説明

育成ゲームプログラム、育成ゲーム制御方法及び育成ゲーム装置

【課題】練習項目の選択回数を不定とし且つ選択結果によって生じ得るメリット又はデメリットの幅を広くし、プレイヤの意志や思考によって種々の戦略立案を可能にすることで育成ゲームに一層変化性と趣向性を与える。
【解決手段】育成ゲーム装置は、5つの練習アイコン214を表示する画像表示制御部102と、モニタ21に始点から終点まで直列に接続された円盤状の所定数のパネル211を表示すると共にコントローラ19から指定された練習アイコン214に表記された1〜4の内のいずれかの数字分だけ育成対象キャラクタ212を現位置のパネルから終点方向のパネルに移動させる移動処理部106と、指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共にこの実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を育成対象キャラクタデータ記憶部142に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理部110とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲームの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野球やサッカーなどのスポーツを疑似体験させるゲームにおいて、ゲーム内のキャラクタをプレイヤによって育成させる育成ゲームが一般に知られている。この育成ゲームでは、所定の回数のコマンドを選択する機会がプレイヤに与えられ、これらコマンドのうちの練習コマンドには、キャラクタの複数の能力パラメータの加減値が対応付けられている。プレイヤは、複数種類の練習コマンドを選択的に指示することにより、キャラクタの能力パラメータの値を変動させ、所望の能力特性を有するプレイヤを育成することができる。さらに、育成されたキャラクタを参加させることが可能な、スポーツ競技を模したシミュレーションゲームがゲーム装置に設定されており、プレイヤは、シミュレーションゲームにおいて、自らの育成したキャラクタを含めたチームで、相手チームと対戦することに独特の面白味を見出すことができることとなっている。ところで、上記従来の育成ゲームでは、キャラクタの育成は単に能力値を順次上げるためだけに行われており、その結果、後のシミュレーションゲームの勝利には結びつくもののそれ以外の達成感はなく、興趣に富んだゲームを作成することには一定の限界があった。
【0003】
特許文献1には、表示器に複数の言動メニューが選択的に表示され、操作部によって所要の言動メニューを選択すると、言動メニューに対応する言動内容が仮想的に実行され、その実行に応じて所要の確率で持ち点に対する加減点が積算されるようにした育成ゲームが提案されている。この育成ゲームでは、種々の観点からの言動メニューが準備され、言動内容の選択方法が好ましければ加点され、そうでなければ減点されるとした点で面白味がある。前記言動内容の仮想的な実行は、ゲーム内の仮想時間である週単位で繰り返され、所定年月週を経過すると終了するようにしている。このように前記持ち点を所定年月週までにできるだけ得るようにするとともに、その持ち点を所要の能力に割り振ることで、遊技者の望む能力に対する能力値をアップさせて育成ゲームの興趣性に図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−140938号報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の育成ゲームは、ゲーム内の仮想時間の週毎に所定時期まで、すなわち設定回数だけ言動メニューを恣意的に選択する操作を繰り返すのみに過ぎない。つまり、ゲームを進行する上で必須の操作である、言動メニューの選択については、特に深い思考を要するものでも戦略性の広がりを持たせたものでもなく、興趣性で一定の限界がある。また、所定の回数の選択操作で育成ゲームを終了するものであり、意外性には乏しい。
【0006】
本発明の目的は、ゲームを進行する上で必須である練習項目の選択回数を不定とし、かつ選択結果によって生じ得るメリットまたはデメリットの幅を広くし、プレイヤの意志や思考によって種々の戦略立案を可能にすることで、育成ゲームに一層の変化性及び趣向性を与えるようにした点にある。
【0007】
本発明の他の目的は、選択した練習項目の履歴情報を育成状況に反映させるようにして、さらなる変化性及び趣向性を与えるようにした点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲームの育成ゲームプログラムにおいて、異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンを記憶する練習アイコン記憶手段、前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段、所定数の前記練習アイコンを前記表示部に表示する練習アイコン表示手段、操作部材を介して1つの練習アイコンの指定を受け付ける指定手段、前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識を表示すると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させる移動処理手段、指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段、として前記コンピュータを機能させるものである。
【0009】
請求項10記載の発明は、表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲーム制御方法において、コンピュータの練習アイコン記憶手段が、異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンを記憶し、コンピュータの能力パラメータ記憶手段が、前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶し、コンピュータの練習アイコン表示手段が、所定数の前記練習アイコンを前記表示部に表示し、コンピュータの指定手段が、操作部材を介して1つの練習アイコンの指定を受け付け、コンピュータの移動処理手段が、前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識を表示すると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させ、コンピュータの育成処理手段が、指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算することを特徴とするものである。
【0010】
請求項11記載の発明は、表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲーム装置において、異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンを記憶する練習アイコン記憶手段と、前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段と、所定数の前記練習アイコンを前記表示部に表示する練習アイコン表示手段と、操作部材を介して1つの練習アイコンの指定を受け付ける指定手段と、前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識を表示すると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させる移動処理手段と、指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
これらの発明によれば、表示部に表示される育成対象キャラクタがコンピュータによって選手として仮想的に育成される。練習アイコン記憶手段には、異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンが記憶されており、能力パラメータ記憶手段には、前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータが記憶されている。そして、練習アイコン表示手段によって、所定数の前記練習アイコンが前記表示部に表示され、指定手段によって、操作部材を介して1つの練習アイコンの指定が受け付けられると、移動処理手段によって、前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識が表示されると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタが現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させられる。次いで、育成処理手段によって、指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行が行われると共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値が生成され、生成された練習成果値が前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算される。従って、育成対象キャラクタの移動が、指定手段で指定された練習アイコンに表記されている1から所定値までのいずれかの数字となるため、始点から終点に達するまでの練習項目の指定回数、すなわち練習回数は不定となり、各練習項目の種類の選択との兼ね合いが重要となる。このように、練習項目の選択回数を不定とすることで練習項目の選択に戦略性を要するものとして、育成ゲームに一層の変化性及び趣向性が付与される。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の育成ゲームプログラムにおいて、練習アイコンの指定に関する指定履歴を直近の所定回数分だけ指定毎に取得する指定履歴作成手段として前記コンピュータを機能させ、前記練習アイコン記憶手段は、複数の練習系統のいずれかに分類された前記各練習アイコンを前記練習系統と対応させて記憶し、前記練習アイコン表示手段は、前記所定数の練習アイコンを、それぞれ対応付けられた練習系統を識別可能にして、前記表示部に表示し、前記育成処理手段は、前記仮想的な実行に応じて、かつ前記指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数を検出し、その数が多いほど、前記仮想的な実行に対する練習成果値を大きくすることを特徴とする。