説明

給紙装置及び画像形成装置

【課題】あらゆる幅の用紙が給紙トレイに積載されても、用紙にエアーを適切に吹き付けて用紙の浮上や分離を実行出来ること。
【解決手段】給紙トレイ31に積載された用紙Pの側方に第1送風部40Aと第2送風部40Bが設置されている。第1送風部40Aと第2送風部40Bは、第1送風部40Aと第2送風部40Bとの間に挟まれる用紙Pの幅が所定値以下になると、第1送風部40Aが吹き付けるエアーの風量を第2送風部40Bが吹き付けるエアーの風量より少なくするよう制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機、複合機等の画像形成装置に用紙を給送する給紙装置は、紙詰まり防止のため、積載された多数枚の用紙を1枚ずつ確実に分離して給送することが要求される。近年では塗工紙を給紙装置に積載して塗工紙に画像を形成する場合があるが、塗工紙は用紙間の密着力が強く、1枚ずつ分離して給紙することが困難な場合がある。
【0003】
そこで、積載された用紙の給送方向に対して側方に送風口を設け、送風口から用紙の側方にエアーを吹き付けることにより用紙間にエアーを入り込ませて分離する給紙装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、用紙の分離以外に積載された用紙の側方からエアーを吹き付ける給紙装置もある。特許文献2に記載された給紙装置は、給紙トレイに積載された用紙の側方からエアーを吹き付け、積載された用紙のうち最上位の用紙を浮上させ、用紙の上方に設置された吸着搬送部により用紙を給送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−277541号公報
【特許文献2】特開2008−239312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や特許文献2に記載された給紙装置は、積載された用紙の側方からエアーを吹き付けるものであり、且つ、積載された用紙の両側からエアーを吹き付ける。積載された用紙の幅が小さくなるとエアーを吹き付ける両側の送風口を移動させて両側の送風口が近くなるが、このときに両側の送風口から同じ風量のエアーを吹き付けてしまうと、エアーが互いにぶつかり合ってしまい、適切に用紙の浮上や分離が出来なくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、あらゆる幅の用紙が給紙トレイに積載されても、用紙にエアーを適切に吹き付けて、用紙の浮上等を実行出来る給紙装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る給紙装置は、
複数枚の用紙を積載する給紙トレイと、
当該給紙トレイに積載された用紙のサイズに応じて移動可能であり、用紙の給送方向に対して側方から前記給紙トレイに積載された用紙にエアーを吹き付ける第1送風部と、
前記給紙トレイに積載された用紙のサイズに応じて移動可能であり、前記第1送風部がエアーを吹き付ける側と反対側の側方から前記給紙トレイに積載された用紙にエアーを吹き付ける第2送風部と、
前記第1送風部と前記第2送風部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1送風部と前記第2送風部との間に挟まれる用紙の幅が所定値以下になると、前記第1送風部が吹き付けるエアーの風量を前記第2送風部が吹き付けるエアーの風量より少なくするよう、前記第1送風部と前記第2送風部を制御することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、
前記給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に対して画像を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る給紙装置及び画像形成装置によれば、あらゆる幅の用紙が給紙トレイに積載されても、用紙にエアーを適切に吹き付けて用紙の浮上等を実行出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明に係る給紙装置の要部を示す斜視図である。
【図3】給紙装置の側面図である。
【図4】給紙装置の平面図である。
【図5】給紙装置の正面図である。
【図6】吸着搬送部により用紙Pの搬送過程を示す断面図である。
【図7】給紙装置の制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[画像形成装置の概要]
図1は、本発明に係る画像形成装置Xの全体構成図である。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置Xは、主に画像形成装置本体A、画像読取装置SC、自動原稿送り装置DF、給紙装置LTから構成されている。
【0014】
