説明

翻訳エンハンサーエレメント依存性のベクター系

翻訳エンハンサーエレメント(TEE)の同定を容易にするように、および遺伝子産物を過剰に発現させる手段を提供するように設計された、翻訳エンハンサー駆動型の正のフィードバックベクター系を開示する。この系は、遺伝子および/または遺伝子産物の発現レベルを制御するために、転写アプローチと翻訳アプローチの両方を利用する。研究と産業の両環境で使用される、ランダムヌクレオチド配列のライブラリーをスクリーニングして翻訳エレメントを同定する方法、およびタンパク質を過剰に産生させる方法も開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は全体としてベクターコンストラクトに関し、より具体的には、他の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)の同定およびタンパク質発現のレベルの調節に使用可能な、転写エレメントおよび転写因子をコードする遺伝子とともにTEEを有する正のフィードバックベクターコンストラクトに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
真核生物のmRNAは、翻訳をキャップ依存性の機構か、またはキャップ非依存性の機構のいずれかによって開始可能である。現在、プロテオームに対する、これらの機構の相対的な寄与は不明であるが;いくつかの研究では、キャップ非依存性の機構で多くのmRNAの翻訳を説明可能なことが示唆されている。一部のmRNAでは、キャップ非依存性の翻訳は、内部リボソーム侵入部位(IRES)と呼ばれる配列エレメントによって促進される。IRESは当初、ピコルナウイルスのキャップのないRNA中に発見され、ならびに後に、他のウイルスのmRNA、ならびに哺乳類、昆虫、および酵母に由来する細胞mRNAにおいて同定された。一部のmRNAでは、IRESは、キャップ依存性の開始の効率が低かったりブロックされたりすると翻訳を促進する。内部からの開始も、数多くの上流のAUGまたはRNAの二次構造によって阻害される5'リーダーを有する特定のmRNAの翻訳を促進する。
【0003】
さまざまな証拠から、異なるIRESは、長さ、配列組成について、および開始因子または他のトランス作用性因子の要求性について多様であることが示唆されており、内部における翻訳の開始が、多種多様な機構によって生じることが示唆されている。いくつかのIRESは、モジュール状の組成である。例えば、GtxホメオドメインのmRNAの5'リーダーに由来するIRESモジュールは、7ヌクレオチドの配列によって最大の活性が得られることを示している。さまざまな方面からの証拠から、この配列エレメントの活性の基礎となる機構が、18S rRNAの相補的配列との塩基対合を含むことが示唆されている。別の研究では、22-ntのIRESが、Rbm3のmRNAの5'リーダー中に同定されている。加えて、チミジンキナーゼのmRNAの5'リーダーがIRES-エレメントを含むこと、およびc-mycのmRNAの5'リーダーが2つの短いIRESエレメントを含むことが報告されている。
【0004】
一部のIRES/TEEモジュールのサイズが短いことは、これらがmRNA集団中に多数存在する可能性があることを示唆している。
【0005】
一部のIRESエレメントは翻訳エンハンサーエレメント(TEE)としても機能可能であり、すなわちモノシストロン性mRNAの状態の翻訳を促進可能である。しかしながら、全てのTEEがIRESであるというわけではなく、および全てのIRESがTEEであるというわけではない。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明は、翻訳エンハンサーエレメントの選択、および対象タンパク質の過剰発現を可能とするように設計された一連のベクターに関し、ならびに、このようなベクターの使用法を含む。
【0007】
1つの態様では、転写因子が、第1のコンストラクトの少なくとも1つのシストロンの転写を増幅する、2つもしくはこれ以上の第1の転写エレメント、転写因子をコードする第1のシストロン、および1つもしくは複数の第1の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含む核酸ベクターが想定される。
【0008】
関連する局面では、ベクターは、少なくとも1つの転写単位を含む1つもしくは複数の第2のコンストラクト上に少なくとも1つのシストロンを含むが、これらに限定されない場合がある。別の関連する局面では、第1のコンストラクト、および1つもしくは複数の第2のコンストラクトの少なくとも1つの転写単位は、第1のシストロンにコードされた転写因子の標的である転写エレメントを含む。
【0009】
関連する局面では、このようなベクターは、レポータータンパク質、治療用タンパク質、酵素、抗原、構造タンパク質、または抗体である遺伝子産物をコードする場合がある。
【0010】
別の局面では、少なくとも1つの遺伝子産物は、宿主のタンパク質合成をブロックする。関連する局面では、遺伝子産物は、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aを含む場合があるが、これらに限定されない。
【0011】
1つの局面では、ベクターは、宿主タンパク質合成をブロックする産物の活性に耐性の少なくとも1つのTEEを含み、ベクターは、最小プロモーター、調節型プロモーター、上流活性化配列、およびバクテリオファージのRNAポリメラーゼに特異的なプロモーターを含むが、これらに限定されない転写エレメントを含む場合がある。
【0012】
別の態様では、第1の転写エレメント、第1の遺伝子産物をコードする第1のシストロン、および宿主のタンパク質合成をブロックする第2の遺伝子産物の活性に耐性である第1の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含む核酸ベクターが想定される(TEEは、宿主タンパク質合成をブロックする第2の遺伝子産物の活性に耐性である)。
【0013】
関連する局面では、TEEは、Gtx配列(例えばGtx9-nt、Gtx8-nt、Gtx7-nt)を含むが、これらに限定されない、HCV-IRES、IRES、およびIRES-エレメントを含む。別の関連する局面では、TEEは、シストロンに使用可能に連結時に、単位mRNAあたりに誘導されるタンパク質の量を増加させるN-18ランダムヌクレオチドを含む場合がある。
【0014】
1つの態様では、ヌクレオチドのライブラリーに由来するヌクレオチドを、2つもしくはこれ以上の第1の転写エレメント、および転写因子をコードする第1のシストロンを含む第1のコンストラクトを含むベクターに挿入する段階、細胞にベクターをトランスフェクトする段階、ならびにトランスフェクトされた細胞中における1つもしくは複数の第2のコンストラクトに由来する遺伝子産物の翻訳のレベルを決定する段階を含む、翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を同定する方法が想定され、挿入されたヌクレオチドの存在によって遺伝子産物の翻訳のレベルの促進の判定が、少なくとも1つのTEEの存在を意味する。
【0015】
関連する局面では、方法はさらに、細胞に、1つもしくは複数の第2のコンストラクトを含む1つもしくは複数の第2のベクターを同時にトランスフェクトする段階を含む場合がある。
【0016】
別の態様では、遺伝子を過剰に発現させる方法は、細胞に、2つもしくはこれ以上の第1の転写エレメント、転写因子をコードする第1のシストロン、および1つもしくは複数の第1の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含むベクターをトランスフェクトする段階、ならびに第2のTEEを含む1つもしくは複数の第2のコンストラクトから遺伝子産物を発現させる段階を含むことが想定される(第2のコンストラクトから発現された遺伝子産物の、結果として得られるレベルは、第1および第2のTEEの存在によって促進される)。
