説明

置換ホスホネートおよびアミロイド凝集体の減少におけるその使用

本発明は、アミロイド凝集体を改善するのに使用する、特にアルツハイマー病の治療において使用するための新規および公知の置換ホスホネートに関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロイド凝集体を減少させるのに使用する、特にアルツハイマー病(AD)の治療において使用するための、新規および公知の置換ホスホネートに関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイドーシスに関連する疾患としては、例えば、アルツハイマー病、2型糖尿病、ハンチントン病およびパーキンソン病が挙げられる。これらの疾患は、異常なアミロイド沈着物が罹患臓器で見られるという共通の特徴を有する。特にADは、典型的に脳実質における老人斑および脳血管におけるアミロイドーシスとして見出される、異常なアミロイド沈着物を示す。A[β]、42残基ペプチドはこれらの斑の主成分である。今日まで、A[β]沈着物の原因はわかっていないが、これらの疾患の治療の成功はこれらの沈着物の阻止から起こる可能性がある。アミロイド形成の調節に至る様々な化合物が報告されているが、これまでのところ、治療として使用できる化合物はない。そのような化合物に関する報告の例は、アミノカルボキシレート、例えばDP-109 J-Y Lee, JE Friedman, I Angel, A Kozak, J-Y Koh, Neurobiology of Aging, 2004, 25, 1315-1321(非特許文献1)およびWO9916741(特許文献1)、デスフェリオキサミン DFO(DR Crapper Maclachlan, AJ Dalton, TPA Kruck, MY Bell, WL Smith W Kalow, DF Andrews Lancet, 1991,337,1304(非特許文献2))、クリオキノール、CC Curtain, KJ Barnham and AI Bush, Curr. Med. Chem.-Immun., Endoc. & Metab. Agents, 2003, 3, 309-315(非特許文献3), US2006074104(特許文献2);N-チアゾリルアミド、FR2865206(特許文献3);ホスホノカルボキシレート US2006135479(特許文献4);アミン化合物:US2004077867(特許文献5)、ベンゾチエピン誘導体 US2002128308(特許文献6);コハク酸エステル US2006281692(特許文献7)、ベンゾエートおよびベンズアミド化合物 US2006167108(特許文献8);二環および三環式ピリジン誘導体 WO9825930(特許文献9);ピラゾリルピリミジン WO03080609(特許文献10)に関係する。
【0003】
1つの可能性のある薬物クリオキノールは、斑形成を逆転させることが示されている。クリオキノールは亜鉛および銅をインビトロでキレート化する。銅および亜鉛はAD患者の脳中のβ-アミロイド斑において特に高い濃度を有する。
【0004】
クリオキノールは抗生物質および抗真菌剤としてFDAによって承認されたが、30年以上も前に、ビタミンB-12の損失を含む副作用のために市場から回収された。クリオキノールをビタミンB-12と共に使用した臨床試験が実施され、この薬物がアルツハイマー病の治療に有用であり、前に見られた副作用がないかどうかについて決定された。別の副作用としては、長期使用による目の障害、神経障害および感覚損失が挙げられた。クリオキノール(これらの試験においてはPTB1として公知)の最初の臨床試験は、最終段階に到達し、この時に、PTB1製造過程は、許容されるレベルまで除去することができない変異原性不純物を含んでいることが発見された。このように、PTB1試験は中断された。PBT2として公知の後続の化合物が開発され、これは現在第1相臨床試験を終えたが、この結果はわかっていない。
【0005】
このように、ADなどの疾患においてアミロイド斑を減少させるが、上記薬物の臨床試験で見られた副作用がない手段が依然として必要である。さらに、認知障害に関して現在の治療を改善するだけでなく、副作用を減少させる改善された治療に対する明確な必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO9916741
【特許文献2】US2006074104
【特許文献3】FR2865206
【特許文献4】US2006135479
【特許文献5】US2004077867
【特許文献6】US2002128308
【特許文献7】US2006281692
【特許文献8】US2006167108
【特許文献9】WO9825930
【特許文献10】WO03080609
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J-Y Lee, JE Friedman, I Angel, A Kozak, J-Y Koh, Neurobiology of Aging, 2004, 25, 1315-1321
【非特許文献2】DR Crapper Maclachlan, AJ Dalton, TPA Kruck, MY Bell, WL Smith W Kalow, DF Andrews Lancet, 1991,337,1304
【非特許文献3】CC Curtain, KJ Barnham and AI Bush, Curr. Med. Chem.-Immun., Endoc. & Metab. Agents, 2003, 3, 309-315
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明は、PCT公開番号WO2004/101579において蛍光ホスホネートとして記載されている、一般式Iの新規および公知の化合物、ならびにアミロイドーシスに関連する疾患の医学的治療のための一般式Iのこれらの新規および公知の化合物の調製および使用、ならびにそのような化合物を含む組成物を提供する。
【0009】
本発明は、置換ホスホネートがアミロイド凝集体、アミロイドを発現する細胞系におけるアミロイド負荷、およびアミロイド斑の脱凝集を促進し、脳実質の亜鉛を減少させ、そのため、これらの化合物はアミロイドーシスに関連し、亜鉛に関連する疾患状態に対する治療を提供する可能性があることを示す証拠に基づくものである。
【0010】
本発明の第1の局面では、医療において使用するための一般式Iの化合物が提供される。そのような化合物は、アミロイド沈着物の脱凝集において有用であることが示されている。

【0011】
本発明で使用するための特定の化合物の例を下記表1で一覧にする。新規化合物4、5a、6、7a、8、8a、14および10もまた提供する。
【0012】
(表1)


式中、Rは水素または置換もしくは非置換直鎖あるいは分枝C1〜40アルキル、アリールもしくはヘテロアリールであり、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルであり;Eは置換または非置換直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、アリールあるいはヘテロアリール、または水素であり、ここで、XはO、S、またはNR1であり、またはEがアリールもしくはヘテロアリールである場合、Xはアリールもしくはヘテロアリール環と一体になっている(integral to)Nとすることができ;ここで、R1は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキル、C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニル、またはC2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニル基、アリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であり、ここで、AおよびBは独立して、OR2、SR2、NR3R4であり、ここで、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキル、C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニル、またはC2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニル基、アリールまたはC1〜40アルキルアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリール基、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40 NR5R6末端アルキル鎖であり、好ましくはC1〜20 NR5R6末端アルキル鎖であり、より好ましくはC1〜12 NR5R6末端アルキル鎖であり、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6 NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルであり;式中、mnは1〜8の整数であり;式中、Dは水素または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキル、C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニル、またはC2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニル基、アリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基、または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルNR5R6鎖、好ましくはC1〜20アルキルNR5R6鎖、より好ましくはC1〜12アルキルNR5R6鎖、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルNR5R6鎖、または直鎖もしくは分枝C1〜40モノあるいはジアルキルエステル、好ましくはC1〜20モノあるいはジアルキルエステル、より好ましくはC1〜12モノあるいはジアルキルエステル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6モノあるいはジアルキルエステル、C1〜40アルキルホスホネート、好ましくはC1〜20アルキルホスホネート、より好ましくはC1〜12アルキルホスホネート、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルホスホネート、または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルホスホン酸、好ましくはC1〜20アルキルホスホン酸、より好ましくはC1〜12アルキルホスホン酸、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルホスホン酸であり、YおよびZはO、S、またはNR1である。R7およびR8は1つまたは複数の環状置換基を示し、これは、水素、ハロゲン化物、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキル、C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニル、またはC2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニル基、アリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、アミド、スルホンアミド、C1〜6アルキルアルコキシ、C1〜6アルキルアミノ基、OR2、SR3、NR3R4とすることができ、ここで、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキル、C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニル、またはC2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニル基、アリールまたはC1〜40アルキルアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリール基である。
【0013】
別の態様では、式Iは下記として表すことができる:

式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝置換あるいは非置換C1〜40アルキルであり;XはO、SまたはNであり、これはアリールもしくはヘテロアリール環またはNR1と一体になっている可能性があり、ここで、R1は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、またはC2〜40アルキニル、またはアリール、ヘテロアリール、またはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルへテロアリールであり;AおよびBのうちの1つまたは両方は、OR2、SR3、NR3、R4であり、ここで、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリールまたは任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルであり;mは1〜8の整数であり;式中、Dは水素または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールまたは直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルNR5R6鎖、または直鎖もしくは分枝C1〜40モノあるいはジアルキルエステル、C1〜40アルキルホスホネート、または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルホスホン酸である。
【0014】
本発明との関連で、C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルは、1〜40の炭素原子を有する直鎖、分枝または環状炭化水素鎖を示す。C1〜40アルキル、好ましくはC1〜20アルキル、より好ましくはC1〜12アルキル、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキル基は、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、アリール、ヘテロアリール、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、C1〜6アルコキシ、ジC1〜40アルキルホスホネート、C1〜40アルキルホスホネート、ホスホン酸、アミノ、アミノC1〜40アルキルまたはアミノジ(C1〜40アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。例としては、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、n-デシル、n-ドデシル、シクロヘキシル、オクチル、イソ-オクチル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソ-オクタデシル、およびドコシルが挙げられる。C1〜12アルキル基は1〜12の炭素原子を有する。
【0015】
本発明との関連で、C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニルは、1〜40の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖、分枝または環状炭化水素鎖を示す。C2〜40アルケニル、好ましくはC2〜20アルケニル、より好ましくはC2〜12アルケニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルケニル基は、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、アルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、C1〜6アルコキシ、ジC1〜40アルキルホスホネート、C1〜40アルキルホスホネート、ホスホン酸、アミノ、アミノC1〜40アルキルまたはアミノジ(C1〜40アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。例としては、エテニル、2-プロペニル、シクロヘキセニル、オクテニル、イソ-オクテニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、イソ-オクタデセニルおよびドコセニルが挙げられる。
【0016】
本発明との関連で、C2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニルは、1〜40の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖、分枝または環状炭化水素鎖を示す。C2〜40アルキニル、好ましくはC2〜20アルキニル、より好ましくはC2〜12アルキニル、最も好ましくはC2〜6、すなわち、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキニル基は、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、C1〜6アルコキシ、ジC1〜40アルキルホスホネート、C1〜40アルキルホスホネート、ホスホン酸、アミノ、アミノC1〜40アルキルまたはアミノジ(C1〜40アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。例としては、エチニル、2-プロピニル、オクチニル、イソ-オクチニル、ヘキサデシニル、オクタデシニル、イソ-オクタデシニルおよびドコシニルが挙げられる。
【0017】
C1〜6アルコキシは1〜6の炭素原子を有し、酸素原子に付着された直鎖または分枝炭化水素鎖を示す。例としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシおよびn-ブトキシが挙げられる。
【0018】
アリールという用語は、芳香族特性を有する5または6員環、8〜10員の二環系もしくは10〜14員の三環系基または10までの縮合多環芳香環系を示し、1つまたは複数のヘテロ原子、例えば、N、O、またはSを有する系を含む。アリール基はニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、アルキル、アルコキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、C1〜6アルコキシ、ジC1〜40アルキルホスホネート、C1〜40アルキルホスホネート、ホスホン酸、アミノ、アミノC1〜40アルキルまたはアミノジ(C1〜40アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基により置換されてもよい。
【0019】
本明細書で使用されるように、ヘテロアリールは少なくとも1つのヘテロ原子(環構造を形成する、炭素でない原子)を含む芳香族基であり、任意で単環、二環、三環、四環、五環、六環構造または縮合2-、3-、4-、5-、6-、7-もしくは8-環構造である。例としては、ピロリル、ピリジル、チエニル、フラニル、オキサゾリル、イソアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリル、ベンゾフラニル、インドリル、カルバゾリル、クマリンおよびベンゾクマリンが挙げられる。ヘテロアリール基は、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、アルキル、アルコキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、C1〜6アルコキシ、ジC1〜40アルキルホスホネート、C1〜40アルキルホスホネート、ホスホン酸、アミノ、アミノC1〜40アルキルまたはアミノジ(C1〜40アルキル)から選択される1つまた複数の置換基により置換されてもよい。そのような置換基は典型的には、スペクトル特性、親和性、選択性、溶解度またはこれらの因子の任意の組みあわせを変更するために使用される。
【0020】
C1〜40アルキルアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリール基は、アリール基に結合された1〜40の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素鎖を示す。C1〜40アルキルアリール、好ましくはC1〜20アルキルアリール、より好ましくはC1〜12アルキルアリール、最も好ましくはC1〜6、すなわち、C1、C2、C3、C4、C5もしくはC6アルキルアリール基は、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、C1〜6アルコキシ、ジC1〜40アルキルホスホネート、C1〜40アルキルホスホネート、ホスホン酸、アミノ、アミノC1〜40アルキルまたはアミノジ(C1〜40アルキル)から選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。例としては、ベンジル、フェニルエチルおよびピリジルメチルが挙げられる。C1〜8アルキルアリール基では、アルキル鎖は1〜8の炭素原子を有する。
【0021】
RおよびDがそれぞれ独立して水素であり、Xが酸素かまたは窒素のいずれかで、硫黄に付着された水素を有し、ならびにAおよびBがOR9であり、ここで、R9が水素、C1〜6アルキルまたは任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nでである化合物;ならびに、Rが水素であり、Xが酸素かまたは窒素のいずれかであり、Aがアルキルアリール基であり、Bが公知のアリールまたはヘテロアリールフルオロフォアであり、AおよびBがOR2であり、ここで、R2が水素、C1〜6アルキルまたは任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nである化合物がとりわけ好ましい。
【0022】
第1の局面の好ましい態様では、化合物は、式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IhまたはIkからなる群より選択される1つまたは複数である。より好ましくは、化合物は化合物1、8、8a、10、11、15、21、23、26および27からなる群より選択される1つまたは複数である。
【0023】
第1の局面の化合物は、インビトロまたはインビボでアミロイド凝集体を減少させるのに使用され得る。このことは、アミロイドペプチドの凝集体が本発明の化合物により分散されるか、または脱凝集される可能性があることを意味する。このように、凝集体のサイズ、数および/または密度が低減される。
【0024】
第1の局面の別の態様は、アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための本発明の化合物を提供する。そのような疾患はアルツハイマー病、2型糖尿病、ハンチントン病、パーキンソン病などであってよい。最も特定的には、本発明の化合物を、アルツハイマー病を治療するために使用してもよい。
【0025】
アミロイド沈着は、アミロイド斑としても公知の、アミロイド凝集体の蓄積を意味する。本発明の化合物は、疾患を有する被験体において斑のサイズ、密度および/または数を低減させることによりそのような疾患を治療し得る。
【0026】
本発明の第2の局面は、アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための薬剤の製造における一般式Iの化合物の使用を提供する。そのような疾患は、好ましくは、アルツハイマー病である。
【0027】
第2の局面の好ましい態様では、化合物は式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、およびIkからなる群より選択される。より好ましくは、化合物は化合物1〜28および4a〜9aからなる群より選択される1つまたは複数である。最も好ましくは、化合物は化合物1、8、8a、10、11、15、21、23、26および27からなる群より選択される1つまたは複数である。
