説明

耐酸化性に優れた二オブ基合金耐熱部材

【課題】表面Al23層と内部合金とのはく離、および酸化の進行を抑制することにより、耐酸化性に優れた二オブ基合金耐熱部材を提供する。
【解決手段】二オブ合金基材と酸化防止合金層間の拡散防止のためのRe基合金からなる第一層と、表面に耐酸化性に優れたAl23を形成するためのAl基合金からなる第二層の皮膜を有する二オブ基合金耐熱部材は、その特徴を活かせる1200℃以上の超高温域でAl23膜と内部合金との熱膨張率の差によるはく離、および酸化の進行の問題が顕著となる。この解決のため、Hf、Zrのうちの1種以上を第二層に少量添加することにより、はく離を著しく抑制することが可能になり、超高温域での耐熱性に加えて耐酸化性も優れた耐熱部材を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン、ジェットエンジン等に用いられる耐熱部材に係り、特に二オブ基合金の基材表面に高温酸化を抑制するための皮膜が形成された二オブ基合金耐熱部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電用ガスタービンの運転温度の一層の高温化が求められ、従来からタービン部材として多用されているNi基合金よりも、使用温度限界の高い新たな耐熱材料が必要となっている。このような材料の一つとして、ニオブ(Nb)系の耐熱材料、例えば固溶強化型又は析出強化型のNb合金やNb−Al系金属間化合物等(本発明では、これらをニオブ基合金という)が注目されている。
【0003】
これらのニオブ基合金は高温強度に優れるが、いずれも高温域例えば800℃以上の温度域ではきわめて酸化され易く、ガスタービンのような高温の酸化性雰囲気下でそのまま使用することは困難であり、耐酸化を目的とするコーティングについて種々の検討がなされている。
【0004】
従来から、高温酸化性雰囲気下で使用する金属部材の耐熱・耐酸化被覆として、CrやAlの拡散層を形成する方法や、セラミックコーティングする方法が検討されている。とくにNi基合金においては、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)と呼ばれる方法が主流になっている。これは基材表面に金属結合層と、その表面にセラミックスの遮熱層を積層してなるもので、金属結合層にはMCrAlY合金(M=Ni,Coなど)が、遮熱層にはZrO2を主成分とするセラミックスが用いられることが多い。
【0005】
ニオブ基合金の耐酸化被覆としては、Irの表面被覆層、又はIrの表面被覆層とその下側にTa,Re,Wのうちの1種以上を主成分とする拡散防止層とが形成されたNb合金耐熱部材が開示されている(下記特許文献1)。また、基材表面にIrを真空蒸着すると同時にAlイオン照射を行い、Ir−Al合金からなる被覆層を形成する耐酸化被覆層の製造方法が開示されている(下記特許文献2)。
【0006】
また、本発明者らも耐熱性に加えて耐酸化性にも優れた二オブ基合金の耐熱材料について、既に提案している(下記特許文献3)。この耐熱材料は、二オブ基合金基材と酸化防止合金層間の構成元素の拡散を防ぐためのRe基合金からなる第一層(拡散防止層)と、表面に酸化物皮膜(Al23又はSiO2)を形成するためのAl又はSiを供給するAl基合金又はSi基合金からなる第二層(酸化防止層)との、2層の耐酸化皮膜を有するものである。
【0007】
【特許文献1】特開平10−140333号公報
【特許文献2】特開平10−140347号公報
【特許文献3】WO02/27067A1(特願2002−530827)
【非特許文献1】天野忠昭ほか:日本金属学会誌41(1977),1074
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般にセラミックスの皮膜は、それ自体の靭性や基材との密着性が不十分なため、熱応力によりき裂やはく離を生じることが多く、耐久性に問題が残されている。前述のTBCにおいても、酸素の遮断は主に金属結合層において行われている。したがって、耐酸化を目的とする皮膜は、基材との密着性の高い合金皮膜であって、上記の金属結合層と同様な酸素と窒素などの非金属成分の遮断性能を有するものであることが望ましい。
