説明

給湯装置

【課題】熱交換器から貯湯槽に戻る中温水の作用で増大する中温水量を小さく抑え、沸き上げにおける効率を損なわない基本性能を満たした上で、それを簡単な構成で実現し、信頼性ならびに利便性の高い給湯装置を提供することを目的とする。
【解決手段】貯湯槽1と、貯湯槽1の水を加熱する加熱手段2と、貯湯槽1上部に設けられた給湯出湯口3および熱利用出湯口4と、貯湯槽1下部に設けられた給水口5と、給湯出湯口3ならびに熱利用出湯口4と給水口5の中間高さに設けられた流出入口17と、給湯出湯口3からの湯と流出入口17からの湯を所望の温度に混合する混合弁9と、熱利用出湯口4からの湯の熱量を利用する熱利用手段11と、熱利用手段11から貯湯槽1に熱利用後の湯を流出入口17へ戻すための接続手段18を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯槽内の湯の熱量を利用して風呂の追い焚きや床暖房などの機能を有する給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からあるこの種の給湯装置について図5を用いて説明する。
【0003】
図に示すように、従来の給湯装置は、貯湯槽51と、この貯湯槽51の水を加熱するヒートポンプユニット52を有する。
【0004】
貯湯槽51の上部には給湯出湯口53および熱利用出湯口54が設けられ、貯湯槽51の下部には貯湯槽51に水を供給するための給水口55が設けられ、さらに、貯湯槽51の、給湯出湯口53ならびに熱利用出湯口54と給水口55の中間高さには、第一の流出口56および第二の流出口57が設けられている。
【0005】
また、これら第一の流出口56と第二の流出口57からの湯の流路を切り換える第一の三方弁58と、給湯出湯口53からの湯と第一の三方弁58からの湯を所望の温度に混合する混合弁59と、熱利用出湯口54からの湯の熱量を利用して風呂水60を加熱するための熱交換器61が設けられている。
【0006】
また、貯湯槽51の中間高さには熱利用後の湯を熱交換器61から貯湯槽51に戻す第一の流入口62および第二の流入口63が設けられ、熱交換器61と第一の流入口62および第二の流入口63の間には熱交換器61から第一の流入口62および第二の流入口63への流路を切り換える第二の三方弁64が設けられている。
【0007】
さらに、貯湯槽1には温度検出手段65が複数設けられ、制御手段66は、この温度検出手段65の出力に応じて第一の三方弁58および第二の三方弁64の流路を切り換える(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−286307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、熱交換器61から戻る中温水が貯湯槽51下部の低温の水と混合してヒートポンプユニット52の効率を低下させるという不都合は改善されるものの、構成や制御がきわめて複雑となり、部品の不具合による誤動作の可能性が高まって所望の性能が発揮できなくなるという恐れがあるとともに、筐体内に多くの配管を納める空間が必要となって装置の寸法が大きくなり、設置に不便や制約を与えてしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱交換器11から貯湯槽に戻る中温水の作用で増大する中温水量を小さく抑え、沸き上げにおける効率を損なわない基本性能を満たした上で、それを簡単な構成で実現し、信頼性ならびに利便性の高い給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、貯湯槽と、前記貯湯槽の水を加熱する加熱手段と、前記貯湯槽上部に設けられた給湯出湯口および熱利用出湯口と、前
記貯湯槽下部に設けられた給水口と、前記給湯出湯口ならびに前記熱利用出湯口と前記給水口の中間高さに設けられた流出入口と、前記給湯出湯口からの湯と前記流出入口からの湯を所望の温度に混合する混合弁と、前記熱利用出湯口からの湯の熱量を利用する熱利用手段と、前記熱利用手段から前記貯湯槽に熱利用後の湯を前記流出入口へ戻すための接続手段とから構成したものである。
【0011】
これによって、貯湯槽内に高温の湯が多く残り、流出入口が貯湯槽内の高温の湯に接しているときに、熱利用手段で風呂を加熱した後の中温水が貯湯槽に戻ると、流入した中温水は流出入口の下側の高温水と混合して貯湯槽下部の低温水はそのまま維持される。この状態から給湯されると、この中温水は流出入口から排出される。
