説明

継手に用いられるインサート部材及び継手

【課題】金属層を有する樹脂パイプの変形を容易に矯正することができると共に、樹脂パイプを嵌挿する際にシールリングを傷付けることなく優れた水密性を発揮することができる継手に用いられるインサート部材及び継手を提供する。
【解決手段】継手10に用いられるインサート部材20は、一端部に金属層23を有する樹脂パイプ24をその変形が矯正されるように嵌挿するテーパ部25を備え、他端部に継手本体11内に嵌入されて支持される嵌入部21を備え、中間部26には一対のシールリング27が嵌着される環状溝28を備えている。そして、シールリング27の外周部には樹脂パイプ24が外嵌される案内筒部39と、樹脂パイプ24の端部が当接されて樹脂パイプ24のインサート部材20への嵌挿を案内する案内頭部38とを有するガイド部材37を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば給水系や給湯系の配管システムにおいて、金属層を有する樹脂パイプの端部を水栓器具に接続する継手に用いられるインサート部材及び継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、給水系や給湯系の配管システムにおいて、樹脂パイプを差し込むだけで接続することができ、抜け止め保持される、いわゆるワンタッチ継手が知られている。係るワンタッチ継手においては、継手本体内には差し込まれた樹脂パイプと継手本体との間にシール部材(パッキン、Oリング、シールリング等)が装着され、水密性が保持されている。係る水密性を保持する方法としては、樹脂パイプの外周側をシールするいわゆる外径シール方式と、樹脂パイプの内周側をシールするいわゆる内径シール方式とがある。
【0003】
外径シール方式の場合には、通常露出状態で保管されている樹脂パイプの外周面には異物や傷が存在しているため樹脂パイプが継手に接続されたときにそれが原因で漏水が発生する場合がある。一方、内径シール方式の場合には、樹脂パイプの内周面でシールするためそのような欠点がない反面、通水部分にシール部材等が挿入されることから、通水径が樹脂パイプの内径よりも小さくなるという欠点があった。
【0004】
この種の継手として具体的には、次のような継手が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、この継手では、継手本体の内側に接続管を外嵌する円筒状の案内部が設けられ、該案内部外周の溝孔にシール部材が装着され、継手本体に螺合される袋ナットと案内部との間に接続管を押圧するリングが介在されると共に、前記案内部の外周にシール部材を覆うことのできるガイド環が外嵌されている。そして、接続管を継手本体内に差し込むと、ガイド環は接続管の内周面と案内部の外周面に挟圧された状態で、シール部材の外周面を押圧しながら案内部をスライドするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−124258号公報(第2頁、第3頁及び図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、樹脂パイプとして例えば架橋ポリエチレン層の内周面に銅層が接合されたものや、架橋ポリエチレン層の間にアルミニウム層が挟み込まれた金属層を有する樹脂パイプを用いる場合には、樹脂パイプを所定長さに切断したときの切断端部で金属層が変形する。このため、特許文献1に記載された従来の継手においては、係る金属層を有する樹脂パイプを案内部に外嵌しようとしたとき、変形した金属層が案内部の端面に当ってしまい、簡単には外嵌することができない。従って、予め樹脂パイプの端部に形成された変形を矯正して円筒状にする必要があり、そのような作業は非常に煩雑で、時間を要するものであった。
【0007】
そこで本発明の目的とするところは、金属層を有する樹脂パイプの変形を容易に矯正することができると共に、樹脂パイプを嵌挿する際にシールリングを傷付けることなく優れた水密性を発揮することができる継手に用いられるインサート部材及び継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明の継手に用いられるインサート部材は、一端部には金属層を有する樹脂パイプをその変形が矯正されるように嵌挿するテーパ部を備え、他端部には継手を構成する継手本体内に嵌入されて支持される嵌入部を備え、中間部にはシールリングが嵌着される環状溝を備えたものである。そして、前記シールリングの外周部には樹脂パイプが外嵌される案内筒部と、樹脂パイプの端部が当接されて樹脂パイプのインサート部材への嵌挿を案内する案内頭部とを有するガイド部材を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る継手に用いられるインサート部材は、請求項1に係る発明において、継手の不使用時又は前記テーパ部への樹脂パイプの嵌挿時には、前記嵌入部及びガイド部材を覆って保護するカバー部材を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る継手に用いられるインサート部材は、請求項2において、前記カバー部材は、嵌入部を覆う小径筒部と、該小径筒部より拡径されガイド部材を覆う大径筒部とを備