説明

繊維または硬質表面のメンテナンス用発泡性洗剤組成物における脂肪族アルコールの使用

アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤(S)および少なくとも1種のC8−C22の脂肪族アルコール(AA)をベースにした、水媒体中で泡立つ、繊維または硬質表面のクリーニングまたはメンテナンスを目的とする洗剤組成物の使用。発生した泡は、改良されたレオロジー特性と外観(白さ)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維または硬質表面のメンテナンス用発泡性洗剤組成物における脂肪族アルコールの使用に関する。脂肪族アルコールの存在により、前記組成物の通常の使用条件下で、発生した泡の外観を改良することが可能になる。
【背景技術】
【0002】
発泡性のアニオン性界面活性剤(任意にエトキシ化された脂肪族アルコール硫酸エステル、脂肪族アルコールサルコシネート、スルホコハク酸アルカノールアミド、長鎖α−オレフィンスルホン酸塩、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)、C12−C16アルカノール、任意の溶剤(イソプロピルアルコール、ブトキシエタノール等)および任意のポリマー(ポリアクリル酸、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレングリコール、バイオポリマー)を含む高濃度水性組成物から安定な泡を作ることは公知の実施であり、得られた安定な泡は多くの用途、すなわち作物保護処理中の農地面の土壌マーカー(soil marker)として、安全装置の絶縁体として、掘削液において、そして特に山火事の消火の補助としての用途がある(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
【0003】
消費者は、発泡性洗剤組成物を使用して自分が行う、または目の前で行われるクリーニングまたはメンテナンス作業の間、洗剤液の性能の指標である発生した泡の量と外観、特にその乳白度または白さに鋭く敏感である。
【特許文献1】米国特許第4050944号明細書
【特許文献2】米国特許第4442018号明細書
【特許文献3】米国特許第4770794号明細書
【特許文献4】米国特許第6369122号明細書
【特許文献5】米国特許第6376566号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、表面メンテナンス用洗剤の使用、特に家庭用若しくは企業用の硬質表面若しくは繊維をクリーニングするための、手洗いで台所用品を洗浄するための、手洗い若しくは半自動の機械での洗濯のための、または自動車の車体を洗浄するための使用における通常の使用条件の下で、改良された外観の安定な泡を得ることである。
【0005】
さらに本発明の目的は、美的な、特にその白さの、またクリーム状の外観の美的な外観の泡を得ることである。
【0006】
消費者の視点によれば、これらの利点は、清潔さの印象また処理表面ケアの印象に反映される。また手洗いにおいては、この印象が使用者の手のレベルで知覚される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤(S)および少なくとも1種のC8−C22、好ましくはC12−C18、さらに好ましくはC12−C16脂肪族アルコール(AA)をベースにした、水媒体中で泡立つ繊維または硬質表面のクリーニングまたはメンテナンス用洗剤組成物の使用に関する。
【0008】
前記脂肪族アルコールは、硬質表面または繊維のクリーニングまたはメンテナンス用洗剤組成物、特に家庭若しくは企業での硬質表面若しくは繊維のクリーニングまたはメンテナンス、特に便器のメンテナンス、浴室または台所の表面のメンテナンス、台所用品の手洗い、手洗い若しくは半自動の機械による洗濯または自動車の車体の洗浄用もしくはメンテナンス用の組成物に用いられる。
【0009】
前記洗剤組成物はどのような形態であってもよく、特に、好ましくは濃縮された、水性もしくは非水性液体、固体またはジェル状が挙げられる。
【0010】
水媒体中で泡立つ前記洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤(S)を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
界面活性剤(S)の量は、固形分換算で、起泡性洗剤組成物の総質量の0.1%から99%、好ましくは0.5%から60%とすることができる。
【0012】
