縮小される。やがて、図15に示すように、絞り用開口2の全閉状態が形成される。
なお、この全閉状態において、一対の直進絞り羽根46のガイド溝4402の長手方向の他端に直進絞り羽根用ガイドピン62が位置している。
また、一対の第1揺動絞り羽根48のカム溝4604の長手方向の他端に第1揺動絞り羽根用駆動ピン54Eが位置し、一対の第2揺動絞り羽根50のカム溝4804の長手方向の他端に第2揺動絞り羽根用駆動ピン54Fが位置している。
【0056】
図15の全閉状態から、絞り用モータ56が逆方向に回転駆動され、環板54が上記とは逆方向に回転される。すると、一対の直進絞り羽根46が上述と逆の方向に直線移動すると共に、一対の第1揺動絞り羽根48および一対の第2揺動絞り羽根50が上述と逆方向に揺動する。
これにより、一対の直進絞り羽根46の開口形成用縁部46Aと、一対の第1揺動絞り羽根48の開口形成用縁部48Aと、一対の第2揺動絞り羽根50の開口形成用縁部50Aとによって絞り用開口2が形成される。
そして、図14、図13に示すように、絞り用開口2が形成され、絞り用モータ56の逆方向への回転駆動により、絞り用開口2が次第に拡大され、やがて、図12に示す絞り用開口2の開放状態が形成される。
なお、絞り用開口2が図13の1段絞られた状態から図12の開放状態に至る過程において、絞り用開口2の形状は略正六角形から略円形の形状に連続的に変化している。
【0057】
したがって、絞り用モータ56の回転方向および回転量を制御することにより、絞り装置40の絞り用開口2が開放状態と全閉状態との間で調整される。
【0058】
次に、スペーサ52の機能について説明する。
図25はスペーサ52近傍箇所の拡大図であり、図26は図25からスペーサ52を省いた拡大図である。
スペーサ52は一対の第1揺動絞り羽根48の揺動の円滑化を図るものである。
すなわち、図26に示すように、2つの直進絞り羽根46のうち一方の直進絞り羽根46の直線状案内溝4602に対して2つの第1揺動絞り羽根48のうち他方の第1揺動絞り羽根48の縁部4810が臨んでいる。
そのため、縁部4810が直線状案内溝4602に近接する方向に揺動したときに、縁部4810と直線状案内溝4602の縁部とが干渉して第1揺動絞り羽根48の円滑な揺動が阻害されるおそれがある。
【0059】
そこで、本実施の形態では、図25に示すように、スペーサ52を一方の直線絞り羽根46の直線状案内溝4602と他方の第1揺動絞り羽根48の縁部4810との間に介在させる。言い換えると、直線絞り羽根46と第1揺動絞り羽根48とを、それらの厚さ方向においてスペーサ52を用いて分離する。
これにより、縁部4810と直線状案内溝4602の縁部との干渉が防止され、2つの第1揺動絞り羽根48のうち他方の第1揺動絞り羽根48の揺動の円滑化が図られている。
なお、2つのスペーサ52のうち他方のスペーサ52は、2つの直線絞り羽根46のうち他方の直線絞り羽根46の直線状案内溝4602と2つの第1揺動絞り羽根48のうち一方の第1揺動絞り羽根48の縁部4810との間に介在されている。
これにより上述と同様に、2つの第1揺動絞り羽根48のうち一方の第1揺動絞り羽根48の揺動の円滑化が図られている。
【0060】
図16は絞り用開口2の開放状態における一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
図17は絞り用開口2の全閉状態における一方の第2揺動絞り羽根50を示す平面図である。
図18は絞り用開口2の開放状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
図19は絞り用開口2の全閉状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
図20は、仕切り板44、一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の断面図である。
【0061】
次に、仕切り板44に形成された各レールの機能について詳細に説明する。
図20に示すように、一対の第2揺動絞り羽根50のうちの一方の第2絞り羽根50、一対の第1揺動絞り羽根48のうちの一方の第1揺動絞り羽根48、一対の直進絞り羽根46のうちの一方の直進絞り羽根46がこの順番で仕切り板44上に重ねられている。
また、図18、図19に示すように、一方の直進絞り羽根46を案内する第1のレール4410は、一方の直進絞り羽根46の移動軌跡内に配置され、一方の直進絞り羽根46を案内するに足る高さで形成されている。
また、図16、図17に示すように、一方の第2揺動絞り羽根50を案内する第2のレール4412は、一方の第2揺動絞り羽根50の移動軌跡内に配置され、一方の第2揺動絞り羽根50を案内するに足る高さで形成されている。この第2のレール4412は、第1のレール4410と異なる高さで形成されている。
また、図16、図17に示すように、第1、第2のレール4410、4412は、第1揺動絞り羽根48の移動軌跡外に配置されている。
この結果、一方の直進絞り羽根46は、第2のレール4412に接触することなく、第1のレール4410によって円滑に案内される。
