説明

繊維状顔料からなる化粧用組成物

0.2ミクロンより大きい平均直径および5より大きい平均アスペクト比を有する繊維状顔料からなる化粧用組成物、および肌への着色フィルムを提供するまたは肌の外観を明るくする前記組成物を用いる方法が提供される。組成物は、必要に応じて顔料、レーキ、および染料から選択された0.1から30%を占めている。化粧用フィルムとして組成物を適用した肌の外観は、同一の組成物より、L*、a*、およびb*色空間値および自然な肌により近い角度反射特性を有し、そして、繊維状顔料は5未満の平均アスペクト比を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状顔料および着色剤を含む組成物を適用して構成する自然な肌に近い反射特性および色空間特性を有する化粧フィルムを提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顔料は、肌の欠点、特に肌のシミを隠すための化粧用組成物としてよく使用される。色素沈着、赤み、くまのために、肌の状態を隠したり、また、明るくしたりすることができる顔料はよく使用される。しかし、化粧用組成物に顔料を使用することにより、他の審美的な欠陥を生み出すことがある。各個人の肌は、特定の角度反射率及び色空間特性を持っている。着色フィルムまたは明るくする組成物で肌を覆うことによりこれらの特性を大幅に変えることができるが、その結果不自然になる。例えば、肌の外観を明るく見せる顔料は、より暗い肌のトーンに、灰色の外観は角度依存性の増加と相関している灰色の外観を生み出すこともある。肌の自然さは、60度未満の入射角でのランバート(Lambertian)特性又は平面反射特性と関係がある。
【0003】
シミを避けて光を反射することによってシミを目立たなくする組成物は、当技術分野で知られている。例えば、金属酸化物で処理されたアルミナの血小板を含有する組成物及び二酸化チタンで被覆されたシリカから成る球状散乱成分は、特許文献1に記載されており、この文献では、両方の構成成分は強烈な反射特性を持っており、強烈な反射がしわや線を強調するようになるため、単独で使用する場合、昼間の摩耗には適さないようにこれらの顔料を変化させると記載している。また、より高い屈折率を持つ小さな粒子のネットワークでコーティングされた顔料粒子は、特許文献2に記載されるように傷を隠しながら肌が自然に見える透明性を達成できる。これらの組成物では、真珠光沢のあるまた白亜の肌の外観を作り出すことができる二酸化チタンを一般的に使用している。
【0004】
二酸化チタンは、肌を必要以上に白く、粉末状に、また、白亜に見せるための化粧用組成物として、当技術分野でよく挙げられている。二酸化チタンの微粒子は化粧用組成物中に分散し、しばしば大規模な凝集体を形成することは困難である。しかし、大きなサイズになった二酸化チタン粒子は、化粧用組成物で顕著になる。特許文献3は、紡錘状の二酸化チタンではなく、組成物中の化合物の分散を向上させる球状の二酸化チタンを用いた特定の日焼け止め組成物を記載している。この特許文献には、紡錘状のチタンの長さや直径が長くなりすぎる場合には、可視光での透明性を減少させ、日焼け止めの仕上げを損ね、肌の外観を白くしすぎることが記載されている。紡錘状または針状の二酸化チタン粒子は、特許文献4〜8に記載の化粧用組成物にも使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6511672号明細書
【特許文献2】米国特許第7531184号明細書
【特許文献3】欧州特許第0801941号明細書
【特許文献4】特開平11-035441号公報
【特許文献5】特許第288084号公報
【特許文献6】特開平10-291922号公報
【特許文献7】特開平08-048614号公報
【特許文献8】米国特許第5763497号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
肌の外観を明るくしたり、肌の自然な外観を維持しつつ欠点を隠したりするための代替方法が必要であり、従来の方法及び組成物に関連する問題点を克服し、化粧品分野の飛躍的な進歩が必要である。
【0007】
本発明は、肌の外観を自然な肌に近づけることを特徴とする繊維状顔料及び着色剤からなる化粧用組成物の利用により着色フィルムを付与するための方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、繊維状顔料を含む化粧用組成物の利用により肌の外観を明るくするための方法を提供する。既存の技術では、本発明の利益および利点を提供していない。
【0009】
本発明の目的は、自然な肌に似ている組成物で覆われた肌の反射特性を維持しながら、肌の外観を向上させる繊維状顔料を含む組成物を提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、自然な肌に似ている組成物で覆われた肌の色空間値を維持しながら、肌の外観を向上させる繊維状顔料を含む組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的及びその他の目的を達成するために、本発明は、繊維状顔料および着色剤を含む組成物を適用して構成する自然な肌の反射特性や色空間特性に近い着色フィルムを付与する方法を提供する。
【0012】
本発明の一態様において、本発明は、繊維状顔料を含む組成物を適用して構成するソフトフォーカス効果、肌の外観を明るくする効果または肌の美白効果を付与する方法を提供する。
【0013】
顔料、レーキ、および染料から選択され、0.2ミクロンより大きい平均直径および5より大きい平均アスペクト比を有する0.1から30重量%繊維状顔料、および、着色剤の0.1から30%からなる組成物を局所的に適用して構成する肌への着色フィルムを付与する方法を提供する。一実施形態では、着色フィルムは、他の同一の組成物によりもたらされるフィルムより肌の外観がより自然になることにより特徴づけられ、繊維状顔料は5より小さい平均アスペクト比を有する。一実施形態において、この組成物は、ソフトフォーカス効果を提供する。
【0014】
0.2ミクロンより大きい平均直径、5よりも大きい平均アスペクト比を有する0.1から30重量%繊維状顔料からなる組成物を局所的に適用して構成する肌の外観を明るくする方法を提供する。
【0015】
一実施形態では、肌上の化粧フィルムや着色フィルムは、実質的なランバート反射によって特徴づけられる。
【0016】
一態様では、繊維状顔料は、金属酸化物、例えば、TiO2、ハロイサイト、酸化亜鉛、または酸化鉄を含む。特定の実施形態においては、繊維状顔料は、0.25から1.5ミクロンの平均直径を有し、10より大きい平均アスペクト比を有する。繊維状顔料は、中実(solid)繊維、中空繊維、例えば、ハロイサイト繊維、アスペリティを有する繊維、又は高分子材料で構成され、金属酸化物で被覆された繊維の形状を取ることができる。
【0017】
一実施形態では、組成物は、1以上の脱色剤をさらに含み、また、1以上の脱色剤、または1以上の脱色剤からなる組成物と組み合わせて使用してもよい。
【0018】
一実施形態では、組成物は、0.3ミルの厚膜上に少なくとも35の拡散透過率および30未満の反射率により特徴づけられる。組成物は、ソフトフォーカス材料、例えば、セルロースビーズから構成されてもよい。特定の実施形態では、ソフトフォーカス材料の重量と繊維状顔料の重量との比率は、3:1から1:3の範囲である。一実施形態では、ソフトフォーカス材料および繊維状顔料は、それぞれ1から20重量%組成物からなる。
【0019】
特定の実施形態では、組成物は、鉄含有顔料、着色顔料、または日焼け止め剤を含まない。
【0020】
一態様では、肌に着色フィルムを付与するために本明細書に記載の組成物を局所的に適用して構成する着色フィルムを付与する方法において、着色フィルムは、L*、a*およびb*色空間値で測定される肌の外観が、ある同一の組成物のL*、a*およびb*色空間値より自然な外観に近いことによって特徴づけられ、繊維状顔料は、5より小さい平均アスペクト比を有する。
【0021】
別の態様では、肌に化粧用フィルムを付与するために本明細書に記載の組成物を局所的に適用して構成する肌の外観を明るくする方法において、着色フィルムは、L*、a*およびb*色空間値で測定される肌の外観が、ある同一の組成物のL*、a*およびb*色空間値より自然な外観に近いことによって特徴づけられ、繊維状顔料は、5より小さい平均アスペクト比を有する。
【0022】
特定の実施形態では、自然な肌の外観と比べて5より大きい平均アスペクト比を有する繊維状顔料からなる組成物のL*、a*およびb*色空間値の差の合計は、自然な肌の外観と比べて5より小さい平均アスペクト比を有する繊維状顔料からなる組成物のL*、a*およびb*色空間値の差の合計より小さい。
【0023】
本発明のこれらの新規な特徴は、簡単で、例として、本発明を実施するための様々な形式である以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。当然のことながら、本発明は、本発明から逸脱することなく、追加の、異なる明らかな態様を有する。したがって、本明細書は、例示であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】5重量%球状微細酸化チタンと比較して5重量%TiO2繊維のVelvasil 7-4を基準とした減少におけるCIELAB L*、a*およびb*値の変化を示した図である。
