耐熱性物質を塗布する装置および方法
360°にわたって耐熱性物質を塗布する装置は、その装置が垂直方向に上昇または降下され、または水平方向に挿入または後退させられる間に、熱い容器の内側表面に物質の層を連続的に塗布することができる。湿潤混合耐熱性物質がアプリケータに供給され、圧縮空気がそのアプリケータに供給されて、そのアプリケータ上のスピナー・ヘッドを回転させる。その装置は、そのアプリケータのハウジングの周囲のシュラウドを含み、そのシュラウドは加圧空気をハウジングの周囲に搬送してそのハウジングをその容器の温度より低くなるよう冷却する。例えば真空脱ガス装置のシュノーケル・チューブ及びレードルのような高温金属製容器へのスプレーの形態でアプリケータ上のスピナー・ヘッドによって耐熱性物質を塗布する方法も記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
耐熱性物質を塗布(apply:供給)する装置および方法
【背景技術】
【0002】
本発明は、モノリシック耐熱性または耐火性の物質または材料を塗布(供給)する装置および方法に関する。
耐熱性ライニング(裏張り、内張り)を形成または修理(修繕)するために標的の基体(基板、物質、サブストレート)上に物質を塗布するガン(吹き付け)装置は、一般的に知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明によれば、耐熱性または耐火性の物質または材料を塗布(供給)するための装置および方法が実現される。
【0004】
或る幾つかの実施形態では、耐熱性(refractory:耐火性)物質を塗布するための装置は、実質的に半径方向に360°にわたって耐熱性物質を連続的に塗布するためのアプリケータ(塗布器、供給装置)を含んでいる。そのアプリケータが垂直方向に上昇または降下され、または水平方向に挿入(前進)または後退させられる間に、例えば熱い容器の内側表面のような標的(target:目標、対象、ターゲット)基体(基板、物質、サブストレート)の予め選択された領域上に耐熱性物質の層が形成される。湿潤(湿った)混合耐熱性物質が圧縮空気と共にアプリケータに供給される。そのアプリケータのスピナー・ヘッド(回転ヘッド)を回転させる手段には、そのアプリケータに供給された圧縮空気を供給することができ、その加圧空気(回転手段)はエア・ロータ(空気回転子)を回転させ、それ(エア・ロータ)はそのアプリケータのスピナー・ヘッドを回転させて、耐熱性物質がそのスピナー・ヘッドから半径方向に出て行くようにする。その装置は、アプリケータのハウジング(筐体、ケース)を冷却する手段を含んでいる。そのアプリケータのハウジングを冷却する手段は、そのハウジングに供給された圧縮空気をそのアプリケータから排出させる(圧縮空気の排出を許容する)そのアプリケータのそのハウジングを取り囲むシュラウド(shroud:囲い板、側板)とすることができる。その圧縮空気は、そのハウジングに沿って通過してそのシュラウドから排出されて、容器の温度より低くなるようにそのハウジングの温度を冷却する。
【0005】
或る幾つかの実施形態では、耐熱性の表面または金属性容器(metallurgical vessel)の表面に耐熱性物質を塗布する方法は、その表面と対向してハウジングを配置する工程(ステップ)と、湿潤混合物をそのハウジングに供給する工程と、その湿潤混合物をそのハウジングを通してノズルに送る工程と、そのノズルを予め選択された速度で回転させる工程と、その湿潤混合物をスプレー(噴霧、噴出)の形態で標的表面の予め選択された領域に塗布(供給)する工程と、を含んでいる。その湿潤混合物はホース(ホースライン)を通って供給でき、圧縮空気は前述のようにそのアプリケータに供給でき、これによってアプリケータは標的表面に関して移動可能になる。その湿潤混合物が標的表面上にスプレーされ、充分な厚みをもったスプレーされたコーティング(被膜、被覆)が形成されるように、その装置(アプリケーション)を位置決めする(配置する)作業員がその湿潤混合物を手動で直接塗布(供給)することもできる。代替形態では、充分な厚みを有するスプレーされたコーティングが形成される所定位置にそのアプリケータ(塗布器、供給装置)を配置して、移動させるために機械的手段を使用することもできる。アプリケータが回転ヘッドの回転軸方向内で移動するときに、その標的表面上に連続するスプレー・コーティングを形成するのに充分な速度(レート、割合)でスピナー・ヘッドが回転している間に、そのアプリケータを移動させる機械的手段を設けることもできる。
【0006】
本発明の方法によれば、アプリケータのスピナー・ヘッドまたはノズルによって、例えば、真空引き脱ガス容器、および真空引き脱ガス装置のシュノーケル(吸排気)チューブの昇降脚、および例えばレードル(ladle:取鍋)のような冶金容器(vessel)の熱いまたは冷たい表面に、スプレー(噴霧、噴出)の形態で耐熱性物質を塗布(apply:供給)することができる。
【0007】
耐熱性物質が塗布された後は、スプレーで形成されたライニングまたは層は、例えば溶解(溶融)スラグおよび溶融(溶解)金属のような腐食性物質による攻撃、特に酸性および塩基性スラグおよびスチール(鋼鉄)による攻撃に対して、耐熱性または耐火性ライニングを維持することができる。
【0008】
ライニング(被覆、被膜)物質が約13℃乃至約1600℃の温度、或る実施形態では約1200℃乃至約1500℃の温度にある間に、耐熱性(耐火性)物質の塗布を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、真空脱ガス装置内で本発明のアプリケータを使用した場合と使用しない場合に実行されるキャンペーン用のタイム・テーブルを示す図である。
【図2】図2は、図1の4つのフェーズの各々に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図3】図3は、フェーズ1に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図4】図4は、フェーズ2に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図5】図5は、フェーズ3に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図6】図6は、4つのフェーズの各々に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの平均長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図7】図7は、エア・フィッティングのない、本発明の装置の実施形態による典型例のアプリケータの例示、および耐熱性物質供給パイプからネジを緩めて取り外されたスピナー・ヘッドを示す図である。図8は、羽板上の複数の歯を示すスピナー・ヘッドの羽板の詳細図である。
【図9】図9は、2個の平らな側部およびベアリングを有する端部キャップ・リングを示す、アプリケータのハウジングの端部キャップの平面図である。
【図10】図10は、ハウジングの端部キャップの内側と嵌合(フィット)するベアリングの平面図である。
【図11】図11は、取り外されたハウジング端部キャップと共に示され且つエア・ロータ上のブレード(羽根)を示す装置(アプリケータ、アプリケーション)のハウジングの側面図である。
【図12】図12は、図11に示すエア・ロータから取り外された後のそのエア・ロータ用ブレードの両端部に形成されたテーパ角を示すそのブレードの詳細図である。
【図13】図13は、ブレード用のブレード・スロットを示す、ハウジングの基部部材(要素、ピース)中に示されたエア・ロータの上面の平面図である。
【図14】図14は、排気端部キャップをハウジングの基部部材に結合するための4個のボルトを示す排気端部キャップの平面図である。
【図15】図15は、ボルトが取り外された排気端部キャップの側面図と、エア・ロータ用の排気端部キャップ中の空洞を画定する内面と側壁を示す側面図である。
【図16】図16は、エア・ロータの内部およびエア・ロータの端部軸(シャフト)のネジ部分上の止め輪と一緒に示されたハウジング基部部材の側面図である。
【図17】図17は、ブレードの溝(スロット)を示すエア・ロータの側面図である。
【図18】図18は、ハウジング基部部材の側壁の内面上に形成されたステップ状の構造を示すそのハウジング基部部材の斜視図である。
【図19】図19は、本発明の一実施形態による典型例のプロセスで使用される装置の立面図である。
【図20】図20は、アプリケータの内側スリーブの平面図である。
