耐侵食システム
海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置又はそのための固定具、特に風力タービンモノパイルの周辺の海底侵食は、基礎又は装置の周辺の海底領域に、互いに連結した沈降エレメントの配列を設置することによって、防止又は低減することができる。その基本構造又は相互連結した配列により、沈降エレメントが配設された海底物質を実質的に変位させることによって海底侵食を引き起こしたり悪化させたりすることはない。それらが戴置されている海底物質又は移動した海底物質と実質的に同様の比重を現場で、又は固有に有する沈降エレメントがこれを達成することができる。沈降エレメント(又はマット)の理想的な配列は、使用済み又は廃棄された車両タイヤから形成されるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底設置基礎及び装置、ならびに海底ケーブル及びパイプラインなどの海洋構造物の周囲の潮流侵食作用の分野に関し、特に、離岸風力タービンなどのように、モノパイル(又はトリパイル)に取り付けられた構造に関する。特に、モノパイル(又はトリパイル)に取り付けられた海洋構造又は海底ケーブルもしくはパイプラインにおける潮流侵食作用を制御し、及び/又は防止する方法、その方法に使用する耐侵食装置、及び耐侵食装置の組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
全国的な、そして世界的規模のエネルギー対策において、再生可能エネルギーの必要性が高まっており、再生可能エネルギーの利用方法への投資額は増加傾向にある。海洋再生可能エネルギー装置は、特に海洋資源が豊富な国々にとっては、エネルギー混合の重要な部分となっている。こうした海洋再生可能装置には、潮汐エネルギー装置、波動エネルギー装置、及び離岸風力タービンなどが含まれる。
【0003】
風力タービン(又は風力発電装置又は他の風力エネルギー受信装置)は、定位置に設置された塔に取り付ける、モノパイル(又は、サイズの大きいタービンに対しては、それより多いトリパイル)の一般的なマルチブレード装置(通常3ブレード)である。風力タービン塔は、実質的なブレードの動き及び様々な風の状態にさらされることによる様々な応力を受ける。こうした応力により、塔の運動が引き起こされ、ひいては、塔が振動することになりうる。このような振動は、風力タービンの構造上の不良を引き起こしかねず、また、メンテナンスの必要性が高くなる。モノパイルに取り付けられた装置は、モノパイルの高さと装置全体の重量分布(及び他の要素)の関数である、システムの固有振動数の態様(特に第1と第2の態様)により振動する。一定の分銅を塔の内部又は塔とともに、ある高さに吊り下げることによって、システムの振動を最小限に抑え、風力タービン塔の振動を緩衝することが知られている。(その緩衝機構は吊り下げられた分銅の発振による振動のエネルギーを受信することができる)。しかし、モノパイルに搭載した離岸風力タービンは、(例えば、潮流の振動や荒天などにより)海底の侵食を受け易く、それにより、風力タービンモノパイルの基部の周辺の海底領域が削り取られてしまう。実際、これにより、海底侵食の程度や過酷さによって風力タービンの高さが変わり、振動緩衝システムの最適な位置や構成まで変わる(結果的に、緩衝構成を再調査して変更するというメンテナンス作業が増え、さらに/又は装置の構造的損傷のリスクが高くなる)。
【0004】
よって、モノパイルの基部、それに関連する構造的一体性、振動の変化、メンテナンス作業、及び、起こりうる構造的損傷の侵食を確実に最低限に抑えることが最重要課題である。
【0005】
定期的かつ予測可能な潮汐エネルギー用に設計された潮汐エネルギー装置は、任意で固定具や一機以上の海底パイルを介して海底に設置することができる。潮汐エネルギー装置は、一般的には潮流の激しい領域に位置する(エネルギーの受信を最大限とするため)ので、その固定装置は、特に、固定具や海底への設置を緩める可能性を有する潮流の侵食を受け易く、その結果、移動や損傷を受けたり、装置からの危険を受ける可能性がある。侵食の過程で、潮汐エネルギー装置の動作が不完全になる可能性もある。
【0006】
ここでもまた、潮汐又は波力エネルギー受信装置の海底固定具の周辺の侵食をくいとめることは、システムの不安定やその結果起きうる損傷を防止するためにも重要である。
【0007】
海底侵食保護の方法及び材料は、すでに存在しており、海底に設置した構造体に伴う海底の侵食の問題ついての取り組みが行われてきている。
【0008】
侵食保護を行っていない風力タービンモノパイルの周囲では、モノパイルに、モノパイルの直径の2倍以上の深さの侵食が観察され、その侵食の存在により、適度な構造的安定性を保証するために、さらに8−10mの長さのモノパイルを使用する必要があり、上述した振動の変化、メンテナンスコスト、及び損傷などのリスクにさらすことになる。また、侵食は、風力タービンから引かれたケーブルを乱流や損傷にさらす可能性がある。
【0009】
海底に設置した離岸風力タービン用の侵食保護は、認識された問題であり、そのような風力タービンの建設にかかる多大なコストは、侵食保護装置にあり、妥当ではないと認識されている。
【0010】
一般的な離岸風力タービンの侵食保護は、二つの方法で取り組まれている。すなわち、風力タービンを設置し、基部の周辺に形成された侵食を修理する方法(動的侵食保護)、あるいは、設置の前又は直後に侵食保護を形成する方法(静的侵食保護)である。侵食保護は、一般的にはアーマー保護(例えば、岩層又は大型コンクリートエレメント)の形態で行われ、一般的には、50から100cm程度の直径の岩と、その下に、直径10cm程度の小さめの石や岩によるフィルター層を用いる。保護は、深さ1mから2mで、モノパイルから半径方向に数m拡張してもよい。
【0011】
しかし、これらの伝統的な方法では、侵食保護領域のぎりぎりの境界及びその周辺の海底で局所的な侵食が起こり、侵食の限度が蝕まれる可能性がある。また、モノパイルの基部の周辺において、侵食保護層の下の海底の侵食による侵食保護の基礎部分の沈下が見られた(例えば、ハンセン他による「離岸風力タービン基礎の周辺の侵食保護、実物大の測定」EWEC2007参照のこと)。風力タービンのモノパイル又はトリポッド/トリパイルの基礎の侵食は、風力タービンの振動の固有振動数、特に振動の第2の態様(例えば、M.B.Saaijer「トリポッド指示構造−6MW DOWECの前設計及び固有振動数の評価」doc.No.63,TUD,Delft,2002年5月参照のこと)にかなりの影響を与える。
【0012】
侵食保護を改善するための努力は多く行われてきた。葉状体コンクリートマットレスが提案され、深海の搾油設備で使用されるようになった。しかし、この解決策は、設置のコスト高、コンクリートマットレスの境界の周辺の局所的な侵食の進行、下方の海底の侵食によるコンクリートマットレスのエレメントの沈み、高エネルギーの浅海におけるそれら装置の性能不足など、多くの欠点を有する。葉状体ファイバー又は繊維のマットレスが採油プラットフォーム支持体の周辺で使用されている。これらの装置は、浮力があり、繊維のマットから上方に延在する葉状体を有する。比較的海の潮流が穏やかな環境においては効果があるが、それらは、ある欠点を有する。特に、流れが激しい環境では、葉状体は、マットとの角度が浅くなり、その沈降捕捉能力の多くが失われてしまう。さらに、流れが激しいと、エッジ部分とマットの下の海底の物質が掘り下げられて、最終的にマット固定具の邪魔になったり、葉状体マットが不安定になったりし、流れとともに移動してしまう可能性がある。
【0013】
侵食という結果のうちの一部を回避する試みもある。国際公開WO2008/151660 A1号では、ケーブルがモノパイルの基部の周辺が侵食した場合に露出して損傷しないように、風力タービンから(一般的には)海岸まで引かれたケーブルを収納する方法を開示している。設けられた配管は、水の上方から供給可能であり、モノパイルの基部から外方に、そして海底の中に伸びる堅固なチューブにヒンジ式で連結することによって(従来のJ型配管で一般的にそうであるように)モノパイルの周辺の侵食が原因で歪曲することはない。これによって海底の侵食によって起きる問題は解決するものの、その根本にある侵食の問題がなんら解決されていない。
【0014】
例えば、離岸風力タービンに付随するモノパイル、あるいは他の海洋再生可能エネルギー装置の固定などのような、海底に設置された基礎の周辺の侵食を抑える又は修理するための方法及び/又は装置であって、高い費用対効果で容易に適用可能に上記の問題を克服する方法及び/又は装置を提供するのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開WO2008/151660 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
海洋再生可能エネルギー装置の基礎、特に、離岸風力タービンのモノパイルのような基礎の周辺の侵食を、高い費用対効果で容易に適用可能に抑制又は修理するための改良された方法及び装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、侵食抑制及び/又は修理を含む侵食保護のための方法を、高い費用対効果で容易に適用可能に提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、さらに、侵食保護システム又は侵食保護システムの一部として設置するための装置を高い費用対効果で提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、さらに、そのような装置の製造及び設置の方法と様式、及び/又はその方法の実施を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の第1の局面によると、海底設置基礎、再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の海底侵食を抑制又は低減するための方法を提供するものであり、前記海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具を囲む、そして/又は隣接する領域に、互いに連結された沈降エレメントの配列を備えることを含み、沈降エレメント及び/又は沈降エレメントの相互連結装置の構造的特性は、沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とする方法が提供される。
【0021】
本発明の第2の局面では、モノパイル、海底設置基礎、風力タービン又は他の海洋再生可能エネルギー装置又はその固定具の侵食防止及び/又は低減システムであって、相互に連結された沈降エレメントの配列を備え、沈降エレメントの構造的特性及び/又は互いに連結した配列は、現場において、沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とするシステムが提供される。
【0022】
本発明の第3の局面では、複数の相互に連結した沈降エレメントを備え、沈降エレメントは実質的に異なる方向に流れる水流中の沈殿物を捕捉するための沈殿物捕捉構成要素を少なくとも2つ備え、沈降エレメントは、単層で最密に配置されている、海底侵食抑制又は低減装置が提供される。
【0023】
本発明の第4の局面では、2つの実質的に異なるに方向に流れる水流から沈殿物を捕捉可能な少なくとも2つの沈降捕捉部を有する沈降エレメントであって、沈降エレメントは屋根及び/又は底部と壁部を有し、壁又は屋根に定位置に戴置する際に、空気を逃がすことができる少なくとも1つの開口を有する沈降エレメントが提供される。
【0024】
本発明の第5の局面では、海底設置基礎、離岸風力タービンパイル、海洋エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食を抑制又は低減するための沈降エレメントの使用法であって、沈降エレメントは、現場で2つの実質的に異なる方向において沈降捕捉を可能とする、1つ以上の沈殿物捕捉構成要素を備える使用法が提供される。
【0025】
本発明の第6の局面では、侵食保護システムを海底設置海洋エネルギー装置、基礎、又は離岸風力タービンのモノパイルの周辺に設置する方法であって、複数の沈降エレメントを組み立てて侵食抑制装置又は侵食抑制装置の区画を形成することと、侵食抑制装置又はその区画を搬送するための、装置と解放可能に係合する複数の装置係合手段を有する搬送フレームを設けることと、搬送フレームを侵食抑制装置又はその区画と解放可能に係合することと、搬送フレームを所望の位置まで操縦することと、侵食抑制装置又はその一部を解放して侵食防止を必要とする所望の位置に前記装置を配設することを含む方法が提供される。
