説明

緩衝装置および折り畳みテーブル

【課題】
構成が簡単で容易かつ安価に製作できるとともに、その小形軽量化と廃棄処分の容易化を図れる緩衝装置と、この緩衝装置を天板の折り畳み操作と展開操作に利用し、その円滑な操作と安全性を図れるとともに、構成が簡単で容易かつ安価に製作でき、その小形軽量化とデザインの向上を図れる折り畳みテ−ブルを提供すること。
【解決手段】
本体21に伸縮可能な作動部材7を移動可能に収容する。
前記作動部材7の一端部を負荷部材1に連係する。
前記負荷部材1を変位可能に設ける。
前記負荷部材1の変位時に作動部材7の移動を制動または緩衝可能にした緩衝装置20であること。
前記本体21の内部に可動体22を軸方向に移動可能に収容する。
前記可動体22の内部に前記作動部材7を移動可能に収容する。
前記可動体22の周面にテ−パ部38,39を備えたストッパ23を設ける。
前記作動部材7の移動時、前記テ−パ部39を本体21の内部に設けた係合部47と作動部材7の周面との間に係脱可能に係入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成が簡単で容易かつ安価に製作できるとともに、その小形軽量化と廃棄処分の容易化を図れる緩衝装置と、この緩衝装置を天板の折り畳み操作と展開操作に利用し、その円滑な操作と安全性を図れるとともに、構成が簡単で容易かつ安価に製作でき、その小形軽量化とデザインの向上を図れる折り畳みテ−ブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板の回動を緩衝する緩衝装置を備えた折り畳みテ−ブルとして、例えば油室に作動油を充填した円筒形のダンパ−本体からなり、該本体を天板の直下に配置し、その端面を天板と一体の取付金具に取付け、内部の翼と一体の軸を支柱の上部に固定し、天板の折り畳み時に作動油を円滑に移動させて、天板を速やかに回動する一方、天板の展開時に作動油の移動を抑制し、天板の回動を緩衝するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の折り畳みテ−ブルとして、シリンダ-の内部にピストンを摺動可能に収容した緩衝用シリンダ−機構、いわゆるガススプリングを備え、該シリンダ−機構を折り畳みテ−ブルの脚柱の内部に取付け、そのピストンロッドの上端部をロック板に枢着し、該ロック板をハンドルと同軸の連動軸に固定している。
そして、天板の折り畳み時にハンドルを回動してロック板のロックを解除し、シリンダ−機構のピストンを内蔵したバネの弾性で押し上げ、シリンダ−内の作動油をゆっくり移動して、天板をゆっくり折り畳み回動し、一方、天板の展開時にハンドルを逆方向に回動してロック板を同動させ、ピストンロッドとピストンを下降し、シリンダ−内の作動油を速やかに移動して、天板を容易かつ速やかに水平に移動するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、前記ダンパ−本体や緩衝用シリンダ−機構は、構造が複雑で高価なうえに、概して大形で大重量化し、しかもその廃棄処分時には、例えば封入した高圧ガスを排出する面倒があり、これを失念した場合は爆発して怪我をする等の問題があった。
一方、前記ダンパ−本体や緩衝用シリンダ−機構を備えた折り畳みテ−ブルは、緩衝用シリンダ−機構等が高価で大形重量化するため、操作や取り扱いに不便なうえに、高価で大形重量化し、しかもデザインの幅が制約されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−211025号公報
【特許文献2】実開平6−58724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題を解決し、構成が簡単で容易かつ安価に製作できるとともに、その小形軽量化と廃棄処分の容易化を図れる緩衝装置と、この緩衝装置を天板の折り畳み操作と展開操作に利用し、その円滑な操作と安全性を図れるとともに、構成が簡単で容易かつ安価に製作でき、その小形軽量化とデザインの向上を図れる折り畳みテ−ブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、本体に伸縮可能な作動部材を移動可能に収容し、前記作動部材の一端部を負荷部材に連係し、該負荷部材を変位可能に設けるとともに、前記負荷部材の変位時に作動部材の移動を制動または緩衝可能にした緩衝装置において、前記本体の内部に可動体を軸方向に移動可能に収容し、該可動体の内部に前記作動部材を移動可能に収容し、前記可動体の周面にテ−パ部を備えたストッパを設け、前記作動部材の移動時、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入し、従来のように高圧ガスの封入や作動油の充填を要することなく、また特別な設備を要することなく容易かつ安価に製作できるとともに、気密ないし油密構造を要することなく構成の簡潔化と小形軽量化を図れ、しかも廃棄処分時に高圧ガスや作動油の排出を要しないから、廃棄処分を安全かつ容易に行なえるようにしている。
【0008】
請求項2の発明は、前記可動体に前記ストッパを着脱可能に設け、可動体にストッパを容易に組み付けられるとともに、ストッパに対するテ−パ部の位置替えを促すようにしている。
請求項3の発明は、前記ストッパの両側にテ−パ角度を異にする二つのテ−パ部を設け、二つのテ−パ部の利用を図るようにしている。
請求項4の発明は、前記負荷部材の負荷に応じて前記係合部に係合するテ−パ部を選択可能にし、テ−パ部を選択することによって、負荷に応じた緩衝作用ないし制動作用を得られるようにしている。
請求項5の発明は、前記可動体の外周に一または複数のストッパを装着し、該ストッパの各テ−パ部を前記係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入し、ストッパの使用数を加減することによって、負荷部材の負荷に応じた緩衝作用ないし制動作用を調整し得るようにしている。
【0009】
