義足
フォアフットばねと、ヒールばねと、ベースばねとが設けられた義足である。ベースばねは、ヒールばね及びフォアフットばねに接続されている。ベースばねは、フォアフットばね及びヒールばねのための受け手段を有し、フォアフットばね及びヒールばねは受け手段に挿入されている。ヒールばねは、結合部材を介してフォアフットばねに接続され、結合部材は、その一部分を介して、少なくとも、フォアフットばねに沿って前方に延びている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォアフット(forefoot)ばねと、ヒールばねと、ベースばねとを備え、ベースばねがヒールばね及びフォアフットばねに接続されている義足に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,719,807号特許公報は、2次元の弾性フォアフット部品と、2次元の弾性ヒール部品と、ほぼ硬質のキャリア部品とを備えた義足を開示している。フォアフット部品及びヒール部品の各々の一端部が、キャリア部品に接続されており、フォアフット部品とヒール部品との各々が、夫々他の部品から独立して動作する。フォアフット部品は、前方に、その接続部からキャリア部品へとほぼ一定方向に延びており、一方、ヒール部品は、後方に、その接続部からキャリア部品へとほぼ一定方向に延びている。
【0003】
米国特許第5,181,933号は、義足を義足のユーザの断端と係合させる動作を容易にするための取着手段を備えた義足を開示している。数多くの湾曲したエネルギ蓄積足領域が、取着手段に取着され、地面(床面)に置かれるために下向きに延びている。湾曲部分の各々は、足首領域を有し、足領域は、地面(床面)と互いに独立して相互に作用し、湾曲部分は同様の形状を有する。ヒールばねが、フォアフット部分に解放可能であるようにして取着され、後方に延びている。同様の構造が、米国特許第5,514,185号に記載されている。
【0004】
米国特許第5,776,025号は、下向きに延び湾曲しており部分的なスリットばねが取着されている取着領域を備えた義足を開示している。ヒール領域及びフォアフット領域を備えた連続したばねが、ばねの前部下側端部領域に取着されている。連続したばねは、湾曲形状を有する。同様の構造が、米国特許第6,071,313号に開示されている。
【0005】
米国特許出願第2005/0203640号公開公報は、弾性足首領域を備えた義足を開示している。取り付けアダプタから始まり、フォアフット領域の上側取着部分が、後方かつ下向きに斜めに延び、湾曲の後、前方かつ下向きに延びているアーチ部分に統合しており、アーチ部分は、つま先部分で終わっている。ヒールばねは、足首領域の範囲で平行に延びており、湾曲の後、第1の部分が、アーチ部分よりもかなり傾斜していると推測する。第1の部分は、他の湾曲に続き、これにより、ヒール部分が、下向きかつ後方に斜めに延びている。それ故、ヒールばねは、S形状である。下側のベースばねは、ヒールばねの後端部及びつま先領域に接続され、クッションが、つま先部分とベースばねの前部部分との間に配置されることができる。
【0006】
英国特許第306,313号は、ひざ下シャフトへの取り付けのためのU形状のフレームを備えた義足を開示している。この義足では、ヒール部分がU形状のフレームに配置され、ヒール部分は同様にU形状であり、フレームに直角に配置されている。自然な足の輪郭形状にほぼ対応している前部部品は、ヒール部品に配置されている。前部部品は、弾性ロッドを介して弾性的に装着されている。
【0007】
米国特許第4,721,510号は、比較的大きな内部スペースを備えた中空のエラストマの補綴用(cosmetic)シェルを開示している。挿入開口の領域では、ソールが、アンカープレートが取着される厚くされた領域を有する。補強プレートが、アンカープレートに配置され、フォアフットばね領域及びヒールばね領域で、補剛ばねが、補強プレートに取着されている。ばねの上には、ウエッジが配置され、過負荷のときにはばねがこのウエッジにもたれる。
【0008】
米国特許第4,822,363号は、細長くて湾曲したばねを備えた義足が開示されている。このばねは、基端の取着ブランチを有し、後ろ側の、前方に延びているフォアフットブランチに隣接(接合)している。取着ブランチにはヒールばねが配置され、これは、湾曲したデザインであり、ほぼS形状かL形状である。代わりの一実施の形態では、ヒールばねは、フォアフット領域に解放可能に取着され、わずかな湾曲で後方に延びている。
【0009】
米国特許2,475,372号は、ひざ下シャフトが関節結合するようにして取着されることができる上側領域を備えた義足を開示している。中足骨領域が、関節結合しているようにしてヒール領域に装着されている。中足骨領域は、ここに関節結合されるフォアフット領域によって接合されている。フォアフット領域は、ばね機構を介して弾性的に装着されている。
【0010】
米国特許第5,258,039号は、エラストマの足首部材によって互いに接続されたフォアフットばね及びヒール部分を備えた弾性的な義足を開示している。フォアフットばねは、長手方向のスリットを有する。ヒールばねは、C形状のデザインを有する。代わりの実施の形態では、義足は、1つの部品で設計されている。
【0011】
米国特許第6,669,737号特許公報は、義足のための弾性的な足挿入部を開示している。この足挿入部は、側面図で、負荷されていない状態で、これらの間でほぼ三角形のスペースを囲んでおりルーフ領域を形成している少なくとも2つのばねを有する。取着部材が、ルーフ領域に配置されている。取着部材から始まり、ヒール部分が、凹状の湾曲で後方かつ下向きに延びており、一方、フォアフット部分が、同様の凹状の湾曲で前方かつ下向きに延びている。個々のベースばねが、ヒール領域及びつま先領域で、ヒール部分及びフォアフット部分に接続されている。
【0012】
米国特許第6,099,572号は、少なくとも1つの板ばねを備えた弾性的な弾性足挿入部を開示している。この足挿入部は、平行に結合され互いに隣に配置された少なくとも2つの板ばね部材を有する。板ばね部材は、両端で互いに接続され、2つの端部領域の間で、互いに離れているようにクリアランスを有する。接続部は、2つの端部領域の少なくとも一方でトルクに関して堅くて曲がらないように設計されている。
【発明の概要】
【0013】
オットーボック社は、1C30Triasと呼ばれる弾性的な足挿入部を製造しており、この足挿入部では、2つのヒールばね及び2つのフォアフットばねが基端のアダプタに取着されている。ベースばねが、2つのC形状のヒールばねの後端部に取着されている。ベースばねは、同様に、フォアフットばねの前端部に固定されている。
【0014】
本発明の目的は、快適なロールオーバを与える利用可能な義足を提供することである。本発明の他の目的は、高い活動レベルにある患者にも使用されることができる利用可能な義足を提供することである。最後に、本発明のさらなる目的は、製造が容易であり、さまざまなユーザに容易に適用されることができる利用可能な義足を提供することである。
【0015】
本発明によれば、これら目的は、主請求項の特徴部分を有する義足によって達成される。効果的な実施の形態及び本発明の発展形態が、従属請求項に規定される。
【0016】
本発明に係る義足は、フォアフットばねと、ヒールばねと、ベースばねとを具備し、前記ベースばねが、前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続され、前記ベースばねが、夫々前記フォアフットばね及び前記ヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有し、前記フォアフットばね及び前記ヒールばねが前記第1の受け手段及び第2の受け手段に夫々挿入されているように用意がなされている。受け手段は、義足のモジュラー構造を与え、重さ、可動度及び補綴具のユーザの他の態様に適用される、使用されるさまざまなベースばねを与える。これらは、フォアフットばね及びヒールばねを夫々の受け手段に挿入することによって非常に容易に適用されることができる。受け手段は、形状適合(form fit)でフォアフットばね及びヒールばねを保持することができ、これにより、接続を、従って、フォアフットばねとヒールばねとの間の力の結合を形成するために、接着剤による結合又は他の形態の取着を必要としない。
【0017】
受け手段は、ヒールばね及びフォアフットばねが挿入されるポケットとして設計されることができる。原理的には、フォアフットばね及びヒールばねが組み立てられた状態でテンションがかけられ、受け手段を外向きに、即ち後部の受け手段を後方に、かつ前部の受け手段を前方に押す力を受け手段に受けさせるのであれば、さらなるロッキングが必要とされない。
【0018】
ポケットは、閉じたデザインであることができ、フォアフットばね及びヒールばねが挿入される挿入開口を有する。閉じたデザインのポケットは、ばねの感受端部領域の保護を与え、これにより、例えば、繊維強化複合ばねの場合には、破壊が予期されない。挿入開口は、好ましくは、互いに対向して置かれ、これにより、挿入の方向は、互いに対向しており、ヒールばね及びフォアフットばねの挿入の後、ベースばねがテンションを受けるという効果を奏する。
【0019】
プレテンション手段が、選択的には、フォアフットばね及びヒールばねへのベースばねのさらなる取着を与えるために、ベースばね又は受け手段に対してヒールばねとフォアフットばねとの少なくとも一方にプレテンションをかける受け手段に配置されることができる。プレテンション手段は、ばね又はエラストマ部材を含むものとして設計されることができ、受け手段又はベースばねに対してフォアフットばね及びヒールばねのプレテンション又はさらなるプレテンションを与えることができる。プレテンション手段は、形状適合ロッキングを与えるようにクリップ接続を形成することができ、これにより、プレテンション部材もまた固定手段として機能することができる。従って、ロッキング手段もまた、フォアフットばねとヒールばねとの少なくとも一方にベースばねを、特に、形状適合ロッキング作用でロックするために、受け手段に設けられる。対応するロッキング手段が、フォアフットばね及びヒールばねに設けられることができ、受け手段中で、又は上でロッキング手段と係合する。プレテンション部材が、受け手段に鋳造されるか、ヒールばねとプレテンション手段との少なくとも一方に押圧されるか、結合されるか、取着されることができる。
【0020】
ベースばねは、テンション部材として、例えば、ストラップとして設計されることができ、これは、可撓であるが曲げ力又はモーメントに対して弾性がなく、好ましくは、ベースばねの長手方向に弾性がない。
【0021】
ベースばねは、減少されたアーチ及び延ばされたベースばねによって、ヒールの負荷、フォアフットの負荷又は高い軸方向の負荷が起こったときに内側にそりを与えるように、義足の負荷されていない状態で上向きにアーチ状になっているばねとして設計されることができる。ベースばねの堅さ、それ故、義足のロールオーバは、アーチの程度によって影響を及ぼされることができる。
【0022】
ベースばねは、義足の負荷されていない状態で、引張応力によりプレテンションをかけることができ、これにより、ベースばねの端部が異なる方向に押される。アーチ状のベースばねの場合には、加えられる引張応力もまた、ばね内に曲げモーメントを引き起こす。
【0023】
ベースばねは、特に、ばねとして設計されたとき、速くかつ高価でない製造を達成するために、注入モールド成形部品として設計されることができる。ベースばねは、例えば、互いに接続されたいくつかの注入モールド成形部品によって、いくつかの部品で設計され、接合方法で一緒にされることができる。ベースばねはまた、注入モールド成形によって互いに接続された異なる材料でできていることが可能である。例えば、ばね部材又は硬質構成要素は、モールドに置かれ封入されることができる。ベース部材の個々の構成要素、及びこれに注入される他の構成要素もまた、注入モールド成形工具に置かれることが可能である。ベースばねの個々の部品は、同様に、複数の構成要素の注入モールド成形によって、例えば、2つの構成要素の注入モールド成形によって製造されることができる。ベースばねは、複合材料でできた複合材料により製造されるか、複数の部品を有することができる。使用されることができる複合材料の例は、繊維強化プラスチックであり、例えば、炭素繊維又はガラス繊維で強化されたプラスチックであることができる。
【0024】
ベースばねは、受け手段によって両端部で接合された湾曲した中間部分を有することができる。受け手段は、ねじ留めされるか、クリップ留めされるか、注入されることができる。受け手段はまた、中間部分と一体的に形成されることができる。中間部分は、例えば、繊維強化プラスチックでできたビームばねとして設計されることができ、この上に受け手段が注入される。
【0025】
ヒールばねが、結合部材によってフォアフットばねに接続されることができ、これにより、フォアフットばねへのヒールばねの直接的な接合がない。結合部材のデザインは、その弾性及びその配置特性の両方の観点から、義足の弾性特性を変更するために使用されることができるので、結合部材は、利用可能なさらなる調節部材として機能する。
【0026】
フォアフットばね及び結合部材は、少なくとも一部が互いに平行に延びるように配置されることができ、これにより、これらは、これらの弾性に関して互いに補う。従って、結合部材は、少なくとも負荷されていない状態で、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びている。結合部材は、上向きに向けられた部分と前方に向けられた部分とを有することができ、これにより、フォアフットばねに対応するようにして延びているほぼL形状の構造部品が存在する。L形状の結合部材の開口の角度は、フォアフットばねの開口の角度とは異なることができる。上向きに向けられた部分は、同様に、ほぼ垂直方向に向けられ、これにより、垂直方向下向きに作用する負荷が義足に与えられたとき、わずかなばねの作用のみが、垂直に向けられた部分から利用可能である。上向きに向けられた部分は、S形状の形態を有することができ、結果として、そのばねの作用が強化されることができる。
【0027】
ヒールばねは、ヒールばねの十分な長さを利用可能であるように、結合部材の前部領域に取着されることができる。ばねが長いほど、その端部で生じる負荷により敏感に反応することができる。さらに、ヒールばねの前部領域を結合部材の前部領域に結合することは、快適なヒールのストライク(strike)を得るために、結合部材の前方に向けられた部分の弾性を使用する可能性を与える。
