繊維含有炭水化物組成物
食品が難消化性又は遅消化性のオリゴ糖組成物を含む。オリゴ糖組成物は、デンプンの糖化により、少なくとも1つのオリゴ糖及び少なくとも1種の単糖を含む水性組成物を生成させるステップ、水性組成物を膜濾過して、単糖に富むストリームとオリゴ糖に富むストリームとを形成させるステップ、並びにオリゴ糖に富むストリームを回収するステップ、を含む方法により製造することができる。別の方法として、オリゴ糖組成物は、少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、且つ少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱するステップ、及び仕込み組成物と、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒とを、非線状糖オリゴマーの形成を起こさせるのに十分な時間接触させて、線状糖オリゴマーよりも高い濃度の非線状糖オリゴマーを含有する生成組成物が製造されるステップ、を含む方法により、製造することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の炭水化物が、種々の糖及びデンプンなどの食品中で使用される。これらの炭水化物の多くは、ヒトの胃及び小腸中で消化される。対照的に、食品中の食物繊維は、通常、胃又は小腸中では消化されず、大腸中で微生物により発酵される可能性がある。
【背景技術】
【0002】
食物の食物繊維含有量を増大させるか又はカロリー含有量を減少させるために、食品における使用に適しており且つ非消化性であるか又は限られた程度にしか消化性でないかのいずれかである材料を開発することに関心がある。これらの改善には、確かな健康上の利益がある。
【0003】
消化が容易な炭水化物の含有量が減少し、且つ食物中で従来の炭水化物製品の代わり又はそれに加えて使用することができる食用の素材に対する需要がある。
【発明の概要】
【0004】
発明の一態様は、オリゴ糖組成物を調製する方法である。このプロセスは、デンプンの糖化により少なくとも1つのオリゴ糖及び少なくとも1種の単糖を含む水性組成物を製造するステップ(工程)、水性組成物を膜濾過して、単糖に富むストリーム及びオリゴ糖に富むストリームを形成するステップ、並びにオリゴ糖に富むストリームを回収するステップを含む。本発明の一実施形態において、オリゴ糖に富むストリームは、ヒト消化系により遅消化性である。「遅消化性」は、その用語が本明細書において使用されるとき、ストリーム中に存在する炭水化物の実質的な量(例えば、乾燥固形分基準で少なくとも約50%、幾つかの場合には少なくとも約75%、又は少なくとも約90%)が、ヒトの胃及び小腸中で全く消化されないか、又は限られた程度にしか消化されないことを意味する。本発明の他の実施形態において、オリゴ糖に富むストリームは、ヒト消化系による消化に対して難消化性である。
【0005】
ヒトにおける炭水化物消化の速度及び程度を見積もるために、インビトロ及びインビボの両方で、試験を実施することができる。「Englystアッセイ」は、易消化性、遅消化性又は難消化性の炭水化物材料の量を見積もるために使用することができるインビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition (1992) Volume 46 (Suppl.2), pages S33~S50)。したがって、本明細書における「乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%」が遅消化性の素材、又は「主として遅消化性」の素材という如何なる言及も、Englystアッセイにより遅消化性又は難消化性と分類されるパーセンテージの合計が少なくとも約50%になることを意味する。同様に、本明細書における「乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%」が難消化性の素材又は「主として難消化性」の素材という如何なる言及も、Englystアッセイにより難消化性と分類されるパーセンテージが少なくとも約50%であることを意味する。
【0006】
プロセスの一実施形態において、デンプンの糖化とそれに続く異性化により製造される水性組成物は、デキストロース、フルクトース、及びオリゴ糖の混合物を含む。この水性組成物は、ナノ濾過して単糖類に富む透過ストリームとオリゴ糖に富む濃縮水ストリームとに分離することができる。オリゴ糖に富むストリームは、乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%又は場合によっては少なくとも約90%のオリゴ糖を含み得る。プロセスのある実施形態においては、オリゴ糖に富むストリームは、少量のデキストロース及びフルクトースをまだ含むであろう。「少量」は、本明細書において、乾燥固形分基準で50重量%未満を意味して使用される。
【0007】
プロセスは幾つかの実施形態において、以下のステップの1つ又は複数を含むこともできる。(1)オリゴ糖に富むストリームを異性化酵素と接触させ、その結果デキストロースの少なくとも一部がフルクトースに変換されて、それにより異性化されたオリゴ糖に富むストリームを生成させるステップ;(2)オリゴ糖に富むストリームを膜濾過して、単糖類に富む第2のストリームと乾燥固形分基準で約90重量%を超えるオリゴ糖並びに少量の単糖類を含むオリゴ糖に富む第2のストリームとを生成させるステップ;(3)オリゴ糖に富むストリームを水素化してストリーム中の単糖類の少なくとも一部をアルコールに変換し、それにより水素化されたオリゴ糖に富むストリームを生成させるステップ;(4)オリゴ糖に富むストリームをグルコシダーゼ酵素と接触させて復元生成物を創出し、その結果、ストリーム中に存在する任意の残留単糖類の少なくとも一部がオリゴ糖又は他の単糖類に共有結合で結合されるステップ;及び(5)オリゴ糖に富むストリームを活性炭と接触させることにより着色を減少させるステップ。
【0008】
本発明の他の態様は、糖オリゴマーを調製するプロセスである。このプロセスの幾つかの実施形態により製造される糖オリゴマー組成物は、主として難消化性である。他の実施形態において、組成物は主として遅消化性である。プロセスは、少なくとも1種の単糖又は線状の糖オリゴマーを含み、且つ固形分の濃度が少なくとも約70重量%である水性の仕込み組成物を使用する。仕込み組成物は、少なくとも約40℃の温度に加熱されて、非線状糖オリゴマーの形成を起こすために十分な時間、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒と接触させられる。線状糖オリゴマーよりも高い濃度の非線状糖オリゴマーを含む生成組成物が製造される。
【0009】
プロセスの一実施形態において、少なくとも1種の触媒は、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素である。プロセスの他の実施形態において、少なくとも1種の触媒は酸である。プロセスの幾つかの実施形態において、酸及び酵素は、仕込み組成物が最初に酵素で処理され、続いて酸で処理される順で、又は逆の順で使用することができる。
【0010】
本発明の他の態様は、乾燥固形分基準で多量のオリゴ糖を含み、ヒト消化系による消化に対して遅消化性又は難消化性である食用の炭水化物組成物(本明細書においては、時によりオリゴ糖組成物と称する)である。この組成物は、上記プロセスのいずれによっても製造することができる。本明細書において「多量」は、乾燥固形分基準で少なくとも50重量%を意味して使用される。
【0011】
一実施形態において、食用の炭水化物組成物は、オリゴ糖に富むストリームが、70.0質量(m/m)パーセント以上の固形分含有量及び、D−グルコースとして表して、乾燥基準で計算して20.0m/mパーセント以上の還元糖含有量(デキストロース当量)を有するプロセスにより製造される。該組成物のこの実施形態は、食品表示の法規の下でコーンシロップと分類することができる。他の実施形態において、オリゴ糖に富むストリームは、乾燥基準で計算して70.0質量(m/m)パーセント以上の固形分含有量、及びD−グルコースとして表して20.0m/mパーセント未満の還元糖含有量(デキストロース当量)を有する。この実施形態は、食品表示の法規の下でマルトデキストリンと分類される。
【0012】
本発明の他の態様は、乾燥固形分基準で多量の(即ち、乾燥固形分基準で50重量%を超える)線状及び非線状糖オリゴマーを含み、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度を超える食用の炭水化物組成物である。本発明の幾つかの実施形態においては、組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度が、線状糖オリゴマーの濃度の少なくとも2倍の高さである。
【0013】
他の実施形態は、線状及び非線状糖オリゴマーを含む炭水化物組成物であり、組成物は、乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ約25〜65のデキストロース当量を有する。幾つかの実施形態において、組成物は、乾燥固形分基準で約30〜40重量%の繊維を含有し、且つカロリー値が約2.5〜3.5kcal/gである。
【0014】
この実施形態の製品は、以下のステップを含むプロセスにより調製することができる。即ち、少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、且つ少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱するステップ;及び仕込み組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒と、非線状糖オリゴマーの形成を惹起するのに十分な時間接触させるステップである。該プロセスにおいて、(a)乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ(b)約25〜65のデキストロース当量を有する製品組成物が製造される。少なくとも1種の触媒は、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せなどの酸であってよい。1つの特殊な実施形態において、酸は、それ以前の処理により仕込み組成物中に存在する残留酸であってよい。他の実施形態において、少なくとも1種の触媒は、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素であってよい。あるいは、組成物は、コーンシロップを、本明細書に記載された1つ又は複数のプロセスにより調製された組成物とブレンドすることにより調製することができる。
【0015】
本発明の他の態様は、食品を調製する方法である。該方法は、炭水化物素材との組合せに適した食物組成物を供給するステップと、食物組成物を上記の遅消化性又は難消化性の食用炭水化物組成物と組み合わせるステップとを含む。
【0016】
本発明の他の態様は、上記の食用の炭水化物組成物を含む食品である。食品は、例えば、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷凍デザート、揚げ物、パスタ製品、ポテト製品、米製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、硬いキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル、又は飲料であってよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、食品は、焼いた食品、朝食用シリアル、無水の被覆物(例えば、アイスクリーム類の被覆物、チョコレート)、乳製品、菓子、ジャム及びゼリー、飲料、増量剤、押し出して板状にしたスナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズ及びチーズソース、食用の水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリ−マー、糖衣、フロスティング、艶出し、ペットフード、トルティーヤ、食肉及び魚、ドライフルーツ、幼少児の食物、並びにパン生地及びパン粉づけから選択される。本明細書において時によりオリゴ糖組成物と称される食用の炭水化物組成物は、固形甘味料の完全な又は部分的な置き換え又は食物繊維の原料としてなど1つ又は複数の目的のために、食品中に存在することができる。
【0018】
本発明の他の態様は、糖尿病を罹患する哺乳動物における血中グルコースを制御する方法である。その方法は、哺乳動物に種々の実施形態にある上記の食品を給餌することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の工程系統図である。
【図2】図2は、実施例3において使用された3種のデキストロース組成物中におけるある種の糖類の分布のグラフである。
【図3】図3は、実施例4において使用された出発原料中におけるある種の糖類の分布のグラフである。
【図4】図4は、実施例4において酵素処理により調製された製品中におけるある種の糖類の分布のグラフである。
【図5】図5は、実施例4において組成物が酵素で処理されたときの、マルトース及びイソマルトース濃度における経時変化のグラフである。
【図6】図6は、実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときの、マルトース濃度における変化のグラフである。
【図7】図7は、実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときの、イソマルトース濃度における変化のグラフである。
【図8】図8は、実施例4において組成物が酵素で処理されたときの、ある種の糖類の濃度における変化のグラフである。
【図9】図9は、実施例4において希釈された組成物が酵素で処理されたときの、ある種の糖類の濃度における変化のグラフである。
【図10】図10は、実施例5における酵素処理の結果としての、ある種の糖類の形成に対する温度の効果のグラフである。
【図11】図11は、実施例5における他の酵素処理の結果としての、ある種の糖類の形成に対する温度の効果のグラフである。
【図12】図12は、実施例6において、組成物が酸又は酵素により処理されたときの、糖類分布における変化を比較するグラフである。
【図13】図13は、実施例6において、酸で処理されたシロップの分析を示す。
【図14】図14は、実施例6において、酸で処理されたシロップのクロマトグラフ分析を示す。
【図15】図15は、本発明の組成物又はマルトデキストリンのいずれかを給餌された後の、イヌの血中グルコース濃度における変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一態様は、食物中における使用に適した遅消化性又は難消化性炭水化物組成物(例えば、糖オリゴマー組成物)を作製するプロセスである。
【0021】
インビトロ及びインビボ両方の試験を、ヒトにおける炭水化物消化の速度及び程度を見積もるために実施することができる。「Englystアッセイ」は、易消化性、遅消化性又は難消化性である炭水化物材料の量を見積もるために使用することができるインビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition (1992) Volume 46 (Suppl.2), pages S33~S50)。
【0022】
「食物」という用語は、本明細書において、飲料及び医薬用カプセル又は錠剤など、ヒトにより摂取され得る種々の物質を含む広い意味で使用されることは理解されるべきである。
【0023】
「オリゴ糖」及び「糖オリゴマー」という用語は、本明細書において、少なくとも2個の糖単位を含む糖、例えば約2〜30の重合度(「DP」)を有する糖類を指して使用される。例えば、二糖はDPが2である。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態において、水性仕込み組成物は、少なくとも1種の単糖及び少なくとも1種の線状糖オリゴマーを含み、各々の数種類を含むことができる。多くの場合、単糖類及びオリゴ糖は、乾燥固形分基準で仕込み組成物の少なくとも約70重量%を構成するであろう。所望のオリゴマーの収量を最大化するために、出発原料の単糖濃度が可能な限り高いことが、一般的に役立つ。固形分濃度が高いと、平衡が加水分解から縮合(復元)へ移動する傾向があり、それにより高分子量の生成物が生じる。それ故、出発原料の水含有率は比較的低いことが好ましい。例えば、ある実施形態において、仕込み組成物は少なくとも約75重量%の乾燥固形分を含む(「乾燥固形分」は、本明細書において時により「ds.」と略記される)。幾つかの場合、仕込み組成物は、約75〜90重量%の固形分を含み、それは室温で一般に粘稠なシロップ又は湿った粉末の外見を呈するであろう。
【0025】
適当な出発原料の例として、デキストロースグリーン(dextrose greens)シロップ(即ち、デキストロース一水和物の結晶化からの母液のリサイクルストリーム)、他のデキストロースシロップ、コーンシロップ、及びマルトデキストリン溶液などデンプンの加水分解により作製されるシロップが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
仕込み組成物がマルトデキストリンを含めば、プロセスは、マルトデキストリンを加水分解して加水分解された糖溶液を形成させるステップ、及び加水分解された糖溶液を少なくとも約70%乾燥固形分に濃縮して仕込み組成物を形成させるステップも、場合により含むことができる。濃縮するステップ及び仕込原料を触媒と接触させるステップは同時に行うことができ、又は濃縮を仕込み組成物と触媒との接触に先だって行うこともできる。
【0027】
仕込み組成物は、少なくとも1種の触媒と接触させられ、その時間は変化し得る。幾つかの場合、接触時間は少なくとも約5時間である。本発明の幾つかの実施形態において、仕込み組成物は、少なくとも1種の触媒と約15〜100時間の間接触させられる。他の実施形態においては、それより短い接触時間が、幾つかの場合には1時間未満でさえ、より高い温度で使用され得る。
【0028】
本発明の一実施形態において、非線状オリゴ糖を製造するために、酵素的復元が使用される。酵素は、例えば、α1−2、1−3、1−4、又は1−6グルコシル結合の切断速度を増大させて、デキストロース残留物を形成させるものであってよい。1つの適当な例は、グルコアミラーゼと呼ばれる市販の酵素組成物などのグルコアミラーゼ酵素組成物である。そのような組成物は、グルコアミラーゼ以外のある種の若干量の酵素を含み得ることが理解されるべきであり、また、実際に非線状オリゴ糖の所望の生成を触媒するのはグルコアミラーゼそのものであると決め込むべきではない。
【0029】
それ故、仕込み組成物は、グルコアミラーゼ又はデキストロースポリマーに作用する任意の他の酵素と接触させることができる。酵素の量は、仕込み組成物の約0.5〜2.5体積%で適当であり得る。プロセスの幾つかの実施形態において、仕込み組成物は、酵素と接触させる間約55〜75℃又は幾つかの場合には約60〜65℃に保たれる。この温度で、素材は、含水率に依存して、液体、又は液体と固体との混合物になる。場合により、酵素を分布させるために、反応混合物を混合又は攪拌することができる。反応混合物は、非線状オリゴマーへの所望の復元度を達成するのに必要な時間、所望の温度に保たれる。プロセスの幾つかの実施形態において、仕込み組成物は、酵素と約20〜100時間、又は幾つかの場合には約50〜100時間、接触させた後に酵素を不活性化する。グルコアミラーゼを不活性化する技法は、当技術分野において周知である。別の方法では、酵素を不活性化しないで、それを膜濾過により分離してリサイクルすることができる。
【0030】
生じた組成物は、イソマルトースなどの非線状オリゴ糖の濃度が高い。この生成組成物は、線状糖オリゴマーより高い濃度の非線状糖オリゴマーを含有する。幾つかの場合、最終組成物中の非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度の少なくとも2倍の高さである。
【0031】
消化管の酵素は、デキストロース単位がα(1→4)結合している(「線状」結合)炭水化物を、容易に認識して消化する。これらの結合を別の結合(例えば、α(1→3)、α(1→6)(「非線状」結合)、又はβ結合)で置き換えると、胃腸酵素が該炭水化物を消化する能力は大きく減少する。このことは、大部分の炭水化物は変化せずに小腸中まで通過することを可能にするであろう。
【0032】
幾つかの場合、生成組成物は、少量(即ち、乾燥固形分基準で50wt%未満、通常はそれよりはるかに低い濃度)の残留単糖類を含む。プロセスは、残留単糖類の少なくとも一部(及び場合により他の種も同様に)を、生成組成物から、膜濾過、クロマトグラフ分別、又は発酵による消化により除去する追加のステップを含むことができる。分離された単糖類は、例えば、デキストロース又はコーンシロップの製造のために、他のプロセスストリームと組み合わせることができる。あるいは、分離された単糖類は、仕込み組成物中にリサイクルすることができる。
【0033】
本発明の他の実施形態は、単糖類の酸による復元を含むプロセスである。出発原料は、酵素方式のプロセスについて上で述べたものと同じである。塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せなど種々の酸を使用することができる。プロセスの幾つかの実施形態において、酸は、仕込み組成物のpHを約4以下にするのに十分な量で、又は幾つかの場合には、仕込み組成物のpHを約1.0〜2.5、若しくは約1.5〜2.0にするのに十分な量で、仕込み組成物に添加される。幾つかの実施形態において、仕込み組成物の固形分濃度は、約70〜90%であり、仕込原料に添加される酸の量はシロップの乾燥固形分に対する純粋の酸として約0.05%〜0.25%(w/w)であり、仕込み組成物は、酸と接触している間、約70〜90℃の温度に保たれる。酵素方式のプロセスにおけるように、反応条件は、所望のオリゴマーを製造するのに十分な時間保たれ、それは、プロセスの幾つかの実施形態において、約4〜24時間である。
【0034】
1つの特別な実施形態において、仕込み組成物の固形分濃度は少なくとも約80重量%であり、酸は、仕込み組成物に、組成物のpHを約1.8にするのに十分な量で添加され、仕込み組成物は、酸と接触した後、少なくとも約80℃の温度に約4〜24時間保たれる。
【0035】
もう一つの特別な実施形態において、仕込み組成物の固形分濃度は、約90〜100重量%であり、仕込み組成物は、酸と接触した後、少なくとも約149℃(300°F)の温度に約0.1〜15分間保たれる。仕込原料を処理するために使用される酸は、リン酸と塩酸との組合せであってよい(上で論じたのと同じ濃度で)。1つの特殊な実施形態において、仕込み組成物と酸との接触は、連続式パイプ/流通反応器中で起こる。
【0036】
デンプン中で断然最も多いグリコシド結合は、α−1,4結合であり、これはデンプンの酸加水分解中に最も普通に切断される結合である。しかし、酸で触媒される復元(縮合)は、任意の2個のヒドロキシル基の間で起こり得るので、非常に多様な組合せ及び幾何学的配置が可能であれば、α−1,4結合が形成される確率は比較的小さい。ヒトの消化系は、デンプン及びコーンシロップのα−1,4結合を容易に消化するαアミラーゼを含む。これらの結合を消化系の酵素により認識されない結合と置き換えれば、大部分の生成物は変化せずに小腸に通過することが可能になるであろう。
【0037】
酸処理から生ずる糖類分布は、酵素処理からとは幾分異なると考えられる。酸触媒縮合生成物は、酵素触媒生成物よりも、ヒトの腸中の酵素により認識され難く、それ故消化され難いであろうと考えられる。
【0038】
酸処理の進行は、酵素処理と異なる。酵素は、線状オリゴマーを急速に加水分解して、非線状オリゴマーをゆっくりと形成させるが、それに対して、酸では、線状オリゴマーの減少と非線状オリゴマーの増大とが同様な速度で起こる。デキストロースは、オリゴマーの酵素加水分解により急速に形成され、非線状縮合生成物が形成されるのにつれて緩やかに消費されるが、それに対して酸では、デキストロース濃度は緩やかに増大する。
【0039】
場合により、酵素又は酸による復元後、続いて水素化することができる。水素化された生成物は、現在入手可能な水素化されたデンプン加水分解物よりカロリー含有量が低いはずである。一実施形態において、水素化は、そのデキストロース当量(DE)を実質的に変化させずに、生成組成物を脱色するために使用することができる。
【0040】
プロセスの1方式において、酵素及び酸は、任意の順で連続的に使用することができる。例えば、最初の処理で使用される少なくとも1種の触媒は、酵素であってよく、それに続いて生成組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酸と接触させることができる。別の方法では、最初の処理で使用される少なくとも1種の触媒は酸であってよく、それに続いて、生成組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素と接触させることができる。
【0041】
酸処理が最初に行われて酵素処理が続くプロセスの実施形態において、酸はリン酸、塩酸、又はそれらの組合せであってよい。この実施形態においては、酵素との接触後、組成物をイオン交換樹脂と接触させることができる。イオン交換樹脂との接触後、重合度が少なくとも3である糖オリゴマーの組成物の濃度は、乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%であり得る。
【0042】
酸、酵素又は両方を用いる処理により製造される生成組成物は、非線状糖オリゴマーの濃度が、乾燥固形分基準で増大している。幾つかの場合、生成組成物中における、重合度が少なくとも3(DP3+)である、非線状糖オリゴマーの濃度は、乾燥固形分基準で、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、又は少なくとも約50重量%である。幾つかの実施形態において、生成組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度の少なくとも2倍の高さである。
【0043】
1つの特別な実施形態において、生成組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は、乾燥固形分基準で、少なくとも約90重量%であり、イソマルトースの濃度は乾燥固形分基準で少なくとも約70重量%である。
【0044】
生成組成物は、しばしば若干量(通常、乾燥固形分基準で50重量%未満、多くの場合、それよりはるかに小さい)の残留単糖類を含有する。場合により、残留単糖類(及び他の種)の少なくとも一部は、オリゴマーから分離することができ(例えば、膜濾過、クロマトグラフ分離、又は発酵による消化により)、単糖類ストリームはプロセス仕込原料中にリサイクルすることができる。このようにして、単なる糖シロップを、高価値の食品添加剤に変換することができる
【0045】
本明細書に記載したプロセスにより製造される、オリゴマーに富むシロップは、食物繊維を増大させるために食物中で使用することができる。シロップは、低粘度及び低血糖指数の両方を有する、天然に生ずるオリゴ糖を含有する。これらのオリゴマーの多くは、少なくとも1つの非α−1,4結合を含むであろう。それらは、大腸中における発酵性が高いはずであり、そのことがプレバイオティクスとしてそれらに健康上の利益を付加する。本発明の幾つかの実施形態において、乾燥固形分基準で生成組成物の少なくとも約50重量%は遅消化性である。
【0046】
食物繊維としてオリゴ糖の有益な効果は、十分に文献に書かれている。小腸中で難消化性だが大腸中で発酵可能な糖オリゴマーは、コレステロールを低下させる、血中デキストロースを減少させる、及び胃腸の健康を維持するなど、幾つかの有益な効果を有することが示されている。
【0047】
一実施形態において、生成物は、線状及び非線状糖オリゴマーを含む炭水化物組成物であり、乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ約25〜65のデキストロース当量(DE)を有する。繊維含有量は、AOAC公認法 2001.03により測定することができる。
【0048】
この実施形態において、生成物は、中間的な繊維含有量(即ち、従来のコーンシロップより高いが、本明細書に記載した本発明の組成物の幾つかより低い)を有することができる。仕込原料がコーン由来であるとき、生成物は、コーンシロップ繊維(CSF)と称することができる。一実施形態において、CSF製品は乾燥固形分基準で約30〜40重量%の繊維を含有し、カロリー値は約2.5〜3.5kcal/gである。本発明者らは、繊維が35%のCSFは3kcal/gのカロリー含有量になると見積もっており、それは、2kcal/gの高繊維難消化性コーンシロップと4kcal/gの通常の消化性炭水化物との間の中間である。これは、在来の糖及びデンプンと比較して、25%のカロリー削減を示す。
【0049】
一実施形態において、この製品を製造するためのプロセスは、(1)少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、且つ少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱するステップ、及び(2)仕込み組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒と、非線状糖オリゴマーの形成を惹起するのに十分な時間接触させるステップを含み、このプロセスにおいて、(a)乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ(b)約25〜65のデキストロース当量を有する生成組成物が製造される。
【0050】
触媒は、酸(クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せなど)、酵素、又は酸と酵素との両方の組合せであってよい。触媒は処理中に加えることができる。別の方法では、状況によっては、前の工程の結果として仕込原料中に存在する、十分な残留触媒(例えば、食品グレードの酸)があり得て、その結果、それ以上の触媒を加える必要がない。したがって、一実施形態において、CSFを製造するプロセスは、単に加熱するステップを含み、場合により食品グレードの酸を追加する。このプロセスは、容易に実行することができて、既存のコーンシロップ精製作業中に統合することができる。
【0051】
本発明者らは、この「直接復元」CSF生成物の繊維分画は、高繊維で難消化性のコーンシロップ(RCS)の繊維分画よりも、分子量が低く、複雑でない分岐を有し、且つ結腸の微生物叢により容易に発酵され得るであろうと期待する。CSF生成物のDEは、市販のコーンシロップ製品のDEと合致することを目標とすることができる。例えば、DEが26、35、43及び63におよそ等しいCSF生成物は、Staley200、Staley300、Staley1300及びSweetose4300という在来のコーンシロップと、それぞれ好一対である。
【0052】
別の方法で、生成物を、従来のコーンシロップ(繊維が少ししか又は全くない)を難消化性コーンシロップ(繊維含有量が、例えば約70%以上)とブレンドすることにより調製することができる。他のコーン以外の穀物に由来するシロップも使用することができる。
【0053】
上記の製品は、本特許公開の他の部分でより詳細に説明される食品中の材料として、使用することができる。この製品は1つ又は複数の利益を有することができる。例えば、それは、コーンシロップのカロリー含有量を低下させて、食物繊維含有量を増大させることができる。それは食物中の在来のコーンシロップに対する「差し込み式」代替物として役立つことができる。それは高レベルのコーンシロップを使用する製品中における適切な繊維の投入を提供することができる。またそれは食物中の繊維補完に対する、より経済的な手法を提供することができる。
【0054】
図1は、上記の復元技法を使用することができるプロセスの一実施形態を示す。該プロセスは、デンプン、例えば植物性デンプンで開始することができる。従来のコーンスターチは1つの適当な例である。一般的に、プロセスは、出発原料のデンプンが比較的高純度であれば、より効率的に稼動するであろう。一実施形態において、高純度デンプンは、タンパク質含有率が、乾燥固形分基準で0.5%未満である。以下の議論の一部はコーンに焦点を当てているが、本発明が、他の原料、とりわけジャガイモ及び小麦などに由来するデンプンにも適用可能であることは理解されるべきである。
【0055】
図1に示すように、デンプン10は、それに酸12を加えておくことができ、次にデンプン顆粒がスチームと接触するスターチクッカー(starch cooker)中、例えばジェットクッカー中で糊化することができる(14)。プロセスの1方式では、デンプンスラリーは、硫酸添加によりpHを目標の3.5に調節し、ジェットクッカー中でスチームと急速に混合し、終点近くのラインで149から152℃(300から305°F)に4分間保つ。糊化されたデンプン16は、ジェットクッキング中に高温で酸に曝すことにより加水分解される(18)。加水分解は、デンプンの分子量を低下させ、且つ組成物中における単糖類及びオリゴ糖のパーセンテージを増大させる(上記のように、「オリゴ糖」という用語は、本明細書においては、少なくとも2個の糖単位、例えば重合度(DP)が約2〜30である糖類を含む糖類を指して使用される)。炭酸ナトリウムなど中和剤20を、酸加水分解を停止させるために使用することができ、次に組成物を加水分解酵素22と接触させることにより、さらに解重合することができる(24)。適当な酵素は、Novozymesから入手できるTermamylなどのαアミラーゼを含む。この酵素的加水分解は、組成物中に存在する単糖類及びオリゴ糖のパーセンテージをさらに増大させる。酸及び酵素処理による全体的結果は、デンプンを糖化することである。糖化された組成物は、異性化することができて、単糖プロファイルを変化させ、例えばフルクトース濃度を増大させる。
【0056】
糖化された組成物26は、次に例えばクロマトグラフ分別28により精製することができる。連続式疑似移動床(SSMB)クロマトグラフィ手順を使用する一実施形態において、混合された糖類の溶液は、樹脂ビーズを充填されたカラムを通して送液される。樹脂の化学的性質に依存して、糖類の一部は、樹脂とより強く相互作用して、樹脂とより弱く相互作用する糖類と比較して、樹脂を通る流れが遅くなる。この分別は、デキストロース及びフルクトースなど単糖類の含有率が高い1つのストリーム30を生じさせ得る。高フルクトースコーンシロップは、そのようなストリームの例である。分別は、オリゴ糖の濃度が比較的高く(例えば、乾燥固形分基準(d.s.b.)で約5〜15%のオリゴ糖)、より低濃度のデキストロース及びフルクトースなどの単糖類も含有するラフィネートストリーム32(即ち、樹脂床を通してより速く移動する成分)も生じさせる。「ストリーム」という用語は、本明細書において、プロセスのある部分を記述するために使用されるが、本発明のプロセスが連続稼動に限定されないことは理解されるべきである。プロセスは、バッチ又はセミバッチ方式においても実施することができる。
【0057】
ラフィネート32は、膜濾過34により、例えばナノ濾過により、場合により透析濾過も用いて、さらに分別することができる。例えば、これらの濾過ステップは、Desal DK螺旋状ナノ濾過カートリッジを約500psiの圧力及び摂氏40〜60度の温度で使用して、実施することができる。ステップ34に記載した分別は、連続式疑似移動床クロマトグラフィ(SSMB)により達成することもできる。膜濾過は、主として単糖類を含む透過液36(即ち、膜を通過する成分)及び主としてオリゴ糖を含む濃縮水38(即ち、膜により拒絶される成分)を生ずる(本明細書において使用する「主として」は、組成物が乾燥固形分基準で任意の他の成分よりも記載した成分を多く含有することを意味する)。透過液36は、モノマーストリーム30(例えば、高フルクトースコーンシロップ)と合わせることができる。透過液は、単糖類に富むストリームであり、濃縮水はオリゴ糖に富むストリームである。換言すれば、ナノ濾過は、ナノ濾過に仕込む原料に比較して、濃縮水中にオリゴ糖を、及び透過液中に単糖類を濃縮する。
【0058】
オリゴ糖シロップ40と記載することができる濃縮水38は、遅消化性のオリゴ糖(例えば、少なくとも約50重量%d.s.b.、又は幾つかの場合には少なくとも約90%)の十分高い含有量を有することができ、その結果、それは、乾燥するか又は単に蒸発させて濃縮シロップとして、食物中の材料として使用することができる。しかしながら、多くの場合、この組成物をさらに処理して精製することは有用であろう。そのような精製は、以下のステップの1つ又は複数を含むことができる(図1は、4つのそのような精製ステップ42、44、46、及び48を選択肢として示すが、これらのステップの2つ又は3つをプロセスで使用することができることは理解されるべきである)。
【0059】
オリゴマーシロップ40は、フルクトース及びデキストロースなど残留単糖類の少なくとも一部を除去するために、膜濾過などもう一度の分別42、例えば2度目のナノ濾過にかけることができる。適当なナノ濾過条件及び設備は上記の通りである。このナノ濾過は、単糖に富む第2のストリームである透過液を生じ、それはモノマーストリーム30と合わせることができる。あるいは、クロマトグラフ分離により、例えば、疑似移動床クロマトグラフィにより、さらなる分別42を行うことができる。
【0060】
シロップ41は、デキストロースイソメラーゼなどの酵素と接触させることにより、異性化することができる(44)。これは、存在する残留デキストロースの少なくとも一部をフルクトースに変換し、それはある状況においては、より価値が上がることもありうる。
【0061】