また、一方の第2揺動絞り羽根50は、第1のレール4410に接触することなく、第2のレール4412によって円滑に案内される。
また、第1揺動絞り羽根48は、図20に示すように、直進絞り羽根46と第2絞り羽根50との間に挟持された状態で、仕切り板44に形成された複数のレールに接触することなく揺動される。
なお、本実施の形態では、一方の直進絞り羽根46は、図11に示す絞り用蓋体58に形成された第8のレール5814によっても案内されるため、一方の直進絞り羽根46の移動の円滑化がより一層図られている。
【0062】
図11に示すように、絞り用蓋体58に形成された各レールの機能についても仕切り板44に形成された各レールの機能と同様である。
図5に示すように一対の直進絞り羽根46のうちの他方の直進絞り羽根46、一対の第1揺動絞り羽根48のうちの他方の第1揺動絞り羽根48、一対の第2揺動絞り羽根50のうちの他方の第2絞り羽根50がこの順番で一対のスペーサ52上に重ねられている。
また、他方の直進絞り羽根46を案内する第6のレール5810は、他方の直進絞り羽根46の移動軌跡内に配置され、他方の直進絞り羽根46を案内するに足る高さで形成されている。
また、他方の第2揺動絞り羽根50を案内する第7のレール5812は、他方の第2揺動絞り羽根50の移動軌跡内に配置され、他方の第2揺動絞り羽根50を案内するに足る高さで形成されている。この第7のレール5812は、第6のレール5810と異なる高さで形成されている。
また、第6、第7のレール5810、5812は、第1揺動絞り羽根48の移動軌跡外に配置されている。
この結果、他方の直進絞り羽根46は、第7のレール5812に接触することなく、第6のレール5810に円滑に案内される。
また、他方の第2揺動絞り羽根50は、第6のレール5810に接触することなく、第7のレール5812に円滑に案内される。
また、第1揺動絞り羽根48は、直進絞り羽根46と第2絞り羽根50との間に挟持された状態で、仕切り板44に形成された複数のレールに接触することなく揺動される。
したがって、他方の直進絞り羽根46および他方の第2絞り羽根50は、第6、第7のレール5810、5812によって円滑に案内されるため、移動の安定化が図られている。
なお、他方の直進絞り羽根46、他方の第1揺動絞り羽根48、他方の第2絞り羽根50についても、仕切り板44によって環板54と隔てられ環板54に接触しないため、摩擦負荷が軽減されることは無論である。
また、本実施の形態では、他方の直進絞り羽根46は、図10に示す仕切り板44に形成された第3のレール4414によっても案内されるため、他方の直進絞り羽根46の移動の円滑化がより一層図られている。
【0063】
このような絞り装置40によれば、図32、図35に示すように、絞り用蓋体58に凹部5850が設けられているので、凹部5850に他の光学装置、またはその一部、光学部材、またはその一部を収容して配置することで光軸L方向におけるレンズ鏡筒の寸法を短縮化することができる。したがって、撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
あるいは凹部5850に他の光学装置やその一部などを収容することで、それら装置の寸法を短縮化することができ、レンズ鏡筒の長さを大型化することなく、ズームレンズあるいはフォーカスレンズなどの可動レンズのストロークを大きく確保することができる。
したがって、ズーム率を大きく確保でき、あるいは、焦点調整範囲を大きく確保でき、レンズ鏡筒の光学的性能の向上を図る上で有利となる。
また、レンズ鏡筒の長さを大型化することなく可動レンズのストロークを大きく確保できるので、可動レンズとして屈折率が比較的小さく厚みの大きな安価なレンズを使用でき、撮像装置のコストダウンを図る上で有利となる。
【0064】
次に、絞り用蓋体58の凹部5850に、NDフィルタ装置41の一部を収容し、それら絞り装置40およびNDフィルタ装置41の光軸L方向に沿った寸法を短縮した具体例について説明する。
図27は光量調整装置39の分解斜視図、図28は光量調整装置39を前方から見た斜視図である。
図29はNDフィルタ装置41の分解斜視図、図30はNDフィルタ72が取着されたフィルタ用支持体74の斜視図である。
図31は絞り用蓋体58を取り外した絞り装置40を後方から見た斜視図、図32は絞り用蓋体58を取着した絞り装置40を後方から見た斜視図である。
図33はフィルタ用蓋体82を絞り装置40に取着した斜視図、図34は図33にフィルタ用蓋体82とフィルタ用支持体74を取着した斜視図である。
図35はNDフィルタ72の退避位置を示す図34のAA線断面図、図36はNDフィルタ72の使用位置を示す図35のAA線断面図である。
図37はNDフィルタ72の退避位置を示す光量調整装置39の断面図である。
【0065】
図27、図29に示すように、NDフィルタ装置41は、NDフィルタ72と、フィルタ用支持体74と、フィルタ用駆動機構76と、ケース78とを含んで構成されている。
ケース78は、フィルタ用ベース部材80と、フィルタ用蓋体82とを含んで構成されている。
NDフィルタ装置41は、図35、図36、図37に示すように、絞り用蓋体58に重ね合わせるように配置されている。
【0066】
