説明

給電システムの動作方法

【課題】送電装置が受電装置に対して給電を行うシステム(給電システム)における適切な給電を可能とする給電システムの動作方法を提供する。
【解決手段】受電装置が受電する電力値に応じて、送電装置が有する可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数を制御する。すなわち、給電に直結する情報に基づいて当該高周波電圧の周波数を制御する。これにより、給電システムにおける伝送効率の高い給電を正確に行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電システムの動作方法に関する。特に、磁界共鳴方式によって給電が行われる給電システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給源(以下、送電装置ともいう)と接触していない状態において、対象物(以下、受電装置ともいう)に対して給電を行う(非接触給電、ワイヤレス給電などともいう)方式として、磁界共鳴方式と呼ばれる方式が注目されている。磁界共鳴方式は、送電装置及び受電装置の双方に設けられる共鳴コイルを磁界共鳴させることでエネルギーの伝搬路を形成する方式であり、他の方式(電磁誘導方式、電界誘導方式など)と比較して給電可能距離が長い。例えば、非特許文献1では、磁界共鳴方式における伝送効率が対応する共鳴コイルの距離が1mであれば約90%、2mであれば約45%という値を示すことが開示されている。
【0003】
なお、磁界共鳴方式における伝送効率は、対応する共鳴コイルの距離が近ければ近いほど高くなるものではない。さらに、当該伝送効率は、共鳴コイルの自己共振周波数及び当該共鳴コイルに誘起される高周波電圧の周波数など種々の因子に応じて変化する。そのため、磁界共鳴方式による給電を行う際には、これらの因子を最適化することが好ましい。例えば、特許文献1では、高周波電源が出力する高周波電圧の周波数を対応する共鳴コイル間の推定距離に応じて変化させる給電システムの動作方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−252446号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Andre Kurs,et al.,”Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances”Science,vol.317,pp.83−86,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示される給電システムの動作方法においては、S11パラメータに基づいて対応する共鳴コイルの距離を推定している。S11パラメータは、送電装置が有する共鳴コイルが放射する電磁波の反射成分を示すものであり、送電装置が有する共鳴コイルと受電装置が有する共鳴コイルの距離に応じて変化する。ただし、S11パラメータは、当該距離のみに応じて変化する訳ではなく、その他の因子(電磁波の伝搬の障害物となる物の存在など)に応じても変化する。したがって、特許文献1で開示される給電システムの動作方法においては、適切な給電を行うことが困難となる可能性がある。
【0007】
上述の課題に鑑み、本発明の一態様は、給電システムにおける適切な給電を可能とする給電システムの動作方法を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、受電装置が受電する電力値に応じて、送電装置が有する可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数を制御することを要旨とする。
【0009】
具体的には、本発明の一態様は、送電装置が有する可変高周波電源が出力する高周波電圧を磁界共鳴方式によって受電装置に給電する給電システムの動作方法であって、可変高周波電源が第1の周波数の高周波電圧を出力する状態において、受電装置が受電する第1の電力値を送電装置が検知する第1の工程と、可変高周波電源が第1の周波数よりも高い第2の周波数の高周波電圧を出力する状態において、受電装置が受電する第2の電力値を送電装置が検知する第2の工程と、第1の工程及び第2の工程後、第1の電力値が第2の電力値以上である場合に、第1の周波数を可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数とし、第1の電力値が第2の電力値未満である場合に、第2の周波数を前記可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数とする第3の工程と、を有することを特徴とする給電システムの動作方法である。
【0010】
また、第1の工程後に第2の工程を行う上述の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法であって、第1の電力値が第2の電力値以上となるまで当該動作を繰り返し行うことで、複数回行われる当該動作における第1の周波数及び第2の周波数を段階的に上昇させ、第1の電力値が第2の電力値以上となる際の当該動作における第1の周波数を可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数として一定期間保持することを特徴とする給電システムの動作方法も本発明の一態様である。
