説明

耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置

【要 約】
【課 題】 従来の技術では、電縫管の耐座屈性能を十分向上させることはできない。
【解決手段】 帯板を通材しつつロール成形し、突き合せた板幅両端部を電縫溶接して管となし、電縫溶接部に熱処理をした後、前記管を回転矯正機で矯正する電縫管の製造装置であって、前記回転矯正機は、一般のものではなく、複数のスタンドを有しこれらスタンドのスタンド間距離が可変とされてなる回転矯正機1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置に関し、特に、ラインパイプとして敷設後も地震や凍土による座屈への影響を受けにくい、耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油や天然ガス等を輸送するパイプラインには、多くはUOE鋼管が適用され、JCO、スパイラル鋼管、シームレス鋼管、一部には電縫管も適用されている。
電縫管は、熱延帯板を素材とするワーク(加工対象物)を、ロール成形により連続的に板幅を丸めてオープン管状となし、丸まった板幅の両端面がV形に収束してなるシームを電縫溶接して製造する。しかし、前記ロール成形の途中では、ワーク断面形状を真円形状に沿わせることができないため、電縫管は他の鋼管と比べ円周方向に不均一な機械的特性を有する。そこで、電縫溶接して管とした後、さらにサイザーで矯正して目標の真円度に近づけているが、円周方向の不均一歪みは残留したままであった。
【0003】
その結果、電縫管をラインパイプとして敷設すると、地震発生時に局部的に座屈しやすくてパイプが破損しやすい問題があり、また、凍土地帯に埋設すると、夏季には軟化し冬季には凍結化する地盤変化によりパイプ長手方向に圧縮力が作用して、パイプが座屈して折れ曲がりやすく、さらには破損に至る問題を常に抱えていた。したがって、電縫管をラインパイプに適用する場合は、その敷設条件に大きな制約が伴うため、電縫管の普及率はUOE鋼管等に比較すると低くならざるを得なかった。
【0004】
従来から、電縫管の普及を図るため、例えば、特許文献1、2等に示されるように、素材の改良によって低温靭性にすぐれたAPI規格X80鋼管や機械的複合特性を有するラインパイプ用鋼材の技術開発が行われている。
【特許文献1】特開昭58−34133号公報
【特許文献2】特許第3903747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の技術はいずれも素材または鋼管の平均的な機械的特性を変えるものであって、成形途中で生じた不均一な歪による機械的特性を管円周方向に均一化するものではない。
本発明者らが、電縫管ラインパイプの円周方向機械的特性を調べたところ、ワークのロール成形時に、特に板幅中央部、すなわち管となった後の溶接部反対側となるほぼ180度の板底近傍位置に歪みが集中して機械的特性が低下し、このことが、管円周方向に不均一な特性を生じる大きな原因となっていた。しかも、造管後の管の矯正には、管を回転させずに孔型ロールによる微小量の縮径のみで矯正するサイザーが多用されるため、管円周方向の特定部位に集中する歪みを分散することが全くできていない。すなわち、従来の技術では、電縫管の耐座屈性能を十分向上させることはできず、この点が課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(請求項1)
帯板を通材しつつロール成形し、突き合せた板幅両端部を電縫溶接して管となし、電縫溶接部に熱処理をした後、前記管を回転矯正機で矯正する電縫管の製造装置であって、前記回転矯正機は、複数のスタンドを有しこれらスタンドのスタンド間距離が可変とされてなることを特徴とする、耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置。
(請求項2)
前記回転矯正機は、前記スタンド間距離が、Nを自然数として前記管の(N/2)±0.025回転当たりの通材方向距離とは異なる値に設定可能であることを特徴とする、請求項1に記載の耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置。
(請求項3)