【0009】
さらに、本発明の対象であるNb基合金は、Ni基合金よりもかなり高い温度での使用を目標とするものである。かかる高温域では、皮膜と基材間の元素の拡散が避けられず、そのため比較的短時間で皮膜が変質して、その本来の機能を失うことが多い。したがって、耐酸化皮膜の耐久性を確保するには、できる限り拡散を抑制するとともに、多少の拡散があっても、皮膜の変質が軽微な被覆構造にする必要がある。
【0010】
本発明者らが既に提案した上記の2層皮膜を有する二オブ基合金は、耐酸化皮膜の酸素遮断性と耐拡散性を兼ね備え、耐熱性に加えて耐酸化性にも優れる。しかしながら、本発明の対象である二オブ基合金は、現在実用化されている中で最も耐熱性に優れるニッケル基合金でも対応できない、1200℃以上の温度域での使用を目的とするものである。かかる超高温域では、表面に形成されるAl23と内部合金との熱膨張率の差による皮膜はく離、およびこれに起因する酸化の進行の問題を無視できなくなることが知見された。
【0011】
そこで本発明は、ニオブ基合金の基材表面に、Re基合金からなる拡散防止層と、さらにその表面にAl基合金からなる酸化防止層との2層の耐酸化皮膜を有するニオブ基合金の耐熱部材において、最外面に形成されるAl23と内部合金との熱膨張率の差による皮膜のはく離やき裂の発生を防止して、これに起因する酸化の進行を抑制する手段を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは各種はく離防止対策を検討した結果、酸素活性元素として知られるHf、Zrを第二層(酸化防止層)合金に少量添加することにより、表面に形成するAl23と内部合金との熱膨張率の差によるはく離、および酸化の進行を顕著に抑制できることを見出した。
この知見に基く本発明の二オブ基合金耐熱部材は、
(1)二オブ基合金の基材表面に、一般式Re1-a-bab(式中、MはCr,Ni,Alのうち1種以上の元素、RはNb,Mo,W,Hf,Cのうち1種以上の元素、a,bはそれぞれM,Rの原子比である)で表される組成を有する第一層の合金皮膜が形成され、さらにその表面に一般式Q1-c-dAlcd(式中、QはCr,Niのうち1種以上の元素、XはHf,Zrのうち1種以上の元素、c,dはそれぞれAl,Xの原子比である)で表される組成を有する第二層の合金皮膜が形成されてなることを特徴とするものである。
【0013】
上記のニオブ基合金耐熱部材において、前記原子比aは0.01以上、前記原子比bは0.01〜0.50、a+bは0.95以下であり、かつ前記原子比cは0.05〜0.95、dは0.0001〜0.0030であることが好ましい。
【0014】
また、(2)前記二オブ基合金が、Nbをベースとして少なくともMoとWのうちの1種以上とCrとを含有し、かつ必要に応じてSi,Hf,Zr,Cのうち1種以上を含有する合金であり、前記第一層の合金皮膜中の元素Mが少なくともCrを含む前項(1)記載のニオブ基合金耐熱部材である。
さらに、このニオブ基合金耐熱部材において、第一層の合金皮膜中の元素Mは、Crを主体としてこれに少量のAlとNiのうちの1種以上を含むものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、ニオブ基合金の基材表面に、Re基合金からなる拡散防止層と、さらにその表面にAl基合金からなる酸化防止層との2層の耐酸化皮膜を有するニオブ基合金の耐熱部材において、最外面に形成されるAl23と内部合金との熱膨張率の差による皮膜のはく離やき裂の発生を防止することができ、これらの皮膜欠陥に起因する酸化の進行を抑制することが可能になった。本発明の耐熱部材は、ニッケル基合金が使用できないような高温の酸化雰囲気中に長時間保持してもほとんど皮膜が変質せず、きわめて耐酸化性・耐久性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明のニオブ基合金耐熱部材の耐酸化被覆の構造を示す断面模式図である。この耐酸化被覆は2層の合金皮膜からなり、第二層の合金皮膜3は、その表面に酸化物が生成することにより、雰囲気中の酸素や窒素等の非金属元素を遮断することを主な目的としている。同時に、合金皮膜3は酸化物のもとになる金属元素を含有していて、表面に生成した酸化物がはく離等により脱落を起こした場合は直ちにその金属元素が酸化することにより酸化物が再生して、雰囲気中の酸素や窒素等の非金属元素を遮断する作用を維持する自己補修の機能を果たす。一方、第一層の合金皮膜2は基材1と第二層の合金皮膜3間の拡散防止を主な目的とする。
