説明

耐熱性チオレドキシン、耐熱性チオレドキシンレダクターゼおよびこれらの酵素をコードするDNA

【課題】 耐熱性チオレドキシン及び耐熱性チオレドキシンレダクターゼ、並びに、これらの酵素をコードするDNA等を提供する。
【解決手段】 90〜100℃という高温下で生育できる超好熱性古細菌Pyrococcus horikoshii OT3株からチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼを単離し、アミノ酸配列およびDNA配列を決定した。これらのタンパク質又は酵素は、100℃で0.5時間熱処理した場
合にも実質的に活性が低下しない、極めて耐熱性に優れるタンパク質又は酵素である。本発明のチオレドキシン等は、耐熱性が高いことから、高温で効率的に反応を行うことができるとともに、医薬品、食品、化粧品などに添加した場合には加熱滅菌を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温下で機能できるチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼ、これらの酵素をコードする各DNA、これらのDNAを組み込んだ各ベクター、これらのベクターで形質転換された各形質転換体、並びに、これらの各形質転換体を用いた耐熱性チオレドキシン及び耐熱性チオレドキシンレダクターゼの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チオレドキシンは、大腸菌、酵母、高等植物及び高等動物等に普遍的に存在する分子量1万〜1.3万の電子伝達タンパク質である。チオレドキシンは、2個のアミノ酸を挟んで
2個のシステイン残基が存在する部位(―Cys―X―X―Cys―)を活性中心として有し、
ジチオールの可逆的な酸化還元反応を通して、生体内の酸化還元状態を制御していると考えられている(Laurent, T.C.,Moor,E.C.,&Reinchard,P.(1964)J.Biol.Chem.239,3436-3444;Holmgren,A.(1989)Ann.Rev.Biochem.54,237-271;Holmgren,A.(1989)J.Biol.Chem.264,13963-13966;Buchanan,B.B.,Schurmann,P.,Decottignies,P.&Lozano,R.M.(1994)Arch.Biochem.Biophys.314,257-260)。チオレドキシンは、活性中心の2個のシステインのチオール基がジスルフィドとなった酸化型またはチオール基となった還元型のどちらの状態でも存在している。
【0003】
チオレドキシンの生体内での機能の1例としてタンパク質の分子内または分子間S−S結合の開裂が挙げられる。この際、還元型チオレドキシンは、タンパク質のジスルフィドをジチオールに還元するのに伴い、酸化されて酸化型チオレドキシンとなる。生成した酸化型チオレドキシンは、チオレドキシンレダクターゼ及びNADPHにより還元されて還元型チ
オレドキシンに戻る。
【0004】
チオレドキシンの生体内での機能の他の例として過酸化水素や過酸化脂質などの過酸化物の消去が挙げられる。この際、還元型チオレドキシンは、過酸化物(ROOH)を水酸化物(ROH)に還元するとともに、酸化されて酸化型チオレドキシンとなる。この反応はチオ
レドキシンペルオキシダーゼにより行われる。酸化型チオレドキシンは、チオレドキシンレダクターゼ及びNADPHにより還元されて還元型チオレドキシンに戻る。
【0005】
また、チオレドキシンの生体内での機能の更に他の例として、紫外線照射による細胞障害防止機能、転写因子の制御機能等も挙げられる。
【0006】
このような機能を有するチオレドキシンは、例えば、酸化型システインの状態で活性を示す消化酵素インヒビタータンパク質の還元によるインヒビター活性の阻害、蛇毒タンパク質のシステイン残基間のS−S結合の除去による無毒化、紫外線照射による皮膚の炎症の予防等の目的で、医薬品として用いることが提案されている。また、食物アレルゲンの除去等の目的で食品に添加して用いたり、乾燥や紫外線等に起因する酸化ストレスによる肌荒れの改善剤等の目的で化粧品として用いることが提案されている(特開2001-288103号
公報、特表2001-520027号公報、特開2000-103743号公報)。
【0007】
しかし、固体状態または半固体状態の医薬品、食品及び化粧品等ではろ過滅菌が困難であるため、通常加熱滅菌が行われるところ、従来知られているチオレドキシンは、耐熱性が低い。従って、従来の易熱性のチオレドキシンを医薬品等として用いたり、食品等に添加して用いる場合には、高温での滅菌を行うことができないという難点がある。
【0008】
