説明

継手及びそれに装着される検査用プラグ

【課題】水圧検査における漏水防止性能を向上させることができる継手及びそれに装着される検査用プラグを提供する。
【解決手段】継手10は、継手本体11の内周面に配管の端部の雄ねじ部が螺合される雌ねじ部16が形成されると共に、前記配管が継手本体11に螺合されていない状態で検査用プラグ13が螺合されて水圧試験を行うように構成されている。継手本体11の雌ねじ部16の開口端部には、継手本体11に検査用プラグ13が螺合されたときシールリング54が収容される非ねじ部分17が設けられている。検査用プラグ13は円筒状のプラグ本体50とそのプラグ本体50に設けられる摘み部51とを有し、プラグ本体50の外周には継手本体11の雌ねじ部16に螺合される雄ねじ52が形成されると共に、プラグ本体50外周の摘み部51側には非ねじ部53が設けられ、該非ねじ部53にはシールリング54が嵌着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば給水用や給湯用の配管システムにおいて、壁に固定されて給水栓の取付ねじを接続するために使用され、配管システムにおける水の漏れを検査するために検査用プラグを装着可能な継手及びそれに装着される検査用プラグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の検査用プラグにおいては、継手と検査用プラグとの間での漏水を防止するために、その雄ねじの外周にシールテープが巻回されて使用されている。しかしながら、この雄ねじの外周に巻回されるシールテープは、漏水を確実に防止するためには均一に巻回し、かつ所定の厚さに設定する必要があり、その作業に時間を要したり、熟練を要したりするという欠点があった。そこで、検査用プラグ(テストプラグ)として、その本体の平らな部分にゴムパッキンを設けたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】実開平6−47771号公報(第2頁及び第3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1に記載されている検査用プラグでは、ゴムパッキンがその平らな部分に設けられているものの、検査用プラグを継手に螺合したときには継手の雌ねじに係合した状態で締め付け固定される。そのため、ゴムパッキンは継手の雌ねじ部分で傷付けられやすく、その部分で漏水が生ずるおそれがある。水道法の規定に基づく水圧検査での圧力は高いため、ゴムパッキンに形成される少しの傷でも漏水を招く可能性がある。従って、そのような漏水を回避できる継手及び検査用プラグが求められている。
【0004】
そこで本発明の目的とするところは、水圧検査における漏水防止性能を向上させることができる継手及びそれに装着される検査用プラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明の継手は、筒状をなす継手本体の内周面には配管の端部の雄ねじ部が螺合される雌ねじ部が形成されると共に、前記配管が継手本体に螺合されていない状態で検査用プラグが螺合されて水圧試験を行うように構成され、前記継手本体の雌ねじ部の開口端部には継手本体に検査用プラグが螺合されたときシールリングが収容される非ねじ部分が設けられると共に、検査用プラグは継手本体内に挿入されて継手本体の端部を密栓するためのプラグ本体とその端部に設けられ拡径された摘み部とを有し、前記プラグ本体の外周には継手本体の雌ねじ部に螺合される雄ねじが形成されると共に、プラグ本体外周の摘み部側には非ねじ部が設けられ、該非ねじ部にはシールリングが嵌着されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明の継手は、請求項1において、前記継手本体の非ねじ部分は、凹状に切欠き形成された円環状凹部であることを特徴とする。
請求項3に係る発明の継手は、請求項1又は請求項2において、前記継手本体に配管が螺合されたとき、その螺合部分を覆う化粧部材の内端部が継手本体の非ねじ部分に収容されるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明の継手は、請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記検査用プラグは、エンジニアリングプラスチックにより一体成形されていることを特徴とする。
【0008】
請求項5に係る発明の検査用プラグは、請求項1に記載の継手の継手本体に装着される検査用プラグであって、継手本体内に挿入されて継手本体の端部を密栓するためのプラグ本体とその端部に設けられ拡径された摘み部とを有し、前記プラグ本体の外周には継手本体の雌ねじ部に螺合される雄ねじが形成されると共に、プラグ本体外周の摘み部側には非ねじ部が設けられ、該非ねじ部にはシールリングが嵌着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る継手では、継手本体の雌ねじ部の開口端部には継手本体に検査用プラグが螺合されたときシールリングが収容される非ねじ部分が設けられると共に、検査用プラグのプラグ本体外周の摘み部側にはシールリングが嵌着される非ねじ部が設けられている。このように、継手本体に検査用プラグが螺合されたとき、シールリングは継手本体の非ねじ部分と検査用プラグの非ねじ部に収容され、継手本体の雌ねじ部や検査用プラグの雄ねじには係合しない。従って、シールリングは損傷を受けるおそれがなく、水圧検査における漏水防止性能を向上させることができる。