【0012】
逆に、貯湯槽内に高温の湯が少なく、流出入口が貯湯槽内の低温水に接している場合、中温水は流出入口と残っている高温水との間の低温水と混合し、この範囲に中温水をつくる。
【0013】
熱利用手段の使用中は貯湯槽内の高温の湯が減っていくので、通常の制御の場合、加熱手段による沸き増しが開始され、貯湯槽上部から高温の湯が入って中温水を押し下げ、流出入口より下に位置するようになる。ここで給湯が行われると、中温水は流出入口から排出される。
【0014】
また、給湯と熱利用手段の使用が同時におこなわれた場合、貯湯槽に戻ろうとする中温水はそのまま給湯に利用され、とくに給湯利用の流量のほうが多い場合は貯湯槽の温度分布には悪影響を及ぼさない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の給湯装置は、貯湯槽内の中温水の給湯利用のための湯の供給と熱利用手段からの中温水の戻りをひとつの流出入口により行うことで、貯湯槽内に高温の湯が多く残り、流出入口が貯湯槽内の高温の湯に接しているときに熱利用手段で風呂を加熱した後の中温水が貯湯槽に戻ると、流入した中温水は流出入口の下側の高温水と混合して貯湯槽下部の低温水はそのまま維持される。この状態から給湯されると、この中温水は流出入口から排出される。
【0016】
逆に、貯湯槽内に高温の湯が少なく、流出入口が貯湯槽内の低温水に接している場合、中温水は流出入口と残っている高温水との間の低温水と混合し、この範囲に中温水をつくる。熱利用手段を使用中は貯湯槽内の高温の湯が減っていくので、通常の制御の場合、加熱手段による沸き増しが開始され、貯湯槽上部から高温の湯が入って中温水を押し下げ、流出入口より下に位置するようになる。ここで給湯がおこなわれると、中温水は流出入口から排出される。
【0017】
また、給湯と熱利用手段の使用が同時におこなわれた場合、貯湯槽に戻ろうとする中温水はそのまま給湯に利用され、とくに給湯利用の流量のほうが多い場合は貯湯槽の温度分布には悪影響を及ぼさない。
【0018】
本発明の給湯装置は、このような作用を有するので、貯湯槽下部にある低温水には影響を及ぼさず、中温水の増大を抑えつつ、加熱手段への水温は低温を保つことができ、とくに加熱手段がヒートポンプである場合には高効率の運転が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
第1の本願発明は、貯湯槽と、前記貯湯槽の水を加熱する加熱手段と、前記貯湯槽上部に設けられた給湯出湯口および熱利用出湯口と、前記貯湯槽下部に設けられた給水口と、
前記給湯出湯口ならびに前記熱利用出湯口と前記給水口の中間高さに設けられた流出入口と、前記給湯出湯口からの湯と前記流出入口からの湯を所望の温度に混合する混合弁と、前記熱利用出湯口からの湯の熱量を利用する熱利用手段と、前記熱利用手段から前記貯湯槽に熱利用後の湯を前記流出入口へ戻すための接続手段とから構成するものである。
【0020】
この構成により、貯湯槽内に高温の湯が多く残り、流出入口が貯湯槽内の高温の湯に接しているときに熱利用手段で風呂を加熱した後の中温水が貯湯槽に戻ると、流入した中温水は流出入口の下側の高温水と混合して貯湯槽下部の低温水はそのまま維持される。この状態から給湯されると、この中温水は流出入口から排出される。
【0021】
逆に、貯湯槽内に高温の湯が少なく、流出入口が貯湯槽内の低温水に接している場合、中温水は流出入口と残っている高温水との間の低温水と混合し、この範囲に中温水をつくる。熱利用手段を使用中は貯湯槽内の高温の湯が減っていくので、通常の制御の場合、加熱手段による沸き増しが開始され、貯湯槽上部から高温の湯が入って中温水を押し下げ、流出入口より下に位置するようになる。
【0022】
ここで給湯がおこなわれると、中温水は流出入口から排出される。また、給湯と熱利用手段の使用が同時におこなわれた場合、貯湯槽に戻ろうとする中温水はそのまま給湯に利用され、とくに給湯利用の流量のほうが多い場合は貯湯槽の温度分布には悪影響を及ぼさない。
【0023】
本発明の給湯装置は、このような作用を有するので、貯湯槽下部にある低温水には影響を及ぼさず、中温水の増大を抑えつつ、加熱手段への水温は低温を保つことができ、とくに加熱手段がヒートポンプである場合には高効率の運転が可能となる。
