給油装置
【課題】給油後の給油口キャップの締め忘れを防止できる給油装置を提供する。
【解決手段】ハウジング本体2に形成される給油口キャップ載置部45と、給油口キャップ載置部に給油口キャップ48が載置されているか否かを検出する給油口キャップ検出手段46とを備える給油装置1。ノズルスイッチ43がオフした後、給油口キャップ検出手段が、給油口キャップ載置部に所定時間以上給油口キャップが載置されていることを検出した場合に、給油口キャップが載置され続けていることを表示又は報知する表示・報知手段を備えることができる。給油口キャップ検出手段は、給油口キャップ載置板45aに当接するロッド46aと、ロッドと連結されるマイクロスイッチ46bとを有し、給油口キャップ載置板上に給油口キャップが載置されると、給油口キャップ載置板が給油口キャップの自重により下方へ移動し、ロッドも下方へ移動してマイクロスイッチがオンとなる。
【解決手段】ハウジング本体2に形成される給油口キャップ載置部45と、給油口キャップ載置部に給油口キャップ48が載置されているか否かを検出する給油口キャップ検出手段46とを備える給油装置1。ノズルスイッチ43がオフした後、給油口キャップ検出手段が、給油口キャップ載置部に所定時間以上給油口キャップが載置されていることを検出した場合に、給油口キャップが載置され続けていることを表示又は報知する表示・報知手段を備えることができる。給油口キャップ検出手段は、給油口キャップ載置板45aに当接するロッド46aと、ロッドと連結されるマイクロスイッチ46bとを有し、給油口キャップ載置板上に給油口キャップが載置されると、給油口キャップ載置板が給油口キャップの自重により下方へ移動し、ロッドも下方へ移動してマイクロスイッチがオンとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油装置に関し、特に、セルフサービス方式の給油所に設置された給油装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人件費削減等により、給油作業、窓拭き等のサービス作業や、給油料金の精算作業を顧客自身が行うセルフサービス方式の給油所が急増している。このような給油所では、顧客は車両の給油口蓋を開け、給油口キャップを外して給油を行うが、外した給油口キャップを一時的に給油装置の上や、給油所の敷地上に置いたりして給油するため、給油口キャップを締め忘れることが多かった。
【0003】
そこで、特許文献1には、給油口キャップの締め忘れを防止するため、給油ノズルを保持するホルダーに給油口キャップ載置部を設けた給油装置のノズル掛けが開示されている。この給油口キャップ載置部は、給油ノズルを外した状態でのみ給油口キャップを載置することが可能で、給油口キャップ載置部に給油口キャップを載置した状態では、給油ノズルを掛けることができない構成になっている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−287398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の構成では、給油ノズル保持部に給油口キャップ載置部を併設しているため、給油口キャップ載置部が小さく、キャップの形状によっては載置できなかったり、載置された給油口キャップの安定性が悪いために落下し易いという問題があった。また、給油口キャップを載置できなかったり、給油口キャップが落下した場合には、給油終了後に給油ノズルをそのまま掛けることができるため、給油口キャップの締め忘れが起こり易くなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、給油後の給油口キャップの締め忘れを防止することができる給油装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、給油装置であって、ハウジング本体に形成される給油口キャップ載置部と、該給油口キャップ載置部に給油口キャップが載置されているか否かを検出する給油口キャップ検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、給油口キャップ載置部を給油ノズル保持部に設けるのではなく、給油装置のハウジング本体に独立して設けるため、十分な設置体積を確保することができ、給油口キャップの形状に関係なく安定した状態で給油口キャップを給油口キャップ載置部に載置することができる。また、給油口キャップ載置部に給油口キャップ検出手段を設けたため、この給油口キャップ検出手段の検出信号を利用して、表示手段や報知手段を介して顧客に給油口キャップの締め忘れを知らせることができる。