【0028】
第3の局面として、本発明は式Iの新規化合物を提供する。具体的には、そのような化合物は、表1で規定される化合物4、5a、6、7a、8、8a、14および10である。
【0029】
本発明は、医療において、およびアミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療で用いるための薬剤の製造において使用するためのこれらの新規化合物を提供する。そのような疾患はアルツハイマー病であってもよい。化合物はアミロイド凝集体をインビトロまたはインビボで減少させるのに使用されてもよい。
【0030】
本発明はまた、一般式Iの化合物を含む組成物、およびアミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための薬剤の製造における組成物を提供する。
【0031】
本発明による薬剤は、薬学的に許容される担体を普通は含む、無菌の薬学的組成物の一部として通常供給される。この薬学的組成物は任意の適した形態であってもよい(被験体に投与する所望の方法に依存する)。
【0032】
それは単位投与剤形(unit dosage form)で提供されてもよく、一般的に密閉容器内で提供され、キットの一部として提供されてもよい。そのようなキットは普通(必ずしもそうではないが)使用説明書を含む。複数の単位投与剤形を含んでもよい。
【0033】
薬学的組成物は、任意の適切な経路、例えば、経口(頬側および舌下を含む)、局所(頬側、舌下または経皮を含む)、または非経口(皮下、筋内、静脈内または皮内を含む)経路による投与に適合させてもよい。そのような組成物は薬学の分野で公知の任意の方法により、例えば活性成分を担体または賦形剤と無菌条件下で混合することにより、調製してもよい。
【0034】
経口投与に適合した薬学的組成物は、カプセル剤または錠剤などの個別の単位として;散剤または粒剤として;液剤、シロップ剤または懸濁剤として(水性もしくは非水性液中;または食用の泡沫もしくはホイップとして;または乳剤として)提供されてもよい。
【0035】
錠剤または硬ゼラチンカプセル剤のための適した賦形剤としては、ラクトース、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、ステアリン酸またはその塩が挙げられる。軟ゼラチンカプセル剤で使用するための適した賦形剤としては、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体または液体のポリオールなどが挙げられる。
【0036】
液剤およびシロップ剤の調製に関しては、使用してもよい賦形剤として、例えば、水、ポリオールおよび糖が挙げられる。懸濁剤の調製のためには、油(例えば、植物油)を使用して水中油型または油中水型の懸濁剤を提供してもよい。
【0037】
経皮投与に適合した薬学的組成物は、長期間レシピエントの表皮と密接に接着したまま維持されることを目的とする個別のパッチとして提供されてもよい。例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research, 3(6):318(1986)に一般的に記載されているイオン泳動によりパッチから送達されてもよい。
【0038】
局所投与に適合した薬学的組成物は、軟膏、クリーム、懸濁剤、ローション、散剤、液剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として製剤化されてもよい。目または他の外部組織、例えば口および皮膚の感染に関しては、組成物は好ましくは局所軟膏またはクリームとして適用される。軟膏形態で製剤化される場合、活性成分はパラフィン軟膏基剤または水混和性軟膏基剤のいずれかと共に使用されてもよい。また、活性成分は水中油型のクリーム基剤または油中水型の基剤と共にクリーム形態で製剤化されてもよい。
【0039】
目への局所投与に適合した薬学的組成物としては点眼剤が挙げられ、この場合、活性成分が、適した担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁される。
【0040】
非経口投与に適合した薬学的組成物としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を対象となるレシピエントの血液と実質的に等張にする溶質を含んでもよい、水性および非水性の無菌注射液;ならびに、懸濁化剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性の無菌懸濁剤が挙げられる。注射液のために使用してもよい賦形剤としては、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリンおよび植物油が挙げられる。組成物は、単位用量または複数用量の容器、例えば、密閉アンプル中およびバイアル中で提供されてもよく、使用直前に、無菌液体担体(sterile liquid carried)、例えば注射用水を添加することのみが必要とされるフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存されてもよい。即時調合用(extemporaneous)の注射液および懸濁剤は、無菌の散剤、粒剤および錠剤から調製されてもよい。
【0041】
薬学的組成物は、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、着臭剤、塩(本発明の物質はそれ自体、薬学的に許容される塩の形態で提供されてもよい)、緩衝剤、コーティング剤または酸化防止剤を含んでもよい。薬学的組成物はまた、本発明の物質の他に治療的活性剤を含んでもよい。
【0042】
本発明の物質の用量は、治療される疾患または障害、治療される個体の状態、などに応じて広範囲で変動してもよく、使用すべき適切な用量を獣医が最終的に決定する。投与は必要に応じた頻度で繰り返してもよい。副作用が現れた場合、通常の臨床診療にしたがい、投与の量および/または頻度を低減させてもよい。
【0043】
各局面の全ての好ましい特徴は、必要な変更を加えて、他の全ての局面に当てはまる。
【0044】
本発明について、以下、下記の非制限的な実施例により、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】クリオキノールを用いたβ-アミロイドペプチド凝集体の脱凝集を示す。
【図2】化合物15を用いたβ-アミロイドペプチド凝集体の脱凝集を示す。
【図3】化合物1を用いたβ-アミロイドペプチド凝集体の脱凝集を示す。
【図4】化合物11を用いたβ-アミロイドペプチド凝集体の脱凝集を示す。
【図5】化合物混合物Tを用いたβ-アミロイドペプチド凝集体の脱凝集を示す。
【図6】毒性を決定するためにクリオキノールを用いたL929非神経細胞系生存率を示す。
【図7】毒性を決定するために化合物15を用いたL929非神経細胞系生存率を示す。1μMの第一化合物全てに対し、H4細胞生存およびアミロイド蓄積(2〜3回の別個の実験の平均値として表す)を示す。
【図8】ニュートラルレッドを使用した、化合物11を用いたヒト神経芽細胞腫細胞系H4細胞生存率を示す。
【図9】ニュートラルレッドを使用した、化合物1を用いたヒト神経芽細胞腫細胞系H4細胞生存率を示す。
【図10】化合物1に対するヒト神経芽細胞腫細胞系細胞生存率/生存およびアミロイド蓄積データを示す。
【図11】化合物11に対するヒト神経芽細胞腫細胞系細胞生存率/生存およびアミロイド蓄積データを示す。
【図12】化合物Tに対するヒト神経芽細胞腫細胞系細胞生存率/生存およびアミロイド蓄積データを示す。
【図13】化合物21に対するヒト神経芽細胞腫細胞系細胞生存率/生存およびアミロイド蓄積データを示す。
【図14】化合物11、27、21、Tおよびクリオキノールと共にインキュベートした後のヒト神経芽細胞腫細胞系H4細胞におけるアミロイドの細胞内分布を示す。
【図15】化合物27の自然蛍光および化合物27が存在しない場合のアミロイド標識化を示す。
【図16】一次感覚神経に対する化合物1、10、11、T、21、22およびクリオキノールの効果を示す。
【図17】対照、化合物1および化合物11への暴露後の一次感覚神経の画像を示す。
【図18】化合物11、T、21、1およびクリオキノールへの暴露後の脳実質の自動金属組織学的像を示す。
【図19】化合物11、T、21およびクリオキノールを用いた後処置後の脳組織の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
実施例
化合物は、インビトロで亜鉛により促進されるアミロイド沈着物の蓄積の脱凝集を促進し、H4細胞モデルにおいてアミロイド負荷を減少させる。化合物は、明白な細胞毒性またはインビトロ毒性を示さず、APP/Tauトランスジェニックマウスにおいて斑負荷を減少させる。実質における亜鉛負荷は処置されたCD1アルビノ雄マウスにおいて減少する。証拠の中心は、これらの化合物がアミロイドまたは亜鉛に基づく病態を有する神経変性疾患状態における有効な治療薬となる可能性があるという主張を支持する。
【0047】
化合物合成
WO2004/101579で前に記載されているように、下記化合物を合成し、DMSOまたはエタノールに溶解した1mM保存液中で保存した。
ジエチル7-オキソメチルホスホネート-4-メチルクマリン(化合物1)
エチル7-オキシメチルホスホン酸-4-メチルクマリン(化合物2)
4-メチル-7-オキシメチルホスホン酸クマリン(化合物3)
ジエチル5-インドリルオキシメチルホスホネート(化合物11)
対応するホスホン酸(δP(109.7MHz、DMSO)16.2)は記載されているように得られる。
ジエチル4-(2-ベンゾキサゾリル)フェノキシメチルホスホネート(化合物12)
ジエチル2-(2-ベンゾキサゾリル)フェノキシメチルホスホネート(化合物13)
対応するホスホン酸δP(109.3MHz、DMSO)15.06は記載されているように得られる。
ジエチル8-キノリルオキシメチルホスホネート(化合物15)
二ナトリウム8-キノリルオキシメチルホスホネート(化合物16)
ジエチル-2-カルバゾリルオキシメチルホスホネート(化合物17)
2-カルバゾリルオキシメチルホスホン酸(化合物18)
ジエチルN-カルバゾリルメチルホスホネート(化合物19)
二ナトリウムN-カルバゾリルメチルホスホネート(化合物20)
ジエチル(9-アントラシル)-N-ブチルアミンメチルホスホネート(化合物21)
ジエチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-チロシルメチルエステルメチルホスホネート(化合物22)
ジエチル(9-アントラシル)-N-ベンジルアミンメチルホスホネート(化合物23)
ジエチル(9-アントラシル)-N-ブチルアミンメチルホスホネート(化合物24)
ジエチル4-アセトアミドフェノキシメチルホスホネート(化合物25)
ジエチルN-アクリドニルオキシメチルホスホネート(化合物26)
化合物27および28は、26に対し記載した様式で、フルオレセインおよびヒドロキシピラゾール試薬から得てもよい。
【0048】
新規化合物
実施例1(化合物4)
ジエチル2-オキソ-ベンゾキサゾリル-3-メチルホスホン酸ジエチルエステル
ジメチルスルホキシド(15ml)に溶解した2-ヒドロキシ-ベンゾキサゾール(2.7g、20mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%、0.83g、21mmol、ヘキサンで洗浄)に添加し、最初の反応が消失した後、1時間窒素下で撹拌させた。ジメチルスルホキシド(30ml)に溶解したジエチル4-クロロフェニルスルホニルオキシメチルホスホネート(7.2g、21mmol)を添加し、溶液を96時間室温で撹拌させた。反応混合物を水(50ml)に注ぎ入れ、その後、酢酸エチル(2×75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油を、石油エーテル:酢酸エチル(7:3)続いて5%のメタノールを含む酢酸エチル:石油エーテル(8:2)を用いて、シリカゲルカラムに通した。油(4.1g);観察された高解像度質量スペクトル:

対応するホスホン酸(δP14.8)はWO2004/101579において記載されているように得られる。
【0049】
実施例2(化合物5a)
ジエチル2-ベンゾキサゾリルチオメチルホスホネート
ジメチルスルホキシド(15ml)に溶解した2-メルカプトベンゾキサゾール(3.02g、20mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%、0.83g、21mmol、ヘキサンで洗浄)に添加し、最初の反応が消失した後、1時間窒素下で撹拌させた。ジメチルスルホキシド(30ml)に溶解したジエチル4-クロロフェニルスルホニルオキシメチルホスホネート(7.2g、21mmol)を添加し、溶液を96時間室温で撹拌させた。反応混合物を水(50ml)に注ぎ入れ、その後、酢酸エチル(2×75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油を、最初に、石油エーテル:酢酸エチル(7:3)続いて5%のメタノールを含む酢酸エチル:石油エーテル(8:2)を用いて、シリカゲルカラムに通した。第2の溶離から得られた画分を合わせ、さらに、石油エーテル:酢酸エチル8:2を用いてカラムクロマトグラフィーに供すると、ジエチル(2-ベンゾキサゾリル)チオメチルホスホネートが油として得られた(2.5g、40%)。観察された高解像度質量スペクトル:

対応するホスホン酸(δP19.31)はWO2004/101579において記載されているように得られる。
【0050】
実施例3(化合物6)
ジエチル2-オキソ-ベンズチアゾリル-3-メチルホスホン酸ジエチルエステル
ジメチルスルホキシド(15ml)に溶解した2-ヒドロキシベンズチアゾール(3.0g、20mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%、0.83g、21mmol、ヘキサンで洗浄)に添加し、最初の反応が消失した後、1時間窒素下で撹拌させた。ジメチルスルホキシド(30ml)に溶解したジエチル4-クロロフェニルスルホニルオキシメチルホスホネート(7.2g、21mmol)を添加し、黄色の溶液を96時間室温で撹拌させた。反応混合物を水(50ml)に注ぎ入れ、その後、酢酸エチル(2×75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油を、シリカゲルカラムに通し、最初に、石油エーテル:酢酸エチル(7:3)を用いて微量の開始材料を溶離し、続いて酢酸エチル:石油エーテル(9:1)、最後に10% MeOHの酢酸エチル溶液を用いると、ジエチル2-ベンズチアゾリルオキシメチルホスホネートが油として得られた(2.5g、42%)。観察された高解像度質量スペクトル:

対応するホスホン酸δP(109.3MHz、DMSO)14.87はWO2004/101579において記載されているように得られる。
【0051】
実施例4(化合物7a)
ジエチル2-ベンズチアゾリル-チオメチルホスホネート
ジメチルスルホキシド(15ml)に溶解した2-メルカプトベンズチアゾール(3.35g、20mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%、0.83g、21mmol、ヘキサンで洗浄)に添加し、最初の反応が消失した後、1時間窒素下で撹拌させた。ジメチルスルホキシド(30ml)に溶解したジエチル4-クロロフェニルスルホニルオキシメチルホスホネート(7.2g、21mmol)を添加し、溶液を96時間室温で撹拌させた。反応混合物を水(50ml)に注ぎ入れ、その後、酢酸エチル(2×75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油を、シリカゲルカラムに通し、最初に、石油エーテル:酢酸エチル(6:4)を用いて微量の開始材料を溶離し、続いて10%のメタノールを含む酢酸エチル(8:2)を用い生成物を溶離すると、ジエチル2-ベンズチアゾリルチオメチルホスホネートが油として得られた(4.3g、68%)。観察された高解像度質量スペクトル:

【0052】
2-ベンズチアゾリルチオメチルホスホン酸
窒素雰囲気下の無水ジクロロメタン(3.3ml)に溶解したジエチル2-ベンズチアゾリルチオメチルホスホネート(0.2g、0.63mmol)の撹拌溶液に、トリメチルシリルヨージド(0.36ml)を添加した。赤色溶液を2時間撹拌し、その後、メタノール(5.1ml)を添加した。2時間後、溶媒を減圧下で除去し、その後、水(20ml)を残渣に添加した。混合物を減圧下で濃縮した。水(2ml)を添加し、混合物を減圧下で濃縮した。これを4度繰り返した。最終的に残渣を水で、続いてアセトンで洗浄すると、2-ベンズチアゾリルチオメチルホスホン酸が得られた。

【0053】
実施例5
2-ヒドロキシベンズイミダゾールのホスホノメチル化
ジメチルスルホキシド(15ml)に溶解した2-ヒドロキシベンズイミダゾール(2.68g、20mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%、0.83g、21mmol、ヘキサンで洗浄)に添加し、最初の反応が消失した後、1時間窒素下で撹拌させた。ジメチルスルホキシド(30ml)に溶解したジエチル4-クロロフェニルスルホニルオキシメチルホスホネート(7.2g、21mmol)を添加し、溶液を96時間室温で撹拌させた。反応混合物を水(50ml)に注ぎ入れ、その後、酢酸エチル(2×75ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油を、最初に、石油エーテル:酢酸エチル(1:1)を用い、続いて酢酸エチル:石油エーテル(9:1)、最後に5%のメタノールを含む、酢酸エチル:石油エーテル(9:1)を用いシリカゲルカラムに通した。下記化合物8、8aおよび10が得られた:
2-オキソ-ベンズイミダゾリル-3-ジメチルホスホン酸ジエチルエステル(化合物8)
観察された質量スペクトル(CI):

構造は単結晶XRDにより確認した。
2-オキソ-ベンズイミダゾリル-3,3’-ビス-メチルホスホン酸ジエチルエステル(化合物10)
観察された高解像度質量スペクトル:

ジエチル2-ベンズイミダゾリルオキシメチルホスホネート(化合物8a)

2-ヒドロキシベンズイミダゾールを水素化ナトリウムの代わりに炭酸カリウムで処理することを除き、上記と同様の反応から単離。
【0054】
実施例6(化合物14)
ジエチル2-(2-ベンズチアゾリル)フェノキシメチルホスホネート
ジメチルスルホキシド(15ml)に溶解した2-(2-ベンズチアゾリル)フェノール(4.54g、20mmol)を、窒素下で撹拌しながら、水素化ナトリウム(60%、0.83g、21mmol、ヘキサンで洗浄)に滴下した。80℃でさらに1時間撹拌した後、ジメチルスルホキシド(30ml)に溶解したジエチル4-クロロフェニルスルホニルオキシメチルホスホネート(7.2g、21mmol)を添加し、溶液を80℃でさらに96時間撹拌させた。反応混合物を水(50ml)で処理し、その後、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、その後乾燥させた。溶媒を蒸発させると油状固体が残り、これをシリカからの溶離で、最初に、石油エーテル:酢酸エチル(4:6)を用い微量の開始材料を除去し、次に石油エーテル:酢酸エチル(3:7)、最後に酢酸エチルを用いると、ジエチル2-(2-ベンゾキサゾリル)フェノキシメチルホスホネートが油として得られた:

観察された高解像度質量スペクトル:

【0055】
2-(2-ベンズチアゾリル)フェノキシメチルホスホン酸
窒素雰囲気下の無水ジクロロメタン(2.7ml)に溶解したジエチル2-(2-ベンズチアゾリル)フェノキシメチルホスホネート(0.2g、0.53mmol)の撹拌溶液に、トリメチルシリルヨージド(0.31ml)を添加した。赤色溶液を2時間撹拌し、その後、メタノール(4.3ml)を添加した。2時間後、溶媒を減圧下で除去し、その後、水(3.5ml)を残渣に添加した。混合物を減圧下で濃縮した。水(2ml)を添加し、混合物を減圧下で濃縮した。これを4度繰り返した。最終的に残渣を水で、続いてアセトンで洗浄すると、2-(2-ベンズチアゾリル)フェノキシメチルホスホン酸が得られた。