上記のように、シロップを、酵素又は酸で処理して、復元又は再重合46を惹起することができ、そこで、まだ存在する単糖類の少なくとも一部は他の単糖類又はオリゴ糖に共有結合で結合し、それによりシロップの残留モノマー含有量をさらに減少させることさえできる。このステップにおける使用に適した酵素には、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、及びプルラナーゼなどのグルコシダーゼが含まれる。セルラーゼ酵素は、幾つかの用途にとって価値のある復元生成物を生成させることができる。
【0062】
シロップは水素化して(48)、任意の残留単糖類の少なくとも一部を対応するアルコールに変換することができる(例えば、デキストロースをソルビトールに変換する)。水素化がプロセス中に含まれるとき、それは、通常(必ずではないが)最後の精製ステップであろう。
【0063】
上記の精製ステップの1つ又は複数により生じた精製オリゴマーシロップ49は、次に、脱色することができる(50)。脱色は、例えば活性炭処理とそれに続くミクロ濾過により行うことができる。連続式流動系において、シロップストリームは、顆粒状活性炭で充填されたカラムを通して送液され、脱色を達成することができる。脱色されたオリゴマーシロップは、次に例えば約70%を超える乾燥固形分(d.s.)に蒸発することができ(52)、高含有量のオリゴ糖(例えば、90wt%d.s.b.を超え、幾つかの場合、95%を超える)、及び相対的に低い含有量の単糖類を含む生成物を生ずる。生成物は、完全に不消化性でないとしても、ヒトにより徐々に又は不完全に消化される複数の糖類を含む。これらの糖は、イソマルトース、パノース及び4以上の重合度を有する分岐オリゴマーを含み得る。
【0064】
プロセス条件は、モノマーに富むストリーム(30、36)又はオリゴマー生成物ストリームのいずれかの仕込原料中のマルトースの大部分を回収するように改良することができる。例えば、500psi未満の圧で機能するDesal DLなどの僅かに大きい開口径のナノ濾過膜は、モノマーに富むストリーム中のマルトース量を増大させるために使用することができる
【0065】
生成物は、食物の材料として適当であり、ヒト消化系による消化に対して遅消化性又は難消化性である。上記のように、生成物の幾つかの成分は、ヒトの胃及び小腸において実質的に完全に不消化性であり得る。幾つかの実施形態において、生成物は使用されるデンプンの原料に応じて、コーンシロップ又は小麦シロップとして分類することができ、これらの用語が食品表示として使用される。ナノ濾過において、より大きい開口径を使用する場合には、マルトデキストリンと分類される、より高い分子量のオリゴマーシロップ生成物を得ることができる。
【0066】
プロセスにより製造されるオリゴ糖含有シロップは、従来の炭水化物の代替物又は補完物として食物に添加することができる。したがって、本発明の他の態様は、乾燥固形分基準で多量の線状及び非線状糖オリゴマーを含み、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度を超える炭水化物組成物を含む食品である。シロップが使用され得る食物の具体例には、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷凍デザート、揚げ物、パスタ製品、ポテト製品、米製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、硬いキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル、及び飲料などの加工食品が挙げられる。オリゴ糖シロップを含有する食品は、コーンスターチなどの従来の炭水化物が使用される類似の食品よりも、低い血糖反応、低い血糖指数、及び低い血糖負荷を有するであろう。さらに、オリゴ糖の少なくとも一部は、ヒトの胃又は小腸において非常に限られた程度にしか消化されないか又は全く消化されないかのいずれかであるので、食品のカロリー含有量は低下する。シロップは可溶性食物繊維の原料でもある。
【0067】
上記の難消化性オリゴマーシロップは、食品中の材料として、シロップのまま使用することができるか、又は最初に濃縮してシロップ固形分を形成することができる。いずれの形態においても、それは多くの方法で使用することができる。上記のように、このシロップは、コーンなどの種々のデンプン原料から得ることができる。本特許における幾つかの場合に、「難消化性コーンシロップ」(digestion-resistant corn syrup又はresistant corn syrup)(「RCS」と略記することもある)という語句が使用されるが、本発明が、コーン由来のシロップ又はシロップ固形分に限定されると解釈されるべきではない。
【0068】
難消化性オリゴマーシロップは、可溶性繊維の原料として、食品に添加することができる。それは、風味、口当たり、又は食感に対して否定的な影響を有することなく、食品の繊維含有量を増大させることができる。
【0069】
難消化性オリゴマーシロップの機能性は、コーンシロップ及び蔗糖に類似しており、そのため、それは、食品中の種々の栄養素甘味料の完全な又は部分的な置き換えに適したものになる。例えば、難消化性シロップは、食品中において、スクロース、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)、フルクトース、デキストロース、普通のコーンシロップ、又はコーンシロップ固形分の完全な又は部分的な置き換えのために使用することができる。1つの特別な例として、難消化性シロップ又は難消化性シロップ固形分は、1:1の基準で、他の固形甘味料を置き換えるために使用することができて、固形蔗糖の完全な置き換えまでできる。固形甘味料置き換えレベルが高くなると、食品の甘味は低下し得るが、口当たり及び風味の発散は実質的に同じままで、一方、蔗糖及びカロリー含有量は低下する。また、難消化性シロップは、食物調合において、脂肪、小麦粉、又は他の材料を置き換える増量剤として使用することができる。あるいは、難消化性シロップは、スクロース、HFCS、又はフルクトースなどの甘味料と組み合わせて、食品中で使用することができ、食品の全体的甘味に変化を生じない。他の例として、難消化性シロップは、スクラロース又は他の高強度甘味料と組み合わせて、食品中で使用することができ、それは、食品の甘味又は口当たりに変化のない、甘味料の置き換えを可能にする。
【0070】
難消化性オリゴマーシロップは、難消化性デンプン、ポリデキストロース、又は他の繊維原料と組み合わせて食品中で使用することができて、食品の繊維含有量を増加させ、食品の消費による生理学的利益を増大させ、カロリー含有量を低下させ、及び/又は製品の栄養学的側面を強化する。
【0071】
難消化性オリゴマーシロップは、糖アルコール又はマルトデキストリンなどの増量剤と組み合わせて食品中で使用することができて、カロリー含有量を低下させ、及び/又は食品の栄養学的側面を強化する。シロップは、食品中の脂肪の部分的置き換えとして使用することもできる。
【0072】
難消化性オリゴマーシロップは、食品中で軟化剤又は結着剤として使用することができて、歯切れのよさ又は噛み応えを向上させ、見栄えを改善し、及び/又は生地、パン生地若しくは他の食物組成物の流動性を改善する。シロップは、保湿剤として食品中で使用することもできて、製品の寿命を延長し、及び/又は柔らかい、しっとりした食感を生ずる。それは、食品中において、水の活性を減少させ又は水を固定化して制御するために使用することもできる。シロップのさらなる用途には、溶き卵の置き換え、及び/又は食品表面の艶の増強、小麦粉デンプン糊化温度の変更、食品の食感の改善、並びに食品の色づけの増強が含まれる。
【0073】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態において、難消化性オリゴマーシロップは、以下の利点の1つ又は複数を有する。生地及び生パンなどの食物組成物中に組み込むことを比較的容易にする高い溶解性;昇温下及び/又は酸性pHの下における安定性(イヌリンなど幾つかの他の可溶性繊維は、それほど安定ではない)、低い甘味、爽やかな風味及び透明色。シロップの特性は、それが使用される食品がクリーンラベル(clean, label)を有することを可能にする。本発明の幾つかの実施形態において、難消化性オリゴマーシロップは、グラム当たり約2カロリー(d.s.b.)を含み、それは、食品の合計カロリー含有量を減少させることができる。
【0074】
本発明の難消化性オリゴマーシロップは、種々のタイプの食品中で使用することができる。シロップが非常に有用であり得る食品の1つのタイプは、ケーキ、ナッツ入りチョコレートケーキ、クッキー、クリスプクッキー、マフィン、パン、及びスイートドウ(sweet doughs)などベーカリー製品(即ち、オーブンで焼かれた食物)である。従来のベーカリー製品は、蔗糖が比較的高く且つ合計炭水化物が高くなり得る。難消化性シロップのベーカリー製品中の材料としての使用は、ベーカリー製品の繊維含有量を増大させながら、蔗糖及び炭水化物のレベルを低下させ、同様に合計カロリーを減少させることに役立ち得る。
【0075】
ベーカリー製品の2つの主なカテゴリーがある。即ち、酵母で膨らませたもの及び化学的に膨らませたものである。ドーナツ、スイートドウ、及びパンのような酵母でふくらませた製品においては、糖を置き換えるために、難消化性オリゴマーシロップを使用することはできるが、少量の蔗糖が、酵母のための発酵基質のため又はパンの皮の褐色化のための必要から、やはり望ましいことがある。難消化性オリゴマーシロップ固形分(例えば、難消化性コーンシロップ固形分)は、栄養素の乾燥甘味料と同様な方法で、他の乾燥材料と共に添加することができ、特別な取り扱いは必要ないであろう。難消化性コーンシロップは、シロップ又は液体甘味料の直接の代替物として、他の液体と共に添加することができる。次に、生パンは、混合され、発酵され、分割され、成形され、又はローフ型若しくは菓子型中に押し出され、膨らまされ、及び焼かれ若しくは揚げられることを含む、パン・菓子製造業において普通使用される条件で加工される。製品は、在来の製品と同様な条件を使用して、焼き又は揚げることができる。パンは、通常420°Fから520°Fの範囲の温度で20から23分間焼かれ、ドーナツは400〜415°Fの範囲の温度で揚げることができるが、他の温度及び時間も使用することができる。高強度甘味料は、最適甘味及び風味プロファイルを得るために必要なだけ、生パンに添加することができる。
【0076】
化学的に膨らまされた製品は、通常、より多くの蔗糖を含み、高レベルの難消化性コーンシロップ/シロップ固形分を含むことができる。完成したクッキーは、30%の蔗糖を含有することができ、それは難消化性コーンシロップ/シロップ固形分で、完全に又は部分的に置き換えることができる。これらの製品は、例えば4〜9.5のpHを有することができる。水分含有量は、例えば2〜40%の間であることができる。
【0077】
難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、容易に組み込まれ、クリーム状にする段階の混合の初期に、又は置き換えの対象のシロップ若しくは乾燥甘味料と同様の任意の方法で、脂肪に添加することができる。生成物は、混合されて、次に、例えば、シートにされ、回転カットされ、ワイヤカットされることにより、又は他の成形プロセスにより成形される。次に、製品は通常の焼成条件、例えば200〜450°Fで焼かれる。
【0078】
焼成
難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、非晶質状態で糖ガラスを形成して、焼かれた商品に粒子を付着させるために、及び/又は焼かれた商品の見栄えをよくする膜若しくは被覆物を形成するために使用することもできる。他の非晶質の糖のように、難消化性コーンシロップ固形分は、加熱と、それに続くそれらのガラス転位温度未満の温度への冷却で、ガラスを形成する。
【0079】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、朝食用シリアルである。例えば、本発明による難消化性コーンシロップは、押し出されたシリアル片中及び/又はこれらの断片の外側の被覆中の蔗糖の全部若しくは一部を置き換えるために使用することができる。被覆物は、完成したシリアル片の合計重量の通常30〜60%である。シロップは、例えば、噴霧又は振りかけで適用することができる。被覆物のための調合物は、難消化性コーンシロップの75%溶液のような単純なものであってよい。難消化性コーンシロップは、蔗糖と種々のパーセンテージで、又は他の甘味料又はポリオールとブレンドすることもできる。次に、余分の水分は、低熱オーブン中で蒸発させることができる。押し出された断片においては、難消化性コーンシロップ固形分を、乾燥材料と共に直接添加するか、又はシロップ形態を計量して水と共に又は別々に押し出し機中に入れることができる。少量の水は、エクストルーダ中に添加することができ、次にそれは100°Fから300°Fの範囲の種々の区域を通過することができる。場合により、難消化性デンプンなど繊維の他の原料を、押し出された断片中で使用することができる。難消化性コーンシロップの使用は、他の繊維原料と異なる食感を創り出す。それを単独で使用するか又は他の繊維と組み合わせて使用するかにより、食感を変化させて製品の多様性を創り出すことができる。
【0080】
該シロップを使用することができる他のタイプの食品は、乳製品である。該シロップを使用することができる乳製品の例には、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、乳飲料、フレーバーミルク、スムージー(smoothies)、アイスクリーム、ミルクセーキ、コテージチーズ、コテージチーズドレッシング、並びにクワルグ(quarg)及びホイップムースタイプ製品などの乳製品デザートが挙げられる。これは、そのまま消費されることを想定した乳製品(例えば、パックされたスムージー)並びに他の材料とブレンドされることを想定したもの(例えば、ブレンドされたスムージー)を含む。それは殺菌された乳製品中で、例えば160°Fから285°Fの温度で殺菌されたものなどで、使用することができる。乳製品の糖の完全な置き換えが可能である(それは全調合物の24%までになり得る)。難消化性コーンシロップは、酸性のpHで一般的に安定である(乳製品飲料のpH範囲は通常2〜8である)。
【0081】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は菓子である。シロップを使用することができる菓子の例として、硬いキャンディ、フォンダン、ヌガー及びマシュマロ、ゼラチンゼリーキャンディ又はグミ、ゼリー、チョコレート、リコリス、チューインガム、キャラメル及びタフィー、ガム、ミント、錠剤糖菓、及びフルーツスナックが挙げられる。フルーツスナックにおいて、難消化性コーンシロップは、果汁と組み合わせて使用することができる。果汁は、甘味の大部分を供給し、難消化性コーンシロップは合計蔗糖含有量を減少させ且つ繊維を加える。シロップは、初期キャンディスラリーに添加し、加熱して、完成固形分含有量にすることができる。スラリーは、200〜305°Fに加熱して完成固形分含有量を得ることができる。酸は、加熱の前又は後に加えることができて、完成時のpHを2〜7にする。難消化性コーンシロップは、存在する蔗糖の0〜100%及びコーンシロップ又は他の甘味料の1〜100%の代替物として使用することができる。
【0082】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、ジャム及びゼリーである。ジャム及びゼリーは、果実から製造される。ジャムは果実片を含み、一方ゼリーは果汁から製造される。難消化性コーンシロップは、以下のようにして、蔗糖又は他の甘味料の代わりに使用することができる。果実及びジュースを秤量してタンクに入れる。蔗糖、難消化性コーンシロップ及びペクチンを予備混合する。乾燥組成物をその液体に加え、煮て温度を214〜220°Fにする。熱いままジャーに充填して5〜30分間殺菌する。
【0083】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は飲料である。それを使用することができる飲料の例として、炭酸飲料、果汁、濃縮ミックスジュース(例えば、マルガリータミックス)、清水、及び乾燥飲料ミックスが挙げられる。本発明の難消化性コーンシロップの使用は、多くの場合、他のタイプの繊維が飲料に添加されたときに生ずる透明性の問題が克服される。糖の完全な置き換えは可能である(それは、例えば、全調合物の12%までになり得る)。該シロップは酸性pHにおいての安定なので、例えばpHが2〜7の範囲の飲料で使用することができる。難消化性コーンシロップは、低温加工飲料及び殺菌飲料中で使用することができる。
【0084】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、高固形分充填物である。シロップを使用することができる高固形分充填物の例として、スナックバー、トースターペストリー、ドーナツ、及びクッキーにおける充填物が挙げられる。高固形分充填物は、例えば、酸味のある物/フルーツ充填物又はセイボリー(savory)充填物であり得る。シロップは、そのまま消費される製品、又は食品加工業者(追加のベーキング)若しくは消費者(安定な充填物を焼く)によってさらなる加工を受ける製品に添加することができる。本発明の幾つかの実施形態において、高固形分充填物の固形分濃度は67〜90%の間である。固形物は難消化性コーンシロップで全部置き換えることができ、又は難消化性コーンシロップは存在する他の固形甘味料の部分的置き換えに使用することができる(例えば、現用の固形物の5〜100%を置き換え)。通常、フルーツ充填物のpHは2〜6であり、一方、セイボリー充填物はpH4〜8の間であろう。充填物は、低温で調製するか、又は最高250°Fに加熱して所望の完成時固形分含有量まで蒸発させることができる。
【0085】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、押し出されて板状になったスナックである。シロップを使用することができる、押し出されて延べられたスナックの例として、パフスナック、クラッカー、トルティーヤチップ、及びコーンチップが挙げられる。押し出された断片の調製において、難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、乾燥製品と共に直接加えられる。少量の水がエクストルーダに加えられ、次にそれは100°Fから300°Fの範囲の種々の区域を通過する。この乾燥難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、乾燥製品混合物の0〜50%のレベルで添加することができる。液状難消化性コーンシロップは、エクストルーダに沿った液体導入口の1つに加えることもできる。生成物は、低水分含有量(5%)で出てきて、次に、過剰の水分を除去するために焼かれるか、又はやや高い水分含有量(10%)で出てきて、次に水分を除去するために揚げられ、調理が終わって製品になる。ベーキングは、500°Fまでの温度、20分間で行われる。ベーキングは、より典型的には350°F、10分間で行われる。フライ揚げは、典型的には350°F、2〜5分間で行われる。薄板にしたスナックにおいて、難消化性コーンシロップ固形分は、他の乾燥材料(例えば、小麦粉)の部分的代替物として使用することができる。それは、乾燥重量の0〜50%にすることができる。生成物は、乾燥状態で混合されて、それから水を添加されて粘着性の生地を形成する。生成物ミックスのpHは5から8である。次に、生パンを延べてカットし、それから焼くか又は揚げる。ベーキングは、500°Fまでの温度、20分間で行うことができる。フライ揚げは、典型的には350°F、2〜5分間で行われる。難消化性コーンシロップの使用による他の可能性のある利益は、それが内蔵材料として、又は揚げた食物の外側の被覆として加えられたときの、揚げたスナックの脂肪含有量の15%もの削減である、
【0086】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、ゼラチンデザートである。ゼラチンデザートの材料は、ゲル化剤としてのゼラチンとの乾燥ミックスとして売られていることが多い。固形蔗糖は、乾燥ミックス中で、難消化性コーンシロップ固形分によって、部分的に又は全体的に置き換えることができる。次に、乾燥ミックスを、水と混合し、212°Fに加熱してゼラチンを溶解し、それから追加の水及び/又は果物を加えて、ゼラチンデザートを完成することができる。次に、ゼラチンを放冷して固める。ゼラチンは、長期保存できるパックで売ることもできる。その場合、安定剤は、通常、カラギナン系である。上で述べたように、難消化性コーンシロップは、他の固形甘味料を100%まで置き換えることができる。乾燥材料は、液体中に混合されて、次に殺菌され、カップ中に入れられ、放冷されて固められる。カップは、通常、箔の蓋を有する。
【0087】
シロップを使用することができる他のタイプ食品は、スナックバーである。それを使用することができるスナックバーの例として、朝食及び食事代替バー、栄養バー、グラノーラバー、タンパク質バー、及びシリアルバーが挙げられる。それは、高固形分充填物、結合シロップ又は微粒子部分でなど、スナックバーの任意の部分で使用することができる。結合シロップ中の蔗糖は、難消化性コーンシロップを用いて完全な又は部分的な置き換えが可能である。結合シロップの固形分は、通常50〜90%であり、結合シロップ10%対微粒子90%から結合シロップ70%対微粒子30%の範囲の比で適用される。結合シロップは、甘味料、増量剤及び他の結合剤(デンプンのような)の溶液を160〜230°Fに加熱することにより作製される(シロップに必要な最終固形分に依存する)。次に、シロップは微粒子と混合されて微粒子を被覆し、その基材全体に被覆物を提供する。難消化性コーンシロップは、微粒子自体の中においても使用することができる。これは直接膨張させられたか又は吹き出された、押し出し断片であってもよい。それは、他の穀粒材料、コーンミール、米粉又は他の類似の材料との組合せで使用することができる。
【0088】
シロップを使用することができる他のタイプ食品は、チーズ、チーズソース、及び他のチーズ製品である。それを使用することができるチーズ、チーズソース、及び他のチーズ製品の例として、低乳固形チーズ、低脂肪チーズ、及び低カロリーチーズが挙げられる。固形チーズにおいてシロップは、溶融特性を向上させること、又はデンプンなど他の材料により加えられた溶融制限効果を減少させることに役立ち得る。それは、チーズソース中で、例えば増量剤として使用して、脂肪、固形乳又は他の通常の増量剤を置き換えることもできる。
【0089】
シロップ/シロップ固形分中で使用することができる他のタイプの食品は、食用及び/又は水溶性のフィルムである。それを入れて使用することができるフィルムの例として、水に溶解されることが意図されている、種々の食物及び飲料のための、乾燥ミックスを封入するために使用されるフィルム、又は調理後まだ熱いうちに食物に加えられるスパイスフィルムなど、色素若しくは香料を送達するために使用されるフィルムが挙げられる。他のフィルム用途は、フルーツ及びベジタブルレザー、及び他の柔軟性のフィルムを含むが、これらに限定されない。
【0090】
該シロップを使用することができる他のタイプ食品は、スープ、シロップ、ソース、及びドレッシングである。典型的ドレッシングは0〜50%が油であってよく、pH範囲は2〜7である。それは、冷加工又は熱加工することができる。それは、混合されてから安定剤が添加される。難消化性コーンシロップは、必要とされる他の材料と共に液体又は乾燥形態で、容易に添加することができる。ドレッシング組成物は、安定剤を活性化するために加熱される必要があることがある。典型的加熱条件は、170〜200°Fで1〜30分間である。冷却後、油を加えてプレエマルションをつくる。次に、生成物を、ホモジナイザー、コロイドミル、又は他の高せん断処理を使用して乳化する。
【0091】
ソースは、油0〜10%及び全固形分10〜50%であってよく、pHは2〜8であってよい。ソースは、冷加工プロセス又は熱加工することができる。材料が混合されてから熱加工される。難消化性コーンシロップは、必要とされる他の材料と共に液体又は乾燥形態で、容易に添加することができる。通常、加熱は170〜200°Fで1〜30分間である。
【0092】
スープは、より典型的には、20〜50%が固形分であり且つより中性のpH範囲4〜8にある。それらは、乾燥難消化性性コーンシロップ固形分を添加することができる乾燥ミックス、又は缶詰にしてから殺菌された液体スープであることができる。スープにおいて、難消化性コーンシロップは、固形分を50%まで使用することができるが、より典型的な用法は5g繊維/一人前を送達することである。
【0093】
シロップは、難消化性コーンシロップを、固形蔗糖の100%まで代替物として組み込むことができる。通常、それは、現状の基準に基づいて、シロップの12〜20%である。難消化性コーンシロップは、水と共に添加され、次に製品を安全に且つ長期保存できるようにするために、殺菌されて熱充填される(通常185°F、1分殺菌)。
【0094】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、コーヒークリ−マーである。それを入れて使用することができるコーヒークリ−マーの例として、液体及び乾燥クリ−マーの両者が挙げられる。ドライブレンドされたコーヒークリーマーは、以下の脂肪タイプの市販のクリーマー粉末とブレンドすることができる。ダイズ、ココナツ、ヤシ、ヒマワリ、若しくはカノーラ油、又は乳脂肪。これらの脂肪は、水素化されていなくても又は水素化されていてもよい。難消化性コーンシロップ固形分は、繊維原料として、場合によりフルクトオリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、マルトデキストリン、難消化性デンプン、スクロース、及び/又は従来のコーンシロップ固形分と一緒に添加することができる。組成物は、スクラロース、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、又はそれらの組合せなどの高強度甘味料も含有することができる。これらの材料を、乾燥ブレンドして所望の組成物を製造することができる。
【0095】
粉末乾燥されたクリーマー粉末は、脂肪、タンパク質及び炭水化物、乳化剤、乳化剤塩、甘味料、及び固化防止剤の組合せである。脂肪の原料は、ダイズ、ココナツ、ヤシ、ヒマワリ、又はカノーラ油、又は乳脂肪の1種又は複数種であってよい。タンパク質は、カゼイン酸ナトリウム若しくはカルシウム、乳タンパク質、ホエイタンパク質、小麦タンパク質、又はダイズタンパク質であってよい。炭水化物は、難消化性コーンシロップ単独又はフルクトオリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デンプン、マルトデキストリン、スクロース、若しくはコーンシロップとの組合せであってよい。乳化剤は、モノ及びジグリセリド、アセチル化モノ及びジグリセリド、又はプロピレングリコールモノエステルであってよい。塩は、クエン酸三ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸一カリウム、及び/又はリン酸二カリウムであってよい。組成物は、スクラロース、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、又はそれらの組合せなどの高強度甘味料も含むことができる。適当な固化防止剤としては、ナトリウムシリコアルミネート又は二酸化シリカが含まれる。製品はスラリー中で配合され、場合により均一化されて、顆粒状又は凝集塊の形態に噴霧乾燥される。
【0096】
液体コーヒークリ−マーは、脂肪(乳肪肪又は水素化された植物油のいずれか)、若干の乳固形分若しくはカゼイン酸塩、コーンシロップ、及びバニラ若しくは他の香料のエマルション、並びに安定化ブレンドの単に均一化されて殺菌されたエマルションである。生成物は、HTST(高温短時間)により185°F、30秒間で、又はUHT(超高温)により285°F、4秒間で通常殺菌され、2段階ホモジナイザー中で500〜3000psiの第1段階及び200〜1000psiの第2段階で均一化される。コーヒークリーマーは、コーヒーに加えられたときにbに、通常安定化される。
【0097】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、糖衣、フロスティング、及び艶出しなどの食物被覆物である。糖衣及びフロスティングにおいて、難消化性コーンシロップは、カロリー含有量を低下させ且つ繊維含有量を増大させるために、甘味料代替物(完全又は部分的)として使用することができる。艶出しは、典型的には、約70〜90%が蔗糖、残余の大部分は水であり、難消化性コーンシロップは、蔗糖を、全体的に又は部分的に置き換えるために使用することができる。フロスティングは、典型的には、約2〜40%の液体/固形分脂肪の組合せ、約20〜75%の固形甘味料、色素、香料、及び水を含有する。難消化性コーンシロップは、固形甘味料の全部若しくは一部を置き換えるために、又は低脂肪系中の増量剤として使用することができる。
【0098】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、乾燥又は湿式のドッグフードなどのペットフードである。ペットフードは、押し出し、形成、及びグレービーソースとして作るなど、種々の方法で製造することができる。難消化性コーンシロップは、これらのタイプの各々において、0〜50%のレベルで使用することができる。
【0099】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品はトルティーヤであり、それは通常、小麦粉及び/又はコーンミール、脂肪、水、塩、及びフマル酸を含有する。難消化性コーンシロップは、小麦粉又は脂肪を置き換えるために使用することができる。材料は混合されて、次に薄板にされ、打ち抜かれて調理される。この添加は、繊維を添加するために、又は保存寿命を延長するために使用される。
【0100】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、魚及び食肉である。従来のコーンシロップが、ある種の食肉で既に使用されており、したがって、難消化性コーンシロップは、部分的又は完全な代替物として使用することができる。例えば、難消化性コーンシロップは、塩水に加えてから食肉に真空散布するか又は注入することができる。それは、塩及びリン酸塩、並びに、場合によりデンプン、カラギナン、又はダイズタンパク質などの水が結合した材料と共に添加することができる。これは、繊維を加えるために使用され、典型的レベルは5g/1人前であり、このレベルは繊維の優れた原料の規格に合格する。
【0101】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品は、ドライフルーツ(漬けられたもの)である。多くの種類のドライフルーツは、砂糖漬けにされた場合だけ安定で且つ味がよい。難消化性コーンシロップは、蔗糖の全部又は一部を置き換えることができる。例えば、難消化性コーンシロップは、果物を乾燥前に漬けるために使用される塩水に、加えることができる。硫酸塩などの安定剤もこの塩水中で同様に使用することができる。
【0102】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品は、幼少児食物である。難消化性コーンシロップは、そのような食物のための1種又は複数種の従来の材料に対する代替物又は補完として使用することができる。そのまろやかな風味及び透明色のために、それは、種々の離乳食に、蔗糖を減少させ且つ繊維含有量を増大させるために、添加することができる。
【0103】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品は、食肉のための衣づけ及びパン粉づけなどの衣及びパン粉である。これは、衣づけ及び/又はパン粉づけ(例えば、小麦粉タイプ材料)の乾燥成分の全部又は一部を難消化性コーンシロップで置き換えることによるか、又は食肉の筋肉又は揚げられた食物自体に対する添加との組合せ使用で行うことができる。これは、増量剤として、繊維添加のために、又は揚げられた食物中の脂肪を減少させるために使用することができる。
【0104】
本明細書に記載したプロセスは、糖化に対して難消化性の糖シロップ(例えば、図1におけるストリーム26)の分画を利用する。この素材を精製された製品として分離することにより、高果糖コーンシロップなど単糖が主体のシロップ中の望ましくない副生物であることより寧ろその有用な特性のために、それを使用することができる。高果糖コーンシロップから比率の大きいオリゴ糖を除去すると、その製品がより純粋になり(即ち、デキストロース及びフルクトースの濃度がより高い)したがって価値が高くなる。
【0105】
本発明の食品は、糖尿病を罹患するヒトなどの哺乳動物における血中グルコース濃度を制御することに役立てるために使用することもできる。食品が哺乳動物により消費されるとき、食品中の遅消化性及び/又は難消化性成分は、血流における相対血糖反応をより穏やかにすることができて、それは糖尿病患者にとって有益であり得る。この文脈における「制御」は、相対的な用語と理解されるべきである。即ち、血糖反応は、同じ哺乳動物がそのような難消化性及び/又は遅消化性の成分を含有しない類似の食品を消費するときに起こる血糖反応と比較して向上し得るが、血糖反応は糖尿病を罹患していない哺乳動物で観察されるものと、必ずしも等しくないことがある。
【0106】
本発明のある実施形態は、以下の実施例からさらに理解することができる。
【実施例】
【0107】
実施例1
ラフィネートシロップを、コーンスターチが高果糖コーンシロップに加工されるプラントから得た。ラフィネートはクロマトグラフ分離により取り出され、主としてフルクトース及びデキストロースを含んだ。ラフィネートを、Desal DK1812C−31Dナノ濾過カートリッジを使用して、約500psiの圧力及び40〜60℃の温度で、ナノ濾過にかけた。ナノ濾過からの濃縮水を活性炭で脱色してから蒸発させて、乾燥固形分をおよそ80%にした。乾燥生成物の糖類分析は、HPAE−PADクロマトグラフィにより実施した。結果は表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
軽ラフィネートと名付けたこの素材を、Englystアッセイを使用して、消化性について試験した。試験管中で、約600mgの炭水化物d.s.b.を20mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に加えた。内容物を混合してから、約92℃で30分間加熱して、それから37℃に冷却した。次に、5mLの酵素溶液を試験管に加え、水浴中37℃で振盪により攪拌した。少量の試料を、20分及び120分の両方で取り出した。酵素を不活性化して、試料を濾過し、YSI Inc.のグルコース試験機を使用して、消化性を測定した。別の但し同様なナノ濾過操作で処理した重ラフィネートも、同じアッセイを使用して試験した。重ラフィネートは、軽ラフィネートの15〜25%乾燥固形分に対して、25〜35%の乾燥固形分を含有したが、両者はおよそ同じパーセンテージの低分子量の糖類を有した。ナノ濾過されていない調理されたジャガイモデンプンも比較として試験した。消化性アッセイ及び糖類分析の結果は、表2に示す。比較のために、調理されたジャガイモデンプンを表2に含める。表2中の全てのパーセンテージはd.s.b.に基づく。
【0110】
【表2】
【0111】
素材中におけるオリゴ糖のパーセンテージと難消化性の素材のパーセンテージとの間に非常に良好な相関があった。
【0112】
実施例2
乾燥固形分が21.4%のラフィネートシロップ約1,025Lを、コーンスターチが高果糖コーンシロップに加工されているプラントから得た。ラフィネートはクロマトグラフ分離により取り出され、主としてフルクトース及びデキストロースを含んだ。ラフィネートは、Desal NF3840C−50Dナノ濾過カートリッジを使用して、約500psiの圧力及び40〜60℃の温度でナノ濾過にかけた。最初の体積を約20の係数で減少させた後、DI水を使用して、濃縮水を約2容の定容透析濾過にかけた。透析濾過後、27.6kgの生成濃縮水(33.8%ds)を捕集した。この素材を、活性炭(シロップ固形分の0.5重量%)を用いて、冷蔵庫中で終夜攪拌することにより脱色した。このスラリーを、0.45ミクロンの中空繊維の濾過カートリッジを通して濾過により滅菌し、一部を蒸発させて平均濃度約73%dsにした。
【0113】
乾燥生成物の糖類分析を、HPAE−PADクロマトグラフィにより実施した。結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
実施例3 酵素によるデキストロースからの非線状オリゴマーの調製
74%、79.5%、及び80%の固形分濃度を有する濃厚デキストロースシロップは、(1)希薄シロップを蒸発させるか又は(2)デキストロース粉末に水を加えることにより調製した。各デキストロース/水混合物を適当な容器中に入れて、水浴中で60℃に加熱した。
【0116】
グルコアミラーゼ酵素(Novozymes A/SのDextrozyme又はSpirizyme)をシロップに、シロップ30mlに対しておよそ酵素400μlの比で、添加した。シロップ容器に蓋をしてから、酵素を行き渡らせるために激しく振り混ぜた。シロップを60℃の水浴に戻した。
【0117】
2〜4mlのシロップを小ガラスバイアルに移し、加熱ブロック中でおよそ85〜90℃に加熱して酵素を不活性化することにより、糖分布における変化を経時的にモニターした。
【0118】
種々の糖種の濃度は、アンペロメトリー検出(HPAE−PAD)を用いる高性能アニオン交換により測定した。電気化学的検出器及びグラジエントポンプを備えたDionex DX500 イオンクロマトグラフを分析に使用した。糖は、水酸化ナトリウム及び酢酸ナトリウム溶出剤のグラジエント送液を用いて、ガードカラム付Dionex Carbopac PA1分析カラムで分離した。糖は、金電極を使用して4ポテンシャル波形で検出した。試料は、分析する前に、水で希釈してAmicon Ultra−4遠心フィルター装置を通した。