える有蓋筒状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る継手に用いられるインサート部材は、請求項1から請求項3のいずれか1項に係る発明において、前記ガイド部材は、その案内筒部がシールリングを覆う長さを有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る継手に用いられるインサート部材は、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において、前記ガイド部材は、その案内頭部が外周方へ延び、さらに後方へ折り返されて曲面状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係るインサート部材は、請求項5に係る発明において、前記ガイド部材の案内頭部には、後方へ折り返されている部分に溝を設け、該溝は案内頭部が継手本体内に設けられる先端側シール材に接触したとき非水密状態にするものであることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る継手は、円筒状をなす継手本体と、該継手本体内に樹脂パイプが嵌挿された状態で嵌入支持される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインサート部材と、樹脂パイプを抜け止め保持する抜け止め部材と、該抜け止め部材を継手本体との間で締付固定する締付部材とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る継手は、請求項7に係る発明において、前記インサート部材が継手本体内に嵌入され、その嵌入部の先端が継手本体内の基端側シール材に接触すると同時に、ガイド部材の後方へ折り返されている部分の後端部に位置する樹脂パイプの先端が継手本体内の先端側シール材に接触するとき、インサート部材の嵌入部の先端とガイド部材の後方へ折り返されている部分の後端部との距離が、継手本体内の基端側シール材と先端側シール材との距離に等しくなるように設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明の継手に用いられるインサート部材では、一端部には金属層を有する樹脂パイプをその変形が矯正されるように嵌挿するテーパ部を備えている。このため、金属層を有する樹脂パイプをインサート部材のテーパ部に嵌挿すると、樹脂パイプ端部の変形部分が次第に矯正され、円筒状になってインサート部材に容易に嵌挿される。また、インサート部材の中間部には、シールリングの外周部を覆う案内筒部と樹脂パイプが当接する案内頭部とを有するガイド部材が設けられている。このため、係るガイド部材に樹脂パイプが案内され、該樹脂パイプはその金属層の端部がシールリングに接触することなくインサート部材に嵌挿される。
【0017】
従って、金属層を有する樹脂パイプの変形を容易に矯正することができると共に、樹脂パイプを嵌挿する際にシールリングを傷付けることなく優れた水密性を発揮することができる。
【0018】
請求項2に係るインサート部材では、継手の不使用時又は前記テーパ部への樹脂パイプの嵌挿時には、前記嵌入部及びガイド部材を覆って保護するカバー部材を備えている。このため、請求項1に係る発明の効果に加えて、嵌入部及びガイド部材にごみなどが付着することを防止できると共に、テーパ部への樹脂パイプの嵌挿をカバー部材の上から叩くことによって行うことができ、カバー部材により嵌入部の傷付きを防止することができる。
【0019】
請求項3に係るインサート部材では、カバー部材は、嵌入部を覆う小径筒部と、該小径筒部より拡径されガイド部材を覆う大径筒部とを備える有蓋筒状に形成されている。このため、請求項2に係る発明の効果に加えて、カバー部材により嵌入部及びガイド部材を傷付けることなく、十分に保護することができる。
【0020】
請求項4に係るインサート部材では、ガイド部材はその案内筒部がシールリングを覆う長さを有している。このため、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、樹脂パイプをインサート部材に嵌挿する際にシールリングを一層傷付けることなく、シールリングによる水密性を向上させることができる。
【0021】
請求項5に係るインサート部材では、ガイド部材はその案内頭部が外周方へ延び、さらに後方へ折り返されて曲面状に形成されている。従って、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、ガイド部材の構成を簡易にできると共に、樹脂パイプの案内機能を向上させることができる。
【0022】
請求項6に係るインサート部材では、ガイド部材の案内頭部には、後方へ折り返されている部分に溝が設けられている。このため、該溝は案内頭部が継手本体内に設けられる先端側シール材に接触したとき非水密状態にすることができ、継手に樹脂パイプを接続した後の耐圧試験において水漏れが生ずる。従って、請求項5に係る発明の効果に加えて、継手本体に対するインサート部材の装着が不十分であることを認識することができる。
【0023】
