説明

綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業箇所を運転するための方法および装置

本発明は、綾巻きパッケージ(5)を回転可能に保持するためのパッケージフレーム(8)と、綾巻きパッケージ(5)に巻き上がる糸(16)を綾振りするための糸供給装置(10)と、綾巻きパッケージに結合された糸端が、巻取り中断時に綾巻きパッケージの表面の側方に到達し得ることを阻止する装置とを備えた、綾巻きパッケージを製造する繊維機械(1)の作業箇所(2)を運転するための方法もしくは装置に関する。本発明によれば、糸供給装置の駆動装置(14)を巻取り箇所コンピュータ(28)によって制御し、これによって、糸供給装置(10)の糸ガイド(13)を巻取り中断の事例において即座に、綾巻きパッケージ(5)に結合された糸端が、確実に綾巻きパッケージ(5)の表面に巻き上がることが確保されている位置に移動させることが提案されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綾巻きパッケージを回転可能に保持するためのパッケージフレームと、綾巻きパッケージに巻き上がる糸を綾振りするための糸供給装置と、綾巻きパッケージに結合された糸端が、巻取り中断時に綾巻きパッケージの表面の側方に到達し得ることを阻止する装置とを備えた、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業箇所を運転するための方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、前述した方法を実施するための装置に関する。
【0003】
繊維パッケージの製造時には、知られているように、少なくとも2つの条件が満たされなければならない。1つには、該当する繊維パッケージが回転させられなければならず、もう1つには、パッケージに巻き上がる糸がパッケージ軸線に沿って綾振りされなければならない。この場合、糸の比較的迅速な綾振りによって、いわゆる「綾巻きパッケージ」を製造することができる。この綾巻きパッケージは、比較的安定したパッケージボディだけでなく、良好な繰出し特性によっても特徴付けられている。
【0004】
したがって、高い巻き速度で作業する、綾巻きパッケージを製造する現代の繊維機械、たとえば自動綾巻きワインダでは、糸供給装置の綾振り速度も極めて高く設定されている。
【0005】
自動綾巻きワインダのうち、巻き上がる糸の綾振り運動を発生させるために、種々異なる糸供給システムが知られている。たとえば、いわゆる「糸案内ドラム」が極めて普及している。この糸案内ドラムは一般的に綾巻きパッケージに対する周面駆動も生ぜしめる。しかし、このような形式の糸案内ドラムは、パッケージ直径と無関係に常に同じ供給角が付与されているという欠点を有している。この結果、特別な手段が講じられない場合に、パッケージと駆動ドラムとの間の特定の回転数状況で、いわゆる「巻きリボン」が生ぜしめられる。この巻きリボンは、のちの繰出し時に著しい問題に繋がる。さらに、このような糸案内ドラムの場合、巻取り中断の事例、特に糸破断時またはコントロールされたクリヤラ切断時に、綾巻きパッケージに結合された糸端、いわゆる「上糸」が、綾巻きパッケージの表面に巻き上がらず、糸案内ドラムの側方に落下する危険が常に存在する。糸破断後に糸案内ドラムの側方に位置決めされたこのような糸は、しばしば落ち糸と呼ばれる。このような落ち糸は巻取り箇所の糸吸着ノズルによってもはやハンドリングすることができず、したがって、手によるオペレータの介入を必要とするので、このような落ち糸は可能な限り回避されることが望ましい。
【0006】
さらに、設定された巻きリボン、たとえばプレシジョンワインディングまたはステッププレシジョンワインディングを形成することができるようにするために、数年来、綾巻きパッケージの回転と糸供給装置とを駆動技術的に分離することが知られている。この既知の装置では、パッケージフレームに保持された綾巻きパッケージが、たとえば駆動ローラに載置している。この駆動ローラは所属の駆動装置によって規定されて負荷可能であり、巻取りプロセスの間に綾巻きパッケージを摩擦接続を介して連行する。この場合、所属の糸供給装置も同じく固有の駆動装置を有している。
【0007】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19858548号明細書には、たとえば電磁式の駆動装置によって負荷されるフィンガ糸ガイドを備えた糸供給装置が記載されている。この場合、糸ガイド駆動装置の駆動モーメントの量と方向とは、供給される電流の制御もしくは調整によって運動のあらゆる段階で調整される。
【0008】