【図21】図21は、標的面上に耐熱性ライニングを形成するための耐熱性物質の湿潤混合物のスプレーを示す、本発明のアプリケータの斜視図である。
【図22】図22は、作業員が本発明のアプリケータを使用して耐熱性物質をスプレーする状態を示す斜視図である。
【図23】図23は、水平のレードルに耐熱性物質のコーティングを施すためのシステムを示す側面図である。
【図24】図24は、垂直位置にあるレードルに耐熱性物質のコーティングを施すためのシステムの対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を、以下の詳細な説明および非限定的な例を参照して詳細に説明する。ここで、特別な記載がない限り、全ての温度は摂氏温度である。
【0011】
この分野の専門家であれば、さらに詳しく説明しなくても、先の説明を利用して本発明を最大限充分に利用できるものと確信する。従って、以下の実施形態は単なる例示であって、如何なる点においても開示の残りの部分を限定するものではないと、理解すべきである。
【0012】
以下、図を参照して詳細に説明する。ここで、複数の図面を通して同様の参照番号は同様の要素を示している。図7には、端部キャップ14および排気キャップ16に取り付けられたハウジングの基部(base)部材(piece:部品)12を有する、本発明によるアプリケータ(塗布器、供給装置)10が示されている。シュラウド(囲い板、側板)の基部部材18はハウジング22を取り囲むシュラウド(囲み板)20を支持している。ここでは、シュラウド20は、実質的に円筒(円柱)状として示されているが、ハウジング22を冷却するようにアプリケータ10のハウジング22に沿ってガス、ここでは空気、を通過または流通させることができる手段を実現することができる任意の形状または構成とすることもできる。シュラウド20の内壁24は輪郭形状(contour)または流路(通路、チャンネル)28を画定(define:規定)しており、これによって空気はその流路28中を矢印で示した方向に流れて開放状態のシュラウドの端部26から出て行く。シュラウド基部部材18を貫通して伸びるエア・フィッティング(air fitting:空気継手、空気管継手)30は、排気キャップ16に結合(fit up to:嵌合)されてアプリケータ10に空気を供給し、それによって、後で説明する図17に示されているようにロータ(回転子)32が回転する。
【0013】
アプリケータ10の長さを通して伸びる内側スリーブ34は、例えば図19に示すようにラインシュタール・ヘラウス(RH:Rheinstal Heraeus)脱ガス・シュノーケル38上の内側シュノーケル面36上に、湿潤(wet:湿った)混合物、ここでは標的(target:目標、対象、被塗布)面に塗布されるべき耐熱性(耐火性)物質(材料)を給送するための手段を形成する。
【0014】
エア・ロータ(空気回転子)32と共に回転するエア・ロータ・ヘッド・パイプ40は、ロータ・ヘッド・パイプ・ネジ切り(threaded)部分42を有し、その部分42はスピナー・ヘッド(回転ヘッド)の基部部材(base piece)46上の内側ネジ切り部分(図示せず)においてそのスピナー・ヘッド44に固定する手段を形成する。スピナー・ヘッドの基部部材46に結合された翼板(vanes)48はスピナー・ヘッドの前面部材(face piece)50に取り付けられている(固定されている)。スピナー・ヘッドのナット120はそのスピナー・ヘッドのワッシャ(washer:座金)122に隣接するスピナー・ヘッドのボルト124と係合(engage:嵌合)しており、それによって、相異なる厚みまたは数のスピナー・ヘッド・ワッシャ122および相異なる寸法のスピナー・ヘッド・ボルトを使用することによって、アプリケータ10の動作期間中、スピナー・ヘッドの内側面に向かう湿潤耐熱性物質の流れの状態(特性)を調整することができる。
【0015】
アプリケータ10の動作期間中、内側スリーブ34にポンプで給送される湿潤混合物はスピナー・ヘッドの開孔52を通り抜けて、そこでその湿潤混合物は内側のスピナー・ヘッド44の内側スピナー・ヘッド面54に当たる(engage)。内側スリーブ34から出た湿潤混合物は内側スピナー・ヘッド面54に向けて流れ、動作期間中回転するスピナー・ヘッド44の翼板48相互間を流れる。スピナー・ヘッド44が回転すると、翼板48の回転動作によって湿潤混合物、ここでは耐熱性物質、のコーティング(被覆物、塗装物)が、図19に示すようにそのスピナー・ヘッド44が軸を中心として回転する半径方向にスプレー(噴霧、噴出)される。
【0016】
アプリケータ10およびスピナー・ヘッド44を回転させる手段(ここではエア・ロータ32による)の動作については、ハウジング22をどのようにして分解するかについて説明することによって理解することができる。その排気端部キャップ・パイプ60を逆回して緩めてシュラウド基部部材18から外しシュラウド基部部材18をその排気キャプ・ネジ切り部分62から取外した後、必要であれば内側スリーブ継手34aを掴んで内側スリーブ34をねじる(twist)ことによって、その内側スリーブ34を排気端部キャップ・パイプ60の内側から取外すことができる。次いで、2本のアレン(allen)ボルト(図示せず)を端部キャップ開孔64から取外すことによって、端部キャップ14をハウジング22の残りの部分から取外すことができる。
【0017】
図9に示すように、止め輪(retaining ring:リテーニング・リング)66は、止め輪平坦側部(側面)(retaining ring flat sides)68を有する。止め輪66は両各面に止め輪溝(retaining ring groove)70を有し、その止め輪溝70は円錐台(truncated cone:切頭円錐)形状の軸受け(ベアリング)74の軸受け頂部分72を整列させるのに役立つ。一実施形態において、軸受け74は図10に示すようなボール・ベアリング76を有する。端部キャップ14が取外されると、ブレード(羽根)78は、図11に示されているように摩擦的嵌合から取外(解放)されて、図13に示されているようにブレード用スロット80から取外される。ブレード78はテーパ部分82を有する。
【0018】
そのハウジングのブレード78と反対側の端部には排気キャップ16が設けられている。図14に示されているように、4本の六角ボルト84が取外されて、ハウジングの基部部材12が排気キャップ16から分離される。排気キャップ16の周辺(周囲)に沿って6つの排気キャップ用開孔85が一緒に配置されて圧縮空気用の流路を形成して、その圧縮空気はブレード78を超えて通過した後排気されて、その結果としてエア・ロータ32の回転が生じる。また、ブレード78を保持するエア・ロータ32中のブレードのスロット80がオフセット構成であることにより、そのエア・ロータ32の回転を助ける。
【0019】
図16に示されているように、保持用ナット(retainer nut:リテーナ・ナット)86はエア・ロータ32に対しては回転しないが、ハウジング基部部材12に対しては実に回転するように、その保持用ナット86がエア・ロータ排気端部パイプ88のネジ切り部分と係合(螺合)することによって、エア・ロータ32はハウジング22と無関係に(ハウジング22から独立して)回転する。図18は、内側突条部(リッジ)90と、端部キャップ14を取り付ける(嵌合する)ことができる後退した端部(setback edge)92とを有するハウジング基部部材12を示している。ハウジング基部部材12には、端部キャップ14と結合するアレン・ボルトを収容するための開孔94が形成されている。
【0020】
本発明の装置の別の実施形態では、スピナー・ヘッド44の翼板56は、スピナー・ヘッド基部部材46からスピナー・ヘッド前面部材50にまで連続的に延びているのではなく、図8に示すように歯状部58を有する。
【0021】
さらに本発明の別の実施形態では、スピナー・ヘッド44を、電動機または油圧モータ(水力原動機)のようなモータ(動力装置)によって駆動することもできる。
【0022】