【0017】
関連する局面では、方法はさらに、1つもしくは複数の第2のコンストラクトを含む1つもしくは複数の第2のベクターを同時に細胞にトランスフェクトする段階を含む。別の関連する局面では、方法はさらに、第3のTEEを含む第3のコンストラクトから遺伝子を発現させる段階を含む場合がある(第3のコンストラクトに由来する遺伝子は、宿主のタンパク質合成をブロックする1つもしくは複数の遺伝子産物をコードする)。関連する局面では、方法はさらに、細胞に、第3のコンストラクトを含む第3のベクターを同時にトランスフェクトする段階を含む。
【0018】
1つの態様では、細胞に、少なくとも1つの第1の転写エレメント、第1の遺伝子産物をコードする第1のシストロン、および少なくとも1つの翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含むベクターをトランスフェクトする段階、ならびに、宿主のタンパク質合成をブロックするタンパク質をコードする1つもしくは複数の第2のコンストラクトから遺伝子を発現させる段階を含む、遺伝子を過剰に発現させる方法が想定される(第1のコンストラクトから発現される遺伝子産物の結果として得られるレベルは、ブロックするタンパク質の存在によって高められる)。
【0019】
本発明による例示的な方法および組成物について、以下にさらに詳細に説明する。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明の組成物および方法を説明する前に、本発明が、記載された特定の方法、プロトコル、および試薬に制限されないと理解されたい(これらは変動する場合がある)。本明細書で使用される用語・表現は特定の態様を説明することを目的としているだけであり、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限する意図はないことも理解されたい。
【0021】
本明細書で、および添付の特許請求の範囲に記載されているように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文中で特に指定しない限り、複数の対象を含むことを留意する必要がある。したがって、例えば、「1つの細胞(a cell)」というときは、複数のこのような細胞を含み、「1つのタンパク質(a protein)」というときは、1つもしくは複数のタンパク質、および当業者に既知である、この等価物などを含む。
【0022】
文中で特に断らない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される用語と同じ意味をもつ。本明細書に記載された方法および材料と類似しているか、または同一である任意の方法および材料は、本発明を実施もしくは検討する際に使用されるが、方法、装置、および材料について以下に説明する。本明細書で言及された全ての出版物は、本発明と関連して使用可能な出版物に報告されているタンパク質、核酸、および方法を記載および開示するために参照により本明細書に組み入れられる。本明細書に記載された事項は、本発明が先行発明により、それらの開示を事前の日付にする権利を有することを了承したと解釈されない。
【0023】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む、「翻訳エンハンサーエレメント(TEE)」は、単位mRNAあたりに誘導されるタンパク質の量を増やすシス作用性の配列を意味する。関連する局面では、TEEは、Gtx配列(例えばGtx9-nt、Gtx8-nt、Gtx7-nt)を含むが、これらに限定されない、HCV-IRES、IRES、およびIRES-エレメントを含む。別の関連する局面では、TEEは、シストロンに使用可能に連結時に、単位mRNAあたりに誘導されるタンパク質の量を増やすN-18ランダムヌクレオチドを含む場合がある。
【0024】
別の関連する局面では、このようなエレメントの配列は、GenBankアクセッション番号AX205123およびAX205116 (Gtx IRESエレメント)、D17763 (HCV-IRES、5'-非翻訳領域)を含むが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「シストロン」は、1つのポリペプチドまたはタンパク質をコードするDNAの単位を意味する。
【0026】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「転写単位」は、内部でRNAの合成が生じるDNAのセグメントを意味する。
【0027】
本明細書で用いる、「ヌクレオチド配列」、「核酸配列」、「核酸」、または「ポリヌクレオチド」は、1本鎖型または2本鎖型のいずれかであるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのポリマーを意味し、ならびに特に明記しない限りにおいて、天然のヌクレオチドと同様に、核酸にハイブリダイズする天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む。核酸配列は例えば、原核生物の配列、真核生物のmRNAの配列、真核生物のmRNAに由来するcDNA配列、真核生物のDNA(例えば哺乳類のDNA)に由来するゲノムDNA配列、ならびに合成のDNAまたはRNAの配列の場合があるが、これらに限定されない。
【0028】
関連する局面では、ヌクレオチド配列を作製する合成法は例えば、ホスホトリエステル法およびホスホジエステル法を含む(それぞれが参照により本明細書に組み入れられる、Narang et al., Meth. Enzymol. 68:90, (1979);米国特許第4,356,270号、米国特許第4,458,066号、米国特許第4,416,988号、米国特許第4,293,652号;およびBrown et al., Meth Enzymol 68:109, (1979)を参照)。
【0029】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「プロモーター」は、転写を誘導可能な核酸配列を意味する。さまざまなプロモーター配列が当技術分野で既知である。例えば、このようなエレメントは、TATA-ボックス、CCAAT-ボックス、バクテリオファージのRNAポリメラーゼに特異的なプロモーター

、SP1部位(GGGCGG)、および環状AMP応答配列(TGACGTCA)を含む場合があるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「転写エレメント」は、転写の開始、または転写の開始の促進を、通常は転写因子による認識を介して可能とする、DNA上のシス作用性部位を意味する。例えば、このようなエレメントは、CACGTG (c-Myc)、TGAc/gTc/aA (c-Fos)、およびt/aGATA (GATA)を含むが、これらに限定されないモチーフ中に存在する。関連する局面では、ベクターは、コンセンサスの

を含むが、これらに限定されない、1つもしくは複数の上流活性化配列(UAS)を含む1つもしくは複数の転写エレメントを含む場合がある。
【0031】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「転写因子」は、転写の開始または調節に必要とされる任意のタンパク質を意味する。例えば、このような因子は、c-Myc、c-Fos、c-Jun、CREB、cEts、GATA、GAL4、GAL4/Vp16、c-Myb、MyoD、NF-κB、バクテリオファージに特異的なRNAポリメラーゼ、Hif-1、およびTREを含むが、これらに限定されない。
【0032】