また、一般に溶質の水に対する溶解度は温度と共に上昇するため、高温下で機能できる耐熱性のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼを用いることができれば、タンパク質中のジスルフィドの還元による還元型タンパク質の合成反応、過酸化水素等の活性酸素の除去反応等を、高温下で調製した高濃度の基質溶液に該酵素を作用させることにより効率よく行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、耐熱性のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼ、これらの酵素をコードするDNA、これらのDNAを組み込んだベクター、これらのベクターで形質転換された形質転換体、並びに、これらの形質転換体を用いた耐熱性チオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼの効率的な生産方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明者は、90〜100℃という高温下で生育できる超好熱性古細菌に着目した。古細菌は、真核生物及び原核生物のいずれにも属さない第3の生物群に属する生物である。また、太古の地球の生物の末裔と考えられ、常温環境に対する進化・適用を免れた特殊な生物である。
【0011】
本発明者は、このような超好熱性古細菌由来のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼであって、100℃で0.5時間の熱処理によっても実質的に活性が低下しない極めて耐熱性に優れたチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼを単離することに初めて成功した。また、これらのタンパク質または酵素は、従来公知のチオレドキシン等に比べて非常に耐熱性が高く、また常温下での安定性にも優れること、有機溶媒の存在下でも活性を示すことを見出した。
【0012】
さらに、これらのタンパク質又は酵素をコードするDNA配列を決定し、ベクターに組み
込んで、これらを効率よく生産することに成功した。
【0013】
前記知見に基づき、本発明者は、以下の各項のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼ等を提供する。
【0014】
項1. 100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しない耐熱性チオレドキシン。
【0015】
項2. 至適温度が60℃以上である項1に記載の耐熱性チオレドキシン。
【0016】
項3. 超好熱性古細菌パイロコッカスホリコシ(Pyrococcus horikoshii)由来の項
1又は2に記載の耐熱性チオレドキシン。
【0017】
項4. 以下の(1)または(2)のポリペプチド。
(1) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(2) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは2以上のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシン活性が低下しないポリペプチド。
【0018】
項5. 項4に記載のポリペプチドをコードするDNA。
【0019】
項6. 以下の(3)または(4)のDNA。
(3) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNA。
(4) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しない耐熱性チオレドキシンをコードするDNA。
【0020】
項7. 項5または6に記載のDNAを含有するベクター。
【0021】
項8. 項7に記載のベクターを含有する形質転換体。
【0022】
項9. 項8の形質転換体を培養し、該形質転換体から耐熱性チオレドキシンを分離および精製する耐熱性チオレドキシンの生産方法。
【0023】
項10. 100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しない耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
【0024】
項11. 至適温度が60℃以上である項10に記載の耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
【0025】
項12. 超好熱性古細菌パイロコッカスホリコシ(Pyrococcus horikoshii)由来の
項10又は11に記載の耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
【0026】
項13. 以下の(5)または(6)のポリペプチド。
(5) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(6) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において1若しくは2以上のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシンレダクターゼ活性が低下しないポリペプチド。
【0027】
項14. 項13に記載のポリペプチドをコードするDNA。
【0028】
項15. 以下の(7)または(8)のDNA。
(7) 配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNA。
(8) 配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しない耐熱性チオレドキシンレダクターゼをコードするDNA。
【0029】
項16. 項14または15に記載のDNAを含有するベクター。
【0030】
