説明

耐燃性改良製品

本発明は、ポリカーボネートおよび2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−1)0.0001wt.%〜0.5wt.%および防炎添加剤0.01wt.%〜30.00wt.%を含む組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネートおよび2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−1)0.0001wt.%〜0.5wt.%および防炎添加剤0.01wt.%〜30.00wt.%を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
防炎加工合成成形材料は、多数の用途に用いられている。そのような合成材料の典型的な応用分野は、電気工学および電子工学であって、特に、電圧通過部品のキャリアを製造する目的で用いられるかまたはテレビのハウジングおよびモニターのハウジングの形態で用いられる。それだけでなく、防炎加工合成材料は、更に、それ自体、鉄道車両および航空機の内装品の分野でも定着されてきた。良好な防炎性に加えて、この分野において使用される合成材料は、更に別のポジティブな特性も高レベルで示さなければならない。これらとしては、特に、機械的特性、例えば高い衝撃強さおよび更に熱応力または光の作用による起こりうるダメージに関する十分な長期安定性が挙げられる。そのような特性の組み合わせは、達成が容易ではない。合成材料における所望の耐燃性は、一般的に、防炎加工剤を用いて容易に調節されるが、この目的に関してしばしば比較的多量の防炎加工剤が必要とされ、このことが速やかに別の特性、例えば機械的特性、の劇的な悪化をもたらす。
【0003】
この関連で、US 2003/0069338は、防炎加工成形材料であって、シアノアクリレートと防炎加工剤との相乗組み合わせ物を含む防炎加工成形材料を開示している。このようにして完成された成形材料は、改良された耐燃性および改良された耐候性が認められている。
【0004】
EP 1308084は、紫外線吸収剤の特別な組み合わせに加えて防炎加工剤を更に含みうるポリマー組成物を開示しており、この防炎加工剤は詳細に記述されていない。
【0005】
EP 1762591は、ポリカーボネートおよび2,4−ビス−(4−フェニルフェニル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンタイプの紫外線吸収剤および任意に別の安定剤を含む組成物を開示している。防炎加工剤はこの出願の対象ではない。
【0006】
光安定構造体であって、特にトリアジン含有紫外線吸収剤と共に提供されるポリマーフィルムを含む光安定構造体がUS 2004/0209020において請求項に記載されている。
【0007】
US 2006/0234061は、ポリアルキレン(メタ)アクリレートおよび2,4−ビス−(4−フェニルフェニル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンタイプの化合物を含む紫外線保護層並びにポリカーボネートを含む第2層を備えるマルチレイヤーシステムを記述している。
【0008】
ビフェニル置換トリアジン化合物がUS 6,255,483および更にGB 2317174に記述されている。別の添加剤との混合物が一般形態で言及されている。しかしながら、改良された防炎特性を有する組成物の製造に関連する詳細な教示は、この書類からは得られない。
【0009】
2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−19)は、紫外線吸収剤として、例えばEP 1308084に記述されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改良された防炎特性を示すポリカーボネートを含む組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の範囲内で、防炎加工剤と少量の2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−1)との相乗組み合わせ物を用いるポリカーボネートを含む組成物の仕上げが組成物の防炎性を驚くほど明らかに改良することがわかった。
【0012】
従って、本発明は、ポリカーボネートおよび2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−19)0.0001wt.%〜0.5wt.%および防炎添加剤0.005wt.%〜30.00wt.%を含む組成物に関する。
【0013】
本明細書中の表現「防炎添加剤0.005wt.%〜30.00wt.%」は、1種類の防炎添加剤に限定せず、防炎添加剤の混合物も更に包含する。
【0014】
そのような組成物は、さまざまな用途に有利に用いられうる。これらとしては、例えば、電気/電子の分野における利用、例えばランプハウジング、電路遮断器、マルチポイントコネクタ(multipoint connectors)またはテレビおよびモニターのハウジングが挙げられる。本発明による組成物は、更に、建築または工業用のグレージングのためのシートの形態で、鉄道車両および航空機の内装用の装飾として(これらは、それぞれ、耐燃性に関して厳しい要求が課される。)、用いられうる。
【0015】
本発明は、更に、本発明による組成物の製造方法であって、ポリカーボネートおよび2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−1)0.0001wt.%〜0.5wt.%および防炎添加剤0.01wt.%〜30.00wt.%を、要すれば溶媒中で、一緒にし、混合し、それによって要すれば均質化を行い、溶媒を除去することを特徴とする製造方法にも関する。
【0016】
本発明による組成物用のポリカーボネートは、ホモポリカーボネート、コポリカーボネートおよび熱可塑性ポリエステルカーボネートである。
【0017】
本発明によるポリカーボネートおよびコポリカーボネートの平均分子量(重量平均)は、一般的に、2000〜200,000、好ましくは3000〜150,000、特に5000〜100,000、より特に好ましくは8000〜80,000、特に12,000〜70,000である(ポリカーボネート較正を伴うGCによって決定される。)。
【0018】
更に、この範囲内で、好ましくは、平均分子量Mは16,000〜40,000g/molである。
【0019】
本発明による組成物に関するポリカーボネートの製造に関して、例えば、Schnell,“Chemistry and Physics of Polycarbonates”,Polymer Reviews,第9巻,Interscience Publishers,ニューヨーク,ロンドン、シドニー 1964年、D.C.PREVORSEK,B.T.DEBONA and Y.KESTEN,Corporate Research Center,Allied Chemical Corporation,モリスタウン,ニュージャージー,07960,“Synthesis of Poly(ester)carbonate Copolymers”in Journal of Polymer Science,Polymer Chemistry Edition,第19巻,75〜90(1980年)、D.Freitag,U.Grigo,R.R.Mueller,N.Nouvertne,Bayer AG,“Polycarbonates”in Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,第11巻,第2版,1988年,648〜718頁、およびDrs.U.Grigo,K.Kircher and P.R.Mueller“Polycarbonate”in Becker/Braun,Kunststoff−Handbuch,第3/1巻,Polycarbonate,Polyacetale,Polyester,Celluloseester,Carl Hanser Verlag Munich,ウィーン 1992年,117〜299頁を参照しうる。製造は、好ましくは界面法または溶融エステル交換法によって行われ、最初に界面法に基づいて例示的に説明する。
