給紙ユニット
【課題】プリント媒体の幅方向の位置を規制するガイド体の位置を容易に調整することができる給紙ユニットを提供する。
【解決手段】給紙ユニットBは、プリント媒体を積層状態で載置する載置板55を備えている。載置板55は、載置板55に平行姿勢の軸芯X周りで揺動自在に支持され、プリント媒体Pを幅方向から挟み込む一対のガイド体55と、一対のガイド体66を幅方向に沿って互いに離間または近接方向に移動させるガイド幅調節機構Wとを備えている。ガイド幅調節機構Wは、載置板55に備えた操作具67と、操作具67の操作に連動して前記一対のガイド体66に対して互いに離間または近接方向への作動力を作用させる作動機構とを備えた。
【解決手段】給紙ユニットBは、プリント媒体を積層状態で載置する載置板55を備えている。載置板55は、載置板55に平行姿勢の軸芯X周りで揺動自在に支持され、プリント媒体Pを幅方向から挟み込む一対のガイド体55と、一対のガイド体66を幅方向に沿って互いに離間または近接方向に移動させるガイド幅調節機構Wとを備えている。ガイド幅調節機構Wは、載置板55に備えた操作具67と、操作具67の操作に連動して前記一対のガイド体66に対して互いに離間または近接方向への作動力を作用させる作動機構とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、搬出時のプリント媒体の蛇行等を防止するために、給紙ユニットには搬出方向に直交する幅方向でプリント媒体の位置を規制するガイド体が備えられている。従来は、プリント媒体を載置する載置板上に、使用するプリント媒体のサイズに応じて複数のネジ孔が形成されており、ガイド体はそのネジ孔にネジ留め等されていた。
【0003】
しかしながら、プリント媒体を頻繁に変更する等の場合には、その都度ネジ留めを変更する必要があり、非常に煩雑であった。また、プリント媒体は湿度等の影響によりサイズが変わるものがある。そのような場合には、ガイド体の位置を微調整する必要があるが、ネジ孔は所定間隔をあけて離散的に設けられているため、ガイド体の位置を微調整することができない。
【0004】
一方、特許文献1の技術のように、ガイド体の位置を連続的に変更できるものがある。特許文献1の技術では、シートトレイ上でスライド可能に設けられ、シートトレイに載置されたシートの端部に当接されるガイド面を有するシートガイド(本発明のガイド体に相当)が備えられている。このサイドガイドは、略L字状に形成されたL字部材と、L字部材から幅方向中央側へ延出されたラックギアとを有しており、L字部材は、トレイ本体の上面に沿わされる底板と、底板の幅方向外側の端部から起立されたガイド板とを有している。ラックギアは、底板から幅方向中央側へ延出され、それぞれのラックギアは、トレイ本体の幅方向中央に埋設されたピニオンギアに噛合されている。このように構成することにより、いずれか一方のサイドガイドがスライドされると、他方のサイドガイドが連動して相反する方向へスライドされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008‐169011号公報(段落番号0012、0013、0048、0049、図4、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、給紙ユニットにおけるガイド体は、容易に位置変更ができ、しかも位置の微調整が可能なものが望ましい。しかしながら、ガイド体をネジ留めする従来技術では、位置変更が煩雑であるだけでなく、微調整を行うことができない。一方、特許文献1の技術では、一方のサイドガイドをスライドさせるだけで、サイドガイド間の中央位置を略保った状態で、サイドガイド間の幅を調整することができる。しかしながら、位置の微調整を行うためには微妙な力加減が必要であるため、微調整は困難である。
【0007】
本発明の目的は、プリント媒体の幅方向の位置を規制するガイド体の位置を容易に調整することができる給紙ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の給紙ユニットは、シート状のプリント媒体を載置板上に積層状態で収容し、プリント装置に当該プリント媒体を搬出供給する給紙ユニットであって、前記載置板は、当該プリント媒体の搬出方向における下流側となる搬出側端部を上下に移動させるように、当該搬出方向と直交し当該載置板に平行な方向の姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持され、前記プリント媒体上における前記搬出方向と直交する幅方向から、前記載置板上に載置される前記プリント媒体を挟み込む一対のガイド体と、前記一対のガイド体を前記幅方向に沿って互いに離間または近接方向に移動させるガイド幅調節機構と、を備え、前記ガイド幅調節機構は、前記載置板に備えた操作具と、当該操作具の操作に連動して前記一対のガイド体に対して互いに離間または近接方向への作動力を作用させる作動機構とを備えている。
【0009】
この構成では、操作具への操作に応じて、作動機構が一対のガイド体を互いに離間または近接する方向に移動させる。これにより、ガイド体間の中央位置を保持した状態で、容易にガイド体の位置を変更することができる。
【0010】
本発明の給紙ユニットの好適な実施形態の一つでは、前記作動機構が、右ネジ部と左ネジ部とを有すると共に、前記軸芯と平行姿勢で前記載置板の下面側に備えられたネジ軸と、前記ネジ軸の右ネジ部と左ネジ部とに螺合すると共に回転規制されたナットと、前記ナットと前記ガイド体とを連結する連結体とで構成され、前記操作具が、前記ネジ軸を回転操作する円板状のノブで構成されている。
【0011】
この構成では、ネジ部とナットによりボールネジ機構が構成され、ノブに与えられる回転操作がネジ部を介してナットの直進力に変換される。これにより、ノブを回転させるだけで、ガイド体の位置を変更することができる。特に、ノブの回転量に比べてナットの直進量が小さくなるように構成すると、ガイド体の位置の微調整が容易になり、好適である。
【0012】
一般的には、プリント媒体のサイズは、幅と搬送方向の長さの関係が定められている。したがって、プリント媒体の幅が既知であれば、その搬送方向の長さも知ることができる。この関係を利用して、本発明の給紙ユニットの好適な実施形態の一つでは、前記載置板上に載置される前記プリント媒体の前記搬出方向における上流側の端部の位置を規制する位置規制体と、前記位置規制体の位置を調節する規制位置調節機構と、を備え、前記規制位置調節機構は、前記ガイド体の位置に連動して規制位置の調節を行う。
【0013】
この構成では、規制位置調整機構が、ガイド体の位置に連動してプリント媒体の搬出方向上流側の端部の位置を規制する位置規制体の位置を変更する。これにより、ガイド体の位置を変更するだけで、位置規制体の位置をも変更することができる。
【0014】
本発明のように揺動する載置板とピックアップローラとを用いた給紙ユニットでは、ピックアップローラからプリント媒体への押圧力が使用するプリント媒体のサイズ等により異なる。このような状態は、プリント媒体の重送を防止する観点からは望ましくなく、常に一定の押圧力が係ることが望ましい。
【0015】
そのため、本発明の給紙ユニットの好適な実施形態の一つでは、前記載置板の前記搬出側端部を上方に移動させた際に前記プリント媒体の上面に当接して搬出力を作用させるピックアップローラと、前記載置板の前記搬出方向における上流側位置に、前記搬出方向に沿って移動自在に設けられたバランスウエイトと、前記搬出方向における前記バランスウエイトの位置を設定するバランス位置設定機構と、を備え、前記バランス位置設定機構は、前記一対のガイド体の離間距離が大きくなるほど、前記バランスウエイトを前記上流側位置に移動させる。
【0016】
この構成では、ガイド体の離間距離すなわち使用するプリント媒体のサイズに応じてバランスウェイトの位置が変更される。これにより、使用するプリント媒体のサイズに関係なく、プリント媒体に一定の押圧力を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の異なる方向からの斜視図である。
【図2】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の縦断側面図である。
【図3】プリント装置本体に連結した給紙ユニットの縦断側面図である。
【図4】プリント装置本体に連結した本発明の給紙ユニットの側面図である。
【図5】上部カバーを外した状態の本発明の給紙ユニットの上面図である。
【図6】本発明の給紙ユニットのガイド幅調節機構の構造を示す平面図である。
【図7】本発明の給紙ユニットの位置規制体の断面図である。
【図8】本発明の給紙ユニットのロック機構の斜視図である。
【図9】本発明の給紙ユニットの取り外し時の動作を表す図である。
【図10】本発明の給紙ユニットの装着時の動作を表す図である。
【図11】本発明の給紙ユニットの給紙時の縦断側面図である。
【図12】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の機能要素を表す機能ブロック図である。
【図13】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の搬出時における制御処理の流れを表すフローチャートである。
【図14】本発明の給紙ユニットを使用するプリン装置の重送を防止するための制御を示す図である。
【図15】別実施形態におけるバランス位置設定機構を示す模式図である。
【図16】別実施形態における規制位置調節機構を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1から図2には、本発明の給紙ユニットが使用されたプリント装置の全体構成が示されている。図から明らかなように、プリント装置本体Aの前部位置には、給紙ユニットBと、回収ユニットCとを備えている。プリント装置本体Aの内部には、給紙ユニットBから搬出されたシート状のプリント媒体Pにインクを吐出して画像情報や文字情報等をプリントするプリント部Dと、プリント後のプリント媒体Pの切断を行う切断部Eと、プリント媒体Pに乾燥空気を吹き付けてプリント媒体Pを乾燥させる乾燥部Fと、乾燥後のプリント媒体Pを回収ユニットCまで搬送する搬送ユニットGと、人為的に供給されるプリント媒体Pを搬送する補助搬送ユニットHと、が備えられている。
【0019】
また、プリント装置本体Aの前面側の下部には、複数のインクカートリッジ1の収容部2と、切断部Eにおいて切断されたプリント媒体Pの切断片を回収するようにドロワー状の回収容器3とが配置されている。プリント装置本体Aの上面には、プリント媒体Pを人為的に供給するためのスリット状の手差開口4が形成されている。プリント装置本体Aの内部には、プリント媒体Pの搬送を行い、プリント部Dにおいてプリントを行う等の各種処理を実現するようにマイクロプロセッサを有した制御装置5が備えられている。
【0020】
〔プリント部〕
プリント部Dは、プリント媒体Pの先端位置を検出するペーパーセンサ10と、プリント媒体Pの搬送方向の上流側及び下流側の2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させるアドバンスローラ11と、アドバンスローラ11を駆動する電動モータ(図示せず)とを備えている。また、このプリント部Dでは2箇所のアドバンスローラ11の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路上の下側に配置された基準プレート12と、基準プレート12の上方においてプリント媒体Pの搬送方向と直交する主走査方向に往復作動する2つのプリントヘッド13と、基準プレート12に形成された多数の開口(図示せず)を介して基準プレート12上のプリント媒体Pに負圧を作用させる吸引ユニット14とを備えている。
【0021】
プリント部Dでは、アドバンスローラ11で搬送されるプリント媒体Pを、吸引ユニット14から作用する負圧により基準プレート12の上面に密着させる。この密着状態でプリントヘッド13を主走査方向に往復作動させ、この往復作動と同期してプリント媒体Pの上面にインクを吐出することにより、プリント媒体P上に画像情報や文字情報等のプリント処理を実現する。
【0022】
〔切断部〕
