説明

耐震用保護装置

【課題】大地震の本来の大きな揺れが家屋に到来する前に、エアバッグにより、家屋及びこの家屋内の人身の少なくとも一方を適正に保護するようにした耐震用保護装置を提供する。
【解決手段】保護装置において、エアバッグ20は、左右両側エアバッグ部20a、20b及び連結エアバッグ部20cを一体に有するように構成されている。左右両側エアバッグ部20a、20bは、ガス放出装置30にその左右両側にて折り畳み状に支持されている。連結エアバッグ部20cは、その内部を通して、左右両側エアバッグ部20a、20bを互いに連通させるように、当該左右両側エアバッグ部20a、20bと一体に形成されている。ガス放出装置30は、気象庁から送信される地震予知データに基づき、インフレータを駆動する。これに伴い、エアバッグ20がインフレータからのガスを流入されて、左右両側エアバッグ部20a、20b及び連結エアバッグ部20cにて環状となるように居室内にて展開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震の到来時に家屋及びこの家屋内の人身の少なくとも一方を保護するに適した耐震用保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震から人身を保護するにあたっては、例えば、下記特許文献1に記載の人身保護具のシステムが提案されている。このシステムにおいては、人身保護具としてエアバッグを採用し、このエアバッグを収納した収納箱を建物の天井の壁際に沿い左右1個ずつ設置する構成が採用されている。そして、建物が地震により倒壊し始めたときに、変形検出手段が、建物の倒壊し始めたことを検出し、これに伴い、ガス発生手段が高圧ガスを発生して各エアバッグに注入し、この各エアバッグが高圧ガスの注入により膨張し建物の倒壊を遅らせつつ人身を保護する。
【特許文献1】特開平08−332243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した人身保護具のシステムによれば、各エアバッグの膨張は、建物が地震により倒壊し始めてから開始されるため、当該各エアバッグの膨張のタイミングは、適切ではなく、遅い。従って、当該各エアバッグの膨張に依っては、人身の保護が不十分となる。また、上述のごとく、各エアバッグの膨張は、建物が地震により倒壊し始めてから開始されるため、建物を保護することはできない。
【0004】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、大地震の本来の大きな揺れが家屋に到来する前に、エアバッグにより、家屋及びこの家屋内の人身の少なくとも一方を適正に保護するようにした耐震用保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の解決にあたり、本発明にかかる耐震用保護装置は、請求項1の記載によれば、
家屋(10)内における居室の天井(11)の一部或いは当該居室の周壁(12、13)の上部に支持されるガス放出装置(30)と、このガス放出装置の外部に折り畳み状態で支持される帯状エアバッグ(20)とを備えて、
ガス放出装置は、
駆動されたときガスを放出するインフレータ(35)と、
地震予知データが気象庁により電波でもって送信されたときこの地震予知データを受信する受信手段(32b、33)と、
この受信手段が前記地震予知データを受信したとき当該受信手段からの上記地震予知データを表す出力に基づき大地震の到来の予知と判定する判定手段(40、41)と、
この判定手段による地震の到来の予知との判定に基づきインフレータを駆動する駆動手段(50)とを内蔵しており、
エアバッグは、インフレータから放出される上記ガスを流入されて、居室内でその内面に向け環状となるように展開する。
【0006】
これによれば、地震予知データが気象庁により電波でもって送信されたとき、受信手段は、この地震予知データを受信して当該地震予知データを表す出力を発生し、判定手段は、受信手段からの出力に基づき地震の到来の予知と判定し、この判定に基づき、インフレータが、駆動手段により駆動されてガスを放出しエアバッグに流入させる。
【0007】
これに伴い、エアバッグは、居室内でその内面に向け環状となるように展開する。従って、居室は、原形状を維持するように、その内側からエアバッグにより保持される。その結果、家屋を倒壊させるような大地震が到来しても、当該家屋は、タイミングよく、居室の原形状の維持でもって、倒壊することなく保護され得るとともに、居室内の人身も、環状に展開したエアバッグにより適正に保護され得る。また、居室内の家財も、環状に展開したエアバッグにより、転倒することなく居室内に保持され得るので、人身が、家財の転倒による被害を受けることもない。
