説明

置換アミノチアゾール誘導体、医薬組成物、および使用の方法

【課題】本発明は、メラノコルチン受容体とAgRP(アグーチ関連蛋白質)の機能的相互作用を調整する、置換されたアミノチアゾール誘導体および医薬組成物を提供する。
【解決手段】置換されたアミノチアゾール誘導体、それらの製造の方法、置換されたアミノチアゾールを含む医薬組成物、およびヒトまたは動物の障害を処置することにおける使用の方法。該化合物はメラノコルチン受容体上のAgRPの作用の阻害剤として有用であってもよく、従って、肥満‐関連障害を含むメラノコルチン受容体の調整に反応してもよい疾患の管理、処置、コントロールまたは付随する処置に有用であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願に対する相互参照
本発明は、35U.S.C.119条に基づいて、2008年8月29日に出願された“置換アミノチアゾール誘導体、医薬組成物、および使用の方法”という名称の米国仮特許出願第61/092,844号に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は置換アミノチアゾール誘導体、医薬組成物、ならびにメラノコルチン受容体の調整に反応してもよい疾患の管理、処置、コントロール、または付随する処置にとって有用であってもよい化合物および医薬組成物を使用する処置の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連する技術の説明
体重およびエネルギー消費のホメオスタシスの神経内分泌調節は、レプチンおよびインスリンのような末梢ホルモン性シグナル、ならびに弓状核、内側基底核および室傍核を含む視床下部領域から生じる中枢性シグナルを統合することによって達成される(Woods S.C.ら,1998,“Signals that regulate food intake and energy homeostasis”,Science,280:1378-1383;Flier J.S.ら,1998,“Obesity and the hypothalamus:novel peptides for new pathways”,Cell,92:437−440)。
【0004】
神経内分泌調節経路内では、弓状核のメラノコルチン系が特に重要である。メラノコルチン受容体(MC−R)はこれらの視床下部領域において確認されている。プロ−オピオメラノコルチン(POMC)を含むニューロンは弓状核に投射して複数の神経ペプチド神経伝達物質を提供し、これらの受容体を刺激する。MC−Rは7回膜貫通構造を含むG‐蛋白質共役型受容体(GPCR)に属する。MC−Rを他のGPCRと識別する独特な特徴の一つはこれらの受容体の内因性アンタゴニスト/逆アゴニストが発見されていることである。
【0005】
MC−Rの内因性アンタゴニスト/逆アゴニストの驚くべき証拠は、天然のリガンドアルファ−MSHとの競合的拮抗作用によるMC−Rとの相互作用を通してその作用を及ぼすアグーチ蛋白質の研究から明らかになってきた(Bultman SJ,ら.1992“Molecular characterization of the mouse agouti locus”,Cell,71:1195−1204;Lu,D.,ら,1994,“Agouti protein is an antagonist of the melanocyte−stimulating−hormone receptor”,Nature,371:799−802;Brash G.,1999“From the agouti protein to POMC-100 years of fat blonde mice”,Nat.Med.,5:984−985)。特にMC−RのサブタイプMC−3RおよびMC−4Rと相互作用し、MC−4Rに拮抗するが、MC−1Rに拮抗しないアグーチ蛋白質ホモログであるアグーチ関連ペプチド(AgRP)の発見は、中枢MC−Rが体重調節に関与することを示唆する。(Ollmann,M.M.,ら,1997,“Antagonism of central melanocortin receptors in vitro and in vivo by agouti−related protein”,Science,278:135−138)。
【0006】
5つのMC−Rサブタイプ(MC−1R〜MC−5R)が確認されている。複数のPOMCペプチドは、重複する活性を有するこれらの受容体のアゴニストである(Adan Rah,ら,1994,“Differential effects of melanocortin peptides on neural melanocortin receptors”,Mol Pharmacol.,46:1182−1190)。MC−1Rは主に末梢神経系に存在する。ACTHはMC−2Rの内因性アゴニストであるが、他のMC−Rサブタイプに対しては高い活性を持たない(Schioth HB,ら,1997,“The melanocortin 1,3,4 or 5 receptors do not have a binding epitope for ACTH beyond the sequence of α−MSH”,Endocrinology,155:73−78)。MC−3R、MC−4および−5は主にCNSに存在し、弓状核および室傍核のような視床下部領域における濃度が高い(Mountjoy K.G.,ら,1994,“Localization of the melanocortin−4receptor(MC−4R)in neuroendocrine and autonomic control circuits in the brain”,Mol Endocrinol.,8:1298−1308)。視床下部MC−4RおよびMC−3Rが食物摂取およびエネルギーバランスの調節において重要な役割を果たすことを複数の証拠が示す。異所性にアグーチ蛋白質Avyを発現するマウスは、顕著な肥満ならびに糖尿病および腫瘍の発症を特徴とする致死性症候群を引き起こす(Lu,D.,ら,1994,“Agouti protein is an antagonist of the melanocyte stimulating−hormone receptor”,Nature,371:799−802)。AgRPを過剰発現するトランスジェニックマウスは肥満であり、MC−3RまたはMC−4Rを遮断することが肥満の原因であることを示唆する。MC−4Rノックアウトマウス(Brash,G.,1999“From the agouti protein to POMC−100 years of fat blonde mice”,Nat Med.,5:984−985;Huszar,D.,ら,1997“Targeted disruption of the melanocortin−4 receptor results in obesity in mice”,Cell,88:131-141)がAgRP過剰発現マウスと同様の表現型を有するという確認は、MC−4Rが体重調節経路における重要な要素であり、一方MC−3Rはエネルギー調節にいっそう関与するように見えるということをさらに確証する。メラノコルチンの不十分な合成はヒトおよび変異体マウスにおいて肥満を引き起こす(Krude,H.,ら,1998,“Severe early−onset obesity,adrenal insufficiency and red hair pigmentation caused by POMC mutations in humans”,Nat Genet.,19:155−157;Yaswen L,ら,1999,“Obesity in the mouse model of pro−opiomelanocortin deficiency responds to peripheral melanocortin”,Nat. Med.,5:1066−1070)。その上肥満の動物モデルでは、αMSH様のアゴニストによる処置は体重減少を誘発した(Benoit S.C.,ら,2000,“A novel selective melanocortin−4 receptor agonist reduces food intake in rats and mice without producing aversive consequences”,J Neurosci.,20:3442−3448)。
【0007】
ヒトでは、MC−4Rの突然変異が肥満患者において確認され、リガンド結合およびシグナリングの損傷に関連付けられている(Hinney,A.,ら,1999,“Several mutations in the melanocortin−4 receptor gene including a nonsense and a frameshift mutation associated with dominantly inherited obesity in humans”,J.Clin.Endocrinol.Metab.,84:1483−1486;Gu,W.,らe,1999,“Identification and functional analysis of novel human melanocortin−4 receptor variants”,Diabetes,48:635−639;Krude,H.,ら,1998,“Severe early−onset obesity,adrenal insufficiency and red hair pigmentation caused by POMC mutations in humans”,Nat Genet.,19:155−157)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
肥満患者で見られるような体重の異常な調節は、生理学的および心理学的障害に関連する。従って、中枢メラノコルチン系を調節し、それゆえ関連する医学的障害を処置しうる薬物を見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、メラノコルチン受容体とAgRP(アグーチ関連蛋白質)の機能的相互作用を調整する、置換されたアミノチアゾール誘導体および医薬組成物を提供する。ある態様では、本発明は以下に表すような、式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩を提供する。別の態様では、本発明は式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩の製造方法を提供する。別の態様では、本発明は式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を提供する。別の態様では、本発明は式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、処置の方法を提供する。
【0010】
式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩はメラノコルチン受容体とAgRP相互作用のモジュレーターとして有用であり、従って1以上のメラノコルチン受容体の調整に反応してもよい疾患または状態の管理、処置、コントロールおよび付随する処置に有用であってもよい。そのような疾患または状態は、多食症ならびに関連する脂質異常症およびコレステロール胆石などの他の肥満−および過剰体重−関連合併症を含む肥満、癌(たとえば、結腸、直腸、前立腺、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、および胆管)、月経異常、不妊、多嚢胞性卵巣、変形関節症、および睡眠時無呼吸を含んでいてもよく、その上にそれに関連した多数の他の薬剤的使用、たとえば食欲および食物摂取、脂質異常症、高トリグリセリド血症、シンドロームX、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病)、心不全などのアテローム硬化型疾患、高脂血症、高コレステロール血症、低HDLレベル、高血圧、心臓血管疾患(アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、冠状動脈疾患、および高血圧)、脳血管疾患ならびに末梢血管疾患の調節に有用であってもよい。式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩はまた、たとえばインスリン感受性の調節、炎症反応、血漿トリグリセリド、HDL、LDL、およびコレステロールレベルなどに関連した生理学的障害を処置するために有用であってもよい。式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩はまた、女性性機能障害、男性性機能障害、および勃起機能障害を処置するために有用であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
該当無し。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
本明細書で使用する句“置換されたアミノチアゾール誘導体”は式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩を表す。
【0013】
式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩では、提示された種々の官能基はハイフンまたはアステリスクを有する官能基において接合点を有すると理解されるべきである。言い換えると、−C1〜6アルキルアリールの場合、接合点はアルキル基であると理解されるべきであり;例としてはベンジルを挙げることができるであろう。−C(O)−NH−C1〜6アルキルアリールの場合、接合点はカルボニル炭素である。
【0014】
本明細書で使用される用語“アルキル”は、1から12の炭素原子を有する線状または分枝した炭化水素鎖を表し、それは本明細書においてさらに記載されるように、許容される複数の置換度で置換されていてもよい。本明細書で使用される“アルキル”の例としては,メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、およびn−ペンチルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0015】
本明細書を通して使用される原子、たとえばアルキル基における炭素原子の数は、句“C−Cアルキル”、または“Cアルキル”によって提示され、それらは本明細書で定義されるxからyまでの炭素原子を含むアルキル基を表すことになる。類似の専門用語が他の用語および範囲に対して適用されることになる。本発明の一態様には、1から6個の炭素原子からなる、いわゆる“低級”アルキル鎖が挙げられる。従って、C1〜6アルキルは先に記載したように低級アルキル鎖を表す。
【0016】
本明細書で使用される用語“シクロアルキル”は、場合により置換されていてもよく、場合により1以上の不飽和度を含む非芳香族の、3から12員の環状の炭化水素環を表し、そしてそれは本明細書にさらに記載されるように、許容される複数の置換度で置換されていてもよい。本明細書で使用される代表的な“シクロアルキル”基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル、ならびに1以上の不飽和度を含むが芳香族であるには不足する環、たとえばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0017】
本明細書で使用される用語“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表す。
【0018】
本明細書で使用される用語“ハロアルキル”は、少なくとも1つのハロゲンで置換されている、本明細書で定義されたアルキル基を表す。本明細書で使用される分枝または線状鎖の“ハロアルキル”の例としては、1以上のハロゲン、たとえばフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素によって独立して置換された、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、およびt−ブチルが挙げられるが、それらに限定されない。用語“ハロアルキル”は、ペルフルオロアルキル基のような置換基、たとえば−CFを含むと解釈されるべきである。
【0019】
いずれか一つの要素(たとえばR50)または複数の要素において1回以上、いずれかの可変基が存在する場合、それぞれの存在に対するその定義は他のすべての存在において独立している。
【0020】
本明細書で使用される用語“場合により”は、その後に記載された事象が存在してもよく、または存在しなくてもよい。
【0021】
本明細書で使用される用語“直接結合”は、構造的可変基の一部が特定される場合、“直接結合”として見なされる可変基に(先だって、および次に)隣接する置換基の直接連結を表す。2以上の連続した可変基がそれぞれ“直接結合”として特定される場合、それらの2以上の連続した特定の“直接結合”に(先だって、および次に)隣接する置換基は直接連結される。
【0022】
本明細書で使用される用語“置換された”は、明示された部分の1以上の水素の、指定された置換基または複数の置換基による置換を表し、該置換が安定な、または化学的に適切な化合物を生じるならば、特記しない限り複数の置換度が許容される。安定な化合物、または化学的に適切な化合物は、化学構造が少なくとも1週間、湿気または他の化学的反応条件が無い状態で、約−80℃から約+40℃までの温度において保持される場合に実質的に変化しないもの、または患者への治療的投与に有用であるために十分長くその完全な状態を維持する化合物である。
【0023】
本明細書で使用される句“1以上の置換基”は、上記の安定性および化学的適切性に適合する場合に、1つから、利用可能な結合部位の数に基づいた可能な置換基の最大数までに等しい置換基の数を表す。
【0024】
本明細書で使用される用語“プロドラッグ”は、生物加水分解性アミドおよび生物加水分解性エステルを含み、さらにa)そのようなプロドラッグにおける生物加水分解性官能基が式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩において包含される化合物:たとえばカルボキシル基によって形成されるエステルおよびb)一定の官能基において酸化されるか、または還元されて式(I)の薬物物質を生じる化合物を包含する。これらの官能基の例としては、1,4−ジヒドロピリジン、N−アルキルカルボニル−1,4−ジヒドロピリジン、1,4−シクロヘキサジエン、tert−ブチルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0025】
本明細書で使用される用語“生物加水分解性エステル”は、薬物物質(本明細書では、一般式(I)の化合物)のエステルであり、それはa)親物質の生物学的活性を妨害しないが、in vivoで作用期間、作用開始などの有益な特性をその物質に与えるか、またはb)生物学的に不活性であるが、in vivoで対象によって生物学的に活性な成分に容易に変換される。利点は、たとえば生物加水分解性エステルは経口投与されて消化管から吸収され、血漿中で(I)に変換されてもよいことである。多くのそのような例は当該技術分野で公知であり、例としては低級アルキルエステル(たとえばC1〜4)、低級アシルオキシアルキルエステル、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、および塩素エステルが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される用語“生物加水分解性アミド”は、薬物物質(本明細書では、一般式(I)の化合物)のアミドであり、それはa)親物質の生物学的活性を妨害しないが、in vivoで作用期間、作用開始などの有益な特性をその物質に与えるか、またはb)生物学的に不活性であるが、in vivoで対象によって生物学的に活性な成分に容易に変換される。利点は、たとえば生物加水分解性アミドは経口投与されて消化管から吸収され、血漿中で(I)に変換されてもよいことである。多くのそのような例は当該技術分野で公知であり、例としては低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、およびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用される“対象”は、ヒトのような哺乳類対象を含むが、それらに限定されない。ある態様では、対象はヒトである。別の態様では、対象は1以上の前述の疾患、疾患状態(state)、状態(condition)を患うものである。
【0028】
“女性性機能障害”という用語は、女性の性的興奮、性欲、感受性、またはオルガスムの不全または機能障害を表し、それはいずれかの、またはすべての女性の性器官の機能における撹乱または異常に関連する。そのような撹乱または異常はもともと存在するか、疾患もしくは疾患の処置、たとえば癌、とりわけ乳癌または子宮頚癌を処置するための手術の副次的結果であってもよい。ある態様では、女性性機能障害には、女性の性的興奮障害(FSAD)、性欲低下障害(性における関心の欠如)のような性欲障害、および無オルガスム症(オルガスムに到達することができない)のようなオルガスム障害を挙げてもよい。
【0029】
“男性性機能障害”という用語は、男性の性機能における不全または機能障害を表し、それには勃起不能、勃起機能障害、または性欲の損失を挙げてもよい。
【0030】
“勃起機能障害”という用語は、男性が勃起および/またはその後の性機能のいずれかを達成することの不全を表す。“勃起機能障害”は血管疾患、加齢、手術(とりわけ前立腺のような男性尿生殖路の器官を含む手術)、または神経伝達物質もしくは他の生体アミンの不均衡を含む疾患、もしくは鬱病のようなCNSを含む疾患のような要因の副次的結果であってもよい。
【0031】
用語“治療有効量”は、要求されている対象の治療的反応を引き起こすことになる薬物または薬剤的作用物質の量を意味することになる。
【0032】
化合物
本発明の態様は、置換されたアミノチアゾール誘導体、医薬組成物、および使用の方法を含む。本発明は多様な様式において例示されてもよい。
【0033】
第1の側面では、本発明はメラノコルチン受容体とAgRPとの相互作用の阻害剤としての置換されたアミノチアゾール誘導体を提供し、それらは肥満および肥満‐関連障害に関連したもののような、1以上のメラノコルチン受容体の調整に反応してもよい疾患または状態の管理および処置に有用であってもよい。
【0034】
第1の態様では、本発明は式(I)の化合物:
【0035】
【化1】

【0036】
(式中、
nは1、2または3に等しく;
は:
【0037】
【化2】

【0038】
からなる群から選択され;
ここで、
は−C1〜4アルキルおよび−L−C1〜4アルキルからなる群から選択され、ここでLは−S−、および−SO−から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでR、R、およびRにおけるアルキル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換により置換されていてもよく;
は直接結合または−CH−からなる群から選択され、
は:
【0039】
【化3】

【0040】
からなる群から選択され、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19はRからなる群から独立して選択され、そしてここで
13およびR14は、pが3または4である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R13およびR14が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
または
14およびR15は、qが4または5である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R14およびR15が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
または
13およびR19は、rが1または2である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R13およびR19が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
ここでR50およびR51のそれぞれはRからなる群から独立して選択され、
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28はRからなる群から独立して選択され、そしてここで
24およびR25は、pが3または4である基−[C(R54)(R55)]−であるように一緒になって、R24およびR25が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
ここでR54およびR55のそれぞれはRからなる群から独立して選択され、
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48はRからなる群から独立して選択され;
は水素、およびメチルからなる群から選択され、ここでメチル基は場合によりハロゲン基からなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく、
ここで
は−水素、−ハロゲン、−C1〜6アルキル、−フェニル、シクロアルキル、および−O−C1〜6アルキルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロアルキル、およびフェニル基は場合によりRから独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく、
はハロゲン、−C1〜6アルキル、および−ハロ−C1〜4アルキルからなる群から選択される)または薬剤的に許容なその塩を提供する。
【0041】
態様2:nが1である、態様1に記載の化合物。
【0042】
態様3:nが2である、態様1に記載の化合物。
【0043】
態様4:nが3である、態様1に記載の化合物。
【0044】
態様5:先の態様のいずれか一つに記載の化合物:
(式中、Rは:
【0045】
【化4】

【0046】
であり、ここで、
は−C1〜4アルキルおよび−L−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでLは−S−、および−SO−からなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでR、R、およびRにおけるアルキル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい)。
【0047】
態様6:Rが水素である、態様5に記載の化合物。
【0048】
態様7:Rがメチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され、ここで、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様5に記載の化合物。
【0049】
態様8:Rがメチル、およびエチルからなる群から選択される、態様7に記載の化合物。
【0050】
態様9:Rが水素である、態様5から8のいずれか一つに記載の化合物。
【0051】
態様10:Rがメチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され、ここで、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様5から8のいずれか一つに記載の化合物。
【0052】
態様11:Rがメチルおよびエチルからなる群から選択される、態様10に記載の化合物。
【0053】
態様12:Rがメチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され、ここで、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様5から11のいずれか一つに記載の化合物。
【0054】
態様13:Rがメチルである、態様12に記載の化合物。
【0055】
態様14:Rがエチルである、態様12に記載の化合物。
【0056】
態様15:Rが−L−C1〜4アルキルであり、ここでLは−S−、および−SO−からなる群から選択される、態様5から11のいずれか一つに記載の化合物。
【0057】
態様16:Rが−L−CHである、態様15に記載の化合物。
【0058】
態様17:Rが:
【0059】
【化5】