請求項7に係る継手では、円筒状をなす継手本体と、該継手本体内に樹脂パイプが嵌挿された状態で嵌入支持される前記インサート部材と、樹脂パイプを抜け止め保持する抜け止め部材と、該抜け止め部材を継手本体との間で締付固定する締付部材とを備えている。従って、該継手はインサート部材の前記効果を奏することができると共に、インサート部材の一端部に金属層を有する樹脂パイプを嵌挿し、その他端部の嵌入部を継手本体内に差し込むという簡単な操作で樹脂パイプを継手に容易に接続させることができる。
【0024】
請求項8に係る継手では、インサート部材が継手本体内に嵌入され、その嵌入部の先端が継手本体内の基端側シール材に接触すると同時に、ガイド部材の後方へ折り返されている部分の後端部に位置する樹脂パイプの先端が継手本体内の先端側シール材に接触する。このとき、インサート部材の嵌入部の先端とガイド部材の後方へ折り返されている部分の後端部との距離が、継手本体内の基端側シール材と先端側シール材との距離に等しくなるように設定されている。従って、請求項7に係る発明の効果に加えて、インサート部材の装着が不十分であった場合にも、インサート部材の嵌入部の先端と継手本体内の基端側シール材との間の水密性と、樹脂パイプの端部と継手本体内の先端側シール材との間の水密性とを得ることができ、本来の水密性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態におけるインサート部材を備えた継手を示す半断面図。
【図2】継手内にインサート部材を収容し、カバー部材で保護した状態を示す継手の断面図。
【図3】ガイド部材を装着したインサート部材を示す断面図。
【図4】インサート部材に抜け止め部材、割りリング、ガイド部材及び樹脂パイプを組付ける状態を示す分解斜視図。
【図5】インサート部材の作用を示す図であって、(a)は樹脂パイプにインサート部材を挿入する前の状態を示す断面図、(b)は樹脂パイプの端部にインサート部材の嵌入部を嵌入した状態を示す断面図、(c)は樹脂パイプの端部がインサート部材の中間部まで嵌挿された状態を示す断面図、(d)は樹脂パイプの端部がインサート部材の最も奥まで嵌挿された状態を示す断面図及び(e)は(d)の状態からカバー部材を取り外した状態を示す断面図。
【図6】(a)は樹脂パイプが装着されたインサート部材の嵌入部を継手内に挿入する状態を示す断面図、(b)は樹脂パイプが装着されたインサート部材を継手内の途中まで差し込んだ状態を示す断面図。
【図7】金属層を有する樹脂パイプを切断した後に金属層が変形している状態を示す斜視図。
【図8】樹脂パイプの別例を示す斜視図。
【図9】第2実施形態における継手を示す断面図。
【図10】(a)はインサート部材を示す斜視図、(b)はインサート部材を示す側面図。
【図11】第3実施形態における継手を示す断面図。
【図12】第3実施形態の比較例を示すための継手の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の最良と思われる実施形態につき、図面を用いて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、継手10を構成する略円筒状の継手本体11は、金属製の本体筒部12と、該本体筒部12の先端部(図1の右端部)外周の雄ねじ13に雌ねじ部14が螺合された合成樹脂製の係合筒部15とにより構成されている。本体筒部12は真鍮、青銅等の合金により形成され、係合筒部15はポリフェニルサルホン(PPSU)等の透明な合成樹脂により形成されている。係合筒部15は透明な合成樹脂により形成されているため、その内部を透視できるようになっている。
【0027】
本体筒部12と係合筒部15との間にはゴム製の第1シール材16が介装され、両者間の水密性が保持されている。なお、本体筒部12の基端部外周には雄ねじ17が螺刻され、図示しない水栓金具の雌ねじに螺合されるようになっている。継手本体11の内側には、水(流体)が流通する流通孔18が形成されている。本体筒部12の先端部内周には、本体筒部12の中間部における流通孔18よりも拡径された係合孔19が設けられている。
【0028】
前記継手本体11内には、黄銅、青銅、ステンレス鋼(SUS304、SUS316等)、アルミニウム等の金属により形成されたインサート部材20が継手本体11の先端側から挿入され、その基端側の嵌入部21が本体筒部12の係合孔19に係合されるように装着されている。このインサート部材20は、金属の板材をプレス絞り加工により抜き成形して円筒状に形成されている。プレス絞り加工は、ダイの上に金属の板材を支持し、周囲をしわ押えで押えた状態で、パンチにて板材を押し込んで加工する方法である。
【0029】
該インサート部材20は、一端部(先端部)には樹脂層22の内周に金属層23を有する樹脂パイプ24をその変形が矯正されるように嵌挿するテーパ部25を備え、他端部(基端部)には本体筒部12の係合孔19に嵌入されて支持される嵌入部21を備え、中間部26には一対のシールリング27が嵌着される一対の環状溝28が凹設されている。インサート部材20の嵌入部21と中間部26との間には、中間部26が嵌入部21よりも拡径された係合段差29が設けられ、インサート部材20の嵌入部21が本体筒部12の係合孔19に嵌入されたとき、係合段差29が本体筒部12の先端面12aに当接されるようになっている。この係合段差29の部分は外周方へ膨出形成された膨出部30となっている。また、インサート部材20の中間部26とテーパ部25との間には、中間部26側がテーパ部25側よりわずかに小径となる係止段差31が設けられ、その係止段差31に後述するガイド部材37の案内筒部39が係止されてガイド部材37がインサート部材20の外周から抜け落ちないように構成されている。