【0119】
図2は、Novozymesの市販グルコアミラーゼ酵素である1.3%vol/vol Dextrazymeにより60℃で48時間処理した3つの異なる初期デキストロース組成物のシロップ中におけるデキストロース、イソマルトース及び「非線状高級糖類」(この図において、重合度が4以上の非線状オリゴマーを指す)の相対量を例示する。シロップ濃度が増大するにつれ、他の糖に対するモノマー状デキストロースの量は減少し、非線状高級オリゴマーの量は増大する。
【0120】
実施例4 コーンシロップからオリゴマーシロップの調製
デキストロースグリーン(95%デキストロース)からStaley200シロップの少し変換されたもの(26DE、5%デキストロース)までの広範囲の変換度を有し、且つ高(34%)マルトースシロップNeto7300を含む出発原料基材を得た。この実施例における出発素材として使用された具体的製品は、Staley(登録商標)200、Staley(登録商標)300、Staley(登録商標)1300、Neto(登録商標)7300、及びSweetose(登録商標)4300コーンシロップ、及びStaleydex(登録商標)3370デキストロースであった。これらの素材の特性の一部を表4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】
変換率の低いシロップの多くは、多量の重合度4以上(NL DP4+)の非線状高級オリゴマーを含むが、それらは多量の線状オリゴマーも含む。これらのシロップの幾つかは、DP17までの測定可能な線状オリゴマーを含有する。図3は、初期の糖類分布を示す。
【0123】
使用された酵素は、Spirizyme Plus FG及びDextrozyme DX1.5Xグルコアミラーゼ及びPromozyme D2プルラナーゼ(Novozymesにより供給)、CG220セルラーゼ及びトランスグルコシダーゼL−500(Genencorにより供給)、グルコアミラーゼGA150(Sunson Industry Groupにより供給)、及びトランスグルコシダーゼL(Bio−Cat Inc.により供給)であった。
【0124】
種々のコーンシロップをおよそ70%dsに調節した。およそ3.3%(v/v)のSpirizyme Plus FG酵素を50ml試験管中の各シロップに加えた。シロップを60℃の水浴中でおよそ4日間加熱した。酵素は、シロップをおよそ85℃で10分間加熱することにより不活性化した。図4は、最終の糖類分布を示す。全てのシロップが、4日の処理の終わりまでに同様な糖分布に達した。復元後、線状オリゴマーは非常に少ししか残らず、非線状オリゴマー含有量は増大していた。
【0125】
幾つかの点に注目すべきである。第一に、復元されたStaleydex 3370シロップでは、他のシロップよりもデキストロース含有量が若干高く、非線状オリゴマー含有量が低かった。全てのシロップは復元前におよそ70%dsに調節したが、初期デキストロース含有量が低い、変換率の低いシロップは、新しい分布が確立されたときに水を消費しており、最終濃度は、復元された3370シロップよりも4〜9パーセント高かった(例えば、デキストロースのDP6オリゴマー1個をデキストロース分子6個へ加水分解すると、5個の水分子を消費する)。表5が示すように、復元されたシロップの含水率は、デキストロース含有量と同方向に変わり、高級オリゴマー含有量と反対方向に変わる。
【0126】
【表5】
【0127】
低い含水率は、平衡を、復元生成物の濃度を高い方に移動させる。最終含水率が等しくなるように、含水率が調節されていたならば、糖分布も等しくなっていたと考えられる。
【0128】
第二に、復元後の全てのシロップは、各重合度(DP)で、線状オリゴマーよりもはるかに高いパーセンテージの分岐オリゴマーを含んでいた。マルトース対イソマルトース、パノース対マルトトリオース、及びNL DP4+対DP4以上の線状オリゴマー(それは復元後実質的に残っていない)の相対量を比較されたい。
【0129】
図5は、濃縮されたデキストロースシロップがSpirizymeで処理されたときの、マルトース及びイソマルトースの経時的濃度変化を示す。線状オリゴマーは速度論的生成物であり、一方非線状オリゴマーは熱力学的生成物であるように思われる。即ち、デキストロースからの線状2量体のマルトースの形成は、活性化エネルギーの低い急速で且つ可逆的な反応である。非線状2量体のイソマルトースの形成は、それより遅い反応であり、その逆反応は高い活性化エネルギーを有する。
【0130】
図6及び7は、70%デキストロースシロップが異なる濃度のSpirizyme酵素により60℃で処理されたときのマルトース及びイソマルトースの経時的濃度変化を示す。
【0131】
グルコアミラーゼを用いるStaley1300シロップの処理において、DP3以上の線状オリゴマーは、急速に消費されてデキストロースに変換される。線状オリゴマーの濃度は、最初の数時間以内の処理(70%シロップ濃度、0.13%Spirizyme及び60℃で)で、その平衡である全糖の約1%に達する(図8を参照されたい)。それより長い時間を経過すると、デキストロース濃度は徐々に減少して、非線状オリゴマーの濃度が緩やかに上昇する。マルトース及びイソマルトースの経時的濃度変化は、デキストロース復元に対して見られるものを反映している(図7)。
【0132】
上記の実験から得た試料を、85℃を超える温度で10〜20分間加熱して酵素を不活性化した後、イオンクロマトグラフィ分析のために希釈した。試料が活性酵素の存在下で希釈されていれば、それらは加水分解されてデキストロースに戻ったかもしれない。
【0133】
復元されたシロップの試料を希釈して、固形分を20%にした。各々の一部をSpirizyme酵素の存在下で60℃に、各々の他の一部をSpirizymeの存在下で40℃に保った。シロップを経時的にサンプリングして、各試料中の酵素を上記のようにして不活性化した。
【0134】
図9は結果を示す。60℃で、非線状高級オリゴマー(DP3以上)の濃度は、3時間以内に半分に低下し、7時間までに、糖の合計の約11.6%で横ばい状態になったように思われる。温度を低くすると加水分解が遅くなった。図9が示すように、デキストロース含有量は、加水分解の結果として増大した。2種の異なるグルコアミラーゼ(Spirizyme及びDextrozyme)を使用したとき、加水分解速度は同じであった。
【0135】
これらの実験から、復元により形成された非線状オリゴマーは、グルコアミラーゼ酵素(又はその中の不純物)による加水分解に対して抵抗性がないように思われる。しかしながら、それらの一部は、加水分解に対して抵抗性であるように思われる。20%dsでは、モノマーとオリゴマーとの間の平衡は、モノマー側に有利である。それでもなお、グルコアミラーゼ活性にとって最適の温度で、11.3%のDP4+及び11.6%のDP3+が7時間後に残る。これを、図8に例示した、同じ時間枠であるが、はるかに多い固形分(70%ds)及び半分のグルコアミラーゼ含有量における線状オリゴマーのデキストロースへの実質的に完全な変換と比較されたい。グルコアミラーゼ酵素は非線状オリゴマーを加水分解し得るが、加水分解は急速ではなくて、完全な変換まで進行し得ないように思われる。本発明者らは、ヒトの腸の消化酵素はこれらの化合物に対する活性が同様に低いであろうということを提唱する。
【0136】
表6は、復元されたシロップがSpirizyme酵素の存在下、60℃で20%dsに希釈されたときの、全ての糖種の濃度における変化を示す。
【0137】
【表6】
(「L DP3+」は重合度が3以上の線状オリゴマーを指す。「NL DP3」は重合度が3以上の非線状オリゴマーを指す。「NL DP4+」は重合度が4以上の非線状オリゴマーを指す)。
【0138】
出発時の糖分布又は変換率と無関係に、試験された全てのコーンシロップは、同様なシロップ濃度で処理されれば、グルコアミラーゼによりほぼ同様な糖分布に変換された。
【0139】
これらの実験から、コーンシロップの酵素による復元中に、線状オリゴマーは急速に加水分解されてデキストロースになるように思われる。高シロップ濃度でさらに長時間かけると、デキストロースが消費されて、非線状オリゴマーが形成される。非線状オリゴマーの生成は、シロップ固形分濃度を下げた、グルコアミラーゼによるそれらの加水分解により実証されるように、少なくとも部分的に可逆的である。したがって、復元されたシロップがグルコアミラーゼを不活性化する前に希釈されると、一部の、ただし明らかに全てではないオリゴマーが、加水分解されてデキストロースモノマーに戻る。このことは、グルコアミラーゼ(又は恐らくそれが含有する不純物)による非線状結合の形成は、酵素による完全に不可逆的な「間違い」というわけではないことを示す。
【0140】
実施例5 グルコアミラーゼの品質は復元に影響する
復元に影響するのに必要な酵素の量は、典型的な酵素過程に比較して大きい。60〜75℃、24時間で復元平衡の80%に達するためには、およそ1.5%v/vの普通に使用されるグルコアミラーゼ(例えば、Novozymesにより供給されるSpirizyme Plus FG及びDextrozyme DX1.5X)が必要である。酵素メーカーが、グルコアミラーゼの復元生成物を形成する傾向を減少させることにおいて大きな進歩、即ち、これらの酵素のユーザー(復元生成物が苦労のたねであるコーンシロップメーカー)により促された改善を遂げたことは注目されるべきである。1950年代の酵素は、これらの非線状オリゴマーシロップを形成するために、現行のグルコアミラーゼよりも、はるかに有効であるというのが本発明者らの考えである。
【0141】
これらの市販のグルコアミラーゼ中になお存在する「不純物」が、本実施例において報告した実験における復元生成物の生成の原因であるという発想に対して役立つ支持は、NovozymesはSpirizyme及びDextrozymeの両者に対する活性について最適温度は59〜61℃であると報告しているが、温度を60から65℃に上げると復元生成物の生成速度が増大するという事実である。図10及び11は、Spirizyme及びDextrozymeについて、イソマルトース及びDP3以上の非線状オリゴマー(NL DP3+)の形成速度を、温度の関数として示す。基質のシロップは、Staley1300であり、使用された酵素の量は2.7%v/vであった。
【0142】
実施例6 非線状オリゴマーを形成するコーンシロップの酸触媒による再構成
Staley1300シロップを、pH測定を容易にするために、脱イオン水で1:4に希釈した。シロップのpHを目標のpHに落とすための酸(HCl又はH2SO4)の量を決定した。1つの実験においては、酸処理に先だって、10%Krystar結晶性フルクトースをシロップに加えた。
【0143】
Staley1300シロップを、振盪水浴中において50mlのスクリューキャップ付遠心管中でおよそ60℃に加熱した。目標のpHに達するのに要する所定量の酸をシロップに加えた。シロップ入りの遠心管を激しく振り混ぜて、酸を均一に分布させた。遠心管を水浴に戻して、浴温を必要に応じて調節した。この処理は60、70、及び80℃、及びpH1.2、1.8及び2.3で実施した。反応の進行をモニターするために、管からシロップの一部を取り出して苛性溶液を加えることにより中和した。
【0144】
アルカリ溶液は、アルカリ溶液の体積が等体積の酸性化されたシロップを中和するために十分であるように調製した。この体積の80%を全て一度に加えて、pH測定のために十分にシロップを希釈した。追加のアルカリ溶液を、pHが>5.0(且つ好ましくは6.5以下)に達するまで滴下した。
【0145】
シロップ溶液は、イオンクロマトグラフィを使用して分析した。Phenomenex製のRSOオリゴ糖カラムに加えて、Dionex CarboPac PA200カラムも使用して、幾つかの試料を分析した。
【0146】
Staley1300シロップに対する最初の酸縮合反応は、pH2.3で硫酸を用いて60℃で行った。線状オリゴマー部分は減少し、非線状オリゴマーは増大した。
【0147】
図12は、酸処理及びグルコアミラーゼ処理(両方とも60℃)により引き起こされた、Staley1300シロップ中における糖分布の変化を比較する。過程は異なって進行することが見て取れる。Spirizymeグルコアミラーゼは、線状オリゴマーを非常に急速に消費して、デキストロースを生成させる。Staley1300シロップでは、酵素と数時間接触するうちに、DP3以上の線状オリゴマーの濃度は、糖の合計のおよそ42%からおよそ1%のその平衡値まで低下する。時間を長くすると、デキストロースの一部はオリゴマーに変換される。非線状DP3以上(DP3+)の濃度は、約30時間(この酵素処理の条件下で)にわたって増大する。
【0148】
対照的に、酸との接触においては、線状オリゴマーは消費されて、非線状オリゴマーが同程度の速度で形成される。デキストロース濃度は、処理過程を通して非常に遅く増大する。
【0149】
並行実験において、10%乾燥フルクトースをStaley1300シロップに加えて、最終シロップ固形分濃度をおよそ90%にした。それを、Staley1300シロップのみと同じpH、温度及び時間に合わせて処理した。Staley1300シロップは、処理過程の間に発色したのに対して、フルクトース含有シロップは、殆ど直ぐにコーヒー色に変わった。それから抜き出した試料のIC分析は、線状オリゴマーの減少速度及び非線状オリゴマー生成速度が、シロップだけの酸処理と同程度であることを示した。フルクトース含有量が有意に変化することはなかった。
【0150】
第2回目の酸処理は、Staley1300シロップのpHをHClで1.2及び1.8に調節して実施した。各pH処理は、70℃及び80℃の温度で行った。全てのシロップは、処理進行中にかなり発色した。発色の程度は、pHを下げ、温度を上げ及び時間を長くすると増大した。極端な場合、暗色の不溶性成分が形成された。
【0151】
図13が例示するように、酸処理されたシロップの生成物は、糖オリゴマーの分布が非常に広かった。それは、酵素で復元されたシロップよりもはるかに高いDP3オリゴマー濃度を示した。また、酸処理されたシロップは、酵素処理されたシロップにおいては現れない糖を含有する。これは、酵素による縮合は、どのように2つの糖単位が結合して一緒になるかについて通常非常に特異的であるのに対して、酸触媒による縮合は、任意の2つのヒドロキシル基の間で起こり得るので、予想される。
【0152】
糖のイオンクロマトグラフ分離のためには、Dionex CarboPac PA200カラムを使用した。図14は、このカラムにより分離された酸処理されたシロップのクロマトグラムを示す。それは、マルトース、イソマルトース、マルトトリオース及びパノースと別に溶出する、DP2〜3の範囲にある4成分を明確に示す(これらの4成分は全てマルトースの前に溶出する)。それは、未同定の高級オリゴマーに対する多数のピークも示す。
【0153】
下の表7は、これら4つの低pH、高温処理についての糖分布における経時変化を、PA200カラムを使用して示す(表中の最後の欄は、「未同定1〜4」のピークの量を示し、NL DP3+には含まれない)。
【0154】
【表7】
【0155】
実施例7 酵素による復元−高級糖
乾燥固形分(Staley1300)80%のおよそ35ガロンの43DEコーンシロップを、それに加わる5ガロンの脱イオン水と共にタンク中で緩やかに攪拌して60℃の温度に加熱した。シロップに、約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素を、徐々によく攪拌しながら加えた。60℃での24時間後、シロップを85℃に加熱して20分間保った。次に、100ガロンの水を加えることにより、シロップを、乾燥固形分濃度70%から20%に希釈した。Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを使用し、約500psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液をナノ濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、5%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。ナノ濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を80.2%dsまで蒸発させた。
【0156】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表8に示す。
【0157】
【表8】
(上の表中の「高級糖類」は、DPが3以上のオリゴマーを意味する)
【0158】
実施例8 酵素による復元−低級糖
乾燥固形分(Staley1300)80%のおよそ35ガロンの43DEコーンシロップを、それに加わる5ガロンの脱イオン水と共に、タンク中で緩やかに攪拌して、60℃の温度に加熱した。シロップに、約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素をよく攪拌しながら徐々に加えた。60℃での24時間後、シロップを85℃に加熱して、20分間保った。次に、100ガロンの水を加えることにより、シロップを、乾燥固形分濃度70%から20%に希釈した。Desal UF−1 3840C50D限外濾過カートリッジを使用し、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液を限外濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、1%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。限外濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を73.4%dsまで蒸発させた。
【0159】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表9に示す。
【0160】
【表9】
【0161】
実施例9 酵素による復元−高級イソマルトース
実施例7からのシロップを、Desal UF−1 3840C50D限外濾過カートリッジを使用して、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で限外濾過にかけた。次に、この操作から得た透過液を、Desal NF3840C 30Dナノ濾過カートリッジを使用して、約500psiの圧力及び55〜60℃の温度で、ナノ濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、5%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。ナノ濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を90.2%dsまで蒸発させた。
【0162】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表10に示す。
【0163】
【表10】
【0164】
実施例10 酸による復元−中程度の抵抗性
乾燥固形分(Staley1300)80%のおよそ35ガロンの43DEコーンシロップを、タンク中で緩やかに攪拌して、80℃の温度に加熱した。約4.1lbの37%塩酸をよく攪拌しながら徐々にシロップに加えた。反応液は、カールフィッシャー分析により測定しておよそ80%の乾燥固形分濃度を、周期的に水を加えることにより保った。24時間後に加熱を中止して、およそ35ガロンの0.35%水酸化ナトリウム溶液を、よく攪拌しながら徐々に加えた。次に、pHを5.0に調節し、水を加えて最終糖濃度を30%d.s.にした。Desal UF−1限外濾過カートリッジを使用し、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液を限外濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を10から20LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、5%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。限外濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で2%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を71.5%dsまで蒸発させた。
【0165】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表11に示す。
【0166】
【表11】
【0167】
実施例11 酸による復元とそれに続く水素化
乾燥固形分80%の63DEコーンシロップ(SWEETOSE(登録商標)4300)およそ35ガロンを、タンク中で緩やかに攪拌した。次に、37%塩酸をよく攪拌しながら徐々に加えて、シロップ乾燥固形分に対して0.25%(w/w)のHClを与えた。次に、混合物を80℃の温度に加熱した。反応液は、カールフィッシャー分析により測定しておよそ80%の乾燥固形分濃度を、周期的に水を加えることにより保った。16時間後に加熱を中止し、0.35%水酸化ナトリウム溶液を使用して、pHを4.5に調節した。追加の水を加えて、最終糖濃度を30%d.s.にした。Desal UF−1限外濾過カートリッジを使用し、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液を限外濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を10から20LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、10%未満(d.s.b.)になるまで、限外濾過を継続した。Desal NF 3840C30Dナノ濾過カートリッジを使用し、約500psiの圧力及び55〜60℃の温度で、限外濾過濃縮水をナノ濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、1%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。ナノ濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を73.5%dsまで蒸発させた。
【0168】
この生成物のデキストロース当量(DE)は、AOAC920.51(Lane Eynon)の方法により測定して、21DEであった。HPAE−PADクロマトグラフィによりこの生成物の糖類分析を実施した。結果を表12に示す。
【0169】
【表12】
【0170】
この生成物を、さらに水素化反応条件にかけた。表9に記載した素材の43%d.s.溶液約1.5kgを、加圧反応器中に導入して、6.45グラムの5%ルテニウム炭素触媒を攪拌しながら加え、シロップ乾燥固形分に対して0.05%ルテニウム(w/w)を与えた。反応器を閉め、窒素ガスで置換してから、水素ガスで600psiに加圧した。次に反応器を120℃に加熱した。この温度及び600〜650psiの水素圧を、4時間保った。反応容器を冷却して、注意深く通気し、窒素で置換した。次に、反応生成物を、珪藻土を通して濾過すると無色透明な溶液が得られた。
【0171】
この生成物のデキストロース当量(DE)は、AOAC920.51(Lane Eynon)の方法により測定して、5DEであった。HPAE−PADクロマトグラフィによりこの生成物の糖類分析を実施した。結果を表13に示す。
【0172】
【表13】
【0173】
実施例12 Englyst消化アッセイ
実施例7、8及び10から得た生成物素材を、Englystアッセイを使用して消化性について試験した。試験管中で、約600mgの炭水化物d.s.b.を、20mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に加えた。内容物を混合し、次に約92℃で30分間加熱してから37℃に冷却した。次に、5mLの酵素溶液を試験管に加えて、それを水浴中37℃で振盪により攪拌した。20分と120分と2回、少量の試料を取り出した。酵素を不活性化して試料を濾過し、YSI Inc.からのデキストロース試験機を使用して、消化性について試験した。消化性が非常によいことが知られている10DEマルトデキストリン(STAR−DRI 10)も、比較試料として試験した。消化性アッセイ及び糖類分析の結果を表14に示す。10DEのマルトデキストリンが、比較のために表5に含まれている。表14における全てのパーセンテージは、d.s.b.に基づく。
【0174】
【表14】
(表14における「高級」は、重合度が3以上のオリゴマーを指す)
【0175】
素材中の非線状高級オリゴマーのパーセンテージと難消化性の素材のパーセンテージとの間には、非常に高い相関があった(R2=0.95)。
【0176】
実施例13 硬いキャンディ、レモン風味
実施例7の980グラム(d.s.b.)(酵素により復元された高級糖)をポットに入れ、レンジで内部温度300°Fに加熱した。次に、15グラムのクエン酸及び1.2グラムのスクラロースを攪拌しながら加えた。次に、黄色の色素及びレモン風味を加えて、混合物をキャンディ型中に注いだ。室温に冷却すると硬いキャンディが形成された。
【0177】
実施例14 ゼリーキャンディ、グレープ風味
実施例8の840グラム(酵素により復元された低級糖)を混合ボウルに入れた。紫色の色素及びグレープ風味を加えて味付けした。次に、160グラムのMiraThik468インスタントデンプンを、中程度の激しさで混合しながら、少しずつ分けて加えた。20分かけて室温に冷却するとゼリーキャンディが形成された。
【0178】
実施例15 ヨーグルト
900グラムの牛乳(脂肪2%)をレンジ上でポットに入れた。次に、実施例10の80グラム(d.s.b.)(酸により復元された、中程度の消化性の材料)を、攪拌しながら加えた。次に、ミックスを目標温度の150°Fに加熱した。混合物を加熱しながら、20グラムのRezista682デンプンを、少しずつ分けて混合しながら加えた。混合物の内部温度が150°Fに達した後、それを5分間保ち、次に2段階ホモジナイザー(1500/500psi)に通した。次に、生成物を190°Fで5分間殺菌した。それから、混合物を90°Fに冷却し、活性ヨーグルト培養液を接種した。培養をヨーグルトのpHが4.5に達するまで続けて、次に消費に備えて冷蔵した。
【0179】
実施例16
本発明による消化に対して難消化性のコーンシロップの試料を調製するために、以下の一般的手順を使用した。幾つかの低級糖の試料の調製においては、ナノ濾過を、デキストロースが、下の一般的手順における5%ではなく、1%未満になるまで行った。
【0180】
試料1 HFCSラフィネートからのオリゴマーシロップ
1.高果糖コーンシロップ(HFCS)プロセスからの混合ラフィネートを濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。
注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持する速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
3.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0181】
試料2 デキストロースグリーンからのオリゴマーシロップ
1.希釈されたデキストロースグリーン(20〜30%ds)を濾過ユニットに移して、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
3.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0182】
試料3 デキストロースの非線状オリゴマーを>25%で形成させるSTALEY(登録商標)1300コーンシロップの酵素による復元
1.35ガロンのStaley 1300シロップ及び5ガロンの水をタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始する。
2.シロップを60℃に加熱して、温度が60℃+/−5℃で安定したことを確認する。
3.Spirizyme Plus FG酵素1.6ガロン(6.1リットル)をシロップに加える。
4.60℃+/−5℃に24時間保つ。
5.60°C/24時間保持が終了したら、シロップを85〜90℃に加熱する。シロップ温度が85℃を超えて安定したら、20分間そのままにする。
6.タンクの加熱を中止する。
7.水100ガロン(合計140ガロン)を加えることにより、シロップを固形分70%から20%に希釈する。
8.濾過ユニットに移して、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。
9.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより1%未満になるまで継続する。
10.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
11.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0183】
試料4 Tate & Lyle SWEETOSE(登録商標)4300コーンシロップの酸触媒による再構成
1.SWEETOSE(登録商標)4300シロップ35ガロンをタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始し、80℃にする。
2.およそ2.8lbの37%塩酸をシロップに、よく攪拌しながら徐々に加える(4300シロップ密度が11.9lb/ガロンであるという仮定に基づいて計算し、反応液中のシロップの乾燥固形分を基準にして、正味で0.25%のHClを与える)。
3.固形分を80%+/−5%に保持する。反応液試料を2時間ごとに取り出して、等重量のDI水で希釈する。希釈された試料についてカールフィッシャー分析を行う。40%ds未満であれば、何もしない。40%dsを超えていれば、40%dsを超過している1%dsごとに、100lbの初期反応内容物当たり4lbのDI水を加える。
4.カールフィッシャー分析のための上記の試料に加えて、反応の進行をモニターするために使用される試料を捕集する。酸添加後、以下の間隔でこれらを取り出す:2時間、4時間、8時間、及び16時間。各サンプリング後、等重量の0.35%NaOH溶液を試料のpHを調節するために素早く添加し、十分混合してpHを測定する。必要に応じて、試料pHを調節して、5.0〜6.5にする。
5.80°C/16時間保持が終了したら、加熱を中止する。0.35%苛性溶液を、pHが4.5〜5.5の範囲内で安定するまで、よく攪拌しながら徐々に加える。
6.必要ならば、最終固形分濃度が30%d.sに達するまで、希釈水を加える。
7.濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
9.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0184】
試料5 SWEETOSE(登録商標)4300コーンシロップのリン酸及び塩酸触媒による再構成
1.SWEETOSE(登録商標)4300シロップ35ガロンをタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始し、80℃にする。
2.およそ0.35lbの75%リン酸をシロップによく攪拌しながら徐々に加える。次に、0.10lbの37%塩酸をシロップによく攪拌しながら徐々に加える(4300シロップの密度は11.9lb/ガロンであるという仮定に基づいて計算し、反応液中のシロップの乾燥固形分を基準にして、正味で0.08%のH3PO4及び100ppmのHClを与える)。
3.固形分を80%+/−5%に保持する。反応液試料を2時間ごとに取り出して、等重量のDI水で希釈する。希釈された試料についてカールフィッシャー分析を行う。40%ds未満であれば、何もしない。40%dsを超えていれば、40%dsを超過している1%dsごとに、100lbの初期反応内容物当たり4lbのDI水を加える。
4.カールフィッシャー分析のための上記の試料に加えて、反応の進行をモニターするために使用される試料を捕集する。酸添加後、以下の間隔でこれらを取り出す:2時間、4時間、8時間、及び16時間。各サンプリング後、等重量の0.35%NaOH溶液を試料のpHを調節するために素早く添加し、十分混合してpHを測定する。必要に応じて試料のpHを調節し、5.0〜6.5にする。
5.80°C/16時間保持が終了したら、加熱を中止する。0.35%苛性溶液を、pHが4.5〜5.5の範囲内で安定するまで、よく攪拌しながら徐々に加える。
6.必要ならば、最終糖濃度が30%d.sに達するまで、希釈水を加える。
7.濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
9.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0185】
試料6 Tate及びLyIe STALEY(登録商標)1300コーンシロップの酸触媒による再構成
1.SWEETOSE(登録商標)1300シロップ35ガロンをタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始し、80℃にする。
2.およそ2.8lbの37%塩酸をシロップに、よく攪拌しながら徐々に加える(4300シロップ密度が11.9lb/ガロンであるという仮定に基づいて計算し、反応液中のシロップの乾燥固形分を基準にして、正味で0.25%のHClを与える)。
3.固形分を80%+/−5%に保持する。反応液試料を2時間ごとに取り出して、等重量のDI水で希釈する。希釈された試料についてカールフィッシャー分析を行う。40%ds未満であれば、何もしない。40%dsを超えていれば、40%dsを超過している1%dsごとに、100lbの初期反応内容物当たり4lbのDI水を加える。
4.カールフィッシャー分析のための上記の試料に加えて、反応の進行をモニターするために使用される試料を捕集する。酸添加後、以下の間隔でこれらを取り出す:2時間、4時間、8時間、及び16時間。各サンプリング後、等重量の0.35%NaOH溶液を試料のpHを調節するために素早く添加し、十分混合してpHを測定する。必要に応じて試料のpHを調節し、5.0〜6.5にする。
5.80°C/16時間保持が終了したら、加熱を中止する。0.35%アルカリ溶液を、pHが4.5〜5.5の範囲内で安定するまで、よく攪拌しながら徐々に加える。
6.必要ならば、最終固形分濃度が30%d.sに達するまで、希釈水を加える。
7.濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して任意選択である。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
9.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0186】
これらの方法により調製されたシロップの幾つかは、この後の実施例で使用され、そこでそれらは試料番号によって参照される。
【0187】
実施例17
本発明によるオリゴ糖組成物を含む朝食用シリアルは、下記のようにして調製することができる。シリアルは、押し出された部分及び押し出された部分の上に付けられた被覆物を含む。押し出された部分の組成は、以下のようにすることができる(重量パーセント)。
【0188】
【表15】
【0189】
押し出された部分は、以下のステップを使用して調製される。ミキサー/ブレンダー中で材料を均一に混合して一緒にする。上記ドライブレンド及び水を仕込み、目標の押し出し水分を得る。典型的な押し出し及び乾燥条件を使用する。冷却して梱包する。
【0190】
被覆物の組成は、蔗糖50%、難消化性コーンシロップ50%の、75%が固形分の溶液である。それは、以下のステップを使用して調製される。予熱するために、250°Fの対流式オーブン中にスプレーガンを入れる。およそ100gのシリアルを秤量して取り、油系の離型剤で最初に覆われたタンブラー(tumbler)中に入れる。乾燥材料(合計乾燥固形分75%)を鍋の中でブレンドする。水を加えて混合する。シロップをおよそ230°Fに加熱する(急速に沸騰する)。比が適当になるように、シリアル:被覆物の正確な比を与えるのに必要な所望の量のシロップを秤量して取る(シリアルの最終重量のおよそ45〜50%の被覆物)。予熱されたスプレーガン中にシロップを注ぎ、スプレーガンに送気ホースを取り付ける。シリアルが転げ回っているときに、全てのシロップが適用されるまで、シロップをシリアル上に噴霧する。所望の量の被覆物が適用された後、一様な被覆を確実にするために、被覆されたシリアルが、回転するドラム中で3分間転がるままにする。被覆されたシリアルを、離型剤を噴霧してある天板上に吐き出す。対流式オーブン中250°Fで6分間又はシリアルが乾燥したように見えるまで、シリアルを乾燥する。シリアルの天板への固着及びシリアルの凝集を防止するために、乾燥している間中ある程度かき混ぜる。乾燥後、シリアルを5分間放置して冷却する。冷却後、シリアルを秤量して被覆率を測定する。シリアルをプラスチック貯蔵袋中に梱包する。
【0191】
実施例18
本発明によるオリゴ糖組成物を含むヨーグルトを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0192】
【表16】
【0193】
ヨーグルトは以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を液体材料中に、ポンプ及び漏斗又は液化機を使用して分散させる。150°Fに予熱する。2段階ホモジナイザーを使用して1500/500psiで均一化する。190°Fで5分間殺菌する。90°Fに冷却して培養液を加える。最終pH4.4になるまで培養する。生成物を攪拌して、活性な培養の成長を停止させるために冷却を開始する。梱包して冷却する。