【0009】
前記給油装置において、該給油装置に設けられたノズルスイッチがオフした後、前記給油口キャップ検出手段が、前記給油口キャップ載置部に所定時間以上給油口キャップが載置されていることを検出した場合に、前記給油口キャップ載置部に前記給油口キャップが載置され続けていることを表示又は報知する表示・報知手段を設けることができる。これにより、給油ノズルスイッチがオフとなった後、すなわち、給油が終了した後、所定時間以上給油口キャップが給油口キャップ載置部に載置され続けている場合には、表示・報知手段によって顧客に知らせることができるため、給油口キャップの締め忘れを確実に防止することができる。
【0010】
前記給油装置において、前記給油口キャップ載置部が給油口キャップ載置板を有し、前記給油口キャップ検出手段が、給油口キャップ載置板に当接するロッドと、該ロッドと連結されるマイクロスイッチとを有し、前記給油口キャップ載置板上に給油口キャップが載置されると、該給油口キャップ載置板が前記給油口キャップの自重により下方へ移動し、それに伴い前記ロッドも下方へ移動して前記マイクロスイッチがオンとなるように構成することができる。
【0011】
前記給油装置において、前記給油口キャップ載置板に、載置された給油口キャップの落下を防止する給油口キャップ抑え部を設けることができる。
【0012】
前記給油装置において、前記ロッドの、前記給油口キャップ載置板との当接部に弾性部材を設けることができる。これにより、ロッドや給油口キャップ載置板の摩耗や損傷を防止することができる。
【0013】
前記給油装置において、前記表示・報知手段を、ランプの点灯、点滅又は音声により、給油口キャップが前記給油口キャップ載置部に載置され続けていることを表示又は報知するように構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、給油後の給油口キャップの締め忘れ防止をすることができる給油装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る給油装置の一実施の形態を示す全体概略図である。
【図2】図1の給油装置の側面図である。
【図3】図1の給油装置の給油口キャップ載置部及び検出部を示す概略断面図である。
【図4】図1の給油装置の給油口キャップ載置部及び検出部を示す部分概略断面図である。
【図5】図1の給油装置の給油口キャップ載置部及び検出部を示す概略断面図であり、給油口キャップが載置されている状態を示す。
【図6】本発明に係る給油装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1の給油装置の表示部に表示するキャップ締め忘れ表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下においては、本発明にかかる給油装置をセルフサービス方式の給油装置に適用した場合を例にとって説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明にかかる給油装置の一実施の形態を示し、この給油装置1は、給油エリアに面する正面側及び背面側から顧客又は従業員が操作し、例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン及び軽油等のいずれかを給油する装置である。尚、給油装置1の背面は、図1に示す正面と同様の構成を有するため、背面の図示を省略する。
【0018】
給油装置1のハウジング本体2は、例えば、横幅が100〜150cm程度、奥行きが50〜60cm程度、高さが200〜250cm程度(大人が正面側又は背面側の給油エリア側からやや見上げる高さ)で、略々矩形箱型に形成される。このハウジング本体2は、大別して、ベースプレート3上に設置された本体ケース4と、本体ケース4に被設されたカバー部5とから構成される。
【0019】
本体ケース4の上端部には、油種毎の給油機構(不図示)に各々配管で接続された複数のホース接続部12が設けられ、各ホース接続部12には、先端に給油ノズル14を有する給油ホース13が連結される。
【0020】
また、本体ケース4の正面及び背面には、正面視長方形状の開口部15が穿設され、その開口部15から露出するように、本体ケース4の内側から平板状のパネル18が取り付けられる。パネル18には、燃料単価、給油量、給油金額及びサービス情報等を表示する表示部20と、各種の入力設定や給油料金の精算を行うための操作部23とが配置される。