【0020】
出発化合物として好ましく用いられる化合物は、一般式HO−Z−OH(式中、Zは、炭素原子を6〜30個有し、一以上の芳香族基を含む二価の有機残基である。)のビスフェノールである。そのような化合物の例は、ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、インダンビスフェノール、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトンおよびα,α’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼンを包含する群に属するビスフェノールである。
【0021】
上記化合物の群に属する特に好ましいビスフェノールは、ビスフェノールA、テトラアルキルビスフェノールA、4,4−(メタ−フェニルジイソプロピル)ジフェノール(ビスフェノールM)、4,4−(パラ−フェニレンジイソプロピル)ジフェノール、N−フェニルイサチンビスフェノール、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BP−TMC)、2−ヒドロキシカルビル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)フタルイミジンによって示されるタイプのビスフェノール、特に2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、および更に要すればそれらの混合物である。ビスフェノールAベースのホモポリカーボネートおよびモノマービスフェノールAと1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとベースのコポリカーボネートが特に好ましい。本発明によって用いられるビスフェノール化合物は、炭酸化合物、特にホスゲン、または、溶融エステル交換法の場合、ジフェニルカーボネートもしくはジメチルカーボネート、と共に転化される。
【0022】
ポリエステルカーボネートは、上記ビスフェノールと少なくとも一種類の芳香族ジカルボン酸と要すれば炭酸同等物との転化によって得られる。好適な芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、3,3’−または4,4’−ジフェニルジカルボン酸およびベンゾフェノンジカルボン酸である。ポリカーボネート中のカーボネート基の一部、80mol%以下、好ましくは20mol%〜50mol%が芳香族ジカルボン酸エステル基によって置換されていてもよい。
【0023】
界面法の場合に使用される不活性有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、種々のジクロロエタンおよびクロロプロパン化合物、テトラクロロメタン、トリクロロメタン、クロロベンゼンおよびクロロトルエンである。クロロベンゼンまたはジクロロメタンまたはジクロロメタンとクロロベンゼンとの混合物が好ましく用いられる。
【0024】
界面反応は、触媒、例えば第三級アミン、特にN−アルキルピペリジンまたはオニウム塩によって促進されうる。トリブチルアミン、トリエチルアミンおよびN−エチルピペリジンが好ましく使用される。溶融エステル交換法の場合、DE−A 4238123に挙げられる触媒が使用される。
【0025】
ポリカーボネートは、少量の分枝剤の使用によって、意図的にかつ制御された方法で分枝されうる。好適な分枝剤には、イサチンビスクレゾール、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、ヘキサ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェニル)オルトテレフタル酸エステル、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン、α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、1,4−ビス(4’,4’’−ジヒドロキシトリフェニル)メチルベンゼン、特に、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよびビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールがある。
【0026】
要すれば付随して使用される分枝剤または分枝剤の混合物、用いられるジフェノールに対して0.05〜2mol%、はジフェノールと共に用いられうるが、合成の後の段階で添加してもよい。
【0027】
連鎖停止剤が用いられうる。連鎖停止剤として、フェノール類、例えばフェノール、アルキルフェノール、例えばクレゾールおよび4−tert.−ブチルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、クミルフェノールまたはそれらの混合物、ビスフェノール1モルあたり1〜20mol%、好ましくは2〜10mol%、が好ましく使用される。フェノール、4−tert.−ブチルフェノールまたはクミルフェノールが好ましい。
【0028】
連鎖停止剤および分枝剤は、合成に単独で、またはビスフェノールと共に添加されうる。
【0029】
本発明による好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールAホモポリカーボネートである。
【0030】
代わりに、本発明によるポリカーボネートは、溶融エステル交換法によって製造されてもよい。溶融エステル交換法は、例えば、Encyclopedia of Polymer Science,第10巻(1969年),Chemistry and Physics of Polycarbonates,Polymer Reviews,H.Schnell,第9巻,John Wiley and Sons,Inc.(1964年)および更にDE−C 1031512に記述されている。
【0031】
溶融エステル交換法の場合、界面法との関連で既に記述した芳香族ジヒドロキシ化合物を、好適な触媒および、要すれば、別の添加剤を用いて、溶融状態で炭酸ジエステルとエステル交換する。
【0032】
本発明における炭酸ジエステルは、式(1)および(2)
【化1】

(式中、R、R’およびR’’は、互いに独立して、H、任意に分枝していてもよいC〜C34アルキル/シクロアルキル、C〜C34アルカリールまたはC〜C34アリールである。)
の炭酸ジエステル、
例えば、
ジフェニルカーボネート、ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジブチルフェニルカーボネート、イソブチルフェニルフェニルカーボネート、ジイソブチルフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルカーボネート、n−ペンチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(n−ペンチルフェニル)カーボネート、n−ヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(n−ヘキシルフェニル)カーボネート、シクロヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジシクロヘキシルフェニルカーボネート、フェニルフェノールフェニルカーボネート、ジフェニルフェノールカーボネート、イソオクチルフェニルフェニルカーボネート、ジイソオクチルフェニルカーボネート、n−ノニルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(n−ノニルフェニル)カーボネート、クミルフェニルフェニルカーボネート、ジクミルフェニルカーボネート、ナフチルフェニルフェニルカーボネート、ジナフチルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(ジ−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ジクミルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(ジクミルフェニル)カーボネート、4−フェノキシフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−フェノキシフェニル)カーボネート、3−ペンタデシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(3−ペンタデシルフェニル)カーボネート、トリチルフェニルフェニルカーボネート、ジトリチルフェニルカーボネート、
