説明

給仕スタッフに信号伝達するための装置

給仕スタッフをレストランのテーブルに呼ぶために用いられる、給仕スタッフに信号伝達するための装置及び方法は、複数の信号伝達表示器を有する筐体を備えており、この表示器は、テーブルの客が各スイッチを押すか、各スイッチに触れるかすることによって点けられると、電池及び機能モジュールによって作動する発光源によって発光する。表示器は、客による所要サービスの種類に応じて着色されることによって色分けされる。これによって、給仕スタッフがテーブルに訪れる必要なく、客がサービスを必要とすることを遠くから楽に伝えることができる。客の所望のサービス種類も、着色されることによって給仕スタッフに伝えられる。機能モジュールは、電池管理及び発光源の閃光を含む任意特性のみならず、照明強度及び消費電極の調節を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、客がサービスを求めること及び所要サービスの種類を、レストランの給仕スタッフに容易に通知するための装置及びその装置の使用方法に関する。特に、本発明は、レストラン又は相似の施設で、客がサービスのニーズを伝えるための装置及びこの装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明がなされる前においては、レストランの給仕スタッフをテーブルに呼ぶために、テーブルには作動器が設置され、中央位置には視覚型の表示器が設置される高周波信号に基づいた装置若しくは有線装置又はサービスを提供するテーブルに設置される可視信号伝達装置を含む、種々の装置が提案されている。高周波信号に基づいた装置は、設置が高価であり、不確かな操作による干渉が生じがちである。有線方式も、設置が高価であり、広範な配線が必要なため、テーブルの位置を再構成することが一般的に制限されている。
【0003】
従来の信号伝達装置によるテーブルは、発光型の表示器(a lit indicator)によって伝えられるように、また、非発光型の標記装置(non-lit flagging element)又は標識装置を使用するように、一般的にグループに分けることができる。非発光型の装置は、給仕スタッフが非発光型の標記装置又は標識装置が作動しているかどうか識別することが困難なため、テーブルが照明の暗い位置に配置されているレストラン環境では不利である。環境及び構造に応じて、作動された非発光型の装置は、発光型装置のように注目を引くことができない。テーブルに設置されている発光表示器の信号伝達装置は、サービスが求められたとき、給仕スタッフが遠くからテーブルを見渡して確認することを容易にするが、所要サービスの種類を理解することはできない。
【0004】
給仕スタッフと客の間の情報伝達を良くすることは、レストランの経営者及び客の両方にとって有益である。給仕スタッフと客の間の情報伝達は、まず、客がサービスを求めるとき見分けることによって、次に、給仕スタッフが客に応答する時間を減らすことによって、さらに、所要サービスの種類を伝えることによって改善される。例えば、何を注文するか決めた後、注文するために、給仕スタッフの注意を引こうとしたが、給仕スタッフがすぐ応答してくれなかったときの失意を、客は一般的に経験している。このような状況は、給仕スタッフが遠くから客のテーブルに必ず気付くような、また、客がすぐ注文するかどうか判断させるような、客が給仕スタッフに伝える効果的な手段を持っていなかったため起こる。注文が決まる前に給仕スタッフがテーブルに近づくと、客は急がれるように感じられるが、注文が決まったのに給仕スタッフが気付いてくれないと、客は無視されたように感じられる。同じ状況は食事中にも起こり得る。サービスが求められたときに見つけ出すために、給仕スタッフは、定期的にテーブルを訪れるか、遠くから見当をつけなければいけない。「追加注文」の表示器は、需要を給仕スタッフに効果的伝えることによって、飲み物が空になった客の失意及び給仕スタッフから粗末なサービスを感じた失意の両方をなくすことができる。
【0005】
食事時間中に特に難しい時期は、食事終了と料金支払いの間の時間である。また、すぐ請求書をテーブルに持って行くと、客をレストランから追い出す印象を与え、関連するものを不利な立場に置いてしまう。同様に、客が請求書を求めるときには、代替的に需要を給仕スタッフに伝えることを経験する可能性がある。
【0006】
説明したように、給仕スタッフとレストラン客の間の情報伝達を改善することによって、これらに限定されないが、客の改善された全体的な経験、食事における総時間を減らすことにより増える客数及び高められた給仕スタッフの効率を含む受益効果が多くなる。改善された、移動できる、コストの低い給仕スタッフに信号伝達するための装置と、客の需要を給仕スタッフに伝えることができる、客のテーブルに設置することができる方法が求められている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、給仕スタッフに信号伝達するための装置及びその方法を対象とし、特に、給仕スタッフの注意を引くために、且つ、所要サービスの種類を伝えるために用いられる、客のテーブルに設置されており、客によって制御され、給仕スタッフに目立つ着色された照明表示器を用いる、移動できる給仕スタッフに信号伝達するための装置を対象とし、よって、従来技術の限界及び不利による一つ以上の問題を十分に避けることができる。
