説明

給湯装置

【課題】複数世帯が共用するのに適し、かつ、それぞれの世帯のエネルギー使用割合を知ることのできる給湯装置を提供する。
【解決手段】複数世帯用の給湯装置100は、貯湯タンク20内に貯えられた湯を各世帯の給湯端末4A,4Bおよび浴槽5A,5Bに供給する複数の端末給湯路3a,3cおよび風呂給湯路3b,3dと、給湯端末4A,4Bへの給湯に用いられた端末給湯熱量を測定する端末給湯熱量測定手段と、浴槽4A,4Bへの給湯に用いられた風呂給湯熱量を測定する風呂給湯熱量測定手段と、端末給湯熱量および風呂給湯熱量を世帯ごとに積算して世帯ごとの使用熱量を算出する使用熱量算出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクから給湯を行う給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯湯タンクを備えた給湯装置が知られている。例えば特許文献1には、図5に示すような給湯装置200が開示されている。この給湯装置200は、給水管109から下部に水が供給される貯湯タンク102を有する貯湯タンクユニット101と、貯湯タンク102内の水を加熱する加熱体としてのヒートポンプユニット103とを備えている。ヒートポンプユニット103は、圧縮機131、高圧側熱交換器132、膨張弁133、および低圧側熱交換器134が順に接続された冷媒回路130を有している。貯湯タンク102とヒートポンプユニット103の高圧側熱交換器132とは、送水管110および送湯管111でループ状に接続されている。また、送水管110の途中には、ポンプ135が設けられている。そして、ポンプ135の稼働によって、貯湯タンク102内の水は、送水管110を介して下部から抜き出されて高圧側熱交換器132に送られ、ここで加熱されて高温の湯となる。生成された高温の湯は、送湯管111を介して貯湯タンク102の上部に戻される。このようにして、貯湯タンク102内には、上側から高温の湯が貯えられる。
【0003】
貯湯タンク102は、配管により、蛇口やシャワーなどの給湯端末104および浴槽106と接続される。貯湯タンク102内に貯えられた高温の湯を給湯端末104で利用する場合、その湯は、出湯管108、中間混合弁114、中継管115、端末混合弁116、および第1給湯管117を経由して、貯湯タンク102の上部から給湯端末104に供給される。給湯端末104に供給される湯は、端末混合弁116で所定の端末給湯温度となるように給水管109からの水と混合される。端末給湯温度は、台所もしくは洗面所などに設置される台所リモコン105または浴室内に設置される風呂リモコン107で、ユーザーが所望の温度に設定することができる。
【0004】
一方、貯湯タンク102内に貯えられた高温の湯を浴槽106への湯張りに利用する場合、その湯は、出湯管108、中間混合弁114、中継管115、風呂混合弁118、第2給湯管119を経由して、貯湯タンク102の上部から浴槽106に供給される。浴槽106に供給される湯は、風呂混合弁118で所定の風呂給湯温度となるように給水管109からの水と混合される。風呂給湯温度は、風呂リモコン107で、ユーザーが所望の温度に設定することができる。
【0005】
さらに、給湯装置200では、貯湯タンク102内の湯を用いて、浴槽106内の湯水を再び加熱する追い焚き運転が可能となっている。すなわち、給湯装置200は、貯湯タンク102内の上側に貯えられた高温の湯と浴槽106内の湯水とで熱交換を行う風呂熱交換器120を備えている。
【特許文献1】特開2005−274132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図5に示すような給湯装置200を、二世帯住宅または集合住宅などに居住する複数世帯で共用できれば、設備コストを大幅に削減することが可能である。しかしながら、従来の給湯装置は、複数世帯での共用を想定したものではない。
【0007】
そこで、本発明者らは、複数世帯が共用するのに適した複数世帯用の給湯装置を考え出した。この給湯装置では、貯湯タンク内に貯えられた湯を複数世帯のそれぞれに導いて各世帯の給湯端末および浴槽に供給する複数の端末給湯路および風呂給湯路が設けられている。それぞれの端末給湯路には、貯湯タンクからの湯を所定の端末給湯温度となるように水と混合する混合弁が配設され、それぞれの風呂給湯路には、貯湯タンクからの湯を所定の風呂給湯温度となるように水と混合する混合弁が配設されている。そして、世帯ごとに操作端末が設けられ、各々の操作端末では、対応する世帯における端末給湯温度および風呂給湯温度を独立して設定可能となっている。
【0008】