図19に示されているように、動作中において、エア・ライン(空気管)96を通してエア・フィッティング(空気継手、空気管継手)30に圧縮空気が供給される。制御(コントロール)パネル102と、例えば水のような湿潤剤(wetting agent)と乾燥した耐熱性物質とを混合するミキサ104とを有するミキサ・ユニット100のホッパー98に、乾燥した耐熱性(耐火性)物質が収容(配置)されている。ミキサの動作中、湿潤(wetted:湿った)耐熱性物質は、支持手段108によって支持されたホース(ホース・ライン)106を通してミキサ結合部(mixer fitting:ミキサ・フィッティング(嵌合部))110にポンプで給送される。その支持手段108は、ホース106を支持するための任意の手段であっても、または湿潤耐熱性物質用の運搬(搬送)手段であってもよく、それは予め定められた位置におけるその耐熱性物質の塗布の動作(操作)のためにアプリケータ(塗布器、供給装置)の移動を許容するものであってもよい。ここで、支持手段は、垂直部材108とホース106を係止または保持(把持)するためのクランプ(締付)手段とを含んでいる。そのクランプ手段は、ホース106の円形の断面輪郭形状(profile:外形)の一部に適合する(収容する)半円形の切欠き部(cutout:凹部、凹所)を有する水平部材126である。そのクランプ手段はボルト・クランプ手段112とクランプ手段ナット(ナット・クランプ手段)114とを含んでいる。
【0023】
図19において、耐熱性物質を予め定められた標的表面に塗布(apply:に供給、を被覆)するためにアプリケータを予め定められた動作位置に移動させる手段は、フォーク・リフトの操作員が上下することができるフォーク118を有するフォーク・リフト116である。別の実施形態では、標的表面がアプリケータによって耐熱性物質によってコーティング(被覆)される間に、その標的表面を水平および/または垂直成分を含む任意の方向に上下させまたは移動させられる間、アプリケータを同じ位置に保持することもできる。
【0024】
別の実施形態では、アプリケータによって標的表面がコーティングされる期間において、アプリケータとその標的表面の双方をそれぞれ垂直および/または水平成分を含む方向に移動させることもできる。
【0025】
さらに別の実施形態では、アプリケータによって標的表面がコーティングされる間に、アプリケータを垂直および/または水平成分を含む方向に移動させることもできる。
【0026】
別の実施形態では、フォーク・リフト以外の機械的手段を使用してアプリケータを上下させることもできる。
【0027】
例1
図1に記載されているように、フェーズ(段階、状況)1では、ニューヨーク州ニューヨークにあるミンテク インターナショナル インコーポレイテッド(Minteq International Inc.)製のOPTISHOT(登録商標)SPおよびECOSHOT(商標)30耐熱性(耐火性)物質を使用して、グラウティング(grouting:上塗り、グラウトを塗る)技術を使用してRH真空引き脱ガス装置(RH vacuum degasser)をメンテナンス(保守、手入れ)した。図2、3、6で分かるように、キャンペーン(一連の作業、活動、行動)が終了(EOC:end of campaign)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱(heats)キャンペーンの平均長さは、123(回)であった。
【0028】
例2
図1に示すように、フェーズ(段階)2では、OPTISHOT(登録商標)SP−FG耐熱性物質を使用して、グラウティング技術を使用してRH真空脱ガス装置の昇降用シュノーケル脚をメンテナンスした。図2、3、6で分かるように、キャンペーンが終了(EOC)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱キャンペーンの平均長さは、149(回)であった。
【0029】
例3
図1に示すように、フェーズ(段階)3では、OPTISHOT(登録商標)SP−FG耐熱性物質を使用して、スピナー・ヘッドを有する本発明のアプリケータ(塗布器、供給装置)を使用してRH真空脱ガス装置の昇降用シュノーケル脚をメンテナンスした。そのアプリケータでは、アラバマ州アニストン(Anniston)にあるブラストクリート(Blastcrete)社より市販されている2.5メートルの長さのシャフト上にAirline AL−20回転ノズルを使用した。そのアプリケータを2.5メートルの長さのシャフトに垂直に取り付け、1インチ(約2.54cm)のパイプで湿潤混合耐熱性物質をそのアプリケータに供給し、そのエア・ロータ(回転子)を駆動(付勢)するためにそのアプリケータに1/2インチ(約1.27cm)のエア・ラインを設けた。図2、3、6で分かるように、キャンペーンが終了(EOC)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱キャンペーンの平均長さは、171(回)であった。
【0030】
例4
図1に示すように、フェーズ(段階)4では、OPTISHOT(登録商標)SP−FG耐熱性物質を使用して、スピナー・ヘッドを有する本発明のアプリケータを使用してRH真空脱ガス装置の昇降用シュノーケル脚をメンテナンスした。そのアプリケータでは、アラバマ州アニストン(Anniston)にあるブラストクリート(Blastcrete)社より市販されているAirline AL−20回転ノズルを使用し、ドイツ国ニューエンベルク(Neuenberg)にあるエム−テック マチス テクニック ゲーエムベーハー(M-Tec Mathis Technik GmbH)社より市販されているDuo Mix 2000ミキサ・ユニットを使用した。図2、6で分かるように、キャンペーンが終了(EOC)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱キャンペーンの平均長さは、177(回)であった。代替形態として、ミンテク インターナショナル インコーポレイテッド(Minteq International Inc.)製のMix−O−Matミキサ・ユニットのような他のミキサ・ユニットを使用することもできる。
【0031】
上述の試験コーティングは耐熱性(耐火性)ライニングとして塗布(適用、形成)された。このライニングは、密度、強度、乾燥度、耐亀裂性、予備加熱(耐予備加熱性)、溶融金属(耐溶融金属性)および耐性、耐久度(持続力)およびシーケンス(連続)の各要求に関してその領域において要求される性能に適合し、または要求される性能を超えるものであった。
【0032】
本発明の一実施形態では、そのアプリケータは、本体(body)が加熱されている状態にある間に、金属製容器(metallurgical vessel)または金属製本体の内側表面上にモノリシック耐熱性物質(monolithic refractory material:一体型耐熱性物質)を被覆(コーティング)することができる。標的表面をコーティングまたはライニングするために本発明の方法または装置によって成形(fabricate)または修理されるその標的表面は、冷却された表面から加熱された表面までの任意の温度の表面でよい。一実施形態では、その標的表面は約1200℃から約1500℃の範囲の温度とすることができる。
【0033】
本発明の方法では、腐食性物質(材料)にそのライニングを曝す前および後に、共に約1乃至3cmから約3乃至8cmの厚みの耐熱性(耐火性)ライニングの層を形成するために、コーティング(被覆物)を塗布(適用)することができる。より厚い耐熱性ライニングを形成すると、金属製容器または金属製構造体をメンテナンス(保守、維持)のに要求される塗布の頻度を低減することができる。所望の厚みのコーティングが形成されるまで、アプリケータを標的表面に対して繰り返し昇降(上昇および下降)移動させることができる。
【0034】
コーティングまたはライニングされる構造体としては、例えばレードルのような円筒状本体、真空脱ガス・シュノーケル、または真空脱ガス容器とすることができる。
【0035】
一実施形態では、物質(材料)は、アプリケータによって毎分約55乃至約75kgの割合(速度、レート)で塗布(供給)された。
【0036】
別の実施形態では、アプリケータを支持する手段およびそのアプリケータに対してレードルを相対的に移動させる手段を設けることによって、本発明の方法および装置を使用して、金属処理(metallurgical operation:冶金処理)で使用されるレードルまたはCAS−OBベル(鐘状部:bell)の内側表面に、耐熱性物質をライニングすることができる。
【0037】
図22には、水平位置にあるレードル132の内側表面130に耐熱性物質のコーティング(被覆物)をスプレー(噴射)するような形態で耐熱性物質の湿潤混合物をアプリケータ10に供給するホース106を保持(支持)する作業員128が示されている。図22に示されたシステムを用いて、室温または作業員が図22に示された方法を安全に遂行することができる温度のレードルの内側表面に、耐熱性ライニングを形成することができる。
【0038】