【0026】
本発明の第7の局面では、侵食抑制装置又はその区画を搬送するための搬送フレームであって、フレームは長手の支持部材と、少なくとも2本の横方向の支持部材を備え、支持部材は、複数の侵食抑制装置エレメント係合手段を備える搬送フレームが提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の方法とシステムにより、風力タービンモノパイル及びトリパイルのような海洋基礎の周辺の海底侵食の大幅な低減が、容易に入手可能な材料から製造された相互接続可能な沈降エレメント(耐侵食マット)の配列を使用して低コストで可能になる。これにより、本発明は、潮流侵食の海底設置構造体における、大幅な、そして認識された問題点に取り組み、風力タービンの場合は、固有振動数におけるなんらかの侵食関連の変化の制御により、風力タービン塔振動緩衝装置を連続した操作で効果的に作動させることができ、よってメンテナンス及び損傷のリスク又はタービンの故障時間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】a乃至hは、本発明で使用する沈降エレメントの任意の部分の平面図である。
【図2】a乃至fは、本発明で使用する沈降エレメントの任意の部分の側断面図である。
【図3】a及びbは本発明で使用する沈降エレメント又はその一部の斜視図である。
【図4】本発明による好ましい沈降エレメントを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による装置、又は装置の平面図である。
【図6】本発明の実施形態の装置又は装置の側面を示す図である。
【図7】本発明による風力タービンモノパイルの周辺の沈降エレメントのモジュール配列を示す図である。
【図8】図7の配列の側面図である。
【図9】本発明による風力タービンモノパイルの周辺の沈降エレメントのモジュール配列の別の図である。
【図10】搬送フレームに取り付けた沈降エレメントのモジュール配列を示す図である。
【図11】搬送フレームとともに沈降エレメントのモジュール配列を示す平面図である。
【図12】搬送フレームを単一の沈降エレメントに連結する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、装置自身によって海底の物質のさらなる侵食及び/又は変位を回避可能な、特定の構造的特性(又は相互連結配列)を有する沈降エレメントを使って海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置又はその固定装置が改良された侵食の抑制又は防止及び/又は修理及び軽減するための方法及びシステムを提供する。
【0030】
好ましくは、沈降エレメントは現場で、侵食防止システムを配置する海底物質と実質的に同様の平均比重である。あるいは、もしくはそれに加え、沈降エレメントは、部分的に浮力を有する、又は部分的にそれが配設されている海底物質上にあるいは、材料の平均比重により(海底物質のそれと類似していることにより)、そして/又は一つ、2つ、あるいはそれ以上の隣接する沈降エレメントと相互に連結されたそれぞれの沈降エレメントの浮遊効果により、水中に集結した海底粒子の懸濁の中に浮いた状態とすることができる。理論に拘束されずに、沈降エレメントを1つ以上の他の沈降エレメントと相互に連結することによって、前記沈降エレメントの近くもしくは下に位置する海底物質の一部が一時的に局所的な海流によって移動した場合、他の沈降エレメントとの連結により、その土台部分が崩された沈降エレメントを、一時的に浮いた状態とするか、もしくは、空いてしまった基礎部分へ入る速度を遅くすることによって、その基礎に再び捕捉された沈降物が埋まるまでの時間を稼ぐことができると考えられる。また、さらに、それが配設されている海底物質と類似した平均比重を有する沈降エレメントを使用することにより、海底物質が局所的な海流によって動かされても沈降エレメントがその下の海底材料を移動しないように抑制する(あるいは移動速度を遅くする)と考えられる。
【0031】
好ましくは、沈降エレメントが形成される材料は、海底物質のそれと実質的に類似した比重を有する。任意で、沈降エレメントは、(沈降エレメントの寸法の割には)実質的な量の海底物質を捕捉又は含み、現場で、海底物質が充填された沈降エレメントは、それが配設されている海底物質に実質的に類似した比重を有していてもよい。
【0032】
好ましくは、沈降エレメントは、比重が1.05から2.5の範囲であり、さらに好ましくは1.05から2であり(標準状態での水の比重は1であり、海水は、一般的には約1.03の比重を有する)、さらに好ましくは、現場で、あるいは、好ましくは、本来1.2から1.5である。
【0033】
本発明が解決する侵食の問題は、強い潮流にさらされる、また/あるいは荒天エネルギーにさらされる離岸環境における海底に設置された構造体の周辺の海流によって引き起こされる。
【0034】
本発明のシステム及び方法は、海底設置基礎又は海底に設置したあるいは固定した装置を含む、離岸における適用範囲での有用性を発見した。海底設置基礎は、例えば、離岸の採油プラットフォームや調査及び掘削プラットフォーム及び風力タービンのような再生可能エネルギー装置の基礎を含む。離岸風力タービンは、一般的に、海底に沈ませたパイルの上に設置される。これらのパイルは、通常モノパイルであるが、タービンのサイズが大きくなると、例えばトリパイルでもよい。離岸風力タービンの基礎の周辺の海底侵食は、特に問題である。なぜなら、1つのパイルが沈み易い海底領域においては、複数のパイルも、一般的に沈むからである。このような海底型は、特に材料の性質によって侵食を受け易い。海底に設置した、又は固定した装置は、海底設置波力装置、海底固定型波力装置(又はそこから引いた動力線)及び海底設置潮流動力装置などのような、他の再生可能エネルギー受信装置を含んでいてもよい。
【0035】
好ましくは、本発明の方法及びシステムは、離岸風力タービンの基礎(例えば、モノパイル又はトリパイル)の周辺の侵食を抑制及び/又は軽減するものである。
【0036】
ここで使用した沈降エレメントは、現場で1つ以上の沈殿物捕捉構成要素を配列したものである。2つの実質的に異なる、好ましくは略対向する水流の流れの方向において捕捉能力を提供する。よって、沈降エレメントは、一般的には少なくとも2つの対向する、空隙の直径によって分かれた捕捉構成要素と、二つの略対向する流れの方向に沈降ができるように十分な曲率半径を有する1つの捕捉構成要素を含む。
【0037】
沈殿物捕捉構成要素は、平面視で湾曲した横方向の捕獲形状を有しているのが好ましく、それにより、構成要素がその湾曲した、又は角度を有する凹型の配列を通じてベイを形成していることになる。沈殿物捕捉構成要素の平面視の形状の例を図1(a−h)に示す。
【0038】
沈殿物捕捉構成要素は、好ましくは、縦方向の捕獲形状を有しており、それにより、側断面図では、傾斜した、例えば凹型又は角度を有する配置によって沈降物の捕捉を行うような形状を有していることになる。好ましくは、沈降エレメントの側断面構成は、角度を有し、又は湾曲しており、壁部を形成しており、そこから底部及び/又は屋根部と称される1つ以上の半径方向の沈降エレメントが延在している。壁部は、沈降エレメントの一部として定義され、その使用時の向きにおいて、垂直方向から45度以内の角度を有する。屋根部又は底部は、沈降エレメントの一部として定義され、その使用時の向きにおいて、水平から45度以内の角度を有する。文脈上他の意味に解すべき場合を除き、底部及び屋根部は、相互に入れ替えて用いることができ、文脈から明確でない限り、単純に沈降エレメントの方向を逆にすることによって屋根部は、底部とすることができる(特に、対称の沈降エレメント)。
【0039】
沈殿物捕捉構成要素及び沈降エレメントは、海底物質のような材料を含むことが好ましい。一般的には、例えば壁部と、底部及び屋根部のような1つ以上の半径方向の沈降エレメントを有する沈殿物捕捉構成要素の封じ込め能力は、底部及び/又は屋根部上に位置した保持リップによって強化される。底部と屋根部がある場合、一対の先細リップが設けられているのが好ましい。
【0040】
沈降エレメントの構成要素の側断面図の形状の例を図2a乃至図2fに示す。
【0041】
好ましくは、沈降エレメントは、円筒を形成する湾曲した壁部から形成され、そこから半径方向の環状屋根部及び底部が延在する。
【0042】
任意で沈降エレメントは、その内壁に均等な円筒形の空洞を有する中空のトーラス形状でもよい。
【0043】
沈降エレメントの重量のほとんどが、現場では、それが配設されている海底の物質からなるため、現場の沈降エレメントの相対的密度(又は比重)は、海底物質と略同様でよく、よって動的な均衡を保った状態になる。沈降エレメントと、沈殿物捕捉構成要素(空隙)の間、そして小さめではあるが、沈降エレメント自身(空隙の部分)と空隙の間にかなりの寸法の空隙を有する沈降エレメント(マット)の配列により、流れる砂が沈降エレメントと沈降エレメントの間の分だけ移動可能であり、捕獲又は捕捉した沈降物が海底に戻り易く、その海底は、接近可能であり、侵食保護エレメント自身が変位してもすぐにその部分が占有されてしまうことはない。
【0044】
ここで使用しているマットという用語は、文脈が許す限り、好ましくは単層に相互に連結した沈降エレメントのアレイ又は配列である。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、沈降エレメントは、車両用タイヤ又は変形した車両用タイヤを備える。一般的には、タイヤは、再生タイヤ(すなわち、車両用タイヤとして使用済みであり、廃棄、リサイクル、又は再利用が必要なタイヤ)である。
【0046】
この目的のために使用済みタイヤを利用することは、多くの理由から特に有利である。使用済みタイヤは、廃棄物管理問題の代表であり、膨大な数の使用済みタイヤが英国やその他の国のゴミ捨て場や保存場所に積み上げられている。使用済みタイヤの代替使用法は、通路や遊び場の地面の材料として使用するためにゴムチップを作る、あるいは、構造材用、あるいは海岸堤防のコンクリートへ混入させるなど、現在思案中であるが、その利用法は、廃棄物管理問題に比べると、ほんのわずかに過ぎない。さらに、海底に使用する使用済みタイヤは、有毒又は有害な物質を滲み出すことなく、長い年月にわたってゆっくりと劣化するため、比較的汚染のリスクが低い。
【0047】
いかなる適した材料も本発明の沈降エレメントに利用できる。例えば、沈降エレメントが海底物質を捕捉し、含有するように構成するならば、薄く鋳造するか、アルミニウムのような軽量金属を使用すればよい。ただし、好ましくは、沈降エレメントは、現場(すなわち、通常操作の位置にあり、海底物質を含む場合)には、海底物質の比重と実質的に類似した比重を有し(例えば、1.05から2)、沈降エレメント自身は、好ましくは、1.03より大きいのが好ましい。これは、薄いケース又は軽量金属、成形プラスチック又は強化繊維材料(例えば、強化ガラスファイバー又は炭素繊維材料)、又はゴムなど、沈降エレメントが形成されている材料すべてに当てはまる。
【0048】
好ましくは、沈降エレメントそれ自身が構成される材料は、海底物質と実質的に類似した比重(又は平均比重)を有し、いずれの場合も、好ましくは1.05から2、好ましくは1.2.から1.5である。
【0049】
任意で、沈降エレメントは、独立気泡構造(空気又は他の発泡ガスを含む)を持つ、あるいは、かなり低微粒子密度(例えば、使用済みタイヤからなるゴム片)となるように変形したセメント、コンクリート又はセラミック材から製造してもよい。これにより、セメント、コンクリート、セラミック材は、適した比重(例えば、上記の範囲内)となる。あるいは、材料を、希望の比重特性を有するシリコン又は他の粒子を含む発泡ポリマー材から構成してもよい。
【0050】
好ましくは、沈降エレメントは、ゴム、加硫ゴム又は合成ゴム又はプラスチック材、好ましくは、タイヤ製造に使用されているこれらの材料から製造してもよい。好ましくは、これらの材料は上記に述べた範囲内の比重を有する。
【0051】
沈降エレメント及びマットの寸法(すなわち、互いに連結した沈降エレメントの配列)は、適用方法における特定の要求事項に従って選択することができる。
【0052】