【0060】
であり、ここで、
は−C1〜4アルキルおよび−L−C1〜4アルキルからなる群から選択され、ここでLは−S−、および−SO−からなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでR、R、およびRにおけるアルキル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様1から4のいずれか一つに記載の化合物。
【0061】
態様18:Rが水素である、態様17に記載の化合物。
【0062】
態様19:Rがメチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され、ここで、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様17に記載の化合物。
【0063】
態様20:Rがメチルおよびエチルからなる群から選択される、態様19に記載の化合物。
【0064】
態様21:Rが水素である、態様17から20のいずれか一つに記載の化合物。
【0065】
態様22:Rがメチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され、ここで、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様17から20のいずれか一つに記載の化合物。
【0066】
態様23:Rがメチル、およびエチルからなる群から選択される、態様22に記載の化合物。
【0067】
態様24:Rがメチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され、ここで、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル基は場合により、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、態様17から23のいずれか一つに記載の化合物。
【0068】
態様25:Rがメチルである、態様24に記載の化合物。
【0069】
態様26:Rがエチルである、態様24に記載の化合物。
【0070】
態様27:Rが−L−C1〜4アルキルであり、ここでLは−S−、および−SO−からなる群から選択される、態様17から23のいずれか一つに記載の化合物。
【0071】
態様28:Rが−L−CHである、態様27に記載の化合物。
【0072】
態様29:Lが直接結合である、先の態様のいずれか一つに記載の化合物。
【0073】
態様30:Lが−CH−である、先の態様のいずれか一つに記載の化合物。
【0074】
態様31:Rが:
【0075】
【化6】

【0076】
であり、
ここで
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19はRからなる群から独立して選択され、そしてここで、
13およびR14は、pが3または4である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R13およびR14が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、または
14およびR15は、qが4または5である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R14およびR15が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、または
13およびR19は、rが1または2である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R13およびR19が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
ここでR50およびR51のそれぞれはRからなる群から独立して選択される、先の態様のいずれか一つに記載の化合物。
【0077】
態様32:R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19がRからなる群から独立して選択される、態様31に記載の化合物。
【0078】
態様33:R、R10、R11、R14、R15、R18およびR19が水素であり、そして
12、R13、R16、およびR17が水素および−C1〜4アルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル基は場合によりハロゲンにより1回以上置換されていてもよい、態様32に記載の化合物。
【0079】
態様34:R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19が水素であり、そして
、R14、およびR15がRからなる群から独立して選択され、ここでR、R14およびR15の中の少なくとも1つは水素でない、態様32に記載の化合物。
【0080】
態様35:R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19が水素であり
が−C1〜4アルキルおよびフェニルからなる群から選択され、ここで該フェニル基は場合によりハロゲン、−C1〜6アルキル、および−ハロ−C1〜4アルキルからなる群から独立して選択される置換基により1回以上置換されていてもよく、そして
14およびR15が水素、−C1〜6アルキル、およびフェニルからなる群から独立して選択される、態様34に記載の化合物。
【0081】
態様36:R、R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19が水素であり、そして
14およびR15がRからなる群から独立して選択され、ここでR14およびR15の中の少なくとも1つは水素でない、態様34に記載の化合物。
【0082】
態様37:R14およびR15が共にフルオロまたは−C1〜4アルキルのいずれかである、態様36に記載の化合物。
【0083】
態様38:R14が水素であり、そして
15がハロゲン、−C1〜6アルキル、−フェニル、−C5−6シクロアルキルおよび−O−C1〜6アルキルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロアルキル、およびフェニル基が場合によりRから独立して選択される基により1回以上置換されていてもよい、態様36に記載の化合物。
【0084】
態様39:R15が−メチル、−エチル、―プロピル、−イソプロピル、−tert−ブチル、−トリフルオロメチル、−シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から選択され、ここでフェニル基は場合によりRから独立して選択される基により1回以上置換されていてもよい、態様38に記載の化合物。
【0085】
態様40:R15が−メチル、−エチル、―プロピル、−イソプロピル、および−tert−ブチルからなる群から選択される、態様38に記載の化合物。
【0086】
態様41:R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19が水素である、態様32に記載の化合物。
【0087】
態様42:R、R10、R11、R12、R15、R16、R17、R18およびR19がRからなる群から独立して選択され、そして
13およびR14が、pが3または4である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R13およびR14が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し、
ここでR50およびR51のそれぞれはRからなる群から独立して選択される、態様31に記載の化合物。
【0088】
態様43:R、R10、R11、R12、R15、R16、R17、R18およびR19が水素であり、そして
13およびR14が、pが3または4である基−[CH−であるように一緒になって、R13およびR14が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよい、態様42に記載の化合物。
【0089】
態様44:R、R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19がRからなる群から独立して選択され、そして
14およびR15が、qが4または5である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R14およびR15が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し、
ここでR50およびR51のそれぞれはRからなる群から独立して選択される、態様31に記載の化合物。
【0090】
態様45:R、R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19が水素であり、そして
14およびR15が、qが4または5である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R14およびR15が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成する、態様44に記載の化合物。
【0091】
態様46:R、R10、R11、R12、R14、R15、R16、R17、およびR18がRからなる群から独立して選択され、そして
13およびR19が、rが1または2である基−[C(R50)(R51)]−であるように一緒になって、R13およびR19が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し、
ここでR50およびR51のそれぞれはRからなる群から独立して選択される、態様31に記載の化合物。
【0092】
態様47:R、R10、R11、R12、R14、R15、R16、R17、およびR18が水素であり、そして
13およびR19は、rが1または2である基−[CH−であるように一緒になって、R13およびR19が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成する、態様46に記載の化合物。
【0093】
態様48:Rが:
【0094】
【化7】

【0095】
であり、ここで
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28はRからなる群から独立して選択され、そしてここで
24およびR25は、pが3または4である基−[C(R54)(R55)]−であるように一緒になって、R24およびR25が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
ここでR54およびR55のそれぞれはRからなる群から独立して選択される、態様1から30のいずれか一つに記載の化合物。
【0096】
態様49:R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28が水素である、態様48に記載の化合物。
【0097】
態様50:R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28がRからなる群から独立して選択され、ここでR20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28の中の少なくとも1つは水素ではない、態様48に記載の化合物。
【0098】
態様51:R20が−C1〜6アルキル、および−フェニルからなる群から選択され、ここでアルキルおよびフェニル基はRから独立して選択される基によって1回以上置換されてもよい、態様50に記載の化合物。
【0099】
態様52:R20が−イソブチル、および−フェニルからなる群から選択され、ここでフェニル基はハロゲンおよびメチルから選択される基によって1回置換される、態様51に記載の化合物。
【0100】
態様53:R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28がハロゲンである、態様50から52のいずれか一つに記載の化合物。
【0101】
態様54:Rが:
【0102】
【化8】

【0103】
であり、ここで
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、およびR37はRからなる群から独立して選択される、態様1から30のいずれか一つに記載の化合物。
【0104】
態様55:R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、およびR37が水素である、態様54に記載の化合物。
【0105】
態様56:R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、およびR37がRからなる群から独立して選択され、ここでR29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の中の少なくとも1つは水素でない、態様54に記載の化合物。
【0106】
態様57:R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、およびR37が水素および−C1〜4アルキルからなる群から独立して選択され、該アルキル基は場合によりハロゲンにより1回以上置換されていてもよく、そしてR29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の中の少なくとも1つは水素でない、態様56に記載の化合物。
【0107】
態様58:Rが:
【0108】
【化9】

【0109】
であり、ここで
38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48はRからなる群から独立して選択される、態様1から30のいずれか一つに記載の化合物。
【0110】
態様59:R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48が水素である、態様58に記載の化合物。
【0111】
態様60:R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48がRからなる群から独立して選択され、ここでR29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36の中の少なくとも1つは水素でない、態様58に記載の化合物。
【0112】
態様61:R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48が水素および−C1〜4アルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル基は場合によりハロゲンにより1回以上置換されていてもよく、そしてR38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48の少なくとも1つは水素でない、態様60に記載の化合物。
【0113】
態様62:Rが水素,メチルからなる群から選択され、ここでメチル基はハロゲン基により1回以上置換されてもよい、態様1から30のいずれか一つに記載の化合物。
【0114】
態様63:Rが水素である、態様62に記載の化合物。
【0115】
態様64:Rがメチルである、態様62に記載の化合物。
【0116】
態様65:nが2であり;
が:
【0117】
【化10】

【0118】
からなる群から選択され;
ここで、
は−C1〜4アルキルおよび−L−C1〜4アルキルからなる群から選択され、ここでLは−S−、および−SO−からなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでR、R、およびRにおけるアルキル基は場合によりフルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換により置換されていてもよく;
は直接結合または−CH−からなる群から選択され、
は:
【0119】
【化11】

【0120】
からなる群から選択され、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19はRからなる群から独立して選択され、
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28はRからなる群から独立して選択され、
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48はRからなる群から選択され;
は水素およびメチルからなる群から選択され、
ここで
は−水素、−C1〜6アルキル、−フェニル、および−シクロアルキルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロアルキル、およびフェニル基は場合によりRから独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく、
はハロゲン、−C1〜6アルキル、および−ハロ−C1〜4アルキルからなる群から選択される、態様1に記載の化合物。
【0121】
態様66:nが2であり;
が:
【0122】
【化12】

【0123】
からなる群から選択され;
ここで、
は−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は直接結合であり、
は:
【0124】
【化13】

【0125】
であり、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19は水素であり、
14およびR15は、Rからなる群から独立して選択され、
ここでR14およびR15の少なくとも1つは水素でなく;
は水素であり、
ここで
は−水素、−C1〜6アルキル、−フェニル、および−シクロヘキシルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロヘキシル、およびフェニル基は場合によりRから独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;そして
は−C1〜6アルキルからなる群から選択される、態様1に記載の化合物。
【0126】
態様67:nが2であり;
が:
【0127】
【化14】

【0128】
であり;
ここで、
はエチルおよびメチルからなる群から選択され、
およびRは水素であり、
は直接結合であり、
は:
【0129】
【化15】

【0130】
であり、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R14、R16、R17、R18およびR19は水素であり、
15はtert−ブチル、イソプロピル、およびフェニルからなる群から選択され、
そして
は水素である、態様1に記載の化合物。
【0131】
態様68:Rがメチルである、態様67に記載の化合物。
【0132】
態様69:式(I)の化合物が塩酸塩の形態である、先の態様のいずれか一つに記載の化合物。
【0133】
態様70:式(I)の化合物がナトリウム塩の形態である、先の態様のいずれか一つに記載の化合物。
【0134】
さらに、式(I)で提示される化合物の個々のエナンチオマーならびにいずれかその全体的または部分的ラセミ化合物は本発明の範囲内に含まれる。さらに、1つの型より多い異性を提示する化合物、およびその1以上の混合物を含む、式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性型は本発明の範囲内に含まれる。さらに、カウンターイオンがd−ラクテートのように光学的に活性であるか、またはdl−タートレートのようにラセミ体である酸付加塩が含まれる。
【0135】
本発明は、同じ原子番号であるが天然に通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって1以上の原子が置換される、すべての薬剤的に許容な同位体−標識された式(I)の化合物を含む。
【0136】
別の側面では、本発明は式(I)の化合物、または薬剤的に許容なその塩のプロドラッグを提供する。ある態様では、プロドラッグは式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩の生物加水分解性エステルまたは生物加水分解性アミドを含む。
【0137】
有用な生物学的活性を有する式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩の例は実施例の部分に列挙される。式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩がMC−4RとAgRPとの相互作用を阻害する能力は、以下に記載の生物学的アッセイを使用して立証された。実施例1〜64の化合物は、このアッセイにおいてcAMP産生の増加を示し、該アッセイにおいて5μM未満の50%有効濃度(EC50)を有する。
【0138】
メラノコルチン受容体とAgRPの機能的相互作用を阻害する化合物は、メラノコルチン受容体の調整に反応してもよい疾患または状態を処置することにおいて潜在的に有用である。式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩は従って、肥満および肥満関連障害の処置において有用であってもよい。
【0139】
別の側面では、本発明は式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を含む。別の態様では、医薬組成物はさらに薬剤的に許容なキャリア、賦形剤、希釈剤、またはその混合物をさらに含む。
【0140】
式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩は、多食症および関連する脂質異常症およびコレステロール胆石などの他の肥満−および過剰体重−関連合併症を含む肥満、癌(たとえば、結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、および胆管)、月経異常、不妊、多嚢胞性卵巣、変形関節症、ならびに睡眠時無呼吸の処置、その上に、それに関連した多数の他の薬剤的使用、たとえば食欲および食物摂取、脂質異常症、高トリグリセリド血症、シンドロームX、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病)、心不全などのアテローム硬化型疾患、高脂血症、高コレステロール血症、低HDLレベル、高血圧、心臓血管疾患(アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、冠状動脈疾患、および高血圧)、脳血管疾患ならびに末梢血管疾患の調節に有用であってもよい。式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩はまた、インスリン感受性の調節、炎症反応、血漿トリグリセリド、HDL、LDL、およびコレステロールレベルなどに関連した生理学的障害を処置するために有用であってもよい。式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩はまた、女性性機能障害、男性性機能障害、および勃起機能障害を処置するために有用であってもよい。これらの状態はメラノコルチン受容体上でのAgRPの機能的相互作用を調整することによって処置されてもよい。
【0141】
従って、別の側面では、本発明は医薬組成物および処置の方法を提供する。
【0142】
ある態様では、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物は経口的使用、たとえば錠剤、トローチ剤、薬用ドロップ、水性もしくは油性懸濁剤、分散性粉末剤または顆粒剤、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤に適した形態であってよい。経口的使用を意図した組成物はいずれか公知の方法に従って製造されてもよく、そしてそのような組成物は、薬剤的に好ましく、そして風味のよい製剤を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1以上の薬剤を含んでいてもよい。錠剤は錠剤の大規模製造に適した非毒性の薬剤的に許容な賦形剤と混合した活性成分を含んでいてもよい。これらの賦形剤は炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、;コーンスターチまたはアルギン酸などの顆粒化剤および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴムなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であってもよい。錠剤はコーティングされなくてもよく、または、消化器での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長期間にわたる持続的作用を提供するために錠剤は既知の技術によってコーティングされてもよい。たとえばモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延物質が使用されてもよい。錠剤はまた、徐放のための浸透性治療用錠剤を形成するために米国特許第4,356,108号;4,166,452号;および4,265,874号に記載の技術によってコーティングされてもよい。
【0143】
別の態様では、経口的使用のための製剤はまた、活性成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される硬ゼラチンカプセル、または活性成分が水、または落花生油、流動パラフィン、またはオリーブオイルなどのオイル媒体と混合される軟ゼラチンカプセルとして提示されてもよい。
【0144】
別の態様では、組成物は水性懸濁液を含んでいてもよい。水性懸濁液は水性懸濁液の大規模製造に適した賦形剤と混合した活性化合物を含んでいてもよい。そのような賦形剤にはカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムのような懸濁化剤が挙げられ;分散剤または湿潤剤は、レシチンなどの天然に存在するホスファチド、ステアリン酸ポリエチレンなどのアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、またはエチレンオキシドとヘプタデカエチル−エネオキシセタノールなどの長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、またはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールの縮合生成物、またはモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなどのエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトールに由来する部分エステルの縮合生成物であってもよい。水性懸濁液はまた、1以上の着色剤、1以上の香味剤、および1以上の甘味剤、たとえばスクロースまたはサッカリンを含んでいてもよい。
【0145】
また、油性懸濁剤は、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油などの植物油、または流動パラフィンなどの鉱物油中に活性成分を懸濁することによって製剤されてもよい。油性懸濁剤は、蜜蝋、硬パラフィンまたはセチルアルコールのような増粘剤を含んでいてもよい。先に説明したような甘味剤および香味剤は風味のよい経口調剤を提供するために添加されてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存されてもよい。
【0146】
水の添加による水性懸濁液の製造に適した分散性粉末および顆粒は分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1以上の保存剤と混合した活性化合物を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤はすでに先に述べたものによって例示される。付加的な賦形剤、たとえば甘味剤、香味剤、および着色剤がさらに存在してもよい。
【0147】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型の形態であってもよい。油性相は、オリーブ油もしくは落花生油のような植物油、または流動パラフィンのような鉱物油、またはその混合物であってもよい。適切な乳化剤は、アカシアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然に存在するゴム、ダイズレシチンなどの天然に存在するホスファチド、およびモノオレイン酸ソルビタンなどの脂肪酸と無水ヘキシトールに由来するエステルおよび部分エステル、およびモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物であってもよい。
【0148】
別の態様では、本発明の医薬組成物はシロップ剤またはエリキシル剤を含んでいてもよい。シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと一緒に製剤されてもよい。そのような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、ならびに香味剤および着色剤を含んでいてもよい。医薬組成物は滅菌注射用水性または油性懸濁剤の形態であってもよい。この懸濁剤は先に記載の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知の方法に従って製剤されてもよい。滅菌注射用調剤はまた1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容な希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用されてもよい許容なベヒクルまたは溶媒としては水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌、不揮発油は好都合には溶媒または懸濁化媒体として使用される。この目的のために、合成モノ−グリセリドまたはジグリセリドを使用したいずれかの刺激のない不揮発油が使用されてもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は注射用医薬品の調剤における使用を見出す。
【0149】
本発明の医薬組成物はまた、本発明の化合物の直腸内投与のための座剤の形態であってもよい。これらの組成物は、通常の温度では固体であるが直腸内温度では液体であり、それゆえ直腸内で溶けて薬物を放出することになる適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することにより製造されうる。そのような物質には、ココアバターおよびポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0150】
ある態様では、本発明の化合物を含む、局所使用のための、クリーム剤、軟膏、ゼリー、懸濁液などが使用されてもよい。この適用の目的の場合、局所適用は口腔洗浄剤およびうがい液を含むことになる。
【0151】
ある態様では、式(I)の化合物および薬剤的に許容なその塩はまた、リポソーム送達系の形態、たとえば小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞、およびマルチラメラ小胞で投与されてもよい。リポソームはコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどの多様なリン脂質から形成されてもよい。
【0152】
塩基性または酸性基が構造中に存在する薬剤的に許容な式(I)の化合物の塩も本発明の範囲内に含まれる。“薬剤的に許容な塩”という用語は、生物学的に、または他の点で好ましく、そして一般に遊離塩基と適切な有機酸または無機酸を反応させることによって、または酸と適切な有機塩基または無機塩基を反応させることによって製造される本発明の化合物の塩を表す。代表的な塩には以下の塩が挙げられる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、ブロミド、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クロリド、クラブラン酸塩、クエン酸塩、ジヒドロクロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド、硝酸メチル、硫酸メチル、マレイン酸1カリウム塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミン、蓚酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリメチルアンモニウムおよび吉草酸塩。−COOHのような酸性置換基が存在する場合、剤形として使用するための、アンモニウム塩、モルホリニウム塩、ナトリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩などが形成されうる。アミノまたはピリジルのような塩基性ヘテロアリール基などの塩基性基が存在する場合、酸性塩、たとえば塩酸塩、臭素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩などを形成することができ、そしてそのような塩はJournal of Pharmaceutical Science,66,(1977)p.1−19に列挙された薬剤的に許容な塩に関連した酸を含む。
【0153】
ある態様では、本発明は式(I)の化合物の塩酸塩を含む医薬製剤を提供する。
【0154】
別の態様では、本発明は式(I)の化合物のナトリウム塩を含む医薬製剤を提供する。
【0155】
薬剤的に受容可能でない他の塩が本発明の化合物の製造において有用であってもよく、そしてこれらは本発明の別の側面を形成する。
【0156】
従って、別の態様では、式(I)の化合物もしくは薬剤的に許容なその塩、またはそのプロドラッグ、および1以上の薬剤的に許容なキャリア、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0157】
別の態様では、本発明は薬剤的に許容なキャリアおよび1以上の血糖降下剤と組み合わせた式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を提供する。血糖降下剤には、インスリンもしくはインスリンミメティック;ビグアニジン、たとえばメトホルミンまたはブホルミン;PTP−1B阻害剤;PPAR−ガンマアゴニスト;スルホニル尿素、たとえばアセトヘキサミド、クロロプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリブタミド、グリピジド、グリシアジド;またはいずれか他のインスリン分泌促進剤、たとえばレパグリニドおよびナテグリニド;またはα−グリコシダーゼ阻害剤、たとえばアカルボース、ボグリボース、またはミグリトール;またはβ―アドレナリン受容体アゴニストを挙げてもよいが、それらに限定されない。
【0158】
別の態様では、本発明は薬剤的に許容なキャリアと組み合わせた式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩、およびHMG Co−Aレダクターゼ阻害剤(スタチン)、胆汁酸隔離剤、フェノフィブラートなどのフィブラート、コレステロール低下剤、ACAT阻害剤などのコレステロール吸収阻害剤、胆汁酸輸送阻害剤、CETP阻害剤、または対象の脂質プロファイルを改善するための他の抗高脂血症剤を含む医薬組成物を提供する。
【0159】
別の態様では、本発明は薬剤的に許容なキャリアならびに熱発生、脂肪分解、消化管運動性、脂肪吸収、および満腹感を調整する薬剤からなる群から選択される1以上の薬剤と組み合わせた、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0160】
別の態様では、本発明は薬剤的に許容なキャリアおよび高血圧を調節する薬剤(たとえば、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β−ブロッカー、カルシウムチャネルブロッカー)からなる群から選択される1以上の薬剤と組み合わせた、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0161】
別の態様では、本発明は薬剤的に許容なキャリア、および限定しないが、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オルリスタット、またはβアドレナリン受容体アゴニストなどの抗肥満薬;ニューロペプチドY5受容体に拮抗するものを含むニューロペプチドY受容体アンタゴニストなどの摂食行動改変剤;α−MSH、α−MSHミメティック、またはα−MSHに由来するペプチド;限定しないが、米国特許第6,350,760号に開示されたものなどのMC−4Rアゴニストまたは部分アゴニスト;MC−3Rアゴニスト;グルコキナーゼアクチベーター;PPAR−δアゴニスト;PPAR−α/PPAR−γアゴニスト;PPAR−α/PPAR−γ/PPAR−δアゴニスト;PPAR−γ/PPAR−δアゴニスト;およびシルデナフィルまたはテンダミフィルのようなV型ホスホジエステラーゼ阻害剤、ドーパミンアゴニスト、またはα2−アドレナリン受容体アンタゴニストのような、男性および/または女性性機能障害の処置に有用な薬剤のような1以上の薬剤と組み合わせた、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0162】
別の態様では、本発明は、メラノコルチン受容体においてAgRPの機能を阻害するために十分な量である式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物を提供する。ある態様では、メラノコルチン受容体はMC−4Rである。別の態様では、メラノコルチン受容体はMC−3Rである。
【0163】
本明細書に提供される方法によって処置されてもよいメラノコルチン受容体障害、またはメラノコルチン受容体媒介疾患には、限定しないが、メラノコルチン受容体が関連するか、またはメラノコルチン受容体を阻害することが該障害または疾患状態(state)において不完全な生化学的経路の機能を高める、いずれかの生物学的障害または疾患が挙げられる。治療有効量を構成するものに影響を与えてもよい因子は、対象の大きさおよび体重、治療薬の生物分解性、治療薬の活性、およびその生物学的利用能に依存してもよい。
【0164】
本発明はまた、式(I)の化合物およびその塩の製造において中間体として有用な化合物の合成のための方法、および式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を含む医薬組成物の製造のための方法を提供する。特記しない限り、可変基は式(I)の可変基を表す。
【0165】
スキーム1は式(I)の化合物の合成を説明する。チアゾール環形成は、一般手順Cにおいて記載されたような条件下で、アルファ−ブロモケトン(1)とチオウレア誘導体(2)(式中、Rはアルキル基である)を組み合わせ、化合物(3)を提供することによって成し遂げられうる。その後、化合物(3)のエステル基が一般手順Gのような条件下で加水分解されて式(I)の化合物を提供してもよい。
スキーム1
【0166】
【化16】