このことは、制御コンピュータ、有利には巻取り箇所コンピュータによって行われる。この制御コンピュータは電流強さと電流方向とを、設定可能なプラグラムにより角度・時間に関連して制御する。こうして、たとえば糸のその都度所望の供給角、綾振り幅もしくは綾振り終端点を調整することができる。この場合、適宜なセンサ機構、有利には角度センサによって、糸ガイドフィンガのその都度の角度位置が検出され、目標値の維持が検査され、必要な場合には、実際値が目標値に調整によって適合される。
【0009】
このような形式のフィンガ糸ガイドは極めてフレキシブルな糸供給装置であると分かったものの、糸案内ドラムと同様に、巻取り中断の事例、特に糸破断時もしくはコントロールされたクリヤラ切断時に、綾巻きパッケージに結合された上糸が整然として綾巻きパッケージに巻き上がらない危険が常に存在するという欠点を有している。すなわち、知られている糸供給システムでは、自由糸端が綾巻きパッケージの端面の側方に落下し、この場合、巻取り箇所の糸吸着ノズルによってもはや受け取ることができないかまたはもはや整然として受け取ることができないという危険が常に存在する。
【0010】
したがって、過去にすでに、たとえば糸が糸案内ドラムによってパッケージ中間の方向に綾振りされる時点で初めて、クリヤラ切断が遅らされて実施されることによって、落ち糸が回避されるようになっている装置が開発された。しかし、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4025696号明細書または欧州特許第0631962号明細書に記載されたこのような装置は、知られているように、完全にコントロールされずに生ぜしめられる糸破断時に一般的に有効でない。すなわち、この既知の装置では、糸破断の事例において、糸吸着ノズルによってハンドリングすることができない落ち糸が生ぜしめられる危険が相変わらず存在する。
【0011】
さらに、欧州特許出願公開第0814045号明細書には、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の巻取り箇所が記載されている。この巻取り箇所では、糸案内ドラムの領域に、規定されて制御可能な糸案内装置が配置されている。この既知の糸案内装置は、旋回可能に支承されたニューマチック操作可能な2つの糸案内アームを有している。両糸案内アームは、たとえば糸張力の軽減時にパッケージ中間の方向に旋回可能である。この場合、内方に旋回する糸案内アームは、綾巻きパッケージに結合された上糸をパッケージ中間に案内するようになっていて、これによって、落ち糸が生ぜしめられることを回避するようになっている。
【0012】
しかし、既知の装置はその設計上の構造において比較的手間を要す。すなわち、装置が比較的多くのスペースを要求する。したがって、このような形式の巻取り箇所の巻取り装置の領域における、いずれにせよ制限されたスペース状況に鑑みて、既知の装置は、「落ち糸」の問題を克服するための最適な解決手段を成していない。
【0013】
前述した公知先行技術から出発して、本発明の課題は、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業箇所の運転を一層確実にし、特に落ち糸の発生を簡単に回避することができる方法もしくは装置を開発することである。
【0014】
この課題を解決するために本発明の方法では、糸供給装置の駆動装置を巻取り箇所コンピュータによって制御し、これによって、糸供給装置の糸ガイドを巻取り中断の事例において即座に、綾巻きパッケージに結合された糸端が、確実に綾巻きパッケージの表面に巻き上がることが確保されている位置に移動させるようにした。
【0015】
さらに、この課題を解決するために本発明の装置では、糸供給装置が、電磁式の駆動装置を備えたフィンガ糸ガイドと、該フィンガ糸ガイドのその都度の位置を検出するための角度センサと、巻取り中断を検出するためのセンサ装置と、制御コンピュータとを有しており、電磁式の駆動装置と、角度センサと、センサ装置とが、制御コンピュータに接続されており、巻取り中断の事例において、フィンガ糸ガイドの駆動装置が、巻取り箇所コンピュータによって制御可能であり、これによって、綾巻きパッケージに結合された糸端が、綾巻きパッケージの表面に巻き上がることを確保する位置にフィンガ糸ガイドが位置決めされているようにした。
【0016】
本発明による装置の有利な構成は、従属請求項1〜4に記載してある。
【0017】
本発明の有利な実施態様では、糸ガイドを糸破断の事例において即座に綾巻きパッケージに対して中間の位置に移動させる。
【0018】
本発明の有利な実施態様では、糸ガイドを、コントロールされたクリヤラ切断の導入時に即座に綾巻きパッケージに対して中間の位置に移動させる。
【0019】
