説明

肺機能の処置のための、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン

ヒト患者の肺機能の正常化に使用するための、ラセミ体、立体異性体もしくは立体異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の形態の、式(I):


で示される、ヒドロキシキノリノン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、患者の肺機能の正常化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンは、効果のある長時間作用型の選択的β2アドレナリン受容体アゴニストである。それは、WO2006/122788に記載されている。それは、以下の式(I)
【化1】


で示されるヒドロキシキノリノン誘導体である。
この化合物の塩形態は、WO2008/095720に記載されている。
【0003】
現在利用可能な長時間作用型β2アドレナリン受容体アゴニストには、サルメテロール (2−(ヒドロキシメチル)−4−{1−ヒドロキシ−2−[6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシルアミノ]エチル}フェノール)およびフォルモテロール (N−[2−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−[1−(4−メトキシフェニル)プロパン−2−イルアミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド)が挙げられる。
【0004】
患者の肺機能を測定できる多くの方法が存在する。これらには、患者の最大呼気量の測定、ボディプレチスモグラフィーおよび肺活量測定が挙げられる。肺活量測定は、患者によって吸入または排出され得る空気の量および/または速度の測定を伴う。基本的な肺活量測定試験は、一般的に、患者が可能な最大の深呼吸をし、次いで、排出される空気の量および/または速度を測定するセンサーを備えるマウスピースに息を吐き出すことを含む。この方法で決定され得る肺機能の有用な測定は、患者のFEV1値である。FEV1(1秒間の努力呼気量)は、患者によって1秒で吐き出され得る呼気の最大量である。所定の体重および身長である正常な健康な人で予想され得る参照FEV1値は、Quanjerらの、題目“Lung Volumes and Forced Ventilatory Flows - Report Working Party - Standardization of Lung Function Test - European Community for Steel and Coal − Official Statement of the European Respiratory Society”、European Respiratory Journal: Vol.6, Sup.16, pages 5−40, March 1993で発表されたものである。
【0005】
肺機能の低下は、多くの異なる原因が介在し得る。それは、通常、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような呼吸器疾患と関係するが、筋ジストロフィーのような神経疾患または筋疾患によってももたらされ得て、あるいは胃食道還流のような状況でももたらされ得る。
【0006】
肺機能の低下を有する患者は、特にそれが慢性疾患に起因する場合、通常、不快感および呼吸困難(dyspnoea)を有し、それは、運動に耐えるため、または通常の日常生活を行うための患者の能力に重大な影響を及ぼし得る。長期的には、運動に耐える能力の低下は、肥満および心血管障害をもたらし得る。夜間に十分な肺機能を維持することも重要である。夜間の低FEV1値は、呼吸困難および睡眠障害をもたらし得る。肺機能の急激な低下は、一部の患者に致命的な状況であり、窒息死をもたらすことすらある。
【0007】
故に、肺機能を正常化するように患者を処置することが望ましく、特に正常な健康な人で予想され得る値に近いFEV1値に上げることが望ましい。このように患者の肺機能を正常化することは、日中および夜間の両方における患者の生活の質を改善し、不快感および呼吸困難を緩和し、そして運動耐容能を改善し得る。重症急性呼吸困難および呼吸停止が生じた場合にも、肺機能のすばやい正常化が必要である。
【0008】
驚くことに、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンが、肺機能の増大に高い効果を有し、特に、低下した肺機能を有する患者のFEV1に効果を有することを見いだした。5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンは、肺機能を正常化し、患者のFEV1を、正常な健康な人で予想され得る値まで実質的に上げることができる。FEV1の改善における5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの効果は、サルメテロールのような、他の公知の長時間作用型ベータアゴニスト(LABA)で観察されるよりも高い。
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
故に、第一態様において、本発明は、ヒト患者の肺機能の正常化に吸入により使用するための、ラセミ体形態、立体異性体形態もしくは立体異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩形もしくは溶媒和物形態の、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン化合物を提供する。
【0010】
本発明の特に好ましい態様によれば、本発明の化合物は、特に、治療抵抗性の呼吸器症状を有する患者の処置に;長期作用型ベータ−アドレナリンアゴニストのような気管支拡張剤での処置に十分に応答しない患者の維持療法に;または、肺機能の重度の低下を有する患者の処置に有用である。
【0011】
5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンはまた、例えば、呼吸器の救急事態においてレスキュー薬として救急的に使用され得ることは、本発明のさらなる好ましい態様である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
