説明

縦型製袋包装装置

【課題】筒状フィルムを連続送りしつつ、物品群のかさ密度を高めることができる縦型製袋包装装置を提供することである。
【解決手段】縦型製袋包装装置100の制御部150は、プルダウンベルト103により筒状フィルムFを連続的に搬送させる。そして、一対の把持部131,132からなるシェーカ部130により、筒状フィルムFを水平方向から挟持させるとともに、連続的に搬送される筒状フィルムFに対して相対速度差を与えるように移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状フィルムを筒状フィルムに形成しつつ、物品の充填を行うとともに製袋を行う縦型製袋包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製袋包装装置について種々の研究開発が行われている。例えば、特許文献1には、商品のかさ密度をより効率よく高めながら大袋を包装することのできる新たな包装方法とその装置について開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1記載の包装方法は、筒状包材の搬送経路に配設したシェーク機構により該筒状包材の中間部をクランプし、この状態のもとで計量機から投入された商品を投入毎に振動させ、ついで最後の商品の投入を待って上記筒状包材のクランプを解くことによりかさ密度を高めた商品を底部の横シール処理を終えた上記筒状包材内に投下させて、上部を横シールするようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−95205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1記載の包装方法においては、物品(特許文献1においては、対象が商品)のかさ密度をより効率よく高めながら物品を包装することができる。
【0006】
ところで、特許文献1記載の技術は1袋毎に間欠送りすることを前提としているが、近年、製造の高速化が求められており、連続してフィルムを送り続け、かつ、かさ密度を高めることが求められている。しかしながら、この移動する対象物(袋)のかさ密度を高めることは、困難であった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、筒状フィルムを連続送りしつつ、物品群のかさ密度を高めることができる縦型製袋包装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
一の局面に従う縦型製袋包装装置は、帯状フィルムを筒状フィルムに形成するフォーマと、筒状フィルムを下方に搬送する搬送部と、筒状フィルムを横シールする横シール部と、横シール部により横シールされ、内部に物品が充填された筒状フィルムを揺するシェーカと、横シール部、搬送部およびシェーカの動作を制御する制御部と、を備えた縦型製袋包装装置であって、制御部は、搬送部により筒状フィルムを連続的に搬送させ、シェーカにより筒状フィルムを挟持させるとともに、連続的に搬送される筒状フィルムに対して相対速度差を与えるものである。
【0009】
縦型製袋包装装置の制御部は、搬送部により筒状フィルムを連続的に搬送させ、シェーカにより筒状フィルムを挟持させるとともに、連続的に搬送される筒状フィルムに対して相対速度差を与える。
【0010】
この場合、筒状フィルムに相対速度差を与えることができるので、筒状フィルム内に充填された物品のかさ密度を高めることができる。すなわち、物品の動作と筒状フィルムとの速度差を発生させることによりかさ密度を高めることができる。
また、連続的に搬送される筒状フィルムの送りを停止させる必要がないため、製袋包装の高速化を実現することができる。
【0011】
(2)
制御部は、シェーカにより筒状フィルムを挟持させつつ、横シール部により横シールさせ、横シール部による横シール時には、横シール部より上方に設けられたシェーカを連続的に搬送される筒状フィルムと同速で移動させてもよい。
【0012】
この場合、シェーカにより筒状フィルムを挟持するので、シェーカに物品の充填を行うシャッタを兼用させることができる。さらに同速で移動させることにより、筒状フィルムに負荷をかけることを防止し、筒状フィルムの破損または破れを防止することができる。また、シェーカにより充填されるべき物品が横シール部に噛み込むことを防止することができる。
【0013】
(3)
シェーカは、筒状フィルムの両側方部における把持位置よりも上方に筒状フィルムの中央部における把持位置が設けられてもよい。
【0014】
この場合、シェーカの把持位置が筒状フィルムの両側方部よりも中央部の把持位置の方が上方に設けられるので、物品を筒状フィルムの両側方部に分散させることができる。したがって、隙間の多い両側方部に物品を移動させることができる。その結果、筒状フィルム内に充填される物品のかさ密度を高めることができる。
【0015】
(4)
制御部は、横シール部により横シールさせた後に、シェーカにより筒状フィルムを挟持させてもよい。