本発明の有利な実施態様では、糸欠陥の検出後、綾巻きパッケージに結合された糸端が、確実に綾巻きパッケージの表面に巻き上がることを確保する位置に糸ガイドが位置決めされているまで、コントロールされたクリヤラ切断の導入を遅らせる。
【0020】
請求項1に記載した、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業箇所を運転するための本発明による方法は、特にこのような方法によって、簡単にかつ巻取り装置の領域に付加的な装置によって近づけなくなることなし、巻取り中断の発生時に落ち糸の発生が生ぜしめられることを回避することができるという利点を有している。すなわち、設定された有利な位置への糸ガイドの即座の走入によって、糸破断時でも、手によるオペレータの介入を必要とする除去を伴う落ち糸が生ぜしめられないことが保証される。
【0021】
請求項2および3に記載したように、この場合、糸ガイドが、不意の糸破断の発生時だけでなく、コントロールされたクリヤラ切断の導入時にも即座に綾巻きパッケージに対して中間の位置に走行させられる方法ステップが有利であると分かった。すなわち、巻取り中断時には、糸ガイドの綾振りストロークがパッケージ中間で即座に停止されるかまたは綾振りストロークの方向が即座にパッケージ中間に向かって変えられ、その後、糸ガイドがそこで停止される。パッケージ中間への糸ガイドの極めて迅速なこの即座の位置決めによって、上糸が巻取り中断後に常に確実に綾巻きパッケージの表面に巻き上がり、次いで、糸吸着ノズルによって再び問題なく受け取ることができることが確保される。
【0022】
請求項4に記載した択一的な方法ステップでは、糸欠陥の発生時に、フィンガ糸ガイドが、設定された位置、すなわち、パッケージ中間に位置することが確保されているまで、コントロールされたクリヤラ切断の導入が遅らされることが提案されている。このような事例では、糸クリヤラが糸欠陥、たとえば細箇所または太箇所を検出した場合に、糸ガイドがその駆動装置によって、まず、整然として位置決めされ、その後初めて、必要となるクリヤラ切断が生ぜしめられる。
【0023】
請求項5に記載したように、本発明による方法を実施するための装置は、主として、電磁式の駆動装置によって負荷されるフィンガ糸ガイドと、この糸ガイドフィンガのその都度の位置を検出するための角度センサと、巻取り中断を検出するための糸クリヤラと、制御コンピュータ、たとえば巻取り箇所コンピュータとを有している。この場合、フィンガ糸ガイドの電磁式の駆動装置だけでなく、角度センサおよび糸クリヤラも制御線路もしくは信号線路を介して制御コンピュータに接続されている。
【0024】
前述した構成要素は、巻取り箇所の整然とした運転のために必要となり、これによって、いずれにせよ既存の構成部材を成しているので、本発明による方法を実施することができるようにするために必要となる付加的な手間が、主として、制御コンピュータの、ハードウェアに関する僅かな補填と、制御コンピュータの相応のプログラミングとに減少させられる。すなわち、本発明による方法を実施するために必要となる手間が、ハードウェアに関しても、ソフトウェアに関しても狭い範囲にとどまる。
【0025】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0026】
図1には、綾巻きパッケージを製造する繊維機械1、図示の事例では、いわゆる「自動綾巻きワインダ」の1つの巻取り箇所2が側面図で概略的に示してある。
【0027】
このような自動綾巻きワインダ1は、知られているように、そのエンドフレーム(図示せず)の間にそれぞれ多数のこのような形式の巻取り箇所2を有している。これらの巻取り箇所2では、同じく知られているので詳しく説明しないが、前置されたリング紡績機で生産された紡績コップ3が巻き返され、これによって、大容積の綾巻きパッケージ5が形成される。この綾巻きパッケージ5はその完成後にサービスユニット(図示せず)、たとえば綾巻きパッケージチェンジャによって、機械長い綾巻きパッケージ搬送装置7に引き渡され、機械端側に配置されたパッケージローディングステーションまたはこれに類するものに搬送される。
【0028】
さらに、このような自動綾巻きワインダ1は、しばしばボビン・巻管搬送システム6の形のロジスティック装置を有している。このボビン・巻管搬送システム6では、搬送プレート11上で紡績コップ3もしくは空管が循環する。ボビン・巻管搬送システム6のうち、図1には、コップ供給区間24、可逆駆動可能な蓄え区間25、巻取り箇所2に通じる横方向搬送区間26ならびに巻管戻し区間27しか示していない。
【0029】
個々の巻取り箇所2は、知られているので略示したに過ぎないが、それぞれ種々異なる装置を有している。これらの装置は、このような形式の作業箇所の整然とした運転を保証する。これらの装置の1つは、たとえば符号4で示した巻取り装置である。この巻取り装置4は、旋回軸12を中心として可動に支承されたパッケージフレーム8を有している。