【0025】
【図2a】美白クリームを適用する前の自然な肌のCIELAB L*、a*及びb*値を示した図である。
【図2b】5重量%TiO2繊維(黒色矢印)または5重量%球状TiO2(灰色矢印)からなる美白クリームを適用した後のCIELAB L*、a*及びb*値の変化を示した図である。
【0026】
【図3a】5重量%TiO2繊維または-20度から130度の角度から反射角の5重量%球状TiO2からなるスキンローション組成物を適用する前の自然な肌のL*値を示した図である。
【図3b】5重量%TiO2繊維または-20度から130度の角度から反射角の5重量%球状TiO2からなるスキンローション組成物を適用した後のL*値を示した図である。
【0027】
【図4a】自然な肌のトーンを特徴づけるCIE a*及びb*値の範囲を示した図である。
【図4b】シリコーンベース及び10nmから300nmの範囲内でサイズが変化する5重量%TiO2繊維からなる組成物を適用した後のCIE a*及びb*値を示した図である。
【0028】
【図5】5重量%TiO2繊維または-20度から130度の角度から反射角の5重量%球状TiO2からなる高被覆率のファンデーション組成物を適用する前後の自然な肌のL*値を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
「繊維(fiber)」の意味は、糸の長さのような連続するフィラメント、不連続の細長い部分からなる材料の類である。繊維は、中実(solid)、中空、くぼみ、凹凸(asperities)で覆われる、または被覆されてもよい。
【0030】
「顔料(pigment)」は、反射または透過光の色を変更する材料を示している。顔料は、無機物又は有機物であってもよい。本発明の顔料は、繊維やコーティングされたポリマー繊維の形状であってもよい。
【0031】
「化粧品として受容可能な媒体(vehicle)」とは、人間の皮膚のようなケラチン物質と互換性のある媒介物(medium)を示している。
【0032】
本発明の目的のために、「ポリマー」とは、少なくとも2つの繰り返し単位を含む化合物、例えば、少なくとも三つの繰り返し単位が同一であってもよい化合物を意味する。
【0033】
本明細書中で使用される「分散」とは、成分が乳化基剤(emulsified base)に均一に分配される任意のプロセスを示し、溶解、乳化、およびコロイド状懸濁液またはゲルを形成することが含まれる。
【0034】
本明細書で使用される「有効量」とは、肌の外観を明るくする、白くする、またはソフトフォーカスするのに十分な量を示している。
【0035】
本明細書中、特許請求の範囲で使用される「a」と「an」は、「1以上(one or more)」を意味し、そうでなければここに示された場合を除くものである。
【0036】
パーセント(%)は、組成物の全重量に基づく重量%であり、それが逆に示さない限り、本明細書中で使用されることに留意すべきである。
【0037】
繊維状顔料
【0038】
本発明で用いる繊維状顔料は、有機物、それらの混合物の無機物で構成することができる。繊維状顔料は、コーティングされたポリマー繊維の形状をとることができる。
【0039】
本明細書中で使用される「金属酸化物(metal oxide)」とは、少なくとも一つの酸素原子と少なくとも一つの金属原子とを含む化合物をいう。本発明で用いる無機繊維状顔料または無機繊維は、金属酸化物を含み、チタニア、例えば、二酸化チタン(TiO2)、酸化鉄、例えば、FeO、Fe2O3、アルミナ、酸化アルミニウム、例えば、Al2O3、例えば、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、シリカ(SiO2)を含むがこれに限定されない。繊維状顔料は、単独で、または他の繊維状顔料、例えば、金属酸化物の混合物と組み合わせて使用することができる。一実施形態では、無機繊維状顔料は、1以上の無機繊維状顔料を含むことができる。特定の実施形態においては、繊維状顔料は、少なくとも一つの酸素原子、少なくとも1種の遷移金属原子、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛されている金属酸化物から構成される。別の実施形態では、繊維状顔料は、少なくとも一つの酸素原子と少なくとも1つのアルミニウム原子とからなる金属酸化物から構成される。特定の実施形態においては、繊維状顔料は、TiO2とAl2O3、TiO2とSiO2、またはTiO2とFe2O3から構成される。
【0040】
一実施形態では、繊維状顔料は、人工または合成物質である。別の実施形態では、繊維状顔料は、天然に存在する物質である。
【0041】
別の態様では、繊維状顔料は、粘土鉱物の化合物またはアルミナシリカ繊維から構成され、ハロイサイト(Al2Si2O5(OH)4,カオリナイト);イライト-(K,H3O)(Al,Mg,Fe)2(Si,Al)4O10[(OH)2,(H2O)];モンモリロナイト-(Na,Ca)0.33(Al,Mg)2(Si4O10)(OH)2・nH2O;バーミキュライト-(MgFe,Al)3(Al,Si)4O10(OH)2・4H2O;タルク-Mg3Si4O10(OH)2;パリゴルスカイト-(Mg,Al)2Si4O10(OH)・4(H2O);および、パイロフィライト-Al2Si4O10(OH)2;ケイ酸塩、または小管から生成された他の鉱物を含むがこれに限定されるものではない。別の好ましい実施形態では、繊維状顔料はハロイサイトである。特定の実施形態では、粘土鉱物の化合物は、本明細書に定義されているように、金属酸化物である。
【0042】
一態様では、繊維状顔料は、有機物、例えば炭素繊維やカーボンナノチューブを含む。
【0043】
繊維や繊維状顔料は、中実または中空にすることができ、さらに、くぼみや凹凸で覆うこともできる。一実施形態では、繊維は中実である。別の実施形態では、繊維は中空である。一実施形態では、繊維は、中実または中空であり、くぼみや凹凸で覆われている。
【0044】
特定の実施形態において、繊維は、中実、針状、紡錘状、ラグビー型、フットボール状または棒状である。特定の実施形態においては、繊維状顔料は、円筒形である。特定の実施形態では、繊維状顔料は、中実TiO2であり、例えば、エレクトロスピニング法(例えば、J. Y. Park and S. S. Kim, Metals and Materials International, Vol 15(1), pp. 95-99 (2009)参照)により製造された中実TiO2ナノファイバーである。
【0045】
他の実施形態では、繊維状顔料は、中空またはチューブ形状である。好ましい実施形態では繊維状顔料は、中空又はチューブ形状であるハロイサイトである。下位の実施形態では、中空繊維は、肌に追加の効果をもたらす、例えば、グリセリンのように保湿効果のある1以上の物質で満たされている。
【0046】
繊維状顔料は、任意の高分子材料上に付着塗料させることができる。中実または中空繊維の形状をとることができる高分子材料は、繊維状顔料、無機繊維、金属酸化物または粘土鉱物の化合物で被覆され、芯鞘型の繊維としてもよい。繊維状顔料、無機繊維、金属酸化物や粘土鉱物の化合物は、文献(例えば、Drew et al. "Metal oxide coated polymer nanofibers," Nano Letters 2003, Vol. 3, No. 2, pp, 143-147参照)に記載されている公知の方法により、高分子材料、またはポリマー繊維上に付着塗料させることができる。このような芯鞘繊維は、繊維状顔料または無機化合物によって付与される望ましい特性を損なうことなく、材料のコストを削減するのに有利である。
【0047】
高分子材料は、ポリマーの特定のタイプには制限されない。特定の実施形態において、高分子材料は、ポリアミド、例えば、ナイロン、ポリアクリル酸(PAA)、架橋ポリエチレン(PEXまたはXLPE)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PETまたはPETE)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエステル(PES)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスルホン(PES)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、エチレンビニルアセテート(EVA)、スチレン無水マレイン酸(SMA)及びポリアクリロニトリル;またはポリビニルアルコール(PVA)を含む。好ましい実施形態では、高分子材材料は、ナイロン、ポリアクリロニトリル、PVA及びPMMAからなるグループから選択される。
【0048】
一実施形態では、高分子材料は、金属酸化物で被覆されている。特に下位の実施形態では、金属酸化物はTiO2のです。別の実施形態では、高分子材料は、粘土鉱物の化合物で被覆されている。特に下位の実施形態では、粘土鉱物の化合物は、ハロイサイトである。
【0049】