この構成によれば、指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数が多いほど、前記仮想的な実行に対する練習成果値を大きくするようにしたので、選択した練習項目の履歴情報を育成状況に反映させるようにして、さらなる変化性及び趣向性が付与される。具体的には、プレイヤとしては、例えば野球選手の育成を想定した場合において、守備力(という1つの練習系統)を向上させたい場合には、単純に守備力強化のための練習アイコンを選択すればよいのであるが(選択可能に表示されている場合)、もし、今、与えられている(選択可能に表示されている)練習アイコンに、打撃力(という1つの練習系統)を強化するアイコンが多数ある場合には、それらを連続して選択すれば連続選択に基づく大きな練習成果値を獲得できるので、今はあえて守備力強化のアイコンを選択せずに、打撃力強化の練習アイコンの方を選択するという手法も採ることができるなど、様々な選択、戦略性の幅が広がり、育成ゲームとしての面白さが向上する。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記指定履歴作成手段は、前記指定履歴における指定済みの練習アイコンに対応する指定済み画像を、それぞれ対応する練習系統を識別可能、かつ前記練習アイコンの指定の順序を視認可能にして、前記表示部に表示することを特徴とする。この構成によれば、指定履歴が、指定済みの各練習アイコンと識別可能にされた練習系統の情報として、指定順に表示されるので、この指定履歴を参照することで、練習系統の指定履歴を視認でき、さらに、直近側から共通する練習系統の連続状況乃至は連続数の視認が容易となる。なお、指定済み画像から練習系統を識別するには、まず練習アイコンの練習系統を色で区別可能にしておき、同様に、指定済み画像(の練習系統)を練習アイコンの色と同じにしておくことで、指定済み画像を見るだけで、過去の指定履歴及び直近の練習アイコンの練習系統を、直感的かつ極めて容易に把握することができる。指定済み画像の順序(練習アイコンの指定順序)が視認可能となるようにするには、例えば、直近の所定回数分だけの複数の白抜き枠を配列しておき、指定が行われるたびに、一端の枠から他端の枠に向けて順次、練習系統の色に着色処理を施していく、という演出を採ることができる。この場合、図柄や数字等が描かれている練習アイコンとは異なり、単に色付きの枠画像が並んでいることになるので、不要な情報が排除され、一見して過去の履歴を容易に把握することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の育成ゲームプログラムにおいて、任意の位置標識にイベントオブジェクトを対応付けるイベント設定手段として前記コンピュータを機能させ、前記育成処理手段は、前記育成対象キャラクタが前記イベントオブジェクトの対応付けられた位置標識に位置付けられた場合に、前記練習イベントの仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて、かつ前記指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数を検出し、その数が多いほど、前記練習イベントに対する練習成果値を大きくすることを特徴とする。この構成によれば、指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数が多いほど、前記練習イベントの仮想的な実行に対しても、その結果生成される練習成果値を大きくするようにしたので、選択した練習項目の履歴情報を育成状況に反映させるようにして、さらなる変化性及び趣向性が付与される。従って、プレイヤとしては、練習系統の同じ練習アイコンを連続して選択した場合には、練習成果値のより大きな向上を望め、また、イベントオブジェクトのある位置指標に進んだ場合には、そのイベントによる能力向上の可能性が望め、さらには両者を同時に実行できた場合には、そのイベントによる練習成果値をも大きくすることができ、大きな能力向上を図ることが可能となる。しかし、練習アイコンには位置指標に対する進行数が表記されているので、イベントオブジェクトが対応付けられている次の位置指標にうまく進めるとは限らない。一方、練習系統の連続選択を行わなければ(諦めれば)、イベントオブジェクトが対応付けられている位置標識に進める場合もあり、連続選択を優先させるのか、イベントオブジェクトを優先させるのか等の選択をプレイヤに委ねることで、育成ゲームとしての遊戯性をさらに向上させることが可能となる。もちろん、選択候補とされている(表示されている)練習アイコンの種別状況によっては、連続選択もイベントオブジェクトが対応付けられている位置指標へ進めない可能性もあるので、うまく、能力向上が図れたときのプレイヤの喜びは大きなものとなる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の育成ゲームプログラムにおいて、複数種類の前記イベントオブジェクトと前記各練習アイコンとを関連付けて前記練習イベントの内容を記憶するイベント情報記憶手段として前記コンピュータを機能させ、前記育成処理手段は、指定された前記各練習アイコンと前記育成対象キャラクタが位置付けられる位置標識に対応付けられている前記イベントオブジェクトとから前記練習イベントを設定することを特徴とする。この構成によれば、練習イベントの内容が練習アイコンに対応付けられている練習項目とイベントオブジェクトとから設定されるので、プレイヤが所望する能力パラメータを取得する上での戦略が重要となる。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記能力は、基本能力と特殊能力とからなり、前記育成処理手段は、前記育成対象キャラクタが前記イベントオブジェクトの対応付けされていない位置標識に位置付けされた場合に仮想的に実行される練習項目で生成される練習成果値を前記基本能力へ反映させ、前記育成対象キャラクタが前記イベントオブジェクトの対応付けされている位置標識に位置付けされた場合に仮想的に実行される練習イベントで生成される練習成果値を前記特殊能力へ反映させることを特徴とする。この構成によれば、練習成果値が基本能力と特殊能力とに反映されるので、育成対象キャラクタの育成範囲が広範となり、プレイヤに対して高い戦略性のあるゲームが提供される。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記位置標識は、第1の表示形態及び第2の表示形態を少なくとも有し、前記育成処理手段は、指定された練習アイコンに表記された数字によって前記育成対象キャラクタが前記第1の表示形態を有する位置標識に位置付けられた場合、該練習アイコンの仮想的な実行に応じてマイナスの値を練習成果値として生成することを特徴とする。この構成によれば、位置標識として第1の表示形態、例えば赤色、及び第2の表示形態、例えば青色で表示され、そのうち、赤色の位置標識では練習成果値がマイナスに設定される。このように、あえてプレイヤに不利になる練習アイコンを設けておくことで、プレイヤに多様な戦略を取る可能性を提供できるので、育成ゲームとしての遊戯性を向上させることが可能となる。具体的には、例えば、通常ではプレイヤに不利となる赤色の位置標識が選択されることはないが、指定履歴における直近側から共通する練習系統の連続数を増加させる(コンボ数を増加させる)ために、あえて赤色の位置標識を選択し、その次の選択において、増加したコンボ数によってより大きな練習成果値を得るという戦略を取ることも可能となる。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記表示部に表示された前記練習アイコンの内から指定された1つの練習アイコンを消去し、新たな練習アイコンを無作為に補充する練習アイコン補充手段として前記コンピュータを機能させるものである。この構成によれば、練習アイコンが指定されると、この指定された練習アイコンに代えて、新たな練習アイコンが無作為に補充されるので、次回の練習アイコンの練習項目が予測できないため、その中から、次の練習アイコンを選択することになり、困難性のある育成ゲームが提供される。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記直列に接続された所定数の位置標識は、始点と終点との間の任意の位置標識間に所要数の位置標識からなる並列路を有することを特徴とする。この構成によれば、いずれの並列路を選択するかという更なる戦略を要する育成ゲームが提供される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1,10,11記載の発明によれば、練習項目の選択回数を不定とすることで練習項目の選択に戦略性を要するものとして、育成ゲームに一層の変化性及び趣向性を付与することができる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数が多いほど前記仮想的な実行に対する練習成果値を大きくするようにし、選択した練習項目の履歴情報を育成状況に反映させるようにしたので、さらなる変化性、趣向性及び面白さを有する育成ゲームが提供できる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、指定履歴を、指定済みの各練習アイコンと識別可能にされた練習系統の情報として、指定順に表示するようにしたので、この指定履歴を参照することで、練習系統の指定履歴を視認でき、さらに、直近側から共通する練習系統の連続状況乃至は連続数を容易に視認できる。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数が多いほど前記練習イベントの仮想的な実行に対しても、その結果生成される練習成果値を大きくするようにし、選択した練習項目の履歴情報を育成状況に反映させるようにしたので、さらなる変化性及び趣向性を有する育成ゲームが提供できる。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、練習イベントの内容を練習アイコンに対応付けられている練習項目とイベントオブジェクトとから設定するようにしたので、プレイヤに対して所望する能力パラメータを取得する上での高い戦略性を有する育成ゲームを提供できる。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、練習成果値を基本能力と特殊能力とに反映させるようにしたので、育成対象キャラクタの育成範囲を広範とし、プレイヤに対して高い戦略性のあるゲームを提供できる。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、通常ではプレイヤに不利になる第1の表示形態(例えば赤色)の位置標識が選択されることはないが、指定履歴における直近側から共通する練習系統の連続数を増加させる(コンボ数を増加させる)ために、あえて赤色の位置標識を選択し、その次の選択において、増加したコンボ数によってより大きな練習成果値を得るという戦略を取ることも可能となるので、多様な戦略を取る得る育成ゲームを提供することができる。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、新たな練習アイコンを無作為に補充して、次回の練習アイコンの練習項目が予測できないようにし、その中から次の練習アイコンを選択するようにしたので、困難性のある育成ゲームを提供できる。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、いずれの並列路を選択するかという更なる戦略を要する育成ゲームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る育成ゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】コントローラの一例を示す外観図である。