【0030】
図示の事例では、綾巻きパッケージ5が、巻取りプロセスの間、その表面31で駆動ローラ9に載置していて、この駆動ローラ9によって摩擦接続を介して連行される。
【0031】
しかし、択一的な構成では、綾巻きパッケージの駆動が、回転数調整可能な駆動装置、有利には電子的に整流可能な直流モータを介して行われてもよい。この駆動装置は直接パッケージフレーム8に配置されているかもしくはパッケージフレーム8内に組み込まれている。
【0032】
巻取りプロセスの間の糸16の綾振りは糸供給装置10によって行われる。図1に概略的にしか示していないこのような糸供給装置10は、フィンガ状に形成された糸ガイド13を有している。この糸ガイド13は、電気機械式の駆動装置14によって負荷されて、図2に示したように、糸16を綾巻きパッケージ5の両端面32の間で綾振りする。
【0033】
図2からさらに明らかであるように、駆動装置14はモータシャフト33を有している。このモータシャフト33には、フィンガ状に形成された糸ガイド13が相対回動不能に配置されている。駆動装置14の、糸ガイド13と反対の側には、有利には取外し可能なカバーキャップ下に防護されて、角度センサ17が組み付けられている。この角度センサ17の構造は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10354587号明細書に詳しく説明されている。
【0034】
さらに、巻取り箇所2は、信号線路29を介して巻取り箇所コンピュータ28に接続された糸クリヤラ22と、この糸クリヤラ22の領域に配置された、線路30を介して巻取り箇所コンピュータ28によって制御可能である糸断ち装置23とを有している。さらに、有利な構成では、糸張力センサ20が設けられている。この糸張力センサ20は信号線路21を介して巻取り箇所コンピュータ28に接続されている。
【0035】
本発明による方法の経過:
図2に示したように、規則的な巻取り運転の間、搬送プレート11に配置された、横方向搬送区間26の領域における繰出し位置に位置決めされた紡績コップ3から糸16が繰り出され、大容積の綾巻きパッケージ5に巻き上げられる。この綾巻きパッケージ5は、巻取りプロセスの間、パッケージフレーム8の支承アームの間に回転可能に保持されている。この場合、綾巻きパッケージ5はその表面31で駆動ローラ9に載置している。この駆動ローラ9は、制御線路19を介して巻取り箇所コンピュータ28に接続された電磁式の駆動装置34によって規定されて駆動可能であり、綾巻きパッケージを摩擦接続的に連行する。
【0036】
糸16は綾巻きパッケージ5への途中に少なくとも1つの糸クリヤラ22と糸断ち装置23とを横断する。糸クリヤラ22によって糸欠陥に対して監視される走行する糸16は、糸クリヤラ22において、特に動的な糸走行信号を発生させる。この糸走行信号は信号線路29を介して巻取り箇所コンピュータ28に伝送される。この動的な糸走行信号が、たとえば糸破断に基づき発生しないと、接続された角度センサ17を介して常に糸ガイドフィンガの目下の位置に関して報知されている巻取り箇所コンピュータ28が、制御線路15を介してフィンガ糸ガイド13の駆動装置14を制御し、これによって、フィンガ糸ガイド13が、綾巻きパッケージの中間に位置する位置Mに可能な限り迅速に移送される。すなわち、フィンガ糸ガイド13は、上糸が綾巻きパッケージ5に巻き上がる場合にすでに位置Mに位置している。糸ガイドフィンガの迅速な位置決めによって、糸破断後でも、上糸の、綾巻きパッケージ5に結合された糸端が、巻取り箇所2の糸吸着ノズル35によって到達可能である領域に常に位置していることを確保することができる。
【0037】
したがって、糸吸着ノズル35が上糸を問題なく綾巻きパッケージ5の表面から受け取ることができ、糸継ぎ装置36に移送することができる。この糸継ぎ装置36では、上糸の糸端が、巻取り箇所固有のグリッパ管37が供給した下糸の糸端に結合される。
【0038】
上糸もしくは下糸の糸端の継ぎ後、規則的な巻取りプロセスが継続される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】周面で個別モータにより駆動される綾巻きパッケージと、個別モータにより駆動される別個の糸ガイドとを備えた、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の巻取り箇所を概略的に示す図である。