請求項6の発明は、前記可動体の内部に作動部材を遊挿し、作動部材の移動の円滑化を図るとともに、緩衝装置ないし可動体を傾斜して配置した際、作動部材の上位側の一部域に重力作用と相俟って、ストッパの緩衝作用を付与し得るようにしている。
請求項7の発明は、前記本体と可動体を斜状に配置し、前記可動体の上位側周面に単一のストッパを配置し、該ストッパを可動体に挿入した作動部材の上位側周面に係脱可能に配置し、緩衝装置ないし可動体を傾斜して配置した際、単一のストッパによる緩衝作用を得られるようにしている。
請求項8の発明は、前記本体に掛止具を着脱可能に設け、前記掛止具の一対のフォ−ク片を前記可動体に係合可能に配置し、前記掛止具を本体に装着時、ストッパのテ−パ部と前記係合部との係合を解除可能にし、ストッパを本体の外側へ移動可能にして、可動体の内部に作動部材の挿入スペ−スを確保し、外部から作動部材を容易かつ円滑に挿入し得るようにしている。
【0010】
請求項9の発明は、前記掛止具を本体から取り外し時、ストッパのテ−パ部を前記係合部に係合可能に設け、前記テ−パ部を前記係合部と作動部材の周面との間に係入可能に設け、ストッパを本体の内側へ移動可能にして、作動部材の周面に係合ないし密接可能にしている。
請求項10の発明は、前記本体および可動体の内部に作動部材を抜き差し可能に設け、緩衝装置の組み立て前は作動部材を抜き取り、緩衝装置の小形化を図って取り扱いを容易にするとともに、緩衝装置の組み立て時に作動部材を本体に装着し、実質的な緩衝作用を機能させて、作動部材の合理的な使用を図るようにしている。
請求項11の発明は、前記本体および可動体の内部に作動部材を挿入後、前記掛止具を本体から取り外し、作動部材の挿入と、作動部材に対する実質的な緩衝作用を合理的に実現するようにしている。
【0011】
請求項12の発明は、伸縮可能な作動部材を有する緩衝装置を備えた支柱に天板を回動可能に設け、前記天板の一側に前記作動部材を連係し、天板を折り畳み可能にした折り畳みテ−ブルにおいて、前記緩衝装置を支柱の外側に配置し、前記天板の他側に支持枠の上端部を回動可能に連結し、該支持枠の下端部を枠体に回動可能に連結し、前記緩衝装置は本体の内部に可動体を軸方向に移動可能に収容し、該可動体の内部に前記作動部材を移動可能に収容し、前記可動体の周面にテ−パ部を備えたストッパを設け、前記作動部材の移動時、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入し、従来のように高圧ガスを封入し、または作動油を充填した高価かつ大形大重量の緩衝装置を要することなく、小形軽量で容易かつ安価に製作できるとともに、小形軽量の緩衝装置を支柱の外側に配置して、支柱の小径化を図り、全体的なデザインの向上を図るようにしている。
【0012】
請求項13の発明は、天板の折り畳み時、前記作動部材を上方へ伸長可能に設け、該作動部材に前記可動体を同動し、前記ストッパのテ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間の係入を解除可能にし、緩衝装置による緩衝作用ないし制動作用を消失または低下し、作動部材を容易かつ速やかに伸長させて天板を円滑に折り畳めるようにしている。
請求項14の発明は、天板の展開時、前記作動部材を下方へ縮小可能に設け、該作動部材に前記可動体を同動し、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係入可能にし、緩衝装置による緩衝作用ないし制動作用を機能させて、作動部材をゆっくりと収縮させて、天板をゆっくりと安全に展開させるようにしている。
【0013】
請求項15の発明は、前記天板の折り畳み時、前記作動部材と支柱、天板、支持枠を平行に配置し、前記天板の折り畳み状態を維持可能にし、従来のようなカム機構やストッパを要することなく、構成を簡潔にして天板の折り畳み状態を維持し得るようにしている。
請求項16の発明は、前記天板の展開時、前記作動部材の下端部を支柱下部の係止部に当接可能に設け、前記天板の展開状態を維持可能にし、簡単な構成で天板の展開状態を維持し得るようにしている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明は、本体の内部に可動体を軸方向に移動可能に収容し、該可動体の内部に前記作動部材を移動可能に収容し、前記可動体の周面にテ−パ部を備えたストッパを設け、前記作動部材の移動時、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入したから、従来のように高圧ガスの封入や作動油の充填を要することなく、また特別な設備を要することなく容易かつ安価に製作できるとともに、気密ないし油密構造を要することなく構成の簡潔化と小形軽量化を図れ、しかも廃棄処分時に高圧ガスや作動油の排出を要しないから、廃棄処分を安全かつ容易に行なうことができる。
【0015】
請求項2の発明は、前記可動体に前記ストッパを着脱可能に設けたから、可動体にストッパを容易に組み付けられるとともに、ストッパに対するテ−パ部の位置替えを促すことができる。
請求項3の発明は、前記ストッパの両側にテ−パ角度を異にする二つのテ−パ部を設けたから、二つのテ−パ部の利用を図ることができる。
請求項4の発明は、前記負荷部材の負荷に応じて前記係合部に係合するテ−パ部を選択可能にしたから、テ−パ部を選択することによって、負荷に応じた緩衝作用ないし制動作用を得られる効果がある。
請求項5の発明は、前記可動体の外周に一または複数のストッパを装着し、該ストッパの各テ−パ部を前記係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入したから、ストッパの使用数を加減することによって、負荷部材の負荷に応じた緩衝作用ないし制動作用を調整することができる。
【0016】
請求項6の発明は、前記可動体の内部に作動部材を遊挿したから、作動部材の移動の円滑化を図れるとともに、緩衝装置ないし可動体を傾斜して配置した際、作動部材の上位側の一部域に重力作用と相俟って、ストッパの緩衝作用を付与することができる。