【0167】
処置の方法
別の側面では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む処置の方法を提供する。
【0168】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、肥満に関連した障害の処置の方法を提供する。別の態様では、肥満に関連した障害は、脂質異常症、高トリグリセリド血症、高血圧、糖尿病、シンドロームX、アテローム硬化型疾患、心臓血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、コレステロール胆石、癌、月経異常、不妊、多嚢胞性卵巣、変形関節症、および睡眠時無呼吸からなる群から選択される。
【0169】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、障害の処置の方法を提供し、ここで該障害は女性性機能障害、男性性機能障害および勃起機能障害からなる群から選択される。別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を哺乳類に投与することを含む、哺乳類における性的反応を刺激する方法を提供する。ある態様では、哺乳類は男性である。別の態様では、哺乳類は女性である。別の態様では哺乳類はヒトである。
【0170】
式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩は、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩が有用である疾患の処置、改善、および/または抑制に使用される1以上の治療薬と組み合わせて使用されてもよく;そのような他の治療薬は式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩の経路と同じ経路または異なる経路によって投与されてもよい。式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩が別の治療薬と組み合わせて使用される場合、組成物は式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を他の治療薬と組み合わせて含んでいてもよい。別個の剤形が使用される場合、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩および1以上の付加的な治療薬は、本質的に同じ時期に(たとえば、同時に)または別個にずらした時期に(たとえば連続して)投与されてもよい。
【0171】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩と1以上の血糖降下剤を組み合わせて対象に投与することを含む、肥満に関連した障害の処置の方法を提供する。
【0172】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩と1以上の消化および/または代謝を調整する薬剤を組み合わせて対象に投与することを含む、肥満に関連した障害の処置の方法を提供する。消化および/または代謝を調整する薬剤には、熱発生、脂肪分解、消化管運動性、脂肪吸収、および満腹感を調整する薬剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0173】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩とHMG Co−Aレダクターゼ阻害剤、胆汁酸結合剤、フィブリン酸誘導体、および高血圧を調節する薬剤からなる群から選択される1以上の薬剤を組み合わせて対象に投与することを含む、肥満および肥満に関連した障害を処置する方法を提供する。
【0174】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩と、1以上の薬剤、たとえば、限定するものではないが、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オルリスタット、またはβアドレナリン受容体アゴニストなどの抗肥満薬;ニューロペプチドY5受容体に拮抗するものを含むニューロペプチドY受容体アンタゴニストなどの摂食行動改変剤;α−MSH、α−MSHミメティック、またはα−MSHに由来するペプチド;限定しないが、米国特許第6,350,760号に開示されたものなどのMC−4Rアゴニストまたは部分アゴニスト;MC−3Rアゴニスト;グルコキナーゼアクチベーター;PPAR−δアゴニスト;PPAR−α/PPAR−γアゴニスト;PPAR−α/PPAR−γ/PPAR−δアゴニスト;PPAR−γ/PPAR−δアゴニスト;およびシルデナフィルもしくはテンダミフィルのようなV型ホスホジエステラーゼ阻害剤、ドーパミンアゴニスト、またはα−アドレナリン受容体アンタゴニストのような、男性および/または女性性機能障害の処置に有用な薬剤を組み合わせて対象に投与することを含む、処置の方法を提供する。
【0175】
別の態様では、本発明は、対象の減量を誘発するために十分である治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、処置の方法を提供する。
【0176】
別の態様では、本発明は、対象の体重増加を予防するために十分である治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、体重増加の予防の方法を提供する。
【0177】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む処置の方法を提供し、該化合物は対象の減量を誘発するために十分な量で投与される。
【0178】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む処置の方法を提供し、該化合物は対象の体重増加を停止させるために十分な量で投与される。
【0179】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む処置の方法を提供し、該化合物は対象の体重増加の速度を減少させるために十分な量で投与される。
【0180】
別の態様では、本発明は、食物に対する対象の願望を減らすために十分な治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、食物に対する対象の願望を減らす方法を提供する。
【0181】
別の態様では、本発明は、対象のカロリー摂取を減らすために十分な治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、対象のカロリー摂取を減らす方法を提供する。
【0182】
別の態様では、本発明は対象のメラノコルチン受容体を調整するためにある量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、メラノコルチン受容体調整の方法を提供する。別の態様では、本発明は対象のメラノコルチン受容体に結合するアゴニストの下流効果を高めるためにある量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、メラノコルチン受容体調整の方法を提供する。
【0183】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、女性性機能障害からなる群から選択される障害の処置の方法を提供する。
【0184】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、男性性機能障害からなる群から選択される障害の処置の方法を提供する。
【0185】
別の態様では、本発明は治療有効量の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む処置の方法を提供し、ここで該化合物は対象の減量を誘発する、体重増加を停止させる、または体重増加の速度を減少させるために十分な量で投与される。
【0186】
本発明の化合物は、限定しないが、女性の性欲低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害および/または性交疼痛障害、男性勃起機能障害を含む、男性および女性の性機能障害、肥満(食欲を減らすこと、代謝速度を増加させること、脂肪摂取を減らすことまたは炭水化物渇望を減らすことによる)、糖尿病(耐糖能を高めること、インスリン抵抗性を減少させることによる)、高血圧、高脂血症、変形性関節症、下部尿路機能障害状態、癌、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、鬱病、不安、強迫、ノイローゼ、不眠/睡眠障害、薬物乱用、疼痛、発熱、炎症、免疫調整、リウマチ性関節炎、日焼け、ニキビおよび他の皮膚障害の処置、さらにアルツハイマー病の処置を含む神経保護ならびに認知および記憶亢進を含む、疾患、障害または状態の処置に有用であってもよい。従って本発明は薬物としての式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩の使用を提供する。
【0187】
本発明の置換されたアミノチアゾール誘導体は、性欲低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害、性交疼痛障害を含む、女性性機能障害を処置することにおいて有用であってもよい。
【0188】
FSDのカテゴリーは、それらを通常の女性の性的反応の様相:性欲、性的興奮およびオルガスムと対比することによって最適に定義される(Leiblum,S.R.(1998)−−Definition and classification of female sexual disorders.Int.J.Impotence Res.,10,S104−S106)。性欲または性的衝動は性的表現の動因である。その現れはしばしば、関心のあるパートナーと同席している場合、または他の官能的な刺激に曝される場合の性的思考を含む。性的興奮は性的刺激に対する血管反応であり、その重要な要素は生殖器の鬱血であり、膣の滑らかさの増大、膣の伸長および生殖器の感覚/感度の増大を含む。オルガスムは性的興奮中に絶頂に達している性的緊張からの開放である。
【0189】
従って、FSDは女性がこれらの様相、通常性欲、性的興奮またはオルガスムのいずれかにおいて不適切か、または不満足な反応を有する場合起こる。FSDカテゴリーには、性欲低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害および性交疼痛障害が挙げられる。本発明の置換されたアミノチアゾール誘導体は(女性の性的興奮障害のような)性的刺激に対する生殖器の反応を改善してもよく、そのようにすることにおいて、該化合物はまた性交に関連する疼痛、苦痛および不快を改善し、そうして女性の他の性的障害を処置してもよい。
【0190】
性欲低下障害は、女性が性欲を全く持たないか、またはほとんど持たず、そして性的思考または空想を全く持たないか、またはほとんど持たない場合に存在する。この型のFSDは自然な更年期、または外科的更年期のいずれかに起因する低テストステロンレベルによって引き起こされうる。他の原因には、病気、投薬、疲労、鬱病および不安が挙げられる。従って、本発明の置換されたアミノチアゾール誘導体が性欲低下障害を処置してもよい。
【0191】
女性の性的興奮障害(FSAD)は:性行為が完了するまで、性的興奮の適切な潤滑−膨潤反応を獲得するか、または維持することが持続的に、または周期的にできないこととして定義されてもよい。撹乱は顕著な心痛または人間関係の困難を引き起こしてもよい。女性の性的興奮障害は性的刺激に対する不適切な生殖器の反応によって特徴付けられてもよい。生殖器は通常の性的興奮を特徴付ける鬱血を経験しない。膣壁は潤滑性に乏しく、その結果性交に痛みを伴う。オルガスムが妨害されてもよい。性的興奮障害は、糖尿病およびアテローム性動脈硬化症のような血管要素を伴って、更年期に、または出産後および授乳期間中、ならびに病気によって減少したエストロゲンによって引き起こされうる。他の原因は利尿薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、たとえば選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)または抗高血圧薬による処置から生じる。
【0192】
性的疼痛障害(性交困難および膣痙を含む)はペニス挿入から生じる疼痛によって特徴付けられ、滑らかさを減らす投薬、子宮内膜症、骨盤内炎症疾患、炎症性腸疾患または尿路問題によって引き起こされてもよい。
【0193】
従って、本発明の別の態様に従って、女性性機能障害、さらにとりわけ性欲低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害および性的疼痛障害の処置のための薬物の製造における、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩の使用が提供される。
【0194】
式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩は性的興奮障害、オルガスム障害、および性欲低下障害の処置において有用であってもよい。式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩は女性性機能障害および付随する性欲低下障害を有する対象の処置において有用であってもよい。
【0195】
式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩は女性の性的興奮障害の処置のための薬物の製造に有用であってもよい。
【0196】
本発明の化合物は、以下のFSD患者の部分母集団:若い女性、高齢女性、閉経前女性、閉経前後の女性、閉経後のホルモン補充療法を受けている女性または受けていない女性において適用を見出してもよい。
【0197】
本発明の化合物は以下のこと:i)心臓血管またはアテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、喫煙、糖尿病、高血圧、放射線および会陰外傷、腸骨下腹陰部血管系に対する外傷性損傷などの血管原性病因;ii)脊髄損傷または多発性硬化症を含む中枢神経系の疾患、糖尿病、パーキンソン症候群、脳血管性事故、末梢ニューロパシー、外傷または根治性骨盤手術などの神経原性病因;iii)視床下部/下垂体/性腺軸の機能障害、または卵巣の機能障害、膵臓の機能障害、外科的もしくは内科的去勢、アンドロゲン欠乏、高プロラクチン血症などの高プロラクチン循環レベル、自然閉経、早発閉経、甲状腺機能亢進および甲状腺機能低下などのホルモン/内分泌性病因;iv)鬱病、強迫性障害、不安障害、産後鬱病/“ベイビーブルー”、情動および対人関係問題、行動不安、夫婦間不一致、非機能的態度、性的恐怖、宗教的強制または外傷性の過去の経験などの心因性病因;および/またはv)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)による療法、および他の抗うつ薬療法(三環系抗うつ薬およびメジャートランキライザー)、抗高血圧療法、交感神経遮断剤、長期経口避妊ピル療法に起因する、薬物−誘発性機能障害に起因するFSDの患者において適用を見出してもよい。
【0198】
別の態様では、本発明は治療有効量の、MC−4R上のAgRPの機能を阻害する式(I)の化合物を対象に投与することを含む、メラノコルチン受容体調整の方法を提供する。別の態様では、本発明は治療有効量の、MC−3R上のAgRPの機能を阻害する式(I)の化合物を対象に投与することを含む、メラノコルチン受容体調整の方法を提供する。
【0199】
一般的に、式(I)の化合物は約0.003〜500mg/kg(処置される対象の体重)の投薬レベルで投与されてもよい。ある態様では、式(I)の化合物は1日に約0.003〜200mg/kg体重の投薬範囲で投与されてもよい。ある態様では、式(I)の化合物は1日に約0.1〜100mg/kg体重の投薬範囲で投与されてもよい。単一投薬量を生み出すためにキャリア物質と組み合わせてもよい活性成分の量は、処置される受容者および特定の投与様式に依存して変化してもよい。たとえば、ヒトへの経口投与を意図した製剤は、1mg〜2グラムの式(I)の化合物と全組成物の約5〜95パーセントまで変化してもよい、適切で好都合なキャリア物質の量を含んでいてもよい。単位剤形は一般に約5mg〜約500mgの活性成分を含んでいてもよい。この投薬量は処置されることになる対象の特有の臨床状態に基づいて臨床医によって個別化されてもよい。従って、いずれか特定の患者の特有の投薬量レベルは、使用される特有の化合物の活性、年齢、体重、健康状態、性、常食、投与時間、投与経路、排泄経路、薬物組み合わせおよび治療を受けている特定の疾患の重症度を含む、多様な因子に依存することになる。
【実施例】
【0200】
本発明の化合物を製造するための方法において使用される一般手順が以下に記載される。
【0201】
一般実験セクション:
LC−MSデータは、Sepax GP−C18、4.6x50mm;5ミクロン粒子サイズカラムを使用して、Mux−UV 2488マルチチャンネルUV−Vis検出器(215および254nMで記録)およびLeap Technologies HTS PALオートサンプラーを備えた、4つのWaters(登録商標)1525バイナリーHPLCポンプを動かすパラレルMUX(登録商標)システムでのグラジエント溶出を使用して得られた。25%B(97.5%アセトニトリル、2.5%水、0.05%TFA)および75%A(97.5%水、2.5%アセトニトリル、0.05%TFA)から100Bまでの3分間のグラジエントを流した。該システムはエレクトロスプレイイオン化を使用するWaters(登録商標)Micromass ZQ質量分析計に連結される。MassLynxソフトウェアが使用された。すべてのデータは特記しない限り、ポジティブモードで得られた。H NMRデータはVarian(登録商標)400MHzスペクトロメーターで得られ、化学シフトは、残留溶媒シグナル(たとえば、残留したCDCl中CHCl)または内部参照としてのTMSシグナルのいずれかを使用することによって参照された。一部の実験では、マイクロ波加熱手順が使用され、これらの場合、高温において加圧ガラス反応容器の使用が含まれるDiscover(登録商標)マイクロ波合成システム(CEM,Matthews,NC,USA)が使用された。
【0202】
すべての試薬および無水溶媒を含む溶媒は市販されていて、特記しない限り、受け取った状態で使用された。Grignard試薬および有機リチウム試薬の溶液は市販されていて、受け取った状態、およびそれらのラベルに記載された濃度で使用された。ジオキサン中HClは、市販のジオキサン中の塩化水素溶液である。水素化ナトリウムは購入され、酸性物質との反応前にオイルの除去をせずにオイル中60%懸濁液として使用された。反応物は、大抵の場合、磁気攪拌装置および磁気スターラーを使用して攪拌される。エアーセンシティブ(air−sensitive)試薬を使用するすべての反応は不活性気体下で行われた。マイクロ波発生装置を使用した加熱を行わない反応の場合、実験セクションで報告される反応温度は反応容器のまわりに配置された油浴または冷却浴の温度を表す。マイクロ波発生装置を使用して実施される反応の場合、温度はマイクロ波装置によって報告される温度を表す。
【0203】
以下に特に例示される化合物はISIS DrawのためのAutonom 2000(4.1版,SP1,Elsevier MDL)プラグインを使用したそれらの化学構造に基づいて命名された。
【0204】
実施例および本文で使用される略語は以下の通りである:
Aq=水性
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカン
DCM=ジクロロメタン
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
Me=メチル
t−Bu=tert−ブチル
Bu=ブチル
iBu=イソブチル
EtOAc=酢酸エチル
g=グラム
h=時間
HBTU=O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HMPA=ヘキサメチルリン酸トリアミド
L=リットル
LC−MS=液体クロマトグラフィー−質量分析
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
M=モル
m/z=質量電荷比
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
min=分
mL=ミリリットル
mM=ミリモル(濃度単位)
mmol=ミリモル(物質量)
mol=モル
MS=質量分析
N=規定
NCS=N−クロロスクシンイミド
NMR=核磁気共鳴分光法
ppm=100万分の1
psi=重量ポンド毎平方インチ
rtまたはRT=室温
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
THP=テトラヒドロピラニル
TLC=薄層クロマトグラフィー
TMS=テトラメチルシラン
一般手順A:カルボン酸からのケトンの製造
方法A1:氷浴中のカルボン酸(1〜10mmol;1eq)のジエチルエーテル溶液(5〜40mL)に、窒素下でエチルエーテル中のメチルリチウム(1.5〜1.6M、2.2〜22mmol;2.2eq)をゆっくり添加することにより満たす。反応物はゆっくり室温に戻し、TLCでモニターしながら4〜16時間攪拌する。反応物は水に注ぎ、冷水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチル(1:1)間に分配する。有機相はブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して未精製のまま使用するか、または溶離液を使用してシリカゲルベッドを通して濾過し、減圧下で溶離液を留去した後所望するケトンを得る。
【0205】
方法A2:DMF(10mL)中のカルボン酸(2.0mmol;1eq)溶液にHBTU(3.0mmol;1.5eq)およびDIEA(8.0mmol;4eq)を添加する。室温で30分間攪拌後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.0mmol;1.5eq)を添加する。反応物はTLCでモニターしながら室温で攪拌する。完了後、反応は水(10mL)の添加により停止する。反応混合物は酢酸エチル(3x20mL)で抽出し、合わせた有機層はNaSOで乾燥し、濃縮して所望するN−(O−メチル)アミド誘導体を得る。アミドはTHF(10mL)に溶かし、溶液は0℃(氷浴)に冷やす。メチルマグネシウムブロミド(エチルエーテル中3.0M、4mmol;2eq)は滴下して加え、反応物はゆっくり室温に戻す。反応物はTLCでモニターしながら室温で攪拌する。反応物は0℃に冷やし、飽和水性塩化アンモニウム溶液(10mL)の添加により反応を停止し、その後混合物をEtOAc(3x20mL)で抽出する。合わせた有機層はNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(たとえば、ヘキサンまたは酢酸エチル:ヘキサン1:19〜1:1)により精製して、所望するメチルケトンを得る。
【0206】
この方法はまた、使用されるリチウム試薬を変更することにより、たとえばエチルリチウムまたは他の有機リチウム化合物を使用することによってエチルケトンまたは他のケトンを同じように生み出すために使用することができる。
【0207】
一般手順B:ケトンのアルファ−臭素化
方法B1:氷浴中のケトン(1mmol、1eq)のメタノール溶液(2〜4mL)に三臭化水素酸ピロリドン(1.1〜1.2mmol;1.1〜1.2eq)を添加する。反応物は、室温と60℃間の選択された温度にゆっくり温め、TLCでモニターしながら同じ温度で2〜24時間攪拌する。反応が完了したと判断された後、反応物は真空下で濃縮し、冷水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチル(30mL、1:1)間に分配する。有機相はNaSOで乾燥し、真空下で濃縮し、未精製のまま使用するか、またはシリカゲルベッドを通して濾過し、溶離液の留去後所望する2−ブロモケトンを得る。
【0208】
方法B2:氷浴中のケトン(1.6mmol;1eq)のメタノール溶液に15分間かけてゆっくり臭素(1.05〜6.5mmol、1.05〜1.1eq)を添加する。反応物は、ゆっくり室温に温め、TLCでモニターしながら同じ温度で30分間攪拌する。反応物は濃縮し、得られた2−ブロモケトンはそれ以上精製せずに次のステップで使用するか、または溶離液を使用してシリカゲルを通して濾過し、溶離液の留去後使用する。
【0209】
一般手順C:2−アミノチアゾール誘導体の製造
メタノールまたはジクロロメタン(1〜5mL)中の2−ブロモケトン(0.1〜1mmol;1eq)は、未希釈か、またはTHF(0.5〜3mL)中の溶液としての以下のTU1、TU2、TU3、TU4またはTU5のような適切なチオウレア誘導体に添加する。反応物は、室温と60℃間の選択された温度で30分間〜24時間攪拌する。反応は、完了したと判断されるまでTLCでモニターするか、または必要な場合、さらにブロモケトンを添加して反応を完了させる。反応物は真空下で濃縮して、水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチル(30mL、1:1)間に分配する。水性層は酢酸エチル(3x15mL)で洗浄し、合わせた有機層はブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮する。未精製残渣は酢酸エチル:ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、所望する2−アミノチアゾール誘導体を得る。
【0210】
一般手順D:N,N−二置換チオウレア誘導体の製造
DCM(5mL)中の適切なアルデヒド(1mmol;1eq)および適切なアミンまたはアミン塩酸塩誘導体(1.2mmol;1.2eq)の混合物は5分間攪拌する。トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(1.2〜2.5mmol;1.2〜2.5eq)は数回に分けて添加し、反応物は反応の完了がTLCまたはLCMSによって示されるまで攪拌する。反応混合物はDCMまたはジクロロエタン(10mL)と、飽和水性NaHCO溶液(15mL)間に分配する。水性層は再度DCMまたはジクロロエタン(1x15mL)で抽出する。合わせた有機抽出物はKCOで乾燥する。溶媒の留去後、粗生成物はDCMまたはジクロロエタン(20mL)に溶かし、Fmoc−イソチオシアネート(1.0mmol;1.0eq;(CAS:[199915−38−3]))を添加する。反応物は室温で0.5〜15時間攪拌する。反応が完了したことをLCMSまたはTLCが示した後、ピペリジン(0.5〜3mL;2〜15eq)を添加し、室温で1〜2時間攪拌し、Fmoc基を除去する。溶媒は真空下で留去し、未精製残渣は酢酸エチル:ヘキサンまたは酢酸エチル:DCMを使用してシリカゲルベッドで濾過し、所望するN,N−二置換チオウレア誘導体を得る。これらのチオウレア誘導体は一般に不安定であり、貯蔵時の安定性を改善するために低温に保つべきである。
【0211】
一般手順E:カルボン酸からエステルの製造
カルボン酸のメタノール溶液に、室温でジオキサン中の4N HCl(1mL)を添加する。反応物は室温で7〜8時間攪拌し、TLCまたはLCMSでモニターする。反応物は真空下で濃縮し、水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチル(30mL;1:1)間で分配する。有機相はNaSOで乾燥し、濃縮し、シリカゲルベッドを通して濾過し、所望するエステルを得る。
【0212】
一般手順F:LDAアルキル化
窒素雰囲気下、−78℃(ドライアイス/アセトン浴)で、乾燥THF(10mL)中のエステルまたは立体障害アルデヒド(1mmol;1eq)の攪拌溶液にTHF中のLDA溶液(1.2mmol;1.2eq)を15分間かけて添加する。得られた反応混合物は30分間かけてゆっくり室温に戻す。反応混合物は−78℃に冷やし、その後適切なアルキルハライド(2mmol;2eq)を添加する。添加完了後、反応混合物は室温に戻し、TLCまたはLCMSによるモニタリングによって確定される反応の完了が認められるまで攪拌を続ける。反応混合物はブライン(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(2x30ml)で抽出する。合わせた有機層はブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣はシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、所望する生成物を得る。
【0213】
一般手順G:エステルの加水分解
方法G1:THF:MeOH(2:1、1〜10mL)中の適切なエステル(0.1〜1mmol;1eq)の溶液にHO(1〜10mL)に溶解したNaOH(0.5〜2mmol;2〜5eq)を添加する。反応物は室温と60℃間の温度で、TLCまたはLCMSによって反応完了が判断されるまで攪拌する。溶媒は留去し、残渣はエチルエーテルまたはDCMのような溶媒と水との間で分配する。水性層のpHは10%aqHClにより(またはクエン酸により)約pH7に合わせ、その後生成物はDCMまたは酢酸エチル(3x5mL)により抽出する。合わせた有機層はNaSOで乾燥し、濃縮し、シリカゲルベッドで濾過し、溶離液の留去後、所望する酸を得る。
【0214】
方法G2:磁気スターラーを備えた再密閉可能なガラス加圧−容器の中の、THF:EtOH(2:1、3mL)またはエタノール中の適切なエステル(1mmol)の溶液にHO(1mL)に溶かしたKOH(3mmol)を添加する。得られた反応混合物はCEM Discover PLS(登録商標)マイクロウェーブ中、150℃で2時間加熱する。溶媒は真空下で留去し、残渣は2N aqHClで酸性化する。生成物はDCM(3x5mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して所望するカルボン酸を得る。
【0215】
一般手順H:ナトリウム塩形成
NaOH(aq)溶液(0.1〜0.11mmol;1〜1.1eq)はTHF(0.1〜2mmol)およびMeOH(0.1〜2mmol)中の適切なカルボン酸(0.1mmol;1eq)の溶液に添加する。15分間攪拌後、すべての揮発性物質は減圧下で留去し、固体はエチルエーテルまたはDCMで粉砕し、その後高真空下で乾燥し、所望するカルボン酸塩を得る。
【0216】
一般手順I:Grignard反応;
氷浴中の適切なアルデヒド(1.0mmol;1eq)のTHF溶液に、窒素下で適切な溶媒中の適切なアルキルマグネシウムハライド(1.5mmol;1.5eq)の溶液を滴下して加える。反応物はゆっくり室温に温め、TLCでときどきモニターしながら7〜8時間攪拌する。反応完了後、塩化アンモニウム溶液(aq)を添加し、生成物は酢酸エチル(2x15mL)で抽出する。合わせた有機層はブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、生成物は溶離液を使用してシリカゲルベッドを通して濾過し、減圧下で溶離液を留去後、所望するアルコールを得る。
【0217】
一般手順J:PCC酸化
適切なアルコール(1.0mmol)のジクロロメタン溶液に、モレキュラーシーブ(オーブン乾燥4Aシーブ;アルコール重量の約10%)およびクロロクロム酸ピリジニウム(PCC、1.5mmol)を室温で添加する。反応物はTLCでモニターしながら7〜8時間攪拌する。反応混合物はシリカゲルベッドに置き、生成物はエチルエーテルまたは他の適切な溶離液で溶出する。溶離液は減圧下で留去し、所望するケトンを得る。
【0218】
一般手順K:Wittig反応
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(1.0mmol;1.0eq)はトルエンに溶かすか、または懸濁し、溶液は蒸発乾固する。このプロセスを1回繰り返し、その後ホスホニウム塩は乾燥THFに溶かすか、または懸濁する。この乾燥ホスホニウム塩のTHF溶液に、NaH(1.0mmol;1eq)を0℃で添加する。反応物は室温までゆっくり温め、オレンジ色の溶液または懸濁液が形成されるまで6時間攪拌する。この溶液に適切なケトン(1.0mmol)を満たし、反応物は室温で7〜8時間攪拌する。反応はTLCでモニターする。反応物は水と酢酸エチル(30mL;1:1)間で分配する。有機層はNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルベッドを通して濾過し、減圧下で溶離液を留去後、精製されたエノールエーテルを得る。
【0219】
一般手順L:エノールエーテルの加水分解
適切なビニルエーテル誘導体(1.0mmol)のトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(5mL、8:2)溶液は室温で10〜20分間攪拌し;反応はTLCまたはLCMSによりモニターする。反応が完了した反応物は真空下で濃縮し、残渣は冷飽和炭酸水素ナトリウムと酢酸エチル(30mL;1:1)間で分配する。有機相はNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。必要な場合、生成物はEtOAc/ヘキサンに溶かし、シリカゲルベッドを通して濾過し、減圧下で溶離液を留去後、精製されたアルデヒド生成物を得る。
【0220】
一般手順M:芳香環または芳香族クロリドの水素添加
マノメーターおよび磁気スターラーを備えた再密閉可能なガラス加圧−反応容器の中の、酢酸に溶かすか、またはMeOH:HOAc(1:1)に溶かした適切な芳香族化合物(1〜3mmol)の攪拌溶液に、PtO(0.1mmol)を添加する。得られた溶液は、磁気スターラーおよび攪拌プレートの使用により、攪拌しながら50〜55psiの水素で水素添加される。反応の完了後、触媒はCelite(登録商標)パッドを使用することにより濾取し、Celite(登録商標)はメタノール(10mL)で洗浄する。合わせた濾液は減圧下で留去し、所望する生成物を得る。この生成物はそれ以上精製せずに次のステップで使用する。
【0221】
中間体TU1:3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
【0222】
【化17】