【0011】
また、第2の工程後に第1の工程を行う上述の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法であって、第1の電力値が第2の電力値未満となるまで当該動作を繰り返し行うことで、複数回行われる当該動作における第1の周波数及び第2の周波数を段階的に下降させ、第1の電力値が第2の電力値未満となる際の当該動作における第2の周波数を可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数として一定期間保持することを特徴とする給電システムの動作方法も本発明の一態様である。
【0012】
また、上述の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法において、給電システムにセンサが設けられ、センサが、給電環境が変化したことを検知した場合に一定期間を終了させることを特徴とする給電システムの動作方法も本発明の一態様である。
【0013】
また、上述の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法であって、複数回行われる当該動作のそれぞれの第3の工程において選択された周波数における電力値を少なくとも次回に行われる当該動作における第3の工程まで保存することで、2回目以降に行われる当該動作のそれぞれにおいて第1の工程又は第2の工程を行わないことを特徴とする給電システムの動作方法も本発明の一態様である。
【0014】
また、上述の給電システムの動作方法において、送電装置から受電装置に対する給電、及び送電装置及び受電装置間の信号の送受信が、共に送電装置が有する共鳴コイル及び受電装置が有する共鳴コイルを介して行われることを特徴とする給電システムの動作方法も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様の給電システムの動作方法においては、受電装置が受電する電力値に応じて、送電装置が有する可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数を制御する。すなわち、給電に直結する情報に基づいて当該高周波電圧の周波数を制御する。これにより、給電システムにおける伝送効率の高い給電を正確に行うことが可能となる。
【0016】
また、本発明の一態様の給電システムの動作方法においては、受電装置が受電する電力値に応じて、動的に当該高周波電圧の周波数を制御する。これにより、給電条件が時間とともに変化した場合(例えば、受電装置が有するバッテリーの充電を行うことによって、経時的にインピーダンスが変化する場合など)であっても、定常的に給電システムにおける伝送効率の高い給電を正確に行うことが可能となる。
【0017】
また、本発明の一態様の給電システムの動作方法においては、信号の送受信及び給電のそれぞれを行う機構を別途設けるのではなく、両者を共に送電装置が備える共鳴コイル及び受電装置が備える共鳴コイルを介して行う。したがって、送電装置及び受電装置を小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(A)給電システムの構成例を示す図、(B)、(C)負荷の構成例を示す図。
【図2】給電システムの動作例を示すフローチャート。
【図3】(A)、(B)給電システムの用途例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0020】
まず、本発明の一態様に係る給電システムの構成例及び動作例の一例について図1を参照して説明する。
【0021】
<給電システムの構成例>
図1(A)は、給電システムの構成例を示す図である。図1(A)に示す給電システムは、送電装置100と、受電装置200とを有する。なお、図1(A)に示す給電システムは、送電装置100から受電装置200に対する給電が磁界共鳴方式によって行われる給電システムである。
【0022】
送電装置100は、コントローラ10と、出力する高周波電圧の周波数がコントローラによって制御される可変高周波電源11と、コントローラ10において生成される信号にしたがって高周波電圧を変調する変調回路12と、変調回路12によって変調された高周波電圧が印加されるコイル13と、コイル13との電磁誘導によって高周波電圧が誘起される共鳴コイル14と、コイル13に誘起される高周波電圧から信号を復調する復調回路15とを有する。また、共鳴コイル14には、配線間の浮遊容量16が存在している。
【0023】
なお、可変高周波電源11は、出力する高周波電圧の周波数がコントローラ10によって制御される構成であれば、どのような構成としてもよい。具体的には、可変高周波電源11として、D/Aコンバータを介してアナログ電圧制御が行われる回路を適用することが可能である。例えば、可変高周波電源11として、コルピッツ発振回路若しくはハートレー発振回路と可変容量ダイオードとを組み合わせた回路、又は電圧制御発振器(VCO)と位相同期回路(PLL)を組み合わせた回路などを適用することが可能である。
【0024】
また、変調回路12の構成としては、高周波電圧を搬送波として信号を重畳する(例えば、振幅変調を行う)ことが可能な構成であればどのような回路を適用してもよい。