【0010】
請求項2に係る継手では、継手本体の非ねじ部分は凹状に切欠き形成された円環状凹部である。このため、シールリングを円環状凹部に収容することができ、請求項1に係る発明の効果を高めることができる。
【0011】
請求項3に係る継手では、継手本体に配管が螺合されたとき、その螺合部分を覆う化粧部材の内端部が継手本体の非ねじ部分に収容されるように構成されている。このため、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、継手本体の非ねじ部分を利用して化粧部材の取付けを円滑に、しかも隙間が形成されないように行うことができる。
【0012】
請求項4に係る継手では、検査用プラグはエンジニアリングプラスチックにより一体成形されている。このため、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、検査用プラグを所定形状に容易に賦形することができると共に、水圧検査に十分耐えることができる。
【0013】
請求項5に係る検査用プラグは前記継手本体に装着されるものであって、前記プラグ本体とその端部に設けられ拡径された摘み部とを有し、プラグ本体の外周には継手本体の雌ねじ部に螺合される雄ねじが形成されると共に、プラグ本体外周の摘み部側には非ねじ部が設けられ、該非ねじ部にはシールリングが嵌着されているものである。従って、検査用プラグを継手に装着することにより、前記継手の効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の最良と思われる実施形態につき、図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、継手10を構成する円筒状の継手本体11は、一端部(上端部)が横方向に開口し、他端部(下端部)が下方向に開口するように90度異なる角度に曲げ形成されている。継手本体11内には、水が流通する流路12が形成されている。この継手本体11は銅合金(青銅、黄銅等)、ステンレス鋼等の金属により形成されている。継手10に接続される配管(樹脂パイプ)などの系列(配管システム)について水圧検査を行う場合には、継手本体11に検査用プラグ13が装着されると共に、水圧検査後には図3に示すように、継手本体11に給水栓の取付ねじ14が装着されて使用される。
【0015】
まず、継手本体11の横方向に開口する一端部について説明する。図1に示すように、継手本体11の外周面には雄ねじ部15が螺刻されると共に、内周面には雌ねじ部16が螺刻されている。該雌ねじ部16の開口側端部にはねじが螺刻されていない非ねじ部分17が設けられている。この非ねじ部分17は、凹状に切欠き形成された円環状凹部18となっている。
【0016】
図3に示すように、前記継手本体11の端部は壁体19の貫通孔20から突出されるようになっている。この壁体19の外側(図3の右側)には、第1化粧部材21、締付部材22及び第2化粧部材23が配設される。第1化粧部材21は円環状に形成され、その中心部の挿通孔24には前記継手本体11の端部が挿通されるように構成されている。該第1化粧部材21の外周部には壁体19側に突出する環状突部25が形成され、該環状突部25が壁体19の外面に密接するようになっている。係る環状突部25には環状溝26が形成され、該環状溝26にはゴムパッキン27が嵌着され、第1化粧部材21と壁体19との間のシール性が図られている。
【0017】
締付部材22は金属により円環状に形成され、その内周面に第1雌ねじ28が形成され、継手本体11外周の雄ねじ部15に螺合されるように構成されている。そして、第1化粧部材21の環状突部25を壁体19に密着させるようになっている。第2化粧部材23は内筒29と外筒30とより二重の筒状に形成され、内筒29の内周面には第2雌ねじ31が螺刻され、配管としての給水栓の取付ねじ(雄ねじ)14が螺合されるようになっている。内筒29は外筒30よりも軸線方向に長く形成されると共に、外筒30と内筒29との間の空間部32には前記締付部材22が収納されるようになっている。また、内筒29の内端部(図3の左端部)は、内筒29が給水栓の取付ねじ14に螺合され、その取付ねじ14が継手本体11の雌ねじ部16に螺合されたとき、継手本体11の非ねじ部分17に収容されるようになっている。
【0018】
そして、継手本体11の端部を壁体19の貫通孔20から突出させた状態で、継手本体11の端部に第1化粧部材21を嵌挿した後、締付部材22の第1雌ねじ28を継手本体11の雄ねじ部15に螺合させて締付け固定する。その状態で、給水栓の取付ねじ14を第2化粧部材23の第2雌ねじ31に螺入させ、さらに継手本体11の雌ねじ部16に螺合させることにより、継手本体11に対する給水栓の取付ねじ14の螺合部分を第1化粧部材21及び第2化粧部材23で覆うことができるようになっている。
【0019】
続いて、下方向に開口する継手本体11の他端部について説明する。