【0223】
DCM(500mL)中の5−メチル−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(8.0g、63.5mmol)と3−アミノ−プロピオン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(13.8g、76.03mmol)の混合物は5分間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(35g、158.75mmol)は20分間かけて、数回に分けて加えた。反応混合物は室温までゆっくり温め、2日間攪拌した。反応混合物はKCOの水性溶液にゆっくり注ぎ、1時間攪拌した。有機層を分け、硫酸ナトリウムで乾燥し、Celiteを通して濾過した。このDCM溶液にFmoc−イソチオシアネート(21〜4g、76.19mmol)を添加し、反応物は室温で1時間攪拌した。反応完了後、溶媒は減圧下で留去し、粗物質はシリカゲルカラム(溶離液:20:1〜4:1ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、Fmoc−保護チオウレア誘導体(17.5g、収率51.5%)を得た。
【0224】
上記の得られたFmoc−保護チオウレア誘導体(17.5g、32.7mmol)のDCM(100mL)溶液に、ピペリジン(16.5mL、162.5mmol)を添加し、反応物は室温で15分間攪拌し、その時点でTLC分析は反応の完了を示した。反応物はヘキサン(200mL)で希釈し、シリカゲルカラムにのせた。生成物はヘキサンと酢酸エチル(10:1::ヘキサン:酢酸エチル〜1:1::ヘキサン:酢酸エチル)の混合物を使用して溶出し、適切な画分を減圧下で濃縮し、所望するチオウレア(9.2g、収率89.75%)を得た。この物質は不安定であり、環化およびt−BuOHの損失を防ぐために、冷所で保管するべきである。LC−MS m/z:315(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a8.40(bd,1H),6.88(d,1H),6.61(d,1H),5.23(s,2H),3.61(t,2H),2.66(t,3H),2.45(s,3H),1.44(s,9H)。
中間体TU2:3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
【0225】
【化18】

【0226】
DCM中の5−エチル−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(14.25g、101.6mmol)と3−アミノ−プロピオン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(22.2g、122mmol)の混合物は室温で3時間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(30.1g、142.2mmol)は数回に分けて加え、反応物は2時間攪拌し、その時点でTLC分析は反応の完了を示した。反応混合物に炭酸水素ナトリウムの飽和水性溶液を添加し、その後相を分けた。水性層はDCMで2回抽出した。合わせた有機抽出物は硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、得られた物質はシリカゲルカラム(溶離液:ヘキサン→EtOAc中2%ヘキサン→EtOAc中5%ヘキサン→EtOAc中10%→EtOAc中20%ヘキサン→EtOAc中50%ヘキサン→)で精製し、3−[(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(8.91g、収率32.6%)を得た。
【0227】
上記の得られた3−[(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(8.91g、33.07mmol)はDCMに溶かし、0℃に冷やし、その後Fmoc−イソチオシアネート(8.46g、30.07mmol)を添加した。反応物は室温で3時間攪拌した。TLCが反応の完了を示した後、反応物を0℃に冷やし、ピペリジン(8.46g、9.8mL、79.4mmol)を添加した。脱保護反応物は室温で2時間攪拌した。溶媒は真空下で留去し、未精製残渣はヘキサン(3x100mL)で粉砕した。溶媒は真空下で濃縮し、その後残渣は真空下で乾燥し、上記の表題チオウレア生成物(10.95g)を得た。この物質は不安定であり、環化およびt−BuOHの損失を防ぐために、冷所で保管するべきである。LC−MS m/z:329(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a6.90(d,1H),6.64(d,1H),5.24(s,2H),3.60(t,2H),2.80(q,2H),2.63(t,2H),1.44(s,9H),1.28(t,3H)。
【0228】
中間体TU3:3−[1−(2,5−ジメチル−チオフェン−3−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
【0229】
【化19】

【0230】
DMF(100mL)にPOCl(25mL)を滴下して加え、続いて2,5−ジメチル−チオフェン(5mL)を添加した。溶液は室温に温め、80℃で一晩加熱した。反応物は室温に冷やし、ゆっくり氷に添加した。酢酸ナトリウムを添加してpHを5〜6にした。水性部分は酢酸エチルで抽出し、有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラム(溶離液:10:1::ヘキサン:EtOAc→4:1::ヘキサン:EtOAc)で精製し、2,5−ジメチル−チオフェン−3−カルボキシアルデヒド(1.5g)を得た。
【0231】
上記の得られたDCM(30mL)中のアルデヒド(1.2g、8.57mmol)と3−アミノ−プロピオン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(1.9g、10.28mmol)は5分間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(4.5g、21.42mmol)は数回に分けて添加し、反応物は室温で一晩攪拌した。飽和水性NaHCO溶液を添加し、混合物は30分間攪拌した。層を分け、水性層はDCMで再び抽出した。有機層を合わせ、この溶液にFmoc−イソチオシアネート(Fmoc−NCS、3.5g、12.46mmol)を添加した。反応物は1時間攪拌後、混合物は濃縮し、粗物質はシリカゲルカラム(溶離液:10:1::ヘキサン:EtOAc→4:1::ヘキサン:EtOAc)で精製し、精製したFmoc−保護チオウレア誘導体を得た。このFmoc−保護チオウレア誘導体はDCMに溶かし、その溶液にピペリジン(2.5eq)を添加した。反応混合物を30分間攪拌後、それをヘキサンで希釈し、可溶性物質を真空下で濃縮し、オイルを得た。オイルは精製のためにシリカゲルカラム(溶離液:ヘキサン→DCM→DCM中10%EtOAc→DCM中20%EtOAc)にのせた。適切な画分を濃縮し、所望するチオウレア(2.0g、アルデヒドからの収率71.4%)を得た。この物質は不安定であり、環化による分解およびt−BuOHの損失を防ぐために、冷所で保管するべきである。LC−MS m/z:329(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ6.61(s,1H),5.01(s,2H),3.48(t,2H),2.64(t,2H),2.39(s,3H),2.38(s,3H),1.46(s,9H)。
【0232】
中間体TU4:3−[1−(5−メタンスルホニル−チオフェン−3−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
【0233】
【化20】