前記回転矯正機は計3スタンド以上で、最前段を入側スタンド、最後段を出側スタンド、それらの間のスタンドを中央スタンドとして、入側、出側両スタンドのロール高さがほぼ同じとされ、中央スタンドのロール高さが入側、出側両スタンドのそれに対し+1mm以上、+40mm以下の範囲で上昇または下降可能とされてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電縫管の円周方向に比較的均一な機械的特性を得ることが可能であり、ラインパイプとして敷設後も地震や凍土による座屈の影響を受けにくい電縫管を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図3は、従来多用される電縫管の製造装置の1例を示す概略図である。図3の装置は、帯板を払出すアンコイラー8と、払出された帯板を矯正するレベラー9と、矯正された帯板を、板幅を丸めるようにロール成形するロール成形機11と、ロール成形機11の最終段を担当し板幅両端部を突き合わせするフィンパススタンド10と、この突き合せされた両端部(溶接前のシーム)を誘導加熱するコンタクトチップ等からなる誘導加熱手段12と、誘導加熱された溶接前のシームを接合するスクイズロールからなる圧接手段13とを有する。この誘導加熱し接合することを電縫溶接するという。電縫溶接により帯板は管17となる。
【0009】
図3の装置はさらに、前記電縫溶接後の管17のビード部切削を行うビード部切削機14と、前記ビード部切削後の管17の電縫溶接部(溶接後のシームとその周辺の熱影響部)を熱処理する図示しないシームアニーラーと、前記電縫溶接部熱処理後の管17の外径調整を行うサイザー18と、前記外径調整後の管17を所定の長さに切断する管切断機16とを有する。なお、20は管10の通材方向(管長手方向にとられる)である。
【0010】
図2は、本発明の参考とした電縫管の製造装置の1例を示す概略図である。図2の装置は、アンコイラー8からシームアニーラーまでは図3と同様に構成されるが、シームアニーラーから下流側の構成が図3とは異なる。すなわち、図2の装置は、シームアニーラーの出側に、電縫溶接後の管17を所定の長さに切断する管切断機16と、前記切断後の管17を回転矯正する回転矯正機15とを有する。
【0011】
一般に、回転矯正機15は、管の真円度や曲がりを矯正するために用いられる。この回転矯正機は、表面形状を回転双曲面形状とする鼓形ロールを上下計2ロール有するスタンドを計3スタンド以上直列に配置してなり、その鼓形ロールで管を回転させながら通材方向(管長手方向)に送る機構を有するものである。
本発明者らは、回転矯正における材料(管となったワーク)の挙動を鋭意検討し、その結果、複数スタンドを用いる回転矯正では、スタンド間において管の長手方向に圧縮歪みが蓄積すること、あるいは、長手方向に圧縮歪み・引張歪みが交互に加わることを見出した。これらは、管の長手方向にバウシンガー効果と称する、材料の降伏応力を低減する効果が有効に働くことを示唆している。長手方向に圧縮歪みが加われば、その後の引張歪みを加える材料試験において降伏応力は低減しやすくなり、長手方向に圧縮・引張歪みが交互に作用すれば、材料内部に可動転位が増加して降伏応力は低減しやすくなる。しかも、その歪みは管が回転することにより、管円周方向に均一な歪みとなりやすく、さらに、降伏応力の円周方向分布を調査したところ、管全体の降伏応力が低減するだけでなく、その歪みが円周方向で均等化する傾向にあることを把握した。
【0012】
一方、従来の電縫管製造においては、帯板を素材とするワークの幅を連続的に円弧形状に沿って曲げるようにロール成形し、そのロール成形途中ではワーク断面を真円に沿った形状とすることができないため、円周方向の不均一歪みが残留したままであった。本発明者らの調査結果によると、その原因として、サイザーが多用されることが挙げられた。サイザーでは、管を回転させずに孔型ロールによる微小量の縮径のみで矯正するため、管円周方向の特定部位に集中した歪みを分散することが全くできていなかったのである。
【0013】
