説明

縦形製袋充填包装機

【課題】要求された仕様に迅速に対応でき、しかも、納期の大幅な短縮を図ることができる縦形製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】縦形製袋充填包装機は、包材供給装置2及び製袋装置4からなり、製袋装置4は、包材成形モジュール16、繰出動作モジュール18及び横シーラ動作モジュール20の組み合わせからなり、これらモジュールはそのモジュールフレーム16f,18f,20fをそれぞれ有し、これらモジュールフレーム16f,18f,20fは分離可能に連結され、製袋装置4のメインフレームを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縦形製袋充填包装機に係わり、特に、成形すべき袋の形態変更に容易に対処可能な縦形製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の縦形製袋充填包装機は、包材ロールを有し、この包材ロールから包材を繰り出す包材供給ユニットと、この包材供給ユニットから供給された包材を個々に物品が充填された袋に成形する製袋包装ユニットとを備え、この製袋包装ユニットは上側から順に配置されたフォーマ、縦シーラを備えた繰出し機構及び横シーラからなる(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000-203510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1の縦形製袋充填包装機の場合、製袋包装ユニットは、フォーマ、繰出し機構及び横シーラ等に共通の支持フレームを備えている。このため、成形すべき袋の形態に応じてフォーマ、繰出し機構及び横シーラ等の既存のモジュールを変更したり、また、他のモジュールを追加したりする場合、製袋包装ユニット全体の設計変更が余儀なくされる。この結果、顧客が要求する仕様の縦形製袋充填機の開発が容易ではなく、縦形製袋充填機の納入までに長い納期が必要となっている。
【0004】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とすることは、要求された仕様に迅速に対応でき、その納期を大幅に短縮することができる縦形製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の縦形製袋充填包装機は、包材ロールを有し、この包材ロールから包材を供給する包材供給装置と、この包材供給装置から供給された包材を物品とともに受け取り、これら包材及び前記物品から個々に物品が充填された袋を成形する製袋装置と、包材供給装置及び製袋装置の作動を制御する制御装置とを備えている。そして、本発明の場合、製袋装置は、包材供給装置から受け取った包材を通過させる過程にて、包材を筒状包材に成形する包材成形モジュールであって、筒状包材が少なくとも前記包材の両側縁を所定の形態で重ね合わされた重ね合わせ縁を有する、包材成形モジュールと、包材形成モジュールの下方に配置された繰出動作モジュールであって、包材成形モジュールから受け取った筒状包材を一方向に繰出し、少なくとも円筒状包材の重ね合わせ縁がヒートシールされた包材チューブを送出する繰出動作モジュールと、繰出動作モジュールの下方に配置された横シーラ動作モジュールであって、繰出動作モジュールから受け取った包材チューブが通過する過程にて、包材チューブにその繰出し方向に所定の間隔を存してヒートシールによる横シールを形成する横シーラ動作モジュールとを含んでおり、製袋装置の各モジュールはモジュールフレームを個別に含み、これらモジュールフレームは上下方向に隣接するモジュールフレーム同士が分離可能に連結され、製袋装置のメインフレームを構築する(請求項1)。
【0006】
具体的には、製袋装置は、成形すべき筒状包材の形態に応じて準備された複数種の包材成形モジュールから選択された1つの包材成形モジュールと、前記重ね合わせ縁のシール形態に応じた縦シーラを有する複数種の繰出動作モジュールから選択された1つの繰出動作モジュールと、形成すべき横シールの形態及び袋の形態の少なくとも一方に応じて準備された複数種の横シーラ動作モジュールから選択された1つの横シーラ動作モジュールと含んでいる(請求項2)。
【0007】