ところで、複数世帯用の給湯装置の運転にかかる費用は、給湯装置に供給されたエネルギー量(例えば電力量)から把握することができる。しかし、複数世帯用の給湯装置では、複数世帯分の湯をまとめて沸き上げるようになるので、給湯装置に供給されたエネルギー量からはそれぞれの世帯にどれだけのエネルギーを要したかを知ることはできない。また、エネルギーロスをどう考えるかという問題もある。そこで、それぞれの世帯での費用負担を明確にするために、それぞれの世帯がどのような割合でエネルギーを使用したかを分かるようにすることが望まれる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、複数世帯が共用するのに適し、かつ、それぞれの世帯のエネルギー使用割合を知ることのできる給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、本発明は、複数世帯用の給湯装置であって、給水管から下部に水が供給される貯湯タンクと、前記貯湯タンクの下部から抜き出した水を加熱して湯とし、その湯を前記貯湯タンクの上部に戻す湯生成手段と、前記貯湯タンク内に貯えられた湯を前記世帯のそれぞれに導いて各世帯の給湯端末に供給する複数の端末給湯路であってそれぞれには前記貯湯タンクからの湯を所定の端末給湯温度となるように前記給水管からの水と混合する端末混合弁が配設された端末給湯路と、前記貯湯タンク内に貯えられた湯を前記世帯のそれぞれに導いて各世帯の浴槽に供給する複数の風呂給湯路であってそれぞれには前記貯湯タンクからの湯を所定の風呂給湯温度となるように前記給水管からの水と混合する風呂混合弁が配設された風呂給湯路と、前記世帯ごとに設けられ、対応する世帯における前記端末給湯温度および前記風呂給湯温度を各々で独立して設定可能な操作端末と、前記湯生成手段、前記端末混合弁、および前記風呂混合弁を制御する制御手段と、前記給湯端末への給湯に用いられた端末給湯熱量を測定する端末給湯熱量測定手段と、前記浴槽への給湯に用いられた風呂給湯熱量を測定する風呂給湯熱量測定手段と、前記端末給湯熱量測定手段で測定された端末給湯熱量および前記風呂給湯熱量測定手段で測定された風呂給湯熱量を前記世帯ごとに積算して前記世帯ごとの使用熱量を算出する使用熱量算出手段と、を備えた、給湯装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
上記の構成によれば、世帯ごとに設けられた操作端末を用いて端末給湯温度および風呂給湯温度を設定することによりそれぞれの世帯の給湯端末または浴槽に所望の温度の湯を供給することができるので、複数世帯が共用するのに適した給湯装置となっている。
【0012】
しかも、本発明の構成では、端末給湯熱量測定手段および風呂給湯熱量測定手段ならびに使用熱量算出手段によって最終的に世帯ごとの使用熱量が算出されるようになっているので、それぞれの世帯がどのような割合でエネルギーを使用したかが分かるようになる。従って、それぞれの世帯での費用負担を明確にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る給湯装置100を示す。本実施形態では、二世帯住宅向けの二世帯用の給湯装置100について説明するが、本発明は、例えば集合住宅向けの三世帯以上の複数世帯用の給湯装置にも適用可能である。なお、本明細書では、説明の便宜のために、図1の左側の世帯を左世帯、右側の世帯を右世帯という。
【0015】
給湯装置100は、貯湯タンク20を有する貯湯タンクユニット2と、加熱体としてのヒートポンプユニット1と、全体的な制御などを行う処理装置8と、世帯ごとに設けられた操作端末6A,6Bとを備えている。
【0016】
貯湯タンク20は、下部に供給される水によって湯を上部から押し出し可能に貯えるものであり、貯湯タンク20内では、比重差によって高温の湯が上側に低温の水が下側に片寄って温度分布が形成される。具体的には、貯湯タンク20の下部には、水道管などの水源(図示せず)から延びる給水管10が接続されている。給水管10には、上流側から順に、給水加圧ポンプ11、減圧弁12が設けられていて、貯湯タンク20の下部には、貯湯タンク20内の圧力が減圧弁12で設定された圧力に保たれるように水源からの水が供給されるようになっている。貯湯タンク20の容量は、例えば二世帯用であれば450〜600Lである。なお、水源から送られる水の圧力が十分に高い場合には給水加圧ポンプ11を省略してもよい。さらに、給水管10には、減圧弁12より下流側に、当該給水管10内を流れる水の温度を計測する給水温度センサ14が設けられている。
【0017】
ヒートポンプユニット1は、図2に示すように、冷媒回路1aを有している。この冷媒回路1aは、冷媒を圧縮する圧縮機1bと、圧縮された冷媒を貯湯タンク20内の水と熱交換させて放熱させる高圧側熱交換器1cと、放熱した冷媒を膨張させる膨張手段1dと、膨張した冷媒をファン1fによって送風される空気と熱交換させて蒸発させる低圧側熱交換器1eとが順に接続されて構成されている。冷媒としては、代替フロンまたはアンモニアなどを用いることも可能であるが、二酸化炭素を用いることが好ましい。二酸化炭素を用いれば、圧縮された冷媒が超臨界状態となるため、高いエネルギー効率で高温(例えば90℃)の湯を生成できるからである。なお、膨張手段1dとしては、単なる膨張弁であってもよいし、膨張する冷媒から動力を回収するための膨張機であってもよい。
