説明

緩慢に溶ける微粒のアスコルビン酸を含む一種の経口急速崩散錠。

【課題】口の中に入れると迅速にアスコルビン酸を含む小円粒が崩散し、小円粒の中の微粒のアスコルビン酸が唾液と一緒に胃腸の中に入って緩慢に放出される様にした経口急速崩散錠を提供すること。
【解決手段】直径が35〜80メッシュの核心の周囲をアスコルビン酸層を包覆させにあと、放出コントロール層を更にその上に被覆させた小円粒に、アスコルビン酸と、水溶性賦形剤と、微晶状セルロースと、稀釋剤と崩散剤を混合した後の急速崩散アルコルビン酸材で数百個の前記小円粒を散在的に包囲してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緩慢に溶ける微粒アスコルビン酸を含む一種の経口急速崩散錠にして、数百個の緩慢に溶ける小円粒と急速に崩散するアスコルビン酸(即ちビタミンC)を含む材料で数百個の小円粒が散在して包囲され、口の中に入れたら迅速崩散し、崩散後の小円粒は唾液と一緒に胃腸の中に入り、ビタミンCが緩慢に放出され、放出を長く持続できる効果がある。
【背景技術】
【0002】
ビタミンCは又アスコルビン酸とも称されて、高等な霊長動物やその他の少数生物の不可缺な営養素で、その薬効の基本はアスコルビン酸のイオンである。人体の中においては、ビタミンCは効果が高い酸化防止剤で、アスコルベートパーオクミダーゼのベースの酸化応力を減少させて、それで人の身体を保護して酸化剤の脅威を免れる。
【0003】
ビタミンCは人体に対し抗酸化の功能がある外、人体の中の多数な生物化学の反応と関係がある。その一例をあげると、ビタミンCはコラゲンの生感を促進し、このコラゲンは体の連結組織、血管、骨骼の組織、歯の本質細胞の間に存在し、その機械強度は同重量の鋼鉄よりも強く、動物体の基本支物質である。
それでコラゲンは細胞の排列を緊密にし、皮膚を緊張させ、骨骼と歯とを堅固にさせて、外傷を受けた時や手術後の細胞の回復を助けて、傷口の癒合を促進させることができる。
【0004】
相対的に若しもビタミンCが缺乏すれば、上に述べた反応が順調に行れず、それと関係がある器官が病状を発生し、常に聴く厳重な壊血病にかかる。
又、ビタミンCが減少した時には、組織のコラゲンが不穏定になり、正常の機能を発揮できず、壊血病の症状の皮膚の赤色斑点や線状の歯根や粘膜の出血などが発生する。
又、皮膚の斑点は特に腿部に最も多く、患者の顔色は青ざめて、且つ甚しくなれば自分で動くことが困難になり、厳重な壊血病になると開放式の潰瘍傷口がでてくるし、又歯が抜け落ちる。それで人体は適当にビタミンCを補給すれば上述の病気を防止できる。
【0005】
然し人体はビタミンCを貯蔵することができないので、継続的に新鮮補給品を攝取しなければ、非常に速く消耗してなくなる。
ビタミンCを取り入れるチャンネルは多種あり、ビタミンCを多量に持つ果物、野菜、植物や動物から取得できるし、又、人工的に、例えば上述のビタミンCの錠剤からも得られる。
又、錠剤は溶解式、呑込み式、又は口含式がある。溶解式のものは炭酸カルシュームや炭酸ナトリウム等の他の物質を添加していて、ビタミンCの含有量が少く、又、口含錠は大体野菜や果物から抽出して作り、ビタミンCの含有量は高くない。
呑込み式錠剤はビタミンCの含有量が高いけれども、人体中の胃酸等に消化破壊されるので、確実に吸収される量は限りがあって、有効で顕著な効果を達することが難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それで本発明はビタミンCの含有量を非常に高め、且つ口の中に入れたら迅速にアスコルビン酸を含む小円粒を崩散させ、これらの小円球は唾液と共に胃や腸の中に入ってから緩慢にそのアスコルビン酸を持続に放出される様な錠剤に作ることを発明の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はまず直径30〜80メッシュの一つの核心を沢山準備し、この核心に一つのアスコルビン酸層を上に包覆させて、小円粒に上げる。更に外にアスコルビン酸を含む急速崩散材で多数の小円粒を散在的に包囲して一錠に仕上げるが、先に所要のアスコルビン酸の単位量に心要な数量の小円粒と急速崩散材の所要量と潤滑剤と香料とを混合機で混合させた材料を錠剤製造機で錠剤に仕上げる。
各一個の錠剤は直径16mm、厚み5.4mm、±0.2mm、硬度は約2〜5kg位にする。又、その重量は1300mg位にしておく。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠は前項の臨床実験の中で述べた様に、その溶離放出の速度が非常に緩慢で持続的に穏定して胃腸に吸収される効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
