説明

繊維強化金属の製造方法

【課題】本発明は、加工用向け工具材及び熱分野のボイラー向けタービンに用いる金属または合金の基地にセラミック繊維を分散させたセラミック繊維強化金属の製造方法を提供する。
【解決手段】金属または合金の粉末と前記セラミック繊維とを混合する際に、前記セラミック繊維として繊維表面に前記金属または合金がコーティングされたセラミック繊維を使用することにより、繊維の凝集を防止し、焼結後も繊維の分散性の良い、ボイドのない組織を得る。コーティング方法は、予め繊維を繊維に対して5〜50質量%の金属粉を添加し、機械的に混合及び撹拌することによる繊維表面に金属粉をコーティングすることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼・非鉄金属工業における圧延ロール、ガイドロール等をはじめとする耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐クラック性、耐焼付き性、機械的強度が必要な各種部材および熱・エネルギー分野におけるタービン、ボイラ等の耐熱性、耐熱衝撃性、耐クラック性、機械強度が必要な各種部材に有用な繊維強化金属の製造方法における繊維の前処理方法に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
以下、金属材料や非鉄金属材料の加工用向け工具材を中心に説明する。金属材料、非鉄金属材料の圧延や成形加工には耐摩耗性に優れたロール材等が使用されている。特に高速度鋼(以下、ハイスピード鋼またはハイスともいう。)製ロールは、耐摩耗性に優れた高炭素、高V鋳鉄が外層を形成し、この外層を鋼製の軸に溶着した構造を有しているが、このハイス製ロールは耐摩耗性には極めて優れている反面、使用中に繰り返し負荷される急冷、急加熱による熱衝撃応力に対する耐クラック性に問題があり、ロール寿命は、このクラック進展度によってほぼ決定付けられる。ロール寿命を伸ばすためには耐摩耗性を犠牲にすることなく、クラックの進展を如何に抑制するかが重要である。また最近処理量が増加しているステンレス鋼等の圧延では、ロール材の耐焼付き性も重要な課題であり、その特性向上が望まれている。同様に耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐クラック性、機械的強度が要求される工業用の各種部材、治具、加工工具においてもロール材と同様な性能向上が不可欠になっている。
【0003】
これらの課題を解決する手段として特許文献1には、鋼製基台に耐摩耗性材料からなる外層を設けた複合部材が記載されている。そこには、具体的な製造手段として鉄基合金粉末とアルミナ繊維の混合粉末をカプセルに充填し、カプセルに鉄の蓋をして溶接後、真空脱気、真空封着した後、熱間静水圧成形(HIP)により焼結成形して製造する方法が記載されている。本例ではHIP法によって高密度で耐摩耗性、耐クラック性に優れる鋼製部材を得ている。
【0004】
このHIP法に関して特許文献2には、金型に粉末を充填し、その上にガラス粉を層状に乗せて真空中で加熱脱気した後、そのままHIP処理する方法が記載されている。また特許文献3には高合金鋼焼結材料の製造方法として、ハイス粉を予成形し、焼結後に10MPaでHIP処理する方法が記載されている。また、特許文献4には0.1〜7MPaの低加圧焼結処理する方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−59147号公報
【特許文献2】特開昭54−48613号公報
【特許文献3】特開昭62−287041号公報
