説明

給湯機

【課題】水位検出回路を調整するための専門知識がなくても、対象となる浴槽の設置階数に応じた適切な水位センサーに交換できるようにした給湯機を提供することを目的とする。
【解決手段】浴槽2に接続された2次側循環管路17の戻り管17bに取り付けられ、浴槽2の水位を検出するための圧力式の水位センサー30(30aまたは30b)を備える。水位センサー30の出力電圧が所定電圧以上である場合に、現在取り付けられている水位センサー30が1〜2階用水位センサー30aであると判定し、水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧未満である場合に、現在取り付けられている水位センサー30が3階用水位センサー30bであると判定する。貯湯式給湯機1を遠隔制御するリモートコントローラ5bに、水位センサー30の種類の判定結果を表示する水位センサー種類表示部32aを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴槽の水位を検出するための水位センサーを備える給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の水位を検出するための水位センサーを備える給湯機では、給湯機の試運転時に、上記水位センサーを用いた水位検出回路の調整を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。このような水位検出回路の調整を行うことで、浴槽の設置階数によらずに、浴槽の水位検出を1種類の水位センサーで行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63-21438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術において、水位検出回路の調整を行う場合、浴槽に湯はりをしながら、水位検出回路の調整用ボリュームで調整を行うという専門知識が必要である。このため、故障等の理由で水位センサーを交換する時に、水位検出回路を調整するための専門知識も必要となるという課題を有していた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、水位検出回路を調整するための専門知識がなくても、対象となる浴槽の設置階数に応じた適切な水位センサーに交換できるようにした給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る給湯機は、浴槽に湯を供給可能な給湯機であって、浴槽に接続された浴水流路に取り付けられ、当該浴水流路内圧力に基づいて浴槽の水位を検出するための水位センサーと、浴水流路に現在取り付けられている水位センサーが、浴水流路内圧力が所定圧力である状況下において所定電圧以上の出力電圧を発する1〜2階用水位センサーであるか、或いは、浴水流路内圧力が上記所定圧力である状況下において上記所定電圧未満の出力電圧を発する3階用水位センサーであるかを判定するセンサー種類判定手段と、を備え、センサー種類判定手段は、浴水流路内圧力が上記所定圧力である状況下における水位センサーの出力電圧が上記所定電圧以上である場合に、現在取り付けられている水位センサーが1〜2階用水位センサーであると判定し、浴水流路内圧力が上記所定圧力である状況下における水位センサーの出力電圧が上記所定電圧未満である場合に、現在取り付けられている水位センサーが3階用水位センサーであると判定するものであり、センサー種類判定手段による水位センサーの種類の判定結果を文字もしくは音声で表示する表示手段を更に備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、水位検出回路を調整するための専門知識がなくても、対象となる浴槽の設置階数に応じた適切な水位センサーに交換できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における貯湯式給湯機の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2は、水頭−出力電圧特性を表した図である。
【図3】図1に示すリモートコントローラの外観図である。
【図4】本発明の実施の形態1において実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2におけるリモートコントローラの外観図である。
【図6】本発明の実施の形態2において実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1における貯湯式給湯機1の全体構成を示す概略図である。図1に示す貯湯式給湯機1は、市水等の低温水を熱源機で湯に沸き上げて所望箇所に給湯する機能と、浴槽2内の浴水2aを追い焚きする機能とを有するものであり、ヒートポンプユニット3とタンクユニット4と制御装置5とを備えている。また、貯湯式給湯機1は、浴槽2の設置階数として、1〜3階の何れにも対応可能なものであるが、ここでは、浴槽2が1階に設置された構成を例に挙げて説明する。以下、貯湯式給湯機1の各構成要素について説明する。