NDフィルタ72は、入射光の波長成分を変えることなく透過光量を減少させるフィルタであり、図35、図36に示すように、光軸方向Lから見て絞り用開口2内に位置する使用位置と絞り用開口2外に位置する退避位置との間で移動される。
【0067】
図30、図34に示すように、フィルタ用支持体74は、NDフィルタ72を支持するものである。
フィルタ用支持体74は、光を透過しない合成樹脂製の平坦な薄板で形成されている。
フィルタ用支持体74は、左右両側にフィルタ用ベース部材80(図29)により上下に移動可能に案内される長溝からなる案内部7402を有している。
また、フィルタ用支持体74は、光路形成用の切り欠き7404を有している。NDフィルタ72はその縁部が切り欠き7404の周囲の縁部に重ね合わされて接着剤により取着されている。これによりNDフィルタ72が切り欠き7404を覆うようにフィルタ用支持体74に設けられている。
また、フィルタ用支持体74の下部に、フィルタ用支持体74を上下に直線移動させるためのカム溝7406が形成されている。
したがって、フィルタ用支持体74をその厚さ方向から見た場合に、図29に示すように、NDフィルタ72はフィルタ用支持体74からフィルタ用蓋体82側に突出している。
【0068】
フィルタ用ベース部材80は、図29に示すように、合成樹脂製で板状に設けられている。
フィルタ用ベース部材80には、光路用開口8002が形成されている。
光路用開口8002の下方で絞り装置40と反対に位置するフィルタ用ベース部材80の箇所にフィルタ用モータ84が取着されている。
フィルタ用モータ84はモータ駆動部43(図3)から供給される駆動電流に基づいて駆動ギア56Cが正方向あるいは逆方向に回転駆動されるものである。
フィルタ用モータ84は、該フィルタ用モータ84の出力軸に連結されたアーム8402を備え、アーム8402の先端のピン8404がフィルタ用支持体74のカム溝7406に係合される。
そして、フィルタ用モータ84の正逆転でアーム8402によりフィルタ用支持体74を上下に移動させ、NDフィルタ72を絞り用開口2に出没させる。
光路用開口8002の左右両側でフィルタ用支持体74に対向するフィルタ用ベース部材80の箇所に、フィルタ用支持体74の案内部7402の長溝に係合しフィルタ用支持体74を上下に直線移動可能に案内するガイドピン8004が突設されている。
本実施の形態では、フィルタ用駆動機構76は、フィルタ用モータ84、アーム8402、ピン8404、カム溝7406、ガイドピン8004、案内部7402を含んで構成されている。
【0069】
フィルタ用蓋体82は、図29、図37に示すように、フィルタ用支持体74を覆うようにフィルタ用ベース部材80に取着されている。
フィルタ用蓋体82は合成樹脂製の薄板で形成されている。
フィルタ用蓋体82には、光路用開口8202が形成され、光路用開口8202の左右両側の箇所には、ガイドピン8004が嵌合される嵌合孔8204が形成されている。
また、フィルタ用蓋体82にはピン8404の揺動を確保するための長溝8206が形成されている。
フィルタ用蓋体82は、絞り用蓋体58に重ね合わせて配置される。
フィルタ用蓋体82には、絞り用蓋体58側に突出し退避位置でNDフィルタ72が収容される凸部8210が形成されている。
凸部8210は、図33に斜線で示すように、光軸Lから離れる方向における光路形成用開口8202の端部8202Aを含んで構成されている。
【0070】
NDフィルタ装置41は、図37に示すように、凸部8210が凹部5850に収容されて絞り装置40の絞り用ベース部材42に取着されている。
【0071】
次に、NDフィルタ装置41を含む光量調整装置39の動作について説明する。
まず、図35、図37に示すように、NDフィルタ72が退避位置にある場合について説明する。
すなわち、NDフィルタ72は、光軸方向Lから見て絞り用開口2外に位置している。
ここで、前述したように絞り用モータ56の回転方向および回転量を制御することにより、絞り装置40の絞り用開口2が開放状態と全閉状態との間で調整され、絞り装置40で形成される絞り用開口2によって絞られた光束が撮像素子18に至る。
【0072】
絞り装置40の絞り用開口2を小さくするほど、絞り装置40を通過する被写体像を形成する光束の光量を減少させることができるが、絞り用開口2が小さくなりすぎると、絞り用開口2で回折光が発生し、撮像素子18で撮像される画像の品質に悪影響を及ぼす。
そのため、絞り装置40による絞り用開口2の下限(最小絞り)は、回折の影響が生じない程度に留める必要があり、光量をさらに減少させる場合には、NDフィルタ72を用いる。
【0073】
NDフィルタ72を使用する際には、フィルタ用モータ84が正方向に一定量回転駆動されることにより、アーム8402が一定量揺動すると、アーム8402のピン8404を介してフィルタ用支持体74が所定量直線移動する。
この結果、図36に示すように、NDフィルタ72は光軸方向Lから見て絞り用開口2内に位置する。すなわち、NDフィルタ72は使用位置に位置した状態となる。
NDフィルタ72は、光軸L方向から見てこの使用位置で光路用開口8202の半径方向の内側に位置し、かつ、光軸Lと直交する方向から見てフィルタ用蓋体82の厚さの範囲と重複する箇所に位置している。