【0021】
操作部23には、油種、給油量、給油料金等の給油データを入力設定するためのタッチパネル31と、会員カードやプリペイドカードへのデータの読み書きを行うカードリーダ/ライタ32と、投入された紙幣を読み取る紙幣読取機33と、給油料金伝票を印字するプリンタ34と、顧客(給油者)の接近を検知する人体検知センサ35と、顧客に釣り銭を返却するための釣銭返却機36と、従業員と連絡するためのインターフォン37等が配置される。これらの機器は、給油装置1内に収容される制御装置(不図示)に接続される。
【0022】
図2に示すように、カバー部5は、本体ケース4の頂部、正面及び背面を被うように配置され、カバー部5の正面及び背面には、本体ケース4の開口部15と対応する位置に、開口部15と同一サイズの開口部16が穿設される(図1参照)。また、カバー部5の下部には、下方に向かうほど、正面側及び背面側に突出する傾斜部41が形成される。
【0023】
傾斜部41には、給油ノズル14を掛け置くためのノズル掛け42が形成され、ノズル掛け42の近傍には、給油ノズル14の掛け外しを検知するノズルスイッチ(以下、「ノズルSW」という)43が付設される。顧客の給油中、すなわち、給油ノズルがノズル掛け42から取り外されている場合には、ノズルSW43がオンとなる。また、傾斜部41には、人体に帯電した静電気を除去するための静電除去部44と、車両の給油口から取り外した給油口キャップ(以下、「キャップ」という)を載置するための給油口キャップ載置部45(以下、「載置部」という)とが設けられる。
【0024】
載置部45は、図3に示すように、ハウジング本体2に凹設された空間49内に設けられ、給油口キャップ載置板(以下、「載置板」という)45aと、凹設空間49の底面49aに設けられたキャップ抑え部45bと、載置板45aを上方に付勢するヒンジ45cとを備え、載置板45aは、ヒンジ45cによって上方に付勢された状態で、その端部がキャップ抑え部45bに当接する。載置板45aには、図4に示すように、複数の孔45dが穿設され、凹設空間49の底面49aとキャップ抑え部45bとの間には隙間49bが形成されるとともに、底面49aは傾斜しているため、この隙間49bから雨水等は前面パネルを通じて排出される。尚、キャップに付着した油が垂れたとしても少量であるため、蒸発する。キャップ抑え部45bは、載置部45から取り外し可能に構成され、キャップ抑え部45bを取り外した後、載置板45aを持ち上げ、載置板45aの下を掃除することができる。
【0025】
検出部46は、一端が載置板45aに当接するロッド46aと、ロッド46aの他端に当接するマイクロスイッチ(以下、「マイクロSW」という)46bと、載置板45aとロッド46aとの間に配置されるワッシャ46cと、ロッド46aの先端部に装着されたEリング53とワッシャ46cとの間に介装されたコイルばね51と、ロッド46aに固定された、ストッパとしてのEリング50等を備え、ロッド46aが下方へ移動した場合に、マイクロSW46bのスイッチがオンとなるように構成される。また、ワッシャ46cを設けることにより、キャップに付着した油等がマイクロSW側に侵入することを防止している。さらに、ロッド46aと載置板45aとの当接部には、弾性部材47が配置され、ロッド46aや載置板45aの摩耗や損傷を防止している。
【0026】
次に、上記構成を有する給油装置1の動作について、図6を中心に参照しながら説明する。
【0027】
まず、給油を行う際に、顧客は車両の給油蓋を開け、給油口からキャップを取り外し、キャップを図4に示す載置部45の載置板45a上に載置する。これにより、図5に示すように、キャップ48の自重により載置板45aが下方へ移動し、これに伴ってロッド46aも下方へ移動してマイクロSW46bがオンとなる(ステップS1)。
【0028】
図2に示すノズル掛け42からノズル14が取り外され、顧客が給油を開始すると、ノズルSW43はオンとなる(ステップS2)。
【0029】
顧客が給油している間には、表示部20の油種別の単価表示を、給油量表示へと切り替える(ステップS3)。そして、給油が終了すると、顧客はノズル14をノズル掛け42へと戻すため、ノズルSW43はオフとなる(ステップS4)。
【0030】