【特許文献4】特開2003−119554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の各公報においても、高密度の粉末焼結体を得るために、粉体の種類、成形方法、焼結工程など途中のプロセスは異なるものの、最終的には繊維を基地中に分散させることが必要であり、特に細かい繊維を凝集させない、或いは凝集を抑制することが重要な課題となる。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、優れた耐摩耗性を有し、クラックの進展の抑制効果、および耐焼付き性を向上できる金属、合金製複合材料を低コストで得ることを目的とし、そのための新規製造技術を確実に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題に関して鋭意研究を行った結果、以下に記述する構成によって課題を解決できることを見出したものである。
【0009】
(1)金属または合金の基地にセラミック繊維を分散させた繊維強化金属の製造方法において、焼結工程の前処理として前記金属または合金の粉末と前記セラミック繊維とを混合する際に、前記セラミック繊維として繊維表面に前記金属または合金がコーティングされたセラミック繊維を使用することを特徴とする繊維強化金属の製造方法。
【0010】
(2)繊維表面に前記金属または合金がコーティングされた前記セラミック繊維は、セラミック繊維によって強化される金属または合金粉末を繊維質量に対して、5質量%〜50質量%添加して、機械的に混合及び撹拌することにより、製造することを特徴とする前記(1)に記載の繊維強化金属の製造方法。
【0011】
(3)前記セラミック繊維が、酸化物系セラミック繊維、炭化物系セラミック繊維、窒化物系セラミック繊維から選ばれた1種または2種以上の混合物であり、長繊維或いは長繊維をチョップした短繊維であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の繊維強化金属の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の繊維強化金属の製造方法によれば、焼結後の組織において、繊維の凝集発生によるボイド(気孔)等の発生が抑制されることから、耐摩耗性、耐クラック性および耐焼付き性、機械強度の改善が安定的に図れる複合材料を提供可能となる。また、本発明によって得られる繊維強化金属は、その優れた耐摩耗性、耐クラック性(耐熱衝撃性)、耐熱性、機械的強度特性から、具体的用途として、鉄鋼・非鉄金属用圧延ロール、ガイドローラー等の各種熱間部材、治具、発電用ガスタービン部材、自動車、船舶、航空機、各種の機械部品、切削加工工具等に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
繊維強化材では、使用するセラミック繊維等の繊維径が数μmから数十μmと細かいことから、繊維自体が凝集しやすい性質を有する。凝集しやすさは繊維径が細かいほど顕著になり、特に短繊維として使用する際には、繊維含有量が多くなるほど、また、繊維長と繊維径の比で表されるアスペクト比が大きいほど、繊維同士が絡みやすく凝集しやすくなる。繊維強化材を焼結法により製造する場合、HIP処理のように高温、高圧で処理すれば繊維の凝集をある程度制御できるが、それでも完全な防止はできない。また、低圧での処理の時はより一層の繊維凝集抑制策が必要となる。
【0014】
本発明はこれら繊維の凝集を抑制するために考案されたものであり、本発明による繊維強化金属は、繊維強化金属粉を調整する段階で、予め使用する繊維を少量の強化される金属或いは合金粉末でコーティング(以下、塗し処理とも言う)することにより、繊維同士の凝集を抑制するとともに、その後行う繊維と金属、或いは合金粉との本混合時に繊維と金属或いは合金粉となじませ、効率よく焼結を行うことが可能である。これにより、焼結後の繊維凝集による気孔等を低減し、材質的にも信頼性の高い繊維強化材を得ることができる。
【0015】
具体的な繊維表面への金属或いは合金粉のコーティング(塗し処理)法は、繊維質量に対して、質量%で5〜50%の強化される金属粉或いは合金粉を繊維に添加し、常温で機械的に混合及び撹拌を実施することで可能である。
【0016】
このときのコーティングのメカニズムを図1〜5を用いて示す。
図1は混合前の繊維の状態である。繊維の形態は長繊維の状態でも長繊維をチョップした短繊維の状態でも適用できる。セラミック繊維が短繊維である場合は、繊維が凝集し、凝集した繊維同士で塊をなしている。セラミック繊維が長繊維の場合は、もつれ、絡み合って存在している。どちらの場合も、その存在に粗密がある。