項17. 項16に記載のベクターを含有する形質転換体。
【0031】
項18. 項17の形質転換体を培養し、該形質転換体から耐熱性チオレドキシンレダクターゼを分離および精製する耐熱性チオレドキシンレダクターゼの生産方法。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると優れた耐熱性を有するチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼを提供することができる。
従って、これらを医薬品や化粧品として用いたり、医薬品、食品及び化粧品に添加して用いる場合には、高温での殺菌を行うことができる。
詳述すれば、本発明の耐熱性チオレドキシンは、消化酵素インヒビターの阻害、蛇毒及びサソリ毒等の酸化による無毒化、紫外線照射による皮膚の炎症の治療及び予防等の目的で医薬品として用いたり、食物アレルゲンの除去等の目的で食品に添加して用いたり、乾燥や紫外線等に起因する酸化ストレスによる肌荒れの改善等の目的で化粧品に添加して用い
たりすることができる。また、本発明のチオレドキシンレダクターゼは、チオレドキシン併用して医薬品等として用いることにより、チオレドキシンを活性な還元型チオレドキシンに保つことができる。これらの場合に、本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼは、耐熱性であることから加熱殺菌をすることができる。
【0033】
また、本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼは、タンパク質中のシスチンの還元による還元型タンパク質の合成反応等を高温下で調製した高濃度の基質溶液に対して効率よく行うことができる。
【0034】
また、本発明のチオレドキシンは、過酸化水素等の活性酸素の除去反応等を、高温下で調製した高濃度の基質溶液に対して効率よく行うことができる。
【0035】
また、本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼは、常温での安定性にも優れるため、比較的長い期間保存することができ、また繰り返し使用にも耐えることができる。
【0036】
また、一般的にタンパク質または酵素は、有機溶媒の存在により失活し易いが、本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼは、有機溶媒に対しても安定である。従って、有機溶媒中あるいは有機溶媒を含む水溶液中で、反応を行うことができる。その結果、水溶液には溶解し難い物質に対しても作用させることができ、反応の適用対象が広がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(1)本発明のタンパク質・酵素
耐熱性
(i)チオレドキシン
本発明の耐熱性チオレドキシンは、非常に耐熱性が優れるタンパク質であり、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しないタンパク質である。活性を示す最高温度は、通常80℃程度である。また、反応を行う緩衝液の種類によっても異なるが、反応の初速度を測定した場合の至適温度が60℃以上の酵素であることが好ましい。
【0038】
本明細書において、「実質的に活性が低下しない」には、例えば95%以上の活性を有する場合が含まれる。
【0039】
本明細書において、チオレドキシンの活性は、実施例に記載の方法で測定した値である。
(ii)チオレドキシンレダクターゼ
本発明の耐熱性チオレドキシンレダクターゼは、非常に耐熱性に優れる酵素であり、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しない酵素である。活性を示す最高温度は、通常80℃程度である。また、酵素反応を行う緩衝液の種類によっても異なるが、酵素反応の初速度を測定した場合の至適温度が60℃以上の酵素であることが好ましい。
【0040】
本明細書において、チオレドキシンレダクターゼの活性は、実施例に記載の方法で測定した値である。
常温での安定性
(i)チオレドキシン
本発明のチオレドキシンは、常温下での安定性にも優れる。例えば、本発明のチオレドキシンは、30℃の50 mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中で、12 時間インキュベート
した場合に、90%以上の活性が残存する酵素であることが好ましい。
(ii)チオレドキシンレダクターゼ
本発明のチオレドキシンレダクターゼは、常温下での安定性にも優れる。例えば、本発明のチオレドキシンレダクターゼは、30℃の50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中で、12時間インキュベートした場合に、90%以上の活性が残存する酵素であることが好ましい

有機溶媒耐性
本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼは、有機溶媒に耐性である。例えば、エタノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の有機溶媒を30容量%以上含む緩衝液中で活性を示すタンパク質または酵素(以下、「タンパク質等」という。)であることが好ましい。本発明のこれらのタンパク質等が活性を示し得る、緩衝液中の有機溶媒の容量比率の上限は、当該タンパク質等が沈殿しない範囲である。なお、有機溶媒に対する耐性は、古細菌由来の酵素に特有の性質である。