発明の詳しい説明
【図1】図1は、図中、“化合物1”と称する、単回用量(25μg)の5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンについて、時間経過(時間)に対する平均FEV1値(リットル)を示す。また、0および12時間の時点での、50μgのサルメテロールおよびプラセボ単体投与の2種の投与後の平均FEV1値も示す。
【0013】
用語“治療的有効量”は、処置の必要な患者に投与した時、有効な処置に十分な量を意味する。
【0014】
本明細書で用いる用語“最大超用量”は、所定の化合物の最大効果を生じるのと同量またはそれより多い用量である。
用語“適当用量”は、特定の患者の処置に必要であると考えられる用量を意味する。それは、疾患、患者、肺機能の初期レベル、処置期間または投与頻度によって変わる“治療的有効量”または“最大超用量”を含む用量であり得る。
【0015】
5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンは、高い効果を有し、原因とは独立して、低下した肺機能を有する全ての患者に有利に用いられ得る。かかる患者は、下記の通り、持続性呼吸困難、咳または喘鳴のような難治性の(すなわち、処置が困難な)呼吸器症状を有する患者、または特に肺機能の著しい低下を有する患者を含む。
【0016】
本発明の化合物は、それが長時間作用型であり、1日1回のみの吸入によって投与され得るため、特に、肺機能の慢性障害を有する患者の継続した処置(維持療法としても公知)に有用である。さらに、それが、ベータ−アドレナリンアゴニスト、抗コリン剤または他の気管支拡張剤のような肺機能を増大するために現在利用可能な薬剤と比較して非常に高い効果を有するため、本発明の化合物は、それらに十分に応答しない患者の処置に用いられ得る。以下の例は、本発明の化合物が、FEV1に対してサルメテロールよりも大きな効果を有することを示す。
【0017】
患者は、該患者が継続して症状を有するか、または該患者のFEV1値が、適当用量の薬剤処置をしたにも関わらず、下記の“正常化した”値よりも低いとき、気管支拡張剤での処置に、または肺機能を改善するのに用いられる他の薬剤に十分な応答をしないと考えられる。
【0018】
典型的に、本明細書で用いる、気管支拡張剤での処置に十分応答しない患者は、50mcgのサルメテロールで2日間処置した後、下記の正常化した値よりも低いFEV1値を有する患者である。患者はまた、そのFEV1値が、400mcgのサルブタモールの単一吸入後に200ml以上増加しないとき、気管支拡張剤に、より具体的にはベータ−アドレナリンアゴニストに十分応答しないと考えられる。
【0019】
さらに、その高い効果および速やかな作用発現(サルメテロールの1種よりも明らかに早い)により、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンは、呼吸器の救急事態、例えば、窒息死を起こし得る、重度の喘息発作、運動誘発性気管支収縮またはアナフィラキシー反応におけるレスキュー薬として強力な救命効果を有する。これらの状況における本発明の化合物の使用は、レスキュー薬として通常使用されるサルブタモールのような他のベータ−アドレナリンアゴニストと比較して、特に有利である。本発明の化合物の大きな、かつ速やかな効果は、より長時間維持され、それは、肺機能の急激な低下の再発およびさらなる緊急状態を減少させることに貢献する。
【0020】
用語“薬学的に許容される塩”は、哺乳動物のような患者への投与に許容される塩基もしくは酸から製造される塩を意味する。かかる塩は、薬学的に許容される無機もしくは有機塩基から、および薬学的に許容される無機もしくは有機酸から誘導され得る。
【0021】
薬学的に許容される酸から誘導される塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、粘液酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、キナホン酸塩(1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)等が含まれる。特に好ましいのは、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、キナホン酸および酒石酸から誘導される塩である。最も好ましいのは、メタンスルホン酸およびナフタレン−1,5−ジスルホン酸から誘導される塩である。
【0022】
ナフタレン−1,5−ジスルホン酸から誘導される塩は、典型的に、モノナパジシレート塩またはヘミナパジシレート塩およびそれらの薬学的に許容される溶媒和物である。
【0023】
典型的に、本発明の化合物のナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩は、式(II):
【化2】


[式中、nは、1または2である。]
で示される。
メタンスルホン酸から誘導される塩はまた、メシラートとしても公知である。
【0024】
薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩等が含まれる。特に好ましいのは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩である。
【0025】
薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等のような、置換アミン、環状アミン、天然に生じるアミン等を含む、第一級、第二級および第三級アミンの塩が含まれる。
【0026】
用語“溶媒和物”は、1個以上の溶質分子、すなわち、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、ならびに1個以上の溶媒分子により形成される複合体または凝集体を意味する。かかる溶媒和物は、溶質および溶媒の実質的に一定の分子比率を有する典型的な結晶固体である。代表的な溶媒には、一例として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸等が含まれる。溶媒が水であるとき、形成される溶媒和物は水和物である。
【0027】