モノパイル、あるいはトリパイル、又はそのような基礎(例えば、風力タービン用)では、マットは、侵食の形成あるいは悪化を防ぐ又は抑制する寸法となるように選択すればよい。好ましくは、マットは、その寸法の周辺から、少なくともモノパイル又はトリパイル基礎の直径×1の距離、さらに好ましくは、少なくとも直径×2.5、さらに任意の距離である直径×10まで、さらに好ましくは直径×5の距離に対して保護できる寸法とする。例えば、直径が3.5mの風力タービンモノパイルの周辺に侵食保護を施す場合、本発明による耐侵食マットは、好ましくは直径約10m(モノパイル自身が通過できる孔を含む)から75mであり、さらに好ましくは約20mから約40mである。これは直径5mまでのモノパイル又はトリパイルに対して好ましいマット寸法の範囲である(直径約10mまでの基礎に対しては、20mが好ましい最小寸法である)。
【0053】
マットは、例えば、正方形、長方形、楕円形など、適した形状から選択できるが、円形に近い形状が好ましい。
【0054】
好ましくは、マットは、単層構造の沈降エレメントから形成され、あるいは、実質的に一定の深さである(すなわち、多層部分の沈降エレメントが実質的に単層の沈降エレメントのそれよりも実質的に浅いとするならば、一部又は複数の多層沈降エレメントから構成することができ、結果的にそれらが、単層沈降エレメントとして効率よく動作する)。任意で、マットからの突出をより深くするために、複数の異なる深さの多層沈降エレメントを「固定具」エレメントとして組み込んでもよい。マットを実質的に一定の深さとすることにより、マットが、海底物質との動的一体性をよりよく維持できるようになる。
【0055】
マットは、好ましくは、最密(すなわち接触)沈降エレメントから形成する。好ましくは、マットは、正方最密、又は六方最密沈降エレメントから形成する。
【0056】
ケーブル又はパイプラインに対して侵食保護を施すためには、マットを長手方向に延在するように構成し、パイプライン又はケーブルの軸に沿って配置するか(特有の侵食問題の距離だけ)、あるいは、多重侵食保護装置を、問題の領域のケーブル又はパイプラインの長さに沿って連続的に設ける。一般的には、ケ―ブル又はパイプラインのマットは、2から10mの幅であり、好ましくは、3から5mであり、最も好ましくは幅約4mである。ケーブル又はパイプラインの侵食保護マットは、一般的には、パイプラインの上に配置され、一般的には、ケーブル又はパイプラインの周辺の海底に固定される。しかし、任意で、マットをケーブル又はパイプラインの上又は下に配置してもよく、パイプラインに固定するための手段を有するマットあるいは、パイプラインの上下のマットを互いに連結してもよい。
【0057】
沈降エレメント自身の特徴的寸法は、設置する環境の要求事項に応じて選択すればよい。沈降エレメントの幅、沈降エレメントの深さ(すなわち、捕捉構成要素又は部分の深さ)、捕捉構成要素又は部分の幅、そして、空隙の直径は、それら全体で、特定の環境における沈降エレメントから形成されたマットの沈降捕捉及び侵食防止動作の効果が決定する、互いに関連する寸法である。要素の幅は、一般的に捕捉構成要素又は部分の幅の約2倍プラス空隙の直径(捕捉直径間距離)である。タイヤ型沈降エレメントの場合、例えば、沈降エレメントの幅は、沈降エレメントの全体幅であり、捕捉部の幅は、沈降エレメントの底部又は屋根部の半径方向の幅であり、空隙の直径はタイヤの中心の同心ホールドの直径であり、沈降エレメントの深さはタイヤの端壁(誤解のないように説明すると、路面に接触する部分、タイヤのスレットが形成された部分)の高さである。
【0058】
好ましくは、空隙の直径は、捕捉構成要素又は部分の幅×0.5から5(タイヤ型沈降エレメントの場合は、空隙の直径は沈降エレメントの直径×0.25から沈降エレメントの直径×2.5)であり、さらに好ましくは、捕捉構成要素の幅×1から3であり、より好ましくは幅×1.5から2.5であり、さらに好ましくは幅×2である。
【0059】
好ましくは、捕捉構成要素の幅もしくは半径方向の幅rを捕捉構成要素の断面深さdで割り算した沈降エレメントアスペクト比(すなわち、捕捉構成要素のアスペクト比)は、0.5から2であり、好ましくは0.75から2.25であり、最も好ましくは約2である。
【0060】
好ましくは、沈降エレメントは、10cmから2mの幅を有し、さらに好ましくは20cmから1mであり、より好ましくは30cmから50cmであり、最も好ましくは35cmから45cmである。
【0061】
好ましくは、捕捉構成要素又は部分の半径方向の幅は、沈降エレメントの幅×0.1から1であり、好ましくは沈降エレメントの幅×0.25及び沈降エレメントの幅×0.1から1の深さであり、好ましくは沈降エレメントの幅の0.25である。
【0062】
好ましくは、沈降エレメントの深さは、1mから5cmの範囲であり、さらに好ましくは50cmから10cmであり、より好ましくは25cmから15cmである。
【0063】
本発明に従って使用する沈降エレメントは、例えば使用済みの車両用タイヤは、好ましくは、沈降エレメントの側壁の上部もしくは屋根部に開口を有するように変形し、互いに連結した沈降エレメントの群を設置している間に捕捉された空気が逃げ易いように構成する。空気抜き穴を形成していない状態のマット又はその一部を水中に沈ませる場合、作業がより困難になり、マットが不都合に浮いてしまう。少なくとも2つの、さらに好ましくは、数個の上記開口をそれぞれの要素に形成すればよい。一般的には、このような開口の寸法は1cm2から約5cm2であり、適した形状、例えば円形でよい。また、開口は、側壁、あるいは底部又は屋根部に設けて1つの沈降エレメントを他の沈降エレメントに固定できるように構成してもよい。あるいは、固定は、本発明に従って使用する要素で(例えば現場でなされることよって)なされてもよい。
【0064】
上記本発明の別の局面は、海底に設置した海洋エネルギー装置、離岸風力タービン用の基礎又はモノパイル/トリパイルの周辺に侵食保護システム又は沈降エレメントのマットを設置する方法に関する。沈降エレメントの配列は、海底に設置した基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の設置時に設置すればよい。あるいは、沈降エレメントの配列は、海底に設置した基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食より大幅に大きい沈降エレメントの配列を配設することにより、あるいは侵食部を充填してその充填部の上に沈降エレメントの配列を配設することによりすでに侵食した部分を修理するために設置してもよい。
【0065】
好ましくは、侵食保護システムの設置において、マットの複数の区画を沿岸もしくはシステム設置用の船舶上で形成し、それら複数の区画を定位置で一連に形成してもよい。複数の区画は、長さが例えば20mまで、幅が例えば10mまでが好ましい。使用済みタイヤの沈降エレメントの場合、区画は例えば、150から300個のタイヤ、一般的に約200個のタイヤ(風力タービンモノパイル保護システムは、800から1200個のタイヤからなる)で構成すればよい。好ましくは、搬送及び設置用の複数の区画は、幅が約8mまで、さらに好ましくは約5mまで(例えば、3から5mの範囲)、そして、好ましくは長さ約12mまで、さらに好ましくは、約8mまで(例えば4から8mの範囲)とする。好ましい寸法を得るには、25から100、好ましくは40から80の範囲の相互に連結した多数の沈降エレメントを利用する。好ましい寸法は、離岸風力タービンまで容易に搬送し設置できるようにしながら地上で実質的な複数の区画を最大限製造するのに理想的であり、それらの複数の区画をそのまま相互連結すればよい。
【0066】
リフティング又は搬送フレームは、一般的に少なくとも1本の、傾向としては2本の長手方向の支持部材と、少なくとも2本の、そして、好ましくはより多くの横方向の支持部材又は横材から構成される。好ましい実施形態では、フレームは、内部に数本の平行な横材を有する箱部を備える。好ましくは、フレームとともに使用するリフティングケーブルシステムを係合するため、フレームの先端にアイリンクを設ける。フレームは、搬送フレームがマット又はその一部を持ち上げ、搬送できるよう、マットの沈降エレメントと解除可能に係合するための複数のエレメント係合手段(簡易着脱環索とも称する)を有する。任意で、それぞれの個々の係合エレメントには、エレメントとの係合及び係合解除のための装置を設けていてもよいし、あるいは、単一の係合/係合解除装置を操作して中枢として2個以上もしくは前記手段すべてを制御するように構成してもよい。
【0067】
これにより、侵食保護システムの複数の区画は、例えば、風力タービンの基礎の回りの希望の位置に配設し、現場で連結することができる(例えば、風力タービンの塔の基部に隣接するエレメントから始めて半径方向外側に向けて作業する)。
【0068】
本発明の別の局面によると、互いに連続して固定したゴムタイヤを使用して、耐侵食マットを提供する。このマットは、設置位置と同じ媒体を充填する。
【0069】
本発明の利点は、入手し易い材料を使った建築のし易さ、設置のし易さ(従来のマットのように重くなく、より安全)、海洋環境やエコロジーに対する影響が最小限、タイヤの寿命が約100年であり、少なくとも保護しているモノパイルの寿命より長い、等を含む。
【0070】
組み立てにおいて、沈降エレメント(例えば洗浄液で洗浄し、残留油分を取り除いたタイヤ)を一様なパターンで乾燥した地面(又は船舶のプラットフォーム)に配置し、隣接する各沈降エレメントの(好ましくは全ての)接続部において互いに固定し(例えば、ドリルで穴あけしてボルトでとめる)、沈降エレメントが互いに連結されたマットを形成する。各沈降エレメントに孔を設け、沈降エレメントを沈めたときに空気が追い出されるようにする。そして、その組立体をリフティングフレームに連結して希望の位置まで持ち上げ、希望の位置に来たら沈めて解放する。いくつかの沈降エレメント(例えばエンドタイヤ)はサンドアンカで固定してもよい。一度定位置に構成されたマットは、砂や砂利で覆って定位置に保持する。
【0071】
別の局面では、現場において、それが配設される媒体と実質的に同様な密度(又は比重)を有する複数の互いに連結した沈降エレメントを備えた侵食保護マットが提供される。
【0072】
本発明について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく、ただし限定することなく説明する。
【0073】
沈降エレメントは、適した構成であればいかなるものでもよい。沈殿物捕捉構成要素の例を図3aに示す。これは、図1cによる平面形状と、図2dに示す断面形状を有する。好ましい沈降エレメント(図3b)は、図1hによる捕捉構成要素の平面形状を有し、図2d、又は、好ましくは保持リップを備えた図2eに示す断面形状を有する。
【0074】
図4に示すように、好ましい実施形態は、沈降エレメントの幅がd、深さがaの(円筒形状の)壁3、半径方向の幅がbの屋根/底部5、及び空隙の直径がcの同心中心孔7の、例えばタイヤのようなリング形状の沈降エレメント1を使用する。
【0075】
図5は、侵食防止マット又はその一部9が、止め具11で連結した複数のリング形状の沈降エレメント1で構成され、正方最密の平坦な配列を形成している、本発明の好ましい実施形態を示す。沈降要素1は、マット9を希望の位置に沈めるときに空気が逃げられるように開口13が設けられている。マット9は、図6に示すように、単層の沈降エレメント1で構成されている。
【0076】
図6では、複数の沈降エレメント1の侵食保護マット9が、単層で、例えば、風力タービン17(図8)のモノパイル15(図7参照)の周辺に位置しており、例示した境界線21(図9)によって確定された潜在的侵食領域19の周辺を保護している。
【0077】
マット9又はその一部は、マット9又はその一部を地面の上、もしくは船の上で組み立てることによって定位置に設置され、マット9又はその一部に、多数の取り外し可能な係合手段25によってマット9に連結されたフレーム23を解放可能に固定することによって操縦され、フレーム23には、フレーム上の引き上げフック39を介してフレーム23を移動するための吊り上げケーブル装置27が固定されており、マット9が定位置に取り付けられる(図10)。
【0078】
沈降エレメント1のマット9を持ち上げるためのフレーム23は、図11に示すように、2本の平行な長手の部材29と、複数の横材31と、長手及び横材に固定されて十分な数の箇所において一時的にマットをフレームに固定するための複数の取り外し可能な係合部材(図示せず)とを有する。
【0079】
取り外し可能な係合エレメントは、タイヤの形態のリング形状の沈降エレメント1と係合したフレーム23の一部に関連して図12に示している。係合部材33は、長手の部材29に取り付けられ、レバー37を使って係合及び解放される縦軸35に回転可能に取り付けられている。
【0080】