【0011】
ヒートポンプユニット3は、ユニットケース6内に、冷媒を圧縮する圧縮機7と、沸上げ用熱交換器8と、膨張弁9と、蒸発器10と、これらを環状に接続する冷媒循環配管11とによって構成された冷凍サイクルシステムを有し、熱源機として機能する。一方、タンクユニット4は、貯湯タンク12、給水管路13、貯湯用循環管路14、給湯管路15、1次側循環管路16、2次側循環管路17、および追焚用熱交換器18を有している。
【0012】
貯湯タンク12は、給水管路13から供給される低温水を貯留すると共にヒートポンプユニット3で沸き上げられた湯を貯留する積層式の貯湯タンクである。この貯湯タンク12の下部には、給水管路13が接続される水導入口12aと、貯湯用循環管路14の往き管14aが接続される水導出口12bとが設けられており、当該貯湯タンク12の上部には、貯湯用循環管路14の戻り管14bが接続される温水導入口12cと、給湯管路15が接続される温水導出口12dとが設けられている。貯湯タンク12は、常に満水状態に保たれる。
【0013】
給水管路13は、市水等の低温水を貯湯タンク12、給湯管路15、および所定の給湯先に供給する管路であり、第1〜第3給水管部13a〜13cおよび減圧弁19を有している。第1給水管部13aは水道等の水源(図示せず)と貯湯タンク12の水導入口12aとを繋ぎ、第2給水管部13bは第1給水管部13aから分岐して、当該第1給水管部13aと後述の第1混合弁20および第2混合弁21とを繋ぎ、第3給水管部13cは第1給水管部13aから分岐して当該第1給水管部13aと所定の給湯先とを繋ぐように構成されている。図1に示す構成例では、給湯先の例として1つの給湯栓22が示されている。減圧弁19は、第1給水管部13aにおける第3給水管部13cの分岐箇所よりも下流側に設けられて、水源水圧が所定値以下となるように調整するための弁である。図1においては、第1給水管部13aでの低温水の流れ方向を実線の矢印で示している。
【0014】
貯湯用循環管路14は、貯湯タンク12の水導出口12bからヒートポンプユニット3中の沸上げ用熱交換器8を経由して貯湯タンク12の温水導入口12cに達する管路であり、貯湯用送水ポンプ24が設けられた往き管14aと、戻り管14bとを有している。往き管14aは水導出口12bと沸上げ用熱交換器8とを繋ぎ、戻り管14bは沸上げ用熱交換器8と温水導入口12cとを繋ぐように構成されている。
【0015】
給湯管路15は、貯湯タンク12の上部に貯留された湯と給水管路13からの低温水とが第1混合弁20または第2混合弁21によって混合されることで所定温度となった湯を、浴槽2や所定の給湯先(図1においては給湯栓22)に供給する管路であり、この第1混合弁20および第2混合弁21の他に第1〜第3給湯管部15a〜15cを有している。第1給湯管部15aは貯湯タンク12の温水導出口12dと第1および第2混合弁20、21とを繋ぎ、第2給湯管部15bは第1混合弁20と2次側循環管路17の戻り管17bとを繋ぎ、第3給湯管部15cは第2混合弁21と給湯栓22とを繋ぐように構成されている。図1においては、給湯栓22からの湯水の流出方向を破線の矢印で示している。
【0016】
1次側循環管路16は、貯湯タンク12の温水導出口12dから追焚用熱交換器18を経由して貯湯タンク12の下部に達する管路であり、往き管16aと、1次側送水ポンプ25が設けられた戻り管16bとを有している。往き管16aは貯湯タンク12の温水導出口12dと追焚用熱交換器18上部の温水導入口18aとを繋ぎ、戻り管16bは追焚用熱交換器8下部の温水導出口18bと貯湯タンク12の下部とを繋ぐように構成されている。図1に示す例では、第1給湯管部15aにおける貯湯タンク12側の所定の区間が、往き管16aにおける貯湯タンク側の区間を兼ねている。
【0017】
2次側循環管路17は、浴槽2から追焚用熱交換器18を経由して再び浴槽2に戻る管路であり、2次側送水ポンプ26が設けられた往き管17aと、戻り管17bとを有している。往き管17aは浴槽2と追焚用熱交換器18下部の浴水導入口18dとを繋ぎ、戻り管17bは追焚用熱交換器18上部の浴水導出口18cと浴槽2とを繋ぐように構成されている。
【0018】
追焚用熱交換器18は、1次側循環管路16を流れる湯と2次側循環管路17を流れる浴水2aとの間で熱交換を行って浴水2aを加熱するものであり、図1に示す例では、複数の伝熱プレートが当該追焚用熱交換器18の高さ方向に積層されたプレート式の水−水熱交換器が用いられているものとする。1次側循環管路16および2次側循環管路17の各々を接続することができるように、追焚用熱交換器18の上部には上述した温水導入口18aと浴水導出口18cとが、また下部には上述した温水導出口18bと浴水導入口18dとが設けられている。
【0019】