別の関連する局面では、このような因子の配列は、GenBankアクセッション番号K02276 (c-Myc)、K00650 (c-fos)、BC002981 (c-jun)、M27691 (CREB)、X14798 (cEts)、M77810 (GATA)、K01486 (GAL4)、AY136632 (GAL4/Vpl6)、M95584 (c-Myb)、M84918 (MyoD)、2006293A (NF-κB)、NP 853568 (SP6 RNAポリメラーゼ)、AAB28111 (T7 RNAポリメラーゼ)、NP 523301 (T3 RNAポリメラーゼ)、AF364604 (HIF-1)、およびX63547 (TRE)を含むが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「転写アクチベーター領域」は、プロモーターの近傍のDNAに配置時に、標的を転写機構に接触させることで転写を活性化するタンパク質配列を意味する(例えばXiangyang et al., Proc Natl Acad Sci USA(2000) 97: 1988-1992を参照)。過剰な酸性アミノ酸残基を有することを特徴とするアクチベーター領域は、酵母のアクチベーターであるGal4、GCN4、およびヘルペスウイルスのアクチベーターであるVP16を含む多様な真核生物のアクチベーター中に見出される。
【0034】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「コンストラクト」は、エレメントに使用可能に連結された遺伝子/遺伝子産物の発現が、予想通りに制御され得るように、特定の構成パターンで配列された核酸配列エレメントを意味する。関連する局面では、さまざまな異種配列が、例えば成長因子、サイトカイン、ケモカイン、リンホカイン、トキシン、プロドラッグ、抗体、抗原、リボザイムをコードする配列、ならびにアンチセンス配列を含むが、これらに限定されないコンストラクトに含まれる場合がある。別の関連する局面では、このような異種配列は、治療手段として作用可能なタンパク質をコードする。
【0035】
本明細書で用いる、文法的な変形を含む「ベクター」は、内部に存在する外来DNAのセグメントが、外来DNAを宿主細胞中に導入して、その複製および/または転写を促進する目的でスプライスされ得る、任意の伝達され得る因子(例えばプラスミドもしくはウイルス)のDNAを意味する。
【0036】
本明細書に開示するように、コンストラクトを含むベクターは、翻訳エンハンサーエレメントの同定に有用である。1つの態様では、コンストラクトは一般に、特定の成分を含む発現ベクターであるが、それ以外は配列について、および機能性のエレメント内容物について大きく変動し得るベクターに含まれる。ベクターは例えば、特定の宿主細胞(例えば細菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞、もしくは哺乳類細胞)におけるベクターの増幅、ベクターを含む細胞の選択(例えば抗生物質耐性遺伝子が細菌細胞もしくは哺乳類細胞の選択に使用される)、およびレポーター遺伝子もしくは検討対象エレメントの導入用の部位(例えば制限エンドヌクレアーゼ切断部位もしくはリコンビナーゼ認識部位)のクローニングを可能とするエレメントを含む、組換えDNA操作を容易にする配列を含む場合もある。
【0037】
好ましくは、想定されるコンストラクトは、オリゴヌクレオチドの活性を、真核生物の全染色体の条件または環境に関して検討可能であるという利点を提供する。染色体は、翻訳を含む遺伝子発現の制御に関する固有かつ複雑な調節特性を提供する。したがって、染色体との関連で機能する調節オリゴヌクレオチドを得るための系および方法を得ることは有利である。したがって本発明の方法は、真核生物の宿主細胞の染色体への発現ベクターの組み込みが生じて、発現されるレポーター分子の選択に先立って安定なコンストラクトが形成されるように実施可能である。
【0038】
想定されるコンストラクト含有ベクターは、さまざまな方法で、およびさまざまな条件で染色体中に組み込まれ得る。したがって本発明は、例示された方法に制限されると解釈されるべきではない。例えば、ショットガントランスフェクションは、仮にトランスフェクトされた細胞にかかる選択圧が、トランスフェクトされた核酸コンストラクトが細胞ゲノム中に安定に組み込まれる数世代の細胞分裂を通じて維持される場合に、安定な組み込みを生じ得る。宿主細胞の染色体中に組み込まれ、および安定な組み込み体を形成可能な定方向性ベクター(directional vector)も使用できる。このようなベクターは、組み込み部位が、相同性を有する染色体の領域に制限される、標的相同組換えに基づく場合があり、ならびに染色体とランダムに結合し、および安定な組み込み体を形成可能な、または部位特異的な組換え法、およびlox-Cre系などの試薬を利用可能なウイルスベクターに基づく場合がある。
【0039】
ショットガントランスフェクションは例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウムによるトランスフェクション、DEAEデキストランによるトランスフェクション、微粒子銃法、リポフェクチン法ほかの方法を含む、さまざまな周知の方法によって達成可能である。ランダムショットガントランスフェクションでは、培養条件は、安定な組み込みを確実に生じさせるために、数世代の細胞分裂の間、維持され、および一般に選択圧も加えられる。ウイルスベクターをベースとする組み込み法も使用可能であり、ならびに方法が、より迅速であり、および第1世代の細胞分裂による安定な組み込みを確立するという利点を提供する。ウイルスベクターベースの組み込みは、トランスフェクション(感染)が、細胞の1コピートランスフェクションの確率を高める、低いベクター:細胞比において起こり得るという利点も提供する。選択時の細胞中における1コピー発現ベクターは、観察される調節活性が特定のオリゴヌクレオチドに起因するものであるということを示す信頼性を高め、およびこのようなオリゴヌクレオチドの単離を容易にする。
【0040】
本明細書において、当技術分野で既知の手法を参照する。このような手法の応用に関する手引きは例えば、内容が参照により本明細書に組み入れられる、Ausubel et al. eds., 1995, Current Protocols In Molecular Biologyに、およびSambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NYに記載されている。
【0041】
過去の研究では、複数の個々のIRESエレメントを含む合成IRESが作製されており、およびこの多量体化が、より高い、ならびに場合によっては指数関数的なIRES活性の上昇を導くことが報告されている。発見の過程を容易にするために、哺乳類細胞において、および酵母においてIRESエレメントをスクリーニングするいくつかの方法が開発されている。このような方法のいずれにおいても、シストロン間配列(ICS)中にランダムヌクレオチド配列のライブラリーを含む2シストロン性mRNAが細胞で発現され、およびIRESエレメントを含むこのような細胞が、第2のシストロンの発現に基づいて同定されている。哺乳類における方法では、蛍光レポータータンパク質が第2のシストロンとして使用され、および陽性細胞がFACSで同定されている。しかしながら、この方法は、個々のIRESエレメントの活性が比較的低く、多数の偽陽性細胞が生じる点に限界がある。
【0042】
このシグナル対ノイズの問題を克服するために、本発明は、転写因子が、同因子をコードするシストロン、および対象mRNAをコードする1つもしくは複数のシストロンの上流のプロモーター中の特定の配列に結合することで両mRNAの転写を高める、転写因子を含むTEEをコードする1つのシストロンが正のフィードバックループを引き起こす、正のフィードバックをベースとした系を説明する。mRNAが多くなれば転写因子が多くなり、引いては、転写因子と対象タンパク質の両方のmRNA、およびコードされたタンパク質が増加する。