NDフィルタ72が使用位置に位置することにより、絞り装置40の絞り用開口2によって絞られた光束はNDフィルタ72を通過することでさらに光量が減少され、撮像素子18に至る。したがって、撮像素子18は回折の影響を受けることなく撮像を行うことができる。
また、フィルタ用モータ84が逆方向に一定量回転駆動されることにより、図35、図37に示すように、NDフィルタ72は退避位置に戻る。
【0074】
以上説明したように、本例によれば、絞り用蓋体58に設けられた凹部5850にフィルタ用蓋体82の凸部8210を収容し、この凸部8210に退避位置に位置するNDフィルタ72を収容したので、光軸L方向における光量調整装置39の寸法を短縮化できる。したがって、レンズ鏡筒の寸法を短縮化することができ、撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
あるいは、光軸L方向における光量調整装置39の寸法を短縮化することにより、前述したように可動レンズのストロークを確保できレンズ鏡筒の光学的性能の向上を図る上で有利となる。また、可動レンズとして屈折率が比較的小さく厚みの大きな安価なレンズを使用でき、撮像装置のコストダウンを図る上で有利となる。
【0075】
次に、図39乃至図41を参照して本実施の形態と比較例とを比較する。
図39は比較例1の絞り装置40Aの断面図である。
図40は比較例2の絞り装置40Bの断面図、図41は比較例2の絞り羽根の平面図である。
なお、比較例1、2において本実施の形態と同様の箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
比較例1は絞り用蓋体58に凹部5850を形成しない絞り装置40Aであり、絞り羽根の構成は本実施の形態と同一である。
絞り装置40Aでは、絞り用蓋体58が凹部5850を有しておらず、平坦な板状に形成されている。
これに対応してNDフィルタ装置41のフィルタ用蓋体82も平坦な板状に形成されている。
本実施の形態では、図37に示すように、NDフィルタ72の退避位置において、NDフィルタ72とのフィルタ用蓋体82との間に隙間Sが確保されている。この隙間Sは、NDフィルタ72のフィルタ用蓋体82との接触を防止するためのものである。
一方、絞り装置40Aでは、図39に示すように、NDフィルタ72とフィルタ用蓋体82の全域との間に隙間Sが確保されている。
したがって、図37の上半部および図39の上半部においては、絞り用ベース部材42の前面42Aからフィルタ用蓋体82の前面82Aまでの距離D1は等しい。
しかしながら、本実施の形態では比較例1に比較して、前面42AからNDフィルタ72の前面までの距離D2は凹部5850の深さ分小さい寸法となる。
また、本実施の形態では比較例1に比較して、前面42Aからフィルタ用ベース部材80の後面までの距離D3も凹部5850の深さ分小さい寸法となる。
したがって、本実施の形態によれば、比較例1に比較して光量調整装置39の光軸方向に沿った寸法を短縮化することができる。
【0076】
次に本実施の形態と比較例2とを比較する。
比較例2の絞り装置40Bでは、図41に示す虹彩絞りを用いる。
虹彩絞りは、光軸を中心とする円周上で互いに重ね合わされた複数の絞り羽根90を光軸と平行する軸92回りに揺動させることによって絞り用開口2を拡縮するものである。
図40に示すように、絞り装置40Bは、複数の絞り羽根92が互いに重なり合った状態で揺動するためのスペースを光軸Lを中心とした円周上に沿って確保する必要がある。
このような構造上、絞り用蓋体58に凹部5850を形成することは不可能である。
したがって、比較例2では、比較例1と同様に本実施の形態に比べて光量調整装置39の光軸L方向に沿った寸法を短縮化する上で不利がある。
【0077】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図38は第2の実施の形態における光量調整装置39の断面図である。
第2の実施の形態は、図38に示すように、フィルタ用蓋体82と絞り用蓋体58とを単一の部材により構成した点が第1の実施の形態と異なっている。
フィルタ用蓋体82を、絞り装置40の絞り用蓋体58として考えると、フィルタ用蓋体82には凹部5850が形成されていることになる。
また、フィルタ用蓋体82を、NDフィルタ装置41のフィルタ用蓋体82として考えると、フィルタ用蓋体82には凸部8210が形成されていることになる。
このような第2の実施の形態によれば、フィルタ用蓋体82と絞り用蓋体58とを単一の部材により構成されているので、一方の蓋体の厚さ分、光量調整装置39の光軸方向に沿った寸法を短縮化する上でさらに有利となる。
【0078】
なお、本実施の形態では、絞り装置40が一対の直進絞り羽根46と、一対の第1揺動絞り羽根48と、一対の第2揺動絞り羽根50との合計6枚の絞り羽根を有する場合について説明したが、絞り装置40は一対の直進絞り羽根と一対の揺動絞り羽根で構成されていてもよく、その場合、一対の揺動絞り羽根は複数組設けられていてもよく、要するに絞り羽根の合計枚数は4枚であってもあるいは8枚以上であってもよい。