更に、製袋装置は上述の動作モジュールに加えて、包材成形モジュールと繰出動作モジュールとの間に配置され、筒状包材の重ね合わせ縁をシールする縁シーラ動作モジュールを更に含むことができ、この縁シーラ動作モジュールは、包材成形モジュール及び記繰出動作モジュールのモジュールフレームに分離可能に連結されるモジュールフレームを有する(請求項3)。
【0008】
請求項1〜3の縦形製袋充填包装機によれば、上述の各モジュールは個々にモジュールフレームを備えているので、製袋装置は顧客の仕様に応じて、包材成形モジュール、繰出動作モジュール及び横シーラ動作モジュールを選択する一方、必要に応じて縁シーラ動作モジュールを追加し、選択モジュール及び追加モジュールのモジュールフレームを互いに連結するだけで製袋装置のメインフレームが構築されると同時に、顧客の仕様に応じた製袋装置が提供される。
【0009】
一方、包材供給装置は、包材ロールを有し、この包材ロールから包材を繰り出す包材供給動作モジュールと、包材成形モジュールに供給すべき包材の形態に応じて準備され、包材に付加部品を供給する複数の部品供給動作モジュールから選択された少なくとも1つ部品供給動作モジュールを更に含むことができる(請求項4)。この場合、包材供給装置は包材供給動作モジュール及び部品供給動作モジュール毎にモジュールフレームをそれぞれ有し、これらモジュールフレームは、包材の繰出し方向に直列的に配置される(請求項5)。
【0010】
上述したように請求項4の縦形製袋充填包装機はその包材供給装置に、選択された部品供給動作モジュールを追加するだけで、顧客が要求する仕様に容易に対処可能となる。
更に好ましくは、制御装置は、包材供給装置及び製袋装置の作動を制御するプログラム群と、プログラム群中から包材供給装置及び前記製袋装置に要求されるプログラムを選択する選択手段と備えており、プログラム群は、動作モジュール毎に用意され、各動作モジュールの作動をそれぞれ制御する複数のモジュール制御プログラムと、選択手段により選択されたモジュール制御プログラムを結合させるメインプログラムとを含んでいる(請求項6)。
【0011】
上述のプログラム群は、包材供給装置及び製袋装置の構成要素になり得る動作モジュール毎に予め準備されたモジュール制御プログラムを含んでいるので、包材供給装置及び製袋装置に要求されるモジュール制御プログラムを選択するだけで、制御装置は縦形製袋充填包装機全体の運転制御が可能となる。
具体的には、制御装置は、プログラム群のうち、少なくともメインプログラムを収容したメイン制御ボックスと、各動作モジュールにそれぞれ備えられ、その動作モジュールに対応した制御要素(例えば、モータの制御アンプ、シリンダの電磁バルブ、リレー、センサアンプ等)を収容するモジュール制御ボックスとを含むことができる(請求項7)。更に、モジュール制御ボックスは対応する動作モジュールためのモジュール制御プログラムを含むことができる(請求項8)。このようなモジュール制御ボックスは対応する動作モジュールに配置されることから、メイン制御ボックス自体の構成が簡単なものになる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜8の縦形製袋充填包装機はその必要なモジュール及びモジュール制御プログラムを選択するだけで、包材供給装置及び製袋装置を形作ることができ、顧客の仕様に容易に対処可能となる。また、個々のモジュールはそのモジュールフレームを備えているので、その装置から取り外すことで、そのメンテナンスを容易に行える。しかも、モジュール毎に独立運転を行うことも可能となるから、モジュールの調整や検査もまた容易になり、包装機全体の品質向上に大きく寄与する。
【0013】
更に、制御装置におけるメイン制御ボックスの小形化が図られることから、包装機全体に要求される設置スペースを大幅に縮小可能となる。
更にまた、新規な形態の袋に対しても、メイン制御ボックスの改作を必要とせず、必要なモジュールのみを変更するか、又は、新規にモジュールを開発するだけで済み、開発時間の短縮及びそのコストの低減を同時に達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1(a),(b)は縦形製袋充填包装機の一例を示す。
図1の包装機は大きく分けて包材供給装置2と、この包材供給装置2の近傍に配置された製袋装置4とからなる。