【0043】
1つの態様では、ベクター系は、翻訳エンハンサー駆動型の正のフィードバックベクターである(例えば図1参照)。1つの局面では、コンストラクトは、レポータータンパク質となり得る対象タンパク質をコードするmRNA、および転写因子をコードする他のmRNAの2つのmRNAを発現する。いずれのmRNAの転写とも最小プロモーターによって駆動されるが、両遺伝子のプロモーター中に位置する転写因子結合部位を介する転写因子の発現によって促進され得る。転写因子の少量のmRNAは最小プロモーターから発現されるが、このmRNAの翻訳は、転写因子をコードするmRNAの5'リーダー中の障害によってブロックされる。この障害は、安定なステム-ループ構造か、および/または上流のAUG開始コドンの場合がある。この転写因子の合成は、同因子をコードするmRNA中の翻訳エンハンサーの存在に依存する。
【0044】
翻訳エンハンサーは、mRNAの5'リーダー中に、阻害性エレメントの下流で開始コドンの上流に位置する場合があるほか、3'非翻訳領域(UTR)中に位置する場合がある。1つの局面では、TEEは、シストロン中に含まれる5'リーダー配列中に位置する。
【0045】
このベクター系を利用する際には、コードされた転写因子が対象細胞中では発現されないことが必要な場合がある。例えば、酵母のGAL4転写因子のDNA結合ドメインを含む転写因子(例えばGal4/Vp16)が、哺乳類細胞における使用に適している。というのは、哺乳類の遺伝子は、この転写因子の標的とはならないと考えられるからである。他の適切な転写因子は、極めて低いレベルで内因的に発現される転写因子か、または対象細胞中には存在しない転写因子を含むが、これらに限定されない。例えば、バクテリオファージに特異的なRNAポリメラーゼ(例えばT7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、およびSP6 RNAポリメラーゼ)が、哺乳類細胞と酵母の両方における使用に適している。想定される遺伝子は、1つもしくは複数のベクターにコードされている場合がある。
【0046】
1つの態様では、ベクター系をTEEの同定に使用することができる。翻訳活性の検討対象となるオリゴヌクレオチドは、例えばレポーター分子をコードする場合のある発現可能なポリヌクレオチドに使用可能に連結可能である。本明細書で用いる、「使用可能に連結された」という表現は、合成調節オリゴヌクレオチド、または翻訳活性に関して検討されるオリゴヌクレオチドである場合のある調節エレメントが、調節エレメントがその調節活性に影響を及ぼすように、翻訳され得るヌクレオチド配列に対して位置することを意味する。翻訳エンハンサー活性を有するオリゴヌクレオチドは一般に、翻訳開始部位から約1〜500ヌクレオチド内に、特に約1〜100ヌクレオチド内に位置する。
【0047】
翻訳調節活性に関して検討されるランダム化されたオリゴヌクレオチドのライブラリーを提供することが可能であり、およびライブラリーの1つもしくは複数の個々の成員を、ベクターの複数のコピーのコンストラクト中にクローニングすることが可能である。翻訳調節活性に関して検討されるオリゴヌクレオチドは、コンストラクト中の最小プロモーターエレメントに使用可能に連結されることでTEEとして機能する能力を有するように導入される。このようにして、ベクター中に含まれ得る多様なコンストラクトのライブラリーが形成される(各コンストラクトは、導入された潜在的な調節オリゴヌクレオチド配列が異なる)。
【0048】
翻訳調節活性に関する検討対象となるオリゴヌクレオチドは、例えば、cDNA分子のライブラリーを含む、細胞mRNAの5'UTRをコードするcDNA配列の場合がある。さらに、本明細書に開示されているように、合成TEEエレメントを含む、本発明の方法によって同定されるTEEは、リボソームRNAのオリゴヌクレオチド配列に、特にrRNA内の自己相補性配列のハイブリダイゼーションによって形成する二重鎖領域中に点在する、rRNAの非塩基結合型のオリゴヌクレオチド配列に相補的であることがわかっている。したがって、翻訳調節活性の検討対象のオリゴヌクレオチドを、rRNAのオリゴヌクレオチド配列であること、特に、酵母、マウス、またはヒトのrRNAなどのrRNAの非塩基結合型のオリゴヌクレオチド配列に相補的であることを元に設計することができる(例えば、それぞれが参照により本明細書に組み入れられるGenBankアクセッション番号V01335、X00686、X03205を参照)。加えて、翻訳調節活性の検討対象のオリゴヌクレオチドは、例えば、本明細書に開示されたか、または本発明の方法で同定された翻訳エンハンサーエレメントに基づくか、またはrRNAの非塩基結合領域に相補的なオリゴヌクレオチド配列に基づく場合のある、まだら状の(variegated)オリゴヌクレオチド配列のライブラリーの場合がある(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,837,500号を参照)。
【0049】
翻訳調節活性を有すると本明細書に記載されたオリゴヌクレオチドは、単独で、または相互に組み合わせて使用することで所望の活性を生じることが可能なモジュールを提供する。例えば、独立に同じか、または異なるTEEの多コピーである場合があり、および相互に隣接して、または1〜約100ヌクレオチドの長さを変動し得るスペーサーヌクレオチド配列を挟んで使用可能に連結可能な、2コピー、5コピー、10コピー、20コピー、35コピー、50コピー、もしくは75コピーのTEEのコンカテマーを含む、同定されたTEEのコンカテマーは、ポリペプチドの発現を、結合したシストロンから大きく高めることが可能である。
【0050】
合成翻訳調節エレメントは、例えば、多種多様なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドのライブラリーをスクリーニングすることで同定され得る。このようなオリゴヌクレオチドは、既知の翻訳調節エレメントに基づくが、既知の翻訳調節エレメントとは異なる、まだら状のオリゴヌクレオチド配列、例えばrRNAの非塩基結合型配列に相補的なオリゴヌクレオチドである場合があるほか、ランダムオリゴヌクレオチドのライブラリーである場合がある。ランダム化オリゴヌクレオチド(例えばN18)の使用は、ヌクレオチド配列に関する事前の知見が不要であるという利点を提供し、および全く新しい調節エレメントが同定可能であるという別の利点を提供する。ヌクレオチド配列、またはヌクレオチド配列のまだら状の集団の組み合わせライブラリーを作製する方法は当技術分野で周知である(例えば、それぞれが参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,837,500号;米国特許第5,622,699号;米国特許第5,206,347号;Scott and Smith, Science 249:386-390, 1992;Markland et al., Gene 109:13-19, 1991;O'Connell et al., Proc Natl Acad Sci, USA 93:5883-5887, 1996;Tuerk and Gold, Science 249:505-510, 1990;Gold et al., Ann Rev Biochem 64:763-797, 1995を参照)。
【0051】
本発明の方法で得られる合成TEEオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを含むmRNAの翻訳のレベルを高めるか、または低めることが可能である。特にTEEオリゴヌクレオチドは、翻訳を、例えば発現対象の細胞のタイプ、TEE配列の内容、またはコンストラクト中における他のエフェクター配列の存在に依存して、条件特異的に選択的に調節可能である。