【0018】
貯湯タンク20とヒートポンプユニット1の高圧側熱交換器1cとは、送水管21および送湯管22でループ状に接続されている。具体的には、貯湯タンク20の下部と高圧側熱交換器1cの被加熱流体流入口とが送水管21で接続され、貯湯タンク20の上部と高圧側熱交換器1cの被加熱流体流出口とが送湯管22で接続されている。また、送水管21の途中には、沸き上げポンプ23が貯湯タンクユニット2内に位置するように設けられている。そして、沸き上げポンプ23の稼働によって、貯湯タンク20内の水は、送水管21を介して下部から抜き出されて高圧側熱交換器1cに送られ、ここで加熱されて高温の湯となる。生成された高温の湯は、送湯管22を介して貯湯タンク20の上部に戻される。このようにして、貯湯タンク20内には、上側から高温の湯が貯えられる。すなわち、送水管21、ヒートポンプユニット1、送湯管22、および沸き上げポンプ23は、貯湯タンク20の下部から抜き出した水を加熱して湯とし、その湯を貯湯タンク20の上部に戻す湯生成手段15を構成する。なお、沸き上げポンプ23は、ヒートポンプユニット1内に位置するように設けられていてもよいし、送湯管22の途中に設けられていてもよい。
【0019】
さらに、送湯管22の高圧側熱交換器1cの近傍には、生成された湯の温度を計測する沸き上げ温度センサ97が設けられている。また、貯湯タンク20には、図1に示すように、当該貯湯タンク20の表面温度を計測する複数の貯湯温度センサ90が上下方向に並んで配設されている。貯湯タンク20内では上述したような温度分布が形成されるので、貯湯温度センサ90で計測された温度から貯湯タンク20内にどれだけの量の湯が貯えられているかを把握することができる。
【0020】
貯湯タンクユニット2は、貯湯タンク20の他に、貯湯タンク20内に貯えられた湯を各世帯に導くための2つの給湯路3A,3Bを有している。左世帯に湯を導く給湯路3Aは、貯湯タンク20内に貯えられた湯を、左世帯の蛇口、シャワーなどの給湯端末4Aに供給する端末給湯路3aと、貯湯タンク20内に貯えられた湯を左世帯の浴槽5Aに供給する風呂給湯路3bとを含んでいる。右世帯に湯を導く給湯路3Bは、貯湯タンク20内に貯えられた湯を、右世帯の蛇口、シャワーなどの給湯端末4Bに供給する端末給湯路3cと、貯湯タンク20内に貯えられた湯を右世帯の浴槽5Bに供給する風呂給湯路3dとを含んでいる。また、端末給湯路3a,3cの途中には、端末混合弁71,73がそれぞれ配設されており、風呂給湯路3b,3dの途中には、風呂混合弁72,74がそれぞれ配設されている。各混合弁71〜74には、給水管10の給水温度センサ14より下流側の位置から分岐した分岐管13が接続されている。そして、端末混合弁71,73によって貯湯タンク20からの湯が給湯端末4A,4B用の所定の端末給湯温度となるように給水管10からの水(水源からの水)と混合され、風呂混合弁72,74によって貯湯タンク20からの湯が浴槽5A,5B用の所定の風呂給湯温度となるように給水管10からの水と混合されるようになっている。
【0021】
具体的には、端末給湯路3a,3cは、貯湯タンク20と端末混合弁71,73とをつなぐ第1出湯管31,35と、端末混合弁71,73と給湯端末4A,4Bとをつなぐ第1給湯管32,36とを有している。第1給湯管32,36には、当該第1給湯管32,36内を流れる、換言すれば端末給湯路3a,3cの端末混合弁71,73より下流側を流れる湯の温度を計測する端末温度センサ91,93と、当該第1給湯管32,36を通じて給湯端末4A,4Bに供給される湯の流量を計測する端末流量計32a,36aとが上流側から順に設けられている。
【0022】
一方、風呂給湯路3b,3dは、貯湯タンク20と風呂混合弁72,74とをつなぐ第2出湯管33,37と、風呂混合弁72,74と浴槽5A,5Bとを後述する二次流通路51,53を介してつなぐ第2給湯管34,38とを有している。第2給湯管34,38には、当該第2給湯管34,38内を流れる、換言すれば風呂給湯路3b,3dの風呂混合弁72,74より下流側を流れる湯の温度を計測する風呂温度センサ92,94と、当該第2給湯管34,38を通じて浴槽5A,5Bに供給される湯の流量を計測する風呂流量計34a,38aとが上流側から順に設けられている。また、第2給湯管34,38には、風呂流量計34a,38aより下流側に電磁弁75,76が設けられている。
【0023】