好ましくは、
ジフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルカーボネート、フェニルフェノールフェニルカーボネート、ジフェニルフェノールカーボネート、クミルフェニルフェニルカーボネート、ジクミルフェニルカーボネート、
特に好ましくはジフェニルカーボネート
である。
【0033】
上記炭酸ジエステルの混合物を用いてもよい。
【0034】
炭酸エステルの割合は、ジヒドロキシ化合物に対して、100〜130mol%、好ましくは103〜120mol%、特に好ましくは103〜109mol%である。
【0035】
本発明における触媒として、列挙した文献に記述されている塩基性触媒、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物および酸化物、並びにアンモニウムおよびホスホニウム塩(以下、オニウム塩という。)、が溶融エステル交換法において用いられる。この方法において、好ましくはオニウム塩、特に好ましくはホスホニウム塩が用いられる。本発明におけるホスホニウム塩は、式(3)
【化2】

(式中、
1〜4は、同一であっても異なっていてもよく、C〜C10アルカン、C〜C10アリール、C〜C10アラルキルまたはC〜Cシクロアルキル、好ましくはメチルまたはC〜C14アリール、特に好ましくはメチルまたはフェニルであり、
は、アニオン、例えばヒドロキシド、スルフェート、ハイドロゲンスルフェート、ハイドロゲンカーボネート、カーボネート、ハライド、好ましくはクロリド、または式OR(式中、RはC〜C14アリールまたはC〜C12アラルキル、好ましくはフェニルである。)のアルコレートである。)
のホスホニウム塩である。好ましい触媒は、
テトラフェニルホスホニウムクロリド、
テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、
テトラフェニルホスホニウムフェノレート、
特に好ましくはテトラフェニルホスホニウムフェノレート
である。
【0036】
触媒は、好ましくは、ビスフェノール1モルに対して10−8mol〜10−3mol、特に好ましくは10−7mol〜10−4molの量で用いられる。
【0037】
重合の速度を増加させるために、別の触媒を単独で使用しても、要すればオニウム塩に加えて使用してもよい。前記触媒としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウムの水酸化物、アルコキシドおよびアリールオキシド、が挙げられ、好ましくはナトリウムの水酸化物塩、アルコキシド塩またはアリールオキシド塩である。水酸化ナトリウムおよびナトリウムフェノレートが最も好ましい。共触媒の量は、それぞれナトリウムとして計算して、1〜200ppb、好ましくは5〜150ppb、最も好ましくは10〜125ppbの範囲内である。
【0038】
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融状態におけるエステル交換反応は、好ましくは、二段階で行われる。第一段階において、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの融解を温度80℃〜250℃、好ましくは100℃〜230℃、特に好ましくは120℃〜190℃において、常圧のもとで、0時間〜5時間、好ましくは0.25時間〜3時間行う。触媒の添加後、真空(2mmHg)を適用し、温度を(260℃まで)上昇させることによってモノフェノールを留去することによって芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからオリゴカーボネートを製造する。この留去の間、このプロセスで生じる蒸気の主な量が発生する。このようにして製造されるオリゴカーボネートの平均分子量M(光散乱によって較正される、ジクロロメタン中またはフェノール/o−ジクロロベンゼンの等重量混合物中の相対溶液粘度の測定によって確認される。)は、2000g/mol〜18,000g/mol、好ましくは4000g/mol〜15,000g/molである。
【0039】
重縮合における第二段階において、圧力2mmHg未満において温度を更に250℃〜320℃、好ましくは270℃〜295℃まで上昇させることによってポリカーボネートを製造する。この段階の間、蒸気の残留物をこのプロセスから除去する。
【0040】
触媒を互いの組み合わせ(2種類以上)で用いてもよい。
【0041】
アルカリ金属/アルカリ土類金属触媒の使用の場合、アルカリ金属/アルカリ土類金属触媒を後で(例えば、重縮合の場合、オリゴカーボネートの合成後の第2段階において)添加することが有利である。
【0042】
ポリカーボネートを形成する芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応は、本発明による方法において、例えば撹拌容器、薄膜式蒸発装置、流下液膜式蒸発器、撹拌容器のカスケード、押出機、ニーダー、シンプルディスクタイプリアクター(simple disc−type rectors)および高粘度ディスクタイプリアクター(high−viscosity disc−type reactors)、において、不連続的に行われても好ましくは連続的に行われてもよい。
【0043】
界面法と類似した方法で、分枝ポリカーボネートまたはコポリカーボネートは、多官能性化合物を使用して製造されうる。
【0044】
別の芳香族ポリカーボネートおよび/または別の合成材料−例えば芳香族ポリエステルカーボネート、芳香族ポリエステル、例えばポリブチレンテレフタレートもしくはポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルアミド、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えばポリアルキル(メタ)アクリレート、ここで、特に、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリオレフィン、ハロゲン含有ポリマー、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリシロキサン、ポリベンズイミダゾール、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、エポキシド樹脂、ポリスチレン、スチレンもしくはα−メチルスチレンとジエンもしくはアクリル酸誘導体とのコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンベースのグラフトポリマーまたはアクリレートゴム(例えばEP−A 640655に記載のグラフトポリマー参照。)もしくはシリコーンゴムベースのグラフトコポリマー−を本発明によるポリカーボネートおよびコポリカーボネートに既知の方法で、例えば配合によって、混合してもよい。
【0045】
これらの熱可塑性樹脂に常套の添加剤−例えば充填剤、紫外線安定剤、熱安定剤、帯電防止剤および顔料−を更に常套の量で本発明によるポリカーボネートおよび、適切である場合、含まれる別の合成材料に添加してもよい。離型性、流動性、および/または耐燃性を、要すれば、表面用離型剤、フリーフロー剤(free−flow agent)および/または防炎加工剤(例えばアルキルおよびアリールホスファイト、ホスフェート、ホスファン、低分子カルボン酸エステル、ハロゲン化合物、塩、チョーク、石英粉末、グラスファイバー、カーボンファイバー、顔料並びにそれらの組み合わせ)の添加によって改良してもよい。そのような化合物は、例えば、WO 99/55772,15〜25頁、EP 1308084および“Plastics Additives Handbook”,Hans Zweifel編,第5版 2000年,Hnaser Publishers,ミュンヘンの対応する章に記述されている。