【0024】
第2の本願発明は、接続手段を流出入口の位置で混合弁への流路と熱利用手段からの流路を分岐する構成とすることにより、給湯と熱利用手段の使用が同時におこなわれる場合、互いの動作による相互作用を最小限に抑え、安定した動作が可能になる。
【0025】
第3の本願発明は、給湯出湯口と熱利用出湯口とを共用する共用出湯口を設け、給湯流路と熱利用流路を分岐する第二の接続手段を設ける構成とすることにより、貯湯槽への配管が少なくなり、簡単な構成が実現できる。

第4の本願発明は、流出入口と熱利用手段との間の流路中に逆止弁を設ける構成とすることにより、熱利用手段を使用していないときに意図しない循環が起こって放熱し、効率が低下することを防ぐ効果がある。
【0026】
第4の本願発明は、加熱手段としてヒートポンプサイクルを用いた構成とすることにより、沸き上げ前の水温が高くなるほど効率が低下するヒートポンプを用いた構成において、最も大きな効率低下抑制効果が得られる。
【0027】
第5の本願発明は、ヒートポンプサイクルを圧力が臨界圧力以上となる超臨界冷媒回路とし、前記臨界圧力以上に昇圧された冷媒により水を加熱する構成としたことにより、沸き上げ温度を高温にすることができるので、利用できる熱量の増大と湯切れ防止性の向上を図ることができる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における給湯装置の構成を示す図である。
【0029】
図に示すように、本発明の実施の形態1における給湯装置は、貯湯槽1と、この貯湯槽1の水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット2を有する。
【0030】
貯湯槽1の上部には給湯出湯口3および熱利用出湯口4が設けられ、貯湯槽1の下部には貯湯槽51に水を供給するための給水口5が設けられ、さらに、貯湯槽1の、給湯出湯口3ならびに熱利用出湯口4と給水口5の中間高さには、流出入口17が設けられている。
【0031】
また、給湯出湯口3からの湯と流出入口17からの湯を所望の温度に混合する混合弁9と、熱利用出湯口4からの湯の熱量を利用して風呂水10等を加熱するための熱利用手段としての熱交換器11と、この熱交換器11から貯湯槽1に熱利用後の湯を流出入口17へ戻すための接続手段としての分岐管18を設けている。
【0032】
さらに、貯湯槽1の下部にはヒートポンプユニット2に貯湯槽1内の水を送るためのヒートポンプ往き口19が設けられ、貯湯槽1の上部にはヒートポンプユニット2で沸き上げた湯を受けるヒートポンプ戻り口20が設けられ、貯湯槽1内の水は沸き上げ用循環ポンプ21を使ってヒートポンプ往き口19からヒートポンプユニット2を経てヒートポンプ戻り口20まで循環させる。
【0033】
また、風呂追い焚き時に貯湯槽1内の湯を循環させる風呂追い焚き用循環ポンプ22、風呂水10を循環させる風呂水循環ポンプ23が設けられている。
【0034】
さらに、本願発明の実施の形態1における給湯装置は、給湯時に給湯出湯口3からの湯と給水管24からの水を混合して所望の給湯設定温度とした湯を給湯栓25に供給するための第二の混合弁26を有する。
【0035】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0036】
沸き上げ動作を開始すると、沸き上げ用循環ポンプ21により貯湯槽1内の水がヒートポンプ往き口19からヒートポンプユニット2に送出され、そこで加熱された高温の湯がヒートポンプ戻り口20から貯湯槽1に戻される。
【0037】
沸き上げが完了すると、貯湯槽1内は高温の湯で満たされる。その後、給湯利用されると、流出入口17の位置の湯温が給湯利用できる湯温の場合、優先的にこの流出入口17から湯を供給するように混合弁9が動作し、さらに第二の混合弁26で給水管24からの水と混合されて所望の設定温度となって給湯栓25から給湯される。
【0038】
流出入口17の位置の湯温が低い場合には給湯出湯口3から貯湯槽1上部の高温の湯を適宜利用するように混合弁9が動作する。また、給湯量に応じて給水口5から貯湯槽1に給水される。
【0039】
図2(a)には、給湯利用された後、貯湯槽1に残湯が多くある場合の温度分布を、横軸に温度をとり、縦軸に貯湯槽1の高さをとって示している。
【0040】