【0017】
まず、第二層皮膜3の構成物質とその機能について説明する。この皮膜は、一般式Q1-c-dAlcd(ここで、QはCrおよびNiよりなる群から選ばれた1種以上の元素、XはHfおよびZrよりなる群から選ばれた1種以上の元素で、c,dはそれぞれQ,Xの原子比である)で表される組成を有するものである。
【0018】
このうち、Alは表面に緻密な酸化物皮膜を形成するために必要な元素であり、QはAlとの間に高温で安定な相(合金又は金属間化合物)を形成する元素であるが、本発明はさらに酸素活性元素Xを所定量含むことを特徴とする。Xは酸素活性元素群のなかの特定の元素であり、一般に酸素活性元素は、表面に形成するAl23がはく離するのを防ぎ、ひいては酸化の進行を抑制する作用があることが知られている。この作用については、酸素活性元素が第二層合金内部の結晶粒界等に酸化物を形成するKeying−on効果(例えば前記非特許文献1)その他諸説があるが、未だメカニズムが特定されるに至っていない。しかも、酸素活性元素群の全ての元素が同じ効果を示すわけではなく、その理由も明らかではない。
【0019】
本発明は、酸素活性元素のうちHf又はZrを第二層(酸化防止層)合金に少量添加することにより、表面に形成するAl23と内部合金との熱膨張率の差によるはく離、および酸化の進行を著しく抑制できるという知見に基いてなされたものである。すべての酸素活性元素が、かかるAl23層のはく離を防止する効果を有するものではない。例えば、酸素活性元素の一つであるCeについても同様の検討を行った結果、同じ含有率の範囲でははく離比率は逆に増加し、本発明の目的には適合しないことが知見された。
【0020】
Xの原子比dは0.0001〜0.0030であることが好ましい。dが0.0001未満でははく離比率減少(密着性改善)効果が不十分であり、0.0030を超えると酸化が促進されるためである。より好ましい原子比dの範囲は、0.001〜0.003である。
また、第二層の合金皮膜中の元素Alの原子比cは、0.05〜0.95であることが好ましい。これが0.05未満では、緻密な酸化物皮膜を形成するという機能が不十分となり、これが0.95を越えると、相対的に元素Qの量が少なくなって、高温で安定な相を形成することができなくなるためである。
【0021】
次に、第一層皮膜2の構成物質及び機能は、前記の特許文献3のニオブ基合金の耐熱材料の場合と同様であるが、以下に簡単に説明する。この皮膜は一般式Re1-a-bab(ここで、Reはレニウムで、MはCr,NiおよびAlよりなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素、RはNb,Mo,W,Hf,ZrおよびCよりなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素で、a,bはそれぞれM,Rの原子比である)で表される組成を有する。
【0022】
Reは拡散防止の主要な役割をする元素である。元素M及びRは、第二層皮膜又は基材中に含まれ、第一層皮膜と第二層皮膜間及び第一層皮膜と基材間の拡散を軽減する上で有効である。また、元素M及びRは、いずれもReとの間に高温で安定な相、例えば、Re−Cr−Ni系のシグマ相や、Re−(Nb,Mo,W)系のシグマ相あるいはカイ相等の金属間化合物相を形成する元素であることが好ましい。この相そのものが高い融点を持つことから第一層皮膜自体が分解したり拡散して失われることがなく、さらに他の元素の拡散係数が小さいことから、拡散防止の機能を発揮する。
【0023】