【0046】
本発明における好適な防炎加工剤は、特に、スルホン酸、スルホンアミドおよびスルホンイミドの脂肪族および芳香族誘導体のアルカリまたはアルカリ土類金属塩、例えばカリウムペルフルオロブタンスルホネート、カリウムジフェニルスルホンスルホネート、N−p−(トルイルスルホニル)−p−トルエンスルフィミドカリウム塩、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドカリウム塩である。
【0047】
本発明による成形材料において要すれば使用してもよい塩は、例えば、ナトリウムまたはカリウムペルフルオロブタンスルホネート、ナトリウムまたはカリウムペルフルオロメタンスルホネート、ナトリウムまたはカリウムペルフルオロオクタンスルフェート、ナトリウム−またはカリウム−2,5−ジクロロベンゼンスルフェート、ナトリウム−またはカリウム−2,4,5−トリクロロベンゼンスルフェート、ナトリウムまたはカリウムメチルホスホネート、ナトリウム−またはカリウム−(2−フェニルエチレン)ホスホネート、ナトリウムまたはカリウムペンタクロロベンゾエート、ナトリウム−またはカリウム−2,4,6−トリクロロベンゾエート、ナトリウム−またはカリウム−2,4−ジクロロベンゾエート、リチウムフェニルホスホネート、ナトリウムまたはカリウムジフェニルスルホンスルホネート、ナトリウム−またはカリウム−2−ホルミルベンゼンスルホネート、ナトリウム−またはカリウム−(N−ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホンアミド、三ナトリウムまたは三カリウムヘキサフルオロアルミネート、二ナトリウムまたは二カリウムヘキサフルオロチタネート、二ナトリウムまたは二カリウムヘキサフルオロシリケート、二ナトリウムまたは二カリウムヘキサフルオロジルコネート、ナトリウムまたはカリウムピロホスフェート、ナトリウムまたはカリウムメタホスフェート、ナトリウムまたはカリウムテトラフルオロボレート、ナトリウムまたはカリウムヘキサフルオロホスフェート、ナトリウムまたはカリウムまたはリチウムホスフェート、N−(p−トルイルスルホニル)−p−トルエンスルフィミドカリウム塩、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドカリウム塩である。
【0048】
ナトリウムまたはカリウムペルフルオロブタンスルフェート、ナトリウムまたはカリウムペルフルオロオクタンスルフェート、ナトリウムまたはカリウムジフェニルスルホンスルホネートおよびナトリウム−またはカリウム−2,4,6−トリクロロベンゾエートおよびN−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルフィミドカリウム塩、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドカリウム塩が好ましい。カリウムノナ−フルオロ−1−ブタンスルホネートおよびナトリウムまたはカリウムジフェニルスルホン酸スルホネートがより特に好ましい。カリウムノナ−フルオロ−1−ブタンスルホネートは、特に、Bayowet(登録商標)C4(ドイツ国レーフェルクーゼンのLanxess、CAS番号29420−49−3)、RM64(イタリア国のMiteni)または3MTM Perfluorobutanesulfonyl Fluoride FC−51(米国、3M)として市販されている。列挙した塩の混合物が同様に好適である。
【0049】
これらの防炎性有機酸塩(organic flameproofing salt)は、成形材料中に、それぞれ全組成物に対して、0.01wt.%〜1.0wt.%、好ましくは0.01wt.%〜0.8wt.%、特に好ましくは0.01wt.%〜0.6wt.%の量で用いられる。
【0050】
更なる防炎加工剤として、モノマーおよびオリゴマーリン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスホネートアミン、ホスホネート、ホスフィネート、ホスファイト、ハイポホスファイト、ホスフィンオキシドおよびホスファゼンを包含する群から選択されるリン含有防炎加工剤を考慮し、この関連で、例えば、これらの群の一以上から選択される数種類の成分の混合物が防炎加工剤として適用される。他の、ここでは特に言及されない、好ましくはハロゲンフリーの、リン化合物もまた、単独で、または他の、好ましくはハロゲンフリーのリン化合物との任意の組み合わせで、用いられうる。これらとしては、更に、完全に無機のリン化合物、例えばリン酸ホウ素水和物、も挙げられる。更に、ホスホネートアミンもリン含有防炎加工剤として考慮に入る。ホスホネートアミンの製造は、例えば、米国特許明細書第5,844,028号に記述されている。ホスファゼンおよびその製造は、例えば、EP−A 728811、DE−A 1961668およびWO 97/40092に記述されている。シロキサン、リン酸化オルガノシロキサン、シリコーンまたはシロキシシランもまた、防炎加工剤として適用されうる。このことは、例えば、EP 1342753、DE 10257079AおよびEP 1188792に更に詳細に記述されている。
【0051】
フェニルトリス−トリメチルシロキシシラン(CAS番号2116−84−9)を本発明の範囲内で用いた。
【0052】
本発明の範囲内で、一般式(4)
【化3】

(式中、
〜R20 は、互いに独立して、水素、C原子6個以下の直鎖または分枝アルキル基であり、
n は、0.5〜50の平均値であり、
B は、それぞれ、C〜C12アルキル、好ましくはメチル、またはハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素であり、
q は、それぞれ、互いに独立して、0、1または2であり、
X は、単結合、C=O、S、O、SO、C(CH、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、C〜Cシクロアルキリデン、C〜C52アリーレンであって、任意にヘテロ原子を含んでいてもよい別の芳香環が縮合していてもよいもの、または式(5)もしくは(6)
【化4】

の残基であり、
Y は、炭素であり、
21およびR22 は、それぞれのYに個々に選択可能な方法で、互いに独立して、水素またはC〜Cアルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、
m は、4〜7の整数、好ましくは4または5であり、
但し、少なくとも一つの原子YにおけるR21とR22とは同時にアルキルである。)
のリン化合物が好ましい。
【0053】
〜R20が互いに独立して水素またはメチル残基であり、q=0である式(4)のリン化合物が特に好ましい。XがSO、O、S、C=O、C〜Cアルキリデン、C〜CシクロアルキリデンまたはC〜C12アリーレンである化合物が特に好ましい。X=C(CHの化合物がより特に好ましい。
【0054】
オリゴマー化度nは、列挙されたリン含有化合物の製造方法から平均値として生じる。通常、この方法におけるオリゴマー化度nは、10未満である。nが0.5〜5の化合物が好ましく、0.7〜2.5が特に好ましい。n=1の分子の割合が高く、60%〜100%、好ましくは70%〜100%、特に好ましくは79%〜100%の化合物がより特に好ましい。この製造方法によって、上記化合物は、更に、少量のトリフェニルホスフェートも含みうる。この物質の量は、ほとんど5wt.%未満であり、トリフェニルホスフェートの含量が式(4)の化合物に対して0%〜5%、好ましくは0%〜4%、特に好ましくは0%〜2.5%の化合物群が本発明との関連で好ましい。
【0055】
本発明の範囲内で、式(4)のリン化合物は、いずれの場合も全組成物に対して、1wt.%〜30wt.%、好ましくは2wt.%〜20wt.%、特に好ましくは2wt.%〜15wt.%の量で用いられる。
【0056】