図1に示すように、継手本体11内には樹脂パイプ33が差し込まれる差込孔34が形成されると共に、継手本体11の下端部外周側には拡径された係合筒部35が下方に突出形成されている。継手本体11の内周面には一対の環状溝36が凹設され、これら環状溝36にはOリング37が嵌着されている。そして、両Oリング37によって継手本体11の差込孔34に差し込まれた樹脂パイプ33と継手本体11の内周面との間の水密性が保持されるようになっている。なお、樹脂パイプ33の端部には、インコア59が内挿されている。
【0020】
前記係合筒部35の内周面には、内奥部から順に開口部側ほど拡径するテーパ面38及び開口部側が拡径する係止段部39が設けられると共に、開口端部には雌ねじ溝40が形成されている。該雌ねじ溝40には、外周面に雄ねじ溝41を有するキャップ43が螺合されるように構成されている。前記係止段部39とキャップ43の内端面との間には、ステンレス鋼等の金属で形成された一対の抜け止めリング45がスペーサ46の両側に介装されている。これら抜け止めリング45の内周部にはそれぞれ抜け止め片45aが斜め方向(図1の斜め上方向)に突出形成され、差込孔34に差し込まれた樹脂パイプ33の外周面に食い込んで樹脂パイプ33の抜け止めを行うようになっている。前記係合筒部35の開口端部内周面とキャップ43の外周面との間には、ゴム製のパッキン47が介装され、係合筒部35とキャップ43との間の緩み止め機能を奏している。
【0021】
次いで、前記検査用プラグ13について説明する。図4(a)〜(c)に示すように、検査用プラグ13は、継手本体11内に挿入されて継手本体11の端部を密栓するためのものである。該検査用プラグ13は、円筒部48及びその端部(図4(b)の左端部)の底部49からなるプラグ本体50と、そのプラグ本体50の端部(図4(b)の右端部)に設けられ拡径された摘み部51とより構成されている。前記円筒部48の外周には継手本体11の雌ねじ部16に螺合される雄ねじ52が形成されると共に、円筒部48外周の摘み部51側には雄ねじが螺刻されていない非ねじ部53が設けられ、該非ねじ部53にはゴム製のシールリング54が嵌着されている。なお、拡径された摘み部51は、プラグ本体50が継手本体11に螺合されたときにストッパとしての役目も果たしている。
【0022】
検査用プラグ13の非ねじ部53の軸線方向の長さは、継手本体11の非ねじ部分17の軸線方向の長さと同じになるように設定することが好ましい。この場合、検査用プラグ13の非ねじ部53及び継手本体11の非ねじ部分17にシールリング54を歪を生じさせることなく、良好な形状で収容させることができる。このシールリング54の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴムのほか、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
【0023】
摘み部51の外周面には、検査用プラグ13の軸線方向に延びる多数の細いスリットにより凹凸状に形成された指掛け部55が設けられ、摘み部51に指を掛けて回しやすくしている。円筒部48の内周部は断面六角形状に凹設された六角係合穴56となり、該六角係合穴56に六角レンチが係合され、検査用プラグ13を継手本体11に強固に締付けることができるようになっている。この検査用プラグ13は、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド等のエンジニアリングプラスチックにより形成され、高い強度を示し、水圧検査に十分耐えることができるように構成されている。
【0024】
次に、以上のように構成された継手10についてその作用を説明する。
図1に示すように、前記継手10に接続される配管系列について水圧検査を行う場合には、継手本体11に給水栓の取付ねじ14が螺合されていない状態で、検査用プラグ13をその摘み部51を把持して回転させることにより、検査用プラグ13の雄ねじ52を継手本体11の雌ねじ部16に螺入する。そして、検査用プラグ13の六角係合穴56に六角レンチを係合させて回転させることにより、図2に示すように、検査用プラグ13を継手本体11に締付け固定する。
【0025】
このとき、検査用プラグ13の非ねじ部53に嵌着されているシールリング54は継手本体11内の非ねじ部分17に収容される。このため、シールリング54は検査用プラグ13の雄ねじ52や継手本体11の雌ねじ部16に触れることなく保持されるため、傷付きが回避される。従って、シールリング54が止水機能を如何なく発現することができ、水圧検査を支障なく進めることができる。この水圧検査は水道法の規定に基づいて水圧1.75MPa(約17.5kgf/cm)で行われる。このような高圧下での試験であっても、前述のようにシールリング54が傷付けられず、その機能を完全に果たすことができることから、水圧試験を円滑に、しかも速やかに行うことができる。
【0026】
水圧検査後には検査用プラグ13が取外され、継手本体11に給水栓の取付ねじ14が取付けられる。すなわち、図3に示すように、継手本体11の端部を壁体19の貫通孔20から突出させた後、継手本体11の端部に第1化粧部材21の挿通孔24を嵌挿した後、締付部材22の第1雌ねじ28を継手本体11の雄ねじ部15に螺合させて締付けることにより、第1化粧部材21が壁体19外面に密接する。このとき、第1化粧部材21と壁体19との間にはゴムパッキン27が介在されるため、第1化粧部材21と壁体19との間が密封される。続いて、給水栓の取付ねじ14を第2化粧部材23の第2雌ねじ31に螺挿し、さらに継手本体11の雌ねじ部16に螺合させる。このようにして、継手本体11に対して給水栓の取付ねじ14が接続される。さらに、継手本体11に対する給水栓の取付ねじ14の螺合部分が第1化粧部材21及び第2化粧部材23によって被覆され、外観を良好に保持することができる。