【0030】
金属層23を有する樹脂パイプ24は、例えば銅製の金属層23の外周に架橋ポリエチレン製の樹脂層22が一体化されて構成されている。金属層23の厚さは例えば0.2〜0.4mmの薄肉に形成され、樹脂層22の厚さは例えば1.5〜2mmに形成される。樹脂パイプ24は金属層23を有しているため十分に補強されているが、所定箇所で切断したときにその金属層23が潰れて変形する(図7を参照)。その金属層23の変形は、樹脂パイプ24をインサート部材20のテーパ部25に嵌挿する際に矯正されるようになっている。係るテーパ部25の傾斜度は、樹脂パイプ24の変形を有効に矯正すべく、テーパ部25の基端部の直径に対して先端部の直径が60〜80%となるように設定されている。
【0031】
一対のシールリング27はエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等のゴムにより断面円形状に形成され、樹脂パイプ24の内周面に密接してインサート部材20の外周面と樹脂パイプ24の内周面との間の漏水が防止され、水密が図られるようになっている。前記係合筒部15の内周面とインサート部材20の外周面との間には、樹脂パイプ24が差し込まれる差込空間32が形成されている。
【0032】
本体筒部12の内周面には環状凹部33が設けられ、該環状凹部33に基端側シール材としてゴム製の第2シール材34が嵌着され、インサート部材20の嵌入部21と本体筒部12の内周面との間の水密が図られている。前記係合筒部15の中間部内周面には環状凹部35が設けられ、該環状凹部35には先端側シール材としてゴム製の第3シール材36が嵌着されて係合筒部15の内周面と樹脂パイプ24の外周面との間の水密が図られている。
【0033】
図3及び図4に示すように、インサート部材20の外周には、樹脂パイプ24の先端面に押圧されて樹脂パイプ24の差し込みを案内するガイド部材37が配置されている。該ガイド部材37は、樹脂パイプ24の先端部が当接される案内頭部38とシールリング27の外周部を覆う円筒状の案内筒部39とにより構成されている。このガイド部材37は、案内筒部39がステンレス鋼製の薄板により円筒状に形成され、案内頭部38が前記案内筒部39の内端部を後方(案内筒部39側)へ折り返すことにより断面ほぼ逆コの字状に形成されている。この断面逆コの字状をなす案内頭部38の角部は円弧状に形成され、つまり案内頭部38は曲面状に形成され、ガイド部材37が継手10の差込空間32を内方へ移動するときに円滑に移動できるようになっている。そして、ガイド部材37の案内筒部39に樹脂パイプ24が外嵌され、樹脂パイプ24の先端部がガイド部材37の案内頭部38に当接した状態で樹脂パイプ24が差込空間32に差し込まれるようになっている。
【0034】
インサート部材20のテーパ部25の端縁部は断面円弧状に形成された円弧部57となり、樹脂パイプ24の嵌挿を容易にしている。また、インサート部材20の中間部26内周面には第1傾斜面58が設けられ、嵌入部21の開口端部内周面には第2傾斜面59が設けられ、水の流通抵抗を低減させて水が流通孔18を円滑に流通できるようになっている。
【0035】
図2に示すように、インサート部材20は、不使用時(運搬時)又はインサート部材20のテーパ部25への樹脂パイプ24の嵌挿時には、そのテーパ部25側が継手本体11内に挿入された状態で保持される。すなわち、インサート部材20の嵌入部21側には、3段の段部を有する有蓋円筒状のカバー部材40が、インサート部材20の嵌入部21及びガイド部材37を覆って保護するように装着されている。つまり、カバー部材40は、インサート部材20の嵌入部21を覆う小径筒部41と、該小径筒部41より拡径されガイド部材37を覆う第1大径筒部43と、後記締付ナット47の外周に装着される第2大径筒部45とを備える有蓋円筒状に形成されている。
【0036】
図1に示すように、前記係合筒部15の先端側(外端側)の外周面には雄ねじ46が螺刻され、締付部材としての締付ナット47の雌ねじ48が螺合され、締付ナット47が係合筒部15に連結されるように構成されている。その状態で締付ナット47先端の開口49から樹脂パイプ24が装着されたインサート部材20が差し込まれるようになっている。前記係合筒部15の外端面と締付ナット47の内周面(内端面)との間には、ステンレス鋼等の金属で形成された抜け止め部材としての抜け止めリング50が介装され、樹脂パイプ24を抜け止め規制するようになっている。該抜け止めリング50の内周部には抜け止め片50aが斜め方向に突出形成され、樹脂パイプ24の外周部に食い込んで樹脂パイプ24の抜け止めを行うようになっている。
【0037】