そこで、回転矯正における上記の有用な作用を活用して、造管後の電縫管に回転矯正を施せば、円周方向に不均一な電縫管の降伏応力を均一化できて、管の耐座屈性能を大幅に向上できる。その結果、この電縫管をラインパイプとして敷設すると、地震発生時にも局部的に座屈しにくくなってパイプが破損せず、また、このパイプを凍土地帯に埋設しても、夏季に軟化し冬季に凍結化する地盤変化によりパイプ長手方向に加わる圧縮力にも耐えて、パイプが座屈しにくくて折れ曲がりにくくなるわけである。
【0014】
回転矯正機でバウシンガー効果を管の円周方向、長手方向にできるだけ均等化するように働かせるには、管とロールとの接触回数を増やすだけでなく、管の異なる箇所がロールに順次接触するようにすることが必要である。なぜなら、複数スタンド構成の回転矯正機の各スタンドのロールに対して管の同一箇所が常に接触したのでは、管の局部のみに歪みが集中し、管の円周方向、長手方向に歪みを均一に分散させることができないからである。
【0015】
そこで、本発明者らは、管の異なる箇所がロールに順次接触するようにするための手段を検討し、その結果、スタンド間距離を、管の外径Dおよびロール傾斜角αとの関係における特定の範囲から外すようにすればよいことに想到した。回転矯正機では、図4に示すように鼓形ロール21が傾斜して配置されることにより、ロール回転に伴って発生する通材方向20の送り速度によって管17が前進する。また、鼓形ロール21のロール軸方向中央部の最小径部分aがほぼ同期して管17を管周方向に回転させる。したがって、管がスタンド間距離だけ前進する間の該管の回転数が半回転の自然数倍にほぼ等しくなると、管は、局部的に常にロールに接触する箇所と常に接触しない箇所に分かれてしまうわけである。
【0016】
そこで、管がスタンド間距離だけ前進する間の該管の回転数を半回転の自然数倍にほぼ等しい値とはならないようにすれば、管外面内の相異なる箇所がいずれかのスタンドのロールと接触することが可能になり、管円周方向に歪みを分散して加えることができるわけである。
そのためには、スタンド間距離を可変とすれば、こうした設定が容易となる。そこで、本発明では、例えば図2に示したような、帯板を通材しつつロール成形し、突き合せた板幅両端部を電縫溶接して管となし、電縫溶接部に熱処理をした後、前記管を回転矯正機15で矯正する電縫管の製造装置において、回転矯正機15として、スタンド間距離が可変とされてなるものを用いる。スタンド間距離を可変とするには、スタンドを軌条に乗せて各スタンドとも平行に移動可能にするのが好適である。
【0017】
図1は、本発明に用いる、スタンド間距離が可変とされてなる回転矯正機1の1例を示す概略図である。回転矯正機1は3スタンドからなり、各スタンド2には管17に接触させる上下1対の鼓形のロール3が、通材方向(管長手方向)4と所定のロール傾斜角をなして配置されている。上下のロール3間に管17を通すことにより、管17は管長手方向4に直進すると共に管円周方向5に回転する。各スタンド2は軌条6の上に乗っており、そのまま平行移動させれば、スタンド間距離7を変更することができる。
【0018】
また、上述のように、管がスタンド間距離だけ前進する間の該管の回転数を半回転の自然数倍にほぼ等しい値とはならないようにするために、本発明に用いる回転矯正機は、前記スタンド間距離が、Nを自然数として前記管の(N/2)±0.025回転当たりの通材方向距離とは異なる値に設定可能であるものとすることが好ましい。
すなわち、スタンド間距離の好ましい設定範囲は、次の(1)式で与えられる不等式の成立範囲内である。
【0019】
L≠D×π×tanα×A ‥‥(1)
ここで、Lは回転矯正機のスタンド間距離[mm]、Dは管の外径[mm]、πは円周率[-]、αは回転矯正機のロール傾斜角、すなわちロール軸方向と管の通材方向とがなす角度[度またはラジアン]、Aは、Nを自然数として、(N/2)±0.025の範囲内の数[-]であり、この「(N/2)±0.025の範囲」が前記「半回転の自然数倍にほぼ等しい値」の値域に対応する。
【0020】
また、回転矯正機は通常計3スタンド以上で構成され、各スタンドが上下計2ロールを有し、最前段を入側スタンド、最後段を出側スタンド、それらの間のスタンドを中央スタンドとして、入側、出側両スタンドのロール高さをほぼ同じ(誤差1mm未満で同じ)とし、これらのロール高さに対して中央スタンドのロール高さを上昇または下降させて管長手方向に曲げ歪みを加える。
【0021】