【0056】
本発明による化合物の生物活性
化合物試験レジメン
実施例7
β-アミロイドペプチドをZnの存在下、インビトロで凝集させ、凝集体の形成を置換ホスホネートの存在下、または無しで評価した。凝集に対する効果を評価するために使用した方法は、文献(Klug et al., 2003;Qahwash et al., 2003)に前に記載された、比濁アッセイ法に基づいた。Aβ1-40(25μM)を48時間、亜鉛(100μM)の存在下、または亜鉛無しでインキュベートした。置換ホスホネート(1μM)をインキュベーションの開始時に添加した。試験はマルチウェル培養プレートにおいて実施し、インキュベーション中プレートを穏やかに振盪させた。48時間後、吸光度を405nmでELISAプレートリーダーを用いて測定した。クリオキノール(1μM)を基準化合物として使用した。
【0057】
ADなどのアミロイドパチー関連疾患状態の治療のために提案された化合物は、治療可能性の第1の指標として、インビトロで亜鉛または銅凝集アミロイドを脱凝集させる能力を有する。比濁法に基づくアプローチ(図1〜5)、および基準化合物としてクリオキノール(1μM)を用いると、Znの存在下での凝集の平均阻止%として表される実質的な脱凝集が、図1〜5において示される置換ホスホネート、ならびにエチルエステル誘導体ではなくその二ナトリウムホスホネート誘導体形態の、表に示されたいくつかの他のホスホネートに対して見られた。
【0058】
実施例8
置換ホスホネートの潜在的な毒性の最初の評価を、非神経細胞系で、テトラゾリウム塩(MTT)比色分析を用い、Mossman(1983)により記載された方法に基づき実施したが、これはミトコンドリア活性および細胞の完全性を反映するものである。MTT[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド]アッセイは、生細胞由来のミトコンドリアデヒドロゲナーゼ酵素が淡黄色MTTのテトラゾリウム環を開裂させ、細胞膜を横切ることができない暗青色のホルマザン結晶を形成することができることに基づく。界面活性剤の添加により細胞を可溶化すると結晶が遊離する。生存細胞の数は生成したホルマザン生成物のレベルに正比例する。L929不死化線維芽細胞系を使用して、細胞をマルチウェル培養プレートに播種し、増加する濃度の金属-キレート化化合物(0.3nM〜1μM)に30分間、4時間および24時間暴露させた。その後、MTT(1mg/ml)を添加した後2時間インキュベートし、吸光度を570nmで読み取った。対照ウェルを、エタノールまたはDMSOが、実験で使用された最も高い濃度で(置換ホスホネートの1μMに対応する)添加された、培地の存在下で、または培地無しでインキュベートした。基準化合物クリオキノール(0.3nM〜1μM)の毒性を同じ条件下で、比較のために評価した。
【0059】
インビトロ治療のために提案された化合物は、明確な毒性を示すべきではない。
【0060】
置換ホスホネートの毒性の最初の評価を、非神経細胞系で、テトラゾリウム塩(MTT)比色分析を用い、Mossman(1983)により記載された方法に基づき実施したが、これはミトコンドリア活性および細胞の完全性を反映するものである(図6および7)。基準化合物クリオキノール(0.3nM〜1μM)の毒性を同じ条件下で、比較のために評価した。
【0061】
MTTアッセイ法を用いた細胞生存率の分析から、使用した条件下では、クリオキノールもスクリーニングした置換ホスホネートのいずれも、広範囲にわたる濃度の化合物に最大24時間まで暴露された後の細胞生存率において反映されているように、毒性を示さないことが示されている。
【0062】
実施例9
H4細胞(ヒト神経芽細胞腫細胞系)を使用して、置換ホスホネートのアミロイド蓄積を妨害する能力を試験した。パラレル96ウェルプレートはまた、H4細胞を用いて設定し、細胞生存に対する化合物の効果を評価した。クリオキノールを基準化合物として使用した。試験した化合物はすべて、成長培地中下記濃度で構成させた:1μM、2μMおよび10μM。化合物は最初、48時間にわたり、化合物の単回投与または2回投与のいずれかを用いて試験した。これは、再び、化合物の単回投与または化合物の反復毎日投与のいずれかを用いて、5日期間まで延長した。
【0063】
細胞生存
細胞生存に対しては、2つの細胞生存率/毒性アッセイ法を使用した:MTT(上記)に基づくアッセイ法およびニュートラルレッド(NR)の使用に基づくアッセイ法。
【0064】
培養期間の終わりに、MTTアッセイ法を、線維芽細胞系に対する上記標準プロトコルを用いて実施し、吸光度をマイクロプレートリーダー上で読み取った。
【0065】
ニュートラルレッド(NR)細胞毒性アッセイ手順もまた、細胞生存/生存率を測定する。この手順は、細胞の、超生体染料であるNRを組み入れる能力、およびこれに結合する能力に基づく。細胞表面または感受性リソソーム膜の変化はリソソーム脆弱性を引き起こし、結果的に、細胞がNR染料に結合することができなくなる。NRアッセイ法をMTT細胞毒性アッセイ法と比較した。どちらのアッセイ法でも同等のデータが得られたが、NRアッセイ法による最適密度値がMTTアッセイ法により得られたものの約2倍であったので、これにより、本発明者らはより高感度の試験が得られ、分析のために必要とされる細胞がより少なくなった。化合物がリソソームに直接効果を有さないこと、またはミトコンドリア酵素を阻害しないことを確認することもでき、これは、それぞれ、NRアッセイ法対MTTアッセイ法においてより大きな毒性となっただろう。
【0066】
細胞を増殖させ、所望の密度に到達した時点で、リン酸緩衝生理食塩水ですすぎ、NR含有培地(40μg/ml)200μlを各ウェルに添加し、細胞を染料と3時間インキュベートした。NR培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)200μlで洗浄した。酢酸/エタノール混合物(氷酢酸1mlを含む50%エタノール100ml)200μlを使用してNRを15分間室温で脱着させた。プレートをその後、振盪機上に60rpmで30分間置き、均一な溶液を形成させた。吸光度を540nmでマイクロプレートリーダーにおいて、ブランクを基準として使用して測定した。
【0067】
アミロイド蓄積
アミロイド蓄積のために、細胞を氷冷メタノールで3分間固定し、その後、PBSで3度、3分洗浄した。6E10抗体(Abcam 1:5,000)を添加し、細胞を48時間4℃でインキュベートした。一次抗体を除去し、細胞をPBSで3度、3分洗浄し、二次抗体(抗マウスHRP 1:4,000)を2時間添加した。これを除去し、細胞を3度、3分洗浄した。その後、細胞をOPD基質(製造者の指示に従い調製)と共に30分間インキュベートし、その後吸光度の読み取りを行った。
【0068】
5日間の実験全てを3度繰り返し、結果を確認し、48時間の研究全てを2度繰り返した。
【0069】
毒性およびインビトロでのアミロイドパチー経路を調節する能力に対する化合物の別の評価では、H4細胞(ヒト神経芽細胞腫細胞系)を用いてスクリーニングした(図8〜15ならびに表1aおよび2a)。細胞生存では、2つの細胞生存率/毒性アッセイ法を使用した:MTTに基づくアッセイ法(上記)、およびNRの使用に基づくアッセイ法。クリオキノールを基準化合物として使用した。
【0070】
H4細胞生存およびアミロイド蓄積の概要(2〜3の別個の実験の平均値として表す)を、1μMの主化合物に対し表1aおよび2aで示し、成長培地中で増殖させた対照細胞(対応する微量のDMSOまたはエタノールが添加されている)は100%値を示す。MTTまたはNRのいずれかを用いてアッセイしたH4細胞の細胞生存は同等であり、グラフはNRアッセイ結果のみを示す。
【0071】
5日間にわたる、1μMのクリオキノールの単回投与または反復投与は毒性を有さず、アミロイドの蓄積を減少させる(表1aおよび表2a)。対照的に、クリオキノールは2μM濃度では細胞生存を減少させ、10μMでは薬物の単回投与または反復投与であっても、H4細胞の大規模な死が起こる。
【0072】
表1aで示されるように、置換ホスホネートは1μMに対する5日間の単回暴露では毒性がないことがわかる。いくつかの場合では、反復投与は細胞生存率を減少させる(最大28%の減少が化合物20で見られた)。NRアッセイ法を使用した細胞生存率の分析は、化合物11に対し例証されるように、MTTアッセイ法を用いて得られたものにと同等の結果を提供した。5日間11に暴露させても(単回暴露)、細胞生存に有意の影響はなかったが、一方、5日および反復投与後では、化合物は細胞生存率を対照値の約60〜70%まで減少させた。同様に、1は単回暴露後、生存率に影響しなかったが、5日の反復投与後には70〜80%まで減少させた。
【0073】
表2aで示されるように、置換ホスホネートのアミロイド蓄積に対する効果は顕著であり、過半数の化合物が、アミロイド蓄積に対する効果という観点から、試験した最も低い濃度では(1μM)、基準化合物クリオキノールをしのいでいる。例えば、5日の単回投与では、化合物1および21はアミロイド蓄積を対照の値の37%まで減少させるが、一方、基準化合物クリオキノールは蓄積を対照における値の64%まで減少させた。
【0074】
(表1a)細胞生存の概要(%対照)
(表2a)アミロイド減少の概要(%対照)
H4細胞生存およびアミロイド蓄積(2〜3の別個の実験の平均値として表す)を1μmの主化合物全てに対し示す。