この抜け止めリング50と締付ナット47の内周の第1斜面51との間には、割りリング52が介在され、抜け止め片50aの傾斜角度を保持するように構成されている。該割りリング52は全体としてCリング状に形成され、拡縮可能に構成されている。割りリング52の外端部には、締付ナット47の第1斜面51と同じ傾斜角度をもつ第2斜面53が設けられ、樹脂パイプ24の引き抜き方向への力により抜け止め片50aを介して割りリング52が軸線方向外方へ力を受けたとき、割りリング52を縮径させるように構成されている。そして、割りリング52の内周面に形成された締付面54が樹脂パイプ24の外周面を締付けるようになっている。係る割りリング52の内周面には係合用段差55が設けられ、該係合用段差55にガイド部材37の案内頭部38の外端面が係合され、ガイド部材37が抜け止め保持されるようになっている。なお、図4に示すように、Cリング状をなす割りリング52端部間の離間部は、板ばね状の連繋部56により変形可能に連結されている。
【0038】
前記継手本体11の係合筒部15、割りリング52、カバー部材40等は、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニルサルホン(PPSU)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂(エンジニアリングプラスチック)によって形成されている。また、金属層23を有する樹脂パイプ24の樹脂層22を形成する樹脂としてはポリオレフィン(架橋ポリエチレン、ポリブテン等)等の合成樹脂が用いられ、金属層23を形成する金属としては銅、銅合金、アルミニウム等が用いられる。
【0039】
上記のように継手10は、継手本体11と、該継手本体11内に樹脂パイプ24が装着された状態で嵌入支持されるインサート部材20と、樹脂パイプ24を抜け止め保持する抜け止めリング50と、該抜け止めリング50を継手本体11との間で締付固定する締付ナット47等とにより構成されている。
【0040】
次に、以上のように構成されたインサート部材20及び継手10についてその作用を説明する。
図5(a)に示すように、インサート部材20をガイド部材37が装着された状態で継手本体11から取り出す。そして、樹脂パイプ24の端部にインサート部材20のテーパ部25を挿入する。すなわち、該テーパ部25に樹脂パイプ24を嵌挿する。このとき、図7に示すように樹脂パイプ24の端部は金属層23が潰れて変形しているが、図5(b)に示すようにインサート部材20をカバー部材40の外から叩いてテーパ部25を樹脂パイプ24内に挿入する。これにより、樹脂パイプ24の金属層23の変形した部分が円錐状のテーパ部25に摺接されて徐々に矯正され、円筒状に復元させることができる。
【0041】
図5(c)に示すように、インサート部材20のテーパ部25を樹脂パイプ24内にさらに挿入すると、樹脂パイプ24の先端部はガイド部材37の案内筒部39に乗り上げて外嵌され、さらに樹脂パイプ24の先端部がガイド部材37の案内頭部38に当接する。このように、樹脂パイプ24の先端部が一対のシールリング27上を移動する間、一対のシールリング27はガイド部材37の案内筒部39で覆われているため、樹脂パイプ24先端部の金属層23により一対のシールリング27を傷付けるおそれがない。
【0042】
図5(d)に示すように、インサート部材20のテーパ部25を樹脂パイプ24内にさらに挿入すると樹脂パイプ24がガイド部材37に案内され、ガイド部材37の案内頭部38が樹脂パイプ24の先端部に押圧されてインサート部材20の膨出部30に当接する。その後、図5(e)に示すように、カバー部材40を樹脂パイプ24が装着されたインサート部材20から取り外す。上記のように、カバー部材40をインサート部材20に装着した状態で樹脂パイプ24の挿入をインサート部材20に触れることなく行なうことができるため、嵌入部21などのインサート部材20の外面にごみが付着することを防止することができる。しかも、樹脂パイプ24へのインサート部材20の挿入をカバー部材40の上から叩くことによって行うことができるため、インサート部材20に傷が付くことを防止することができる。
【0043】
続いて、図6(a)に示すように、樹脂パイプ24が装着されたインサート部材20の嵌入部21を継手10の開口49から継手10内に差し込む。図6(b)に示すように、インサート部材20の嵌入部21を継手本体11内へさらに差し込むと、ガイド部材37及び樹脂パイプ24は抜け止めリング50の抜け止め片50aを通過した後、一対のシールリング27、第3シール材36を通過し、嵌入部21は継手本体11の係合孔19に係合される。図1に示すように、インサート部材20の嵌入部21が継手本体11の係合孔19の内端壁19aに当るまで、同時にガイド部材37の案内頭部38が本体筒部12の先端面12aに当るまで樹脂パイプ24が装着されたインサート部材20を挿入する。このようにして、樹脂パイプ24の差し込みが完了し、継手10に樹脂パイプ24を接続することができる。
【0044】
この場合、ガイド部材37の先端面は曲面状に形成されていることから、ガイド部材37及び樹脂パイプ24は継手10の差込空間32を円滑に進行することができる。同時に、一対のシールリング27の外周面は樹脂パイプ24の内周面に摺接されて圧縮されると共に、第3シール材36は樹脂パイプ24の外周面に押圧されて圧縮され、第2シール材34はインサート部材20の嵌入部21の外周面に押圧されて圧縮される。従って、継手10に樹脂パイプ24が差し込まれた状態で、一対のシールリング27によりインサート部材20と樹脂パイプ24との間が止水され、第3シール材36により係合筒部15と樹脂パイプ24との間が止水され、さらに第2シール材34によりインサート部材20の嵌入部21と本体筒部12との間が止水される。