そこで、本発明者らは、回転矯正機を使ってバウシンガー効果による材料の降伏点をさらに有効に低減する手段を鋭意検討した。その結果、回転矯正機の入側スタンドのロール高さ(略して入側ロール高さ)および出側スタンドのロール高さ(略して出側ロール高さ)に比較して、中央スタンドのロール高さ(略して中央ロール高さ)を+1mm以上、+40mm以下の範囲で上昇または下降させるとよいことを見出した。
【0022】
すなわち、入側、出側両ロール高さに対する中央ロール高さの上昇量または下降量を+1mm未満とすると、管長手方向の圧縮歪が不足して材料の弾性変形以内となり、歪が入らないか著しく低くなる。また、中央ロール高さの上昇量または下降量を+40mm超とすると、管の曲げによる扁平量が著しく大きくなり、管の真円度が損われる。
したがって、本発明に用いる回転矯正機は、計3スタンド以上で、最前段を入側スタンド、最後段を出側スタンド、それらの間のスタンドを中央スタンドとして、入側、出側両スタンドのロール高さがほぼ同じとされ、中央スタンドのロール高さが入側、出側両スタンドのそれに対し+1mm以上、+40mm以下の範囲で上昇または下降可能とされてなるものが好ましい。なお、入側、出側両ロール高さに対する中央ロール高さの上昇量または下降量を略して中央ロール上昇量または中央ロール下降量という。
【0023】
上記のことから、本発明に係る装置(本発明装置)の最良の形態は、帯板を通材しつつロール成形し、突き合せた板幅両端部を電縫溶接して管となし、電縫溶接部に熱処理をした後、前記管を回転矯正機で矯正する電縫管の製造装置であって、前記回転矯正機が、計3スタンド以上のスタンドを有しこれらスタンドのスタンド間距離が可変とされてなり、前記スタンド間距離が、Nを自然数として前記管の(N/2)±0.025回転当たりの通材方向距離とは異なる値に設定可能であり、かつ、最前段を入側スタンド、最後段を出側スタンド、それらの間のスタンドを中央スタンドとして、入側、出側両スタンドのロール高さがほぼ同じとされ、中央スタンドのロール高さが入側、出側両スタンドのそれに対し+1mm以上、+40mm以下の範囲で上昇または下降可能とされてなるものである。
【実施例】
【0024】
実施例とした本発明装置(実施例装置)は、図2に示した装置において回転矯正機を前記最良の形態のものとした本発明装置である。なお、実施例装置は、中央ロール上昇量が0mm超、+50mm以下の範囲で可変である。実施例装置の使用例と、従来例装置(図3に示したもの)の使用例について述べる。
これらの使用例では、質量%で0.05%C、0.2%Si、1.2%Mnを含有する鋼組成になる帯板を素材とし、管とした後の矯正条件を表1のNo.1〜4欄に示す各条件に設定して、外径Dが600mm、肉厚が19.1mmの電縫管を製造した。製造した電縫管の溶接部から円周方向にほぼ90度の位置、および、ほぼ180度の位置(円弧形状の板底相当位置)から、管長手方向にJIS13号引張試験片を各々10本切り出し、引張試験を行って機械的特性を求めて評価した。
(No.1) 実施例装置の使用例として、回転矯正機のスタンド間距離L、および、中央ロール上昇量をそれぞれ表1のNo.1欄に示す値に設定した。ロール傾斜角は30度とした。ここでの(1)式の成立範囲は、L≠600×π×tan30°×{(N/2)±0.025}=1088.279×{(N/2)±0.025} より、N=1ではL≠517〜571[mm]、N=2ではL≠1061〜1115[mm]、N=3ではL≠1605〜1660[mm]、N=4ではL≠2149〜2203[mm]、等々である。そこで、該範囲内で、L=1800mmとした。
(No.2) 実施例装置の使用例として、回転矯正機のスタンド間距離L、および、中央ロール上昇量をそれぞれ表1のNo.2欄に示す値に設定した。ロール傾斜角αは50度とした。ここでの(1)式の成立範囲は、L≠600×π×tan50°×{(N/2)±0.025}=2246.402×{(N/2)±0.025} より、N=1ではL≠1067〜1179[mm]、N=2ではL≠2190〜2303[mm]、等々である。そこで、該範囲外で、L=1150mmとした。