列挙されたリン化合物は既知(例えば、EP−A 363608、EP−A 640655参照。)であるか、または、既知の方法に類似の方法(例えば、Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie,第18巻,301頁以降 1979年;Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie,第12/1巻,43頁;Beilstein 第6巻,177頁。)で製造されうる。
【0057】
ビスフェノールAジホスフェートが本発明の範囲内で特に好ましい。ビスフェノールAジホスフェートは、特に、Reofos(登録商標)BAPP(米国インディアナポリスのChemtura)、NcendX(登録商標)P−30(米国ルイジアナ州バトンルージュのAlbemarle)、Fyroflex(登録商標)BDP(オランダ国アルンハイムのAkzo Nobel)またはCR 741(登録商標)(大阪の大八化学工業)として市販されている。
【0058】
加えて、本発明の範囲内で用いられうる別のリン酸エステルは、トリフェニルホスフェートであって、特に、Reofos(登録商標)TPP(Chemtura)、Fyroflex(登録商標)TPP(Akzo Nobel)またはDisflamoll(登録商標)TP(Lanxess)として販売されているトリフェニルホスフェート、およびレソルシノールジホスフェートである。レソルシノールジホスフェートは、Reofos RDP(Chemtura)またはFyroflex(登録商標)RDP(Akzo Nobel)として市販されている。
【0059】
ドリップ防止剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)も更に成形材料に添加されうる。PTFEは、種々の製品グレードで市販されている。これらとしては、添加剤、例えばHostaflon(登録商標)TF2021、またはPTFEブレンド、例えばMetablen(登録商標)A−3800(三菱レイヨン製の、CAS 9002−84−0のPTFE約40%と、CAS 25852−37−3のメチルメタクリレート/ブチルアクリレートコポリマー約60%)もしくはBlendex(登録商標)B449(Chemtura製のPTFE約50%とSAN約50%(スチレン80%とアクリロニトリル20%とからなる。))、が挙げられる。
【0060】
本発明の範囲内で、PTFEは、いずれの場合も全組成物に対して、0.05wt.%〜5wt.%、好ましくは0.1wt.%〜1.0wt.%、特に好ましくは0.1wt.%〜0.5wt.%の量で用いられる。
【0061】
本発明における別の好適な防炎加工剤は、ハロゲン含有化合物である。これらとしては、臭素化化合物、例えば臭素化オリゴカーボネート(例えば、Chemtura製のテトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネートBC−52(登録商標)、BC−58(登録商標)、BC−52HP(登録商標))、ポリペンタブロモベンジルアクリレート(例えば、Dead Sea Bromine(DSB)製のFR 1025)、四臭素ビスフェノールAとエポキシドとから生じるオリゴマー転化生成物(例えば、DSB製のFR 2300および2400)、または臭素化オリゴスチレンおよびポリスチレン(例えば、Ferro Corporation製のPyro−Chek(登録商標)68PB、Chemtura製のPDBS 80およびFiremaster(登録商標)PBS−64HW)が挙げられる。
【0062】
ビスフェノールAベースの臭素化オリゴカーボネート、特にテトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート、が本発明の範囲内で特に好ましい。
【0063】
本発明の範囲内で、臭素含有化合物は、いずれの場合も全組成物に対して、0.1wt.%〜30wt.%、好ましくは0.1wt.%〜20wt.%、特に好ましくは0.1wt.%〜10wt.%、より特に好ましくは0.1wt.%〜5.0wt.%の量で用いられる。
【0064】
更に、塩素含有防炎加工剤、例えばテトラクロロフタルイミド、が用いられうる。
【0065】
【化5】

【0066】
式(7)による本発明における好適なテトラクロロフタルイミドとして、一例として、以下のものが挙げられうる。N−メチルテトラクロロフタルイミド、N−エチルテトラクロロフタルイミド、N−プロピルテトラクロロフタルイミド、N−イソプロピルテトラクロロフタルイミド、N−ブチルテトラクロロフタルイミド、N−イソブチルテトラクロロフタルイミド、N−フェニルテトラクロロフタルイミド、N−(4−クロロフェニル)テトラクロロフタルイミド、N−(3,5−ジクロロフェニル)テトラクロロフタルイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)テトラクロロフタルイミド、N−ナフチルテトラクロロフタルイミド。式(7)による本発明における好適なテトラクロロフタルイミドとして、一例として、以下のものが挙げられうる。N,N’−エチレンジテトラクロロフタルイミド、N,N’−プロピレンジテトラクロロフタルイミド、N,N’−ブチレンジテトラクロロフタルイミド、N,N’−p−フェニレンジテトラクロロフタルイミド、4,4’−ジテトラクロロフタルイミドジフェニル、N−(テトラクロロフタルイミド)テトラクロロフタルイミド。
【0067】
N−メチルおよびN−フェニルテトラクロロフタルイミド、N,N’−エチレンジテトラクロロフタルイミド並びにN−(テトラクロロフタルイミド)テトラクロロフタルイミドが本発明において特に好適である。
【0068】
式(7)または(8)のさまざまなテトラクロロフタルイミドの混合物も同様に使用されうる。
【0069】
本発明の範囲内で、列挙された塩素含有化合物は、いずれの場合も全組成物に対して、0.1wt.%〜30wt.%、好ましくは0.1wt.%〜20wt.%、特に好ましくは0.1wt.%〜10wt.%、より特に好ましくは0.1wt.%〜5.0wt.%の量で用いられる。
【0070】
臭素含有および塩素含有防炎加工剤もまた三酸化アンチモンと組み合わせて用いられうる。
【0071】
列挙された防炎加工剤は、単独で使用されても混合物で使用されてもよいが、常に2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号24583−39−1)と共同で使用される。この関連で、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−1)は、いずれの場合も全組成物に対して、本発明による量、0.0001wt.%〜0.5wt.%、好ましくは0.0001wt.%〜0.3wt.%、特に好ましくは0.001wt.%〜0.25wt.%で用いられる。
【0072】
この関連で、本発明は、挙げられた防炎加工剤に限定されず、むしろ、別の火炎抑制添加剤−例えばJ.Troitzsch“International Plastics Flammability Handbook”,Hanser Verlag,ミュンヘン 1990年に記述されている−も更に用いられうる。
【0073】
組成物の製造:
ポリカーボネートおよび2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(CAS番号204583−39−1)0.001wt.%〜0.5wt.%および防炎添加剤0.01wt.%〜30.00wt.%を含む組成物の製造は、標準の組み込みプロセスによって行われ、例えば、好適な溶媒、例えばジクロロメタン、ハロアルカン、ハロ芳香族、クロロベンゼンおよびキシロール、中の防炎添加剤の溶液および2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジンの溶液とポリカーボネートの溶液との混合によって行われる。次に、物質混合物を、好ましくは既知の方法で押出によって均質化する。溶液混合物は、好ましくは、既知の方法で溶媒を蒸発させることによって、次の混合物の押出によって、再生される−例えば配合される。
【0074】