【0025】
また、図1(A)においては、コイル13と共鳴コイル14を別途設ける構成について示したが、これらを共有の1つのコイルとすることも可能である。ただし、その場合、当該コイルの直列抵抗及びキャパシタンスが大きくなる。これは、Q値が小さくなることを意味する。したがって、図1(A)に示すようにコイル13及び共鳴コイル14を別途設ける構成とすることが好ましい。
【0026】
また、復調回路15の構成としては、高周波電圧に重畳する信号(例えば、振幅変調によって高周波電圧に重畳された信号)を判別し、デジタル信号として出力することが可能な回路であれば、どのような回路を適用してもよい。
【0027】
また、図1(A)においては、共鳴コイル14には、配線間の浮遊容量16のみが存在する構成について示したが、共鳴コイル14の一端及び他端の間にキャパシタを設ける構成とすることも可能である。
【0028】
受電装置200は、送電装置100が有する共鳴コイル14との磁界共鳴によって高周波電圧が誘起される共鳴コイル20と、共鳴コイル20との電磁誘導によって高周波電圧が誘起されるコイル21と、コイル21で誘起された高周波電圧を基に給電が行われる負荷22と、コイル21に誘起される高周波電圧から信号を復調する復調回路23と、負荷22に対して給電される電力値の検知及び復調回路23によって復調された信号を取得するコントローラ24と、コントローラ24によって動作が制御される応答手段25とを有する。また、共鳴コイル20には、配線間の浮遊容量26が存在している。
【0029】
なお、図1(A)においては、共鳴コイル20とコイル21を別途設ける構成について示したが、これらを共有の1つのコイルとすることも可能である。ただし、その場合、当該コイルの直列抵抗及びキャパシタンスが大きくなる。これは、Q値が小さくなることを意味する。したがって、図1(A)に示すように共鳴コイル20及びコイル21を別途設ける構成とすることが好ましい。
【0030】
また、負荷22は、給電される電力値がコントローラ24によって検知される構成であれば、どのような構成としてもよい。例えば、負荷22が、ACDCコンバータ、DCDCコンバータ、バッテリーなどを有する構成とすることが可能である。特に、負荷22が、コイル21に誘起された高周波電圧を基に充電が行われるバッテリーを有する構成とすることが好ましい。磁界共鳴を利用する場合、中長距離においても高効率な電力供給を行うことが可能であるからである。
【0031】
図1(B)は、負荷22の具体例を示す図である。図1(B)に示す負荷22は、コイル21に誘起された高周波電圧を整流する整流回路221と、整流回路221によって整流された電圧を変換するDCDCコンバータ222と、DCDCコンバータ222が出力する直流電圧によって充電が行われるバッテリー223と、整流回路221によって整流された電圧及び電流を数値化し、コントローラ24に対して出力するA/Dコンバータ224とを有する。図1(B)に示す負荷22を有する受電装置においては、コントローラ24が整流回路221によって整流された電圧及び電流の積から給電される電力値を検知することが可能である。
【0032】
また、図1(C)に示す様に、A/Dコンバータ224が、DCDCコンバータ222が出力する電圧及び電流を数値化し、コントローラ24に対して出力する構成とすることも可能である。
【0033】
また、復調回路23としては、高周波電圧に重畳する信号(例えば、振幅変調によって高周波電圧に重畳された信号)を判別し、デジタル信号として出力することが可能な回路であれば、どのような回路を適用してもよい。
【0034】
また、応答手段25は、外部の送電装置に対して応答することができる構成であれば、どのような構成としてもよい。例えば、応答手段25として、コイル21の一端及び他端の間に設けられ、且つ直列接続される抵抗及びスイッチを適用することが可能である。この場合、当該スイッチのスイッチングをコントローラ24によって制御することで、外部の送電装置に対して応答することが可能となる。また、当該スイッチとしては、接点が存在するか否かを制御する機械的スイッチ(機械的リレー、MEMSスイッチなど)を適用することが好ましい。当該スイッチには、高周波電圧が印加されうるからである。
【0035】
また、図1(A)においては、共鳴コイル20には、配線間の浮遊容量26のみが存在する構成について示したが、共鳴コイル20の一端及び他端の間にキャパシタを設ける構成とすることも可能である。
【0036】
<給電システムの動作例>
図2は、図1に示す給電システムにおける動作例を示すフローチャートである。
【0037】
<Step1(S1)>
まず、可変高周波電源11が特定の周波数f1で負荷22に対して給電を行っている状態において、負荷22が受電する電力値を検知する。例えば、変調回路12によって高周波電圧に負荷変調を与えることによって送電装置100から負荷22において受電される電力値を検知する指令信号を送信する。そして、当該復調回路23において復調された当該指令信号にしたがって、コントローラ24が負荷22において受電される電力値を検知し、応答手段25を用いて当該電力値を送電装置へと返信する。当該電力値は、コントローラ10において一時的に保存される。なお、周波数f1は、<Step1>において電力値が検知される際における周波数を指し、特定の周波数の値を指す訳ではない。