洗剤組成物が石鹸バータイプの固体の場合、固形分換算で、界面活性剤(S)の量は起泡性洗剤組成物の総質量の最大99%、好ましくは最大95%とすることができる。通常、この量は起泡性洗剤組成物の総質量の少なくとも50%である。また、石鹸バータイプの固体は、前記固体の質量の最大20%量で、水および/または親水性溶剤を含んでもよい。
【0013】
用語「洗剤組成物の総質量」は、界面活性剤(S)および脂肪族アルコール(AA)と共に含まれる他の任意成分(水、溶媒、および他の添加物)を含む組成物の全ての質量を意味する。
【0014】
表現「水媒体中で泡立つことができる洗剤組成物」は、本明細書中では広い意味を取る。例えば:
− ノズルを備えた装置(スプレー)を用いて吹きかけることによって処理される表面上に、泡を発生させる、水(または水/親水性溶剤混合物)を含む液体組成物、
− 手動またはボルテックス(商品名)で得られる剪断力で泡を発生させる、水(または水/親水性溶剤混合物)を含む液体組成物、
− 水中での、または水による希釈および剪断(摩擦、手動、機械またはボルテックス)の後に泡を発生させる固形、ジェルまたは水系または非水系液体組成物
であってもよい。
【0015】
挙げることができるアニオン性界面活性剤の例としては、特に以下を含む:
− 一般式R−CH(SO3M)−COOR'のアルキルエステルスルホン酸塩(式中RはC8−C20、好ましくはC10−C16のアルキル基を、R'はC1−C6、好ましくはC1−C3アルキル基を、Mはアルカリ金属陽イオン(ナトリウム、カリウムまたはリチウム)、置換もしくは未置換アンモニウム(メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)またはアルカノールアミン誘導体(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)を表す)。特に、R基がC14−C16のメチルエステルスルホン酸塩を挙げることができる。;
− 12〜16の炭素原子を含むα−オレフィンスルホン酸塩;
− 一般式ROSO3Mのアルキル硫酸塩(式中RはC5−C24、好ましくはC10−C18のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を、Mは水素原子または上記と同じ定義の陽イオン、また平均0.5〜30、好ましくは0.5〜10のOEおよび/またはOP単位を含むそれらのエトキシレネート(ethoxylenated)(OE)および/またはプロキシレネート(propoxylenated)(OP)誘導体を表す。);
− 一般式RCONHR'OSO3Mのアルキルアミドサルフェート(式中RはC2−C22、好ましくはC6−C20のアルキル基を、R’はC2−C3のアルキル基を、Mは水素原子または上記と同じ定義の陽イオン、また平均0.5〜60のOEおよび/またはOP単位を含むそれらのエトキシレネート(ethoxylenated)(OE)および/またはプロキシレネート(propoxylenated)(OP)誘導体を表す。);
− 飽和または不飽和のC8−C24、好ましくはC14−C20の脂肪酸塩、C9−C20のアルキルベンゼンスルホン酸塩、1級もしくは2級C8−C22アルキルスルホン酸塩、アルキルグリセロールスルホン酸塩、GB−A−1082179に記載のスルホン化ポリカルボン酸、パラフィンスルホン酸塩、N−アシルN−アルキルタウレート、アルキルリン酸塩、イセチオン酸塩、アルキルサクシナメート、アルキルスルホコハク酸塩、スルホコハク酸モノエステルもしくはジエステル、N−アシルサルコシン酸塩、アルキルグリコシドサルフェートもしくはポリエトキシカルボン酸塩、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムまたはリチウム)陽イオン、置換もしくは未置換アンモニウム(メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)またはアルカノールアミン誘導体(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等);
− 例えばロディア社が販売するRhodafac(商品名) RA600、Rhodafac PA15またはRhodafac PA23等のアルキルまたはアルキルアリールリン酸エステル。
【0016】
アニオン性界面活性剤の量は(それが存在しているとき)、固形分換算で、洗剤組成物の総重量100重量部あたり0.5〜90重量部、好ましくは5〜60重量部、さらに好ましくは10〜30重量部の範囲で変動できる。
【0017】