【0234】
5−メタンスルホニル−チオフェン−2−カルボン酸(900mg、4.32mmol)のTHF(3mL)溶液に、THF(1M溶液、6mL)中のボランを添加し、反応物は室温で一晩攪拌した。反応物は氷浴で冷やし、メタノールで反応を停止した。溶媒は減圧下で留去し、混合物はシリカゲルカラムで精製し、(5−メタンスルホニル−チオフェン−2−イル)−メタノール(500mg、収率60.2%)を得た。
【0235】
上記の得られたアルコール(500mg、2.6mmol)は、一般手順Jに従ってDCM(10mL)中のクロロクロム酸ピリジウム(1.5g、4mmol)を使用して5−メタンスルホニル−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(250mg、収率50%)に変換した。
【0236】
上記の得られたDCM(5mL)中のアルデヒド(250mg、1.3mmol)と3−アミノ−プロピオン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(230mg、1.57mmol)は15分間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(422mg、2mmol)を添加し、反応物は室温で一晩攪拌した。反応混合物は水性炭酸水素ナトリウムとDCM間で分配し、層を分けた。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗アミン生成物3−[(5−メタンスルホニル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(300mg、収率63%)を得た。この粗アミン(300mg、0.82mmol)はDCMに溶かし、Fmoc−イソチオシアネート(250mg、0.9mmol)を溶液に添加した。反応物は室温で一晩攪拌後、ピペリジン(3mL)を添加し、確実に脱保護された反応物を30分間攪拌した。反応混合物は濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、減圧下で溶離液を留去後、所望するチオウレア(250mg、収率72%)を得た。この物質は不安定であり、環化による分解およびt−BuOHの損失を防ぐために、冷所で保管するべきである。
【0237】
中間体TU5:3−[1−(5−メチルスルファニル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル
【0238】
【化21】

【0239】
DCM(20mL)の5−メチルスルファニル−チオフェン−2−カルボアルデヒド(1.0g、6.3mmol)と3−アミノ−プロピオン酸tert−ブチルエステル塩酸塩(1.02g、7mmol)は室温で15分間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(2g、9.45mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。反応物は水性炭酸水素ナトリウムとDCM間で分配した。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗な3−[(5−メチルスルファニル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(800mg、収率38%)を得た。この粗アミン(800mg、2.4mmol)はDCM(10mL)に溶かし、Fmoc−イソチオシアネート(740mg、2.6mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌後、ピペリジン(3mL)を添加し、脱保護反応物を30分間攪拌した。反応混合物は濃縮し、シリカゲルカラムを使用して精製した。真空下で適切な画分を濃縮し、所望するチオウレア(600mg、収率63%)を得た。この物質は不安定であり、環化による分解およびt−BuOHの損失を防ぐために、冷所で保管するべきである。LC−MS m/z:347(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a6.85(d,1H),6.82(d,1H),5.85(s,2H),3.52(t,2H),2.65(t,2H),2.41(s,3H),2.38(s,3H),1.38(s,9H)。
【0240】
実施例1:3−[(4−ビシクロ[2.2.1]hept−2−イル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム:
【0241】
【化22】

【0242】
1−ビシクロ[2.2.1]hept−2−イル−エタノン(500mg、3.62mmol)は、一般手順B1に類似の方法に従って、MeOH(約10mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(1.97g、3.98mmol)で処理した。反応物は室温で一晩攪拌し、TLCにより確定される反応の完了を確認後、溶媒を減圧下で留去した。酢酸エチルと水性炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、層を分けた。水性層は酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液は乾燥剤からデカントし、溶媒は減圧下で留去し、2−ブロモケトン誘導体を得て、それをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0243】
一般手順Cに類似の方法に従って、上記の粗アルファ−ブロモケトンの一部(81mg、0.37mmol)を3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(122mg、0.371mmol)のメタノール(約10mL)溶液に添加し、反応物を60℃で加熱し、一晩攪拌した。溶媒は留去し、酢酸エチルと飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液を残渣に添加した。水性層の抽出は酢酸エチルで2回実施した。合わせた有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥した溶媒は乾燥剤からデカントした。溶媒は減圧下で除去し、粗物質を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン→19:1ヘキサン:EtOAc→9:1ヘキサン:EtOAc)を使用して精製し、溶離液を減圧下で留去後、精製した3−[(4−ビシクロ[2.2.1]hept−2−イル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(139mg、0.311mmol、84%)を得た。
【0244】
上記のtert−ブチルプロピオン酸誘導体(139mg、0.311mmol)はaqNaOH:THF:MeOHを使用して、一般手順G1に類似の方法に従って60℃で加水分解し、後処理およびシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン→4:1ヘキサン:EtOAc→1:1ヘキサン:EtOAc)の後、3−[(4−ビシクロ[2.2.1]hept−2−イル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸(74mg、0.189mmol、61%)を得た。LC−MS m/z:391(M+1)。この酸のナトリウム塩(表題化合物)は一般手順Hに従って0.105N NaOH(aq.、1.80mL)、THF(2mL)およびMeOH(2mL)を使用して製造した。H NMR(400MHz,CDOD,ナトリウム塩):a6.84(d,1H),6.60(d,1H),6.13(s,1H),4.81(s,2H),3.60(t,2H),2.76(q,2H),2.66(dd,1H),2.50(t,2H),2.37(s,1H),2.28(s,1H),1.78−1.48(m,5H),1.45−1.32(m,2H),1.30−1.21(m,4H)。
【0245】
実施例2:3−[(4−シクロヘキシル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸:
【0246】
【化23】

【0247】
メタノール(8mL)中の1−シクロヘキシル−エタノン(314mg、2.49mmol)に三臭化水素酸ピロリドン(1.5g、3.0mmol)を添加し、反応物は室温で一晩攪拌した。2−ブロモケトン中間体のこの反応混合物に、チオウレア(227mg、3.0mmol)を添加し、反応物は室温で2時間攪拌し、2−アミノ−4−シクロヘキシルチアゾールを得た。反応混合物を濃縮後、ジクロロメタンおよび水性炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、層を分けた。ジクロロメタン層は硫酸ナトリウムで乾燥し、溶液は濃縮して粗な2−アミノ−4−シクロヘキシルチアゾールを得た。この粗物質はそれ以上精製せずに、次のステップで使用した。
【0248】
上記の得られた2−アミノ−4−シクロヘキシルチアゾールのジクロロメタン(20mL)溶液に5−エチル−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(0.37mL、0.3mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(1.31mL、5.5mmol)を室温で添加した。反応物を室温で10分間攪拌後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(5mmol)を添加した。反応物は室温で2時間攪拌し、反応の進行はTLCでモニターした。反応完了後、飽和水性NaHCO溶液をゆっくり添加し、水性部分はジクロロメタン(2X20mL)で抽出した。合わせた有機層はNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、(4−シクロヘキシル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミンを得た。この粗アミンはそれ以上精製せずに、次のステップで使用した。
【0249】
上記の得られた(4−シクロヘキシル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミン、エチルアクリレート(1mL)およびDBU(0.1mL)の混合物は60℃で2時間加熱した。反応が完了した後、過剰なエチルアクリレートはロータリーエバポレーターを使用して蒸留した。未精製残渣はシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、生成物:3−[(4−シクロヘキシル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸エチルエステル(300mg、3ステップの収率30%)を得た。
【0250】
上記の得られたプロピオン酸エチルエステルは一般手順G1に類似の方法を使用して加水分解し、3−[(4−シクロヘキシル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸(106mg、収率38%)を得た。LC−MS m/z:379(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.83(d,1H),6.35(d,1H),6.11(s,1H),4.60(s,2H),3.76(dd,2H),2.81(q,2H),2.70(dd,2H),2.56(m,1H),2.00(m,2H),1.80−1.60(m,4H),1.40−1.20(m,7H)。LC−MS m/z:379(酸,M+1)。表題化合物のナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法に従って製造することが可能であった。
【0251】
実施例3:3−[(4−シクロヘキシルメチル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸:
MeOH(5mL)中のシクロヘキシルアセトン(300mg、2.14mmol)は三臭化水素酸ピロリドン(1.3g、4.28mmol)で処理し、反応物は室温で一晩攪拌した。得られたMeOH中の粗アルファ−ブロモケトンの溶液(後処理をしない)に直接固体炭酸水素ナトリウムを添加し、臭素化ステップにおいて形成された酸を中和した。この中和されたブロモケトン混合物にTHF(2mL)中の3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(150mg)を添加し、反応物は室温で1時間攪拌した。溶媒は減圧下で留去し、残渣は水と酢酸エチルに溶かした。水性部分はEtOAcで2回抽出し,合わせた有機部分はブラインで洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1ヘキサン:EtOAc)により部分的に精製し、アミノチアゾール誘導体(300mg)を得た。
【0252】
この物質の一部(150mg)は、THF(4mL):MeOH(2mL)中の2N aqNaOH(1.5mL)により50℃で一晩加水分解した。溶媒は減圧下で留去し、残渣は水に溶かし、溶液はEtOAc(2x10mL)で2回抽出した。水層は2Nクエン酸で酸性化し、水性部分はEtOAc(2x15mL)で2回抽出した。合わせた酸性化抽出物由来の有機部分はブラインで洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液は真空下で濃縮し、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:EtOAc::10:1→2:1)により精製し、所望する酸106mgを得た。LC−MS m/z:393(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.83(d,1H),6.64(d,1H),6.12(s,1H),4.61(s,2H),3.76(t,2H),2.78(q,2H),2.70(t,2H),2.43(d,2H),1.70−0.90(m,14H)。
【0253】
表題化合物のカルボン酸ナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法により製造することが可能であった。
【0254】
実施例4:3−[(4−シクロペンチルメチル−チアゾール−2−イル)−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸:
シクロペンチルアセトン(300mg、2.38mmol)および三臭化水素酸ピロリドン(1.42g、2.6mmol)を使用して、実施例3と類似の様式でアルファーブロモケトンのMeOH溶液を生み出した。このブロモケトン溶液(後処理をしない)は実施例3のシクロヘキシル誘導体と同じ様式で、固体炭酸水素ナトリウムおよび3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(150mg)により処理し、クロマトグラフィー後、アミノチアゾールt−ブチルプロピオン酸中間体(250mg)を得た。この物質の一部(150mg)は実施例3に示された手順と類似の様式で加水分解し、所望する酸(82mg)を得た。LC−MS m/z:379(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ6.83(d,1H),6.63(d,1H),6.13(s,1H),4.61(s,2H),3.76(t,2H),2.79(q,2H),2.71(t,2H),2.57(d,2H),1.70−1.10(m,12H)。
【0255】
表題化合物のカルボン酸ナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法によって製造することが可能であった。
【0256】
実施例5:3−{(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(4−メチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸ナトリウム:
trans−4−メチル−シクロヘキサンカルボン酸(2.84mg、2.0mmol)は、一般手順A2に類似の方法に従い、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(292mg、3.0mmol)、HBTU(1.14g、3.0mmol)、およびDIEA(1.4mL、8.0mmol)を使用して1−(trans−4−メチル−シクロヘキシル)−エタノンに変換し、水およびEtOAcにより反応物を希釈することにより後処理し、相を分け、EtOAcで水性層を2回抽出し,合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、続いて溶媒を留去して、真空下で一晩乾燥後、粗O−メチルアミド生成物を得た。この粗物質はTHFに溶かし、0℃に冷やし、そしてメチルマグネシウムブロミド(エチルエーテル中3.0M、1.33mL、4mmol)を添加した。4時間後、付加的なMeMgBrの当量物を添加し、反応物は室温で一晩攪拌した。その後、反応物は0℃に冷やし、水性塩化アンモニウムで反応を停止し、酢酸エチルで希釈し、そして水性部分はEtOAcで3回抽出した。合わせた有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒は減圧下で除去した。粗ケトンはシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:19:1::ヘキサン:EtOAc→9:1::ヘキサン:EtOAc)により精製した。MeOH中のこのケトンの一部(50mg、0.36mmol)は一般手順B1に類似の方法を使用して、2−ブロモ−1−(trans−4−メチル−シクロヘキシル)−エタノン(76mg)に変換した。三臭化水素酸ピロリドン(195mg、0.39mmol)は上記のMeOH中のメチルケトンに添加し、反応物は一晩60℃で加熱した。反応完了後、溶媒を留去し、残渣はEtOAcと飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液間に分配した。相を分け、水性部分はEtOAcで2回抽出した。合わせた有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒は減圧下で除去した。粗アルファ−ブロモケトンは次のステップで直接使用した。
【0257】
一般手順Cに類似の方法に従って、2−ブロモ−1−(trans−4−メチル−シクロヘキシル)−エタノン(61mg、0.277mmol)は、3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.304mmol)のメタノール溶液(約4mL)に添加し、反応物は60℃で一晩加熱し、3−[[4−(trans−4−メチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル−)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル生成物を得た。溶媒は減圧下で除去し、残渣は水性飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液と酢酸エチルに溶かした。水性部分はEtOAcで2回抽出し、合わせた有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下での溶媒除去により、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン→19:1ヘキサン:EtOAc→9:1ヘキサン:EtOAc)により精製し、アミノチアゾール誘導体(52mg)を得た。
【0258】
この物質(52mg)は、1:1:1の水:THF:MeOH(約2mL)中のNaOH(100mg)により、50℃で一晩加水分解した。溶媒は減圧下で留去し、残渣は水に溶かした。水性層は3M HClで約pH5〜6に酸性化し、水性部分はDCMで3回抽出した。合わせた有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液は真空下で濃縮し、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン→4:1::ヘキサン:EtOAc→1:1ヘキサン:EtOAc→)で精製し、所望する酸31mgを得た。LC−MS m/z:393(M+1)。(400MHz,CDOD):a6.84(d,1H),6.60(d,1H),6.13(s,1H),4.81(s,2H),3.60(t,2H),2.76(q,2H),2.50(t,2H),2.43(m,1H),2.05(d,2H),1.79(d,2H),1.47−1.30(m,3H),1.24(t,3H),1.13−0.99(m,2H),0.93(d,3H)。
【0259】
対応するカルボン酸ナトリウム塩(表題化合物)は一般手順Hに類似の手順により上記の酸(20mg)およびaqNaOH(485μLの0.105N NaOH)を使用して製造した。
【0260】
実施例6:3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(1−フェニル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸ナトリウム:
中間体としてプロピオン酸エステル誘導体(70mg)を得るための、MeOH(7mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(1.5g、3.15mmol)による1−フェニル−1−アセチルシクロヘキサン(600mg、3mmol)の臭素化、得られたブロモケトン(100mg、0.35mmol)の一部のMeOH(3mL)中の3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(123mg、0.4mmol)によるカップリングを含む連続した反応を使用して表題化合物を作製した。このエステル中間体(70mg、0.14mmol)は50℃でMeOH:THF:2N aqNaOH(1:1:1、3mL)中で加水分解し、aqHClおよびEtOAcによる後処理、続いて乾燥および減圧下での溶媒の留去後に対応する酸を得た。LC−MS m/z:441(M+1)。対応するカルボン酸ナトリウム塩(表題化合物)は、室温で1:1のMeOH:THF中の1.1eqの2N NaOHを使用して生成された。表題化合物はその後減圧下で溶媒を留去して単離した(収率:40mg)。
【0261】
実施例7:3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム
【0262】
【化24】

【0263】
一般手順A1に類似の方法に従って、エチルエーテル(35mL)中のtrans−4−tert−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸(921mg、5.0mmol)にメチルリチウム(エチルエーテル中1.6M、7.1mL、11.4mmol)を添加し、1−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−エタノン(769mg、4.22mmol、84%)を生み出した。水(50mL)で反応混合物の処理して後処理し、有機部分はaqNaHCO、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、粗メチルケトン(769mg)を得た。この粗ケトン生成物は、一般手順B2に類似の方法に従って、ブロミン(0.228mL、4.43mmol)およびMeOH(約10mL)を使用して対応する2−ブロモケトン(525mg、2.01mmol)に変換した。
【0264】
MeOH(約4mL)中の3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.318mmol)は、一般手順Cに類似の方法に従って、60℃で2−ブロモ−1−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−エタノン(2x83mg、2x0.318mmol)で2回処理し(2回目の添加は1回目の後2時間間隔を空ける)、3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]プロピオン酸tert−ブチルエステル(158mg)を得て、それを溶媒の留去、および得られた物質をEtOAcと飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液間で分配する後処理によって単離した。EtOAcによる水性炭酸水素ナトリウム層の抽出(2回)、合わせた有機部分の硫酸ナトリウムによる乾燥、および溶媒の留去により粗物質を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン→19:1酢酸エチル:ヘキサン→9:1酢酸エチル:ヘキサン)を使用して精製した。
【0265】
一般手順G1に類似の方法に従い、1N NaOH(aq)溶液(2mL)、THF(1mL)およびMeOH(1mL)を使用して50℃で上記のエステル生成物(158mg)を加水分解し、水性後処理(溶媒の留去、水中での残渣の溶解、3M HClによるpH5〜6への処理、DCMによる3回の抽出、合わせた有機部分の硫酸ナトリウムによる乾燥、溶媒留去)およびシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液 ヘキサン→4:1酢酸エチル:ヘキサン→1:1酢酸エチル:ヘキサン)の後、3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸(97mg、0.231mmol、73%)を得た。LC−MS m/z:421(M+1)。ナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法に従い、0.105N NaOH(aq)溶液(2.20mL)、THF(約2mL)およびMeOH(約2mL)の溶液を使用し、15分間攪拌することによって、上記の物質から製造された。溶媒の留去、続いてDCMによる処理、留去(3x)、および真空下でのポンピングにより所望するナトリウム塩(表題化合物)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6,ナトリウム塩):δ6.80(d,1H),6.60(d,1H),6.17(s,1H),4.72(s,2H),3.35(t,2H),2.36−2.27(m,4H),2.12(t,2H),2.01(d,2H),1.78(d,2H),1.37−1.22(m,2H),1.11−0.94(m,3H),0.83(s,9H)。
【0266】
実施例8:3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム:
【0267】
【化25】