【0045】
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態のインサート部材20では、傾斜角度の大きい円錐状をなすテーパ部25を備えている。このため、金属層23を有する樹脂パイプ24をインサート部材20のテーパ部25に嵌挿すると、樹脂パイプ24端部の変形部分がそのテーパ部25により次第に円筒状に矯正され、インサート部材20に容易に嵌挿される。また、インサート部材20の中間部26には、シールリング27の外周部を覆う案内筒部39と樹脂パイプ24が当接する案内頭部38とを有するガイド部材37が設けられている。このため、係るガイド部材37に樹脂パイプ24が案内され、該樹脂パイプ24はその金属層23の端部がシールリング27に接触することなくインサート部材20に嵌挿される。
【0046】
従って、金属層23を有する樹脂パイプ24の変形を容易に矯正することができると共に、樹脂パイプ24を嵌挿する際にシールリング27を傷付けることがなく、該シールリング27により優れた水密性を発揮することができる。
【0047】
・ 継手10の不使用時又は前記テーパ部25への樹脂パイプ24の嵌挿時には、前記嵌入部21及びガイド部材37を覆って保護するカバー部材40を備えている。このため、嵌入部21及びガイド部材37にごみなどが付着することを防止できると共に、テーパ部25への樹脂パイプ24の嵌挿時にはカバー部材40の上から叩くことによって行うことができ、嵌入部21の傷付きを防止することができる。
【0048】
・ 前記カバー部材40は、嵌入部21を覆う小径筒部41と、該小径筒部41より拡径されガイド部材37を覆う第1大径筒部43とを備える有蓋筒状に形成されている。このため、カバー部材40により嵌入部21及びガイド部材37を傷付けることがなく、十分に保護することができる。
【0049】
・ 前記ガイド部材37はその案内筒部39が一対のシールリング27を覆う長さを有している。このため、樹脂パイプ24を嵌挿する際に両シールリング27を樹脂パイプ24の金属層23によって傷付けることを十分に抑制することができ、シールリング27による水密性を向上させることができる。
【0050】
・ ガイド部材37はその案内頭部38が外周方へ延び、さらに後方へ折り返されて曲面状に形成されている。従って、ガイド部材37の構成を簡易にできると共に、樹脂パイプ24の案内機能を向上させることができる。
【0051】
・ 2つの環状溝28に一対のシールリング27が嵌着されていることから、シールリング27による水密性を一層向上させることができる。
・ 樹脂パイプ24は樹脂層22の内周面に銅製の金属層23を有しているため、強度、耐久性、耐震性等の物性に優れると共に、抗菌性等の物性も発揮することができる。
【0052】
・ 継手10は、円筒状をなす継手本体11と、該継手本体11内に樹脂パイプ24が嵌挿された状態で嵌入支持されるインサート部材20と、樹脂パイプ24を抜け止め保持する抜け止めリング50と、該抜け止めリング50を継手本体11との間で締付固定する締付ナット47とを備えている。従って、該継手10はインサート部材20の前記効果を奏することができると共に、インサート部材20の一端部に樹脂パイプ24を嵌挿し、その他端部の嵌入部21を継手本体11内に差し込むという簡単な操作で樹脂パイプ24を継手10に容易に接続させることができる。
【0053】
・ 本実施形態の継手10では、シールリング27及び第2シール材34に加えて、第3シール材36が設けられ、内径シール方式と外径シール方式とを兼ね備えた内外径シール方式になっている。このため、継手10の水密性能の向上を図ることができ、継手10の寿命を延長させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、主に第1実施形態と異なる部分について説明し、同じ部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
図9に示すように、樹脂パイプ24を継手10に接続する場合には、インサート部材20の嵌入部21が本体筒部12の環状凹部33に嵌着されている第2シール材34に非接触状態で、ガイド部材37の案内頭部38が係合筒部15の環状凹部35に嵌着されている第3シール材36に接触状態で樹脂パイプ24の挿入が停止されるときがある。そのときには、ガイド部材37の案内頭部38と第3シール材36とが接触することで一定の水密性が発現されるが、その水密性は不十分で長期に渡って水密性を維持することはできない。
【0055】
そこで、この第2実施形態においては、図10(a)及び(b)に示すように、ガイド部材37の案内頭部38の後方へ折り返されている部分38aには、ガイド部材37の軸線方向に延びる断面半円状をなす溝60が凹設されている。該溝60は、後方へ折り返されている部分38aの周方向に等間隔をおいて3箇所設けられている。この溝60は、ガイド部材37の後方へ折り返されている部分38aをプレス加工により成形するときに同時に成形される。