包材供給装置2は包材供給動作モジュール6を含み、この包材供給動作モジュール6はリールフレーム6fを有する。このリールフレーム6fは包材ロールRや、多数の案内ローラ8を回転自在に支持し、包材ロールRはそのリールにフィルムウエブ等の包材Fを巻回したものであり、そして、案内ローラ8は包材ロールRから繰り出された包材Fを案内する案内経路を形成する。更に、この案内経路にはフィードローラ10、ダンサーローラ12及びプリンタ14もまた、包材ロールR側から順次配置されている。
【0015】
フィードローラ10は、包材ロールRから包材Fを繰出し、繰り出された包材Fはダンサーローラ12及びプリンタ14を経て製袋装置4に向けて導かれる。なお、プリンタ14は包材Fに所望の情報を印刷する。
製袋装置4は上側から包材成形モジュール16、繰出動作モジュール18及び横シーラ動作モジュール20を含んでおり、これらモジュール16,18,20はフォーマフレーム16f、繰出しフレーム18f及び横シーラフレーム20fをそれぞれ有する。これらフレーム16f,18f,20fは横シーラフレーム20fをベースとして積み上げられ、上下に隣接する同士が複数の連結具22により互いに分離可能に連結されて、製袋装置4のメインフレームを構築している。なお、各連結具22は連結板及び複数の連結ボルトからなる。
【0016】
より詳しくは、横シーラフレーム20fの上面、繰出しフレーム18fの上下面及びフォーマフレーム16fの下面は同一サイズ及び同一形状の連結面として形成され、メインフレームの縦軸線に一致する軸線をそれぞれ有する。
なお、図1(b)から明らかなようにリールフレーム6fは横シーラフレーム20fの背面に上下一対のブラケット24を介して支持されている。
【0017】
先ず、包材成形モジュール16について説明する。
包材成形モジュール16はその正面側に充填チューブ26を備え、この充填チューブ26の上部にフォーマ28が取り付けられている。これら充填チューブ26及びフォーマ28は装着ヘッド30を介してフォーマフレーム16fに取り付けられている。
充填チューブ26は繰出しフレーム18fの下面近傍まで下方に鉛直に延び、そして、その上端から物品の投入を受けることができる。即ち、充填チューブ26の上端には物品の計量投入装置(図示しない)が接続され、この計量投入装置は所定量の物品を充填チューブ26内に投入することができる。
【0018】
更に、フォーマフレーム16fには、複数の案内ローラ32が回転自在に支持され、これら案内ローラ32は包材供給動作モジュール6から供給された包材Fを案内し、フォーマ28まで導く。
包材Fがフォーマ28を通過したとき、包材Fはフォーマ28により充填チューブ26を囲むような筒状、この実施例の場合には円筒状に成形され、この後、円筒状包材は充填チューブ26に沿って垂下される。また、包材Fから円筒状包材が成形される際、包材Fの両側縁は互いに重ね合わされ、所定の形態の重ね合わせ部が形成される。このような重ね合わせ部は包材Fの両側縁が一対のエッジガイド34間を通過することで形成され、エッジガイド34は図1(a)に示されるようにフォーマ28の正面下部に配置され、前述した装着ヘッド30に取り付けられている。この実施例の場合、包材Fにおける両側縁の重ね合わせは所謂封筒型であり、この封筒型では両側縁の表裏が互いに重ね合わされている。
【0019】
次に、前述した繰出動作モジュール18について説明する。
繰出動作モジュール18は、充填チューブ26の両側に一対の繰出ユニット36を備えており、これら繰出ユニット36は上下のプーリに掛け回された無端状の繰出ベルト38を有する。各繰出ユニット36はユニット装着ヘッド40を介して繰出しフレーム18fの正面に取り付けられている。
【0020】
より詳しくは、ユニット装着ヘッド40は上下一対のガイドロッド42を備え、各繰出ユニット36は上下のガイドロッド42に取り付けられ、これらガイドロッド42に沿い、充填チューブ26に対して接離可能となっている。
更に、繰出しフレーム18fには負圧源44が配置され、この負圧源44は各繰出ユニット36に接続され、その繰出ベルト38に所定のサクション圧を供給する。
【0021】