切断部Eには、プリント媒体Pの搬送方向と直交する姿勢となる上刃16と下刃17が剪断位置関係に配置されている。また、下刃17を駆動する電動モータ(図示せず)と、切断位置のマーキングを光学的に検出するセンサ(図示せず)と、切断されたプリント媒体片を落下方向に案内するガイド筒18とを備えている。
【0023】
切断部Eでは、センサがプリント媒体Pの前端側あるいは後端側にプリントされた切断位置を示すマーキングを検出すると、下刃17を上方に向けて作動させることにより、プリント媒体Pの一部の切り離しが行われる。切り離されたプリント媒体片はガイド筒18で下方に案内され、回収容器3で回収される。回収容器3は上方が開放したドロワー状の構造を有しており、プリント装置本体Aの前方に引き出すことにより、回収したプリント媒体片の廃棄を行うことができる。
【0024】
切断作動は、上述の動作に限定されるものではなく、上刃16を下方に作動させる、単一のカッター刃をプリント媒体Pの幅方向に直線的に作動させる、ことによりプリント媒体Pの切断を行う構造のものであっても構わない。なお、この切断は常に行われるものではなく、プリント形態に応じて実行される。
【0025】
〔乾燥部〕
乾燥部Fは、プリント媒体Pの搬送方向の上流側と下流側との2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させる乾燥搬送ローラ20と、乾燥搬送ローラ20を駆動する電動モータ(図示せず)を備えている。また、この2箇所の乾燥搬送ローラ20の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路の上側から乾燥風をプリント媒体Pに吹き付けるブロワー21を備えている。
【0026】
〔搬送ユニット〕
搬送ユニットGは、プリント媒体Pを搬送する複数の圧着型の搬送ローラ24と、プリント媒体Pをガイドするガイドプレート25と、複数の搬送ローラ24で搬送されたプリント媒体Pを回収ユニットCに送り出す圧着型の排出ローラ26と、プリント媒体Pの搬送方向で排出ローラ26の上流位置に配置された排出ガイドプレート27とを備えている。
【0027】
なお、複数の搬送ローラ24は電動モータ(図示せず)によって同期駆動され、排出ローラ26は専用の電動モータ(図示せず)によって駆動される。この構成により、搬送ユニットGでは、乾燥部Fから後方側に送り出されたプリント媒体Pを上方に搬送し、この後、前方に向けて水平に搬送し、排出ローラ26から回収ユニットCに排出する搬送が行われる。
【0028】
〔補助搬送ユニット〕
補助搬送ユニットHは、搬送ユニットGの排出ローラ26と排出ガイドプレート27とにより構成されており、手差開口4に人為的に挿入されたプリント媒体Pをプリント部Dに直接的に搬送する機能を有している。排出ローラ26と排出ガイドプレート27とは排出ローラ26の一方の軸芯を中心として揺動する構成となっている。これにより、排出ローラ26と排出ガイドプレート27とは、搬送ユニットGと補助搬送ユニットHとで共有されることとなる。また、補助搬送ユニットHは、排出ローラ26と排出ガイドプレート27とより搬送方向の下流側に縦ガイドプレート28と、供給ローラ29とを備えている。
【0029】
補助搬送ユニットHを利用してプリント処理を実行する場合には、縦方向にプリント媒体Pを搬送するように排出ローラ26と排出ガイドプレート27とを揺動させ、排出ローラ26と、供給ローラ29とを駆動し、手差開口4からプリント媒体Pを供給する操作が行われる。これにより排出ローラ26、排出ガイドプレート27、縦ガイドプレート28、供給ローラ29夫々に対してプリント媒体Pが順次搬送され、プリント部Dにおいてプリント処理が行われる。
【0030】
〔回収ユニット〕
回収ユニットCは、本体ケースの前面から前方に突出する形態で着脱自在に備えられたトレイ状容器31で構成されている。また、この回収ユニットCの上部位置にはプリント媒体Pの載置が可能なラック板32を備えている。
【0031】
〔給紙ユニット〕
図3〜図6に示すように、給紙ユニットBは、プリント装置のプリント装置本体Aに対して着脱自在なカセットとして構成されている。給紙ユニットBは、プリント媒体Pの搬出側の端部(以下、搬出側端部と称する)の上下位置に対して反搬出側の端部(以下、反搬出側端部と称する)の上下位置が少し高くなるように全体的に傾斜する姿勢でプリント装置本体Aに連結される。
【0032】
給紙ユニットBは、樹脂で成る下部ケース41と、下部ケース41のプリント媒体Pの搬出側端部の上部を覆うように樹脂で成る上部ケース42と、上部ケース42の反搬出側端部に対して開閉自在に支持された透明な樹脂で成る開閉ケース43とを備えることにより密封構造となるケースBcを構成している。
【0033】
ケースBcは、上部ケース42と開閉ケース43とを横向き姿勢のヒンジ軸44で揺動自在に連結しており、開閉ケース43の上面にはオペレータが持ち運ぶ際等に握るハンドル45が備えられている。また、開閉ケース43と下部ケース41との間には開閉ケース43を閉じ姿勢に固定するバックル46を備えている。
【0034】
ケースBcでは、下部ケース41と上部ケース42と間には、収容したプリント媒体Pを搬出するスリット状の搬出口47が形成されている。また、下部ケース41の搬出側端部の壁部には、収容されているプリント媒体Pのサイズや種類等の情報がセットされるIDプレート48が備えられ、プリント装置本体Aに備えた操作アーム87が挿通する操作開口49と、プリント装置本体Aに突設された操作ロッド35が挿通する操作孔36とが形成されている。
【0035】
操作開口49には閉塞姿勢に付勢されたシャッター50が備えられている。給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した場合には、操作ロッド35の押圧力によってシャッター50が開放し、開放された操作開口49に対して操作アーム87が挿通する。操作開口49は操作アーム87を挿通させるだけでなく、操作開口49がプリント装置本体AのケースBcの内部に対する空気の流通を許す通気口としても機能する。
【0036】
また、給紙ユニットBがプリント装置本体Aから取り外された場合には、バネ付勢力によりシャッター50が操作開口49を閉じ、ケースBcが密封状態となる。このとき、後述する載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される姿勢にロックされる(これらの作動形態は、後述する)。
【0037】
IDプレート48は、複数のDIPスイッチ状の作動片を備えており、プリント媒体Pのサイズ、種類等に対応して作動片の位置が設定される。このように設定された操作位置をプリント装置本体Aに備えたセンサ(図示せず)で検出することにより、ケースBcに収容されたプリント媒体Pのサイズやペーパー種等をプリント装置本体Aで把握することができる。
【0038】
〔給紙ユニット−載置板〕
ケースBcの内部には、シート状のプリント媒体Pを積層状態で載置し、横向き姿勢の軸芯X周りで揺動自在に支持された載置板55が備えられている。また、載置板55上に積層状態にある最上部のプリント媒体Pの上面に当接して搬出力を作用させるピックアップローラ56と、ピックアップローラ56によって搬出されるプリント媒体Pの下面を案内するガイド壁60とを備えている。さらに、ガイド壁60から下方に向け、軸芯Xを中心とした載置板55の搬出側端部の移動軌跡に沿うように側面視において円弧状となる規制壁62が形成されている。
【0039】
載置板55の下面側には、プリント媒体Pの搬出方向における載置板55の中央位置に前記軸芯Xと同軸芯となる支軸63が備えられている。支軸63の両端部は下部ケース41に支持されている。これにより軸芯X周りで載置板55の搬出側端部の上下方向への移動が可能となる。また、載置板55の搬出側端部の近傍には、搬出側端部を持ち上げる方向に付勢力を作用させるリフトスプリング64が備えられている。
【0040】
載置板55の上面には、プリント媒体Pの反搬出側端部の位置を規制する位置規制体65と、プリント媒体Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)の端部の位置を規制する左右一対のガイド体66とが備えられている。位置規制体65は、図7に示すように金属板を屈曲成形して成り、プリント媒体Pの搬出方向に沿う方向に移動自在に載置板55に支持されている。ガイド体66は、載置板55に対して垂直姿勢に設定され、プリント媒体Pの搬出方向と直交する方向(幅方向)に移動自在に載置板55に支持されている。
【0041】
載置板55の下面側には、左右一対のガイド体66を互いに逆(離間または近接)方向に移動させるガイド幅調節機構Wが備えられている。ガイド幅調節機構Wは、載置板55の端部に設けられた円盤状で回転操作型のノブ67(本発明の操作具の一例)と、ノブ67の回転力で回転操作される一対のネジ軸68と、一対のネジ軸68を連動回転させるタイミングベルト69と、ネジ軸68の右ネジ部68Sに螺合するナット68N、ネジ軸68の左ネジ部68Tに螺合するナット68Nと、夫々のナット68Nを支持する一対のスライダー70とを備えている。また、夫々のスライダー70にはガイド体66に連結する連結体70Aが形成されている。このような構成により、ナット68Nは回転が規制されるため、ネジ軸68の回転力はネジ軸68の軸芯方向への直進力に変換される。また、載置板55には、プリント媒体Pの幅方向に沿って、スリット55Sが形成され、スリット55Sに対して前記連結体70Aが挿通している。
【0042】
ノブ67を回転操作すると、一対のネジ軸68が同方向に回転する。ネジ軸68の回転に伴いナット68Nも回転を開始しようとするが、上述のようにナット68Nは回転が規制されているため、回転力は直進力に変換される。このとき、夫々のネジ軸68の右ネジ部68Sに螺合するナット68Nからの直進力と、左ネジ部68Tに螺合するナット68Nからの直進力がスライダー70に対して互いに逆方向に作用する。その結果、スライダー70と連結体70Aを介して連結するガイド体66が、互いの中央位置を変更することなく互いに逆方向に移動する。これにより、ガイド体66をプリント媒体Pの幅に対応した位置にセットできる。このとき、ノブ67の回転量に比べてガイド体66の移動量が小さくなるように設定しておくと、ガイド体66の位置の微調整が可能となるため好適である。
【0043】
また、ノブ67の外周面には、軸芯方向に沿う複数の溝67Aが形成されている。この溝67Aは、ノブ67を回転操作する際の滑り止めとして機能するだけでなく、ガイド体66の位置調整の目安としても機能する。ガイド体66の位置を調整する際には、載置板55上にプリント媒体Pを載置した状態でノブ67を回転操作し、ガイド体66がプリント媒体Pを隙間なく挟み込む位置まで移動させる。その後、ノブ67をガイド体66が離間する方向に所定量回転させることにより、ガイド体66とプリント媒体Pとの間に若干の隙間を生じさせる。このとき、溝67Aは、ノブ67の回転量の目安として使用することができる。具体的には、溝67Aを目盛りとして、例えば1目盛り分ノブ67を回転させる。このように、ガイド体66とプリント媒体Pとの間に若干の隙間を設けることにより、湿度等の変化によりプリント媒体Pが膨張した場合でも、プリント媒体Pにカール等が生じることを防止することができる。
【0044】
なお、ネジ軸68、ナット68N、連結体70Aにより、本発明の作動機構を構成している。
【0045】
載置板55の幅方向での中央位置には、位置規制体65のベース部65Bが挿入されるガイド溝55Aが備えられている。また、ガイド溝55Aに沿って、ベース部65Bの浮き上がりを防止する浮き上がり防止片55Bが複数形成されている。ガイド溝55Aの幅方向での中央において搬出方向には、多数のロック溝55Cが連続的に形成されている。
【0046】
また、位置規制体65は、載置板55の載置面に対して傾斜する姿勢のプレート状の本体65Aと、ロック溝55Cに係合し、上下方向に人為的に操作自在なロック体65Cとを備えている。これにより、ロック体65Cを多数のロック溝55Cの何れか1つに係合させることでロック状態に達し、プリント媒体Pのサイズに対応した位置でロックすることが可能となる。すなわち、位置規制体65は、ガイド溝55Aに沿って移動自在に支持されることとなる。
【0047】
載置板55の搬出側端部の上面で幅方向の中央位置には、ゴムや樹脂で成る膜状の摩擦材55Fが備えられている。載置板55に載置されたプリント媒体Pの残量が2枚となった際に、下側のプリント媒体Pの下面側に摩擦材55Fから摩擦力を作用させることにより、上層のプリント媒体Pのみを搬出し、重送を防止することができる。