【0052】
調節エレメントは、数ヌクレオチド〜数百ヌクレオチドの、さまざまな長さをとり得る。したがって、スクリーニング対象となるオリゴヌクレオチドのライブラリー中のオリゴヌクレオチドの長さは、短い場合は約6ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド、または長い場合は約100ヌクレオチドもしくはこれ以上のオリゴヌクレオチドを含む任意の長さを取り得る。一般に、検討対象となるオリゴヌクレオチドは、約6ヌクレオチド、約12ヌクレオチド、約18ヌクレオチド、約30ヌクレオチドなどの長さである。ライブラリーの複雑度、すなわち固有の成員の数も変動する場合があるが、好ましくはライブラリーは、調節配列が存在する可能性を高めるために高い複雑度を有する。ライブラリーは、例えば、オリゴヌクレオチド合成装置および標準的なオリゴヌクレオチド合成化学の使用を含む、当技術分野で既知の任意の方法で作製することができる。オリゴヌクレオチドが、ベクター中に組み込まれる場合、ライブラリーの複雑度は部分的に、ランダムライブラリーのクローニングに、および細胞のトランスフェクションに使用される発現ベクター集団のサイズに依存する。したがって、ライブラリーの複雑度に関する理論的な限界は、レシピエント発現ベクターによる、およびトランスフェクトされた細胞によるライブラリーの内容物の利用、ならびに特定のオリゴヌクレオチド合成法で得られる場合のある複雑度にも関する。
【0053】
TEEを同定するためには、ランダムなヌクレオチド配列か、またはmRNAの5'リーダーのcDNAセグメントのいずれかを含むコンストラクトのライブラリーが細胞に導入される。TEEを転写因子の上流に有するコンストラクトを含む細胞は、正のフィードバック機構を生じ、および多量の両タンパク質を産生する。仮にタンパク質の一方がレポータータンパク質である場合、その活性を容易に測定することができる。例えば、仮にレポーターが強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)である場合、蛍光活性化細胞選別(FACS)で、蛍光タンパク質を発現する細胞を同定することができる。本発明の好ましい態様では、トランスフェクトされた細胞中にGFPの存在を検出する手段は、蛍光顕微鏡およびFACSによる。しかしながら、GFPの存在を検出する他の手段を本発明の実施に使用可能なことを、当業者であれば容易に理解するであろう。GFPを検出する手段、または本発明のコンストラクトでトランスフェクトされた細胞を追跡すなわちモニタリングする手段は、GFPタンパク質の存在を検出可能な任意の手段の場合がある。例えば、遺伝子発現の光学的イメージング、赤外線イメージング、およびフローサイトメトリーを使用することもできる。
【0054】
関連する局面では、他のレポータータンパク質は、強化黄色蛍光タンパク質(EYFP)、強化シアン蛍光タンパク質(ECFP)、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびクロラムフェニコールアセチル基転移酵素を含み得るが、これらに限定されない。
【0055】
関連する局面では、このようなベクターを使用して、キャップ非依存性の機構、およびキャップ依存性の機構を含むが、これらに限定されない、さまざまな機構によって翻訳を促進する配列を同定することができる。
【0056】
1つの局面では、想定されるベクター系を使用して、別の対象タンパク質を過剰に発現させることができる。関連する局面では、転写因子をコードするmRNAは、既知のTEEを含む。このような系は、転写因子が、細胞を大量に成長させた後に、陽性フィードバック機構、および大規模タンパク質生産が、例えば誘導薬剤によって誘導可能なように、調節型プロモーターの制御下にある、タンパク質のバッチ生産に適している場合がある。
【0057】
「誘導薬剤」という表現は、誘導可能な翻訳調節エレメントからの翻訳に影響する、化学的、生物学的、または物理的な薬剤を意味するように使用される。誘導薬剤への曝露に反応して、エレメントからの翻訳は一般に、デノボで開始されるか、または発現の基礎レベルすなわち構成的レベル以上に高められる。このような誘導は、TEEに使用可能に連結された、発現され得るポリヌクレオチドにコードされたレポーターポリペプチドのレベルの上昇を検出する段階を含む、本明細書に開示された方法で同定可能である。誘導薬剤は例えば、細胞が曝されるストレス条件、例えば、熱ショックもしくは低温ショック、重金属イオンなどの毒性薬剤、または栄養、ホルモン、成長因子の欠損などの場合があるほか;またはホルモンや成長因子などの、細胞の成長もしくは分化状態に影響する分子に対する曝露の場合がある。本明細書に開示されるように、オリゴヌクレオチドの翻訳調節活性は、特定の条件もしくは薬剤に曝露された細胞を対象に、または特定の細胞型の細胞を対象に検討可能であり、ならびに特定の条件に反応する、および特定の条件のみにおける、または特定の細胞型における翻訳調節活性を有するオリゴヌクレオチドを同定することができる。
【0058】
別の態様では、他の2つのコードされたmRNAの翻訳を、細胞mRNAの翻訳を低下させることで高めることが可能なタンパク質をコードする第3のmRNAを発現するベクター系が想定される(図2)。1つの局面では、第3のタンパク質の発現は、細胞mRNAとの競合を低下させ、および選択時におけるシグナル対ノイズ比の上昇に至る。
【0059】
関連する局面では、第3のタンパク質は、宿主のmRNAの翻訳をブロックすることで、これらのmRNA間で生じる競合を低下させるウイルスタンパク質の場合がある。ウイルスタンパク質は、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aを含むが、これらに限定されない。例えば、特定の理論に縛られるわけではないが、NSP3タンパク質は、真核細胞の開始因子4G (elF4G)に対して高い親和性で結合し、ポリ(A)結合タンパク質を置き換え、mRNAの循環を破壊し、および効率を劇的に低下させることによって、キャップ依存性の翻訳をブロックする。このシナリオでは、3種類のベクターにコードされたmRNAは、それらの翻訳がブロックされるのを妨げる特徴を含む。例えば、TEEが活性にelF4Gを必要としない場合、このようなエレメントはNSP3(例えばGtx IRESエレメントおよびコオロギ麻痺病ウイルスのIRES)に耐性である場合がある。関連する局面では、第3のタンパク質は、コードされた転写因子の制御下か、または誘導型プロモーターの制御下にある場合がある。
【0060】
1つの態様では、ベクター系は遺伝子産物または対象タンパク質を、および第3のタンパク質が宿主タンパク質の合成をブロックする場合は、第3のタンパク質を発現する(図3)。関連する局面では、遺伝子産物または対象タンパク質は、それらの翻訳がブロックされることを妨げる特徴を含む。別の関連する局面では、遺伝子は、構成的プロモーターか、または誘導型プロモーターのいずれかによって転写される。
【0061】
本発明のキットも想定される。本発明のキットは、梱包材、例えば、本発明のTEEを含むオリゴヌクレオチドを収めた容器、および発現ベクター中または他の発現コンストラクト中のポリヌクレオチドの翻訳を調節するためのオリゴヌクレオチドの使用について説明したラベルを含む場合がある。1つの態様では、好ましくはキットの状態である、このような系は、本明細書に開示された方法によるTEEオリゴヌクレオチドの選択に使用される組み込み発現ベクターを提供する。このようなキットは、組み込み発現ベクターを有する容器を含む梱包材、および機能を調節可能なオリゴヌクレオチド配列の選択用のベクターの使用について説明したラベルを含む場合がある。
【0062】