非イオン性界面活性剤の中で、特に挙げることができるのは、アルキレンオキシド縮合物、特にアルコール類、ポリオール類またはアルキルフェノール類とエチレンオキシドの縮合物;脂肪酸エステル;脂肪酸アミド;脂肪族アミン;アミンオキシド;アルキルポリグリコシド、糖の脂肪酸エステル、特にモノパルミチン酸スクロース等の糖誘導体;長鎖3級ホスフィンオキシド;ジアルキルスルホキシド;ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの逐次重合型共重合体;ポリアルコキシル化ソルビタンエステル類;ソルビタンの脂肪エステル類、ポリ(エチレンオキシド)および親油処理された脂肪酸アミド(例えば脂肪酸モノエタノールアミドおよび10〜18の炭素原子を含むジエタノールアミド)である。
【0018】
特に挙げることができるのは、
・ ポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)(ポリエトキシエチレン化(polyethoxyethylenated)、ポリオキシプロピレン化(polyoxypropylenated)またはポリオキシブチレン化(polyoxybutylenated))アルキルフェノール類であって、そのアルキル置換基がC6-12であり、5〜25のオキシアルキレン単位を含むもの。挙げることができる例として、Rohm & Hass社が販売するTriton(商品名)X−45、X−114、X−100またはX−102が含まれる;
・ グルコサミド、グルカミドおよびグリセロールアミド;
・ 1〜25のオキシアルキレン(オキシエチレンまたはオキシプロピレン)単位を含むポリオキシアルキレン化C8−C22脂肪族アルコール。挙げることができる例として、ユニオン・カーバイド社が販売するTergitol(商品名)15−S−9およびTergitol(商品名)24−L−6 NMW、Shell Chemical社が販売するNeodol(商品名)45−9、Neodol(商品名)23−65、Neodol(商品名)45−7およびNeodol(商品名)45−4、ロディア社が販売するRhodasurf(商品名)IDO60、Rhodasurf(商品名)LA90およびRhodasurf(商品名)IT070が含まれる;
・ C10−C18アルキルジメチルアミンオキシドまたはC8−C22アルコキシルエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド等のアミンオキシド;
・ US−A−4565647記載のアルキルグリコシド;
・ 任意のポリヒドロキシ化C8−C20脂肪酸アミド;
・ エトキシ化脂肪酸;
・ エトキシ化アミン
である。
【0019】
前記非イオン性界面活性剤は、それらが存在している場合、前記組成物の総質量の0.1%から20%、好ましくは0.1%から15%、特に好ましくは0.5%から10%(固形分換算)である。
【0020】
また、1種以上のカチオン性、両性または双性イオン界面活性剤もまた、アニオン性および/または非イオン性界面活性剤と共に洗剤組成物中に存在することができる。
【0021】
カチオン性界面活性剤は特に、次の一般式のアルキルアンモニウム塩である:
1234+-
式中
・X-は、ハロゲンイオン、CH3SO4-またはC25SO4-を表す。
・R1およびR2は同一であり又は相違し、C1−C20アルキル基、アリール基またはベンジル基を表す。
・R3およびR4は同一であり又は相違し、C1−C20アルキル基、ベンジル基もしくはアリール基またはエチレンオキシドおよび/もしくはプロピレンオキシド縮合物(CH2CH2O)x−(CH2CHCH3O)y−Hを表す。式中、xおよびyの範囲は0〜30であり、両方が0になることはない。
例えば、臭化セチルトリメチルアミンまたはロディア社が販売するRhodaquat(商品名)TFRである。
【0022】
前記カチオン性界面活性剤は、それらが存在している場合、固形分換算で、前記組成物の総質量の最大10%、好ましくは1%から5%である。
【0023】
双性イオン界面活性剤の例としては、脂肪族4級アンモニウム誘導体、特に、3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)プロパン 1−サルホネートおよび3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)−2−ヒドロキシ−プロパン 1サルホネートが含まれる。
【0024】
両性界面活性剤の例としては、ベタイン、スルホベタイン、脂肪酸、イミダゾールカルボン酸エステルおよびスルホン酸塩が含まれる。
【0025】
以下の界面活性剤が好ましい:
・ アルキルジメチルベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルベタイン、アルキルジメチルスルホベタイン、またはロディア社が販売するMirataine(商品名)CBS等のアルキルアミドプロピルジメチルスルホベタイン、ならびに脂肪酸およびタンパク加水分解物の縮合生成物。