図23には、金属製容器、ここではトラニオン(trunions 、trunnions:砲耳、抽筒子軸)138を有する水平位置にあるレードル132、の壁の内側表面に、耐熱性物質をスプレーすることができる本発明のアプリケータを支持する手段が示されている。昇降台(lift platform:リフト・プラットフォーム)136を有する交叉形リフト・トラック(scissors lift truck)134が、部材108とホース106を保持(把持、係止)するクランプ手段を支持している。そのクランプ手段は、ホース106の円形断面形状の一部と適合する(を収容する)半円形の切欠き部分(凹部)を有する水平部材126である。そのクランプ手段は、ボルト・クランプ手段112およびクランプ手段ナット(ナット・クランプ手段)114を含んでいる。
【0039】
図24には、さらに別の実施形態における、金属製容器、ここではトラニオン138を有する垂直位置にあるレードル132、の各壁の内側表面に、耐熱性物質をスプレーすることができる本発明のアプリケータを支持する手段が示されている。支持部材142を有するジブ・クレーン(jib crane)140が、非柔軟性または剛性のホース106aを上昇および下降させる手段を有する電動機144を支持している。その非柔軟性のホース106aは実質的に硬質で曲がらないものとすることができる。非柔軟性のホース106aを上昇および下降させる手段は、作業員が操作する電気機械型の駆動モータ(図示せず)によって引き上げられまた解放されるモータ・チェーン152とすることができる。
【0040】
非柔軟性ホース106aをレードル132の垂直軸におけるそのレードル132の中心に配置(位置決め)するために、電動機144は、支持部材142に沿ってその電動機144を移動させる手段を有する。支持部材142に沿って電動機144を移動させるその手段は、作業員が支持部材142に沿って電動機144を引っ張ることができるチェーン(図示せず)とすることができる。
【0041】
ジブ・クレーン140は、電動機144がホース106aとアプリケータ10とを支持するように、支持部材142を予め定められた位置に旋廻させる(pivot)手段を具えている。支持手段142を旋廻させるその手段は、ヒンジ・ピン150である。
【0042】
レードル132は、そのレードル132を支持する手段、ここではレードル支持体146、を有することができ、それ(レードル支持体146)はレードル132を予め定められた位置に維持する手段を実現する。
【0043】
耐熱性ライニングを腐食性物質に初めに曝す前に、耐熱性物質の塗布(供給、適用)を実行することができる。耐熱性物質上に形成されたライニングの侵食(erosion)および/または腐食(corrosion)の度合い次第で(に応じて)、その耐熱性ライニング上に腐食性物質がそれぞれ出現した(run:走った)後でも、耐熱性物質に対して本発明の耐熱性物質を必ずしも再塗布(再供給)する必要はない。
【0044】
従って、本発明の上述の説明は、この分野の専門家によって大幅な変形、変更および適応化が可能であり、このような変形、変更および適応化についても添付の請求の範囲に記載されている本発明の範囲に含まれることを意図している。
【0045】
上述の装置は、耐熱性ライニングの形成または修理の適用以外のものにも使用することができる。
【技術分野】
【0001】
耐熱性物質を塗布(apply:供給)する装置および方法
【背景技術】
【0002】
本発明は、モノリシック耐熱性または耐火性の物質または材料を塗布(供給)する装置および方法に関する。
耐熱性ライニング(裏張り、内張り)を形成または修理(修繕)するために標的の基体(基板、物質、サブストレート)上に物質を塗布するガン(吹き付け)装置は、一般的に知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明によれば、耐熱性または耐火性の物質または材料を塗布(供給)するための装置および方法が実現される。
【0004】
或る幾つかの実施形態では、耐熱性(refractory:耐火性)物質を塗布するための装置は、実質的に半径方向に360°にわたって耐熱性物質を連続的に塗布するためのアプリケータ(塗布器、供給装置)を含んでいる。そのアプリケータが垂直方向に上昇または降下され、または水平方向に挿入(前進)または後退させられる間に、例えば熱い容器の内側表面のような標的(target:目標、対象、ターゲット)基体(基板、物質、サブストレート)の予め選択された領域上に耐熱性物質の層が形成される。湿潤(湿った)混合耐熱性物質が圧縮空気と共にアプリケータに供給される。そのアプリケータのスピナー・ヘッド(回転ヘッド)を回転させる手段には、そのアプリケータに供給された圧縮空気を供給することができ、その加圧空気(回転手段)はエア・ロータ(空気回転子)を回転させ、それ(エア・ロータ)はそのアプリケータのスピナー・ヘッドを回転させて、耐熱性物質がそのスピナー・ヘッドから半径方向に出て行くようにする。その装置は、アプリケータのハウジング(筐体、ケース)を冷却する手段を含んでいる。そのアプリケータのハウジングを冷却する手段は、そのハウジングに供給された圧縮空気をそのアプリケータから排出させる(圧縮空気の排出を許容する)そのアプリケータのそのハウジングを取り囲むシュラウド(shroud:囲い板、側板)とすることができる。その圧縮空気は、そのハウジングに沿って通過してそのシュラウドから排出されて、容器の温度より低くなるようにそのハウジングの温度を冷却する。
【0005】
或る幾つかの実施形態では、耐熱性の表面または金属性容器(metallurgical vessel)の表面に耐熱性物質を塗布する方法は、その表面と対向してハウジングを配置する工程(ステップ)と、湿潤混合物をそのハウジングに供給する工程と、その湿潤混合物をそのハウジングを通してノズルに送る工程と、そのノズルを予め選択された速度で回転させる工程と、その湿潤混合物をスプレー(噴霧、噴出)の形態で標的表面の予め選択された領域に塗布(供給)する工程と、を含んでいる。その湿潤混合物はホース(ホースライン)を通って供給でき、圧縮空気は前述のようにそのアプリケータに供給でき、これによってアプリケータは標的表面に関して移動可能になる。その湿潤混合物が標的表面上にスプレーされ、充分な厚みをもったスプレーされたコーティング(被膜、被覆)が形成されるように、その装置(アプリケーション)を位置決めする(配置する)作業員がその湿潤混合物を手動で直接塗布(供給)することもできる。代替形態では、充分な厚みを有するスプレーされたコーティングが形成される所定位置にそのアプリケータ(塗布器、供給装置)を配置して、移動させるために機械的手段を使用することもできる。アプリケータが回転ヘッドの回転軸方向内で移動するときに、その標的表面上に連続するスプレー・コーティングを形成するのに充分な速度(レート、割合)でスピナー・ヘッドが回転している間に、そのアプリケータを移動させる機械的手段を設けることもできる。
【0006】
本発明の方法によれば、アプリケータのスピナー・ヘッドまたはノズルによって、例えば、真空引き脱ガス容器、および真空引き脱ガス装置のシュノーケル(吸排気)チューブの昇降脚、および例えばレードル(ladle:取鍋)のような冶金容器(vessel)の熱いまたは冷たい表面に、スプレー(噴霧、噴出)の形態で耐熱性物質を塗布(apply:供給)することができる。
【0007】
耐熱性物質が塗布された後は、スプレーで形成されたライニングまたは層は、例えば溶解(溶融)スラグおよび溶融(溶解)金属のような腐食性物質による攻撃、特に酸性および塩基性スラグおよびスチール(鋼鉄)による攻撃に対して、耐熱性または耐火性ライニングを維持することができる。
【0008】
ライニング(被覆、被膜)物質が約13℃乃至約1600℃の温度、或る実施形態では約1200℃乃至約1500℃の温度にある間に、耐熱性(耐火性)物質の塗布を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、真空脱ガス装置内で本発明のアプリケータを使用した場合と使用しない場合に実行されるキャンペーン用のタイム・テーブルを示す図である。
【図2】図2は、図1の4つのフェーズの各々に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図3】図3は、フェーズ1に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図4】図4は、フェーズ2に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図5】図5は、フェーズ3に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図6】図6は、4つのフェーズの各々に対する真空脱ガス装置の再ライニング前の加熱キャンペーンの平均長さまたは加熱の合計回数の例示である。