【0008】
本発明の装置は、サービスが求められていることを表すために、レストラン客によって制御される複数の照明表示器を有する移動できるものである。客は、対応する表示器を発光させる作動スイッチによって、電源内蔵式の一つの照明表示器又は複数の表示器を点ける。サービスの需要は、装置が点けられることによって信号化され、所要サービスの種類は、照明表示器の着色によって及び/又は点けられた表示器の組み合わせによって伝えられる。装置は、給仕スタッフによってテーブルに置かれ、客によって点けられる。サービスが提供された後又は給仕スタッフが気付いた後、照明表示器は一般的に消される。
【0009】
したがって、新しく改良された視覚型信号装置と、別々の受信システムに連結されている配線情報伝達、無線情報伝達又は他の情報伝達を用いることなく、テーブルに給仕スタッフの注意を引くと共に、遠くから給仕スタッフに、サービスが求められていること及び所要サービスの一般種類を伝える方法とを提供することは、本発明の目的である。
【0010】
本発明の他の目的は、一般的に非発光型表示器が使用できないほど照明の暗いレストラン環境での効果的な信号伝達を可能にする照明表示器を提供することにある。
【0011】
更なる目的は、低コストの設計で取り組まれるよう、主要コストを最小限にすることにある。本発明は電池式であり、光学信号が利用されるため、電源配線の需要及び中央システムに配線又は無線で連結させる必要がなくなる。
【詳細な説明】
【0012】
添付図面は、本発明の特徴、利点及び方式を説明するために、説明と共に本発明の実施形態を説明する明細書の一部分として組み込まれており、構成されている。
【0013】
例示の目的で、本発明の特定の実施形態が詳細に記載されるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更され得る。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて制限されない。同じ参照文字で同じ部分に言及される図面の種々の数字をより詳しく参照すると、本発明によって構成される、給仕スタッフに信号伝達するための装置は図1の10で表される。装置の詳細を説明する前に、装置は、レストランで給仕スタッフに信号伝達するために特に適すると共に、給仕人が客にサービスを提供する用途にも使用できることに注目するべきである。さらに、本発明は、客が職員の信号伝達手段を求める非レストラン(例えば控室等)での用途にも用いることができる。
【0014】
図1に示す本発明の給仕スタッフに信号伝達するための装置10は、筐体と、筐体の外面に取り付けられている複数の照明表示器と、筐体に取り付けられているバッテリ電源とを含み、この照明表示器は、当該発光源から放つ光をフィルタリングし、方向決めるためのレンズの後ろに取り付けられている発光源と、この発光源と電気的接続性にある機能モジュールと、バッテリ電源と電気的接続性にあるそれぞれの機能モジュールと電気的接続にある、筐体に取り付けられている作動スイッチとを有する。スイッチを押したり、スイッチに触れたりすると、発光源を点けるように機能することができる機能モジュールが作動される。2度作動スイッチを押すか、作動スイッチに触れると、照明表示器が消える。
【0015】
図1をさらに参照すると、給仕スタッフに信号伝達するための装置(やはりテーブルのユニットとして参照される)は、遠近法で示されており、第1照明表示器14、第2照明表示器16、第3照明表示器18が筐体12に取り付けられている。第1作動スイッチ20、第2作動スイッチ22又は第3作動スイッチ24が押されると、対応する照明表示器のレンズはバックライトされる。さらに、本発明の側面図を示す図3を参照すると、ユニットが面に置かれたときに、安定性を提供することができるように、筐体底部30が筐体12の長さ及び幅に沿って広がっている。
【0016】
照明表示器レンズは半透明であり、客が求めるサービスの種類に対応する色で着色されている。点ける前、ユーザが光の色を識別できるように、点けられると、表示器は、レンズ色と同じ色の有色光を放つ。任意数の照明表示器が特定の実施形態に含まれてもよいが、図4を参照すると、(好ましい実施形態のように)三つの照明表示器が供給され、その連続的な色分けは、一般サービス、要追加注文、要会計に対応するサービスを表す白色、青色、緑色であることが好ましい。表示器レンズには、それぞれ、「サービス」、「追加注文」及び「会計」のラベルが貼られている。任意適当な色分け及びラベルは、要求通りに供給され得る。例えば、照明レンズは、地方の言葉でラベルが貼られてもよく、代替的に、所要サービスを表すシンボルのラベルが貼られてもよい。
【0017】