なお、図1に示す例では、貯湯タンク20の近傍では、左世帯側の第1出湯管31と第2出湯管33とが合流して一本の管となり、右世帯側の第1出湯管35と第2出湯管37とが合流して一本の管となっているが、第1出湯管31,35同士が合流して一本の管となり、第2出湯管33,37同士が合流して一本の管となっていてもよい。あるいは、全ての出湯管31,33,35,37が合流して一本の管となっていてもよい。また、図1に示す例では、左世帯側の第2出湯管33から分岐する枝管28に、圧力逃がし弁29が設けられているが、圧力逃がし弁29を設ける位置は適宜変更可能である。
【0024】
さらに、貯湯タンクユニット2は、浴槽5A,5B内の湯水を循環させながら再び加熱する追い焚き運転を行うための構成を有している。具体的には、貯湯タンクユニット2は、世帯ごとに設けられた風呂熱交換器55,56と、貯湯タンク20内の高温の湯を風呂熱交換器55,56を経由して流通させる一次流通路24,26と、浴槽5A,5B内の湯水を風呂熱交換器55,56を経由して流通させる二次流通路51,53とを備えている。そして、風呂熱交換器55,56では、一次流通路24,26を流れる高温の湯と二次流通路51,53を流れる湯水とで熱交換が行われて、浴槽5A,5B内の湯水が追い焚きされる。
【0025】
詳しくは、一次流通路24,26の一端は給湯路3A,3Bを介して貯湯タンク20の上部に接続され、他端は貯湯タンク20の下部に直接接続されている。一次流通路24,26には、他端と風呂熱交換器55,56の間に追い焚きポンプ25,27が設けられていて、貯湯タンク内の高温の湯が一次流通路24,26を一端から他端に向かって流れるようになっている。また、一次流通路24,26には、風呂熱交換器55,56より上流側を流れる湯の温度を計測する入口温度センサ98a,99aと、風呂熱交換器55,56より下流側を流れる湯の温度を計測する出口温度センサ98b,99bとが設けられている。さらに、一次流通路24,26には、出口温度センサ98b,99bと追い焚きポンプ25,27との間に当該一次流通路24,26を流れる湯の流量を計測する追い焚き流量計24a,26aが設けられている。
【0026】
一方、二次流通路51,53の両端は、浴槽5A,5Bに接続されており、二次流通路51,53の途中には、風呂ポンプ52,54が設けられている。また、二次流通路51,53には、風呂ポンプ52,54より上流側に当該二次流通路51,53を流れる湯水の温度を計測する追い焚き温度センサ95,96が設けられているとともに、風呂ポンプ52,54より下流側に前述した第2給湯管34,38が接続されている。
【0027】
処理装置8は、マイクロコンピュータまたはDSP(digital signal processor)などで構成されており、図4に示すように、制御手段81、端末給湯熱量算出手段82、風呂給湯熱量算出手段83、追い焚き熱量算出手段84、および使用熱量算出手段85を有している。処理装置8には、操作端末6A,6Bが有線または無線で通信可能に接続されているとともに、上述した各種の温度センサ14,90〜97,98a,98b,99a,99bおよび各種の流量計32a,34a,36a,38a,24a,26aが接続されている。そして、処理装置8の制御手段81は、予め記憶されたプログラムに従って、ヒートポンプユニット1、端末混合弁71,73、風呂混合弁72,74、および上述した各種のポンプ11,23,25,27,52,54の制御を行う。なお、端末給湯熱量算出手段82、風呂給湯熱量算出手段83、追い焚き熱量算出手段84、および使用熱量算出手段85が行う処理については後述する。
【0028】
操作端末6A,6Bは、対応する世帯における端末給湯温度および風呂給湯温度を各々で独立して設定可能なものである。すなわち、左世帯の操作端末6Aでは、左世帯における端末給湯温度および風呂給湯温度が設定可能となっており、右世帯の操作端末6Bでは、右世帯における端末給湯温度および風呂給湯温度が設定可能となっている。各操作端末6A,6Bは、台所もしくは洗面所などに設置される台所リモコン6aと、浴室内に設置される風呂リモコン6bで構成されている。そして、端末給湯温度は、台所リモコン6aと風呂リモコン6bのどちらでも設定可能となっており、風呂給湯温度は、風呂リモコン6bで設定可能となっている。なお、風呂給湯温度を台所リモコン6aでも設定できるようにすることも可能である。
【0029】
具体的には、台所リモコン6aは、図3(a)に示すように、表示部61と、メニューボタン62a、変更ボタン62b、および確定ボタン62cからなる入力部62とを有している。また、台所リモコン6aには、浴槽5A,5Bへの湯張りを開始する風呂自動スイッチ63aが設けられている。
【0030】
ユーザーは、メニューボタン62aを押すことにより、台所リモコン6aを、端末給湯温度を設定可能な状態にすることができ、この状態で変更ボタン62bを操作することにより、端末給湯温度を所望の温度(通常は、最高60℃)に設定することができる。設定された端末給湯温度は、表示部61および後述する風呂リモコン6bの表示部65に表示される。
【0031】
さらに、表示部61には、処理装置8が貯湯温度センサ90で計測された温度から把握した貯湯タンク20内の残湯量も表示されるようになっている。