本発明において、第一層の合金皮膜中の元素Mの原子比aは0.01以上であることが好ましい。これ未満では、第二層皮膜から第一層皮膜への元素Qの拡散が多くなるためである。また、元素Rの原子比bは0.01〜0.50であることが好ましい。bが0.01未満では、基材から第一層皮膜への元素Rの拡散を抑制するという目的が達せられず、bが0.50を越えると、相対的に第一層皮膜中のRe及びMの含有量が少なくなって好ましくないためである。さらに、a+bは0.95以下であることが好ましい。これを越えるとReの量が少な過ぎて、拡散防止機能が不十分となるためである。
なお、第一層及び第二層の合金皮膜は、実質的に上記の組成を有するものであればよく、不可避的不純物元素を含むものであってもよい。
【0024】
図2は、本発明の耐熱部材を高温大気に曝露した後の皮膜の変化を示す断面模式図である。図に見られるように、第二層の合金皮膜3の表面に緻密な酸化物層4が形成される。この酸化物層4は、主にAl23からなっており、層厚が小さくても元素の遮断能は大きい。
この状態で継続して使用した時に、第一層皮膜2は、Reを含む高温できわめて安定な相であり、拡散を抑制する効果が大きい。そのため、第二層皮膜3の分解・変質を防止することができ、最表面の酸化物層4にき裂・はく離が生じても第二層皮膜3表面に再び酸化物層が形成されるため、自己修復性を有する。こうして、耐酸化被覆の耐久性が確保される。
ここで第二層被膜3に微量のHfやZrが含まれている場合は、その結晶粒界等にこれら元素の酸化物を形成することにより、表面に形成されるAl23保護性皮膜をくさび止めする、いわゆるKeying−on効果が得られ、保護性皮膜がはく離するのを防ぎ、ひいては酸化の進行を抑制する作用があると推定される。
【0025】
本発明の耐熱部材は、基材がNb−(Mo,Wのうちの1種以上)−Cr系合金であり、第一層の合金皮膜がReとCrを含み、第二層の合金皮膜が実質的にCr−Al又はCr−Ni−Al合金からなるものであることが好ましい。より好ましい第一層の合金皮膜は、ReとCrを主体にして、これに少量の(Ni,Al)のうちの1種以上と、(Mo,W,Nb)のうちの1種以上を含むものである。なお基材は、必要に応じてSi,Hf,Zr,Cのうちの1種以上を含有するものであってもよい。
【0026】
本発明において、基材表面に合金皮膜を形成する方法は特に限定を要せず、例えばPVD法、CVD法、溶射法、電解被覆法、拡散注入法等のいずれであってもよく、また、これらを組み合わせて用いてもよい。また、第一層及び第二層の合金皮膜の厚さについても特に限定を要しないが、通常は1〜100μm程度とする。皮膜厚みが過小であれば、耐酸化や拡散防止の機能が不十分になり、膜厚が過大であれば熱応力が大きくなるので、これらを勘案して適正な膜厚を選択すればよい。
【実施例】
【0027】
Nb―5Mo―5W―Cr(モル%)の組成を持つNb基合金をアーク溶解法によりAr雰囲気中で溶製した。原料としては、Nbについては99.99%、Mo、WとCrについては99.9%の粉末あるいは粒状のものを用いた。溶製した合金を1気圧のAr気流中1800℃で24時間加熱して、均質化熱処理とした。その後20×20×2(厚さ)mmの試験片母材を切り出して、被覆処理に供した。
まず、母材の表面に、塩化レニウムを含む溶融塩化物浴から厚さ5μmの金属Reを、電析させた。続いてフェロクロム粉末とともにアルミナ坩堝に埋め込み、1×10-3Paの真空中において1300℃で10hr保持することによりCr蒸気の拡散処理を行った。引き続き、坩堝から取り出した試験片について、AlとNiにHf又はZrを合金化させたターゲットを用いて、スパッタ法により成膜を行った。
【0028】
比較材としては、同様の方法で用意した試験片母材に対して、金属Reの電析処理、Cr蒸気拡散処理、次にHfやZrを含まないAlとNiの合金からなるターゲットを用いたスパッタ法を本発明の試験片と同条件で実施したものを用意した。
以上の工程による被覆処理を行った本発明の試験片(本発明材)および比較材を、1350℃の静止大気中で100時間加熱して、拡散・酸化処理を行った。その結果、本発明材では、図2に示すように、基材1の表面に第一層皮膜2、第二層皮膜3が積層し、最表面に酸化物層(Al、O)4が形成された二オブ基合金耐熱部材が得られた。
【0029】