加えて、組成物を、常套の混合装置、例えばスクリュー押出機(例えば、二軸押出機)、ニーダー、ブラベンダー(Brabender)またはバンバリー(Banbury)ミル、において混合し、次に押し出してもよい。押出後、押出物を、冷却し、破砕しうる。個々の成分を、更に予備混合し、次に残る初期物質を個々に添加し、かつ/または、同様に混合状態にする。
【0075】
本発明による組成物は既知の方法で再生され、例えば押出、射出成形または押出吹込成形によって、任意の成形物品に加工されうる。
【0076】
共押出ポリカーボネートソリッドシートは、例えば、以下のマシーンおよび器具を用いて製造されうる。
−長さ33Dかつ直径70mmのスクリューを有し、ガス抜きを有する主押出機
−長さ25Dかつ直径35mmのスクリューを有する、トップ層を適用するための共押出機
−幅450mmの専用共押出スリットダイ
−平滑カレンダー
−ローラーコンベア
−テイクオフ・デバイス(take−off device)
−フライングナイフ(ソー)
−段積みテーブル
【0077】
共押出ポリカーボネートマルチウォールシートは、例えば、以下のマシーンおよび器具を用いて製造されうる。
−長さ33Dかつ直径70mmのスクリューを有し、ガス抜きを有する主押出機
−共押出アダプタ(フィードブロックシステム)
−長さ25Dかつ直径30mmのスクリューを有する、トップ層を適用するための共押出機
−幅350mmの専用スリットダイ
−キャリブレータ
−ローラーコンベア
−テイクオフ・デバイス
−フライングナイフ(ソー)
−段積みテーブル
【0078】
両方のタイプのシートで、ベース材料のポリカーボネート粒質物を主押出機のフィードホッパーに供給し、共押出材料を共押出機のフィードホッパーに供給する。それぞれの材料の融解および運搬を、それぞれの可塑化システムシリンダー/スクリューにおいて行う。二つの材料の溶融物を共押出アダプタにおいて一つにし、ノズルを離れ、冷却した後にコンポジットを形成する。更なる装置が、押出シートの輸送、所定の長さへの切断および段積みに役立つ。
【0079】
共押出層を有さないシートを、対応する方法で、共押出機を操作しないかまたは共押出機に主押出機と同一のポリマー組成物を装填することによって、製造する。
【0080】
ポリカーボネートの吹込成形は、特に、DE 10229594および本明細書中に列挙される文献に、より詳細に記述されている。
【0081】
耐燃性試験
多くの耐燃性試験が知られている。合成材料の耐燃性は、例えば、UL94V法(これについて、(a)Underwriters Laboratories Inc.Standard of Safety,“Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances”,14頁以降,Northbrook 1998年、(b)J.Troitzsch,“International Plastics Flammability Handbook”,346頁以降,Hanser Verlag,ミュンヘン1990年参照。)によって決定されうる。この方法で、ASTM規格試験片の燃焼時間および滴下挙動を評価する。
【0082】
燃焼性等級UL94V−0の防炎性合成材料の分類に関して、詳細には以下の基準を満たさなければならない:5つのASTM規格試験片(寸法127×12.7×X、Xは試験片の厚さ、例えば3.2、3.0、1.5、1.0または0.75mm)1セットにおいて、全ての試験片が所定の高さの裸炎を用いる10秒間の火炎処理2回の後に10秒よりも長く燃焼してはならない。5つのサンプルの10回の火炎処理の場合、燃焼時間の合計は50秒を超えてはならない。加えて、燃焼ドリップ、完全燃焼またはそれぞれの試験片の残燼が30秒よりも長く起こってはならない。分類UL94V−1は、個々の燃焼時間が30秒以下であることおよび5つのサンプルの10回の火炎処理の燃焼時間の合計が250秒以下であることを要求する。全残燼時間は250秒を超えてはならない。残りの基準は上記基準と同じである。燃焼性等級の分類UL94V−2は、燃焼ドリップが起こり、分類UL94V−1の残りの基準が満たされる場合に当てはまる。
【0083】
試験片の可燃性は、更に、酸素指数(ASTM D 2863−77によるLOI)の決定によっても評価されうる。
【0084】
耐燃性の別の試験は、DIN IEC 695−2−1に従うグローワイヤー試験(glow−wire test)からなる。この試験において、温度550℃〜960℃のグローワイヤーを用いて、10個の試験片に関して(例えば寸法60×60×2mmまたは1mmのシートに関して)燃焼時間が30秒を超えず、かつ、燃焼中にサンプルがドリップしない最大温度を確かめる。この試験は、電気工学もしくは電子工学の分野において特に興味深い。なぜなら、電子製品における部品は、漏電の場合や過負荷の場合の高温がすぐ近くの部品を着火させることを想定しているからである。グローワイヤー試験において、そのような熱応力がシミュレートされる。
【0085】
特別の形態のグローワイヤー試験、IEC 60695−1−13に従うグローワイヤー着火試験、において、焦点は、試験片の着火挙動にある。この試験において、サンプルは、試験プロセス中に着火してはならない。これに関連して、着火は、5秒を超える炎の出現と定義される。サンプルの燃焼ドリップは許されない。
【0086】
機械的特性:
組成物の機械的特性に関連する調査は、以下の規格に従って行われうる。
【0087】
衝撃強さは、DIN EN ISO 180、EN ISO 20180、ASTM D256、DIN EN ISO 179、DIN EN 20179、DIN 53453または対応する規格に従って決定されうる。
【0088】
ノッチ付きアイゾッド衝撃強さの決定は、ここで、例えば、ISO 180/1A、ISO 180/1ARに従って、または寸法80×10×4mmの試験サンプルに対してISO 180/1Bに従って、または寸法63.5×12.7×3.2mmの試験サンプルに対してISO 180/4Aに従って行われうる。
【0089】
シャルピーによるノッチ付き衝撃強さの測定は、例えば、ISO 179/1eA、ISO 179/1eBまたはISO 179/1eCまたは代わりに寸法80×10×4mmまたは63.5×12.7×3.2mmの試験サンプルに関してISO 179/1fA、ISO 179/1fBまたはISO 179/1fCに従って行われる。
【0090】
ノッチ付きおよび非ノッチ付き試験片の衝撃引張強さは、DIN EN ISO 8256、DIN EN 28256、DIN 53448または対応する規格に従って確かめられる。
【0091】
別の機械的パラメータ−例えば引張弾性率、降伏強さ、伸び(stretch elongation)、破壊応力、破断伸びまたは公称破断伸び(nominal breaking elongation)−は、DIN EN ISO 527、DIN EN 20527、DIN 53455/53457、DIN EN 61、ASTM D638または対応する規格に従う引張試験で得られる。
【0092】
応力パラメータおよび伸長パラメータ−例えば、曲げ弾性率、常套の曲げの場合の曲げ応力(3.5%曲げ応力)、曲げ強さ、曲げ強さにおける曲げ延性、破断時の曲げ強さまたは破壊時の曲げ延性−は、DIN EN ISO 178、DIN EN ISO 20178、DIN 53452/53457、DIN EN 63、ASTM D 790または対応する規格に従う曲げ試験に従って提供される。
【0093】
ビカー軟化温度(VST)は、DIN ISO 306、ASTM D 1525または対応する規格に従って定められうる。
【0094】
力のパラメータおよび曲げパラメータは、DIN EN ISO 6603−2または対応する規格に従う針入度試験によって得られる。
【0095】
耐候性:
サンプルの耐候性は、さまざまな方法によって提供されうる。これらとしては、特に、ASTM G6、ASTM G151、ASTM G155、DIN EN ISO 4892−2、SAE J 1885またはVDA 75202に従うXenon−WOM法、DIN EN ISO 4892−3に従うLSL−WOM法、DIN EN ISO 4892−2またはDIN EN 50014に従うXenotest(登録商標)High Energy、ASTM B117、DIN 50021、DIN EN ISO 7253、DIN EN 9227またはISO 11503に従うスプレー−ミスト試験(spray−mist test)および更にISO 4892−3またはASTM G154およびASTM G53に従うQUV試験が挙げられる。