【0008】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の耐震用保護装置において、エアバッグは、ガス放出装置の外部にその横方向両側に位置して折り畳み状態で支持される両側エアバッグ部(20a、20b)と、当該両側エアバッグ部の各折り畳み先端部間に連結されて当該両側エアバッグ部を相互に連通させる連結エアバッグ部(20c)とを備えて、
両側エアバッグ部は、インフレータから放出される前記ガスを流入されて、連結エアバッグ部と共に、居室内でその内面に向け環状となるように展開することを特徴とする。
【0009】
これによれば、エアバッグが、両側エアバッグ部の間に連結エアバッグ部を連結して構成されているので、当該エアバッグは、両側エアバッグ部に対するインフレータからのガスの流入に伴い、当該ガスを、両側エアバッグ部の各内部を通して連結エアバッグ部内に向けて流動させる。
【0010】
このため、当該エアバッグは、両側エアバッグ部から連結エアバッグ部にかけて、ガス放出装置を中心として環状となるように展開する。これに伴い、両側エアバッグ部は、連結エアバッグ部とともに居室内の内面に沿い環状となって居室の内面のうちエアバッグに対応する内面部位を外方に向けて押すように展開する。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層確実に達成され得る。
【0011】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1に記載の耐震用保護装置において、エアバッグは、その両端部の一方を閉止した自由端部として、ガス放出装置の外部に折り畳み状態で支持されるとともに、上記両端部の他方にてインフレータから放出される上記ガスを流入されて居室内でその内面に向け環状となるように展開することを特徴とする。
【0012】
このようにエアバッグの両端部の一方が、自由端部であっても、当該エアバッグは、インフレータからのガスの流入に伴い、当該ガスを、上記自由端部に向けて流動させる。このため、当該エアバッグは、ガス放出装置を基準として、居室内でその内面に向け環状となるように展開する。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層確実に達成され得る。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面により説明する。図1は、本発明を適用した耐震用保護装置の一実施形態を示している。この保護装置は、図1にて示すごとく、家屋10の居室内にてその天井11の左側部にその下方から支持されている。なお、家屋10は、地盤G上に建てられている。
【0015】
当該保護装置は、エアバッグ20と、ガス放出装置30とを備えている。エアバッグ20は、図2に示すような折り畳み状態にて、ガス放出装置30と一体的に構成されており、このエアバッグ20は、図1にて示すごとく、ガス放出装置30を介し、家屋10の天井11の左側部にその下方から支持されている。
【0016】
当該エアバッグ20は、図2にて示すごとく、左側エアバッグ部20aと、右側エアバッグ部20bと、これら左右両側エアバッグ部20a、20bを連結する連結エアバッグ部20cとを、一体に有するように、所定のエアバッグ材料でもって形成されている。なお、本実施形態において、上記所定のエアバッグ材料としては、シリコーン系コート布やノンコート布等の軽くて柔らかい材料が採用されている。
【0017】
左右両側エアバッグ部20a、20bは、その各内部にて、連結エアバッグ部20cの内部を通して互いに連通するように、連結エアバッグ部20cと一体に形成されている。左側エアバッグ部20aは、その基端部21にて、ガス放出装置30のケーシング31の底壁31aに形成した一側開口部(図示しない)内に連通するように当該一側開口部に気密的に接続支持されており、当該左側エアバッグ部20aは、その基端部21から延出してケーシング31の底壁31a及び左壁31bに沿い上方へL字状に折り曲げられた後、左壁31bの左側にて上下に蛇行状となるように折り畳まれている。
【0018】