・ アルキル基が6〜20の炭素原子を含む、アルキル両性酢酸塩またはアルキル両性二酢酸塩。
・ アルキルポリアミンの両性誘導体、例えばロディアが販売するAmphionic(商品名)XLならびにBerol Nobelが販売するAmpholac(商品名)7T/XおよびAmpholac(商品名)7C/X。
【0026】
本発明によれば、使用される脂肪族アルコール(AA)は、C8−C22、好ましくはC12−C18、さらに好ましくはC12−C16の脂肪族アルコールまたはそれらの混合物である。
【0027】
選択的には、モノアルコール、特に直鎖アルコール類である。
【0028】
特に挙げることができるのは、1−ドデカノール(ラウリルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、1−ヘキサデカノール(セチルアルコール)および1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)であり、とりわけ1−ドデカノール(ラウリルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)を挙げることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施では、洗剤組成物中の界面活性剤(S)100重量部(固形分換算)あたりの前記脂肪族アルコール(AA)の使用量は、0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜20重量部、最も好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0030】
選択的には、脂肪族アルコール(AA)の脂肪鎖の長さが、界面活性剤(S)の親油部の長さと同じ、または非常に近似する。
【0031】
本発明によれば、特に前記脂肪族アルコール(AA)は、洗剤組成物を水媒体中で前記組成物を使用する普通の条件下で使用することで発生する泡の外観とレオロジー特性を改良するための剤として使用される。
【0032】
本発明によれば、泡の「外観」という用語は、その白さすなわち乳白度を主として意味する。
【0033】
前記脂肪族アルコール(AA)を含む、繊維または硬質表面をクリーニングまたはメンテナンスするための洗剤組成物は、多くの応用例を有することができる。特に:
・ 便器のメンテナンス ;前記組成物は、便器の内壁に付着する、または便器もしくは槽に入れられるブロック、タブレット、ジェルまたは芳香および/または殺菌液の形態をとることができる。
・ 浴室または台所の表面のメンテナンス
・ 台所用品の手洗い;組成物は、好ましくは濃縮液またはジェルの形態をとる。
・ 繊維製品の手洗いまたは半自動機械での洗濯;組成物は、好ましくは濃縮液、ジェルまたはバーの形態をとる。
・ 手洗いまたはステーションでの自動車の洗浄
がある。
【0034】
以下に説明する試験によって、上記の応用の典型的なせん断条件の下で前記脂肪族アルコール(AA)を含む洗剤組成物の使用による泡の発生をシミュレートできる。発生した泡の白さは、画像解析で評価できる。
【0035】
泡立て方法
前記界面活性剤(S)および前記脂肪族アルコール(AA)ならびに他の任意の添加物を含む、試験される洗剤組成物の水溶液を準備する。洗剤組成物の量は、前記水溶液の界面活性剤(S)の濃度が0.5g/lとなるようにする。
【0036】
この溶液30mlを100mlのメスシリンダー(長さ250mm/内径28mm)に入れ、シリンダーを塞ぎ、20回手動で上下をひっくり返す。泡が得られる。
【0037】
画像解析
黒い背景の正面で、このようにして発生した泡のデジタル写真を一定の間隔を置いて(例えば10分ごとに)撮る。次に写真はグレーの256のレベル(グレースケール:0〜255、0は黒に対応し、255は白に対応する)に変換される。
【0038】
それぞれのレベルのグレーに対応するピクセル数が数えられる。0〜255の間の平均値のヒストグラムが得られる。
【0039】
泡がないときを0の値とするために、同一の黒い背景の正面の空のシリンダーから得た平均値を、泡から得た値から差し引く。
【0040】
脂肪族アルコール(AA)を含まない洗剤組成物の水溶液を用いて新たに発生した標準の泡(経過時間:ゼロ)を使用しこの値を100の基準にあわせる。脂肪族アルコール(AA)を含まない洗剤組成物の量は、前記水溶液の界面活性剤(S)の濃度が0.5g/lとなるようにする。時間にともなう標準の泡の外観の変化の関数として、0〜100の間の「白さ」の値が得られる。
【0041】
評価
試験される洗剤組成物に対応する泡が発生し、上記のように解析される(シリンダーを上下に20回ひっくり返し、一定の間隔を置いてデジタル写真を撮り、ヒストグラムを作成する)。
【0042】