【0028】
結合部材は、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びることができ、これにより、結合部材は、前方に向けられた部分を介してさらなるばねの作用を与える。この目的のために、結合部材は、例えば、繊維強化プラスチックでできたばねとして設計されている。
【0029】
ヒールばねは、湾曲していることができ、ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、湾曲を有し、これにより、前端部領域がほぼ水平に、又はわずかに下向きの傾斜に向けられている。ばね特性の正確な設定が、ヒールばねの波状のデザインによって達成されることができる。
【0030】
フォアフットばねは、前部に向かって、下向きの傾斜で向けられたほぼまっすぐなフォアフット部分を有することができ、これは、湾曲から始まり、ほぼ垂直に向けられた部分に続き、前方に直線状に延びていることができる。つま先領域では、これは、平坦部を有することができ、ロールオーバを容易にするためにわずかな湾曲に上向きに統合することができる。
【0031】
接続手段は、ひざ下シャフトに義足を取着するために設けられることができ、義足の基端部に配置されている。接続手段が、フォアフットばねの基端部に、適切であれば、結合部材の基端部に、好ましくはねじ留めすることによって取着されることができる。接続手段には、ショックアブソーバが設けられることができ、軸方向の力に加えて、トルクを受け、回転運動を吸収することができる。
【0032】
フォアフットばねは、フォアフットばねの後方部分に配置された接続手段で、まっすぐで平坦なばねとして設計されることができる。結合部材も、まっすぐで平坦なばねとして設計されることができ、フォアフットばねに平行に配置されている。結合部材の垂直部品もフォアフットばねも必要でない。
【0033】
フォアフットばね及びベースばねは、フォアフットばね及びベースばねの中間−側方可動性を与えるために、義足の前端部から延びたスリットを有することができる。このようにして、例えば、傾斜面でのロールオーバの際に、単に一縁部が地面(床面)又は靴との接触をしないことが可能である。
【0034】
義足は、漸進的な足首モーメント特性(progressive ankle moment profile)を有することができる。漸進的な足首モーメント特性は、弾性部材とヒールばねとの組合せによって達成されることができる。特に、弾性部材の形状は、圧縮される横断面を増やすことによって、漸進性を発生させることができる。漸進的な足首モーメント特性もまた、ベースばねにヒールばね及び結合部材の接触領域を配置することによって発生させることができるが、対応する高い負荷を与える。
【0035】
ヒールのストライクでは、力が、ベースばねを介してフォアフットばねに少なくとも部分的に伝達されることができ、これは、ベースばねを介したヒールばねへのフォアフットばねのプレテンション及び結合によって達成される。従って、ベースばねは、テンション部材として機能し、これにより、ヒールのストライクによる力は、ベースばねを介してフォアフットばねに伝達される。エネルギは、後者がS形状の湾曲を有するのであれば、特に、ベースばねとしての実施の形態では、部分的に、ベースばねに蓄えられ、そして、戻される。なぜならば、ばねの互いの接続及び結合が、これらが他のばねから独立して作用することができないという効果を有するからである。
【0036】
特に、ベースばねとしての実施の形態では、フォアフットばね及びベースばねは、ロールオーバの間、力がフォアフットの負荷の始まりのボール領域に最初に伝えられたとき、フォアフットばね及びベースばねが増加している負荷の下でこれらの曲げの各々によって互いに近づくようにして、これらの形状及び屈曲の弾性に関して設計されている。このようにして、ばねが、互いに位置するようになることができ、この結果、規定された負荷レベルから始まり、ばねの弾性が、互いに位置しているばねによって、及び互いにばねの摩擦によって高められることができる。
【0037】
本発明に係る義足は、フォアフットばねと、ヒールばねと、ベースばねとを具備し、前記ベースばねが、前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続され、前記ヒールばねが、結合部材を介して前記フォアフットばねに接続され、これにより、前記フォアフットばねへの前記ヒールばねの直接的な接合がないように用意がなされている。結合部材は、結合部材のデザインが、その弾性及びその配置特性の両方の観点から、義足の弾性特性を変更するために使用されることができるので、さらなる調節部材を利用可能にするように機能する。結合部材は、1つの部分を介して、少なくとも、フォアフットばねに沿って前方に延び、ヒールばねが支持されることができる選択的な弾性部分を利用可能にする。結合部材へのヒールばねの関節結合が、フォアフットばねからヒールばねを分離し、これにより、関節結合点がより自由に選択されることができるので、義足のより可変な調節が行われることができる。ヒールばね及びフォアフットばねの接続は、高い機械負荷の位置で決してなされてはならず、代わって、比較的自由に選択されることができる位置でなされることができる。
【0038】
フォアフットばね及び結合部材は、少なくとも一部が互いに平行に延びるように配置されることができ、これにより、これらは、これらの弾性に関して互いに補う。従って、結合部材は、少なくとも負荷されていない状態で、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びている。結合部材は、上向きに向けられた部分と前方に向けられた部分とを有することができ、これにより、フォアフットばねに対応するようにして延びているほぼL形状の構造部分が存在する。L形状の結合部材の開口の角度は、フォアフットばねの開口の角度とは異なることができる。上向きに向けられた部分は、同様に、ほぼ垂直方向に向けられ、これにより、垂直方向下向きに作用する負荷が義足に与えられたとき、わずかなばねの作用のみが、垂直に向けられた部分から利用可能である。上向きに向けられた部分は、S形状の形態を有することができ、結果として、そのばねの作用が強化されることができる。
【0039】
ヒールばねは、ヒールばねの十分な長さを利用可能であるように、結合部材の前部領域に取着されることができる。ばねが長いほど、その端部で生じる負荷により敏感に反応することができる。さらに、ヒールばねの前部領域を結合部材の前部領域に結合することは、快適なヒールのストライクを得るために、結合部材の前方に向けられた部分の弾性を使用する可能性を与える。
【0040】
結合部材は、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びることができ、これにより、結合部材は、前方に向けられた部分を介してさらなるばねの作用を与える。この目的のために、結合部材は、例えば、繊維強化プラスチックでできたばねとして設計されている。
【0041】
ヒールばねは、湾曲していることができ、ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、湾曲を有し、これにより、前端部領域がほぼ水平に、又はわずかに下向きの傾斜に向けられている。ばね特性の正確な設定が、ヒールばねの波状のデザインによって達成されることができる。
【0042】
フォアフットばねは、前部に向かって、下向きの傾斜で向けられたほぼまっすぐなフォアフット部分を有することができ、これは、湾曲から始まり、ほぼ垂直に向けられた部分に続き、前方に直線状に延びていることができる。つま先領域では、これは、平坦部を有することができ、ロールオーバを容易にするためにわずかな湾曲に上向きに統合することができる。
【0043】
ベースばねは、夫々フォアフットばね及びヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有することができ、フォアフットばね及びヒールばねが受け手段に挿入されることができる。これにより、組み立てられた状態では、フォアフットばね及びヒールばねは、受け手段に挿入され保持される。受け手段は、義足のモジュラー構造を与え、重さ、可動度及び補綴具のユーザの他の態様に適用される、使用されるさまざまなベースばねを与える。これらは、フォアフットばね及びヒールばねを夫々の受け手段に挿入することによって非常に容易に適用されることができる。受け手段は、形状適合でフォアフットばね及びヒールばねを保持することができ、これにより、接続を、従って、フォアフットばねとヒールばねとの間の力の結合を形成するために、接着剤による結合又は他の形態の取着を必要としない。
【0044】
受け手段は、ヒールばね及びフォアフットばねが挿入されるポケットとして設計されることができる。原理的には、フォアフットばね及びヒールばねが組み立てられた状態でテンションがかけられ、受け手段を外向きに、即ち後部の受け手段を後方に、かつ前部の受け手段を前方に押す力に受け手段に受けさせるのであれば、さらなるロッキングが必要とされない。
【0045】
ポケットは、閉じたデザインであることができ、フォアフットばね及びヒールばねが挿入される挿入開口を有する。閉じたデザインのポケットは、ばねの感受端部領域の保護を与え、これにより、例えば、繊維強化複合ばねの場合には、破壊が予期されない。挿入開口は、好ましくは、互いに対向して置かれ、これにより、挿入の方向は、互いに対向しており、ヒールばね及びフォアフットばねの挿入の後、ベースばねがテンションを受けるという効果を奏する。
【0046】
本発明の図示される実施の形態が、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、拡大斜視図における義足を示している。
【図2a】図2aは、図1に係る義足の側面図である。
【図2b】図2bは、図1に係る義足の平面図である。
【図3】図3は、図2aに係る義足の拡大側面図である。
【図3a】図3aは、図3の実施の形態の変形例である。
【図3b】図3bは、図3の実施の形態の変形例である。
【図4a】図4aは、斜視図におけるベースばねを示している。
【図4b】図4bは、斜視図におけるベースばねを示している。
【図5a】図5aは、義足の代わりの実施の形態の側面図である。
【図5b】図5bは、図5aに係る義足の拡大斜視図である。
【図6a】図6aは、ショックアブソーバを備えた義足のさらなる代わりの実施の形態の側面図である。
【図6b】図6bは、図6aに係る義足の拡大図である。
【図7】図7は、本発明のさらなる実施の形態の拡大斜視図である。
【図7a】図7aは、図7の実施の形態の拡大側面図である。
【図7b】図7bは、図7の組み立てられた実施の形態の側面図である。
【図8】図8は、フォアフットばねの端部を受けるための円筒形又は切頭円錐(frustro-conical)受け手段を有する変形例のベースばねを示している。
【図9】図9は、図7の実施の形態に示されるキャップのさらなる変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1には、フォアフットばね2と、ヒールばね3と、ベースばねの形態のベースばね4とを有する義足1が拡大斜視図で示されている。フォアフットばね2は、湾曲後、ほぼまっすぐなフォアフット部分21に統合されたほぼまっすぐな垂直部分22を有する。フォアフット部分21は、下向き傾斜で前方に延びており、つま先領域でさらなる曲げを有することができ、これにより、つま先領域が、ほぼ水平に向けられているか、わずかに上向きに湾曲されている。フォアフット部分21の前端部領域では、スリーブ又はキャップ24が、フォアフットばね2を少なくとも部分的に囲んで配置されることができる。フォアフットばね2は、プラスチック又は複合材料、特に、繊維強化プラスチックでできていることができる。通常のアダプタの形態である接続手段6が、垂直部分22に配置されている。これは、ボルト9によって取着され、取着プレート又は補強プレート8によって案内される。ボルト9は、補強プレート8、結合部材5及びフォアフットばね2の垂直部分22を通過し、アダプタ6にねじ留めされる。
【0049】
ボルト9によって、フォアフットばね2は、垂直部分22の基端領域で結合部材5に機械的に結合されている。結合部材5は、同様に、前方に向けられた部分52によって接合された垂直部分51を有する。垂直部分51と前部部分52との間の移行部は、同様に、曲げによってもたらされ、自然な足首の領域に配置されている。結合部材は、同様に、ばねとして設計され、フォアフットばね2のフォアフット部分21にほぼ平行に前部部分52で延びている。
【0050】
結合部材5の前部領域521には、ねじ10が案内されるボアが設けられている。結合部材5の前部領域521では、ねじ10が、ヒールばねの前端部領域31に機械的接続を与える。ヒールばね3の前端部領域31は、同様に、ねじ10が延びているボア又は凹部が設けられ、ねじ10がスリーブ11に固定されている。
【0051】
ヒールばね3は、前端部領域にわずかな湾曲と穏やかな下向きスロープを有するように設計されており、一方、湾曲は、ヒールばねの後端部32で逆向きに延び、これにより、後端部32でほぼ水平向きである。エラストマ構成要素の形態のばね部材7が、ヒールばね3と結合部材5の足首領域との間に配置されている。
【0052】
ヒールばね3の後端部32は、同様に、スリーブ又はキャップ34で裏打ちされることができ、これは、ベースばね4の後部の受け手段43に挿入されることができる。
【0053】
1部品のベースばね4の受け手段43は、ポケットとして設計され、閉じたキャップを形成している。ベースばね4が、わずかに上向きにアーチ状になっており、前端部に、フォアフットばね2を受けるための受け手段42を有する。フォアフットばね2及びベースばね4のデザインが以下に詳細に説明される。
【0054】
図2aは、組み立てられた状態での義足1を示している。ボルト9が、結合部材5とフォアフットばね2との両方を通って延び、アダプタ部材6にねじで係合されることが言及される。フォアフットばね2及び結合部材5の垂直部分22、51は、互いに平行に、ほぼ垂直方向に延びており、両方の垂直部分22、51が、例えば、円形のセクタの形状で滑らかな湾曲を有する曲げ足首領域で接合される。結合部材5の前方に向けられた部分52は、フォアフット部分21の長さの部分に沿って、フォアフット部分21に平行に延びており、フォアフット部分21の底面にもたれるか、それ自体とフォアフット部分21との間に小さなギャップを有することができる。結合部材5の足首領域のウエッジ12が、まっすぐな(曲がっていない)底面を有し、これにより、足首領域の湾曲の始まりの後、ばね部材7を支持するための直線状の延長部がある。