活性
本発明のチオレドキシンは、還元型チオレドキシンの形で、種々のタンパク質のシステイン残基のジスルフィドをジチオールに還元できるタンパク質である。また本発明のチオレドキシンは、還元型チオレドキシンの形で、過酸化水素等を還元できるタンパク質であることが好ましい。
本発明のチオレドキシンレダクターゼは、酸化型チオレドキシンを、そのジスルフィドをジチオールに還元することにより還元型チオレドキシンに変換できる酵素である。また、本発明のチオレドキシンレダクターゼは、酸化型グルタチオン等を還元できる酵素であることが好ましい。これらの還元反応には、通常、NADPH、NADH、FADH及びFADH2等の補酵素が用いられる。補酵素は、チオレドキシンレダクターゼ1分子に対して、通常100〜100000モル程度の比率で用いることが好ましい。
生産細菌
また、本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼとしては、好熱性細菌、例えばPyrococcus属、Aeropyrum属、Sufolobus属、Thermoplasma属、Thermoproteus属
、Mastigocladus属、Bacillus属、Synechococcus属、Thermus属等の細菌により生産され
たものが挙げられる。特に、超好熱性古細菌Pyrococcus 属により生産されたものが好ま
しく、Pyrococcus horikoshiiにより生産されたものがより好ましい。
アミノ酸配列
(i)チオレドキシン
本発明のチオレドキシンとしては、以下の(1)又は(2)のポリペプチドが挙げられる。
(1) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(2) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは2以上のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、100 ℃で0.5 時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシン活性が低下しないポリペプチド。
【0041】
(2)のポリペプチドのアミノ酸配列は、100℃で0.5 時間熱処理した場合に実質的にチ
オレドキシン活性が低下しないものであれば特に制限されないが、(1)のポリペプチドの
アミノ酸配列において、通常20%以下、特に10%以下のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたものであることが好ましい。
【0042】
(1)のポリペプチドについての生物学的機能を喪失しない範囲での改変は、例えばチオ
レドキシン間で保存されていない全ての領域について行うことができる。また、チオレドキシン間で保存されていない領域でのアミノ酸の欠失又は付加であれば、全アミノ酸数の30%以下の範囲で欠失又は付加を行うことができる。
【0043】
具体的には、例えばアミノ酸の置換の場合には、タンパク質の構造保持の観点から、極性、電荷、可溶性、親水性/疎水性、極性等の点で、置換前のアミノ酸と類似した性質を有するアミノ酸に置換することができる。例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンは非極性アミノ酸に分類され;セリン、トレオニン、システ
イン、メチオニン、アスパラギン、グルタミンは極性アミノ酸に分類され;フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンは芳香族側鎖を有するアミノ酸に分類され;リジン、アルギニン、ヒスチジンは塩基性アミノ酸に分類され;アスパラギン酸、グルタミン酸は酸性アミノ酸に分類される。従って、同じ群のアミノ酸から選択して置換することができる。
(ii)チオレドキシンレダクターゼ
本発明のチオレドキシンレダクターゼとしては、以下の(3)又は(4)のポリペプチドが挙げられる。
(3) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(4) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において1若しくは2以上のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、100 ℃で0.5 時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシンレダクターゼ活性が低下しないポリペプチド
(4)のポリペプチドのアミノ酸配列は、100 ℃で0.5 時間熱処理した場合に実質的に
チオレドキシンレダクターゼ活性が低下しないものであれば特に制限されないが、(3)の
ポリペプチドのアミノ酸配列において、通常20%以下、特に10%以下のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたものであることが好ましい。
【0044】
(3)のポリペプチドの生物学的機能を喪失しない範囲で(4)のポリペプチドを得る方法は前述した通りである。
【0045】