【図3】図1に示す育成ゲーム装置のうち、本発明が関連する部分の機能ブロック図である。
【図4】育成ゲーム装置においてモニタに表示されるゲーム画面の一例を示した育成ゲームの途中画面である。
【図5】練習系統及び練習項目の対応図である。
【図6】特別な練習イベントの実行を示す選択画面の一例を示す画面図である。
【図7】CPUのゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。
【図8】CPUのゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明に係る育成ゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。以下の説明では、育成ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明する。しかし、本発明はこの例に限定されず、モニタが一体に構成された業務用ビデオゲーム装置、本発明によるゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0031】
図1に示す育成ゲーム装置は、家庭用ゲーム機(ゲーム機本体)100及び家庭用テレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100は、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填可能な構成を備えている。記録媒体300がゲーム機本体100に装填された状態で、ゲームプログラムが適宜読み出されて対戦ゲームが実行される。
【0032】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。家庭用テレビジョン200はテレビジョンモニタ(モニタ)21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0033】
CPU1は、バスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2は、アドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース13を相互に接続している。
【0034】
描画プロセッサ10は、バッファ14に接続されている。音声プロセッサ11は、バッファ15及び増幅回路22に接続されている。デコーダ12は、バッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続されている。インターフェース13は、メモリ18及びコントローラ19に接続されている。
【0035】
モニタ21は、描画プロセッサ10に接続されている。スピーカ23は、増幅回路22に接続されている。なお、業務用ビデオゲーム装置の場合、モニタ21、増幅回路22及びスピーカ23は、家庭用ゲーム機100を構成する各ブロックとともに1つの筺体に収納される場合がある。
【0036】
また、ビデオゲーム装置が、パーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、モニタ21は、コンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているプログラムデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9及びインターフェース13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0037】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、CPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0038】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離やこの光源に対する傾きに応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0039】
インターフェース回路4は、周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)で構成される。ROM6にはビデオ育成ゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0040】
伸張回路7は、動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理は、デコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、及びイントラ画像の復元処理等を含む。
【0041】
描画プロセッサ10は、所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0042】
バッファ14は、例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアは、モニタ21の表示面上に表示するデータの展開エリアで構成される。非表示エリアは、スケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアとして構成される。
【0043】
ここで、テクスチャデータは、2次元の画像データである。カラーパレットデータは、テクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。CPU1は、記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、これらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに読み出して記録する。
【0044】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0045】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0046】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データは、CPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離等に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0047】
ポリゴン頂点アドレスデータは、バッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0048】
ゲーム空間内におけるキャラクタやオブジェクトの物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は、各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、モニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている、仮想カメラの視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。すなわち、CPU1は、グラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持されている各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0049】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち、水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0050】
描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、モニタ21の表示画面上には、対応するテクスチャの貼り付けられた多数のポリゴンから構成される物体が表示される。
【0051】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3で座標変換することによって得られる。
【0052】
音声プロセッサ11は、記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させる。バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0053】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0054】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11は、この音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。そして、メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0055】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は、記録媒体ドライブ17からデータを再生し、さらに、ECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0056】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持するべく、例えば中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0057】