画像形成装置本体Aは、感光体1、帯電部2、像露光部3、現像部4、転写部5、クリーニング部6等からなる画像形成部と、定着部7と、用紙搬送系から構成されている。用紙搬送系は、給紙カセット10、第1給紙部11、第2給紙部12、排紙部14、搬送路切換部15、循環再給紙部16、反転排紙部17から構成されている。
【0015】
自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは給紙部により搬送され、画像読取装置SCの光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読みとられ、イメージセンサCCDにより読み込まれる。イメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部20において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、像露光装置3に画像信号を送る。
【0016】
画像形成部においては、感光体1に対し、帯電部2により電荷が付加され、像露光部3からのレーザ光照射により静電潜像が形成され、現像部4により静電潜像が顕像化されてトナー像となる。次いで、給紙カセット10に収容された用紙Pが第1給紙部11から搬送される。用紙Pは、レジストローラからなる第2給紙部12でトナー像との同期がとられて搬送される。その後、用紙Pは、転写部5でトナー像が転写されてから定着部7により定着される。
【0017】
定着後の用紙Pは、排紙部14により装置外に排出される。一方、クリーニング部6により感光体1上の転写残のトナーが除去される。なお、両面印刷の場合は、第1面に画像形成された用紙Pは、循環再給紙部16に送り込まれて反転され、再び画像形成部において第2面に画像形成後、排紙部14により装置外に排出される。反転排紙の場合は、通常の排紙通路から分岐した用紙Pは、反転排紙部17においてスイッチバックして表裏反転された後、排紙部14により装置外に排出される。
【0018】
[給紙装置の概要]
画像形成装置本体Aに接続された給紙装置LTは、給紙装置本体30、第1送風部40A、第3送風部50、吸着搬送部60等を有し、大量の用紙Pを収容して、画像形成装置本体Aに用紙Pを1枚ずつ給送する。
【0019】
給紙装置本体30は、給紙トレイ31、先端部規制部材32、後端部規制部材33、ガイドレール34を有する。給紙トレイ31は、ガイドレール34により給紙装置LTから引き出し可能に構成されている。
【0020】
図2は本発明に係る給紙装置LTの要部を示す斜視図、図3は給紙装置LTの側面図、図4は給紙装置LTの平面図、図5は給紙装置LTの正面図である。
【0021】
給紙トレイ31に積載された用紙Pは図示しない機構により昇降可能に収容されており、図2〜図4に示す矢印aの方向に給送される。
【0022】
用紙Pの給送方向において、先端部規制部材32が用紙Pの先端の位置を規制し、後端部規制部材33が用紙Pの後端の位置を規制する。先端部規制部材32の位置は固定されているが、後端部規制部材33は用紙Pの給送方向に移動可能になっている。
【0023】
図3に示すように後端部規制部材33には、給紙トレイ31に積載される最上位の用紙Pの高さを検知する高さ検知センサPS1が設置されている。給紙トレイ31に積載された用紙Pに対して第1送風部40A等がエアーを吹き付けるため、給紙トレイ31に積載される最上位の用紙Pの高さが所定の高さになるよう、高さ検知センサPS1の検知結果に基づいて給紙トレイ31が上下動する。
【0024】
給紙トレイ31に積載された用紙Pの上方には吸着搬送部60が設置されている。吸着搬送部60は、駆動源に接続する大ローラ61と2個の小ローラ62を巻回して回動する吸着ベルト63を有する。吸着ベルト63は多数の小径の貫通孔が穿設されている。吸着ベルト63の内方には吸引ファン64が設置されていて、吸引ファン64の吸引力により用紙Pが吸着ベルト63に吸着する。吸着ベルト63が用紙Pを吸着しながら回動すると、給紙トレイ31に積載された最上位の用紙Pが矢印aの方向に給送され、画像形成装置本体Aへ送り込まれる。
【0025】
給紙トレイ31に対して用紙Pの給送方向下流側且つ吸着ベルト63の近傍には、第3送風部50が設置されている。第3送風部50は送風ファン51等により構成されており、第3送風部50によりエアーが吹き出される送風口53は上向きに取り付けられている。上向きに吹き付けられたエアーは、ガイド板52により向きを変えられ、斜め上方に送風口53から吹き出され、吸着搬送部60の吸着ベルト63の近傍に送風する。その結果、用紙間にエアーを吹き込まれて分離が確実となる。
【0026】
図2等に示すように、用紙Pの給送方向に対して側方から給紙トレイ31に積載された用紙Pの上部にエアーを吹き付ける第1送風部40Aと第2送風部40Bが、給紙トレイ31の両側に設置されている。第1送風部40Aは主に側部規制部材41Aと、側部規制部材41Aの内部に設置された送風ファン42Aから構成されており、第2送風部40Bは、主に側部規制部材41Bと、側部規制部材41Bの内部に設置された送風ファン42Bから構成されている。
