説明

育毛・養毛剤

【課題】
育毛・養毛剤の有効成分が幅広く紹介されてきたが決定打なく、薄毛化の歯止めがもう一つ効かない。そのような状況を解決すること。
【解決手段】
耐水性樹脂の皮膜成分に育毛・養毛の有効成分を溶解させたことを特徴とする育毛・養毛剤。
この育毛・養毛剤を薄毛化した頭皮に塗布することにより、頭皮の薄毛化が良く改善されるのに加え、本願発明の育毛・養毛剤の塗布後は乾性皮膜となるので髪の汚れも少なくなり、育毛、養毛に良い環境を保つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は頭髪の生育促進ができる育毛・養毛剤に関するものである。即ち耐水性樹脂の皮膜成分液に育毛・養毛の有効成分を溶解してなる育毛・養毛剤を発明した。この育毛・養毛剤を薄毛化した頭髪の頭皮に塗布すると頭髪の成育が著しく促進されるという新知見を得た。
【0002】
上記した「頭髪の生育が著しく促進される」という効果はどのようにして得られるのかについては、今後の研究によってより詳しくなると思われるが、発明者は本願発明の「育毛・養毛剤」が乾性であるということが大きな理由となるのではと考えている。即ち「育毛・養毛剤」を頭部に塗布した時には湿性であり、この湿性の時に育毛・養毛の有効成分が毛根部に取り込まれるが、その後には耐水性樹脂の皮膜が乾性となり、頭皮のべたつきが全くなくなり、またこの乾性皮膜は頭皮から出てくる皮脂によって、やがて頭皮から浮き上がり、また乾性ゆえに通常のブラッシングによって、皮膜が頭皮から離脱し、頭皮の外部環境は育毛・養毛剤を使用する前の状態に戻るからではないかと予測している。
【背景技術】
【0003】
従来、人間の頭部における薄毛部分の増毛効果を得るために、育毛・養毛剤と呼ばれる薬剤(液状)を薄毛部分の頭皮に塗布して、頭皮および毛穴を通じて毛根部に薬剤を届け、発毛を促す方法によっている。
【0004】
しかしながら、育毛剤、養毛剤と呼ばれる薬剤を薄毛部分の頭皮に毎日塗布しても一向に薄毛化は解消されない。半年続けても、一年続けても効果なしといった苦情も後をたたない等、自分に合う育毛・養毛剤を捜すだけでも大変である。また育毛・養毛剤は結構高価で経済的にも大変なのである。
【0005】
朝に1回、夜に1回の、日に2回使う人は結構多いし、育毛・養毛剤の性状は湿性(長時間不乾性)で、頭皮は通常べたついている状態にある。これでは頭皮の環境は劣悪と言わざるを得ない。
【0006】
上記の問題点を解決しようとする研究の報告は本願発明者が調査したところでは無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】なし
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の育毛・養毛剤が湿性(長時間不乾性)であることに起因していると思われる上記の問題点を解決する新知見は次のような事情によって得られた。
【0009】
乙が耐水性樹脂の皮膜成分液に液体香料Aを入れるところを間違って液体香料Aの入った育毛・養毛成分濃縮液を入れてしまった。液体香料Aと液体香料Aの入った育毛・養毛成分濃縮液は全く異なる物質であるが両者ともに液状で性状が酷似であり、液体香料Aの入った育毛・養毛成分濃縮液は液体香料Aを含む。従って液体香料Aと液体香料Aの入った育毛・養毛成分濃縮液は臭いも酷似なのである。このために前記の間違いが起きた。
【0010】
そして上記の混合に使った材料が少量ではなかったので、乙はこの事を甲に報告した。甲乙協議の結果、すぐには「液体香料Aの入った育毛・養毛成分濃縮液入りの耐水性樹脂の皮膜成分液」の使い道を考えられないので、取り敢えず処分せずに保管し、引き続き甲乙でその使い道を考えることにした。そこで考えたのが液体香料A入りの育毛・養毛成分濃縮液と同様に「液体香料A入りの育毛・養毛成分濃縮液入りの耐水性樹脂の皮膜成分液」を「育毛・養毛剤」として薄毛の地肌に塗布して見よう、多分、面白い結果は期待できないだろうけれどもということになった。被験者は薄毛部分のある甲と丙とで行った。2週間もすると甲丙ともに変化が現れた。
【0011】