従って、図1(a)に示されるように、一対の繰出ユニット36が充填チューブ26を両側から挟み込むように位置付けられ、この状態で、その繰出ベルト38に負圧源44からサクション圧が供給されると、繰出ベルト38は前述した円筒状包材を吸着する。そして、各繰出ベルト38が互いに連動して走行されると、繰出ベルト38は充填チューブ26に沿って吸着した円筒状包材を下方に繰り出す。これに伴い、上流側の包材Fはフォーマ28を通過し、充填チューブ26を囲む円筒状包材に成形される。
【0022】
なお、繰出ベルト38による円筒状包材の繰出しは、前述したフィードローラ10による包材Fの繰出しと連動して実施される。
更に、繰出動作モジュール18は縦シーラ46を備えており、この縦シーラ46は繰出しフレーム18fの正面側、つまり、充填チューブ26の正面側に配置され、一対の繰出ユニット36間を充填チューブ26の軸線方向に沿って延びている。縦シーラ46もまた、繰出しフレーム18fに旋回アーム(図示しない)を介して取り付けられ、旋回アームの旋回により、水平面内にて充填チューブ26に対して接離する方向、つまり、開閉方向に移動可能となっている。
【0023】
縦シーラ46は少なくとも1個のヒータブロックからなり、前述した円筒状包材における重ね合わせ部の形態に応じて、この重ね合わせ部を挟み込んでヒートシールする。従って、円筒状包材の繰出しに伴い、その重ね合わせ部が縦シーラ46を通過する際、重ね合わせ部に縦シールが形成され、この時点で、円筒状包材はその周方向に関して完全に閉じた包材チューブTに成形される。
【0024】
なお、重ね合わせ部は縦シーラ46と充填チューブ26との間にて挟み込まれるか、又は、縦シーラ46が一対のヒータブロックを有する場合、これらヒータブロック間に挟み込まれる。
次に、横シーラ動作モジュール20について説明する。
横シーラモジュール20は横シーラ48を備え、この横シーラ48は充填チューブ26の下方に配置されている。横シーラ48は昇降ベース50を含み、この昇降ベース50は横シーラフレーム20fに昇降自在に取り付けられている一方、クランクユニット52を介して支持されている。クランクユニット52はそのクランクアーム54の回転により、昇降ベース50を上下動させることができる。
【0025】
更に、昇降ベース50には一対のヒータブロック56が設けられており、これらヒータブロック56は、前述した一対の繰出ユニット36の配置面と直交する方向に互いに接離可能つまり開閉可能となっており、これにより、充填チューブ26から垂下した包材チューブTを挟み付け、包材チューブTに横シールを形成する。
それ故、充填チューブ26の下端から包材チューブTが繰出されるとき、この繰出しに連動して、昇降ベース50の昇降及び横シーラ48のヒータブロック56の開閉が実行されると、連続して繰り出される包材チューブTに対し、その繰出し方向に所定の間隔を存し且つ包材チューブTを横断する横シールが連続的に形成される。即ち、上述の横シーラ48は連続型となっている。
【0026】
また、一方のヒータブロック56は切断ナイフ(図示しない)を内蔵し、他方のヒータブロック56は切断ナイフを受け入れる可能なナイフ溝が形成されており、切断ナイフは横シールの形成後、その一方のヒータブロック56から他方のヒータブロック56のナイフ溝内に突出し、横シールの中央からの包材チューブTを切断する。従って、横シールの形成及び包材チューブTの切断が繰り返されることで、包材チューブTから個々の袋が形成される。
【0027】
一方、横シールの形成及び包材チューブTの切断は、充填チューブ26、つまり、包材チューブTへの物品の投入と交互に実施され、これにより、個々の袋内には物品がそれぞれ充填されている。
上述した縦形製袋充填包装機にて成形される袋は、一般的に図2(a)に示されるような平袋であるが、この種の包装機は、図2(b)〜(g)に示すような形態の袋をも成形することができ、(b)は、袋内を排気するバルブVを備えたバルブ付き袋、(c)は袋の開口端に開閉可能なジッパーJを備えたジッパー付き袋、(d)は角底を有するガセット角底袋、(e)は両側にヘム(縁)Hを有したヘムシール袋、(f)は(e)のヘムシール袋を角底としたヘムシール角底袋、(g)はジッパーJ及び角底を有するジッパー付きワイドトップ角底袋をそれぞれ示す。
【0028】
上述した種々の包装形態の袋は包材供給装置2及び製袋装置4を構成するモジュールの変更や、モジュールの追加により成形することができ、このため、本発明の場合、上述のモジュール、即ち、そのフレームには包装形態に応じた機能を有する種々のフレームが準備されている一方、追加モジュールのための種々のフレームもまた準備されている。
