線香
【課題】
従来の線香には、燃焼時間の予測と調節ができない、長時間の連続使用ができない、必要以上に大きくて嵩張る、という3つの課題が存在したが、これらの3つの課題を同時に解決し、燃焼時間を予測して自由に調節できる、長時間の連続使用ができる、コンパクトで嵩張らない、という3つの機能を同時に持たせること
【解決手段】
連続したヘアピンカーブ状に形成され、同一面を向いた立体的な連結部が両端に設けられ、垂直に固定するための線香立てと、自動消火させるための消火金具を備えている。
従来の線香には、燃焼時間の予測と調節ができない、長時間の連続使用ができない、必要以上に大きくて嵩張る、という3つの課題が存在したが、これらの3つの課題を同時に解決し、燃焼時間を予測して自由に調節できる、長時間の連続使用ができる、コンパクトで嵩張らない、という3つの機能を同時に持たせること
【解決手段】
連続したヘアピンカーブ状に形成され、同一面を向いた立体的な連結部が両端に設けられ、垂直に固定するための線香立てと、自動消火させるための消火金具を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫、害虫忌避、芳香、消臭、除菌、殺菌等の目的のために、加熱によって薬剤を揮発させる線香に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の蚊取り線香としては、渦巻き状蚊取り線香が一般的に知られている。燃焼時間は渦巻きの長さによって異なり、通常の大きさでは7時間程度であり、小型サイズでは3時間程度である。どちらも、線香立てで水平に固定して灰受け皿に載せて使用するか、金属製の屋外用蚊取り器に入れて使用する。
【0003】
また、燃焼時間の予測と調節を可能とした従来技術が知られている。すなわち、燃焼時間に応じて目印を付けた渦巻き状線香と金属製の消火金具(例えば特許文献1)等、連続したヘアピンカーブ状に形成された線香(例えば特許文献2)等である。
【0004】
また、線香同士を連結することで長時間の連続使用を可能とした従来技術が知られている。両端にコの字型の連結部を設けた線香ユニット(例えば特許文献3)、両端に凹凸の連結部を設けた線香ユニット(例えば特許文献4)、両端に連結用の穴が設けられた棒状の線香と連結部材(例えば特許文献5)、渦巻き状線香の中心と端を繋ぐ連結部材(例えば特許文献6)等である。
【特許文献1】特開2003‐199475号公報
【特許文献2】実開昭57‐009801号公報
【特許文献3】実開昭63‐149901号公報
【特許文献4】実開平6‐030102号公報
【特許文献5】特開2000‐344646号公報
【特許文献6】実開昭54‐007279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来技術のうち、一般的な渦巻き状蚊取り線香および第1と第2の従来技術では、線香1個分以上の連続使用はできなかった。そのため、線香1個分以上の長時間にわたって連続使用したい場合には、燃え尽きる頃を見計らって新しい線香に着火しなおす必要があった。
【0006】
また、上記した従来技術のうち、第3と第4と第5の従来技術では、それぞれの線香ユニットの燃焼時間は1時間または2時間程度でしかなく、長時間の連続使用をする場合には何度も連結しなければならないという不便さがあった。さらに、第6の従来技術では、線香の本体以外に別の連結部材が必要であり、複雑な連結方式で利用者に不便を強いるものであった。
【0007】
また、従来の一般的な渦巻き状線香は、製造の手間を省くために一度に2個分を打ち抜いて製造していたので、全体的に大きくて必要以上に嵩張るものであった。また、線香立てで水平に固定して使うので、全体の底面積が大きくなり、それに見合うだけの大きな灰受け皿を必要としていた。さらに、金属性の屋外用蚊取り器も必然的に大きくなり、総重量が重くなり持ち運びには不便であった。このような大きさによる不便さを解消するために、小型サイズの渦巻き状蚊取り線香が販売されたが、渦巻きを短くすることで燃焼時間が短くなるという不便さが残った。また、連結式の線香も、線香ユニットを連結するたびに平面的に大きく嵩張り、必然的に灰受け皿と屋外用蚊取り器が大きく嵩張るという同様の欠点があった。
【0008】
以上のように、従来の技術では、燃焼時間の予測と調節ができない、長時間の連続使用ができない、必要以上に大きくて嵩張る、という3つの課題が存在したが、それぞれの課題が単発で解決されることはあっても、同時に解決されることはなかった。
【0009】
本発明は、このような従来の技術が有していた3つの課題を同時に解決しようとするものであり、燃焼時間を予測して自由に調節することが可能で、長時間の連続使用が可能で、コンパクトで嵩張らない、という3つの機能を同時に併せ持つ線香を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、連続したヘアピンカーブ状に形成され、同一面を向いた立体的な連結部が両端に設けられ、垂直に固定するための線香立てと、自動消火させるための消火金具を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、火種がヘアピンカーブを1往復するのに1時間程度であるように設定されているので、ヘアピンカーブの数を目安にして残りの燃焼時間を簡単に予測することができる。また、消火金具を取り付けることで任意の時間に自動消火させることができるので、利用者が必要な時間だけ使うというタイマーとしての機能を果たし、無駄のない使用が可能となる。
【0012】
本発明は、1個分の燃焼時間が7時間程度になるように設定されていて、連結部の片方で別の線香と連結させることにより、最大で14時間程度の連続使用が可能である。また、残りの燃焼時間が少ない線香であっても、別の線香と連結させることで常に7時間以上の十分な燃焼時間を確保することができる。この連結作業は、残りの燃焼時間が7時間未満になったときに1度だけ行えばよく、線香本体以外に別の連結用線香を必要としないので手軽で簡便である。