【0032】
一方、風呂リモコン6bは、図3(b)に示すように、台所リモコン6aと同様に、表示部65と、メニューボタン66a、変更ボタン66b、および確定ボタン66cからなる入力部66とを有している。また、風呂リモコン6bには、浴槽5A,5Bへの湯張りを開始する風呂自動スイッチ67aと、追い焚きを開始する追い焚きスイッチ67bとが設けられている。
【0033】
ユーザーは、メニューボタン66aを押すことにより、風呂リモコン6bを、端末給湯温度を設定可能な状態にすることができ、この状態で変更ボタン66bを操作することにより、台所リモコン6aと同様に端末給湯温度を所望の温度に設定することができる。設定された端末給湯温度は、表示部65および前述した台所リモコン6aの表示部61に表示される。
【0034】
また、ユーザーは、メニューボタン66aを押すことにより、風呂リモコン6bを、風呂給湯温度を設定可能な状態にすることができ、この状態で変更ボタン66bを操作することにより、風呂給湯温度を所望の温度(通常は、32〜48℃程度)に設定することができる。設定された風呂給湯温度は、表示部65に表示される。
【0035】
さらに、ユーザーは、メニューボタン66aを押すことにより、風呂リモコン6bを、追い焚き温度を設定可能な状態にすることができ、この状態で変更ボタン66bを操作することにより、それぞれの風呂リモコン6bで個別に追い焚き温度を所望の温度(通常は、32〜48℃程度)に設定することができる。設定された追い焚き温度は、表示部65に表示される。
【0036】
次に、制御手段81が行う主な制御について詳しく説明する。
【0037】
<沸き上げ運転>
制御手段81は、貯湯温度センサ90で計測される温度に基づいて貯湯タンク20内に必要な量の湯が貯えられているか否かを判定し、貯湯タンク20内に必要な量の湯が残っていないと判定した場合には、適切なタイミング(例えば、使用湯量が多くなる前の夕方、電気料金の安い深夜のうち明け方近くなど)で、ヒートポンプユニット1および沸き上げポンプ23を稼働させる。沸き上げポンプ23については、沸き上げ温度センサ97で計測される温度が所定の沸き上げ温度となるように回転数を調整する。これにより、貯湯タンク20内には、所定の沸き上げ温度の湯が上側から貯えられる。そして、制御手段81は、貯湯タンク20内に必要な量の湯が貯えられたと判定したときに、ヒートポンプユニット1および沸き上げポンプ23を停止させて湯生成手段15による湯の生成(沸き上げ)を終了する。
【0038】
<端末給湯運転>
給湯端末4A,4Bの給湯栓が開かれると、制御手段81は、端末温度センサ91,93で計測される温度が台所リモコン6aまたは風呂リモコン6bで設定された端末給湯温度となるように端末混合弁71,73を制御して、貯湯タンク20からの湯と給水管10からの水との混合比率を調整する。これにより、左世帯の給湯端末4Aには、貯湯タンク20からの湯が左世帯の操作端末6Aで設定された端末給湯温度に調節されて供給され、右世帯の給湯端末4Bには、貯湯タンク20からの湯が右世帯の操作端末6Bで設定された端末給湯温度に調節されて供給される。給湯栓が閉じられると、給湯端末4A,4Bへの給湯が終了する。
【0039】
<湯張り運転>
台所リモコン6aまたは風呂リモコン6bの風呂自動スイッチ63a,67aが押されると、制御手段81は、電磁弁75,76を開くとともに、風呂温度センサ92,94で計測される温度が風呂リモコン6bで設定された風呂給湯温度となるように風呂混合弁72,74を制御して、貯湯タンク20からの湯と給水管10からの水との混合比率を調整する。これにより、左世帯の浴槽5Aには、貯湯タンク20からの湯が左世帯の操作端末6Aで設定された風呂給湯温度に調節されて供給され、右世帯の浴槽5Bには、貯湯タンク20からの湯が右世帯の操作端末6Bで設定された風呂給湯温度に調節されて供給される。その後、制御手段81は、二次流通路51,53に設けられた図略の水位センサで検出される水位が所定の浴槽水位となった時に、電磁弁75,76を閉じて浴槽5A,5Bへの湯張りを終了する。
【0040】
<追い焚き運転>
風呂リモコン6bの追い焚きスイッチ67bが押されると、制御手段81は、追い焚きポンプ25,27および風呂ポンプ52,54を稼働させる。その後、制御手段81は、追い焚き温度センサ95,96で計測される温度が風呂リモコン6bで設定された追い焚き温度となった時に、追い焚きポンプ25,27および風呂ポンプ52,54を停止させて追い焚きを終了する。
【0041】
次に、処理装置8の端末給湯熱量算出手段82、風呂給湯熱量算出手段83、追い焚き熱量算出手段84、および使用熱量算出手段85が行う処理について詳しく説明する。
【0042】