ここで、ノズルSW43がオフとなったことを計時手段(不図示)へと伝達し、計時手段により、ノズルSW43がオフとなってから現在までの時間Tが、所定の時間t1となった際に(ステップS5)、マイクロSW46bがオンであるか否かを検出し(ステップS6)、載置板45a上にキャップ48が載置されたままか否かを判断する。ここで、所定の時間t1は、顧客が給油を終了してから精算を済ませ、出車するまでに要する時間より短く設定される。
【0031】
マイクロSW46bがオンである場合には(ステップS6:Yes)、図5に示すように、キャップ48が載置板45a上に載置されている状態であるため、顧客にキャップ48の締め忘れを知らせるため、表示部20において、図7に示すように、給油量表示からキャップ締め忘れ表示へと切り替える(ステップS7)。これは、マイクロSW46bがオフとなるまで、すなわち、載置板45a上に載置されたキャップ48が取り出されて載置板45aが元の位置に戻るまで継続され、その後、マイクロSW46bがオフになると(ステップS9)、顧客が載置板45a上のキャップ48を給油口に締めたものと判断し、表示部20の給油量表示から油種毎の単価表示へと切り替えるとともに、スピーカ52から音声によって報知し(ステップS10)、動作を終了する。尚、ステップS10において、表示部20の表示を切り換えずに音声のみで報知することもできる。
【0032】
一方、ステップS6でマイクロSW46bがオフである場合には(ステップS6:No)、載置板45a上にキャップ48が存在しない状態であるため、キャップの締め忘れはないものと判断し、表示部20の給油量表示からキャンペーン表示へと切り替え(ステップS8)、ステップS9を経て、表示部20の給油量表示から油種毎の単価表示へと切り替え(ステップS10)、動作を終了する。
【0033】
尚、上記実施の形態においては、マイクロSW46bがオンである場合、すなわち、図5に示すように、キャップ48が載置板45a上に載置されたままの場合に、表示部20の表示切替により顧客に締め忘れを知らせる場合について説明したが、これに限らず、例えば、給油装置1にランプを設けてランプの点灯又は点滅により締め忘れを知らせたり、スピーカーを設けて音声により締め忘れを知らせることもできる。
【0034】
また、上記実施の形態では、本発明にかかる給油装置をセルフサービス方式の給油装置に適用した場合を例示したが、フルサービス用の給油装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 給油装置
2 ハウジング本体
3 ベースプレート
4 本体ケース
5 カバー部
12 ホース接続部
13 給油ホース
14 給油ノズル
15 開口部
16 開口部
20 表示部
23 操作部
31 タッチパネル
32 カードリーダ/ライタ
33 紙幣読取機
34 プリンタ
35 人体検知センサ
36 釣銭返却機
37 インターフォン
41 傾斜部
42 ノズル掛け
43 ノズルスイッチ
45 載置部
45a 載置板
45b キャップ抑え部
45c ヒンジ
45d 孔
46 検出部
46a ロッド
46b マイクロSW
46c ワッシャ
47 弾性部材
48 キャップ
49 空間
49a 底面
49b 隙間
50 Eリング
51 コイルばね
52 スピーカ
53 Eリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油装置に関し、特に、セルフサービス方式の給油所に設置された給油装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人件費削減等により、給油作業、窓拭き等のサービス作業や、給油料金の精算作業を顧客自身が行うセルフサービス方式の給油所が急増している。このような給油所では、顧客は車両の給油口蓋を開け、給油口キャップを外して給油を行うが、外した給油口キャップを一時的に給油装置の上や、給油所の敷地上に置いたりして給油するため、給油口キャップを締め忘れることが多かった。
【0003】
そこで、特許文献1には、給油口キャップの締め忘れを防止するため、給油ノズルを保持するホルダーに給油口キャップ載置部を設けた給油装置のノズル掛けが開示されている。この給油口キャップ載置部は、給油ノズルを外した状態でのみ給油口キャップを載置することが可能で、給油口キャップ載置部に給油口キャップを載置した状態では、給油ノズルを掛けることができない構成になっている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−287398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の構成では、給油ノズル保持部に給油口キャップ載置部を併設しているため、給油口キャップ載置部が小さく、キャップの形状によっては載置できなかったり、載置された給油口キャップの安定性が悪いために落下し易いという問題があった。