【0194】
実施例19
本発明によるオリゴ糖組成物を含むヨーグルト飲料を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0195】
【表17】
【0196】
ヨーグルト飲料は、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を液体材料中に、ポンプ及び漏斗又は液化機を使用して分散させる。150°Fに予熱する。2段階ホモジナイザーを使用して1500/500psiで均一化する。190°Fで5分間殺菌する。90°Fに冷却して培養液を加える。最終pH4.4になるまで培養する。中止して、梱包し、冷却する。
【0197】
実施例20
本発明によるオリゴ糖組成物を含む新しい冷凍食品は、下記のようにして調製することができる。
材料は以下の通りである。
【0198】
【表18】
【0199】
冷凍された新製品は、以下のステップを使用して調製することができる。クリーム、牛乳及び脱脂粉乳を所望の乳脂肪及び無脂乳固形分(MSNF)レベルの規格に合わせる。液糖に安定剤を加え、適当な分散を確実にするために中程度に攪拌する。牛乳と液糖部分とをバッチタンク中で完全にブレンドする。固形乳脂肪部分をミックスと混合し、空気の混入を最小にするように緩やかに攪拌する。185°Fで30秒間又は同等の時間及び温度で殺菌する。2段階ホモジナイザーを使用して、2段階2500psiで(第1段階及び第2段階それぞれ2000及び500psi)均一化する。ミックスを34〜38°Fに冷却し、熟成のために最小で4時間そのままにする。(終夜の熟成が好ましい)。
【0200】
実施例21
本発明によるオリゴ糖組成物を含む無糖アイスクリームを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0201】
【表19】
【0202】
無糖アイスクリームを、以下のステップを使用して調製した。安定剤ブレンド、スクラロース、ビタミンA及びマルトデキストリンを、剪断をかけてスキムミルク中で混合する。難消化性コーンシロップを、剪断下に混合物に加える。次に、クリーム(乳脂肪)を、バター化及び空気混入を避けるために、ゆっくり加える。次に、アイスクリームを、175°Fで30秒間殺菌し、2段階2500psiで均一化する。ミックスを終夜冷蔵(35〜40°F)して、それから連続冷凍システムを使用して、冷凍状態に加工する。
【0203】
実施例22
本発明によるオリゴ糖組成物を含むマシュマロを調製した。
材料は3つの別の部分として調製した。
【0204】
【表20】
【0205】
マシュマロを以下のステップを使用して調製した。A部分中の材料を混合する(ゼラチンを水に入れる)。難消化性コーンシロップを135°Fに予熱する。マルチトールシロップを200°Fに加熱する。B部分とC部分とを合わせて145°Fに冷却する。A部分をマイクロ波で30秒間溶融させ、ゼラチンを溶解する。A部分を他の部分に加えて、ホバートミキサー中で針金の泡立て器を用いて、密度が0.5に達するまで、混合物を泡立たせる。マシュマロを絞り袋中に満たしてデンプン型中に入れる。
【0206】
実施例23
本発明によるオリゴ糖組成物を含む硬いキャンディを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0207】
【表21】
【0208】
硬いキャンディは以下のステップを使用して調製した。蔗糖及び難消化性コーンシロップと水とを混合する。Boschレンジを用いて約138°Cに加熱し、2分間真空に引いて129℃にする。クエン酸(3kgの製品に対して18g)及び香料を加える。置くか又は成形してキャンディにする。
【0209】
実施例24
本発明によるオリゴ糖組成物を含むゼラチンゼリーキャンディを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0210】
【表22】
【0211】
ゼラチンゼリーキャンディは以下のステップを使用して調製した。ゼラチンと水とを混合して70℃に保つ。蔗糖、難消化性コーンシロップ、及び水を混合する。固形分が89%に達するまで加熱する(およそ120℃)。90℃に冷却する。ゼラチン溶液を加える。クエン酸溶液50%(18g/1000g)、及び香料及び色素を加えて満足なものにする。成形用デンプン中に置いて、周囲条件で乾燥させ、乾燥固形分(ds)の重量パーセンテージを81〜82%にする。
【0212】
実施例25
本発明によるオリゴ糖組成物を含むジャムを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0213】
【表23】
【0214】
ジャムを以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を混合する。乾燥材料を液体材料及び果物に加える。220°Fに加熱する。容器中に入れて冷却する。
【0215】
実施例26
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、甘みづけした子供用飲料を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0216】
【表24】
【0217】
この飲料は、以下のステップを使用して調製した。ミキサーを使用して、材料を水中にゆっくり加える。飲料を180°Fに加熱する。直ちに熱いうちに瓶の中に満たす。瓶を水浴中に置いて冷却する。
【0218】
実施例27
本発明によるオリゴ糖組成物を含むオレンジ風味ジュースソーダ飲料を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0219】
【表25】
【0220】
オレンジジュースソーダを以下のステップを使用して調製した。クエン酸カリウム、酸、難消化性コーンシロップ、及び高強度甘味料をドライブレンドする。濃縮オレンジジュース、赤色#40、黄色#5、オレンジ風味及び前掲ステップからのブレンドをブレンドして水に入れる。所望の体積までのCO2で炭酸化する(2〜4)。
【0221】
実施例28
本発明によるオリゴ糖組成物を含むセイボリー高固形分充填物を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0222】
【表26】
1食用修飾デンプン、小麦タンパク質、及びマルトデキストリンのブレンド
【0223】
材料を生成物混合物中に以下の順で組み込んだ。(1)カノーラ油、(2)香料、クエン酸、乳酸及び塩、(3)難消化性コーンシロップ、並びに(4)Tate and LyIe 食感改良剤ブレンド。
【0224】
実施例29
本発明によるオリゴ糖組成物を含む高固形分の果物充填物を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0225】
【表27】
【0226】
以下のステップを使用してジャムを調製した。A部分のISOSWEET(登録商標)5500をホバートミキサー中に入れる。Mirathik 603を混合しながら1.5分間かけてゆっくり加える。B部分の難消化性コーンシロップ、香料、及び水を加える。均一になるまでブレンドする(1分)。混合物が粘性になるまで約3分間静置する。C部分の材料を予めブレンドして混合物に加える。均一になるまでブレンドする。充填物を24時間固まらせ十分粘性にする。
【0227】
実施例30
本発明によるオリゴ糖組成物を含む薄板状クラッカーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0228】
【表28】
【0229】
以下のステップを使用して、薄板状クラッカーを調製した。生地を、全て材料が水分を含んで生地が柔軟になるまで混合する。生地を薄く延ばして1.1mmにする。断片に切る。対流式オーブン中(ファンを遅くして)350°Fで5分間焼く。
【0230】
実施例31
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、膨らんで押し出されたスナックを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0231】
【表29】
【0232】
以下のステップを使用して、膨らんで押し出されたスナックを調製した。乾燥材料を混合する。乾燥材料を押し出し機中に仕込む。適当な形状に押し出す。10分間乾燥して、最終水分含有量を1%にする。
【0233】
実施例32
本発明によるオリゴ糖組成物を含むトルティーヤチップを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0234】
【表30】
【0235】
トルティーヤチップは、以下のステップを使用して調製した。トルティーヤチップ#1粉とコーンチップ#8粉との1:1混合物を作製する。ホバートミキサー中において低速で1分間混合する。難消化性コーンシロップを加えて低速で1分間混合する。ミキサーを用いてなお低速で混合しながら、室温の水を水流にして乾燥混合物にゆっくり加える。水を全部加えたら、ミキサーの速度を上げて3分間混合する。生地に覆いをかけて、プラスチックビーカー中で30分間静置する。Rondoシーターを使用して生地を薄板状にし、徐々に延ばして約1.3mmの厚さにする(マイクロメータを使用することにより厚さを検査して)。Rondoシーターを使用し、生パンを水平に置くことによりカッターを使用して、生パンをカットする。375°Fに予熱された揚げ鍋中で、およそ1分45秒から2分間(チップがキツネ色に見えて、泡立ちが殆どなくなるまで)揚げる。チップが揚げられている間中、金属のヘラを使用してチップをかき混ぜ、それらが常に両面とも浸かっているようにする(一様な脂肪吸収を助けるために)。揚げ鍋から取り出して、4分間籠をつり下げることによりチップの油を切る。チップを布タオル上にあけて6分間静置する。トルティーヤチップをプラスチックの袋に入れ、封をしてラベルを付ける。
【0236】
実施例33
本発明によるオリゴ糖組成物を含むゼラチンデザートの乾燥ミックスを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0237】
【表31】
【0238】
ゼラチンデザートの乾燥ミックスは、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を混合する。85.1gの乾燥ミックスを秤量して212°Fの226.8gの水に加える。完全に溶解させる。226.8gの冷水を加えて十分に混合する。少なくとも4時間冷蔵する。
【0239】
実施例34
本発明によるオリゴ糖組成物を含み、高固形分充填物、結合シロップ、及び押し出された断片を含むスナックバーを調製した。
高固形分充填物の材料は以下の通りであった。
【0240】
【表32】
【0241】
高固形分充填物を以下のステップを使用して調製した。難消化性コーンシロップを含むA部分をミキサーに入れる。Mirathik 603を、低速で混合しながら1.5分間でゆっくりと加える。B部分(難消化性コーンシロップ、香料、水)を加えて、均一になるまでブレンドする(低速で1分間)。混合物が粘性になるまで、約3分間静置する。C部分の材料を予めブレンドして混合物に加える。均一になるまでブレンドする(充填物を24時間放置して固まらせ、十分粘性にする)。
結合シロップの材料は以下の通りであった。
【0242】
【表33】
【0243】
結合シロップは以下のステップを使用して調製した。材料を配合して172°Fに加熱する。それをシリアル/グラノーラ断片に加えて合わせ、断片を一様に被覆する。シロップ54%とシリアル46%の比で配合する。
押し出された断片の材料は以下の通りであった。
【0244】
【表34】
押し出された断片は、以下のステップを使用して調製した。ミキサー/ブレンダー中で材料を均一に混合して一緒にする。ドライブレンド及び水を仕込み、押し出しの目標水分にする。通常の押し出し及び乾燥条件を使用する。冷却して梱包する。
結合シロップを混合して押し出された断片又は他の粒状物を被覆する。混合物は、薄板状に延ばすか又は成形されて適当なサイズにカットされる。高固形分充填物は、通常、結合剤/粒状物混合物の2枚の薄板の間に加えられる。
【0245】
実施例35
本発明によるオリゴ糖組成物を含むスパイスケーキを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0246】
【表35】
【0247】
スパイスケーキ以下のステップを使用して調製した。
乾燥混合手順:
RCS、Mira−Thik603、Core M90、及びソルビトールをミキサーボウル中に入れる。EC−25をマイクロ波で、熱くなりすぎないように注意して溶融する(GMS90又はDurfax 60は溶融させない)。EC−25を加えて、必要に応じてボウルを掻きながら、スピード1で5分混合する。必要に応じてボウルを掻きながら、スピード1で1分混合しつつ、Durfax 60を加える。必要に応じてボウルを掻きながら、スピード1で1分混合しつつ、GMS90を加える。フードプロセッサーにより2分間乾燥混合を行い、1分ごとに掻き落とす。乾燥混合物を混合ボウルに戻し入れる。残っている乾燥材料を篩にかけて、ミキサーを動かしながら、ソルビトールミックスにゆっくりと加える(大さじ1杯を一度に)。スピード1で合計5分間混合する。
【0248】
水混合手順:
乾燥ミックスをボウルに入れる。スピード1で30秒混合しながら、水をゆっくり加える。ボウルを掻く。必要に応じてボウルを掻きながら、スピード2で3.5分混合する。8インチのレヤーケーキ用焼き皿の縁に焦げ付き防止調理用油を噴霧して、円形の硫酸紙を使用して各焼き皿に内張する。450gのパン生地を各ケーキ焼き皿中に垂らし入れる。350°Fで37分間又は焼けるまで焼く。
【0249】
実施例36
本発明によるオリゴ糖組成物を含むチーズソースを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0250】
【表36】
チーズソースは、以下のステップを使用して調製した。全材料を混合する。一定の攪拌の下に200°Fに加熱する。チーズソースをジャー又は容器中に熱充填して、蓋又は栓で封じ、40°Fに冷却する.
【0251】
実施例37
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、模造モツァレラチーズのブロックを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0252】
【表37】
【0253】
チーズを以下のステップを使用して調製した。水、クエン酸ナトリウム、カゼイン、及びダイズ油(120g)を加える。5分間ブレンドする。残っているダイズ油を加える。ソルビン酸、塩、デンプン、難消化性コーンシロップを加える。次に、ホエイ及び乳酸を加える。5分ブレンドする。残っている材料を加える。185°Fに加熱する。
【0254】
実施例38
本発明によるオリゴ糖組成物を含む可食性フィルムを調製した。理論付けはされていないが、オリゴ糖組成物は、可食性フィルム中の可塑剤として役立ったと考えられる。
材料は以下の通りであった。
固形分:
【0255】
フィルム:
【表38】
【0256】
【表39】
【0257】
【表40】
【0258】
可食性フィルムは、以下のステップを使用して調製した。
材料の分散
プルラン及びマルトデキストリンをビーカー中で泡立て器を用いて混合する。水、ポリソルベート80、安息香酸ナトリウム、及び難消化性コーンシロップ(RCS)を別のビーカー中で混合する。Servodyneのミキサーヘッド50003−30型を使用して、含水材料をさらに混合する。700RPMで開始する。乾燥香料ミックスをゆっくり加えて入れる。塊が全てなくなったら、プルランミックスをゆっくり加え入れる。ミックスが粘性になったら、RPMを必要に応じて調節する(1,000RPMまで)。全ての乾燥材料が入ったらミキサーを止めて、ビーカーの側面を掻き落とす。ミキサーの回転を1,000RPMに上げて、さらに2分間混合する。50gを遠心管中に注ぎ入れる。10分間遠心して空気を除去する。
【0259】
フィルム化手順
フィルムは、0.045インチに設定した、Gardcoの調節可能なドローダウンを使用して引いた。これらのドローダウンは、すき間ゲージのブレードを使用して、適当な厚さに調節した。真空プレートを使用してマイラーの上にフィルムを引いた。フィルムを、65℃及び25%RHの人工気候室中で2時間乾燥させた。それらを、25℃及び28%RHの人工気候室中で、終夜硬化させた。乾燥されたフィルムを、プラスチック袋中に梱包した。
【0260】
実施例39
本発明によるオリゴ糖組成物を含む低脂肪パウンドケーキを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0261】
【表41】
【0262】
パウンドケーキを以下のステップを使用して調製した。A部分の乾燥材料を、ホバートミキサー中スピード1でブレンドする。GMS−90乳化剤を加えて、2分間ブレンドする(スピード1)。水及びアナットー色素を加えて、4分間ブレンドする(スピード2)。混合の2分後及び混合終了時に、ボウルを掻いてヘラでかき回す。B部分の材料を混合して一緒にする。B部分の卵白/水ミックスの1/3をA部分に加えて、1分間ブレンドする(スピード2)。混合後、ボウルを掻いてヘラでかき回す。B部分のための最初のステップを2回繰り返して、卵白/水ミックスの残っている2/3を組み込む。えんばく200グラムの生地を焦げ付き防止スプレーで予め被覆された金属製パン焼き容器中に流し込む。350°Fで30分間焼く。
【0263】
実施例40
ポリオールレベルを有し、本発明によるオリゴ糖組成物を含む、オートミールチョコレートチップレーズンクッキーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0264】
【表42】
【0265】
オートミールレーズンクッキーを、以下のステップを使用して調製した。ショートニング及び香料を、N−50ホバートミキサー中スピード1で30秒間混合する。残っている第1段階の材料を加える。スピード1で1分間混合する。ボウルの側面を掻く。スピード2で1分間混合する。第2段階の材料を加える。スピード1で1分間混合する。ボウルの側面を掻く。スピード2で1分間混合する。第3段階の材料を加える。スピード1で1分30秒間混合する。ボウルの側面を掻く。スピード1で1分30秒間混合を繰り返す。第4段階の材料を加える。スピード1で15秒間混合する。30gの生地断片を秤量して、硫酸紙を二重に敷いたパン焼き皿上に置く。12枚のクッキーを対流式オーブン中375°Fで11分間焼く。
【0266】
実施例41
本発明によるオリゴ糖組成物を含むソフトチョコレートクッキーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0267】
【表43】
クッキーは、以下のステップを使用して調製した。蔗糖/RCS固形分、バター、及びRCS(71%ds)を、ホバート混合ボウル中でスピード1でブレンドする。卵を加える。残っている材料をドライブレンドして、このミックスに加える。350°Fで15分間焼く。
【0268】
実施例42
本発明によるオリゴ糖組成物を含むメープルシロップを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0269】
【表44】
【0270】
メープルシロップは、以下のステップを使用して調製した。標準的ミキサーを低速で使用して、水にスクラロース、防腐剤、塩、香料、及び色素を加える。ガムを混合物にゆっくり加えて、20〜25分水和させる。185°Fに加熱しながら、難消化性コーンシロップ固形分を入れてブレンドする。1分間その状態を保つ。熱源を除いて酸を加える。180〜185°Fで容器に充填して、1分間、逆さにしておく。75°Fに冷却する。
【0271】
実施例43
本発明によるオリゴ糖組成物を含むバーベキューソースを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0272】
【表45】
バーベキューソースは以下のステップを使用して調製した。A部分の材料を190°Fに加熱する。乾燥材料をA部分に加えて200°Fで15分間加熱する。熱いうちに容器に充填して冷却する。
【0273】
実施例44
本発明によるオリゴ糖組成物を含むフレンチドレッシングを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0274】
【表46】
フレンチドレッシングは、以下のステップを使用して調製した。水及び難消化性コーンシロップを容器に入れる。タマネギ、塩、ニンニク、ソルビン酸、及びEDTAをドライミックスして水性混合物に加える。デンプン及びキサンタンガムを、少量の油中でスラリーにして水性混合物に加え、5分間混合してデンプンを水和させる。トマトペースト及びパプリカを加える。食酢を加える。ポリソルベート60を溶融して加えてゆっくり混合する。残っている油を加えて5分混合する。コロイドミルにより0.26”(2回転)で処理する。
【0275】
実施例45
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、濃縮チキンスープのクリームを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0276】
【表47】
濃縮チキンスープのクリームは、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を混合する。液体材料を3〜5分間混合する。ライトニングミキサー (lightning mixer)を中程度のスピードで使用して、乾燥材料をゆっくり加える。3〜5分混合して、一様な分散を確実にする。攪拌せずに190°Fに加熱する。5分間そのまま保持する。缶に熱充填して、直ちに封をする。250°Fで40分間殺菌する。缶を室温に冷却する。供するには、1缶のスープを等体積の2%牛乳に加える。十分に混合する。沸騰付近に加熱する(およそ10分)。熱いうちに供する。
【0277】
実施例46
本発明によるオリゴ糖組成物を含むケチャップを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0278】
【表48】
【0279】
ケチャップ以下のステップを使用して調製した。スパイス、RCS、スクラロース及び塩を乾式混合する。水、食酢、及び乾燥ミックスを、ライトニングミキサーを使用して混合する。スモーク香料を含水ミックスに加える。トマトペーストと含水ミックス(水、食酢、及び乾燥ミックス)の1/4とを、掻き落とすアタッチメントの付いたホバートミキサー中で、スピード1で2分間ブレンドする。含水ミックスの残余を入れて、スピード1で1分間ブレンドする。停止してボウルをよく掻き落とす。スピード1で1分間ブレンドを継続する。ケチャップを105℃に加熱して、15秒間そのまま保持する。80℃に冷却する。Pandaホモジナイザーを使用して150/50バールで均一化する。直ちに、熱いうちにガラスジャーに入れてパックする。
【0280】
実施例47
本発明によるオリゴ糖組成物を含むビーフ風味のグレービーミックスを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0281】
【表49】
ビーフ風味のグレービーミックスは、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料及びTALO TF−55香料(水を除く全材料)を、均一にブレンドされるまでブレンドする。針金泡立て器を使用して、この乾燥ミックスを冷水中に分散させる。攪拌しながら190°Fに加熱する。攪拌しながら、ミックスを190°Fで10分間保持する。
【0282】
実施例48
本発明によるオリゴ糖組成物を含むドライブレンドされたコーヒークリーマーを調製した。
材料は以下の通りであった。
市販クリーマー粉末(Jerzeeブレンド 220077) 21.8
難消化性コーンシロップ固形分(試料5) 78.2
ドライブレンドコーヒークリーマーは、以下のステップを使用して調製した。材料をブレンドし、計量し、及び10メッシュの篩で篩い、反転ブレンド容器、リボンブレンダー、又は掻き回しブレンダー中に入れる。調合品を10から25分ブレンドして、梱包する。必要ならば、固化防止剤として、二酸化シリカ又はナトリウムシリコアルミネートを添加することができる。
【0283】
実施例49
本発明によるオリゴ糖組成物を含むダイズ系乾燥コーヒークリーマー粉末スラリーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0284】
【表50】
【0285】
水をバッチタンクに加えて、120から140°Fに加熱する。カゼイン酸ナトリウムを水に加えて10から30分間水和させる。モノ及びジグリセリドは、水素化されたダイズ油中に入れるか又は別々に溶融することができる。カゼイン酸ナトリウムが水和したら、ダイズ油及びモノ及びジグリセリドをバッチタンクに加える。混合物を十分にブレンドする。残っている難消化性コーンシロップをバッチタンクに加えて、混合物を170°Fに加熱し、2段階均一化(必要ならば)により均一化して、30分間そのまま保持する。次に、生成物は、350から500°Fの導入温度及び150から200°Fの排出温度で噴霧乾燥される準備ができる。場合により、流動床乾燥機を使用することができる。ナトリウムシリコアルミネート又は二酸化シリカも、凝結防止目的のために含めることができる。リン酸塩及び/又は固化防止剤も含めることができる。
【0286】
実施例50
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、噴霧乾燥のためのココナツ系コーヒークリーマー粉末スラリーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0287】
【表51】
【0288】
ココナツ系コーヒークリーマー粉末は、以下のステップを使用して調製した。水をバッチタンクに加えて、120から140°Fに加熱する。カゼイン酸ナトリウムを水に加えて10から30分間水和させる。モノ及びジグリセリドは、水素化されたココナツ油中に入れるか又は別々に溶融することができる。カゼイン酸ナトリウムが水和したら、ココナツ油及びモノ及びジグリセリドをバッチタンクに加える。混合物を十分にブレンドする。残っている難消化性コーンシロップ及びリン酸二カリウムをバッチタンクに加えて、混合物を170°Fに加熱し、2段階均一化(必要ならば)により均一化して、30分間そのまま保持する。次に、生成物は、350から500°Fの導入温度及び150から200°Fの排出温度で噴霧乾燥される準備ができる。所望により、流動床乾燥機を使用することができる。ナトリウムシリコアルミネート又は二酸化シリカも、凝結防止目的のために含めることができる。
【0289】
実施例51
蔗糖含有量を減少させ又は排除して、それによりカロリー全体を減少させるために、アイスクリーム及び/又は調合物の被覆物を、難消化性コーンシロップ固形分を使用して調製することができる。繊維含有量を、通常の被覆物に比較して著しく増加させることができる(例えば、この例では、比較対照被覆物の5グラム/100グラムに対して、33グラム/100グラムである)。
【0290】
【表52】
【0291】
アイスクリーム及び/又は調合物の被覆物は、以下のステップを使用して調製することができる。コーンシロップ固形分を、5〜125ミクロンの間、平均30〜40ミクロン付近の粒子サイズに粉砕する。固形分を篩って所望の粒子を得る。ココア粉末及びスクラロースをコーンシロップ固形分と配合する。ショートニングを溶融してレシチンと配合する。ブレンドされた乾燥材料を混合しながら、溶融したショートニング/レシチンの配合物を、ボウルを規則的に掻きながら加える。新しい冷凍食品、焼き菓子その他所望の商品に適用する。
【0292】
実施例52
難消化性コーンシロップ(RCS)の2つの試料を、上記実施例16の試料5(そのうち1つは単糖含有量が低い)におけるようにして調製した。(以下の記載において「LS」は「蔗糖が少ない」を意味する)。単糖、二糖、三糖、及び四糖以上のwt%d.s.bは以下の通りであった。
【0293】
【表53】
【0294】
2種の難消化性コーンシロップ及びマルトデキストリンの試料をイヌに給餌した。血糖反応を測定するために、給餌後、間隔をおいて、イヌから血液試料を採取した。血中グルコース濃度の経時変化を、図15に示し、下表にまとめた。
【0295】
【表54】
SEM=平均の標準誤差
【0296】
実施例53
難消化性コーンシロップの6つの試料を、上記実施例16の試料5のようにして、調製した。各試料は72%dsがシロップであり、残余は水であった。試料は、脂肪、タンパク質又は灰分を、本質的に含んでいなかった。6つの試料は以下の通りであった。
RCS GRl(RCS、72%dsのシロップで繊維70%、糖15%)(これらの試料における「糖」は単糖及び二糖の合計を指す)
RCS GR2(RCS LS、72%dsのシロップで繊維80%、糖5%)
RCS GR3(50%がフルクトースのRCS、72%dsのシロップ)
RCS GR4(50%がソルビトールのRCS、72%dsのシロップ)
RCS GR5(25%がフルクトースのRCS LS、72%dsのシロップ)
RCS GR6(25%がソルビトールのRCS LS、72%dsのシロップ)
【0297】
25g(dsb)のシロップを含有する試料は、以下のようにして調製した。2.838kgの濾過水を、予め秤量した量のRCSを含有する水差しに加えた。水差しに蓋をして、次に、振盪及び回旋により、全てシロップが溶解するまで徹底的に混合した。この溶液の12oz.(350g)は、乾燥固形分基準で25gの試験炭水化物を含有した。
対照溶液は、25gの無水グルコースを300mLの水と混合することにより調製した。
【0298】
試料を10名の健常ヒト被験者に投与した。被験者の特性は:5名の男性、5名の女性;年齢35±10歳;肥満度指数24.0±3.8kg/m2であった。各被検者は、6種の試験食物、及び25gの利用可能な炭水化物を含有する標準グルコース飲料3回を含む9つの試験をそれぞれ別の日に行った。血中グルコースは、絶食時、及び食後15、30、45、60、90及び120分に測定した。血中グルコース応答曲線下の増分面積(iAUC)を計算した。各試験食物を消費後の各被検者のiAUCは、同じ被検者により摂取された3回のグルコース対照の平均iAUCに対するパーセンテージとして表した。製品の曲線下の増分面積及び相対血糖反応(RGR)は以下の通りであった。
【0299】
【表55】
異なった上付き文字を付けた値は、顕著に異なる(p<0.001)。どの食物間の美味性ランク付けにおいても、統計的に有意の差はなかった。
【0300】
実施例54
Sweetose(登録商標)4300コーンシロップ(81%ds)を、熱油外套付パドルミキサーに77kg/hの速度で通すことにより、6%未満の水分含有量まで蒸発させた。パドルミキサーのローター速度は、通常300から600rpmに設定し、また、油外套温度は150℃から205℃まで変化した。幾つかの試験においては、リン酸を、コーンシロップ固形分に対して0.1%から0.4%のリン酸固体の率で加えた。幾つかの試験においては、塩酸を、リン酸の代わりに、又はそれに追加して、25ppm加えた。
【0301】
これらの試験から収集した生成物(25mg)を、4mLのpH4.0の緩衝液に溶解して、100マイクロリットルの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase、Sigmaカタログ#A−7255)溶液と共に、45℃で2時間インキュベートした。このインキュベーションからの部分標本を、少量のイオン交換樹脂で処理して濾過し(0.45ミクロン)、続いて液体クロマトグラフィにより糖類分布を分析した。この分析から、三糖以上として存在することが見出された炭水化物の重量パーセントを、難消化性炭水化物として定量化し、下表に繊維%として表示した。
【0302】
【表56】
ポリデキストロースの実験室試料が、この試験のための対照として使用され、およそ繊維82%のレベルを示した。
【0303】
実施例55
Sweetose(登録商標)4300コーンシロップ(81%ds)を、熱油外套付パドルミキサーに77kg/hの速度で通すことにより、3%未満の水分含有量まで蒸発させた。パドルミキサーのローター速度は、通常800rpmに、また、油外套温度は210℃に設定した。幾つかの試験においては、リン酸を、コーンシロップ固形分に対して0.1%から0.4%のリン酸固体の率で加えた。幾つかの試験においては、塩酸を、リン酸の代わりに、又はそれに追加して、25ppm若しくは50ppm加えた。
【0304】
これらの試験から収集した生成物(25mg)を、4mLのpH4.0の緩衝液に溶解して、100マイクロリットルの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase、Sigmaカタログ#A−7255)溶液と共に、45℃で2時間培養した。この培養液からの部分標本を、少量のイオン交換樹脂で処理して濾過し(0.45ミクロン)、続いて液体クロマトグラフィにより糖類分布を分析した。この分析から、三糖以上として存在することが見出された炭水化物の重量パーセントを、難消化性炭水化物として定量化し、下表に繊維%として表示した。
【0305】
【表57】
ポリデキストロースの実験室試料が、この試験のための対照として使用され、およそ繊維82%のレベルを示した。
【0306】
実施例56
500グラムのStaley 300コーンシロップ(80.0%ds、35DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(74.5%ds、28DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0307】
実施例57
500グラムのStaley 1300コーンシロップ(80.3%ds、43DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(74.7%ds、32DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0308】
実施例58
500グラムのStaley 4300コーンシロップ(81.6%ds、63DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(75.3%ds、42DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0309】
実施例59
500グラムのStaleydex 130シロップ(70.5%ds、99DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(69.8%ds、60DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0310】
本発明の具体的な実施形態の前述の説明は、本発明の全ての可能な実施形態のリストであることを意図しない。当業者は、他の実施形態が以下の請求項の範囲内であることを認識するであろう。例えば、ある特定の遅消化性又は難消化性組成物が、上記実施例の幾つかにおいて食品の材料として使用されている。その代わりに本発明の他の遅消化性又は難消化性の組成物が、これらの同じ食品中で使用され得るが、食品の厳密な特性は、使用される材料の厳密な性質に依存して、ある程度まで変化し得ることは、認識されるべきである。本明細書中の具体的実施例に対して、多くの他の改変をすることもできる。
【技術分野】
【0001】
種々の炭水化物が、種々の糖及びデンプンなどの食品中で使用される。これらの炭水化物の多くは、ヒトの胃及び小腸中で消化される。対照的に、食品中の食物繊維は、通常、胃又は小腸中では消化されず、大腸中で微生物により発酵される可能性がある。
【背景技術】
【0002】
食物の食物繊維含有量を増大させるか又はカロリー含有量を減少させるために、食品における使用に適しており且つ非消化性であるか又は限られた程度にしか消化性でないかのいずれかである材料を開発することに関心がある。これらの改善には、確かな健康上の利益がある。
【0003】
消化が容易な炭水化物の含有量が減少し、且つ食物中で従来の炭水化物製品の代わり又はそれに加えて使用することができる食用の素材に対する需要がある。
【発明の概要】
【0004】
発明の一態様は、オリゴ糖組成物を調製する方法である。このプロセスは、デンプンの糖化により少なくとも1つのオリゴ糖及び少なくとも1種の単糖を含む水性組成物を製造するステップ(工程)、水性組成物を膜濾過して、単糖に富むストリーム及びオリゴ糖に富むストリームを形成するステップ、並びにオリゴ糖に富むストリームを回収するステップを含む。本発明の一実施形態において、オリゴ糖に富むストリームは、ヒト消化系により遅消化性である。「遅消化性」は、その用語が本明細書において使用されるとき、ストリーム中に存在する炭水化物の実質的な量(例えば、乾燥固形分基準で少なくとも約50%、幾つかの場合には少なくとも約75%、又は少なくとも約90%)が、ヒトの胃及び小腸中で全く消化されないか、又は限られた程度にしか消化されないことを意味する。本発明の他の実施形態において、オリゴ糖に富むストリームは、ヒト消化系による消化に対して難消化性である。
【0005】
ヒトにおける炭水化物消化の速度及び程度を見積もるために、インビトロ及びインビボの両方で、試験を実施することができる。「Englystアッセイ」は、易消化性、遅消化性又は難消化性の炭水化物材料の量を見積もるために使用することができるインビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition (1992) Volume 46 (Suppl.2), pages S33~S50)。したがって、本明細書における「乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%」が遅消化性の素材、又は「主として遅消化性」の素材という如何なる言及も、Englystアッセイにより遅消化性又は難消化性と分類されるパーセンテージの合計が少なくとも約50%になることを意味する。同様に、本明細書における「乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%」が難消化性の素材又は「主として難消化性」の素材という如何なる言及も、Englystアッセイにより難消化性と分類されるパーセンテージが少なくとも約50%であることを意味する。