端末給湯熱量算出手段82は、給湯端末4A,4Bへの給湯に用いられた端末給湯熱量を、端末給湯運転が行われるたびに世帯別に算出する。具体的には、端末給湯熱量算出手段82は、左世帯については、端末流量計32aで計測される流量Q1A、端末温度センサ91で計測される温度T1A、および給水温度センサ14で計測される温度T0から次式(1)に従って左世帯の端末給湯熱量H1Aを算出する。
1A=(T1A−T0)×Q1A ・・・ 式(1)
同様にして、端末給湯熱量算出手段82は、右世帯についても、端末流量計36aで計測される流量Q1B、端末温度センサ93で計測される温度T1B、および給水温度センサ14で計測される温度T0から右世帯の端末給湯熱量H1Bを算出する。
【0043】
すなわち、端末流量計32a,36a、端末温度センサ91,93、給水温度センサ14、および端末給湯熱量算出手段82は、給湯端末4A,4Bへの給湯に用いられた端末給湯熱量を測定する端末給湯熱量測定手段を構成する。なお、本実施形態では、正確な端末給湯熱量を測定するために給水温度センサ14を採用しているが、上記式(1)では、T0に代えて、例えば季節に応じた推定温度を使用するようにしてもよい。
【0044】
風呂給湯熱量算出手段83は、浴槽5A,5Bへの給湯に用いられた風呂給湯熱量を、湯張り運転が行われるたびに世帯別に算出する。具体的には、風呂給湯熱量算出手段83は、左世帯については、風呂流量計34aで計測される流量Q2A、風呂温度センサ92で計測される温度T2A、および給水温度センサ14で計測される温度T0から次式(2)に従って左世帯の風呂給湯熱量H2Aを算出する。
2A=(T2A−T0)×Q2A ・・・ 式(2)
同様にして、風呂給湯熱量算出手段83は、右世帯についても、風呂流量計38aで計測される流量Q2B、風呂温度センサ94で計測される温度T2B、および給水温度センサ14で計測される温度T0から右世帯の風呂給湯熱量H2Bを算出する。
【0045】
すなわち、風呂流量計34a,38a、風呂温度センサ92,94、給水温度センサ14、および風呂給湯熱量算出手段83は、浴槽5A,5Bへの給湯に用いられた風呂給湯熱量を測定する風呂給湯熱量測定手段を構成する。なお、本実施形態では、正確な風呂給湯熱量を測定するために給水温度センサ14を採用しているが、上記式(2)では、上述したのと同様に、T0に代えて、例えば季節に応じた推定温度を使用するようにしてもよい。
【0046】
追い焚き熱量算出手段84は、浴槽5A,5B内の湯水の追い焚きに用いられた追い焚き熱量を、追い焚き運転が行われるたびに世帯別に算出する。具体的には、追い焚き熱量算出手段84は、左世帯については、追い焚き流量計24aで計測される流量Q3A、入口温度センサ98aで計測される温度T3A、および出口温度センサ98bで計測される温度T4Aから次式(3)に従って左世帯の追い焚き熱量H3Aを算出する。
3A=(T3A−T4A)×Q3A ・・・ 式(3)
同様にして、追い焚き熱量算出手段84は、右世帯についても、追い焚き流量計26aで計測される流量Q3B、入口温度センサ99aで計測される温度T3B、および出口温度センサ99bで計測される温度T4Bから右世帯の追い焚き熱量H3Bを算出する。
【0047】
使用熱量算出手段85は、端末給湯熱量算出手段82が算出した端末給湯熱量H1A,H1B、風呂給湯熱量算出手段83が算出した風呂給湯熱量H2A,H2B、および追い焚き熱量算出手段84が算出した追い焚き熱量H3A,H3Bを世帯ごとに積算し、世帯ごとの使用熱量を算出する。具体的には、使用熱量算出手段85は、左世帯については、端末給湯熱量H1A、風呂給湯熱量H2A、および追い焚き熱量H3Aのいずれかが新たに算出されると、それを既に記憶している累積熱量HA’に加算して使用熱量HAを算出し、これを累積熱量として記憶し直す。右世帯についても同様に、使用熱量算出手段85は、端末給湯熱量H1B、風呂給湯熱量H2B、および追い焚き熱量H3Bのいずれかが新たに算出されると、それを既に記憶している累積熱量HB’に加算して使用熱量HBを算出し、これを累積熱量として記憶し直す。また、使用熱量算出手段85は、算出した左世帯の使用熱量HAを左世帯の台所リモコン6aに、右世帯の使用熱量HBを右世帯の台所リモコン6aに送信して、対応する世帯の使用熱量を表示部61に表示させる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の給湯装置100では、端末給湯熱量算出手段82、風呂給湯熱量算出手段83、追い焚き熱量算出手段84、および使用熱量算出手段85によって最終的に世帯ごとの使用熱量HA,HBが算出されるようになっているので、それぞれの世帯がどのような割合でエネルギーを使用したかが分かるようになる。従って、それぞれの世帯での費用負担を明確にすることができる。例えば、左世帯の費用負担比率をHA/(HA+HB)とすれば、費用負担の公平性が得られるようになる。
【0049】
また、世帯ごとの使用熱量HA,HBはそれぞれの世帯の台所リモコン6aの表示部61に表示されるようになっているので、熱量の使用状況を随時確認することができる。