請求項7の発明は、前記本体と可動体を斜状に配置し、前記可動体の上位側周面に単一のストッパを配置し、該ストッパを可動体に挿入した作動部材の上位側周面に係脱可能に配置したから、緩衝装置ないし可動体を傾斜して配置した際、単一のストッパによる緩衝作用を得られる効果がある。
請求項8の発明は、前記本体に掛止具を着脱可能に設け、前記掛止具の一対のフォ−ク片を前記可動体に係合可能に配置し、前記掛止具を本体に装着時、ストッパのテ−パ部と前記係合部との係合を解除可能にしたから、ストッパを本体の外側へ移動可能にし、可動体の内部に作動部材の挿入スペ−スを確保し、外部から作動部材を容易かつ円滑に挿入することができる。
【0017】
請求項9の発明は、前記掛止具を本体から取り外し時、ストッパのテ−パ部を前記係合部に係合可能に設け、前記テ−パ部を前記係合部と作動部材の周面との間に係入可能に設けたから、ストッパを本体の内側へ移動可能にし、作動部材の周面に係合ないし密接可能にすることができる。
請求項10の発明は、前記本体および可動体の内部に作動部材を抜き差し可能に設けたから、緩衝装置の組み立て前は作動部材を抜き取り、緩衝装置の小形化を図って取り扱いを容易にするとともに、緩衝装置の組み立て時に作動部材を本体に装着し、実質的な緩衝作用を機能させて、作動部材の合理的な使用を図るることができる。
請求項11の発明は、前記本体および可動体の内部に作動部材を挿入後、前記掛止具を本体から取り外したから、作動部材の挿入と、作動部材に対する実質的な緩衝作用を合理的に実現することができる。
【0018】
請求項12の発明は、緩衝装置を支柱の外側に配置し、前記天板の他側に支持枠の上端部を回動可能に連結し、該支持枠の下端部を枠体に回動可能に連結し、前記緩衝装置は本体の内部に可動体を軸方向に移動可能に収容し、該可動体の内部に前記作動部材を移動可能に収容し、前記可動体の周面にテ−パ部を備えたストッパを設け、前記作動部材の移動時、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入したから、従来のように高圧ガスを封入し、または作動油を充填した高価かつ大形大重量の緩衝装置を要することなく、小形軽量で容易かつ安価に製作できるとともに、小形軽量の緩衝装置を支柱の外側に配置して支柱の小径化を図り、全体的なデザインの向上を図ることができる。
【0019】
請求項13の発明は、天板の折り畳み時、前記作動部材を上方へ伸長可能に設け、該作動部材に前記可動体を同動し、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間の係入を解除可能にしたから、緩衝装置による緩衝作用ないし制動作用を消失または低下し、作動部材を容易かつ速やかに伸長させて天板を円滑に折り畳むことができる。
請求項14の発明は、天板の展開時、前記作動部材を下方へ縮小可能に設け、該作動部材に前記可動体を同動し、前記ストッパのテ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係入可能にしたから、緩衝装置による緩衝作用ないし制動作用を機能させて、作動部材をゆっくりと収縮させ、天板をゆっくりと安全に展開させることができる。
【0020】
請求項15の発明は、前記天板の折り畳み時、前記作動部材と支柱、天板、支持枠を平行に配置したから、前記天板の折り畳み状態を維持可能にし、従来のようなカム機構やストッパを要することなく、構成を簡潔にして天板の折り畳み状態を維持することができる
請求項16の発明は、前記天板の展開時、前記作動部材の下端部を支柱下部の係止部に当接可能に設け、前記天板の展開状態を維持可能にしたから、簡単な構成で天板の展開状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の緩衝装置を備えた折り畳みテ−ブルの使用状態を示す斜視図である
【図2】図1の右側面図である。
【図3】前記折り畳みテ−ブルの支柱と、後側脚と支持枠と枠体(横枠)との連結状態を拡大して示す斜視図である。
【図4】前記折り畳みテ−ブルの支柱と、緩衝装置の組み立て状態を拡大して示す正面図で、緩衝装置に掛止具を装着している。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【0022】
【図6】前記折り畳みテ−ブルの支柱と、緩衝装置の組み立て状態を拡大して示す正面図で、緩衝装置から掛止具を取り外している。
【図7】図6のB−B線に沿う断面図である。
【図8】本発明に適用した緩衝装置を分解して示す斜視図である。
【図9】本発明に適用した緩衝装置の組み立て状態を示す斜視図である。
【図10】図9のC−C線に沿う拡大断面図である。
【0023】
【図11】図9のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図12】図9のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図13】本発明の緩衝装置を備えた折り畳みテ−ブルにおいて、天板の折り畳み途中の状態を示す拡大断面図である。
【図14】本発明の緩衝装置を備えた折り畳みテ−ブルの天板の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の緩衝装置を備えた折り畳みテ−ブルにおいて、天板の折り畳み状態を示す右側面図である。
【0024】
【図16】本発明の緩衝装置を備えた折り畳みテ−ブルにおいて、天板の展開途中の状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の緩衝装置の一例と、この緩衝装置を適用した折り畳みテ−ブルの一例を図示の実施形態について説明すると、図1乃至図16において1は横長矩形の負荷部材である天板で、その裏面の前部と中間部に一対の支持枠2,3が前後に離間して取付けられ、該支持枠2,3の両端部に台形のブラケット4,5が固定され、該ブラケット4,5の下端部に支持枠6,7の上端部が回動可能に連結されている。