コントローラ19は、プレイヤが把持可能な形状、例えば棒状の外形を有し、その表面適所に種々の操作部分が設けられている。
【0058】
図2は、コントローラ19の一例を示す外観図である。コントローラ19は、一体型でもよいが、本実施形態では、操作部材19Aと操作部材19Bとから構成されている。操作部材19Aの長尺部の一側面には、先端側から、ボタン192、十字キー193、ボタン194等の操作部材が配設されており、操作部材19Bの一側面には、ジョイスティック195等の操作部材が設けられている。なお、特に区別しない場合には、単に、コントローラ19という。
【0059】
コントローラ19は、プレイヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19は、インターフェース191の他、操作部分としての、押し込み型のボタン192,194、選択的な押し込みによって4方向(十字方向)のいずれかが検出可能な十字キー193、及び360°方向の傾倒方向と角度とが検出可能な操作桿(ジョイスティック)195を備えている。インターフェース191は、例えば、赤外線や電波等による近接通信のための無線信号を送出する回路で構成され、コントローラ19から送出される操作信号を無線信号に変換してインターフェース13に送出する。コントローラ19のボタン192,194及び十字キー193は、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0060】
コントローラ19は、モニタ21に表示される、後述する育成のための各種の練習項目を示すアイコンの選択及びその確定を指令したり、育成のためのイベントにおける練習ゲームの実施に際して各種の操作を指令したりするために使用される。
【0061】
次に、上記の育成ゲーム装置の動作の概要について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてビデオゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、CPU1は、記録媒体300から育成ゲームプログラムをメインメモリ5へ読み出すように記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及び育成プログラムデータをデコーダ12へ読み出す。読み出された画像データ、音声データ及び育成プログラムデータは、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0062】
画像データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは、描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。音声データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0063】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されている育成ゲームプログラム及びプレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてビデオゲームを進行させる。すなわち、プレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1はゲーム状況の変更の制御、及びこれに基づく画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0064】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3で求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0065】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0066】
まず、育成ゲーム装置で行われる育成対象キャラクタの仮想的な育成処理の基本動作及び流れの概要について、図4を用いて説明する。図4は、育成ゲーム装置においてモニタ21に表示される途中のゲーム画面の一例を示した図である。
【0067】
本育成ゲームは、例えば複数のポジションを有するチームにおける各ポジションの選手を仮想的に育成するゲームである。以下、野球選手を仮想的に育成する場合を例に説明する。
【0068】
モニタ21には、背景を描画したゲーム画面210が表示され、これに重畳して複数の円盤状のパネル211(位置標識)が所要間隔を置いて直列に、本実施形態では数珠繋ぎを演出した画像として表示されている。パネル211のいずれか1つには1つの育成対象キャラクタ212が対応付けられ、例えばパネル211に乗るように位置付けされている。図4では途中のいずれかのパネル211に乗っている態様で表示されている。育成対象キャラクタ212は手前のパネル211から奥行き方向のパネル211へ、すなわち始点のパネル211から終点のパネル(いずれも図4には表れていない)に向けて移動する。パネル211の数は、所定数、本実施形態では50個程度乃至はそれ以上の所定数が準備されている。図4に示すように、各ゲーム画面210は育成対象キャラクタ212が現在位置するパネル211の周辺の数個分のパネル211が表示されるサイズのゲーム空間として表示され、画像の識別性を確保している。ゲーム画面210を描画する仮想カメラは育成対象キャラクタが移動すると、より終点側のパネル211が順次表れるように、育成対象キャラクタの移動と連動するようにして視点の変更が行われる。
【0069】
パネル211のいくつかには選択的に複数の色が設定されている。ここでは、赤色、青色、緑色である。また、パネル211のいくつかには選択的にイベントオブジェクト213が対応付けられている。イベントオブジェクト213は所要の種類が準備されており、イベントオブジェクト213と育成対象キャラクタ212との練習イベントとして関連付けられている。例えば、イベントオブジェクト213が、図4に示すように「バット」を模擬したオブジェクトの場合、打撃練習のイベントであり、「グローブ」を模擬したオブジェクトを含む場合、守備練習のイベントであり、「球場」を模擬したオブジェクトの場合、練習ゲーム(練習試合)のイベントであり、「神社」を模擬したオブジェクトの場合、特に特殊能力取得のためのイベントである。
【0070】
ゲーム画面210の下部には、所定数、ここでは5個の練習アイコン214の画像が配列されて表示されている。各練習アイコン214には、本実施形態では赤色、青色を含む複数種類の色が設定されている。さらに、各練習アイコン214には、練習項目をイメージした画像と数字とが表記されている。練習項目は、図6に示すように複数種類が準備されている。数字は、“1”から所定数までが準備されており、この数字は育成対象キャラクタ212のパネル211に対する移動量(進行数)を表している。進行数としては例えば“1”〜“4”である。コントローラ19によって1つの練習アイコン214が指定されると、指定された練習アイコン214の練習が仮想的に実行される。すなわち、練習アイコン214の指定は、対応する練習項目の実行命令の発令として機能する。指定された練習アイコン214はゲーム画面210から消去され、新たな練習アイコン214が消去された練習アイコン214に代わって補充(ゲーム画面210に出現)される。新たな練習アイコン214は所定のルール、好ましくは無作為というルールで選出される。練習アイコン214に表記されている練習項目と色とは対応しており、一方、練習項目と数字とは対応していてもよいし、その都度異なるもの、すなわち対応していなくてもよい。
【0071】
上記において、育成は、練習アイコン214の選択によって進められる。練習アイコン214を選択する毎に1回の練習が仮想的に実行される。育成対象キャラクタ212には複数種類の能力パラメータが設定されている。能力パラメータの種類は、野球競技における各ポジションに適合する能力で、例えば、守備に関する能力、打撃に関する能力及び投球に関する能力等を含む。1回の練習毎に、練習項目に応じた練習成果値が生成される。練習成果値は、能力パラメータの内の1又は複数の能力に関する値として生成される。生成された練習項目値は対応する能力パラメータに積算される。練習成果値は基本的にはプラス値であるが、マイナス値も存在する。練習成果値は練習項目の種類と他の条件、例えばパネル211の色との関係やイベント内容及びイベント結果によって決定される。
【0072】
能力パラメータの取得状況は、ゲーム画面210の上部の能力パラメータ表示欄215に表示されている。能力パラメータ表示欄215の、後述する各練習系統の数値は1回の練習項目が終了する毎に更新される。1回の練習に基づく練習成果値がどの程度かは、成果コメント欄216に表示される。成果コメントは、基本文章が予め記憶されており、練習種目、能力パラメータ及び数値が練習成果値に基づいて差し込まれることで作成される。この成果コメント欄216により、プレイヤは今回の練習項目でどの程度能力パラメータが増減したかを把握することが可能となる。
【0073】
練習アイコン214の色は、図5に示す練習項目の系統に対応している。図5の例示では、系統として青色の「ミート系」、水色の「パワー系」、緑色の「走力系」、エンジ色(赤と紫の混色)の「肩力系」、黄色の「守備力系」、オレンジ色の「エラー回避系」、水色の「球速系」、緑色の「コントロール系」、エンジ色の「スタミナ系」、及び黄色の「変化球育成系」なお、練習系統は色で識別する他、種々の方法、例えば練習アイコン214に識別マークや記号を付加したり、練習アイコン214の形状を異ならせたりしてもよい。
【0074】
