説明

缶入りコーンポタージュスープ

【課題】 粒コーンを含有する缶入りコーンポタージュスープにおいて、缶内に粒コーンが残らないように飲み終えることができるようにする。
【解決手段】 含有する粒コーンの大きさを平均粒径5mm〜15mmに規定すると共に、スープ粘度を350mPa・s〜2000mPa・s(TVB型粘度計、M2ローター、60〜120rpm、55℃)に規定することとした。大粒の粒コーンを含むため、食感がよく、食べ応えがあるほか、缶内に粒コーンが残らないように飲み終えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶容器に充填されたコーンポタージュスープに関する。
【背景技術】
【0002】
缶入りコーンポタージュスープは、日本では既に冬場のフード系飲料として定着しており、子供から大人まで幅広く飲用されている。
【0003】
缶入りコーンポタージュスープに関する従来の発明としては、例えば、特許文献1において、重量百分率で、凍結コーン10〜30%、脂肪含有率が15〜17%である乳成分4〜10%、澱粉類1.0〜2.5%、油脂0.8〜2.0%を含有し、粘度が50cp〜560cpであるホットベンダー用コーンポタージュスープが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、重量百分率で、乾燥固形分としてのコーン1.0〜4.0%、脂肪含有率が15〜27%である乳成分1.0〜4.0%未満、澱粉類0.5〜2.0%、油脂0.8〜3.0%を含有し、粘度が80cp〜400cpであるホットベンダー用コーンポタージュスープが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭58−51856号公報[請求項1]
【特許文献2】特開昭58−94356号公報[請求項1]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
缶入りコーンポタージュスープに関しては、最近の傾向として、味もさることながら、食感や腹持ちの点から、粒のままのコーン(以下「粒コーン」という)が入っているものの人気が高くなって来ている。しかし、このような粒コーンを充填した場合に応々にして問題となるのは、スープ分(液状物)を飲み終えた後に缶内に粒コーンが数多く残って出てこないということである。
【0007】
そこで本発明の目的は、粒コーンを含有する缶入りコーンポタージュスープにおいて、缶内に粒コーンがほとんど残らないように飲み終えることができる缶入りコーンポタージュスープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、粒コーンを含有する缶入りコーンポタージュスープにおいて、該粒コーンの大きさを平均粒径5mm〜15mmに規定すると共に、スープ粘度を350mPa・s〜2000mPa・s(TVB型粘度計、M2ローター、60〜120rpm、55℃)に規定してなる缶入りコーンポタージュスープを提案する。
【0009】
本発明の缶入りコーンポタージュスープは、平均粒径5mm〜15mmという大粒の粒コーンを含んでいるため、食感がよく、食べ応えがあって腹持ちがよいばかりか、当該範囲の大きさの粒コーンであればスープ粘度を規定することにより粒コーンが缶内にほとんど残らないように飲むことができる缶入りコーンポタージュスープとすることができる。
【0010】
なお、本明細書において、「スープ分」と言えば液状成分、つまり缶容器に充填される内容物のうちの粒コーン以外の成分を意味し、「内容物」と言えば、スープ分と粒コーンを意味する。
また、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意であり、「好ましくはXより大きく、Yより小さい」の意を包含する。
さらにまた、本明細書において、単に「%」は重量%を意味し、「出やすさ」と言えば、缶口からの粒コーンの出やすさの意味である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施形態の缶入りコーンポタージュスープ(以下「本缶入りコーンポタージュスープ」という)は、比較的大粒の粒コーンを含み、且つ、スープの粘度を所定範囲に調整してなる缶入りコーンポタージュスープである。
なお、以下の説明では、本実施形態の缶入りコーンポタージュスープの内容物を「本内容物」と言い、本内容物のうちの粒コーン以外を「本スープ」と言う。