【0056】
そして、図9に示すように、樹脂パイプ24が継手10内に挿入されることにより、インサート部材20の嵌入部21が第2シール材34に非接触状態で、ガイド部材37の案内頭部38が第3シール材36に接触状態となる。このとき、ガイド部材37の後方へ折り返されている部分38aには溝60が設けられていることから、ガイド部材37の案内頭部38と第3シール材36とは非水密状態となっている。このため、樹脂パイプ24が継手10に接続された後に耐圧試験を行ったとき、案内頭部38の溝60から水漏れが発生し、異常を検知することができる。従って、継手本体11に対するインサート部材20の装着が不十分であることを認識することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について説明する。この第3実施形態においても、主に第1実施形態と異なる部分について説明し、同じ部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図12に示すように、樹脂パイプ24を継手10に接続する場合には、インサート部材20の嵌入部21が第2シール材34に達して接触状態で、ガイド部材37の案内頭部38が第3シール材36に接触状態で樹脂パイプ24の挿入が停止されるときがある。そのとき、インサート部材20の嵌入部21と第2シール材34とが接触して水密性が発現されるが、ガイド部材37の案内頭部38と第3シール材36との接触では本来の水密性が発現されず、水密性が経時的に低下する。
【0058】
しかしながら、この第3実施形態において、図11に示すように、インサート部材20にガイド部材37が外嵌され、そのガイド部材37に樹脂パイプ24が嵌挿された状態で、インサート部材20の嵌入部21が本体筒部12内まで挿入され、嵌入部21が第2シール材34に接触する。このとき、インサート部材20の嵌入部21の先端とガイド部材37の後方へ折り返されている部分38aの後端部との距離Lが、継手本体11内における第2シール材34と第3シール材36との距離Dに等しくなるように設定されている。すなわち、インサート部材20の嵌入部21が第2シール材34に接触したときには、ガイド部材37の後方へ折り返されている部分38aの後端部に位置する樹脂パイプ24の先端が第3シール材36に接触するようになっている。なお、第2シール材34と第3シール材36との距離Dは、第2シール材34の軸線方向中央部と第3シール材36の軸線方向中央部とを基準にして設定されるが、樹脂パイプ24と第3シール材36との水密性が発現される限り、第3シール材36についてはその軸線方向の長さの範囲内で設定することができる。
【0059】
このように、インサート部材20の嵌入部21が第2シール材34に接触し、かつ樹脂パイプ24の先端が第3シール材36に接触する。従って、インサート部材20の装着が不十分であった場合にも、インサート部材20の嵌入部21の先端と第2シール材34との間の水密性と、樹脂パイプ24の先端と第3シール材36との間の水密性とを得ることができ、本来の水密性を発揮することができる。
【0060】
なお、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
○ 図8に示すように、樹脂パイプ24として、架橋ポリエチレン等により形成された内側樹脂層22a及び外側樹脂層22bの間にアルミニウム等により形成された金属層23を有する3層構造のパイプを用いることもできる。この場合、樹脂パイプ24がガイド部材37の案内筒部39に外嵌され、樹脂パイプ24の端部が案内頭部38に当ったとき金属層23が案内頭部38内の空間部に位置していることから、電気的な絶縁性を図ることができる。
【0061】
○ カバー部材40を、第1大径筒部43を省略してその部分まで第2大径筒部45を延長し、小径筒部41と第2大径筒部45との2つの段部で構成することもできる。
○ 2つの環状溝28を1つにし、シールリング27も1つにすることもできる。或いは、環状溝28を3つ以上にし、シールリング27も3つ以上にすることも可能である。また、環状溝28の幅を広げ、シールリング27を断面楕円形状等に形成することもできる。
【0062】
○ ガイド部材37を着色することができ、その場合には係合筒部15を通してその着色を認識することができ、樹脂パイプ24の継手10内への差し込みを容易に確認することができる。
【0063】
〇 継手10を、水道配管、冷温水配管のほか、床暖房配管、ロードヒーティング用配管等の接続に使用することもできる。
〇 第2実施形態において、ガイド部材37の後方へ折り返されている部分38aに設けられている溝60は、少なくとも1箇所に設けられておればよく、また断面V字状、断面U字状等の形状であってもよい。
【0064】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記インサート部材の中間部には、ガイド部材の案内筒部が係止される係止段差が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の継手に用いられるインサート部材。このように構成した場合、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加えて、ガイド部材をインサート部材から抜け落ちないようにすることができる。