【0075】
実施例10
インキュベーション後のアミロイドの細胞内分布
別個の実験において、本発明者らはまた、化合物のいくつかを用いて、H4細胞におけるアミロイドの細胞内分布を観察した。これは一次6E10抗体を用い、続いて細胞を、蛍光タグをつけた二次抗体と共にインキュベートすることにより実施した。
【0076】
基本条件下では、H4細胞内のアミロイドの細胞内標識は、対照細胞内では細胞の細胞質全体でペプチド沈着を示した。5日間の1μMクリオキノールの添加により、この細胞内蓄積が細胞のいくつかにおいて減少したが、明るく標識された領域が依然として観察できた。1μMの化合物11およびT、T=9:1のモル比の化合物8および10、を添加した後、これらの明るく標識されたアミロイド蓄積を有する細胞の数は減少した(クリオキノールと比較して)が、完全には消失しなかった。21と共にインキュベートした後、これらのアミロイドの明るい細胞内蓄積を有する細胞は事実上なくなった。27(1μM)と共にインキュベートしても、H4細胞内でのアミロイド標識が減少したが、依然として明るい標識を有する細胞が存在した。
【0077】
図は、アミロイドに対して標識されたH4細胞:対照、クリオキノール、11、T、27、および21処理群を示す。アミロイド標識は細胞を1μM化合物(単回投与)と5日インキュベートした後実施した。
【0078】
アミロイドパチー経路における潜在的な治療効果の別の指標は、細胞内アミロイド産生に対する効果により決定される。
【0079】
別個の実験において、本発明者らは、また、化合物のいくつかを用いて、H4細胞におけるアミロイドの細胞内分布を観察した(図15)。これは一次6E10抗体を用い、続いて細胞を、蛍光タグをつけた二次抗体と共にインキュベートすることにより実施した。基本条件下では、H4細胞内のアミロイドの細胞内標識は、対照細胞内では細胞の細胞質全体でペプチド沈着を示した。5日間の1μMクリオキノールの添加により、この細胞内蓄積が細胞のいくつかにおいて減少したが、明るく標識された領域が依然として観察できた。1μMの化合物11およびTを添加した後、これらの明るく標識されたアミロイド蓄積を有する細胞の数は減少した(クリオキノールと比較して)。21と共にインキュベートした後、これらのアミロイドの明るい細胞内蓄積を有する細胞は事実上なくなった。27(1μM)と共にインキュベートしても、H4細胞内でのアミロイド標識が減少した。図15は、アミロイドに対して標識されたH4細胞:対照、クリオキノール、11、T、27、および21処理群を示す。アミロイド標識は細胞を1μM化合物(単回投与)11、T、26、21と5日インキュベートした後実施した。化合物27はフルオレセイン化合物であり、本発明者らは細胞内で、その自然蛍光を用いて検出することができた。これらのデータから、置換ホスホネートはH4細胞系において、著しく細胞生存を減少させることなく、アミロイド蓄積を減少させたことが示される。さらに、いくつかの置換ホスホネートとインキュベートした後、アミロイドの細胞外蓄積も減少し、これらの化合物が細胞外および細胞内の両方で、アミロイド蓄積を減少させるように作用する可能性があることが示唆される。本明細書で記載した置換ホスホネートの多くは蛍光発生成分を含み、例として27を使用すると、この化合物は標識アミロイドに近接して配置された細胞内で可視化された。これらのデータから、置換ホスホネートの自然蛍光は、化合物が細胞アミロイド沈着物およびインビトロの無細胞アミロイド沈着物を標的にした時に化合物を可視化する手段を提供することが示される。
【0080】
実施例11
成体ウィスターラット由来の後根神経節神経細胞培養物をクリオキノールと、および選択した置換ホスホネート(化合物11、T、21、1)と1μMで24時間および4日間インキュベートし、化合物の毒性を評価した。簡単に言うと、使用した方法は以下の通りであった。
【0081】
成体の雄ウィンスターラットをCO2吸入により屠殺し、全ての分節レベルの後根神経節を除去し、分離して細胞にした。細胞の総数を、血球計算器を用いて計数し、500細胞を予めコートした8ウェルスライド上に播種した。細胞を少なくとも6時間接着するように放置し、その後、試験置換ホスホネート化合物またはクリオキノールを培地に添加した。細胞を1日または4日間増殖させ、試験化合物の単回投与を受けるか、または培地および化合物を4日の期間にわたり毎日変えた。化合物は1μMおよび10μM濃度で添加し、各濃度について2通り作成し、各実験を4度繰り返した。
【0082】
4日後、細胞を固定し、その後、洗浄し、一次抗体(抗マウスβチューブリンIII、Sigma、1:1,000)と共に24時間室温でインキュベートした。一次抗体を除去し、細胞を洗浄し、その後二次抗体(ロバ抗マウスFITC標識(Jackson 1:400))と共に少なくとも2時間室温でインキュベートした。二次抗体を除去し、細胞を洗浄し、スライドにアンチフェード(antifade)としてDABCO PBS:グリセロールを載置した。分析は、各ウェル内の全てのβチューブリンIII陽性細胞を計数することにより実施した。値を3通りで決定し、実験を4度繰り返した(22の場合2度)。
【0083】
神経細胞への毒性がないことは、ADなどの神経変性疾患を標的にする治療において必須条件であり、そのため、一次感覚神経培養物に対する置換ホスホネートの効果を、成体神経組織に関する毒性に対し評価した(図16および17)。
【0084】
単回投与のクリオキノールまたは置換ホスホネート化合物(1または10μM)を培養期間の開始時に与え、神経細胞を1日インキュベートし、または毎日投与を繰り返し、細胞を4日間維持した。置換ホスホネート化合物では、クリオキノール基準化合物よりも生存率はかなり良好であった。
【0085】
実施例12
CD1アルビノ雄マウス(18〜20g、Charles River, UK)を4日間下記化合物で処置した:クリオキノール30mg/kg経口、クリオキノール10mg/kg腹腔内、および化合物11、T、21、1 10mg/kg腹腔内(または経口もしくは腹腔内投与のために薬物を溶解するのに使用したビヒクル)。化合物または各々のビヒクルの投与の4日目に、マウスは、クリオキノールまたは置換ホスホネートの1時間前、亜セレン酸ナトリウム10mg/kgの腹腔内注射を受けた。動物は全て、亜セレン酸ナトリウムの投与後2.5時間で、頸椎脱臼により屠殺した。脳をドライアイスで凍結させ、その後、15μmの切片をカットし、染色し、組織を銀試薬増強キット(Aurion)(Wang et al., 2001)に暴露することに基づく自動金属組織学的技術を用いて亜鉛の分布を明らかにした。
【0086】
ADなどの神経変性疾患状態を標的にする治療では、必要条件として、明確な毒性がないこと、CNS(中枢神経系)にアクセスすることができること、亜鉛を含むアミロイド沈着物の形成を調節することによる例えばADにおいて証明される神経保護を提供することができることが挙げられる。第1の局面では、置換ホスホネートの全身投与のCNSにおける亜鉛分布(これは、化合物による血液脳関門、BBBの浸透を反映する)に対する効果の評価およびマウスでの半慢性投与後の全身毒性の予備評価を実施した(図18)。試験した化合物は全て、この投与パラダイムを使用すると、明確な全身毒性がなく、新規化合物を投与した動物では行動異常が見られなかった。自動金属組織学的技術により、腹腔内ビヒクルまたは経口ビヒクル投与後、対照動物の脳では強い亜鉛シグナルが存在することが明らかになった(図18の画像を参照されたい)。ベンチマークとなるクリオキノールまたは置換ホスホネートの投与により、中枢神経系における亜鉛染色で様々な程度の減少が引き起こされた。著しい減少が、クリオキノール10mg/kgの腹腔内投与後の亜鉛シグナルで見られた。クリオキノール30mg/kgの経口投与または11、T、21、1 10mg/kgの腹腔内投与後に亜鉛シグナルの減少が見られた。減少した亜鉛染色シグナルはクリオキノール(腹腔内または経口)および置換ホスホネート化合物のBBBを横切る通過、およびこれらの環境における亜鉛にキレート化する能力に対する強力な証拠である。置換ホスホネートの全身腹腔内投与により、中枢亜鉛(central zincergic)経路を反映するシグナルの減少が引き起こされた。これは、化合物のバイオアベイラビリティおよびその脳実質中の亜鉛を減少させる能力を支持する。
【0087】
実施例13
トランスジェニックマウス(APPおよびAPP/PTau)ならびに野生型マウスを4週間、下記化合物を用いて処置した:クリオキノール30mg/kg経口、クリオキノール10mg/kg腹腔内、および化合物11、T、21 10mg/kg腹腔内(または経口もしくは腹腔内投与のために薬物を溶解するのに使用したビヒクル)。最後の薬物投与後24時間に、動物を屠殺し、脳および心臓、脾臓、腎臓および精巣を解剖した。脳半球の1つをドライアイス上で凍結させ、残りの半球を4%パラホルムアルデヒド中に入れた。後者の切片をカットし、染色し、Campbell-Switzer銀染色法を使用してアミロイド斑の分布を明らかにした(米国のNSA研究所提供の組織の分析)。
【0088】
ADなどの神経変性疾患状態におけるアミロイド経路の治療標的のために、処置マウスモデルにおける斑負荷に対する効果は治療効果の指標となる可能性がある。これに関連して、2つのアルツハイマー病のマウスモデル、APPおよびAPP/Tauトランスジェニックマウスにおいて、β-アミロイド斑への新規置換ホスホネート慢性投与を調べた(図19)。慢性処置では、処置動物において、処置全体を通して、全身毒性または行動変化のいずれの明確な徴候も明らかにならず、このように、選択した用量で、この投与計画を用いた場合の、選択した置換ホスホネート化合物の安全性が確認された。APPトランスジェニックマウスでは、ビヒクルのみ(経口または腹腔内)で処置した動物において著しいアミロイド斑(大きな凝集体およびまた、広汎性点状沈着)が存在した。クリオキノールで処置すると、明らかな斑負荷の減少、とりわけ、大きな凝集体の負荷の減少が引き起こされ、同様のパターンが化合物Tで処置した動物由来の組織において見られたが、化合物11および21もまた斑負荷を減少させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療において使用するための、一般式Iの化合物;