給湯管路15の第2給湯管部15bには、第1混合弁20で所定の温度に調節された混合水を浴槽2に注湯するために当該第2給湯管部15bを開閉する湯はり電磁弁27と、浴槽2への混合水の注湯量を検出する流量センサー28とが設置されている。また、2次側循環管路17の戻り管17bには、2次側送水ポンプ26によって往き管17aを介して2次側循環管路17に吸込まれて循環された浴水2aの流れの有無を検出する循環センサー29が取り付けられている。更に、2次側循環管路17の戻り管17bには、浴槽2から当該戻り管17bに導かれた浴水2aの水圧に基づいて、浴槽2の水位を検出するための圧力式の水位センサー30が取り付けられている。
【0020】
タンクユニット4を構成する上述の構成部材のうち、給水管路13、貯湯用循環管路14、給湯管路15、および2次側循環管路17の各々は、その一部がユニットケース31の外部にまで延在しており、残りの構成部材は、ユニットケース31に納められている。
【0021】
制御装置5は、上記のユニットケース31内に配置された制御装置本体5aと、台所や浴室等に配置されて制御装置本体5aに有線接続または無線接続されたリモートコントローラ5bとを有している。制御装置本体5aには、ヒートポンプユニット3、第1混合弁20、第2混合弁21、貯湯用送水ポンプ24、1次側送水ポンプ25、2次側送水ポンプ26、湯はり電磁弁27、流量センサー28、循環スイッチ29、および水位センサー30がそれぞれ接続されている。
【0022】
制御装置本体5aは、当該制御装置本体5aの入力装置として機能するリモートコントローラ5bにユーザが入力した情報や指令等に応じて、制御装置本体5aに接続された上記の機器の動作を制御する。したがって、貯湯式給湯機1は、リモートコントローラ5bにユーザが入力した上述の情報や指令等に基づいて動作する。例えば、リモートコントローラ5bにユーザが入力した沸上げ開始時刻になると、制御装置5による制御の下で、ヒートポンプユニット3および貯湯用送水ポンプ24が起動されて沸上げ運転が開始される。沸上げ運転は、貯湯タンク12に設けられた温度センサ(図示せず)の検知結果から所定温度の湯が貯湯タンク12に所定量貯留されたと判断されるまで継続される。この沸上げ運転の間に、貯湯タンク12下部の水導出口12bから貯湯用循環管路14に低温水が流入し、ヒートポンプユニット3で湯に沸き上げられて貯湯タンク12上部の温水導入口12cから該貯湯タンク12に戻される。
【0023】
また、リモートコントローラ5bにユーザが湯はり運転の開始指令を入力すると、制御装置5による制御の下で、第2給湯管部15bに設けられた湯はり電磁弁27が開き、第2給湯管部15bに設けられた温度センサ(図示せず)の検出湯温が、あらかじめリモートコントローラ5bにユーザが設定した湯はり湯温となるように、第1混合弁20が制御される。これにより、第2給湯管部15bから2次側循環管路17を経由して浴槽2に浴水2aの供給が開始される。続いて、制御装置5は、浴水2aの供給量が所定量に達したことを流量センサー28が検出した時に、浴槽2内の浴水2aが所定量に達したと判断し、湯はり電磁弁27を閉じ、湯はり運転を終了する。
【0024】
また、リモートコントローラ5bにユーザが追焚運転の開始指令を入力すると、制御装置5による制御の下で、1次側送水ポンプ25および2次側送水ポンプ26が起動されて追焚運転が開始される。この追焚運転は、例えば往き管17aに配置された温度センサ(図示せず)の検知結果から浴槽2内の浴水2aが所定温度にまで加熱されたと判断されるまで継続される。
【0025】
以上説明した構成を有する貯湯式給湯機1では、浴槽2の水位を検出するための上記水位センサー30として、1〜2階用水位センサー30aと3階用水位センサー30bという2種類の水位センサーが用意されている。そして、浴槽2が設置される階数に応じて、使用される水位センサーが選択されるようになっている。例えば、図1に示す例では、浴槽2は1階に設置されているので、上記水位センサー30として備えておくべき正規の水位センサーは、1〜2階用水位センサー30aとなる。
【0026】
本実施形態では、水位センサー30の水頭−出力電圧特性に特徴を有しているので、図2を参照して詳述する。図2は、そのような水頭−出力電圧特性を表した図であり、横軸が水位センサー30に印加される水頭(m)であり、縦軸が水位センサー30の出力電圧(V)である。
【0027】
図2に示すように、1〜2階用水位センサー30aは、一般住宅の1階に浴槽2が設置された場合の浴槽2の底面高さから2階に浴槽2が設置された場合の浴槽2の上面高さに対応して、水頭0mから3mの範囲で出力電圧が変化するように設定されている。一方、3階用水位センサー30bは、一般住宅の3階に浴槽2が設置された場合の浴槽2の底面高さから上面高さに対応して、水頭4mから7mの範囲で出力電圧が変化するように設定されている。3階用水位センサー30bにおいて水頭4mから7mの範囲に対する出力電圧の変化率は、1〜2階用水位センサー30aにおいて水頭0mから3mの範囲に対する出力電圧の変化率と同一に設定されている。
【0028】