【0048】
〔給紙ユニット−ピックアップローラ・摩擦力付与手段〕
ピックアップローラ56の下側には、プリント媒体Pの下面に接触して摩擦力を作用させるフリクションローラ51と、摩擦パッド53とが備えられている。
【0049】
フリクションローラ51は、ガイド壁60と規制壁62との境界部分に配置されている。フリクションローラ51は軸体51aを介してシフトブロック52に支持されている。シフトブロック52には、軸体51aの軸芯方向でフリクションローラ51を挟む位置に摩擦パッド53が備えられている。フリクションローラ51は軸体51aに対して回転自在に支持されると共に、フリクションローラ51と軸体51aとの間には一方向クラッチを有する摩擦力付与機構51bを備えている。
【0050】
摩擦パッド53は上面がフリクションローラ51の外周より下側に位置するものの、プリント媒体Pの搬出方向での上流側がフリクションローラ51の外周より突出する形状を有している。これにより、搬出方向におけるプリント媒体Pの上流側が垂れ下がった場合や、幅方向におけるプリント媒体Pの中央が上方に凸となる形状にカーリングした場合に、プリント媒体Pの下面に接触して抵抗力を良好に作用させることができる。
【0051】
ピックアップローラ56とフリクションローラ51とは、その外周がゴムや樹脂で形成されている。一方、摩擦パッド53はゴムやウレタン樹脂等で形成されている。なお、フリクションローラ51及び摩擦パッド53の摩擦係数は、ピックアップローラ56の摩擦係数よりも低く設定されている。
【0052】
尚、ガイド壁60と給紙ユニットBのケースBcとの相対的な姿勢は、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した状態でガイド壁60の上面が水平姿勢となるように設定されている。このように構成されているため、プリント媒体Pは、ガイド壁60の上面に案内される形態で搬出口47から水平方向に搬出される。上流側のアドバンスローラ11は、このように搬出されたプリント媒体Pを圧着する位置に配置されている。
【0053】
ピックアップローラ56は、下部ケース41に遊転支承された金属製のローラ軸57と一体回転する筒状体の外周にゴムや樹脂材料のように摩擦係数が高い素材を設けた構造を有している。また、ローラ軸57の端部にはローラ軸57と一体回転する入力ギヤ58が備えられている。
【0054】
図4に示すように、プリント装置本体Aには、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した際に、入力ギヤ58に咬合する駆動ギヤ59が備えられている。駆動ギヤ59は電動型の給紙モータM1によって駆動される。
【0055】
図10に示すように、ガイド壁60の上方に対向する位置には、開閉板82が横向き姿勢の開閉軸82A周りで揺動自在に支持されている。また、開閉板82を揺動する中間揺動体83が、ガイド壁60の下側に横向き姿勢の中間軸84周りに揺動自在に支持されている。中間揺動体83の幅方向の両端位置には、上方に向かう姿勢で一対の突出片83Aが形成され、中間揺動体83が回動ブロック75の回動と連係して揺動することにより、シャッター50が開放している状態では開閉板82を開放姿勢に維持することができる。
【0056】
〔シャッターと摩擦パッドの作動構造〕
載置板55には、給紙ユニットBの搬出側端部の方向に向けて延出し、載置板55と一体的に揺動する作動アーム71が備えられている。作動アーム71の揺動端には軸芯Xと平行姿勢となる軸部71Aが形成されており、軸部71Aには、回転自在に遊嵌したローラで成る接当部71Bが形成されている。
【0057】
シフトブロック52は、縦フレーム72に対して上下方向にスライド移動自在に支持されると共に、シフトスプリング73によって上方に向けて付勢されている。シフトブロック52の下側に連結する板状体74の下端には、横方向に張り出す接当片74Aが形成されている。シフトブロック52は、シフトスプリング73により上方に向けて付勢されることにより、上限までシフトしている。シフトブロック52が上限までシフトした状態では、フリクションローラ51の外周とピックアップローラ56の外周との間にプリント媒体Pの厚さより小さい値の隙間が形成される。
【0058】
このように、フリクションローラ51の外周とピックアップローラ56の外周との間の隙間をプリント媒体Pの厚さより小さい値にすることで、プリント媒体Pの重送を抑制している。なお、このピックアップローラ56とフリクションローラ51とは接触する位置関係であっても良い。
【0059】
下部ケース41の内部には、縦向き姿勢の回動軸芯Y周りで揺動自在な回動ブロック75が備えられている。回動ブロック75にはシャッター50が連設され、クローズスプリング76からの付勢力がシャッター50を閉じる方向に作用している。また、回動ブロック75には、回動軸芯Yの軸芯上に配置された軸支部に回動自在に支持される上下一対のアーム部75Aが一体的に形成されると共に、操作孔36に挿通する操作ロッド35が押圧する被押圧部75Bが一体的に形成されている。さらに、回動ブロック75の上面には中間揺動体83を操作するカム部75Cが形成されている。
【0060】
また、回動ブロック75には、下部に凹部77Aが形成された金属製のロック板77が備えられている。このロック板77の凹部77Aと、作動アーム71の軸部71Aとでロック機構Lが構成されている。
【0061】
ロック機構Lは、載置板55の搬出側端部が下端にある状態で、給紙ユニットBがプリント装置本体Aからの取り外し操作に伴い、シャッター50が閉塞姿勢に切り換わった場合に、凹部77Aに対して作動アーム71の軸部71Aが係合することにより、載置板55の搬出側端部が下端に位置する状態に維持するように機能する。このように載置板55の搬出側端部が下端に位置する状態では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aに接当することにより、フリクションローラ51とシフトブロック52とがピックアップローラ56から離間する位置に維持される。
【0062】
具体的には、以下のようになる。給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した状態では、プリント装置本体Aに形成した操作ロッド35が下部ケース41に形成された操作孔36に挿通している。このとき、操作ロッド35の先端が被押圧部75Bに接当し、クローズスプリング76の付勢力に抗して回動ブロック75を回動軸芯Y周りで回動させる(図10(b)参照)。
【0063】
回動ブロック75の回動に伴い、回動ブロック75に形成されたシャッター50が一体的に回動し、操作開口49が開放状態となる。このとき、開放状態にある操作開口49からプリント装置本体Aの操作アーム87が給紙ユニットBの内部に入り込み、操作アーム87の先端が作動アーム71の接当部71Bに接当可能な位置関係となる。
【0064】
後述するようにプリント装置でプリントが行われない場合には、操作アーム87の先端が作動アーム71の接当部71Bに対して上方から接当し、下方端位置まで押し下げた状態にあるので、載置板55の搬出側端部が下端位置にある。そのため、載置板55に載置されているプリント媒体Pはピックアップローラ56に接触しない位置にある。
【0065】
この状態で給紙ユニットBをプリント装置本体Aから引き出して分離する場合には、給紙ユニットBの引き出し量に対応した量だけ回動ブロック75がクローズスプリング76の付勢力によって回動する。このとき、回動ブロック75の回動に伴いシャッター50が閉じ方向に移動すると共に、ロック板77が作動アーム71に接触する方向に移動する。
【0066】
給紙ユニットBの引き出しを継続すると、操作ロッド35が操作孔36から抜けた後に、操作アーム87が操作開口49から抜けることとなる。そのため、作動アーム71が押し下げられた状態でロック板が回動し、作動アーム71の軸部71Aがロック板77の凹部77Aに嵌入する状態に達する。これにより、載置板55に作用するリフトスプリング64の付勢力に抗して、載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される。
【0067】
このように載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される結果、載置板55に載置されているプリント媒体Pがピックアップローラ56に押し付けられた状態から開放される。これにより、プリント媒体Pの変形やピックアップローラ56の変形が抑制される。また、回動ブロック75の回動に連動して中間揺動体83の姿勢が切り換わり、突出片83Aを介して操作される開閉板82が閉じ姿勢に作動し、搬出口47が閉じられる。
【0068】
〔制御装置〕
プリント装置本体Aには、前述した操作アーム87が支軸88周りで上下方向に揺動自在にプリント装置本体A支持されている。操作アーム87には、ローラ状のカムフォロワ89が突設しており、カムフォロワ89は電動型の操作モータM2で駆動される出力軸90と一体回転作動する回転カム91の外周のカム面に接触している。また、減速ギヤを介して操作モータM2の駆動力を出力軸90に伝える伝動系が形成されており、回転カム91の回転量を計測するポテンショメータ92が備えられている。そして、このポテンショメータ92からの信号を制御装置5にフィードバックする状態で操作モータM2を制御装置5が制御する。
【0069】
操作アーム87は、トーションスプリング93によりカムフォロワ89が回転カム91に常時接触するように付勢されている。回転カム91の回転に伴い操作アーム87が支軸88周りで揺動すると、操作アーム87の先端部87Aが下方に揺動し、作動アーム71の接当部71Bに接当する。これにより、この作動アーム71と共に載置板55の搬出側端部を下方に移動させる。なお、作動アーム71の接当部71Bに対して操作アーム87の先端部87Aが接触しない状態では、リフトスプリング64の付勢力により、載置板55の搬出側端部は上方に移動している。
【0070】
ピックアップローラ56からプリント媒体Pが搬出される搬出経路にはプリント媒体Pの重送を検出する重送検出センサ78を備えている。重送検出センサ78は、光源と受光素子とを有し、プリント媒体Pを透過する光量が受光素子により検出され、制御装置5がこの光量に基づき重送の有無を判別する。
【0071】
〔搬出作動のシーケンス〕
プリント装置の制御系のうち、本発明の構成の概要を図12のように示す。制御装置5は、プリント部D、切断部E、乾燥部F、搬送ユニットG、補助搬送ユニットHを制御するための出力系と、給紙モータM1と、操作モータM2とを制御するための出力系とを備えている。さらに、ポテンショメータ92からの計測信号と、プリント部Dに備えたペーパーセンサ10の計測信号と、重送検出センサ78からの検出信号を制御装置5に入力するための信号系が形成されている。また、制御装置5は、プリント媒体Pを搬出するためプログラムで成る搬出制御手段Qを備えている。
【0072】
搬出制御手段Qは、ピックアップローラ56の回転制御によりプリント媒体Pの搬出作動を設定する搬出作動設定モジュールQaと、操作アーム87を制御することにより載置板55の搬出端側のレベル(揺動量)を制御する載置板制御モジュールQbとを備えている。搬出制御手段Qは必ずしもプログラムで構成される必要はなく、例えば、ロジックのみ、またはロジックとプログラムとの組み合わせによって構成しても構わない。
【0073】
プリント媒体Pを搬出しない場合には、載置板55の搬出側端部は下端位置にある。この下端位置では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aに接当することにより、フリクションローラ51と摩擦パッド53とは、ピックアップローラ56から離間する方向にシフトした位置にある。
【0074】
給紙ユニットBからプリント媒体Pを排出する際には、搬出制御手段Qが図13に示すフローチャートに示す制御を行う。具体的には、以下の通りである。
【0075】
まず、給紙モータM1によりピックアップローラ56を正回転方向に低速で回転させる。この直後に操作モータM2を制御することにより操作アーム87を上限まで揺動させ、この状態を第1設定時間だけ維持する(#01、#02ステップ)。