ポリマー繊維は、平均直径0.05ミクロン以上であり、5以上の平均アスペクト比を有する。特定の実施形態では、ポリマー繊維は、平均直径0.05から20ミクロンであり、5以上の平均アスペクト比を有する。ポリマー繊維上のコーティングは、約0.01から20ミクロンの平均厚さからなる連続的な層であってもよい。コーティングは、不連続であるか、または0.005から20ミクロンの範囲内の異なる粒子から形成されてもよい。また、コーティングは、繊維、板または球状の粒子から形成されてもよい。
【0050】
別の態様では、繊維状顔料は、肌を所望の色にしたり、または肌の外観を明るくしたり白くしたりすることができる。下位の実施形態では、繊維状顔料は、TiO2、ハロイサイト、または酸化鉄である。好ましい実施形態では、繊維状顔料は、肌の外観を明るくしたり白くしたりものであり、例えば、顔の肌に局所的に適用するためのクリーム、ローション、ファンデーション、アイクリームや他の組成物に使用される。好ましい実施形態では、繊維状顔料は、肌に所望の色を付与するための高分子材料をコーティングするものとして使用され、例えば、ファンデーションやアイシャドウに使用される。
【0051】
本明細書の組成物に使用される繊維状顔料の平均直径と平均アスペクト比は、組成物の色に影響を与える。自然な肌の色のL*、a*、およびb*色空間値を持つ繊維状顔料は、本発明の組成物に好ましい。例えば、約0.2ミクロンより小さい平均直径、5より小さい平均アスペクト比を有する特定の繊維状顔料、例えば、球状の顔料は、本明細書に記載の方法において有用ではない。例えば、約0.2ミクロンより小さい直径のTiO2は、組成物中で肌に適用されると、青色または青みがかった外観を与える。特定の態様では、繊維状顔料は、0.2ミクロンより大きい平均直径を有する。特定の実施形態においては、繊維状顔料は、約0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.50、0.60ミクロンよりも大きい平均直径を有する。好ましい実施形態では、繊維状顔料は、0.26ミクロンより大きい平均直径を有する。
【0052】
特定の実施形態においては、繊維状顔料は、約0.2から1.5、0.2から1.0、0.2から0.8、0.2から0.7、0.2から0.6、0.2から0.5、0.2から0.4、0.2から0.3、0.21から0.50、0.25から0.50、0.26から0.50、0.27から0.50、0.28から0.50、0.21から0.40、0.25から0.40、0.26から0.40、0.27から0.40、0.28から0.40、0.21から0.35、0.26から0.35、0.27から0.35、0.21から0.32、0.26から0.31、または0.27から0.31ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、繊維状顔料は、約0.21から0.50ミクロンの直径を有する。
【0053】
繊維状顔料の長さは、繊維の直径よりも大きいが、これに限定されるものではない。特定の実施形態においては、繊維状顔料の平均の長さは、約0.25、0.30、0.35、0.40、0.50、0.75、1、2、3、4、5、または10ミクロンより長い。好ましい実施形態では、繊維状顔料の平均長さは、1ミクロンより長い。
【0054】
他の実施形態では、繊維の平均長さは、約0.25から100、0.30から100、1から100、5から100、0.25から50、0.30から50、1から50、5から50、0.25から30、0.30から30、1から30、5から30、0.25から20、0.30から20、1から20、5から20、0.25から10、0.30から10、1から10、または5から10ミクロンの範囲内であってもよい。好ましい実施形態では、繊維状顔料の平均の長さは、約1から20ミクロンである。
【0055】
繊維状顔料の平均アスペクト比は、その長い次元に対する短い次元の比率、または、その長さを直径で割ったときに得られた値である。本発明の好ましい繊維状顔料は、高アスペクト比や肌の光学的性質を改善するアスペクト比を有する。特定の実施形態においては、繊維状顔料の平均アスペクト比は、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、または100より大きい。一実施形態では、繊維状顔料や繊維の平均アスペクト比は、5より大きい。別の実施形態では、繊維状顔料の平均アスペクト比は、10より大きい。
【0056】
他の実施形態では、繊維状顔料の平均アスペクト比は、約1から1000、2から100、3から100、4から100、5から100、10から100、20から100、30から100、40から100、50から100、1から20、2から20、3から20、4から20、5から20、5から30、5から50、10から20、10から30、または10から50の範囲内である。一実施形態では、繊維質の顔料の平均アスペクト比は、約1から100の範囲内であり、より好ましくは5から100の範囲内である。繊維は球状ではない。
【0057】
別の態様では、繊維状顔料の平均屈折率は、約1.01から4.0、2.0から4.0、1.1から3.5、1.7から3.5、2.0から3.5、1.5から3.2、1.7から3.2、2.0から3.2、または2.0から3.0の範囲内である。好ましい実施形態では、繊維状顔料の平均屈折率は、約2.0から3.0の範囲内である。
【0058】
組成物
【0059】
本明細書に記載の繊維状顔料は、ソフトフォーカス効果、肌の外観を明るくする効果、または白くする効果を与えるために使用することができる。特定の実施形態において、組成物は、顔料、レーキ、染料から選択された着色剤をさらに含む。特に好ましい組成物は、顔、首、胸、腕や手に適用することができる組成物である。組成物の種類は特に限定されず、人の肌に適した任意の製剤、あるいは化粧品製剤に使用することができる。特定の実施形態において、組成物は、粉末、クリーム、ローション、ゲル、乳液、保湿剤、ファンデーション、コンシーラーまたは他の化粧用組成物または媒体であってもよい。特定の実施形態において、組成物は、顔の全部または一部、例えば、目の周り、目の下、傷、色素沈着、一様でない肌のトーンやその他変色した顔の一部に適用される。特定の実施形態において、組成物は、手に適用される。特定の実施形態において、組成物は、色素沈着やその他変色した肌のパッチに適用される。特定の実施形態では、組成物は、粉末ではない。
【0060】
組成物は、繊維状顔料の1以上の組成物の全重量に対して、約0.1%から50%、0.5%から40%、0.1%から30%、1%から30%、2%から30%、1%から20%、2%から20%、2%から5%、2%から10%、2%から5%、5%から20%、5%から15%からなる。好ましい実施態様において、組成物は、繊維状顔料の重量の約2%から20%からなる。
【0061】
好ましい実施態様において、組成物は、肌の外観を白くするまたは明るくするためのものであり、2から6重量%繊維状顔料からなる。別の好ましい実施形態において、組成物は、ファンデーションであり、5から20重量%繊維状顔料からなる。
【0062】
一態様において、組成物は、1以上のソフトフォーカス材料からなる。一実施形態では、ソフトフォーカス材料は、セルロースビーズである。組成物は、カルシウムアルミホウケイ酸塩、PMMA、ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル酸メチルクロスポリマー、ナイロン12、エチレン/アクリル酸共重合体、窒化ホウ素、テフロン、シリカなどのようなソフトフォーカスを実現する球状粉末からなる球状散乱成分を含むことができる。
【0063】
組成物は、ソフトフォーカス材料、組成物の全重量に対して、約0.1%から50%、0.5%から40%、0.1%から30%、1%から30%、2%から30%、1%から20%、2%から20%、2%から15%、2%から10%、2%から5%、5%から20%、5%から15%からなる。好ましい実施態様において、組成物は、約2%から約20重量%ソフトフォーカス材料からなる。
【0064】
特定の実施形態では、ソフトフォーカス材料の重量に対する繊維状顔料の重量の比率は、約50:1から1:50、20:1から1:20、10:1から1:10、5:1から1:5、3:1から1:3、2:1から1:2または1:1の範囲内である。好ましい実施形態では、ソフトフォーカス材料の重量に対する繊維状顔料の重量の比率は、約3:1から1:3の範囲内である。別の好ましい実施形態では、ソフトフォーカス材料の重量に対する繊維状顔料の重量の比率は、約1:1である。
【0065】
他の実施形態において、組成物の全重量に対して、無機繊維と組成物中のソフトフォーカス材料との重量の組み合わせ%は、約0.1%から50%、0.5%から40%、0.1%から30%、1%から30%、2%から30%、1%から20%、2%から20%、2%から15%、2%から10%、2%から5%、5%から20%、5%から15%である。
【0066】
また、本発明の組成物は、例えば、ファンデーション、コンシーラー製品、フェイスパウダー、美容液、トップまたはボトムのメイクアップコート、ボディ用のメイクアップ製品のような肌のための着色メイクアップ製品、リップスティック、口紅のような唇用のメイクアップ製品、ケアやトリートメント特性のあるすべての製品を形成する物であってもよい。好ましい実施態様において、組成物は、ファンデーションである。