【0017】
図2はこのセラミックス繊維に少量の合金粉を添加したものである。想定として質量比で繊維に対して30%程度の鉄基合金粉を加えている。この状態では合金粉は繊維同士の凝集した塊の隙間には入っていない。
【0018】
図3は、図2に示したセラミックス繊維と合金粉に対して、機械的に混合及び撹拌(塗し処理)をしているものである。この場合、混合手段としては、通常粉末等の混合に使用されるボールミル、遊星ボールミル、振動ミル等で行えばよい。
図3はボールミルを想定した例である。このように機械的な混合及び撹拌により、短繊維の場合は凝集した繊維の固まりが破壊される。繊維を短繊維として使用する場合は、繊維強化効果及び凝集回避効果を十分に発揮するためにも繊維長と繊維径の比で表されるアスペクト比で5〜100の短繊維であることが好ましい。繊維を長繊維として使用する場合は、本発明による方法により、繊維表面コーティングとともに繊維の短繊維化も可能となり、より効率的である。長繊維使用時も上記繊維条件を満足するように、コーティング処理(塗し処理)条件を決定して行えばよい。
【0019】
このとき、添加された合金粉末がボールによって機械的に繊維表面に押付けられ、塑性変形し、繊維表面に凝着し、繊維表面をコーティングしていく。添加された合金粉が少なすぎる場合、破壊された繊維の塊が再び凝集してしまう。したがって、繊維表面コーティングのための添加する金属或いは合金粉質量は、焼結後の組織中の繊維分散状況を調査した結果、5%未満では十分な凝集抑制効果が得られず、5%以上の添加が必要であることがわかった。また、合金粉が多すぎると、合金粉がクッションとなり、繊維の凝集を破壊できなくなる。50%超えて添加すると最初から金属或いは合金粉末と繊維を混合した場合と変わらず、十分な凝集抑制効果がみられなかったため上限は50%であることがわかった。さらに、添加量の範囲の上下限は上記の通りであるが、好ましくは10〜30%程度の添加であると、繊維の凝集が生じず、セラミックス表面への合金のコーティングが望ましい。この場合、混合時間が長すぎると繊維自体を損傷する危険があるので、使用する混合機毎に予め損傷のない範囲を決定した後、処理する必要がある。
【0020】
図4は、図3で、機械的な混合及び撹拌が終了した後の状態である。添加された合金粉末はほとんどセラミックス繊維の表面に凝着しており、浮遊している合金粉末は枯渇している。また、セラミックス繊維同士は一本一本独立して、凝集しない状態で存在している。この状態であれば、繊維同士がひきつけあわず、再び凝集は生じない。
【0021】
図5は、図4の状態に対して合金粉末を所定の混合比まで追加してさらに混合したものである。また、図7は、図5の状態のものを成形し、焼結した後の断面の200倍の拡大写真である(実施例1、表1の番号4の条件:本発明例)。本願発明のようにセラミックス繊維に金属或いは合金粉末でコーティング(塗し処理)することにより、セラミックス繊維同士の凝集が生じないので、予成形の時点でも繊維が一様に分布し、焼結後にはボイドがほとんど生じていなかった。
【0022】
図6は、比較例として、図2〜4に示した混合工程を省略して図1の状態の繊維に合金粉末を所定の混合比まで添加したものである。また、図8は、図6の状態のものを成形し、焼結した後の断面の200倍の拡大写真である(実施例1、表1の番号1の条件:比較例)。この場合は機械的な混合及び撹拌をいくら施しても繊維の凝集が解消されないので、繊維同士が集まって存在(凝集)し、その間にボイドが生じている。繊維の凝集が生じると、その凝集した繊維の中に金属粉が入って行けないので、焼結しても繊維の間にこのようなボイドが多数生じていた。
【0023】
セラミック繊維としては、酸化物系セラミック繊維、炭化物系セラミック繊維、窒化物系セラミック繊維から選ばれた1種または2種以上の混合物を使用できる。
【0024】