【0038】
<Step2(S2)>
次いで、コントローラ10が、可変高周波電源11が出力する高周波電圧の周波数f1を周波数f2(ここでは、周波数f1<周波数f2)へと変更する。
【0039】
<Step3(S3)>
次いで、可変高周波電源11が周波数f2で負荷22に対して給電を行っている状態において、負荷22が受電する電力値を検知する。具体的には、<Step1>における動作と同様の動作を行う。なお、周波数f2は、<Step3>において電力値が検知される際における周波数を指し、特定の周波数の値を指す訳ではない。
【0040】
<Step4(S4)、5−1(S5−1)、5−2(S5−2)>
次いで、コントローラ10において、<Step1>において取得された電力値と、<Step3>において取得された電力値との比較を行う。その結果、後者の値が前者の値以上であれば、コントローラ10は、可変高周波電源11が出力する高周波電圧の周波数f2を維持する。また、後者の値が前者の値未満であれば、コントローラ10は、可変高周波電源11が出力する高周波電圧の周波数f2を周波数f1へと変更する。なお、文言上、前者の値と後者の値が同一である場合は、周波数f2が選択されることになるが、当該場合において周波数f1を選択することもできる。すなわち、後者の値が前者の値より高ければ、可変高周波電源11が出力する高周波電圧の周波数f2を維持し、後者の値が前者の値以下であれば、可変高周波電源11が出力する高周波電圧の周波数f2を周波数f1へと変更する構成とすることも可能である。
【0041】
このような動作を経ることによって、給電システムにおける伝送効率が高くなるよう可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数を制御することが可能となる。
【0042】
また、図2に示す動作を特定期間毎(定期的)に繰り返す構成とすることも出来る。このような動作を行うことにより、給電条件が時間とともに変化した場合であっても、定常的に給電システムにおける伝送効率の高い給電を正確に行うことが可能となる。
【0043】
また、図2に示す動作を任意(不定期)に繰り返す構成とすることもできる。例えば、図2に示す動作を複数回繰り返して行い、当該周波数が最適な値となった時点で当該周波数を一定期間保つことができる。詳細に述べると、可変高周波電源11が出力する高周波電圧の周波数が最適な周波数の近傍値になった場合には、図2に示す動作を繰り返すことによって周波数の上昇及び下降を繰り返すことが想定される。よって、図2に示す動作を複数回繰り返して行った場合、ある回数までは全て周波数を上昇させる結果となり、それ以後は周波数の上昇及び下降を繰り返すことが想定される。したがって、図2に示す動作を複数回繰り返して行い、周波数を下降させる結果となった時点における周波数を最適な値とみなすことができる。なお、当該周波数が保たれる一定期間は、予め決められた時間とすることができる。また、当該給電システムにセンサ(位置センサなど)などを設け、当該センサによって給電環境が変化したこと(例えば、送電装置及び受電装置の位置関係などが変化したことにより、給電を行うのに適切な高周波電圧の周波数が変化する場合)を検知した場合に、再度上述の動作を再開する(当該一定期間を終了する)構成とすることもできる。
【0044】
なお、上述の動作を複数回行う場合には、当該動作を2回目以降に行う際の<Step1>は行わなくてもよい。当該回の前回に検知された電力値を保存しておけば、当該電力値の検知(<Step1>)が不要となるためである。具体的に述べると、図2に示す動作において、<Step5−1>に進んだ場合には、<Step3>で検知された電力値を保存しておき、<Step5−2>に進んだ場合には、<Step1>で検知された電力値を保存しておけばよい。
【0045】
また、図2に示す動作例では、<Step2>において周波数を上昇させる構成(f1<f2)について示したが、当該周波数を下降させる構成(f1>f2)とすることも可能である。この場合、当該動作を複数回繰り返して行い、周波数を上昇させる結果となった時点における周波数を最適な値とみなすことができる。
【0046】
また、上述した給電システムでは、信号の送受信及び給電のそれぞれを行う機構を別途設けるのではなく、両者を共通の共鳴コイル14、20及びコイル13、21を介して行われる。したがって、送電装置及び受電装置を小型化することが可能である。
【実施例】
【0047】
本実施例では、上述の給電システムを適用できる用途について説明する。なお、本発明の一態様に係る給電システムを適用できる用途としては、携帯型の電子機器である、デジタルビデオカメラ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)再生装置)などが挙げられる。また、電力を基に動力を得る電気自動車等の電気推進移動体が挙げられる。以下、一例について図3を参照して説明する。
【0048】
図3(A)は、携帯電話及び携帯情報端末を給電システムの用途とする一例であり、送電装置701、受電装置703Aを有する携帯電話702A、受電装置703Bを有する携帯電話702Bによって構成されている。上述した給電システムは、送電装置701と受電装置703A及び受電装置703Bの間で適用することができる。
【0049】