【0027】
一方、樹脂パイプ33を継手本体11に接続する場合には、同じく図3に示すように、インコア59が内挿された樹脂パイプ33をキャップ43の開口部から差込孔34に差し込むと、樹脂パイプ33は抜け止めリング45の抜け止め片45aを通過し、一対のOリング37に到達する。このとき、樹脂パイプ33の外周面が抜け止め片45aに摺接して抜け止め片45aを徐々に拡径させる。従って、樹脂パイプ33は抜け止めリング45を円滑に通過することができる。そして、樹脂パイプ33の先端部が差込孔34の内端部まで挿入される。このとき、樹脂パイプ33はOリング37の内周面を押圧しながら通過し、そのOリング37により樹脂パイプ33の外周面と継手本体11の内周面との間が止水される。このようにして、継手10の他端に樹脂パイプ33が接続される。
【0028】
よって、樹脂パイプ33からの水が継手10の流路12を通って給水栓に供給され、給水栓を利用することができる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
【0029】
・ 実施形態における継手本体11の雌ねじ部16の開口端部には、継手本体11に検査用プラグ13が螺合されたときシールリング54が収容される非ねじ部分17が設けられると共に、検査用プラグ13のプラグ本体50外周の摘み部51側にはシールリング54が嵌着される非ねじ部53が設けられている。そして、継手本体11に検査用プラグ13が螺合されたとき、シールリング54は継手本体11の非ねじ部分17と検査用プラグ13の非ねじ部53に収容され、継手本体11の雌ねじ部16や検査用プラグ13の雄ねじ52には係合しない。従って、シールリング54は損傷を受けるおそれがなく、水圧検査における漏水防止性能を向上させることができる。
【0030】
・ 前記継手本体11の非ねじ部分17は凹状に切欠き形成された円環状凹部18であることから、シールリング54を円環状凹部18に円滑に収容することができ、シールリング54の損傷を容易に回避することができる。
【0031】
・ 継手本体11に給水栓の取付ねじ14が螺合されたとき、その螺合部分を覆う第2化粧部材23の内端部が継手本体11の非ねじ部分17に収容されるように構成されている。この場合、継手本体11の非ねじ部分17を利用して第2化粧部材23の取付けを円滑に、しかも第2化粧部材23と第1化粧部材21との間に隙間が形成されないように行うことができる。
【0032】
・ 検査用プラグ13はエンジニアリングプラスチックにより一体成形されることにより、検査用プラグ13を所定形状に容易に賦形することができると共に、水圧検査に十分耐えることができる。さらに、例えば継手本体11の雌ねじ部16に、テーパねじで形成された検査用プラグ13の雄ねじ52を螺合する場合、検査用プラグ13がステンレス鋼等の金属で形成されていると、検査用プラグ13を過剰なトルクで締め付けたとき継手本体11の雄ねじ部15が膨らみ、締付部材22を締付けることができなくなるという問題がある。このような問題は、検査用プラグ13をエンジニアリングプラスチックで形成することにより、解消することができる。
【0033】
・ 検査用プラグ13は、前記継手本体11に装着されて使用されるものである。係る検査用プラグ13は、プラグ本体50と摘み部51とを有し、プラグ本体50の外周には継手本体11の雌ねじ部16に螺合される雄ねじ52が形成されると共に、プラグ本体50外周の摘み部51側には非ねじ部53が設けられ、該非ねじ部53にはシールリング54が嵌着されているものである。従って、検査用プラグ13を継手10に装着することにより、前記継手10の効果を発揮することができる。
【0034】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図5(a)に示すように、検査用プラグ13の円筒部48外周面の非ねじ部53の部分に断面円弧状をなす収容凹条57を設けることができる。この場合、シールリング54の内周部を収容凹条57に収容させることができ、シールリング54を安定した状態で配置することができる。
【0035】
・ 図5(b)に示すように、検査用プラグ13の摘み部51の非ねじ部53側の面に断面円弧状をなす収容凹所58を設けることができる。この場合、シールリング54の側面を収容凹所58に収容させることができ、シールリング54を安定状態で配置することができる。
【0036】
・ 図5(c)に示すように、検査用プラグ13のプラグ本体50を構成する底部49aを摘み部51側の端部に設けることもできる。また、係る底部49を円筒部48の軸線方向における中間部に設けることも可能である。
【0037】
・ 継手本体11の非ねじ部分17及び検査用プラグ13の非ねじ部53の大きさ及び形状を、シールリング54の大きさ及び形状に対応させて適宜変更することもできる。
・ 検査用プラグ13の非ねじ部53に設けられるシールリング54を、複数の同一形状又は異なる形状のシールリング54で構成することもできる。