本発明の化合物は、キラル中心を有する。従って、本発明の化合物は、ラセミ混合物、エナンチオマー、または1個以上の立体異性体が富化された混合物の形態で使用され得る。記載されかつ特許請求される本発明の範囲は、本発明の化合物のラセミ形態ならびに個別のエナンチオマー、および立体異性体が富化された混合物を包含する。
【0028】
最も好ましいエナンチオマーは、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンである。
【0029】
用語“またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物”は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩の溶媒和物のような、全ての塩および溶媒和物を包含することを意図することが理解され得る。
【0030】
本明細書で用いる“ヒト患者の肺機能を正常化する”への言及は、下記の通り予測される正常値よりも低い、その患者について予測される正常なFEV1よりも大幅に低いFEV1を有する患者のFEV1を増大することを意味する。
【0031】
患者の予測された正常なFEV1は、患者の年齢、身長および性別に基づき決定され得る。故に、高齢の患者は、典型的に、同じ身長および性別のより若年の患者よりも低いFEV1値を有する。身長の高い患者は、典型的に、同じ年齢および性別のより身長の低い患者よりも高いFEV1値を有する。女性の患者は、典型的に、同じ年齢および身長の男性患者よりも低いFEV1値を有する。
【0032】
患者の予測される正常なFEV1の決定は、呼吸器科医の専ら日常的な仕事である。典型的に、患者の身長、年齢および性別は、アルゴリズムによって、または予測された正常なFEV1値の標準的な表の調査によって、患者の正常なFEV1を測定するのに用いられる。かかる表は、広く利用可能であり、Quanjerらの、上記の1993年の研究に基づく。この研究によれば、正常なヒトの予測されたFEV1は、以下の式によって計算され得る:
−男性:4.3 H − 0.029 A − 2.49
−女性:3.95 H − 0.025 A − 2.6
(式中、H=身長(メートル)、およびA=年齢(歳)である。)。
【0033】
典型的に、本明細書で用いる、患者の予測された正常なFEV1は、これらの式によって決定される。
【0034】
患者のFEV1は、典型的に、肺活量測定により実験的に決定される。肺活量測定によるFEV1の決定は、呼吸器医療(thoracic medicine)の当業者によく知られている標準的技術である。医薬の投与後の肺機能の評価において、患者のFEV1は、一般的に、投与後の一定時間毎に測定される。医薬の効果を決定するのに用いられ得る特に有用な測定は、ベースラインFEV1、ピークFEV1およびトラフFEV1である。
【0035】
本明細書で用いるベースラインFEV1は、医薬の投与前の患者のFEV1である。
本明細書で用いるピークFEV1は、医薬の投与後、最初の3、4または5時間での、患者の最大FEV1である。例えば、医薬の投与後最初の3時間での最大FEV1を決定するために、FEV1の一定間隔の測定を、最初の3時間に、例えば30分毎に1回行う。
【0036】
本明細書で用いるトラフFEV1は、医薬、例えば本発明の化合物の投与後、22ないし24時間で測定された患者のFEV1である。この場合、同様に許容される別の時点が、投与後22または24時間であるが、23時間が、1日1回投与に好適な化合物のトラフFEV1を測定する適切な時点である。投与後23および24時間で測定されるFEV1値の平均は、トラフFEV1に有益な参照値でもある。
【0037】
肺機能が本発明の化合物により正常化される患者は、典型的に、その患者に関して予測された正常なFEV1の90%未満であるベースラインFEV1 (すなわち、化合物の投与前)を有する。特定の態様において、ベースラインFEV1は、その患者に関して予測される正常なFEV1の85%未満、80%未満、または75%未満である。さらに他の態様において、ベースラインFEV1は、その患者に関して予測される正常なFEV1の70%未満、65%未満、または60%未満である。
【0038】
以下に記載の臨床試験の場合、患者のベースラインFEV1は、予測値の61%ないし85%であり、それは、GINA (Global Initiative for Asthma)により刊行されたBatemanらのガイドライン、Eur. Resp. J., 31(1):143.178, 2008に従い、軽度から中等度の永続性喘息を有する患者と一致する。
【0039】
軽度/中等度の患者でのこの試験で観察される化合物の非常に高い効果から見れば、とりわけ発明から利点を得る患者群が、特に肺機能に重度の低下を有する者であることは明らかである。如何なる原因の肺機能の低下にも適用され得る、FEV1値のGINAガイドライン(国際喘息指針)に従い、これは、その患者に関して予測される正常なFEV1の60%またはそれ未満のベースラインFEV1を有する患者の場合であり得る。
【0040】
臨床的観点から、患者の平均FEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)が、その患者群に関して予測される正常なFEV1からの低下が一定%を超えない値に増大されるならば、ヒト患者群の肺機能は、典型的に“正常化される”。肺機能およびFEV1の正常化はまた、患者群の平均FEV1値が、患者の平均ベースラインFEV1、または患者がプラセボを投与されるとき得られた平均FEV1値以上の一定量(mlまたは%)増加するとき達成される。従って、個々の患者に関する以下に記載の特定のFEV1値は、この臨床的観点から解釈されるべきである。
【0041】
故に、患者の平均ピークFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)が、その患者に関して予測された正常なFEV1からの低下が30%を超えない、好ましくはその患者に関して予測された正常なFEV1からの低下が、25%または20%または15%を超えない、より好ましくはその患者に関して予測された正常なFEV1からの低下が、10%または5%を超えないとき、ヒト患者の肺機能およびFEV1は、一般的に“正常化される”。
【0042】