図3は、縦形製袋充填包装機を構築するためのフレームパターンを示す。
【0029】
包材供給装置2のリールフレーム6fには、包材ロール交換装置や、包材FにジッパーJを仮付けするジッパー貼付け装置又は包材FにバルブVを取り付けるバルブ貼付け装置、そして、プリンタ14等の部品供給装置の有無に応じたタイプ毎のリールフレームがそれぞれ用意されているか、又は、包材供給装置2はリールフレーム6fから前述の部品供給装置を独立させた部品供給動作モジュールをそれぞれ備えている。即ち、これら部品供給動作モジュールにはバルブ貼付け装置を含むバルブ貼付けモジュール、ジッパー貼付け装置を含むジッパー貼付けモジュール、図2(e),(f)の袋を成形するにあたり、包材Fの繰出し過程にてヘムHを形成するヘム付けモジュールがあり、これらモジュールもまたそのモジュールフレームをそれぞれ有し、これらモジュールフレームは図3中、バルブ貼付けフレーム58f、ジッパー貼付けフレーム60f及びヘム付けフレーム61fとして示されている。
【0030】
一方、製袋装置4の包材成形モジュール16の場合、そのフォーマフレームには一般的なフォーマを備えたフォーマフレーム16fと、オフセットヘムフォーマを備えたフォーマフレーム62fが用意されており、このオフセットヘムフォーマは図2(e),(f)の袋のヘムを形成するために使用される。
そして、図3から明らかなように製袋装置4は、包材成形モジュール16と繰出動作モジュール18との間に追加モジュールとしてのヘムシーラモジュール63を選択的に組み込むことができる。ヘムシーラモジュール63もまたそのモジュールフレームを有し、このモジュールフレームは図3中、ヘムシーラフレーム63fとして示されている。
【0031】
また、繰出動作モジュール18の繰出しフレームには、封筒型縦シーラ46を備えた前述の繰出しフレーム18fに加え、ベルト型縦シーラを備えた繰出しフレーム、合掌型縦シーラを備えた繰出しフレーム、四方シール型縦シーラを備えた繰出しフレーム、縦シーラ無しの繰出しフレーム64f、そして、繰出し型ヘムシーラを備えた繰出しフレーム65fが予め用意されている。
【0032】
更に、横シーラ動作モジュール20の横シーラフレームには、平袋用の間欠型横シーラを備えた横シーラフレーム66f、2連横シーラを備えた横シーラフレーム68f、連続型横シーラを備えた前述の横シーラフレーム20f、ガセット角底成形型横シーラを備えた横シーラフレーム、そして、ワイドトップ角底成形型横シーラを備えた横シーラフレームが予め用意されている。
【0033】
ここで、横シーラフレーム66fは前述した横シーラ48とは異なり、その昇降ベースが固定ベースに置換された横シーラを備えている。この場合の横シーラは包材チューブTが間欠的に繰出される度に包材チューブTに横シールを形成する間欠型である。そして、2連横シーラフレーム68fは上下2段にして横シーラを備えており、その一方の横シーラが前述したジッパーJの本付けに使用される。
【0034】
図4(a)〜(f)及び図5(a)〜(f)は、前述した種々のフレームから実現される種々の縦形製袋充填包装機をそれぞれ示しているが、何れの場合にあっても、製袋装置4を構成するモジュールのフレームは上下に隣接する同士が分離可能に連結されることで、製袋装置4のメインフレームを構築している。
図4(b)の縦形製袋充填包装機は図1(a),(b)の包装機に対応しており、そして、図4(e)の縦形製袋充填包装機は図6(a),(b)に具体的に示されている。図6の包装機を説明するにあたり、図6中には、図1の包装機の部材及び部位と同様な部材及び部位に同一の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0035】
図6から明らかなように、フォーマフレーム62fには装着ヘッド30を介してフォーマ70が取り付けられており、ここでのフォーマ70は包材Fにオフセットヘムを形成することができる。
そして、図6の包装機の場合、フォーマフレーム62fと繰出しフレーム64fとの間にはヘムシーラフレーム63fが挟み込まれており、このヘムシーラフレーム63fにヘムシーラ72が取り付けられている。このヘムシーラ72は前述のフォーマ70の下方に位置付けられ、フォーマ70により形成されたオフセットヘムをヒートシールし、図2(e),(f)に示されるようなヘムHを形成する。なお、繰出しフレーム64fは一対の繰出ユニット36のみを備え、縦シーラなどのシーラは省略されている。