【0027】
第1送風部40A、第2送風部40Bは、図5に示すように、用紙Pの給送方向と交差する方向である矢印bの方向に移動可能となっており、給紙トレイ31に積載された用紙Pの幅に応じてユーザーが第1送風部40A、第2送風部40Bを移動させ、側部規制部材41A、41Bにより用紙Pの両側の位置が規制される(給紙トレイ31に積載された用紙Pは第1送風部40Aと第2送風部40Bに挟まれる形となる)。
【0028】
第1送風部40Aは側部規制部材41Bの上部に設けた送風口43Aから用紙Pにエアーを吹き付け、第2送風部40Bは側部規制部材41Bの上部に設けた送風口43Aから用紙Pにエアーを吹き付ける。つまり、第2送風部40Bは第1送風部40Aがエアーを吹き付ける側と反対側の側方から用紙Pにエアーを吹き付けることとなる。
【0029】
第1送風部40Aと第2送風部40Bからエアーを吹き付けられた用紙Pは上方に浮上し、用紙Pの上方に位置する吸着搬送部60の方向へ移動する。
【0030】
給紙トレイ31に積載される用紙Pのサイズが変更された場合でも、第1送風部40A、第2送風部40Bを移動させて側部規制部材41A、41Bにより用紙Pの側面を規制するため、どのようなサイズの用紙Pが積載されても、第1送風部40A、第2送風部40Bによりエアーを吹き付けることが出来る。
【0031】
図6は、吸着搬送部60により用紙Pの搬送過程を示す断面図である。
【0032】
図6(a)は用紙の吸着過程を示す。第1送風部40A、第2送風部40Bにより給紙トレイ31に積載された上層の少数枚の用紙Pが自重に抗して持ち上げられ、吸着ベルト63の負圧による吸気V1により吸着される。第3送風部50により吹き上げられるエアーV2は、吸着ベルト63の前方底部近傍を吹き付けている。
【0033】
図6(b)は、用紙の分離過程を示す。第1送風部40A、第2送風部40Bによるエアーの吹き付けが停止すると、第3送風部50のみによる送風が、最上位の用紙P1と、その下方の用紙P2の紙間を通過する。最上位の用紙P1は吸着搬送部60の吸気V1によって吸着され、用紙P2から分離される。分離された最上位の用紙P1の下方の用紙P2は、自重によって下降し、用紙Pの上に収容される。
【0034】
用紙P2からの用紙P1の分離が終了した後、吸着搬送部60の図示しない駆動部が駆動を開始し、吸着ベルト63に吸着された1枚の用紙P1が搬送される。
【0035】
このように、第1送風部40A、第2送風部40B、第3送風部50、吸着搬送部60により用紙Pが浮上して分離され、給紙トレイ31から1枚ずつ用紙Pが搬送される。
【0036】
[エアーの風量調整]
次に、第1送風部40と第2送風部50から吹き付けられるエアーの風量調整について説明する。
【0037】
前述したように、第1送風部40Aと第2送風部40Bが給紙トレイ31の両側に設置されており、給紙トレイ31に積載される用紙Pの両側からエアーを吹き付ける構成になっている。給紙トレイ31に積載された用紙Pの幅に応じてユーザーが第1送風部40A、第2送風部40Bを図5に示す矢印bの方向に移動させ、側部規制部材41A、41Bにより用紙Pの両側の位置が規制される。
【0038】
給紙トレイ31に積載される用紙Pの幅が小さく、図5に示す側部規制部材41A、41Bの距離t(tは用紙Pの幅でもある)が短くなると、送風口43A、43Bが近くなるが、この際に両側の送風口43A、43Bから同じ風量のエアーを吹き付けてしまうと、エアーが互いにぶつかり合ってうまく用紙間にエアーが入り込まず、用紙Pが適切に浮上しなくなってしまう。
【0039】
そこで、用紙Pの幅に応じて第1送風部40Aと第2送風部40Bの風量を調整するように動作する。以下、この点について詳しく説明する。
【0040】
まず、本発明に関係する制御構成を説明する。図7は、給紙装置LTの制御構成を示すブロック図であり、本発明に関係する制御構成のみを示す。
【0041】
制御部100は給紙装置LT内に設置されており、給紙装置LT全体の動作を制御する。制御部100は、主に、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出してRAMに展開し、各部の動作を制御する。
【0042】
制御部100は記憶部101に記憶されたデータテーブルを参照し、第1送風部40Aの送風ファン42A、第2送風部40Bの送風ファン42Bの風量を調整する。また、第3送風部50の送風ファン51、吸着搬送部60の吸引ファン64の動作も制御部100が制御する。
【0043】
次に、第1送風部40A、第2送風部40Bの風量調整の動作について説明する。
【0044】
画像形成装置Xにおいて給紙装置LTから用紙Pを給紙して用紙Pに画像を形成するジョブがスタートすると、まず制御部100は所定のプログラムにより動作し、ジョブの属性情報を参照して属性情報の中に含まれる用紙Pの幅(図5におけるt)の情報を取得する。本実施形態において、用紙Pの幅の情報は側部規制部材41A、41Bの位置により判別される情報であるが、操作表示部によりユーザーから直接入力された情報であってもよい。