【0016】
この場合、制御部は、横シールさせた後に、物品を投入させつつ、または投入後にシェーカにより筒状フィルムを挟持させることができるので、横シール部と独立して、すなわち、横シール部の影響を受けずに、搬送される筒状フィルムに対して相対速度差を与えることができる。
【0017】
(5)
シェーカは、筒状フィルムを側方から挟持してもよい。
【0018】
この場合、シェーカが筒状フィルムを側方から挟持するので、シェーカにより挟持される筒状フィルムの垂下部位が湾曲し、筒状フィルムの底部が上方に相対的に移動することとなる。その結果、間接的に筒状フィルムの底部を揺する状態が生じ、筒状フィルム内に充填された物品のかさ密度を高めることができる。
【0019】
(6)
制御部は、シェーカにより筒状フィルムを挟持させつつ、シェーカを上方に移動させてもよい。
【0020】
この場合、シェーカにより筒状フィルムを挟持させつつ、シェーカを上方に移動させることができるので、積極的に筒状フィルムの底部がより上方に相対的に移動することとなる。その結果、筒状フィルムの底部をより強く揺する状態が生じ、筒状フィルム内に充填された物品のかさ密度を高めることができる。
【0021】
(7)
制御部は、下方に搬送される筒状フィルムに対して、正逆の相対速度差を与える制御を複数回行ってもよい。
【0022】
制御部は、正逆の相対速度差を与える制御を複数回行うことにより、積極的に筒状フィルムの底部が複数回上方に移動することとなる。その結果、筒状フィルムの底部を揺する状態が複数回生じ、筒状フィルム内に充填された物品のかさ密度をより高めることができる。
【0023】
(8)
シェーカの上方に配置され、充填前の物品群を貯留する水平の底板と、側壁部とを有する貯留部をさらに備えてもよい。
【0024】
この場合、貯留部により水平の底板が開放され、充填される物品を一群のまとまりとしてシェーカ側に落下させることができる。その結果、落下時の物品群のばらつきを最小限にすることができる。
【0025】
(9)
シール部は、シールジョーを有し、シールジョーとシェーカとは、離間して設けられ、かつ、同一回転機構により駆動されてもよい。
【0026】
この場合、シールジョーとシェーカとは、同一回転機構により駆動されるので、シェーカの駆動を別途設ける必要がない。したがって、低コスト化を図ることができる。
【0027】
(10)
シェーカは、横シール部の上方で、かつ、フォーマの下方に配置され、充填された物品群の上部に向けて気体を噴出する気体噴出口は、フォーマに設けられてもよい。
【0028】
この場合、フォーマに気体噴出口が設けられ、当該気体噴出口から充填された物品群の上部に気体が噴出されるので、物品の上部を下方に押すことができ、物品群のかさ密度を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る縦型製袋包装機によれば、筒状フィルムを連続送りしつつ、物品群のかさ密度を高め、高速化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態に係る縦型製袋包装装置の一例を示す模式的斜視図
【図2】図1の縦型製袋包装装置の一部構成の一例を示す模式図
【図3】シェーカ部および横シール部の動作の一例を示す模式的工程図
【図4】シェーカ部および横シール部の動作の一例を示す模式的工程図
【図5】図3および図4に示した動作のタイミングチャート
【図6】シェーカ部の一対の把持部131,132の端部形状の一例を示す模式図
【図7】第2の実施の形態に係る縦型製袋包装装置の一例を示す模式的斜視図
【図8】図3および図4に示したシェーカ部および横シール部の動作の他の例を示す模式的工程図
【図9】図3および図4に示したシェーカ部および横シール部の動作の他の例を示す模式的工程図
【図10】シェーカ部および横シール部の動作のさらに他の例を示す模式的工程図
【図11】シェーカ部および横シール部の動作のさらに他の例を示す模式的工程図
【図12】シェーカ部の一対の把持部の他の例を示す模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係る縦型製袋包装装置について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る縦型製袋包装装置100の一例を示す模式的斜視図であり、図2は図1の縦型製袋包装装置100の一部構成の一例を示す模式図である。
【0032】
まず、図1に示すように、縦型製袋包装装置100は、組合せ計量装置101、成形機構102、プルダウンベルト103、縦シール装置104、横シール部105、製袋包装ユニット106、フィルム供給ユニット107、シェーカ部130および操作部160を備える。
【0033】
また、図2に示すように、縦型製袋包装装置100は、組合せ計量装置101の下部を構成するシュート115、絞り底面122を有するアイリスシャッタ120、成形機構102のフォーマ102a、筒状フィルムFを保持するチューブ109、シェーカ部130を構成する一対の把持部131,132、気体を噴出させる噴出口140、横シール部105を構成する一対のシールジョー110,111および操作部160からの操作に従って各機構を制御する制御部150を備える。