本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼは、これらのタンパク質等を生産する細菌を培養し、菌体から精製することにより得られる。また、配列番号2又は4のアミノ酸配列を基に、ペプチド化学合成により得られる。さらに、後述する本発明方法によっても得られる。
(2)本発明のDNA
(i)チオレドキシン
本発明のDNAは、前記説明した本発明の(1)又は(2)のポリペプチドをコードするDNAである。特に、 以下の(5)または(6)のDNAが好ましい。
(5) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNA。
(6) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、100℃で0.5 時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシン活性が低下しないポリペプチドをコードするDNA。
【0046】
(6)のDNAは、100 ℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシン活性が低下しないポリペプチドをコードするDNAであれば特に制限されないが、(5)のDNA配列において
、通常20%以下、特に10%以下のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加されたものであることが好ましい。
【0047】
(5)のDNAの生物学的機能を喪失しない範囲での改変は、例えばチオレドキシン間で保存されていない全ての領域について行うことができる。また、チオレドキシン間で保存されていない領域でのヌクレオチドの欠失又は付加であれば、全ヌクレオチド数の30%以下の範囲で欠失又は付加を行うことができる。
(ii)チオレドキシンレダクターゼ
本発明のDNAは、前記説明した本発明の(3)又は(4)のポリペプチドをコードするDNAである。特に、 以下の(7)または(8)のDNAが好ましい。
(7) 配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNA。
(8) 配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシンレダクターゼ活性が低下しないポリペプチドをコードするDNA。
【0048】
(8)のDNAは、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシンレダクターゼ活性が低下しないポリペプチドをコードするDNAであれば特に制限されないが、(7)のDNA配
列において、通常20%以下、特に10%以下のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加されたものであることが好ましい。
【0049】
(7)のDNAの改変により(8)のDNAを得る方法は前述した通りである。
【0050】
本明細書において「ストリンジェントな条件」とは、例えば、通常のハイブリダイゼーション溶液中であれば68℃で行う条件が挙げられ、50%フォルムアミドを含むハイブリダイゼーション溶液中であれば42℃で行う条件が挙げられる。詳しくは、Molecular Cloning: A Laboratory Manual第2版第2巻に記載のサザンハイブリダイゼーションに用いられる条件が挙げられる。
【0051】
本発明のDNAは、配列番号1又は3のDNA配列を基に合成したオリゴヌクレオチドをプローブとして用いて、例えばPyrococcus属、Aeropyrum属、Sufolobus属、Thermoplasma属、Thermoproteus属、Mastigocladus属、Bacillus属、Synechococcus属、Thermus属等の好熱性細菌の染色体DNAのライブラリーをハイブリダイゼーションによりスクリーニングする
ことにより得ることができる。また、これらの好熱性細菌の染色体DNAのライブラリーを
鋳型として用いて、配列番号1又は3のDNA配列を基に合成したオリゴヌクレオチドをプ
ライマーとして用いてPCRを行うことによっても得ることができる。また、化学合成によ
っても取得できる。
【0052】
また、前記の(6)又は(8)の変異したDNAは、化学合成法又は遺伝子工学的手法などの公
知の方法で作成することができる。遺伝子工学的手法としては、 (5)のDNA又は(7)のDNA
に対して、エキソヌクレアーゼを用いたDNA欠失導入、リンカー導入、位置指定突然変異
導入、変異プライマーを用いたPCR法による塩基配列の改変などの公知の方法を挙げるこ
とができる。
(3)本発明のベクター
本発明のベクターは、前記説明した本発明の各DNAを含有する組換えベクターである。
本発明のDNAが組み込まれるベクターは公知のものを広く利用でき、細菌用ベクターの他
、酵母用ベクター、動物細胞用ベクター等も利用できる。酵素の生産効率の点から、通常は細菌用ベクターを用いればよい。公知のベクターとしては、大腸菌ベクターのpBR322、pUC19、pKK233-2等、バチルス属細菌ベクターのpUB110、pC194、pE194、pTHT15、pBD16
等、酵母用ベクターYip5、Yrp17、Yep24等、動物細胞用ベクターpUC18、pUC19、M13mp18
等を例示できる。
(4)本発明の形質転換体