【0006】
プロセスの一実施形態において、デンプンの糖化とそれに続く異性化により製造される水性組成物は、デキストロース、フルクトース、及びオリゴ糖の混合物を含む。この水性組成物は、ナノ濾過して単糖類に富む透過ストリームとオリゴ糖に富む濃縮水ストリームとに分離することができる。オリゴ糖に富むストリームは、乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%又は場合によっては少なくとも約90%のオリゴ糖を含み得る。プロセスのある実施形態においては、オリゴ糖に富むストリームは、少量のデキストロース及びフルクトースをまだ含むであろう。「少量」は、本明細書において、乾燥固形分基準で50重量%未満を意味して使用される。
【0007】
プロセスは幾つかの実施形態において、以下のステップの1つ又は複数を含むこともできる。(1)オリゴ糖に富むストリームを異性化酵素と接触させ、その結果デキストロースの少なくとも一部がフルクトースに変換されて、それにより異性化されたオリゴ糖に富むストリームを生成させるステップ;(2)オリゴ糖に富むストリームを膜濾過して、単糖類に富む第2のストリームと乾燥固形分基準で約90重量%を超えるオリゴ糖並びに少量の単糖類を含むオリゴ糖に富む第2のストリームとを生成させるステップ;(3)オリゴ糖に富むストリームを水素化してストリーム中の単糖類の少なくとも一部をアルコールに変換し、それにより水素化されたオリゴ糖に富むストリームを生成させるステップ;(4)オリゴ糖に富むストリームをグルコシダーゼ酵素と接触させて復元生成物を創出し、その結果、ストリーム中に存在する任意の残留単糖類の少なくとも一部がオリゴ糖又は他の単糖類に共有結合で結合されるステップ;及び(5)オリゴ糖に富むストリームを活性炭と接触させることにより着色を減少させるステップ。
【0008】
本発明の他の態様は、糖オリゴマーを調製するプロセスである。このプロセスの幾つかの実施形態により製造される糖オリゴマー組成物は、主として難消化性である。他の実施形態において、組成物は主として遅消化性である。プロセスは、少なくとも1種の単糖又は線状の糖オリゴマーを含み、且つ固形分の濃度が少なくとも約70重量%である水性の仕込み組成物を使用する。仕込み組成物は、少なくとも約40℃の温度に加熱されて、非線状糖オリゴマーの形成を起こすために十分な時間、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒と接触させられる。線状糖オリゴマーよりも高い濃度の非線状糖オリゴマーを含む生成組成物が製造される。
【0009】
プロセスの一実施形態において、少なくとも1種の触媒は、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素である。プロセスの他の実施形態において、少なくとも1種の触媒は酸である。プロセスの幾つかの実施形態において、酸及び酵素は、仕込み組成物が最初に酵素で処理され、続いて酸で処理される順で、又は逆の順で使用することができる。
【0010】
本発明の他の態様は、乾燥固形分基準で多量のオリゴ糖を含み、ヒト消化系による消化に対して遅消化性又は難消化性である食用の炭水化物組成物(本明細書においては、時によりオリゴ糖組成物と称する)である。この組成物は、上記プロセスのいずれによっても製造することができる。本明細書において「多量」は、乾燥固形分基準で少なくとも50重量%を意味して使用される。
【0011】
一実施形態において、食用の炭水化物組成物は、オリゴ糖に富むストリームが、70.0質量(m/m)パーセント以上の固形分含有量及び、D−グルコースとして表して、乾燥基準で計算して20.0m/mパーセント以上の還元糖含有量(デキストロース当量)を有するプロセスにより製造される。該組成物のこの実施形態は、食品表示の法規の下でコーンシロップと分類することができる。他の実施形態において、オリゴ糖に富むストリームは、乾燥基準で計算して70.0質量(m/m)パーセント以上の固形分含有量、及びD−グルコースとして表して20.0m/mパーセント未満の還元糖含有量(デキストロース当量)を有する。この実施形態は、食品表示の法規の下でマルトデキストリンと分類される。
【0012】
本発明の他の態様は、乾燥固形分基準で多量の(即ち、乾燥固形分基準で50重量%を超える)線状及び非線状糖オリゴマーを含み、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度を超える食用の炭水化物組成物である。本発明の幾つかの実施形態においては、組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度が、線状糖オリゴマーの濃度の少なくとも2倍の高さである。
【0013】
他の実施形態は、線状及び非線状糖オリゴマーを含む炭水化物組成物であり、組成物は、乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ約25〜65のデキストロース当量を有する。幾つかの実施形態において、組成物は、乾燥固形分基準で約30〜40重量%の繊維を含有し、且つカロリー値が約2.5〜3.5kcal/gである。
【0014】
この実施形態の製品は、以下のステップを含むプロセスにより調製することができる。即ち、少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、且つ少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱するステップ;及び仕込み組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒と、非線状糖オリゴマーの形成を惹起するのに十分な時間接触させるステップである。該プロセスにおいて、(a)乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ(b)約25〜65のデキストロース当量を有する製品組成物が製造される。少なくとも1種の触媒は、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せなどの酸であってよい。1つの特殊な実施形態において、酸は、それ以前の処理により仕込み組成物中に存在する残留酸であってよい。他の実施形態において、少なくとも1種の触媒は、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素であってよい。あるいは、組成物は、コーンシロップを、本明細書に記載された1つ又は複数のプロセスにより調製された組成物とブレンドすることにより調製することができる。
【0015】
本発明の他の態様は、食品を調製する方法である。該方法は、炭水化物素材との組合せに適した食物組成物を供給するステップと、食物組成物を上記の遅消化性又は難消化性の食用炭水化物組成物と組み合わせるステップとを含む。
【0016】
本発明の他の態様は、上記の食用の炭水化物組成物を含む食品である。食品は、例えば、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷凍デザート、揚げ物、パスタ製品、ポテト製品、米製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、硬いキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル、又は飲料であってよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、食品は、焼いた食品、朝食用シリアル、無水の被覆物(例えば、アイスクリーム類の被覆物、チョコレート)、乳製品、菓子、ジャム及びゼリー、飲料、増量剤、押し出して板状にしたスナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズ及びチーズソース、食用の水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリ−マー、糖衣、フロスティング、艶出し、ペットフード、トルティーヤ、食肉及び魚、ドライフルーツ、幼少児の食物、並びにパン生地及びパン粉づけから選択される。本明細書において時によりオリゴ糖組成物と称される食用の炭水化物組成物は、固形甘味料の完全な又は部分的な置き換え又は食物繊維の原料としてなど1つ又は複数の目的のために、食品中に存在することができる。
【0018】
本発明の他の態様は、糖尿病を罹患する哺乳動物における血中グルコースを制御する方法である。その方法は、哺乳動物に種々の実施形態にある上記の食品を給餌することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の工程系統図である。
【図2】図2は、実施例3において使用された3種のデキストロース組成物中におけるある種の糖類の分布のグラフである。
【図3】図3は、実施例4において使用された出発原料中におけるある種の糖類の分布のグラフである。
【図4】図4は、実施例4において酵素処理により調製された製品中におけるある種の糖類の分布のグラフである。
【図5】図5は、実施例4において組成物が酵素で処理されたときの、マルトース及びイソマルトース濃度における経時変化のグラフである。
【図6】図6は、実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときの、マルトース濃度における変化のグラフである。
【図7】図7は、実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときの、イソマルトース濃度における変化のグラフである。
【図8】図8は、実施例4において組成物が酵素で処理されたときの、ある種の糖類の濃度における変化のグラフである。
【図9】図9は、実施例4において希釈された組成物が酵素で処理されたときの、ある種の糖類の濃度における変化のグラフである。
【図10】図10は、実施例5における酵素処理の結果としての、ある種の糖類の形成に対する温度の効果のグラフである。
【図11】図11は、実施例5における他の酵素処理の結果としての、ある種の糖類の形成に対する温度の効果のグラフである。
【図12】図12は、実施例6において、組成物が酸又は酵素により処理されたときの、糖類分布における変化を比較するグラフである。
【図13】図13は、実施例6において、酸で処理されたシロップの分析を示す。
【図14】図14は、実施例6において、酸で処理されたシロップのクロマトグラフ分析を示す。
【図15】図15は、本発明の組成物又はマルトデキストリンのいずれかを給餌された後の、イヌの血中グルコース濃度における変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一態様は、食物中における使用に適した遅消化性又は難消化性炭水化物組成物(例えば、糖オリゴマー組成物)を作製するプロセスである。
【0021】
インビトロ及びインビボ両方の試験を、ヒトにおける炭水化物消化の速度及び程度を見積もるために実施することができる。「Englystアッセイ」は、易消化性、遅消化性又は難消化性である炭水化物材料の量を見積もるために使用することができるインビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition (1992) Volume 46 (Suppl.2), pages S33~S50)。
【0022】
「食物」という用語は、本明細書において、飲料及び医薬用カプセル又は錠剤など、ヒトにより摂取され得る種々の物質を含む広い意味で使用されることは理解されるべきである。
【0023】
「オリゴ糖」及び「糖オリゴマー」という用語は、本明細書において、少なくとも2個の糖単位を含む糖、例えば約2〜30の重合度(「DP」)を有する糖類を指して使用される。例えば、二糖はDPが2である。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態において、水性仕込み組成物は、少なくとも1種の単糖及び少なくとも1種の線状糖オリゴマーを含み、各々の数種類を含むことができる。多くの場合、単糖類及びオリゴ糖は、乾燥固形分基準で仕込み組成物の少なくとも約70重量%を構成するであろう。所望のオリゴマーの収量を最大化するために、出発原料の単糖濃度が可能な限り高いことが、一般的に役立つ。固形分濃度が高いと、平衡が加水分解から縮合(復元)へ移動する傾向があり、それにより高分子量の生成物が生じる。それ故、出発原料の水含有率は比較的低いことが好ましい。例えば、ある実施形態において、仕込み組成物は少なくとも約75重量%の乾燥固形分を含む(「乾燥固形分」は、本明細書において時により「ds.」と略記される)。幾つかの場合、仕込み組成物は、約75〜90重量%の固形分を含み、それは室温で一般に粘稠なシロップ又は湿った粉末の外見を呈するであろう。
【0025】
適当な出発原料の例として、デキストロースグリーン(dextrose greens)シロップ(即ち、デキストロース一水和物の結晶化からの母液のリサイクルストリーム)、他のデキストロースシロップ、コーンシロップ、及びマルトデキストリン溶液などデンプンの加水分解により作製されるシロップが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
仕込み組成物がマルトデキストリンを含めば、プロセスは、マルトデキストリンを加水分解して加水分解された糖溶液を形成させるステップ、及び加水分解された糖溶液を少なくとも約70%乾燥固形分に濃縮して仕込み組成物を形成させるステップも、場合により含むことができる。濃縮するステップ及び仕込原料を触媒と接触させるステップは同時に行うことができ、又は濃縮を仕込み組成物と触媒との接触に先だって行うこともできる。
【0027】
仕込み組成物は、少なくとも1種の触媒と接触させられ、その時間は変化し得る。幾つかの場合、接触時間は少なくとも約5時間である。本発明の幾つかの実施形態において、仕込み組成物は、少なくとも1種の触媒と約15〜100時間の間接触させられる。他の実施形態においては、それより短い接触時間が、幾つかの場合には1時間未満でさえ、より高い温度で使用され得る。
【0028】
本発明の一実施形態において、非線状オリゴ糖を製造するために、酵素的復元が使用される。酵素は、例えば、α1−2、1−3、1−4、又は1−6グルコシル結合の切断速度を増大させて、デキストロース残留物を形成させるものであってよい。1つの適当な例は、グルコアミラーゼと呼ばれる市販の酵素組成物などのグルコアミラーゼ酵素組成物である。そのような組成物は、グルコアミラーゼ以外のある種の若干量の酵素を含み得ることが理解されるべきであり、また、実際に非線状オリゴ糖の所望の生成を触媒するのはグルコアミラーゼそのものであると決め込むべきではない。
【0029】
それ故、仕込み組成物は、グルコアミラーゼ又はデキストロースポリマーに作用する任意の他の酵素と接触させることができる。酵素の量は、仕込み組成物の約0.5〜2.5体積%で適当であり得る。プロセスの幾つかの実施形態において、仕込み組成物は、酵素と接触させる間約55〜75℃又は幾つかの場合には約60〜65℃に保たれる。この温度で、素材は、含水率に依存して、液体、又は液体と固体との混合物になる。場合により、酵素を分布させるために、反応混合物を混合又は攪拌することができる。反応混合物は、非線状オリゴマーへの所望の復元度を達成するのに必要な時間、所望の温度に保たれる。プロセスの幾つかの実施形態において、仕込み組成物は、酵素と約20〜100時間、又は幾つかの場合には約50〜100時間、接触させた後に酵素を不活性化する。グルコアミラーゼを不活性化する技法は、当技術分野において周知である。別の方法では、酵素を不活性化しないで、それを膜濾過により分離してリサイクルすることができる。
【0030】
生じた組成物は、イソマルトースなどの非線状オリゴ糖の濃度が高い。この生成組成物は、線状糖オリゴマーより高い濃度の非線状糖オリゴマーを含有する。幾つかの場合、最終組成物中の非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度の少なくとも2倍の高さである。
【0031】
消化管の酵素は、デキストロース単位がα(1→4)結合している(「線状」結合)炭水化物を、容易に認識して消化する。これらの結合を別の結合(例えば、α(1→3)、α(1→6)(「非線状」結合)、又はβ結合)で置き換えると、胃腸酵素が該炭水化物を消化する能力は大きく減少する。このことは、大部分の炭水化物は変化せずに小腸中まで通過することを可能にするであろう。
【0032】
幾つかの場合、生成組成物は、少量(即ち、乾燥固形分基準で50wt%未満、通常はそれよりはるかに低い濃度)の残留単糖類を含む。プロセスは、残留単糖類の少なくとも一部(及び場合により他の種も同様に)を、生成組成物から、膜濾過、クロマトグラフ分別、又は発酵による消化により除去する追加のステップを含むことができる。分離された単糖類は、例えば、デキストロース又はコーンシロップの製造のために、他のプロセスストリームと組み合わせることができる。あるいは、分離された単糖類は、仕込み組成物中にリサイクルすることができる。
【0033】
本発明の他の実施形態は、単糖類の酸による復元を含むプロセスである。出発原料は、酵素方式のプロセスについて上で述べたものと同じである。塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せなど種々の酸を使用することができる。プロセスの幾つかの実施形態において、酸は、仕込み組成物のpHを約4以下にするのに十分な量で、又は幾つかの場合には、仕込み組成物のpHを約1.0〜2.5、若しくは約1.5〜2.0にするのに十分な量で、仕込み組成物に添加される。幾つかの実施形態において、仕込み組成物の固形分濃度は、約70〜90%であり、仕込原料に添加される酸の量はシロップの乾燥固形分に対する純粋の酸として約0.05%〜0.25%(w/w)であり、仕込み組成物は、酸と接触している間、約70〜90℃の温度に保たれる。酵素方式のプロセスにおけるように、反応条件は、所望のオリゴマーを製造するのに十分な時間保たれ、それは、プロセスの幾つかの実施形態において、約4〜24時間である。
【0034】
1つの特別な実施形態において、仕込み組成物の固形分濃度は少なくとも約80重量%であり、酸は、仕込み組成物に、組成物のpHを約1.8にするのに十分な量で添加され、仕込み組成物は、酸と接触した後、少なくとも約80℃の温度に約4〜24時間保たれる。
【0035】
もう一つの特別な実施形態において、仕込み組成物の固形分濃度は、約90〜100重量%であり、仕込み組成物は、酸と接触した後、少なくとも約149℃(300°F)の温度に約0.1〜15分間保たれる。仕込原料を処理するために使用される酸は、リン酸と塩酸との組合せであってよい(上で論じたのと同じ濃度で)。1つの特殊な実施形態において、仕込み組成物と酸との接触は、連続式パイプ/流通反応器中で起こる。
【0036】
デンプン中で断然最も多いグリコシド結合は、α−1,4結合であり、これはデンプンの酸加水分解中に最も普通に切断される結合である。しかし、酸で触媒される復元(縮合)は、任意の2個のヒドロキシル基の間で起こり得るので、非常に多様な組合せ及び幾何学的配置が可能であれば、α−1,4結合が形成される確率は比較的小さい。ヒトの消化系は、デンプン及びコーンシロップのα−1,4結合を容易に消化するαアミラーゼを含む。これらの結合を消化系の酵素により認識されない結合と置き換えれば、大部分の生成物は変化せずに小腸に通過することが可能になるであろう。
【0037】
酸処理から生ずる糖類分布は、酵素処理からとは幾分異なると考えられる。酸触媒縮合生成物は、酵素触媒生成物よりも、ヒトの腸中の酵素により認識され難く、それ故消化され難いであろうと考えられる。
【0038】
酸処理の進行は、酵素処理と異なる。酵素は、線状オリゴマーを急速に加水分解して、非線状オリゴマーをゆっくりと形成させるが、それに対して、酸では、線状オリゴマーの減少と非線状オリゴマーの増大とが同様な速度で起こる。デキストロースは、オリゴマーの酵素加水分解により急速に形成され、非線状縮合生成物が形成されるのにつれて緩やかに消費されるが、それに対して酸では、デキストロース濃度は緩やかに増大する。
【0039】
場合により、酵素又は酸による復元後、続いて水素化することができる。水素化された生成物は、現在入手可能な水素化されたデンプン加水分解物よりカロリー含有量が低いはずである。一実施形態において、水素化は、そのデキストロース当量(DE)を実質的に変化させずに、生成組成物を脱色するために使用することができる。
【0040】
プロセスの1方式において、酵素及び酸は、任意の順で連続的に使用することができる。例えば、最初の処理で使用される少なくとも1種の触媒は、酵素であってよく、それに続いて生成組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酸と接触させることができる。別の方法では、最初の処理で使用される少なくとも1種の触媒は酸であってよく、それに続いて、生成組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素と接触させることができる。
【0041】
酸処理が最初に行われて酵素処理が続くプロセスの実施形態において、酸はリン酸、塩酸、又はそれらの組合せであってよい。この実施形態においては、酵素との接触後、組成物をイオン交換樹脂と接触させることができる。イオン交換樹脂との接触後、重合度が少なくとも3である糖オリゴマーの組成物の濃度は、乾燥固形分基準で少なくとも約50重量%であり得る。
【0042】
酸、酵素又は両方を用いる処理により製造される生成組成物は、非線状糖オリゴマーの濃度が、乾燥固形分基準で増大している。幾つかの場合、生成組成物中における、重合度が少なくとも3(DP3+)である、非線状糖オリゴマーの濃度は、乾燥固形分基準で、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、又は少なくとも約50重量%である。幾つかの実施形態において、生成組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度の少なくとも2倍の高さである。
【0043】
1つの特別な実施形態において、生成組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は、乾燥固形分基準で、少なくとも約90重量%であり、イソマルトースの濃度は乾燥固形分基準で少なくとも約70重量%である。
【0044】
生成組成物は、しばしば若干量(通常、乾燥固形分基準で50重量%未満、多くの場合、それよりはるかに小さい)の残留単糖類を含有する。場合により、残留単糖類(及び他の種)の少なくとも一部は、オリゴマーから分離することができ(例えば、膜濾過、クロマトグラフ分離、又は発酵による消化により)、単糖類ストリームはプロセス仕込原料中にリサイクルすることができる。このようにして、単なる糖シロップを、高価値の食品添加剤に変換することができる
【0045】
本明細書に記載したプロセスにより製造される、オリゴマーに富むシロップは、食物繊維を増大させるために食物中で使用することができる。シロップは、低粘度及び低血糖指数の両方を有する、天然に生ずるオリゴ糖を含有する。これらのオリゴマーの多くは、少なくとも1つの非α−1,4結合を含むであろう。それらは、大腸中における発酵性が高いはずであり、そのことがプレバイオティクスとしてそれらに健康上の利益を付加する。本発明の幾つかの実施形態において、乾燥固形分基準で生成組成物の少なくとも約50重量%は遅消化性である。
【0046】
食物繊維としてオリゴ糖の有益な効果は、十分に文献に書かれている。小腸中で難消化性だが大腸中で発酵可能な糖オリゴマーは、コレステロールを低下させる、血中デキストロースを減少させる、及び胃腸の健康を維持するなど、幾つかの有益な効果を有することが示されている。
【0047】
一実施形態において、生成物は、線状及び非線状糖オリゴマーを含む炭水化物組成物であり、乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ約25〜65のデキストロース当量(DE)を有する。繊維含有量は、AOAC公認法 2001.03により測定することができる。
【0048】
この実施形態において、生成物は、中間的な繊維含有量(即ち、従来のコーンシロップより高いが、本明細書に記載した本発明の組成物の幾つかより低い)を有することができる。仕込原料がコーン由来であるとき、生成物は、コーンシロップ繊維(CSF)と称することができる。一実施形態において、CSF製品は乾燥固形分基準で約30〜40重量%の繊維を含有し、カロリー値は約2.5〜3.5kcal/gである。本発明者らは、繊維が35%のCSFは3kcal/gのカロリー含有量になると見積もっており、それは、2kcal/gの高繊維難消化性コーンシロップと4kcal/gの通常の消化性炭水化物との間の中間である。これは、在来の糖及びデンプンと比較して、25%のカロリー削減を示す。
【0049】
一実施形態において、この製品を製造するためのプロセスは、(1)少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、且つ少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱するステップ、及び(2)仕込み組成物を、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒と、非線状糖オリゴマーの形成を惹起するのに十分な時間接触させるステップを含み、このプロセスにおいて、(a)乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、且つ(b)約25〜65のデキストロース当量を有する生成組成物が製造される。
【0050】
触媒は、酸(クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せなど)、酵素、又は酸と酵素との両方の組合せであってよい。触媒は処理中に加えることができる。別の方法では、状況によっては、前の工程の結果として仕込原料中に存在する、十分な残留触媒(例えば、食品グレードの酸)があり得て、その結果、それ以上の触媒を加える必要がない。したがって、一実施形態において、CSFを製造するプロセスは、単に加熱するステップを含み、場合により食品グレードの酸を追加する。このプロセスは、容易に実行することができて、既存のコーンシロップ精製作業中に統合することができる。
【0051】
本発明者らは、この「直接復元」CSF生成物の繊維分画は、高繊維で難消化性のコーンシロップ(RCS)の繊維分画よりも、分子量が低く、複雑でない分岐を有し、且つ結腸の微生物叢により容易に発酵され得るであろうと期待する。CSF生成物のDEは、市販のコーンシロップ製品のDEと合致することを目標とすることができる。例えば、DEが26、35、43及び63におよそ等しいCSF生成物は、Staley200、Staley300、Staley1300及びSweetose4300という在来のコーンシロップと、それぞれ好一対である。
【0052】
別の方法で、生成物を、従来のコーンシロップ(繊維が少ししか又は全くない)を難消化性コーンシロップ(繊維含有量が、例えば約70%以上)とブレンドすることにより調製することができる。他のコーン以外の穀物に由来するシロップも使用することができる。
【0053】
上記の製品は、本特許公開の他の部分でより詳細に説明される食品中の材料として、使用することができる。この製品は1つ又は複数の利益を有することができる。例えば、それは、コーンシロップのカロリー含有量を低下させて、食物繊維含有量を増大させることができる。それは食物中の在来のコーンシロップに対する「差し込み式」代替物として役立つことができる。それは高レベルのコーンシロップを使用する製品中における適切な繊維の投入を提供することができる。またそれは食物中の繊維補完に対する、より経済的な手法を提供することができる。
【0054】
図1は、上記の復元技法を使用することができるプロセスの一実施形態を示す。該プロセスは、デンプン、例えば植物性デンプンで開始することができる。従来のコーンスターチは1つの適当な例である。一般的に、プロセスは、出発原料のデンプンが比較的高純度であれば、より効率的に稼動するであろう。一実施形態において、高純度デンプンは、タンパク質含有率が、乾燥固形分基準で0.5%未満である。以下の議論の一部はコーンに焦点を当てているが、本発明が、他の原料、とりわけジャガイモ及び小麦などに由来するデンプンにも適用可能であることは理解されるべきである。
【0055】
図1に示すように、デンプン10は、それに酸12を加えておくことができ、次にデンプン顆粒がスチームと接触するスターチクッカー(starch cooker)中、例えばジェットクッカー中で糊化することができる(14)。プロセスの1方式では、デンプンスラリーは、硫酸添加によりpHを目標の3.5に調節し、ジェットクッカー中でスチームと急速に混合し、終点近くのラインで149から152℃(300から305°F)に4分間保つ。糊化されたデンプン16は、ジェットクッキング中に高温で酸に曝すことにより加水分解される(18)。加水分解は、デンプンの分子量を低下させ、且つ組成物中における単糖類及びオリゴ糖のパーセンテージを増大させる(上記のように、「オリゴ糖」という用語は、本明細書においては、少なくとも2個の糖単位、例えば重合度(DP)が約2〜30である糖類を含む糖類を指して使用される)。炭酸ナトリウムなど中和剤20を、酸加水分解を停止させるために使用することができ、次に組成物を加水分解酵素22と接触させることにより、さらに解重合することができる(24)。適当な酵素は、Novozymesから入手できるTermamylなどのαアミラーゼを含む。この酵素的加水分解は、組成物中に存在する単糖類及びオリゴ糖のパーセンテージをさらに増大させる。酸及び酵素処理による全体的結果は、デンプンを糖化することである。糖化された組成物は、異性化することができて、単糖プロファイルを変化させ、例えばフルクトース濃度を増大させる。
【0056】
糖化された組成物26は、次に例えばクロマトグラフ分別28により精製することができる。連続式疑似移動床(SSMB)クロマトグラフィ手順を使用する一実施形態において、混合された糖類の溶液は、樹脂ビーズを充填されたカラムを通して送液される。樹脂の化学的性質に依存して、糖類の一部は、樹脂とより強く相互作用して、樹脂とより弱く相互作用する糖類と比較して、樹脂を通る流れが遅くなる。この分別は、デキストロース及びフルクトースなど単糖類の含有率が高い1つのストリーム30を生じさせ得る。高フルクトースコーンシロップは、そのようなストリームの例である。分別は、オリゴ糖の濃度が比較的高く(例えば、乾燥固形分基準(d.s.b.)で約5〜15%のオリゴ糖)、より低濃度のデキストロース及びフルクトースなどの単糖類も含有するラフィネートストリーム32(即ち、樹脂床を通してより速く移動する成分)も生じさせる。「ストリーム」という用語は、本明細書において、プロセスのある部分を記述するために使用されるが、本発明のプロセスが連続稼動に限定されないことは理解されるべきである。プロセスは、バッチ又はセミバッチ方式においても実施することができる。
【0057】
ラフィネート32は、膜濾過34により、例えばナノ濾過により、場合により透析濾過も用いて、さらに分別することができる。例えば、これらの濾過ステップは、Desal DK螺旋状ナノ濾過カートリッジを約500psiの圧力及び摂氏40〜60度の温度で使用して、実施することができる。ステップ34に記載した分別は、連続式疑似移動床クロマトグラフィ(SSMB)により達成することもできる。膜濾過は、主として単糖類を含む透過液36(即ち、膜を通過する成分)及び主としてオリゴ糖を含む濃縮水38(即ち、膜により拒絶される成分)を生ずる(本明細書において使用する「主として」は、組成物が乾燥固形分基準で任意の他の成分よりも記載した成分を多く含有することを意味する)。透過液36は、モノマーストリーム30(例えば、高フルクトースコーンシロップ)と合わせることができる。透過液は、単糖類に富むストリームであり、濃縮水はオリゴ糖に富むストリームである。換言すれば、ナノ濾過は、ナノ濾過に仕込む原料に比較して、濃縮水中にオリゴ糖を、及び透過液中に単糖類を濃縮する。
【0058】
オリゴ糖シロップ40と記載することができる濃縮水38は、遅消化性のオリゴ糖(例えば、少なくとも約50重量%d.s.b.、又は幾つかの場合には少なくとも約90%)の十分高い含有量を有することができ、その結果、それは、乾燥するか又は単に蒸発させて濃縮シロップとして、食物中の材料として使用することができる。しかしながら、多くの場合、この組成物をさらに処理して精製することは有用であろう。そのような精製は、以下のステップの1つ又は複数を含むことができる(図1は、4つのそのような精製ステップ42、44、46、及び48を選択肢として示すが、これらのステップの2つ又は3つをプロセスで使用することができることは理解されるべきである)。
【0059】
オリゴマーシロップ40は、フルクトース及びデキストロースなど残留単糖類の少なくとも一部を除去するために、膜濾過などもう一度の分別42、例えば2度目のナノ濾過にかけることができる。適当なナノ濾過条件及び設備は上記の通りである。このナノ濾過は、単糖に富む第2のストリームである透過液を生じ、それはモノマーストリーム30と合わせることができる。あるいは、クロマトグラフ分離により、例えば、疑似移動床クロマトグラフィにより、さらなる分別42を行うことができる。
【0060】
シロップ41は、デキストロースイソメラーゼなどの酵素と接触させることにより、異性化することができる(44)。これは、存在する残留デキストロースの少なくとも一部をフルクトースに変換し、それはある状況においては、より価値が上がることもありうる。
【0061】
上記のように、シロップを、酵素又は酸で処理して、復元又は再重合46を惹起することができ、そこで、まだ存在する単糖類の少なくとも一部は他の単糖類又はオリゴ糖に共有結合で結合し、それによりシロップの残留モノマー含有量をさらに減少させることさえできる。このステップにおける使用に適した酵素には、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、及びプルラナーゼなどのグルコシダーゼが含まれる。セルラーゼ酵素は、幾つかの用途にとって価値のある復元生成物を生成させることができる。
【0062】
シロップは水素化して(48)、任意の残留単糖類の少なくとも一部を対応するアルコールに変換することができる(例えば、デキストロースをソルビトールに変換する)。水素化がプロセス中に含まれるとき、それは、通常(必ずではないが)最後の精製ステップであろう。
【0063】
上記の精製ステップの1つ又は複数により生じた精製オリゴマーシロップ49は、次に、脱色することができる(50)。脱色は、例えば活性炭処理とそれに続くミクロ濾過により行うことができる。連続式流動系において、シロップストリームは、顆粒状活性炭で充填されたカラムを通して送液され、脱色を達成することができる。脱色されたオリゴマーシロップは、次に例えば約70%を超える乾燥固形分(d.s.)に蒸発することができ(52)、高含有量のオリゴ糖(例えば、90wt%d.s.b.を超え、幾つかの場合、95%を超える)、及び相対的に低い含有量の単糖類を含む生成物を生ずる。生成物は、完全に不消化性でないとしても、ヒトにより徐々に又は不完全に消化される複数の糖類を含む。これらの糖は、イソマルトース、パノース及び4以上の重合度を有する分岐オリゴマーを含み得る。
【0064】
プロセス条件は、モノマーに富むストリーム(30、36)又はオリゴマー生成物ストリームのいずれかの仕込原料中のマルトースの大部分を回収するように改良することができる。例えば、500psi未満の圧で機能するDesal DLなどの僅かに大きい開口径のナノ濾過膜は、モノマーに富むストリーム中のマルトース量を増大させるために使用することができる
【0065】
生成物は、食物の材料として適当であり、ヒト消化系による消化に対して遅消化性又は難消化性である。上記のように、生成物の幾つかの成分は、ヒトの胃及び小腸において実質的に完全に不消化性であり得る。幾つかの実施形態において、生成物は使用されるデンプンの原料に応じて、コーンシロップ又は小麦シロップとして分類することができ、これらの用語が食品表示として使用される。ナノ濾過において、より大きい開口径を使用する場合には、マルトデキストリンと分類される、より高い分子量のオリゴマーシロップ生成物を得ることができる。
【0066】
プロセスにより製造されるオリゴ糖含有シロップは、従来の炭水化物の代替物又は補完物として食物に添加することができる。したがって、本発明の他の態様は、乾燥固形分基準で多量の線状及び非線状糖オリゴマーを含み、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度を超える炭水化物組成物を含む食品である。シロップが使用され得る食物の具体例には、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷凍デザート、揚げ物、パスタ製品、ポテト製品、米製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、硬いキャンディ、栄養バー、朝食用シリアル、及び飲料などの加工食品が挙げられる。オリゴ糖シロップを含有する食品は、コーンスターチなどの従来の炭水化物が使用される類似の食品よりも、低い血糖反応、低い血糖指数、及び低い血糖負荷を有するであろう。さらに、オリゴ糖の少なくとも一部は、ヒトの胃又は小腸において非常に限られた程度にしか消化されないか又は全く消化されないかのいずれかであるので、食品のカロリー含有量は低下する。シロップは可溶性食物繊維の原料でもある。
【0067】
