説明

給湯機

【課題】使用性を維持しつつ、音声案内が必要な時だけ、音声出力手段の電源を入れることで、無駄な電力を消費しない省エネルギーを実現した給湯機を提供すること。
【解決手段】ふろリモコン3は、人の在/不在を検知する人検知手段8と、音声出力手段10と、スピーカー11と、音声出力手段10の電源を入り切りする電源スイッチング手段7とを有し、人検知手段8が人を検知している場合は、電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を入にして音声案内を行い、人検知手段8が人を検知していない場合は、電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を切にして音声案内を行わないことにした給湯機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機に関連し、特に、音声案内に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の給湯機では、だれもが使いやすいように、操作や給湯機の状態を音声案内するものがあった(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292192号公報
【特許文献2】特開2005−233442号公報
【特許文献3】特開2009−115406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、リモコンで設定された音量で、音声案内が行われ、台所とふろの両方にリモコンを備えた給湯機であれば、それぞれのリモコンで設定された音声案内音量で音声案内が行われるため、リモコンの操作に対する音声案内であれば、操作したリモコンの前に人がいるので、問題はない。
【0005】
しかしながら、給湯機の状態を音声案内する場面で、リモコンの近くに人がいない場合は、リモコンで設定された音量で音声案内するのがエネルギーの無駄となっている。
【0006】
例えば、台所リモコンで、給湯温度を60℃に設定すると、安全のため、ふろリモコンでも高温注意報知として「ピッピッピッ熱いお湯がでます。ご注意ください。」と報知する。
【0007】
この場合、浴室に人がいて、湯を使う状況であれば必要であるが、誰もいない浴室でこのような音声案内を行うのは意味がない。このような意味のない音声案内をするために、ふろリモコンの音声出力手段の電源を入れて、電力を消費していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用性を維持しつつ、音声案内が必要な時だけ、音声出力手段の電源を入れることで、無駄な電力を消費しない省エネルギーを実現した給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯機は、給湯機本体と台所リモコンとふろリモコンとを備え、前記ふろリモコンは、人の在/不在を検知する人検知手段、音声出力手段、前記音声出力手段の信号を音に変えるスピーカー、前記音声出力手段の電源を入り切りする電源スイッチング手段を有し、前記人検知手段が人を検知している場合は、前記電源スイッチング手段により、前記音声出力手段の電源を入にして音声案内を行い、前記人検知手段が人を検知していない場合は、前記電源スイッチング手段により、前記音声出力手段の電源を切にして音声案内を行わない構成としたことを特徴とするものである。
【0010】
これによって、ふろリモコンの近くに人がいるかどうかを前記人検知手段で検出し、人を検知しない場合、音声案内は不要であると判断し、音声出力手段の電源を切にし、音声案内を行わず、無駄な電力を消費しない給湯機を提供できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ふろリモコンの近くに人を検知しない場合は、音声出力手段の電源を切にし、音声案内を行わず、無駄な電力を消費しないので、使用性を維持しつつ、省エネルギーを実現した給湯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯機のブロック図
【図2】同給湯機のふろリモコンの音声案内のフローチャート
【図3】同給湯機の台所リモコンの音声案内のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、給湯機本体と台所リモコンとふろリモコンとを備え、前記ふろリモコンは、人の在/不在を検知する人検知手段、音声出力手段、前記音声出力手段の信号を音に変えるスピーカー、前記音声出力手段の電源を入り切りする電源スイッチング手段を有し、前記人検知手段が人を検知している場合は、前記電源スイッチング手段により、前記音声出力手段の電源を入にして音声案内を行い、前記人検知手段が人を検知していない場合は、前記電源スイッチング手段により、前記音声出力手段の電源を切にして音声案内を行わない構成としたことを特徴とする給湯機である。
【0014】
これにより、前記人検出手段でふろリモコンの近くに人を検知しない場合は、音声出力手段の電源を切にし、音声案内を行わず、無駄な電力を消費しないので、使い勝手や安全性を犠牲にせず、省エネルギーを向上させることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における給湯機のブロック図である。
【0017】
図1において、給湯機本体1と台所リモコン2とふろリモコン3は、リモコンケーブルで接続されている。ふろリモコン3には、給湯機本体から送られた電源を受け取る電源手段9があり、電源に重畳された通信信号を分離して、通信手段4に伝える。通信手段4は、給湯機本体1と台所リモコン2と通信を行い、マイコン5と接続されている。また、表示手段6では、マイコン5からの信号により、使用者に対して表示を行う。
【0018】
電源スイッチング手段7で音声出力手段10への電源供給を入り切りする。人検知手段8は、ふろリモコン3近傍の人の在/不在を検知し、マイコン5に伝える。音声出力手段10はスピーカー11を駆動する。
【0019】
また、台所リモコン2にも、ふろリモコン3と同様の回路ブロックが存在するが、同様のブロックは、同じ符号を与え、説明も省略する。台所リモコン2では、人検知手段8が存在しない。