【0045】
次に、制御部100は用紙Pの幅の情報に基づき、第1送風部40A、第2送風部40Bの風量を決定する。風量を決定する動作は、制御部100が例えば以下の表1に示すデータテーブルを参照して行う。当該データテーブルは図7に示す記憶部101に記憶されている。
【0046】
【表1】

【0047】
「風量」の欄における「−」印の右側の数値は、第1送風部40Aにおける送風ファン42Aの出力率であり、「−」印の左側の数値は、第2送風部40Bにおける送風ファン42Bの出力率である。
【0048】
制御部100が表1のデータテーブルを参照して第1送風部40A、第2送風部40Bの風量を決定する動作を具体的に説明すると、例えば制御部100が取得した用紙Pの幅の情報が170mm以上であれば、第1送風部40Aと第2送風部40Bが離れているため、エアーが互いにぶつかり合うことはない。従って、両者の送風ファン42A、42Bとも出力率を同等の100%にしてエアーを用紙Pに吹き付ける。
【0049】
また、制御部100が取得した用紙Pの幅の情報が138mm以下であれば、第1送風部40Aと第2送風部40Bが近い位置にあるため、用紙Pの両側から同等のエアーを吹き付けると、エアーが互いにぶつかり合うことになる。従って、送風ファン42Aの出力率を0%として無風とし、送風ファン42Bの出力率を100%とする。
【0050】
また、用紙Pの幅の情報が139〜169mmの間であれば、第1送風部40Aと第2送風部40Bがある程度近い位置にあるため、送風ファン42Aの出力率を30%とし、送風ファン42Bの出力率を100%とする。
【0051】
このように、第1送風部40Aと第2送風部40Bとの間に挟まれる用紙Pの幅が所定値(表1では169mm)以下になると、第1送風部40Aが吹き付けるエアーの風量を第2送風部40Bが吹き付けるエアーの風量より少なくすることにより、あらゆる幅の用紙Pが給紙トレイ31に積載されても、エアーが互いにぶつかり合うことなく、エアーが用紙間にうまく入り込んで用紙Pが浮上することとなる。
【0052】
また、表1のデータテーブルを用いて第1送風部40A、第2送風部40Bの風量を決定するように、給紙トレイ31に積載される用紙Pの幅により、第1送風部40Aが吹き付けるエアーの風量と第2送風部40Bが吹き付けるエアーの風量の比率を変更するようすれば(表1では3段階に比率を変更)、用紙Pの幅によって最適な風量のエアーが用紙Pに吹き付けられて用紙Pが適切に浮上することとなる。
【0053】
表1のデータテーブル以外にも用紙Pの幅と用紙Pの坪量により第1送風部40A、第2送風部40Bにおける風量を決定しても良い。以下の表2は用紙Pの幅と、用紙Pの坪量と、第1送風部40A、第2送風部40Bにおける風量との関係を示すデータテーブルである。
【0054】
【表2】

【0055】
表1と同様に、表2において「−」印の右側の数値は、第1送風部40Aにおける送風ファン42Aの出力率であり、「−」印の左側の数値は、第2送風部40Bにおける送風ファン42Bの出力率である。例えば「100%−0%」とあるのは、送風ファン42Aの出力率が0%であり、送風ファン42Bの出力率が100%であることを意味する。
【0056】
表2に示すデータテーブルを参照した動作では、用紙Pの幅の情報と用紙Pの坪量の情報に基づいて第1送風部40A、第2送風部40Bの風量を決定する。用紙Pの坪量の情報は、例えば操作表示部によりユーザーから直接入力されて記憶部101に記憶された情報である。
【0057】
制御部100が表2のデータテーブルを参照して第1送風部40A、第2送風部40Bの風量を決定する動作を具体的に説明すると、例えば制御部100が取得した用紙Pの幅の情報が170mm以上であり、用紙Pの坪量の情報が200g/m以上であったとする。この場合、第1送風部40Aと第2送風部40Bが離れているため、エアーが互いにぶつかり合うことはない。また、用紙Pは重いため用紙Pを浮上させるためにはしっかりエアーを吹き付ける必要がある。従って、送風ファン42A、42Bとも出力率を同等の100%にしてエアーを用紙Pに吹き付ける。
【0058】
また、制御部100が取得した用紙Pの幅の情報が138mm以下であり、用紙Pの坪量の情報が105g/m未満であったとする。この場合、第1送風部40Aと第2送風部40Bが近い位置にあるため、用紙Pの両側から同等のエアーを吹き付けると、エアーが互いにぶつかり合うことになる。また、用紙Pは軽いため、エアーの風量が少なくても用紙Pは浮上しやすい。従って、用紙Pの浮上と消費電力を考慮して、送風ファン42Aの出力率を0%として無風とし、送風ファン42Bの出力率を100%とする。
【0059】