また、本実施の形態では、撮像装置がビデオカメラである場合について説明したが、本発明は、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機、監視カメラ装置などの撮像装置に広く適用可能である。
また、本実施の形態では、絞り装置が撮像装置に適用される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本発明に係る絞り装置をプロジェクター装置における光源の絞り装置として用いるなど任意である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施の形態の撮像装置10の斜視図である。
【図2】撮像装置10のディスプレイパネル22が開放位置に位置した状態の斜視図である。
【図3】撮像装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】前方から見た絞り装置40の分解斜視図である。
【図5】後方から見た絞り装置40の分解斜視図である。
【図6】絞り用ベース部材42に対する絞り用モータ56の組み立て説明図である。
【図7】絞り用ベース部材42に絞り用モータ56と環板54とが組み込まれた状態を示す平面図である。
【図8】絞り用ベース部材42に対する環板54と固定絞り70と仕切り板44の組み立て説明図である。
【図9】仕切り板44、絞り用蓋体58、各絞り羽根46、48、50およびスペーサ52を示す分解斜視図である。
【図10】仕切り板44を後方から見た斜視図である。
【図11】絞り用蓋体58を前方から見た斜視図である。
【図12】絞り用開口2が開放状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図13】絞り用開口2を1段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図14】絞り用開口2を6段絞った状態の絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図15】絞り用開口2が全閉状態にある絞り装置40を後方から見た平面図である。
【図16】絞り用開口2の開放状態における一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
【図17】絞り用開口2の全閉状態における一方の第2揺動絞り羽根50を示す平面図である。
【図18】絞り用開口2の開放状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
【図19】絞り用開口2の全閉状態における一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の位置を示す平面図である。
【図20】仕切り板44、一方の直進絞り羽根46、第1揺動絞り羽根48、一方の第2揺動絞り羽根50の断面図である。
【図21】直進絞り羽根46の平面図である。
【図22】第1揺動絞り羽根48の平面図である。
【図23】第2揺動絞り羽根50の平面図である。
【図24】スペーサ52の平面図である。
【図25】スペーサ52近傍箇所の拡大図である。
【図26】図25からスペーサ52を省いた拡大図である。
【図27】光量調整装置39の分解斜視図である。
【図28】光量調整装置39を前方から見た斜視図である。
【図29】NDフィルタ装置41の分解斜視図である。
【図30】NDフィルタ72が取着されたフィルタ用支持体74の斜視図である。
【図31】絞り用蓋体58を取り外した絞り装置40を後方から見た斜視図である。
【図32】絞り用蓋体58を取着した絞り装置40を後方から見た斜視図である。
【図33】フィルタ用蓋体82を絞り装置40に取着した斜視図である。
【図34】図33にフィルタ用蓋体82とフィルタ用支持体74を取着した斜視図である。
【図35】NDフィルタ72の退避位置を示す図34のAA線断面図である。
【図36】NDフィルタ72の使用位置を示す図35のAA線断面図である。
【図37】NDフィルタ72の退避位置を示す光量調整装置39の断面図である。
【図38】第2の実施の形態における光量調整装置39の断面図である。
【図39】比較例1の絞り装置40Aの断面図である。
【図40】比較例2の絞り装置40Bの断面図である。
【図41】比較例2の絞り羽根の平面図である。
【符号の説明】
【0080】
L……光軸、2……絞り用開口、10……撮像装置、16……レンズ鏡筒、39……光量調整装置、40……絞り装置、41……NDフィルタ装置、42……絞り用ベース部材、46……直進絞り羽根、48……第1揺動絞り羽根、50……第2揺動絞り羽根、58……絞り用蓋体、5850……凹部、60……収容部、72……NDフィルタ、78……ケース、8210……凸部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、
前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている、
絞り装置。
【請求項2】
前記収容部材は、絞り用ベース部材と絞り用蓋体とを含んで構成され、