【0013】
(粒コーン)
本缶入りコーンポタージュスープに用いる粒コーンの大きさは、平均粒径が5mm〜15mmである必要がある。この範囲の大きさの粒コーンとすれば、本スープの粘度を所定範囲に調整することにより、飲み終わった後に残る粒コーン数を顕著に減らすことができる。かかる観点から、粒コーンの大きさの下限値は5mm、上限値は15mmであるのが好ましく、中でも、粒コーンの大きさの下限値は6mm、上限値は12mmであるのがさらに好ましい。
なお、本発明における「粒コーンの平均粒径」とは、図1に示すように、粒コーンの胚部分を下にした時の上底長Mと下底長Lの平均値を意味する。
【0014】
粒コーンの縦長Hは、出やすさの点から6mm〜12mmが好ましく、中でも6mm〜10mmが特に好ましい。また、同様の観点から、粒コーンの厚みTは2mm〜6mmが好ましく、中でも3mm〜5mmが特に好ましい。
【0015】
粒コーンの形状に関しては、粒コーンの出やすさの点で、上底長Mと下底長Lの比率が0.8:1〜4:1であるのが好ましく、中でも下限値は0.8:1、上限値は2:1であるのが特に好ましく、かかる形状の粒コーンが80%以上、特に90%以上、中でも95%以上を占めるのが好ましい。
【0016】
粒コーンの重さに関しては、粒コーンが缶口からスープ分と伴に出やすいという点から、一粒当りの重さが0.50g/粒以下、中でも0.40g/粒以下であるのが好ましい。
【0017】
粒コーンの品種は、上記条件を満足する品種であれば特に限定するものではなく、例えばウッディーコーン、キャンベラ、サラダコーン、ジュビリー、ハニー36、ハニーバンタム、ピーターコーン、メロゴールド、ゆめのコーン、ルーシー90、ロッキーバンタム、交3号、中玉、味来、優作、ダイナスティー、クリスピーキング、アイダホ、マリーなどの中から、味などの点で適宜選別すればよいが、粒の大きさに関して本発明の条件を満足し且つ缶から出やすいという点で、ダイナスティー種やクリスピーキング種が特に好ましい。
【0018】
(粘度)
飲み終わった後に缶内に粒コーンが残らないようにするには、粒コーンの大きさと共に、スープの粘度を規定することが重要である。かかる観点から、スープの粘度は、通常飲用液温である50℃以上、具体的には55℃において、350mPa・s〜2000mPa・sであることが重要であり、中でも、下限は500mPa・s、特に850mPa・sであるのが好ましく、上限は1900mPa・s、特に1800mPa・sであるのがより好ましい。
様々な試験を繰り返した結果、粒コーンを缶口からスムーズに出すためには、缶口からスープを吸った際に、缶口まで各粒コーンの周りに或る程度以上の量のスープ(液状コーンスープ)が纏わっている必要があることが分ってきた。粘度が350mPa・sより低いと、粘性が低いためにコーンの周りに必要量以上のスープ(液状コーンスープ)が纏われないため、缶内の全てのコーンを缶口まで引っ張ることができない。他方、粘度が2000mPa・sより高くなると、缶口からスープ(液状コーンスープ)自体が出難くなり、飲み難いばかりか、製造工程においてスープ(液状コーンスープ)を缶容器に充填するのに支障が出るようになり生産性が低下する可能性があるほか、増粘剤の味が出て全体の味が低下する可能性がある。
【0019】
スープの粘度は、増粘剤によって調整することができる。
増粘剤としては、例えばカラギーナン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ソーダ、キサンタンガム 、グアガム 、ローカストビーンガムなど、従来から食品用に使用される種々の増粘剤を用いることが可能であるが、中でも、粒コーンを缶口まで引っ張る効果の点などから、キサンタンガムを使用するのが好ましい。
【0020】
(組成)
本缶入りコーンポタージュスープにおいて、粒コーンは、スープ分100g当たり20〜60個、中でも下限値が25個、上限値が50個含まれるように配合するのが好ましく、重量比率で言うと内容物全量の4〜13%、中でも4〜10%含まれるように配合するのが好ましい。
粒コーンを缶口まで引っ張ってスムーズに粒コーンを出すためには、1粒当りその5〜10倍重量以上のスープ分(液状コーンスープ)が缶口まで各粒コーンの周りに纏わっている必要があるという関係から計算して、粒コーンは、スープ分100g当たり25〜50個含まれるように配合するのが好ましい。