育成は、育成対象キャラクタ212が始点のパネル211から終点のパネル211へ到達するまでである。育成対象キャラクタ212の始点のパネル211から終点のパネル211へ向けての移動は、プレイヤによって選択された練習アイコン214に表記された数字が反映される。すなわち、育成対象キャラクタ212は現在位置するパネル211から、指定された練習アイコン214に表記されている数字分のパネル211だけ進む。例えば、育成対象キャラクタ212の現在位置が始点のパネル211に対応付けられている場合において、プレイヤが数字“3”の表記された練習アイコン214を選択すると、4番目のパネル211に移動し、対応付けられる。
【0075】
育成対象キャラクタ212は最終的には最後のパネル211に一致するように練習アイコン214を選択して最後の練習を実行する。このようにして育成対象キャラクタ212は最終のパネル211に到達することができる。従って、この育成ゲームでは、練習回数は、選択した練習アイコン214の数字(進行数)に依存するため、不定である。例えば、数字“1”のみであれば50回の練習となり、ほとんど数字“4”を選択した場合、13回程度である。このように、練習回数の多少も育成程度に反映される。
【0076】
また、ゲーム画面210の適所、ここでは最下部には指定履歴欄217が設けられている。指定履歴欄217は、直近に指定された練習アイコン214の練習系統に相当する指定済み画像が、所定の指定回数分、例えば直近の5回分の指定済み画像2171〜2175として指定順に配列されている。指定済み画像2171〜2175は、白抜きの四角形状を有し、それぞれは練習系統を識別可能な形態、例えば全面に練習アイコン214に付されていた色と同一の色が付されて、練習系統が識別可能となっている。なお、指定済み画像2171〜2175への着色は、練習アイコン214の選択順に、指定済み画像2171から指定済み画像2175に向かって、順次行われる。
【0077】
直近側からの指定済み画像の色が連続することを、本実施形態ではコンボといい、最小のコンボ“2”から、最大のコンボ“5”までが存在する。コンボ“2”は、直近側の連続する2個の指定済み画像が共通色である場合である。例えば、ゲーム開始直後から指定済み画像2171,2172が共通色となれば、この時点でコンボ“2”となる。さらに、同じ色の指定済み画像2173が来れば、コンボ“3”となる。途中の指定済み画像2173,2174の2つがコンボ“2”となる場合もある。コンボ“5”は、指定済み画像2171〜2175の全ての色が共通な場合である。指定済み画像2171〜2175まで共通色が連続しない状態で埋まっている場合、その後は、直近に選択した練習アイコン214の色である指定済み画像2175と同じ色がどれだけ連続するかで、これ以降のコンボ数が決まってくる。
【0078】
表1は、コンボ数による練習成果値の増大率を示したものである。例えば、コンボ“2”となるように練習アイコン214を選択すると、その選択時には、通常時(コンボなし)と比較してボーナス率5%増の練習成果値が生成される。例えば、通常時において、その練習アイコン214を選択したときの練習成果値が10ポイントであるとすれば、コンボ“2”となるように練習アイコン214を選択した場合には、その選択時の練習成果値は、表1に従って11.0ポイントとなる。引き続きコンボを連続させるよう(コンボ“3”になるよう)練習アイコン214を選択すれば、その選択時の練習成果値は表1に従って、コンボ“3”のボーナス率である通常時比10%増の11.5ポイントを獲得できる。従って、例えば、コンボ“2”から引き続きコンボ“3”となるように練習アイコン214を選択した場合の2回の総練習成果値は22.5(=11.0+11.5)となり、通常時(コンボなし)における2回の総練習成果値である20.0(=10.0+10.0)と比較して2.5ポイント多く獲得できることになる。同様に、コンボ数が上がってくると、獲得できるポイント数も増大するが、無制限に増大させて極端に大きな練習成果値を獲得可能としてしまうと、却ってゲーム性を低下させてしまうため、コンボ“5”以上では、ボーナス率を上限の25%として設定している。
【0079】
【表1】

【0080】
なお、育成対象キャラクタ212が所定のパネル(本実施形態では青色のパネル211)に着地したときには、ある練習のイベントが発生するが、コンボ数はこのイベントにも影響を与える。具体的には、育成対象キャラクタ212が青色のパネル211に着地するときに、コンボが生じると(あるいはコンボ数が増加すると)、そのコンボの練習系統に関係するイベントが発生するが、このときコンボ数が大きいほど、そのイベントによる練習成果の結果もより大きくなる。例えば、コンボの練習系統が筋力トレーニング系であって、育成対象キャラクタ212が青色パネル211に着地したときには、筋力トレーニング系に関連した練習イベントが発生する。イベントとしては例えばダンベル上げの鍛錬が実行されるが、例えばコンボ“2”のときには20回、コンボ“3”のときには30回、コンボ“4”のときには40回、コンボ“5”のときには50回行い、その結果、得られるトレーニング効果としても各々の回数に応じた練習成果値が得られる。すなわち、コンボ“2”で0.2ポイント、コンボ“3”で0.3ポイント、コンボ“4”で0.4ポイント、コンボ“5”で0.5ポイント獲得できる。上記ポイントは一例で、ゲーム性に応じて種々、変更できる。
【0081】
なお、上記例は、育成対象キャラクタ212が所定のパネル(青色のパネル211)に着地することで、育成対象キャラクタ212に有利なイベントが発生するものであるが、逆に、育成対象キャラクタ212に不利となるパネル211も設けている。具体的には赤色のパネル211であり、このパネル211に着した場合には、コンボ“2”で0.2ポイント、コンボ“3”で0.3ポイント、コンボ“4”で0.4ポイント、コンボ“5”で0.5ポイント分をそれまでの練習成果値から減算する。この場合、特別に演出することなく減算処理を行ってもよいし、例えば育成対象キャラクタ212が腕を痛めてダンベル上げの練習を放棄した、といった予め準備された(マイナスイメージの)演出の後に減算を行うようにしてもよい。また、パネル211の青色、赤色に対する練習成果値のプラスやマイナスのボーナスによる増減に関しては、コンボ数を考慮することなく、固定化されたボーナス比率(プラス及びマイナス)を設定してもよい。
【0082】
また、コンボは、特別のイベントオブジェクト2131、例えば「神社」が対応付けられたパネル211における特別な練習イベント対しても反映される。例えば、特別な練習イベントで得られる練習成果値はコンボ数が多いほど可能性が高くなるように設定されている。表2は、その一例を示す。
【0083】
【表2】

【0084】
表2では、イベントオブジェクト2131が「神社」の場合における特殊能力の習得確率とコンボ数との関係を示している。なお、表2の習得可能な特殊能力が「パワーヒッター」となっているのは、直前に指定した練習アイコン214の練習系統が「パワー系」であったことを示している。
【0085】
コンボ“2”では、7%が設定されており、そして、最大となるコンボ“5”では、15%が設定されており、従って最大で10%のボーナスが付加されている。各コンボ数における%値は、育成の難易度を考慮して好適な数値が設定可能である。なお、表2において、コンボ“5”以上とは、コンボ“6”を意味し、5つの練習アイコン214の中に指定済み画像2171〜2175の色と共通する練習アイコン214が少なくとも1つ存在する場合である。
【0086】
図6は、育成対象キャラクタ212が「神社」のイベントオブジェクト2131が対応付けられたパネル211に着地した際に、モニタ21に表示される練習処理を示す選択画面の一例を示す画面図である。図6では、プレイヤがこれまでに選択した練習アイコン214の練習項目に基づいて作成された所定数の、例えば5つの特殊能力パラメータの習得のいずれかが選択可能に表示されている。選択された練習アイコン214の練習項目と、所定数の特殊能力パラメータとの関係は、予め設定されており、あるいは特殊能力パラメータの取得状況から例えば未取得の特殊能力パラメータが優先されるようにして設定される。各特殊能力は、十字キー193を操作することで、いずれかが、例えば上から2番目の「チャンス」が選択され、確定用のボタン192を押下することで、特殊能力である「チャンス」の習得結果が次画面で表示される。すなわち、かかる操作によって特別な練習イベントが仮想的に実行されたとして扱っている。
【0087】
なお、発動中のボーナスポイントには「COMBO」の記載があるが、ランプが点灯しているもの(図面では太字)は、該当する特殊能力に関連する練習系統のコンボが発生していることを示している。そして、表2にも示すように、このコンボが発生している場合には、発生していない場合に比べて特殊能力を獲得できる確率が向上する。従って、プレイヤとしては、「COMBO」が点灯しているか否か、また自分が獲得したい特殊能力があるか否かを検討して、選択することになる。
【0088】
以上のように、この育成ゲーム方法によれば、プレイヤに対して、進行方向に存在する各練習パネル211の色、イベントオブジェクト213の有無とその種類、育成したい能力の種類を考慮すると共に、現に選択可能に表示されている5個の練習アイコン214の練習項目、数字(進行数)とを睨み合わせ、さらにコンボ数を勘案して、今回の練習アイコン214の選択を行わせるという、高いゲーム興趣性が提供できる。
【0089】
上記の組合せによって様々な戦略を採用することが可能となるが、典型的な例を示せば、以下の通りである。
【0090】
(1)高い練習成果値を獲得するためには、指定履歴欄217を参照して、コンボ数をより多く重ねるように練習アイコン214を選択すればよい。
【0091】
(2)しかし、必ずしも常にコンボを目指す必要はなく、プレイヤが強化したいと考えている能力の練習アイコン214を選択してもよい。
【0092】
(3)上記(1)に加え、さらに高い練習成果値を獲得するには、コンボ数を重ねた状態で、青色パネル211に着地すれば、そのコンボの練習系統に応じたイベントが発生し、さらに練習成果値が上がる。このときコンボ数が多いほど、練習成果値が大きい。このためには、まず、次に選択する練習アイコン214は、それまでと同じ練習系統の練習アイコン214を選択する必要があり(コンボ数を重ねる)、かつ、その次に選択する練習アイコン214に記載された数字(進行数)が所望の青色パネル211でちょうど着地する数である必要がある。
【0093】
(4)あるいは、ちょうど着地できる青色パネル211がなくても、イベントオブジェクト213のあるパネル211(例えば「神社」のイベントオブジェクト)に着地することで、特殊能力の獲得を目指してもよい。
【0094】