前記絞り用ベース部材は、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた合成樹脂製の板状を呈し、
前記絞り用蓋体は、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆い前記ベース部材に取着される板金製の鋼板であり、
前記一対の側面の一方は、前記絞り用蓋体で構成され、
前記一対の側面の他方は、前記絞り用ベース部材で構成されている、
請求項1記載の絞り装置。
【請求項3】
光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、
前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、
前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、
前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、
前記NDフィルタ装置は、
前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、
前記NDフィルタを収容するケースとを有し、
前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、
前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、
前記凸部は前記凹部に収容されている、
光量調整装置。
【請求項4】
絞り装置を備え、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、
前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている、
レンズ鏡筒。
【請求項5】
光学系を通過する光量を調整する光量調整装置を備え、
前記光量調整装置は、
前記光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、
前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、
前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、
前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、
前記NDフィルタ装置は、
前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、
前記NDフィルタを収容するケースとを有し、
前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、
前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、
前記凸部は前記凹部に収容されている、
レンズ鏡筒。
【請求項6】
前記NDフィルタ装置は、
前記NDフィルタが取着されたフィルタ用支持体と、
前記フィルタ用支持体を前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動可能に支持するフィルタ用ベース部材と、
前記フィルタ用ベース部材に取着され前記フィルタ用ベース部材に取着された前記フィルタ用支持体を覆うフィルタ用蓋体と、
前記NDフィルタが前記使用位置と前記退避位置に位置するように前記フィルタ用支持体を移動させるフィルタ用駆動機構とを備え、
前記ケースは、前記フィルタ用ベース部材と前記フィルタ用蓋体とを含んで構成され、
前記フィルタ用ベース部材は、前記光軸方向において前記絞り用蓋体から離れた箇所に配置され、
前記フィルタ用蓋体は、前記絞り用蓋体に重ね合わさるように配置され、
前記凸部は、前記フィルタ用蓋体に形成されている、
請求項5記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記フィルタ用蓋体と前記絞り用蓋体とは単一の部材により構成されている、
請求項6記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記フィルタ用蓋体は前記光軸を含む箇所に前記NDフィルタよりも大きな輪郭の開口有し、
前記凸部は、光軸から離れる方向における前記開口の端部を含んで形成され、
前記NDフィルタは前記使用位置で、前記光軸方向から見て前記開口の半径方向の内側かつ前記光軸と直交する方向から見て前記フィルタ用蓋体の厚さの範囲と重複する箇所に位置している、
請求項6記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記フィルタ用支持体に光路形成用の切り欠きが形成され、
前記NDフィルタは前記切り欠きを覆うように前記フィルタ用支持体に重ね合わされて取着され、
前記NDフィルタは前記光軸方向において前記フィルタ用支持体よりも前記フィルタ用蓋体側に偏位している、
請求項8記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