梱包された成分の使用に関する指示書も、本発明のキットに含まれる場合がある。使用に関するこのような指示書は一般に、濃度および配列特性を含む、成分、例えばTEEを含むオリゴヌクレオチドについて説明した明確な表現を含み、ならびに試薬が意図された目的で利用可能な様式などの方法のパラメータを含む場合がある。ベクター中に含まれる場合があるか、または発現され得るポリヌクレオチドに使用可能に連結可能なオリゴヌクレオチドを含む試薬は、溶液状で、分散液として、または実質的に乾燥した粉末、例えば凍結乾燥状で提供可能である。梱包材料は、キットまたは系に一般に使用されている任意の材料、例えば、発現ベクターの場合のあるベクターの調節オリゴヌクレオチド(存在する場合)の操作を容易にする材料の場合がある。梱包は、TEEを含むオリゴヌクレオチドもしくはベクターなどの試薬を規定の区画内に収容可能な、ガラス、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリカーボネート)、紙、箔ほかの固体の基質または材料を含む、任意のタイプの梱包とすることが可能である。したがって、例えばパッケージは、ボトル、バイアル、プラスチック、ならびにプラスチック-箔でラミネートされた包装材、または想定される試薬を収納する同様の容器とすることができる。パッケージは、キットのさまざまな成分を収めるための1つもしくは複数の容器を含む場合もある。
【0063】
以下の実施例は、本発明を説明することを意図しており、本発明を制限する意図はない。
【0064】
実施例
実施例1.実験手順/材料
【0065】
ベクターの構築
【0066】
本発明で使用されるコンストラクトは、転写因子、対象タンパク質、および/または宿主タンパク質の合成をブロックするタンパク質をコードする1つもしくは複数のシストロン性mRNAを発現する。シストロン性mRNAの転写の駆動に使用されるプロモーターは、最小プロモーター(TATAボックス)、または、単独もしくは上流活性化配列(UAS)およびバクテリオファージに特異的なプロモーターを含む1つもしくは複数の他の転写エレメントと組み合わされた調節型プロモーターからなる。フィードバックベクターの場合、第1のシストロンは、既知のTEEまたは未知のTEEの下流に挿入された、転写因子をコードする遺伝子を含む場合がある。既知のTEEを含む、このようなコンストラクトの1つは、TATAボックスプロモーターエレメント、1つもしくは複数のUAS配列、および1つもしくは複数のGtxモジュールを、Gal4/Vp16をコードするシストロンの上流に含む場合がある。
【0067】
実施例2.TEEエレメント同定用の正のフィードバックレポーターベクター
【0068】
構築
【0069】
図4に示すように、この実施例で転写の駆動に使用されるプロモーターは、4コピーのGAL4上流活性化配列(UAS)を組み合わせた最小プロモーター(TATAボックス)を含む。第1の転写単位は、GAL4/VP16融合タンパク質をコードし、および第2の転写単位はEGFPをコードする。TEE挿入部位(図4で「N」と表記)は、18のランダムヌクレオチドのライブラリーに由来するヌクレオチドを含む。ベクターのバックボーンは、プラスミドpHRG-B (Promega, Madison, WI)に基づく。pHRG-B中の当初のBamHI部位には、TEEの挿入部位中のEcoRI部位とBamHI部位の両方が固有の切断部位となるように変異が導入されている。ランダムN18断片は、このレポーターベクター中に、EcoRIおよびBamHIの制限酵素切断部位を使用してクローニングされる。
【0070】
細胞培養およびトランスフェクション解析
【0071】
レポーターコンストラクトを、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(2 x 104)にFuGENE 6(商標)(Roche, Alameda, CA)を使用してトランスフェクトする。トランスフェクション効率を、LacZレポーター遺伝子コンストラクト(pCMVβ, Clontech, Mountainview, CA)とともにトランスフェクトすることで標準化する。トランスフェクションの3日後に細胞を回収し、FACSVantage SE(商標)(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)を使用したFACSによるソーティングを行う(Owens et al., Proc Natl Acad Sci USA (2004) 101:9590-9594も参照)。β-ガラクトシダーゼアッセイ法を、当技術分野で既知の方法で実施することができる。例えば、Chappell et al., Proc Natl Acad Sci USA(2000) 97:1536-1541を参照されたい。
【0072】
N18配列を含む2本鎖オリゴヌクレオチドを、正のフィードバックベクターのTEEアッセイ法用の部位に、EcoRIおよびBamHIの制限酵素切断部位を使用してクローニングする。一晩のライゲーション処理を、T4 DNAリガーゼを使用して16℃で行う。結果として得られたライゲーション混合物をCHO細胞にトランスフェクトし、FACS解析を上記の手順で行う。個々のFACS解析では、最初の100,000個の細胞を解析し、およびソーティングウィンドウを引いて、最高のEGFP発現を示す細胞を選択する。FACSで回収された細胞からDNAを抽出し、およびPCR反応を、EcoRIとBamHIの制限酵素切断部位に挟まれた配列に対するプライマーを使用して実施する。EcoRIとBamHIの両制限酵素による切断後に、結果として得られた断片を、同じ増幅ベクターに再クローニングして再検討する。
【0073】
トランスフェクト細胞1個あたりのプラスミド数の決定に際しては、等量の2種類のプラスミドを混合する(CMV-EGFPおよびCMV強化シアン蛍光タンパク質(CMV-ECFP;Clontech, Mountainview, CA))。クローニングベクターpBluescript-KS II(商標)(Stratagene, La Jolla, CA)を、同時トランスフェクション用の充填用ベクター(filler)として使用する。CHO細胞に、さまざまな混合物をトランスフェクトし、2日後にFACS解析を実施して、EGFPとECFPの両方の発現を評価する。
【0074】
本明細書に開示し、および特許請求の範囲に記載する全ての組成物および方法は、本開示内容に鑑みた実験を過度に行わなくとも作製および実施が可能である。本発明の組成物および方法を、説明目的の態様に関して説明したが、組成物、方法に、および本明細書に記載された方法の段階、または段階の順序に対して、本発明の概念、趣旨、および範囲から逸脱することなく変更が加えられる場合があることは当業者には明らかであろう。具体的には、同等または類似の結果が達成されながら、化学的および生理学的に関連する特定の薬剤が、本明細書に記載された薬剤と置換可能なことは明らかであろう。上記の実施例に関して本発明を説明したが、変形および変更が本発明の趣旨および範囲に含まれることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】翻訳エンハンサー駆動型の正のフィードバックベクターを示す。正のフィードバックベクターの略図を、さまざまなプロモーター(P1)および転写エンハンサー(P2)の配列、転写因子(TF)遺伝子、ならびに対象タンパク質ともに示す。転写因子遺伝子および対象遺伝子は、同じプラスミド上に存在する場合もあれば、異なるプラスミド上に存在する場合もある。選択に応用するために、ランダムヌクレオチド配列(N)(長さnヌクレオチド)が、転写因子のmRNAの5'リーダー中に存在する。翻訳エンハンサーエレメント(TEE)として機能する配列は、このmRNAの翻訳を促進する。コードされた転写因子は後に、2つの遺伝子のプロモーター中の部位に結合し、それらの転写を高める。