【0036】
上述した縦形製袋充填包装機は、包材供給装置2及び製袋装置4の作動を制御する制御装置を更に備えている。図7は制御装置の一例を示し、この制御装置は、メイン制御ボックス74を備えており、このメイン制御ボックス74には、包材供給装置2及び製袋装置4の作動制御に要求されるモータのサーボアンプやドライバ、シリンダのエアバルブ、ヒータの温度調節器、センサアンプ、リレー等の種々の制御要素が収容されている。
【0037】
この実施例の場合、メイン制御ボックス74は、上述の制御要素に加えて、包材供給装置2及び製袋装置4の作動を制御するプラグラム群をも備えており、このプログラム群はメイン制御ボックス内の記憶装置(図示しない)に格納されている。
プログラム群には、包材供給装置2及び製袋装置4を構成するモジュールのうち、可動機構やヒータ等の動作部を有する動作モジュール毎のモジュール制御プログラムと、これらモジュール制御プログラムを結合するメインプログラムとを含む。
【0038】
具体的には、モジュール制御プログラムには、
a)包材供給動作モジュール6の作動を制御する包材供給プログラム76、
b)バルブ貼付け装置又はバルブ貼付け動作モジュール(バルブ貼付けフレーム58f)の作動を制御するバルブ貼付けプログラム78、
c)ジッパー貼付け装置又はジッパー貼付けモジュール(ジッパー貼付けフレーム60f)の作動を制御するジッパー貼付けプログラム80、
d)ヘムシーラモジュール63(ヘムシーラフレーム63f)の動作を制御するヘムシールプログラム82、
e)繰出し型ヘムシーラ付きの繰出動作モジュール(繰出しフレーム65f)の作動を制御するヘムシール繰出プログラム84、
f)間欠動作型の縦シーラのための縦シールプログラム(間欠用)86、
g)連続動作型の縦シーラのための縦シールプログラム(連続用)88、
h)間欠動作型の繰出ユニット36のための包材繰出プログラム(間欠用)90、
i)連続動作型の繰出ユニット36のための包材繰出プログラム(連続用)92、
j)間欠動作型の横シーラのための横シールプログラム(間欠用)94、
k)連続動作型の横シーラのための横シールプログラム(連続用)96、
l)2連用横シーラのための横シールプログラム98、
m)ガセット角底用横シーラのための横シールプログラム100
n)ワイドトップ角底用横シーラのための横シールプログラム101
等が含まれる。
【0039】
また、図7に示されるようにメイン制御ボックス74にはその内部に、プログラム選択手段102もまた備えており、このプログラム選択手段102は上述のモジュール制御プログラム76〜101から包材供給装置2及び製袋装置4の構成に応じて必要となるモジュール制御プログラムを選択する。
具体的には、プログラム選択手段102は制御装置の操作盤(図示しない)により実現されるか、又は、各フレームに取り付けられたICタグのデータをメインフレームの構築時に自動的に読み取ることにより実現され、プログラム選択指令をメインプログラム104に与える。
【0040】
メインプログラム104はプログラム選択指令に基づき、選択されたモジュール制御プログラムを結合し、その包装機専用の全体プログラムを生成する。図7中では、実線の矢印が選択されたモジュール制御プログラムを示している。ここで、各モジュール制御プログラムは他のモジュール制御プログラムとの協調を図る機能を有し、また、メインプログラム104は結合したモジュール制御プログラム間でのタイミング調整や情報を共有させる機能を有する。
【0041】
図8は制御装置の変形例を示す。
図8の制御装置は、メイン制御ボックス106と、例えば2つのモジュール制御ボックス108,110からなる。メイン制御ボックス106は、図7のメイン制御ボックス74から、バルブ貼付けプログラム78及びジッパー貼付けプログラム80、そして、バルブ貼付け動作モジュール及びジッパー貼付け動作モジュールに要求される制御要素を除いたものである。そして、バルブ貼付けプログラム78及びジッパー貼付けプログラム80は個別のモジュール制御ボックス108,110にそれぞれ含まれる一方、これらモジュール制御ボックス108,110にはバルブ貼付け動作モジュール及びジッパー貼付け動作モジュールのための制御要素が収容されている。