【0076】
操作アーム87を上限まで揺動させると、操作アームの力が作動アームに伝達されないため、載置板55もリフトスプリング64の付勢力により上限まで揺動する。なお、この上限とは、図10に示すように、ピックアップローラ56と載置板55に積層状態で載置されているプリント媒体Pのうち最上部のプリント媒体Pとが接触する位置である。載置番55が上限へ揺動する際には、プリント媒体Pがピックアップローラ56に対して動慣性が作用する状態で接触することになる。そのため、ピックアップローラ56の摩擦係数が小さい場合でも、動慣性による大きい圧力を利用してプリント媒体Pに搬出方向に強い力を作用させ、しかも、ピックアップローラ56が低速で回転するのでスリップを発生させることもない。これにより、プリント媒体Pの確実な搬出を行うことができる。
【0077】
また、載置板55の搬出側端部が上限まで揺動する際には、これと連動してフリクションローラ51と摩擦パッド53とがピックアップローラ56に近接する位置まで移動する。これにより、最上部のプリント媒体Pの上面がピックアップローラ56に対して接触すると共に、搬出が行われる際には、プリント媒体Pの下面側にフリクションローラ51と摩擦パッド53とから摩擦力を作用させ重送を抑制できる。この制御によりプリント媒体Pは第1設定距離Z1だけ搬送される。
【0078】
次に、操作モータM2を制御することにより操作アーム87を少し下降させることで載置板55を中間位置まで下降させる。このとき、給紙モータM1によりピックアップローラ56の回転速度を正回転方向に設定速度まで増速して第2設定時間だけ維持する。これに続いて、給紙モータM1によりピックアップローラ56を逆回転方向に設定速度で回転させ、この回転を第3設定時間だけ維持する(#03〜#05ステップ)。
【0079】
これにより、プリント媒体Pを第2設定距離Z2だけ搬送し、この後、プリント媒体Pを第3設定距離Z3だけ搬送することになる。
【0080】
載置板55が中間位置にある状態では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aの上方に離間した位置にあり、ピックアップローラ56で搬送されるプリント媒体Pの下面にフリクションローラ51と摩擦パッド53とを接触させる状態が維持されている。また、載置板55が中間位置に移動することにより、ピックアップローラ56で搬送が開始されたプリント媒体Pと、それより下層に位置するプリント媒体Pとを離間させることができる。
【0081】
この制御を行うことで、プリント媒体Pの下面に他のプリント媒体Pが密着した重送状態にある場合には、搬出方向への搬送時にフリクションローラ51と摩擦パッド53とから下側のプリント媒体Pに摩擦力を作用させて下側のプリント媒体Pの分離を促進し、更に、逆方向に移動させることにより、下側のプリント媒体Pを載置板55に戻せるようにしている。
【0082】
特に、フリクションローラ51はプリント媒体Pが逆方向に送られた場合には、プリント媒体Pに対して摩擦力を殆ど作用させずに回転するため、搬送すべきプリント媒体Pの下側のプリント媒体Pを載置板55に円滑に戻すことができる。
【0083】
次に、ペーパーセンサ10がプリント媒体Pを検出するまで、給紙モータM1によりピックアップローラ56を正回転方向に設定速度で駆動する。これにより、プリント媒体Pは第4搬送距離Z4だけ搬出方向に搬送される。なお、この駆動時には、制御装置5は、重送検出センサ78からの検出信号を取得している(#06ステップ)。
【0084】
制御装置5が、重送検出センサ78から取得した検出信号に基づいて、重送であることを判別した場合には、ピックアップローラ56を逆転方向に設定速度で駆動することで、プリント媒体Pを第4搬送距離Z4(図面では距離Zr)だけ逆方向に搬送する。この後、前述した#06ステップの制御を再度行うこと(ピックアップローラ56を正回転方向に設定速度で駆動すること)でプリント媒体Pを距離Zfだけ搬送する。
【0085】
このようにピックアップローラ56を逆転方向に駆動してプリント媒体Pを第4搬送距離Z4だけ逆方向に搬送する際には、フリクションローラ51は軽く回転することから重送状態は維持される。しかし、その後#06ステップの制御を再開すると、フリクションローラ51から下側のプリント媒体Pに大きい摩擦力が作用するため、下側のプリント媒体Pの分離を促進し、重送の解消が可能となる。
【0086】
また、この逆方向への搬送は重送状態が解消されない場合に反復して行われるものであり、反復回数が2回程度に達すると制御装置5は搬送エラー情報を出力して搬送を停止する(#08、#09ステップ)。ピックアップローラ56に接触するプリント媒体Pの下面側にプリント媒体Pが密着している場合には、前述した反復を繰り返すことで下面側に密着しているプリント媒体Pの分離も可能であるが、反復の回数を2回程度に設定することが重送に対して現実的な対応となる。
【0087】
一方、#07ステップにおいて、重送状態でないことを判別した場合には、ピックアップローラ56を設定速度で駆動して、プリント媒体Pを上流位置のアドバンスローラ11に受け渡し、給紙モータM1を自由回転状態にすることで、プリント媒体Pがアドバンスローラ11で引き出されプリント装置本体Aでのプリントが行われる(#011ステップ)。
【0088】
さらに、プリント媒体Pの搬出を継続して行う場合には#01ステップからの処理を再度行い、プリント媒体Pの搬出を停止する場合には、操作モータM2を制御することにより操作アーム87を下降させ、操作アーム87の力により載置板55を下端位置まで下降させる(#012、#013ステップ)。
【0089】
これらの制御のうち、プリント媒体Pの搬送方向、搬送速度は搬出作動設定モジュールQaが制御し、載置板55の搬出側端部の上下位置は載置板制御モジュールQbが制御する。また、第1設定距離Z1でプリント媒体Pを搬送する際の速度の絶対値は等しく、第1設定距離Z1においてプリント媒体Pを搬送する際の速度だけが他に比べて1/5程度の低速で行われる。
〔別実施形態〕
【0090】
(1)載置板55の反搬出側端部の下面側に、バランスウェイトBWを搬送方向に移動可能に備えることができる。操作アーム87からの力が作動アーム71に作用していない状態では、リフトスプリング64は一定の力を載置板55に作用させている。このとき、載置板55に載置されているプリント媒体Pのサイズ等によりピックアップローラ56がプリント媒体Pを押圧する力が異なる。しかしながら、重送を防止するためには、この押圧力はプリント媒体のサイズ等に関係なく、一定となることが望ましい。そのため、バランスウェイトBWは、プリント媒体Pへの押圧力を一定にするよう機能する。すなわち、プリント媒体のサイズが大きい場合には反搬出側端部方向に移動し、プリント媒体Pが小さい場合には支軸63方向に移動するよう構成されている。
【0091】
なお、プリント媒体Pのサイズは、ガイド体66間の距離により推定することができる。そのため、バランスウェイトBWの位置は、ガイド体66の移動に伴い調整されるように構成すると好適である。このときの、載置板55の構造の模式図を図15に示す。図から明らかなように、載置板55の下面側にはバランスウェイトを搬送方向に移動させるためのバランス位置決定機構100が備えられている。
【0092】
ノブ67が連結されている側のネジ軸68の両端部にはタイミングベルトを巻回するプーリが備えられている。また、載置板55の反搬出側端部には、これらのタイミングベルトを巻回するプーリが設けられている。さらに、2本のタイミングベルトの間には、バランスウェイトBWが搬送方向に沿って移動可能に保持されている。
【0093】
このような構成により、ガイド体66を移動させるためにノブ67を回転させると、ネジ軸68両端のプーリが回転する。プーリの回転に伴いタイミングベルトが回転し、バランスウェイトが移動する。
【0094】
なお、バランス位置決定機構100は、上述の構成だけでなく、例えばボールネジ機構等の他の構成を用いても構わない。また、上述の実施形態では、バランスウェイトBWは載置板の幅方向中央に1つ備えていたが、複数備えても構わない。この場合には、載置板の幅方向でバランスが取れるよう配置することが望ましい。
【0095】
(2)上述の実施形態では位置規制体65の位置は使用するプリント媒体Pのサイズに応じて人為的に変更していたが、ガイド体66の位置に連動して、位置規制体65の位置を変更する規制位置調節機構110を設けることもできる。一般的に、プリント媒体Pのサイズは、幅(搬出方向と直交する方向の長さ)と搬出方向の長さの関係が規定されている。したがって、幅が決定されると自ずと搬送方向の長さも決定される。そのため、規制位置調整機構110は、ガイド体66の位置すなわちノブ67の回転操作に応じて、位置規制体65の位置を変更する。
【0096】
図16は、規制位置調整機構110を備えた載置板55の構造の模式図である。ノブ67が連結されている側のネジ軸68の中央部分(右ネジ部68Sと左ネジ部68Tとの間)には、タイミングベルトを巻回するプーリが設けられている。また、載置板55の反搬出側端部にも、このタイミングベルトを巻回するプーリが設けられている。また、載置板55には、搬送方向に沿うスリット(図示せず)が形成されており、位置規制体65のベース部65Bに突設される支持部(図示せず)がこのスリットに挿通し、タイミングベルトに固定されている。
【0097】
このような構成により、ガイド体66を移動させるためにノブ67を回転させると、ネジ軸68が回転し、タイミングベルトが回転するため、位置規制体65の位置が変更される。
【0098】
なお、この実施形態では、載置板55のガイド溝55A,浮き上がり防止片55B,ロック溝55C、位置規制体65のロック体65Cは不要である。また、位置規制体調整機構110は、上述の構成だけでなく、例えばボールネジ機構等の他の構成を用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットに利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
B:給紙ユニット
BW:バランスウェイト
P:プリント媒体
X:軸芯
W:ガイド幅調節機構
55:載置板
65:位置規制体
66:ガイド体
67:ノブ
68:ネジ軸
68S:右ネジ部
68T:左ネジ部
68N:ナット
100:バランス位置決定機構
110:規制位置調節機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、搬出時のプリント媒体の蛇行等を防止するために、給紙ユニットには搬出方向に直交する幅方向でプリント媒体の位置を規制するガイド体が備えられている。従来は、プリント媒体を載置する載置板上に、使用するプリント媒体のサイズに応じて複数のネジ孔が形成されており、ガイド体はそのネジ孔にネジ留め等されていた。
【0003】
しかしながら、プリント媒体を頻繁に変更する等の場合には、その都度ネジ留めを変更する必要があり、非常に煩雑であった。また、プリント媒体は湿度等の影響によりサイズが変わるものがある。そのような場合には、ガイド体の位置を微調整する必要があるが、ネジ孔は所定間隔をあけて離散的に設けられているため、ガイド体の位置を微調整することができない。
【0004】
一方、特許文献1の技術のように、ガイド体の位置を連続的に変更できるものがある。特許文献1の技術では、シートトレイ上でスライド可能に設けられ、シートトレイに載置されたシートの端部に当接されるガイド面を有するシートガイド(本発明のガイド体に相当)が備えられている。このサイドガイドは、略L字状に形成されたL字部材と、L字部材から幅方向中央側へ延出されたラックギアとを有しており、L字部材は、トレイ本体の上面に沿わされる底板と、底板の幅方向外側の端部から起立されたガイド板とを有している。ラックギアは、底板から幅方向中央側へ延出され、それぞれのラックギアは、トレイ本体の幅方向中央に埋設されたピニオンギアに噛合されている。このように構成することにより、いずれか一方のサイドガイドがスライドされると、他方のサイドガイドが連動して相反する方向へスライドされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008‐169011号公報(段落番号0012、0013、0048、0049、図4、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、給紙ユニットにおけるガイド体は、容易に位置変更ができ、しかも位置の微調整が可能なものが望ましい。しかしながら、ガイド体をネジ留めする従来技術では、位置変更が煩雑であるだけでなく、微調整を行うことができない。一方、特許文献1の技術では、一方のサイドガイドをスライドさせるだけで、サイドガイド間の中央位置を略保った状態で、サイドガイド間の幅を調整することができる。しかしながら、位置の微調整を行うためには微妙な力加減が必要であるため、微調整は困難である。