そのうえで、1〜2階用水位センサー30aは、大気圧が印加された状態(2次側循環管路17の戻り管17bに浴水2aが滞留していない状態)において、所定電圧以上の電圧が出力されるように設定されている。もう一方の3階用水位センサー30bは、大気圧が印加された状態において、上記所定電圧未満の電圧が出力されるように設定されている。ここでいう所定電圧とは、1〜2階用水位センサー30aおよび3階用水位センサー30bのそれぞれの最低出力電圧より大きく、かつ1〜2階用水位センサー30aに大気圧が印加されたときの出力電圧以下の範囲に設定された電圧である。なお、1〜2階用水位センサー30aの最低出力電圧は、図2においては図示されていないが、3階用水位センサー30bの最低出力電圧と同じである。
【0029】
図3は、図1に示すリモートコントローラ5bの外観図である。リモートコントローラ5bは、その表示部32に特徴を有しているので、図3を参照して詳述する。表示部32は、貯湯式給湯機1の動作設定状態や動作状態を表示するものであり、更に、現在取り付けられている水位センサー30の種類を文字で表示する水位センサー種類表示部32aを備えている。なお、リモートコントローラ5bには、浴槽2に湯はりを行うためのふろ自動スイッチ33、追焚運転を行うための追焚スイッチ34、湯はり完了水位の設定を行うためのふろ湯量スイッチ35、浴槽2内の浴水温度の設定を行うためのふろ温度スイッチ36、および給湯温度の設定を行うための給湯温度スイッチ37がそれぞれ備えられている。
【0030】
図4は、貯湯式給湯機1に現在取り付けられている水位センサー30の種類を判別するために実行される処理を示すフローチャートである。図4に示すように、制御装置5は、先ず、湯はり電磁弁27が開いたか否かを判定する(ステップS1)。その結果、湯はり電磁弁27が開いた場合には、水位センサー30の出力電圧と上記所定電圧との比較が実施されず、一方、湯はり電磁弁27が開いていない場合には、水位センサー30の出力電圧と上記所定電圧との比較が実施される(ステップS2)。
【0031】
より具体的には、ステップS2では、現在取り付けられている水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧以上であるか否かが判定される。その結果、検出された水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧以上であると判定された場合には、現在取り付けられている水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aとして制御装置5に記憶される(ステップS3)。
【0032】
一方、上記ステップS2において、検出された水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧未満であると判定された場合には、現在取り付けられている水位センサー30の種類が3階用水位センサー30bとして制御装置5に記憶される(ステップS4)。
【0033】
次に、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aであるか否かが判定される(ステップS5)。その結果、記憶されている水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aであれば、リモートコントローラ5bの水位センサー種類表示部32aに、「1〜2階用水位センサー使用」と表示される(ステップS6)。一方、記憶されている水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aでないと判定された場合、つまり、記憶されている水位センサー30の種類が3階用水位センサー30bであると判断できる場合には、リモートコントローラ5bの水位センサー種類表示部32aに、「3階用水位センサー使用」と表示される(ステップS7)。
【0034】
本実施形態の貯湯式給湯機1によれば、上記図2に示すように水頭−出力電圧特性が設定された2種類の水位センサー30a、30bを用意しておいたうえで、上記図4に示すフローチャートの処理によって、水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧以上であるか否かを判定することにより、貯湯式給湯機1(2次側循環管路17の戻り管17b)に現在取り付けられている水位センサー30の種類が、1〜2階用水位センサー30aまたは3階用水位センサー30bのどちらであるかを判定することができる。そして、上記処理によれば、現在取り付けられていると判定された水位センサー30の種類が、リモートコントローラ5bの水位センサー種類表示部32aに表示される。これにより、ユーザは、水位センサー30の交換作業を行う場合に、リモートコントローラ5bの表示に従い水位センサー30を交換すればよいので、専門知識がなくても水位センサー30を交換することが可能となる。
【0035】