【0067】
特定の実施形態において、組成物は、例えば、ファンデーションのような着色メイクアップ組成物である。一実施形態では、着色メイクアップ組成物は、自然な肌に近い角度の反射特性や色空間値を維持しながら高い被覆率を備えている。
【0068】
着色された化粧品は、典型的には、顔料、レーキ、染料から選択された1以上の着色剤を含む。追加の着色剤が存在する場合、追加の着色剤は、約0.1%から約30重量%組成物、より典型的には約0.1%から約10重量%組成物である。特定の実施形態において、着色剤は、酸化鉄である。
【0069】
典型的な無機顔料は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化鉄(α-Fe2O3、y-Fe2O3、Fe3O4、FeO)、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低次チタン酸化物、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛のような金属酸化物及び金属水酸化物、及び、チタン酸鉄、チタン酸コバルト、アルミン酸コバルトのような複合酸化物及び複合水酸化物を含むが、これに限定されない。例えば、アルミナ、シリカなどの非金属酸化物、群青(すなわち、硫黄を含むナトリウムアルミニウムケイ酸塩)、プルシアンブルー、マンガンバイオレット、オキシ塩化ビスマス、タルク、雲母、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、アルミニウムマグネシウムケイ酸塩、シリカ、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマスなどは、適当な無機顔料として期待される。有機顔料は、カーボンブラック、カルミン、フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、ジアリライドイエロー顔料、ジアリライドオレンジ顔料、トルイジンレッド、リソレッド、ナフトールレッド顔料、ナフトールブラウン顔料のようなアゾ系レッド顔料及びアゾ系イエロー顔料、及び、これらの混合物の少なくとも1つを含むことができるが、これに限定されない。
【0070】
レーキは、不溶性または吸着性の基質または希釈剤に沈殿される水溶性の有機色素(例えば、D&CまたはFD&C)から作られた着色剤が一般的に適用される。「D&C」は、FDAにより薬剤及び化粧品での使用が承認された薬剤及び化粧品着色剤を意味する。「FD&C」は、FDAにより食品、薬剤、化粧品での使用が承認された食品、薬剤、化粧品着色剤を意味する。D&C及びFD&C公認着色剤は、21 C.F.R. §74.101以下参照に記載されており、FD&C 青1、青2、緑3、オレンジB、シトラスレッド2、赤3、赤4、赤40、黄5、黄6、青1、青2;オレンジB、シトラスレッド2、及び、D&C 青4、青9、緑5、緑6、緑8、オレンジ4、オレンジ5、オレンジ10、オレンジ11、赤6、赤7、赤17、赤21、赤22、赤27、赤28 、赤30、赤31、赤33、赤34、赤36、赤39、紫2、黄7、黄8、黄10、黄11、青4、青6、緑5、緑6、緑8、オレンジ4、オレンジ5、オレンジ10、オレンジ11などを含む。レーキを形成するのに適した基質は、雲母、オキシ塩化ビスマス、セリサイト、アルミナ、アルミニウム、銅、青銅、銀、カルシウム、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム、雲母チタン、ヒュームドシリカ、球状シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、微粉テフロン、窒化ホウ素、アクリレートコポリマー、ケイ酸アルミニウム、アルミニウム澱粉オクテニルコハク酸、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、セルロース、胡粉、トウモロコシデンプン、ケイソウ土、フラー土、グリセリルデンプン、ヘクトライト、含水シリカ、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、モンモリロナイト、微結晶セルロース、コメデンプン、シリカ、タルク、雲母、二酸化チタン、亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ロジン亜鉛、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、ナイロン、シリカシリル、シルクパウダー、絹雲母、大豆粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉、及びこれらの混合物を含むがこれに限定されない。適切なレーキは、赤4、6、7、17、21、22、27、28、30、31、33、及び40のようなモノアゾ、ジスアゾ、フルオラン、キサンテン、またはインジゴイドファミリーの赤色染料のレーキ、黄5、6、7、8、10、及び11のような黄ピラゾール、モノアゾ、フルオラン、キサンテン、キノリン、染料またはその塩のレーキ、紫2のようなアントラキノンファミリーの染料を含む紫染料のレーキ、同様に、オレンジ4、5、10、11などを含むオレンジ染料のレーキを含む。D&C及びFD&C染料の適切なレーキは、21 C.F.R. §82.51に定義されている。
【0071】
例えば、媒体において粒子をより疎水性にまた分散性にするために、着色剤を任意に表面処理してもよい。粒子の表面に、例えば、有機分子またはシリコーンベースの分子を共有結合またはイオン結合してもよく、またはそれに加えて吸着してもよく、粒子を材料層で物理的に被覆してもよい。好適なカップリング剤、リンカー基、または官能基(例えば、シラン、エステル、エーテルなど)を介して、表面処理化合物に粒子を結合してもよい。化合物は、例えば、アルキル基、アリール基、アリル基、ビニル基、アルキル-アリール基、アリール-アルキル基、オルガノシリコーン、ジオルガノシリコーン、ジメチコーン、メチコーン、ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタン、およびフルオロ-またはペルフルオロ-誘導体から選択できる疎水性部分を含んでもよい。他の疎水性修飾因子は、ラウロイルリシン、イソプロピルチタントリイソステアレート(ITT)、ITT及びジメチコン(ITT/ジメチコン)クロスポリマー、ITT及びアミノ酸、ITT/トリエトキシカプリリルシランクロスポリマー、ワックス(例えば、カルナウバ)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、PEG-8メチルエーテルトリエトキシシラン、アロエ、ホホバエステル、レシチン、ペルフルオロアルコールリン酸塩、及びミリスチン酸マグネシウム(MM)などを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、任意の顔料成分は、基本的にアルミナ基板(例えば、血小板状)から構成されるアルキルシラン表面処理着色剤、及び、顔料、染料、またはアルキルシラン表面処理によりアルミナ基板に接合アルミナ基板に結合されたレーキを含む。典型的には、アルキルシランは、オクチルシランになり、トリエトキシカプリリルシランで処理することによって形成される。このような着色剤の例として、SENSIENT(登録商標)Cosmetic Techologies LCWから入手可能なアルミナ/二酸化チタン/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)アトラスホワイトAS)、アルミナ/D&CレッドアルミニウムレーキCTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)レッドローズAS)、アルミナ/D&CレッドアルミニウムレーキCTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)ソノマレッドAS)、アルミナ/ブラック酸化鉄CTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)ソノマブラックAS)、アルミナ/D&Cレッド#6アルミニウムレーキCTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)ファイアレッドAS)、アルミナ/イエロー酸化鉄CTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)ソノマイエローAS)、アルミナ/D&Cブルー#1アルミニウムレーキCTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)アストラルブルーAS)、アルミナ/カーマインCTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)カンパリAS)、アルミナ/イエロー#5CTD/トリエトキシカプリリルシラン1%(COVALUMINE(登録商標)サンバーストAS)、アルミナ/トリエトキシカプリリルシラン1%、及びこれらの混合物を含むが、これに限定されない。
【0073】