また、本発明の形質転換体は、前記説明した本発明の各組換えベクターを含有する形質転換体である。宿主としては、ベクターに応じて細菌、酵母、動物細胞等を利用できる。形質転換は、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法等の公知の方法で行うことができる。これらの公知の方法の中から、宿主の種類に応じて選択すればよい。
(5)本発明のタンパク質または酵素の製造方法
本発明のチオレドキシン又はチオレドキシンレダクターゼの製造方法は、本発明の各形質転換体を培養し、この形質転換体から各タンパク質等を精製する方法である。
【0053】
これらの細菌が生産した酵素は、遠心分離、塩析、溶媒沈殿法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティクロマトグラフィー法、逆相高速液体クロマトグラフィー法等の公知の蛋白精製方法を組み合わせて精製することができる。本発明の酵素が細胞内またはペリプラズム内に生産される場合には超音波処理、
界面活性剤処理等の公知の方法で細胞を破壊した後に前記の精製を行えばよい。
【0054】
また、本発明の耐熱性タンパク質等を精製するにあたっては、目的耐熱性タンパク質等を10〜30分間程度(特に20分間程度)インキュベートした場合に通常60%以上、特に80%以上活性が残存し、かつ、当該耐熱性タンパク質等を生産する宿主の生育限界温度より通常10℃以上、特に15℃以上高い温度で、被精製タンパク質溶液を通常10〜120分間程度、
特に10〜30分間程度インキュベートすることが好ましい。これにより、目的タンパク質を殆ど失活させることなく、宿主が生産する夾雑タンパク質を変性、失活させることができる。この加熱処理工程後に、タンパク質溶液を、それには限定されないが、例えば15000rpm程度で20分間程度遠心することにより変性した夾雑タンパク質を沈殿させることができる。この加熱処理工程は、精製のいずれの段階で行ってもよい。
【0055】
このような加熱処理工程は、本発明のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼの精製に限らず、いずれの耐熱性タンパク質の精製においても行うことができ、これにより耐熱性タンパク質の精製度を飛躍的に向上させることができる。
実施例
超好熱古細菌Pyrococcus horikoshii OT3株のチオレドキシン遺伝子、チオレドキシンレ
ダクターゼ遺伝子の単離
実施例1(菌の培養)
13.5gの食塩、4gのNa2SO4、 0.7 gのKCl、 0.2g のNaHCO3 、0.1gのKBr、30 mg のH3BO3、10gのMgCl2・6H2O、1.5g のCaCl2、25mgのSrCl2、1.0mlのレザスリン溶液(0.2g/L)、1.0gの酵母エキス、5gのバクトペプトンを1Lの水に溶かし、この溶液のpHを6.8に調整
し加圧殺菌した。次いで、乾熱滅菌した元素硫黄を0.2重量%となるように加え、この培
地をアルゴンで飽和して嫌気性とした後、Pyrococcus horikoshii OT3株(理化学研究所
においてJCM9974として登録)を植菌した。培地が嫌気性となったか否かはNa2S溶液
を加えて、培養液中でNa2Sによるレザスリン溶液のピンク色が着色しないことにより確認した。この培養液を95℃で2〜4日間培養し、培養液を5000rpmで10分間遠心分離することにより集菌した。
実施例2(染色体DNAの調製)
Pyrococcus horikoshii OT3株の染色体DNAを以下の方法により調製した。集められた菌体を10mM Tris(pH 7.5)-1mM EDTA 溶液で2回洗浄後InCert Agarose(FMC社製)ブロック中に封入した。このブロックを1%N-lauroylsarcosine-1mg/ml プロテアーゼK溶液中で
処理することにより、染色体DNAをAgaroseブロック中に分離調製した。
実施例3(発現プラスミドの構築)
実施例2により得られたPyrococcus horikoshii OT3株の染色体DNAを鋳型として、当該DNAの配列番号1の塩基配列を含むDNAをPCRにより増幅した。PCR条件はPCRキットの添付
マニュアルに従った。構造遺伝子領域の5’末端側に対応するプライマーとしては、制限
酵素(NdeI)サイトを付与したDNAプライマーGGAATTCCATATGGGACTAATAAGTGAGGAGGA(配列番号5)を合成した。構造遺伝子領域の3’末端側に対応するプライマーとしては、制限酵
素(BamHI)サイトを構築する目的でDNAプライマーCGGGATCCTAGCTTAGGGCTGAAAGTAGG(配
列番号6)を合成した。PCR反応後、制限酵素(NdeI及びBamHI)で完全分解(37℃で
一晩)した。次いで、チオレドキシン構造遺伝子を精製カラムキットを用いて精製した。
【0056】
ベクターpET-11a(Novagen社製)を制限酵素NdeI及びBamHIで完全分解した後、精製カ
ラムキットを用いて精製した。上記のチオレドキシン構造遺伝子とT4 DNAリガーゼを用
いて16℃、3時間反応させることにより連結した。連結したDNAの一部をE. coli-XL2-BlueMRF’ のコンピテントセルに導入した。形質転換体を、アンピシリンを含むLB寒天
プレート上でのコロニー形成を指標に選択した。得られたコロニーからチオレドキシン発現プラスミドをアルカリ法で抽出し、精製した。