【0055】
図2aから、ねじ10の端面は、結合部材5の前部領域521の上面と面一で終わっており、結合部材5とヒールばね3との両方を通って延びていることもまた理解される。ヒールばね3は、上向きに湾曲した輪郭形状を有し、フォアフットばね2及び結合部材5の垂直部分22、51を超えて後方に延びている。後端部32は、ベースばね4の受け手段43で受けられる。ベースばね4は、さらなるばねの作用を与えるために、ヒールのストライクにおいて長くすることができるように、わずかに上向きの湾曲を有する。ベースばね4の前端部には、同様に、受け手段42が設けられており、フォアフットばね2のフォアフット領域21の前端部が受け手段42に形状適合で係合される。
【0056】
図示される組み立てられた状態では、フォアフットばね2の前端部とヒールばね3の後端部32とは、ポケットとして設計された受け手段42、43に対してさまざまな方向に押圧し、これにより、フォアフットばね2とヒールばね3とが互いにテンションをかける。これは、ベースばね4が引張応力の下にあり、これにより、上向きに向けられたアーチが下向きに押圧されるという効果を奏する。ヒールばね3とフォアフットばね2との間のテンションは、弾性結合部材5によって加えられ維持される。図2bの平面図から、ベースばね4とフォアフットばね2との両方が、フォアフットばね2の約3分の1に沿って延びたスリット46、26を有することが理解される。スリット26、46によって、フォアフット領域で中間−側方方向に異なる負荷を与えて補正することが可能である。
【0057】
図3は、義足1の拡大斜視側面図である。図は、明白に、垂直部分22と、円形のセクタの形状の足首部分23と、フォアフット領域21と、ベースばね4の前部の受け手段への挿入のためのスリーブ24とを備えたフォアフットばね2を示している。補綴の他の構成要素への接続のための角錐コネクタを備えたアダプタ6は、ボルト9及び補強プレート8によってフォアフットばね2の垂直部分22に、結合部材5と一緒に、機械的に取着されている。取着ばねとしても設計されることができる結合部材5は、垂直部分51と、前方に傾けられたフォアフット部分52と、足首部分53とを有し、これは、フォアフットばね2の足首部分23に対応するように設計されている。ウエッジ12が湾曲の外側に配置されており、これは、さらなるばね部材7のための継続及びベアリングとして設けられている。ばね部材7に代わって、図3a並びに図3bに示されるように、ウエッジ形状のばね部材7’を設けることもまた可能であり、これは、足首領域53とウエッジ12との間のヒールばね3の後端部に対する相対運動を防ぐか制限する。
【0058】
図3a並びに図3bは、組み立てられた状態の図3に係る実施の形態の変形例を示している。図3a並びに図3bでは、ばね部材7は、ウエッジ形状のばね部材7’と取り替えられている。図3aでは、ばね部材7’は挿入されていない。患者が「柔らかい」ヒールを好むのであれば、義足はばね部材7’なしで使用されることができる。ばね部材7’の固定のために、突出部の形態のリテーナ部材57には結合部材5が設けられている。ウエッジ形状のばね部材7’は、テーパ状のギャップに、結合部材5とヒールばね3との間に挿入されるか滑動され、リテーナ部材57によってそこに適切な形態に保持される。組み立てられた状態は、図3bに示される。このように設置されたばね部材7を用いて、ヒールの剛性を変えることが可能である。設置されたばね部材7’を用いて、ばね部材7’なしでよりも堅いヒールが設けられる。ばね部材7’のさまざまな異なる剛性が、歩いている間、患者の好みに義足の剛性を採用するために設けられることができる。
【0059】
図4a並びに図4bは、ベースばね4の異なる図である。ベースばね4は、挿入開口421、431を備えた前部及び後部の受け手段42、43を有し、これにより、フォアフットばね2及びヒールばね3の夫々の部分24、34が、受け手段42、43に形状適合で挿入され保持される。ベースばね4の中間点にほぼ形成されるスリット46は、中央/側方に向けられた補正移動を与える。ベースばねの中間部分44では、アーチは、さらなるばねの作用を利用可能にするために上向きに向けられるように設けられている。係止部材、テンション部材又は形状適合部材は、受け手段42、43中にばね2、3を取着して保持することができるように、受け手段42、43に配置されることができる。これら係止部材は、突出部として設計されることができ、例えば、プレテンション手段が、同様に、受け手段42、43の中と上との少なくとも一方に配置されたばね又はエラストマ部材として設計されることができる。ベースばね4のスリット46の配置のために、2つの受け手段42が、ベースばね4のフォアフット領域に設けられる。スリットのないフォアフットばねのデザインでは、1つの受け手段42のみが設けられ必要とされる。ベースばね4は、注入モールド成形された部品から形成されることができ、1部品で設計されることができる。また、補強部材、例えば、湾曲した繊維強化プラスチックばねが、注入モールドに置かれて、プラスチックで封入されることもまた可能であり、これにより、受け手段42、43がベースばねに一体的に形成される。また、原理的には、ベースばね4がいくつかの部品で設計されることも可能であり、これにより、受け手段42、43が、例えば、ねじ留め、接着剤による結合、溶接又は他のやり方によって中間部分44に取着される。
【0060】
図5a並びに図5bは、本発明の他の実施の形態を示している。義足1の基本構造は、図1乃至図4に示される基本構造に対応している。同一の参照符号は同一の構造部品を示している。図1乃至図4に係るデザインとは対照的に、図5a並びに図5bに係る義足1は、フォアフットばね2及び結合部材5にある垂直部分22、51を有していない。従って、フォアフットばね2及び結合部材5は、ほぼ直線のばねとして設計され、アダプタ6は、結合部材5及びフォアフットばね2を貫通するねじによって再び取着される。このような義足は、相当なひざ下長さがあるとき、結果として、義足1の上方取着点が所望の程度まで上方に移動されることができないとき、効果的である。さらに、アダプタ6は、フォアフットばね2に面している表面で、丸くされるか、ハンチを有するので、フォアフットばねの上面に向いている縁又はリムがない。リム又は縁がフォアフットばね2の上面に作用し、アダプタ6がフォアフットばねに相対的に移動されたならば、非常に高い応力がフォアフットばねに適用される。これは、通常、繊維複合材料でできている。リム又は縁をばねの表面に押圧することによって、非常に小さなくぼみが形成され、これは、材料の弱まり、又はフォアフットばねの摩耗につながりうる。アダプタ6の丸みがあり滑らかな表面により、エラストマが一体化されることができる一種のウエッジが形成される。
【0061】
図6a並びに図6bは、本発明の代わりの実施の形態を示している。義足1の基本構造は、図1乃至図4の基本構造に対応している。通例のアダプタ6に加えて、長手軸を中心とした軸方向荷重及びトルクを受けることができるショックアブソーバ61が設けられている。ショックアブソーバ61は、ロールオーバが義足のユーザの望みに適応されることができることを確実にするために、快適さのレベルをさらに高め、さらなる調整の可能性を与えるように機能する。剛性が、より大きな剛性を備えた1つに対して吸収部材を交換することによって、又はショックアブソーバ61の吸収部材中のプレテンションを増加させることによって、調節されることができる。ショックアブソーバ61はまた、真空ポンプを有することができる。
【0062】
ベースばね4は、製造するのが簡単で、容易に交換されることができる。従って、義足1を特定のユーザの必要性に適応させることが可能である。前部の受け手段42にキャップ24を備えたフォアフットばね2の前端部を挿入することによって、及び、適切であればキャップを備えた後部の受け手段43にヒールばね3の後端部を挿入することによって、簡単なやり方でセットアップされ、これにより、ベースばね4は、フォアフットばね2及びヒールばね3の前端部と後端部との間のテンションの結果として義足1にしっかりと保持される。ヒールのストライクで、力は、中央領域44で、アーチによって、フォアフットばね2に少なくとも部分的に伝達され、ベースばね4が受け手段42に直接的に変形することなく引張応力を伝達し、そして、フォアフットばね2に力を伝達するまで延伸する。従って、ばね部材の全て、即ちフォアフットばね2、結合部材5、ヒールばね3及びベースばね4が、運動エネルギを蓄えて伝達するために、ヒールのストライクで利用されることが可能である。これは、個々のばね部材2、3、4、5の全てが互いに結合され、蓄積エネルギに寄与し、これにより、個々のばね部材2、3、4、5の各々が、独立して部分的な機能のみを果さなければならない場合よりも小さくされることができるという効果を奏する。
【0063】
本発明に係る義足1は、5つの主要構成要素、即ち、フォアフットばね2と、フォアフットばね2に取着される結合部材5と、結合部材5に取着されるヒールばね3と、フォアフットばね2の前端部21をヒールばね3の後端部32に接続するベースばね4と、第5の構成要素であり、義足の他の構成要素に取着するための部材を備えた通常の角錐アダプタとして設計されたアダプタ部材6とを有する。ばね2、3、4、5は、好ましくは、繊維強化プラスチック材料で、特に、いわゆる複合材料として構成された炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。ばね2、3、4、5の横断面は、好ましくは、矩形又はほぼ矩形であり、曲げ又は変形は、好ましくは1つの面でのみにもたらされる。端部領域では、キャップ24、34、即ち保護部材がばねに設けられることができる。ベースばね4は、複合材料でできたコアを含むことができる。上方に向けられた、即ちアダプタ6に向けられたアーチを備えたベースばね4は、引張力又は曲げモーメントを加えることによって動かされるか、まっすぐな形状にされる。ばねの作用は、このようにして達成される。ヒールのストライクが生じたとき、フォアフットばね2の前端部21が引っ張り下ろされるので、このようなベースばね4は、ヒールの負荷の間、つま先領域の足底の屈曲のために、中間スタンスの間、滑らかなロールオーバ移動を与える。ベースばね4は、フォアフットばね2とヒールばね3との両方のエネルギリターンを高め、従って、さらなるばね抵抗のために、歩いたときに満足な感覚を与える。これは、フォアフットばね2及びヒールばね3の両方へのベースばね4の接続に起因する均一な負荷分配のために、ばねの可動域によって達成される。加えられた負荷が、4つのばね構成要素2、3、4、5の間で分けられるので、既に議論されたように、ベースばね4は、義足1の安定性を高める。全体として、これは、義足1が、摩耗、複雑な構造、コスト及びメンテナンスのような、従来の足関節のいくつかの欠点を受けることのない、足首の接合の特徴を有するという効果を奏する。
【0064】
結合部材5は、いくつかの利点を有し、例えば、ヒールの支持の長さが延ばされ、全体として高められた可撓性につながるという事実がある。結合部材5は、ヒールばね3への取着の領域での負荷を減少させ、これは、再び高められた安定性につながる。結合部材5は、さらに、異常に高い負荷が生じたならば、過負荷ばねとして機能する。異常に高い負荷が起こったとき、結合部材5は、加えられた負荷の特性に応じて、前部領域のフォアフットばね2、又はベースばね4と接触するようになることができる。このようにして、伝えられる負荷の方向が変更され、これは、義足1全体の高められた負荷支持力につながる。
【0065】
スリットベースばね4及びスリットフォアフットばね2は、前後方向に、スリット26、46の向きで、義足1の高められた中間−側方の移動性を与え、これは、地面(床面)上のトレッド表面の改良された適応性につながる。地面(床面)への改良された適応性は、義足1を使用する人々によって経験される快適さ及び安定性を高める。
【0066】
義足1に関して、異なる程度の剛性を備えたさまざまな形態のばねが、義足1の規定サイズ用のさまざまな重みカテゴリに適合することができるように使用されることができる。モジュールの、可逆モードの構造は、義足1がメンテナンス目的のために分解されることを可能にし、これにより、その不良部品は交換されることができ、また、これにより、義足1は、重さの変化、負荷の変化、移動性の変化又はユーザの個々の必要性に適応されることができる。これは、異なる程度の剛性を備えたばねの使用によって容易に適応されることができる。個々の構成要素が一緒にねじで留められるか、互いに係合されるので、モジュールの可逆的なデザインは、単純化された組み立て手順を与える。摩耗を低減させるために、受け手段42、43の領域でこれが実行されることができるが、義足の個々の構成要素の接着はもはや必要ではない。
【0067】
義足1の剛性の程度の適応は、主に、個々のばね2、3、4の厚さを変更することによって達成される。ばねが厚くなるほど、もし変更がなされなければ、堅くなる。それ故、ベースばね4の受け手段42、43が、好ましくは最大の剛性に適応された同一の寸法を有し、夫々のばねの寸法の適応が、ばねに適合されるか、ばねに鋳造されるか、受け手段に係合されるか、組み立て前に注入された補正部材を使用してもたらされることが効果的であることが分かっている。
【0068】
図7は、本発明のさらに改良されたものを示している。図7に示されるように、摩擦部材71が、フォアフットばね2と結合部材5との間に挿入される。この摩擦部材71の目的は、ノイズを除去するか低減させることである。さらに、フォアフットばねは、ロールオーバにより多くの可撓性を与える細長いスリット26’を有する。図7に示される実施の形態では、ボルト9は、ねじが切られた貫通孔72によってアダプタ6に取着される。これら孔は、複合材又は金属のような任意の適切な材料でできており、カバープレート73によって覆われている。カバープレート73は、アダプタ6の溝に摩擦係合により、あるいは接着剤により取着されることができる。キャップ74は、フォアフットばね2の前端部に示される。図7に示される実施形態では、フォアフットばね2は、多かれ少なかれ平坦であり、キャップ74は、対応する受け手段を有する。フォアフットばね2及びベースばね4の長手方向のスリットのために、ばねは、挿入されたフォアフットばね2がベースばね4の受けポケット42の内部で回転されるようにして、互いに関連して回転することが可能である。フォアフットばね2の長手軸に沿ったねじり応力を最小にするために、キャップ74と対応する受けポケット42との間の相対回転運動を与えることが効果的である。これを達成するために、円錐形又は円筒形のデザインが与えられ、これにより、キャップの外面は受けポケットの内部で回転することができる。停止は、回転運動の限界を設定するために実行されることができる。