(5)ところで、コンボを重ねられる練習アイコン214を選択した結果として、練習成果値が減算されてしまう赤色パネル211に着地せざるを得ない場合もある。この場合は、一時的に減算というデメリットがあるとしても、コンボを優先して、今後さらに大きな練習成果値の獲得を目指すのか、あるいは赤色パネル211に着地することによる減算を回避して、一旦コンボを諦めるかはプレイヤの判断に委ねられる。
【0095】
(6)その他、5つの練習アイコン214は選択可能に視認されるので、そのうちの2つの練習アイコン214の数字を組み合わせて(2回の選択を経て)所望のパネル211に着地することを考えたり、練習アイコン214を1枚選択すると、次の未定の練習アイコンが補充さえることから、その未定の練習アイコンによって後で、新たなコンボを狙えることを期待して常に赤色パネル211は避ける、といった種々の戦略を採ることが可能となる。
【0096】
次に、育成ゲームを実行する育成ゲーム装置の主要な機能について説明する。図3は、図1に示す育成ゲーム装置のうち、本発明が関連する部分の機能ブロック図である。
【0097】
CPU1は、メインメモリ5(プログラム記憶部51)に記憶されている育成ゲームプログラムを実行することによって、コントローラ19からの各種の操作信号をデジタル信号として受け付ける取得部101、育成ゲームの進行に沿った各種ゲーム画像をモニタ21に表示する画像表示制御部102、コントローラ19からの操作信号より練習アイコン214の指定信号を生成する練習アイコン指定部103、練習アイコン214の指定信号の生成に対応させて補充すべき新たな練習アイコン214を選定する練習アイコン補充処理部104、練習アイコン214の指定信号の生成に対応させて指定履歴欄217に、指定された練習アイコンの指定済み画像2171〜2175を作成し、表示する指定履歴作成処理部105、及び育成対象キャラクタ212を現在のパネル211から、指定された練習アイコン214に表記されている数字分だけ終点側のパネル211に移動させて位置付けさせる移動処理部106として機能する。
【0098】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されている育成ゲームプログラムを実行することによって、イベントオブジェクト213のパネル211への対応付けを行うイベント設定部107、育成対象キャラクタ212の移動先のパネル211にイベントオブジェクト213が対応付けられているか否か、及びイベントオブジェクト213の種類を判断するイベント判断部108、練習アイコン214の指定毎に指定履歴欄217内のコンボ数を検出するコンボ数検出部109として機能する。
【0099】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されている育成ゲームプログラムを実行することによって、育成対象キャラクタ212に対する育成処理を育成ゲームプログラム等に基づいて制御する育成処理部110として機能する。育成処理部110は、指定された練習アイコン214に対応付けられた練習項目を、あるいはイベントオブジェクト213と関連した練習イベントを仮想的に実行する練習処理部111、及び仮想的な練習の実行を受けて、育成ゲームプログラム等に基づいて練習成果値を算出し、現在の能力パラメータに積算する練習成果値算出部112を備えている。
【0100】
また、CPU1は、記憶媒体300から取り込まれた各種画像データを記憶する画像記憶部141、対象とする競技種目に関する育成対象キャラクタ212の能力を表す能力パラメータを記憶する育成対象キャラクタデータ記憶部142を有するバッファ14と接続されている。各能力パラメータの例を示すと、野手に関する「弾道」「ミート」「パワー」「走力」「肩力」「守備力」「エラー回避値」、及び投手に関する「球速」「コントロール」「変化球育成」「スタミナ」等が、野球ゲームに共通するものとして準備されている。
【0101】
その他、主に練習イベントの実行等によって取得できる特殊能力も準備されている。特殊能力としては、野手に関しては、例えば「威圧感」、「対左投手ミート補正」、「対左投手パワー補正」、「チャンス補正」、「スイングタイミング」、「アベレッジヒッター」、「パワーヒッター」、「チャンスメーカー」、「サヨナラ男」、「逆境」、「流し打ち」、「広角打法」、「内野安打」、「バント」、「満塁男」、「代打男」、「三振男」、「初球打ち」、「固め打ち」、「連打」、「4番バッター」、「アベックアーチ」、「粘り男」、「守備職人」、「盗塁」、「体当たり」、「走塁」、「ホームスライディング」、「送球」、「ブロック」、「ムードメーカー」、「タイムリーエラー」、「初回先頭打者本塁打男」、「捕手リードレベル」、「レーザービーム(返球の素早さ)」、「タックル(力強さ、元気度を表す)」「チャンス強さ」があり、投手に関しては、例えば「威圧感」、「対左打者補正」、「ピンチ」、「打たれ強さ」、「ランナー」、「立ち上がり」、「尻上がり」、「寸前」、「リリース」、「ボールの伸び」、「勝負運」、「牽制」、「打球反応」、「短気」、「四球」、「危険失投率」、「クイック」、「接戦」、「責任感」、「力配分」、「球速安定」、「ポーカーフェイス」、「低め」等が考えられる。実際の野球ゲームにおいては、前述の基本能力パラメータが反映され、かつ競技中の各場面に応じて、特殊能力パラメータの全部又は所要の(効果を発揮する度合いの高い)一部のものが採用される。
【0102】
メインメモリ5には、前記プログラム記憶部51の他、育成用各種数値データ記憶部52、練習アイコン情報記憶部53、及びイベント情報記憶部54を備えている。育成用各種数値データ記憶部52は、育成成果値を算出するために必要な、例えば表1、表2のような数値データを記憶するものである。練習アイコン情報記憶部53は、練習アイコン214に関連付けられる練習項目情報(図5)、及び練習項目に対応させて練習系統情報(色情報)、及び進行数を表す数字情報を記憶するものである。イベント情報記憶部54は、イベントオブジェクト213に関連付けられる、パネル211の色(赤、青、その他の色)情報と練習アイコン214との組合せから設定される練習イベント情報を記憶するものである。なお、各パネル211とパネル211に付される色(赤色、青色、緑色など)との関係は、予めメインメモリ5の所要の記憶部に記憶される。パネル211と色との関係は、固定的でもよいし、予め複数種類を準備しておき、ゲームの都度、乱数発生器からの乱数を利用するなどして不規則に設定されるようにしてもよい。
【0103】
画像表示制御部102は、図4に示すゲーム画面210や育成終了時の所要の画像の表示を行うものである。具体的には、ゲーム空間に配置された各種のオブジェクトから構成される背景画像、ゲーム空間の予め設定された座標位置に配設された各パネル211の画像、育成対象キャラクタ212の画像、イベントオブジェクト213の画像、5個の練習アイコン214の画像、能力パラメータ表示欄215の画像、成果コメント欄216の画像、及び指定履歴欄217の画像である。なお、文字や数字からなる画像の他、背景画像は、単に報知用や演出用であることから2次元で作成された固定化された画像であってもよい。
【0104】
また、育成ゲームが進行するに従って、育成対象キャラクタ212が順次終点のパネル211に向けて移動するため、仮想カメラも連動して移動し、常に育成対象キャラクタ212をゲーム画面210の略中央に描画するようにしている。また、画像表示制御部102は、練習イベントの発生時に行われる、例えばプレイヤからの操作を受け付けて実行される練習イベントの一例としての練習試合ゲーム等のゲーム画面の表示も行う。
【0105】
練習アイコン指定部103は、ゲーム画面210に表示されている5個の練習アイコン214の内から所望する1つをコントローラ19の十字キー193によって選択し、ボタン192によって確定する操作信号を取得部101を介して練習アイコン214として受信し、該当練習アイコン214の指定を行うと共に、該練習アイコン214をゲーム画面から消去するものである。
【0106】
練習アイコン補充処理部104は、指定信号を受信すると、練習アイコン214の消去処理を受けて、新たな練習アイコン214を、例えば消去された練習アイコンの位置に新たに表示するものである。新たな練習アイコンは、乱数発生器から得られる乱数を用いて無作為に選定されるようにしている。なお、乱数に代えて所定のルールに従って選定する態様でもよい。
【0107】
指定履歴作成処理部105は、練習アイコン214の消去処理を受けて、指定履歴欄217の中で、最も古い左端の指定済み画像2171を消去し、かつ残り4つの指定済み画像2172〜2175を1コマ分だけ、図4において左方にスライドさせて空いた右端に、指定された練習アイコン214に対応する指定済み画像2175の表示を行うものである。
【0108】
移動処理部106は、いずれかの練習アイコン214が指定される毎に、該練習アイコン214に表記されている数字だけ、育成対象キャラクタ212を現在のパネル211から終点側のパネル211に移動させて位置付けさせるものである。例えば、図4において、練習項目「学習塾」の練習アイコン214が指定されたと仮定すると、該練習アイコン214に表記された数字“1”であるから、育成対象キャラクタ212は、図5の位置からパネル1個分進んで、「バット」のオブジェクト213が対応付けられたパネル211に位置付けされることになる。また、「グローブ」のオブジェクト213が対応付けられたパネル211は二股分岐点となっているが、指定した練習アイコン214に表記された数字が、かかる分岐点となるパネル211を超えて移動する場合には、分岐のいずれの方向へ進むかの選択画面を提示し、プレイヤが選択可能にしている。なお、分岐後は、さらに終点側のパネル211で合流する並列路で構成されてもよいし、分岐点から同数のパネル211を有する複数の分岐路(並列路)の各終点を有する構成であってもよい。また、二股に限定されず三股あるいはそれ以上の所定数の並列路であってもよい。
【0109】
イベント設定部107は、育成ゲーム空間内に展開される所定数のパネル211のうち予め設定された複数のパネル211に種々のイベントオブジェクト213を対応付けるものである。対応付けるイベントの種類及び個数は、育成ゲームの難易度等を考慮して設定されている。あるいは、育成ゲームに難易度方向のランクを設定しておき、プレイヤによって選択されたランクに応じて個数、種類を変更する態様であってもよい。
【0110】