上記の難消化性オリゴマーシロップは、食品中の材料として、シロップのまま使用することができるか、又は最初に濃縮してシロップ固形分を形成することができる。いずれの形態においても、それは多くの方法で使用することができる。上記のように、このシロップは、コーンなどの種々のデンプン原料から得ることができる。本特許における幾つかの場合に、「難消化性コーンシロップ」(digestion-resistant corn syrup又はresistant corn syrup)(「RCS」と略記することもある)という語句が使用されるが、本発明が、コーン由来のシロップ又はシロップ固形分に限定されると解釈されるべきではない。
【0068】
難消化性オリゴマーシロップは、可溶性繊維の原料として、食品に添加することができる。それは、風味、口当たり、又は食感に対して否定的な影響を有することなく、食品の繊維含有量を増大させることができる。
【0069】
難消化性オリゴマーシロップの機能性は、コーンシロップ及び蔗糖に類似しており、そのため、それは、食品中の種々の栄養素甘味料の完全な又は部分的な置き換えに適したものになる。例えば、難消化性シロップは、食品中において、スクロース、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)、フルクトース、デキストロース、普通のコーンシロップ、又はコーンシロップ固形分の完全な又は部分的な置き換えのために使用することができる。1つの特別な例として、難消化性シロップ又は難消化性シロップ固形分は、1:1の基準で、他の固形甘味料を置き換えるために使用することができて、固形蔗糖の完全な置き換えまでできる。固形甘味料置き換えレベルが高くなると、食品の甘味は低下し得るが、口当たり及び風味の発散は実質的に同じままで、一方、蔗糖及びカロリー含有量は低下する。また、難消化性シロップは、食物調合において、脂肪、小麦粉、又は他の材料を置き換える増量剤として使用することができる。あるいは、難消化性シロップは、スクロース、HFCS、又はフルクトースなどの甘味料と組み合わせて、食品中で使用することができ、食品の全体的甘味に変化を生じない。他の例として、難消化性シロップは、スクラロース又は他の高強度甘味料と組み合わせて、食品中で使用することができ、それは、食品の甘味又は口当たりに変化のない、甘味料の置き換えを可能にする。
【0070】
難消化性オリゴマーシロップは、難消化性デンプン、ポリデキストロース、又は他の繊維原料と組み合わせて食品中で使用することができて、食品の繊維含有量を増加させ、食品の消費による生理学的利益を増大させ、カロリー含有量を低下させ、及び/又は製品の栄養学的側面を強化する。
【0071】
難消化性オリゴマーシロップは、糖アルコール又はマルトデキストリンなどの増量剤と組み合わせて食品中で使用することができて、カロリー含有量を低下させ、及び/又は食品の栄養学的側面を強化する。シロップは、食品中の脂肪の部分的置き換えとして使用することもできる。
【0072】
難消化性オリゴマーシロップは、食品中で軟化剤又は結着剤として使用することができて、歯切れのよさ又は噛み応えを向上させ、見栄えを改善し、及び/又は生地、パン生地若しくは他の食物組成物の流動性を改善する。シロップは、保湿剤として食品中で使用することもできて、製品の寿命を延長し、及び/又は柔らかい、しっとりした食感を生ずる。それは、食品中において、水の活性を減少させ又は水を固定化して制御するために使用することもできる。シロップのさらなる用途には、溶き卵の置き換え、及び/又は食品表面の艶の増強、小麦粉デンプン糊化温度の変更、食品の食感の改善、並びに食品の色づけの増強が含まれる。
【0073】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態において、難消化性オリゴマーシロップは、以下の利点の1つ又は複数を有する。生地及び生パンなどの食物組成物中に組み込むことを比較的容易にする高い溶解性;昇温下及び/又は酸性pHの下における安定性(イヌリンなど幾つかの他の可溶性繊維は、それほど安定ではない)、低い甘味、爽やかな風味及び透明色。シロップの特性は、それが使用される食品がクリーンラベル(clean, label)を有することを可能にする。本発明の幾つかの実施形態において、難消化性オリゴマーシロップは、グラム当たり約2カロリー(d.s.b.)を含み、それは、食品の合計カロリー含有量を減少させることができる。
【0074】
本発明の難消化性オリゴマーシロップは、種々のタイプの食品中で使用することができる。シロップが非常に有用であり得る食品の1つのタイプは、ケーキ、ナッツ入りチョコレートケーキ、クッキー、クリスプクッキー、マフィン、パン、及びスイートドウ(sweet doughs)などベーカリー製品(即ち、オーブンで焼かれた食物)である。従来のベーカリー製品は、蔗糖が比較的高く且つ合計炭水化物が高くなり得る。難消化性シロップのベーカリー製品中の材料としての使用は、ベーカリー製品の繊維含有量を増大させながら、蔗糖及び炭水化物のレベルを低下させ、同様に合計カロリーを減少させることに役立ち得る。
【0075】
ベーカリー製品の2つの主なカテゴリーがある。即ち、酵母で膨らませたもの及び化学的に膨らませたものである。ドーナツ、スイートドウ、及びパンのような酵母でふくらませた製品においては、糖を置き換えるために、難消化性オリゴマーシロップを使用することはできるが、少量の蔗糖が、酵母のための発酵基質のため又はパンの皮の褐色化のための必要から、やはり望ましいことがある。難消化性オリゴマーシロップ固形分(例えば、難消化性コーンシロップ固形分)は、栄養素の乾燥甘味料と同様な方法で、他の乾燥材料と共に添加することができ、特別な取り扱いは必要ないであろう。難消化性コーンシロップは、シロップ又は液体甘味料の直接の代替物として、他の液体と共に添加することができる。次に、生パンは、混合され、発酵され、分割され、成形され、又はローフ型若しくは菓子型中に押し出され、膨らまされ、及び焼かれ若しくは揚げられることを含む、パン・菓子製造業において普通使用される条件で加工される。製品は、在来の製品と同様な条件を使用して、焼き又は揚げることができる。パンは、通常420°Fから520°Fの範囲の温度で20から23分間焼かれ、ドーナツは400〜415°Fの範囲の温度で揚げることができるが、他の温度及び時間も使用することができる。高強度甘味料は、最適甘味及び風味プロファイルを得るために必要なだけ、生パンに添加することができる。
【0076】
化学的に膨らまされた製品は、通常、より多くの蔗糖を含み、高レベルの難消化性コーンシロップ/シロップ固形分を含むことができる。完成したクッキーは、30%の蔗糖を含有することができ、それは難消化性コーンシロップ/シロップ固形分で、完全に又は部分的に置き換えることができる。これらの製品は、例えば4〜9.5のpHを有することができる。水分含有量は、例えば2〜40%の間であることができる。
【0077】
難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、容易に組み込まれ、クリーム状にする段階の混合の初期に、又は置き換えの対象のシロップ若しくは乾燥甘味料と同様の任意の方法で、脂肪に添加することができる。生成物は、混合されて、次に、例えば、シートにされ、回転カットされ、ワイヤカットされることにより、又は他の成形プロセスにより成形される。次に、製品は通常の焼成条件、例えば200〜450°Fで焼かれる。
【0078】
焼成
難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、非晶質状態で糖ガラスを形成して、焼かれた商品に粒子を付着させるために、及び/又は焼かれた商品の見栄えをよくする膜若しくは被覆物を形成するために使用することもできる。他の非晶質の糖のように、難消化性コーンシロップ固形分は、加熱と、それに続くそれらのガラス転位温度未満の温度への冷却で、ガラスを形成する。
【0079】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、朝食用シリアルである。例えば、本発明による難消化性コーンシロップは、押し出されたシリアル片中及び/又はこれらの断片の外側の被覆中の蔗糖の全部若しくは一部を置き換えるために使用することができる。被覆物は、完成したシリアル片の合計重量の通常30〜60%である。シロップは、例えば、噴霧又は振りかけで適用することができる。被覆物のための調合物は、難消化性コーンシロップの75%溶液のような単純なものであってよい。難消化性コーンシロップは、蔗糖と種々のパーセンテージで、又は他の甘味料又はポリオールとブレンドすることもできる。次に、余分の水分は、低熱オーブン中で蒸発させることができる。押し出された断片においては、難消化性コーンシロップ固形分を、乾燥材料と共に直接添加するか、又はシロップ形態を計量して水と共に又は別々に押し出し機中に入れることができる。少量の水は、エクストルーダ中に添加することができ、次にそれは100°Fから300°Fの範囲の種々の区域を通過することができる。場合により、難消化性デンプンなど繊維の他の原料を、押し出された断片中で使用することができる。難消化性コーンシロップの使用は、他の繊維原料と異なる食感を創り出す。それを単独で使用するか又は他の繊維と組み合わせて使用するかにより、食感を変化させて製品の多様性を創り出すことができる。
【0080】
該シロップを使用することができる他のタイプの食品は、乳製品である。該シロップを使用することができる乳製品の例には、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、乳飲料、フレーバーミルク、スムージー(smoothies)、アイスクリーム、ミルクセーキ、コテージチーズ、コテージチーズドレッシング、並びにクワルグ(quarg)及びホイップムースタイプ製品などの乳製品デザートが挙げられる。これは、そのまま消費されることを想定した乳製品(例えば、パックされたスムージー)並びに他の材料とブレンドされることを想定したもの(例えば、ブレンドされたスムージー)を含む。それは殺菌された乳製品中で、例えば160°Fから285°Fの温度で殺菌されたものなどで、使用することができる。乳製品の糖の完全な置き換えが可能である(それは全調合物の24%までになり得る)。難消化性コーンシロップは、酸性のpHで一般的に安定である(乳製品飲料のpH範囲は通常2〜8である)。
【0081】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は菓子である。シロップを使用することができる菓子の例として、硬いキャンディ、フォンダン、ヌガー及びマシュマロ、ゼラチンゼリーキャンディ又はグミ、ゼリー、チョコレート、リコリス、チューインガム、キャラメル及びタフィー、ガム、ミント、錠剤糖菓、及びフルーツスナックが挙げられる。フルーツスナックにおいて、難消化性コーンシロップは、果汁と組み合わせて使用することができる。果汁は、甘味の大部分を供給し、難消化性コーンシロップは合計蔗糖含有量を減少させ且つ繊維を加える。シロップは、初期キャンディスラリーに添加し、加熱して、完成固形分含有量にすることができる。スラリーは、200〜305°Fに加熱して完成固形分含有量を得ることができる。酸は、加熱の前又は後に加えることができて、完成時のpHを2〜7にする。難消化性コーンシロップは、存在する蔗糖の0〜100%及びコーンシロップ又は他の甘味料の1〜100%の代替物として使用することができる。
【0082】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、ジャム及びゼリーである。ジャム及びゼリーは、果実から製造される。ジャムは果実片を含み、一方ゼリーは果汁から製造される。難消化性コーンシロップは、以下のようにして、蔗糖又は他の甘味料の代わりに使用することができる。果実及びジュースを秤量してタンクに入れる。蔗糖、難消化性コーンシロップ及びペクチンを予備混合する。乾燥組成物をその液体に加え、煮て温度を214〜220°Fにする。熱いままジャーに充填して5〜30分間殺菌する。
【0083】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は飲料である。それを使用することができる飲料の例として、炭酸飲料、果汁、濃縮ミックスジュース(例えば、マルガリータミックス)、清水、及び乾燥飲料ミックスが挙げられる。本発明の難消化性コーンシロップの使用は、多くの場合、他のタイプの繊維が飲料に添加されたときに生ずる透明性の問題が克服される。糖の完全な置き換えは可能である(それは、例えば、全調合物の12%までになり得る)。該シロップは酸性pHにおいての安定なので、例えばpHが2〜7の範囲の飲料で使用することができる。難消化性コーンシロップは、低温加工飲料及び殺菌飲料中で使用することができる。
【0084】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、高固形分充填物である。シロップを使用することができる高固形分充填物の例として、スナックバー、トースターペストリー、ドーナツ、及びクッキーにおける充填物が挙げられる。高固形分充填物は、例えば、酸味のある物/フルーツ充填物又はセイボリー(savory)充填物であり得る。シロップは、そのまま消費される製品、又は食品加工業者(追加のベーキング)若しくは消費者(安定な充填物を焼く)によってさらなる加工を受ける製品に添加することができる。本発明の幾つかの実施形態において、高固形分充填物の固形分濃度は67〜90%の間である。固形物は難消化性コーンシロップで全部置き換えることができ、又は難消化性コーンシロップは存在する他の固形甘味料の部分的置き換えに使用することができる(例えば、現用の固形物の5〜100%を置き換え)。通常、フルーツ充填物のpHは2〜6であり、一方、セイボリー充填物はpH4〜8の間であろう。充填物は、低温で調製するか、又は最高250°Fに加熱して所望の完成時固形分含有量まで蒸発させることができる。
【0085】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、押し出されて板状になったスナックである。シロップを使用することができる、押し出されて延べられたスナックの例として、パフスナック、クラッカー、トルティーヤチップ、及びコーンチップが挙げられる。押し出された断片の調製において、難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、乾燥製品と共に直接加えられる。少量の水がエクストルーダに加えられ、次にそれは100°Fから300°Fの範囲の種々の区域を通過する。この乾燥難消化性コーンシロップ/シロップ固形分は、乾燥製品混合物の0〜50%のレベルで添加することができる。液状難消化性コーンシロップは、エクストルーダに沿った液体導入口の1つに加えることもできる。生成物は、低水分含有量(5%)で出てきて、次に、過剰の水分を除去するために焼かれるか、又はやや高い水分含有量(10%)で出てきて、次に水分を除去するために揚げられ、調理が終わって製品になる。ベーキングは、500°Fまでの温度、20分間で行われる。ベーキングは、より典型的には350°F、10分間で行われる。フライ揚げは、典型的には350°F、2〜5分間で行われる。薄板にしたスナックにおいて、難消化性コーンシロップ固形分は、他の乾燥材料(例えば、小麦粉)の部分的代替物として使用することができる。それは、乾燥重量の0〜50%にすることができる。生成物は、乾燥状態で混合されて、それから水を添加されて粘着性の生地を形成する。生成物ミックスのpHは5から8である。次に、生パンを延べてカットし、それから焼くか又は揚げる。ベーキングは、500°Fまでの温度、20分間で行うことができる。フライ揚げは、典型的には350°F、2〜5分間で行われる。難消化性コーンシロップの使用による他の可能性のある利益は、それが内蔵材料として、又は揚げた食物の外側の被覆として加えられたときの、揚げたスナックの脂肪含有量の15%もの削減である、
【0086】
シロップを使用することができる他のタイプの食品は、ゼラチンデザートである。ゼラチンデザートの材料は、ゲル化剤としてのゼラチンとの乾燥ミックスとして売られていることが多い。固形蔗糖は、乾燥ミックス中で、難消化性コーンシロップ固形分によって、部分的に又は全体的に置き換えることができる。次に、乾燥ミックスを、水と混合し、212°Fに加熱してゼラチンを溶解し、それから追加の水及び/又は果物を加えて、ゼラチンデザートを完成することができる。次に、ゼラチンを放冷して固める。ゼラチンは、長期保存できるパックで売ることもできる。その場合、安定剤は、通常、カラギナン系である。上で述べたように、難消化性コーンシロップは、他の固形甘味料を100%まで置き換えることができる。乾燥材料は、液体中に混合されて、次に殺菌され、カップ中に入れられ、放冷されて固められる。カップは、通常、箔の蓋を有する。
【0087】
シロップを使用することができる他のタイプ食品は、スナックバーである。それを使用することができるスナックバーの例として、朝食及び食事代替バー、栄養バー、グラノーラバー、タンパク質バー、及びシリアルバーが挙げられる。それは、高固形分充填物、結合シロップ又は微粒子部分でなど、スナックバーの任意の部分で使用することができる。結合シロップ中の蔗糖は、難消化性コーンシロップを用いて完全な又は部分的な置き換えが可能である。結合シロップの固形分は、通常50〜90%であり、結合シロップ10%対微粒子90%から結合シロップ70%対微粒子30%の範囲の比で適用される。結合シロップは、甘味料、増量剤及び他の結合剤(デンプンのような)の溶液を160〜230°Fに加熱することにより作製される(シロップに必要な最終固形分に依存する)。次に、シロップは微粒子と混合されて微粒子を被覆し、その基材全体に被覆物を提供する。難消化性コーンシロップは、微粒子自体の中においても使用することができる。これは直接膨張させられたか又は吹き出された、押し出し断片であってもよい。それは、他の穀粒材料、コーンミール、米粉又は他の類似の材料との組合せで使用することができる。
【0088】
シロップを使用することができる他のタイプ食品は、チーズ、チーズソース、及び他のチーズ製品である。それを使用することができるチーズ、チーズソース、及び他のチーズ製品の例として、低乳固形チーズ、低脂肪チーズ、及び低カロリーチーズが挙げられる。固形チーズにおいてシロップは、溶融特性を向上させること、又はデンプンなど他の材料により加えられた溶融制限効果を減少させることに役立ち得る。それは、チーズソース中で、例えば増量剤として使用して、脂肪、固形乳又は他の通常の増量剤を置き換えることもできる。
【0089】
シロップ/シロップ固形分中で使用することができる他のタイプの食品は、食用及び/又は水溶性のフィルムである。それを入れて使用することができるフィルムの例として、水に溶解されることが意図されている、種々の食物及び飲料のための、乾燥ミックスを封入するために使用されるフィルム、又は調理後まだ熱いうちに食物に加えられるスパイスフィルムなど、色素若しくは香料を送達するために使用されるフィルムが挙げられる。他のフィルム用途は、フルーツ及びベジタブルレザー、及び他の柔軟性のフィルムを含むが、これらに限定されない。
【0090】
該シロップを使用することができる他のタイプ食品は、スープ、シロップ、ソース、及びドレッシングである。典型的ドレッシングは0〜50%が油であってよく、pH範囲は2〜7である。それは、冷加工又は熱加工することができる。それは、混合されてから安定剤が添加される。難消化性コーンシロップは、必要とされる他の材料と共に液体又は乾燥形態で、容易に添加することができる。ドレッシング組成物は、安定剤を活性化するために加熱される必要があることがある。典型的加熱条件は、170〜200°Fで1〜30分間である。冷却後、油を加えてプレエマルションをつくる。次に、生成物を、ホモジナイザー、コロイドミル、又は他の高せん断処理を使用して乳化する。
【0091】
ソースは、油0〜10%及び全固形分10〜50%であってよく、pHは2〜8であってよい。ソースは、冷加工プロセス又は熱加工することができる。材料が混合されてから熱加工される。難消化性コーンシロップは、必要とされる他の材料と共に液体又は乾燥形態で、容易に添加することができる。通常、加熱は170〜200°Fで1〜30分間である。
【0092】
スープは、より典型的には、20〜50%が固形分であり且つより中性のpH範囲4〜8にある。それらは、乾燥難消化性性コーンシロップ固形分を添加することができる乾燥ミックス、又は缶詰にしてから殺菌された液体スープであることができる。スープにおいて、難消化性コーンシロップは、固形分を50%まで使用することができるが、より典型的な用法は5g繊維/一人前を送達することである。
【0093】
シロップは、難消化性コーンシロップを、固形蔗糖の100%まで代替物として組み込むことができる。通常、それは、現状の基準に基づいて、シロップの12〜20%である。難消化性コーンシロップは、水と共に添加され、次に製品を安全に且つ長期保存できるようにするために、殺菌されて熱充填される(通常185°F、1分殺菌)。
【0094】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、コーヒークリ−マーである。それを入れて使用することができるコーヒークリ−マーの例として、液体及び乾燥クリ−マーの両者が挙げられる。ドライブレンドされたコーヒークリーマーは、以下の脂肪タイプの市販のクリーマー粉末とブレンドすることができる。ダイズ、ココナツ、ヤシ、ヒマワリ、若しくはカノーラ油、又は乳脂肪。これらの脂肪は、水素化されていなくても又は水素化されていてもよい。難消化性コーンシロップ固形分は、繊維原料として、場合によりフルクトオリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、マルトデキストリン、難消化性デンプン、スクロース、及び/又は従来のコーンシロップ固形分と一緒に添加することができる。組成物は、スクラロース、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、又はそれらの組合せなどの高強度甘味料も含有することができる。これらの材料を、乾燥ブレンドして所望の組成物を製造することができる。
【0095】
粉末乾燥されたクリーマー粉末は、脂肪、タンパク質及び炭水化物、乳化剤、乳化剤塩、甘味料、及び固化防止剤の組合せである。脂肪の原料は、ダイズ、ココナツ、ヤシ、ヒマワリ、又はカノーラ油、又は乳脂肪の1種又は複数種であってよい。タンパク質は、カゼイン酸ナトリウム若しくはカルシウム、乳タンパク質、ホエイタンパク質、小麦タンパク質、又はダイズタンパク質であってよい。炭水化物は、難消化性コーンシロップ単独又はフルクトオリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、難消化性デンプン、マルトデキストリン、スクロース、若しくはコーンシロップとの組合せであってよい。乳化剤は、モノ及びジグリセリド、アセチル化モノ及びジグリセリド、又はプロピレングリコールモノエステルであってよい。塩は、クエン酸三ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸一カリウム、及び/又はリン酸二カリウムであってよい。組成物は、スクラロース、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、又はそれらの組合せなどの高強度甘味料も含むことができる。適当な固化防止剤としては、ナトリウムシリコアルミネート又は二酸化シリカが含まれる。製品はスラリー中で配合され、場合により均一化されて、顆粒状又は凝集塊の形態に噴霧乾燥される。
【0096】
液体コーヒークリ−マーは、脂肪(乳肪肪又は水素化された植物油のいずれか)、若干の乳固形分若しくはカゼイン酸塩、コーンシロップ、及びバニラ若しくは他の香料のエマルション、並びに安定化ブレンドの単に均一化されて殺菌されたエマルションである。生成物は、HTST(高温短時間)により185°F、30秒間で、又はUHT(超高温)により285°F、4秒間で通常殺菌され、2段階ホモジナイザー中で500〜3000psiの第1段階及び200〜1000psiの第2段階で均一化される。コーヒークリーマーは、コーヒーに加えられたときにbに、通常安定化される。
【0097】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、糖衣、フロスティング、及び艶出しなどの食物被覆物である。糖衣及びフロスティングにおいて、難消化性コーンシロップは、カロリー含有量を低下させ且つ繊維含有量を増大させるために、甘味料代替物(完全又は部分的)として使用することができる。艶出しは、典型的には、約70〜90%が蔗糖、残余の大部分は水であり、難消化性コーンシロップは、蔗糖を、全体的に又は部分的に置き換えるために使用することができる。フロスティングは、典型的には、約2〜40%の液体/固形分脂肪の組合せ、約20〜75%の固形甘味料、色素、香料、及び水を含有する。難消化性コーンシロップは、固形甘味料の全部若しくは一部を置き換えるために、又は低脂肪系中の増量剤として使用することができる。
【0098】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、乾燥又は湿式のドッグフードなどのペットフードである。ペットフードは、押し出し、形成、及びグレービーソースとして作るなど、種々の方法で製造することができる。難消化性コーンシロップは、これらのタイプの各々において、0〜50%のレベルで使用することができる。
【0099】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品はトルティーヤであり、それは通常、小麦粉及び/又はコーンミール、脂肪、水、塩、及びフマル酸を含有する。難消化性コーンシロップは、小麦粉又は脂肪を置き換えるために使用することができる。材料は混合されて、次に薄板にされ、打ち抜かれて調理される。この添加は、繊維を添加するために、又は保存寿命を延長するために使用される。
【0100】
シロップを入れて使用することができる他のタイプ食品は、魚及び食肉である。従来のコーンシロップが、ある種の食肉で既に使用されており、したがって、難消化性コーンシロップは、部分的又は完全な代替物として使用することができる。例えば、難消化性コーンシロップは、塩水に加えてから食肉に真空散布するか又は注入することができる。それは、塩及びリン酸塩、並びに、場合によりデンプン、カラギナン、又はダイズタンパク質などの水が結合した材料と共に添加することができる。これは、繊維を加えるために使用され、典型的レベルは5g/1人前であり、このレベルは繊維の優れた原料の規格に合格する。
【0101】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品は、ドライフルーツ(漬けられたもの)である。多くの種類のドライフルーツは、砂糖漬けにされた場合だけ安定で且つ味がよい。難消化性コーンシロップは、蔗糖の全部又は一部を置き換えることができる。例えば、難消化性コーンシロップは、果物を乾燥前に漬けるために使用される塩水に、加えることができる。硫酸塩などの安定剤もこの塩水中で同様に使用することができる。
【0102】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品は、幼少児食物である。難消化性コーンシロップは、そのような食物のための1種又は複数種の従来の材料に対する代替物又は補完として使用することができる。そのまろやかな風味及び透明色のために、それは、種々の離乳食に、蔗糖を減少させ且つ繊維含有量を増大させるために、添加することができる。
【0103】
シロップを入れて使用することができる他のタイプの食品は、食肉のための衣づけ及びパン粉づけなどの衣及びパン粉である。これは、衣づけ及び/又はパン粉づけ(例えば、小麦粉タイプ材料)の乾燥成分の全部又は一部を難消化性コーンシロップで置き換えることによるか、又は食肉の筋肉又は揚げられた食物自体に対する添加との組合せ使用で行うことができる。これは、増量剤として、繊維添加のために、又は揚げられた食物中の脂肪を減少させるために使用することができる。
【0104】
本明細書に記載したプロセスは、糖化に対して難消化性の糖シロップ(例えば、図1におけるストリーム26)の分画を利用する。この素材を精製された製品として分離することにより、高果糖コーンシロップなど単糖が主体のシロップ中の望ましくない副生物であることより寧ろその有用な特性のために、それを使用することができる。高果糖コーンシロップから比率の大きいオリゴ糖を除去すると、その製品がより純粋になり(即ち、デキストロース及びフルクトースの濃度がより高い)したがって価値が高くなる。
【0105】
本発明の食品は、糖尿病を罹患するヒトなどの哺乳動物における血中グルコース濃度を制御することに役立てるために使用することもできる。食品が哺乳動物により消費されるとき、食品中の遅消化性及び/又は難消化性成分は、血流における相対血糖反応をより穏やかにすることができて、それは糖尿病患者にとって有益であり得る。この文脈における「制御」は、相対的な用語と理解されるべきである。即ち、血糖反応は、同じ哺乳動物がそのような難消化性及び/又は遅消化性の成分を含有しない類似の食品を消費するときに起こる血糖反応と比較して向上し得るが、血糖反応は糖尿病を罹患していない哺乳動物で観察されるものと、必ずしも等しくないことがある。
【0106】
本発明のある実施形態は、以下の実施例からさらに理解することができる。
【実施例】
【0107】
実施例1
ラフィネートシロップを、コーンスターチが高果糖コーンシロップに加工されるプラントから得た。ラフィネートはクロマトグラフ分離により取り出され、主としてフルクトース及びデキストロースを含んだ。ラフィネートを、Desal DK1812C−31Dナノ濾過カートリッジを使用して、約500psiの圧力及び40〜60℃の温度で、ナノ濾過にかけた。ナノ濾過からの濃縮水を活性炭で脱色してから蒸発させて、乾燥固形分をおよそ80%にした。乾燥生成物の糖類分析は、HPAE−PADクロマトグラフィにより実施した。結果は表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
軽ラフィネートと名付けたこの素材を、Englystアッセイを使用して、消化性について試験した。試験管中で、約600mgの炭水化物d.s.b.を20mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に加えた。内容物を混合してから、約92℃で30分間加熱して、それから37℃に冷却した。次に、5mLの酵素溶液を試験管に加え、水浴中37℃で振盪により攪拌した。少量の試料を、20分及び120分の両方で取り出した。酵素を不活性化して、試料を濾過し、YSI Inc.のグルコース試験機を使用して、消化性を測定した。別の但し同様なナノ濾過操作で処理した重ラフィネートも、同じアッセイを使用して試験した。重ラフィネートは、軽ラフィネートの15〜25%乾燥固形分に対して、25〜35%の乾燥固形分を含有したが、両者はおよそ同じパーセンテージの低分子量の糖類を有した。ナノ濾過されていない調理されたジャガイモデンプンも比較として試験した。消化性アッセイ及び糖類分析の結果は、表2に示す。比較のために、調理されたジャガイモデンプンを表2に含める。表2中の全てのパーセンテージはd.s.b.に基づく。
【0110】
【表2】
【0111】
素材中におけるオリゴ糖のパーセンテージと難消化性の素材のパーセンテージとの間に非常に良好な相関があった。
【0112】
実施例2
乾燥固形分が21.4%のラフィネートシロップ約1,025Lを、コーンスターチが高果糖コーンシロップに加工されているプラントから得た。ラフィネートはクロマトグラフ分離により取り出され、主としてフルクトース及びデキストロースを含んだ。ラフィネートは、Desal NF3840C−50Dナノ濾過カートリッジを使用して、約500psiの圧力及び40〜60℃の温度でナノ濾過にかけた。最初の体積を約20の係数で減少させた後、DI水を使用して、濃縮水を約2容の定容透析濾過にかけた。透析濾過後、27.6kgの生成濃縮水(33.8%ds)を捕集した。この素材を、活性炭(シロップ固形分の0.5重量%)を用いて、冷蔵庫中で終夜攪拌することにより脱色した。このスラリーを、0.45ミクロンの中空繊維の濾過カートリッジを通して濾過により滅菌し、一部を蒸発させて平均濃度約73%dsにした。
【0113】
乾燥生成物の糖類分析を、HPAE−PADクロマトグラフィにより実施した。結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
実施例3 酵素によるデキストロースからの非線状オリゴマーの調製
74%、79.5%、及び80%の固形分濃度を有する濃厚デキストロースシロップは、(1)希薄シロップを蒸発させるか又は(2)デキストロース粉末に水を加えることにより調製した。各デキストロース/水混合物を適当な容器中に入れて、水浴中で60℃に加熱した。
【0116】
グルコアミラーゼ酵素(Novozymes A/SのDextrozyme又はSpirizyme)をシロップに、シロップ30mlに対しておよそ酵素400μlの比で、添加した。シロップ容器に蓋をしてから、酵素を行き渡らせるために激しく振り混ぜた。シロップを60℃の水浴に戻した。
【0117】
2〜4mlのシロップを小ガラスバイアルに移し、加熱ブロック中でおよそ85〜90℃に加熱して酵素を不活性化することにより、糖分布における変化を経時的にモニターした。
【0118】
種々の糖種の濃度は、アンペロメトリー検出(HPAE−PAD)を用いる高性能アニオン交換により測定した。電気化学的検出器及びグラジエントポンプを備えたDionex DX500 イオンクロマトグラフを分析に使用した。糖は、水酸化ナトリウム及び酢酸ナトリウム溶出剤のグラジエント送液を用いて、ガードカラム付Dionex Carbopac PA1分析カラムで分離した。糖は、金電極を使用して4ポテンシャル波形で検出した。試料は、分析する前に、水で希釈してAmicon Ultra−4遠心フィルター装置を通した。
【0119】
図2は、Novozymesの市販グルコアミラーゼ酵素である1.3%vol/vol Dextrazymeにより60℃で48時間処理した3つの異なる初期デキストロース組成物のシロップ中におけるデキストロース、イソマルトース及び「非線状高級糖類」(この図において、重合度が4以上の非線状オリゴマーを指す)の相対量を例示する。シロップ濃度が増大するにつれ、他の糖に対するモノマー状デキストロースの量は減少し、非線状高級オリゴマーの量は増大する。
【0120】
実施例4 コーンシロップからオリゴマーシロップの調製
デキストロースグリーン(95%デキストロース)からStaley200シロップの少し変換されたもの(26DE、5%デキストロース)までの広範囲の変換度を有し、且つ高(34%)マルトースシロップNeto7300を含む出発原料基材を得た。この実施例における出発素材として使用された具体的製品は、Staley(登録商標)200、Staley(登録商標)300、Staley(登録商標)1300、Neto(登録商標)7300、及びSweetose(登録商標)4300コーンシロップ、及びStaleydex(登録商標)3370デキストロースであった。これらの素材の特性の一部を表4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】
変換率の低いシロップの多くは、多量の重合度4以上(NL DP4+)の非線状高級オリゴマーを含むが、それらは多量の線状オリゴマーも含む。これらのシロップの幾つかは、DP17までの測定可能な線状オリゴマーを含有する。図3は、初期の糖類分布を示す。
【0123】
使用された酵素は、Spirizyme Plus FG及びDextrozyme DX1.5Xグルコアミラーゼ及びPromozyme D2プルラナーゼ(Novozymesにより供給)、CG220セルラーゼ及びトランスグルコシダーゼL−500(Genencorにより供給)、グルコアミラーゼGA150(Sunson Industry Groupにより供給)、及びトランスグルコシダーゼL(Bio−Cat Inc.により供給)であった。
【0124】
種々のコーンシロップをおよそ70%dsに調節した。およそ3.3%(v/v)のSpirizyme Plus FG酵素を50ml試験管中の各シロップに加えた。シロップを60℃の水浴中でおよそ4日間加熱した。酵素は、シロップをおよそ85℃で10分間加熱することにより不活性化した。図4は、最終の糖類分布を示す。全てのシロップが、4日の処理の終わりまでに同様な糖分布に達した。復元後、線状オリゴマーは非常に少ししか残らず、非線状オリゴマー含有量は増大していた。
【0125】
幾つかの点に注目すべきである。第一に、復元されたStaleydex 3370シロップでは、他のシロップよりもデキストロース含有量が若干高く、非線状オリゴマー含有量が低かった。全てのシロップは復元前におよそ70%dsに調節したが、初期デキストロース含有量が低い、変換率の低いシロップは、新しい分布が確立されたときに水を消費しており、最終濃度は、復元された3370シロップよりも4〜9パーセント高かった(例えば、デキストロースのDP6オリゴマー1個をデキストロース分子6個へ加水分解すると、5個の水分子を消費する)。表5が示すように、復元されたシロップの含水率は、デキストロース含有量と同方向に変わり、高級オリゴマー含有量と反対方向に変わる。
【0126】
【表5】
【0127】
低い含水率は、平衡を、復元生成物の濃度を高い方に移動させる。最終含水率が等しくなるように、含水率が調節されていたならば、糖分布も等しくなっていたと考えられる。
【0128】
第二に、復元後の全てのシロップは、各重合度(DP)で、線状オリゴマーよりもはるかに高いパーセンテージの分岐オリゴマーを含んでいた。マルトース対イソマルトース、パノース対マルトトリオース、及びNL DP4+対DP4以上の線状オリゴマー(それは復元後実質的に残っていない)の相対量を比較されたい。
【0129】