【0042】
モジュール制御ボックス108,110はバルブ貼付けフレーム58及びジッパー貼付けフレーム60にそれぞれ配置され、メイン制御ボックス106と電気的に接続可能となっている。
上述した図8の制御装置の場合にあっても、メインプログラム104は選択されたモジュール制御プログラムから全体プログラムを生成することができる。
【0043】
更に、図9は制御装置の更に別の変形例を示す。
図9の制御装置は、メイン制御ボックス112と、このメイン制御ボックス112に電気的に接続可能なモジュール制御ボックス、即ち、リールフレーム用制御ボックス114、ジッパー貼付けフレーム用制御ボックス116、フォーマフレーム用制御ボックス118、繰出しフレーム用制御ボックス120及び横シーラフレーム用制御ボックス122とからなる。
【0044】
図9の制御装置は、包材供給装置2及び製袋装置4を構成する動作モジュール毎に、モジュール制御ボックスが予め用意されていることを示している。具体的には、メイン制御ボックス112はメインプログラム104及びプログラム選択手段102を含み、そして、上述の各制御ボックス114〜122はその対応する動作モジュールのフレームに配置され、対応する制御要素を収容したものとなっており、そして、この制御要素中に対応するモジュール制御プログラムを備えることができる。
【0045】
図9の制御装置にあっては、包装形態の変更に伴う動作モジュールの変更に合わせてメイン制御ボックスを作り直す必要が無いばかりでなく、制御ボックス114〜122の配置に各動作モジュールのデッドスペースを利用できるから、メイン制御ボックス112の小形化を図れることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施例の縦形製袋充填包装機を示し、(a)は包装の正面図、(b)は包装機の側面図である。
【図2】種々の包装形態の袋を示し、(a)は平袋、(b)はバルブ付き袋、(c)はジッパー付き袋、(d)はガセット角底袋、(e)はヘムシール袋、(f)はヘムシール角底袋、(g)はジッパー付きワイドトップ角底袋である。
【図3】包装機を構成する種々のモジュール及びフレームの選択パターンを示した図である。
【図4】(a)〜(f)は包装機のバリエーションを示す。
【図5】(a)〜(f)は包装機のバリエーションを示す。
【図6】他の形態の縦形製袋充填包装機を示し、(a)は包装の正面図、(b)は包装機の側面図である。
【図7】制御装置の一例を示したブロック図である。
【図8】制御装置の変形列を示したブロック図である。
【図9】制御装置の別の変形例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0047】
2 包材供給装置
4 製袋装置
6 包材供給動作モジュール
6f リールフレーム(モジュールフレーム)
16 包材成形モジュール
16f フォーマフレーム(モジュールフレーム)
18 繰出動作モジュール
18f 繰出しフレーム(モジュールフレーム)
20 横シーラ動作モジュール
20f 横シーラフレーム(モジュールフレーム)
63 ヘムシーラモジュール
63f ヘムシーラフレーム(モジュールフレーム)
74 メイン制御ボックス(制御装置)
76〜101 モジュール制御プログラム
102 プログラム選択手段(制御装置)
104 メインプログラム
106,112 メイン制御ボックス(制御装置)
108,110 モジュール制御ボックス(制御装置)
114〜122 モジュール制御ボックス(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を供給する包材供給装置と、
前記包材供給装置から供給された前記包材を物品とともに受け取り、これら包材及び前記物品から個々に物品が充填された袋を成形する製袋装置と、
前記包材供給装置及び前記製袋装置の作動を制御する制御装置と
を備え、
前記製袋装置は、
前記包材供給装置から受け取った包材を通過させる過程にて、前記包材を筒状包材に成形する包材成形モジュールであって、前記筒状包材が少なくとも前記包材の両側縁を所定の形態で重ね合わされた重ね合わせ縁を有する、包材成形モジュールと、