イベント判断部108は、練習アイコン214が指定される毎に、育成対象キャラクタ212の移動後のパネル211にイベントオブジェクト213が対応付けられているか否かを判断するものである。また、イベント判断部108は、イベントオブジェクト213が対応付けされていない場合には、対応付けなしの信号を生成し、イベントオブジェクト213が対応付けされている場合には、対応付けありとし、かつイベントオブジェクトの種類を識別する識別信号を生成する。
【0111】
コンボ数検出部109は、練習アイコン214が指定される毎に、指定履歴欄217の直近側(図4の右端)からの共通色の個数をコンボ数としてカウント(検出)し、コンボ数信号を生成するものである。
【0112】
育成処理部110は、指定された練習アイコン214に対応付けられている練習項目の仮想的な実行を行うと共に、練習項目の仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を育成対象キャラクタデータ記憶部142に記憶されている能力パラメータに積算するものである。
【0113】
練習処理部111は、取得部101を介していずれかの練習アイコン214が指定されると、指定された練習アイコン214に対応付けられている練習項目の実行命令が発令されたとして扱い、この練習項目の仮想的な実行を行うものである。また、練習処理部111は、練習イベントの仮想的な実行指示が発令された場合には、練習項目とイベントオブジェクト213との関係から対応付けた練習イベントを実行させるものである。また、練習処理部111は、練習イベントのうち、コントローラ19を介してプレイヤの操作を要する場合には、操作信号を受け付けて所要の練習イベントを実行させるものである。プレイヤの操作を要する練習イベントの一例としては、イベントオブジェクト213が「球場」である場合における練習試合を想定している。練習試合では、例えば、育成対象キャラクタを投手として育成している場合には、投手として練習試合に参加させ、一方、野手として育成している場合には、打者として練習試合に参加させるようにしている。また、練習試合では、対戦する相手側はCPU1によって動作が制御される選手キャラクタである。CPU1によって制御される選手キャラクタの動作は、図略の乱数発生器からの乱数を用いて動作に変動を付与するなどして、CPU1側が必ずしも有利になることのないように手当しておけばよい。
【0114】
練習成果算出値112は、練習項目の仮想的な実行に応じて生成した練習成果値を育成対象キャラクタデータ記憶部142に記憶されている能力パラメータに積算するものである。練習成果算出値112は、指定された練習アイコン214に対応する練習項目に応じて複数種類の能力のうちの1種類又は所定種類分の能力に対応した練習成果値をそれぞれ生成するものである。練習項目と生成される練習成果値との関係は予め設定されており、かつ他の要素、例えば前述したパネル211の色との関係、イベントオブジェクト213の種類との関係、またプレイヤのコントローラ操作の巧拙も考慮して決定される。
【0115】
例えば、ゲーム画面210に「ミート系」の「素振り」に対応する練習アイコン214が少なくとも表示されている場合において、該練習アイコン214が指定されると、仮想的に「素振り」の練習が実行されたとして扱われ、練習成果値(練習成果値I)が生成されるように設定されている。この場合、パネル211が青色であれば、例えば、「弾道」「ミート」には所定のプラス値が生成され(練習成果値II)、一方、パネル211が赤色であれば、「弾道」「ミート」にはマイナス値が生成される(練習成果値III)。また、ゲーム画面210に「守備系」の「ノック」に対応する練習アイコン214が少なくとも表示されている場合において、該練習アイコン214が指定されると、仮想的に「ノック」すなわち守備練習が実行されたとして扱われ、練習成果値が生成されるように設定されている(練習成果値I)。この場合、パネル211が青色であれば、例えば、「守備力」「エラー回避値」には所定のプラス値が生成され(練習成果値II)、一方、パネル211が赤色であれば、「守備力」「エラー回避値」には所定のプラス値が生成されるように設定されている(練習成果値III)。
【0116】
すなわち、例えば「ミート系」の練習アイコン214において、パネル211が青色及び赤色以外の色に設定されていると、「ミート系」に関連する基本能力の他、特殊能力(例えば「アベレッジヒッター」)の能力パラメータがプラス値となり、青色に設定されていると、より大きなプラス値となり、赤色に設定されていると、逆にマイナス値となる。また、例えば「パワー系」の練習アイコン214において、パネル211が青色及び赤色以外の色に設定されていると、「パワー系」に関連する基本能力の他、特殊能力(例えば「パワーヒッター」や「体当たり」)の能力パラメータがプラス値となり、青色に設定されていると、より大きなプラス値となり、赤色に設定されていると、逆にマイナス値となる。
【0117】
また、選択された練習項目と基本能力パラメータの増減分との組合せに連動して、あるいは単に基本能力パラメータの増減分に連動して、対応する特殊能力パラメータに対して練習成果値が分配的に設定されるようにしてもよい。他の練習項目についても同様に、それぞれの練習項目に対応した算定方法(練習成果値I,II,IIIの算出式等)が適宜設定されている。また、イベントオブジェクト213の練習イベントの実行に対応した算定方法(練習成果値IV)、特別のイベントオブジェクト2131(例えば「神社」)の練習イベントの実行に対応した算定方法(練習成果値V)が適宜設定されている。
【0118】
能力パラメータはレベル方向に複数にランク分けされている。ランクは、「A」〜「G」まで準備されており(図4では「A」〜「F」が例示されている)、また、能力の種類に応じて各ランクの値は、「1」〜「15」の幅を有するもの、「1」〜「255」の幅を有するものなどがある。それぞれの幅は能力の性質に対応して好ましい数値範囲に設定されている。
【0119】
図7、図8は、CPU1のゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。まず、初期セットが行われる(ステップS1)。すなわち、初期セットとして、ゲーム画面210の設定、パネル211の位置設定、主人公キャラクタの始点のパネル211への位置設定、少なくとも5個の練習アイコン214の選出、及びこれらの描画を含み、さらに能力項目(特殊能力項目含む)の設定、練習成果値の生成プログラムの設定処理が行われる。次いで、現在のコンボ数の確認処理が実行され、コンボ数に応じたコンボ数信号が生成される(ステップS3)。
【0120】
次いで、練習アイコン214の選択が行われるまで待機し(ステップS5)、いずれかの練習アイコン214が指定されたと判断されると、練習アイコン214を1個補充する処理が行われる(ステップS7)。さらに、指定された練習アイコン214の練習系統が識別され、指定履歴欄217内の最も古い指定済み画像2171が消去され、かつ指定履歴欄217の所定位置に、指定された練習アイコン214の練習系統に対応した色の指定済み画像2175が表示される(ステップS9)。さらに、指定された練習アイコン214の数字が識別され(ステップS11)、育成対象キャラクタ212が現在のパネル211の位置から識別された数字分だけ終点側へ移動されて表示され、かつ移動後の育成対象キャラクタ212がゲーム画面210の略中央から外れたかの判定に従って必要な画面のスクロール(仮想カメラの移動)が行われる(ステップS13)。
【0121】
次いで、育成対象キャラクタ212の移動後のパネル211にイベントオブジェクト213が設定されているか否かが判断される(ステップS15)。イベントオブジェクト213が設定されていない場合には、該パネル211の色が、赤色、青色あるいはその他の色かどうかが判断される(ステップS17)。
【0122】
パネル211が赤色でも青色でもなければ、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目の仮想的な実行が行われた(ステップS19)として扱われ、練習成果値Iが生成される(ステップS21)。一方、パネル211が青色であれば、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目の仮想的な実行が行われた(ステップS23)として扱われ、練習成果値IIが生成さる(ステップS25)。また、パネル211が赤色であれば、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目の仮想的な実行が行われた(ステップS27)として扱われ、練習成果値IIIが生成される(ステップS29)。そして、対応する能力の種類の能力パラメータに生成された練習成果値が積算される(ステップS41)。
【0123】
一方、ステップS15でイベントオブジェクト213が設定されている場合、さらに特別イベントオブジェクト2131(本実施形態では「神社」)が設定されている否かが判断される(ステップS31)。特別イベントオブジェクトでなければ、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目とイベントオブジェクト213の種類とから決まる練習イベントの仮想的な実行が行われた(ステップS33)として扱われ、練習項目の種類、イベントオブジェクト213の種類及びコンボ数とから練習成果値IV生成さる(ステップS35)。ステップS31で、特別イベントオブジェクト2131であれば、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目とイベントオブジェクトの種類とから決まる練習イベントの仮想的な実行が行われた(ステップS37)として扱われ、練習項目の種類、イベントオブジェクトの種類及びステップS3で得られたコンボ数信号から練習成果値Vが生成される(ステップS39)。
【0124】
続いて、育成対象キャラクタ212が終点のパネル211に達したか否かの判断が行われ(ステップS43)、終点のパネル211に達していなければ、ステップS3に戻って、現在のコンボ数の確認処理から始まる、前述の処理が繰り返される。一方、終点のパネル211に達したのであれば、育成結果の評価が行われ(ステップS45)、かつ能力パラメータが閾値に達しているか否かが判断される(ステップS47)。閾値に達していなければ、モニタ21に育成失敗の旨の表示が行われ(ステップS49)、育成対象キャラクタ及びその能力パラメータのデータが消去される(ステップS51)。一方、閾値に達していれば、モニタ21に育成成功した旨の表示が行われ、育成対象キャラクタ212及び能力パラメータのデータに対する登録処理が行われる(ステップS53)。この登録処理では、必要に応じて、プレイヤによる選手名や背番号等の入力が可能な態様でもよい。例えば、モニタ21に文字ボタンや数字ボタンが表示され、十字キー193と確定のためのボタン192(又はボタン194)で入力操作を受け付けるようにすればよい。