文脈中、1日1回投与について、本発明の化合物は典型的に朝に投与され得る。故に、正常化されたピークFEV1値は、数時間以内(すなわち、2ないし5時間以内)に、1日のうち患者が最大の肺機能を必要とする時点で達成され、患者が通常の日常活動を行うのに適当である。
【0043】
さらに、患者のトラフFEV1(疾患の重症度およびベースラインFEV1値によって変わる)が、その患者に関して予測される正常なFEV1からの低下が40%を超えない、好ましくはその患者に関して予測される正常なFEV1からの低下が、35%または30%または25%を超えない、より好ましくはその患者に関して予測される正常なFEV1からの低下が、15%または10%を超えない値に増大するとき、ヒト患者の肺機能およびFEV1は、典型的に“正常化される”。
【0044】
文脈中、1日1回投与について、これらの正常化されたトラフFEV1値は、患者が、夜間呼吸困難の発現がなく、かつ何れかのさらなる気管支拡張剤の投与の必要がない安眠をとるのを可能にするのに十分であり得る。
【0045】
上記の通り、本発明の化合物は、患者のピークおよびトラフFEV1値を、本発明の化合物の投与前の患者のベースラインFEV1よりも増大することにより肺機能を正常化する。本発明の化合物はまた、患者のピークおよびトラフFEV1値を、患者がプラセボを投与されるときに得られるピークおよびトラフFEV1値よりも増大することにより肺機能を正常化する。
【0046】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量を投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のピークFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者のベースラインFEV1の400ml以上増大させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、ピークFEV1を、ベースラインFEV1の450ml以上、500ml以上または550ml以上増加させる。より好ましくは、600ml以上、650ml以上または700ml以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、ピークFEV1をベースラインFEV1の750ml以上または800ml以上増加させる。
【0047】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のピークFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者のベースラインFEV1の9%以上増加させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、ピークFEV1を、ベースラインFEV1の12%以上、15%以上または18%以上増加させる。より好ましくは、21%以上または24%以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、ピークFEV1を、ベースラインFEV1の27%以上増加させる。
【0048】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のトラフFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者のベースラインFEV1の150ml以上増加させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、トラフFEV1をベースラインFEV1の200ml以上、250ml以上または300ml以上増加させる。より好ましくは、350ml以上、400ml以上または450ml以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、トラフFEV1を、ベースラインFEV1の500ml以上、550ml以上または600ml以上増加させる。
【0049】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のトラフFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者のベースラインFEV1の5%以上増加させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、トラフFEV1を、ベースラインFEV1の7%以上、9%以上または11%以上増加させる。より好ましくは、13%以上、15%以上または17%以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、トラフFEV1を、ベースラインFEV1の19%以上、21%以上または23%以上増加させる。
【0050】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のピークFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者がプラセボを投与されるときに測定されるピークFEV1の250ml以上増加させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、ピークFEV1を、プラセボ投与時のピークFEV1の300ml以上、350ml以上または400ml以上増加させる。より好ましくは、450ml以上または500ml以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、ピークFEV1を、プラセボ投与時のピークFEV1の550ml以上または600ml以上増加させる。
【0051】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のピークFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者がプラセボを投与されるときに測定されるピークFEV1の7%以上増加させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、ピークFEV1を、プラセボ投与時のピークFEV1の9%以上、11%以上または13%以上増加させる。より好ましくは、15%以上または17%以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、ピークFEV1を、プラセボ投与時のピークFEV1の19%以上増加させる。