このように用紙Pの幅の情報とともに用紙Pの坪量の情報も考慮して、第1送風部40Aと第2送風部40Bの風量を決定することにより、送風ファン42A、42Bの消費電力を抑えつつ用紙Pの浮上を適切に行うことが出来る。
【0060】
以上、図1〜図7を用いて本発明を説明したが、本発明は当該実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0061】
本実施形態における給紙装置LTでは給紙トレイ31に積載される用紙Pを浮上させるために用紙Pの両側からエアーを吹き付けているが、用紙を分離するために用紙の両側からエアーを吹き付けるような画像形成装置であっても、前述したように第1送風部40A、第2送風部40Bの風量を調整すれば、エアーが互いにぶつかり合うことなく、エアーが用紙間にうまく入り込み、適切に分離することが出来る。
【0062】
また、本実施形態において、第1送風部40Aと第2送風部40Bにおいて送風ファン42A、42Bが側部規制部材41A、41Bの内部に設置されているが、送風ファン42A、42Bを側部規制部材41A、41B以外の箇所に固定して、用紙Pの幅により側部規制部材41A、42Bのみを用紙Pの給送方向と交差する方向に移動可能にしても良い。
【0063】
また、本実施形態において給紙装置LTBに設置された制御部100により送風ファン42A、42Bの動作を制御しているが、画像形成装置本体Aに設置された制御部において送風ファン42A、42Bの動作を制御しても良い。
【0064】
また、給紙トレイ31に積載される用紙Pの両側を側部規制部材41A、41Bにより規制しているが、小さいサイズの用紙Pを積載する場合に側部規制部材41A、41Bを移動させず、側部規制部材41A、41Bに設置した補助ガイドにより用紙Pの両側を規制するようにしても良い。
【0065】
また、本実施形態における画像形成装置Xは画像形成装置本体Aと給紙装置LT等により構成されているが、画像形成装置本体A、画像読取装置SC、自動原稿送り装置DFが一つの装置を構成し、当該装置に別体の給紙装置LTが接続されるような画像形成システムに本発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0066】
X 画像形成装置
A 画像形成装置本体
SC 画像読取装置
DF 自動原稿送り装置
LT 給紙装置
30 給紙装置本体
31 給紙トレイ
32 先端部規制部材
33 後端部規制部材
34 ガイドレール
40A 第1送風部
40B 第2送風部
41A、42A 側部規制部材
42A、42B 送風ファン
43A、43B 送風口
50 第3送風部
60 吸着搬送部
100 制御部
101 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の用紙を積載する給紙トレイと、
当該給紙トレイに積載された用紙のサイズに応じて移動可能であり、用紙の給送方向に対して側方から前記給紙トレイに積載された用紙にエアーを吹き付ける第1送風部と、
前記給紙トレイに積載された用紙のサイズに応じて移動可能であり、前記第1送風部がエアーを吹き付ける側と反対側の側方から前記給紙トレイに積載された用紙にエアーを吹き付ける第2送風部と、
前記第1送風部と前記第2送風部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1送風部と前記第2送風部との間に挟まれる用紙の幅が所定値以下になると、前記第1送風部が吹き付けるエアーの風量を前記第2送風部が吹き付けるエアーの風量より少なくするよう、前記第1送風部と前記第2送風部を制御することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1送風部と前記第2送風部との間に挟まれる用紙の幅により、前記第1送風部が吹き付けるエアーの風量と前記第2送風部が吹き付けるエアーの風量の比率を変更する請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記給紙トレイに積載される用紙の坪量により、前記第1送風部が吹き付けるエアーの風量と前記第2送風部が吹き付けるエアーの風量を決定する請求項1又は2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記給紙トレイに積載された用紙の上方に設置され、用紙を吸着して用紙を搬送する吸着搬送部を有する請求項1から3の何れか1項に記載の給紙装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に対して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−225289(P2011−225289A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93749(P2010−93749)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】