【0125】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0126】
(1)本実施形態では、野球選手の仮想的な育成に限定されず、サッカーやその他のスポーツの選手の育成にも適用可能である。
【0127】
(2)本実施形態では、練習項目の指定を練習アイコンを用いて行ったが、これに限定されず、例えば練習項目を指定する期間に、練習メニューがモニタ21にリスト表示され、その中から適宜選択可能な態様としてもよい。
【0128】
(3)本実施形態では、パネル211の始点から終点までの移動で育成を行う態様としたが、かかる育成行程を複数回の過程として繰り返す態様としてもよい。また、各過程の終了時点で、ポジションを絞り込む態様としてもよい。この態様では予め複数のポジションを有する競技種目(野球、サッカー等)の各ポジションを、個々の働きに応じて複数段にツリー構造としてグループ化しておき、各過程の終了毎に漸次下位の段において選択対象を絞り込む(狭めていく)ようにすればよい。さらには、下位の段の選択対象に含まれるポジションの内、その時の能力パラメータの取得状況に応じて選択禁止(ポジション毎に設定された閾値との対比によって)のポジションを提示するようにしてもよく、こうすることで、より興趣性のある育成ゲームが提供できる。
【0129】
(4)育成対象キャラクタの位置を示すためのマークとして円盤状のパネル211を用いた数珠繋ぎで説明したが、その他、位置特定用のマークであれば特に限定しない。例えば、例えば、単に数字のみでもよいし、階段状の画像を表示し、1段目から順番に1段〜4段の飛び範囲で、プレイヤが自由に選択することで、最上階まで登るような表示態様としてもよい。あるいは育成対象キャラクタ212へのアニメーションとして歩行を設定し、その歩数を計数して表示する態様でもよい。
【符号の説明】
【0130】
1 CPU
101 取得部
102 画像表示制御部(練習アイコン表示手段)
103 練習アイコン指定部(指定手段)
104 練習アイコン補充処理部(練習アイコン補充手段)
105 指定履歴作成処理部(指定履歴作成手段)
106 移動処理部(移動処理手段)
107 イベント設定部(イベント設定手段)
108 イベント判定部
109 コンボ数検出部
110 育成処理部(育成処理手段)
111 練習処理部
112 練習成果値算出部
14 バッファ
141 画像記憶部
142 育成対象キャラクタデータ記憶部(能力パラメータ記憶手段)
19 コントローラ(操作部材)
21 モニタ(表示部)
210 ゲーム画面
211 パネル(位置標識)
212 育成対象キャラクタ
213 イベントオブジェクト
214 練習アイコン
215 能力パラメータ表示欄
217 指定履歴欄
51 プログラム記憶部
52 育成用各種数値データ記憶部
53 練習アイコン情報記憶部(練習アイコン記憶手段)
54 イベント情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲームの育成ゲームプログラムにおいて、
異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンを記憶する練習アイコン記憶手段、
前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段、
所定数の前記練習アイコンを前記表示部に表示する練習アイコン表示手段、
操作部材を介して1つの練習アイコンの指定を受け付ける指定手段、
前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識を表示すると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させる移動処理手段、
指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段、として前記コンピュータを機能させる育成ゲームプログラム。
【請求項2】
練習アイコンの指定に関する指定履歴を直近の所定回数分だけ指定毎に取得する指定履歴作成手段として前記コンピュータを機能させ、
前記練習アイコン記憶手段は、複数の練習系統のいずれかに分類された前記各練習アイコンを前記練習系統と対応させて記憶し、
前記練習アイコン表示手段は、前記所定数の練習アイコンを、それぞれ対応付けられた練習系統を識別可能にして、前記表示部に表示し、
前記育成処理手段は、前記仮想的な実行に応じて、かつ前記指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数を検出し、その数が多いほど、前記仮想的な実行に対する練習成果値を大きくすることを特徴とする請求項1記載の育成ゲームプログラム。
【請求項3】
前記指定履歴作成手段は、前記指定履歴における指定済みの練習アイコンに対応する指定済み画像を、それぞれ対応する練習系統を識別可能、かつ前記練習アイコンの指定の順序を視認可能にして、前記表示部に表示することを特徴とする請求項2記載の育成ゲームプログラム。
【請求項4】
任意の位置標識にイベントオブジェクトを対応付けるイベント設定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記育成処理手段は、前記育成対象キャラクタが前記イベントオブジェクトの対応付けられた位置標識に位置付けられた場合に、前記練習イベントの仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて、かつ前記指定履歴において直近側から共通する練習系統の連続数を検出し、その数が多いほど、前記練習イベントに対する練習成果値を大きくすることを特徴とする請求項2又は3記載の育成ゲームプログラム。
【請求項5】
複数種類の前記イベントオブジェクトと前記各練習アイコンとを関連付けて前記練習イベントの内容を記憶するイベント情報記憶手段として前記コンピュータを機能させ、前記育成処理手段は、指定された前記各練習アイコンと前記育成対象キャラクタが位置付けられる位置標識に対応付けられている前記イベントオブジェクトとから前記練習イベントを設定することを特徴とする請求項4記載の育成ゲームプログラム。
【請求項6】
前記能力は、基本能力と特殊能力とからなり、
前記育成処理手段は、前記育成対象キャラクタが前記イベントオブジェクトの対応付けされていない位置標識に位置付けされた場合に仮想的に実行される練習項目で生成される練習成果値を前記基本能力へ反映させ、前記育成対象キャラクタが前記イベントオブジェクトの対応付けされている位置標識に位置付けされた場合に仮想的に実行される練習イベントで生成される練習成果値を前記特殊能力へ反映させることを特徴とする請求項4記載の育成ゲームプログラム。
【請求項7】
前記位置標識は、第1の表示形態及び第2の表示形態を少なくとも有し、
前記育成処理手段は、指定された練習アイコンに表記された数字によって前記育成対象キャラクタが前記第1の表示形態を有する位置標識に位置付けられた場合、該練習アイコンの仮想的な実行に応じてマイナスの値を練習成果値として生成することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項8】
前記表示部に表示された前記練習アイコンの内から指定された1つの練習アイコンを消去し、新たな練習アイコンを無作為に補充する練習アイコン補充手段として前記コンピュータを機能させる請求項1〜7のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項9】
前記直列に接続された所定数の位置標識は、始点と終点との間の任意の位置標識間に所要数の位置標識からなる並列路を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項10】
表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲーム制御方法において、
コンピュータの練習アイコン記憶手段が、異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンを記憶し、
コンピュータの能力パラメータ記憶手段が、前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶し、
コンピュータの練習アイコン表示手段が、所定数の前記練習アイコンを前記表示部に表示し、
コンピュータの指定手段が、操作部材を介して1つの練習アイコンの指定を受け付け、
コンピュータの移動処理手段が、前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識を表示すると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させ
コンピュータの育成処理手段が、指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算することを特徴とする育成ゲーム制御方法。
【請求項11】
表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲーム装置において、
異なる種類の練習項目が1から所定値までのいずれかの数字と関連付けられて表記された複数の練習アイコンを記憶する練習アイコン記憶手段と、
前記育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段と、
所定数の前記練習アイコンを前記表示部に表示する練習アイコン表示手段と、
操作部材を介して1つの練習アイコンの指定を受け付ける指定手段と、
前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定数の位置標識を表示すると共に、指定された前記練習アイコンに表記された数字分だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させる移動処理手段と、
指定された練習アイコンの練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段とを備えたことを特徴とする育成ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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