【0013】
本発明は、1個分の長さの線香を連続したヘアピンカーブ状に折り畳んだ形状をしているので、一般的な渦巻き状蚊取り線香に比べてコンパクトで嵩張らない。また、線香立てで垂直に固定することにより底面積が最小となるので、従来よりも小さな灰受け皿で済ませることができる。また、2個の線香が重なり合うように対向させて連結するので、連結しても嵩張らずコンパクトである。さらに、屋外用蚊取り器も小さくて済むので、総重量が軽くなり持ち運びに便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、連結部2を線香立て3に差し込んで、線香本体1を垂直に固定し、反対側の連結部2に着火して使用する。線香本体1において、線香と線香の間には適度な隙間があるので、火種が隣の線香に燃え移ることはなく、火種はヘアピンカーブに沿って上下の往復運動を繰り返して燃え進む。火種が消火金具4を取り付けた部分まで燃え進むと、消火金具4によって火種の熱が奪われ、酸素の供給が阻害されることにより、自動的に消火させることができる。
【0016】
図2に示すように、本発明は連結部2同士を組み合わせることにより、他の線香と一体化させることができるので、火種は途切れることなく燃え進み、長時間の連続使用が可能となる。
【0017】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、ヘアピンカーブ部分の角を丸めたり、線香本体1の横断面を正方形や円形や楕円形等の別の形に変更したり、天地が逆になるように線香本体1を固定したり、線香と線香の隙間の幅を変更したり、線香全体の燃焼時間や1往復分の燃焼時間を変更したりすることは、状況に応じて適宜選択されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、薬剤を揮発させる媒体として利用されるだけでなく、仏事および葬祭時の線香、固形燃料、娯楽用の花火としての利用可能性も有している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図3】線香立ての実施例を示す斜視図である。
【図4】消火金具の実施例を示す斜視図である。
【図5】線香本体の実施例を示す正面図である。
【図6】線香本体の実施例を示す背面図である。
【図7】線香本体の実施例を示す左側面図である。
【図8】線香本体の実施例を示す右側面図である。
【図9】線香本体の実施例を示す平面図である。
【図10】線香本体の実施例を示す底面図である。
【図11】図5の線香本体の中央部の横断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 線香本体
2 連結部
3 線香立て
4 消火金具
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫、害虫忌避、芳香、消臭、除菌、殺菌等の目的のために、加熱によって薬剤を揮発させる線香に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の蚊取り線香としては、渦巻き状蚊取り線香が一般的に知られている。燃焼時間は渦巻きの長さによって異なり、通常の大きさでは7時間程度であり、小型サイズでは3時間程度である。どちらも、線香立てで水平に固定して灰受け皿に載せて使用するか、金属製の屋外用蚊取り器に入れて使用する。
【0003】
また、燃焼時間の予測と調節を可能とした従来技術が知られている。すなわち、燃焼時間に応じて目印を付けた渦巻き状線香と金属製の消火金具(例えば特許文献1)等、連続したヘアピンカーブ状に形成された線香(例えば特許文献2)等である。
【0004】
また、線香同士を連結することで長時間の連続使用を可能とした従来技術が知られている。両端にコの字型の連結部を設けた線香ユニット(例えば特許文献3)、両端に凹凸の連結部を設けた線香ユニット(例えば特許文献4)、両端に連結用の穴が設けられた棒状の線香と連結部材(例えば特許文献5)、渦巻き状線香の中心と端を繋ぐ連結部材(例えば特許文献6)等である。
【特許文献1】特開2003‐199475号公報
【特許文献2】実開昭57‐009801号公報
【特許文献3】実開昭63‐149901号公報
【特許文献4】実開平6‐030102号公報
【特許文献5】特開2000‐344646号公報
【特許文献6】実開昭54‐007279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来技術のうち、一般的な渦巻き状蚊取り線香および第1と第2の従来技術では、線香1個分以上の連続使用はできなかった。そのため、線香1個分以上の長時間にわたって連続使用したい場合には、燃え尽きる頃を見計らって新しい線香に着火しなおす必要があった。
【0006】
また、上記した従来技術のうち、第3と第4と第5の従来技術では、それぞれの線香ユニットの燃焼時間は1時間または2時間程度でしかなく、長時間の連続使用をする場合には何度も連結しなければならないという不便さがあった。さらに、第6の従来技術では、線香の本体以外に別の連結部材が必要であり、複雑な連結方式で利用者に不便を強いるものであった。
【0007】
また、従来の一般的な渦巻き状線香は、製造の手間を省くために一度に2個分を打ち抜いて製造していたので、全体的に大きくて必要以上に嵩張るものであった。また、線香立てで水平に固定して使うので、全体の底面積が大きくなり、それに見合うだけの大きな灰受け皿を必要としていた。さらに、金属性の屋外用蚊取り器も必然的に大きくなり、総重量が重くなり持ち運びには不便であった。このような大きさによる不便さを解消するために、小型サイズの渦巻き状蚊取り線香が販売されたが、渦巻きを短くすることで燃焼時間が短くなるという不便さが残った。また、連結式の線香も、線香ユニットを連結するたびに平面的に大きく嵩張り、必然的に灰受け皿と屋外用蚊取り器が大きく嵩張るという同様の欠点があった。