【図7】図7は、エア・フィッティングのない、本発明の装置の実施形態による典型例のアプリケータの例示、および耐熱性物質供給パイプからネジを緩めて取り外されたスピナー・ヘッドを示す図である。図8は、羽板上の複数の歯を示すスピナー・ヘッドの羽板の詳細図である。
【図9】図9は、2個の平らな側部およびベアリングを有する端部キャップ・リングを示す、アプリケータのハウジングの端部キャップの平面図である。
【図10】図10は、ハウジングの端部キャップの内側と嵌合(フィット)するベアリングの平面図である。
【図11】図11は、取り外されたハウジング端部キャップと共に示され且つエア・ロータ上のブレード(羽根)を示す装置(アプリケータ、アプリケーション)のハウジングの側面図である。
【図12】図12は、図11に示すエア・ロータから取り外された後のそのエア・ロータ用ブレードの両端部に形成されたテーパ角を示すそのブレードの詳細図である。
【図13】図13は、ブレード用のブレード・スロットを示す、ハウジングの基部部材(要素、ピース)中に示されたエア・ロータの上面の平面図である。
【図14】図14は、排気端部キャップをハウジングの基部部材に結合するための4個のボルトを示す排気端部キャップの平面図である。
【図15】図15は、ボルトが取り外された排気端部キャップの側面図と、エア・ロータ用の排気端部キャップ中の空洞を画定する内面と側壁を示す側面図である。
【図16】図16は、エア・ロータの内部およびエア・ロータの端部軸(シャフト)のネジ部分上の止め輪と一緒に示されたハウジング基部部材の側面図である。
【図17】図17は、ブレードの溝(スロット)を示すエア・ロータの側面図である。
【図18】図18は、ハウジング基部部材の側壁の内面上に形成されたステップ状の構造を示すそのハウジング基部部材の斜視図である。
【図19】図19は、本発明の一実施形態による典型例のプロセスで使用される装置の立面図である。
【図20】図20は、アプリケータの内側スリーブの平面図である。
【図21】図21は、標的面上に耐熱性ライニングを形成するための耐熱性物質の湿潤混合物のスプレーを示す、本発明のアプリケータの斜視図である。
【図22】図22は、作業員が本発明のアプリケータを使用して耐熱性物質をスプレーする状態を示す斜視図である。
【図23】図23は、水平のレードルに耐熱性物質のコーティングを施すためのシステムを示す側面図である。
【図24】図24は、垂直位置にあるレードルに耐熱性物質のコーティングを施すためのシステムの対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を、以下の詳細な説明および非限定的な例を参照して詳細に説明する。ここで、特別な記載がない限り、全ての温度は摂氏温度である。
【0011】
この分野の専門家であれば、さらに詳しく説明しなくても、先の説明を利用して本発明を最大限充分に利用できるものと確信する。従って、以下の実施形態は単なる例示であって、如何なる点においても開示の残りの部分を限定するものではないと、理解すべきである。
【0012】
以下、図を参照して詳細に説明する。ここで、複数の図面を通して同様の参照番号は同様の要素を示している。図7には、端部キャップ14および排気キャップ16に取り付けられたハウジングの基部(base)部材(piece:部品)12を有する、本発明によるアプリケータ(塗布器、供給装置)10が示されている。シュラウド(囲い板、側板)の基部部材18はハウジング22を取り囲むシュラウド(囲み板)20を支持している。ここでは、シュラウド20は、実質的に円筒(円柱)状として示されているが、ハウジング22を冷却するようにアプリケータ10のハウジング22に沿ってガス、ここでは空気、を通過または流通させることができる手段を実現することができる任意の形状または構成とすることもできる。シュラウド20の内壁24は輪郭形状(contour)または流路(通路、チャンネル)28を画定(define:規定)しており、これによって空気はその流路28中を矢印で示した方向に流れて開放状態のシュラウドの端部26から出て行く。シュラウド基部部材18を貫通して伸びるエア・フィッティング(air fitting:空気継手、空気管継手)30は、排気キャップ16に結合(fit up to:嵌合)されてアプリケータ10に空気を供給し、それによって、後で説明する図17に示されているようにロータ(回転子)32が回転する。
【0013】
アプリケータ10の長さを通して伸びる内側スリーブ34は、例えば図19に示すようにラインシュタール・ヘラウス(RH:Rheinstal Heraeus)脱ガス・シュノーケル38上の内側シュノーケル面36上に、湿潤(wet:湿った)混合物、ここでは標的(target:目標、対象、被塗布)面に塗布されるべき耐熱性(耐火性)物質(材料)を給送するための手段を形成する。
【0014】
エア・ロータ(空気回転子)32と共に回転するエア・ロータ・ヘッド・パイプ40は、ロータ・ヘッド・パイプ・ネジ切り(threaded)部分42を有し、その部分42はスピナー・ヘッド(回転ヘッド)の基部部材(base piece)46上の内側ネジ切り部分(図示せず)においてそのスピナー・ヘッド44に固定する手段を形成する。スピナー・ヘッドの基部部材46に結合された翼板(vanes)48はスピナー・ヘッドの前面部材(face piece)50に取り付けられている(固定されている)。スピナー・ヘッドのナット120はそのスピナー・ヘッドのワッシャ(washer:座金)122に隣接するスピナー・ヘッドのボルト124と係合(engage:嵌合)しており、それによって、相異なる厚みまたは数のスピナー・ヘッド・ワッシャ122および相異なる寸法のスピナー・ヘッド・ボルトを使用することによって、アプリケータ10の動作期間中、スピナー・ヘッドの内側面に向かう湿潤耐熱性物質の流れの状態(特性)を調整することができる。
【0015】
アプリケータ10の動作期間中、内側スリーブ34にポンプで給送される湿潤混合物はスピナー・ヘッドの開孔52を通り抜けて、そこでその湿潤混合物は内側のスピナー・ヘッド44の内側スピナー・ヘッド面54に当たる(engage)。内側スリーブ34から出た湿潤混合物は内側スピナー・ヘッド面54に向けて流れ、動作期間中回転するスピナー・ヘッド44の翼板48相互間を流れる。スピナー・ヘッド44が回転すると、翼板48の回転動作によって湿潤混合物、ここでは耐熱性物質、のコーティング(被覆物、塗装物)が、図19に示すようにそのスピナー・ヘッド44が軸を中心として回転する半径方向にスプレー(噴霧、噴出)される。
【0016】
アプリケータ10およびスピナー・ヘッド44を回転させる手段(ここではエア・ロータ32による)の動作については、ハウジング22をどのようにして分解するかについて説明することによって理解することができる。その排気端部キャップ・パイプ60を逆回して緩めてシュラウド基部部材18から外しシュラウド基部部材18をその排気キャプ・ネジ切り部分62から取外した後、必要であれば内側スリーブ継手34aを掴んで内側スリーブ34をねじる(twist)ことによって、その内側スリーブ34を排気端部キャップ・パイプ60の内側から取外すことができる。次いで、2本のアレン(allen)ボルト(図示せず)を端部キャップ開孔64から取外すことによって、端部キャップ14をハウジング22の残りの部分から取外すことができる。
【0017】
図9に示すように、止め輪(retaining ring:リテーニング・リング)66は、止め輪平坦側部(側面)(retaining ring flat sides)68を有する。止め輪66は両各面に止め輪溝(retaining ring groove)70を有し、その止め輪溝70は円錐台(truncated cone:切頭円錐)形状の軸受け(ベアリング)74の軸受け頂部分72を整列させるのに役立つ。一実施形態において、軸受け74は図10に示すようなボール・ベアリング76を有する。端部キャップ14が取外されると、ブレード(羽根)78は、図11に示されているように摩擦的嵌合から取外(解放)されて、図13に示されているようにブレード用スロット80から取外される。ブレード78はテーパ部分82を有する。
【0018】