【0096】
レオロジー特性:
メルトインデックス(MFR、MVR)の決定を、ISO 1133に従って、またはASTM D1238 MVRに従って行う。
【0097】
溶融粘度は、ISO 11443またはDIN 54811に従って測定される。
【0098】
溶液粘度は、例えば、規格ISO 1628−1/−4またはDIN 51562−3に従って確かめられる。
【0099】
光学測定:
光沢度の決定は、寸法60×40×2mmのシートに関して反射率計を用いて行われる。ここで、厚さ2mmに加えて、厚さ3mm、3.2mmおよび4mmもまた考慮に入る。DIN 67530、ISO 2813、ASTM D523または対応する規格がこの測定に応用される。
【0100】
曇り度および透過率の決定を、DIN 5306、ASTM D1003、ASTM E179またはISO 13468に従って行う。
【0101】
黄色度指数YIは、ASTM E313に従って計算される。
【0102】
反射率測定は、DIN 5036またはASTM E179に従って行われうる。
【0103】
グレースケールの決定のために、ISO 105−A02を行ってもよい。
【実施例】
【0104】
実施例の製造:
配合デバイスは以下のものからなる。
成分の配合デバイス
*スクリュー径53mmの同方向回転ツインシャフトニーダー(Werner & Pfleiderer製のZSK 53)
*メルトストランドの成形用オリフィスノズル
*ストランドの冷却および固化用ウォーターバス
*グラニュレータ
【0105】
上記配合デバイスを用いて以下の実施例1〜14の組成物を製造する。
【0106】
Makrolon(登録商標)2808 550115は、Bayer MaterialScience AGから市販されている。
【0107】
Makrolon(登録商標)2808 550115は、EU/FDA品質であり、紫外線吸収剤を含まない。ISO 1133によるフローのメルトボリュームレート(MVR)は、300℃において負荷1.2kgで9.5cm/(10分)である。
【0108】
Makrolon(登録商標)3108 550115は、Bayer MaterialScience AGから市販されている。
【0109】
Makrolon(登録商標)3108 550115は、EU/FDA品質であり、紫外線吸収剤を含まない。ISO 1133によるフローのメルトボリュームレート(MVR)は、300℃において負荷1.2kgで6.0cm/(10分)である。
【0110】
実施例1〜9のコンパウンドの製造過程で、手順は、Makrolon(登録商標)2808 550115粒質物95wt.%に、Makrolon(登録商標)3108 550115パウダーを含み、実施例において列挙される物質を含むパウダー混合物5wt.%を計量された量で添加し、実施例で列挙する混合物(コンパウンド)を生じるものである。
【0111】
実施例10のコンパウンドの製造過程で、手順は、Makrolon(登録商標)2808 550115粒質物75wt.%に、Makrolon(登録商標)3108 550115粒質物20wt.%およびMakrolon(登録商標)3108 550115パウダーを含み、実施例において列挙される紫外線吸収剤を含むパウダー混合物5wt.%を計量された量で添加し、実施例において列挙する混合物(コンパウンド)を生じるものである。
【0112】
実施例11〜14のコンパウンドの製造過程で、手順は、Makrolon(登録商標)2808 550115粒質物75wt.%に、Makrolon(登録商標)3108 550115パウダーを含み、実施例において列挙される物質を含むパウダー混合物5wt.%を計量された量で添加し、ビスフェノールAジホスフェートを、Makrolon(登録商標)3108 550115 85wt.%およびビスフェノールAジホスフェート15wt.%(Albemarle製のNcendX(登録商標)P−30)を含有する予め製造されたコンパウンド20wt.%の添加によって、計量された量で添加するものである。
【0113】
全体として、実施例において列挙される混合物(コンパウンド)が生じる。
【0114】
ビスフェノールAジホスフェートコンパウンドの配合デバイスは、以下のものからなる。
*成分の計量添加デバイス
*スクリュー径32mmの同方向回転ツインシャフトニーダー(Clextral製のEvolum 32 High Torque)
*ビスフェノールAジホスフェートをLEWAポンプを介して20barにおいて75〜80℃において押出機に注入した
*溶融ストランドの成形用オリフィスノズル
*ストランドの冷却および固化用ウォーターバス
*グラニュレータ
【0115】
実施例1:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.90wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
【0116】
実施例2:
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.85wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
*カリウムノナ−フルオロ−1−ブタンスルホネート(Lanxess製のBayowet(登録商標)C4)、0.05wt.%
【0117】
実施例3:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.95wt.%
*カリウムノナ−フルオロ−1−ブタンスルホネート(Lanxess製のBayowet(登録商標)C4)、0.05wt.%
【0118】
実施例4:
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.30wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
*カリウムジフェニルスルホン酸スルホネート、0.60wt.%
【0119】
実施例5:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.40wt.%
*カリウムジフェニルスルホン酸スルホネート、0.60wt.%
【0120】
実施例6:
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、3.90wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
*Chemtura製のテトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート BC−52 HP、1.00wt.%
【0121】
実施例7:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.00wt.%
*Chemtura製のテトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート BC−52 HP、1.00wt.%
【0122】
実施例8:
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.30wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
*Momentive performance materials製のPD5(フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン)、0.10wt.%
*カリウムジフェニルスルホン酸スルホネート、0.50wt.%
【0123】
実施例9:(比較例)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、95.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.40wt.%