甲乙が得た結論は従来の育毛・養毛剤は湿性で頭皮にべったり付着し、べっとりとついた状態のところへ、また育毛・養毛剤を使うことになり、常に湿性状態が続く。このような状態の頭皮では毛穴も皮脂やゴミで詰まり気味となり頭皮の呼吸もおぼつかないと思われる。これでは育毛・養毛剤の効果が発揮されないと言っても過言ではない。
【0012】
では(液体香料Aの入った)育毛・養毛成分濃縮液入の耐水性樹脂の皮膜成分液を育毛・養毛剤として、被験者の薄毛部分の頭皮に塗布した時はどうなのか。育毛・養毛剤は湿性でしばらくはぬれた状態であるが徐々に乾燥して耐水性皮膜が出来て乾性になる。この育毛・養毛剤が湿性の間は育毛・養毛成分が頭皮および毛穴から毛根付近へ浸透するが育毛・養毛剤が乾性となると育毛・養毛剤は頭皮および毛穴から浸透しなくなる。
【0013】
即ち、この育毛・養毛剤は湿性状態が短く、従来の育毛・養毛剤が湿性状態が長くつづくのとは大違いなのである。この差異が育毛・養毛力の差異となって表れていると考えられる。育毛・養毛成分濃縮液入の耐水性樹脂の皮膜成分液からなる育毛・養毛剤は育毛・養毛効果が大変大きいことが判ったのである。
【0014】
この予期しなかった驚きの結果をもって、甲乙はこの結果を新知見と呼ぶに相応しいものと確信し、この新知見に基づき本願発明「育毛・養毛剤」を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明は以下の通りである。
1.耐水性樹脂の皮膜成分液に育毛・養毛の有効成分を溶解してなる育毛・養毛剤である。
2.耐水性樹脂がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の非中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の非中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の非中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の非中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の非中和物、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体の非中和物から選ばれる1以上のものである発明1に記載の育毛・養毛剤である。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の育毛・養毛剤を用いて発毛促進や薄毛の生育促進をする場合には、初期の湿性効果、その後の乾性効果は育毛・養毛有効成分の種類に関係なく発揮されるので、いろんな育毛・養毛有効成分を幅広く使用できるので使用者の選択の余地が大きくなる。さらにまた育毛・養毛有効成分の毛根部への取り入れも十分促進される。従来の育毛・養毛有効成分のみの時の効果を大きく上回る効果を挙げる。
【0017】
育毛・養毛剤の頭皮への塗布時には湿潤性で育毛・養毛有効成分が頭皮および頭皮の毛穴から容易に取り入れられ毛髪の成長をうながし、やがて、乾性皮膜となる。この乾性皮膜には皮脂及び埃が含まれているが、これが頭皮から出てくる皮脂によって、やがて浮きあがり、また乾性ゆえに通常のブラッシングによって、皮膜が頭皮から離脱し、頭皮の外部環境は育毛・養毛剤を使用する前の状態に戻るからではないかと予測している。従来は育毛・養毛成分液は、湿性であり、通常連続して使用するので頭皮はべたべたした状態、即ち湿性状態が続き、毛穴からの酸素取入れが不十分となり、毛髪の成長が阻害されていた。これが改善される効果は大きい。接触で頭皮から除去されたりして毛穴を開くのでこの毛穴を通じて酸素の取入れが進み毛髪の成長をうながすことになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施例、比較例は表1に示した。
【表1】

【0019】
表1において、数値は全て質量%を示す。又、形状欄に掲げたスプレーとは内容物に噴射剤を加えエアゾール化し、最終的にスプレータイプにし使用するようにした処方品であり、ボトルとは常法により、攪拌溶解した溶液をそのままガラスボトルに詰め、蓋をし、最終的にボトルタイプにし使用するようにした処方品である。
【0020】