【0021】
また、増粘剤の量は、設定する粘度と増粘剤の種類によって左右されるが、例えばキサンタンガムの場合には、内容物中に0.10〜0.29%、特に0.15〜0.28%、中でも特に0.17〜0.275%含まれるように配合するのが好ましい。
【0022】
なお、本缶入りコーンポタージュスープにおいて、上記粒コーン及び増粘剤以外の内容成分は、コーンポタージュスープに一般的に配合される素材であれば任意に配合可能である。例えば、水、油脂、コーン、食塩、糖類、各種エキス類、及び蛋白質加水分解物等の各種調味料、香辛料、穀類、脱脂粉乳、牛乳、生クリーム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
(缶容器)
本缶入りコーンポタージュスープは、粒コーンの大きさ、好ましくは形状、重さを特定し、且つそれに応じてスープ粘度を所定範囲に調整することで、粒コーンを缶口まで引っ張る効果を高めることができ、本内容物自体の特徴によって最後に残る粒コーン数を顕著に減らすことができるが、缶容器、特にその開口部を特定のものとすれば最後に残る粒コーン数をさらに減らすことができる。
【0024】
このような観点から、本缶入りコーンポタージュスープを充填する缶容器の開口部(図2の斜線部)の大きさは、開口部の横幅Wが、粒コーンの平均粒径に対して1.6倍〜4.0倍、特に2.0倍〜3.0倍であるのが好ましく、面積で言えば300mm2以上、特に344mm2以上であるのが好ましい(図2参照)。
なお、開口部の形状に関しては、略円形状、円が縦或いは横に伸びた略楕円形状、そのほか飲料缶の開口部の形状として採用されている形状であれば任意に採用可能である。
【0025】
(製造方法)
本発明の缶入りコーンポタージュスープは、通常の缶入りコーンポタージュスープと同様に製造することができる。
一例としては、水と粒コーンをすり潰してクリーム状にしたもの、ソテーオニオン(玉ねぎを飴色になるまでソテーしたもの)、食塩、砂糖、各種調味料、香辛料、バター、牛乳、生クリーム及び香料などを加えて調合タンク内で混合し、これを一次加熱し、得られた一次加熱済スープをホモゲナイザーにて均質化処理(150kgf/cm2)した後に二次加熱する。その一方、所定の粒コーンを缶容器に入れておき、前記二次加熱済スープを該缶容器に充填してレトルト殺菌等の殺菌を行なうようにして製造することができる。
ただし、上記製法はあくまで一例に過ぎず、乳分を使用しないコーンスープの調整においても基本的には同様の方法で調製することができる。
【実施例】
【0026】
以下に本発明の実施例を記載し、更に具体的に説明する。
【0027】
(予備調査1)
比較的大粒のコーン種として、ダイナスティー種、クリスピーキング種、アイダホ種&マリーゴールド種のブレンド(アイダホ種:マリーゴールド種=1:1)の3種類を用意し、テスター29人にどのコーンが出やすいかを評価させた。
【0028】
コーンペースト(粒コーンをすり潰してクリーム状にしたもの)10%、キサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)のビストップD−3000−E−S)0.1%、牛乳3%、砂糖1.5%、各種調味料0.3%、食塩0.5%、ソテーオニオン0.5%、生クリーム0.3%、無塩バター0.2%を調整した混合物20重量部に対し、60重量部の脱気水を加え、十分攪拌した。60℃での一次加熱の後、ホモゲナイザー(三和機械(株)製ホモジナイザー H−100)にて均質化処理を行い、さらに80℃での二次加熱を行いスープ分を得た。なお、各成分の「%」は、スープ分に対する重量比率(%)を示している。
その一方、ダイナスティー種、クリスピーキング種、またはアイダホ種&マリーゴールド種のブレンド(アイダホ種:マリーゴールド種=1:1)をそれぞれ粒コーン50粒を缶容器に入れておき、この缶容器に前記スープ分を充填してレトルト殺菌(125.5℃、46分)を行い、缶入りコーンポタージュスープを得た(サンプル)。
缶容器には、東洋製罐(株)製の缶型J200WZN2Q(底型200Q14B、蓋型200S4(TFS)、内容量203ml、開口部面積344mm2、開口部の横幅22mm、縦幅20.2mm)を使用した。
【0029】