また、給油口キャップを載置できなかったり、給油口キャップが落下した場合には、給油終了後に給油ノズルをそのまま掛けることができるため、給油口キャップの締め忘れが起こり易くなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、給油後の給油口キャップの締め忘れを防止することができる給油装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、給油装置であって、ハウジング本体に形成される給油口キャップ載置部と、該給油口キャップ載置部に給油口キャップが載置されているか否かを検出する給油口キャップ検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、給油口キャップ載置部を給油ノズル保持部に設けるのではなく、給油装置のハウジング本体に独立して設けるため、十分な設置体積を確保することができ、給油口キャップの形状に関係なく安定した状態で給油口キャップを給油口キャップ載置部に載置することができる。また、給油口キャップ載置部に給油口キャップ検出手段を設けたため、この給油口キャップ検出手段の検出信号を利用して、表示手段や報知手段を介して顧客に給油口キャップの締め忘れを知らせることができる。
【0009】
前記給油装置において、該給油装置に設けられたノズルスイッチがオフした後、前記給油口キャップ検出手段が、前記給油口キャップ載置部に所定時間以上給油口キャップが載置されていることを検出した場合に、前記給油口キャップ載置部に前記給油口キャップが載置され続けていることを表示又は報知する表示・報知手段を設けることができる。これにより、給油ノズルスイッチがオフとなった後、すなわち、給油が終了した後、所定時間以上給油口キャップが給油口キャップ載置部に載置され続けている場合には、表示・報知手段によって顧客に知らせることができるため、給油口キャップの締め忘れを確実に防止することができる。
【0010】
前記給油装置において、前記給油口キャップ載置部が給油口キャップ載置板を有し、前記給油口キャップ検出手段が、給油口キャップ載置板に当接するロッドと、該ロッドと連結されるマイクロスイッチとを有し、前記給油口キャップ載置板上に給油口キャップが載置されると、該給油口キャップ載置板が前記給油口キャップの自重により下方へ移動し、それに伴い前記ロッドも下方へ移動して前記マイクロスイッチがオンとなるように構成することができる。
【0011】
前記給油装置において、前記給油口キャップ載置板に、載置された給油口キャップの落下を防止する給油口キャップ抑え部を設けることができる。
【0012】
前記給油装置において、前記ロッドの、前記給油口キャップ載置板との当接部に弾性部材を設けることができる。これにより、ロッドや給油口キャップ載置板の摩耗や損傷を防止することができる。
【0013】
前記給油装置において、前記表示・報知手段を、ランプの点灯、点滅又は音声により、給油口キャップが前記給油口キャップ載置部に載置され続けていることを表示又は報知するように構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、給油後の給油口キャップの締め忘れ防止をすることができる給油装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る給油装置の一実施の形態を示す全体概略図である。
【図2】図1の給油装置の側面図である。
【図3】図1の給油装置の給油口キャップ載置部及び検出部を示す概略断面図である。
【図4】図1の給油装置の給油口キャップ載置部及び検出部を示す部分概略断面図である。
【図5】図1の給油装置の給油口キャップ載置部及び検出部を示す概略断面図であり、給油口キャップが載置されている状態を示す。
【図6】本発明に係る給油装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1の給油装置の表示部に表示するキャップ締め忘れ表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下においては、本発明にかかる給油装置をセルフサービス方式の給油装置に適用した場合を例にとって説明する。
【0017】