【0034】
図1に示すように、組合せ計量装置101は物品について計量ホッパにおいて所定重量ずつ計量した後、これらの計量値を所定の合計重量になるように組み合わせてシュート115から順次排出する。そして、所定のタイミングで、アイリスシャッタ120の側壁121および絞り底面122で、一群となる物品(以下、物品群と呼ぶ)を受け取り、絞り底面122を開くことにより、所定の合計重量の物品群を、筒状フィルムF内に袋詰めする。なお、図2に示すように、アイリスシャッタ120の絞り底面122は、直径φd1であり、成形機構102およびチューブ109の直径φd2よりも小さいものである。それにより、アイリスシャッタ120の絞り底面122から落下された物品群がチューブ109の内周壁に接触する可能性が低く、物品群をばらつきの少ない、一塊の物品群として落下させることができる。
【0035】
製袋包装ユニット106は、物品の袋詰めを行う本体部分である。また、フィルム供給ユニット107は、製袋包装ユニット106に袋WとなるフィルムFを供給する。製袋包装ユニット106の前面には操作部160が配設されている。
【0036】
フィルム供給ユニット107は、製袋包装ユニット106の成形機構102にシート状のフィルムFを供給するユニットであり、製袋包装ユニット106に隣接して設けられている。フィルム供給ユニット107にはフィルムFが巻回されたフィルムロールがセットされ、当該フィルムロールからフィルムFが繰り出される。
【0037】
図2に示すように、縦型製袋包装装置100において合成樹脂等の熱溶融性のフィルムFが、搬送装置(図示せず)により搬送され、成形機構102のフォーマ102aにより筒状フィルムFに成形される。そして、筒状フィルムFは、チューブ109の周囲で垂下し、プルダウンベルト103でさらに下方に搬送される。そして、筒状フィルムFの重なり合った縁部が縦シール装置104で加熱溶着されて縦にシールされる。その後、筒状フィルムFは、シェーカ部130により後述する所定のタイミングでシェーカされる。また、筒状フィルムFは、横シール部105により加熱溶着されて横にシールされることによって上方の開いた袋Wが製造される。その袋Wの中に上記チューブ109を介して上方から物品が充填され、再度横シール部105により横シールがされ、完全な袋Wが製造される。
【0038】
横シール部105は、筒状フィルムFを挟持する一対のシールジョー110、111を有する。なお、これらのシールジョー110、111は、略D字のような軌跡で対称的に移動するため、筒状フィルムFの連続的な搬送を阻害しない。
【0039】
また、シールジョー110、111は、それぞれ旋回軸心O回りに旋回しながら、軸心X回りに回動して、当該シールジョー110、111のシール面を相互に対向させる姿勢を保持する。
【0040】
さらに、制御部150は、操作部160の操作に基づいて、少なくともアイリスシャッタ120、プルダウンベルト103、縦シール装置104、横シール部105およびシェーカ部130の制御を行う。
【0041】
続いて、主にシェーカ部130および横シール部105の動作について説明する。図3および図4は、シェーカ部130および横シール部105の動作の一例を示す模式的工程図であり、図5は図3および図4に示した動作のタイミングチャートである。
【0042】
ここで、図5は、アイリスシャッタ120の絞り底面122の開閉による排出動作、横シール部105の動作、シェーカ部130の水平動作、シェーカ部130の垂直動作および筒状フィルムFの送り速度を示す。
【0043】
まず、図3(a)に示すように、下端部が横シールされた筒状フィルムF内に物品群Bが収容され、袋Wの上端部が横シール部105のシールジョー110,111により挟持され、横シールが開始される(図5のタイミングt1参照)。
【0044】
次に、図3(b)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)に回転し、筒状フィルムFが連続的に下方向に移動される。さらに、アイリスシャッタ120の絞り底面122が開かれる(図5のタイミングt2参照)ことにより、次の袋W内に収容すべき物品群Bがチューブ109内を落下する。
【0045】
次に、図3(c)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、筒状フィルムFが連続的に移動され、筒状フィルムFをシール終了後、シールジョー110,111の内部に設けられたカッターにより筒状フィルムFをカットする。そして、図3(d)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、筒状フィルムFの下端部から袋Wが離間する。その結果、所定の重量の物品群Bが収容された袋Wが製造される。また、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFの両側方向から中央側に向けて挟むように移動する(図5のタイミングt3参照)。