試験される泡が標準の泡よりも白い場合、100以上の値が得られる。
【0043】
この試験の条件下では、60未満の「白さ」の値の泡は分解しているとみなされる(泡は徐々に透明になる)。
【0044】
また、アルカノール(AA)の存在は、微細な気泡を保護するため通常の使用条件の下でクリーム状の外観の泡を発生させることが認められた。
【0045】
好ましくは、洗剤組成物は、水および/または少なくとも1種の親水性溶剤をも含む。
【0046】
用語「親水性溶剤」は、水に混ぜられると、室温で透明な相を1つだけ形成するあらゆる溶剤を意味する。
【0047】
水および/または前記溶剤は、前記組成物の総質量の最大99.5%に相当できる。水および/または親水性溶剤の最小量は、通常1%である。水/溶剤混合物では、前記溶剤が前記混合物の重さの最大80%に相当できる。
【0048】
好ましくは、前記溶剤は、C2−C8脂肪族のモノアルコール類または多価アルコール類およびそれらのエーテル類から選択される。
【0049】
特に挙げることができる溶剤の例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−ブトキシエタノール−2−プロパノールおよびジエチレンモノブチルエーテルが含まれる。
【0050】
前記組成物は、特にそれが濃縮液体組成物であるときには、泡の粘度および/または安定性を制御するために少なくとも1種の重合体を含むことができる。例えば、重量平均分子質量が1000〜5000000g/molのポリアクリル酸またはその水溶性塩、重量平均分子質量が最大30000g/molのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、分子質量が少なくとのも400g/molのポリエチレングリコールおよび分子質量が少なくとも10000g/molのバイオポリマーである。重合体が存在する場合、前記重合体は、固形分換算で、濃縮液体組成物の質量の0.01%〜10%を示すことができる。
【0051】
用語「濃縮組成物」は使用の間に希釈されるあらゆる組成物を意味する。
【0052】
泡の粘度および/または安定性を制御できる高分子類の例として以下を挙げることができる:
・ ポリアクリル酸またはその塩、例えばB.F.GoodrichのCarbopol(商品名)、特にCarbopol941、Carbopol801、Carbopol907、Carbopol910、Carbopol934およびCarbopol940;
・ エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、例えば、ロディアの製品のAntarox(商品名)、特にAntarox F−88;
・ バイオポリマー、例えば、グアルガム、アラビアゴム、キサンタンガム、レオザンガム(rheozan gum)、ウェランガム、カラギーナンおよびセルロースまたはグアー由来物(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル化グアー、カルボキシメチルグアーまたはカルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー)。
【0053】
洗剤組成物の使用目的に応じて、漂白剤、洗浄補助剤(ビルダー)、ハイドロトロープ剤、水和剤、香料、殺生物剤、保存剤および他の一般的な添加物を入れることができる。
【0054】
便器をメンテナンスするための、ガムタイプの増粘剤(特に0.1%〜3%の濃度で添加されるキサンタンガム)が含まれる組成物について、特に挙げることができるのは:
・ 無機酸(燐酸、スルファミン酸、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸またはクロム酸)または有機酸(酢酸、ヒドロキシ酢酸、アジピン酸、クエン酸、蟻酸、フマル酸、グルコン酸、グルタル酸、グリコール酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、マロン酸、蓚酸、コハク酸または酒石酸)および酸性塩(ナトリウム硫酸水素塩)等の任意の酸性の洗浄剤;
・ および以下の微量成分の1種以上:製品中の微生物の成長を阻害する保存剤、着色料、香料および/または研磨剤
である。
【0055】
台所または浴室の表面のメンテナンス用組成物については、特に有機または無機の洗浄補助剤(ビルダー)(炭酸ナトリウム、ゼオライト、ケイ酸ナトリウム、燐鉱石、ポリアクリル酸エステルまたはクエン酸塩)、pH調整剤、着色料、増白剤、染み取り剤、洗浄用酵素、相溶性漂白剤、ゲル化調整剤、凍結融解安定剤、防虫剤、ハイドロトロープ剤および乳白剤または真珠光沢剤を挙げることができる。
【0056】