【0026】
このうち、前側の支持枠6の下端部は後述する突片に回動可能に連結され、後側の支持枠7はアルミニウム製の角管材で構成され、該支持枠7は後述する緩衝装置の作動部材に相当し、その下部側をアルミニウム製の角管材からなる支柱8に上下に移動可能に挿入している。
そして、天板1の展開時、つまり天板1の使用時に、支持枠7の下端部を支柱8の下部の係止部(図示略)に当接可能にして、天板1の使用時における水平状態を維持可能にしている。
この場合、支持枠7は角柱または角管状に限らず、円柱または円管状に構成することも可能である。
【0027】
前記支柱8はブラケット4,5を介して天板1に斜状に配置され、後述する床面に斜め上向きに配置されていて、その下部は前側脚を兼用し、その下端部が天板1の前端部直下に配置され、その下端部にキャスタ−9が床面10を走行可能に取付けられている。
【0028】
前記支柱8の中高位置に、アルミダイカスト製の一対のフレ−ムジョイント11が図3のように取付けられ、該ジョイント11は前記支柱8に係合可能な凹溝11aを備え、該凹溝11aの外側に脚継手(図示略)を一体成形し、また凹溝11aの内側に張出し継手(図示略)を一体成形していて、前記脚継手を内外に重合し、これに後側脚12の一端部をビス止めしている。
【0029】
また、前記一対の張出し継手をボックス継手13に挿入し、これらを後述の横枠と一緒にビス止めしている。
すなわち、前記ボックス継手13は略矩形管状に樹脂成形され、該継手13に枠体である角管状の横枠14を挿入し、該横枠14内に前記一対の張出し継手を挿入し、これらをビスで一緒にビス止めしている。
前記ボックス継手13の上端部に一対の突片15が一体成形され、該突片15,15の間に前記支持枠6の下端部を回動可能に連結している。
【0030】
前記後側脚12の他端部は天板1の後端部直下に配置され、その端部にキャスタ−16が床面10を走行可能に取付けられている。
図中、17は天板1の裏面後端部に設けた把手、18は天板1の裏面の両側に取付けた棚枠、19は棚枠18,18間に掛け渡した架設枠である。
【0031】
前記支柱8の上端部に緩衝装置20が設けられ、該装置20は支柱8の上端部に取付けた本体21と、該本体20の内部に上下動可能に設けた可動体22と、該可動体22に同動可能に設けたストッパ23と、前記本体20の上端部に取付けた保護キャップ24と、支持枠7の組み立て前に本体21に差し込まれ、可動体22の内側に支持枠7を挿入可能にした、補助具である掛止具25と、を備えている。
【0032】
前記本体21は、例えばポリアセタ−ル(POM)によって、大小異径の方形管状に樹脂成形され、その小径部21aの外周に支柱8の上端部を装着し、その内側の通孔48に前記支持枠7を十分な裕度で挿入している。
前記小径部21aの一辺に略U字形の切溝26aによって舌片26を切欠き形成し、該舌片26に板厚方向の復元力を与え、後述する係合突起と通孔とを係合可能にしている。
前記舌片26の下端部に係合突起27が突設され、該係合突起27を支柱8の上部に設けた通孔28に係合可能に設けて、支柱8と本体21とを抜け止めしている。
【0033】
一方、前記大径部21bの一辺、実施形態では組み立て時に上側に位置する一辺の下部側に、鉤形をした一対の係合溝29を形成し、該辺と隣接する一対の辺の上部に、後述する係止爪と係合可能な横長の係合孔30を対向して形成している。
【0034】
前記可動体22は本体21よりも小径で短小な方形管状に樹脂成形され、その内部に支持枠7を裕度を持って挿入可能にされ、またその肉厚は三辺を厚肉に成形していて、これを前記大径部21bの内側に上下動可能に収容している。図中、22aは可動体22の一対の下端面に形成した山形の切欠部である。
【0035】
前記大径部21bの一辺と対向する可動体22の肉厚の一辺に、内側に開口する嵌合溝31が軸方向に形成され、該一辺の外周部の両側に縦長のバネ収容孔32が形成され、該収容孔32の底部に係止ピン33を突設している。
そして、前記バネ収容孔32と、保護キャップ24に形成した後述するバネ収容孔との間にバネ34を収容し、このバネ34の弾性によって可動体22を下方へ付勢している。
【0036】
前記ストッパ23は摩擦係数が低く、かつ耐磨耗性に優れる、本体21とは異質の合成樹脂、例えばナイロン(登録商標)によって略山形に樹脂成形され、後述のテ−パ部と、内側に張り出した係合部47との係合時の摩擦熱による焼付けを防止可能にしていて、その山形部を外側に向けて前記嵌合溝31に嵌合し、その山形部の頂部に係止溝35を形成している。
前記係止溝35の中央に透孔36が形成され、該透孔36に嵌合溝31の底部に突設した係合ピン37を挿入して、ストッパ23を抜け止めしている。
【0037】
前記ストッパ23の内側面は平滑な平坦面23aに形成され、該平坦面23aを支持枠7の外周面に接触可能に配置している。
前記ストッパ23の山形部の上下端部に、上方または下方へ傾斜するテ−パ部38,39が形成され、これらのテ−パ角度は相違していて、緩衝装置20の負荷に相当する天板1の重量によって、テ−パ部38,39を選択し、かつ各種折り畳みテ−ブルとの共用化を図っている。
実施形態では何れか一方のテ−パ部、例えばテ−パ部38に透孔38a等の識別手段を設けて、組み立てミスを防止している。
【0038】
実施形態の場合、テ−パ部38のテ−パ角度はテ−パ部39のそれよりも大きく形成され、重量の大きな天板1に対しては、テ−パ角度の小さなテ−パ部39を下側に配置して係合部47に係合させ、大きな係合力ないし接触面圧力を平坦面23aを介して支持枠7の周面に作用し、大きな緩衝力ないし制動力を形成可能にしている。
この場合、重量の小さな天板1に対しては、左右何れか一方の支持枠7のストッパ23による緩衝力を作用させ、他方の支持枠7の緩衝装置20からストッパ23を省略することも可能である。
【0039】