好ましい実施形態において、サービスのカテゴリは、レストラン経験中の出来事の注文に一般的に応じる。一般サービスは、「すぐ注文する」等のような、食事前に一般的に直面する情報伝達を必要とする任意サービスをいい、本発明によって、客が注文しようとするとき確認するために、給仕スタッフが不必要にテーブルを訪れることをなくすと共に、客が注文又は他の所要サービスを求めるために、給仕スタッフの注意を引くことの失意をなくすことができる。食事中の一般サービスは、「サービスを必要とする」ことをいう。これは、「香辛料追加(additional condiments)」又は「間違い注文(incorrect order)」を含む様々な要求を追加するための信号を用いることができる。「要追加注文」及び「要会計」サービスの表示器は、その需要を伝えるために同じく点けられる。
【0018】
図6及び図7は内部の構成要素を示し、バッテリ電源48、調節機能モジュール42,調節機能モジュール44、調節機能モジュール46はそれぞれ、スイッチ24、スイッチ22及びスイッチ20に電気的に接続されている。それぞれの照明表示器(図4の「追加」表示器に代表される)は、反射部40と、発光源38としての発光ダイオードと、半透明な着色レンズ36(このケースでは「要追加」を表す青色が着色されている)とをさらに含む。
【0019】
図5及び図8は、複数の留め具32によって筐体に留められている筐体底部プレート34の詳細を示す。外面、底部、長さ、幅及び高さを有する筐体は、必要な構成要素を都合よく収納するように形状が決められている。除去可能な筐体底部のプレート34は、筐体の底部30に埋め込まれており、バッテリ交換のためのアクセスを提供することができる。筐体は、金属又はプラスチックなどの任意従来型材料で構成されている。好ましい実施形態において、照明表示器は、白色、青色及び緑色の順番で長さに沿って連続的に外面に取り付けられている。好ましい実施形態のように、表面の表示器は、給仕スタッフがテーブルの全ての方向から気付くことができるように目立つ。
【0020】
収納庫を最小限にするために、あるユニットを他のユニットの上面に積み重ねるように、寸法が大きい筐体底部30は、筐体12の上面の長さ及び幅と同じ長さ及び幅における十分な寸法を有する開口を形成することができるように設計されてもよい。さらに、筐体と別々の充電装置の間の電気導電及び電気連結を提供するために、電気接点が筐体に設けられてもよく、これは、使用しないとき、テーブル上で充放電できる手段を容易にする。
【0021】
図9は、三つの照明表示器を有する本発明の内部構成要素の電気接続性を簡略化したブロック図及び部分概略図を示す。例として機能モジュール44を選択する。機能モジュール44(シンプルな形態にある)は、発光源及びバッテリの寿命を最大にするように、発光源の発光強度と、スイッチ22によって作動されたときのバッテリ48から発光ダイオード発光源38への電源の供給とを調節することができる。
【0022】
付加的な機能は、特定機能を有する機能モジュールを備えることによって本発明に加えられる。例えば、点けられた後の所定時間後に発光源を閃光させるために、モジュールが追加されてもよい。他のモジュールは、表示器が点けられた後の時間に応じて、発光源に安定な閃光又は可変閃光を提供してもよい。代替的なモジュールは、バッテリ電源を節約することができるように、所定の時間間隔をおいて表示器の電源を止めるように用いられてもよい。特定客の需要に最も適するよう、プログラム化された制御機能モジュールを追加すると、テーブルユニットは特別注文を受けることができる。
【0023】
本発明を使用するための所望の方法は、給仕スタッフがサービスを提供するテーブルに、給仕スタッフに信号伝達するための装置を置くステップと、サービスを求めるときに照明表示器(ここで、表示器は所要サービスの種類に対応する)を点けるよう客を案内するステップと、点けられた表示器の存在を給仕スタッフが監視するステップと、点けられた表示器の色に給仕スタッフが気付くステップと、点けられた表示器及びその色で伝えられた最適サービスを用意した給仕スタッフが依頼されたテーブルに応答するステップと、サービスを提供した後、給仕スタッフが点けられている表示器を止めるステップとを含む。
【0024】
他の種類のサービス又はサービスの変更を伝えるために複数の表示器等を点けるような本発明の使用方法の代替的な実施形態が要求通り実行されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の信号伝達装置の斜視図である。
【図2】図1の信号伝達装置の正面図である。
【図3】図1の信号伝達装置の側面図である。
【図4】任意文字のラベル及び発光体色を示す図1の信号伝達装置の拡大された平面図であり、濃淡で示されているように、「サービス」は白色に着色され、「追加注文」は青色に着色され、「会計」は緑色に着色されている。
【図5】図1の信号伝達装置の底面図である。
【図6】図1の信号伝達装置の拡大された底面図であり、作動スイッチ及び機能モジュールを示すために、底面カバープレート及びバッテリは除去されている。
【図7】図2のライン7−7に沿った信号伝達装置の拡大された断面図であり、作動器押しボタン及び充電された内蔵型バッテリ電源及び切り欠き機能モジュール及び連結配線を有する発光ダイオード発光源を示している。