式中、Rは水素、または置換もしくは非置換の直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、アリールもしくはヘテロアリールであり;Eは置換もしくは非置換の直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、アリール、ヘテロアリール、または水素であり;XはO、S、もしくはNR1であり、またはEがアリールもしくはヘテロアリールである場合、Xは該アリールもしくはヘテロアリール環と一体になっている(integral to)Nであり得;ここで、R1は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、もしくはC2〜40アルキニル、またはアリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールであり;AおよびBはそれぞれ独立して、OR2、SR2、NR3、R4であり、ここで、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルであり;mは1〜8の整数であり;かつ式中、Dは水素、または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルNR5R6鎖、または直鎖もしくは分枝C1〜40モノもしくはジアルキルエステル、またはジアルキルエステルC1〜40アルキルホスホネート、または直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルホスホン酸である。
【請求項2】
下記式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IhまたはIkである、請求項1記載の化合物;

式中、R、A、B、X、DおよびMは請求項1で規定される通りであり、YおよびZはO、S、またはNR1であり、ここでR1は請求項1で規定される通りであり、かつR7およびR8およびR9は独立して1つまたは複数の環状置換基を示し、これは、水素、ハロゲン化物、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはC1〜40アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール、ニトリル、スルホン酸もしくはスルホン酸塩、カルボキシ、オキソ、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、カルボキシアルキルアミノ、カルボキシアルキルチオ、アミド、スルホンアミド、C1〜6アルキルアルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、OR2、SR3、NR3、R4であり得、ここで、R2、R3およびR4は請求項1で規定される通りである。
【請求項3】
化合物1、8、8a、10、11、15、21、22、23、26または27のうちの1つである、請求項1または請求項2記載の化合物;


式中、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項4】
アミロイド凝集体を減少させるのに使用するための請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
疾患がアルツハイマー病である、請求項1〜3のいずれか一項または請求項5記載の化合物。
【請求項7】
アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための薬剤の製造における、請求項1で規定される一般式Iの化合物の使用。
【請求項8】
疾患がアルツハイマー病である、請求項7記載の使用。
【請求項9】
化合物が、請求項2で規定される式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IhおよびIkからなる群より選択される1つまたは複数である、請求項4〜8のいずれか一項記載の使用。
【請求項10】
化合物が、表1で規定される化合物1〜28および4a〜9aからなる群より選択される1つまたは複数である、請求項4〜9のいずれか一項記載の使用。
【請求項11】
化合物が、1、8、8a、10、11、15、21、22、23、26および27からなる群より選択される、請求項4〜10のいずれか一項記載の使用。
【請求項12】
下記式4の化合物;

式中、X=OかつZ=Oであり、かつ、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項13】
下記式5aの化合物;

式中、X=SかつZ=Oであり、かつ、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項14】
下記式6の化合物;

式中、X=OかつZ=Sであり、かつ、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項15】
下記式7aの化合物;

式中、X=SかつZ=Sであり、かつ、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項16】
下記式8の化合物;

式中、X=OかつZ=NHであり、かつ、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項17】
下記式8aの化合物;

式中、X=OかつZ=NHであり、かつ、R2は、水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキル、C2〜40アルケニル、C2〜40アルキニル、C1〜40アルキルアリール、または任意で、nが1〜8の整数である複合金属イオンMn+/nであり、または直鎖もしくは分枝C1〜40NR5R6末端アルキル鎖であり、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素、直鎖もしくは分枝C1〜40アルキルである。
【請求項18】
下記式14の化合物;

式中、X=SかつR2=Et/Hである。
【請求項19】
下記式10の化合物;

式中、R2=Etである。
【請求項20】
医療において使用するための請求項12〜19のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための薬剤の製造における、請求項12〜19のいずれか一項記載の化合物。
【請求項22】
請求項1で規定される一般式Iの化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む組成物。
【請求項23】
化合物が、請求項2で規定される式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IhおよびIkからなる群より選択される1つまたは複数である、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
化合物が、1、8、8a、10、11、15、21、22、23、26および27からなる群より選択される1つまたは複数である、請求項22または23記載の組成物。
【請求項25】
アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において使用するための請求項22〜24のいずれか一項記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【公表番号】特表2010−526046(P2010−526046A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504851(P2010−504851)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001540
【国際公開番号】WO2008/135743
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(501008923)クイーン メアリー アンド ウェストフィールド カレッジ (14)
【氏名又は名称原語表記】Queen Mary and Westfield College
【住所又は居所原語表記】Mile End Road,London,U.K.
【Fターム(参考)】