前記可動体22は、本体21に掛止具25を装着時は、後述のように掛止具25のフォ−ク片44に係合して押し上げられ、ストッパ23の平坦面23aを外側へ移動し、本体21内に支持枠7を挿入可能なスペ−スを形成可能にしている。
そして、本体21から掛止具25を取り外し、本体21内に支持枠7を挿入後は、前記テ−パ部39が支持枠7の外周面と平面矩形の係合部47との間に係入し、その楔効果によって、ストッパ23の平坦面23aを支持枠7の外周面に押圧し、支持枠7の移動を制動可能にしている。
【0040】
前記保護キャップ24は、本体21に挿入可能な短小の方形管状に樹脂成形され、その相対する外周面に係合孔30に係合可能な係止爪40を形成し、他の一辺に一対のバネ収容孔41と係止ピンを形成し、該バネ収容孔41に前記バネ34の上端部を収容可能にしている。
図中、42は保護キャップ24の上端部に形成した角管状のフランジ部で、バネ収容孔41を形成した一辺の内面中央に凹溝43を形成している。
【0041】
前記掛止具25は一対のフォ−ク片44を樹脂成形し、その上面に切欠部22aと係合可能な山形の凸部44aを形成し、その断面は係合溝29に係合可能な鉤形をしている。
前記フォ−ク片44の長さは、本体21内面の対面距離より若干長尺に形成され、前記凸部44a上に可動体22の下端面を載置し、かつ切欠部22aに係合可能にしている。 図中、45は掛止具25の外側に突設した把持部である。
【0042】
前記掛止具25は、支持枠7の挿入前にフォ−ク片44を係合溝29に差し込んで本体21に装着され、かつフォ−ク片44上に可動体22を載置してストッパ23を同動させ、ストッパ23の平坦面23aを外側へ変位させている。
【0043】
この他、図中48は前記係合部47の一側に軸方向に沿って突設したビ−ドで、前記テ−パ部39の両側面に係合可能に配置され、テ−パ部39の移動を規制可能にしている。
49は前記係合部47の三辺に軸方向に突設したビ−ドで、前記支持枠7の外周面に係合可能に配置され、該支持枠7をセンタリング可能にしている。
【0044】
なお、この実施形態の折り畳みテ−ブルは、支持枠6,7と支柱8をそれぞれ斜状に配置しているが、支持枠7と支柱8を垂直に配置し、緩衝装置20を垂直に配置することも可能であり、そのような使用によって、緩衝装置20を折り畳みテ−ブル以外に、例えば椅子の着座部の上下位置調整用の緩衝装置に使用することも可能である。
【0045】
このように構成した本発明の緩衝装置の主要部は、本体21,22と、ストッパ23と、保護キャップ24および掛止具25とで構成され、これらを樹脂成形しているから、軽量で量産化に応じられ、これを安価かつ容易で均一に製作できる。
【0046】
次に、これらを組み立てる場合は図8のように、先ず本体21の係合溝29に掛止具25のフォ−ク片44を挿入し、該フォ−ク片44の下端部を本体21内の段部に収容する
この後、バネ収容孔32を係合溝29の一辺側に向けて、可動体22を本体21内に挿入し、該可動体22の下端部の切欠部22aをフォ−ク片44の凸部44aに係合して収容する。
【0047】
その際、可動体22の嵌合溝31にストッパ23の山形部を予め嵌合し、その係止溝35に形成した透孔36に、嵌合溝31の底部に突設した係合ピン37を挿入し、ストッパ23を嵌合溝31に掛け止める。
前記ストッパ23の組み付けに際しては、緩衝装置20の負荷に相当する天板1の重量に応じて、ストッパ23のテ−パ部38,39を選択して組み付ける。
【0048】
すなわち、テ−パ部38,39のテ−パ角度は相違して形成され、天板1の重量が大きい場合は、大きな緩衝力または制動力を要するため、テ−パ角度が小さい方のテ−パ部39を下側に配置し、天板1の重量が小さい場合は、小さな緩衝力または制動力で足りる、テ−パ角度が大きい方のテ−パ部38を下側に配置する。
実施形態では、天板1の重量が大きいため、大きな緩衝力または制動力を要し、テ−パ角度が小さい方のテ−パ部39を下側に配置している。
【0049】
そして、前記可動体22のバネ収容孔32にバネ34を挿入後、保護キャップ24を本体21の上端部に挿入し、バネ収容孔41にバネ34の上端部を収容し、係止爪40を本体21の係合孔30に内側から係合し、本体21に連結することによって、緩衝装置20の一連の組み立てが終了する。
このように緩衝装置20の組み立ては、各構成部材を挿入および係合する簡単な作業で足り、従来の緩衝装置のような高圧ガスまたは作動油の封入を要しないから、構成が簡単で特別な設備を要することなく、簡易かつ速やかに行なえる。
【0050】
こうして組み立てた緩衝装置20は図9のようで、全長70mm、一辺が約30mmの略角柱状に形成され、従来のガススプリング等の緩衝装置に比べ非常に小形かつ軽量であるから、その持ち運びや保管等の取り扱いが至便になる。
しかも、前記緩衝装置20は、組み立て終了時に作動部材である支持枠7の装着を省略し得るから、それだけ小形軽量化が増進され、取り扱いが一層至便になる。
【0051】
前記緩衝装置20の装着前、つまり折り畳みテ−ブルの組み立て前は、前述のように作動部材である支持枠7と分離して取り扱われ、本体21ないし可動体22に支持枠7は挿入されていない。
そして、緩衝装置20の組み立て後、本体2に掛止具25のフォ−ク片44を差し込み、このフォ−ク片44上に可動体22が係合して押し上げられ、可動体22に装着したストッパ23の下側のテ−パ部39が係合部47の一辺に接触し、テ−パ部39の尖端部が通孔48内に係入している。
【0052】
このような緩衝装置20を使用する場合は、本体21ないし可動体22に支持枠7を挿入し、その一端部を支柱8内に当接可能な自由端部として本体21の下側に配置し、他端部を本体21の外側に突出し、その突出部を天板1等の作用部材に連係する。
【0053】
前記支持枠7を本体21ないし可動体22に挿入する場合は、本体21に掛止具25を装着した状態、つまり可動体22の内側に支持枠7の挿入スペ−スを確保した状態で、支持枠7を保護キャップ24の上方または本体21の小径部21aの下方から差し込む。
そして、支持枠7を可動体22に貫挿させて保護キャップ24から突出し、該突出部の適宜位置を天板1等の作用部材に直接または間接的に連結し、下端部を本体21の外側に配置する。