そのハウジングのブレード78と反対側の端部には排気キャップ16が設けられている。図14に示されているように、4本の六角ボルト84が取外されて、ハウジングの基部部材12が排気キャップ16から分離される。排気キャップ16の周辺(周囲)に沿って6つの排気キャップ用開孔85が一緒に配置されて圧縮空気用の流路を形成して、その圧縮空気はブレード78を超えて通過した後排気されて、その結果としてエア・ロータ32の回転が生じる。また、ブレード78を保持するエア・ロータ32中のブレードのスロット80がオフセット構成であることにより、そのエア・ロータ32の回転を助ける。
【0019】
図16に示されているように、保持用ナット(retainer nut:リテーナ・ナット)86はエア・ロータ32に対しては回転しないが、ハウジング基部部材12に対しては実に回転するように、その保持用ナット86がエア・ロータ排気端部パイプ88のネジ切り部分と係合(螺合)することによって、エア・ロータ32はハウジング22と無関係に(ハウジング22から独立して)回転する。図18は、内側突条部(リッジ)90と、端部キャップ14を取り付ける(嵌合する)ことができる後退した端部(setback edge)92とを有するハウジング基部部材12を示している。ハウジング基部部材12には、端部キャップ14と結合するアレン・ボルトを収容するための開孔94が形成されている。
【0020】
本発明の装置の別の実施形態では、スピナー・ヘッド44の翼板56は、スピナー・ヘッド基部部材46からスピナー・ヘッド前面部材50にまで連続的に延びているのではなく、図8に示すように歯状部58を有する。
【0021】
さらに本発明の別の実施形態では、スピナー・ヘッド44を、電動機または油圧モータ(水力原動機)のようなモータ(動力装置)によって駆動することもできる。
【0022】
図19に示されているように、動作中において、エア・ライン(空気管)96を通してエア・フィッティング(空気継手、空気管継手)30に圧縮空気が供給される。制御(コントロール)パネル102と、例えば水のような湿潤剤(wetting agent)と乾燥した耐熱性物質とを混合するミキサ104とを有するミキサ・ユニット100のホッパー98に、乾燥した耐熱性(耐火性)物質が収容(配置)されている。ミキサの動作中、湿潤(wetted:湿った)耐熱性物質は、支持手段108によって支持されたホース(ホース・ライン)106を通してミキサ結合部(mixer fitting:ミキサ・フィッティング(嵌合部))110にポンプで給送される。その支持手段108は、ホース106を支持するための任意の手段であっても、または湿潤耐熱性物質用の運搬(搬送)手段であってもよく、それは予め定められた位置におけるその耐熱性物質の塗布の動作(操作)のためにアプリケータ(塗布器、供給装置)の移動を許容するものであってもよい。ここで、支持手段は、垂直部材108とホース106を係止または保持(把持)するためのクランプ(締付)手段とを含んでいる。そのクランプ手段は、ホース106の円形の断面輪郭形状(profile:外形)の一部に適合する(収容する)半円形の切欠き部(cutout:凹部、凹所)を有する水平部材126である。そのクランプ手段はボルト・クランプ手段112とクランプ手段ナット(ナット・クランプ手段)114とを含んでいる。
【0023】
図19において、耐熱性物質を予め定められた標的表面に塗布(apply:に供給、を被覆)するためにアプリケータを予め定められた動作位置に移動させる手段は、フォーク・リフトの操作員が上下することができるフォーク118を有するフォーク・リフト116である。別の実施形態では、標的表面がアプリケータによって耐熱性物質によってコーティング(被覆)される間に、その標的表面を水平および/または垂直成分を含む任意の方向に上下させまたは移動させられる間、アプリケータを同じ位置に保持することもできる。
【0024】
別の実施形態では、アプリケータによって標的表面がコーティングされる期間において、アプリケータとその標的表面の双方をそれぞれ垂直および/または水平成分を含む方向に移動させることもできる。
【0025】
さらに別の実施形態では、アプリケータによって標的表面がコーティングされる間に、アプリケータを垂直および/または水平成分を含む方向に移動させることもできる。
【0026】
別の実施形態では、フォーク・リフト以外の機械的手段を使用してアプリケータを上下させることもできる。
【0027】
例1
図1に記載されているように、フェーズ(段階、状況)1では、ニューヨーク州ニューヨークにあるミンテク インターナショナル インコーポレイテッド(Minteq International Inc.)製のOPTISHOT(登録商標)SPおよびECOSHOT(商標)30耐熱性(耐火性)物質を使用して、グラウティング(grouting:上塗り、グラウトを塗る)技術を使用してRH真空引き脱ガス装置(RH vacuum degasser)をメンテナンス(保守、手入れ)した。図2、3、6で分かるように、キャンペーン(一連の作業、活動、行動)が終了(EOC:end of campaign)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱(heats)キャンペーンの平均長さは、123(回)であった。
【0028】
例2
図1に示すように、フェーズ(段階)2では、OPTISHOT(登録商標)SP−FG耐熱性物質を使用して、グラウティング技術を使用してRH真空脱ガス装置の昇降用シュノーケル脚をメンテナンスした。図2、3、6で分かるように、キャンペーンが終了(EOC)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱キャンペーンの平均長さは、149(回)であった。
【0029】
例3
図1に示すように、フェーズ(段階)3では、OPTISHOT(登録商標)SP−FG耐熱性物質を使用して、スピナー・ヘッドを有する本発明のアプリケータ(塗布器、供給装置)を使用してRH真空脱ガス装置の昇降用シュノーケル脚をメンテナンスした。そのアプリケータでは、アラバマ州アニストン(Anniston)にあるブラストクリート(Blastcrete)社より市販されている2.5メートルの長さのシャフト上にAirline AL−20回転ノズルを使用した。そのアプリケータを2.5メートルの長さのシャフトに垂直に取り付け、1インチ(約2.54cm)のパイプで湿潤混合耐熱性物質をそのアプリケータに供給し、そのエア・ロータ(回転子)を駆動(付勢)するためにそのアプリケータに1/2インチ(約1.27cm)のエア・ラインを設けた。図2、3、6で分かるように、キャンペーンが終了(EOC)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱キャンペーンの平均長さは、171(回)であった。
【0030】
例4
図1に示すように、フェーズ(段階)4では、OPTISHOT(登録商標)SP−FG耐熱性物質を使用して、スピナー・ヘッドを有する本発明のアプリケータを使用してRH真空脱ガス装置の昇降用シュノーケル脚をメンテナンスした。そのアプリケータでは、アラバマ州アニストン(Anniston)にあるブラストクリート(Blastcrete)社より市販されているAirline AL−20回転ノズルを使用し、ドイツ国ニューエンベルク(Neuenberg)にあるエム−テック マチス テクニック ゲーエムベーハー(M-Tec Mathis Technik GmbH)社より市販されているDuo Mix 2000ミキサ・ユニットを使用した。図2、6で分かるように、キャンペーンが終了(EOC)するまでのRH真空脱ガス装置の加熱キャンペーンの平均長さは、177(回)であった。代替形態として、ミンテク インターナショナル インコーポレイテッド(Minteq International Inc.)製のMix−O−Matミキサ・ユニットのような他のミキサ・ユニットを使用することもできる。
【0031】
上述の試験コーティングは耐熱性(耐火性)ライニングとして塗布(適用、形成)された。このライニングは、密度、強度、乾燥度、耐亀裂性、予備加熱(耐予備加熱性)、溶融金属(耐溶融金属性)および耐性、耐久度(持続力)およびシーケンス(連続)の各要求に関してその領域において要求される性能に適合し、または要求される性能を超えるものであった。
【0032】