【0069】
図7a並びに図7bは、夫々、組み立てられていない状態及び組み立てられた状態の図7に示される実施の形態の側面図である。
【0070】
図8は、図4aの実施の形態と同様に、ベースばね4の変形例を示しているが、受けポケット42には、ベースばね4の端部が挿入される円筒形又は切頭円錐形の挿入開口421’が設けられている。
【0071】
図9は、図7の実施の形態の変形例を示しており、キャップ74’は円筒形又は切頭円錐形である。
【0072】
本発明が好ましい実施の形態の点から説明されてきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び意図の範囲内で修正がなされることができることを認識するであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォアフット(forefoot)ばねと、ヒールばねと、ベースばねとを備え、ベースばねがヒールばね及びフォアフットばねに接続されている義足に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,719,807号特許公報は、2次元の弾性フォアフット部品と、2次元の弾性ヒール部品と、ほぼ硬質のキャリア部品とを備えた義足を開示している。フォアフット部品及びヒール部品の各々の一端部が、キャリア部品に接続されており、フォアフット部品とヒール部品との各々が、夫々他の部品から独立して動作する。フォアフット部品は、前方に、その接続部からキャリア部品へとほぼ一定方向に延びており、一方、ヒール部品は、後方に、その接続部からキャリア部品へとほぼ一定方向に延びている。
【0003】
米国特許第5,181,933号は、義足を義足のユーザの断端と係合させる動作を容易にするための取着手段を備えた義足を開示している。数多くの湾曲したエネルギ蓄積足領域が、取着手段に取着され、地面(床面)に置かれるために下向きに延びている。湾曲部分の各々は、足首領域を有し、足領域は、地面(床面)と互いに独立して相互に作用し、湾曲部分は同様の形状を有する。ヒールばねが、フォアフット部分に解放可能であるようにして取着され、後方に延びている。同様の構造が、米国特許第5,514,185号に記載されている。
【0004】
米国特許第5,776,025号は、下向きに延び湾曲しており部分的なスリットばねが取着されている取着領域を備えた義足を開示している。ヒール領域及びフォアフット領域を備えた連続したばねが、ばねの前部下側端部領域に取着されている。連続したばねは、湾曲形状を有する。同様の構造が、米国特許第6,071,313号に開示されている。
【0005】
米国特許出願第2005/0203640号公開公報は、弾性足首領域を備えた義足を開示している。取り付けアダプタから始まり、フォアフット領域の上側取着部分が、後方かつ下向きに斜めに延び、湾曲の後、前方かつ下向きに延びているアーチ部分に統合しており、アーチ部分は、つま先部分で終わっている。ヒールばねは、足首領域の範囲で平行に延びており、湾曲の後、第1の部分が、アーチ部分よりもかなり傾斜していると推測する。第1の部分は、他の湾曲に続き、これにより、ヒール部分が、下向きかつ後方に斜めに延びている。それ故、ヒールばねは、S形状である。下側のベースばねは、ヒールばねの後端部及びつま先領域に接続され、クッションが、つま先部分とベースばねの前部部分との間に配置されることができる。
【0006】
英国特許第306,313号は、ひざ下シャフトへの取り付けのためのU形状のフレームを備えた義足を開示している。この義足では、ヒール部分がU形状のフレームに配置され、ヒール部分は同様にU形状であり、フレームに直角に配置されている。自然な足の輪郭形状にほぼ対応している前部部品は、ヒール部品に配置されている。前部部品は、弾性ロッドを介して弾性的に装着されている。
【0007】
米国特許第4,721,510号は、比較的大きな内部スペースを備えた中空のエラストマの補綴用(cosmetic)シェルを開示している。挿入開口の領域では、ソールが、アンカープレートが取着される厚くされた領域を有する。補強プレートが、アンカープレートに配置され、フォアフットばね領域及びヒールばね領域で、補剛ばねが、補強プレートに取着されている。ばねの上には、ウエッジが配置され、過負荷のときにはばねがこのウエッジにもたれる。
【0008】
米国特許第4,822,363号は、細長くて湾曲したばねを備えた義足が開示されている。このばねは、基端の取着ブランチを有し、後ろ側の、前方に延びているフォアフットブランチに隣接(接合)している。取着ブランチにはヒールばねが配置され、これは、湾曲したデザインであり、ほぼS形状かL形状である。代わりの一実施の形態では、ヒールばねは、フォアフット領域に解放可能に取着され、わずかな湾曲で後方に延びている。
【0009】
米国特許2,475,372号は、ひざ下シャフトが関節結合するようにして取着されることができる上側領域を備えた義足を開示している。中足骨領域が、関節結合しているようにしてヒール領域に装着されている。中足骨領域は、ここに関節結合されるフォアフット領域によって接合されている。フォアフット領域は、ばね機構を介して弾性的に装着されている。
【0010】
米国特許第5,258,039号は、エラストマの足首部材によって互いに接続されたフォアフットばね及びヒール部分を備えた弾性的な義足を開示している。フォアフットばねは、長手方向のスリットを有する。ヒールばねは、C形状のデザインを有する。代わりの実施の形態では、義足は、1つの部品で設計されている。
【0011】
米国特許第6,669,737号特許公報は、義足のための弾性的な足挿入部を開示している。この足挿入部は、側面図で、負荷されていない状態で、これらの間でほぼ三角形のスペースを囲んでおりルーフ領域を形成している少なくとも2つのばねを有する。取着部材が、ルーフ領域に配置されている。取着部材から始まり、ヒール部分が、凹状の湾曲で後方かつ下向きに延びており、一方、フォアフット部分が、同様の凹状の湾曲で前方かつ下向きに延びている。個々のベースばねが、ヒール領域及びつま先領域で、ヒール部分及びフォアフット部分に接続されている。
【0012】
米国特許第6,099,572号は、少なくとも1つの板ばねを備えた弾性的な弾性足挿入部を開示している。この足挿入部は、平行に結合され互いに隣に配置された少なくとも2つの板ばね部材を有する。板ばね部材は、両端で互いに接続され、2つの端部領域の間で、互いに離れているようにクリアランスを有する。接続部は、2つの端部領域の少なくとも一方でトルクに関して堅くて曲がらないように設計されている。
【発明の概要】
【0013】
オットーボック社は、1C30Triasと呼ばれる弾性的な足挿入部を製造しており、この足挿入部では、2つのヒールばね及び2つのフォアフットばねが基端のアダプタに取着されている。ベースばねが、2つのC形状のヒールばねの後端部に取着されている。ベースばねは、同様に、フォアフットばねの前端部に固定されている。
【0014】
本発明の目的は、快適なロールオーバを与える利用可能な義足を提供することである。本発明の他の目的は、高い活動レベルにある患者にも使用されることができる利用可能な義足を提供することである。最後に、本発明のさらなる目的は、製造が容易であり、さまざまなユーザに容易に適用されることができる利用可能な義足を提供することである。
【0015】
本発明によれば、これら目的は、主請求項の特徴部分を有する義足によって達成される。効果的な実施の形態及び本発明の発展形態が、従属請求項に規定される。
【0016】
本発明に係る義足は、フォアフットばねと、ヒールばねと、ベースばねとを具備し、前記ベースばねが、前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続され、前記ベースばねが、夫々前記フォアフットばね及び前記ヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有し、前記フォアフットばね及び前記ヒールばねが前記第1の受け手段及び第2の受け手段に夫々挿入されているように用意がなされている。受け手段は、義足のモジュラー構造を与え、重さ、可動度及び補綴具のユーザの他の態様に適用される、使用されるさまざまなベースばねを与える。これらは、フォアフットばね及びヒールばねを夫々の受け手段に挿入することによって非常に容易に適用されることができる。受け手段は、形状適合(form fit)でフォアフットばね及びヒールばねを保持することができ、これにより、接続を、従って、フォアフットばねとヒールばねとの間の力の結合を形成するために、接着剤による結合又は他の形態の取着を必要としない。
【0017】
受け手段は、ヒールばね及びフォアフットばねが挿入されるポケットとして設計されることができる。原理的には、フォアフットばね及びヒールばねが組み立てられた状態でテンションがかけられ、受け手段を外向きに、即ち後部の受け手段を後方に、かつ前部の受け手段を前方に押す力を受け手段に受けさせるのであれば、さらなるロッキングが必要とされない。
【0018】
ポケットは、閉じたデザインであることができ、フォアフットばね及びヒールばねが挿入される挿入開口を有する。閉じたデザインのポケットは、ばねの感受端部領域の保護を与え、これにより、例えば、繊維強化複合ばねの場合には、破壊が予期されない。挿入開口は、好ましくは、互いに対向して置かれ、これにより、挿入の方向は、互いに対向しており、ヒールばね及びフォアフットばねの挿入の後、ベースばねがテンションを受けるという効果を奏する。
【0019】
プレテンション手段が、選択的には、フォアフットばね及びヒールばねへのベースばねのさらなる取着を与えるために、ベースばね又は受け手段に対してヒールばねとフォアフットばねとの少なくとも一方にプレテンションをかける受け手段に配置されることができる。プレテンション手段は、ばね又はエラストマ部材を含むものとして設計されることができ、受け手段又はベースばねに対してフォアフットばね及びヒールばねのプレテンション又はさらなるプレテンションを与えることができる。プレテンション手段は、形状適合ロッキングを与えるようにクリップ接続を形成することができ、これにより、プレテンション部材もまた固定手段として機能することができる。従って、ロッキング手段もまた、フォアフットばねとヒールばねとの少なくとも一方にベースばねを、特に、形状適合ロッキング作用でロックするために、受け手段に設けられる。対応するロッキング手段が、フォアフットばね及びヒールばねに設けられることができ、受け手段中で、又は上でロッキング手段と係合する。プレテンション部材が、受け手段に鋳造されるか、ヒールばねとプレテンション手段との少なくとも一方に押圧されるか、結合されるか、取着されることができる。
【0020】
ベースばねは、テンション部材として、例えば、ストラップとして設計されることができ、これは、可撓であるが曲げ力又はモーメントに対して弾性がなく、好ましくは、ベースばねの長手方向に弾性がない。
【0021】
ベースばねは、減少されたアーチ及び延ばされたベースばねによって、ヒールの負荷、フォアフットの負荷又は高い軸方向の負荷が起こったときに内側にそりを与えるように、義足の負荷されていない状態で上向きにアーチ状になっているばねとして設計されることができる。ベースばねの堅さ、それ故、義足のロールオーバは、アーチの程度によって影響を及ぼされることができる。
【0022】
ベースばねは、義足の負荷されていない状態で、引張応力によりプレテンションをかけることができ、これにより、ベースばねの端部が異なる方向に押される。アーチ状のベースばねの場合には、加えられる引張応力もまた、ばね内に曲げモーメントを引き起こす。
【0023】
ベースばねは、特に、ばねとして設計されたとき、速くかつ高価でない製造を達成するために、注入モールド成形部品として設計されることができる。ベースばねは、例えば、互いに接続されたいくつかの注入モールド成形部品によって、いくつかの部品で設計され、接合方法で一緒にされることができる。ベースばねはまた、注入モールド成形によって互いに接続された異なる材料でできていることが可能である。例えば、ばね部材又は硬質構成要素は、モールドに置かれ封入されることができる。ベース部材の個々の構成要素、及びこれに注入される他の構成要素もまた、注入モールド成形工具に置かれることが可能である。ベースばねの個々の部品は、同様に、複数の構成要素の注入モールド成形によって、例えば、2つの構成要素の注入モールド成形によって製造されることができる。ベースばねは、複合材料でできた複合材料により製造されるか、複数の部品を有することができる。使用されることができる複合材料の例は、繊維強化プラスチックであり、例えば、炭素繊維又はガラス繊維で強化されたプラスチックであることができる。
【0024】
ベースばねは、受け手段によって両端部で接合された湾曲した中間部分を有することができる。受け手段は、ねじ留めされるか、クリップ留めされるか、注入されることができる。受け手段はまた、中間部分と一体的に形成されることができる。中間部分は、例えば、繊維強化プラスチックでできたビームばねとして設計されることができ、この上に受け手段が注入される。
【0025】
ヒールばねが、結合部材によってフォアフットばねに接続されることができ、これにより、フォアフットばねへのヒールばねの直接的な接合がない。結合部材のデザインは、その弾性及びその配置特性の両方の観点から、義足の弾性特性を変更するために使用されることができるので、結合部材は、利用可能なさらなる調節部材として機能する。
【0026】
フォアフットばね及び結合部材は、少なくとも一部が互いに平行に延びるように配置されることができ、これにより、これらは、これらの弾性に関して互いに補う。従って、結合部材は、少なくとも負荷されていない状態で、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びている。結合部材は、上向きに向けられた部分と前方に向けられた部分とを有することができ、これにより、フォアフットばねに対応するようにして延びているほぼL形状の構造部品が存在する。L形状の結合部材の開口の角度は、フォアフットばねの開口の角度とは異なることができる。上向きに向けられた部分は、同様に、ほぼ垂直方向に向けられ、これにより、垂直方向下向きに作用する負荷が義足に与えられたとき、わずかなばねの作用のみが、垂直に向けられた部分から利用可能である。上向きに向けられた部分は、S形状の形態を有することができ、結果として、そのばねの作用が強化されることができる。