【0007】
本発明の目的は、プリント媒体の幅方向の位置を規制するガイド体の位置を容易に調整することができる給紙ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の給紙ユニットは、シート状のプリント媒体を載置板上に積層状態で収容し、プリント装置に当該プリント媒体を搬出供給する給紙ユニットであって、前記載置板は、当該プリント媒体の搬出方向における下流側となる搬出側端部を上下に移動させるように、当該搬出方向と直交し当該載置板に平行な方向の姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持され、前記プリント媒体上における前記搬出方向と直交する幅方向から、前記載置板上に載置される前記プリント媒体を挟み込む一対のガイド体と、前記一対のガイド体を前記幅方向に沿って互いに離間または近接方向に移動させるガイド幅調節機構と、を備え、前記ガイド幅調節機構は、前記載置板に備えた操作具と、当該操作具の操作に連動して前記一対のガイド体に対して互いに離間または近接方向への作動力を作用させる作動機構とを備えている。
【0009】
この構成では、操作具への操作に応じて、作動機構が一対のガイド体を互いに離間または近接する方向に移動させる。これにより、ガイド体間の中央位置を保持した状態で、容易にガイド体の位置を変更することができる。
【0010】
本発明の給紙ユニットの好適な実施形態の一つでは、前記作動機構が、右ネジ部と左ネジ部とを有すると共に、前記軸芯と平行姿勢で前記載置板の下面側に備えられたネジ軸と、前記ネジ軸の右ネジ部と左ネジ部とに螺合すると共に回転規制されたナットと、前記ナットと前記ガイド体とを連結する連結体とで構成され、前記操作具が、前記ネジ軸を回転操作する円板状のノブで構成されている。
【0011】
この構成では、ネジ部とナットによりボールネジ機構が構成され、ノブに与えられる回転操作がネジ部を介してナットの直進力に変換される。これにより、ノブを回転させるだけで、ガイド体の位置を変更することができる。特に、ノブの回転量に比べてナットの直進量が小さくなるように構成すると、ガイド体の位置の微調整が容易になり、好適である。
【0012】
一般的には、プリント媒体のサイズは、幅と搬送方向の長さの関係が定められている。したがって、プリント媒体の幅が既知であれば、その搬送方向の長さも知ることができる。この関係を利用して、本発明の給紙ユニットの好適な実施形態の一つでは、前記載置板上に載置される前記プリント媒体の前記搬出方向における上流側の端部の位置を規制する位置規制体と、前記位置規制体の位置を調節する規制位置調節機構と、を備え、前記規制位置調節機構は、前記ガイド体の位置に連動して規制位置の調節を行う。
【0013】
この構成では、規制位置調整機構が、ガイド体の位置に連動してプリント媒体の搬出方向上流側の端部の位置を規制する位置規制体の位置を変更する。これにより、ガイド体の位置を変更するだけで、位置規制体の位置をも変更することができる。
【0014】
本発明のように揺動する載置板とピックアップローラとを用いた給紙ユニットでは、ピックアップローラからプリント媒体への押圧力が使用するプリント媒体のサイズ等により異なる。このような状態は、プリント媒体の重送を防止する観点からは望ましくなく、常に一定の押圧力が係ることが望ましい。
【0015】
そのため、本発明の給紙ユニットの好適な実施形態の一つでは、前記載置板の前記搬出側端部を上方に移動させた際に前記プリント媒体の上面に当接して搬出力を作用させるピックアップローラと、前記載置板の前記搬出方向における上流側位置に、前記搬出方向に沿って移動自在に設けられたバランスウエイトと、前記搬出方向における前記バランスウエイトの位置を設定するバランス位置設定機構と、を備え、前記バランス位置設定機構は、前記一対のガイド体の離間距離が大きくなるほど、前記バランスウエイトを前記上流側位置に移動させる。
【0016】
この構成では、ガイド体の離間距離すなわち使用するプリント媒体のサイズに応じてバランスウェイトの位置が変更される。これにより、使用するプリント媒体のサイズに関係なく、プリント媒体に一定の押圧力を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の異なる方向からの斜視図である。
【図2】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の縦断側面図である。
【図3】プリント装置本体に連結した給紙ユニットの縦断側面図である。
【図4】プリント装置本体に連結した本発明の給紙ユニットの側面図である。
【図5】上部カバーを外した状態の本発明の給紙ユニットの上面図である。
【図6】本発明の給紙ユニットのガイド幅調節機構の構造を示す平面図である。
【図7】本発明の給紙ユニットの位置規制体の断面図である。
【図8】本発明の給紙ユニットのロック機構の斜視図である。
【図9】本発明の給紙ユニットの取り外し時の動作を表す図である。
【図10】本発明の給紙ユニットの装着時の動作を表す図である。
【図11】本発明の給紙ユニットの給紙時の縦断側面図である。
【図12】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の機能要素を表す機能ブロック図である。
【図13】本発明の給紙ユニットを使用するプリント装置の搬出時における制御処理の流れを表すフローチャートである。
【図14】本発明の給紙ユニットを使用するプリン装置の重送を防止するための制御を示す図である。
【図15】別実施形態におけるバランス位置設定機構を示す模式図である。
【図16】別実施形態における規制位置調節機構を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1から図2には、本発明の給紙ユニットが使用されたプリント装置の全体構成が示されている。図から明らかなように、プリント装置本体Aの前部位置には、給紙ユニットBと、回収ユニットCとを備えている。プリント装置本体Aの内部には、給紙ユニットBから搬出されたシート状のプリント媒体Pにインクを吐出して画像情報や文字情報等をプリントするプリント部Dと、プリント後のプリント媒体Pの切断を行う切断部Eと、プリント媒体Pに乾燥空気を吹き付けてプリント媒体Pを乾燥させる乾燥部Fと、乾燥後のプリント媒体Pを回収ユニットCまで搬送する搬送ユニットGと、人為的に供給されるプリント媒体Pを搬送する補助搬送ユニットHと、が備えられている。
【0019】
また、プリント装置本体Aの前面側の下部には、複数のインクカートリッジ1の収容部2と、切断部Eにおいて切断されたプリント媒体Pの切断片を回収するようにドロワー状の回収容器3とが配置されている。プリント装置本体Aの上面には、プリント媒体Pを人為的に供給するためのスリット状の手差開口4が形成されている。プリント装置本体Aの内部には、プリント媒体Pの搬送を行い、プリント部Dにおいてプリントを行う等の各種処理を実現するようにマイクロプロセッサを有した制御装置5が備えられている。
【0020】
〔プリント部〕
プリント部Dは、プリント媒体Pの先端位置を検出するペーパーセンサ10と、プリント媒体Pの搬送方向の上流側及び下流側の2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させるアドバンスローラ11と、アドバンスローラ11を駆動する電動モータ(図示せず)とを備えている。また、このプリント部Dでは2箇所のアドバンスローラ11の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路上の下側に配置された基準プレート12と、基準プレート12の上方においてプリント媒体Pの搬送方向と直交する主走査方向に往復作動する2つのプリントヘッド13と、基準プレート12に形成された多数の開口(図示せず)を介して基準プレート12上のプリント媒体Pに負圧を作用させる吸引ユニット14とを備えている。
【0021】
プリント部Dでは、アドバンスローラ11で搬送されるプリント媒体Pを、吸引ユニット14から作用する負圧により基準プレート12の上面に密着させる。この密着状態でプリントヘッド13を主走査方向に往復作動させ、この往復作動と同期してプリント媒体Pの上面にインクを吐出することにより、プリント媒体P上に画像情報や文字情報等のプリント処理を実現する。
【0022】
〔切断部〕
切断部Eには、プリント媒体Pの搬送方向と直交する姿勢となる上刃16と下刃17が剪断位置関係に配置されている。また、下刃17を駆動する電動モータ(図示せず)と、切断位置のマーキングを光学的に検出するセンサ(図示せず)と、切断されたプリント媒体片を落下方向に案内するガイド筒18とを備えている。
【0023】
切断部Eでは、センサがプリント媒体Pの前端側あるいは後端側にプリントされた切断位置を示すマーキングを検出すると、下刃17を上方に向けて作動させることにより、プリント媒体Pの一部の切り離しが行われる。切り離されたプリント媒体片はガイド筒18で下方に案内され、回収容器3で回収される。回収容器3は上方が開放したドロワー状の構造を有しており、プリント装置本体Aの前方に引き出すことにより、回収したプリント媒体片の廃棄を行うことができる。
【0024】
切断作動は、上述の動作に限定されるものではなく、上刃16を下方に作動させる、単一のカッター刃をプリント媒体Pの幅方向に直線的に作動させる、ことによりプリント媒体Pの切断を行う構造のものであっても構わない。なお、この切断は常に行われるものではなく、プリント形態に応じて実行される。
【0025】
〔乾燥部〕
乾燥部Fは、プリント媒体Pの搬送方向の上流側と下流側との2箇所においてプリント媒体Pに圧着して搬送力を作用させる乾燥搬送ローラ20と、乾燥搬送ローラ20を駆動する電動モータ(図示せず)を備えている。また、この2箇所の乾燥搬送ローラ20の中間位置で、プリント媒体Pの搬送経路の上側から乾燥風をプリント媒体Pに吹き付けるブロワー21を備えている。
【0026】
〔搬送ユニット〕
搬送ユニットGは、プリント媒体Pを搬送する複数の圧着型の搬送ローラ24と、プリント媒体Pをガイドするガイドプレート25と、複数の搬送ローラ24で搬送されたプリント媒体Pを回収ユニットCに送り出す圧着型の排出ローラ26と、プリント媒体Pの搬送方向で排出ローラ26の上流位置に配置された排出ガイドプレート27とを備えている。
【0027】
なお、複数の搬送ローラ24は電動モータ(図示せず)によって同期駆動され、排出ローラ26は専用の電動モータ(図示せず)によって駆動される。この構成により、搬送ユニットGでは、乾燥部Fから後方側に送り出されたプリント媒体Pを上方に搬送し、この後、前方に向けて水平に搬送し、排出ローラ26から回収ユニットCに排出する搬送が行われる。
【0028】
〔補助搬送ユニット〕
補助搬送ユニットHは、搬送ユニットGの排出ローラ26と排出ガイドプレート27とにより構成されており、手差開口4に人為的に挿入されたプリント媒体Pをプリント部Dに直接的に搬送する機能を有している。排出ローラ26と排出ガイドプレート27とは排出ローラ26の一方の軸芯を中心として揺動する構成となっている。これにより、排出ローラ26と排出ガイドプレート27とは、搬送ユニットGと補助搬送ユニットHとで共有されることとなる。また、補助搬送ユニットHは、排出ローラ26と排出ガイドプレート27とより搬送方向の下流側に縦ガイドプレート28と、供給ローラ29とを備えている。
【0029】
補助搬送ユニットHを利用してプリント処理を実行する場合には、縦方向にプリント媒体Pを搬送するように排出ローラ26と排出ガイドプレート27とを揺動させ、排出ローラ26と、供給ローラ29とを駆動し、手差開口4からプリント媒体Pを供給する操作が行われる。これにより排出ローラ26、排出ガイドプレート27、縦ガイドプレート28、供給ローラ29夫々に対してプリント媒体Pが順次搬送され、プリント部Dにおいてプリント処理が行われる。