一方、右側エアバッグ部20bは、その基端部22にて、ガス放出装置30のケーシング31の底壁31aに形成した他側開口部(図示しない)内に連通するように当該他側開口部に気密的に接続支持されており、当該右側エアバッグ部20bは、その基端部22から延出されてケーシング31の底壁31a及び右壁31cに沿い上方へL字状に折り曲げられた後、右壁31cの右側にて上下に蛇行状となるように折り畳まれている。
【0019】
連結エアバッグ部20cは、その左右両側端部にて、左右両側エアバッグ部20a、20bの各延出端部との間に一体に連結されて、左側エアバッグ部20a、ケーシング31及び右側エアバッグ部20bの各下面に沿い延在している。本実施形態では、エアバッグ20は、その折り畳み形状を維持するように、ガス放出装置30と共に、環状支持帯20dにより巻装保持されている。これにより、折り畳み状態にあるエアバッグ20及びガス放出装置30は、ほぼ直方体状に構成されている。なお、環状支持帯20dは、エアバッグ20の膨張開始時の初期膨張力に基づき破断するように適宜な材料でもって形成されている。
【0020】
ガス放出装置30は、図2にて示すごとく、直方体状のケーシング31を備えており、このケーシング31は、底壁31a、左壁31b、右壁31c及び上壁31d、前壁31e及び後壁31fでもって、直方体状に構成されて、上壁31dにて、家屋10内にてその天井11の左側部にその下方から支持されている。これにより、当該ガス放出装置30は、エアバッグ20を天井11の左側部にその下方から支持している。
【0021】
ここで、底壁31aには、上述のごとく、一側開口部及び他側開口部が形成されている。また、上壁31dは、天井11の左側部への支持を容易にするように、左右両側エアバッグ部20a、20bの各上部よりも、幾分上方へ突出している。また、前壁31e及び後壁31fの間隔(ケーシング31の前後方向幅)は、左右両側エアバッグ部20a、20bの各前後方向幅とほぼ一致している。
【0022】
また、ガス放出装置30は、受信装置32、信号処理回路33、マイクロコンピュータ34及びインフレータ35を備えている。受信装置32は、受信アンテナ32a及び受信機32bを有しており、受信装置32は、放送局BS(例えば、NHKの放送局)からその送受信アンテナBSaを介し送信される地震予知データを、受信アンテナ32aを介し、送信電波として、受信機32bにより受信して、上記地震予知データを受信信号として出力する。なお、受信アンテナ32aは、当該家屋10の屋根に立設されている(図1参照)。
【0023】
ここで、放送局BSは、送受信アンテナBSaを介し、気象庁MAからその送信アンテナMAaを介し電波でもって送信される上記地震予知データを受信して、この地震予知データを送受信アンテナBSaから電波でもって送信する。本実施形態において、上記地震予知データは、家屋の倒壊を招くような大地震(例えば、当該大地震のS波震動)の到来を住民に予知するために気象庁MAから送信される。
【0024】
信号処理回路33は、受信機32bから出力される受信信号を信号処理して信号処理信号を出力する。マイクロコンピュータ34は、図4にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行するもので、このマイクロコンピュータ34は、その実行中において、信号処理回路33の出力に基づき、インフレータ35の駆動に要する演算処理を行う。なお、上記コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ34のROMに予め読み出し可能に記憶されている。
【0025】
インフレータ35は、ガス内蔵型インフレータからなるもので、このインフレータ35は、ケーシング31内に配設されている。当該インフレータ35は、マイクロコンピュータ34による制御のもと、その耐圧容器(図示しない)内に充填してなるヘリウム、アルゴンや窒素等の高圧ガスを、起爆部材(図示しない)の起爆に伴い、上記耐圧容器のガス放出口部からケーシング31の底壁の上記一側及び他側の各開口部を通し、エアバッグ20の左右両側エアバッグ部20a、20b内に向け放出するように構成されている。なお、上記耐圧容器のガス放出口部は、ケーシング31の底壁の一側及び他側の各開口部内に気密的に連通している。
【0026】
以上のように構成した本実施形態において、受信機32b、信号処理回路33及びマイクロコンピュータ34は、上記家屋に対する人(以下、住人Mという)の居住の開始に伴い、家屋10に付設済みの商用電源(図示しない)から給電されて継続的に作動状態におかれる。