母材表面に形成したReの電析層に、Crの蒸気拡散処理によってCrが浸透し、母材からNbが拡散することによって、Re電析層は主にRe―Cr―Nbの3元系から成る第一層皮膜2に変化した。また、スパッタ法によってAl―Niを主成分とする第二層皮膜3が形成され、酸化処理によって酸化物層4が形成されている。
本発明及び比較材のスパッタ法による成膜後の第二層皮膜の組成、及び酸化処理後の表面酸化物層(ほぼ全量がAl23で構成)のはく離比率・酸化増量を、表1(Hf含有効果の評価試験)と表2(Zr含有効果の評価試験)に示す。なお、ここではく離比率とは、以下の定義で表されるものである。
はく離比率=(はく離Al23量÷全Al23量)×100
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【0032】
これらの結果から、第二層皮膜にHfを含有する場合、Hfがわずか0.01モル%でもはく離比率、すなわち密着性が著しく改善されたことがわかる。しかし、Hfが0.3モル%以上の場合には、はく離比率は小さくて良好であるが、酸化が著しく進行した。これは、Hfが酸素活性元素の一種であるため、酸化をむしろ促進させたためと推定される。一方、第二層へのZr含有の場合も、Hfの場合と同様の傾向を示した。
【0033】
また、本試験の結果、本発明材及び比較材ともに、耐酸化試験後もはく離のない部分の皮膜構造に大きな変化はなく、図2に示すような状態を維持していた。このことから、Re合金からなる第一層は、第二層のAlが内方拡散により失われることを防ぐ、すなわち拡散防止の作用があることがわかる。
さらに、酸化物層4は、X線回折によればαアルミナであった。また、アルミナが部材表面において極端な厚さの変化なしに維持されていることは、第二層のAl濃度がAl―Ni合金におけるアルミナ形成能を発現できる濃度以上であることを現している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のニオブ基合金耐熱部材の耐酸化被覆の構造を示す断面模式図である。
【図2】本発明の耐熱部材を高温大気に曝露した後の皮膜の変化を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0035】
1 基材
2 第一層皮膜
3 第二層皮膜
4 酸化物層(Al,O)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二オブ基合金の基材表面に、一般式Re1-a-bab(式中、MはCr,Ni,Alのうち1種以上の元素、RはNb,Mo,W,Hf,Cのうち1種以上の元素、a,bはそれぞれM,Rの原子比である)で表される組成を有する第一層の合金皮膜が形成され、さらにその表面に一般式Q1-c-dAlcd(式中、QはCr,Niのうち1種以上の元素、XはHf,Zrのうち1種以上の元素、c,dはそれぞれAl,Xの原子比である)で表される組成を有する第二層の合金皮膜が形成されてなる二オブ基合金耐熱部材。
【請求項2】
前記原子比aが0.01以上、前記原子比bが0.01〜0.50、a+bが0.95以下であり、かつ前記原子比cが0.05〜0.95、dが0.0001〜0.0030である請求項1記載の二オブ基合金耐熱部材。
【請求項3】
前記二オブ基合金が、Nbをベースとして少なくともMoとWのうちの1種以上とCrとを含有し、かつ必要に応じてSi,Hf,Zr,Cのうち1種以上を含有する合金であり、前記第一層の合金皮膜中の元素Mが少なくともCrを含む請求項1又は請求項2記載の二オブ基合金耐熱部材。
【請求項4】
前記第一層の合金皮膜中の元素Mが、Crを主体としてこれに少量のAlとNiのうちの1種以上を含むものである請求項3記載の二オブ基合金耐熱部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−219740(P2006−219740A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35855(P2005−35855)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(594081397)株式会社超高温材料研究所 (15)
【Fターム(参考)】