図3(B)は、電気推進移動体である電気自動車を給電システムの用途とする一例であり、送電装置711と、受電装置713を有する電気自動車712とによって構成されている。上述した給電システムは、送電装置711と受電装置713の間で適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 コントローラ
11 可変高周波電源
12 変調回路
13 コイル
14 共鳴コイル
15 復調回路
16 浮遊容量
20 共鳴コイル
21 コイル
22 負荷
23 復調回路
24 コントローラ
25 応答手段
26 浮遊容量
100 送電装置
200 受電装置
221 整流回路
222 DCDCコンバータ
223 バッテリー
224 A/Dコンバータ
701 送電装置
702A 携帯電話
702B 携帯電話
703A 受電装置
703B 受電装置
711 送電装置
712 電気自動車
713 受電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電装置が有する可変高周波電源が出力する高周波電圧を磁界共鳴方式によって受電装置に給電する給電システムの動作方法であって、
前記可変高周波電源が第1の周波数の高周波電圧を出力する状態において、前記受電装置が受電する第1の電力値を前記送電装置が検知する第1の工程と、
前記可変高周波電源が前記第1の周波数よりも高い第2の周波数の高周波電圧を出力する状態において、前記受電装置が受電する第2の電力値を前記送電装置が検知する第2の工程と、
前記第1の工程及び前記第2の工程後、前記第1の電力値が前記第2の電力値以上である場合に、前記第1の周波数を前記可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数とし、前記第1の電力値が前記第2の電力値未満である場合に、前記第2の周波数を前記可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数とする第3の工程と、を有することを特徴とする給電システムの動作方法。
【請求項2】
前記第1の工程後に前記第2の工程を行う請求項1に記載の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法であって、
前記第1の電力値が前記第2の電力値以上となるまで請求項1に記載の給電システムの動作方法を繰り返し行うことで、複数回行われる請求項1に記載の給電システムの動作方法における前記第1の周波数及び前記第2の周波数を段階的に上昇させ、前記第1の電力値が前記第2の電力値以上となる際の請求項1に記載の給電システムの動作方法における前記第1の周波数を前記可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数として一定期間保持することを特徴とする給電システムの動作方法。
【請求項3】
前記第2の工程後に前記第1の工程を行う請求項1に記載の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法であって、
前記第1の電力値が前記第2の電力値未満となるまで請求項1に記載の給電システムの動作方法を繰り返し行うことで、複数回行われる請求項1に記載の給電システムの動作方法における前記第1の周波数及び前記第2の周波数を段階的に下降させ、前記第1の電力値が前記第2の電力値未満となる際の請求項1に記載の給電システムの動作方法における前記第2の周波数を前記可変高周波電源が出力する高周波電圧の周波数として一定期間保持することを特徴とする給電システムの動作方法。
【請求項4】
請求項2又は請求項3において、
前記給電システムにセンサが設けられ、
前記センサが、給電環境が変化したことを検知した場合に前記一定期間を終了させることを特徴とする給電システムの動作方法。
【請求項5】
請求項1に記載の給電システムの動作方法を複数回行う給電システムの動作方法又は請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の給電システムの動作方法であって、
複数回行われる請求項1に記載の給電システムの動作方法のそれぞれの前記第3の工程において選択された周波数における電力値を少なくとも次回に行われる請求項1に記載の給電システムの動作方法における前記第3の工程まで保存することで、2回目以降に行われる請求項1に記載の給電システムの動作方法のそれぞれにおいて前記第1の工程又は前記第2の工程を行わないことを特徴とする給電システムの動作方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記送電装置から前記受電装置に対する給電、及び前記送電装置及び前記受電装置間の信号の送受信が、共に前記送電装置が有する共鳴コイル及び前記受電装置が有する共鳴コイルを介して行われることを特徴とする給電システムの動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−200135(P2012−200135A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39488(P2012−39488)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】