(No.3) 実施例装置の使用例として、回転矯正機のスタンド間距離L、および、中央ロール上昇量をそれぞれ表1のNo.3欄に示す値に設定した。ロール傾斜角αは2度とした。ここでの(1)式の成立範囲は、L≠600×π×tan2°×{(N/2)±0.025}=65.824×{(N/2)±0.025} より、N=50ではL≠1644〜1647[mm]、N=51ではL≠1677〜1680[mm]、等々である。そこで、該範囲外で、L=1678mmとした。
(No.4) 従来例装置の使用例として、図3におけるサイザーは4スタンド構成のものとした。
【0025】
上記No.1〜4の各矯正条件で製造した電縫管について上記機械的性質を求めた結果を表1に示す。表1より、実施例装置における回転矯正機のスタンド間隔、中央ロール上昇量を好適範囲に設定した使用例(No.1)による電縫管では、180度位置近傍の降伏応力YSが従来例装置の使用例よりも低くて、90度位置近傍のそれに近い値を示し耐座屈性能に優れている。一方、実施例装置における回転矯正機のスタンド間隔が好適範囲外でかつ中央ロール上昇量が好適範囲を下に外れた使用例(No.2)による電縫管および従来例装置の使用例(No.4)による電縫管では、180度位置近傍の降伏応力YSが90度位置近傍のそれより高くて、耐座屈性能に劣っている。また、実施例装置における回転矯正機のスタンド間隔が好適範囲外でかつ中央ロール上昇量が好適範囲を上に外れた使用例(No.3)の矯正条件では、管の回転矯正時に大きな偏平が生じるとともに、通材速度が著しく低下して、合格製品としての電縫管を製造できなかった。
【0026】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に用いる回転矯正機の1例を示す概略図である。
【図2】本発明の参考とした電縫管の製造装置の1例を示す概略図である。
【図3】従来多用される電縫管の製造装置の1例を示す概略図である。
【図4】(a)は本発明に用いる回転矯正機のロール配置を示す平面図、(b)はロール傾斜角の定義説明図である。
【符号の説明】
【0028】
D 管の外径
α ロール傾斜角
1 本発明に用いる回転矯正機
2 スタンド
3 鼓形のロール
4 管長手方向(通材方向)
5 管円周方向
6 軌条
7 スタンド管距離
8 アンコイラー
9 レベラー
10 フィンパススタンド
11 ロール成形機
12 誘導加熱手段(コンタクトチップ)
13 圧接手段(スクイズロール)
14 ビード部切削機
15 回転矯正機
16 管切断機
17 管
18 サイザー
20 通材方向
21 鼓形ロール
21a,21b ロール軸心
22 パスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯板を通材しつつロール成形し、突き合せた板幅両端部を電縫溶接して管となし、電縫溶接部に熱処理をした後、前記管を回転矯正機で矯正する電縫管の製造装置であって、前記回転矯正機は、複数のスタンドを有しこれらスタンドのスタンド間距離が可変とされてなることを特徴とする、耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置。
【請求項2】
前記回転矯正機は、前記スタンド間距離が、Nを自然数として前記管の(N/2)±0.025回転当たりの通材方向距離とは異なる値に設定可能であることを特徴とする、請求項1に記載の耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置。
【請求項3】
前記回転矯正機は計3スタンド以上で、最前段を入側スタンド、最後段を出側スタンド、それらの間のスタンドを中央スタンドとして、入側、出側両スタンドのロール高さがほぼ同じとされ、中央スタンドのロール高さが入側、出側両スタンドのそれに対し+1mm以上、+40mm以下の範囲で上昇または下降可能とされてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の耐座屈性能に優れる電縫管の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−285709(P2009−285709A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142615(P2008−142615)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】