【0052】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のトラフFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者がプラセボを投与されるときに測定されるトラフFEV1の100ml以上増加させる。好ましくは、本発明の化合物の投与は、トラフFEV1を、プラセボ投与時のトラフFEV1の150ml以上、200ml以上、250ml以上、300ml以上または350ml以上増加させる。より好ましくは、400ml以上、450ml以上、500ml以上または550ml以上増加させる。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、トラフFEV1を、プラセボ投与時のトラフFEV1の580ml以上、620ml以上または660ml以上増加させる。
【0053】
典型的に、本発明の化合物(単回用量として適切な用量で投与されるか、または1日1回もしくは2回の吸入を継続的に投与される)は、患者のトラフFEV1(疾患の重症度、ベースラインFEV1値および処置期間によって変わる)を、患者がプラセボを投与されるときに測定されるトラフFEV1の3%以上増加する。好ましくは、本発明の化合物の投与は、トラフFEV1を、プラセボ投与時のトラフFEV1の5%以上、7%以上または9%以上増加する。より好ましくは、11%以上、13%以上または15%以上増加する。最も好ましくは、本発明の化合物は、特に1回の最大超用量として投与したとき、トラフFEV1を、プラセボ投与時のトラフFEV1の17%以上、19%以上または21%以上増加する。
【0054】
典型的に、本発明の化合物は、吸入により投与される。本発明の化合物は、好ましくは、吸入器またはネブライザーから吸入により投与される。
【0055】
典型的に、本発明の化合物は、何れかの好適な賦形剤または薬学的に許容される担体を含む、吸入に好適な乾燥粉末形態または溶液の形態の医薬組成物である。
【0056】
典型的に、本発明の化合物は、乾燥粉末吸入器で投与される25μg以下の定量名目用量に相当する、吸入器当たりの一定量を投与される。用語“定量名目用量”とは、送達デバイスの定量チャンバーに含まれる薬物の量を意味し、通常、吸入器当たりの量を示す。作動によって、薬物がデバイスに放出され、いわゆる“放出用量”として患者に利用可能となる。それは、デバイス機序のために、通常、定量名目用量より少ない。
【0057】
典型的に、本発明の化合物は、単回用量として投与されるか、または1日1回以上の用量、好ましくは1日1回ないし4回用量、より好ましくは1日1回ないし2回用量、さらにより好ましくは1日1回用量で継続処置剤として投与される。
【0058】
典型的に、式(I)のヒドロキシキノリノン誘導体は、(R,S) 5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンおよび5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンから選択される。
【0059】
好ましくは、式(I)のヒドロキシキノリノン誘導体は、R−エナンチオマーである。
あるいは、式(I)のヒドロキシキノリノン誘導体は、S−エナンチオマーである。
【0060】
典型的に、本発明の化合物は、本明細書に記載の式(I)のヒドロキシキノリノン誘導体の薬学的に許容される塩である。好ましくは、本発明の化合物は、本明細書に記載の式(I)のヒドロキシキノリノン誘導体のメシラート、モノナパジシラートまたはヘミナパジシラート塩である。
【0061】
好ましくは、式(I)のヒドロキシキノリノン誘導体は、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1(R)−ヒドロキシ−エチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン ヘミナパジシラートまたはその薬学的に許容される溶媒和物、ならびに5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1(R)−ヒドロキシ−エチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン メシラートまたはその薬学的に許容される溶媒和物のうち1個から選択される。
【0062】
典型的に、本発明の化合物は、治療的有効量の別の治療剤と共投与される。
他の治療剤は、典型的に、コルチコステロイド、抗コリン剤および/またはPDE4阻害剤である。
【0063】
好適なPDE4阻害剤の例は、二マレイン酸ベナフェントリン、エタゾレート、デンブフィリン、ロリプラム、シパムフィリン(cipamfylline)、ザルダベリン(Zardaverine)、アロフィリン、フィラミナスト(filaminast)、tipelukast、トフィミラスト(tofimilast)、ピクラミラスト、トラフェントリン、メソプラム(mesopram)、塩酸ドロタベリン、リリミラスト(Lirimilast)、ロフルミラスト、シロミラスト、オグレミラスト、アプレミラスト(apremilast)、テトミラスト、フィラミナスト(filaminast)、(R)−(+)−4−[2−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]ピリジン (CDP−840)、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド (GSK−842470)、9−(2−フルオロベンジル)−N6−メチル−2−(トリフルオロメチル)アデニン (NCS−613)、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−8−メトキシキノリン−5−カルボキサミド (D−4418)、塩酸3−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンジル]−6−(エチルアミノ)−8−イソプロピル−3H−プリン(V−11294A)、塩酸6−[3−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニルスルホニル]−4−(3−メトキシフェニルアミノ)−8−メチルキノリン−3−カルボキサミド (GSK−256066)、4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)ピリジン−2(1H)−オン (T−440)、(−)−トランス−2−[3'−[3−(N−シクロプロピルカルバモイル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1−イル]−3−フルオロビフェニル−4−イル]シクロプロパンカルボン酸 (MK−0873)、CDC−801、UK−500001、BLX−914、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサn−1−オール、CDC−801、5(S)−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3(S)−(3−メチルベンジル)ピペリジン−2−オン (IPL−455903)、ONO−6126 (Eur Respir J 2003、22(Suppl. 45): Abst 2557)ならびにPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692において特許請求される塩である。
【0064】
好適なコルチコステロイドおよびグルココルチコイドの例は、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、デキサメタゾンシペシル酸エステル、ナフロコート(naflocort)、デフラザコート、酢酸ハロプレドン、ブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ピバル酸クロコルトロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、パルミチン酸デキサメサゾン、チプレダン(tipredane)、アセポン酸ヒドロコルチゾン、プレドニカルベート(prednicarbate)、ジプロピオン酸アルクロメタゾン(alclometasone)、ハロメタゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、リメキソロン、ファルネシル酸プレドニゾロン、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコート、RPR−106541、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、エタボン酸ロテプレドノール、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、フルニソリド、プレドニゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、トリアムシノロン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、21−クロロ−11ベータ−ヒドロキシ−17アルファ−[2−(メチルスルファニル)アセトキシ]−4−プレグネン−3,20−ジオン、デスイソブチリルシクレソニド、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、NS−126、リン酸プレドニゾロンナトリウム、ヒドロコルチゾンプロブテート(probutate)、メタスルホ安息香酸プレドニゾロンナトリウム、ならびにプロピオン酸クロベタゾールである。
【0065】
好適なM3アンタゴニスト(抗コリン剤)の例は、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、トロスピウム塩、ザミフェナシン、レバトロパート、エスパトロパート、NPC−14695、BEA−2108、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩 (特に、アクリジニウム塩、より好ましくは臭化アクリジニウム)、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−カルボン酸 エンド−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル エステル塩 (DAU−5884)、3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−シクロブチル−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−オン (NPC−14695)、N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロ−1(R)−シクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド (J−104135)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−[4(S)−メチルヘキシル]ピペリジン−4−イル]−2−フェニルアセトアミド (J−106366)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−(4−メチル−3−ペンテニル)−4−ピペリジニル]−2−フェニルアセトアミド (J−104129)、1−[4−(2−アミノエチル)ピペリジン−1−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロシクロペント−1(R)−イル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン−1−オン (万有−280634)、N−[N−[2−[N−[1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−3(R)−イルメチル]カルバモイル]エチル]カルバモイルメチル]−3,3,3−トリフェニルプロピオンアミド (万有CPTP)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸 4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−2−ブチニルエステル (Ranbaxy 364057)、3(R)−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−1−メチル−1−[2−オキソ−2−(3−チエニル)エチル]ピロリジニウム