【0020】
以上のように構成された給湯機について、図2を用いて、以下その動作、作用を説明する。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態1における給湯機のふろリモコンの音声案内のフローチャートである。
【0022】
まず、ふろリモコン3で音声案内を行う場合、ステップ1で音声案内の要求があるかどうかマイコン5が判断する。音声案内要求がない場合、ステップ2で、マイコン5は電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を切る。
【0023】
ステップ1で音声案内要求がある場合、ステップ3に進み、人検知手段8で人の在/不在を検知する。その結果、人を検知している場合は、ステップ4に進む。ステップ4で、マイコン5は電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を入れる。
【0024】
その後、ステップ5で音声出力手段10は音声案内を開始し、スピーカー11から音声案内が出力される。ステップ3で、人を検知していない場合は、ステップ6に進み、マイコン5は電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を切り、音声案内は行わない。
【0025】
以上のように、本実施の形態の形態においては、ふろリモコン3に、人の在/不在を検知する人検知手段8と、音声出力手段10と、音声出力手段10の信号を音に変えるスピーカー11と、音声出力手段10の電源を入り切りする電源スイッチング手段7とを有し、人検知手段8が人を検知している場合は、電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を入にして音声案内を行い、人検知手段8が人を検知していない場合は、電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を切にして音声案内を行わないようにしたので、無駄な電力を消費しない。よって、使い勝手や安全性を犠牲にせず、省エネルギーを向上させることができる。
【0026】
図3は、本発明の実施の形態1における給湯機の台所リモコンの音声案内のフローチャートである。
【0027】
台所リモコン2には、人検知手段8を設けていない。まず、台所リモコン2で音声案内を行う場合、ステップ7で音声案内の要求があるかどうかマイコン5が判断する。音声案内要求がない場合、ステップ8でマイコン5は電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を切る。
【0028】
ステップ7で音声案内要求がある場合、ステップ9に進み、マイコン5は電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を入れる。
【0029】
その後、ステップ10で音声出力手段10は音声案内を開始する。音声案内要求がある時だけ、電源スイッチング手段7で音声出力手段10の電源を入れているので、それなりの省エネルギー効果はある。しかし、人が台所リモコン2の近傍にいなくても、音声案内を行う。
【0030】
台所リモコン2に人検知手段8を設けなかったのは、台所リモコンが設置されることが多いリビングダイニングキッチンの形状が多種多様で、台所リモコン2に人検知手段8を設けても、確実に近傍の人を検知できるわけではないからである。
【0031】
もし、キッチンに設置した台所リモコン2に人検知手段8を設けても、キッチンとダイニングを仕切るカウンターにより、人検知ができない場合がある。
【0032】
このような状況で、ふろリモコン3で給湯温度を60℃に設定した場合、本来ならば、高温注意報知として「ピッピッピッ熱いお湯がでます。ご注意ください。」と報知するはずが、報知されない事態となり、安全性に課題を残す。
【0033】
よって、確実に部屋全体の人検知ができる手段であれば台所リモコン2に、人検知手段
8を設け、不在時に電源スイッチング手段7により音声出力手段10の電源を切ればよい。
【0034】
なお、人検知手段8は、人の赤外線を検知する赤外検出器が一般的であることは言うまでもない。
【0035】
なお、人検知手段8に、赤外線検出器と照度センサーを組み合わせ、赤外線検出器が人の赤外線を検出しないで、なおかつ、照度センサーも、人が活動する明るさよりも暗いことを検出した場合においてのみ、人不在と判定するようにすれば、確実に、夜で人がリモコン近傍にいないと判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかる給湯機は、無駄な電力を消費しないので、使い勝手や安全性を犠牲にせず、省エネルギーを向上させることができるので、人が不在の時にも音声案内を必要とする機器に応用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 給湯機本体
2 台所リモコン
3 ふろリモコン
7 電源スイッチング手段
8 人検知手段
10 音声出力手段
11 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯機本体と台所リモコンとふろリモコンとを備え、前記ふろリモコンは、人の在/不在を検知する人検知手段、音声出力手段、前記音声出力手段の信号を音に変えるスピーカー、前記音声出力手段の電源を入り切りする電源スイッチング手段を有し、前記人検知手段が人を検知している場合は、前記電源スイッチング手段により、前記音声出力手段の電源を入にして音声案内を行い、前記人検知手段が人を検知していない場合は、前記電源スイッチング手段により、前記音声出力手段の電源を切にして音声案内を行わない構成としたことを特徴とする給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−132579(P2012−132579A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282783(P2010−282783)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】