【0065】
・ 前記インサート部材の中間部と嵌入部との間には、樹脂パイプが嵌挿されたガイド部材の案内頭部が係合されて樹脂パイプの嵌挿が停止される膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の継手に用いられるインサート部材。このように構成した場合、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加えて、インサート部材への樹脂パイプの嵌挿を容易に行うことができる。
【0066】
・ 前記溝は、ガイド部材の軸線方向に延びる複数の溝であることを特徴とする請求項6に記載のインサート部材。この場合、請求項6に係る発明の効果に加えて、耐圧試験における水漏れを容易に図ることができる。
【0067】
・ 前記第2シール材と第3シール材との距離は、第2シール材の軸線方向中央部と第3シール材の軸線方向中央部とを基準にして設定されることを特徴とする請求項8に記載の継手。この場合、請求項8に係る発明の効果を一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0068】
10…継手、11…継手本体、20…インサート部材、21…嵌入部、23…金属層、24…樹脂パイプ、25…テーパ部、26…中間部、27…シールリング、28…環状溝、34…基端側シール材としての第2シール材、36…先端側シール材としての第3シール材、37…ガイド部材、38…案内頭部、38a…後方へ折り返されている部分、39…案内筒部、40…カバー部材、41…小径筒部、43…大径筒部としての第1大径筒部、50…抜け止め部材としての抜け止めリング、60…溝、L…距離、D…距離。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部には金属層を有する樹脂パイプをその変形が矯正されるように嵌挿するテーパ部を備え、他端部には継手を構成する継手本体内に嵌入されて支持される嵌入部を備え、中間部にはシールリングが嵌着される環状溝を備えたインサート部材であって、
前記シールリングの外周部には樹脂パイプが外嵌される案内筒部と、樹脂パイプの端部が当接されて樹脂パイプのインサート部材への嵌挿を案内する案内頭部とを有するガイド部材を備えることを特徴とする継手に用いられるインサート部材。
【請求項2】
継手の不使用時又は前記テーパ部への樹脂パイプの嵌挿時には、前記嵌入部及びガイド部材を覆って保護するカバー部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の継手に用いられるインサート部材。
【請求項3】
前記カバー部材は、嵌入部を覆う小径筒部と、該小径筒部より拡径されガイド部材を覆う大径筒部とを備える有蓋筒状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の継手に用いられるインサート部材。
【請求項4】
前記ガイド部材は、その案内筒部がシールリングを覆う長さを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の継手に用いられるインサート部材。
【請求項5】
前記ガイド部材は、その案内頭部が外周方へ延び、さらに後方へ折り返されて曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の継手に用いられるインサート部材。
【請求項6】
前記ガイド部材の案内頭部には、後方へ折り返されている部分に溝を設け、該溝は案内頭部が継手本体内に設けられる先端側シール材に接触したとき非水密状態にするものであることを特徴とする請求項5に記載の継手に用いられるインサート部材。
【請求項7】
円筒状をなす継手本体と、該継手本体内に樹脂パイプが嵌挿された状態で嵌入支持される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインサート部材と、樹脂パイプを抜け止め保持する抜け止め部材と、該抜け止め部材を継手本体との間で締付固定する締付部材とを備えることを特徴とする継手。
【請求項8】
前記インサート部材が継手本体内に嵌入され、その嵌入部の先端が継手本体内の基端側シール材に接触すると同時に、ガイド部材の後方へ折り返されている部分の後端部に位置する樹脂パイプの先端が継手本体内の先端側シール材に接触するとき、インサート部材の嵌入部の先端とガイド部材の後方へ折り返されている部分の後端部との距離が、継手本体内の基端側シール材と先端側シール材との距離に等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項7に記載の継手。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−32036(P2010−32036A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26528(P2009−26528)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000128968)株式会社オンダ製作所 (31)
【Fターム(参考)】