【0050】
ここで、本実施形態では、台所リモコン6aの表示部61には対応する世帯の使用熱量が表示されるようになっているが、使用熱量算出手段85が例えば左世帯の使用熱量を右世帯の台所リモコン6aにも送信するようにして、対応する世帯以外の世帯の使用熱量を表示部61に表示させるようにしてもよい。このようにすれば、例えば左世帯が高齢者世帯であって右世帯がその親族世帯である場合には、親族世帯が高齢者世帯の使用熱量を確認することによって高齢者世帯の異変を察知することができるため、安全性および利便性が向上する。
【0051】
なお、前記実施形態では、制御手段81、端末給湯熱量算出手段82、風呂給湯熱量算出手段83、追い焚き熱量算出手段84、および使用熱量算出手段85が処理装置8として1つのユニットになっている形態を示したが、これらの手段81〜85は別々のユニットになっていてもよい。また、端末給湯熱量算出手段82、風呂給湯熱量算出手段83、および追い焚き熱量算出手段84は、世帯ごとに設けられていて、1つの熱量算出手段で1つの世帯の熱量が算出されるようになっていてもよい。この場合、例えば、左世帯用の端末給湯熱量算出手段を端末温度センサ91および端末流量計32aの近傍に配設してもよい。
【0052】
前記実施形態の給湯装置100は、追い焚きするための構成として、風呂熱交換器55,56、一次流通路24,26、および二次流通路51,53を備えているが、追い焚きするための構成は必須の構成ではなく省略可能である。追い焚きするための構成を省略した場合、使用熱量算出手段84は、端末給湯熱量算出手段82が算出した端末給湯熱量および風呂給湯熱量算出手段83が算出した風呂給湯熱量を世帯ごとに積算して世帯ごとの使用熱量を算出するようになる。
【0053】
また、前記実施形態では、二世帯住宅向けの二世帯用の給湯装置100を示したが、集合住宅向けの三世帯以上の複数世帯用の給湯装置とするには、給湯路3A,3Bおよび操作端末6A,6Bなどの数を世帯数に合わせて増やせばよい。
【0054】
さらに、例えば集合住宅向けの給湯装置とする場合は、使用熱量算出手段85が算出した世帯ごとの使用熱量を発信するための通信手段をさらに設け、この通信手段によって世帯ごとの使用熱量を例えば管理センターに送信するようにしてもよい。このようにすれば、集中管理を行うことが可能になり、各世帯の費用負担額を一括して計算できるようになる。
【0055】
また、貯湯タンク20内の水を加熱する加熱体としては、ヒートポンプユニット1以外にも、電気ヒータ、ガス燃焼機器などを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態に係る給湯装置の概略構成図である。
【図2】図1の給湯装置におけるヒートポンプユニットの概略構成図である。
【図3】(a)は台所リモコンの正面図、(b)は風呂リモコンの正面図である。
【図4】図1の給湯装置のブロック図である。
【図5】従来の給湯装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0057】
1 ヒートポンプユニット
1a 冷媒回路
1b 圧縮機
1c 高圧側熱交換器
1d 膨張手段
1e 低圧側熱交換器
10 給水管
14 給水温度センサ
15 湯生成手段
2 貯湯タンクユニット
20 貯湯タンク
21 送水管
22 送湯管
23 沸き上げポンプ
24,26 一次流通路
24a,26a 追い焚き流量計
3A,3B 給湯路
3a,3c 端末給湯路
3b,3d 風呂給湯路
30A,30B 流量計(計測手段)
32a,46a 端末流量計
34a,38a 風呂流量計
4A,4B 給湯端末
5A,5B 浴槽
51,53 二次流通路
55,56 風呂熱交換器
6A,6B 操作端末
6a 台所リモコン
6b 風呂リモコン
61,65 表示部
62,66 入力部
71,73 端末混合弁
72,74 風呂混合弁
8 処理装置
81 制御手段
82 端末給湯熱量算出手段
83 風呂給湯熱量算出手段
84 追い焚き熱量算出手段
85 使用熱量算出手段
91,93 端末温度センサ
92,94 風呂温度センサ
98a,99a 入口温度センサ
98b,99b 出口温度センサ
100 給湯装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数世帯用の給湯装置であって、
給水管から下部に水が供給される貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの下部から抜き出した水を加熱して湯とし、その湯を前記貯湯タンクの上部に戻す湯生成手段と、
前記貯湯タンク内に貯えられた湯を前記世帯のそれぞれに導いて各世帯の給湯端末に供給する複数の端末給湯路であってそれぞれには前記貯湯タンクからの湯を所定の端末給湯温度となるように前記給水管からの水と混合する端末混合弁が配設された端末給湯路と、