このように本体21に掛止具25を装着して、可動体22の内側に支持枠7の挿入スペ−スを確保しているから、支持枠7を容易かつ速やかに挿入し得る。
【0054】
こうして支持枠7の一部を天板1等に直接または間接的に連結後、把持部45を保持して外側へ引張り、フォ−ク片44を係合溝29から引き抜いて、掛止具25を本体21から取り外す。
このようにすると、フォ−ク片44が係合溝29から引き抜かれ、フォ−ク片44の高さ分、可動体22がバネ34に押し下げられて支持枠7に沿って移動し、これにストッパ23が同動して下側のテ−パ部39が下方へ移動する。
このため、ストッパ23の平坦面23aがテ−パ部39の下方変位相当分、本体21の内側へ移動し、対向する支持枠7の外周面を押圧する。
【0055】
すなわち、この状況は支持枠7の外周面と、係合部47の内面の一辺との間に、テ−パ部39が楔として差し込まれた状態に相当し、その接触面圧力をストッパ23の平坦面23aを介して、対向する支持枠7の外周面に作用し、緩衝ないし制動作用を奏する。
この場合、実施形態の可動体22は一辺にストッパ23を設け、その平坦面23aを支持枠7の外周面の一辺に密着させているが、可動体22の対向辺または各辺にストッパ23を設け、その各平坦面23aを支持枠7の外周面に密着させ、緩衝ないし制動作用を増強することも可能である。
【0056】
ただ、実施形態のように緩衝装置20を斜状に設置し、本体21,22および支持枠7を斜状に配置する場合は、支持枠7よりも上位側に位置するストッパ23が重力によって支持枠7側へ移動し、その平坦面23aを支持枠7の上位側の外周面に密着させられるから、緩衝装置20を垂直に設置する場合に比べてストッパ23による緩衝ないし制動作用が増強され、可動体22の上位側の一辺にストッパ23を設けた実施形態の場合でも、所期の緩衝ないし制動作用を得られる。
【0057】
こうして、本体21から掛止具25を取り外し後、支持枠7を上下動することによってストッパ23による具体的な緩衝ないし制動作用が得られる。
例えば天板1の折り畳み時に、天板1を保持して上向きに折り畳み回動し、これに支持枠7を同動させて上動すると、ストッパ23が支持枠7による摩擦によって僅かに引き上げられ、その変位相当分、平坦面23aが外側へ移動して支持枠7の外周面から離間する
この結果、ストッパ23による緩衝ないし制動作用が消失し若しくは低下して、天板1を容易かつ速やかに折り畳める。
【0058】
一方、天板1の折り畳み後、これを展開して使用する場合は、把手17を保持して天板1を下向きに回動し、これに支持枠7を同動させて下動すると、ストッパ23が支持枠7による摩擦によって引き下げられ、そのテ−パ部39の下方変位相当分、平坦面23aが内側へ移動して支持枠7の外周面を押圧する。
すなわち、この状況は支持枠7の外周面と係合部47の内面の一辺との間に、テ−パ部39が楔として差し込まれた状態に相当し、その接触面圧力をストッパ23の平坦面23aを介して、対向する支持枠7の外周面に作用し、緩衝ないし制動作用を奏する。
【0059】
したがって、支持枠7の下動が制動されて減速され、天板1がゆっくりと下向きに回動し、支持枠7の下端部が支柱8内の係止部(図示略)に当接したところで静止し、天板1の水平状態を維持する。
この場合、支持枠7の一部周面が凸部49に係合してセンタリングされ、またストッパ23の左右方向の移動が凸部48,48に規制されて、それらが円滑に移動する。
【0060】
このように本発明の緩衝装置20は、小形軽量で安価に製作でき、その使用時は作動部材である支持枠7の上動時は、緩衝ないし制動作用を解除ないし低下して、支持枠7を容易かつ速やかに上動させ、天板1を容易に折り畳める一方、支持枠7の下動時は、緩衝ないし制動作用を復活ないし増強させて、支持枠7を安全かつゆっくりと下動して天板1をゆっくり展開し得る。
【0061】
なお、本発明の緩衝装置20は、経年使用による機能劣化によって廃棄処分する際、折り畳みテ−ブルを分解して取り出し、これをそのまま廃棄するか各構成部分を分解ないし解体して廃棄する。何れの場合も緩衝装置20が小形軽量であるから取り扱い易く、従来の緩衝装置のように封入した高圧ガスや作動油を排出する面倒がなく、またこれを失念した場合の爆発事故や怪我の問題がないから、安全に廃棄し得る。
【0062】
一方、前記緩衝装置20を備えた本発明の折り畳みテ−ブルを組み立て前に出荷する際は、複数のアセンブリに分けて一緒に出荷する。
例えば緩衝装置20を前述のように組み立て、その本体21に掛止具25を装着し、かつ緩衝装置20に支持枠7を装着しない状態で、保護キャップ24の上端を開口して置く
【0063】
そして、前記緩衝装置20の小径部21aに支柱8の上端部を嵌合し、その通孔28に舌片26の係合突起27を係合し、両者を連結する。
その際、係合突起27が支柱8の内面に係合時、舌片26が小径部21aの内側に変位して前記係合を許容し、係合突起27が通孔28に係合後、舌片26が弾性によって外側に復元し、係合突起27が通孔28に係合して、本体21と支柱8とを連結する。
【0064】
次に、前記支柱8の下端部にキャスタ−9を取付け、該支柱8の中間位置に一対のフレ−ムジョイント11を取付け、該ジョイント11の一端部にボックス継手13を挿入してビス止めし、突片15,15の間に支持枠6の下端部を回動可能に連結する。
そして、前記一対の支柱アセンブリのボックス継手13,13に横枠14の両端部を挿入し、これらをビス止めして一体に連結する。
また、天板1の裏面に左右一対の支持枠2,3と把手17を取付け、この一方の支持枠3の両端にブラケット4を取付け、該ブラケット4に前記支持枠6の上端部を回動可能に連結して、支柱アセンブリに天板アセンブリを組み付ける。
【0065】
一方、他方のブラケット5は天板1に取付けないで分離し、このブラケット5に支持枠7の上端部を回動可能に連結し、また後側脚12は支柱8に取付けないで分離し、その後端部にキャスタ−10を取付け、これら支持枠7と後側脚12のアセンブリを前記天板アセンブリと一緒に梱包する。