【0027】
また、マイクロコンピュータ34は、その作動に伴い、図4のフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行する。しかして、ステップ40において、地震予知データの入力の有無が判定される。
【0028】
現段階において、信号処理回路33が地震予知データを表す処理信号を出力していなければ、地震予知データはマイクロコンピュータ34に入力されていないことから、ステップ40においてNOと判定される。
【0029】
このような判定の繰り返し状態において、信号処理回路33が地震予知データを表す処理信号を出力すると、ステップ40においてYESと判定される。これに伴い、ステップ41において、地震到来予知判定処理がなされる。この大震到来予知判定処理では、ステップ40においてYESと判定に基づき、家屋の倒壊を招くような大地震(特にS波震動)の到来予知と判定される。
【0030】
このような判定に伴い、次のステップ50において、インフレータ駆動処理がなされる。このインフレータ駆動処理では、インフレータ35が、マイクロコンピュータ34による制御のもと、駆動されて、上記起爆部材の起爆に伴い、高圧ガスを、上記耐圧容器のガス放出口部からケーシング31の上記一側及び他側の各開口部を通し、エアバッグ20の左右両側エアバッグ部20a、20b内に向け放出する。
【0031】
すると、高圧ガスが、ケーシング31の上記一側開口部から左側エアバッグ部20a内にその基端部21を通して流入するとともに、ケーシング31の上記他側開口部から右側エアバッグ部20b内にその基端部22を通して流入する。
【0032】
これに伴い、左右両側エアバッグ部20a、20bは、その各流入高圧ガスにより、互いに左右方向に膨張しながら環状支持帯20dを破断し、この破断後、さらにその折り畳み状態から左右方向に膨張して展開していく。
【0033】
ここで、当該保護装置が、上述のごとく、家屋10内にてその天井11の左側部に支持されていることから、左側エアバッグ部20aの家屋10の左壁12の上部との間の距離は、右側エアバッグ部20bの家屋10の右壁13の上部との間の距離よりも短い。
【0034】
従って、上述のような膨張過程においては、左側エアバッグ部20aは、左壁12の内面に沿い下方に向けて伸びながら膨張していく。一方、右側エアバッグ部20bは、天井11の下面に沿い右方へ伸びながら膨張し、さらに右壁13の内面に沿い下方に向けて伸びながら膨張していく。
【0035】
これに伴い、連結エアバッグ部20cが、下方に向けて変位しながら膨張していく。このため、エアバッグ20は、図5にて示すように、家屋10内においてその内面に向け環状となるように展開していく。これにより、家屋10の天井11、左右両壁12、13及び床14が、エアバッグ20の上記展開形状に基づき、地震発生前の原形状に維持され得る。その結果、上記大地震の発生に伴いS波震動が当該家屋10に到達したとき、上記大地震の震度、特にそのS波震動の震度が建物の倒壊を招くような高い震度(例えば、震度7)であっても、当該家屋10は、倒壊することなく、上述の地震発生前の状態に維持され得る。
【0036】
また、上述のようにエアバッグ20が展開すると、家屋10内で図1にて示すごとく床14に着座していた住人Mが、当該エアバッグ20の下側部により床14上に押しつけられるとともに、タンスTが、当該エアバッグ20の右側部により右壁13の内面に押しつけられる。このため、上述のように、到来したS波震動の震度が高くても、住人Mの身体が、床14上に寝た状態で、エアバッグ20により、被害を受けることなく、良好に保護され得るとともに、タンスTが、倒れることなく、上述の地震発生前の状態に維持され得る。従って、タンスT上に家財がおいてあっても、この家財が、タンスTから落下することもない。なお、エアバッグ20は、シリコーン系コート布やノンコート布等の軽くて柔らかい材料でもって形成されているので、住人Mが上述のようにエアバッグ20により押しつけられても、当該住人Mが、エアバッグ20により被害を受けることはない。
【0037】
また、エアバッグ20は、インフレータ35による高圧ガスの迅速な放出により、逸早く、膨張して展開するので、上述のようにS波震動が家屋10に到達したときには、エアバッグ20の膨張展開は完了している。従って、上述した各作用効果は、確実に達成され得る。