また、既述したように、上記図2に示す水頭−供給電圧特性では、大気圧印加時には、1〜2階用水位センサー30aは上記所定電圧以上の電圧を出力し、もう一方の3階用水位センサー30bは上記所定電圧未満の電圧を出力するように設定されている。ここで、戻り管17bに混合水が滞留している場合には、3階用水位センサー30bが取り付けている場合であっても、混合水の水頭分だけ水位センサー30に圧力が加わることで水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧以上の値となる。つまり、戻り管17bに混合水が滞留している場合において、水位センサー30の出力電圧と上記所定電圧との比較を実施することとすると、実際には3階用水位センサー30bが取り付けられている場合であっても、1〜2階用水位センサー30aが取り付けられているものと誤判定される可能性がある。これに対し、上記図4に示す処理によれば、湯はり電磁弁27が開いていない場合に、水位センサー30の出力電圧と上記所定電圧との比較を実施するようにしている。湯はり電磁弁27が開いていない状態では、2次側循環管路17の戻り管17bに湯はり電磁弁27から送水される混合水が滞留していない状態となる。このような状態においては、水位センサー30の出力電圧として、大気圧印加時の出力電圧を検出することができる。したがって、上記処理によって湯はり電磁弁27が開いていない場合(大気圧印加時)に水位センサー30の種類の判定を実施することにより、3階用水位センサー30bを1〜2階用水位センサー30aと間違えて判断することなく、水位センサー30の種類を正確に判定することが可能となる。
【0036】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2におけるリモートコントローラ5bの外観図である。本実施形態のリモートコントローラ5bの表示部32は、浴槽2の設置階数に対応していない種類の水位センサー30が取り付けられた場合に、水位センサー30の交換を促す文字での警告表示を行う水位センサー交換表示部32bを備えている点に特徴を有している。
【0037】
図6は、貯湯式給湯機1に取り付けられる水位センサー30が正規の水位センサーであるか否かを判定するために、本発明の実施の形態2において実行される処理を示すフローチャートである。図6に示すように、制御装置5は、先ず、正規の(浴槽2の設置階数に応じて備えておくべき)水位センサー30の種類が制御装置5内に記憶されているか否かを判定する(ステップS10)。
【0038】
その結果、正規の水位センサー30の種類が制御装置5に記憶されている場合には、湯はり電磁弁27が開いていない状態において、大気圧印加時の水位センサー30の出力電圧が上記所定電圧以上であるか否かが判定される(ステップS11)。その結果、水位センサー30の出力電圧が所定電圧以上であると判定された場合は、現在取り付けられている水位センサー30が1〜2階用水位センサー30aであると判断することができる。この場合には、次いで、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aであるか否かが判定される(ステップS12)。
【0039】
上記ステップS12において、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aであると判定された場合は、リモートコントローラ5bの水位センサー交換表示部32bに、「1〜2階用水位センサー使用」と表示される(ステップS13)。一方、上記ステップS12の判定が不成立である場合、つまり、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が3階用水位センサー30bであると判断できる場合は、リモートコントローラ5bの水位センサー交換表示部32bに、「3階用水位センサーに交換してください」と表示される(ステップS14)。
【0040】
また、上記ステップS11において、水位センサー30の出力電圧が所定電圧未満であると判定された場合は、現在取り付けられているのが3階用水位センサー30bであると判断することができる。この場合には、次いで、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aであるか否かが判定される(ステップS15)。
【0041】
上記ステップS15において、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が1〜2階用水位センサー30aであると判定された場合は、リモートコントローラ5bの水位センサー交換表示部32bに、「1〜2階用水位センサーに交換してください」と表示される(ステップS16)。一方、上記ステップS15の判定が不成立である場合、つまり、制御装置5に記憶された水位センサー30の種類が3階用水位センサー30bであると判断できる場合は、リモートコントローラ5bの水位センサー交換表示部32bに、「3階用水位センサー使用」と表示される(ステップS17)。
【0042】