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。しかし、本発明の要素から離れることなく、当業者によって様々な変更及び変形が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底設置基礎及び装置、ならびに海底ケーブル及びパイプラインなどの海洋構造物の周囲の潮流侵食作用の分野に関し、特に、離岸風力タービンなどのように、モノパイル(又はトリパイル)に取り付けられた構造に関する。特に、モノパイル(又はトリパイル)に取り付けられた海洋構造又は海底ケーブルもしくはパイプラインにおける潮流侵食作用を制御し、及び/又は防止する方法、その方法に使用する耐侵食装置、及び耐侵食装置の組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
全国的な、そして世界的規模のエネルギー対策において、再生可能エネルギーの必要性が高まっており、再生可能エネルギーの利用方法への投資額は増加傾向にある。海洋再生可能エネルギー装置は、特に海洋資源が豊富な国々にとっては、エネルギー混合の重要な部分となっている。こうした海洋再生可能装置には、潮汐エネルギー装置、波動エネルギー装置、及び離岸風力タービンなどが含まれる。
【0003】
風力タービン(又は風力発電装置又は他の風力エネルギー受信装置)は、定位置に設置された塔に取り付ける、モノパイル(又は、サイズの大きいタービンに対しては、それより多いトリパイル)の一般的なマルチブレード装置(通常3ブレード)である。風力タービン塔は、実質的なブレードの動き及び様々な風の状態にさらされることによる様々な応力を受ける。こうした応力により、塔の運動が引き起こされ、ひいては、塔が振動することになりうる。このような振動は、風力タービンの構造上の不良を引き起こしかねず、また、メンテナンスの必要性が高くなる。モノパイルに取り付けられた装置は、モノパイルの高さと装置全体の重量分布(及び他の要素)の関数である、システムの固有振動数の態様(特に第1と第2の態様)により振動する。一定の分銅を塔の内部又は塔とともに、ある高さに吊り下げることによって、システムの振動を最小限に抑え、風力タービン塔の振動を緩衝することが知られている。(その緩衝機構は吊り下げられた分銅の発振による振動のエネルギーを受信することができる)。しかし、モノパイルに搭載した離岸風力タービンは、(例えば、潮流の振動や荒天などにより)海底の侵食を受け易く、それにより、風力タービンモノパイルの基部の周辺の海底領域が削り取られてしまう。実際、これにより、海底侵食の程度や過酷さによって風力タービンの高さが変わり、振動緩衝システムの最適な位置や構成まで変わる(結果的に、緩衝構成を再調査して変更するというメンテナンス作業が増え、さらに/又は装置の構造的損傷のリスクが高くなる)。
【0004】
よって、モノパイルの基部、それに関連する構造的一体性、振動の変化、メンテナンス作業、及び、起こりうる構造的損傷の侵食を確実に最低限に抑えることが最重要課題である。
【0005】
定期的かつ予測可能な潮汐エネルギー用に設計された潮汐エネルギー装置は、任意で固定具や一機以上の海底パイルを介して海底に設置することができる。潮汐エネルギー装置は、一般的には潮流の激しい領域に位置する(エネルギーの受信を最大限とするため)ので、その固定装置は、特に、固定具や海底への設置を緩める可能性を有する潮流の侵食を受け易く、その結果、移動や損傷を受けたり、装置からの危険を受ける可能性がある。侵食の過程で、潮汐エネルギー装置の動作が不完全になる可能性もある。
【0006】
ここでもまた、潮汐又は波力エネルギー受信装置の海底固定具の周辺の侵食をくいとめることは、システムの不安定やその結果起きうる損傷を防止するためにも重要である。
【0007】
海底侵食保護の方法及び材料は、すでに存在しており、海底に設置した構造体に伴う海底の侵食の問題ついての取り組みが行われてきている。
【0008】
侵食保護を行っていない風力タービンモノパイルの周囲では、モノパイルに、モノパイルの直径の2倍以上の深さの侵食が観察され、その侵食の存在により、適度な構造的安定性を保証するために、さらに8−10mの長さのモノパイルを使用する必要があり、上述した振動の変化、メンテナンスコスト、及び損傷などのリスクにさらすことになる。また、侵食は、風力タービンから引かれたケーブルを乱流や損傷にさらす可能性がある。
【0009】
海底に設置した離岸風力タービン用の侵食保護は、認識された問題であり、そのような風力タービンの建設にかかる多大なコストは、侵食保護装置にあり、妥当ではないと認識されている。
【0010】
一般的な離岸風力タービンの侵食保護は、二つの方法で取り組まれている。すなわち、風力タービンを設置し、基部の周辺に形成された侵食を修理する方法(動的侵食保護)、あるいは、設置の前又は直後に侵食保護を形成する方法(静的侵食保護)である。侵食保護は、一般的にはアーマー保護(例えば、岩層又は大型コンクリートエレメント)の形態で行われ、一般的には、50から100cm程度の直径の岩と、その下に、直径10cm程度の小さめの石や岩によるフィルター層を用いる。保護は、深さ1mから2mで、モノパイルから半径方向に数m拡張してもよい。
【0011】
しかし、これらの伝統的な方法では、侵食保護領域のぎりぎりの境界及びその周辺の海底で局所的な侵食が起こり、侵食の限度が蝕まれる可能性がある。また、モノパイルの基部の周辺において、侵食保護層の下の海底の侵食による侵食保護の基礎部分の沈下が見られた(例えば、ハンセン他による「離岸風力タービン基礎の周辺の侵食保護、実物大の測定」EWEC2007参照のこと)。風力タービンのモノパイル又はトリポッド/トリパイルの基礎の侵食は、風力タービンの振動の固有振動数、特に振動の第2の態様(例えば、M.B.Saaijer「トリポッド指示構造−6MW DOWECの前設計及び固有振動数の評価」doc.No.63,TUD,Delft,2002年5月参照のこと)にかなりの影響を与える。
【0012】
侵食保護を改善するための努力は多く行われてきた。葉状体コンクリートマットレスが提案され、深海の搾油設備で使用されるようになった。しかし、この解決策は、設置のコスト高、コンクリートマットレスの境界の周辺の局所的な侵食の進行、下方の海底の侵食によるコンクリートマットレスのエレメントの沈み、高エネルギーの浅海におけるそれら装置の性能不足など、多くの欠点を有する。葉状体ファイバー又は繊維のマットレスが採油プラットフォーム支持体の周辺で使用されている。これらの装置は、浮力があり、繊維のマットから上方に延在する葉状体を有する。比較的海の潮流が穏やかな環境においては効果があるが、それらは、ある欠点を有する。特に、流れが激しい環境では、葉状体は、マットとの角度が浅くなり、その沈降捕捉能力の多くが失われてしまう。さらに、流れが激しいと、エッジ部分とマットの下の海底の物質が掘り下げられて、最終的にマット固定具の邪魔になったり、葉状体マットが不安定になったりし、流れとともに移動してしまう可能性がある。
【0013】
侵食という結果のうちの一部を回避する試みもある。国際公開WO2008/151660 A1号では、ケーブルがモノパイルの基部の周辺が侵食した場合に露出して損傷しないように、風力タービンから(一般的には)海岸まで引かれたケーブルを収納する方法を開示している。設けられた配管は、水の上方から供給可能であり、モノパイルの基部から外方に、そして海底の中に伸びる堅固なチューブにヒンジ式で連結することによって(従来のJ型配管で一般的にそうであるように)モノパイルの周辺の侵食が原因で歪曲することはない。これによって海底の侵食によって起きる問題は解決するものの、その根本にある侵食の問題がなんら解決されていない。
【0014】
例えば、離岸風力タービンに付随するモノパイル、あるいは他の海洋再生可能エネルギー装置の固定などのような、海底に設置された基礎の周辺の侵食を抑える又は修理するための方法及び/又は装置であって、高い費用対効果で容易に適用可能に上記の問題を克服する方法及び/又は装置を提供するのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開WO2008/151660 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
海洋再生可能エネルギー装置の基礎、特に、離岸風力タービンのモノパイルのような基礎の周辺の侵食を、高い費用対効果で容易に適用可能に抑制又は修理するための改良された方法及び装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、侵食抑制及び/又は修理を含む侵食保護のための方法を、高い費用対効果で容易に適用可能に提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、さらに、侵食保護システム又は侵食保護システムの一部として設置するための装置を高い費用対効果で提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、さらに、そのような装置の製造及び設置の方法と様式、及び/又はその方法の実施を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の第1の局面によると、海底設置基礎、再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の海底侵食を抑制又は低減するための方法を提供するものであり、前記海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具を囲む、そして/又は隣接する領域に、互いに連結された沈降エレメントの配列を備えることを含み、沈降エレメント及び/又は沈降エレメントの相互連結装置の構造的特性は、沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とする方法が提供される。
【0021】
本発明の第2の局面では、モノパイル、海底設置基礎、風力タービン又は他の海洋再生可能エネルギー装置又はその固定具の侵食防止及び/又は低減システムであって、相互に連結された沈降エレメントの配列を備え、沈降エレメントの構造的特性及び/又は互いに連結した配列は、現場において、沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とするシステムが提供される。
【0022】
本発明の第3の局面では、複数の相互に連結した沈降エレメントを備え、沈降エレメントは実質的に異なる方向に流れる水流中の沈殿物を捕捉するための沈殿物捕捉構成要素を少なくとも2つ備え、沈降エレメントは、単層で最密に配置されている、海底侵食抑制又は低減装置が提供される。
【0023】
本発明の第4の局面では、2つの実質的に異なるに方向に流れる水流から沈殿物を捕捉可能な少なくとも2つの沈降捕捉部を有する沈降エレメントであって、沈降エレメントは屋根及び/又は底部と壁部を有し、壁又は屋根に定位置に戴置する際に、空気を逃がすことができる少なくとも1つの開口を有する沈降エレメントが提供される。
【0024】
本発明の第5の局面では、海底設置基礎、離岸風力タービンパイル、海洋エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食を抑制又は低減するための沈降エレメントの使用法であって、沈降エレメントは、現場で2つの実質的に異なる方向において沈降捕捉を可能とする、1つ以上の沈殿物捕捉構成要素を備える使用法が提供される。
【0025】
本発明の第6の局面では、侵食保護システムを海底設置海洋エネルギー装置、基礎、又は離岸風力タービンのモノパイルの周辺に設置する方法であって、複数の沈降エレメントを組み立てて侵食抑制装置又は侵食抑制装置の区画を形成することと、侵食抑制装置又はその区画を搬送するための、装置と解放可能に係合する複数の装置係合手段を有する搬送フレームを設けることと、搬送フレームを侵食抑制装置又はその区画と解放可能に係合することと、搬送フレームを所望の位置まで操縦することと、侵食抑制装置又はその一部を解放して侵食防止を必要とする所望の位置に前記装置を配設することを含む方法が提供される。
【0026】
本発明の第7の局面では、侵食抑制装置又はその区画を搬送するための搬送フレームであって、フレームは長手の支持部材と、少なくとも2本の横方向の支持部材を備え、支持部材は、複数の侵食抑制装置エレメント係合手段を備える搬送フレームが提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の方法とシステムにより、風力タービンモノパイル及びトリパイルのような海洋基礎の周辺の海底侵食の大幅な低減が、容易に入手可能な材料から製造された相互接続可能な沈降エレメント(耐侵食マット)の配列を使用して低コストで可能になる。これにより、本発明は、潮流侵食の海底設置構造体における、大幅な、そして認識された問題点に取り組み、風力タービンの場合は、固有振動数におけるなんらかの侵食関連の変化の制御により、風力タービン塔振動緩衝装置を連続した操作で効果的に作動させることができ、よってメンテナンス及び損傷のリスク又はタービンの故障時間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】a乃至hは、本発明で使用する沈降エレメントの任意の部分の平面図である。