本発明の一実施形態では、そのアプリケータは、本体(body)が加熱されている状態にある間に、金属製容器(metallurgical vessel)または金属製本体の内側表面上にモノリシック耐熱性物質(monolithic refractory material:一体型耐熱性物質)を被覆(コーティング)することができる。標的表面をコーティングまたはライニングするために本発明の方法または装置によって成形(fabricate)または修理されるその標的表面は、冷却された表面から加熱された表面までの任意の温度の表面でよい。一実施形態では、その標的表面は約1200℃から約1500℃の範囲の温度とすることができる。
【0033】
本発明の方法では、腐食性物質(材料)にそのライニングを曝す前および後に、共に約1乃至3cmから約3乃至8cmの厚みの耐熱性(耐火性)ライニングの層を形成するために、コーティング(被覆物)を塗布(適用)することができる。より厚い耐熱性ライニングを形成すると、金属製容器または金属製構造体をメンテナンス(保守、維持)のに要求される塗布の頻度を低減することができる。所望の厚みのコーティングが形成されるまで、アプリケータを標的表面に対して繰り返し昇降(上昇および下降)移動させることができる。
【0034】
コーティングまたはライニングされる構造体としては、例えばレードルのような円筒状本体、真空脱ガス・シュノーケル、または真空脱ガス容器とすることができる。
【0035】
一実施形態では、物質(材料)は、アプリケータによって毎分約55乃至約75kgの割合(速度、レート)で塗布(供給)された。
【0036】
別の実施形態では、アプリケータを支持する手段およびそのアプリケータに対してレードルを相対的に移動させる手段を設けることによって、本発明の方法および装置を使用して、金属処理(metallurgical operation:冶金処理)で使用されるレードルまたはCAS−OBベル(鐘状部:bell)の内側表面に、耐熱性物質をライニングすることができる。
【0037】
図22には、水平位置にあるレードル132の内側表面130に耐熱性物質のコーティング(被覆物)をスプレー(噴射)するような形態で耐熱性物質の湿潤混合物をアプリケータ10に供給するホース106を保持(支持)する作業員128が示されている。図22に示されたシステムを用いて、室温または作業員が図22に示された方法を安全に遂行することができる温度のレードルの内側表面に、耐熱性ライニングを形成することができる。
【0038】
図23には、金属製容器、ここではトラニオン(trunions 、trunnions:砲耳、抽筒子軸)138を有する水平位置にあるレードル132、の壁の内側表面に、耐熱性物質をスプレーすることができる本発明のアプリケータを支持する手段が示されている。昇降台(lift platform:リフト・プラットフォーム)136を有する交叉形リフト・トラック(scissors lift truck)134が、部材108とホース106を保持(把持、係止)するクランプ手段を支持している。そのクランプ手段は、ホース106の円形断面形状の一部と適合する(を収容する)半円形の切欠き部分(凹部)を有する水平部材126である。そのクランプ手段は、ボルト・クランプ手段112およびクランプ手段ナット(ナット・クランプ手段)114を含んでいる。
【0039】
図24には、さらに別の実施形態における、金属製容器、ここではトラニオン138を有する垂直位置にあるレードル132、の各壁の内側表面に、耐熱性物質をスプレーすることができる本発明のアプリケータを支持する手段が示されている。支持部材142を有するジブ・クレーン(jib crane)140が、非柔軟性または剛性のホース106aを上昇および下降させる手段を有する電動機144を支持している。その非柔軟性のホース106aは実質的に硬質で曲がらないものとすることができる。非柔軟性のホース106aを上昇および下降させる手段は、作業員が操作する電気機械型の駆動モータ(図示せず)によって引き上げられまた解放されるモータ・チェーン152とすることができる。
【0040】
非柔軟性ホース106aをレードル132の垂直軸におけるそのレードル132の中心に配置(位置決め)するために、電動機144は、支持部材142に沿ってその電動機144を移動させる手段を有する。支持部材142に沿って電動機144を移動させるその手段は、作業員が支持部材142に沿って電動機144を引っ張ることができるチェーン(図示せず)とすることができる。
【0041】
ジブ・クレーン140は、電動機144がホース106aとアプリケータ10とを支持するように、支持部材142を予め定められた位置に旋廻させる(pivot)手段を具えている。支持手段142を旋廻させるその手段は、ヒンジ・ピン150である。
【0042】
レードル132は、そのレードル132を支持する手段、ここではレードル支持体146、を有することができ、それ(レードル支持体146)はレードル132を予め定められた位置に維持する手段を実現する。
【0043】
耐熱性ライニングを腐食性物質に初めに曝す前に、耐熱性物質の塗布(供給、適用)を実行することができる。耐熱性物質上に形成されたライニングの侵食(erosion)および/または腐食(corrosion)の度合い次第で(に応じて)、その耐熱性ライニング上に腐食性物質がそれぞれ出現した(run:走った)後でも、耐熱性物質に対して本発明の耐熱性物質を必ずしも再塗布(再供給)する必要はない。
【0044】
従って、本発明の上述の説明は、この分野の専門家によって大幅な変形、変更および適応化が可能であり、このような変形、変更および適応化についても添付の請求の範囲に記載されている本発明の範囲に含まれることを意図している。
【0045】
上述の装置は、耐熱性ライニングの形成または修理の適用以外のものにも使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の内面上に耐熱性物質をスプレーする方法であって、
前記容器の内面と対向する予め定められた位置にノズルを有するアプリケータを配置し、
前記アプリケータ上の前記ノズルを回転可能に支持し、
前記アプリケータを通して前記ノズルに湿潤耐熱性物質を給送し、
前記アプリケータに空気を供給し、
前記ノズルを予め定められた回転方向に回転させ、
スプレーにおいて前記湿潤耐熱性物質を前記ノズルから前記容器の内面の予め定められた領域に塗布すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記湿潤耐熱性物質は、前記内面の前記予め定められた領域の温度が或る上げられた温度である間に、塗布されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記湿潤耐熱性物質は、前記内面の前記予め定められた領域の温度が約1200℃乃至約1500℃の温度である間に塗布されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記湿潤耐熱性物質は、前記内面の前記予め定められた領域の温度が約13℃乃至約1600℃の温度である間に塗布されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記アプリケータへの空気の供給によって前記アプリケータを前記容器の温度より低い温度に冷却する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記容器の内面の前記予め定められた領域は、レードル上、真空脱ガス装置上、真空脱ガス装置シュノーケル上、またはCAS−ORベル上にあるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記湿潤耐熱性物質は、毎分約55kg乃至約75kgの割合で塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記湿潤耐熱性物質は、前記予め定められた回転方向の軸に対して実質的に半径方向に供給されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記容器の内面の前記予め定められた領域上に耐熱性物質の連続するコーティングを形成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記容器の内面の前記予め定められた領域の前記コーティングは、約1cm乃至約8cmの範囲の厚さである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記容器の内面の前記予め定められた領域の前記コーティングは、約3センチメートル乃至約8cmの範囲の厚さである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記アプリケータを前記ノズルの回転軸の方向に沿って移動させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記湿潤耐熱性物質の塗布の期間中に前記アプリケータに対して前記容器を移動させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