これによれば、貯湯槽1の上側に高温の湯が残り、貯湯槽1下部には給湯時に給水口5から供給された低温水が満たされ、それらの中間に熱伝導と熱対流によってつくられる高温水と低温水との中間の温度となる中温水が存在するが、この位置は流出入口17よりも下である。
【0041】
この状態で風呂水10の追い焚きを開始すると、風呂追い焚き用循環ポンプ22と風呂水循環ポンプ23が起動し、貯湯槽1上部の熱利用出湯口4から熱交換器11に高温水が送られ、風呂水10を加熱する。熱交換器11を出た貯湯槽1からの湯は風呂水10と同程度の中温水となって分岐管18を通って流出入口17より貯湯槽1に戻る。
【0042】
流出入口17から入る中温水はその高さにある湯よりも温度が低いため、その位置より下の湯と混合しながら貯湯槽1内を下降する。貯湯槽1下部の低温水の位置まで到達すると、それ以上は下降しない。
【0043】
図2(b)に貯湯槽1内の温度分布の変化を示すが、追い焚き終了後は流出入口17から低温水の間で戻ってきた中温水と高温水の中間の温度になった中温水の領域が現れる。
【0044】
さらにここから給湯利用されると、図2(c)のごとく、追い焚きによってつくられた中温水は流出入口17から出て、中温水の領域はほぼ解消される。
【0045】
次に、貯湯槽1内に残湯が少ない場合について図3を用いて動作を説明する。
【0046】
図3(a)は追い焚き開始前の温度分布である。追い焚きが始まると、流出入口17から中温水が貯湯槽1に流入するが、この温度は流出入口17の高さの水よりも高く、したがってこの位置より上向きに低温水と混合しながら上昇する。この上昇は高温水の位置より下で止まる。
【0047】
このときの温度分布の変化を図3(b)に示すが、熱利用出湯口4と流出入口17との間で循環しているので、高温水は上に押し上げられつつ、低温水と熱交喚器11からの戻りの中温水との間の温度となる中温水の領域が流出入口17の上側にできる。
【0048】
一般的な制御の場合、追い焚きによって高温の湯がある程度まで減少するとヒートポンプユニット2による沸き増しが起動し、湯切れを起こさないよう高温の湯をヒートポンプ戻り口20から供給する。
【0049】
この沸き増し運転により、図3(c)のように、流出入口17の上側にできた中温水の領域が押し下げられ、その後は、図2(c)で説明したのと同様、給湯利用の際に流出入口17から出て、貯湯槽1内の中温水は減少する。
【0050】
また、追い焚き中に給湯利用された場合、貯湯槽1に戻ろうとする中温水は風呂追い焚き用循環ポンプ22の流量との差に応じて分岐管18を通って混合弁9に向かうので、給湯と追い焚きが同時に起こっている場合は貯湯槽1の温度分布に与える影響は小さく、とくに給湯による流量が風呂追い焚き用循環ポンプ22の流量を上回っていれば貯湯槽1に中温水は戻らず、全く温度分布には悪影響を及ぼさない。
【0051】
さらに、貯湯槽1下部にある低温水の量は残湯量の多い場合には全く減らず、残湯量が少ない場合でも流出入口17から下の容量分は確保できるので、ヒートポンプユニット2での沸き上げの際の効率低下の度合いは小さい。
【0052】
以上のような動作となるので、流出入口17を適切な位置に配置することで、追い焚きによって流出入口17の上下に生じる中温水は、その同じ位置からうまく給湯に使われることとなり、きわめて簡単な構成で中温水を少なく抑える効果が得られる。
【0053】
この結果、ヒートポンプユニット2による沸き上げ時の効率を高く保つことが可能になるとともに、貯湯槽1に貯える熱量が大きくなり、貯湯槽1の容量を有効に利用できる。
【0054】
なお、ヒートポンプユニット2の冷凍サイクルは冷媒として二酸化炭素を用い、臨界圧を越える圧力で運転することが好ましい。二酸化炭素を冷媒として用いることで沸き上げ温度を高温にできるので、利用できる熱量の増大と湯切れ防止性を向上することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態における給湯装置の構成を示す図である。
【0055】
図に示すように、本発明の実施の形態2における給湯装置は、実施の形態1と異なる点として、接続手段としての分岐管18を流出入口17と同一の位置に設け、給湯出湯口3と熱利用出湯口4を共用する共用出湯口27を設け、第二の接続手段としての第二の分岐管28にて分岐している。
【0056】
なお、実施の形態1と同様の構成については、図面の符号として同じ符号を用いるとともに、構成の説明については実施の形態1の説明を援用し、省略する。