【0027】
ヒールばねは、ヒールばねの十分な長さを利用可能であるように、結合部材の前部領域に取着されることができる。ばねが長いほど、その端部で生じる負荷により敏感に反応することができる。さらに、ヒールばねの前部領域を結合部材の前部領域に結合することは、快適なヒールのストライク(strike)を得るために、結合部材の前方に向けられた部分の弾性を使用する可能性を与える。
【0028】
結合部材は、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びることができ、これにより、結合部材は、前方に向けられた部分を介してさらなるばねの作用を与える。この目的のために、結合部材は、例えば、繊維強化プラスチックでできたばねとして設計されている。
【0029】
ヒールばねは、湾曲していることができ、ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、湾曲を有し、これにより、前端部領域がほぼ水平に、又はわずかに下向きの傾斜に向けられている。ばね特性の正確な設定が、ヒールばねの波状のデザインによって達成されることができる。
【0030】
フォアフットばねは、前部に向かって、下向きの傾斜で向けられたほぼまっすぐなフォアフット部分を有することができ、これは、湾曲から始まり、ほぼ垂直に向けられた部分に続き、前方に直線状に延びていることができる。つま先領域では、これは、平坦部を有することができ、ロールオーバを容易にするためにわずかな湾曲に上向きに統合することができる。
【0031】
接続手段は、ひざ下シャフトに義足を取着するために設けられることができ、義足の基端部に配置されている。接続手段が、フォアフットばねの基端部に、適切であれば、結合部材の基端部に、好ましくはねじ留めすることによって取着されることができる。接続手段には、ショックアブソーバが設けられることができ、軸方向の力に加えて、トルクを受け、回転運動を吸収することができる。
【0032】
フォアフットばねは、フォアフットばねの後方部分に配置された接続手段で、まっすぐで平坦なばねとして設計されることができる。結合部材も、まっすぐで平坦なばねとして設計されることができ、フォアフットばねに平行に配置されている。結合部材の垂直部品もフォアフットばねも必要でない。
【0033】
フォアフットばね及びベースばねは、フォアフットばね及びベースばねの中間−側方可動性を与えるために、義足の前端部から延びたスリットを有することができる。このようにして、例えば、傾斜面でのロールオーバの際に、単に一縁部が地面(床面)又は靴との接触をしないことが可能である。
【0034】
義足は、漸進的な足首モーメント特性(progressive ankle moment profile)を有することができる。漸進的な足首モーメント特性は、弾性部材とヒールばねとの組合せによって達成されることができる。特に、弾性部材の形状は、圧縮される横断面を増やすことによって、漸進性を発生させることができる。漸進的な足首モーメント特性もまた、ベースばねにヒールばね及び結合部材の接触領域を配置することによって発生させることができるが、対応する高い負荷を与える。
【0035】
ヒールのストライクでは、力が、ベースばねを介してフォアフットばねに少なくとも部分的に伝達されることができ、これは、ベースばねを介したヒールばねへのフォアフットばねのプレテンション及び結合によって達成される。従って、ベースばねは、テンション部材として機能し、これにより、ヒールのストライクによる力は、ベースばねを介してフォアフットばねに伝達される。エネルギは、後者がS形状の湾曲を有するのであれば、特に、ベースばねとしての実施の形態では、部分的に、ベースばねに蓄えられ、そして、戻される。なぜならば、ばねの互いの接続及び結合が、これらが他のばねから独立して作用することができないという効果を有するからである。
【0036】
特に、ベースばねとしての実施の形態では、フォアフットばね及びベースばねは、ロールオーバの間、力がフォアフットの負荷の始まりのボール領域に最初に伝えられたとき、フォアフットばね及びベースばねが増加している負荷の下でこれらの曲げの各々によって互いに近づくようにして、これらの形状及び屈曲の弾性に関して設計されている。このようにして、ばねが、互いに位置するようになることができ、この結果、規定された負荷レベルから始まり、ばねの弾性が、互いに位置しているばねによって、及び互いにばねの摩擦によって高められることができる。
【0037】
本発明に係る義足は、フォアフットばねと、ヒールばねと、ベースばねとを具備し、前記ベースばねが、前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続され、前記ヒールばねが、結合部材を介して前記フォアフットばねに接続され、これにより、前記フォアフットばねへの前記ヒールばねの直接的な接合がないように用意がなされている。結合部材は、結合部材のデザインが、その弾性及びその配置特性の両方の観点から、義足の弾性特性を変更するために使用されることができるので、さらなる調節部材を利用可能にするように機能する。結合部材は、1つの部分を介して、少なくとも、フォアフットばねに沿って前方に延び、ヒールばねが支持されることができる選択的な弾性部分を利用可能にする。結合部材へのヒールばねの関節結合が、フォアフットばねからヒールばねを分離し、これにより、関節結合点がより自由に選択されることができるので、義足のより可変な調節が行われることができる。ヒールばね及びフォアフットばねの接続は、高い機械負荷の位置で決してなされてはならず、代わって、比較的自由に選択されることができる位置でなされることができる。
【0038】
フォアフットばね及び結合部材は、少なくとも一部が互いに平行に延びるように配置されることができ、これにより、これらは、これらの弾性に関して互いに補う。従って、結合部材は、少なくとも負荷されていない状態で、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びている。結合部材は、上向きに向けられた部分と前方に向けられた部分とを有することができ、これにより、フォアフットばねに対応するようにして延びているほぼL形状の構造部分が存在する。L形状の結合部材の開口の角度は、フォアフットばねの開口の角度とは異なることができる。上向きに向けられた部分は、同様に、ほぼ垂直方向に向けられ、これにより、垂直方向下向きに作用する負荷が義足に与えられたとき、わずかなばねの作用のみが、垂直に向けられた部分から利用可能である。上向きに向けられた部分は、S形状の形態を有することができ、結果として、そのばねの作用が強化されることができる。
【0039】
ヒールばねは、ヒールばねの十分な長さを利用可能であるように、結合部材の前部領域に取着されることができる。ばねが長いほど、その端部で生じる負荷により敏感に反応することができる。さらに、ヒールばねの前部領域を結合部材の前部領域に結合することは、快適なヒールのストライクを得るために、結合部材の前方に向けられた部分の弾性を使用する可能性を与える。
【0040】
結合部材は、フォアフットばねの少なくとも一部に沿って前方に、フォアフットばねに平行に延びることができ、これにより、結合部材は、前方に向けられた部分を介してさらなるばねの作用を与える。この目的のために、結合部材は、例えば、繊維強化プラスチックでできたばねとして設計されている。
【0041】
ヒールばねは、湾曲していることができ、ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、湾曲を有し、これにより、前端部領域がほぼ水平に、又はわずかに下向きの傾斜に向けられている。ばね特性の正確な設定が、ヒールばねの波状のデザインによって達成されることができる。
【0042】
フォアフットばねは、前部に向かって、下向きの傾斜で向けられたほぼまっすぐなフォアフット部分を有することができ、これは、湾曲から始まり、ほぼ垂直に向けられた部分に続き、前方に直線状に延びていることができる。つま先領域では、これは、平坦部を有することができ、ロールオーバを容易にするためにわずかな湾曲に上向きに統合することができる。
【0043】
ベースばねは、夫々フォアフットばね及びヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有することができ、フォアフットばね及びヒールばねが受け手段に挿入されることができる。これにより、組み立てられた状態では、フォアフットばね及びヒールばねは、受け手段に挿入され保持される。受け手段は、義足のモジュラー構造を与え、重さ、可動度及び補綴具のユーザの他の態様に適用される、使用されるさまざまなベースばねを与える。これらは、フォアフットばね及びヒールばねを夫々の受け手段に挿入することによって非常に容易に適用されることができる。受け手段は、形状適合でフォアフットばね及びヒールばねを保持することができ、これにより、接続を、従って、フォアフットばねとヒールばねとの間の力の結合を形成するために、接着剤による結合又は他の形態の取着を必要としない。
【0044】
受け手段は、ヒールばね及びフォアフットばねが挿入されるポケットとして設計されることができる。原理的には、フォアフットばね及びヒールばねが組み立てられた状態でテンションがかけられ、受け手段を外向きに、即ち後部の受け手段を後方に、かつ前部の受け手段を前方に押す力に受け手段に受けさせるのであれば、さらなるロッキングが必要とされない。
【0045】
ポケットは、閉じたデザインであることができ、フォアフットばね及びヒールばねが挿入される挿入開口を有する。閉じたデザインのポケットは、ばねの感受端部領域の保護を与え、これにより、例えば、繊維強化複合ばねの場合には、破壊が予期されない。挿入開口は、好ましくは、互いに対向して置かれ、これにより、挿入の方向は、互いに対向しており、ヒールばね及びフォアフットばねの挿入の後、ベースばねがテンションを受けるという効果を奏する。
【0046】
本発明の図示される実施の形態が、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、拡大斜視図における義足を示している。
【図2a】図2aは、図1に係る義足の側面図である。
【図2b】図2bは、図1に係る義足の平面図である。
【図3】図3は、図2aに係る義足の拡大側面図である。
【図3a】図3aは、図3の実施の形態の変形例である。
【図3b】図3bは、図3の実施の形態の変形例である。
【図4a】図4aは、斜視図におけるベースばねを示している。
【図4b】図4bは、斜視図におけるベースばねを示している。
【図5a】図5aは、義足の代わりの実施の形態の側面図である。
【図5b】図5bは、図5aに係る義足の拡大斜視図である。
【図6a】図6aは、ショックアブソーバを備えた義足のさらなる代わりの実施の形態の側面図である。
【図6b】図6bは、図6aに係る義足の拡大図である。
【図7】図7は、本発明のさらなる実施の形態の拡大斜視図である。
【図7a】図7aは、図7の実施の形態の拡大側面図である。
【図7b】図7bは、図7の組み立てられた実施の形態の側面図である。
【図8】図8は、フォアフットばねの端部を受けるための円筒形又は切頭円錐(frustro-conical)受け手段を有する変形例のベースばねを示している。
【図9】図9は、図7の実施の形態に示されるキャップのさらなる変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1には、フォアフットばね2と、ヒールばね3と、ベースばねの形態のベースばね4とを有する義足1が拡大斜視図で示されている。フォアフットばね2は、湾曲後、ほぼまっすぐなフォアフット部分21に統合されたほぼまっすぐな垂直部分22を有する。フォアフット部分21は、下向き傾斜で前方に延びており、つま先領域でさらなる曲げを有することができ、これにより、つま先領域が、ほぼ水平に向けられているか、わずかに上向きに湾曲されている。フォアフット部分21の前端部領域では、スリーブ又はキャップ24が、フォアフットばね2を少なくとも部分的に囲んで配置されることができる。フォアフットばね2は、プラスチック又は複合材料、特に、繊維強化プラスチックでできていることができる。通常のアダプタの形態である接続手段6が、垂直部分22に配置されている。これは、ボルト9によって取着され、取着プレート又は補強プレート8によって案内される。ボルト9は、補強プレート8、結合部材5及びフォアフットばね2の垂直部分22を通過し、アダプタ6にねじ留めされる。
【0049】
ボルト9によって、フォアフットばね2は、垂直部分22の基端領域で結合部材5に機械的に結合されている。結合部材5は、同様に、前方に向けられた部分52によって接合された垂直部分51を有する。垂直部分51と前部部分52との間の移行部は、同様に、曲げによってもたらされ、自然な足首の領域に配置されている。結合部材は、同様に、ばねとして設計され、フォアフットばね2のフォアフット部分21にほぼ平行に前部部分52で延びている。
【0050】
結合部材5の前部領域521には、ねじ10が案内されるボアが設けられている。結合部材5の前部領域521では、ねじ10が、ヒールばねの前端部領域31に機械的接続を与える。ヒールばね3の前端部領域31は、同様に、ねじ10が延びているボア又は凹部が設けられ、ねじ10がスリーブ11に固定されている。
【0051】
ヒールばね3は、前端部領域にわずかな湾曲と穏やかな下向きスロープを有するように設計されており、一方、湾曲は、ヒールばねの後端部32で逆向きに延び、これにより、後端部32でほぼ水平向きである。エラストマ構成要素の形態のばね部材7が、ヒールばね3と結合部材5の足首領域との間に配置されている。
【0052】
ヒールばね3の後端部32は、同様に、スリーブ又はキャップ34で裏打ちされることができ、これは、ベースばね4の後部の受け手段43に挿入されることができる。
【0053】