また、干渉またはパール顔料を含んでもよい。典型的には、これらは、TiO2、Fe2O3、Cr2O3などの約50から300nmの薄膜で積層された雲母で構成される。これらは、酸化チタンまたはオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母のような真珠材料、酸化鉄を含む雲母チタンのような酸化鉄を含む雲母チタン、鉄青または酸化クロムを含む雲母チタン、前述の有機顔料を含む雲母チタンのような着色真珠材料を含む。しかし、最終組成物を肌に適用するとき、これらの他の材料は、ときには肌の外観を白色、白亜色、灰色にするため、好ましくは本発明で使用されていないか、またはそれらの量が制限されるべきである。それらが使用されている場合は、これらの材料は、合計で1.0重量%より少ない量で使用されることが好ましい。好ましくは、真珠光沢成分は、真珠光沢含有物または真珠反射率に基づくオキシ塩化ビスマスを有する。オキシ塩化ビスマスは、より人工的な外観を提供する酸化チタンのような化合物より肌の自然な真珠光沢に一致する。オキシ塩化ビスマスは、より良い肌の自然な反射率を再現する。しかし、他の真珠成分を使用してもよい。より好ましい真珠光沢成分は、ステアリン酸カルシウムを用いてBI-LITE20(オキシ塩化ビスマス及び雲母)に結合した着色顔料の混合物であるCHROMA-LITEである。CHROMA-LITE成分は、Englehard Corporation(アイセリン(Iselin)、ニュージャージー)からさまざまな色合い/色を入手できる。
【0074】
本発明の組成物は、美容または皮膚科学的、すなわち、非毒性の生理学的に許容可能な媒体を含んでおり、そして、肌、体表面の成長物、人間の唇に適用できる。本発明の目的のために、「美容上許容できる(cosmetically acceptable)」は、感じのよい外観、香り、感触、およびテイストある製品を意味する。
【0075】
一実施形態において、組成物は、肌の外観を白く、輝かしく、または明るくするためのフェイスクリームまたはアイクリームである。
【0076】
特定の実施形態では、組成物は、洗浄剤ではない。他の実施形態では、組成物は、皮脂を吸収しない。特定の態様において、組成物は、例えば、ケラチン除去するスクラブではなく、また、例えば、ピールオフマスク(peel-off mask)のようなマスクやパックではない。
【0077】
一実施形態において、組成物は、色や色合いの範囲を達成するための選択された一以上の顔料を含んでいる。特定の態様において、組成物は、色や色合いで広い範囲を達成するために配合することができる。特定の実施形態では、色や色合いの範囲は、先行技術に対して改善または拡大されている。
【0078】
組成物は、例えば、液体、ゲル、クリーム、ローション、保湿剤、着色保湿剤、固形状物、棒状物、平なべ状物、粉末のファンデーションまたはコンシーラーとして形成することができ、ファンデーションまたはコンシーラーの特定のタイプには限定されない。任意の生理学的に許容できる媒体(physiologically acceptable medium)は、組成物に基づいて形成することができる。「生理学的に許容できる媒体」は、肌、粘膜及び/又はその外皮に適合できる媒体を意味する。本発明の一態様において、組成物は、他の着色剤または顔料で構成される。特定の実施形態において、組成物は、ファンデーション、着色保湿剤、またはコンシーラーである。他の実施形態において、組成物は、クリームやパウダーアイシャドウ組成物である。特定の実施形態において、組成物は、アイシャドウ組成物ではない。特定の実施形態において、組成物は、追加の着色剤または顔料を含まない。一実施形態において、組成物は、例えば酸化鉄のような鉄含有顔料を含まない。
【0079】
一実施形態において、組成物は、1以上の日焼け止め剤を含む。特定の実施形態では、繊維状顔料は、紫外線遮断剤である。特定の実施形態において、組成物は、日焼け止め、日焼け止め剤または紫外線遮断剤を含まない。一実施形態では、繊維状顔料またはポリマー繊維コーティングは、日焼け止め、日焼け止め剤または紫外線遮断剤で構成されていない。
【0080】
全ての有用な成分を、仮定の作用機序によって分類又は説明してもよい。しかし、当然のことながら、その成分は、場合によっては、複数の美容上および/または治療上の利点を提供でき、また、複数の作用機序を経由して作用することができる。したがって、分類は、本明細書に説明の便宜上のために作られており、出願書類に記載された成分に限定されない。
【0081】
また、本発明の組成物は、湿潤剤、皮膚軟化剤、保湿剤、抗しわ成分、コンシーラー、マット仕上げ剤、顔料、着色剤、タンパク質、抗酸化剤、ブロンザー、キレート剤、乳化剤、紫外線(UV)吸収剤、油吸収剤、消泡剤、抗粘着剤、増粘剤、香料、防腐剤、抗菌剤、静真菌剤、中和剤、ビタミン剤、可塑剤、凝集剤、塩基性化剤、酸性化剤、充填剤、溶剤、およびそれらの混合物に限定されず、他の化粧品成分を含むこともできる。当然のことながら、当業者に理解されている他の化粧品に許容できる成分、すなわち、CFTA化粧品成分辞典第3版に含まれているものは、使用できる。
【0082】
組成物は、アルカリ化剤、乳化剤、皮膚軟化剤、可塑剤、防腐剤、湿潤剤、保湿剤、溶剤、等張化剤のような追加成分、またはアンチエイジングに適した有効成分を含んでもよい。好ましい追加成分の例としては、グリセリンが含まれる。また、ゲル化剤のような粘性剤を使用することもできる。例としては、ベントン、トリグリセリド、ステアリン酸アルミニウム、C18-C36酸グリコールエステル、グリセリルトリベヘネート、グリセロールモノステアレート、アルギン酸塩、カルボマー、セルロース、ガム、カラギーナン、デンプン、またはケイ酸塩を含む。充填剤を、必要に応じて約1%から約20%までの量、好ましくは約1%から約10%までの量、追加することができる。充填剤の例としては、シリカ、PMMA、ナイロン、アルミナ、硫酸バリウム、または一般的にこのような組成物で使用されている他の充填材を含む。
【0083】
また、組成物は、少なくとも一つの化粧品有効成分及び/又は少なくとも一つの皮膚科学的な活性成分、すなわち、肌に有益な効果を有する薬剤を含んでもよい。そのような活性成分の追加は、当業者に公知の任意の手段で達成できる。さらに、組成物は、顔料または他の光反射材料でシミを隠す、またはシミの原因を治療する他の白色剤、美白剤を含んでもよい。
【0084】
特定の実施形態において、組成物は、1以上の脱色剤を含むことができ、また、1以上の脱色剤を含む混合物に利用してもよい。脱色剤は、皮膚脱色活性を有する任意の有効物質である。皮膚脱色活性は、存在している肌の色素沈着を減少させることができ、また、自然な色素沈着を超える追加の色素沈着を防止することができる。脱色剤としては、チロシナーゼ阻害剤、チオジプロピオン酸(TDPA)およびその誘導体、ベアベリーエキス、フィトール、マンゴスチン、ハイドロキノンおよびその誘導体、アゼライン酸およびその誘導体、コウジ酸(5-ヒドロキシ-4-ピラン-4-ワン-2-メチル)およびその誘導体、メキノール(4-ヒドロキシアニソール)、レチノイド、ナイアシンアミド、セリンプロテアーゼインヒビター、大豆または大豆エキス、アルファヒドロキシ酸、グリコール酸、トリクロロ酢酸、サリチル酸、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、コウゾ、グラブリジン(甘草エキス)、クマコケモモ属パツラ(patula)、クマコケモモ属ビスキダ(viscida)、マグネシウムアスコルビルリン酸、4-イソプロピルカテコール、オレオシン、フェノールチオエーテル、N-アセチル-4-S-システイニルフェノールまたはN-プロピオニル-4システイニルフェノール、N-アセチルグルコサミン、トラネキサム酸(トランス-4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸)、リノール酸、レゾルシノールおよびその誘導体、エラグ酸、アスコルビン酸、亜鉛酸化物、および当技術分野で周知の他の色素脱失剤または美白剤が挙げられる。組成物は、組成物の全重量に対して脱色剤の重量の0.0001%から20%を構成し、より好ましくは、組成物の全重量に対して脱色剤の重量の0.025%から5%を構成することもできる。
【0085】
また、有効成分配信システムの制御放出型を採用することもできる。この点において、いくつかの望まれている分野で、活性成分を短い期間でリリースすることができる。特に、中空無機繊維では、リリースされる活性成分を保持するか、またはカプセル化することができる。このような成分は、例えば、化粧品の分野で知られているステロイドまたは非ステロイド性抗炎症剤、または他の薬剤であるビタミン、スキンケア剤、抗炎症剤のような活性剤を含むことができる。
【0086】
当業者は、本発明による組成物の有利な特性に、予測された添加によって悪影響を及ぼさないまたは実質的に悪影響を及ぼさないように、任意の添加剤および/またその量を選択できる。さらに、組成物に導入する他の化粧品成分とアジュバントは、本発明に求められる有利な特性に害を及ぼさない種類および量でなければならない。
【0087】