【0046】
そして、図3(e)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFの挟み込みを開始する。この場合、筒状フィルムFに水平方向成分が加わるので、筒状フィルムFの下端部F10が上方向に移動される。この場合、筒状フィルムFの下端部F10を上方向に押した状態と同じ状態が発生し、物品群Bが筒状フィルムF内の隙間に整列し直され、物品のかさ密度を高めることができる。
【0047】
続いて、図4(f)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFを挟持しつつ、上方向に移動する。
【0048】
なお、ここで上方向へ移動することは、筒状フィルムFが連続的に下方向に移動しているので、シェーカ部130が水平位置において筒状フィルムFを挟持して停止した場合でも、仮想的にシェーカ部130が上方向に移動したこととなり、その結果、筒状フィルムFの移動により筒状フィルムFの下端部F10に相対速度差を与えることができる。また、実際にシェーカ部130を上方向に移動させ、筒状フィルムFの下端部F10に筒状フィルムFの下方への搬送速度と、シェーカ部130の上方向への移動速度との合計である相対速度差を与えてもよい。
【0049】
次に、図4(g)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFを挟持しつつ、下方向に移動し、図4(h)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFを挟持しつつ、上方向に移動する。このように、本実施の形態においては、制御部150がシェーカ部130を複数回上下方向に繰り返し移動させる。具体的には、一対の把持部131,132が筒状フィルムFを挟持した状態で、3回上下移動を繰り返し行い、筒状フィルムFの下端部F10に相対速度差を与える(図5のタイミングt4参照)。
【0050】
続いて、図4(i)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFを挟持しつつ、下方向に移動する。この場合、筒状フィルムFが連続的に移動した位置まで、筒状フィルムFを移動させる。
そして、図4(j)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFの中央側から側方向側に向けて離間するように移動する(図5のタイミングt5参照)。この場合、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、筒状フィルムFを挟むように移動する。その後、図3(a)の動作に戻り、処理が繰り返し行われる。その結果、所定の重量の物品群Bが収容された袋Wが連続的に製造される。
【0051】
また、図3(d)および(e)の状態において、図2の噴出口140から物品群Bの上方に気体を噴射させることにより、物品群Bを上方から押し込む力が発生し、物品群Bのかさ密度を高めることができる。
【0052】
次に、シェーカ部130の一対の把持部131,132の形状について説明を行う。図6はシェーカ部130の一対の把持部131,132の端部形状の一例を示す模式図である。
【0053】
図6に示すように、一対の把持部131,132の端部形状は、筒状フィルムFを挟持した場合に、筒状フィルムFの中央部(図中CENTER)が、高さHTからなるように形成され、筒状フィルムFの両側方部(図中SIDE)が、高さHDからなるように形成されている。具体的には、図6に示すように、湾曲形状からなる。
【0054】
このように、湾曲部の中央部を高く位置するように一対の把持部131,132の端部形状を形成することで、物品群Bを筒状フィルムFの両側方部に分散させ、袋W内のかさ密度を高めることができる。
【0055】
<本実施形態における効果>
以上のように、本実施形態においては、筒状フィルムFに対して相対速度差を与えることができるので、筒状フィルムF内に充填された物品群Bのかさ密度を高めることができる。また、連続的に搬送される筒状フィルムFの送りを停止させる必要がないため、製袋包装の高速化を実現することができる。
【0056】
また、図6に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132の形状が、筒状フィルムFの両側方部よりも中央部の把持位置の方が上方に設けられるので、物品群Bを筒状フィルムFの両側方部に分散させることができる。その結果、筒状フィルムF内に充填される物品群Bのかさ密度を高めることができる。
【0057】
さらに、シェーカ部130により筒状フィルムFを挟持するので、物品群Bの充填を行うシャッタを兼用させることができる。また、横シール時に上方に設けられたシェーカ部130により充填されるべき物品群Bが横シール部に噛み込むことを防止することができる。