図5は、濃縮されたデキストロースシロップがSpirizymeで処理されたときの、マルトース及びイソマルトースの経時的濃度変化を示す。線状オリゴマーは速度論的生成物であり、一方非線状オリゴマーは熱力学的生成物であるように思われる。即ち、デキストロースからの線状2量体のマルトースの形成は、活性化エネルギーの低い急速で且つ可逆的な反応である。非線状2量体のイソマルトースの形成は、それより遅い反応であり、その逆反応は高い活性化エネルギーを有する。
【0130】
図6及び7は、70%デキストロースシロップが異なる濃度のSpirizyme酵素により60℃で処理されたときのマルトース及びイソマルトースの経時的濃度変化を示す。
【0131】
グルコアミラーゼを用いるStaley1300シロップの処理において、DP3以上の線状オリゴマーは、急速に消費されてデキストロースに変換される。線状オリゴマーの濃度は、最初の数時間以内の処理(70%シロップ濃度、0.13%Spirizyme及び60℃で)で、その平衡である全糖の約1%に達する(図8を参照されたい)。それより長い時間を経過すると、デキストロース濃度は徐々に減少して、非線状オリゴマーの濃度が緩やかに上昇する。マルトース及びイソマルトースの経時的濃度変化は、デキストロース復元に対して見られるものを反映している(図7)。
【0132】
上記の実験から得た試料を、85℃を超える温度で10〜20分間加熱して酵素を不活性化した後、イオンクロマトグラフィ分析のために希釈した。試料が活性酵素の存在下で希釈されていれば、それらは加水分解されてデキストロースに戻ったかもしれない。
【0133】
復元されたシロップの試料を希釈して、固形分を20%にした。各々の一部をSpirizyme酵素の存在下で60℃に、各々の他の一部をSpirizymeの存在下で40℃に保った。シロップを経時的にサンプリングして、各試料中の酵素を上記のようにして不活性化した。
【0134】
図9は結果を示す。60℃で、非線状高級オリゴマー(DP3以上)の濃度は、3時間以内に半分に低下し、7時間までに、糖の合計の約11.6%で横ばい状態になったように思われる。温度を低くすると加水分解が遅くなった。図9が示すように、デキストロース含有量は、加水分解の結果として増大した。2種の異なるグルコアミラーゼ(Spirizyme及びDextrozyme)を使用したとき、加水分解速度は同じであった。
【0135】
これらの実験から、復元により形成された非線状オリゴマーは、グルコアミラーゼ酵素(又はその中の不純物)による加水分解に対して抵抗性がないように思われる。しかしながら、それらの一部は、加水分解に対して抵抗性であるように思われる。20%dsでは、モノマーとオリゴマーとの間の平衡は、モノマー側に有利である。それでもなお、グルコアミラーゼ活性にとって最適の温度で、11.3%のDP4+及び11.6%のDP3+が7時間後に残る。これを、図8に例示した、同じ時間枠であるが、はるかに多い固形分(70%ds)及び半分のグルコアミラーゼ含有量における線状オリゴマーのデキストロースへの実質的に完全な変換と比較されたい。グルコアミラーゼ酵素は非線状オリゴマーを加水分解し得るが、加水分解は急速ではなくて、完全な変換まで進行し得ないように思われる。本発明者らは、ヒトの腸の消化酵素はこれらの化合物に対する活性が同様に低いであろうということを提唱する。
【0136】
表6は、復元されたシロップがSpirizyme酵素の存在下、60℃で20%dsに希釈されたときの、全ての糖種の濃度における変化を示す。
【0137】
【表6】
(「L DP3+」は重合度が3以上の線状オリゴマーを指す。「NL DP3」は重合度が3以上の非線状オリゴマーを指す。「NL DP4+」は重合度が4以上の非線状オリゴマーを指す)。
【0138】
出発時の糖分布又は変換率と無関係に、試験された全てのコーンシロップは、同様なシロップ濃度で処理されれば、グルコアミラーゼによりほぼ同様な糖分布に変換された。
【0139】
これらの実験から、コーンシロップの酵素による復元中に、線状オリゴマーは急速に加水分解されてデキストロースになるように思われる。高シロップ濃度でさらに長時間かけると、デキストロースが消費されて、非線状オリゴマーが形成される。非線状オリゴマーの生成は、シロップ固形分濃度を下げた、グルコアミラーゼによるそれらの加水分解により実証されるように、少なくとも部分的に可逆的である。したがって、復元されたシロップがグルコアミラーゼを不活性化する前に希釈されると、一部の、ただし明らかに全てではないオリゴマーが、加水分解されてデキストロースモノマーに戻る。このことは、グルコアミラーゼ(又は恐らくそれが含有する不純物)による非線状結合の形成は、酵素による完全に不可逆的な「間違い」というわけではないことを示す。
【0140】
実施例5 グルコアミラーゼの品質は復元に影響する
復元に影響するのに必要な酵素の量は、典型的な酵素過程に比較して大きい。60〜75℃、24時間で復元平衡の80%に達するためには、およそ1.5%v/vの普通に使用されるグルコアミラーゼ(例えば、Novozymesにより供給されるSpirizyme Plus FG及びDextrozyme DX1.5X)が必要である。酵素メーカーが、グルコアミラーゼの復元生成物を形成する傾向を減少させることにおいて大きな進歩、即ち、これらの酵素のユーザー(復元生成物が苦労のたねであるコーンシロップメーカー)により促された改善を遂げたことは注目されるべきである。1950年代の酵素は、これらの非線状オリゴマーシロップを形成するために、現行のグルコアミラーゼよりも、はるかに有効であるというのが本発明者らの考えである。
【0141】
これらの市販のグルコアミラーゼ中になお存在する「不純物」が、本実施例において報告した実験における復元生成物の生成の原因であるという発想に対して役立つ支持は、NovozymesはSpirizyme及びDextrozymeの両者に対する活性について最適温度は59〜61℃であると報告しているが、温度を60から65℃に上げると復元生成物の生成速度が増大するという事実である。図10及び11は、Spirizyme及びDextrozymeについて、イソマルトース及びDP3以上の非線状オリゴマー(NL DP3+)の形成速度を、温度の関数として示す。基質のシロップは、Staley1300であり、使用された酵素の量は2.7%v/vであった。
【0142】
実施例6 非線状オリゴマーを形成するコーンシロップの酸触媒による再構成
Staley1300シロップを、pH測定を容易にするために、脱イオン水で1:4に希釈した。シロップのpHを目標のpHに落とすための酸(HCl又はH2SO4)の量を決定した。1つの実験においては、酸処理に先だって、10%Krystar結晶性フルクトースをシロップに加えた。
【0143】
Staley1300シロップを、振盪水浴中において50mlのスクリューキャップ付遠心管中でおよそ60℃に加熱した。目標のpHに達するのに要する所定量の酸をシロップに加えた。シロップ入りの遠心管を激しく振り混ぜて、酸を均一に分布させた。遠心管を水浴に戻して、浴温を必要に応じて調節した。この処理は60、70、及び80℃、及びpH1.2、1.8及び2.3で実施した。反応の進行をモニターするために、管からシロップの一部を取り出して苛性溶液を加えることにより中和した。
【0144】
アルカリ溶液は、アルカリ溶液の体積が等体積の酸性化されたシロップを中和するために十分であるように調製した。この体積の80%を全て一度に加えて、pH測定のために十分にシロップを希釈した。追加のアルカリ溶液を、pHが>5.0(且つ好ましくは6.5以下)に達するまで滴下した。
【0145】
シロップ溶液は、イオンクロマトグラフィを使用して分析した。Phenomenex製のRSOオリゴ糖カラムに加えて、Dionex CarboPac PA200カラムも使用して、幾つかの試料を分析した。
【0146】
Staley1300シロップに対する最初の酸縮合反応は、pH2.3で硫酸を用いて60℃で行った。線状オリゴマー部分は減少し、非線状オリゴマーは増大した。
【0147】
図12は、酸処理及びグルコアミラーゼ処理(両方とも60℃)により引き起こされた、Staley1300シロップ中における糖分布の変化を比較する。過程は異なって進行することが見て取れる。Spirizymeグルコアミラーゼは、線状オリゴマーを非常に急速に消費して、デキストロースを生成させる。Staley1300シロップでは、酵素と数時間接触するうちに、DP3以上の線状オリゴマーの濃度は、糖の合計のおよそ42%からおよそ1%のその平衡値まで低下する。時間を長くすると、デキストロースの一部はオリゴマーに変換される。非線状DP3以上(DP3+)の濃度は、約30時間(この酵素処理の条件下で)にわたって増大する。
【0148】
対照的に、酸との接触においては、線状オリゴマーは消費されて、非線状オリゴマーが同程度の速度で形成される。デキストロース濃度は、処理過程を通して非常に遅く増大する。
【0149】
並行実験において、10%乾燥フルクトースをStaley1300シロップに加えて、最終シロップ固形分濃度をおよそ90%にした。それを、Staley1300シロップのみと同じpH、温度及び時間に合わせて処理した。Staley1300シロップは、処理過程の間に発色したのに対して、フルクトース含有シロップは、殆ど直ぐにコーヒー色に変わった。それから抜き出した試料のIC分析は、線状オリゴマーの減少速度及び非線状オリゴマー生成速度が、シロップだけの酸処理と同程度であることを示した。フルクトース含有量が有意に変化することはなかった。
【0150】
第2回目の酸処理は、Staley1300シロップのpHをHClで1.2及び1.8に調節して実施した。各pH処理は、70℃及び80℃の温度で行った。全てのシロップは、処理進行中にかなり発色した。発色の程度は、pHを下げ、温度を上げ及び時間を長くすると増大した。極端な場合、暗色の不溶性成分が形成された。
【0151】
図13が例示するように、酸処理されたシロップの生成物は、糖オリゴマーの分布が非常に広かった。それは、酵素で復元されたシロップよりもはるかに高いDP3オリゴマー濃度を示した。また、酸処理されたシロップは、酵素処理されたシロップにおいては現れない糖を含有する。これは、酵素による縮合は、どのように2つの糖単位が結合して一緒になるかについて通常非常に特異的であるのに対して、酸触媒による縮合は、任意の2つのヒドロキシル基の間で起こり得るので、予想される。
【0152】
糖のイオンクロマトグラフ分離のためには、Dionex CarboPac PA200カラムを使用した。図14は、このカラムにより分離された酸処理されたシロップのクロマトグラムを示す。それは、マルトース、イソマルトース、マルトトリオース及びパノースと別に溶出する、DP2〜3の範囲にある4成分を明確に示す(これらの4成分は全てマルトースの前に溶出する)。それは、未同定の高級オリゴマーに対する多数のピークも示す。
【0153】
下の表7は、これら4つの低pH、高温処理についての糖分布における経時変化を、PA200カラムを使用して示す(表中の最後の欄は、「未同定1〜4」のピークの量を示し、NL DP3+には含まれない)。
【0154】
【表7】
【0155】
実施例7 酵素による復元−高級糖
乾燥固形分(Staley1300)80%のおよそ35ガロンの43DEコーンシロップを、それに加わる5ガロンの脱イオン水と共にタンク中で緩やかに攪拌して60℃の温度に加熱した。シロップに、約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素を、徐々によく攪拌しながら加えた。60℃での24時間後、シロップを85℃に加熱して20分間保った。次に、100ガロンの水を加えることにより、シロップを、乾燥固形分濃度70%から20%に希釈した。Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを使用し、約500psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液をナノ濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、5%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。ナノ濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を80.2%dsまで蒸発させた。
【0156】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表8に示す。
【0157】
【表8】
(上の表中の「高級糖類」は、DPが3以上のオリゴマーを意味する)
【0158】
実施例8 酵素による復元−低級糖
乾燥固形分(Staley1300)80%のおよそ35ガロンの43DEコーンシロップを、それに加わる5ガロンの脱イオン水と共に、タンク中で緩やかに攪拌して、60℃の温度に加熱した。シロップに、約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素をよく攪拌しながら徐々に加えた。60℃での24時間後、シロップを85℃に加熱して、20分間保った。次に、100ガロンの水を加えることにより、シロップを、乾燥固形分濃度70%から20%に希釈した。Desal UF−1 3840C50D限外濾過カートリッジを使用し、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液を限外濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、1%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。限外濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を73.4%dsまで蒸発させた。
【0159】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表9に示す。
【0160】
【表9】
【0161】
実施例9 酵素による復元−高級イソマルトース
実施例7からのシロップを、Desal UF−1 3840C50D限外濾過カートリッジを使用して、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で限外濾過にかけた。次に、この操作から得た透過液を、Desal NF3840C 30Dナノ濾過カートリッジを使用して、約500psiの圧力及び55〜60℃の温度で、ナノ濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、5%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。ナノ濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を90.2%dsまで蒸発させた。
【0162】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表10に示す。
【0163】
【表10】
【0164】
実施例10 酸による復元−中程度の抵抗性
乾燥固形分(Staley1300)80%のおよそ35ガロンの43DEコーンシロップを、タンク中で緩やかに攪拌して、80℃の温度に加熱した。約4.1lbの37%塩酸をよく攪拌しながら徐々にシロップに加えた。反応液は、カールフィッシャー分析により測定しておよそ80%の乾燥固形分濃度を、周期的に水を加えることにより保った。24時間後に加熱を中止して、およそ35ガロンの0.35%水酸化ナトリウム溶液を、よく攪拌しながら徐々に加えた。次に、pHを5.0に調節し、水を加えて最終糖濃度を30%d.s.にした。Desal UF−1限外濾過カートリッジを使用し、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液を限外濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を10から20LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、5%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。限外濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で2%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を71.5%dsまで蒸発させた。
【0165】
HPAE−PADクロマトグラフィにより最終生成物の糖類分析を実施した。結果を表11に示す。
【0166】
【表11】
【0167】
実施例11 酸による復元とそれに続く水素化
乾燥固形分80%の63DEコーンシロップ(SWEETOSE(登録商標)4300)およそ35ガロンを、タンク中で緩やかに攪拌した。次に、37%塩酸をよく攪拌しながら徐々に加えて、シロップ乾燥固形分に対して0.25%(w/w)のHClを与えた。次に、混合物を80℃の温度に加熱した。反応液は、カールフィッシャー分析により測定しておよそ80%の乾燥固形分濃度を、周期的に水を加えることにより保った。16時間後に加熱を中止し、0.35%水酸化ナトリウム溶液を使用して、pHを4.5に調節した。追加の水を加えて、最終糖濃度を30%d.s.にした。Desal UF−1限外濾過カートリッジを使用し、約400psiの圧力及び55〜60℃の温度で、糖溶液を限外濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を10から20LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、10%未満(d.s.b.)になるまで、限外濾過を継続した。Desal NF 3840C30Dナノ濾過カートリッジを使用し、約500psiの圧力及び55〜60℃の温度で、限外濾過濃縮水をナノ濾過にかけた。新鮮な透析濾過水を加えて、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持した。濃縮水が含むデキストロースが、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより、1%未満(d.s.b.)になるまで、濾過を継続した。ナノ濾過濃縮水を、乾燥固形分基準で1%の活性炭により処理した。次に、炭素を濾過により除去して、濾液を73.5%dsまで蒸発させた。
【0168】
この生成物のデキストロース当量(DE)は、AOAC920.51(Lane Eynon)の方法により測定して、21DEであった。HPAE−PADクロマトグラフィによりこの生成物の糖類分析を実施した。結果を表12に示す。
【0169】
【表12】
【0170】
この生成物を、さらに水素化反応条件にかけた。表9に記載した素材の43%d.s.溶液約1.5kgを、加圧反応器中に導入して、6.45グラムの5%ルテニウム炭素触媒を攪拌しながら加え、シロップ乾燥固形分に対して0.05%ルテニウム(w/w)を与えた。反応器を閉め、窒素ガスで置換してから、水素ガスで600psiに加圧した。次に反応器を120℃に加熱した。この温度及び600〜650psiの水素圧を、4時間保った。反応容器を冷却して、注意深く通気し、窒素で置換した。次に、反応生成物を、珪藻土を通して濾過すると無色透明な溶液が得られた。
【0171】
この生成物のデキストロース当量(DE)は、AOAC920.51(Lane Eynon)の方法により測定して、5DEであった。HPAE−PADクロマトグラフィによりこの生成物の糖類分析を実施した。結果を表13に示す。
【0172】
【表13】
【0173】
実施例12 Englyst消化アッセイ
実施例7、8及び10から得た生成物素材を、Englystアッセイを使用して消化性について試験した。試験管中で、約600mgの炭水化物d.s.b.を、20mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に加えた。内容物を混合し、次に約92℃で30分間加熱してから37℃に冷却した。次に、5mLの酵素溶液を試験管に加えて、それを水浴中37℃で振盪により攪拌した。20分と120分と2回、少量の試料を取り出した。酵素を不活性化して試料を濾過し、YSI Inc.からのデキストロース試験機を使用して、消化性について試験した。消化性が非常によいことが知られている10DEマルトデキストリン(STAR−DRI 10)も、比較試料として試験した。消化性アッセイ及び糖類分析の結果を表14に示す。10DEのマルトデキストリンが、比較のために表5に含まれている。表14における全てのパーセンテージは、d.s.b.に基づく。
【0174】
【表14】
(表14における「高級」は、重合度が3以上のオリゴマーを指す)
【0175】
素材中の非線状高級オリゴマーのパーセンテージと難消化性の素材のパーセンテージとの間には、非常に高い相関があった(R2=0.95)。
【0176】
実施例13 硬いキャンディ、レモン風味
実施例7の980グラム(d.s.b.)(酵素により復元された高級糖)をポットに入れ、レンジで内部温度300°Fに加熱した。次に、15グラムのクエン酸及び1.2グラムのスクラロースを攪拌しながら加えた。次に、黄色の色素及びレモン風味を加えて、混合物をキャンディ型中に注いだ。室温に冷却すると硬いキャンディが形成された。
【0177】
実施例14 ゼリーキャンディ、グレープ風味
実施例8の840グラム(酵素により復元された低級糖)を混合ボウルに入れた。紫色の色素及びグレープ風味を加えて味付けした。次に、160グラムのMiraThik468インスタントデンプンを、中程度の激しさで混合しながら、少しずつ分けて加えた。20分かけて室温に冷却するとゼリーキャンディが形成された。
【0178】
実施例15 ヨーグルト
900グラムの牛乳(脂肪2%)をレンジ上でポットに入れた。次に、実施例10の80グラム(d.s.b.)(酸により復元された、中程度の消化性の材料)を、攪拌しながら加えた。次に、ミックスを目標温度の150°Fに加熱した。混合物を加熱しながら、20グラムのRezista682デンプンを、少しずつ分けて混合しながら加えた。混合物の内部温度が150°Fに達した後、それを5分間保ち、次に2段階ホモジナイザー(1500/500psi)に通した。次に、生成物を190°Fで5分間殺菌した。それから、混合物を90°Fに冷却し、活性ヨーグルト培養液を接種した。培養をヨーグルトのpHが4.5に達するまで続けて、次に消費に備えて冷蔵した。
【0179】
実施例16
本発明による消化に対して難消化性のコーンシロップの試料を調製するために、以下の一般的手順を使用した。幾つかの低級糖の試料の調製においては、ナノ濾過を、デキストロースが、下の一般的手順における5%ではなく、1%未満になるまで行った。
【0180】
試料1 HFCSラフィネートからのオリゴマーシロップ
1.高果糖コーンシロップ(HFCS)プロセスからの混合ラフィネートを濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。
注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束を2から10LMHの範囲内に維持する速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
3.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0181】
試料2 デキストロースグリーンからのオリゴマーシロップ
1.希釈されたデキストロースグリーン(20〜30%ds)を濾過ユニットに移して、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
3.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0182】
試料3 デキストロースの非線状オリゴマーを>25%で形成させるSTALEY(登録商標)1300コーンシロップの酵素による復元
1.35ガロンのStaley 1300シロップ及び5ガロンの水をタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始する。
2.シロップを60℃に加熱して、温度が60℃+/−5℃で安定したことを確認する。
3.Spirizyme Plus FG酵素1.6ガロン(6.1リットル)をシロップに加える。
4.60℃+/−5℃に24時間保つ。
5.60°C/24時間保持が終了したら、シロップを85〜90℃に加熱する。シロップ温度が85℃を超えて安定したら、20分間そのままにする。
6.タンクの加熱を中止する。
7.水100ガロン(合計140ガロン)を加えることにより、シロップを固形分70%から20%に希釈する。
8.濾過ユニットに移して、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。
9.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより1%未満になるまで継続する。
10.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
11.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0183】
試料4 Tate & Lyle SWEETOSE(登録商標)4300コーンシロップの酸触媒による再構成
1.SWEETOSE(登録商標)4300シロップ35ガロンをタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始し、80℃にする。
2.およそ2.8lbの37%塩酸をシロップに、よく攪拌しながら徐々に加える(4300シロップ密度が11.9lb/ガロンであるという仮定に基づいて計算し、反応液中のシロップの乾燥固形分を基準にして、正味で0.25%のHClを与える)。
3.固形分を80%+/−5%に保持する。反応液試料を2時間ごとに取り出して、等重量のDI水で希釈する。希釈された試料についてカールフィッシャー分析を行う。40%ds未満であれば、何もしない。40%dsを超えていれば、40%dsを超過している1%dsごとに、100lbの初期反応内容物当たり4lbのDI水を加える。
4.カールフィッシャー分析のための上記の試料に加えて、反応の進行をモニターするために使用される試料を捕集する。酸添加後、以下の間隔でこれらを取り出す:2時間、4時間、8時間、及び16時間。各サンプリング後、等重量の0.35%NaOH溶液を試料のpHを調節するために素早く添加し、十分混合してpHを測定する。必要に応じて、試料pHを調節して、5.0〜6.5にする。
5.80°C/16時間保持が終了したら、加熱を中止する。0.35%苛性溶液を、pHが4.5〜5.5の範囲内で安定するまで、よく攪拌しながら徐々に加える。
6.必要ならば、最終固形分濃度が30%d.sに達するまで、希釈水を加える。
7.濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
9.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0184】
試料5 SWEETOSE(登録商標)4300コーンシロップのリン酸及び塩酸触媒による再構成
1.SWEETOSE(登録商標)4300シロップ35ガロンをタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始し、80℃にする。
2.およそ0.35lbの75%リン酸をシロップによく攪拌しながら徐々に加える。次に、0.10lbの37%塩酸をシロップによく攪拌しながら徐々に加える(4300シロップの密度は11.9lb/ガロンであるという仮定に基づいて計算し、反応液中のシロップの乾燥固形分を基準にして、正味で0.08%のH3PO4及び100ppmのHClを与える)。
3.固形分を80%+/−5%に保持する。反応液試料を2時間ごとに取り出して、等重量のDI水で希釈する。希釈された試料についてカールフィッシャー分析を行う。40%ds未満であれば、何もしない。40%dsを超えていれば、40%dsを超過している1%dsごとに、100lbの初期反応内容物当たり4lbのDI水を加える。
4.カールフィッシャー分析のための上記の試料に加えて、反応の進行をモニターするために使用される試料を捕集する。酸添加後、以下の間隔でこれらを取り出す:2時間、4時間、8時間、及び16時間。各サンプリング後、等重量の0.35%NaOH溶液を試料のpHを調節するために素早く添加し、十分混合してpHを測定する。必要に応じて試料のpHを調節し、5.0〜6.5にする。
5.80°C/16時間保持が終了したら、加熱を中止する。0.35%苛性溶液を、pHが4.5〜5.5の範囲内で安定するまで、よく攪拌しながら徐々に加える。
6.必要ならば、最終糖濃度が30%d.sに達するまで、希釈水を加える。
7.濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して、任意選択である。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
9.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0185】
試料6 Tate及びLyIe STALEY(登録商標)1300コーンシロップの酸触媒による再構成
1.SWEETOSE(登録商標)1300シロップ35ガロンをタンクに送液する。攪拌機を始動させて加熱を開始し、80℃にする。
2.およそ2.8lbの37%塩酸をシロップに、よく攪拌しながら徐々に加える(4300シロップ密度が11.9lb/ガロンであるという仮定に基づいて計算し、反応液中のシロップの乾燥固形分を基準にして、正味で0.25%のHClを与える)。
3.固形分を80%+/−5%に保持する。反応液試料を2時間ごとに取り出して、等重量のDI水で希釈する。希釈された試料についてカールフィッシャー分析を行う。40%ds未満であれば、何もしない。40%dsを超えていれば、40%dsを超過している1%dsごとに、100lbの初期反応内容物当たり4lbのDI水を加える。
4.カールフィッシャー分析のための上記の試料に加えて、反応の進行をモニターするために使用される試料を捕集する。酸添加後、以下の間隔でこれらを取り出す:2時間、4時間、8時間、及び16時間。各サンプリング後、等重量の0.35%NaOH溶液を試料のpHを調節するために素早く添加し、十分混合してpHを測定する。必要に応じて試料のpHを調節し、5.0〜6.5にする。
5.80°C/16時間保持が終了したら、加熱を中止する。0.35%アルカリ溶液を、pHが4.5〜5.5の範囲内で安定するまで、よく攪拌しながら徐々に加える。
6.必要ならば、最終固形分濃度が30%d.sに達するまで、希釈水を加える。
7.濾過ユニットに移し、Desal UF−1膜を使用して濃縮し、体積を10×から30×小さくする。注:このステップは、最終のDP2の目標に依存して任意選択である。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C 30D“DL”)に切り換える。新鮮な透析濾過水を、透過流束が2から10LMHの範囲内に維持される速度で加える。濃縮水が含むデキストロース(d.s.b.)が、カールフィッシャーとYSIデキストロース分析との組合せにより5%未満になるまで継続する。
9.濃縮水生成物を捕集して、乾燥固形分基準で1%の活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去して、濾液を蒸発させて>70%dsにする。
【0186】
これらの方法により調製されたシロップの幾つかは、この後の実施例で使用され、そこでそれらは試料番号によって参照される。
【0187】
実施例17
本発明によるオリゴ糖組成物を含む朝食用シリアルは、下記のようにして調製することができる。シリアルは、押し出された部分及び押し出された部分の上に付けられた被覆物を含む。押し出された部分の組成は、以下のようにすることができる(重量パーセント)。
【0188】
【表15】
【0189】
押し出された部分は、以下のステップを使用して調製される。ミキサー/ブレンダー中で材料を均一に混合して一緒にする。上記ドライブレンド及び水を仕込み、目標の押し出し水分を得る。典型的な押し出し及び乾燥条件を使用する。冷却して梱包する。
【0190】
被覆物の組成は、蔗糖50%、難消化性コーンシロップ50%の、75%が固形分の溶液である。それは、以下のステップを使用して調製される。予熱するために、250°Fの対流式オーブン中にスプレーガンを入れる。およそ100gのシリアルを秤量して取り、油系の離型剤で最初に覆われたタンブラー(tumbler)中に入れる。乾燥材料(合計乾燥固形分75%)を鍋の中でブレンドする。水を加えて混合する。シロップをおよそ230°Fに加熱する(急速に沸騰する)。比が適当になるように、シリアル:被覆物の正確な比を与えるのに必要な所望の量のシロップを秤量して取る(シリアルの最終重量のおよそ45〜50%の被覆物)。予熱されたスプレーガン中にシロップを注ぎ、スプレーガンに送気ホースを取り付ける。シリアルが転げ回っているときに、全てのシロップが適用されるまで、シロップをシリアル上に噴霧する。所望の量の被覆物が適用された後、一様な被覆を確実にするために、被覆されたシリアルが、回転するドラム中で3分間転がるままにする。被覆されたシリアルを、離型剤を噴霧してある天板上に吐き出す。対流式オーブン中250°Fで6分間又はシリアルが乾燥したように見えるまで、シリアルを乾燥する。シリアルの天板への固着及びシリアルの凝集を防止するために、乾燥している間中ある程度かき混ぜる。乾燥後、シリアルを5分間放置して冷却する。冷却後、シリアルを秤量して被覆率を測定する。シリアルをプラスチック貯蔵袋中に梱包する。
【0191】
実施例18
本発明によるオリゴ糖組成物を含むヨーグルトを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0192】
【表16】
【0193】
ヨーグルトは以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を液体材料中に、ポンプ及び漏斗又は液化機を使用して分散させる。150°Fに予熱する。2段階ホモジナイザーを使用して1500/500psiで均一化する。190°Fで5分間殺菌する。90°Fに冷却して培養液を加える。最終pH4.4になるまで培養する。生成物を攪拌して、活性な培養の成長を停止させるために冷却を開始する。梱包して冷却する。
【0194】
実施例19
本発明によるオリゴ糖組成物を含むヨーグルト飲料を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0195】
【表17】
【0196】
ヨーグルト飲料は、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を液体材料中に、ポンプ及び漏斗又は液化機を使用して分散させる。150°Fに予熱する。2段階ホモジナイザーを使用して1500/500psiで均一化する。190°Fで5分間殺菌する。90°Fに冷却して培養液を加える。最終pH4.4になるまで培養する。中止して、梱包し、冷却する。
【0197】
実施例20
本発明によるオリゴ糖組成物を含む新しい冷凍食品は、下記のようにして調製することができる。
材料は以下の通りである。
【0198】
【表18】
【0199】
冷凍された新製品は、以下のステップを使用して調製することができる。クリーム、牛乳及び脱脂粉乳を所望の乳脂肪及び無脂乳固形分(MSNF)レベルの規格に合わせる。液糖に安定剤を加え、適当な分散を確実にするために中程度に攪拌する。牛乳と液糖部分とをバッチタンク中で完全にブレンドする。固形乳脂肪部分をミックスと混合し、空気の混入を最小にするように緩やかに攪拌する。185°Fで30秒間又は同等の時間及び温度で殺菌する。2段階ホモジナイザーを使用して、2段階2500psiで(第1段階及び第2段階それぞれ2000及び500psi)均一化する。ミックスを34〜38°Fに冷却し、熟成のために最小で4時間そのままにする。(終夜の熟成が好ましい)。
【0200】
実施例21
本発明によるオリゴ糖組成物を含む無糖アイスクリームを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0201】
【表19】
【0202】
無糖アイスクリームを、以下のステップを使用して調製した。安定剤ブレンド、スクラロース、ビタミンA及びマルトデキストリンを、剪断をかけてスキムミルク中で混合する。難消化性コーンシロップを、剪断下に混合物に加える。次に、クリーム(乳脂肪)を、バター化及び空気混入を避けるために、ゆっくり加える。次に、アイスクリームを、175°Fで30秒間殺菌し、2段階2500psiで均一化する。ミックスを終夜冷蔵(35〜40°F)して、それから連続冷凍システムを使用して、冷凍状態に加工する。
【0203】
実施例22
本発明によるオリゴ糖組成物を含むマシュマロを調製した。
材料は3つの別の部分として調製した。
【0204】
【表20】
【0205】
マシュマロを以下のステップを使用して調製した。A部分中の材料を混合する(ゼラチンを水に入れる)。難消化性コーンシロップを135°Fに予熱する。マルチトールシロップを200°Fに加熱する。B部分とC部分とを合わせて145°Fに冷却する。A部分をマイクロ波で30秒間溶融させ、ゼラチンを溶解する。A部分を他の部分に加えて、ホバートミキサー中で針金の泡立て器を用いて、密度が0.5に達するまで、混合物を泡立たせる。マシュマロを絞り袋中に満たしてデンプン型中に入れる。
【0206】
実施例23
本発明によるオリゴ糖組成物を含む硬いキャンディを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0207】
【表21】
【0208】
硬いキャンディは以下のステップを使用して調製した。蔗糖及び難消化性コーンシロップと水とを混合する。Boschレンジを用いて約138°Cに加熱し、2分間真空に引いて129℃にする。クエン酸(3kgの製品に対して18g)及び香料を加える。置くか又は成形してキャンディにする。
【0209】
実施例24