【0268】
trans−4−tert−ブチル−シクロヘキサンカルボン酸(365mg、2.0mmol)は、一般手順A2に類似し、実施例5に示したものと同様の方法に従って、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(292mg、3.0mmol)、HBTU(1.14g、3.0mmol)、DIEA(1.4mL、8.0mmol)およびメチルマグネシウムブロミド(エチルエーテル中3.0M、1.33mL、4mmol)を使用して、1−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−エタノン(245mg、67%)に変換した。次に2−ブロモ−1−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−エタノン(382mg)は、一般手順B1(および実施例5に示された手順)に類似の方法に従って、三臭化水素酸ピロリドン(701mg、1.41mmol)およびMeOH(約10mL)を使用してこのケトン(245mg、1.35mmol)から製造した。
【0269】
2−ブロモ−1−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−エタノン(72mg、0.277mmol)は、一般手順Cに類似の(および実施例5に見出される手順と同様の)方法に従って、3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.304mmol)のメタノール(約4mL)溶液に添加し、3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(108mg、0.220mmol)を得た。一般手順G1に類似の方法に従い、1N NaOH(aq)溶液(2mL)、THF(1mL)およびMeOH(1mL)を使用したこのエステルの加水分解により、3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸(37mg、0.085mmol)を得た。LC−MS m/z:435(M+1)
【0270】
上記の酸のナトリウム塩(表題化合物)は、一般手順Hに類似の方法に従い、0.105N NaOH(aq)溶液(0.811mL)、THF(2mL)およびMeOH(2mL)を使用して製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d;ナトリウム塩):δ 6.85(d,1H),6.61(d,1H),6.15(s,1H),4.80(s,2H),3.62(t,2H),2.76(q,2H),2.53(t,2H),2.43(m,1H),2.12(d,2H),1.89(d,2H),1.43−1.30(m,2H),1.24(t,3H),1.18−0.95(m,3H),0.89(s,9H)。
【0271】
実施例9:3−[[4−(trans−4−イソプロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム:
表題化合物はエチルエーテル中のtrans−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸(2.0g、11.75mmol)およびMeLi(1.6M、2.28eq、26.8mmol)から出発する連続した反応により合成し、後処理後、メチルケトン(1.91g)が生成された(同様の後処理条件に関して実施例5を参照されたい)。このケトンの一部(1.0g、95mmol)の臭素化は、0℃でMeOH中のブロミン(998mg、6.24mmol)を使用し、続いて室温に温めることによって達成され、粗ブロモケトンは後処理後に単離された(821mg)(同様の後処理条件に関して実施例5を参照されたい)。MeOH中の3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(127mg、0.405mmol)による粗ブロモケトンの一部の60℃での処理、続く後処理(同様の後処理条件に関して実施例5を参照されたい)およびクロマトグラフィー((溶離液:ヘキサン→ヘキサン中2.5%酢酸エチル→ヘキサン中5%酢酸エチル)により、プロピオン酸t−Bu−エステル誘導体(187mg)を得た。実施例5と同様に、aqTHF:MeOH中のNaOH(約100mg)によるこのエステルの加水分解、その後の後処理により、カルボン酸(96mg)を得た。LC−MS m/z:421(M+1)。この酸物質は、実施例5と同様に、0.105N aqNaOHを使用してナトリウム塩(表題化合物)に変換することが可能であった。(400MHz,CDOD,ナトリウム塩):δ6.82(d,1H),6.57(d,1H),6.13(s,1H),4.80(s,2H),3.60(t,2H),2.50(t,2H),2.44(m,1H),2.39(s,3H),2.10(d,2H),1.83(d,2H),1.49−1.27(m,3H),1.19−1.06(m,3H),0.90(d,6H)。
【0272】
実施例10:3−{(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(4−trans−イソプロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸ナトリウム:
実施例9で示されたものと類似の順序で、trans−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸は、ブロモケトン中間体(133mg、0.405mmol)を3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(127mg、0.405mmol)により処理し、エステル中間体(147mg)を得て、この新規エステル生成物を実施例5に示したように加水分解し、後処理後カルボン酸を得ることによって表題化合物に変換した。LC−MS m/z:421(M+1)。(400MHz,CDOD):δ6.84(d,1H),6.60(d,1H),6.13(s,1H),4.81(s,2H),3.61(t,2H),2.76(q,2H),2.50(t,2H),2.44(m,1H),2.10(d,2H),1.83(d,2H),1.49−1.30(m,3H),1.24(t,3H),1.19−1.07(m,3H),0.90(d,6H)。所望するナトリウム塩(表題化合物)は実施例5に記載のものと同じような様式で106mgの酸から生成された。
【0273】
以下の表中の実施例11〜37で示した化合物は上記の実施例9および10に示した反応の順序を使用することにより、同じような様式で作製することができた。出発カルボン酸は市販されていて、以下の表に示されたRの構造を包含した(たとえば、以下の実施例9および10の出発カルボン酸はtrans−4−シクロヘキサンカルボン酸であり、そして実施例11および12の出発カルボン酸はインダンカルボン酸である)。これらの手順においてブロモケトンとのカップリングに使用される適切な出発N,N−二置換−チオウレアは、実施例TU1〜TU5に先に例示された方法によるか、または同様の方法により作製された。以下の表中の化合物名がナトリウム塩として示される場合、これはそのナトリウム塩が酸から製造されたことを示す。
【0274】
【化26】

【0275】
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【表1D】

【0276】
実施例38:3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸ナトリウム
【0277】
【化27】

【0278】
メタノール(5ml)中の1−[4−(trans−4−クロロ−フェニル)−シクロヘキシル]−エタノン(600mg、2.5mmol)の溶液にPd(30mg;活性炭上20%)を添加し、得られた混合物は再密閉可能なガラス加圧−反応容器(マノメーターおよび加圧バルブを備えた)中で、20psiの水素圧下、室温で一晩攪拌した。触媒はCelite(登録商標)パッドを使用して濾取し、Celite(登録商標)はメタノール(約10mL)で洗浄し、その後合わせた濾液は減圧下で留去し、1−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−エタノン(454mg、収率90%)を得た。
【0279】
上記のケトンは、一般手順B1に類似の方法に従って、室温で5時間、メタノール(約5mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(1.2g、2.36mmol)で処理し、溶媒の留去、EtOAcおよび飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液による抽出後処理、有機層の乾燥、減圧下での溶媒の留去後、2−ブロモ−1−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−エタノン(562mg)を生み出した。
【0280】
上記のMeOH(約2mL)中の粗な2−ブロモケトン(100mg、0.35mmol)は、一般手順Cに類似の方法に従って、3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(126mg、0.4mmol)により50℃で1時間処理し、溶媒の留去および精製後、3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステル(40mg)を得た。
【0281】
上記のtert−ブチルプロピオン酸エステル誘導体は、一般手順G1に類似の方法に従って、NaOH(1:2:1:水:MeOH:THF中1.0mmol;1.5mL)で処理し、1N HClによる処理、EtOAcによる抽出後処理および精製後、固体として3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸を得た。LC−MS m/z:441(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.17−7.33(m,5H),6.82(d,1H),6.61(d,1H),6.17(s,1H),4.62(s,2H),3.78(t,2H),2.73(t,2H),2.66(m,1H),2.57(m,1H),2.44(s,3H),2.13−2.20(m,2H),1.96−2.03(m,2H),1.51−1.67(m,4H)。
【0282】
以下の2つの実施例は、先に例示された適切なチオウレア中間体および一般手順C、G1およびHに類似の連続した方法を使用して、2−ブロモ−1−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−エタノン(実施例38を参照されたい)から出発して作製された。
【0283】
【化28】

【0284】
【表2】

【0285】
実施例41:3−[[4−(1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ}−プロピオン酸ナトリウム
【0286】
【化29】

【0287】
4−イソプロピル−シクロヘキサンカルボン酸(1.0g、6.0mmol)は、一般手順Eに類似の方法に従い、HCl−ジオキサン(2mL、4.0M)およびメタノール(10mL)を使用し、室温で一晩攪拌し、その後減圧下で溶媒を留去し、後処理をすることにより、4−イソプロピル−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(1.1g、粗収率99%)に変換した。
【0288】
4−イソプロピル−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(1.1g、6mmol)は、一般手順Fに類似の方法に従い、THF(20mL)中のLDA(9mmol)およびヨードメタン(1.4g、9mmol)を使用して、−78℃〜室温で一晩アルキル化し、異性体の混合物として1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(1.0g、収率78%)を得た。
【0289】
一般手順G2に類似のマイクロ波法に従い、加圧容器中、水性EtOH(1:1;5mL)中のKOH(12.5mmol)を使用してこのエステルを150℃で2時間、加水分解し、溶媒の留去、水性2N HClによる処理、抽出後処理、および溶媒の留去による後処理後に1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキサンカルボン酸(800mg、収率86%)を得た。
【0290】
エチルエーテル(約20mL)中の1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキサンカルボン酸(800mg、4.7mmol)は、一般手順A1に類似の方法に従い、0℃でMeLi(エチルエーテル中5.5mL;8.8mmol)により処理し、室温で一晩攪拌し、水による反応停止、水性抽出後処理、溶媒の留去および粗ケトンの精製の後、対応するメチルケトン(600mg)を生成した。得られたケトン(600mg、3mmol)は、一般手順Bに従い、MeOH(10mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(1.6g、3.3mmol)で処理し、室温で一晩攪拌し、溶媒の留去、EtOAcおよび水性炭酸水素ナトリウムによる抽出後処理、有機部分の乾燥および真空下での溶媒の留去の後、2−ブロモ−1−(1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキシル)−エタノン(600mg、2ステップの全体収率55%)を生み出した。
【0291】
上記の2−ブロモケトン(50mg、0.18mmol)は、一般手順Cに類似の方法に従い、50℃で1時間メタノール(3mL)中の3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(63mg、0.20mmol)で処理し、溶媒の留去、EtOAcおよび水性炭酸水素ナトリウムによる抽出後処理、有機部分の乾燥、真空下での溶媒の除去、および精製の後、3−[[4−(1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステル(40mg、収率45%)を生み出した。
【0292】
上記のtert−ブチルプロピオン酸エステル誘導体(40mg)は、一般手順G1に類似の方法に従い、1:1:1の水:MeOH:THF(1.5mL)中のNaOHを使用して加水分解し、後処理後、cis/trans異性体の混合物として3−[[4−(1−エチル−4−イソプロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ}−プロピオン酸(25mg、収率72%)を生み出した。LC−MS m/z:435(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a6.81(m,1H),6.59(m,1H),6.1−6.15(2s,1H),4.64(m,2H),3.74(m,2H),2.73(m,2H),2.44(s,3H),2.30(m,1H),2.01(m,1H),1.75(m,1H),1.53−1.61(m,2H),1.51(m,1H),1.23−1.30(m,4H),1.00−1.06(m,2H),0.88(m,3H),0.81(m,3H),0.60(m,3H)。この酸のナトリウム塩(表題化合物)は、一般手順Hに類似の方法に従い製造した。
【0293】
以下の表中の化合物は、実施例41に記載されたものと同様の合成経路に従い、一般手順E、F、G2、A1、B1、C、G1およびHに類似の連続した反応方法を使用して製造した。
【0294】
以下の実施例42〜44の生成物のための出発物質として使用されるアルファ−イソブチルシクロペンタンカルボン酸は、THF(25mL)中のLDA(2M、8.9mmol、2.2eq)およびイソブチルヨージド(過剰)を使用して、−78℃〜室温で一晩攪拌することによる、シクロペンタンカルボン酸のメチルエステル(1g、7.8mmol)のアルキル化により生成された。水での反応停止、ブラインによる洗浄、硫酸ナトリウムによる乾燥、および減圧下での濃縮後、抽出後処理(2x50mL EtOAc)により粗アルキル化エステルを得た。加圧容器中、100℃での、MeOH:THF(5mL:5mL)中の6M NaOH(1mL)によるこの物質の加水分解;反応物の濃縮乾固、酸性化、およびシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1 ヘキサン:EtOAc→2:1 ヘキサン:EtOAc)を使用した精製により、所望するアルファ−イソブチルシクロペンタンカルボン酸(650mg)を得て、それを対応するケトンおよびブロモケトン中間体ならびにチオウレア誘導体とのカップリング、および実施例41に例示されたものと同様の他の手順を介して実施例43〜35のチアゾール生成物に変換することが可能であった。
【0295】
以下の実施例45の生成物の出発物質として使用される1−エチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸は、THF(10mL)中のLDA(1.5eq)およびイソブチルヨージド(1.5eq)を使用して、−78℃〜室温で一晩攪拌することによる4−メチルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステル(700mg、4.5mmol)のアルキル化により生成された。水による反応停止後のEtOAcによる抽出後処理、その後の精製により、異性体の混合物としてアルキル化エステル(500mg)を得た。加圧容器中、100℃において、4時間のマイクロ波照射を使用した、EtOH:THF(2mL:1mL)中の過剰な濃縮水性KOHによるこの物質(500mg、2.7mmol)の加水分解、反応物の濃縮乾固、酸性化、EtOAcによる抽出後処理、および精製により、異性体の混合物として所望する1−エチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸(300mg)を得て、それを対応するケトンおよびブロモケトン中間体ならびに適切なチオウレア誘導体とのカップリング、および実施例41に例示されたものと同様の他のその後の手順を介して、実施例46のチアゾール生成物に変換することが可能であった。
【0296】
以下の実施例46〜47の生成物の出発物質として使用される1−メチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸は、LDAアルキル化ステップにおいてアルキル化試薬としてエチルヨージドの代わりにメチルヨージドを使用したこと以外は、1−エチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸の合成に関して上記に示されたものと同じような順序の反応で生成した。
【0297】
同様に、以下の実施例48〜49の生成物の出発物質として使用される1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸は、LDAアルキル化ステップにおいて4−メチルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステルのかわりに4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステルが使用されたこと以外は、1−メチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸の合成に関して上記に示されたものと同様の順序の反応で、異性体の混合物として生成された。このアルキル化物質は、対応するケトンおよびブロモケトン中間体ならびに適切なチオウレア誘導体とのカップリング、および実施例41に例示されたものと同様の他のその後の手順を介して、実施例48および49のチアゾール生成物に変換することが可能であった。
【0298】
同様に、以下の実施例50の生成物の出発物質として使用される1−メチル−4−t−ブチルシクロヘキサンカルボン酸は、LDAアルキル化ステップにおいて4−メチルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステルのかわりに4−t−ブチルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステルを使用したこと以外は、1−メチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸の合成に関して上記に示されたものと同様な順序の反応で、異性体の混合物として生成された。このアルキル化物質は、対応するケトンおよびブロモケトン中間体、ならびに適切なチオウレア誘導体とのカップリング、および実施例41に例示されたものと同様の他のその後の手順を介して、実施例50のチアゾール生成物に変換することが可能であった。
【0299】
同様に、以下の実施例51の生成物の出発物質として使用される1−メチル−4−フェニルシクロヘキサンカルボン酸は、LDAアルキル化ステップにおいて4−メチルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステルのかわりに4−フェニルシクロヘキサンカルボン酸のメチルエステルを使用したこと以外は、1−メチル−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸の合成に関して上記に示されたものと同様な順序の反応で、異性体の混合物として生成された。このアルキル化物質は、対応するケトンおよびブロモケトン中間体ならびに適切なチオウレア誘導体とのカップリング、および実施例41に例示されたものと同様の他のその後の手順を介して、実施例51のチアゾール生成物に変換することができた。以下の表の化合物の名称がナトリウム塩として示される場合、ナトリウム塩が酸から製造されたことを示す。
【0300】
【化30】

【0301】
【表3A】

【表3B】

【0302】
実施例52:3−[[4−(1,4,4−トリメチルーシクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸:
4,4−ジメチルシクロヘキサノンは5ステッププロセスにより1−(1,4,4−トリメチルーシクロヘキシル)−エタノンに変換した。5ステッププロセスは、実施例53に示したものと同様であるが、さらにLDAおよびMeIを使用したアルデヒドアルキル化ステップを含む。THF(100mL)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(1eq、24mmol)およびNaH(1eq、24mmol)から実施例53と同じように生成されたWittig試薬を使用して、4,4−ジメチルシクロヘキサノン由来のエノールエーテル生成物(3.0g、24mmol):(4−メトキシメチレン−1,1−ジメチル−シクロヘキサン)を形成した。
【0303】
このエノールエーテル(2.5g、16mmol)は、室温で20分間、TFA:DCM(10mL、80:20)中で攪拌することにより加水分解し、後処理および単離(真空下での溶媒の留去、水性飽和炭酸水素ナトリウム溶液とEtOAc間への残渣の分配、硫酸ナトリウムによる有機層の乾燥、および減圧下での溶媒の除去を含む)後、対応するアルデヒド(2.0g)を生成した。このアルデヒドの一部(1.0g、1eq)はTFA(15mL)に溶かし、溶液は−78℃に冷やした。LDA(1.5eq)の溶液は混合物にゆっくり添加し、反応物は30分間攪拌し、その後メチルヨージドを添加し、反応物を室温に温め、一晩攪拌した。反応混合物は水に添加し、生成物はEtOAcで抽出した。溶媒の留去により、粗物質を得て、それを精製して1,4,4−トリメチルシクロヘキサンカルボキシアルデヒド(500mg)を得た。このアルキル化アルデヒド(500mg、1eq)はTHFに溶かし、溶液は氷浴で0℃に冷やした。THF中のMeMgBr(1.5eq)溶液を添加し、反応物を一晩かけて室温に戻した。反応物は2N HClで反応を停止し、水性部分はEtOAcで抽出し、乾燥、溶媒の留去、および精製後、メチルカルビノール誘導体(250mg)を得た。
【0304】
DCM(5mL)中のPCC(1.5eq)を使用したこの物質(250mg)の酸化により、所望する1−(1,4,4−トリメチルーシクロヘキシル)−エタノンを得た。さらに、実施例53に開示されたプロセスに類似の様式で、このメチルケトン誘導体(200mg、1eq)はその後MeOH(5mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(1.1eq)により処理し、後処理後2−ブロモケトン誘導体(190mg)を得た。このブロモケトン誘導体(100mg、1eq)はその後、MeOH中(3mL)中の適切なチオウレア誘導体(1.1eq)で処理し、室温での一晩の反応、後処理、およびシリカゲル上でのクロマトグラフィー後、所望するアミノチアゾールプロピオン酸エステル誘導体(60mg)を生み出した。水性THF:MeOH中のNaOHによるt−ブチルエステルの加水分解および酸性後処理後の生成物の精製により、所望する酸(35mg)を得た。LC−MS m/z:407(M+1)。表題化合物のナトリウム塩は、カルボン酸ナトリウム塩を生成するための一般手順Hと同様の方法を使用して得ることが可能であった。
【0305】
実施例53:3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−4−(3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸:
【0306】
【化31】