前記包材形成モジュールの下方に配置された繰出動作モジュールであって、前記包材成形モジュールから受け取った前記筒状包材を一方向に繰出し、少なくとも前記筒状包材の前記重ね合わせ縁がヒートシールされた包材チューブを送出する繰出動作モジュールと、
前記繰出動作モジュールの下方に配置された横シーラ動作モジュールであって、前記繰出動作モジュールから受け取った包材チューブが通過する過程にて、前記包材チューブにその繰出し方向に所定の間隔を存してヒートシールによる横シールを形成する横シーラ動作モジュールとを含み、
前記製袋装置の前記各モジュールはモジュールフレームを個別に含み、これらモジュールフレームは上下方向に隣接するモジュールフレーム同士が分離可能に連結され、前記製袋装置のメインフレームを構築することを特徴とする縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記製袋装置は、
成形すべき筒状包材の形態に応じて準備された複数種の包材成形モジュールから選択された1つの包材成形モジュールと、
前記重ね合わせ縁のシール形態に応じた縦シーラを有する複数種の繰出動作モジュールから選択された1つの繰出動作モジュールと、
形成すべき横シールの形態及び前記袋の形態の少なくとも一方に応じて準備された複数種の横シーラ動作モジュールから選択された1つの横シーラ動作モジュールと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記製袋装置は、
前記包材成形モジュールと前記繰出動作モジュールとの間に配置され、前記筒状包材の前記重ね合わせ縁をシールする縁シーラ動作モジュールを更に含み、
前記縁シーラ動作モジュールは、前記包材成形モジュール及び前記繰出動作モジュールのモジュールフレームに分離可能に連結されるモジュールフレームを有することを特徴とする請求項2に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項4】
前記包材供給装置は、包材ロールを有し、この包材ロールから包材を繰出す包材供給動作モジュールと、前記包材成形モジュールに供給すべき包材の形態に応じて準備され、前記包材に付加部品を供給する複数の部品供給動作モジュールから選択された少なくとも1つ部品供給動作モジュールを更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項5】
前記包材供給装置は、前記包材供給動作モジュール及び前記部品供給動作モジュール毎にモジュールフレームを有し、これらモジュールフレームは、前記包材の繰出し方向に直列的に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記包材供給装置及び前記製袋装置の作動を制御するプログラム群と、
前記プログラム群中から前記包材供給装置及び前記製袋装置に要求されるプログラムを選択する選択手段と
を備え、
前記プログラム群は、
前記動作モジュール毎に用意され、前記各動作モジュールの作動をそれぞれ制御する複数のモジュール制御プログラムと、
前記選択手段により選択されたモジュール制御プログラムを結合させるメインプログラムとを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項7】
前記制御装置は
前記プログラム群のうち、少なくとも前記メインプログラムを収容したメイン制御ボックスと、
前記各動作モジュールにそれぞれ備えられ、その動作モジュールに対応した制御要素を収容するモジュール制御ボックスと
を含むことを特徴とする請求項6に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項8】
前記モジュール制御ボックスは、対応する動作モジュールのためのモジュール制御プログラムを収容していることを特徴とする請求項7に記載の縦形製袋充填包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−1397(P2008−1397A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172533(P2006−172533)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】