【0058】
また、制御部150は、正逆の相対速度差を与える制御を複数回行う。したがって、制御部150は、シェーカ部130により筒状フィルムFを挟持させつつ、シェーカ部130を上下方向に繰り返し移動させることができるので、積極的に筒状フィルムFの下端部F10が上下に移動することとなる。その結果、筒状フィルムFの底部を揺する状態が生じ、筒状フィルムF内に充填された物品群Bのかさ密度を高めることができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明を行う。第2の実施の形態においては、主に、第1の実施の形態と異なる点について説明を行う。
【0060】
図7は、第2の実施の形態に係る縦型製袋包装装置100aの一例を示す模式的斜視図である。
【0061】
図7に示す縦型製袋包装装置100aは、横シール部105の代わりに、横シール部105aを備える。横シール部105aは、シールジョー110,111およびシェーカ部130の把持部131,132をそれぞれ備える。
【0062】
図7に示す縦型製袋包装装置100aは、第1の実施の形態に示す縦型製袋包装装置100と同様に、縦型製袋包装装置100aにおいて合成樹脂等の熱溶融性のフィルムFが、搬送装置(図示せず)により搬送され、成形機構102のフォーマ102aにより筒状フィルムFに成形される。そして、筒状フィルムFは、チューブ109の周囲で垂下し、プルダウンベルト103でさらに下方に搬送される。そして、筒状フィルムFの重なり合った縁部が縦シール装置104で加熱溶着されて縦にシールされる。その後、筒状フィルムFは、シェーカ部130により後述する所定のタイミングでシェーカされる。また、横シール部105のシールジョー110、111は、それぞれ旋回軸心O回りに旋回しながら、軸心X回りに回動して筒状フィルムFを加熱溶着して横にシールする。その結果、上方の開いた袋Wが製造される。その袋Wの中に上記チューブ109を介して上方から物品が充填されるとともに、シェーカ部130の把持部131,132により上方の開いた袋Wが揺すられ、かさ密度が高められ、再度横シール部105により横シールがされ、完全な袋Wが製造される。
【0063】
このように、第2の実施の形態に係る横シール部105aは、シールジョー110およびシェーカ部130の把持部131の駆動源が同一駆動源からなり、シールジョー111およびシェーカ部130の把持部132の駆動源が同一駆動源からなる。その結果、駆動源の数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【0064】
<他の例>
次に、図8および図9は、図3および図4に示したシェーカ部130および横シール部105の動作の他の例を示す模式的工程図である。
【0065】
図8(a)に示すように、物品群Bが収容され、筒状フィルムFの下端部が横シールされ、袋Wの上端部が横シール部105のシールジョー110,111により挟持されるように移動する。
【0066】
次に、図8(b)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)に回転し、シールジョー110,111が筒状フィルムFの挟み込みを開始する。さらに、アイリスシャッタ120の絞り底面122が開かれることにより、次の袋W内に収容すべき物品群Bがチューブ109内を落下する。
【0067】
次いで、図8(c)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、袋Wの上端部が横シール部105のシールジョー110,111により挟持され、横シールが開始される。また、この場合、横シール部105が筒状フィルムFを挟持した後に、次の袋W内に収容すべき物品群Bが横シール部105の上に移動する。そして、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFの挟み込みを開始する。この場合、筒状フィルムFに水平方向成分が加わるので、筒状フィルムFの下端部F10が上方向に移動されることとなるため、シェーカ部130は、筒状フィルムFに負荷をかけないよう、少し下方向に移動させつつ挟持を行う。
【0068】
次いで、図8(d)に示すように、シェーカ部130が下方向に移動する。ここで、下方向へ移動することは、筒状フィルムFが連続的に下方向に移動しているので、その速度よりもさらに大きな速度で下方向に移動することを示す。
その結果、シェーカ部130が下方向に移動したこととなり、筒状フィルムFの両側方向を外側に広げることができる。したがって、物品Bのかさ高さを低くし、かさ密度を高めることができる。
【0069】
続いて、図8(e)に示すように、シェーカ部130が上方向に移動し、図9(f)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFから離間し、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、筒状フィルムFから離間する。この場合、所定の重量の物品群Bが収容された袋Wが製造される。