実施例4(組換えチオレドキシン遺伝子の発現によるチオレドキシンの生産)
大腸菌(E. coli)Rosetta (DE3)株( Novagen社製)のコンピテントセルを融解して、1.5mlチューブに0.04mL移した。その中に実施例3により得たチオレドキシン発現プラ
スミド溶液0.003mLを加え、氷中に30分間放置した後42℃でヒートショックを30秒間与
えた。さらに、SOCmedium0.25mLを加え、37℃で1時間振とう培養した。その後アンピ
シリンを含むLB寒天プレートに適量塗布し、37℃で一晩培養することにより、形質転換体コロニーを形成させた。
【0057】
この形質転換体をアンピシリンを含むNZCYM培地で600nmにおける吸光度が0.6に達するまで培養した後、IPTG(Isopropyl-b-D-thiogalactopyranoside)を加えさらに4時間培養した。培養後、7000rpmで5分間遠心分離することにより集菌した。
実施例5(耐熱性チオレドキシンの精製)
実施例5において集菌した菌体に1mM DTT及び1mMEDTA を含む50mM Tris-HCl(pH8.0)bufferを加え超音波破砕した。破砕液を遠心分離(15000rpmで30分間)した後、得られた上清
を85℃で30分間加熱後、15000rpmで30分間遠心分離し、上澄みをHitrap Q(ファルマシア
社製)陰イオン交換クロマトグラフィー、Hiload phenyl 疎水性相互作用クロマトグラフ
ィー及びSephacryl S-100(ファルマシア社製)ゲル濾過クロマトグラフィーにこの順にか
けることより、SDS-PAGEで均一バンドを与える標品を得た。
【0058】
得られた標品のゲル濾過により測定された分子量は、約27kDaであった。(製品評価技
術基盤機構;登録番号PH0178)
実施例6(耐熱性チオレドキシンレダクターゼの精製)
実施例2により得た染色体DNAを鋳型に用いて、構造遺伝子の5’末端側に対応するプライマーとしてGGAATTCCATATGGAGGTGAAGGAAATGTTCA(配列番号7)を用い、構造遺伝子の3
’末端側に対応するプライマーとしてCGGGATCCTCACTCAATAGTCTTTCCATTCC(配列番号8)
を用いてPCRを行った。この他は、実施例3と同様の操作を行うことによりチオレドキシ
ンレダクターゼ発現プラスミドを得た。
【0059】
さらに、このチオレドキシンレダクターゼ発現プラスミドを用いて、実施例4と同様にして、大腸菌Rosetta(DE)株に組み換えチオレドキシンを生産させた。
【0060】
集菌した菌体に1mM DTT及び1mMEDTA 50mMを含む Tris-HCl(pH8.5)bufferを加え超音波
破砕した。遠心分離(15000rpmで30分間)した後、得られた上清を85℃で30分間加熱した後、15000rpmで30分間遠心分離し、上澄みをHitrap Q(ファルマシア社製)陰イオン交換クロマトグラフィー、Hiload phenyl 疎水性相互作用クロマトグラフィー及びSuperdex 200(
ファルマシア社製)ゲル濾過クロマトグラフィーに順次かけることにより、SDS-PAGEで均
一バンドを与える標品を得た。
【0061】
得られた標品のSDS-PAGEにより測定された分子量は、約37kDaであった(製品評価技術
基盤機構;登録番号PH1426)。
実施例7(塩基配列及びアミノ酸配列の決定)
Pyrococcus horikoshii OT3株由来の耐熱性チオレドキシンの塩基配列を配列番号1に
示し、アミノ酸配列を配列番号2に示す。また、同株由来の耐熱性チオレドキシンレダクターゼの塩基配列を配列番号3に示し、アミノ酸配列を配列番号4に示す。
<活性測定法>
本発明において、精製工程における目的タンパク質又は酵素の検出、至適温度の検討および安定性の検討における目的タンパク質又は酵素の活性検出は、以下の方法で行った。(i)チオレドキシン
チオレドキシンの活性測定は、還元型チオレドキシンによるインスリンサブユニット間のジスルフィド結合を還元する活性を測定するMolmgrenらの方法(Method in Enzymology 1993)に従った。
【0062】
すなわち、先ず0.4mM DTT及び0.4mg/mlウシ血清アルブミンを含む100mM リン酸ナトリウム(pH7.5)で37℃、15分間チオレドキシンサンプルを前処理して還元型チオレドキシ
ンとした。次いで、基質として1mg/mlのウシ膵臓インスリン(シグマ社製)を含む100mMTris−塩酸バッファー(pH7.5)に、チオレドキシンを25000ng添加し、インスリンの還元分解による650nmにおける吸光度の上昇を25℃で10分間測定した。
(ii)チオレドキシンレダクターゼ
基質としての0.5mMジチオビス2-ニトロベンゾイックアシッド(DTNB)0.2mM NADPH、1mM EDTAを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中に、精製チオレドキシンレダクタ
ーゼ 2μgを添加し、TNB(DTNBの分解物)の濃度の指標である412nmにおける吸光度の増加速度を1分間測定することによりチオレドキシンレダクターゼの活性を測定した。
【0063】
チオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼのいずれも精製工程では、60℃の緩衝液中で活性を測定した。
【0064】