【0038】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)保護装置は、上記実施形態とは異なり、例えば、家屋10内の周壁の上部に支持するようにしてもよい。
(2)エアバッグ20は、上記実施形態とは異なり、左右両側エアバッグ部20a、20bの各基端部21、22の一方を閉じて自由端部としてもよく、また、連結エアバッグ部20cをその左右方向中央部にて切断して閉じ、各自由端部としてもよく、或いは、連結エアバッグ部20cを廃止し、左右両側エアバッグ部20a、20bの各先端部を閉じて共に自由端部としてもよい。
(3)インフレータ35としては、上記実施形態にて述べたガス内蔵型インフレータに限ることなく、種々のインフレータを採用してもよい。
(4)上記実施形態においては、上述のごとく、家屋10の居室内には住人MのほかタンスTしか存在しないため、エアバッグ20は、家屋10の居室内にて、ほぼ、天井11、左右両壁12、13及び床14に沿い環状となるように展開するが、例えば、床14上にテーブルとか机等のいくつかの家財が存在する場合には、エアバッグ20は、床14に沿うように展開するのではなく、上記いくつかの家財の各上面に沿い展開し、床14から離れた状態で環状に展開することもある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る耐震用保護装置が家屋に適用された一実施形態を示す図である。
【図2】図1の耐震用保護装置の拡大斜視図である。
【図3】図1のガス放出装置のインフレータを駆動するためのブロック回路を示す図である。
【図4】図3のマイクロコンピュータにより実行されるコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図5】図1の耐震用保護装置におけるエアバッグの展開状態を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10…家屋、11…天井、12…左壁、13…右壁、20…エアバッグ、
20a…左側エアバッグ部、20b…右側エアバッグ部、20c…連結エアバッグ部、
30…ガス放出装置、32b…受信機、33…信号処理回路、
34…マイクロコンピュータ、35…インフレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋内における居室の天井の一部或いは当該居室の周壁の上部に支持されるガス放出装置と、このガス放出装置の外部に折り畳み状態で支持される帯状エアバッグとを備えて、
前記ガス放出装置は、
駆動されたときガスを放出するインフレータと、
地震予知データが気象庁により電波でもって送信されたときこの地震予知データを受信する受信手段と、
この受信手段が前記地震予知データを受信したとき当該受信手段からの前記地震予知データを表す出力に基づき大地震の到来の予知と判定する判定手段と、
この判定手段による地震の到来の予知との判定に基づき前記インフレータを駆動する駆動手段とを内蔵しており、
前記エアバッグは、前記インフレータから放出される前記ガスを流入されて、前記居室内でその内面に向け環状となるように展開する耐震用保護装置。
【請求項2】
前記エアバッグは、前記ガス放出装置の外部にその横方向両側に位置して折り畳み状態で支持される両側エアバッグ部と、当該両側エアバッグ部の各折り畳み先端部間に連結されて当該両側エアバッグ部を相互に連通させる連結エアバッグ部とを備えて、
前記両側エアバッグ部は、前記インフレータから放出される前記ガスを流入されて、前記連結エアバッグ部と共に、前記居室内でその内面に向け環状となるように展開することを特徴とする請求項1に記載の耐震用保護装置。
【請求項3】
前記エアバッグは、その両端部の一方を閉止した自由端部として、前記ガス放出装置の外部に折り畳み状態で支持されるとともに、前記両端部の他方にて前記インフレータから放出される前記ガスを流入されて前記居室内でその内面に向け環状となるように展開することを特徴とする請求項1に記載の耐震用保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−230(P2010−230A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161609(P2008−161609)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(504390344)株式会社プロジェクト アイ (17)
【Fターム(参考)】