テスター29人にそれぞれ、コーン種の異なる3種類の缶入りコーンポタージュスープを用意し、それぞれ自由に飲んでもらって粒コーンの出やすさを評価してもらったところ、ダイナスティー種とクリスピーキング種が出易いという調査結果が得られた。
【0030】
(予備試験1)
缶入りコーンポタージュスープは、通常何口で飲まれるのか、1口当り飲まれる量はどれ位か、何口目に粒コーンが多く出てくるか、さらには、これらと粘度との相関について試験を行なった。
【0031】
コーンペースト(粒コーンをすり潰してクリーム状にしたもの)10%、キサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)のビストップD−3000−E−S)適量、牛乳3%、砂糖1.5%、各種調味料0.3%、食塩0.5%、ソテーオニオン0.5%、生クリーム0.3%、無塩バター0.2%を調整した混合物20重量部に対し、60重量部の脱気水を加え、十分攪拌した。60℃での一次加熱の後、ホモゲナイザー(三和機械(株)製ホモジナイザー H−100)にて均質化処理を行い、さらに80℃での二次加熱を行い、粘度20mPa・s〜200mPa・sに調製したスープ分を得た。なお、各成分の「%」は、スープ分に対する重量比率(%)を示している。
ダイナスティー種の粒コーン(上底7mm、縦7mm、下底6mm、平均粒径6.5mm、厚み2mm〜5mm、0.267g/粒)70粒を缶容器に予め入れておき、前記スープ分を缶容器に充填し、レトルト殺菌(125.5℃、46分)を行い、缶入りコーンポタージュスープを得た(サンプル)。
なお、缶容器は、東洋製罐(株)製の缶型J200WZN2Q、底型200Q14B、蓋型200S4(TFS)、内容量203ml、開口部面積344mm2、開口部の横幅22mm、縦幅20.2mmであった。
【0032】
缶入りコーンポタージュスープ(55℃)を6口で全て飲み終えるように飲み、一口毎に缶口から流出した粒コーンの数を数えて、表1に示した。
【0033】
【表1】

【0034】
缶入りコーンポタージュスープを飲む場合、1口当りのスープ量はおおよそ30g程度であり、平均的には6口程度で1缶飲み終えることが分った。
粘性が低いと、粒コーンを缶出口まで引っ張ることができないため、最初の口数では粒コーンの出た数が少ない。よって、後口になるほど液に占める粒コーン量が多くなり、最後には残粒コーン数が多すぎて缶口に詰まりが発生するため出て来れなくなることが分った。
他方、キサンタンガムによって粘性をつけると、粒コーンを缶出口まで引っ張られるため、最初の口数においても粒コーンの出る数が比較的多くなり、最後に残る粒コーン数が顕著に減ることが判明した。
【0035】
(試験1:ダイナスティー種)
コーンペースト(粒コーンをすり潰してクリーム状にしたもの)10%、キサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)のビストップD−3000−E−S)0%−0.316%(;0%、0.1%、0.172%、0.206%、0.244%、0.275%、0.280%、0.3%、0.316%)、牛乳3%、砂糖1.5%、各種調味料0.3%、食塩0.5%、ソテーオニオン0.5%、生クリーム0.3%、無塩バター0.2%を調整した混合物20重量部に対し、60重量部の脱気水を加え、十分攪拌した。60℃での一次加熱の後、ホモゲナイザー(三和機械(株)製ホモジナイザー H−100)にて均
質化処理を行い、さらに80℃での二次加熱を行ってスープ分を得た。なお、各成分の「%」は、スープ分に対する重量比率(%)を示している。
ダイナスティー種の粒コーン(上底7mm、縦7mm、下底6mm、平均粒径6.5mm、厚み2mm〜5mm、0.267g/粒)55粒(約15g、約7.9%)を缶に予め入れておき、前記スープ分を缶に充填し、レトルト殺菌(125.5℃、46分)を行い、缶入りコーンポタージュスープを得た(サンプル)。
なお、充填した缶は、東洋製罐(株)製の缶型J200WZN2Q、底型200Q14B、蓋型200S4(TFS)、内容量203ml、開口部面積344mm2、開口部の横幅22mm、縦幅20.2mmであった。
【0036】
上記で得られた缶入りコーンポタージュスープを開封し、それぞれ粘度測定、粒コーンの出易さ試験、官能評価を実施し、結果を表2に示した。
なお、粘度測定は、TVB型粘度計(M2ローター)を使用して60〜120rpm、55℃の条件にて粘度を測定し、それぞれN=5の平均値を示した。