【0307】
表題化合物は以下の方法により製造した。
【0308】
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(2.7g、8.0mmol)はトルエン中に懸濁し、その後トルエンは真空下で留去して水を除去した。乾燥プロセスをもう1回反復し、その後ホスホニウム塩はTHF(20mL)に懸濁した。懸濁液は0℃に冷やし、その後オイル中のNaH(312mg、6.5mmol;オイル中60%)の懸濁液を添加した。反応物は室温に温め、6時間攪拌して、懸濁した沈殿物を含むオレンジ色の溶液を得た。沈殿物は澄ませ、その後該溶液はTHF中の3,3,5,5,−テトラメチル−シクロヘキサノン(1.0g、6.5mmol)の溶液に添加した。反応物は室温で一晩攪拌し、その後反応を水で停止し、真空下で濃縮した。物質はEtOAcで抽出し、有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒はデカントし、真空下で留去して、粗生成物を得て、シリカゲルクロマトグラフィーを使用してそれを精製し、5−メトキシメチレン−1,1,3,3,−テトラメチル−シクロヘキサン(800mg、収率67%)を得た。このエノールエーテルは、一般手順Lに類似の方法に従って、トリフルオロ酢酸:ジクロロメタン(10mL;8:2)溶液中、20分間、室温で攪拌し、その後真空下で溶媒を留去し、残渣をEtOAcと飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液間に分配し、有機部分を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機部分を乾燥し、そして減圧下で溶媒を留去することにより、3,3,5,5,−テトラメチル−シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(650mg、収率90%)に変換した。
【0309】
粗な3,3,5,5,−テトラメチル−シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(650mg、3.8mmol)は、一般手順Iに類似の方法に従って、0℃で、THF(20mL)中のメチルマグネシウムブロミド(4.5mmol、1.2eq)で処理し、室温に温め、0℃で2N HClにより反応を停止し、生成物をEtOAcで抽出し、真空下で溶媒を留去した後、1−(3,3,5,5,−テトラメチル−シクロヘキシル)−エタノール(400mg)を生み出した。粗物質は精製せずに次のステップで使用した。
【0310】
上記のアルコールは、一般手順Jに類似の方法に従って、DCM(10mL)中のPCC(3.0mmol、1.5mmol)を使用して室温で一晩攪拌し、1−(3,3,5,5,−テトラメチル−シクロヘキシル)−エタノン(250mg)に変換した。Celite(登録商標)を通した濾過、および真空下での濾液の濃縮により、所望するケトンを得た。
【0311】
一般手順B1に類似の方法に従って、室温で一晩、メタノール(5mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(709mg、1.4mmol)によりこのケトン生成物(250mg、1.3mmol)を処理し、溶媒を留去し、残渣をEtOAcと飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液間に分配し、有機部分を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液により洗浄し、有機部分を乾燥し、そして真空下で溶媒を濃縮した後、2−ブロモ−1−(3,3,5,5,−テトラメチル−シクロヘキシル)−エタノン(245mg、収率72%)を得た。この物質は粗な形態で次のステップに使用した。
【0312】
上記の得られた2−ブロモケトンは、一般手順Cに類似の方法に従って、メタノール(3mL)中室温で5時間攪拌することによって、3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(132mg、0.42mmol)と反応させ、溶媒の留去、後処理および精製後、3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−4−(3,3,5,5−テトラメチルーシクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステル(60mg、収率33%)を得た。
【0313】
3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−4−(3,3,5,5−テトラメチルーシクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステル(60mg、0.12mmol)は、一般手順G1に類似の方法に従ってNaOH(2N NaOH:1mL;MeOH:1mL;THF:1mL)で処理し、50℃で3時間加熱し、後処理および精製後、3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−4−(3,3,5,5−テトラメチルーシクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸(25mg)を生み出した。LC−MS m/z:421(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ6.81(d,1H),6.60(d,1H),6.12(s,1H),4.60(s,2H),3.75−3.80(m,2H),2.92(m,1H),2.68−2.73(m,2H),2.44(s,3H),1.73(d,2H),1.27−1.32(m,1H),1.00−1.17(m,3H),1.07(s,6H),0.93(s,6H)。表題化合物のカルボン酸ナトリウム塩は、一般手順Hに類似の方法に従って、この酸から製造することが可能であった。
【0314】
以下の実施例54、55および56に列挙された化合物は共通のシクロヘキサノン前駆体から出発して作られた。以下の実施例54および55の化合物の合成の場合、4,4−ジメチルシクロヘキサノンは4ステッププロセスにより1−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)エタノンに変換した。4−ステッププロセスは実施例53に示されたものと同様であり;Wittig試薬は実施例53と同じように、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドから生成され、THF中のNaHを使用して、4,4−ジメチルシクロヘキサノンから対応するエノールエーテル生成物:(4−メトキシメチレン−1,1−ジメチル−シクロヘキサン)を形成した。このエノールエーテルは、TFA:DCMを使用して加水分解し、対応するアルデヒドを生じた。このアルデヒドはTHF/EtO中のMeMgBrで処理し、メチルカルビノール誘導体を得て、次にそれをDCM中のPCCを使用して酸化し、所望する1−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)エタノンを得た。さらに、実施例53に開示されたプロセスに類似の様式で、このケトンを三臭化水素酸ピロリドンで処理し、2−ブロモケトン誘導体を得て、その後このブロモケトン中間体を適切なMeOH中のチオウレア誘導体で処理し、エステルの加水分解、酸の精製、およびカルボン酸ナトリウム塩の生成後、実施例54および55に示した生成物を生み出した。
【0315】
実施例56に示した化合物の合成の場合、上記の手順に由来するアルデヒド中間体はTHF中のメチルマグネシウムブロミドの代わりにエチルマグネシウムブロミドで処理することにより、エチルカルビノール中間体を生成した。実施例53に示した方法に類似の様式で、この中間体を使用してPCC酸化によりエチルケトンを生成した。エチルケトンはMeOH中の三臭化水素酸ピロリドンで処理し、ブロモケトン誘導体を得て、この物質をMeOH中の適切なチオウレア誘導体と反応させ、エステルの加水分解、酸の精製、およびカルボン酸ナトリウム塩の生成後、生成物を生み出した。以下の表の化合物の名称がナトリウム塩として示される場合、これはナトリウム塩が酸から製造されたことを示す。
【0316】
【化32】

【0317】
【表4】

【0318】
実施例57:3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−4−(オクタヒドロ−インデン−2−イル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸:
【0319】
【化33】

【0320】
一般手順Mに類似の方法に従って、マノメーターおよび加圧バルブを備えた密閉ガラス加圧容器中の少量のPtOの存在下、水素圧(40psi)下でインダン−2−カルボン酸(500mg、3.0mmol)の酢酸溶液を攪拌し、異性体の混合物としてオクタヒドロ−インデン−2−カルボン酸(490mg、収率95%)を生み出した。
【0321】
オクタヒドロ−インデン−2−カルボン酸(490mg、2.92mmol)は、一般手順A1に類似の方法に従って、MeLiで処理し、対応するメチルケトンを生み出した。MeOH中のメチルケトンは、一般手順B1に類似の方法に従って、三臭化水素酸ピロリドンにより処理し、2−ブロモ−1−(オクタヒドロ−インデン−2−イル)−エタノン(600mg、全体の粗収率84%)を生み出した。
【0322】
上記の得られた2−ブロモケトン(150mg、0.61mmol)は、一般手順Cに類似の方法に従って、3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(150mg)で処理し、3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−4−(オクタヒドロ−インデン−2−イル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを生み出した。
【0323】
上記の得られたtert−ブチルプロピオン酸エステル誘導体は、一般手順G1に類似の方法に従って、NaOHを使用して加水分解し、3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(オクタヒドロ−インデン−2−イル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸(75mg)を生み出した。LC−MS m/z:405(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):δ6.81(m,1H),6.60(m,1H),6.15−6.12(2s,1H),4.60(m,2H),3.75(m,2H),3.41−3.10(2m,1H),2.70(m,2H),2.43(2s,3H),2.20−1.20(m,14H)。表題化合物の対応するカルボン酸ナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法に従って製造することが可能であった。
【0324】
以下の表の実施例58および59は、実施例−57に記載の合成手順に類似の方法に従って、上記のオクタヒドロインデン−2−カルボン酸および適切なN,N−二置換チオウレア誘導体から出発して製造された。
【0325】
以下の表の実施例60のメチルケトン出発物質は2ステップでtrans−4−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル−1−エタノン(1g、4.2mmol)から製造された。芳香環の水素添加および付随する芳香族ケトンのアルコールへの還元、ならびに付随する炭素―塩素結合の水素化分解は、ナノメーターおよび加圧バルブを備えた再密閉可能なガラス加圧容器中、水素ガス(H圧=50psi)を使用して達成された。反応物は触媒としてPtO(200mg)を使用して、MeOH:AcOH(1:1;6mL)中、2日間、H圧下で攪拌した。Celite(登録商標)を通した濾過および留去による後処理により粗アルコール生成物(900mg)を得て、それをそのままPCC(6.3mmol、1.5eq)を用いた酸化による対応するケトンの製造に使用し、反応は、室温でモレキュラーシーブ(約100mg)を含むDCM中で一晩攪拌することにより達成された。[4−(シクロヘキシル)−シクロヘキシル]メチルケトン生成物(700mg)は、後処理および不純物を除去するためのシリカゲルカラムを通した濾過後に単離された。
【0326】
この[4−(シクロヘキシル)−シクロヘキシル]メチルケトンの一部(100mg、0.5mmol)は次に50℃で2〜3時間、MeOH(3mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(260mg、1.05eq)と共に加熱することにより臭素化した。2−ブロモケトン中間体(120mg)は後処理後単離し、次のステップの粗物質として使用した。適切なチオウレア誘導体(145mg、0.46mmol、1.1eq)を用いた処理によりアミノチアゾールプロピオン酸エステル中間体(150mg)を得て、その後の加水分解は所望するプロピオン酸(90mg)を生じた。一般手順Hと同様の手順を使用して、対応するカルボン酸ナトリウム塩を製造し、実施例60の化合物を得た。
【0327】
以下の表の化合物の名称がナトリウム塩として示される場合、これはナトリウム塩が酸から製造されたことを示す。
【0328】
【化34】

【0329】
【表5】

【0330】
実施例61:3−[{4−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−チアゾール−2−イル}−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム
【0331】
【化35】

【0332】
(Karamysheva,L.A.,Torgova,S.I.,Agafonova,I.F.,Geivandov,R.K.,Bykova,V.V.,Burylin,P.A.,Journal of Organic Chemistry of the USSR,28(1),n5,pp.736−741(1992)を参照されたい)。
【0333】
シクロヘキセン(82mg、1mmol)のフルオロベンゼン(5mL)溶液に、室温でアセチルクロリド(86mg、1.1mmol)を添加し、その後氷浴中で反応物を冷やした。塩化アルミニウム(150mg、1.1mmol)を該溶液にゆっくり添加し、その後反応物をゆっくり室温に温め、室温で24時間攪拌し、80℃まで1時間加熱した。反応混合物は室温に冷やし、その後氷冷水にゆっくり添加した。混合物は酢酸エチルで抽出し、有機部分は硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルカラムで精製して、約30%の別の未同定物質(176mg)を含む1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−エタノンを得た。
【0334】
上記の不純なケトンは、一般手順B1に類似の方法に従って、メタノール(3mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(262mg、0.84mmol)を使用して臭素化し、約30%の別の未同定物質で汚染された2−ブロモ−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−エタノン(215mg)を得た。この不純なブロモケトンは、一般手順Cに類似の方法に従って、メタノール(3mL)中の3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(248mg、0.79mmol)で処理し、約30%の別の未同定物質を含む3−[{4−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−チアゾール−2−イル}−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルプロピオン酸エステル(220mg)を得た。
【0335】
上記の得られたtert−ブチルプロピオン酸誘導体は、一般手順G1に類似の方法に従って、NaOHにより加水分解し、約30%の別の未同定物質を含む、3−[{4−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−チアゾール−2−イル}−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸(155mg)を得た。LC−MS m/z:459(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a7.67(m,1H),7.56−7.61(m,1H),7.00(m,1H),6.84(d,1H),6.65(s,1H),6.60(m,1H),5.23(s,1H),4.75(s,2H),3.82(t,2H),2.83−2.92(m,1H),2.79(t,2H),2.43(s,3H),1.8−1.92(m,3H),1.7−1.80(m,2H),1.39−1.54(m,4H)。カルボン酸ナトリウム塩(表題化合物)は、一般手順Hに類似の手順を使用して製造し、約30%の別の未同定不純物を含む3−[{4−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−チアゾール−2−イル}−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム(155mg)を得た。
【0336】
実施例62:3−[(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−(4−スピロ[4.5]dec−8−イル−チアゾール−2−イル)−アミノ]−プロピオン酸:
【0337】
【化36】

【0338】
(1−カルボキシメチルーシクロペンチル)−酢酸(1.0g、5.3mmol)の攪拌溶液に、THF中のボラン(20mL,1.0M;20mmol)を添加し、得られた反応混合物は一晩攪拌し、室温に戻した。反応混合物は氷浴で冷やし、メタノール(約5mL)を滴下して加え、反応を停止した。溶媒は減圧下で留去し、残渣は水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチル(約50mL;1:1)間に分配した。有機相はNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮してシリカゲルベッドを通して濾過し、溶媒の留去後に2−[1−(2−ヒドロキシエチル−エチル)−シクロペンチル]−エタノール(800mg)を得た。
【0339】
氷浴中の上記のジオール(800mg、5.0mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液にPBr(3.0g、11mmol)を窒素下で滴下して加えた。反応物はゆっくり室温に温め、その後約15時間還流した。反応の進行はTLCによりモニターした。反応物は氷浴で冷やし、冷水性炭酸水素ナトリウムを添加した。2つの層を分け、水性相はジクロロメタンで1回抽出した。合わせた有機層はNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮してシリカゲルベッドを通して濾過(溶離液:ヘキサン:EtOAc、1:1)し、ビス−ブロミド(1.3g)を得た。
【0340】
3−オキソ−酪酸エチルエステル(0.06mL,0.5mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、氷浴中、窒素下でNaH(60mg、1.5mmol、3.0eq)のオイル懸濁液を添加した。反応物は0℃で20分間攪拌し、その後上記のビス−ブロミド(200mg、0.7mmol)をゆっくり添加した。反応物はゆっくり室温に温め、その後2時間60〜70℃に加熱した。反応混合物は室温まで冷やし、ゆっくり水を添加した。混合物は酢酸エチル(2x約15mL)で抽出した。合わせた有機相は水、その後ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して1−スピロ[4.5]dec−8−イル−エタノン(120mg)を得た。
【0341】
1−スピロ[4.5]dec−8−イル−エタノン(120mg、0.66mmol)は、一般手順B1に類似の方法に従って、メタノール(3mL)中の三臭化水素酸ピロリドン(360mg、0.72mmol)で処理し、2−ブロモ−1−スピロ[4.5]dec−8−イル−エタノン(120mg)を生み出した。このブロモケトンはそれ以上精製せずに使用した。それを、一般手順Cに類似の方法に従って、3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(158mg、0.5mmol)で処理し、後処理および精製後、3−[(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−(4−スピロ[4.5]dec−8−イル−チアゾール−2−イル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(30mg)を得た。
【0342】
一般手順G1に類似の方法に従って、上記の得られたプロピオン酸エステル誘導体(30mg、0.06mmol)をNaOH(1mLのMeOH:THF::1:1に添加された2.0Nの水性溶液0.5mL)で加水分解し、3−[(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−(4−スピロ[4.5]dec−8−イル−チアゾール−2−イル)−アミノ]−プロピオン酸(10mg)を得た。LC−MS m/z:419(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a6.80(d,1H),6.59(d,1H),6.11(s,1H),4.60(s,2H),3.75(t,2H),2.71(t,2H),2.51(m,1H),2.43(s,3H),1.80−1.86(m,2H),1.20−1.64(m,14H)。対応する表題化合物のカルボン酸ナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法に従って製造することが可能であった。
【0343】
実施例63:3−[(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−(4−スピロ[5.5]undec−3−イル−チアゾール−2−イル)−アミノ]−プロピオン酸:
【0344】
【化37】

【0345】
2−ブロモ−1−スピロ[4.5]dec−8−イル−エタノンの製造に関する実施例62に記載のものと同様の順序の手順に従って、(1−カルボキシメチルーシクロペンチル)―酢酸を2−ブロモ−1−スピロ[5.5]undec−3−イル−エタノンに変換した。
【0346】
MeOH(2mL)中の2−ブロモ−1−スピロ[5.5]undec−3−イル−エタノン(200mg、0.7mmol)は、一般手順Cに類似の方法に従って、3−[1−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(250mg、0.8mmol)で処理し、後処理および精製後、3−[(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−(4−スピロ[5.5]undec−3−イル−チアゾール−2−イル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(45mg)を生み出した。このプロピオン酸エステル誘導体(45mg、0.09mmol)は、一般手順G1に類似の方法に従って、NaOH(1mLの1:1::MeOH:THF中の2.0Nの水性溶液0.5mL)を使用して加水分解し、後処理後、3−[(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−(4−スピロ[5.5]undec−3−イル−チアゾール−2−イル)−アミノ]−プロピオン酸(15mg、収率33%)を得た。LC−MS m/z:433(M+1)H NMR(400MHz,CDCl):a6.80(d,1H),6.59(d,1H),6.11(s,1H),4.60(s,2H),3.75(t,2H),2.71(t,2H),2.51(m,1H),2.43(s,3H),1.82(m,2H),1.71(m,2H),1.50(m,2H),1.3−1.5(m,7H),1.27-1.13(m,5H)。表題化合物のナトリウム塩は一般手順Hに類似の方法に従って表題化合物から製造することが可能であった。
【0347】
実施例64:3−[[4−(4,4−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸:
【0348】
【化38】

【0349】
4,4−ジメチル−シクロヘキサノン(500mg、4.0mmol)を含むトルエン(5mL)溶液に、メチル(トリフェニルホスホルアニリデン)酢酸(2.0g、6.0mmol)を添加し、反応物を60〜70℃で48時間加熱した。反応はTLCでモニターした。反応物は室温に冷やし、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、真空下で濃縮し、粗生成物はシリカゲルカラムで精製し、(4,4−ジメチル−シクロヘキシリデン)−酢酸メチルエステル(100mg、収率14%)を得た。
【0350】
酢酸エチル−メタノール(0.8mL、1:1)の混合物中の上記のアルケン(100mg、0.54mmol)の攪拌溶液に、Pd−C(10mg、活性炭素上20%)を添加し、得られた混合物を水素圧(50psi)下で、マノメーターおよび加圧バルブを備えた再密閉可能なガラス加圧容器中で2時間攪拌した。触媒はCelite(登録商標)パッドを使用して濾取し、Celite(登録商標)パッドは酢酸エチル−メタノール混合物(1:1、約10mL))で洗浄した。合わせた濾液は減圧下で濃縮し、所望する(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−酢酸メチルエステル(80mg)を得た。
【0351】
一般手順G1に類似の方法に従って、NaOHにより(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−酢酸メチルエステル(80mg、0.43mmol)を加水分解し、精製後、(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−酢酸(70mg、収率95%)を得た。この酸(70mg)は、一般手順A1に類似の方法に従ってエチルエーテル中のMeLiを使用して1−(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−プロパン−2−オン(60.0mg、収率89%))に変換した。一般手順B1に類似の方法に従って、上記のケトンを三臭化水素酸ピロリドン(190mg、0.38mmol)で処理し、1−ブロモ−3−(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−プロパン−2−オン(70mg)を得た。
【0352】
上記の得られた2−ブロモケトンは、一般手順Cに類似の方法に従って、メタノール(3mL)中の3−[1−(5−エチル−チオフェン−2−イルメチル)−チオウレイド]−プロピオン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.3mmol)で処理し、3−[[4−(4,4−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステルを生み出し、それをシリカゲルクロマトグラフィーで精製した(40mg)。
【0353】
上記のtert−ブチルプロピオン酸エステル誘導体は、一般手順G1に類似の方法に従って、NaOHで処理し、後処理後、3−[[4−(4,4−ジメチル−シクロヘキシルメチル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸(20mg)を生み出した。H NMR(400MHz,CDCl):δ6.81(d,1H),6.60(d,1H),6.12(s,1H),4.61(s,2H),3.75(t,2H),2.70(t,2H),2.46(d,2H),2.44(s,3H),1.50−1.65(m,2H),1.32−1.37(m,2H),1.25−1.32(m,1H),1.12−1.22(m,4H),0.88(s,3H),0.86(s,3H)。表題化合物のナトリウム塩は、一般手順Hに類似の方法に従って製造することが可能であった。
【0354】
比較化合物
実施例1〜64以外の化合物は以下の生物学的アッセイにおいて参照される。これらの参照化合物は以下に列挙され、上記に記載のものと同様の方法によるか、またはPCT国際公開第WO/2005/103022号に記載の方法により製造されてもよい。
【0355】
参照化合物A:3−{[4−(4−イソプロピル−フェニル)−チアゾール−2−イル]−チオフェン−2−イルメチル−アミノ}−プロピオン酸ナトリウム
【0356】
【化39】

【0357】
参照化合物B:3−[(4−ビフェニル−4−イル−チアゾール−2−イル)−チオフェン−2−イルメチルアミノ]−プロピオン酸ナトリウム
【0358】
【化40】

【0359】
参照化合物C:3−({4−[4−trans−4−メチル−シクロヘキシル)−フェニル]−チアゾール−2−イル}−チオフェン−2−イルメチル−アミノ)−プロピオン酸ナトリウム
【0360】
【化41】

【0361】
参照化合物D:3−[[4−trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム
【0362】
【化42】

【0363】
参照化合物E:3−[[4−trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム
【0364】
【化43】

【0365】
参照化合物F:3−[[4−(4−(ピロリジン−1−イル)−フェニル)−チアゾール−2−イル]−(5−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸ナトリウム
【0366】
【化44】