組成物は、皮膜形成剤またはフィルム形成剤を含むことができる。フィルム形成剤は、ポリジメチルシロキサン(PDMSまたはジメチコン)、シリコーン、ポリウレタン、ポリオルガノシロキサンポリウレタンポリマー、または当技術分野で知られる薬剤を形成する他のフィルムを含むPVP、アクリレート、アクリルアミド、共重合体、オルガノシロキサンを含む。皮膜形成剤は、柔軟に、密着して、連続した肌の被覆を残すための組成物の能力を向上させる。フィルムは、水結合特性を有し、肌上で滑らかな感触を残すことができる。
【0088】
組成物は、水の全組成物の重量に対して、約1%から90%、2%から80%, 5%から85%、10%から80%、20%から70%、30%から60%、40%から60%からなる。一般的に、本発明の組成物中に存在する水の量は少なくとも約20%である。
【0089】
使用方法
【0090】
上記の繊維状顔料を含む組成物は、5未満の平均アスペクト比を有する繊維状顔料である別の同一の組成物によって提供されるフィルムより肌の外観が自然であることを特徴とする着色フィルムを与えるように作られている。特定の実施形態において、組成物は、着色フィルム、または角度の反射特性または自然な肌に近い色空間値を持つ化粧フィルムを提供する。
【0091】
別の態様において、組成物は、肌を明るくするまたは白くする効果、および、自然な肌の反射特性に近い角度の反射特性または実質的なランバート特性によって特徴づけられる反射特性を提供する。肌は、60度未満の入射角でのランバート反射特性より強い特性を有する。多くの組成物の明るくするまたは白くする効果は、肌の外観を青白く又は灰色にする。材料の灰色の外観は、光の角度反射によって特徴づけられる。特に、角度依存性が大きくなると、より灰色に見える。
【0092】
表面はランバート反射率を示す場合、観察者の画角に関係なく観察者面の明瞭な明るさが同じになるように、表面に落ちる光は散乱される。具体的には、表面輝度は等方的である。実質上のランバート特性または実質上のランバート反射は、観察者の画角に関係なく実質上等方的であるまたはほぼ等しい表面輝度を参照する。
【0093】
ランバート反射は、拡散反射のモデルとしてよく使用される。拡散反射は、多数の角度で反射される入射光線のような一様でないまたはざらざらした表面からの光の反射である。それは鏡面反射を補完するものである。表面が完全に非鏡面であれば、反射光が均一に表面を囲む半球に広がる。観察者が完全反射方向に位置するとき表面輝度が最も高くなる場合において、鏡面反射は急激に落ちる。
【0094】
別の態様では、肌の外観を明るくする方法は、5未満の平均アスペクト比を有する繊維状顔料である同一の組成物のL*、a*およびb*の色空間値より自然な肌の外観に近いL*、a*およびb*の色空間値で測定されるような肌の外観の特徴を有する化粧品フィルムを提供する。
【0095】
「ラボ(Lab)色空間」は、明るさの次元Lでの反対色空間(color-opponent space)、および、非線形圧縮CIE XYZ色空間の座標に基づく反対色次元(color-opponent dimensions)のaおよびbを参照する。Hunter 1948の座標L、a、b色空間は、L、a、bである。ラボでは、現在一般的にCIE 1976(L*、a*、b*)色空間(CIELABとも呼ばれる)のための非公式の略語として使用される。本明細書中で使用されるイニシャルL、a、bまたはL*、a*、b*は、CIELAB色空間値を参照している。
【0096】
CIELABの3座標は、色の明るさ(L*=0は黒を与え、L*=100は散乱性の白を表し、鏡面白はより高くなる)、赤/マゼンタと緑(a*、負の値は緑を示し、正の値はマゼンタを示す)との間の位置、及び、黄と青(b*、負の値は青を示し、正の値は黄を示す)との間の位置を表す。
【0097】
特定の実施形態では、自然な肌の平均アスペクト比と比べて5以上の平均アスペクト比を有する繊維状顔料からなる組成物のL*、a*、b*色空間値の差の合計は、自然な肌の平均アスペクト比と比べて5未満の平均アスペクト比を有する繊維状顔料からなる組成物のL*、a*、b*色空間値の差の合計に満たない。
【0098】
一態様では、実質的なランバート反射によって特徴づけられた肌への化粧品フィルムを提供するために、0.2ミクロンより大きい平均直径および1より大きい平均アスペクト比を有する繊維状顔料の0.1から50重量%からなる組成物に適用して構成する肌の外観を明るくする方法である。
【0099】
本明細書中に記載の組成物のいずれかの好ましい実施形態において、組成物は、0.1から30重量%繊維状顔料、好ましくは2から20重量%繊維状顔料からなる。別の好ましい実施形態では、繊維状顔料は、0.26ミクロンより大きい平均直径を有する。別の好ましい実施形態では、繊維状顔料は、5または10より大きい平均アスペクト比を有する。
【0100】
一実施形態では、実質的なランバート反射は、反射からの-20度から130度に渡る範囲のL*と60度未満の角度である入射光との最小差を参照する。特定の実施形態では、反射からの-20度から130度に渡る範囲のL*と60度未満の角度である入射光との差は、10%未満であり、より好ましくは6%である。
【0101】
特定の実施形態においては、繊維状顔料は、例えば、1以上の金属酸化物、1以上の粘土鉱物化合物、またはそれらの混合物である1以上の無機繊維から構成される。一実施形態では、無機繊維は、チタニアまたはハロイサイトである。
【0102】
一実施形態では、繊維状顔料は、中実である。別の実施形態では、繊維状顔料は、中空である。特定の実施形態においては、繊維状顔料は、中実中空無機繊維と中空無機繊維との混合物である。
【0103】
一実施形態では、実質的なランバート反射によって特徴づけられた肌への化粧品フィルムを提供するために、0.2ミクロンより大きい平均直径および1より大きい平均アスペクト比を有する0.1から30重量%有機繊維状顔料からなる組成物に適用してなる方法である。一実施形態では、有機繊維は、1以上の有機繊維、例えば、炭素繊維から構成される。
【0104】
一実施形態では、実質的なランバート反射によって特徴づけられた肌への化粧品フィルムを提供するために、0.2ミクロンより大きい平均直径および1より大きい平均アスペクト比を有する有機繊維および無機繊維の0.1から30重量%混合物からなる組成物に適用してなる方法である。
【0105】
一実施形態では、実質的なランバート反射によって特徴づけられた肌への化粧品フィルムを提供するために、0.2ミクロンより大きい平均直径および1より大きい平均アスペクト比を有する被覆された0.1から30重量%ポリマー繊維からなる組成物に適用してなる方法である。本明細書に記載されるように、被覆されたポリマー繊維は、無機繊維または無機物質で被覆された高分子材料に限定されない。
【0106】
上記のいずれかの方法において、組成物はさらに、着色剤または顔料を含む。
【0107】
上記のいずれかの方法において、肌への化粧品フィルムは、CIELAB色空間値L*、a*、b*を測定することにより特徴づけられる。特定の方法では、自然な肌の色空間値と比較された上記のいずからの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌の色空間値の変化または差は、最小になる。特定の実施形態では、化粧品フィルムで覆われた肌のL*、a*、b*色空間値の合計と自然な肌のL*、a*、b*色空間値の合計との差は、自然な肌の色空間値の30%、25%、20%、15%、10%、5%、または2%未満になる。
【0108】
特定の実施形態では、自然な肌と比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌のL*値の差は、2%、3%、4%、5%、6%、7%、または10%未満になる。より好ましい実施形態では、L*値の差は6%未満であり、より好ましくは3%未満である。特定の実施形態では、自然な肌と比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌のL*値の差は、約0から2%、0から3%、0から4%、0から5%、0から6%、0から7%、または0から10%の範囲である。より好ましい実施形態では、L*値の差は、約0から6%の範囲であり、より好ましくは約0から3%の範囲である。
【0109】
特定の実施形態では、自然な肌に比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌のa*値の変化は、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、または10%未満である。より好ましい実施形態では、a*値の差は、18%未満であり、より好ましくは、16%未満である。特定の実施形態では、自然な肌に比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌のa*値の差は、約0から20%、0から19%、0から18%、0から17%、0から16%、0から15%、0から14%、0から13%、0から12%、0から11%、または0から10%の範囲である。より好ましい実施形態では、a*値の差は、約0から18%の範囲であり、より好ましくは約0から16%の範囲である。
【0110】
特定の実施形態では、自然な肌のa*と比べてa*の差は、本明細書中に記載される方法で、0.2ミクロンより大きい平均直径および5より大きい平均アスペクト比を有する繊維状顔料を使用することにより、5未満の平均アスペクト比を有する非繊維状顔料または繊維状顔料を使用したときより小さい。