【図2】a乃至fは、本発明で使用する沈降エレメントの任意の部分の側断面図である。
【図3】a及びbは本発明で使用する沈降エレメント又はその一部の斜視図である。
【図4】本発明による好ましい沈降エレメントを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による装置、又は装置の平面図である。
【図6】本発明の実施形態の装置又は装置の側面を示す図である。
【図7】本発明による風力タービンモノパイルの周辺の沈降エレメントのモジュール配列を示す図である。
【図8】図7の配列の側面図である。
【図9】本発明による風力タービンモノパイルの周辺の沈降エレメントのモジュール配列の別の図である。
【図10】搬送フレームに取り付けた沈降エレメントのモジュール配列を示す図である。
【図11】搬送フレームとともに沈降エレメントのモジュール配列を示す平面図である。
【図12】搬送フレームを単一の沈降エレメントに連結する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、装置自身によって海底の物質のさらなる侵食及び/又は変位を回避可能な、特定の構造的特性(又は相互連結配列)を有する沈降エレメントを使って海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置又はその固定装置が改良された侵食の抑制又は防止及び/又は修理及び軽減するための方法及びシステムを提供する。
【0030】
好ましくは、沈降エレメントは現場で、侵食防止システムを配置する海底物質と実質的に同様の平均比重である。あるいは、もしくはそれに加え、沈降エレメントは、部分的に浮力を有する、又は部分的にそれが配設されている海底物質上にあるいは、材料の平均比重により(海底物質のそれと類似していることにより)、そして/又は一つ、2つ、あるいはそれ以上の隣接する沈降エレメントと相互に連結されたそれぞれの沈降エレメントの浮遊効果により、水中に集結した海底粒子の懸濁の中に浮いた状態とすることができる。理論に拘束されずに、沈降エレメントを1つ以上の他の沈降エレメントと相互に連結することによって、前記沈降エレメントの近くもしくは下に位置する海底物質の一部が一時的に局所的な海流によって移動した場合、他の沈降エレメントとの連結により、その土台部分が崩された沈降エレメントを、一時的に浮いた状態とするか、もしくは、空いてしまった基礎部分へ入る速度を遅くすることによって、その基礎に再び捕捉された沈降物が埋まるまでの時間を稼ぐことができると考えられる。また、さらに、それが配設されている海底物質と類似した平均比重を有する沈降エレメントを使用することにより、海底物質が局所的な海流によって動かされても沈降エレメントがその下の海底材料を移動しないように抑制する(あるいは移動速度を遅くする)と考えられる。
【0031】
好ましくは、沈降エレメントが形成される材料は、海底物質のそれと実質的に類似した比重を有する。任意で、沈降エレメントは、(沈降エレメントの寸法の割には)実質的な量の海底物質を捕捉又は含み、現場で、海底物質が充填された沈降エレメントは、それが配設されている海底物質に実質的に類似した比重を有していてもよい。
【0032】
好ましくは、沈降エレメントは、比重が1.05から2.5の範囲であり、さらに好ましくは1.05から2であり(標準状態での水の比重は1であり、海水は、一般的には約1.03の比重を有する)、さらに好ましくは、現場で、あるいは、好ましくは、本来1.2から1.5である。
【0033】
本発明が解決する侵食の問題は、強い潮流にさらされる、また/あるいは荒天エネルギーにさらされる離岸環境における海底に設置された構造体の周辺の海流によって引き起こされる。
【0034】
本発明のシステム及び方法は、海底設置基礎又は海底に設置したあるいは固定した装置を含む、離岸における適用範囲での有用性を発見した。海底設置基礎は、例えば、離岸の採油プラットフォームや調査及び掘削プラットフォーム及び風力タービンのような再生可能エネルギー装置の基礎を含む。離岸風力タービンは、一般的に、海底に沈ませたパイルの上に設置される。これらのパイルは、通常モノパイルであるが、タービンのサイズが大きくなると、例えばトリパイルでもよい。離岸風力タービンの基礎の周辺の海底侵食は、特に問題である。なぜなら、1つのパイルが沈み易い海底領域においては、複数のパイルも、一般的に沈むからである。このような海底型は、特に材料の性質によって侵食を受け易い。海底に設置した、又は固定した装置は、海底設置波力装置、海底固定型波力装置(又はそこから引いた動力線)及び海底設置潮流動力装置などのような、他の再生可能エネルギー受信装置を含んでいてもよい。
【0035】
好ましくは、本発明の方法及びシステムは、離岸風力タービンの基礎(例えば、モノパイル又はトリパイル)の周辺の侵食を抑制及び/又は軽減するものである。
【0036】
ここで使用した沈降エレメントは、現場で1つ以上の沈殿物捕捉構成要素を配列したものである。2つの実質的に異なる、好ましくは略対向する水流の流れの方向において捕捉能力を提供する。よって、沈降エレメントは、一般的には少なくとも2つの対向する、空隙の直径によって分かれた捕捉構成要素と、二つの略対向する流れの方向に沈降ができるように十分な曲率半径を有する1つの捕捉構成要素を含む。
【0037】
沈殿物捕捉構成要素は、平面視で湾曲した横方向の捕獲形状を有しているのが好ましく、それにより、構成要素がその湾曲した、又は角度を有する凹型の配列を通じてベイを形成していることになる。沈殿物捕捉構成要素の平面視の形状の例を図1(a−h)に示す。
【0038】
沈殿物捕捉構成要素は、好ましくは、縦方向の捕獲形状を有しており、それにより、側断面図では、傾斜した、例えば凹型又は角度を有する配置によって沈降物の捕捉を行うような形状を有していることになる。好ましくは、沈降エレメントの側断面構成は、角度を有し、又は湾曲しており、壁部を形成しており、そこから底部及び/又は屋根部と称される1つ以上の半径方向の沈降エレメントが延在している。壁部は、沈降エレメントの一部として定義され、その使用時の向きにおいて、垂直方向から45度以内の角度を有する。屋根部又は底部は、沈降エレメントの一部として定義され、その使用時の向きにおいて、水平から45度以内の角度を有する。文脈上他の意味に解すべき場合を除き、底部及び屋根部は、相互に入れ替えて用いることができ、文脈から明確でない限り、単純に沈降エレメントの方向を逆にすることによって屋根部は、底部とすることができる(特に、対称の沈降エレメント)。
【0039】
沈殿物捕捉構成要素及び沈降エレメントは、海底物質のような材料を含むことが好ましい。一般的には、例えば壁部と、底部及び屋根部のような1つ以上の半径方向の沈降エレメントを有する沈殿物捕捉構成要素の封じ込め能力は、底部及び/又は屋根部上に位置した保持リップによって強化される。底部と屋根部がある場合、一対の先細リップが設けられているのが好ましい。
【0040】
沈降エレメントの構成要素の側断面図の形状の例を図2a乃至図2fに示す。
【0041】
好ましくは、沈降エレメントは、円筒を形成する湾曲した壁部から形成され、そこから半径方向の環状屋根部及び底部が延在する。
【0042】
任意で沈降エレメントは、その内壁に均等な円筒形の空洞を有する中空のトーラス形状でもよい。
【0043】
沈降エレメントの重量のほとんどが、現場では、それが配設されている海底の物質からなるため、現場の沈降エレメントの相対的密度(又は比重)は、海底物質と略同様でよく、よって動的な均衡を保った状態になる。沈降エレメントと、沈殿物捕捉構成要素(空隙)の間、そして小さめではあるが、沈降エレメント自身(空隙の部分)と空隙の間にかなりの寸法の空隙を有する沈降エレメント(マット)の配列により、流れる砂が沈降エレメントと沈降エレメントの間の分だけ移動可能であり、捕獲又は捕捉した沈降物が海底に戻り易く、その海底は、接近可能であり、侵食保護エレメント自身が変位してもすぐにその部分が占有されてしまうことはない。
【0044】
ここで使用しているマットという用語は、文脈が許す限り、好ましくは単層に相互に連結した沈降エレメントのアレイ又は配列である。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、沈降エレメントは、車両用タイヤ又は変形した車両用タイヤを備える。一般的には、タイヤは、再生タイヤ(すなわち、車両用タイヤとして使用済みであり、廃棄、リサイクル、又は再利用が必要なタイヤ)である。
【0046】
この目的のために使用済みタイヤを利用することは、多くの理由から特に有利である。使用済みタイヤは、廃棄物管理問題の代表であり、膨大な数の使用済みタイヤが英国やその他の国のゴミ捨て場や保存場所に積み上げられている。使用済みタイヤの代替使用法は、通路や遊び場の地面の材料として使用するためにゴムチップを作る、あるいは、構造材用、あるいは海岸堤防のコンクリートへ混入させるなど、現在思案中であるが、その利用法は、廃棄物管理問題に比べると、ほんのわずかに過ぎない。さらに、海底に使用する使用済みタイヤは、有毒又は有害な物質を滲み出すことなく、長い年月にわたってゆっくりと劣化するため、比較的汚染のリスクが低い。
【0047】
いかなる適した材料も本発明の沈降エレメントに利用できる。例えば、沈降エレメントが海底物質を捕捉し、含有するように構成するならば、薄く鋳造するか、アルミニウムのような軽量金属を使用すればよい。ただし、好ましくは、沈降エレメントは、現場(すなわち、通常操作の位置にあり、海底物質を含む場合)には、海底物質の比重と実質的に類似した比重を有し(例えば、1.05から2)、沈降エレメント自身は、好ましくは、1.03より大きいのが好ましい。これは、薄いケース又は軽量金属、成形プラスチック又は強化繊維材料(例えば、強化ガラスファイバー又は炭素繊維材料)、又はゴムなど、沈降エレメントが形成されている材料すべてに当てはまる。
【0048】
好ましくは、沈降エレメントそれ自身が構成される材料は、海底物質と実質的に類似した比重(又は平均比重)を有し、いずれの場合も、好ましくは1.05から2、好ましくは1.2.から1.5である。
【0049】
任意で、沈降エレメントは、独立気泡構造(空気又は他の発泡ガスを含む)を持つ、あるいは、かなり低微粒子密度(例えば、使用済みタイヤからなるゴム片)となるように変形したセメント、コンクリート又はセラミック材から製造してもよい。これにより、セメント、コンクリート、セラミック材は、適した比重(例えば、上記の範囲内)となる。あるいは、材料を、希望の比重特性を有するシリコン又は他の粒子を含む発泡ポリマー材から構成してもよい。
【0050】
好ましくは、沈降エレメントは、ゴム、加硫ゴム又は合成ゴム又はプラスチック材、好ましくは、タイヤ製造に使用されているこれらの材料から製造してもよい。好ましくは、これらの材料は上記に述べた範囲内の比重を有する。
【0051】
沈降エレメント及びマットの寸法(すなわち、互いに連結した沈降エレメントの配列)は、適用方法における特定の要求事項に従って選択することができる。
【0052】
モノパイル、あるいはトリパイル、又はそのような基礎(例えば、風力タービン用)では、マットは、侵食の形成あるいは悪化を防ぐ又は抑制する寸法となるように選択すればよい。好ましくは、マットは、その寸法の周辺から、少なくともモノパイル又はトリパイル基礎の直径×1の距離、さらに好ましくは、少なくとも直径×2.5、さらに任意の距離である直径×10まで、さらに好ましくは直径×5の距離に対して保護できる寸法とする。例えば、直径が3.5mの風力タービンモノパイルの周辺に侵食保護を施す場合、本発明による耐侵食マットは、好ましくは直径約10m(モノパイル自身が通過できる孔を含む)から75mであり、さらに好ましくは約20mから約40mである。これは直径5mまでのモノパイル又はトリパイルに対して好ましいマット寸法の範囲である(直径約10mまでの基礎に対しては、20mが好ましい最小寸法である)。
【0053】
マットは、例えば、正方形、長方形、楕円形など、適した形状から選択できるが、円形に近い形状が好ましい。
【0054】