エアゾール化は次のようにした。表1において無水エタノールを適量加えて、合計100.0質量部とした後、これらの成分を、常法により、攪拌溶解した溶液をエアゾール缶に入れ、バルブを装着後、DMEを充填しスプレー製品とした。本品は、霧状で噴射する。無水エタノールを適量加えて攪拌溶解した溶液と、噴射剤であるDMEとの配合比率は内容比に記した、ここで60/40とは、無水エタノールを適量加えて攪拌溶解した溶液を60質量部に対して、DMEを40質量部加えたということであり、70/30とは無水エタノールを適量加えて攪拌溶解した溶液を70質量部に対して、DMEを30質量部加えたということである。本品は、霧状で噴射する。
【0021】
(実施例がボトルタイプである場合の使用方法)
ここで、表1に記載した本願発明の実施例及び比較例がボトルタイプである場合の使用方法について説明する。使用前に液剤ボトル容器を振り育毛・養毛剤を混合撹拌した後、容器を倒立にした状態で、毛髪が存在する部分には、細くなった頭髪を少し持ち上げ、毛根付近の頭皮に向けて滴下する。すると頭皮に掛かった液滴は毛髪の薄くなってきている部分や、細毛化している部分の頭皮上で液状に広がり、育毛・養毛成分を含んだ育毛・養毛剤が頭皮や毛穴に塗着する。このとき適度な保湿と共に冷感を付与する(勿論、冷感だけでなく人によっては、トウガラシチンキ入の場合などには温感や刺激も感じる)。すぐに皮膜上の表面上は乾燥するが、皮膜と頭皮、または皮膜と毛穴の界面ではしばらくの間、皮膜が乾燥せず湿性を保持するので育毛・養毛の有効成分の浸透効果をしばらく保つ事となる。
【0022】
(実施例がスプレータイプである場合の使用方法)
次に、本願発明の実施例及び比較例がスプレータイプである場合の使用方法について説明する。使用前にスプレー缶をよく振り育毛・養毛剤を混合撹拌した後、容器を正立にした状態で、毛髪が存在する部分には、細くなった頭髪などを少し持ち上げ、スプレー缶を髪から10〜15cm程度に近づけて持ち、毛根付近の頭皮に向けてスプレーする。すると頭皮に掛かった霧は毛髪の薄くなってきている部分や、細毛化している部分の(勿論、毛髪の全くなくなった部分にも)頭皮上で液状に広がり、育毛・養毛成分を含んだ育毛・養毛剤が頭皮や毛穴に塗着する。このとき適度な保湿と共に冷感を付与する(勿論、冷感だけでなく人によっては、トウガラシチンキ入の場合などには温感や刺激も感じる)。すぐに毛髪上の皮膜と頭皮上の皮膜は表面上では乾燥するが、頭皮や毛穴についた皮膜は皮膜と頭皮または毛穴の界面ではしばらくの間、皮膜が乾燥せず湿性を保持するので育毛・養毛の有効成分の浸透効果をしばらく保つ事となる。
【0023】
(試験実施方法)
本試験で、必要なデーターをとるには種々の条件が必要である。その一つは、被験者となる者は少なくとも頭皮に毛髪の薄い部分など被検部位が在ること。次にその部位が出来るだけ実施例と比較例の2つが塗布できる面積を有する事。又、その被験者が試験中は他の頭髪用化粧品や部外品を使用しないことなどの制約があり、これらの条件を持つ人を沢山集め、管理し、実験を遂行することは大変な事である。
そこで、本試験を遂行するにあたり、従来の方法で実施例や比較例を実施し、データーを収集するには余りにも多くの被験者が必要で、集めることは不可能なため、次のように条件を設定した。
【0024】
先ず、それぞれの被験者に任意の実施例の製剤と、その製剤に対応する比較製剤を用いて試験を実施する。2週間詳細に観察し、そしてそのまま実施例あるいは比較例の何れかに於いて、何らか(ある程度)の効果を確認できた場合はそのまま、その試験を続行する。次に、引き続き両者共効果の得られなかった者には、その次の(他の)実施例の製剤を用いた実施例、比較例に試験を切り替えて実施する。例えば実施例1、比較例1を用いた試験を行ない2週間詳細に観察し、何の効果をも見なかった被験者には、次に実施例2、比較例2の製剤を用いて試験を行ない同様に2週間詳細に観察し、それでもいずれの効果も得られなかった者は、さらに次いで実施例3、比較例3の製剤を用いて試験を行なうと言う具合である。
【0025】
但し、ここで絶対的な決め事として、例えば右半分に実施例、左半分に比較例を行なった被験者には、徹底して右半分に実施例の製剤を、左半分に比較例の製剤を塗布するように徹底した。こうすることによって、実施例、比較例の製剤を何度も変える内に、もしかして、現在使用している製剤ではなくて、前回に使用した製剤が効果に関与したとしても、実施例側が効果的であったか、比較例側の製剤が効果的であったかが判別できるからである。