【0030】
〔回収ユニット〕
回収ユニットCは、本体ケースの前面から前方に突出する形態で着脱自在に備えられたトレイ状容器31で構成されている。また、この回収ユニットCの上部位置にはプリント媒体Pの載置が可能なラック板32を備えている。
【0031】
〔給紙ユニット〕
図3〜図6に示すように、給紙ユニットBは、プリント装置のプリント装置本体Aに対して着脱自在なカセットとして構成されている。給紙ユニットBは、プリント媒体Pの搬出側の端部(以下、搬出側端部と称する)の上下位置に対して反搬出側の端部(以下、反搬出側端部と称する)の上下位置が少し高くなるように全体的に傾斜する姿勢でプリント装置本体Aに連結される。
【0032】
給紙ユニットBは、樹脂で成る下部ケース41と、下部ケース41のプリント媒体Pの搬出側端部の上部を覆うように樹脂で成る上部ケース42と、上部ケース42の反搬出側端部に対して開閉自在に支持された透明な樹脂で成る開閉ケース43とを備えることにより密封構造となるケースBcを構成している。
【0033】
ケースBcは、上部ケース42と開閉ケース43とを横向き姿勢のヒンジ軸44で揺動自在に連結しており、開閉ケース43の上面にはオペレータが持ち運ぶ際等に握るハンドル45が備えられている。また、開閉ケース43と下部ケース41との間には開閉ケース43を閉じ姿勢に固定するバックル46を備えている。
【0034】
ケースBcでは、下部ケース41と上部ケース42と間には、収容したプリント媒体Pを搬出するスリット状の搬出口47が形成されている。また、下部ケース41の搬出側端部の壁部には、収容されているプリント媒体Pのサイズや種類等の情報がセットされるIDプレート48が備えられ、プリント装置本体Aに備えた操作アーム87が挿通する操作開口49と、プリント装置本体Aに突設された操作ロッド35が挿通する操作孔36とが形成されている。
【0035】
操作開口49には閉塞姿勢に付勢されたシャッター50が備えられている。給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した場合には、操作ロッド35の押圧力によってシャッター50が開放し、開放された操作開口49に対して操作アーム87が挿通する。操作開口49は操作アーム87を挿通させるだけでなく、操作開口49がプリント装置本体AのケースBcの内部に対する空気の流通を許す通気口としても機能する。
【0036】
また、給紙ユニットBがプリント装置本体Aから取り外された場合には、バネ付勢力によりシャッター50が操作開口49を閉じ、ケースBcが密封状態となる。このとき、後述する載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される姿勢にロックされる(これらの作動形態は、後述する)。
【0037】
IDプレート48は、複数のDIPスイッチ状の作動片を備えており、プリント媒体Pのサイズ、種類等に対応して作動片の位置が設定される。このように設定された操作位置をプリント装置本体Aに備えたセンサ(図示せず)で検出することにより、ケースBcに収容されたプリント媒体Pのサイズやペーパー種等をプリント装置本体Aで把握することができる。
【0038】
〔給紙ユニット−載置板〕
ケースBcの内部には、シート状のプリント媒体Pを積層状態で載置し、横向き姿勢の軸芯X周りで揺動自在に支持された載置板55が備えられている。また、載置板55上に積層状態にある最上部のプリント媒体Pの上面に当接して搬出力を作用させるピックアップローラ56と、ピックアップローラ56によって搬出されるプリント媒体Pの下面を案内するガイド壁60とを備えている。さらに、ガイド壁60から下方に向け、軸芯Xを中心とした載置板55の搬出側端部の移動軌跡に沿うように側面視において円弧状となる規制壁62が形成されている。
【0039】
載置板55の下面側には、プリント媒体Pの搬出方向における載置板55の中央位置に前記軸芯Xと同軸芯となる支軸63が備えられている。支軸63の両端部は下部ケース41に支持されている。これにより軸芯X周りで載置板55の搬出側端部の上下方向への移動が可能となる。また、載置板55の搬出側端部の近傍には、搬出側端部を持ち上げる方向に付勢力を作用させるリフトスプリング64が備えられている。
【0040】
載置板55の上面には、プリント媒体Pの反搬出側端部の位置を規制する位置規制体65と、プリント媒体Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)の端部の位置を規制する左右一対のガイド体66とが備えられている。位置規制体65は、図7に示すように金属板を屈曲成形して成り、プリント媒体Pの搬出方向に沿う方向に移動自在に載置板55に支持されている。ガイド体66は、載置板55に対して垂直姿勢に設定され、プリント媒体Pの搬出方向と直交する方向(幅方向)に移動自在に載置板55に支持されている。
【0041】
載置板55の下面側には、左右一対のガイド体66を互いに逆(離間または近接)方向に移動させるガイド幅調節機構Wが備えられている。ガイド幅調節機構Wは、載置板55の端部に設けられた円盤状で回転操作型のノブ67(本発明の操作具の一例)と、ノブ67の回転力で回転操作される一対のネジ軸68と、一対のネジ軸68を連動回転させるタイミングベルト69と、ネジ軸68の右ネジ部68Sに螺合するナット68N、ネジ軸68の左ネジ部68Tに螺合するナット68Nと、夫々のナット68Nを支持する一対のスライダー70とを備えている。また、夫々のスライダー70にはガイド体66に連結する連結体70Aが形成されている。このような構成により、ナット68Nは回転が規制されるため、ネジ軸68の回転力はネジ軸68の軸芯方向への直進力に変換される。また、載置板55には、プリント媒体Pの幅方向に沿って、スリット55Sが形成され、スリット55Sに対して前記連結体70Aが挿通している。
【0042】
ノブ67を回転操作すると、一対のネジ軸68が同方向に回転する。ネジ軸68の回転に伴いナット68Nも回転を開始しようとするが、上述のようにナット68Nは回転が規制されているため、回転力は直進力に変換される。このとき、夫々のネジ軸68の右ネジ部68Sに螺合するナット68Nからの直進力と、左ネジ部68Tに螺合するナット68Nからの直進力がスライダー70に対して互いに逆方向に作用する。その結果、スライダー70と連結体70Aを介して連結するガイド体66が、互いの中央位置を変更することなく互いに逆方向に移動する。これにより、ガイド体66をプリント媒体Pの幅に対応した位置にセットできる。このとき、ノブ67の回転量に比べてガイド体66の移動量が小さくなるように設定しておくと、ガイド体66の位置の微調整が可能となるため好適である。
【0043】
また、ノブ67の外周面には、軸芯方向に沿う複数の溝67Aが形成されている。この溝67Aは、ノブ67を回転操作する際の滑り止めとして機能するだけでなく、ガイド体66の位置調整の目安としても機能する。ガイド体66の位置を調整する際には、載置板55上にプリント媒体Pを載置した状態でノブ67を回転操作し、ガイド体66がプリント媒体Pを隙間なく挟み込む位置まで移動させる。その後、ノブ67をガイド体66が離間する方向に所定量回転させることにより、ガイド体66とプリント媒体Pとの間に若干の隙間を生じさせる。このとき、溝67Aは、ノブ67の回転量の目安として使用することができる。具体的には、溝67Aを目盛りとして、例えば1目盛り分ノブ67を回転させる。このように、ガイド体66とプリント媒体Pとの間に若干の隙間を設けることにより、湿度等の変化によりプリント媒体Pが膨張した場合でも、プリント媒体Pにカール等が生じることを防止することができる。
【0044】
なお、ネジ軸68、ナット68N、連結体70Aにより、本発明の作動機構を構成している。
【0045】
載置板55の幅方向での中央位置には、位置規制体65のベース部65Bが挿入されるガイド溝55Aが備えられている。また、ガイド溝55Aに沿って、ベース部65Bの浮き上がりを防止する浮き上がり防止片55Bが複数形成されている。ガイド溝55Aの幅方向での中央において搬出方向には、多数のロック溝55Cが連続的に形成されている。
【0046】
また、位置規制体65は、載置板55の載置面に対して傾斜する姿勢のプレート状の本体65Aと、ロック溝55Cに係合し、上下方向に人為的に操作自在なロック体65Cとを備えている。これにより、ロック体65Cを多数のロック溝55Cの何れか1つに係合させることでロック状態に達し、プリント媒体Pのサイズに対応した位置でロックすることが可能となる。すなわち、位置規制体65は、ガイド溝55Aに沿って移動自在に支持されることとなる。
【0047】
載置板55の搬出側端部の上面で幅方向の中央位置には、ゴムや樹脂で成る膜状の摩擦材55Fが備えられている。載置板55に載置されたプリント媒体Pの残量が2枚となった際に、下側のプリント媒体Pの下面側に摩擦材55Fから摩擦力を作用させることにより、上層のプリント媒体Pのみを搬出し、重送を防止することができる。
【0048】
〔給紙ユニット−ピックアップローラ・摩擦力付与手段〕
ピックアップローラ56の下側には、プリント媒体Pの下面に接触して摩擦力を作用させるフリクションローラ51と、摩擦パッド53とが備えられている。
【0049】
フリクションローラ51は、ガイド壁60と規制壁62との境界部分に配置されている。フリクションローラ51は軸体51aを介してシフトブロック52に支持されている。シフトブロック52には、軸体51aの軸芯方向でフリクションローラ51を挟む位置に摩擦パッド53が備えられている。フリクションローラ51は軸体51aに対して回転自在に支持されると共に、フリクションローラ51と軸体51aとの間には一方向クラッチを有する摩擦力付与機構51bを備えている。
【0050】
摩擦パッド53は上面がフリクションローラ51の外周より下側に位置するものの、プリント媒体Pの搬出方向での上流側がフリクションローラ51の外周より突出する形状を有している。これにより、搬出方向におけるプリント媒体Pの上流側が垂れ下がった場合や、幅方向におけるプリント媒体Pの中央が上方に凸となる形状にカーリングした場合に、プリント媒体Pの下面に接触して抵抗力を良好に作用させることができる。
【0051】
ピックアップローラ56とフリクションローラ51とは、その外周がゴムや樹脂で形成されている。一方、摩擦パッド53はゴムやウレタン樹脂等で形成されている。なお、フリクションローラ51及び摩擦パッド53の摩擦係数は、ピックアップローラ56の摩擦係数よりも低く設定されている。
【0052】
尚、ガイド壁60と給紙ユニットBのケースBcとの相対的な姿勢は、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した状態でガイド壁60の上面が水平姿勢となるように設定されている。このように構成されているため、プリント媒体Pは、ガイド壁60の上面に案内される形態で搬出口47から水平方向に搬出される。上流側のアドバンスローラ11は、このように搬出されたプリント媒体Pを圧着する位置に配置されている。
【0053】
ピックアップローラ56は、下部ケース41に遊転支承された金属製のローラ軸57と一体回転する筒状体の外周にゴムや樹脂材料のように摩擦係数が高い素材を設けた構造を有している。また、ローラ軸57の端部にはローラ軸57と一体回転する入力ギヤ58が備えられている。
【0054】
図4に示すように、プリント装置本体Aには、給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した際に、入力ギヤ58に咬合する駆動ギヤ59が備えられている。駆動ギヤ59は電動型の給紙モータM1によって駆動される。
【0055】
図10に示すように、ガイド壁60の上方に対向する位置には、開閉板82が横向き姿勢の開閉軸82A周りで揺動自在に支持されている。また、開閉板82を揺動する中間揺動体83が、ガイド壁60の下側に横向き姿勢の中間軸84周りに揺動自在に支持されている。中間揺動体83の幅方向の両端位置には、上方に向かう姿勢で一対の突出片83Aが形成され、中間揺動体83が回動ブロック75の回動と連係して揺動することにより、シャッター50が開放している状態では開閉板82を開放姿勢に維持することができる。