図1及び図2は、本発明にかかる給油装置の一実施の形態を示し、この給油装置1は、給油エリアに面する正面側及び背面側から顧客又は従業員が操作し、例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン及び軽油等のいずれかを給油する装置である。尚、給油装置1の背面は、図1に示す正面と同様の構成を有するため、背面の図示を省略する。
【0018】
給油装置1のハウジング本体2は、例えば、横幅が100〜150cm程度、奥行きが50〜60cm程度、高さが200〜250cm程度(大人が正面側又は背面側の給油エリア側からやや見上げる高さ)で、略々矩形箱型に形成される。このハウジング本体2は、大別して、ベースプレート3上に設置された本体ケース4と、本体ケース4に被設されたカバー部5とから構成される。
【0019】
本体ケース4の上端部には、油種毎の給油機構(不図示)に各々配管で接続された複数のホース接続部12が設けられ、各ホース接続部12には、先端に給油ノズル14を有する給油ホース13が連結される。
【0020】
また、本体ケース4の正面及び背面には、正面視長方形状の開口部15が穿設され、その開口部15から露出するように、本体ケース4の内側から平板状のパネル18が取り付けられる。パネル18には、燃料単価、給油量、給油金額及びサービス情報等を表示する表示部20と、各種の入力設定や給油料金の精算を行うための操作部23とが配置される。
【0021】
操作部23には、油種、給油量、給油料金等の給油データを入力設定するためのタッチパネル31と、会員カードやプリペイドカードへのデータの読み書きを行うカードリーダ/ライタ32と、投入された紙幣を読み取る紙幣読取機33と、給油料金伝票を印字するプリンタ34と、顧客(給油者)の接近を検知する人体検知センサ35と、顧客に釣り銭を返却するための釣銭返却機36と、従業員と連絡するためのインターフォン37等が配置される。これらの機器は、給油装置1内に収容される制御装置(不図示)に接続される。
【0022】
図2に示すように、カバー部5は、本体ケース4の頂部、正面及び背面を被うように配置され、カバー部5の正面及び背面には、本体ケース4の開口部15と対応する位置に、開口部15と同一サイズの開口部16が穿設される(図1参照)。また、カバー部5の下部には、下方に向かうほど、正面側及び背面側に突出する傾斜部41が形成される。
【0023】
傾斜部41には、給油ノズル14を掛け置くためのノズル掛け42が形成され、ノズル掛け42の近傍には、給油ノズル14の掛け外しを検知するノズルスイッチ(以下、「ノズルSW」という)43が付設される。顧客の給油中、すなわち、給油ノズルがノズル掛け42から取り外されている場合には、ノズルSW43がオンとなる。また、傾斜部41には、人体に帯電した静電気を除去するための静電除去部44と、車両の給油口から取り外した給油口キャップ(以下、「キャップ」という)を載置するための給油口キャップ載置部45(以下、「載置部」という)とが設けられる。
【0024】
載置部45は、図3に示すように、ハウジング本体2に凹設された空間49内に設けられ、給油口キャップ載置板(以下、「載置板」という)45aと、凹設空間49の底面49aに設けられたキャップ抑え部45bと、載置板45aを上方に付勢するヒンジ45cとを備え、載置板45aは、ヒンジ45cによって上方に付勢された状態で、その端部がキャップ抑え部45bに当接する。載置板45aには、図4に示すように、複数の孔45dが穿設され、凹設空間49の底面49aとキャップ抑え部45bとの間には隙間49bが形成されるとともに、底面49aは傾斜しているため、この隙間49bから雨水等は前面パネルを通じて排出される。尚、キャップに付着した油が垂れたとしても少量であるため、蒸発する。キャップ抑え部45bは、載置部45から取り外し可能に構成され、キャップ抑え部45bを取り外した後、載置板45aを持ち上げ、載置板45aの下を掃除することができる。
【0025】
検出部46は、一端が載置板45aに当接するロッド46aと、ロッド46aの他端に当接するマイクロスイッチ(以下、「マイクロSW」という)46bと、載置板45aとロッド46aとの間に配置されるワッシャ46cと、ロッド46aの先端部に装着されたEリング53とワッシャ46cとの間に介装されたコイルばね51と、ロッド46aに固定された、ストッパとしてのEリング50等を備え、ロッド46aが下方へ移動した場合に、マイクロSW46bのスイッチがオンとなるように構成される。また、ワッシャ46cを設けることにより、キャップに付着した油等がマイクロSW側に侵入することを防止している。さらに、ロッド46aと載置板45aとの当接部には、弾性部材47が配置され、ロッド46aや載置板45aの摩耗や損傷を防止している。