【図8】図5のライン8−8に沿った信号伝達装置の拡大された断面図であり、底面プレートを安定にする留め付けネジを示している。
【図9】三つの照明表示器を有する本発明の好ましい実施形態の信号伝達装置の簡略化されたブロック図(部分的な概略図)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の外面に取り付けられている複数の照明表示器と、
前記筐体に取り付けられており、それぞれの前記照明表示器の機能モジュールと電気的接続性にあるバッテリと、
を備えている、給仕スタッフに信号伝達するための装置であって、
前記照明表示器が、
発光源と、
前記発光源から放つ光をフィルタリングし、方向を決めるために取り付けられている半透明なレンズと、
を備えており、
それぞれの前記照明表示器が、前記発光源の発光強度及び消費電力を調節するために、前記発光源と電気的接続性にある前記機能モジュールを有し、
それぞれの前記照明表示器が、当該スイッチによって作動されると前記発光源が光るように機能することができる前記機能モジュールと電気的接続性にある、前記筐体に取り付けられているスイッチをさらに有する、給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項2】
前記発光源が発光ダイオードである、請求項1に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項3】
前記照明表示器レンズが半透明であり、着色されている、請求項1に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項4】
白色に着色されており、白い光を放つ第1照明表示器と、
青色に着色されており、青い光を放つ第2照明表示器と、
緑色に着色されており、緑色の光を放つ第3照明表示器と、
を有する、請求項1に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項5】
前記白色が「サービス」を表し、前記青色が「追加注文」を表し、前記緑色が「会計」を表す、請求項4に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項6】
「サービス」のラベルが貼られている第1照明表示器と、
「追加注文」のラベルが貼られている第2照明表示器と、
「会計」のラベルが貼られている第3照明表示器と、
を有する、請求項3に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項7】
「サービス」を表すシンボルを有する第1照明表示器と、
「追加注文」を表すシンボルを有する第2照明表示器と、
「会計」を表すシンボルを有する第3照明表示器と、
を有する、請求項3に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項8】
前記バッテリが再充電可能なものである、請求項1に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項9】
前記機能モジュールは、前記発光源が安定な頻度又は可変頻度で点滅するように機能することができる、請求項1に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項10】
所定の時間間隔後、前記機能モジュールは、前記発光源が消えるように機能することができる、請求項1に記載の給仕スタッフに信号伝達するための装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置を使用した給仕スタッフに信号伝達するための方法であって、
サービスが提供されるテーブルに、給仕スタッフに信号伝達するための装置を置くステップと、
サービスを求めるときに、所要サービスの種類に対応する前記照明表示器を点けるよう客を案内するステップと、
点けられた表示器の存在を給仕スタッフが監視するステップと、
前記点けられた表示器の色に給仕スタッフが気付くステップと、
前記点けられた表示器で伝えられた最適サービスを用意した給仕スタッフが依頼された前記テーブルに応答するステップと、
サービスを提供した後、給仕スタッフが点けられた前記表示器を消すステップと、
を含む、方法。






















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−508181(P2009−508181A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515826(P2008−515826)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/021901
【国際公開番号】WO2006/133181
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507401269)
【Fターム(参考)】