1部品のベースばね4の受け手段43は、ポケットとして設計され、閉じたキャップを形成している。ベースばね4が、わずかに上向きにアーチ状になっており、前端部に、フォアフットばね2を受けるための受け手段42を有する。フォアフットばね2及びベースばね4のデザインが以下に詳細に説明される。
【0054】
図2aは、組み立てられた状態での義足1を示している。ボルト9が、結合部材5とフォアフットばね2との両方を通って延び、アダプタ部材6にねじで係合されることが言及される。フォアフットばね2及び結合部材5の垂直部分22、51は、互いに平行に、ほぼ垂直方向に延びており、両方の垂直部分22、51が、例えば、円形のセクタの形状で滑らかな湾曲を有する曲げ足首領域で接合される。結合部材5の前方に向けられた部分52は、フォアフット部分21の長さの部分に沿って、フォアフット部分21に平行に延びており、フォアフット部分21の底面にもたれるか、それ自体とフォアフット部分21との間に小さなギャップを有することができる。結合部材5の足首領域のウエッジ12が、まっすぐな(曲がっていない)底面を有し、これにより、足首領域の湾曲の始まりの後、ばね部材7を支持するための直線状の延長部がある。
【0055】
図2aから、ねじ10の端面は、結合部材5の前部領域521の上面と面一で終わっており、結合部材5とヒールばね3との両方を通って延びていることもまた理解される。ヒールばね3は、上向きに湾曲した輪郭形状を有し、フォアフットばね2及び結合部材5の垂直部分22、51を超えて後方に延びている。後端部32は、ベースばね4の受け手段43で受けられる。ベースばね4は、さらなるばねの作用を与えるために、ヒールのストライクにおいて長くすることができるように、わずかに上向きの湾曲を有する。ベースばね4の前端部には、同様に、受け手段42が設けられており、フォアフットばね2のフォアフット領域21の前端部が受け手段42に形状適合で係合される。
【0056】
図示される組み立てられた状態では、フォアフットばね2の前端部とヒールばね3の後端部32とは、ポケットとして設計された受け手段42、43に対してさまざまな方向に押圧し、これにより、フォアフットばね2とヒールばね3とが互いにテンションをかける。これは、ベースばね4が引張応力の下にあり、これにより、上向きに向けられたアーチが下向きに押圧されるという効果を奏する。ヒールばね3とフォアフットばね2との間のテンションは、弾性結合部材5によって加えられ維持される。図2bの平面図から、ベースばね4とフォアフットばね2との両方が、フォアフットばね2の約3分の1に沿って延びたスリット46、26を有することが理解される。スリット26、46によって、フォアフット領域で中間−側方方向に異なる負荷を与えて補正することが可能である。
【0057】
図3は、義足1の拡大斜視側面図である。図は、明白に、垂直部分22と、円形のセクタの形状の足首部分23と、フォアフット領域21と、ベースばね4の前部の受け手段への挿入のためのスリーブ24とを備えたフォアフットばね2を示している。補綴の他の構成要素への接続のための角錐コネクタを備えたアダプタ6は、ボルト9及び補強プレート8によってフォアフットばね2の垂直部分22に、結合部材5と一緒に、機械的に取着されている。取着ばねとしても設計されることができる結合部材5は、垂直部分51と、前方に傾けられたフォアフット部分52と、足首部分53とを有し、これは、フォアフットばね2の足首部分23に対応するように設計されている。ウエッジ12が湾曲の外側に配置されており、これは、さらなるばね部材7のための継続及びベアリングとして設けられている。ばね部材7に代わって、図3a並びに図3bに示されるように、ウエッジ形状のばね部材7’を設けることもまた可能であり、これは、足首領域53とウエッジ12との間のヒールばね3の後端部に対する相対運動を防ぐか制限する。
【0058】
図3a並びに図3bは、組み立てられた状態の図3に係る実施の形態の変形例を示している。図3a並びに図3bでは、ばね部材7は、ウエッジ形状のばね部材7’と取り替えられている。図3aでは、ばね部材7’は挿入されていない。患者が「柔らかい」ヒールを好むのであれば、義足はばね部材7’なしで使用されることができる。ばね部材7’の固定のために、突出部の形態のリテーナ部材57には結合部材5が設けられている。ウエッジ形状のばね部材7’は、テーパ状のギャップに、結合部材5とヒールばね3との間に挿入されるか滑動され、リテーナ部材57によってそこに適切な形態に保持される。組み立てられた状態は、図3bに示される。このように設置されたばね部材7を用いて、ヒールの剛性を変えることが可能である。設置されたばね部材7’を用いて、ばね部材7’なしでよりも堅いヒールが設けられる。ばね部材7’のさまざまな異なる剛性が、歩いている間、患者の好みに義足の剛性を採用するために設けられることができる。
【0059】
図4a並びに図4bは、ベースばね4の異なる図である。ベースばね4は、挿入開口421、431を備えた前部及び後部の受け手段42、43を有し、これにより、フォアフットばね2及びヒールばね3の夫々の部分24、34が、受け手段42、43に形状適合で挿入され保持される。ベースばね4の中間点にほぼ形成されるスリット46は、中央/側方に向けられた補正移動を与える。ベースばねの中間部分44では、アーチは、さらなるばねの作用を利用可能にするために上向きに向けられるように設けられている。係止部材、テンション部材又は形状適合部材は、受け手段42、43中にばね2、3を取着して保持することができるように、受け手段42、43に配置されることができる。これら係止部材は、突出部として設計されることができ、例えば、プレテンション手段が、同様に、受け手段42、43の中と上との少なくとも一方に配置されたばね又はエラストマ部材として設計されることができる。ベースばね4のスリット46の配置のために、2つの受け手段42が、ベースばね4のフォアフット領域に設けられる。スリットのないフォアフットばねのデザインでは、1つの受け手段42のみが設けられ必要とされる。ベースばね4は、注入モールド成形された部品から形成されることができ、1部品で設計されることができる。また、補強部材、例えば、湾曲した繊維強化プラスチックばねが、注入モールドに置かれて、プラスチックで封入されることもまた可能であり、これにより、受け手段42、43がベースばねに一体的に形成される。また、原理的には、ベースばね4がいくつかの部品で設計されることも可能であり、これにより、受け手段42、43が、例えば、ねじ留め、接着剤による結合、溶接又は他のやり方によって中間部分44に取着される。
【0060】
図5a並びに図5bは、本発明の他の実施の形態を示している。義足1の基本構造は、図1乃至図4に示される基本構造に対応している。同一の参照符号は同一の構造部品を示している。図1乃至図4に係るデザインとは対照的に、図5a並びに図5bに係る義足1は、フォアフットばね2及び結合部材5にある垂直部分22、51を有していない。従って、フォアフットばね2及び結合部材5は、ほぼ直線のばねとして設計され、アダプタ6は、結合部材5及びフォアフットばね2を貫通するねじによって再び取着される。このような義足は、相当なひざ下長さがあるとき、結果として、義足1の上方取着点が所望の程度まで上方に移動されることができないとき、効果的である。さらに、アダプタ6は、フォアフットばね2に面している表面で、丸くされるか、ハンチを有するので、フォアフットばねの上面に向いている縁又はリムがない。リム又は縁がフォアフットばね2の上面に作用し、アダプタ6がフォアフットばねに相対的に移動されたならば、非常に高い応力がフォアフットばねに適用される。これは、通常、繊維複合材料でできている。リム又は縁をばねの表面に押圧することによって、非常に小さなくぼみが形成され、これは、材料の弱まり、又はフォアフットばねの摩耗につながりうる。アダプタ6の丸みがあり滑らかな表面により、エラストマが一体化されることができる一種のウエッジが形成される。
【0061】
図6a並びに図6bは、本発明の代わりの実施の形態を示している。義足1の基本構造は、図1乃至図4の基本構造に対応している。通例のアダプタ6に加えて、長手軸を中心とした軸方向荷重及びトルクを受けることができるショックアブソーバ61が設けられている。ショックアブソーバ61は、ロールオーバが義足のユーザの望みに適応されることができることを確実にするために、快適さのレベルをさらに高め、さらなる調整の可能性を与えるように機能する。剛性が、より大きな剛性を備えた1つに対して吸収部材を交換することによって、又はショックアブソーバ61の吸収部材中のプレテンションを増加させることによって、調節されることができる。ショックアブソーバ61はまた、真空ポンプを有することができる。
【0062】
ベースばね4は、製造するのが簡単で、容易に交換されることができる。従って、義足1を特定のユーザの必要性に適応させることが可能である。前部の受け手段42にキャップ24を備えたフォアフットばね2の前端部を挿入することによって、及び、適切であればキャップを備えた後部の受け手段43にヒールばね3の後端部を挿入することによって、簡単なやり方でセットアップされ、これにより、ベースばね4は、フォアフットばね2及びヒールばね3の前端部と後端部との間のテンションの結果として義足1にしっかりと保持される。ヒールのストライクで、力は、中央領域44で、アーチによって、フォアフットばね2に少なくとも部分的に伝達され、ベースばね4が受け手段42に直接的に変形することなく引張応力を伝達し、そして、フォアフットばね2に力を伝達するまで延伸する。従って、ばね部材の全て、即ちフォアフットばね2、結合部材5、ヒールばね3及びベースばね4が、運動エネルギを蓄えて伝達するために、ヒールのストライクで利用されることが可能である。これは、個々のばね部材2、3、4、5の全てが互いに結合され、蓄積エネルギに寄与し、これにより、個々のばね部材2、3、4、5の各々が、独立して部分的な機能のみを果さなければならない場合よりも小さくされることができるという効果を奏する。
【0063】
本発明に係る義足1は、5つの主要構成要素、即ち、フォアフットばね2と、フォアフットばね2に取着される結合部材5と、結合部材5に取着されるヒールばね3と、フォアフットばね2の前端部21をヒールばね3の後端部32に接続するベースばね4と、第5の構成要素であり、義足の他の構成要素に取着するための部材を備えた通常の角錐アダプタとして設計されたアダプタ部材6とを有する。ばね2、3、4、5は、好ましくは、繊維強化プラスチック材料で、特に、いわゆる複合材料として構成された炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。ばね2、3、4、5の横断面は、好ましくは、矩形又はほぼ矩形であり、曲げ又は変形は、好ましくは1つの面でのみにもたらされる。端部領域では、キャップ24、34、即ち保護部材がばねに設けられることができる。ベースばね4は、複合材料でできたコアを含むことができる。上方に向けられた、即ちアダプタ6に向けられたアーチを備えたベースばね4は、引張力又は曲げモーメントを加えることによって動かされるか、まっすぐな形状にされる。ばねの作用は、このようにして達成される。ヒールのストライクが生じたとき、フォアフットばね2の前端部21が引っ張り下ろされるので、このようなベースばね4は、ヒールの負荷の間、つま先領域の足底の屈曲のために、中間スタンスの間、滑らかなロールオーバ移動を与える。ベースばね4は、フォアフットばね2とヒールばね3との両方のエネルギリターンを高め、従って、さらなるばね抵抗のために、歩いたときに満足な感覚を与える。これは、フォアフットばね2及びヒールばね3の両方へのベースばね4の接続に起因する均一な負荷分配のために、ばねの可動域によって達成される。加えられた負荷が、4つのばね構成要素2、3、4、5の間で分けられるので、既に議論されたように、ベースばね4は、義足1の安定性を高める。全体として、これは、義足1が、摩耗、複雑な構造、コスト及びメンテナンスのような、従来の足関節のいくつかの欠点を受けることのない、足首の接合の特徴を有するという効果を奏する。
【0064】
結合部材5は、いくつかの利点を有し、例えば、ヒールの支持の長さが延ばされ、全体として高められた可撓性につながるという事実がある。結合部材5は、ヒールばね3への取着の領域での負荷を減少させ、これは、再び高められた安定性につながる。結合部材5は、さらに、異常に高い負荷が生じたならば、過負荷ばねとして機能する。異常に高い負荷が起こったとき、結合部材5は、加えられた負荷の特性に応じて、前部領域のフォアフットばね2、又はベースばね4と接触するようになることができる。このようにして、伝えられる負荷の方向が変更され、これは、義足1全体の高められた負荷支持力につながる。
【0065】
スリットベースばね4及びスリットフォアフットばね2は、前後方向に、スリット26、46の向きで、義足1の高められた中間−側方の移動性を与え、これは、地面(床面)上のトレッド表面の改良された適応性につながる。地面(床面)への改良された適応性は、義足1を使用する人々によって経験される快適さ及び安定性を高める。
【0066】
義足1に関して、異なる程度の剛性を備えたさまざまな形態のばねが、義足1の規定サイズ用のさまざまな重みカテゴリに適合することができるように使用されることができる。モジュールの、可逆モードの構造は、義足1がメンテナンス目的のために分解されることを可能にし、これにより、その不良部品は交換されることができ、また、これにより、義足1は、重さの変化、負荷の変化、移動性の変化又はユーザの個々の必要性に適応されることができる。これは、異なる程度の剛性を備えたばねの使用によって容易に適応されることができる。個々の構成要素が一緒にねじで留められるか、互いに係合されるので、モジュールの可逆的なデザインは、単純化された組み立て手順を与える。摩耗を低減させるために、受け手段42、43の領域でこれが実行されることができるが、義足の個々の構成要素の接着はもはや必要ではない。
【0067】
義足1の剛性の程度の適応は、主に、個々のばね2、3、4の厚さを変更することによって達成される。ばねが厚くなるほど、もし変更がなされなければ、堅くなる。それ故、ベースばね4の受け手段42、43が、好ましくは最大の剛性に適応された同一の寸法を有し、夫々のばねの寸法の適応が、ばねに適合されるか、ばねに鋳造されるか、受け手段に係合されるか、組み立て前に注入された補正部材を使用してもたらされることが効果的であることが分かっている。
【0068】