本発明の繊維へのコーティング処理に使用する金属或いは合金粉末は、繊維強化金属の繊維により強化される金属であり、鉄基合金、ステンレス、ニッケル、ニッケル基合金、コバルト、コバルト基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金、チタン、チタン基合金が適用できる。最終的にコーティング処理した繊維と金属粉末或いは合金粉末を混合して、カプセルに充填後、もしくは予め混合粉を成形したものをカプセルに挿入後、構成する金属或いは合金に見合う焼結温度で処理すればよい。
【0025】
本発明の繊維へのコーティング処理は、これまで記載の繊維強化金属以外に、繊維強化セラミックおよびセラミック粒子強化金属等における繊維或いは粒子の処理としても活用可能である。
【実施例】
【0026】
〔実施例1〕
鉄基合金粉末(C:0.8%、Si:0.3%、Cr:5.0%、V:5%、Mo:5.0%、W:5%)に対して、アスペクト比が20のアルミナ繊維を20〜40vol%含有する繊維強化金属粉(以後、FRM混合粉)を作製する際に、予め繊維に該鉄基合金粉末を0〜60%迄変更して表面コーティング処理(塗し処理)を実施し、さらに所定の繊維含有量になるように、該鉄基合金粉末を加えて、FRM混合粉を製作した。初期の繊維は長繊維状態のものを使用し、塗し処理及び混合作業は遊星ボールミルを使用した。製作したFRM混合粉をカプセルに詰め、カプセル内を脱気管を通じて減圧すると共に、高真空にした後、脱気管を封止して、HIP(熱間静水圧成形法)処理、あるいはFRM混合粉を造粒後、予成形したのち箔カプセルで包み込み、箔カプセルに設けた穴を所定の温度で溶融するガラスで封止した後、所定の低加圧で焼結するLIP法(低加圧焼結法)により焼結材(サイズφ30mm×50mmL)を製作した。焼結組織の調査としては、SEMを用いて、焼結後の断面の100倍ないし200倍の組織観察を行い、繊維の分散状況、ボイド有無等を確認した。ボイドは3視野から5視野の200倍の組織写真を基にボイドの面積率を測定し、平均で1%以上の面積率があったものをボイドありとした。なお、HIP法では温度約1000℃、圧力約80MPaで、LIP法では温度1200℃、圧力0.5MPaで処理した。
【0027】
〔実施例2〕
ステンレス鋼粉末(主成分18%Cr−8%Ni)、Ni基合金であるハステロイS(主成分16%Cr−15%Mo−残Ni)、Co基合金であるステライト6(主成分30%Cr−3%Ni−1.5%Mo−4.5%W−残Co)粉末に、アルミナ繊維、ムライト繊維、窒化珪素繊維、炭化珪素の1種或いは2種以上を混合したセラミック繊維を30vol%含有するFRM混合粉を作製する際に、繊維を予め該ステンレス鋼粉末、該Ni基合金粉末及び該Co基合金粉末で表面処理(塗し処理)を実施した。繊維はチョップした短繊維を使用し、塗し処理及び混合処理はボールミルにて行った。焼結処理は実施例1と同じHIP法及びLIP法にて行った。焼結処理後、前記実施例1と同様にその組織を調査し、繊維の分散状況、ボイドの有無等を確認した。
【0028】
〔実施例3〕
その他の金属として、チタン基合金(主成分Ti−6%Al−4%V)、アルミ基合金(主成分Al−2%Cu−2%Mg−6%Zn)、マグネシウム基合金(主成分Mg−2%Al−1%Zn)の各粉末に、窒化珪素繊維、炭化珪素繊維を混合したセラミック繊維を40vol%含有するFRM混合粉を作製する際に、繊維を予め該チタン基合金粉末、アルミ基合金粉末、マグネシウム基合金で表面コーティング処理(塗し処理)を実施した。繊維は長繊維を使用し、塗し処理及び混合処理は遊星ボールミルにて実施した。焼結処理は実施例1に示したHIP法にて行った。焼結後、前記実施例1と同様にその組織を調査し、繊維の分散状況、ボイドの有無等を調べた。HIP処理条件はチタン基合金では、温度1150℃、圧力100MPa、アルミ基合金、マグネシウム基合金では、温度450℃、圧力40MPaで処理した。
【0029】
上記、実施例1〜3の結果をそれぞれ表1〜3に示す。