粒コーンの出やすさ試験は、缶を45°に2秒間傾けて開け出した後、8秒間缶を時計回りに回す作業を、スープ(液状物)がすべて缶外に出るまで繰り返し、缶内に残った粒コーン数を測定した。表に示した値はN=5の平均値を示した。なお、本試験では、分度器を用いて指示台に対し45°の角度でクランプを付けたものに缶を設置して、誰が行なっても缶が45°となるように設定した。
また、官能評価は、29人をテスターとし、飲んだ際の粒コーンの缶口からの出やすさの粘性について、5段階(◎:非常によい、○:許容範囲、△:あまり良くない、×:良くない、××:非常に悪い)で評価を行なった。
【0037】
(試験2:クリスピーキング種)
上記試験1において、粒コーンの品種をダイナスティー種からクリスピーキング種(上底9mm、縦10mm、7底6mm、平均粒径9.5mm、厚み3mm〜5mm、0.390g/粒)に変更し、この粒コーンを缶内に50粒(約15g、約7.9%)入れた以外は、試験1と同様に缶入りコーンポタージュスープ(サンプル)を作製し、それぞれ粘度測定、粒コーンの出易さ試験、官能評価を実施し、結果を表3に示した。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
粒コーンの出やすさの指標としては、先ず粒コーンの出た割合が70%以上を超えることである。表2及び表3の結果より、ダイナスティー種及びクリスピーキング種の両種とも、粘度が約350mPa・s(キサンタンガム濃度約0.10%)以上で、約2000mPa・s(キサンタンガム濃度約0.29%)以下の場合に、粒コーンの出た割合が70%を超えることが判明した。
次に、粒コーンの出た割合が85%を超える点から、約500mPa・s(キサンタンガム濃度約0.12%)以上で、約1900mPa・s(キサンタンガム濃度約0.28%)以下の場合が好ましく、さらに好ましくは、約850mPa・s(キサンタンガム濃度約0.17%)以上で、約1800mPa・s(キサンタンガム濃度約0.275%)以下の場合が好ましいことが判明した。
さらに、この濃度の範囲では官能面でも優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(B)粒コーンの各部位の名称及び長さを説明するための概略図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図2】試験で使用した缶の開口部の形状及び大きさを説明するための上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒コーンを含む缶入りコーンポタージュスープであって、
該粒コーンの大きさが平均粒径5mm〜15mmであり、スープ粘度が350mPa・s〜2000mPa・s(TVB型粘度計、M2ローター、60〜120rpm、55℃)であることを特徴とする缶入りコーンポタージュスープ。
【請求項2】
粒コーンは、上底長Mと下底長Lの比率が0.8:1〜4:1である形状を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の缶入りコーンポタージュスープ。
【請求項3】
粒コーンは、ダイナスティー種及びクリスピーキング種のいずれか一種或いはこれらの組合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の缶入りコーンポタージュスープ。
【請求項4】
粒コーンを、スープ分100g当たり20〜60個含有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の缶入りコーンポタージュスープ。
【請求項5】
キサンタンガムを、内容物全量の0.10〜0.28重量%含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の缶入りコーンポタージュスープ。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−68420(P2007−68420A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256199(P2005−256199)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(591014972)株式会社 伊藤園 (213)
【Fターム(参考)】