加えて、比較試験の結果表の記載に於いては、(1)実施例及び比較例の何れに於いても甲乙付けがたい様な効力、結果を得たもの、(2)育毛・養毛効果が全く得られなかったものに付いては単に表を大きくするのみで、見にくくする原因になるため記載をしないことにした。但し、その発生率については記載する事にした。
今回の試験で、両者共に全く効果のなかった者は被験者全体の内21.8%であった又、実施例、比較例とも同じような効果を得た者は被験者全体の内13%であった。
【0026】
表2に於いて、被験者はA〜Cまでは30代男性、D、Eは40代男性、Fは50代男性、G〜Jは60代男性、1〜4は30代女性、5〜7は40代女性、8〜10は50代女性、11〜13は60代女性であった。被験者の多くは頭頂部に細毛部や禿部分のある人達であり、A〜Dの男性及び、6,7の女性は禿というより頭頂部付近が全体的に細毛の広がった頭髪をもつ人達であった。
【0027】
(評価基準)
評価は以下によった。
試作されたそれぞれの製剤の適量を1日に1回、被験頭部に使用した。そして使用を繰り返して後、10週目に視覚及び感覚的に判断した。従って数値的に絶対的なものではない。被験者各個人及び、立会い実験担当者が両者で判断した総合評価である。
表中の記号に於いては、◎:顕著に育毛・養毛効果が見られたもの、○:育毛・養毛効果有りの兆候が見られたもの、△:何となく育毛・養毛効果が有りそうだという傾向が見られたもの、×:育毛・養毛効果が感じられなかったものを示す。
【0028】
結果、表2に見るように、数値的な断定値から出るものではないので漠然とした部分も残るものの、実施例の方が、比較例の場合より育毛・養毛効果が顕著に現れていることが判明した。更に、効果としては表記しなかったが、実施例の部分の毛髪が触感的に良くなったという人が被験者の過半数をしめた。
【0029】
【表2】

【0030】
ここで本願発明について用いた用語と、本願発明を実施する方法について説明する。
本願発明において、「耐水性樹脂の皮膜成分液」とは、塗布した後、一定時間経過後には耐水性の乾性皮膜(常温に於いて、通常、塗着1時間以内には塗膜の表面を指で触れても指に展着しない性状の乾性樹脂皮膜)を形成する事の出来る成分液をいい、耐水性の樹脂成分に、必要に応じて揮発性溶剤や可塑剤、湿潤剤など、他成分と混合溶解した樹脂成分溶液をいう。
【0031】
「耐水性」とは、本願発明では、毛髪約20本を束ねた該毛髪に、十分な量の皮膜を形成する液状樹脂製の部剤を浸漬塗着させ放置した後、ドライヤーで完全乾燥後、摂氏25度の水中に浸漬しておく時、少なくとも3時間は塗着された毛髪の表面に樹脂の剥離などの変化がない状態をいう。
【0032】
尚、本願発明において、「非中和樹脂」とは、中和をして用いることが一般的な樹脂であっても、そうで無く中和をしないで用いる樹脂であっても、「樹脂又は樹脂溶液のみの状態でも非中和物」であり、且つ最終的に「樹脂が中和されていないまま(未中和)の状態で成分液中に使用されている場合」の両方の意味を指す。
【0033】
本願発明の育毛・養毛剤に用いる育毛・養毛有効成分としては、感光素301、ニコチン酸アミド、ニコチン酸誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アラントイン、センブリ抽出液、ニンジン抽出エキス、ヒノキチオール、ユーカリエキス、エンメイソウエキス、レゾルシン、脂肪酸誘導体、パンテノルアルコール、パントテニール誘導体、ジメチルモノアミン誘導体、アミンオキシド誘導体、酢酸トコフェロール、フラバノノール誘導体、トウガラシチンキ、黄キ抽出液、クアチャララーテ抽出液、ボタンピ抽出液、コレウスエキス、アスナロエキス、ソフォラ抽出エキス、クロロゲン酸類、フェルラ酸、カフェ酸、柑橘エキス、柑橘種子エキス、ピロクトンオラミン、アデノシン、モノニトログアヤコール、ミノキシジルなど水、低級アルコールのいずれか、もしくは水と低級アルコールの混合液に溶解できる性質の育毛・養毛有効成分で本願発明に使用する耐水性樹脂の皮膜成分液と混和・溶解できるものであればいずれのものでも使用できる。
【0034】