表1〜3で明らかなように、本発明による処理を行った繊維を使用した繊維強化金属の焼結後の組織は繊維の凝集の発生もなく、繊維の凝集部で主に観察されるボイドの残存もみられなかった(いずれもボイドの面積率は1%未満)。また、比較例においてボイドが生じていたものは、ボイドの発生が上記に説明したとおり、凝集に起因するので、ボイドのあるものには繊維の凝集が生じていた。なお、ここでは凝集を定量化することはしていない。
【0030】
【表1】

番号1〜7は、LIP法にて焼結した結果を、番号8〜14は、HIP法にて焼結した結果を示す。
【0031】
【表2】

番号15〜19は、金属粉としてステンレス鋼粉末を使用し、HIP法で焼結した結果を、番号20〜24は金属粉としてハステロイSを使用し、LIP法で焼結した結果を示す。セラミックス繊維含有量は、番号15〜24のすべてで30Vol%である。
【0032】
【表3】

セラミックス繊維含有量は、番号25〜33のすべてで40Vol%である。
上記実施例において、鉄基合金粉末として、炭素C:0.8%、珪素Si:0.3%、Cr:5.0%、V:5%、Mo:5.0%、W:5%としたもの、ステンレス鋼及びハステロイSを用いているが、本願発明として用いる鉄基合金はこれらに限定されるものではない。また、チタン合金として、主成分Ti−6%Al−4%Vのものを、アルミ合金として主成分Al−2%Cu−2%Mg−6%Znのものを、マグネシウム合金として主成分Mg−2%Al−1%Znのものを、それぞれ用いているが、本願発明として用いる各種合金はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】何も処理しない時の繊維状況を示す模式図例である。
【図2】繊維に金属粉末を添加した場合の繊維状況を示す模式図例である。
【図3】金属粉を加えて機械的混合及び撹拌(塗し処理)を加えている時の繊維表面の金属粉状況を示す模式図例である。
【図4】図3の機械的混合及び撹拌(塗し処理)が終了時の繊維表面の金属粉コーティング状況を示す模式図例である。
【図5】図4の塗し処理繊維を使用して正規のFRM混合粉を作製した時の混合粉末状況を示す模式図例である。
【図6】繊維表面処理を行わないで、正規のFRM混合粉を作製時の混合粉末状況を示す模式図例である。
【図7】図5の状態のもの(コーティング(塗し処理)あり)を成形し、焼結した後の断面の写真である。
【図8】図6の状態のもの(コーティング(塗し処理)なし)を成形し、焼結した後の断面の写真である。
【符号の説明】
【0034】
1 セラミック繊維
2 金属粉末
3 扁平した金属粉末
4 繊維表面にコーティングされた金属粉膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属または合金の基地にセラミック繊維を分散させた繊維強化金属の製造方法において、焼結工程の前処理として前記金属または合金の粉末と前記セラミック繊維とを混合する際に、前記セラミック繊維として繊維表面に前記金属または合金がコーティングされたセラミック繊維を使用することを特徴とする繊維強化金属の製造方法。
【請求項2】
繊維表面に前記金属または合金がコーティングされた前記セラミック繊維は、セラミック繊維によって強化される金属または合金粉末を繊維質量に対して、5質量%〜50質量%添加して、機械的に混合及び撹拌することにより、製造することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化金属の製造方法。
【請求項3】
前記セラミック繊維が、酸化物系セラミック繊維、炭化物系セラミック繊維、窒化物系セラミック繊維から選ばれた1種または2種以上の混合物であり、長繊維或いは長繊維をチョップした短繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化金属の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−74134(P2009−74134A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244112(P2007−244112)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】