その際、支持枠6,6を突片15,15を中心に回動し、また天板1をブラケット4を中心に回動し、天板1と支持枠6,6と支柱8,8とを平行に配置し、天板アセンブリをコンパクトに折り畳んで梱包のコンパクト化を図る。この状況は図14の折り畳みテ−ブルの折り畳み状況と同様である。
【0066】
前記梱包部品を組み立てる場合は、支持枠7の下端部を保護キャップ24の上面開口部に差し込み、これを支柱8の下方に挿入し、また支持枠7の上端部をブラケット5に回動可能に連結し、該ブラケット5を天板1の裏面の所定位置に取付け、後側脚12の一端部を前記フレ−ムジョイント11の外側にビス止めすれば良い。
この場合、緩衝装置20に掛止具45が装着され、可動体22の内部に支持枠7の挿入スペ−スが確保されているから、支持枠7の挿入を容易かつ速やかに行なえる。
【0067】
こうして組み立てた折り畳みテ−ブルは図1,2のようで、支柱8の外側に緩衝装置20を配置しているから、緩衝装置20の小形軽量化と相俟って、緩衝装置20を支柱8の内側に配置する場合に比べて支柱8の小径化を図れ、折り畳みテ−ブルのデザインの向上と軽量化を図れる。
この場合、支柱8の外側に緩衝装置20を配置していても、緩衝装置20は小形であるから、違和感が無く折り畳みテ−ブルの外観を損なうことはない。
しかも、前記折り畳みテ−ブルには、天板1の展開位置と折り畳み位置を規制するカム機構を有しないから、その分部品点数が低減し構成が簡潔になる。
【0068】
一方、組み立て直後の折り畳みテ−ブルには、図4,5のように緩衝装置20に掛止具25が装着され、ストッパ23と支持枠7とが離間して緩衝装置20が機能し得ないから、実際の使用に際しては掛止具25を取り外す必要がある。
前記掛止具25を取り外す場合は、把持部45を保持して外側へ引張り、フォ−ク片44を係合溝29から引き抜けば良い。
【0069】
このようにすると、本体21からフォ−ク片44が引き抜かれ、可動体22がフォ−ク片44の高さ分、バネ34に押し下げられて支持枠7に沿って移動し、これにストッパ23が同動して下側のテ−パ部39が下方へ移動する。
この状況は図6,7のようで、ストッパ23の平坦面23aがテ−パ部39の下方変位相当分、本体21の内側へ移動し、対向する支持枠7の外周面を押圧する。
【0070】
すなわち、この状況は支持枠7の外周面と、係合部47の内面の一辺との間に、テ−パ部39が楔として差し込まれた状態に相当し、その接触面圧力をストッパ23の平坦面23aを介して、対向する支持枠7の外周面に作用し、緩衝ないし制動作用を奏する。
【0071】
この場合、実施形態の可動体22は一辺にストッパ23を設け、その平坦面23aを支持枠7の外周面の一辺に押圧させているが、可動体22の対向辺または四辺にストッパ23を設け、その各平坦面23aを支持枠7の外周面に密着させ、緩衝ないし制動作用を増強することも可能である。
【0072】
ただ、実施形態のように緩衝装置20を斜状に設置し、内本体21,22および支持枠7を斜状に配置する場合は、支持枠7よりも上位側に位置するストッパ23が重力によって支持枠7側へ移動し、その平坦面23aを支持枠7の上位側の外周面に密着させるから、緩衝装置20を垂直に設置する場合に比べてストッパ23による緩衝ないし制動作用が増強され、可動体22の上位側の一辺にストッパ23を設けたものでも所期の緩衝ないし制動作用を得られる。
【0073】
こうして、本体21から掛止具25を取り外し後、支持枠7を上下動することによってストッパ23による実際の緩衝ないし制動作用が得られる。
例えば天板1の折り畳み時、把手17を保持して天板1を支持枠6の上端部の枢着部を中心に上向きに回動すると、支持枠7が緩衝装置20から上方へ引き出され、ストッパ23が支持枠7による摩擦によって僅かに引き上げられ、その変位相当分、平坦面23aが外側へ移動して支持枠7の外周面から離間する。
【0074】
この状況は図13のようで、テ−パ39が支持枠7と係合部47との間から僅かに引き抜かれ、その楔効果が低下ないし消失し、テ−パ39による緩衝ないし制動作用が低下ないし消失して、天板1を容易かつ速やかに折り畳める。
【0075】
こうして天板1が上向きに回動し、支持枠7が上方へ突出すると、天板1の後端部が上昇し、その前端部が支柱8側へ引き寄せられて、支持枠6が突片15の枢支部を中心に支柱8側へ回動し、天板1が支柱8と平行位置に移動し、支持枠6が支柱8と平行位置に移動したところで、天板1が回動を停止し、天板1と支柱8ないし支持枠7と支持枠6とが平行に位置して、天板1が折り畳まれる。
【0076】
この状況は図14および図15のようで、支持枠6の上端部の枢着部が、天板1と支柱8ないし支持枠7と支持枠6と突片15とで形成する四節回転リンク機構の思案点に位置して、前記枢着部に一定方向の力を作用させない限り、天板1の折り畳み状態を維持する
【0077】
一方、天板1の折り畳み後、これを展開して使用する場合は、把手17を保持して支持枠7の上端部の枢着部を支点に天板1を引き下げると、天板1の前端部が前記枢着部を支点に上向きに回動し、支持枠6の上端部が斜め上向きに牽引されて、支持枠6が突片15の枢支部を中心に前方へ回動する。
そして、天板1が更に引き下げられ、支持枠6が更に前方へ回動すると、天板1の重量と引き下げ力がブラケット5を介し支持枠7に効率良く作用し、支持枠7が押し下げられて緩衝装置20の内部を移動する。
【0078】
このようにすると、ストッパ23が支持枠7による摩擦によって引き下げられ、テ−パ部39が支持枠7と係合部47との間に押し込まれ、該テ−パ部39の下方変位相当分、平坦面23aが内側へ移動して支持枠7の外周面を押圧する。
すなわち、この状況は支持枠7の外周面と、係合部47の内面との間にテ−パ部39が楔として差し込まれた状態に相当し、その接触面圧力をストッパ23の平坦面23aを介して、対向する支持枠7の外周面に作用し、支持枠7の下動を緩衝ないし制動する。