【0008】
以上のように、従来の技術では、燃焼時間の予測と調節ができない、長時間の連続使用ができない、必要以上に大きくて嵩張る、という3つの課題が存在したが、それぞれの課題が単発で解決されることはあっても、同時に解決されることはなかった。
【0009】
本発明は、このような従来の技術が有していた3つの課題を同時に解決しようとするものであり、燃焼時間を予測して自由に調節することが可能で、長時間の連続使用が可能で、コンパクトで嵩張らない、という3つの機能を同時に併せ持つ線香を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、連続したヘアピンカーブ状に形成され、同一面を向いた立体的な連結部が両端に設けられ、垂直に固定するための線香立てと、自動消火させるための消火金具を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、火種がヘアピンカーブを1往復するのに1時間程度であるように設定されているので、ヘアピンカーブの数を目安にして残りの燃焼時間を簡単に予測することができる。また、消火金具を取り付けることで任意の時間に自動消火させることができるので、利用者が必要な時間だけ使うというタイマーとしての機能を果たし、無駄のない使用が可能となる。
【0012】
本発明は、1個分の燃焼時間が7時間程度になるように設定されていて、連結部の片方で別の線香と連結させることにより、最大で14時間程度の連続使用が可能である。また、残りの燃焼時間が少ない線香であっても、別の線香と連結させることで常に7時間以上の十分な燃焼時間を確保することができる。この連結作業は、残りの燃焼時間が7時間未満になったときに1度だけ行えばよく、線香本体以外に別の連結用線香を必要としないので手軽で簡便である。
【0013】
本発明は、1個分の長さの線香を連続したヘアピンカーブ状に折り畳んだ形状をしているので、一般的な渦巻き状蚊取り線香に比べてコンパクトで嵩張らない。また、線香立てで垂直に固定することにより底面積が最小となるので、従来よりも小さな灰受け皿で済ませることができる。また、2個の線香が重なり合うように対向させて連結するので、連結しても嵩張らずコンパクトである。さらに、屋外用蚊取り器も小さくて済むので、総重量が軽くなり持ち運びに便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、連結部2を線香立て3に差し込んで、線香本体1を垂直に固定し、反対側の連結部2に着火して使用する。線香本体1において、線香と線香の間には適度な隙間があるので、火種が隣の線香に燃え移ることはなく、火種はヘアピンカーブに沿って上下の往復運動を繰り返して燃え進む。火種が消火金具4を取り付けた部分まで燃え進むと、消火金具4によって火種の熱が奪われ、酸素の供給が阻害されることにより、自動的に消火させることができる。
【0016】
図2に示すように、本発明は連結部2同士を組み合わせることにより、他の線香と一体化させることができるので、火種は途切れることなく燃え進み、長時間の連続使用が可能となる。
【0017】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、ヘアピンカーブ部分の角を丸めたり、線香本体1の横断面を正方形や円形や楕円形等の別の形に変更したり、天地が逆になるように線香本体1を固定したり、線香と線香の隙間の幅を変更したり、線香全体の燃焼時間や1往復分の燃焼時間を変更したりすることは、状況に応じて適宜選択されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、薬剤を揮発させる媒体として利用されるだけでなく、仏事および葬祭時の線香、固形燃料、娯楽用の花火としての利用可能性も有している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図3】線香立ての実施例を示す斜視図である。
【図4】消火金具の実施例を示す斜視図である。
【図5】線香本体の実施例を示す正面図である。
【図6】線香本体の実施例を示す背面図である。
【図7】線香本体の実施例を示す左側面図である。
【図8】線香本体の実施例を示す右側面図である。
【図9】線香本体の実施例を示す平面図である。
【図10】線香本体の実施例を示す底面図である。
【図11】図5の線香本体の中央部の横断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 線香本体
2 連結部
3 線香立て
4 消火金具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続したヘアピンカーブ状に形成され、同一面を向いた立体的な連結部が両端に設けられ、垂直に固定するための線香立てと、自動消火させるための消火金具を備えていることを特徴とする線香。
【請求項1】
連続したヘアピンカーブ状に形成され、同一面を向いた立体的な連結部が両端に設けられ、垂直に固定するための線香立てと、自動消火させるための消火金具を備えていることを特徴とする線香。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−104955(P2007−104955A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298615(P2005−298615)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(305046044)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(305046044)
【Fターム(参考)】
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