【0057】
以上のように構成することによって、分岐管18の効果としては給湯利用と風呂追い焚きが同時に起きている場合に、流出入口17と分岐管18との間の圧力損失による流れの乱れが起こりにくく、安定した運転が可能となる。
【0058】
また、給湯出湯口3と熱利用出湯口4を共用する共用出湯口27を設けたことにより、貯湯槽1への配管が少なくなり、簡単な構成が実現できる。
【0059】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態における給湯装置の構成を示す図である。
【0060】
図に示すように、本発明の実施の形態3における給湯装置は、実施の形態1と異なる点として、流出入口17と熱利用手段としての熱交換器11との間の流路中に逆止弁29を設けている。
【0061】
なお、実施の形態1と同様の構成については、図面の符号として同じ符号を用いるとともに、構成の説明については実施の形態1の説明を援用し、省略する。
【0062】
以上のように構成することによって、風呂追い焚きをしていないときに給湯利用による流路中の圧力変動で貯湯槽1の湯が熱交換器11に循環し、その結果、このような意図しない熱交換による熱損失が起こることを防ぐことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる給湯装置は、加熱手段が効率の良い条件で運転できるように貯湯槽の温度分布を意図する状態に近づけるので、家庭用の給湯装置の貯湯槽に適用できるほか、熱源と貯湯槽を有するシステムにおいて業務用などの規模の大きい用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図
【図2】同貯湯槽内温度分布の変化を示した図
【図3】同貯湯槽内温度分布の変化を示した図
【図4】本発明の実施の形態2における給湯装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態3における給湯装置の構成図
【図6】従来の給湯装置の構成図
【符号の説明】
【0065】
1 貯湯槽
2 加熱手段としてのヒートポンプユニット
3 給湯出湯口
4 熱利用出湯口
5 給水口
9 混合弁
11 熱利用手段としての熱交換器
17 流出入口
18 接続手段としての分岐管
27 共用出湯口
28 第二の接続手段としての第二の分岐管
29 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯槽と、前記貯湯槽の水を加熱する加熱手段と、前記貯湯槽の上部に設けられた給湯出湯口および熱利用出湯口と、前記貯湯槽の下部に設けられた給水口と、前記給湯出湯口ならびに前記熱利用出湯口と前記給水口の中間高さに設けられた流出入口と、前記給湯出湯口からの湯と前記流出入口からの湯を所望の温度に混合する混合弁と、前記熱利用出湯口からの湯の熱量を利用する熱利用手段と、前記熱利用手段から前記貯湯槽に熱利用後の湯を前記流出入口へ戻すための接続手段とから構成された給湯装置。
【請求項2】
前記接続手段は、前記流出入口の位置で前記混合弁への流路と前記熱利用手段からの流路を分岐する構成とした請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
前記給湯出湯口と前記熱利用出湯口とを共用する共用出湯口を設け、給湯流路と熱利用流路を分岐する第二の接続手段を設ける構成とした請求項1または2記載の給湯装置。
【請求項4】
前記流出入口と前記熱利用手段との間の流路中に逆止弁を設ける構成とした請求項1〜3のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項5】
前記加熱手段は、ヒートポンプサイクルを用いる構成とした請求項1〜4のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項6】
前記ヒートポンプサイクルは、圧力が臨界圧力以上となる超臨界冷媒回路であり、前記臨界圧力以上に昇圧された冷媒により水を加熱する構成とした請求項5記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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