本実施の形態2においても、水位センサー30として、1〜2階用水位センサー30aと3階用水位センサー30bという2種類のものが浴槽2の設置階数別に用意されており、貯湯式給湯機1には、予め浴槽2の設置階数に対応した水位センサー30が取り付けられている。そして、以上説明した図6に示すフローチャートの処理によれば、予め取り付けられていた水位センサー30と交換された水位センサー30とが同一であるか否かが判定される。そして、間違っている場合、つまり、貯湯式給湯機1に予め取付けられた(制御装置5に記憶されている)正規の水位センサー30と異なる水位センサー30に交換された場合には、リモートコントローラ5bに正規の水位センサー30に交換するように促す旨の表示が行われる。これにより、ユーザは、水位センサー30の交換作業を行う場合に、リモートコントローラ5bの表示に従い水位センサー30を交換すればよいので、専門知識がなくても水位センサー30を交換することが可能となる。
【0043】
ところで、上述した実施の形態1においては、水位センサー30の種類の判定結果を文字で表示する表示手段として、リモートコントローラ5bの表示部32に水位センサー種類表示部32aを備えるようにしている。また、上述した実施の形態2においては、正規の水位センサー30と異なる水位センサー30に交換された場合に正規の水位センサー30に交換するように促す旨を文字で表示する表示手段として、リモートコントローラ5bの表示部32に水位センサー交換表示部32bを備えるようにしている。しかしながら、本発明において表示手段は、水位センサーの種類の判定結果や当該水位センサーの交換を促す旨を文字にて表示する手段に限られず、それらを音声にて報知する手段(例えばリモートコントローラ5bに備えられたスピーカー(図示省略))であってもよい。
【0044】
また、上述した実施の形態1および2においては、水位センサー30を2次側循環管路17の戻り管17bに取り付けるようにしている。しかしながら、本発明において水位センサーが取り付けられる浴水流路は、これに限定されず、例えば、2次側循環管路17の往き管17aであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 貯湯式給湯機
2 浴槽
5 制御装置
5a 制御装置本体
5b リモートコントローラ
16 1次側循環管路
17 2次側循環管路
30 水位センサー
30a 1〜2階用水位センサー
30b 3階用水位センサー
32 リモートコントローラの表示部
32a 水位センサー種類表示部
32b 水位センサー交換表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に湯を供給可能な給湯機であって、
前記浴槽に接続された浴水流路に取り付けられ、当該浴水流路内圧力に基づいて前記浴槽の水位を検出するための水位センサーと、
前記浴水流路に現在取り付けられている前記水位センサーが、前記浴水流路内圧力が所定圧力である状況下において所定電圧以上の出力電圧を発する1〜2階用水位センサーであるか、或いは、前記浴水流路内圧力が前記所定圧力である状況下において前記所定電圧未満の出力電圧を発する3階用水位センサーであるかを判定するセンサー種類判定手段と、を備え、
前記センサー種類判定手段は、前記浴水流路内圧力が前記所定圧力である状況下における前記水位センサーの出力電圧が前記所定電圧以上である場合に、現在取り付けられている水位センサーが前記1〜2階用水位センサーであると判定し、前記浴水流路内圧力が前記所定圧力である状況下における前記水位センサーの出力電圧が前記所定電圧未満である場合に、現在取り付けられている水位センサーが前記3階用水位センサーであると判定するものであり、
前記センサー種類判定手段による前記水位センサーの種類の判定結果を文字もしくは音声で報知する報知手段を更に備えることを特徴とする給湯機。
【請求項2】
前記報知手段は、前記給湯機を遠隔制御するリモートコントローラに設けられた文字表示部であることを特徴とする請求項1に記載の給湯機。
【請求項3】
前記所定圧力は、大気圧力であり、
前記浴水流路は、前記浴槽に湯を供給する流路として機能するものであり、
前記給湯機は、前記浴槽に湯が供給される際に前記水位センサーよりも湯の流れの上流側となる部位において前記浴水流路に設けられ、前記浴槽への湯の供給を制御する電磁弁を更に備え、
前記センサー種類判定手段は、前記電磁弁が閉じられている状態で、前記水位センサーの種類の判定を実施することを特徴とする請求項1または2に記載の給湯機。
【請求項4】
前記報知手段は、前記センサー種類判定手段により判定された種類の水位センサーが、前記給湯機に備えておくべき正規の水位センサーと異なる種類のものである場合に、当該正規の水位センサーに交換することを促す文字もしくは音声での報知を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給湯機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−144963(P2011−144963A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4246(P2010−4246)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】