好ましくは、マットは、単層構造の沈降エレメントから形成され、あるいは、実質的に一定の深さである(すなわち、多層部分の沈降エレメントが実質的に単層の沈降エレメントのそれよりも実質的に浅いとするならば、一部又は複数の多層沈降エレメントから構成することができ、結果的にそれらが、単層沈降エレメントとして効率よく動作する)。任意で、マットからの突出をより深くするために、複数の異なる深さの多層沈降エレメントを「固定具」エレメントとして組み込んでもよい。マットを実質的に一定の深さとすることにより、マットが、海底物質との動的一体性をよりよく維持できるようになる。
【0055】
マットは、好ましくは、最密(すなわち接触)沈降エレメントから形成する。好ましくは、マットは、正方最密、又は六方最密沈降エレメントから形成する。
【0056】
ケーブル又はパイプラインに対して侵食保護を施すためには、マットを長手方向に延在するように構成し、パイプライン又はケーブルの軸に沿って配置するか(特有の侵食問題の距離だけ)、あるいは、多重侵食保護装置を、問題の領域のケーブル又はパイプラインの長さに沿って連続的に設ける。一般的には、ケ―ブル又はパイプラインのマットは、2から10mの幅であり、好ましくは、3から5mであり、最も好ましくは幅約4mである。ケーブル又はパイプラインの侵食保護マットは、一般的には、パイプラインの上に配置され、一般的には、ケーブル又はパイプラインの周辺の海底に固定される。しかし、任意で、マットをケーブル又はパイプラインの上又は下に配置してもよく、パイプラインに固定するための手段を有するマットあるいは、パイプラインの上下のマットを互いに連結してもよい。
【0057】
沈降エレメント自身の特徴的寸法は、設置する環境の要求事項に応じて選択すればよい。沈降エレメントの幅、沈降エレメントの深さ(すなわち、捕捉構成要素又は部分の深さ)、捕捉構成要素又は部分の幅、そして、空隙の直径は、それら全体で、特定の環境における沈降エレメントから形成されたマットの沈降捕捉及び侵食防止動作の効果が決定する、互いに関連する寸法である。要素の幅は、一般的に捕捉構成要素又は部分の幅の約2倍プラス空隙の直径(捕捉直径間距離)である。タイヤ型沈降エレメントの場合、例えば、沈降エレメントの幅は、沈降エレメントの全体幅であり、捕捉部の幅は、沈降エレメントの底部又は屋根部の半径方向の幅であり、空隙の直径はタイヤの中心の同心ホールドの直径であり、沈降エレメントの深さはタイヤの端壁(誤解のないように説明すると、路面に接触する部分、タイヤのスレットが形成された部分)の高さである。
【0058】
好ましくは、空隙の直径は、捕捉構成要素又は部分の幅×0.5から5(タイヤ型沈降エレメントの場合は、空隙の直径は沈降エレメントの直径×0.25から沈降エレメントの直径×2.5)であり、さらに好ましくは、捕捉構成要素の幅×1から3であり、より好ましくは幅×1.5から2.5であり、さらに好ましくは幅×2である。
【0059】
好ましくは、捕捉構成要素の幅もしくは半径方向の幅rを捕捉構成要素の断面深さdで割り算した沈降エレメントアスペクト比(すなわち、捕捉構成要素のアスペクト比)は、0.5から2であり、好ましくは0.75から2.25であり、最も好ましくは約2である。
【0060】
好ましくは、沈降エレメントは、10cmから2mの幅を有し、さらに好ましくは20cmから1mであり、より好ましくは30cmから50cmであり、最も好ましくは35cmから45cmである。
【0061】
好ましくは、捕捉構成要素又は部分の半径方向の幅は、沈降エレメントの幅×0.1から1であり、好ましくは沈降エレメントの幅×0.25及び沈降エレメントの幅×0.1から1の深さであり、好ましくは沈降エレメントの幅の0.25である。
【0062】
好ましくは、沈降エレメントの深さは、1mから5cmの範囲であり、さらに好ましくは50cmから10cmであり、より好ましくは25cmから15cmである。
【0063】
本発明に従って使用する沈降エレメントは、例えば使用済みの車両用タイヤは、好ましくは、沈降エレメントの側壁の上部もしくは屋根部に開口を有するように変形し、互いに連結した沈降エレメントの群を設置している間に捕捉された空気が逃げ易いように構成する。空気抜き穴を形成していない状態のマット又はその一部を水中に沈ませる場合、作業がより困難になり、マットが不都合に浮いてしまう。少なくとも2つの、さらに好ましくは、数個の上記開口をそれぞれの要素に形成すればよい。一般的には、このような開口の寸法は1cm2から約5cm2であり、適した形状、例えば円形でよい。また、開口は、側壁、あるいは底部又は屋根部に設けて1つの沈降エレメントを他の沈降エレメントに固定できるように構成してもよい。あるいは、固定は、本発明に従って使用する要素で(例えば現場でなされることよって)なされてもよい。
【0064】
上記本発明の別の局面は、海底に設置した海洋エネルギー装置、離岸風力タービン用の基礎又はモノパイル/トリパイルの周辺に侵食保護システム又は沈降エレメントのマットを設置する方法に関する。沈降エレメントの配列は、海底に設置した基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の設置時に設置すればよい。あるいは、沈降エレメントの配列は、海底に設置した基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食より大幅に大きい沈降エレメントの配列を配設することにより、あるいは侵食部を充填してその充填部の上に沈降エレメントの配列を配設することによりすでに侵食した部分を修理するために設置してもよい。
【0065】
好ましくは、侵食保護システムの設置において、マットの複数の区画を沿岸もしくはシステム設置用の船舶上で形成し、それら複数の区画を定位置で一連に形成してもよい。複数の区画は、長さが例えば20mまで、幅が例えば10mまでが好ましい。使用済みタイヤの沈降エレメントの場合、区画は例えば、150から300個のタイヤ、一般的に約200個のタイヤ(風力タービンモノパイル保護システムは、800から1200個のタイヤからなる)で構成すればよい。好ましくは、搬送及び設置用の複数の区画は、幅が約8mまで、さらに好ましくは約5mまで(例えば、3から5mの範囲)、そして、好ましくは長さ約12mまで、さらに好ましくは、約8mまで(例えば4から8mの範囲)とする。好ましい寸法を得るには、25から100、好ましくは40から80の範囲の相互に連結した多数の沈降エレメントを利用する。好ましい寸法は、離岸風力タービンまで容易に搬送し設置できるようにしながら地上で実質的な複数の区画を最大限製造するのに理想的であり、それらの複数の区画をそのまま相互連結すればよい。
【0066】
リフティング又は搬送フレームは、一般的に少なくとも1本の、傾向としては2本の長手方向の支持部材と、少なくとも2本の、そして、好ましくはより多くの横方向の支持部材又は横材から構成される。好ましい実施形態では、フレームは、内部に数本の平行な横材を有する箱部を備える。好ましくは、フレームとともに使用するリフティングケーブルシステムを係合するため、フレームの先端にアイリンクを設ける。フレームは、搬送フレームがマット又はその一部を持ち上げ、搬送できるよう、マットの沈降エレメントと解除可能に係合するための複数のエレメント係合手段(簡易着脱環索とも称する)を有する。任意で、それぞれの個々の係合エレメントには、エレメントとの係合及び係合解除のための装置を設けていてもよいし、あるいは、単一の係合/係合解除装置を操作して中枢として2個以上もしくは前記手段すべてを制御するように構成してもよい。
【0067】
これにより、侵食保護システムの複数の区画は、例えば、風力タービンの基礎の回りの希望の位置に配設し、現場で連結することができる(例えば、風力タービンの塔の基部に隣接するエレメントから始めて半径方向外側に向けて作業する)。
【0068】
本発明の別の局面によると、互いに連続して固定したゴムタイヤを使用して、耐侵食マットを提供する。このマットは、設置位置と同じ媒体を充填する。
【0069】
本発明の利点は、入手し易い材料を使った建築のし易さ、設置のし易さ(従来のマットのように重くなく、より安全)、海洋環境やエコロジーに対する影響が最小限、タイヤの寿命が約100年であり、少なくとも保護しているモノパイルの寿命より長い、等を含む。
【0070】
組み立てにおいて、沈降エレメント(例えば洗浄液で洗浄し、残留油分を取り除いたタイヤ)を一様なパターンで乾燥した地面(又は船舶のプラットフォーム)に配置し、隣接する各沈降エレメントの(好ましくは全ての)接続部において互いに固定し(例えば、ドリルで穴あけしてボルトでとめる)、沈降エレメントが互いに連結されたマットを形成する。各沈降エレメントに孔を設け、沈降エレメントを沈めたときに空気が追い出されるようにする。そして、その組立体をリフティングフレームに連結して希望の位置まで持ち上げ、希望の位置に来たら沈めて解放する。いくつかの沈降エレメント(例えばエンドタイヤ)はサンドアンカで固定してもよい。一度定位置に構成されたマットは、砂や砂利で覆って定位置に保持する。
【0071】
別の局面では、現場において、それが配設される媒体と実質的に同様な密度(又は比重)を有する複数の互いに連結した沈降エレメントを備えた侵食保護マットが提供される。
【0072】
本発明について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく、ただし限定することなく説明する。
【0073】
沈降エレメントは、適した構成であればいかなるものでもよい。沈殿物捕捉構成要素の例を図3aに示す。これは、図1cによる平面形状と、図2dに示す断面形状を有する。好ましい沈降エレメント(図3b)は、図1hによる捕捉構成要素の平面形状を有し、図2d、又は、好ましくは保持リップを備えた図2eに示す断面形状を有する。
【0074】
図4に示すように、好ましい実施形態は、沈降エレメントの幅がd、深さがaの(円筒形状の)壁3、半径方向の幅がbの屋根/底部5、及び空隙の直径がcの同心中心孔7の、例えばタイヤのようなリング形状の沈降エレメント1を使用する。
【0075】
図5は、侵食防止マット又はその一部9が、止め具11で連結した複数のリング形状の沈降エレメント1で構成され、正方最密の平坦な配列を形成している、本発明の好ましい実施形態を示す。沈降要素1は、マット9を希望の位置に沈めるときに空気が逃げられるように開口13が設けられている。マット9は、図6に示すように、単層の沈降エレメント1で構成されている。
【0076】
図6では、複数の沈降エレメント1の侵食保護マット9が、単層で、例えば、風力タービン17(図8)のモノパイル15(図7参照)の周辺に位置しており、例示した境界線21(図9)によって確定された潜在的侵食領域19の周辺を保護している。
【0077】
マット9又はその一部は、マット9又はその一部を地面の上、もしくは船の上で組み立てることによって定位置に設置され、マット9又はその一部に、多数の取り外し可能な係合手段25によってマット9に連結されたフレーム23を解放可能に固定することによって操縦され、フレーム23には、フレーム上の引き上げフック39を介してフレーム23を移動するための吊り上げケーブル装置27が固定されており、マット9が定位置に取り付けられる(図10)。
【0078】
沈降エレメント1のマット9を持ち上げるためのフレーム23は、図11に示すように、2本の平行な長手の部材29と、複数の横材31と、長手及び横材に固定されて十分な数の箇所において一時的にマットをフレームに固定するための複数の取り外し可能な係合部材(図示せず)とを有する。
【0079】
取り外し可能な係合エレメントは、タイヤの形態のリング形状の沈降エレメント1と係合したフレーム23の一部に関連して図12に示している。係合部材33は、長手の部材29に取り付けられ、レバー37を使って係合及び解放される縦軸35に回転可能に取り付けられている。
【0080】
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。しかし、本発明の要素から離れることなく、当業者によって様々な変更及び変形が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底設置基礎、再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の海底の侵食を抑制又は低減するための方法であって、前記海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具を囲む、そして/又は隣接する領域に、互いに連結された沈降エレメントの配列を設けることを含み、沈降エレメント及び/又は沈降エレメントの相互連結した配列の構造的特性は、前記沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とする方法。
【請求項2】