絞り装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、
前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている、
撮像装置。
【請求項11】
光量調整装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、
前記光量調整装置は、
光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、
前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、
前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、
前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、
前記NDフィルタ装置は、
前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、
前記NDフィルタを収容するケースとを有し、
前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、
前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、
前記凸部は前記凹部に収容されている、
撮像装置。
【請求項1】
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、
前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている、
絞り装置。
【請求項2】
前記収容部材は、絞り用ベース部材と絞り用蓋体とを含んで構成され、
前記絞り用ベース部材は、前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた合成樹脂製の板状を呈し、
前記絞り用蓋体は、前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆い前記ベース部材に取着される板金製の鋼板であり、
前記一対の側面の一方は、前記絞り用蓋体で構成され、
前記一対の側面の他方は、前記絞り用ベース部材で構成されている、
請求項1記載の絞り装置。
【請求項3】
光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、
前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、
前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、
前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、
前記NDフィルタ装置は、
前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、
前記NDフィルタを収容するケースとを有し、
前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、
前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、
前記凸部は前記凹部に収容されている、
光量調整装置。
【請求項4】
絞り装置を備え、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、
前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている、
レンズ鏡筒。
【請求項5】
光学系を通過する光量を調整する光量調整装置を備え、
前記光量調整装置は、
前記光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、
前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、
前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、
前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、
前記NDフィルタ装置は、
前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、
前記NDフィルタを収容するケースとを有し、
前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、
前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、
前記凸部は前記凹部に収容されている、
レンズ鏡筒。
【請求項6】
前記NDフィルタ装置は、
前記NDフィルタが取着されたフィルタ用支持体と、
前記フィルタ用支持体を前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動可能に支持するフィルタ用ベース部材と、
前記フィルタ用ベース部材に取着され前記フィルタ用ベース部材に取着された前記フィルタ用支持体を覆うフィルタ用蓋体と、