アイオダイド、N−[1−(3−ヒドロキシベンジル)−1−メチルピペリジニウム−3(S)−イル]−N−[N−[4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル]カルバモイル]−L−チロシンアミド トリフルオロアセテート、UCB−101333、OrM3(Merck)、7−エンド−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルアセトキシ)−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0(2,4)]ノナン塩、3(R)−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−1−メチル−1−(2−フェニルエチル)ピロリジニウム アイオダイド、トランス−4−[2−[ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−イル)アセトキシ]−1−メチル−1−(2−フェノキシエチル)ピペリジニウム ブロマイド(Novartis (412682))、7−(2,2−ジフェニルプロピオニルオキシ)−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0*2,4*]ノナン塩、7−ヒドロキシ−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0*2,4*]ノナン 9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボン酸エステル塩であり、それらの全ては、所望によりそれらのラセミ体形態、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびそれらの混合物、ならびに所望によりそれらの薬理学的に適合性の酸付加塩形態である。該塩のうち、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩およびメタンスルホン酸塩が好ましい。
【0066】
特に好ましいさらなる治療剤は、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩 (特にアクリジニウム塩、好ましくは臭化アクリジニウム)、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラストならびにPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692において特許請求される化合物からなる群から選択される。
【0067】
故に、本発明の一局面は、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化するための、同時、一時、個別または逐次使用のための本明細書に記載の本発明の化合物、およびコルチコステロイドを提供する。
【0068】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための本発明の化合物を提供し、ここで本発明の化合物は、コルチコステロイドと共投与される。
【0069】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための、本発明の化合物と共投与されるコルチコステロイドを提供する。
【0070】
特に好ましいコルチコステロイドは、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択されるものである。
【0071】
本発明の別の局面は、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化するための、同時、一時、個別または逐次使用のための本明細書に記載の本発明の化合物、および抗コリン剤、および所望によりコルチコステロイドを提供する。
【0072】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための本発明の化合物を提供し、ここで本発明の化合物は、抗コリン剤および所望によりコルチコステロイドと共投与される。
【0073】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための、本発明の化合物、および所望によりコルチコステロイドと共投与される抗コリン剤を提供する。
【0074】
特に好ましい抗コリン剤は、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩および1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩からなる群から選択されるものである。任意のコルチコステロイドは、好ましくは、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。
【0075】
本発明のさらなる局面は、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化するための、同時、一時、個別または逐次使用のための、本明細書に記載の本発明の化合物、およびPDE4阻害剤、および所望によりコルチコステロイド、および/または抗コリン剤を提供する。
【0076】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための本発明の化合物を提供し、ここで本発明の化合物は、PDE4阻害剤、および所望によりコルチコステロイド、および/または抗コリン剤と共投与される。
【0077】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための、本発明の化合物、および所望によりコルチコステロイド、および/または抗コリン剤と共投与されるPDE4阻害剤を提供する。
【0078】