容器の内面上に耐熱性物質をスプレーするシステムであって、
前記容器の内面と対向する予め定められた位置にノズルを有するアプリケータを配置する手段と、
前記アプリケータ上の前記ノズルを回転可能に支持する手段と、
前記アプリケータを通して前記ノズルに湿潤耐熱性物質を給送する手段と、
前記アプリケータに空気を供給する手段と、
前記ノズルを予め定められた回転方向に回転させる手段と、
スプレーにおいて前記湿潤耐熱性物質を前記ノズルから前記容器の内面の予め定められた領域に塗布する手段と、
を含む、システム。
【請求項15】
前記湿潤耐熱性物質を給送する前記手段はミキサ装置およびポンプである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記アプリケータを配置する前記手段はフォーク・リフトである、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記アプリケータを配置する前記手段はジブ・クレーンである、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ノズルを回転させる手段は電動機である、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
さらに、前記アプリケータを前記容器の前記予め定められた領域の温度より低い温度に冷却する手段を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
さらに、前記アプリケータの周囲に配置されたシュラウドを含み、
前記アプリケータを冷却する前記手段は、前記シュラウドと前記アプリケータの間のチャンネルであって、該チャンネルを通る前記アプリケータを冷却する空気の流れを形成するチャンネルである、請求項19に記載のシステム。
【請求項1】
容器の内面上に耐熱性物質をスプレーする方法であって、
前記容器の内面と対向する予め定められた位置にノズルを有するアプリケータを配置し、
前記アプリケータ上の前記ノズルを回転可能に支持し、
前記アプリケータを通して前記ノズルに湿潤耐熱性物質を給送し、
前記アプリケータに空気を供給し、
前記ノズルを予め定められた回転方向に回転させ、
スプレーにおいて前記湿潤耐熱性物質を前記ノズルから前記容器の内面の予め定められた領域に塗布すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記湿潤耐熱性物質は、前記内面の前記予め定められた領域の温度が或る上げられた温度である間に、塗布されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記湿潤耐熱性物質は、前記内面の前記予め定められた領域の温度が約1200℃乃至約1500℃の温度である間に塗布されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記湿潤耐熱性物質は、前記内面の前記予め定められた領域の温度が約13℃乃至約1600℃の温度である間に塗布されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記アプリケータへの空気の供給によって前記アプリケータを前記容器の温度より低い温度に冷却する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記容器の内面の前記予め定められた領域は、レードル上、真空脱ガス装置上、真空脱ガス装置シュノーケル上、またはCAS−ORベル上にあるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記湿潤耐熱性物質は、毎分約55kg乃至約75kgの割合で塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記湿潤耐熱性物質は、前記予め定められた回転方向の軸に対して実質的に半径方向に供給されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記容器の内面の前記予め定められた領域上に耐熱性物質の連続するコーティングを形成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記容器の内面の前記予め定められた領域の前記コーティングは、約1cm乃至約8cmの範囲の厚さである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記容器の内面の前記予め定められた領域の前記コーティングは、約3センチメートル乃至約8cmの範囲の厚さである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記アプリケータを前記ノズルの回転軸の方向に沿って移動させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記湿潤耐熱性物質の塗布の期間中に前記アプリケータに対して前記容器を移動させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
容器の内面上に耐熱性物質をスプレーするシステムであって、
前記容器の内面と対向する予め定められた位置にノズルを有するアプリケータを配置する手段と、
前記アプリケータ上の前記ノズルを回転可能に支持する手段と、
前記アプリケータを通して前記ノズルに湿潤耐熱性物質を給送する手段と、
前記アプリケータに空気を供給する手段と、
前記ノズルを予め定められた回転方向に回転させる手段と、
スプレーにおいて前記湿潤耐熱性物質を前記ノズルから前記容器の内面の予め定められた領域に塗布する手段と、
を含む、システム。
【請求項15】
前記湿潤耐熱性物質を給送する前記手段はミキサ装置およびポンプである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記アプリケータを配置する前記手段はフォーク・リフトである、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記アプリケータを配置する前記手段はジブ・クレーンである、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ノズルを回転させる手段は電動機である、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
さらに、前記アプリケータを前記容器の前記予め定められた領域の温度より低い温度に冷却する手段を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
さらに、前記アプリケータの周囲に配置されたシュラウドを含み、
前記アプリケータを冷却する前記手段は、前記シュラウドと前記アプリケータの間のチャンネルであって、該チャンネルを通る前記アプリケータを冷却する空気の流れを形成するチャンネルである、請求項19に記載のシステム。
【図1】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2010−528847(P2010−528847A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511217(P2010−511217)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/007188
【国際公開番号】WO2008/153982
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(502159859)スペシャルティ ミネラルズ (ミシガン) インコーポレーテツド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/007188
【国際公開番号】WO2008/153982
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(502159859)スペシャルティ ミネラルズ (ミシガン) インコーポレーテツド (6)
【Fターム(参考)】
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