本願発明の育毛・養毛剤に用いる溶剤とは主として無水エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどの低級アルコールをいう。樹脂の種類によって効果に多少の差はあるものの、通常1質量部以上、好ましくは3質量部以上育毛・養毛剤中に含むことで樹脂皮膜と頭皮との境界面における育毛・養毛剤の浸透性を助長する。微量の水を含ませる事も可能である。
【0035】
本願発明の育毛・養毛剤については必要に応じて、保湿剤、保存性や機能性をあげるための成分及び増量成分などを加えることも可能である。
【0036】
本願発明の育毛・養毛剤に保湿剤を用いる事は育毛・養毛成分を頭皮または毛穴に吸収(移動)させやすい状態に働く。
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ムコイチン硫酸、カロニン酸、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ジグリセリン(エチレンオキシド)プロピレンオキシド付加物、エラスチン、ケラチン、カゼイン、レシチン、キトフィルマー、アルテア抽出液、アロエ抽出液、イチョウエキス、オトギリソウエキス、海藻エキス、キナエキス、ゼニアオイエキス、デュークエキス、冬虫夏草抽出液、ボタンピエキス、ホップエキス、柑橘類(温州みかん・イヨカン・甘夏カン・八朔・酢橘・柚子等)の果皮及び甘皮の抽出液などがあげられる。
【0037】
さらに、本願発明の育毛・養毛剤に、保存性や機能性等を上げることを目的として潤滑剤、可塑剤、界面活性剤、更に必要に応じて防腐剤、殺菌剤、制菌剤、フケ防止剤、ビタミン及びその誘導体、キレート剤、粘度調整剤、金属防錆剤、動植物エキス、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、香料等を配合することができる。
【0038】
本願発明の育毛・養毛剤に用いる増量成分としては黄酸化チタン、べンガラ、黒酸化鉄、着色酸化鉄(有色酸化鉄)、紺青、酸化クロム、群青、カーボンブラック、アンバー、カラミン、フミン酸、墨汁、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、セリライト、雲母チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミマグネシウム、硫酸カルシウム、チョーク粉、軽石粉、真珠粉、蚕繭粉、粉末結晶セルロース、羊毛粉、綿繊維粉、発泡スチロール樹脂粉末、ユリア樹脂微粉末の、何れか1種または混合物として用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は育毛・養毛剤の製造、販売および使用(理髪店、美容院、エステティックサロン)する産業分野で利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐水性樹脂の皮膜成分液に育毛・養毛有効成分を溶解してなる育毛・養毛剤。
【請求項2】
耐水性樹脂がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の非中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の非中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の非中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の非中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の非中和物、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体の非中和物から選ばれる1以上のものである請求項1に記載の育毛・養毛剤。

【公開番号】特開2011−157285(P2011−157285A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18438(P2010−18438)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(505248842)Re&Do株式会社 (4)
【Fターム(参考)】