本発明によるオリゴ糖組成物を含むゼラチンゼリーキャンディを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0210】
【表22】
【0211】
ゼラチンゼリーキャンディは以下のステップを使用して調製した。ゼラチンと水とを混合して70℃に保つ。蔗糖、難消化性コーンシロップ、及び水を混合する。固形分が89%に達するまで加熱する(およそ120℃)。90℃に冷却する。ゼラチン溶液を加える。クエン酸溶液50%(18g/1000g)、及び香料及び色素を加えて満足なものにする。成形用デンプン中に置いて、周囲条件で乾燥させ、乾燥固形分(ds)の重量パーセンテージを81〜82%にする。
【0212】
実施例25
本発明によるオリゴ糖組成物を含むジャムを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0213】
【表23】
【0214】
ジャムを以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を混合する。乾燥材料を液体材料及び果物に加える。220°Fに加熱する。容器中に入れて冷却する。
【0215】
実施例26
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、甘みづけした子供用飲料を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0216】
【表24】
【0217】
この飲料は、以下のステップを使用して調製した。ミキサーを使用して、材料を水中にゆっくり加える。飲料を180°Fに加熱する。直ちに熱いうちに瓶の中に満たす。瓶を水浴中に置いて冷却する。
【0218】
実施例27
本発明によるオリゴ糖組成物を含むオレンジ風味ジュースソーダ飲料を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0219】
【表25】
【0220】
オレンジジュースソーダを以下のステップを使用して調製した。クエン酸カリウム、酸、難消化性コーンシロップ、及び高強度甘味料をドライブレンドする。濃縮オレンジジュース、赤色#40、黄色#5、オレンジ風味及び前掲ステップからのブレンドをブレンドして水に入れる。所望の体積までのCO2で炭酸化する(2〜4)。
【0221】
実施例28
本発明によるオリゴ糖組成物を含むセイボリー高固形分充填物を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0222】
【表26】
1食用修飾デンプン、小麦タンパク質、及びマルトデキストリンのブレンド
【0223】
材料を生成物混合物中に以下の順で組み込んだ。(1)カノーラ油、(2)香料、クエン酸、乳酸及び塩、(3)難消化性コーンシロップ、並びに(4)Tate and LyIe 食感改良剤ブレンド。
【0224】
実施例29
本発明によるオリゴ糖組成物を含む高固形分の果物充填物を調製した。
材料は以下の通りであった。
【0225】
【表27】
【0226】
以下のステップを使用してジャムを調製した。A部分のISOSWEET(登録商標)5500をホバートミキサー中に入れる。Mirathik 603を混合しながら1.5分間かけてゆっくり加える。B部分の難消化性コーンシロップ、香料、及び水を加える。均一になるまでブレンドする(1分)。混合物が粘性になるまで約3分間静置する。C部分の材料を予めブレンドして混合物に加える。均一になるまでブレンドする。充填物を24時間固まらせ十分粘性にする。
【0227】
実施例30
本発明によるオリゴ糖組成物を含む薄板状クラッカーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0228】
【表28】
【0229】
以下のステップを使用して、薄板状クラッカーを調製した。生地を、全て材料が水分を含んで生地が柔軟になるまで混合する。生地を薄く延ばして1.1mmにする。断片に切る。対流式オーブン中(ファンを遅くして)350°Fで5分間焼く。
【0230】
実施例31
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、膨らんで押し出されたスナックを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0231】
【表29】
【0232】
以下のステップを使用して、膨らんで押し出されたスナックを調製した。乾燥材料を混合する。乾燥材料を押し出し機中に仕込む。適当な形状に押し出す。10分間乾燥して、最終水分含有量を1%にする。
【0233】
実施例32
本発明によるオリゴ糖組成物を含むトルティーヤチップを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0234】
【表30】
【0235】
トルティーヤチップは、以下のステップを使用して調製した。トルティーヤチップ#1粉とコーンチップ#8粉との1:1混合物を作製する。ホバートミキサー中において低速で1分間混合する。難消化性コーンシロップを加えて低速で1分間混合する。ミキサーを用いてなお低速で混合しながら、室温の水を水流にして乾燥混合物にゆっくり加える。水を全部加えたら、ミキサーの速度を上げて3分間混合する。生地に覆いをかけて、プラスチックビーカー中で30分間静置する。Rondoシーターを使用して生地を薄板状にし、徐々に延ばして約1.3mmの厚さにする(マイクロメータを使用することにより厚さを検査して)。Rondoシーターを使用し、生パンを水平に置くことによりカッターを使用して、生パンをカットする。375°Fに予熱された揚げ鍋中で、およそ1分45秒から2分間(チップがキツネ色に見えて、泡立ちが殆どなくなるまで)揚げる。チップが揚げられている間中、金属のヘラを使用してチップをかき混ぜ、それらが常に両面とも浸かっているようにする(一様な脂肪吸収を助けるために)。揚げ鍋から取り出して、4分間籠をつり下げることによりチップの油を切る。チップを布タオル上にあけて6分間静置する。トルティーヤチップをプラスチックの袋に入れ、封をしてラベルを付ける。
【0236】
実施例33
本発明によるオリゴ糖組成物を含むゼラチンデザートの乾燥ミックスを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0237】
【表31】
【0238】
ゼラチンデザートの乾燥ミックスは、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を混合する。85.1gの乾燥ミックスを秤量して212°Fの226.8gの水に加える。完全に溶解させる。226.8gの冷水を加えて十分に混合する。少なくとも4時間冷蔵する。
【0239】
実施例34
本発明によるオリゴ糖組成物を含み、高固形分充填物、結合シロップ、及び押し出された断片を含むスナックバーを調製した。
高固形分充填物の材料は以下の通りであった。
【0240】
【表32】
【0241】
高固形分充填物を以下のステップを使用して調製した。難消化性コーンシロップを含むA部分をミキサーに入れる。Mirathik 603を、低速で混合しながら1.5分間でゆっくりと加える。B部分(難消化性コーンシロップ、香料、水)を加えて、均一になるまでブレンドする(低速で1分間)。混合物が粘性になるまで、約3分間静置する。C部分の材料を予めブレンドして混合物に加える。均一になるまでブレンドする(充填物を24時間放置して固まらせ、十分粘性にする)。
結合シロップの材料は以下の通りであった。
【0242】
【表33】
【0243】
結合シロップは以下のステップを使用して調製した。材料を配合して172°Fに加熱する。それをシリアル/グラノーラ断片に加えて合わせ、断片を一様に被覆する。シロップ54%とシリアル46%の比で配合する。
押し出された断片の材料は以下の通りであった。
【0244】
【表34】
押し出された断片は、以下のステップを使用して調製した。ミキサー/ブレンダー中で材料を均一に混合して一緒にする。ドライブレンド及び水を仕込み、押し出しの目標水分にする。通常の押し出し及び乾燥条件を使用する。冷却して梱包する。
結合シロップを混合して押し出された断片又は他の粒状物を被覆する。混合物は、薄板状に延ばすか又は成形されて適当なサイズにカットされる。高固形分充填物は、通常、結合剤/粒状物混合物の2枚の薄板の間に加えられる。
【0245】
実施例35
本発明によるオリゴ糖組成物を含むスパイスケーキを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0246】
【表35】
【0247】
スパイスケーキ以下のステップを使用して調製した。
乾燥混合手順:
RCS、Mira−Thik603、Core M90、及びソルビトールをミキサーボウル中に入れる。EC−25をマイクロ波で、熱くなりすぎないように注意して溶融する(GMS90又はDurfax 60は溶融させない)。EC−25を加えて、必要に応じてボウルを掻きながら、スピード1で5分混合する。必要に応じてボウルを掻きながら、スピード1で1分混合しつつ、Durfax 60を加える。必要に応じてボウルを掻きながら、スピード1で1分混合しつつ、GMS90を加える。フードプロセッサーにより2分間乾燥混合を行い、1分ごとに掻き落とす。乾燥混合物を混合ボウルに戻し入れる。残っている乾燥材料を篩にかけて、ミキサーを動かしながら、ソルビトールミックスにゆっくりと加える(大さじ1杯を一度に)。スピード1で合計5分間混合する。
【0248】
水混合手順:
乾燥ミックスをボウルに入れる。スピード1で30秒混合しながら、水をゆっくり加える。ボウルを掻く。必要に応じてボウルを掻きながら、スピード2で3.5分混合する。8インチのレヤーケーキ用焼き皿の縁に焦げ付き防止調理用油を噴霧して、円形の硫酸紙を使用して各焼き皿に内張する。450gのパン生地を各ケーキ焼き皿中に垂らし入れる。350°Fで37分間又は焼けるまで焼く。
【0249】
実施例36
本発明によるオリゴ糖組成物を含むチーズソースを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0250】
【表36】
チーズソースは、以下のステップを使用して調製した。全材料を混合する。一定の攪拌の下に200°Fに加熱する。チーズソースをジャー又は容器中に熱充填して、蓋又は栓で封じ、40°Fに冷却する.
【0251】
実施例37
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、模造モツァレラチーズのブロックを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0252】
【表37】
【0253】
チーズを以下のステップを使用して調製した。水、クエン酸ナトリウム、カゼイン、及びダイズ油(120g)を加える。5分間ブレンドする。残っているダイズ油を加える。ソルビン酸、塩、デンプン、難消化性コーンシロップを加える。次に、ホエイ及び乳酸を加える。5分ブレンドする。残っている材料を加える。185°Fに加熱する。
【0254】
実施例38
本発明によるオリゴ糖組成物を含む可食性フィルムを調製した。理論付けはされていないが、オリゴ糖組成物は、可食性フィルム中の可塑剤として役立ったと考えられる。
材料は以下の通りであった。
固形分:
【0255】
フィルム:
【表38】
【0256】
【表39】
【0257】
【表40】
【0258】
可食性フィルムは、以下のステップを使用して調製した。
材料の分散
プルラン及びマルトデキストリンをビーカー中で泡立て器を用いて混合する。水、ポリソルベート80、安息香酸ナトリウム、及び難消化性コーンシロップ(RCS)を別のビーカー中で混合する。Servodyneのミキサーヘッド50003−30型を使用して、含水材料をさらに混合する。700RPMで開始する。乾燥香料ミックスをゆっくり加えて入れる。塊が全てなくなったら、プルランミックスをゆっくり加え入れる。ミックスが粘性になったら、RPMを必要に応じて調節する(1,000RPMまで)。全ての乾燥材料が入ったらミキサーを止めて、ビーカーの側面を掻き落とす。ミキサーの回転を1,000RPMに上げて、さらに2分間混合する。50gを遠心管中に注ぎ入れる。10分間遠心して空気を除去する。
【0259】
フィルム化手順
フィルムは、0.045インチに設定した、Gardcoの調節可能なドローダウンを使用して引いた。これらのドローダウンは、すき間ゲージのブレードを使用して、適当な厚さに調節した。真空プレートを使用してマイラーの上にフィルムを引いた。フィルムを、65℃及び25%RHの人工気候室中で2時間乾燥させた。それらを、25℃及び28%RHの人工気候室中で、終夜硬化させた。乾燥されたフィルムを、プラスチック袋中に梱包した。
【0260】
実施例39
本発明によるオリゴ糖組成物を含む低脂肪パウンドケーキを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0261】
【表41】
【0262】
パウンドケーキを以下のステップを使用して調製した。A部分の乾燥材料を、ホバートミキサー中スピード1でブレンドする。GMS−90乳化剤を加えて、2分間ブレンドする(スピード1)。水及びアナットー色素を加えて、4分間ブレンドする(スピード2)。混合の2分後及び混合終了時に、ボウルを掻いてヘラでかき回す。B部分の材料を混合して一緒にする。B部分の卵白/水ミックスの1/3をA部分に加えて、1分間ブレンドする(スピード2)。混合後、ボウルを掻いてヘラでかき回す。B部分のための最初のステップを2回繰り返して、卵白/水ミックスの残っている2/3を組み込む。えんばく200グラムの生地を焦げ付き防止スプレーで予め被覆された金属製パン焼き容器中に流し込む。350°Fで30分間焼く。
【0263】
実施例40
ポリオールレベルを有し、本発明によるオリゴ糖組成物を含む、オートミールチョコレートチップレーズンクッキーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0264】
【表42】
【0265】
オートミールレーズンクッキーを、以下のステップを使用して調製した。ショートニング及び香料を、N−50ホバートミキサー中スピード1で30秒間混合する。残っている第1段階の材料を加える。スピード1で1分間混合する。ボウルの側面を掻く。スピード2で1分間混合する。第2段階の材料を加える。スピード1で1分間混合する。ボウルの側面を掻く。スピード2で1分間混合する。第3段階の材料を加える。スピード1で1分30秒間混合する。ボウルの側面を掻く。スピード1で1分30秒間混合を繰り返す。第4段階の材料を加える。スピード1で15秒間混合する。30gの生地断片を秤量して、硫酸紙を二重に敷いたパン焼き皿上に置く。12枚のクッキーを対流式オーブン中375°Fで11分間焼く。
【0266】
実施例41
本発明によるオリゴ糖組成物を含むソフトチョコレートクッキーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0267】
【表43】
クッキーは、以下のステップを使用して調製した。蔗糖/RCS固形分、バター、及びRCS(71%ds)を、ホバート混合ボウル中でスピード1でブレンドする。卵を加える。残っている材料をドライブレンドして、このミックスに加える。350°Fで15分間焼く。
【0268】
実施例42
本発明によるオリゴ糖組成物を含むメープルシロップを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0269】
【表44】
【0270】
メープルシロップは、以下のステップを使用して調製した。標準的ミキサーを低速で使用して、水にスクラロース、防腐剤、塩、香料、及び色素を加える。ガムを混合物にゆっくり加えて、20〜25分水和させる。185°Fに加熱しながら、難消化性コーンシロップ固形分を入れてブレンドする。1分間その状態を保つ。熱源を除いて酸を加える。180〜185°Fで容器に充填して、1分間、逆さにしておく。75°Fに冷却する。
【0271】
実施例43
本発明によるオリゴ糖組成物を含むバーベキューソースを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0272】
【表45】
バーベキューソースは以下のステップを使用して調製した。A部分の材料を190°Fに加熱する。乾燥材料をA部分に加えて200°Fで15分間加熱する。熱いうちに容器に充填して冷却する。
【0273】
実施例44
本発明によるオリゴ糖組成物を含むフレンチドレッシングを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0274】
【表46】
フレンチドレッシングは、以下のステップを使用して調製した。水及び難消化性コーンシロップを容器に入れる。タマネギ、塩、ニンニク、ソルビン酸、及びEDTAをドライミックスして水性混合物に加える。デンプン及びキサンタンガムを、少量の油中でスラリーにして水性混合物に加え、5分間混合してデンプンを水和させる。トマトペースト及びパプリカを加える。食酢を加える。ポリソルベート60を溶融して加えてゆっくり混合する。残っている油を加えて5分混合する。コロイドミルにより0.26”(2回転)で処理する。
【0275】
実施例45
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、濃縮チキンスープのクリームを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0276】
【表47】
濃縮チキンスープのクリームは、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料を混合する。液体材料を3〜5分間混合する。ライトニングミキサー (lightning mixer)を中程度のスピードで使用して、乾燥材料をゆっくり加える。3〜5分混合して、一様な分散を確実にする。攪拌せずに190°Fに加熱する。5分間そのまま保持する。缶に熱充填して、直ちに封をする。250°Fで40分間殺菌する。缶を室温に冷却する。供するには、1缶のスープを等体積の2%牛乳に加える。十分に混合する。沸騰付近に加熱する(およそ10分)。熱いうちに供する。
【0277】
実施例46
本発明によるオリゴ糖組成物を含むケチャップを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0278】
【表48】
【0279】
ケチャップ以下のステップを使用して調製した。スパイス、RCS、スクラロース及び塩を乾式混合する。水、食酢、及び乾燥ミックスを、ライトニングミキサーを使用して混合する。スモーク香料を含水ミックスに加える。トマトペーストと含水ミックス(水、食酢、及び乾燥ミックス)の1/4とを、掻き落とすアタッチメントの付いたホバートミキサー中で、スピード1で2分間ブレンドする。含水ミックスの残余を入れて、スピード1で1分間ブレンドする。停止してボウルをよく掻き落とす。スピード1で1分間ブレンドを継続する。ケチャップを105℃に加熱して、15秒間そのまま保持する。80℃に冷却する。Pandaホモジナイザーを使用して150/50バールで均一化する。直ちに、熱いうちにガラスジャーに入れてパックする。
【0280】
実施例47
本発明によるオリゴ糖組成物を含むビーフ風味のグレービーミックスを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0281】
【表49】
ビーフ風味のグレービーミックスは、以下のステップを使用して調製した。乾燥材料及びTALO TF−55香料(水を除く全材料)を、均一にブレンドされるまでブレンドする。針金泡立て器を使用して、この乾燥ミックスを冷水中に分散させる。攪拌しながら190°Fに加熱する。攪拌しながら、ミックスを190°Fで10分間保持する。
【0282】
実施例48
本発明によるオリゴ糖組成物を含むドライブレンドされたコーヒークリーマーを調製した。
材料は以下の通りであった。
市販クリーマー粉末(Jerzeeブレンド 220077) 21.8
難消化性コーンシロップ固形分(試料5) 78.2
ドライブレンドコーヒークリーマーは、以下のステップを使用して調製した。材料をブレンドし、計量し、及び10メッシュの篩で篩い、反転ブレンド容器、リボンブレンダー、又は掻き回しブレンダー中に入れる。調合品を10から25分ブレンドして、梱包する。必要ならば、固化防止剤として、二酸化シリカ又はナトリウムシリコアルミネートを添加することができる。
【0283】
実施例49
本発明によるオリゴ糖組成物を含むダイズ系乾燥コーヒークリーマー粉末スラリーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0284】
【表50】
【0285】
水をバッチタンクに加えて、120から140°Fに加熱する。カゼイン酸ナトリウムを水に加えて10から30分間水和させる。モノ及びジグリセリドは、水素化されたダイズ油中に入れるか又は別々に溶融することができる。カゼイン酸ナトリウムが水和したら、ダイズ油及びモノ及びジグリセリドをバッチタンクに加える。混合物を十分にブレンドする。残っている難消化性コーンシロップをバッチタンクに加えて、混合物を170°Fに加熱し、2段階均一化(必要ならば)により均一化して、30分間そのまま保持する。次に、生成物は、350から500°Fの導入温度及び150から200°Fの排出温度で噴霧乾燥される準備ができる。場合により、流動床乾燥機を使用することができる。ナトリウムシリコアルミネート又は二酸化シリカも、凝結防止目的のために含めることができる。リン酸塩及び/又は固化防止剤も含めることができる。
【0286】
実施例50
本発明によるオリゴ糖組成物を含む、噴霧乾燥のためのココナツ系コーヒークリーマー粉末スラリーを調製した。
材料は以下の通りであった。
【0287】
【表51】
【0288】
ココナツ系コーヒークリーマー粉末は、以下のステップを使用して調製した。水をバッチタンクに加えて、120から140°Fに加熱する。カゼイン酸ナトリウムを水に加えて10から30分間水和させる。モノ及びジグリセリドは、水素化されたココナツ油中に入れるか又は別々に溶融することができる。カゼイン酸ナトリウムが水和したら、ココナツ油及びモノ及びジグリセリドをバッチタンクに加える。混合物を十分にブレンドする。残っている難消化性コーンシロップ及びリン酸二カリウムをバッチタンクに加えて、混合物を170°Fに加熱し、2段階均一化(必要ならば)により均一化して、30分間そのまま保持する。次に、生成物は、350から500°Fの導入温度及び150から200°Fの排出温度で噴霧乾燥される準備ができる。所望により、流動床乾燥機を使用することができる。ナトリウムシリコアルミネート又は二酸化シリカも、凝結防止目的のために含めることができる。
【0289】
実施例51
蔗糖含有量を減少させ又は排除して、それによりカロリー全体を減少させるために、アイスクリーム及び/又は調合物の被覆物を、難消化性コーンシロップ固形分を使用して調製することができる。繊維含有量を、通常の被覆物に比較して著しく増加させることができる(例えば、この例では、比較対照被覆物の5グラム/100グラムに対して、33グラム/100グラムである)。
【0290】
【表52】
【0291】
アイスクリーム及び/又は調合物の被覆物は、以下のステップを使用して調製することができる。コーンシロップ固形分を、5〜125ミクロンの間、平均30〜40ミクロン付近の粒子サイズに粉砕する。固形分を篩って所望の粒子を得る。ココア粉末及びスクラロースをコーンシロップ固形分と配合する。ショートニングを溶融してレシチンと配合する。ブレンドされた乾燥材料を混合しながら、溶融したショートニング/レシチンの配合物を、ボウルを規則的に掻きながら加える。新しい冷凍食品、焼き菓子その他所望の商品に適用する。
【0292】
実施例52
難消化性コーンシロップ(RCS)の2つの試料を、上記実施例16の試料5(そのうち1つは単糖含有量が低い)におけるようにして調製した。(以下の記載において「LS」は「蔗糖が少ない」を意味する)。単糖、二糖、三糖、及び四糖以上のwt%d.s.bは以下の通りであった。
【0293】
【表53】
【0294】
2種の難消化性コーンシロップ及びマルトデキストリンの試料をイヌに給餌した。血糖反応を測定するために、給餌後、間隔をおいて、イヌから血液試料を採取した。血中グルコース濃度の経時変化を、図15に示し、下表にまとめた。
【0295】
【表54】
SEM=平均の標準誤差
【0296】
実施例53
難消化性コーンシロップの6つの試料を、上記実施例16の試料5のようにして、調製した。各試料は72%dsがシロップであり、残余は水であった。試料は、脂肪、タンパク質又は灰分を、本質的に含んでいなかった。6つの試料は以下の通りであった。
RCS GRl(RCS、72%dsのシロップで繊維70%、糖15%)(これらの試料における「糖」は単糖及び二糖の合計を指す)
RCS GR2(RCS LS、72%dsのシロップで繊維80%、糖5%)
RCS GR3(50%がフルクトースのRCS、72%dsのシロップ)
RCS GR4(50%がソルビトールのRCS、72%dsのシロップ)
RCS GR5(25%がフルクトースのRCS LS、72%dsのシロップ)
RCS GR6(25%がソルビトールのRCS LS、72%dsのシロップ)
【0297】
25g(dsb)のシロップを含有する試料は、以下のようにして調製した。2.838kgの濾過水を、予め秤量した量のRCSを含有する水差しに加えた。水差しに蓋をして、次に、振盪及び回旋により、全てシロップが溶解するまで徹底的に混合した。この溶液の12oz.(350g)は、乾燥固形分基準で25gの試験炭水化物を含有した。
対照溶液は、25gの無水グルコースを300mLの水と混合することにより調製した。
【0298】
試料を10名の健常ヒト被験者に投与した。被験者の特性は:5名の男性、5名の女性;年齢35±10歳;肥満度指数24.0±3.8kg/m2であった。各被検者は、6種の試験食物、及び25gの利用可能な炭水化物を含有する標準グルコース飲料3回を含む9つの試験をそれぞれ別の日に行った。血中グルコースは、絶食時、及び食後15、30、45、60、90及び120分に測定した。血中グルコース応答曲線下の増分面積(iAUC)を計算した。各試験食物を消費後の各被検者のiAUCは、同じ被検者により摂取された3回のグルコース対照の平均iAUCに対するパーセンテージとして表した。製品の曲線下の増分面積及び相対血糖反応(RGR)は以下の通りであった。
【0299】
【表55】
異なった上付き文字を付けた値は、顕著に異なる(p<0.001)。どの食物間の美味性ランク付けにおいても、統計的に有意の差はなかった。
【0300】
実施例54
Sweetose(登録商標)4300コーンシロップ(81%ds)を、熱油外套付パドルミキサーに77kg/hの速度で通すことにより、6%未満の水分含有量まで蒸発させた。パドルミキサーのローター速度は、通常300から600rpmに設定し、また、油外套温度は150℃から205℃まで変化した。幾つかの試験においては、リン酸を、コーンシロップ固形分に対して0.1%から0.4%のリン酸固体の率で加えた。幾つかの試験においては、塩酸を、リン酸の代わりに、又はそれに追加して、25ppm加えた。
【0301】
これらの試験から収集した生成物(25mg)を、4mLのpH4.0の緩衝液に溶解して、100マイクロリットルの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase、Sigmaカタログ#A−7255)溶液と共に、45℃で2時間インキュベートした。このインキュベーションからの部分標本を、少量のイオン交換樹脂で処理して濾過し(0.45ミクロン)、続いて液体クロマトグラフィにより糖類分布を分析した。この分析から、三糖以上として存在することが見出された炭水化物の重量パーセントを、難消化性炭水化物として定量化し、下表に繊維%として表示した。
【0302】
【表56】
ポリデキストロースの実験室試料が、この試験のための対照として使用され、およそ繊維82%のレベルを示した。
【0303】
実施例55
Sweetose(登録商標)4300コーンシロップ(81%ds)を、熱油外套付パドルミキサーに77kg/hの速度で通すことにより、3%未満の水分含有量まで蒸発させた。パドルミキサーのローター速度は、通常800rpmに、また、油外套温度は210℃に設定した。幾つかの試験においては、リン酸を、コーンシロップ固形分に対して0.1%から0.4%のリン酸固体の率で加えた。幾つかの試験においては、塩酸を、リン酸の代わりに、又はそれに追加して、25ppm若しくは50ppm加えた。
【0304】
これらの試験から収集した生成物(25mg)を、4mLのpH4.0の緩衝液に溶解して、100マイクロリットルの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase、Sigmaカタログ#A−7255)溶液と共に、45℃で2時間培養した。この培養液からの部分標本を、少量のイオン交換樹脂で処理して濾過し(0.45ミクロン)、続いて液体クロマトグラフィにより糖類分布を分析した。この分析から、三糖以上として存在することが見出された炭水化物の重量パーセントを、難消化性炭水化物として定量化し、下表に繊維%として表示した。
【0305】
【表57】
ポリデキストロースの実験室試料が、この試験のための対照として使用され、およそ繊維82%のレベルを示した。
【0306】
実施例56
500グラムのStaley 300コーンシロップ(80.0%ds、35DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(74.5%ds、28DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0307】
実施例57
500グラムのStaley 1300コーンシロップ(80.3%ds、43DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(74.7%ds、32DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0308】
実施例58
500グラムのStaley 4300コーンシロップ(81.6%ds、63DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(75.3%ds、42DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0309】
実施例59
500グラムのStaleydex 130シロップ(70.5%ds、99DE、繊維0%、4kcal/g)を、500グラムの難消化性コーンシロップ(69.0%ds、21DE、繊維71%、2kcal/g)と徹底的にブレンドして、1kgのコーンシロップ繊維(69.8%ds、60DE、繊維35%、3kcal/g)を得た。
【0310】
本発明の具体的な実施形態の前述の説明は、本発明の全ての可能な実施形態のリストであることを意図しない。当業者は、他の実施形態が以下の請求項の範囲内であることを認識するであろう。例えば、ある特定の遅消化性又は難消化性組成物が、上記実施例の幾つかにおいて食品の材料として使用されている。その代わりに本発明の他の遅消化性又は難消化性の組成物が、これらの同じ食品中で使用され得るが、食品の厳密な特性は、使用される材料の厳密な性質に依存して、ある程度まで変化し得ることは、認識されるべきである。本明細書中の具体的実施例に対して、多くの他の改変をすることもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状及び非線状糖オリゴマーを含む炭水化物組成物であって、乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、かつ、約25〜65のデキストロース当量を有する、炭水化物組成物。
【請求項2】
コーンシロップを請求項6に記載のプロセスにより調製される組成物とブレンドすることにより調製される、請求項1に記載の炭水化物組成物。
【請求項3】
乾燥固形分基準で約30〜40重量%の繊維を含有し、且つ約2.5〜3.5kcal/gのカロリー値を有する、請求項1に記載の炭水化物組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の炭水化物組成物を含む食品。
【請求項5】
焼かれた食物、朝食用シリアル、乳製品、菓子、ジャム及びゼリー、飲料、充填物、押し出された薄板状のスナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズ及びチーズソース、食用の水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリ−マー、糖衣、フロスティング、艶出し、ペットフード、トルティーヤ、食肉及び魚、ドライフルーツ、幼小児食、並びにパン・ケーキ生地及びパン粉から選択される、請求項4に記載の食品。
【請求項6】
少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、かつ、少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱する工程、及び
前記仕込み組成物と、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒とを、非線状糖オリゴマーの形成を起こさせるのに十分な時間接触させて、(a)乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含み、かつ、(b)約25〜65のデキストロース当量を有する生成組成物を製造する工程、を含む、糖オリゴマーの製造方法。
【請求項7】
少なくとも1種の触媒が酸である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸が先行プロセスからの仕込み組成物中に存在する残留酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
酸が、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1種の触媒が、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項1】
線状及び非線状糖オリゴマーを含む炭水化物組成物であって、乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含有し、かつ、約25〜65のデキストロース当量を有する、炭水化物組成物。
【請求項2】
コーンシロップを請求項6に記載のプロセスにより調製される組成物とブレンドすることにより調製される、請求項1に記載の炭水化物組成物。
【請求項3】
乾燥固形分基準で約30〜40重量%の繊維を含有し、且つ約2.5〜3.5kcal/gのカロリー値を有する、請求項1に記載の炭水化物組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の炭水化物組成物を含む食品。
【請求項5】
焼かれた食物、朝食用シリアル、乳製品、菓子、ジャム及びゼリー、飲料、充填物、押し出された薄板状のスナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズ及びチーズソース、食用の水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリ−マー、糖衣、フロスティング、艶出し、ペットフード、トルティーヤ、食肉及び魚、ドライフルーツ、幼小児食、並びにパン・ケーキ生地及びパン粉から選択される、請求項4に記載の食品。
【請求項6】
少なくとも1種の単糖又は線状糖オリゴマーを含み、かつ、少なくとも約70重量%の固形分濃度を有する水性仕込み組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱する工程、及び
前記仕込み組成物と、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる少なくとも1種の触媒とを、非線状糖オリゴマーの形成を起こさせるのに十分な時間接触させて、(a)乾燥固形分基準で約10〜70重量%の繊維を含み、かつ、(b)約25〜65のデキストロース当量を有する生成組成物を製造する工程、を含む、糖オリゴマーの製造方法。
【請求項7】
少なくとも1種の触媒が酸である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸が先行プロセスからの仕込み組成物中に存在する残留酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
酸が、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組合せである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1種の触媒が、グルコシル結合の切断又は形成速度を増大させる酵素である、請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2011−501670(P2011−501670A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530025(P2010−530025)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/078904
【国際公開番号】WO2009/051977
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(505410597)テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/078904
【国際公開番号】WO2009/051977
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(505410597)テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]