沈降エレメントの前記構造的特性は、配置される海底物質に実質的に類似した現場における平均比重を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
沈降エレメントは、比重が1.05から2.5の範囲である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
現場の沈降エレメントは、移動した海底物質内で部分的に浮遊及び/又は浮力を有する請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項5】
海底設置基礎、再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の海底の侵食を抑制又は低減するための方法であって、前記海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具を囲む、そして/又は隣接する領域に、互いに連結された沈降エレメントの配列を設けることを含み、前記沈降エレメントは、1.05から2の範囲の比重を有する材料から形成されたことを特徴とする方法。
【請求項6】
比重が1.2から1.5の範囲である請求項2又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
沈降エレメントは正方最密又は六方最密配列である請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項8】
沈降エレメントの配列が海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置又はその固定具の設置時に設置される請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項9】
沈降エレメントの配列は、海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食より大幅に大きい沈降エレメントの配列を配設することにより、あるいは侵食部を充填してその充填部の上に沈降エレメントの配列を配設することにより、既に侵食した部分を修理するために設置される請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項10】
モノパイル、海底設置基礎、風力タービン又は他の海洋再生可能エネルギー装置又はその固定具の侵食防止及び/又は低減システムであって、相互に連結した沈降エレメントの配列を備え、前記沈降エレメントの構造的特性及び/又は互いに連結した配列は、現場において、前記沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とするシステム。
【請求項11】
沈降エレメントが、全体で二つの実質的に異なる流れの方向の沈殿物を捕捉可能である少なくとも1つの沈殿物捕捉構成要素を有することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
沈降エレメントは沈殿物を含むことが可能である、請求項10又は請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
現場での沈降エレメントの密度が、それが戴置されている海底物質に実質的に類似している請求項10乃至請求項12のうち、いずれか1に記載のシステム。
【請求項14】
複数の相互に連結した沈降エレメントを備える海底侵食抑制又は低減装置であって、沈降エレメントは実質的に異なる方向に流れる水流中の沈殿物を捕捉するための沈殿物捕捉構成要素を少なくとも2つ備え、沈降エレメントは、単層で最密に配置されている海底侵食抑制又は低減装置。
【請求項15】
沈降エレメントは海底物質を含むことが可能である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
沈降エレメントは、侵食保護が必要な海底環境で装置又はその区画を定位置に配設する際に空気を逃がすことができるように少なくとも一つの開口を有する、請求項14又は請求項15に記載の装置。
【請求項17】
2つの実質的に異なる方向に流れる水流から沈殿物を捕捉可能な少なくとも2つの沈殿物捕捉部を有する沈降エレメントであって、沈降エレメントは屋根及び/又は底部と壁部を有し、壁又は屋根に定位置に戴置する際に、空気を逃がすことができる少なくとも1つの開口を有する沈降エレメント。
【請求項18】
屋根部及び/又は壁部にいくつかの開口を備え、1つの沈降エレメントを他の沈降エレメントに固定可能である、請求項17に記載の沈降エレメント。
【請求項19】
1つの沈降エレメントと別の沈降エレメントの間の接続可能とする取り付け具を備えた、請求項17に記載の沈降エレメント。
【請求項20】
海底設置基礎、離岸風力タービンパイル、海洋エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食を抑制又は低減するための沈降エレメントの使用法であって、沈降エレメントは、現場で2つの実質的に異なる方向において沈殿物の捕捉を可能とする、1つ以上の沈殿物捕捉構成要素を備える使用法。
【請求項21】
沈降エレメントは、捕捉した海底沈殿物物質を含む及び/あるいは保持するように構成された請求項20に記載の使用法。
【請求項22】
沈殿物捕捉構成要素は、現場で、横方向に湾曲した、又は角度を有する配置を有し、捕捉ベイを形成する、請求項20又は請求項21に記載の使用法。
【請求項23】
捕捉構成要素は、角度を有するあるいは湾曲した側断面構成で壁部を形成し、そこから底部と屋根部が延在する、請求項20乃至請求項22のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項24】
底部及び/又は屋根部は、保持リップを備え、沈降エレメントの中の海底物質の含有を強化している請求項23に記載の使用法。
【請求項25】
沈降エレメントが、屋根部と底部を有し、それぞれが環状であり、円筒を形成する連続する端壁部によって縦方向に分離している、請求項20乃至請求項24のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項26】
沈降エレメントが、空隙の直径によって分離された少なくとも2つの捕捉構成要素を備え、空隙の直径は、各捕捉構成要素の半径方向の幅の1から3倍の間である、請求項20乃至請求項25のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項27】
沈降エレメントは、少なくとも屋根又は底部と壁部を有し、半径方向の幅と深さとして特徴を有する捕捉構成要素を有し、半径方向の幅を深さで割ったものであるアスペクト比が、0.5から3、好ましくは0.75から2である請求項20乃至請求項26のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項28】
沈降エレメントが少なくとも一つの屋根又は底部と壁部を備え、少なくとも一つの開口が屋根部又は壁部の上部に設けられ、液体に沈める際に沈降エレメントから空気が逃げられるように構成した請求項20乃至請求項27のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項29】
沈降エレメントは、比重が1.05から2.5、好ましくは1.1から2、さらに好ましくは1.2から1.5である材料から構成された請求項20乃至請求項28のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項30】
沈降エレメントが、ゴム、加硫ゴム、又は合成ゴム材から選択された材料から形成される請求項20乃至請求項29のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項31】
沈降エレメントは、1mから5cm、好ましくは50cmから10cm、さらに好ましくは25cmから15cmの範囲の半径方向の直径を有する請求項20乃至請求項30のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項32】
沈降エレメントは、1mから5cm、好ましくは50cmから10cm、さらに好ましくは25cmから15cmの範囲の深さを有する請求項20乃至請求項31のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項33】
使用法は、複数の沈降エレメントを海底設置基礎、離岸風力タービンパイル、海洋エネルギー装置、又はその固定具の周辺に配置し、その沈降エレメントは沈降エレメント間の相互接続による配列で保持される請求項20乃至請求項32のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項34】
配列は四方最密配列又は六方最密配列である請求項33に記載の使用法。
【請求項35】
沈降エレメントは単層のみに設けられている請求項33又は請求項34に記載の使用法。
【請求項36】
配列は、横方向の寸法が4から20m、好ましくは5から10mの沈降エレメントのマットを形成する請求項33乃至請求項35のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項37】
沈降エレメントが車両のタイヤである請求項20乃至請求項36のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項38】
沈降エレメントが使用済み及び/又は廃棄された車両用タイヤである請求項37に記載の使用法。
【請求項39】
沈降エレメントは、請求項20乃至請求項38のいずれかによりさらに、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の方法、請求項10乃至請求項13のいずれかに記載のシステム、請求項14乃至請求項16のいずれかに記載の装置、及び/又は請求項17乃至請求項19のうち、いずれか1に記載の沈降エレメント。
【請求項40】
侵食保護システムを海底設置海洋エネルギー装置、基礎、又は離岸風力タービンのモノパイルの周辺に設置する方法であって、
複数の沈降エレメントを組み立てて侵食抑制装置又は侵食抑制装置の区画を形成することと、
侵食抑制装置又はその区画を搬送するための、装置と解放可能に係合する複数の装置係合手段を有する搬送フレームを設けることと、
搬送フレームを侵食抑制装置又はその区画と解放可能に係合することと、
搬送フレームを所望の位置まで操縦することと、
侵食抑制装置又はその区画を解放して侵食防止を必要とする所望の位置に前記装置を配設することを含む方法。
【請求項41】
侵食保護システムが複数の区画で設置され、それら複数の区画は、海底設置海洋エネルギー装置、基礎、又は離岸風力タービンのモノパイルの周辺で相互に連結され、現場で相互に連結される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
侵食保護システムは、海底設置離岸風力タービン基礎用であり、複数の寸法を有する複数の区画で配設されている請求項41に記載の方法。
【請求項43】
侵食抑制装置又はその区画を搬送するための搬送フレームであって、フレームは長手の支持部材と、少なくとも2本の横方向の支持部材を備え、支持部材は、複数の侵食抑制装置エレメント係合手段を備える搬送フレーム。
【請求項44】
上記のような複数の沈降エレメントを備えたパイプライン侵食保護マット。
【請求項45】
互いに固定したゴム又は合成タイヤを備えた耐侵食マット。
【請求項46】
媒体で充填された請求項45に記載の耐侵食マット。
【請求項47】
単層又は多重層で使用される請求項45又は請求項46に記載の耐侵食マット。
【請求項48】
図を参照しながら上記に説明したシステム、方法、沈降エレメント又はマット。
【請求項1】
海底設置基礎、再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の海底の侵食を抑制又は低減するための方法であって、前記海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具を囲む、そして/又は隣接する領域に、互いに連結された沈降エレメントの配列を設けることを含み、沈降エレメント及び/又は沈降エレメントの相互連結した配列の構造的特性は、前記沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とする方法。
【請求項2】
沈降エレメントの前記構造的特性は、配置される海底物質に実質的に類似した現場における平均比重を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