【0111】
特定の実施形態では、自然な肌に比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌のb*値の差は、40%、35%、34%、33%、14%、13%、12%、11%、または10%未満である。より好ましい実施形態では、b*値の差は、18%未満であり、より好ましくは、16%未満である。特定の実施形態では、自然な肌に比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌のb*値の差は、約0から20%、0から19%、0から18%、0から17%、0から16%、0から15%、0から14%、0から13%、0から12%、0から11%、または0から10%の範囲である。より好ましい実施形態では、b*値の差は、約0から18%の範囲であり、より好ましくは約0から16%の範囲である。
【0112】
特定の実施形態では、自然な肌に比べて上記のいずれかの組成物の化粧品フィルムで覆われた肌では、a*値の差は18%未満であり、L*値の差は6%未満である。
【0113】
一実施形態において、本発明の繊維状顔料を含む組成物は、各点において自然な肌のL*に比べて60度未満の入射角での反射から-20度から130度の角度範囲に渡るL*における10%未満の差によって特徴づけられる。
【0114】
一実施形態では、肌への組成物のコーティングは、約0.3ミルの厚膜である。特定の実施形態では、肌への組成物のコーティングは、約0.3ミルの厚膜より薄い。
【0115】
一実施形態では、組成物は、0.3ミルの厚膜上で少なくとも35の拡散透過率および30未満の反射率値によって特徴づけられる。
【0116】
当業者であれば、適切な表示形式を選択することができ、さらに、一般的な知識に基づいて、使用された構成成分の特質および組成物の使用目的を考慮して、適切な表示形式を作成する方法を選択することができる。
【0117】
本発明の方法に有用な組成物は、組成物を調合する技術的に知られる従来の方法によって一般的に調製される。このような方法は、相対的に一様状態、加熱または非加熱、冷却、真空の利用のような含有物を混合する1以上の段階からなる。
【0118】
別の実施形態において、組成物は、そのまま用いることができ、そして、スキンケア組成物、メイクアップ組成物、ローション、メイクアップベース、および他の化粧品製品を構成することもできる。製剤は、細胞を刺激する、またはコラーゲンまたはケラチンのような皮膚のタンパク質の合成を促進するために、アンチエイジング、再構築、刺激、フリーラジカルスカベンジャー、抗酸化、抗にきび、鎮静、抗ニューロメディエーター、抗サブスタンスP、抗アレルギー、鎮痛、抗ストレス、抗シワ、副堅固(pro-firmness)、副弾力性(pro-elasticity)、調色、張力、減量、静脈強壮剤(veinotonic)、脱水、抗発赤、免疫調節、美白または活性化製法、または肌の様子を改善する製法でもよい。
【0119】
本発明に係る繊維状顔料を取り込む表皮への保湿および/または再構築活性を有する製剤は、美容術分野またはデモファーマシー分野の当業者によって使用される従来の方法によって調製することができる。
【0120】
組成物は、組成物の有効量を肌の一部に塗布することにより使用される。有効量は、各ユーザーが決定できる。
【0121】
組成物は、任意の間隔で数日間、数週間、数ヶ月間または数年間、使用してもよい。一般的に、組成物は、肌上で組成物を軽くマッサージすることにより使用してもよい。しかし、使用方法は、当該分野で公知の任意の方法でもよく、これに限定されない。
【0122】
特定の実施形態では、組成物は、一日あたり一回または二回使用される。別の実施形態では、組成物の複数の層が適用される。
【0123】
次の例では、本発明を説明するために本発明の特定の側面について説明し、当業者に本発明の方法の説明を提供する。これらの例は、単に理解及び実施に有用な特定の方法論及びそのさまざまな側面を提供するもので、本発明を限定するものとして解釈されない。
【実施例】
【0124】
本発明の特定のより好ましい実施形態及び別の実施形態は、発明の開示の目的のために説明されたが、開示された実施形態の変更が生じうることは当業者によって理解されるべきである。
【0125】
実施例1
5重量%繊維状顔料または5重量%球状微細TiO2を含む組成物の色空間の比較
【0126】
5重量%繊維状顔料(既知の論文方法、例えば、J. Y. Park and S. S. Kim, Metals and Materials International, Vol 15(1), pp. 95-99 (2009)により生成されたTiO2ナノファイバー)、または50重量%Velvasil 7-4(モメンティブ・パフォーマンス・ポリマー)、30%TMF、20%ダウコーニング流体(100,000 cst fluid)に基づく微細TiO2(Color Techniques Inc., Micro Titanium Dioxide USP)からなる組成物が用意された。両試料は、前腕に制御された用量で使用された。TiO2ファイバーは自然に認識されていたのに対し、微細TiO2は灰色で白亜のように見せた。両試料は、肌の様子を明るくするように認識された。5%繊維状顔料および5%微細TiO2のVelvasil 7-4を基準とした減少におけるCIE L*、a*、およびb*値の変化は、定量化された(図1に示すデータ)。一般的には、TiO2繊維を含む組成物は、球状微細TiO2を含む組成物より基準値からのCIE L*、a*、b*値の推移を少なくする。自然な肌のCIE L*、a*、b*値からの偏差を最小化する組成物は、CIE L*、a*、b*値をより大きく推移させる組成物より、自然に見せる。
【0127】
実施例2
5%繊維状顔料または5%球状TiO2を含むホワイトニングクリームの肌上の色空間値
【0128】
様々な被験者の自然な肌のCIE L、a、b値は、5重量%繊維状顔料(上記のようなTiO2ナノファイバー)または5重量%微細TiO2(Kowett二酸化チタン)からなるホワイトニングクリームを適用した前後で記録された(表1を参照)。CIE L*、a*およびb*値は、発光標準D65と比較して記録されている。
【0129】
【表1】

【0130】
各被験者の自然な肌のCIE a値及びb値は、図2aに示されている。対応するCIE L*値は、各データポイントの横に図上で示されている。5%TiO2ファイバー組成物(黒色矢印)または球状TiO2組成物(灰色矢印)が適用された後の各被験者のCIE L*値、a*値及びb*値の推移は、図2bに示されている。
【0131】
実施例3
他のソフトフォーカス材料と比べた繊維状顔料の減少の拡散透過率(ソフトフォーカス)及び反射特性
【0132】
5重量%繊維状顔料または50重量%Velvasil 7-4(モメンティブ・パフォーマンス・ポリマー)、30%TMF、20%ダウコーニング200流体に基づく他のソフトフォーカス材料からなる組成物が用意された。拡散透過率及び反射率の測定では、各組成物の3ミルの厚湿潤膜(thick wet films)が得られた。無機繊維または粒子状物質の濃度(重量%)、各組成物の溶剤、各試料の対応する拡散透過率及び反射率データを表2に示す。
【0133】
【表2】

【0134】
実施例4
ハロイサイトまたはセルロースビーズを含む組成物、またはハロイサイトおよびセルロースビーズの混合物の拡散透過率と反射率
【0135】
拡散透過率、反射率および総伝送測定は、10重量%セルロースビーズ、5重量%ハロイサイト、または5重量%セルロースビーズおよび5重量%ハロイサイトからなる組成物から得られた。その結果を表3に示す。
【0136】
【表3】

【0137】
3つの製剤のうち、10重量%セルロースビーズ、および5重量%セルロースビーズおよび5重量%ハロイサイトからなる組成物は、手および顔に改善されたぼかし処理をすることが見出された。5重量%セルロースビーズおよび5重量%ハロイサイトからなる組成物は、手および顔にぼかしを与えること、およびよい雰囲気を与えることが見出された。
【0138】
実施例5
球状顔料および繊維状顔料の角反射率の比較
【0139】
自然な肌のL*値は、5重量%繊維状顔料(TiO2ナノファイバー)、または反射から-20度から130度のいくつかの角度範囲の5重量%球状TiO2から構成されるスキンローション組成物を適用した前後で記録された。様々な角度での自然な肌のL*値を、図3aに示す。様々な角度での繊維状TiO2(黒色点)、または球状TiO2(白色点)のL*値を、図3bに示す。CIE L*値は、発光標準D65と比較して記録されている。入射角は45度であった。
【0140】
自然な肌の角反射はほぼ横ばい(ランバート反射)であると観測された。特に、肌は、60度未満の入射角度でランバート反射特性に近い特性を有する。データは、繊維状TiO2を含む組成物は、ランバート反射特性または自然な肌の反射特性に近い特性を与え、その上、球状TiO2を含む組成物は、反射光の高い角度依存性を有し、肌を青白くまたは灰色に見せることを証明した。繊維状顔料(TiO2ナノファイバー)を構成する組成物が適用される肌は、実質的には平らな角度依存性またはランバート特性を有することが見出され、そして、より自然な肌に見えた。線維性顔料を含む組成物は、より自然らしさを伴うホワイトニング効果を持つものとして認識された。