【0026】
次に、上記構成を有する給油装置1の動作について、図6を中心に参照しながら説明する。
【0027】
まず、給油を行う際に、顧客は車両の給油蓋を開け、給油口からキャップを取り外し、キャップを図4に示す載置部45の載置板45a上に載置する。これにより、図5に示すように、キャップ48の自重により載置板45aが下方へ移動し、これに伴ってロッド46aも下方へ移動してマイクロSW46bがオンとなる(ステップS1)。
【0028】
図2に示すノズル掛け42からノズル14が取り外され、顧客が給油を開始すると、ノズルSW43はオンとなる(ステップS2)。
【0029】
顧客が給油している間には、表示部20の油種別の単価表示を、給油量表示へと切り替える(ステップS3)。そして、給油が終了すると、顧客はノズル14をノズル掛け42へと戻すため、ノズルSW43はオフとなる(ステップS4)。
【0030】
ここで、ノズルSW43がオフとなったことを計時手段(不図示)へと伝達し、計時手段により、ノズルSW43がオフとなってから現在までの時間Tが、所定の時間t1となった際に(ステップS5)、マイクロSW46bがオンであるか否かを検出し(ステップS6)、載置板45a上にキャップ48が載置されたままか否かを判断する。ここで、所定の時間t1は、顧客が給油を終了してから精算を済ませ、出車するまでに要する時間より短く設定される。
【0031】
マイクロSW46bがオンである場合には(ステップS6:Yes)、図5に示すように、キャップ48が載置板45a上に載置されている状態であるため、顧客にキャップ48の締め忘れを知らせるため、表示部20において、図7に示すように、給油量表示からキャップ締め忘れ表示へと切り替える(ステップS7)。これは、マイクロSW46bがオフとなるまで、すなわち、載置板45a上に載置されたキャップ48が取り出されて載置板45aが元の位置に戻るまで継続され、その後、マイクロSW46bがオフになると(ステップS9)、顧客が載置板45a上のキャップ48を給油口に締めたものと判断し、表示部20の給油量表示から油種毎の単価表示へと切り替えるとともに、スピーカ52から音声によって報知し(ステップS10)、動作を終了する。尚、ステップS10において、表示部20の表示を切り換えずに音声のみで報知することもできる。
【0032】
一方、ステップS6でマイクロSW46bがオフである場合には(ステップS6:No)、載置板45a上にキャップ48が存在しない状態であるため、キャップの締め忘れはないものと判断し、表示部20の給油量表示からキャンペーン表示へと切り替え(ステップS8)、ステップS9を経て、表示部20の給油量表示から油種毎の単価表示へと切り替え(ステップS10)、動作を終了する。
【0033】
尚、上記実施の形態においては、マイクロSW46bがオンである場合、すなわち、図5に示すように、キャップ48が載置板45a上に載置されたままの場合に、表示部20の表示切替により顧客に締め忘れを知らせる場合について説明したが、これに限らず、例えば、給油装置1にランプを設けてランプの点灯又は点滅により締め忘れを知らせたり、スピーカーを設けて音声により締め忘れを知らせることもできる。
【0034】
また、上記実施の形態では、本発明にかかる給油装置をセルフサービス方式の給油装置に適用した場合を例示したが、フルサービス用の給油装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 給油装置
2 ハウジング本体
3 ベースプレート
4 本体ケース
5 カバー部
12 ホース接続部
13 給油ホース
14 給油ノズル
15 開口部
16 開口部
20 表示部
23 操作部
31 タッチパネル
32 カードリーダ/ライタ
33 紙幣読取機
34 プリンタ
35 人体検知センサ
36 釣銭返却機
37 インターフォン
41 傾斜部
42 ノズル掛け
43 ノズルスイッチ
45 載置部
45a 載置板
45b キャップ抑え部
45c ヒンジ
45d 孔
46 検出部
46a ロッド
46b マイクロSW
46c ワッシャ
47 弾性部材
48 キャップ
49 空間
49a 底面
49b 隙間
50 Eリング
51 コイルばね
52 スピーカ
53 Eリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング本体に形成される給油口キャップ載置部と、