【図2】第3のタンパク質によって宿主のタンパク質合成をブロックする、翻訳エンハンサー駆動型の正のフィードバックベクターを示す。第1の2つの遺伝子(転写因子遺伝子および対象遺伝子)は、全3種類のmRNAがTEEをそれらの5'リーダー中に含む点以外は図1と同じである。第3のタンパク質(例えばロタウイルスのNSP3タンパク質)は、第1の2つのコードされたmRNAの翻訳を、宿主mRNAの翻訳をブロックすることで、およびこれらの間の競合を減じることで高める。第3の遺伝子は、構成型プロモーターまたは誘導型プロモーターのいずれかであるプロモーターP3の転写制御下にある。P3は、プロモーターエレメントであるP1およびP2を含む場合もある。選択に応用時は、対象遺伝子および第3のタンパク質のmRNAは既知のTEEを含み、転写因子遺伝子は、ランダムなヌクレオチド配列を含む。このシナリオでは、TEEは第3のタンパク質の活性に耐性である。タンパク質産生に応用時は、3つの遺伝子全てが、第3のタンパク質の活性に耐性である既知のTEEを含む場合がある。3つの遺伝子は、1つ、2つ、または3つの異なるプラスミド上に存在する場合がある。
【図3】タンパク質の過剰発現用のベクターを示す。第1の遺伝子は、対象遺伝子をコードする。図2と同様に、個々の遺伝子はTEEを、その5'リーダー中に含む。このシナリオでは、TEEは、コードされた他のタンパク質(例えばNSP3)の活性に耐性である。2つの遺伝子は、1つのプラスミド上に存在する場合もあれば、2つの異なるプラスミド上に存在する場合もある。
【図4】正のフィードバックレポーティングベクターの制限酵素地図を示す(SEQ ID NO: 1)。太字で示す配列は、以下を示す:1)TATAボックスおよび上流活性化配列(UAS)を含むプロモーター配列;2)PCR増幅用のプライマー配列であるGAL4R1〜GAL4R4;3)それぞれ翻訳の開始配列および終止配列であるATGおよびTAA;ならびに4)PCR増幅用のプライマー配列であるHRGB1〜HRGB4。
【図5】pUAS-GV16-UAS-EGFPの配列(SEQ ID NO: 2)、および同プラスミドを1か所のみで切断する酵素を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つもしくはこれ以上の第1の転写エレメントを含む第1のコンストラクト、転写因子をコードする第1のシストロン、および1つもしくは複数の第1の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む核酸ベクターであって、転写因子が第1のコンストラクトの少なくとも1つのシストロンの転写を増幅する、核酸ベクター。
【請求項2】
TEEが、第1の転写エレメント内の転写開始部位と第1のシストロンの間に挟まれている、請求項1記載のベクター。
【請求項3】
少なくとも1つの転写単位を含む1つもしくは複数の第2のコンストラクト上に少なくとも1つのシストロンをさらに含む、請求項1記載のベクター。
【請求項4】
第1のコンストラクト、および1つもしくは複数の第2のコンストラクトの少なくとも1つの転写単位が、第1のシストロンにコードされた転写因子の標的である転写エレメントを含む、請求項1記載のベクター。
【請求項5】
第1の転写エレメントを含む配列の少なくとも1つが、宿主細胞に内因的な転写因子の標的ではない、請求項1記載のベクター。
【請求項6】
転写因子が、宿主細胞に内因的ではない、請求項1記載のベクター。
【請求項7】
1つもしくは複数の第2のコンストラクトの少なくとも1つのシストロンが、少なくとも1つの遺伝子産物をコードする、請求項3記載のベクター。
【請求項8】
遺伝子産物が、レポータータンパク質、治療用タンパク質、酵素、抗原、抗体、または構造タンパク質である、請求項7記載のベクター。
【請求項9】
レポータータンパク質が、GFP、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、アルカリホスファターゼ、クロラムフェニコールアセチル基転移酵素、ECFP、EGFP、またはEYFPである、請求項8記載のベクター。
【請求項10】
少なくとも1つの第2のコンストラクトが、少なくとも1つの転写エレメント、および1つもしくは複数のTEEを含む、請求項7記載のベクター。
【請求項11】
少なくとも1つの第2のコンストラクトが、少なくとも1つの転写エレメント内の転写開始部位と、遺伝子産物をコードするシストロンとの間に挟まれた1つもしくは複数のTEEを含む、請求項10記載のベクター。
【請求項12】
少なくとも1つの遺伝子産物が宿主のタンパク質合成をブロックする、請求項7記載のベクター。
【請求項13】
遺伝子産物が、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aである、請求項12記載のベクター。
【請求項14】
TEEの少なくとも1つが、宿主のタンパク質合成をブロックする産物の活性に耐性である、請求項12記載のベクター。
【請求項15】
2つもしくはこれ以上の転写エレメントが、最小プロモーター、調節型プロモーター、上流活性化配列、およびバクテリオファージのRNAポリメラーゼに特異的なプロモーターからなる群より選択される、請求項1記載のベクター。
【請求項16】
第1のシストロンが、GAL4/VP16、GAL4、またはバクテリオファージに特異的なRNAポリメラーゼをコードする、請求項1記載のベクター。
【請求項17】
少なくとも1つのTEEが、IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントである、請求項1記載のベクター。
【請求項18】
IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントがGtx配列である、請求項1記載のベクター。
【請求項19】
TEEの少なくとも1つが、ランダムオリゴヌクレオチドであるN18配列である、請求項1記載のベクター。
【請求項20】
第1の転写エレメント、第1の遺伝子産物をコードする第1のシストロン、および第1の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含む核酸ベクターであって、TEEが、宿主のタンパク質合成をブロックする第2の遺伝子産物の活性に耐性である、核酸ベクター。
【請求項21】
第2の遺伝子産物をコードする1つもしくは複数の第2のコンストラクトを含む、請求項20記載のベクター。
【請求項22】
TEEが、IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントである、請求項20記載のベクター。
【請求項23】
IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントがGtx配列である、請求項22記載のベクター。
【請求項24】
TEEの少なくとも1つが、ランダムオリゴヌクレオチドであるN18配列である、請求項20記載のベクター。
【請求項25】
第2の遺伝子産物が、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aである、請求項20記載のベクター。
【請求項26】
以下の段階を含む、翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を同定する方法:
a)ヌクレオチドのライブラリーに由来するヌクレオチドを、2つもしくはこれ以上の第1の転写エレメント、および転写因子をコードする第1のシストロンを含む第1のコンストラクトを含むベクター中に挿入する段階;
b)細胞に、段階(a)のベクターをトランスフェクトする段階;ならびに
c)段階(b)の細胞おける1つもしくは複数の第2のコンストラクトに由来する遺伝子産物の翻訳のレベルを決定する段階であって、挿入されたヌクレオチドの存在によって遺伝子産物の翻訳のレベルが上昇したという判定が、少なくとも1つのTEEの存在を示す段階。