*Momentive performance materials製のPD5(フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン)、0.10wt.%
*カリウムジフェニルスルホン酸スルホネート、0.50wt.%
【0124】
実施例10:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、75.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、24.90wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
【0125】
実施例11:
*Makrolon(登録商標)2808 550115、75.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.90wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
*ビスフェノールAジホスフェートコンパウンド、20.00wt.%(ビスフェノールAジホスフェート3.00wt.%に相当する。)
【0126】
実施例12:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、75.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、5.00wt.%
*ビスフェノールAジホスフェートコンパウンド、20.00wt.%(ビスフェノールAジホスフェート3.00wt.%に相当する。)
【0127】
実施例13:
*Makrolon(登録商標)2808 550115、75.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.40wt.%
*2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン、0.10wt.%
*Chemtura製のBlendex(登録商標)B449、0.50wt.%
*ビスフェノールAジホスフェートコンパウンド、20.00wt.%(ビスフェノールAジホスフェート3.00wt.%に相当する。)
【0128】
実施例14:(比較)
*Makrolon(登録商標)2808 550115、75.00wt.%
*Makrolon(登録商標)3108 550115、4.50wt.%
*Chemtura製のBlendex(登録商標)B449(PTFE/SANブレンド、重量比50:50)0.50wt.%
*ビスフェノールAジホスフェートのマスターバッチ20.00wt.%(ビスフェノールAジホスフェート3.00wt.%に相当する。)
【0129】
次に、実施例1〜12のコンパウンドを寸法63.5×12.7×3.2mmの試験片に加工する。これは、スクリュー径18mmのArburg Allrounder 270S−500−60を用いて行われる。
【0130】
次に、実施例10、13および14のコンパウンドを寸法63.5×12.7×1.0mmの試験片に加工する。これは、スクリュー径18mmのArburg Allrounder 270S−500−60を用いて行われる。
【0131】

【0132】
次に4セット、それぞれ5つのUL試験片(全部で20個のUL試験片を試験した。)を、UL94Vに従って測定した。2セットを、相対大気湿度50%かつ23℃における48時間の貯蔵後に測定した。2セットを、温風炉中の70℃における7日間の貯蔵後に測定した。
【0133】
試験結果を表1に示す。
【0134】

【0135】
表1から、紫外線安定剤の添加が組成物の防炎性を改良することが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネートおよび2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン0.0001〜0.5wt.%および防炎添加剤0.01wt.%〜30.00wt.%を含む組成物。
【請求項2】
該防炎添加剤が防炎性有機酸塩であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該防炎添加剤がスルホン酸、スルホンアミドまたはスルホンイミドの脂肪族または芳香族誘導体のアルカリまたはアルカリ土類金属塩であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
該防炎性有機酸塩がナトリウムまたはカリウムノナ−フルオロ−1−ブタンスルホネートであることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
該防炎性有機酸塩がナトリウムまたはカリウムジフェニルスルホン酸スルホネートであることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
防炎添加剤として、ナトリウムまたはカリウムノナ−フルオロ−1−ブタンスルホネートおよびナトリウムまたはカリウムジフェニルスルホン酸スルホネートからなる混合物を使用することを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
該防炎添加剤がハロゲン含有防炎添加剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
該ハロゲン含有防炎添加剤がテトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート(TBBOC)であることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
該防炎添加剤がシロキサンであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
該防炎添加剤がリン含有防炎添加剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
該リン含有防炎添加剤がトリフェニルホスフェート(TPP)またはビスフェノールAジホスフェート(DBP)またはレソルシノールジホスフェート(RDP)であることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
該リン含有防炎添加剤の混合物が含まれることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
該防炎添加剤の混合物が含まれることを特徴とする、請求項3〜12に記載の組成物。
【請求項14】
ポリテトラフルオロエチレンまたはポリテトラフルオロエチレンブレンドが更に含まれることを特徴とする、請求項1〜13に記載の組成物。
【請求項15】
該組成物が更に熱安定剤を、組成物の総量に対して、10ppm〜3000ppm含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
該熱安定剤が、トリス−(2,4−ジ−tert.−ブチルフェニル)ホスフェートおよびトリフェニルホスフィンからなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物を含む製品。
【請求項18】
該製品がシングルレイヤーまたはマルチレイヤーのソリッド、マルチウォールまたは波形シートを構成し、該シートの一以上の層が請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物を含むことを特徴とする、請求項17に記載の製品。
【請求項19】
該製品が射出成形法で製造されることを特徴とする、請求項17に記載の製品。

【公表番号】特表2010−523777(P2010−523777A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502440(P2010−502440)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002468
【国際公開番号】WO2008/125203
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】