その際、支持枠7の一部周面が凸部49に係合してセンタリングされ、またストッパ23の左右方向の移動が凸部48,48に規制されて、それらが円滑に移動する。
【0079】
したがって、支持枠7が制動されてゆっくりと下動し、また天板1がゆっくりと上向きに回動し、支持枠7の下端部が支柱8内の係止部(図示略)に当接したところで静止し、かつ支持枠6が回動を停止して、天板1を支持するとともに、その水平状態を維持する。この状況は図1および図2のようである。
【0080】
このように本発明の折り畳みテ−ブルは、小形軽量で安価な緩衝装置20によって、天板1の折り畳み時には緩衝装置20の機能を消失若しくは低下させて、天板1を容易かつ速やかに折り畳み、また天板1の使用時は緩衝装置20を機能させて、天板1を安全かつゆっくりと展開させるようにしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の緩衝装置は、構成が簡単で容易かつ安価に製作できるとともに、その小形軽量化と廃棄処分の容易化を図れ、また本発明の折り畳みテ−ブルは、前記緩衝装置を天板の折り畳み操作と展開操作に利用し、その円滑な操作と安全性を図り、構成が簡単で容易かつ安価に製作でき、その小形軽量化とデザインの向上を図れる。
【符号の説明】
【0082】
1 負荷部材(天板)
6 支持枠
7 作動部材(支持枠)
14 枠体(横枠)
20 緩衝装置
21 本体
22 可動体
【0083】
23 ストッパ
25 掛止具
38,39 テ−パ部
44 フォ−ク片
47 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に伸縮可能な作動部材を移動可能に収容し、前記作動部材の一端部を負荷部材に連係し、該負荷部材を変位可能に設けるとともに、前記負荷部材の変位時に作動部材の移動を制動または緩衝可能にした緩衝装置において、前記本体の内部に可動体を軸方向に移動可能に収容し、該可動体の内部に前記作動部材を移動可能に収容し、前記可動体の周面にテ−パ部を備えたストッパを設け、前記作動部材の移動時、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入したことを特徴とする緩衝装置。
【請求項2】
前記可動体に前記ストッパを着脱可能に設けた請求項1記載の緩衝装置。
【請求項3】
前記ストッパの両側にテ−パ角度を異にする二つのテ−パ部を設けた請求項1記載の緩衝装置。
【請求項4】
前記負荷部材の負荷に応じて前記係合部に係合するテ−パ部を選択可能にした請求項1記載の緩衝装置。
【請求項5】
前記可動体の外周に一または複数のストッパを装着し、該ストッパの各テ−パ部を前記係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入した請求項1記載の緩衝装置。
【請求項6】
前記可動体の内部に作動部材を遊挿した請求項1記載の緩衝装置。
【請求項7】
前記本体と可動体を斜状に配置し、前記可動体の上位側周面に単一のストッパを配置し、該ストッパを可動体に挿入した作動部材の上位側周面に係脱可能に配置した請求項1記載の緩衝装置。
【請求項8】
前記本体に掛止具を着脱可能に設け、前記掛止具の一対のフォ−ク片を前記可動体に係合可能に配置し、前記掛止具を本体に装着時、ストッパのテ−パ部と前記係合部との係合を解除し、かつストッパを外側へ移動可能にした請求項1記載の緩衝装置。
【請求項9】
前記掛止具を本体から取り外し時、ストッパのテ−パ部を前記係合部に係合可能に設け、前記テ−パ部を前記係合部と作動部材の周面との間に係入可能に設けた請求項1記載の緩衝装置。
【請求項10】
前記本体および可動体の内部に作動部材を抜き差し可能に設けた請求項9記載の緩衝装置。
【請求項11】
前記本体および可動体の内部に作動部材を挿入後、前記掛止具を本体から取り外した請求項8または10記載の緩衝装置。
【請求項12】
伸縮可能な作動部材を有する緩衝装置を備えた支柱に天板を回動可能に設け、前記天板の一側に前記作動部材を連係し、天板を折り畳み可能にした折り畳みテ−ブルにおいて、前記緩衝装置を支柱の外側に配置し、前記天板の他側に支持枠の上端部を回動可能に連結し、該支持枠の下端部を枠体に回動可能に連結し、前記緩衝装置は本体の内部に可動体を軸方向に移動可能に収容し、該可動体の内部に前記作動部材を移動可能に収容し、前記可動体の周面にテ−パ部を備えたストッパを設け、前記作動部材の移動時、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係脱可能に係入したことを特徴とする折り畳みテ−ブル。
【請求項13】
天板の折り畳み時、前記作動部材を上方へ伸長可能に設け、該作動部材に前記可動体を同動し、前記テ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間の係入を解除可能にした請求項12記載の折り畳みテ−ブル。
【請求項14】
天板の展開時、前記作動部材を下方へ縮小可能に設け、該作動部材に前記可動体を同動し、前記ストッパのテ−パ部を本体内部に設けた係合部と作動部材の周面との間に係入可能にした請求項12記載の折り畳みテ−ブル。
【請求項15】
前記天板の折り畳み時、前記作動部材と支柱、天板、支持枠を平行に配置し、前記天板の折り畳み状態を維持可能にした請求項13記載の折り畳みテ−ブル。
【請求項16】
前記天板の展開時、前記作動部材の下端部を支柱下部の係止部に当接可能に設け、前記天板の展開状態を維持可能にした請求項14記載の折り畳みテ−ブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−137502(P2011−137502A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297328(P2009−297328)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(506090358)エビスファニチャー株式会社 (7)
【Fターム(参考)】