【請求項27】
段階(b)の細胞を、1つもしくは複数の第2のコンストラクトを含む1つもしくは複数の第2のベクターと同時にトランスフェクトする段階をさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
第1の転写エレメントを含む配列の少なくとも1つが、細胞に内因的な転写因子の標的でない、請求項26記載の方法。
【請求項29】
転写因子が細胞に内因的でない、請求項26記載の方法。
【請求項30】
2つまたはこれ以上の第2のコンストラクトが、少なくとも1つの転写エレメント、および含まれる少なくとも1つのシストロンに対して5'側に近位のTEEを含む、請求項26記載の方法。
【請求項31】
第2のコンストラクトの1つが、宿主のタンパク質合成をブロックする遺伝子産物をコードするシストロンを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
ブロックする遺伝子産物が、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つのTEEが、IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントである、請求項31記載の方法。
【請求項34】
IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントがGtx配列である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つのTEEが、宿主のタンパク質合成をブロックする産物の活性に耐性である、請求項33記載の方法。
【請求項36】
2つまたはこれ以上の転写エレメントが、最小プロモーター、調節型プロモーター、上流活性化配列、およびバクテリオファージのRNAポリメラーゼに特異的なプロモーターからなる群より選択される、請求項26記載の方法。
【請求項37】
第1のシストロンが、GAL4/VP16、GAL4、またはバクテリオファージに特異的なRNAポリメラーゼをコードする、請求項26記載の方法。
【請求項38】
以下の段階を含む、遺伝子を過剰に発現させる方法:
a)細胞に、2つまたはこれ以上の第1の転写エレメント、転写因子をコードする第1のシストロン、および1つもしくは複数の第1の翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含むベクターをトランスフェクトする段階;ならびに
b)第2のTEEを含む1つもしくは複数の第2のコンストラクトに由来する遺伝子産物を、段階(a)の細胞中で発現させる段階であって、第2のコンストラクトから発現される遺伝子産物の、結果として得られるレベルが、第1および第2のTEEの存在によって促進される段階。
【請求項39】
段階(a)の細胞に、1つもしくは複数の第2のコンストラクトを含む1つもしくは複数の第2のベクターを同時にトランスフェクトする段階をさらに含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
第3のコンストラクトに由来する遺伝子が、宿主のタンパク質合成をブロックする1つもしくは複数の遺伝子産物をコードする、第3のTEEを含む第3のコンストラクトに由来する遺伝子を、段階(a)の細胞で発現させる段階をさらに含む、請求項38記載の方法。
【請求項41】
段階(a)の細胞に、第3のコンストラクトを含む第3のベクターを同時にトランスフェクトする段階をさらに含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
ブロックする遺伝子産物が、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aである、請求項40記載の方法。
【請求項43】
2つまたはこれ以上の転写エレメントが、最小プロモーター、調節型プロモーター、上流活性化配列、およびバクテリオファージのRNAポリメラーゼに特異的なプロモーターからなる群より選択される、請求項38記載の方法。
【請求項44】
第1のシストロンが、GAL4/VP16、GAL4、またはバクテリオファージに特異的なRNAポリメラーゼをコードする、請求項38記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つのTEEが、IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントである、請求項33記載の方法。
【請求項46】
IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントがGtx配列である、請求項45記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1つのTEEが、ランダムオリゴヌクレオチドであるN18配列である、請求項33記載の方法。
【請求項48】
以下の段階を含む、遺伝子を過剰に発現させる方法:
a)細胞に、少なくとも1つの第1の転写エレメント、第1の遺伝子産物をコードする第1のシストロン、および少なくとも1つの翻訳エンハンサーエレメント(TEE)を含む第1のコンストラクトを含むベクターをトランスフェクトする段階;ならびに
b)1つもしくは複数のTEEを有する、宿主のタンパク質合成をブロックするタンパク質をコードする1つもしくは複数の第2のコンストラクトに由来する遺伝子を、段階(a)の細胞中で発現させる段階であって、第1のコンストラクトから発現される遺伝子産物の、結果として得られるレベルが、ブロックするタンパク質の存在によって促進される段階。
【請求項49】
段階(a)の細胞を、1つもしくは複数の第2のコンストラクトを含む第2のベクターと同時にトランスフェクトする段階をさらに含む、請求項48記載の方法。
【請求項50】
TEEが、ブロックするタンパク質に耐性である、請求項48記載の方法。
【請求項51】
2つまたはこれ以上の転写エレメントが、最小プロモーターおよび調節型プロモーターからなる群より選択される、請求項48記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1つのTEEが、IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントである、請求項48記載の方法。
【請求項53】
IRES、HCV-IRES、またはIRESエレメントがGtx配列である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
少なくとも1つのTEEが、ランダムオリゴヌクレオチドであるN18配列である、請求項48記載の方法。
【請求項55】
ブロックする遺伝子産物が、NSP3、L-プロテイナーゼ、またはプロテイナーゼ2Aである、請求項48記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図4−7】
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【図4−8】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−505657(P2009−505657A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528137(P2008−528137)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/033017
【国際公開番号】WO2007/025008
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(399038620)ザ スクリプス リサーチ インスティチュート (51)
【Fターム(参考)】