前記の方法により得られたPyrococcus horikoshiii OT3株由来のチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼの諸特性を評価した。
至適温度
前述したチオレドキシン及びチオレドキシンレダクターゼの活性測定方法において、酵素反応を行う緩衝液の温度を25〜65℃の範囲で変化させて、酵素活性を測定した。チオレドキシンの活性測定において、反応時間に対して650nmにおける吸光度の変化をプロット
した結果を図1(A)に示す。また、チオレドキシンレダクターゼの活性測定において、反
応時間に対して412nmにおける吸光度の変化をプロットした結果を図1(B)に示す。図1(A)及び(B)から、このチオレドキシンの至適温度は65℃以上であり、このチオレドキシンレダクターゼの至適温度も65℃以上であることが分かる。
耐熱性
pH7.0の 50mMリン酸ナトリウム緩衝液中に、チオレドキシンを25mg/mlの濃度になるように添加した酵素溶液サンプルを用意し、100℃でインキュベートして、経時的に残
存活性を測定した。チオレドキシンレダクターゼについても同様にして、インキュベートし、経時的に残存活性を測定した。
【0065】
結果を図2の(A)及び(B)に示す。図2(A)から、チオレドキシンは、100℃での0.5時間
のインキュベートにより約100%の活性が残存することが分かる。また図2(B)から、チオレドキシンレダクターゼは、100℃での0.5時間のインキュベートにより約99%の活性が残存することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の1実施例であるチオレドキシン(A)及びチオレドキシンレダクターゼ(B)の至適温度を示すグラフである。
【図2】本発明の1実施例であるチオレドキシン(A)及びチオレドキシンレダクターゼ(B)の100℃における熱安定性を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)又は(b)の耐熱性チオレドキシンレダクターゼであって、65℃以上の温度下で用いるための耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
(a) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなる耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
(b) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において1個若しくは2個以上であって1
0%以下のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシンレダクターゼ活性が低下しない耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
【請求項2】
65℃以上の温度下で以下の(a)又は(b)の耐熱性チオレドキシンレダクターゼを用いる耐熱性チオレドキシンレダクターゼの使用方法。
(a) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなる耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
(b) 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において1個若しくは2個以上であって1
0%以下のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的にチオレドキシンレダクターゼ活性が低下しない耐熱性チオレドキシンレダクターゼ。
【請求項3】
上記(a)又は(b)の耐熱性チオレドキシンレダクターゼを用いて還元反応を行う請求項2に記載の使用方法。
【請求項4】
下記の(i)又は(ii)の耐熱性チオレドキシンレダクターゼ遺伝子を含有するベクターを保
持する形質転換体。
(i) 配列表の配列番号3に示す塩基配列のDNAからなる耐熱性チオレドキシンレダク
ターゼ遺伝子。
(ii) 配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、100℃で0.5時間熱処理した場合に実質的に活性が低下しない耐熱性チオレドキシンレダクターゼをコードするDNAからなる耐熱性チオレドキシンレダクターゼ遺伝子。
【請求項5】
請求項4に記載の形質転換体を培養し、該形質転換体から耐熱性チオレドキシンレダクターゼを分離する耐熱性チオレドキシンレダクターゼの生産方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−166923(P2006−166923A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18426(P2006−18426)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【分割の表示】特願2002−206352(P2002−206352)の分割
【原出願日】平成14年7月16日(2002.7.16)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】