【0070】
その後、図9(g)から図9(j)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転する。その後、図8(a)の動作に戻り、処理が繰り返し行われる。その結果、所定の重量の物品群Bが収容された袋Wが連続的に製造される。
【0071】
<さらに他の例>
次いで、図10および図11は、図3,図4および図8,図9に示したシェーカ部130および横シール部105の動作のさらに他の例を示す模式的工程図である。
【0072】
図10(a)に示すように、物品群Bが収容され、筒状フィルムFの下端部が横シールされ、袋Wの上端部が横シール部105のシールジョー110,111により挟持されるよう移動する。
【0073】
次に、図10(b)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、シールジョー110,111が筒状フィルムFの挟み込みを開始する。
【0074】
次いで、図10(c)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、袋Wの上端部が横シール部105のシールジョー110,111により挟持され、横シールが開始される。そして、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFの挟み込みを開始する。この場合、筒状フィルムFに水平方向成分が加わるので、筒状フィルムFの下端部F10が上方向に移動されることとなるため、シェーカ部130は、筒状フィルムFに負荷をかけないよう、少し下方向に移動させつつ挟持を行う。
【0075】
さらに、図10(c)に示すように、アイリスシャッタ120の絞り底面122が開かれることにより、次の袋W内に収容すべき物品群Bがチューブ109内を落下する。そして、図10(d)に示すように、シェーカ部130が筒状フィルムFを挟持した後に、次の袋W内に収容すべき物品群Bがシェーカ部130の上に移動する。
【0076】
次いで、図10(d)に示すように、シェーカ部130が下方向に移動し、図10(e)に示すように、筒状フィルムFを上下動させ、次の袋W内に収容すべき物品群Bのかさ密度を高める。
【0077】
続いて、図11(f)に示すように、シェーカ部130の一対の把持部131,132が筒状フィルムFから離間し、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転し、筒状フィルムFから離間する。この場合、所定の重量の物品群Bが収容された袋Wが製造される。
【0078】
その後、図11(g)から図11(j)に示すように、横シール部105のシールジョー110,111が矢印Oの方向(図2参照)にさらに回転する。その後、図10(a)の動作に戻り、処理が繰り返し行われる。その結果、所定の重量の物品群Bが収容された袋Wが連続的に製造される。
【0079】
<さらに他の例>
図12は、シェーカ部130の一対の把持部131,132の他の例を示す模式図である。図12(a)は一対の把持部131,132の側面図を示し、図12(b)は一対の把持部131,132の上から見た平面図を示す。
【0080】
図12に示すように、一対の把持部131,132の把持部131の挟持する端部は、POM(ポリアセタール)からなる凹形状の部材131aからなり、把持部132の挟持する端部は、ポリウレタンからなる凸形状の部材132aの部材からなる。これらの構成により、一対の把持部131,132は、筒状フィルムFを傷付けずに繰り返し挟持することができる。
【0081】
また、図12(b)に示すように、凹形状の部材131aおよび凸形状の部材132aの部材には、筒状フィルムFを挟持した場合における複数の空気逃がし孔133aが形成されている。その結果、筒状フィルムFを挟持した場合でも、筒状フィルムF内の空気を逃がすことができる。
【0082】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、筒状フィルムFが筒状フィルムに相当し、フォーマ102aおよび成形機構102がフォーマに相当し、プルダウンベルト103が搬送部に相当し、横シール部105が横シール部に相当し、シェーカ部130がシェーカに相当し、制御部150が制御部に相当し、縦型製袋包装装置100が縦型製袋包装装置に相当し、SIDEが筒状フィルムの両側方部における把持位置に相当し、CENTERが筒状フィルムの中央部における把持位置に相当し、アイリスシャッタ120が貯留部に相当し、噴出口140が気体噴出口に相当する。
【0083】
<その他の変形例>
なお、上記すべての実施形態では、制御部150により1回または複数回シェーカ部130を上下移動させることとしたが、これに限定されず、任意の回数上下動させてもよく、大きく1回だけ上下動させてもよく、それぞれ所定回数大きく上下動させつつ、小さく上下動させてもよく、大小を繰返す上下動をさせてもよい。また、シェーカ部130は、筒状フィルムFを水平方向に把持することとしたが、これに限定されず、斜め上方向または斜め下方向から把持させることとしてもよく、さらに巾着袋の絞りのように絞り機構により把持してもよい。