前記NDフィルタが前記使用位置と前記退避位置に位置するように前記フィルタ用支持体を移動させるフィルタ用駆動機構とを備え、
前記ケースは、前記フィルタ用ベース部材と前記フィルタ用蓋体とを含んで構成され、
前記フィルタ用ベース部材は、前記光軸方向において前記絞り用蓋体から離れた箇所に配置され、
前記フィルタ用蓋体は、前記絞り用蓋体に重ね合わさるように配置され、
前記凸部は、前記フィルタ用蓋体に形成されている、
請求項5記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記フィルタ用蓋体と前記絞り用蓋体とは単一の部材により構成されている、
請求項6記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記フィルタ用蓋体は前記光軸を含む箇所に前記NDフィルタよりも大きな輪郭の開口有し、
前記凸部は、光軸から離れる方向における前記開口の端部を含んで形成され、
前記NDフィルタは前記使用位置で、前記光軸方向から見て前記開口の半径方向の内側かつ前記光軸と直交する方向から見て前記フィルタ用蓋体の厚さの範囲と重複する箇所に位置している、
請求項6記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記フィルタ用支持体に光路形成用の切り欠きが形成され、
前記NDフィルタは前記切り欠きを覆うように前記フィルタ用支持体に重ね合わされて取着され、
前記NDフィルタは前記光軸方向において前記フィルタ用支持体よりも前記フィルタ用蓋体側に偏位している、
請求項8記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
絞り装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部材と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを備え、
前記収容部材は、前記光軸方向において対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面の一方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記一対の側面の他方寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記一対の側面の一方に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿って隙間を確保した状態で、前記一対の側面の他方側に窪む凹部が設けられている、
撮像装置。
【請求項11】
光量調整装置が組み込まれたレンズ鏡筒を備え、
前記光量調整装置は、
光学系の光軸を中心とする絞り用開口の大きさを調整する絞り装置と、
前記絞り用開口を通る光量を低減させるNDフィルタ装置とを有し、
前記絞り装置は、
光学系の光軸方向に重ね合わされ前記光軸と直交する平面に沿って前記光軸に対して接離する方向に移動することで前記光軸を中心とする絞り用開口を形成する一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根と、
前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を収容する収容部が設けられた絞り用ベース部材と、
前記収容部に収容された前記一対の直進絞り羽根および一対の揺動絞り羽根を覆う絞り用蓋体と、
前記絞り羽根を移動させ前記絞り用開口の大きさを調整する絞り用駆動機構とを有し、
前記絞り用蓋体寄りに、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方とが配置され、
前記絞り用ベース部材寄りに、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方とが配置され、
前記絞り用蓋体に、前記一対の直進絞り羽根の一方と一対の揺動絞り羽根の一方の移動軌跡の外側で、かつ、前記一対の直進絞り羽根の他方と一対の揺動絞り羽根の他方との間に前記光軸方向に沿った隙間を確保した状態で、前記絞り用ベース部材側に窪む凹部が設けられ、
前記NDフィルタ装置は、
前記光軸方向から見て前記絞り用開口内に位置する使用位置と前記絞り用開口外に位置する退避位置との間で移動されるNDフィルタと、
前記NDフィルタを収容するケースとを有し、
前記ケースは、前記絞り用蓋体に重ね合わさる側面を有し、
前記側面に、前記絞り用蓋体側に突出し前記退避位置で前記NDフィルタが収容される凸部が形成され、
前記凸部は前記凹部に収容されている、
撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2010−145706(P2010−145706A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322330(P2008−322330)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]