【0367】
生物学的アッセイ
以下の方法は、メラノコルチン受容体へのAgRPの結合を機能的に調整する式(I)の化合物の能力を測定するために使用してもよい技術を例証する。とりわけ、以下のアッセイは、アルファーMSHのようなMC−4Rアゴニストの存在下でMC−4RへのAgRPの結合を機能的に調整する、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩の能力を測定する。
【0368】
細胞培養および維持
ヒトMC−4R受容体を安定に発現するHEK293細胞は、4500mgグルコース/L、L−グルタミン、NaHCO、ピリドキシンHCl、10mM HEPES(pH7.4)、0.1mM NEAA(非必須アミノ酸培地)(GIBCO Cat#11140−050)、10%ウシ胎児血清および700μg/mL G418を含む、高グルコースDulbecco改変Eagle培地(DMEM)で培養した。細胞は、37℃で、COを含み、湿度をコントロールしたT−225フラスコ中で培養した。
【0369】
アッセイの日に、細胞はカルシウムおよびマグネシウムを含まないリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、細胞がフラスコから剥がれるまで、10mL PBSでインキュベーションした。剥がれた細胞は240gで5分間遠心分離した。細胞ペレットはアッセイバッファー(10mM HEPES、pH4.5、0.5mM IBMXおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche、1コンプリートタブレット/75mLバッファー)を補足したEarle平衡塩類溶液(Sigma E3024)に再懸濁した。
【0370】
AgRP活性に対する化合物の阻害効果または増強効果は、試験化合物、AgRP83−132(ヒト,Phoenix Pharma,cat no.003−53)、MC−4Rを発現している細胞、およびαMSH(Bachem,cat no.H−1075)を含むマルチコンポーネントアッセイにおいて測定した。試験化合物、AgRPおよびαMSHはアッセイバッファーで希釈した。試験化合物およびAgRPは最終濃度の4倍に混合し、室温で30分間インキュベーションした。5μLの試験化合物/AgRP溶液および10μLの細胞(20,000細胞/ウェル)は384−ウェル反応プレートのそれぞれのウェルに添加し、その後5μlのαMSHを添加した。細胞は37℃でさらに30分間、αMSHにより刺激した。
【0371】
細胞の刺激は溶解バッファーの添加によって停止し、細胞を溶解した。cAMPの細胞内濃度は、限定しないが、蛍光分極法(FP)および時間分解蛍光法(TRF)を含む当業者に公知の種々の技術によって測定されてもよい。
【0372】
実施例1〜64の化合物はAgRPとMC−4Rとの機能的相互作用を阻害する。阻害はMC−4R媒介cAMP産生の増加によって示した。そのような化合物は、アッセイにおいて、5μM未満の50%有効濃度(EC50)を有する。特定の実施例の具体的なEC50に関しては、以下の表を参照されたい。
【0373】
対照アッセイ1
対照実験では、細胞に対する試験化合物の直接効果(基礎活性として表す)がAgRPおよびαMSHの非存在下で測定されてもよい。手短に述べると、アッセイバッファー中の10μlの試験化合物および同じバッファー中の10μlの細胞(20,000細胞/ウェル)は、384−ウェル反応プレートのそれぞれのウェルに添加し、37℃で30分間インキュベーションしてもよい。反応は、溶解バッファーの添加によって停止し、細胞を溶解し、そして細胞内cAMP濃度を測定する。1以上の関連する化合物の対照アッセイに基づき、実施例1〜64の化合物は、そのような条件下でMC−4Rを発現する細胞のcAMP産生を誘発することに対して最低限の活性を示すことが予想される。
【0374】
対照アッセイ2
また、αMSH活性に対する試験化合物の増強効果が測定されてもよい。アッセイバッファー中の5μLの試験化合物は、10μLの細胞(20,000細胞/ウェル)と混合し、37℃で15分間インキュベーションした後、5μlのαMSH溶液を添加してもよい。細胞は、37℃でさらに30分間、αMSHの最大下濃度で刺激される。反応は溶解バッファーの添加によって停止し、細胞を溶解し、そして細胞内cAMP濃度を測定する。1以上の関連する化合物の対照アッセイに基づき、実施例1〜64の化合物は、そのような条件下でMC−4Rを発現する細胞のαMSH誘発cAMP産生に対して最低限の活性を示すことが予想される。
【0375】
表1
【0376】
【表6A】

【表6B】

【表6C】

【0377】
肝ミクロソームにおける安定性
種々の化合物は、ヒト、サル、イヌ、ラット、およびマウス肝ミクロソームにおけるそれらの安定性に関して試験された。リン酸バッファー中、NADPH−溶液の存在下、37℃、pH7.4で60分間、ヒト、サル、イヌ、ラット、またはマウス肝ミクロソーム(0.5mgタンパク質/mL)のいずれかと化合物を1μMの最終濃度でインキュベーションした。インキュベーションはデュプリケートで実施した。反応はメタノールの添加により停止した。インキュベーション溶液をボルテックスで攪拌し、96−ウェルプレートに移した。プレートは密閉し、およそ3500rpmで、およそ10分間遠心分離した。遠心分離後、プレートは96−ウェルプレートオートサンプラーに置き、LC/MSにより分析した。値は1時間後に残っている化合物の百分率として報告される。表2はミクロソーム安定性に関してスクリーニングされた実施例1〜64の化合物を列挙する。表2に列挙されていない実施例1〜64の化合物は試験されなかった。表3はミクロソーム安定性に関してスクリーニングされた付加的な化合物を列挙する。
【0378】
表2.肝ミクロソームにおける安定性(1時間インキュベーション後に残存する割合:%)
【0379】
【表7】

【0380】
表3.肝ミクロソームにおける安定性(1時間インキュベーション後に残存する割合:%)
【0381】
【表8】

【0382】
薬物動態学
ラットにおける薬物動態学的スクリーニングが種々の化合物に対して実施され、2時間の時点で脳対血漿比が測定された。一部の化合物ではラットにおける24時間薬物動態学的研究を実施し、血漿および脳におけるAUCを測定した(表7を参照されたい)。薬物動態学プロトコールのパラメータは以下の通りであった。
【0383】
化合物の量:5mg/kg
種:ラット;系統:Sprague Dawley;性:雄
食餌状態(status):一晩絶食
それぞれの時点の動物数(n):2
投与法:経口(PO)
製剤:蒸留水中0.1%CMC、0.25%Tween80
それぞれの製剤は、シリンジに付けた強制飼養針(18G−3、Brain Tree Scientific,INC,USA)を使用して、経口強制飼養により1回投与した。投薬容量はすべての動物に対して5mL/kgであった。それぞれの動物に投与する実際の容量は、極最近の体重に基づいて計算し、調節した。
【0384】
血液試料(およそ300μL全血)は、最終血液試料以外は、尾静脈を介してそれぞれの動物から集めた。最終血液試料は心臓穿刺を介して集めた。すべての試料はリチウムヘパリン(Multivette 600 LH−Gel,Sarstedt,Newton,NC,USA)を含む試験管に集めた。回収後、(最大30分間)、または5000g、7分間の冷蔵(2〜8℃において)下での遠心分離まで、試験管は冷蔵庫に入れた。次にそれぞれの採取した血漿試料は96−ウェルプレート血漿試料マップに従って96−ウェルプレート上の1.2mLポリエチレンチューブに移し、フリーザーに保管した。血漿試料はその後試験物質に関して分析した。
【0385】
脳試料は、指示された時点でラットを致死させた後ただちに集めた。脳試料は生理食塩水ですすぎ、ブロットにより乾燥し、重量を測定した。脳試料は別個の容器に入れ、フリーザー(−20℃)に保存した。脳試料はその後試験項目に関して分析した。
【0386】
分析後、すべての血漿の結果はng/mLとして報告し、脳試料の結果はng/gとして報告する。
【0387】
表4および5は実施例1〜64、および薬物動態学的特性に関してスクリーニングした実施例A、B、Cの化合物を列挙する。表4に列挙されない実施例1〜64の化合物は試験されなかった。AUCデータの場合、+は5,000hng/g未満の値を表し、++は10,000〜5,000hng/g間の値を表し、+++は20,000〜10,000hng/g間の値を表し、そして++++は20,000hng/gより多い値を表す。略語n.d.は測定されなかったことを意味する。
【0388】
表4.薬物動態学データ
【0389】
【表9】

【0390】
表5.薬物動態学データ
【0391】
【表10】

【0392】
上記の態様1に記載のように、態様1の化合物の特徴は、−N−CH−基を通してコアチアゾール基の2−位に連結した置換チオフェン環と組み合わせて、コアチアゾール環の4−位に直接付くか、または−CH−基を通して連結する飽和炭素環である。
【0393】
先に述べたように、実施例1〜64の化合物のそれぞれは、マルチコンポーネントファンクショナルアッセイにおいて5マイクロモル未満のEC50を有する。その上、態様1のサブグループは、約600ナノモル、またはそれ未満の著しく低いEC50を有する。表1を参照されたい。
【0394】
態様1のサブグループの別の特性は、ヒト、サル、イヌ、ラット、およびマウス肝ミクロソームにおけるミクロソーム安定性である。たとえば、実施例7、8、9、25、38、および60の化合物はそれぞれ、試験した種のそれぞれにおいて1時間後に少なくとも50%の化合物が残存する。種々の種における実施例A、D、E、およびFの安定性を比較されたい。表2および3を参照されたい。
【0395】
態様1のサブグループの別の特性は、すべての種にわたり50%より大きいミクロソーム安定性および600ナノモル未満のEC50を有することに加え、2時間後の1500ng/gより高い脳濃度、および2時間後の3.0未満の血漿対脳濃度比である。たとえば、実施例7、9,および38の化合物それぞれは2時間後に1400ng/gより高い脳濃度、および2時間後の3.0未満の血漿対脳濃度比を有する。実施例2、3、4、5、6、8、25、26、39、42、46、47、48、および58、ならびに実施例AおよびCの脳濃度を比較されたい。
【0396】
性行動
亜慢性投与計画
1群につき8匹のラットはケタミン/キシラジン麻酔下で卵巣を切除(OVX)した。次にOVXラットは性的に活発な繁殖用雄との性行動の5種の基準試験48時間前に安息香酸エストラジオール(10マイクログラム)を、試験4時間前にプロゲステロン(500マイクログラム)を投与された。試験は30分間継続し、4日間隔で実施した。すべての雌は通常の割合の欲求および完了性行動を示した。この基準試験相の後、雌はエストロゲン単独基準相に移り、その間それらは性的に活発な雄との性行動の試験48時間前に、安息香酸エストラジオール(10マイクログラム)を投与された。これらの試験は14日間隔で実施され、欲求反応(たとえば、誘惑(solicitation)、ジャンプ(hop)および突進(dart))が低い割合であることを保証した。2番目の試験後、雌は、生理食塩水対照、2服用量の実施例7のアンタゴニスト(10および30mg/kg、PO)、およびメラノタンII(MT−II)(1mg/kg、SC)を使用した陽性対照の4群に無作為に割り当てた。生理食塩水対照と実施例7は試験前5日間毎日強制飼養した。MT−II対照は試験5分前に短時間で注射した。試験はビデオに記録し、動物がどの薬物を投与されたかを知らされない技官によって採点された。行動は一元配置分散分析(one−way ANOVA)に供した。それぞれの有意な効果に対して、Turkey法を使用した手段に対して事後試験が実施された、P<0.05。
【0397】
実施例7(30mg/kg/日)は、OVXラットにおける亜慢性投与計画後の誘惑の平均数を生理食塩水に比較して6倍、そしてMT−IIに比較して2倍増した。実施例7(30mg/kg/日)は、OVXラットにおける亜慢性投与計画後の高強度脊柱前彎の平均頻度を生理食塩水に比較して3.5倍、そしてMT−IIに比較して3.2倍増した。
【0398】
給餌研究
27匹の成体雄Sprague Dawleyラット(Charles River Laboratories)に、右側脳室カニューレを埋め込み、1週間回復に供した。1週間後、動物は食物摂取と体重を調和させた4群:水強制飼養−icv生理食塩水(n=6);実施例7強制飼養−icv生理食塩水(n=7);水強制飼養−icv AgRP(n=7);実施例7強制飼養−icv AgRP(n=7)の4群に無作為に分けた。水または実施例7(30mg/kg)は、経口強制飼養、続いて生理食塩水か、または0.2nmolヒトAgRP83−132のいずれかのicv注射によって投与した。AgRPは生理食塩水群に比較した食物摂取および体重増加を次の24時間にわたり刺激した。AgRPのこれらの効果は共に実施例7の注射投与によって遮断された。水+icv生理食塩水に比較し、実施例7+icv生理食塩水は食物摂取および体重増加に対して有意な効果を示さなかった。
【0399】
2日目に、実施例7の第2服用量(30mg/kg)または水が経口強制飼養によって投与された。3日目に、3回目で最終回の経口強制飼養により水または実施例7(30mg/kg)、続いて生理食塩水または0.2nmolヒトAgRP83−132のいずれかがicv注射によって投与された。食物摂取および体重は、毎日モニターし、動物は5日目に致死させた。全期間にわたる累積的体重増加はicv AGRP+HO後に有意に高く(30グラムより多い)、そしてこの増加は実施例7の投与によって減じられ、その結果体重増加は約15グラム未満になった。
【0400】
本発明はそのある種の態様に関して記載され、例証されているが、当業者は種々の変更、改変および置換が、本発明の意図および範囲から逸脱することなく行われうることを理解するであろう。たとえば、本明細書で説明された投薬量以外の有効な投薬量が、メラノコルチン受容体−媒介疾患に関して処置されている動物の反応性の変動の結果として妥当であってもよい。同様に、観察される特有の薬理学的反応が、選択された特定の活性化合物、または存在するかどうかにかかわらず、薬剤的キャリア、ならびに製剤の型および使用される投与様式に従って、およびそれらに依存して変化してもよく、そして結果におけるそのような予想される変動または相違は、本発明の目的および実施と一致して企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中、
nは1、2または3に等しく;
は:
【化2】

からなる群から選択され;
ここで、
は−C1〜4アルキルおよび−L−C1〜4アルキルからなる群から選択され、ここでLは−S−、および−SO−からなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでR、R、およびRにおけるアルキル基は、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;
は直接結合または−CH−からなる群から選択され、
は:
【化3】

【化4】

からなる群から選択され、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19はRからなる群から独立して選択され、そしてここで
13およびR14は一緒になって、基−[C(R50)(R51)]−(ここで、pは3または4である)となり、R13およびR14が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
または
14およびR15は一緒になって、基−[C(R50)(R51)]−(ここで、qが4または5である)となり、R14およびR15が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
または
13およびR19は一緒になって、基−[C(R50)(R51)]−(ここで、rは1または2である)となり、R13およびR19が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
ここでそれぞれのR50およびR51はRからなる群から独立して選択され、
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、およびR28はRからなる群から独立して選択され、そしてここで、
24およびR25は一緒になって、基−[C(R54)(R55)]−(ここで、pは3または4である)となり、R24およびR25が付く炭素原子に結合したシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成してもよく、
ここでR54およびR55のそれぞれはRからなる群から独立して選択され、
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、およびR48はRからなる群から独立して選択され;
は水素、メチルからなる群から選択され、ここでメチル基はハロゲン基からなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;
ここで
は−水素、−ハロゲン、−C1〜6アルキル、−フェニル、シクロアルキル、および−O−C1〜6アルキルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロアルキル、およびフェニル基は、Rから独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく;
は、ハロゲン、−C1〜6アルキル、および−ハロ−C1〜4アルキルからなる群から選択される)または薬剤的に許容なその塩。
【請求項2】
nは2であり;そして
は:
【化5】

であり;
ここで、
は−C1〜4アルキルおよび−L−C1〜4アルキルからなる群から選択され、ここでLは−S−、および−SO−から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
ここでR、R、およびRにおけるアルキル基は、フルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項3】
およびRが水素であり、そしてRがメチルである、請求項2に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項4】
は直接結合であり;そして
は:
【化6】

であり、
ここで
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19はRからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項5】
、R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19が水素であり、そしてR14およびR15がRからなる群から独立して選択され、ここでR14およびR15の中の少なくとも1つは水素ではない、請求項4に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項6】
14が水素であり、そして
15が−ハロゲン、−C1〜6アルキル、−フェニル、−C5−6シクロアルキル、および−O−C1〜6アルキルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロアルキル、およびフェニル基は、Rから独立して選択される基で1回以上置換されていてもよい、請求項5に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項7】
15が−メチル、−エチル、―プロピル、−イソプロピル、および−tert−ブチルからなる群から選択される、請求項6に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項8】
nは2であり;
は:
【化7】

であり;
ここで
はメチルであり;
およびRは水素であり;
は直接結合であり;そして
は:
【化8】

であり、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R14、R16、R17、R18およびR19は水素であり、そしてR15は−メチル、−エチル、―プロピル、−イソプロピル、および−tert−ブチルからなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項9】
nは2であり;
は:
【化9】

からなる群から選択され;
ここで、
は−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素および−C1〜4アルキルからなる群から選択され;
は直接結合であり;
は:
【化10】

であり、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R16、R17、R18およびR19は水素であり;
14およびR15はRからなる群から独立して選択され、
ここでR14およびR15の少なくとも1つは水素でなく;
は水素であり、
ここで
は−水素、−C1〜6アルキル、−フェニル、および−シクロヘキシルからなる群から選択され、
ここでアルキル、シクロアルキル、およびフェニル基はRから独立して選択される1以上の置換基により置換されていてもよく、そして
は−C1〜6アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項10】
nは2であり;
は:
【化11】

であり;
ここで、
はエチルおよびメチルからなる群から選択され、
およびRは水素であり;
は直接結合であり;
は:
【化12】

であり、
ここで、
、R10、R11、R12、R13、R14、R16、R17、R18およびR19は水素であり;
15はtert−ブチル、イソプロピル、およびフェニルからなる群から選択され;
そして
は水素である、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項11】
がメチルである、請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項12】
3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[[4−(4−イソプロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(4−トリフルオロメチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸;
3−[[4−(4−エチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(4−プロピル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオン酸;
3−[[4−(4,4−ジフルオロ−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[[4−(4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[[4−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[[4−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−{(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−[4−(trans−4−フェニル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−アミノ}−プロピオネート;
3−[[4−(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[(4−ビシクロヘキシル−4−イル−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸;および
3−[{4−[4−(4−フルオロ−フェニル)−シクロヘキシル]−チアゾール−2−イル}−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸からなる群から選択される、式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項13】
3−[[4−(trans−4−tert−ブチル−シクロヘキシル)−チアゾール−2−イル]−(5−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン酸からなる群から選択される請求項1に記載の化合物または薬剤的に許容なその塩。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物または薬剤的に許容なその塩および薬剤的に許容なキャリア、賦形剤、希釈剤、またはその混合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む、肥満関連障害の処置の方法。
【請求項16】
治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む障害の処置の方法であって、該障害が女性性機能障害、および男性性機能障害からなる群から選択される、前記方法。
【請求項17】
治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物または薬剤的に許容なその塩を対象に投与することを含む処置の方法であって、該化合物が対象の体重減少を誘発する、体重増加を停止する、または体重増加の速度を低下させるために十分な量で投与される、前記方法。

【公表番号】特表2012−501334(P2012−501334A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525147(P2011−525147)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/054920
【国際公開番号】WO2010/025142
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(502031821)トランス テック ファーマ,インコーポレイテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】TRANSTECH PHARMA,INC.
【住所又は居所原語表記】4170 Mendenhall Oaks Parkway,Suite 110 High Point,NC 27265 U.S.A.
【Fターム(参考)】