該給油口キャップ載置部に給油口キャップが載置されているか否かを検出する給油口キャップ検出手段とを備えることを特徴とする給油装置。
【請求項2】
該給油装置に設けられたノズルスイッチがオフした後、前記給油口キャップ検出手段が、前記給油口キャップ載置部に所定時間以上給油口キャップが載置されていることを検出した場合に、前記給油口キャップ載置部に前記給油口キャップが載置され続けていることを表示又は報知する表示・報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の給油装置。
【請求項3】
前記給油口キャップ載置部は、給油口キャップ載置板を有し、
前記給油口キャップ検出手段は、前記給油口キャップ載置板に当接するロッドと、該ロッドと連結されるマイクロスイッチとを有し、
前記給油口キャップ載置板上に給油口キャップが載置されると、該給油口キャップ載置板が前記給油口キャップの自重により下方へ移動し、それに伴い前記ロッドも下方へ移動して前記マイクロスイッチがオンとなることを特徴とする請求項1又は2に記載の給油装置。
【請求項4】
前記給油口キャップ載置板は、載置された給油口キャップの落下を防止する給油口キャップ抑え部を備えることを特徴とする請求項3に記載の給油装置。
【請求項5】
前記ロッドは、前記給油口キャップ載置板との当接部に弾性部材を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の給油装置。
【請求項6】
前記表示・報知手段は、ランプの点灯、点滅又は音声により、給油口キャップが前記給油口キャップ載置部に載置され続けていることを表示又は報知することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の給油装置。
【請求項1】
ハウジング本体に形成される給油口キャップ載置部と、
該給油口キャップ載置部に給油口キャップが載置されているか否かを検出する給油口キャップ検出手段とを備えることを特徴とする給油装置。
【請求項2】
該給油装置に設けられたノズルスイッチがオフした後、前記給油口キャップ検出手段が、前記給油口キャップ載置部に所定時間以上給油口キャップが載置されていることを検出した場合に、前記給油口キャップ載置部に前記給油口キャップが載置され続けていることを表示又は報知する表示・報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の給油装置。
【請求項3】
前記給油口キャップ載置部は、給油口キャップ載置板を有し、
前記給油口キャップ検出手段は、前記給油口キャップ載置板に当接するロッドと、該ロッドと連結されるマイクロスイッチとを有し、
前記給油口キャップ載置板上に給油口キャップが載置されると、該給油口キャップ載置板が前記給油口キャップの自重により下方へ移動し、それに伴い前記ロッドも下方へ移動して前記マイクロスイッチがオンとなることを特徴とする請求項1又は2に記載の給油装置。
【請求項4】
前記給油口キャップ載置板は、載置された給油口キャップの落下を防止する給油口キャップ抑え部を備えることを特徴とする請求項3に記載の給油装置。
【請求項5】
前記ロッドは、前記給油口キャップ載置板との当接部に弾性部材を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の給油装置。
【請求項6】
前記表示・報知手段は、ランプの点灯、点滅又は音声により、給油口キャップが前記給油口キャップ載置部に載置され続けていることを表示又は報知することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の給油装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−255933(P2011−255933A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132588(P2010−132588)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000151346)株式会社タツノ・メカトロニクス (167)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000151346)株式会社タツノ・メカトロニクス (167)
【Fターム(参考)】
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