図7は、本発明のさらに改良されたものを示している。図7に示されるように、摩擦部材71が、フォアフットばね2と結合部材5との間に挿入される。この摩擦部材71の目的は、ノイズを除去するか低減させることである。さらに、フォアフットばねは、ロールオーバにより多くの可撓性を与える細長いスリット26’を有する。図7に示される実施の形態では、ボルト9は、ねじが切られた貫通孔72によってアダプタ6に取着される。これら孔は、複合材又は金属のような任意の適切な材料でできており、カバープレート73によって覆われている。カバープレート73は、アダプタ6の溝に摩擦係合により、あるいは接着剤により取着されることができる。キャップ74は、フォアフットばね2の前端部に示される。図7に示される実施形態では、フォアフットばね2は、多かれ少なかれ平坦であり、キャップ74は、対応する受け手段を有する。フォアフットばね2及びベースばね4の長手方向のスリットのために、ばねは、挿入されたフォアフットばね2がベースばね4の受けポケット42の内部で回転されるようにして、互いに関連して回転することが可能である。フォアフットばね2の長手軸に沿ったねじり応力を最小にするために、キャップ74と対応する受けポケット42との間の相対回転運動を与えることが効果的である。これを達成するために、円錐形又は円筒形のデザインが与えられ、これにより、キャップの外面は受けポケットの内部で回転することができる。停止は、回転運動の限界を設定するために実行されることができる。
【0069】
図7a並びに図7bは、夫々、組み立てられていない状態及び組み立てられた状態の図7に示される実施の形態の側面図である。
【0070】
図8は、図4aの実施の形態と同様に、ベースばね4の変形例を示しているが、受けポケット42には、ベースばね4の端部が挿入される円筒形又は切頭円錐形の挿入開口421’が設けられている。
【0071】
図9は、図7の実施の形態の変形例を示しており、キャップ74’は円筒形又は切頭円錐形である。
【0072】
本発明が好ましい実施の形態の点から説明されてきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び意図の範囲内で修正がなされることができることを認識するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォアフットばねと、
ヒールばねと、
前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続されたベースばねとを具備し、
前記ベースばねは、夫々前記フォアフットばね及び前記ヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有し、前記フォアフットばね及び前記ヒールばねが前記第1の受け手段及び前記第2の受け手段に夫々挿入されている義足。
【請求項2】
前記第1及び第2の受け手段は、形状適合で前記フォアフットばね及び前記ヒールばねを保持している請求項1の義足。
【請求項3】
前記第1及び第2の受け手段は、ポケットとして設計されている請求項1の義足。
【請求項4】
前記ポケットは、閉じたデザインであり、挿入開口を有する請求項3の義足。
【請求項5】
前記第1及び第2の受け手段の前記挿入開口は、互いに対向して置かれている請求項4の義足。
【請求項6】
プレテンション手段が、前記第1及び第2の受け手段の少なくとも1つに配置され、前記ベースばね又は前記受け手段に対して前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方にプレテンションをかける請求項1の義足。
【請求項7】
前記プレテンション手段は、ばね又はエラストマ部材として設計されている請求項6の義足。
【請求項8】
前記プレテンション手段は、前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方に、鋳造されるか、押圧されるか、結合されるか、取着される請求項6の義足。
【請求項9】
前記ベースばねは、テンション部材として設計されている請求項1の義足。
【請求項10】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で上向きにアーチ状になっているばねとして設計されている請求項1の義足。
【請求項11】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で引張応力によりプレテンションをかける請求項1の義足。
【請求項12】
前記ベースばねは、注入モールド成形部品として設計されている請求項1の義足。
【請求項13】
前記ベースばねは、いくつかの部品で設計されている請求項1の義足。
【請求項14】
前記ベースばねは、複合材料により製造されている請求項1の義足。
【請求項15】
前記ベースばねは、前記第1及び第2の受け手段によって両端部で接合された湾曲した中間部分を有する請求項14の義足。
【請求項16】
前記第1及び第2の受け手段は、前記中間部分の両側に一体的に形成されているか、前記中間部分に取着されている請求項15の義足。
【請求項17】
前記中間部分は、繊維強化複合材料でできている請求項16の義足。
【請求項18】
前記ヒールばねは、結合部材を介して前記フォアフットばねに接続されている請求項17の義足。
【請求項19】
前記フォアフットばね及び前記結合部材は、互いに平行に延びるように配置されている請求項18の義足。
【請求項20】
前記結合部材は、上向きに向けられた部分と前方に向けられた部分とを有する請求項18の義足。
【請求項21】
前記上向きに向けられた部分は、ほぼ垂直に向けられている請求項20の義足。
【請求項22】
前記ヒールばねは、前記結合部材の前部領域に固定されている請求項18の義足。
【請求項23】
前記結合部材は、少なくとも負荷されていない状態で、前記フォアフットばねの一部に沿って前方に、前記フォアフットばねに平行に延びている請求項18の義足。
【請求項24】
前記結合部材は、ばねとして設計されている請求項18の義足。
【請求項25】
前記フォアフットばねと前記結合部材との間に摩擦材料をさらに具備し、前記摩擦材料は、ノイズを低減させるように機能する請求項18の義足。
【請求項26】
前記ヒールばねは、湾曲しており、前記ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、前端部が水平又は下向き傾斜に向けられるように湾曲を有する請求項17の義足。
【請求項27】
前記フォアフットばねは、前部に向かって、下向き傾斜で傾斜しているほぼまっすぐなフォアフット部分を有する請求項17の義足。
【請求項28】
ひざ下シャフトに義足を取着するために設けられた接続手段が、義足の基端部に配置されている請求項17の義足。
【請求項29】
前記接続手段は、ショックアブソーバを有する請求項28の義足。
【請求項30】
前記フォアフットばねは、まっすぐで平坦なばねとして設計され、
前記接続手段は、前記フォアフットばねの後方部分に配置され、前記結合部材は、前記フォアフットばねに平行に配置されたまっすぐな平坦なばねとして設計されている請求項28の義足。
【請求項31】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、スリットを有する請求項1の義足。
【請求項32】
漸進的な足首モーメント特性を有する請求項1の義足。
【請求項33】
ヒールストライクで、力が、前記ベースばねを介して前記フォアフットばねに少なくとも部分的に伝達される請求項1の義足。
【請求項34】
前記ヒールばねが、ヒールの負荷の下で前記ベースばねに近づき、前記ヒールばねアセンブリの前方部分が、厳格な負荷の下で前記ベースばねと接触することができる請求項33の義足。
【請求項35】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、ロールオーバの間、力が前記フォアフットの負荷の始まりのボール領域に最初に伝えられたとき、前記フォアフットばね及び前記ベースばねが増加している負荷の下でこれらの曲げの各々によって互いに近づくようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項1の義足。
【請求項36】
フォアフットの負荷の間、前記負荷の少なくとも一部が、前記ベースばねを介して前記ヒールばねに伝達される請求項1の義足。
【請求項37】
前記ベースばね、前記ヒールばね及び前記結合部材は、ヒールのストライクの間、厳格な負荷条件の下で、前記ヒールばねアセンブリが前記ヒールばねアセンブリの前記前端部で、又は近くで前記ベースばねと接触し、この接触がヒール補強効果を与えるようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項1の義足。
【請求項38】
フォアフットばねと、
ヒールばねと、
前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続されたベースばねとを具備し、
前記ヒールばねは、結合部材を介して前記フォアフットばねに接続され、
前記結合部材は、1つの部分を介して少なくとも前記フォアフットばねに沿って前方に延びている義足。
【請求項39】
前記結合部材は、少なくとも負荷されていない状態の下で、前記フォアフットばねの部分に沿って、前記フォアフットばねに平行に延びている請求項38の義足。
【請求項40】
前記結合部材は、上向きに向けられた部分と、前方に向けられた部分とを有する請求項39の義足。
【請求項41】
前記上向きに向けられた部分は、ほぼ垂直に向けられている請求項40の義足。
【請求項42】
前記ヒール部分は、前記結合部材の前部領域に固定されている請求項38の義足。
【請求項43】
前記結合部材は、ばねとして設計されている請求項38の義足。
【請求項44】
前記フォアフットばねと前記結合部材との間に摩擦材料をさらに具備し、前記摩擦材料は、ノイズを低減させるように機能する請求項38の義足。
【請求項45】
前記ヒールばねは、湾曲しており、前記ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、前端部が水平又は下向き傾斜に向けられるように湾曲を有する請求項38の義足。
【請求項46】
前記フォアフットばねは、前部に向かって、下向き傾斜で傾斜しているほぼまっすぐなフォアフット部分を有する請求項38の義足。
【請求項47】
前記ベースばねは、夫々前記フォアフットばね及び前記ヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有し、前記フォアフットばね及び前記ヒールばねが前記第1の受け手段及び前記第2の受け手段に夫々挿入されている請求項38の義足。
【請求項48】
前記第1及び第2の受け手段は、形状適合で前記フォアフットばね及びヒールばねを保持している請求項47の義足。
【請求項49】
前記第1及び第2の受け手段は、ポケットとして設計されている請求項47の義足。
【請求項50】
前記ポケットは、閉じたデザインであり、挿入開口を有する請求項49の義足。
【請求項51】
前記第1及び第2の受け手段の挿入開口は、互いに対向して置かれている請求項50の義足。
【請求項52】
プレテンション手段が、前記第1及び第2の受け手段の少なくとも1つに配置され、前記ベースばね又は前記受け手段に対して前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方にプレテンションをかける請求項47の義足。
【請求項53】
前記プレテンション手段は、ばね又はエラストマ部材として設計されている請求項52の義足。
【請求項54】
前記プレテンション手段は、前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方に、鋳造されるか、押圧されるか、結合されるか、取着される請求項52の義足。
【請求項55】
前記ベースばねは、テンション部材として設計されている請求項38の義足。
【請求項56】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で上向きにアーチ状になっているばねとして設計されている請求項38の義足。
【請求項57】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で引張応力によりプレテンションをかける請求項38の義足。
【請求項58】
前記ベースばねは、注入モールド成形部品として設計されている請求項38の義足。
【請求項59】
前記ベースばねは、いくつかの部品で設計されている請求項38の義足。
【請求項60】
前記ベースばねは、複合材料により製造されている請求項38の義足。
【請求項61】
前記ベースばねは、前記第1及び第2の受け手段によって両端で接合された湾曲した中間部分を有する請求項38の義足。
【請求項62】
前記第1及び第2の受け手段は、前記中間部分の両側に一体的に形成されているか、前記中間部分に取着されている請求項61の義足。
【請求項63】
前記中間部分は、繊維強化複合材料でできている請求項62の義足。
【請求項64】
ひざ下シャフトに義足を取着するために設けられた接続手段が、義足の基端部に配置されている請求項38の義足。
【請求項65】
前記接続手段は、ショックアブソーバを有する請求項64の義足。
【請求項66】
前記フォアフットばねは、まっすぐで平坦なばねとして設計され、
前記接続手段は、前記フォアフットばねの後方部分に配置され、前記結合部材は、前記フォアフットばねに平行に配置されたまっすぐな平坦なばねとして設計されている請求項64の義足。
【請求項67】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、スリットを有する請求項38の義足。
【請求項68】
漸進的な足首モーメント特性を有する請求項38の義足。
【請求項69】
ヒールストライクで、力が、前記ベースばねを介して前記フォアフットばねに少なくとも部分的に伝達される請求項38の義足。
【請求項70】
前記ヒールばねが、ヒールの負荷の下で前記ベースばねに近づき、前記ヒールばねアセンブリの前方部分が、厳格な負荷の下で前記ベースばねと接触することができる請求項69の義足。
【請求項71】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、ロールオーバの間、力が前記フォアフットの負荷の始まりのボール領域に最初に伝えられたとき、前記フォアフットばね及び前記ベースばねが増加している負荷の下でこれらの曲げの各々によって互いに近づくようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項38の義足。