本発明に係る緩慢に落ける微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠は一つの核心を包んでるアスコルビン酸を緩慢に放出する数百個の小円粒とアスコルビン酸を含む急速崩散材料でその数百個の小円粒を散在的に包囲している。
【0010】
緩慢に溶ける小円粒は、(a)直径が35〜80網目(メッシュ)の一つの核心と、(b)アスコルビン酸と粘着剤と溶解触媒とを混合した溶液を核心に塗装して完成したアスコルビン酸層と、(c)このアスコルビン酸層の上に一つの稀釋コントロール層を包囲させている。
【0011】
稀釋コントロール層は、
1.比例(割合)が40〜80%の膜基剤を含み、オキシプロピルセルロース、オキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、メタクリル酸コポリマー、エチルセルロース、オキシプロピルメチルセルロ一スフタレート、アセテートフタレートセルロースの中の少くとも一種を主として使用する。
【0012】
2.比例が10〜30%の可塑剤を含み、クエン酸トリエチル、ポリヘクサネジオル、アセチル化モノグリセリド、トリ酢酸グリヤリン、ひまし油の中の少くとも一種を主とした混合物を使用する。
【0013】
3.比例が0〜40%の潤滑剤を含み、これは滑石粉やステアリサンやマグネシウム等を使用する。
【0014】
4.適量の溶解触媒を含み、これは70〜95%のアルコール(好ましくは80%)、イソブロパノール、純水5〜30%(好ましくは20%)、固体全部の5〜20%(好ましくは13%)とする。
【0015】
アスコルビン酸を含む急速崩散粒は、
1.比例が25〜45%のアスコルビン酸と、
【0016】
2.比例が5〜35%でエリスリトール、ソルトル、キシリット、マンニット、ラクトーゼの五種の少くとも一種を主とした混合物を使用する水溶性賦形剤と、
【0017】
3.比例が10〜30%の微晶状セルロースと、
【0018】
4.比例が1〜10%のオキシメチルセルロースソジウム、オキシメチルセルロースカルシウム、オキシメチルソジウム澱粉、低代用のオキシプロピルセルロース等を使用する崩散剤と、
【0019】
5.比例が10〜30%のトウモロコシ澱粉、ポテト澱粉、予めゼラチン化した澱粉の一種又は一種以上の混合物で出来る稀釋剤とを含有している。
又、上述の材料は皆篩にかけてから使用する。
【0020】
次に主要成分の単位剤の量に従って、すでに膜を付けた緩慢に溶ける小円粒と、急速に崩散する材料を重量の比例で計算する。小円粒は総重量の30〜70%が好ましい。
【0021】
次に0.1〜3.0%の潤滑剤と0.1〜2%の芳香調味剤とを加えて、その総重量により適当な方法の型を選択し、厚み6.0mm以下の錠剤に仕上げ、且つその硬度は1〜5kgの包装操作に耐えられる様にする。
若しも硬度が過大になると錠剤を口の中に入れた時にその崩散が遅過ぎるし、又、硬度が小さすぎるとその包装過程で破損する恐れがある。
【実施例1】
【0022】
(a)アスコルビン酸を含ませた小円粒を作る。
核心(直径35〜80mm)200gを噴霧粒装造機の中に置いた、アスコルビン酸525gと、オキシプロピルセルロース105gと純水1680gとアルコール1260gと混合して撹拌機で撹きまぜて出来た水溶剤を核心にゆっくり噴き付けながら60℃の温度で乾燥させて終したあと、更に60℃の温度で乾燥させて終したあと、更に60℃で30分間乾燥させる。
【0023】
(b)上記の(a)工程を終了した小円粒に膜の包覆する。
すでに乾燥したアスコルビン酸含有の小円粒800gと、エチルセルロース294gと、オキシプロピルセルロース219gと、レモン酸のエチルエスター21gと、滑石粉84gと、食用黄色素4号アルミナレーク1gと、アルコール2520g、純水714gとを混合し撹拌機で撹拌して更に均一にさせた後、噴霧粒製造機の中で(a)過程を終了した半製品にこの溶液をその外表面に噴き付けて膜を形成させてからあぶり乾燥させて含水量2%以下にし、更に篩にかけて35〜80メッシュのものを篩ひ取って、次の作業にかける。
【0024】
(c)急速に崩散する材料を作る。
アルコルビン酸500gと、微晶セルロース244gと、クロスポビドン54gと、マンニット346gと、クロスポビドン54gと、マンニット346gと、トウモロコシ澱粉216gと、甘蔗糖15gと、二酸化シリコン4gとの原料を各別に20メッシュ或るいは40メッシュの篩にかけてから、混合して置く。
【0025】
(d)混合
すでに膜を付けた小円粒600gとに崩散する材料700gとを八角混合機で10分間混合させてから、潤滑剤と香料を加えて5分間混合させる。
【0026】
(e)錠の製造
【0027】
(d)混合の過程を終了した混合材料を錠製造機で直径16mm、厚み5.4mm±0.2mm、硬度約2〜5kg位の錠に形成させる。