台所用品の手洗い用組成物については、特に挙げることができるのは:
・ 合成カチオン性ポリマー、例えば、ロディアが販売するMirapol(商品名)A550、Mirapol A15およびCalgon社が販売するMerquat(商品名)550;
・ ハイドロトロープ剤、例えばC2−C8の短鎖アルコール類、特にエタノール、ジオールおよびグリコール類、例えばジエチレングリコールまたはジプロピレングリコール;
・ 皮膚の保湿剤または湿潤剤、例えばグリセロール、尿素または皮膚保護剤、例えばタンパク質、タンパク質加水分解物またはカチオン性高分子、例えば、カチオン性グアー由来物(ロディア社が販売するJaguar(商品名)C13S、Jaguar C162およびHicare(商品名)1000)
である。
【0057】
手洗いまたは半自動機械による洗濯用の組成物については、特に有機または無機の洗浄補助剤(ビルダー)(炭酸ナトリウム、ゼオライト、ケイ酸ナトリウム、燐鉱石、ポリアクリル酸エステルまたはクエン酸塩)、再付着防止剤、染み防止剤、色移り防止剤および非イオン柔軟剤を挙げることができる。
【0058】
自動車の車体のクリーニング用組成物については、特に有機または無機の洗浄補助剤(ビルダー)、ハイドロトロープ剤、フィラー、pH調整剤および表面特性を変えるための共重合体を挙げることができる。
【0059】
本発明は、特に台所用品または繊維製品の手洗い、および便器のクリーニングに最も有利である。
【0060】
使用時に希釈される用途の洗剤組成物は、使用目的に応じて、その体積の10〜50000倍に希釈することができる。希釈の後の界面活性剤濃度は、通常0.0001%〜10%、好ましくは0.001%〜5%、さらに好ましくは0.005%〜2%である。
【実施例】
【0061】
以下に実施例を具体的に説明する。
【0062】
泡の白さの評価方法
(キャリブレーション)
ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを0.5g/l含む標準の水溶液を準備する。
【0063】
この溶液30mlを100mlのメスシリンダー(長さ250mm/内径28mm)に入れ、シリンダーを塞ぎ、20回手動で上下をひっくり返す。
【0064】
黒い背景の正面で、このようにして発生した泡(標準の泡)のデジタル写真を一定の間隔を置いて撮る。次に写真はグレーの256のレベル(グレースケール:0〜255)に変換される。
【0065】
それぞれのレベルのグレーに対応するピクセル数が数えられる。0〜255の間の平均値のヒストグラムが得られる。
【0066】
泡がないときを0の値とするために、同一の黒い背景の正面の空のシリンダーから得た平均値を、泡から得た値から差し引く。
【0067】
新たに発生した標準の泡(経過時間:ゼロ)の値を基準の100とする。
【0068】
時間にともなう標準の泡の外観の変化の関数として、0〜100の間の「白さ」の値が得られる。
【0069】
(評価)
試験用の洗剤組成物に対応する泡を上記のように発生させ、解析する(シリンダー20回ひっくり返し、一定の間隔を置いてデジタル写真を撮り、ヒストグラムを作成する)。
【0070】
試験される泡が標準の泡よりも白い場合、100以上の値が得られる。
【0071】
この試験の条件下では、60未満の「白さ」の値の泡は分解しているとみなされる(泡は徐々に透明になる)。
【0072】
実施例1:標準の界面活性剤水溶液で発生する標準の泡の白さ
時間の関数に対応した、標準液で発生した標準の泡の白さの変化を以下の表に示す:
【0073】
【表1】

【0074】
泡の白さは30−40分後に低下した。
【0075】
実施例2:本発明によって発生した泡の白さ
ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを0.5g/l含む標準の水溶液を準備する。
【0076】
ミリスチルアルコール(20重量%エタノール溶液)の0.05g/l溶液、これはラウリルエーテル硫酸ナトリウム100重量部に対しミリスチルアルコール2重量部に対応する、を加える。
【0077】
この溶液30mlを100mlのメスシリンダーに入れ、シリンダーを塞ぎ、20回手動で上下をひっくり返す。
【0078】
時間の関数に対応した、発生した泡の白さの変化を以下の表に示す:
【0079】
【表2】

【0080】
ミリスチルアルコールの存在によって、開始時の白さの値は、わずかに改良され、時間の関数に対応した白さの低下は、著しく少なく、より遅くなった(少なくとも5倍)ことが認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維または硬質表面のクリーニングまたはメンテナンス用の、水媒体中で泡立つ洗剤組成物の使用であって、
前記洗剤組成物は、
アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤(S)をベースにし、
少なくとも1種のC8−C22、好ましくはC12−C18、さらに好ましくはC12−C16の脂肪族アルコール(AA)を含む洗剤組成物
である使用。
【請求項2】
前記界面活性剤(S)の量が、固形分換算で、起泡性の前記洗剤組成物の総質量の0.1%から99%、好ましくは0.5%から60%であることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤が存在する場合、その量が、固形分換算で、前記洗剤組成物の総重量100部あたり0.5〜90重量部、好ましくは5〜60重量部、さらに好ましくは10〜30重量部の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の使用。
【請求項4】
前記非イオン界面活性剤が存在する場合、その量が、固形分換算で、前記洗剤組成物の総質量の0.1%から20%、好ましくは0.1%から15%、特に好ましくは0.5%から10%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の使用。
【請求項5】
前記脂肪族アルコール(AA)が、モノアルコール、特に直鎖アルコール類であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の使用。
【請求項6】
前記脂肪族アルコール(AA)が、1−ドデカノール(ラウリルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、1−ヘキサデカノール(セチルアルコール)および1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、特に1−ドデカノール(ラウリルアルコール)または1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)から選択されることを特徴とする請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記脂肪族アルコール(AA)の脂肪鎖の長さが、前記界面活性剤(S)の親油部の長さと同じ、または非常に近似することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載の使用。
【請求項8】
前記脂肪族アルコール(AA)の量が、固形分換算で、前記洗剤組成物中の前記界面活性剤(S)100重量部あたり0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜20重量部、最も好ましくは1〜10重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかの項に記載の使用。
【請求項9】
・ 便器のメンテナンス、
・ 浴室または台所の表面のメンテナンス、
・ 台所用品の手洗い、
・ 繊維製品の手洗い、または半自動の機械による洗濯、および
・ 自動車の車体の手洗浄、または洗車場での洗浄
が、起泡性の前記洗剤組成物の使用目的であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかの項に記載の使用。
【請求項10】
起泡性の前記洗剤組成物が、水および/または少なくとも1種の親水性溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかの項に記載の使用。
【請求項11】
前記溶剤が、C2−C8脂肪族のモノアルコール類または多価アルコール類およびそれらのエーテル類から選択されることを特徴とする請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記脂肪族アルコール(AA)が、発生する泡の外観とレオロジー特性を改良するために使用されることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかの項に記載の使用。
【請求項13】
前記脂肪族アルコール(AA)が、発生する泡の白さを改良するために使用されることを特徴とする請求項12に記載の使用。

【公表番号】特表2008−514771(P2008−514771A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534046(P2007−534046)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002385
【国際公開番号】WO2006/035154
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】