【0056】
〔シャッターと摩擦パッドの作動構造〕
載置板55には、給紙ユニットBの搬出側端部の方向に向けて延出し、載置板55と一体的に揺動する作動アーム71が備えられている。作動アーム71の揺動端には軸芯Xと平行姿勢となる軸部71Aが形成されており、軸部71Aには、回転自在に遊嵌したローラで成る接当部71Bが形成されている。
【0057】
シフトブロック52は、縦フレーム72に対して上下方向にスライド移動自在に支持されると共に、シフトスプリング73によって上方に向けて付勢されている。シフトブロック52の下側に連結する板状体74の下端には、横方向に張り出す接当片74Aが形成されている。シフトブロック52は、シフトスプリング73により上方に向けて付勢されることにより、上限までシフトしている。シフトブロック52が上限までシフトした状態では、フリクションローラ51の外周とピックアップローラ56の外周との間にプリント媒体Pの厚さより小さい値の隙間が形成される。
【0058】
このように、フリクションローラ51の外周とピックアップローラ56の外周との間の隙間をプリント媒体Pの厚さより小さい値にすることで、プリント媒体Pの重送を抑制している。なお、このピックアップローラ56とフリクションローラ51とは接触する位置関係であっても良い。
【0059】
下部ケース41の内部には、縦向き姿勢の回動軸芯Y周りで揺動自在な回動ブロック75が備えられている。回動ブロック75にはシャッター50が連設され、クローズスプリング76からの付勢力がシャッター50を閉じる方向に作用している。また、回動ブロック75には、回動軸芯Yの軸芯上に配置された軸支部に回動自在に支持される上下一対のアーム部75Aが一体的に形成されると共に、操作孔36に挿通する操作ロッド35が押圧する被押圧部75Bが一体的に形成されている。さらに、回動ブロック75の上面には中間揺動体83を操作するカム部75Cが形成されている。
【0060】
また、回動ブロック75には、下部に凹部77Aが形成された金属製のロック板77が備えられている。このロック板77の凹部77Aと、作動アーム71の軸部71Aとでロック機構Lが構成されている。
【0061】
ロック機構Lは、載置板55の搬出側端部が下端にある状態で、給紙ユニットBがプリント装置本体Aからの取り外し操作に伴い、シャッター50が閉塞姿勢に切り換わった場合に、凹部77Aに対して作動アーム71の軸部71Aが係合することにより、載置板55の搬出側端部が下端に位置する状態に維持するように機能する。このように載置板55の搬出側端部が下端に位置する状態では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aに接当することにより、フリクションローラ51とシフトブロック52とがピックアップローラ56から離間する位置に維持される。
【0062】
具体的には、以下のようになる。給紙ユニットBをプリント装置本体Aに装着した状態では、プリント装置本体Aに形成した操作ロッド35が下部ケース41に形成された操作孔36に挿通している。このとき、操作ロッド35の先端が被押圧部75Bに接当し、クローズスプリング76の付勢力に抗して回動ブロック75を回動軸芯Y周りで回動させる(図10(b)参照)。
【0063】
回動ブロック75の回動に伴い、回動ブロック75に形成されたシャッター50が一体的に回動し、操作開口49が開放状態となる。このとき、開放状態にある操作開口49からプリント装置本体Aの操作アーム87が給紙ユニットBの内部に入り込み、操作アーム87の先端が作動アーム71の接当部71Bに接当可能な位置関係となる。
【0064】
後述するようにプリント装置でプリントが行われない場合には、操作アーム87の先端が作動アーム71の接当部71Bに対して上方から接当し、下方端位置まで押し下げた状態にあるので、載置板55の搬出側端部が下端位置にある。そのため、載置板55に載置されているプリント媒体Pはピックアップローラ56に接触しない位置にある。
【0065】
この状態で給紙ユニットBをプリント装置本体Aから引き出して分離する場合には、給紙ユニットBの引き出し量に対応した量だけ回動ブロック75がクローズスプリング76の付勢力によって回動する。このとき、回動ブロック75の回動に伴いシャッター50が閉じ方向に移動すると共に、ロック板77が作動アーム71に接触する方向に移動する。
【0066】
給紙ユニットBの引き出しを継続すると、操作ロッド35が操作孔36から抜けた後に、操作アーム87が操作開口49から抜けることとなる。そのため、作動アーム71が押し下げられた状態でロック板が回動し、作動アーム71の軸部71Aがロック板77の凹部77Aに嵌入する状態に達する。これにより、載置板55に作用するリフトスプリング64の付勢力に抗して、載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される。
【0067】
このように載置板55の搬出側端部が下端位置に維持される結果、載置板55に載置されているプリント媒体Pがピックアップローラ56に押し付けられた状態から開放される。これにより、プリント媒体Pの変形やピックアップローラ56の変形が抑制される。また、回動ブロック75の回動に連動して中間揺動体83の姿勢が切り換わり、突出片83Aを介して操作される開閉板82が閉じ姿勢に作動し、搬出口47が閉じられる。
【0068】
〔制御装置〕
プリント装置本体Aには、前述した操作アーム87が支軸88周りで上下方向に揺動自在にプリント装置本体A支持されている。操作アーム87には、ローラ状のカムフォロワ89が突設しており、カムフォロワ89は電動型の操作モータM2で駆動される出力軸90と一体回転作動する回転カム91の外周のカム面に接触している。また、減速ギヤを介して操作モータM2の駆動力を出力軸90に伝える伝動系が形成されており、回転カム91の回転量を計測するポテンショメータ92が備えられている。そして、このポテンショメータ92からの信号を制御装置5にフィードバックする状態で操作モータM2を制御装置5が制御する。
【0069】
操作アーム87は、トーションスプリング93によりカムフォロワ89が回転カム91に常時接触するように付勢されている。回転カム91の回転に伴い操作アーム87が支軸88周りで揺動すると、操作アーム87の先端部87Aが下方に揺動し、作動アーム71の接当部71Bに接当する。これにより、この作動アーム71と共に載置板55の搬出側端部を下方に移動させる。なお、作動アーム71の接当部71Bに対して操作アーム87の先端部87Aが接触しない状態では、リフトスプリング64の付勢力により、載置板55の搬出側端部は上方に移動している。
【0070】
ピックアップローラ56からプリント媒体Pが搬出される搬出経路にはプリント媒体Pの重送を検出する重送検出センサ78を備えている。重送検出センサ78は、光源と受光素子とを有し、プリント媒体Pを透過する光量が受光素子により検出され、制御装置5がこの光量に基づき重送の有無を判別する。
【0071】
〔搬出作動のシーケンス〕
プリント装置の制御系のうち、本発明の構成の概要を図12のように示す。制御装置5は、プリント部D、切断部E、乾燥部F、搬送ユニットG、補助搬送ユニットHを制御するための出力系と、給紙モータM1と、操作モータM2とを制御するための出力系とを備えている。さらに、ポテンショメータ92からの計測信号と、プリント部Dに備えたペーパーセンサ10の計測信号と、重送検出センサ78からの検出信号を制御装置5に入力するための信号系が形成されている。また、制御装置5は、プリント媒体Pを搬出するためプログラムで成る搬出制御手段Qを備えている。
【0072】
搬出制御手段Qは、ピックアップローラ56の回転制御によりプリント媒体Pの搬出作動を設定する搬出作動設定モジュールQaと、操作アーム87を制御することにより載置板55の搬出端側のレベル(揺動量)を制御する載置板制御モジュールQbとを備えている。搬出制御手段Qは必ずしもプログラムで構成される必要はなく、例えば、ロジックのみ、またはロジックとプログラムとの組み合わせによって構成しても構わない。
【0073】
プリント媒体Pを搬出しない場合には、載置板55の搬出側端部は下端位置にある。この下端位置では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aに接当することにより、フリクションローラ51と摩擦パッド53とは、ピックアップローラ56から離間する方向にシフトした位置にある。
【0074】
給紙ユニットBからプリント媒体Pを排出する際には、搬出制御手段Qが図13に示すフローチャートに示す制御を行う。具体的には、以下の通りである。
【0075】
まず、給紙モータM1によりピックアップローラ56を正回転方向に低速で回転させる。この直後に操作モータM2を制御することにより操作アーム87を上限まで揺動させ、この状態を第1設定時間だけ維持する(#01、#02ステップ)。
【0076】
操作アーム87を上限まで揺動させると、操作アームの力が作動アームに伝達されないため、載置板55もリフトスプリング64の付勢力により上限まで揺動する。なお、この上限とは、図10に示すように、ピックアップローラ56と載置板55に積層状態で載置されているプリント媒体Pのうち最上部のプリント媒体Pとが接触する位置である。載置番55が上限へ揺動する際には、プリント媒体Pがピックアップローラ56に対して動慣性が作用する状態で接触することになる。そのため、ピックアップローラ56の摩擦係数が小さい場合でも、動慣性による大きい圧力を利用してプリント媒体Pに搬出方向に強い力を作用させ、しかも、ピックアップローラ56が低速で回転するのでスリップを発生させることもない。これにより、プリント媒体Pの確実な搬出を行うことができる。
【0077】
また、載置板55の搬出側端部が上限まで揺動する際には、これと連動してフリクションローラ51と摩擦パッド53とがピックアップローラ56に近接する位置まで移動する。これにより、最上部のプリント媒体Pの上面がピックアップローラ56に対して接触すると共に、搬出が行われる際には、プリント媒体Pの下面側にフリクションローラ51と摩擦パッド53とから摩擦力を作用させ重送を抑制できる。この制御によりプリント媒体Pは第1設定距離Z1だけ搬送される。
【0078】
次に、操作モータM2を制御することにより操作アーム87を少し下降させることで載置板55を中間位置まで下降させる。このとき、給紙モータM1によりピックアップローラ56の回転速度を正回転方向に設定速度まで増速して第2設定時間だけ維持する。これに続いて、給紙モータM1によりピックアップローラ56を逆回転方向に設定速度で回転させ、この回転を第3設定時間だけ維持する(#03〜#05ステップ)。
【0079】
これにより、プリント媒体Pを第2設定距離Z2だけ搬送し、この後、プリント媒体Pを第3設定距離Z3だけ搬送することになる。
【0080】
載置板55が中間位置にある状態では、載置板55の作動アーム71が板状体74の接当片74Aの上方に離間した位置にあり、ピックアップローラ56で搬送されるプリント媒体Pの下面にフリクションローラ51と摩擦パッド53とを接触させる状態が維持されている。また、載置板55が中間位置に移動することにより、ピックアップローラ56で搬送が開始されたプリント媒体Pと、それより下層に位置するプリント媒体Pとを離間させることができる。
【0081】
この制御を行うことで、プリント媒体Pの下面に他のプリント媒体Pが密着した重送状態にある場合には、搬出方向への搬送時にフリクションローラ51と摩擦パッド53とから下側のプリント媒体Pに摩擦力を作用させて下側のプリント媒体Pの分離を促進し、更に、逆方向に移動させることにより、下側のプリント媒体Pを載置板55に戻せるようにしている。
【0082】
特に、フリクションローラ51はプリント媒体Pが逆方向に送られた場合には、プリント媒体Pに対して摩擦力を殆ど作用させずに回転するため、搬送すべきプリント媒体Pの下側のプリント媒体Pを載置板55に円滑に戻すことができる。
【0083】
次に、ペーパーセンサ10がプリント媒体Pを検出するまで、給紙モータM1によりピックアップローラ56を正回転方向に設定速度で駆動する。これにより、プリント媒体Pは第4搬送距離Z4だけ搬出方向に搬送される。なお、この駆動時には、制御装置5は、重送検出センサ78からの検出信号を取得している(#06ステップ)。
【0084】