【0084】
また、シェーカ部130の構造について、図6および図12で説明を行ったが、これに限定されず、他の任意の構造を採用してもよい。具体的には、フィルムFを傷めない様に保持することができる部材または形状等を採用してもよい。
【0085】
さらに、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0086】
100 縦型製袋包装装置
101 組合せ計量装置
102a フォーマ
102 成形機構
103 プルダウンベルト
104 縦シール装置
105 横シール装置
106 製袋包装ユニット
107 フィルム供給ユニット
109 チューブ
110 シールジョー
115 シュート
120 アイリスシャッタ
130 シェーカ部
131,132 一対の把持部
140 噴出口
150 制御部
160 操作部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状フィルムを筒状フィルムに形成するフォーマと、
前記筒状フィルムを下方に搬送する搬送部と、
前記筒状フィルムを横シールする横シール部と、
前記横シール部により横シールされ、内部に物品が充填された筒状フィルムを揺するシェーカと、
前記横シール部、前記搬送部および前記シェーカの動作を制御する制御部と、
を備えた縦型製袋包装装置であって、
前記制御部は、
前記搬送部により前記筒状フィルムを連続的に搬送させ、
前記シェーカにより前記筒状フィルムを挟持させるとともに、前記連続的に搬送される筒状フィルムに対して相対速度差を与えることを特徴とする縦型製袋包装装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記シェーカにより前記筒状フィルムを挟持させつつ、前記横シール部により横シールさせ、
前記横シール部による横シール時には、前記横シール部より上方に設けられた前記シェーカを前記連続的に搬送される筒状フィルムと同速で移動させることを特徴とする請求項1記載の縦型製袋包装装置。
【請求項3】
前記シェーカは、前記筒状フィルムの両側方部における把持位置よりも上方に前記筒状フィルムの中央部における把持位置が設けられたことを特徴とする請求項2記載の縦型製袋包装装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記横シール部により横シールさせた後に、前記シェーカにより前記筒状フィルムを挟持させることを特徴とする請求項1記載の縦型製袋包装装置。
【請求項5】
前記シェーカは、前記筒状フィルムを側方から挟持することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の縦型製袋包装装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記シェーカにより前記筒状フィルムを挟持させつつ、前記シェーカを上方に移動させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の縦型製袋包装装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記下方に搬送される筒状フィルムに対して、正逆の相対速度差を与える制御を複数回行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の縦型製袋包装装置。
【請求項8】
前記シェーカの上方に配置され、前記充填前の物品群を貯留する水平の底板と、側壁部とを有する貯留部をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の縦型製袋包装装置。
【請求項9】
前記シール部は、シールジョーを有し、
前記シールジョーと前記シェーカとは、離間して設けられ、かつ、同一回転機構により駆動されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の縦型製袋包装装置。
【請求項10】
前記シェーカは、前記横シール部の上方で、かつ、前記フォーマの下方に配置され、
前記充填された物品群の上部に向けて気体を噴出する気体噴出口が前記フォーマに設けられたことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の縦型製袋包装装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−140331(P2011−140331A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1825(P2010−1825)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】