前記貯湯タンク内に貯えられた湯を前記世帯のそれぞれに導いて各世帯の浴槽に供給する複数の風呂給湯路であってそれぞれには前記貯湯タンクからの湯を所定の風呂給湯温度となるように前記給水管からの水と混合する風呂混合弁が配設された風呂給湯路と、
前記世帯ごとに設けられ、対応する世帯における前記端末給湯温度および前記風呂給湯温度を各々で独立して設定可能な操作端末と、
前記湯生成手段、前記端末混合弁、および前記風呂混合弁を制御する制御手段と、
前記給湯端末への給湯に用いられた端末給湯熱量を測定する端末給湯熱量測定手段と、
前記浴槽への給湯に用いられた風呂給湯熱量を測定する風呂給湯熱量測定手段と、
前記端末給湯熱量測定手段で測定された端末給湯熱量および前記風呂給湯熱量測定手段で測定された風呂給湯熱量を前記世帯ごとに積算して前記世帯ごとの使用熱量を算出する使用熱量算出手段と、を備えた、給湯装置。
【請求項2】
前記端末給湯量測定手段は、前記端末給湯路のそれぞれに設けられた、前記端末混合弁より下流側を流れる湯の温度を計測する端末温度センサおよび前記給湯端末に供給される湯の流量を計測する端末流量計と、前記端末温度センサで計測される温度および前記端末流量計で計測される流量を用いて前記端末給湯熱量を算出する端末給湯熱量算出手段とを有し、
前記風呂給湯量測定手段は、前記風呂給湯路のそれぞれに設けられた、前記風呂混合弁より下流側を流れる湯の温度を計測する風呂温度センサおよび前記浴槽に供給される湯の流量を計測する風呂流量計と、前記風呂温度センサで計測される温度および前記風呂流量計で計測される流量を用いて前記風呂給湯熱量を算出する風呂給湯熱量算出手段とを有する、請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記給水管には、当該給水管内を流れる水の温度を計測する給水温度センサが設けられており、
前記端末給湯熱量算出手段は、前記端末流量計で計測される流量ならびに前記端末温度センサおよび前記給水温度センサで計測される温度から前記端末給湯熱量を算出し、
前記風呂給湯熱量算出手段は、前記風呂流量計で計測される流量ならびに前記風呂温度センサおよび前記給水温度センサで計測される温度から前記風呂給湯熱量を算出する、請求項2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記世帯ごとに設けられた、前記浴槽内の湯水を追い焚きするための風呂熱交換器と、前記貯湯タンク内の湯を前記風呂熱交換器を経由して流通させる一次流通路と、前記浴槽内の湯水を前記風呂熱交換器を経由して流通させる二次流通路と、をさらに備え、
前記一次流通路には、前記風呂熱交換器より上流側を流れる湯の温度を計測する入口温度センサと、前記風呂熱交換器より下流側を流れる湯の温度を計測する出口温度センサと、当該一次流通路を流れる湯の流量を計測する追い焚き流量計とが設けられており、
前記追い焚き流量計で計測される流量ならびに前記入口温度センサおよび前記出口温度センサで計測される温度から前記追い焚きに用いられた追い焚き熱量を算出する追い焚き熱量算出手段をさらに備え、
前記使用熱量算出手段は、前記端末給湯熱量算出手段が算出した端末給湯熱量、前記風呂給湯熱量算出手段が算出した風呂給湯熱量、および前記追い焚き熱量算出手段が算出した追い焚き熱量を前記世帯ごとに積算して前記世帯ごとの使用熱量を算出する、請求項2または3に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記操作端末のそれぞれは表示部を有し、前記操作端末の前記表示部には当該操作端末と対応する世帯の前記使用熱量が表示される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項6】
前記操作端末の前記表示部には、当該操作端末と対応する世帯以外の世帯の前記使用熱量も表示される、請求項5に記載の給湯装置。
【請求項7】
前記世帯ごとの前記使用熱量を発信するための通信手段をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項8】
前記湯生成手段は、圧縮機、高圧側熱交換器、膨張手段、および低圧側熱交換器が順に接続された冷媒回路を有するヒートポンプユニットと、前記高圧側熱交換器と前記貯湯タンクの下部とを接続する送水管と、前記高圧側熱交換器と前記貯湯タンクの上部とを接続する送湯管と、前記送水管または前記送湯管に設けられたポンプと、を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項9】
前記ヒートポンプユニットは、冷媒として二酸化炭素が用いられたものである、請求項8に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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