【0141】
2組成物の自然らしさに関する小さなパネルデータを表4に示す。
【表4】

【0142】
実施例6
色空間値(CIE a*値およびb*値)の繊維状顔料の直径の影響
【0143】
様々な肌のトーンを持つ人々の自然な肌のCIE a*値およびb*値を測定した。図4aに示される結果は、考慮された自然なa-b空間値の領域を規定している。
【0144】
シリコーンベースおよび10nmから300nmの範囲内の様々なサイズの5重量%TiO2からなる組成物が用意された。様々な肌のトーンを持つ人々の自然の肌のCIE a*値およびb*値を測定した。結果を図4bに示す。以下の物質は、5%(w/w)充填剤で評価した。
【0145】
1.TiO2(繊維、300nm直径、アナターゼ相)[黒丸]
【0146】
2.TiO2(繊維、270nm直径、ルチル相)[黒三角]
【0147】
3.TiO2(繊維、200nm直径、ルチル相)[黒四角]
【0148】
4.TiO2(繊維、100nm直径、ルチル相)[中空黒四角]
【0149】
5.TiO2(繊維、10nm直径、ルチル相)[黒ひし形]
【0150】
代表的なデータポイントは、色空間内の中央に位置している色調を持つ人により示されている。TiO2の色は、サイズに相関することがわかった。特に、200nm以下の直径を有する繊維は、自然な領域外に色調を示している。2組成物の自然らしさに関する小さなパネルデータを表5に示す。
【表5】

【0151】
5人すべてのパネリストは、10、100および200nmの直径の試料では、青みがかっており、不自然に見えると報告した。繊維の直径>200nmからなる組成物は、自然に見えるトーンを提供することが判明した。
【0152】
実施例7
球状顔料および高被覆率リキッドファンデーションの繊維状TiO2の角反射率の比較
【0153】
反射から-20度から130度の様々な角度範囲での、4重量%繊維状顔料(TiO2ナノファイバー)および7.7重量%球状TiO2(U.S. Cosmetics Inc. ST-PEG/MOD-TAS-77891)、または4重量%微細TiO2(Color Techniques Inc., Micro Titanium Dioxide USP)および7.7重量%球状TiO2(U.S. Cosmetics Inc. ST-PEG/MOD-TAS-77891)からなる高被覆率リキッドファンデーションを適用した前後で、自然な肌のL*値は記録された。様々な角度での自然な肌(白四角)のL*値を図5に示す。また、様々な角度での繊維状および球状TiO2(黒点)、または微細および球状TiO2(白点)のL*値を図5に示す。CIE L*値は、発光標準D65と比較して記録されている。入射角は45度であった。
【0154】
自然な肌の角反射は、ほぼ横ばいであることが観測された。そのデータは、繊維状TiO2を含む組成物は自然な肌に近い散乱特性を与え、その上、球状および微細TiO2を含む組成物は反射光の高い角度依存性を有し、肌を灰色に見せることを証明した。繊維状顔料(TiO2ナノファイバー)を構成する組成物が適用される肌は、実質的には平らな角度依存性またはランバート特性を有することが見出され、そして、より自然な肌に見えた。線維性顔料を含む組成物は、より自然らしさを持つものとして認識された。
【0155】
2組成物の自然らしさに関する小さなパネルデータを表6に示す。
【表6】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.2ミクロンより大きい平均直径および5より大きい平均アスペクト比を有する0.1から30重量%繊維状顔料を含む組成物を局所的に適用して肌に化粧用フィルムを提供することを含む、肌の外観を明るくする方法であって、前記化粧用フィルムはランバート反射によって実質的に特徴づけられる、肌の外観を明るくする方法。
【請求項2】
前記繊維状顔料は金属酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属酸化物は、TiO2、ハロイサイト、ZnO、または酸化鉄である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記繊維状顔料は、0.25から1.5ミクロンの平均直径および10より大きい平均アスペクト比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物は、0.3ミルの厚膜上に少なくとも35の拡散透過率および30未満の反射率により特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物は、一以上の脱色剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物は、1以上の脱色剤または1以上の脱色剤を含む組成物を組み合わせてまたは交互に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物は、ソフトフォーカス材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物は、鉄含有顔料を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物は、着色顔料を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維状顔料は、中実繊維である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記繊維状顔料は、中空繊維である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記繊維状顔料は、ハロイサイト繊維を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記繊維状顔料は、凹凸がある繊維である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記繊維状顔料は、高分子材料からなり、金属酸化物で被覆された繊維である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
0.2ミクロンより大きい平均直径および5より大きい平均アスペクト比を有する0.1から30重量%繊維状顔料を含む組成物を局所的に適用して肌に化粧用フィルムを提供することを含む、肌の外観を明るくする方法であって、肌上の前記化粧用フィルムは、L*、a*およびb*色空間値で測定される肌の外観が、前記繊維状顔料が、5より小さい平均アスペクト比を有すること以外は同一の組成物のL*、a*およびb*色空間値より自然な肌の外観に近いことによって特徴づけられる、肌の外観を明るくする方法。
【請求項17】
自然な肌のL*、a*およびb*色空間値と比べた5より大きい平均アスペクト比を有する繊維状顔料を含む組成物のL*、a*およびb*色空間値の差の合計は、自然な肌のL*、a*およびb*色空間値と比べた5より小さい平均アスペクト比を有する繊維状顔料を含む組成物のL*、a*およびb*色空間値の差の合計より小さい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
0.2ミクロンより大きい平均直径および5より大きい平均アスペクト比を有する0.1から30重量%繊維状顔料、および、顔料、レーキ、および染料から選択される0.1から30%の着色剤を含む組成物を局所的に適用して肌に化粧用フィルムを提供することを含む、肌に着色フィルムを付与する方法であって、肌の外観が、前記繊維状顔料が5より小さい平均アスペクト比を有すること以外は同一の組成物によって提供されるフィルムよりも自然になることにより特徴づけられる、肌に着色フィルムを付与する方法。
【請求項19】
前記組成物は、着色メイクアップ組成物である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記着色メイクアップ組成物は、ファンデーションである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物は、酸化鉄からなる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物は、一以上の日焼け止め剤からなる、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物は、一以上のフィルム形成剤からなる、請求項18に記載の方法。



【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515052(P2013−515052A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545936(P2012−545936)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/052260
【国際公開番号】WO2011/078903
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】