【図2】本発明による方法を実施するために必要となる装置を備えた、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の巻取り箇所の正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 繊維機械、 2 巻取り箇所、 3 紡績コップ、 4 巻取り装置、 5 綾巻きパッケージ、 6 ボビン・巻管搬送システム、 7 綾巻きパッケージ搬送装置、 8 パッケージフレーム、 9 駆動ローラ、 10 糸供給装置、 11 搬送プレート、 12 旋回軸、 13 糸ガイド、 14 駆動装置、 15 制御線路、 16 糸、 17 角度センサ、 19 制御線路、 20 糸張力センサ、 21 信号線路、 22 糸クリヤラ、 23 糸断ち装置、 24 コップ供給区間、 25 蓄え区間、 26 横方向搬送区間、 27 巻管戻し区間、 28 巻取り箇所コンピュータ、 29 信号線路、 30 線路、 31 表面、 32 端面、 33 モータシャフト、 34 駆動装置、 35 糸吸着ノズル、 36 糸継ぎ装置、 37 グリッパ管、 M 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
綾巻きパッケージを回転可能に保持するためのパッケージフレームと、綾巻きパッケージに巻き上がる糸を綾振りするための糸供給装置と、綾巻きパッケージに結合された糸端が、巻取り中断時に綾巻きパッケージの表面の側方に到達し得ることを阻止する装置とを備えた、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業箇所を運転するための方法において、
糸供給装置の駆動装置を巻取り箇所コンピュータによって制御し、これによって、糸供給装置の糸ガイドを巻取り中断の事例において即座に、綾巻きパッケージに結合された糸端が、確実に綾巻きパッケージの表面に巻き上がることが確保されている位置に移動させることを特徴とする、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業箇所を運転するための方法。
【請求項2】
糸ガイドを糸破断の事例において即座に綾巻きパッケージに対して中間の位置に移動させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
糸ガイドを、コントロールされたクリヤラ切断の導入時に即座に綾巻きパッケージに対して中間の位置に移動させる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
糸欠陥の検出後、綾巻きパッケージに結合された糸端が、確実に綾巻きパッケージの表面に巻き上がることを確保する位置に糸ガイドが位置決めされているまで、コントロールされたクリヤラ切断の導入を遅らせる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法を実施するための装置において、
糸供給装置が、電磁式の駆動装置(14)を備えたフィンガ糸ガイド(13)と、該フィンガ糸ガイド(13)のその都度の位置を検出するための角度センサ(17)と、巻取り中断を検出するためのセンサ装置(20,22)と、制御コンピュータ(28)とを有しており、電磁式の駆動装置(14)と、角度センサ(17)と、センサ装置(20,22)とが、制御コンピュータ(28)に接続されており、巻取り中断の事例において、フィンガ糸ガイド(13)の駆動装置(14)が、巻取り箇所コンピュータ(28)によって制御可能であり、これによって、綾巻きパッケージ(5)に結合された糸端が、綾巻きパッケージ(5)の表面(31)に巻き上がることを確保する位置にフィンガ糸ガイド(13)が位置決めされていることを特徴とする、装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−517854(P2008−517854A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538296(P2007−538296)
【出願日】平成17年10月15日(2005.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011114
【国際公開番号】WO2006/048106
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(503420235)ザウラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (51)
【氏名又は名称原語表記】Saurer GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Landgrafen Str. 45, D−41069 Moenchengladbach, Germany
【Fターム(参考)】