【請求項72】
フォアフットの負荷の間、前記負荷の少なくとも一部が、前記ベースばねを介して前記ヒールばねに伝達される請求項38の義足。
【請求項73】
前記ベースばね、前記ヒールばね及び前記結合部材は、ヒールのストライクの間、厳格な負荷条件の下で、前記ヒールばねアセンブリが前記ヒールばねアセンブリの前記前端部で、又は近くで前記ベースばねと接触し、この接触がヒール補強効果を与えるようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項38の義足。
【請求項1】
フォアフットばねと、
ヒールばねと、
前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続されたベースばねとを具備し、
前記ベースばねは、夫々前記フォアフットばね及び前記ヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有し、前記フォアフットばね及び前記ヒールばねが前記第1の受け手段及び前記第2の受け手段に夫々挿入されている義足。
【請求項2】
前記第1及び第2の受け手段は、形状適合で前記フォアフットばね及び前記ヒールばねを保持している請求項1の義足。
【請求項3】
前記第1及び第2の受け手段は、ポケットとして設計されている請求項1の義足。
【請求項4】
前記ポケットは、閉じたデザインであり、挿入開口を有する請求項3の義足。
【請求項5】
前記第1及び第2の受け手段の前記挿入開口は、互いに対向して置かれている請求項4の義足。
【請求項6】
プレテンション手段が、前記第1及び第2の受け手段の少なくとも1つに配置され、前記ベースばね又は前記受け手段に対して前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方にプレテンションをかける請求項1の義足。
【請求項7】
前記プレテンション手段は、ばね又はエラストマ部材として設計されている請求項6の義足。
【請求項8】
前記プレテンション手段は、前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方に、鋳造されるか、押圧されるか、結合されるか、取着される請求項6の義足。
【請求項9】
前記ベースばねは、テンション部材として設計されている請求項1の義足。
【請求項10】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で上向きにアーチ状になっているばねとして設計されている請求項1の義足。
【請求項11】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で引張応力によりプレテンションをかける請求項1の義足。
【請求項12】
前記ベースばねは、注入モールド成形部品として設計されている請求項1の義足。
【請求項13】
前記ベースばねは、いくつかの部品で設計されている請求項1の義足。
【請求項14】
前記ベースばねは、複合材料により製造されている請求項1の義足。
【請求項15】
前記ベースばねは、前記第1及び第2の受け手段によって両端部で接合された湾曲した中間部分を有する請求項14の義足。
【請求項16】
前記第1及び第2の受け手段は、前記中間部分の両側に一体的に形成されているか、前記中間部分に取着されている請求項15の義足。
【請求項17】
前記中間部分は、繊維強化複合材料でできている請求項16の義足。
【請求項18】
前記ヒールばねは、結合部材を介して前記フォアフットばねに接続されている請求項17の義足。
【請求項19】
前記フォアフットばね及び前記結合部材は、互いに平行に延びるように配置されている請求項18の義足。
【請求項20】
前記結合部材は、上向きに向けられた部分と前方に向けられた部分とを有する請求項18の義足。
【請求項21】
前記上向きに向けられた部分は、ほぼ垂直に向けられている請求項20の義足。
【請求項22】
前記ヒールばねは、前記結合部材の前部領域に固定されている請求項18の義足。
【請求項23】
前記結合部材は、少なくとも負荷されていない状態で、前記フォアフットばねの一部に沿って前方に、前記フォアフットばねに平行に延びている請求項18の義足。
【請求項24】
前記結合部材は、ばねとして設計されている請求項18の義足。
【請求項25】
前記フォアフットばねと前記結合部材との間に摩擦材料をさらに具備し、前記摩擦材料は、ノイズを低減させるように機能する請求項18の義足。
【請求項26】
前記ヒールばねは、湾曲しており、前記ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、前端部が水平又は下向き傾斜に向けられるように湾曲を有する請求項17の義足。
【請求項27】
前記フォアフットばねは、前部に向かって、下向き傾斜で傾斜しているほぼまっすぐなフォアフット部分を有する請求項17の義足。
【請求項28】
ひざ下シャフトに義足を取着するために設けられた接続手段が、義足の基端部に配置されている請求項17の義足。
【請求項29】
前記接続手段は、ショックアブソーバを有する請求項28の義足。
【請求項30】
前記フォアフットばねは、まっすぐで平坦なばねとして設計され、
前記接続手段は、前記フォアフットばねの後方部分に配置され、前記結合部材は、前記フォアフットばねに平行に配置されたまっすぐな平坦なばねとして設計されている請求項28の義足。
【請求項31】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、スリットを有する請求項1の義足。
【請求項32】
漸進的な足首モーメント特性を有する請求項1の義足。
【請求項33】
ヒールストライクで、力が、前記ベースばねを介して前記フォアフットばねに少なくとも部分的に伝達される請求項1の義足。
【請求項34】
前記ヒールばねが、ヒールの負荷の下で前記ベースばねに近づき、前記ヒールばねアセンブリの前方部分が、厳格な負荷の下で前記ベースばねと接触することができる請求項33の義足。
【請求項35】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、ロールオーバの間、力が前記フォアフットの負荷の始まりのボール領域に最初に伝えられたとき、前記フォアフットばね及び前記ベースばねが増加している負荷の下でこれらの曲げの各々によって互いに近づくようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項1の義足。
【請求項36】
フォアフットの負荷の間、前記負荷の少なくとも一部が、前記ベースばねを介して前記ヒールばねに伝達される請求項1の義足。
【請求項37】
前記ベースばね、前記ヒールばね及び前記結合部材は、ヒールのストライクの間、厳格な負荷条件の下で、前記ヒールばねアセンブリが前記ヒールばねアセンブリの前記前端部で、又は近くで前記ベースばねと接触し、この接触がヒール補強効果を与えるようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項1の義足。
【請求項38】
フォアフットばねと、
ヒールばねと、
前記ヒールばね及び前記フォアフットばねに接続されたベースばねとを具備し、
前記ヒールばねは、結合部材を介して前記フォアフットばねに接続され、
前記結合部材は、1つの部分を介して少なくとも前記フォアフットばねに沿って前方に延びている義足。
【請求項39】
前記結合部材は、少なくとも負荷されていない状態の下で、前記フォアフットばねの部分に沿って、前記フォアフットばねに平行に延びている請求項38の義足。
【請求項40】
前記結合部材は、上向きに向けられた部分と、前方に向けられた部分とを有する請求項39の義足。
【請求項41】
前記上向きに向けられた部分は、ほぼ垂直に向けられている請求項40の義足。
【請求項42】
前記ヒール部分は、前記結合部材の前部領域に固定されている請求項38の義足。
【請求項43】
前記結合部材は、ばねとして設計されている請求項38の義足。
【請求項44】
前記フォアフットばねと前記結合部材との間に摩擦材料をさらに具備し、前記摩擦材料は、ノイズを低減させるように機能する請求項38の義足。
【請求項45】
前記ヒールばねは、湾曲しており、前記ヒールばねの後端部から、前方かつ上向きに延びており、前端部が水平又は下向き傾斜に向けられるように湾曲を有する請求項38の義足。
【請求項46】
前記フォアフットばねは、前部に向かって、下向き傾斜で傾斜しているほぼまっすぐなフォアフット部分を有する請求項38の義足。
【請求項47】
前記ベースばねは、夫々前記フォアフットばね及び前記ヒールばねのための第1及び第2の受け手段を有し、前記フォアフットばね及び前記ヒールばねが前記第1の受け手段及び前記第2の受け手段に夫々挿入されている請求項38の義足。
【請求項48】
前記第1及び第2の受け手段は、形状適合で前記フォアフットばね及びヒールばねを保持している請求項47の義足。
【請求項49】
前記第1及び第2の受け手段は、ポケットとして設計されている請求項47の義足。
【請求項50】
前記ポケットは、閉じたデザインであり、挿入開口を有する請求項49の義足。
【請求項51】
前記第1及び第2の受け手段の挿入開口は、互いに対向して置かれている請求項50の義足。
【請求項52】
プレテンション手段が、前記第1及び第2の受け手段の少なくとも1つに配置され、前記ベースばね又は前記受け手段に対して前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方にプレテンションをかける請求項47の義足。
【請求項53】
前記プレテンション手段は、ばね又はエラストマ部材として設計されている請求項52の義足。
【請求項54】
前記プレテンション手段は、前記ヒールばねと前記フォアフットばねとの少なくとも一方に、鋳造されるか、押圧されるか、結合されるか、取着される請求項52の義足。
【請求項55】
前記ベースばねは、テンション部材として設計されている請求項38の義足。
【請求項56】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で上向きにアーチ状になっているばねとして設計されている請求項38の義足。
【請求項57】
前記ベースばねは、義足の負荷されていない状態で引張応力によりプレテンションをかける請求項38の義足。
【請求項58】
前記ベースばねは、注入モールド成形部品として設計されている請求項38の義足。
【請求項59】
前記ベースばねは、いくつかの部品で設計されている請求項38の義足。
【請求項60】
前記ベースばねは、複合材料により製造されている請求項38の義足。
【請求項61】
前記ベースばねは、前記第1及び第2の受け手段によって両端で接合された湾曲した中間部分を有する請求項38の義足。
【請求項62】
前記第1及び第2の受け手段は、前記中間部分の両側に一体的に形成されているか、前記中間部分に取着されている請求項61の義足。
【請求項63】
前記中間部分は、繊維強化複合材料でできている請求項62の義足。
【請求項64】
ひざ下シャフトに義足を取着するために設けられた接続手段が、義足の基端部に配置されている請求項38の義足。
【請求項65】
前記接続手段は、ショックアブソーバを有する請求項64の義足。
【請求項66】
前記フォアフットばねは、まっすぐで平坦なばねとして設計され、
前記接続手段は、前記フォアフットばねの後方部分に配置され、前記結合部材は、前記フォアフットばねに平行に配置されたまっすぐな平坦なばねとして設計されている請求項64の義足。
【請求項67】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、スリットを有する請求項38の義足。
【請求項68】
漸進的な足首モーメント特性を有する請求項38の義足。
【請求項69】
ヒールストライクで、力が、前記ベースばねを介して前記フォアフットばねに少なくとも部分的に伝達される請求項38の義足。
【請求項70】
前記ヒールばねが、ヒールの負荷の下で前記ベースばねに近づき、前記ヒールばねアセンブリの前方部分が、厳格な負荷の下で前記ベースばねと接触することができる請求項69の義足。
【請求項71】
前記フォアフットばね及び前記ベースばねは、ロールオーバの間、力が前記フォアフットの負荷の始まりのボール領域に最初に伝えられたとき、前記フォアフットばね及び前記ベースばねが増加している負荷の下でこれらの曲げの各々によって互いに近づくようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項38の義足。
【請求項72】
フォアフットの負荷の間、前記負荷の少なくとも一部が、前記ベースばねを介して前記ヒールばねに伝達される請求項38の義足。
【請求項73】
前記ベースばね、前記ヒールばね及び前記結合部材は、ヒールのストライクの間、厳格な負荷条件の下で、前記ヒールばねアセンブリが前記ヒールばねアセンブリの前記前端部で、又は近くで前記ベースばねと接触し、この接触がヒール補強効果を与えるようにして、形状及び屈曲の弾性に関して設計されている請求項38の義足。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−512043(P2013−512043A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541184(P2012−541184)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/057954
【国際公開番号】WO2011/066354
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(502220838)オットー・ボック・ヘルスケア・ゲーエムベーハー (7)
【氏名又は名称原語表記】Otto Bock HealthCare GmbH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/057954
【国際公開番号】WO2011/066354
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(502220838)オットー・ボック・ヘルスケア・ゲーエムベーハー (7)
【氏名又は名称原語表記】Otto Bock HealthCare GmbH
【Fターム(参考)】
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