沈降エレメントは、比重が1.05から2.5の範囲である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
現場の沈降エレメントは、移動した海底物質内で部分的に浮遊及び/又は浮力を有する請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項5】
海底設置基礎、再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の海底の侵食を抑制又は低減するための方法であって、前記海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具を囲む、そして/又は隣接する領域に、互いに連結された沈降エレメントの配列を設けることを含み、前記沈降エレメントは、1.05から2の範囲の比重を有する材料から形成されたことを特徴とする方法。
【請求項6】
比重が1.2から1.5の範囲である請求項2又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
沈降エレメントは正方最密又は六方最密配列である請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項8】
沈降エレメントの配列が海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置又はその固定具の設置時に設置される請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項9】
沈降エレメントの配列は、海底設置基礎又は再生可能エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食より大幅に大きい沈降エレメントの配列を配設することにより、あるいは侵食部を充填してその充填部の上に沈降エレメントの配列を配設することにより、既に侵食した部分を修理するために設置される請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の方法。
【請求項10】
モノパイル、海底設置基礎、風力タービン又は他の海洋再生可能エネルギー装置又はその固定具の侵食防止及び/又は低減システムであって、相互に連結した沈降エレメントの配列を備え、前記沈降エレメントの構造的特性及び/又は互いに連結した配列は、現場において、前記沈降エレメント自体は、支持している海底物質に対し、さらなる侵食も、さらなる変位も引き起こさないことを特徴とするシステム。
【請求項11】
沈降エレメントが、全体で二つの実質的に異なる流れの方向の沈殿物を捕捉可能である少なくとも1つの沈殿物捕捉構成要素を有することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
沈降エレメントは沈殿物を含むことが可能である、請求項10又は請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
現場での沈降エレメントの密度が、それが戴置されている海底物質に実質的に類似している請求項10乃至請求項12のうち、いずれか1に記載のシステム。
【請求項14】
複数の相互に連結した沈降エレメントを備える海底侵食抑制又は低減装置であって、沈降エレメントは実質的に異なる方向に流れる水流中の沈殿物を捕捉するための沈殿物捕捉構成要素を少なくとも2つ備え、沈降エレメントは、単層で最密に配置されている海底侵食抑制又は低減装置。
【請求項15】
沈降エレメントは海底物質を含むことが可能である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
沈降エレメントは、侵食保護が必要な海底環境で装置又はその区画を定位置に配設する際に空気を逃がすことができるように少なくとも一つの開口を有する、請求項14又は請求項15に記載の装置。
【請求項17】
2つの実質的に異なる方向に流れる水流から沈殿物を捕捉可能な少なくとも2つの沈殿物捕捉部を有する沈降エレメントであって、沈降エレメントは屋根及び/又は底部と壁部を有し、壁又は屋根に定位置に戴置する際に、空気を逃がすことができる少なくとも1つの開口を有する沈降エレメント。
【請求項18】
屋根部及び/又は壁部にいくつかの開口を備え、1つの沈降エレメントを他の沈降エレメントに固定可能である、請求項17に記載の沈降エレメント。
【請求項19】
1つの沈降エレメントと別の沈降エレメントの間の接続可能とする取り付け具を備えた、請求項17に記載の沈降エレメント。
【請求項20】
海底設置基礎、離岸風力タービンパイル、海洋エネルギー装置あるいはその固定具の周辺の侵食を抑制又は低減するための沈降エレメントの使用法であって、沈降エレメントは、現場で2つの実質的に異なる方向において沈殿物の捕捉を可能とする、1つ以上の沈殿物捕捉構成要素を備える使用法。
【請求項21】
沈降エレメントは、捕捉した海底沈殿物物質を含む及び/あるいは保持するように構成された請求項20に記載の使用法。
【請求項22】
沈殿物捕捉構成要素は、現場で、横方向に湾曲した、又は角度を有する配置を有し、捕捉ベイを形成する、請求項20又は請求項21に記載の使用法。
【請求項23】
捕捉構成要素は、角度を有するあるいは湾曲した側断面構成で壁部を形成し、そこから底部と屋根部が延在する、請求項20乃至請求項22のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項24】
底部及び/又は屋根部は、保持リップを備え、沈降エレメントの中の海底物質の含有を強化している請求項23に記載の使用法。
【請求項25】
沈降エレメントが、屋根部と底部を有し、それぞれが環状であり、円筒を形成する連続する端壁部によって縦方向に分離している、請求項20乃至請求項24のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項26】
沈降エレメントが、空隙の直径によって分離された少なくとも2つの捕捉構成要素を備え、空隙の直径は、各捕捉構成要素の半径方向の幅の1から3倍の間である、請求項20乃至請求項25のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項27】
沈降エレメントは、少なくとも屋根又は底部と壁部を有し、半径方向の幅と深さとして特徴を有する捕捉構成要素を有し、半径方向の幅を深さで割ったものであるアスペクト比が、0.5から3、好ましくは0.75から2である請求項20乃至請求項26のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項28】
沈降エレメントが少なくとも一つの屋根又は底部と壁部を備え、少なくとも一つの開口が屋根部又は壁部の上部に設けられ、液体に沈める際に沈降エレメントから空気が逃げられるように構成した請求項20乃至請求項27のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項29】
沈降エレメントは、比重が1.05から2.5、好ましくは1.1から2、さらに好ましくは1.2から1.5である材料から構成された請求項20乃至請求項28のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項30】
沈降エレメントが、ゴム、加硫ゴム、又は合成ゴム材から選択された材料から形成される請求項20乃至請求項29のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項31】
沈降エレメントは、1mから5cm、好ましくは50cmから10cm、さらに好ましくは25cmから15cmの範囲の半径方向の直径を有する請求項20乃至請求項30のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項32】
沈降エレメントは、1mから5cm、好ましくは50cmから10cm、さらに好ましくは25cmから15cmの範囲の深さを有する請求項20乃至請求項31のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項33】
使用法は、複数の沈降エレメントを海底設置基礎、離岸風力タービンパイル、海洋エネルギー装置、又はその固定具の周辺に配置し、その沈降エレメントは沈降エレメント間の相互接続による配列で保持される請求項20乃至請求項32のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項34】
配列は四方最密配列又は六方最密配列である請求項33に記載の使用法。
【請求項35】
沈降エレメントは単層のみに設けられている請求項33又は請求項34に記載の使用法。
【請求項36】
配列は、横方向の寸法が4から20m、好ましくは5から10mの沈降エレメントのマットを形成する請求項33乃至請求項35のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項37】
沈降エレメントが車両のタイヤである請求項20乃至請求項36のうち、いずれか1に記載の使用法。
【請求項38】
沈降エレメントが使用済み及び/又は廃棄された車両用タイヤである請求項37に記載の使用法。
【請求項39】
沈降エレメントは、請求項20乃至請求項38のいずれかによりさらに、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の方法、請求項10乃至請求項13のいずれかに記載のシステム、請求項14乃至請求項16のいずれかに記載の装置、及び/又は請求項17乃至請求項19のうち、いずれか1に記載の沈降エレメント。
【請求項40】
侵食保護システムを海底設置海洋エネルギー装置、基礎、又は離岸風力タービンのモノパイルの周辺に設置する方法であって、
複数の沈降エレメントを組み立てて侵食抑制装置又は侵食抑制装置の区画を形成することと、
侵食抑制装置又はその区画を搬送するための、装置と解放可能に係合する複数の装置係合手段を有する搬送フレームを設けることと、
搬送フレームを侵食抑制装置又はその区画と解放可能に係合することと、
搬送フレームを所望の位置まで操縦することと、
侵食抑制装置又はその区画を解放して侵食防止を必要とする所望の位置に前記装置を配設することを含む方法。
【請求項41】
侵食保護システムが複数の区画で設置され、それら複数の区画は、海底設置海洋エネルギー装置、基礎、又は離岸風力タービンのモノパイルの周辺で相互に連結され、現場で相互に連結される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
侵食保護システムは、海底設置離岸風力タービン基礎用であり、複数の寸法を有する複数の区画で配設されている請求項41に記載の方法。
【請求項43】
侵食抑制装置又はその区画を搬送するための搬送フレームであって、フレームは長手の支持部材と、少なくとも2本の横方向の支持部材を備え、支持部材は、複数の侵食抑制装置エレメント係合手段を備える搬送フレーム。
【請求項44】
上記のような複数の沈降エレメントを備えたパイプライン侵食保護マット。
【請求項45】
互いに固定したゴム又は合成タイヤを備えた耐侵食マット。
【請求項46】
媒体で充填された請求項45に記載の耐侵食マット。
【請求項47】
単層又は多重層で使用される請求項45又は請求項46に記載の耐侵食マット。
【請求項48】
図を参照しながら上記に説明したシステム、方法、沈降エレメント又はマット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−518728(P2012−518728A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550488(P2011−550488)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001116
【国際公開番号】WO2010/097199
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511300709)スコア プリベンション システムズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001116
【国際公開番号】WO2010/097199
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511300709)スコア プリベンション システムズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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