制御装置5が、重送検出センサ78から取得した検出信号に基づいて、重送であることを判別した場合には、ピックアップローラ56を逆転方向に設定速度で駆動することで、プリント媒体Pを第4搬送距離Z4(図面では距離Zr)だけ逆方向に搬送する。この後、前述した#06ステップの制御を再度行うこと(ピックアップローラ56を正回転方向に設定速度で駆動すること)でプリント媒体Pを距離Zfだけ搬送する。
【0085】
このようにピックアップローラ56を逆転方向に駆動してプリント媒体Pを第4搬送距離Z4だけ逆方向に搬送する際には、フリクションローラ51は軽く回転することから重送状態は維持される。しかし、その後#06ステップの制御を再開すると、フリクションローラ51から下側のプリント媒体Pに大きい摩擦力が作用するため、下側のプリント媒体Pの分離を促進し、重送の解消が可能となる。
【0086】
また、この逆方向への搬送は重送状態が解消されない場合に反復して行われるものであり、反復回数が2回程度に達すると制御装置5は搬送エラー情報を出力して搬送を停止する(#08、#09ステップ)。ピックアップローラ56に接触するプリント媒体Pの下面側にプリント媒体Pが密着している場合には、前述した反復を繰り返すことで下面側に密着しているプリント媒体Pの分離も可能であるが、反復の回数を2回程度に設定することが重送に対して現実的な対応となる。
【0087】
一方、#07ステップにおいて、重送状態でないことを判別した場合には、ピックアップローラ56を設定速度で駆動して、プリント媒体Pを上流位置のアドバンスローラ11に受け渡し、給紙モータM1を自由回転状態にすることで、プリント媒体Pがアドバンスローラ11で引き出されプリント装置本体Aでのプリントが行われる(#011ステップ)。
【0088】
さらに、プリント媒体Pの搬出を継続して行う場合には#01ステップからの処理を再度行い、プリント媒体Pの搬出を停止する場合には、操作モータM2を制御することにより操作アーム87を下降させ、操作アーム87の力により載置板55を下端位置まで下降させる(#012、#013ステップ)。
【0089】
これらの制御のうち、プリント媒体Pの搬送方向、搬送速度は搬出作動設定モジュールQaが制御し、載置板55の搬出側端部の上下位置は載置板制御モジュールQbが制御する。また、第1設定距離Z1でプリント媒体Pを搬送する際の速度の絶対値は等しく、第1設定距離Z1においてプリント媒体Pを搬送する際の速度だけが他に比べて1/5程度の低速で行われる。
〔別実施形態〕
【0090】
(1)載置板55の反搬出側端部の下面側に、バランスウェイトBWを搬送方向に移動可能に備えることができる。操作アーム87からの力が作動アーム71に作用していない状態では、リフトスプリング64は一定の力を載置板55に作用させている。このとき、載置板55に載置されているプリント媒体Pのサイズ等によりピックアップローラ56がプリント媒体Pを押圧する力が異なる。しかしながら、重送を防止するためには、この押圧力はプリント媒体のサイズ等に関係なく、一定となることが望ましい。そのため、バランスウェイトBWは、プリント媒体Pへの押圧力を一定にするよう機能する。すなわち、プリント媒体のサイズが大きい場合には反搬出側端部方向に移動し、プリント媒体Pが小さい場合には支軸63方向に移動するよう構成されている。
【0091】
なお、プリント媒体Pのサイズは、ガイド体66間の距離により推定することができる。そのため、バランスウェイトBWの位置は、ガイド体66の移動に伴い調整されるように構成すると好適である。このときの、載置板55の構造の模式図を図15に示す。図から明らかなように、載置板55の下面側にはバランスウェイトを搬送方向に移動させるためのバランス位置決定機構100が備えられている。
【0092】
ノブ67が連結されている側のネジ軸68の両端部にはタイミングベルトを巻回するプーリが備えられている。また、載置板55の反搬出側端部には、これらのタイミングベルトを巻回するプーリが設けられている。さらに、2本のタイミングベルトの間には、バランスウェイトBWが搬送方向に沿って移動可能に保持されている。
【0093】
このような構成により、ガイド体66を移動させるためにノブ67を回転させると、ネジ軸68両端のプーリが回転する。プーリの回転に伴いタイミングベルトが回転し、バランスウェイトが移動する。
【0094】
なお、バランス位置決定機構100は、上述の構成だけでなく、例えばボールネジ機構等の他の構成を用いても構わない。また、上述の実施形態では、バランスウェイトBWは載置板の幅方向中央に1つ備えていたが、複数備えても構わない。この場合には、載置板の幅方向でバランスが取れるよう配置することが望ましい。
【0095】
(2)上述の実施形態では位置規制体65の位置は使用するプリント媒体Pのサイズに応じて人為的に変更していたが、ガイド体66の位置に連動して、位置規制体65の位置を変更する規制位置調節機構110を設けることもできる。一般的に、プリント媒体Pのサイズは、幅(搬出方向と直交する方向の長さ)と搬出方向の長さの関係が規定されている。したがって、幅が決定されると自ずと搬送方向の長さも決定される。そのため、規制位置調整機構110は、ガイド体66の位置すなわちノブ67の回転操作に応じて、位置規制体65の位置を変更する。
【0096】
図16は、規制位置調整機構110を備えた載置板55の構造の模式図である。ノブ67が連結されている側のネジ軸68の中央部分(右ネジ部68Sと左ネジ部68Tとの間)には、タイミングベルトを巻回するプーリが設けられている。また、載置板55の反搬出側端部にも、このタイミングベルトを巻回するプーリが設けられている。また、載置板55には、搬送方向に沿うスリット(図示せず)が形成されており、位置規制体65のベース部65Bに突設される支持部(図示せず)がこのスリットに挿通し、タイミングベルトに固定されている。
【0097】
このような構成により、ガイド体66を移動させるためにノブ67を回転させると、ネジ軸68が回転し、タイミングベルトが回転するため、位置規制体65の位置が変更される。
【0098】
なお、この実施形態では、載置板55のガイド溝55A,浮き上がり防止片55B,ロック溝55C、位置規制体65のロック体65Cは不要である。また、位置規制体調整機構110は、上述の構成だけでなく、例えばボールネジ機構等の他の構成を用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、シート状のプリント媒体を積層状態で収容するプリント装置の給紙ユニットに利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
B:給紙ユニット
BW:バランスウェイト
P:プリント媒体
X:軸芯
W:ガイド幅調節機構
55:載置板
65:位置規制体
66:ガイド体
67:ノブ
68:ネジ軸
68S:右ネジ部
68T:左ネジ部
68N:ナット
100:バランス位置決定機構
110:規制位置調節機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のプリント媒体を載置板上に積層状態で収容し、プリント装置に当該プリント媒体を搬出供給する給紙ユニットであって、
前記載置板は、当該プリント媒体の搬出方向における下流側となる搬出側端部を上下に移動させるように、当該搬出方向と直交し当該載置板に平行な方向の姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持され、
前記プリント媒体上における前記搬出方向と直交する幅方向から、前記載置板上に載置される前記プリント媒体を挟み込む一対のガイド体と、
前記一対のガイド体を前記幅方向に沿って互いに離間または近接方向に移動させるガイド幅調節機構と、を備え、
前記ガイド幅調節機構は、前記載置板に備えた操作具と、当該操作具の操作に連動して前記一対のガイド体に対して互いに離間または近接方向への作動力を作用させる作動機構とを備えていることを特徴とするプリント装置の給紙ユニット。
【請求項2】
前記作動機構が、右ネジ部と左ネジ部とを有すると共に、前記軸芯と平行姿勢で前記載置板の下面側に備えられたネジ軸と、
前記ネジ軸の右ネジ部と左ネジ部とに螺合すると共に回転規制されたナットと、
前記ナットと前記ガイド体とを連結する連結体とで構成され、
前記操作具が、前記ネジ軸を回転操作する円板状のノブで構成されていることを特徴とする請求項1記載のプリント装置の給紙ユニット。
【請求項3】
前記載置板上に載置される前記プリント媒体の前記搬出方向における上流側の端部の位置を規制する位置規制体と、
前記位置規制体の位置を調節する規制位置調節機構と、を備え、
前記規制位置調節機構は、前記ガイド体の位置に連動して規制位置の調節を行うことを特徴とする請求項1または2記載のプリント装置の給紙ユニット。
【請求項4】
前記載置板の前記搬出側端部を上方に移動させた際に前記プリント媒体の上面に当接して搬出力を作用させるピックアップローラと、
前記載置板の前記搬出方向における上流側位置に、前記搬出方向に沿って移動自在に設けられたバランスウエイトと、
前記搬出方向における前記バランスウエイトの位置を設定するバランス位置設定機構と、を備え、
前記バランス位置設定機構は、前記一対のガイド体の離間距離が大きくなるほど、前記バランスウエイトを前記上流側位置に移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント装置の給紙ユニット。
【請求項1】
シート状のプリント媒体を載置板上に積層状態で収容し、プリント装置に当該プリント媒体を搬出供給する給紙ユニットであって、
前記載置板は、当該プリント媒体の搬出方向における下流側となる搬出側端部を上下に移動させるように、当該搬出方向と直交し当該載置板に平行な方向の姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持され、
前記プリント媒体上における前記搬出方向と直交する幅方向から、前記載置板上に載置される前記プリント媒体を挟み込む一対のガイド体と、
前記一対のガイド体を前記幅方向に沿って互いに離間または近接方向に移動させるガイド幅調節機構と、を備え、
前記ガイド幅調節機構は、前記載置板に備えた操作具と、当該操作具の操作に連動して前記一対のガイド体に対して互いに離間または近接方向への作動力を作用させる作動機構とを備えていることを特徴とするプリント装置の給紙ユニット。
【請求項2】
前記作動機構が、右ネジ部と左ネジ部とを有すると共に、前記軸芯と平行姿勢で前記載置板の下面側に備えられたネジ軸と、
前記ネジ軸の右ネジ部と左ネジ部とに螺合すると共に回転規制されたナットと、
前記ナットと前記ガイド体とを連結する連結体とで構成され、
前記操作具が、前記ネジ軸を回転操作する円板状のノブで構成されていることを特徴とする請求項1記載のプリント装置の給紙ユニット。
【請求項3】
前記載置板上に載置される前記プリント媒体の前記搬出方向における上流側の端部の位置を規制する位置規制体と、
前記位置規制体の位置を調節する規制位置調節機構と、を備え、
前記規制位置調節機構は、前記ガイド体の位置に連動して規制位置の調節を行うことを特徴とする請求項1または2記載のプリント装置の給紙ユニット。
【請求項4】
前記載置板の前記搬出側端部を上方に移動させた際に前記プリント媒体の上面に当接して搬出力を作用させるピックアップローラと、
前記載置板の前記搬出方向における上流側位置に、前記搬出方向に沿って移動自在に設けられたバランスウエイトと、
前記搬出方向における前記バランスウエイトの位置を設定するバランス位置設定機構と、を備え、
前記バランス位置設定機構は、前記一対のガイド体の離間距離が大きくなるほど、前記バランスウエイトを前記上流側位置に移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント装置の給紙ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−180036(P2010−180036A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26709(P2009−26709)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
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