以上の特殊処方で作った緩慢に溶ける微粒アスコルビン酸を含む経口急速崩散錠一個1300mgで、口の中では約10〜30秒で崩散して呑込められて崩散して小円粒は唾液と一緒に胃と腸の中に入って緩慢に持続的に放出される効果がある。
【0028】
[臨床実験]
本発明による各一個の経口急速崩散錠剤(商品名EVEREST)は500mgのアスコルビン酸と市販の錠剤(武田)500mgのアスコルビン酸を穏定状態でその薬性の放出速度を比較する実験を行った。
本発明の経口急速崩散錠(EVEREST)と市販錠剤(武田)を各六個使用してアスコルビン酸の体外溶離速度の実験を行った。
【0029】
本発明の経口急速崩散錠(EVEREST)と市販錠剤(武田)を各六個使用してアスコルビン酸の体外溶離速度の実験結果を図1と図2に示す。
図1は本発明による、緩慢に放出される微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠(EVEREST)のアスコルビン酸が体外で溶離する速度の曲線グラフであり、図2は市販錠剤(武田)のアスコルビン酸が体外で溶離する速度の曲線グラフである。
【0030】
本発明の本発明による六個の緩慢に放出される微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠(EVEREST)が15分、30分、60分、120分、240分、480分、720分に体外で溶離が得られたアスコルビン酸の体外溶離の速度の溶離率のパラメーター表を以下に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
六個の市販錠剤(武田)が15分、30分、60分と120分に体外で溶離が得られたアスコルビン酸の体外溶離の速度の溶離率のパラメーター表を以下に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
これらの表1と表2の記載のデータで分るように、本発明による経口急速崩散錠(EVEREST)のアスコルビン酸の溶離速度は皆市販錠剤(武田)のアスコルビン酸より遅く、本発明の経口急速崩散錠(EVEREST)が市販の錠剤(武田)のアスコルビン酸の持続放出特性より優れていることを示しており、したがって、本発明の経口急速崩散錠(EVEREST)は薬性の緩慢な放出作用で穏定に吸収される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による、緩慢に放出される微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠(EVEREST)のアスコルビン酸が体外で溶離する速度の曲線グラフである。
【図2】市販錠剤(武田)のアスコルビン酸が体外で溶離する速度の曲線グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの核心と、前記核心を包囲して緩慢に放出されるアスコルビン酸の一つの被覆層を持つ小円粒と、アスコルビン酸を含み急速に崩散する材料で、前記の多数の小円粒を散在的に包囲していることを特徴とする、
一種の微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠。
【請求項2】
前記緩慢に放出される小円錠は、直径35〜80メッシュの一つの核心と、前記核心を包覆し、アスコルビン酸と粘着剤と溶解触媒とを混合している一つのアスコルビン酸層と、前記アスコルビン酸層の上に緩慢に噴き付られ、膜基剤と可塑剤と潤滑剤と溶解觸媒とを混合している一つの放出コントロール層とで構成されることを特徴とする、請求項1記載の緩慢に放出される微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠。
【請求項3】
前記アスコルビン酸を含み急速に崩散する材料は25〜45%のアスコルビン酸と、5〜35%の水溶性賦形剤と、10〜30%の微晶状セルロースと、1〜10%の崩散剤と10〜30%の稀釋剤とを混合していることを特徴とする、請求項1記載の緩慢に放出される微粒のアスコルビン酸を含む経口急速崩散錠。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−161495(P2009−161495A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2146(P2008−2146)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(507148973)永勝薬品工業股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】