【0038】
・ 検査用プラグ13の円筒部48の内周部を断面四角形状等の断面多角形状に形成し、断面多角形状をなすレンチを係合できるように構成することも可能である。
・ 検査用プラグ13を金属で形成することも可能である。
【0039】
・ 検査用プラグ13は、筒体ではなく、中実体であってもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記検査用プラグの非ねじ部の軸線方向の長さは、継手本体の非ねじ部分の軸線方向の長さと同じになるように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の継手。このように構成した場合、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、検査用プラグの非ねじ部及び継手本体の非ねじ部分に、シールリングを歪の発生を生じさせることなく、良好な形状で保持することができる。
【0040】
・ 前記摘み部の外周面には、把持を容易にする凹凸部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の継手。このように構成した場合、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、検査用プラグの摘み部の把持を容易に行うことができ、検査用プラグを継手本体に速やかに螺合することができる。
【0041】
・ 前記検査用プラグのプラグ本体の内側は、断面多角形状のレンチを係合するために断面多角形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の継手。このように構成した場合、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、検査用プラグを継手本体に容易かつ十分に締め付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態における継手本体に検査用プラグを装着する状態を分解して示す断面図。
【図2】継手本体に検査用プラグを装着した状態を示す断面図。
【図3】継手本体に給水栓の取付ねじ、締付部材及び化粧部材を装着する状態を分解して示す断面図。
【図4】(a)は検査用プラグを示す左側面図、(b)は検査用プラグを示す半断面図及び(c)は検査用プラグを示す右側面図。
【図5】(a)〜(c)は、本発明における検査用プラグの別例を示す半断面図。
【符号の説明】
【0043】
10…継手、11…継手本体、13…検査用プラグ、14…配管としての給水栓の取付ねじ、15…雄ねじ部、16…雌ねじ部、17…非ねじ部分、18…円環状凹部、23…化粧部材としての第2化粧部材、50…プラグ本体、51…摘み部、52…雄ねじ、53…非ねじ部、54…シールリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状をなす継手本体の内周面には配管の端部の雄ねじ部が螺合される雌ねじ部が形成されると共に、前記配管が継手本体に螺合されていない状態で検査用プラグが螺合されて水圧試験を行うように構成され、前記継手本体の雌ねじ部の開口端部には継手本体に検査用プラグが螺合されたときシールリングが収容される非ねじ部分が設けられると共に、検査用プラグは継手本体内に挿入されて継手本体の端部を密栓するためのプラグ本体とその端部に設けられ拡径された摘み部とを有し、前記プラグ本体の外周には継手本体の雌ねじ部に螺合される雄ねじが形成されると共に、プラグ本体外周の摘み部側には非ねじ部が設けられ、該非ねじ部にはシールリングが嵌着されていることを特徴とする継手。
【請求項2】
前記継手本体の非ねじ部分は、凹状に切欠き形成された円環状凹部であることを特徴とする請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記継手本体に配管が螺合されたとき、その螺合部分を覆う化粧部材の内端部が継手本体の非ねじ部分に収容されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記検査用プラグは、エンジニアリングプラスチックにより一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の継手。
【請求項5】
請求項1に記載の継手の継手本体に装着される検査用プラグであって、継手本体内に挿入されて継手本体の端部を密栓するためのプラグ本体とその端部に設けられ拡径された摘み部とを有し、前記プラグ本体の外周には継手本体の雌ねじ部に螺合される雄ねじが形成されると共に、プラグ本体外周の摘み部側には非ねじ部が設けられ、該非ねじ部にはシールリングが嵌着されていることを特徴とする検査用プラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−180258(P2009−180258A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18221(P2008−18221)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(502042724)株式会社 オンダ製作所関工場 (34)
【Fターム(参考)】