特に好ましいPDE4阻害剤は、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラスト、ならびにPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692に特許請求される化合物からなる群から選択されるものである。任意のコルチコステロイドは、好ましくは、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択される。任意の抗コリン剤は、好ましくは、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩および1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩からなる群から選択される。
【0079】
本発明の特に好ましい態様は、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化するための、同時、一時、個別または逐次使用のための、本明細書に記載の本発明の化合物、および治療的有効量の3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、および所望によりコルチコステロイドおよび/またはPDE4阻害剤を提供する。
【0080】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための本発明の化合物を提供し、ここで本発明の化合物は、治療的有効量の3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、および所望によりコルチコステロイドおよび/またはPDE4阻害剤と共投与される。
【0081】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための、本発明の化合物、および所望によりコルチコステロイドおよび/またはPDE4阻害剤と共投与される治療的有効量の3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩を提供する。
【0082】
別の本発明の特に好ましい態様は、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化するための、同時、一時、個別または逐次使用のための、本明細書に記載の本発明の化合物、および治療的有効量のフロ酸モメタゾン、および所望により抗コリン剤および/またはPDE4阻害剤を提供する
【0083】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための本発明の化合物を提供し、ここで本発明の化合物は、治療的有効量のフロ酸モメタゾン、および所望により抗コリン剤および/またはPDE4阻害剤と共投与される。
【0084】
また、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための、本発明の化合物、および所望により抗コリン剤および/またはPDE4阻害剤と共投与される治療的有効量のフロ酸モメタゾンを提供する。
【0085】
本発明のさらに別の態様は、本明細書に記載の通り、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化するための、同時、一時、個別または逐次使用のための、本明細書に記載の本発明の化合物、コルチコステロイド、抗コリン剤およびPDE4阻害剤を提供する。
【0086】
典型的に、患者は、喘息またはCOPD、および/または肺機能が低下する疾患のような呼吸器疾患を有する。
【0087】
典型的に、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物は、好ましくは吸入により投与され、さらに本明細書に記載の治療的有効量の1種以上の他の治療剤を含み得る。しかしながら、局所、非経腸または経口適用の何れか他の形態が可能である。吸入投与量形態の適用は、とりわけ肺疾患または障害の治療において、好ましい適用形態を具体化している。
【0088】
医薬組成物は、医薬分野の当業者によく知られている何れかの方法によって製造され得る。全ての方法は、有効成分(複数可)を担体と関連づける工程を含む。一般に、医薬組成物は、有効成分を液体担体もしくは微粉化固体担体または両者と均一かつ均質に関連付けること、次いで、必要ならば、製品を望ましい形態に成形することにより製造される。
【0089】
乾燥粉末形態の医薬組成物のための担体は、一般に、デンプン、またはラクトースもしくはグルコースのような薬学的に許容される糖から選択される。ラクトースが好ましい。
【0090】
さらなる好適な担体は、「レミントン:薬局の科学および実践、第20版」(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition)、Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa., 2000の中に見出すことができる。
【0091】
吸入のための医薬組成物は、乾燥粉剤吸入器、エアロゾル吸入器またはネブライザーのような吸入器を利用して送達される。吸入器は、一般に、作動により、本明細書に記載の、治療的有効量の1種以上の他の治療剤を送達するように設定されている。
【0092】
吸入器への本発明の化合物の包装は、単位用量または複数回用量の送達のために適当であり得る。本発明の化合物は、予め計量されるか、または使用時に計量され得る。
吸入器は、一般に、単回用量吸入器、複数の単位用量吸入器、または複数回用量吸入器である。
【0093】
吸入による肺への局所送達用の乾燥粉末組成物は、例えば、吸入器または吹き入れ器(insufflator)での使用のために、例えばラミネート加工したアルミ箔の、例えばゼラチンまたはブリスターのカプセルおよびカートリッジ中に充填されていてよい。
【0094】
乾燥粉末吸入器は、3つの群:(a)単回用量デバイス、(b)複数の単位用量デバイス、および(c)複数回用量デバイスに分類される。
【0095】
第一のタイプの吸入器(a)については、単回用量は、大抵は硬ゼラチンカプセルである小さい容器中に製造業者により計り入れられている。カプセルは、分離している箱もしくは容器から取り出され、吸入器の受容部位(receptacle area)に挿入されなければならない。次に、カプセルを開封するか、ピンまたは切刃で孔を開けて、吸入の際の遠心力を用いてこれらの孔を通してカプセルから粉剤を飛散させるか、または排出させるために、吸気流がカプセルを通ることを可能にしなければならない。吸入後に、空のカプセルを吸入器から再び除去しなければならない。大抵は、カプセルを挿入しかつ除去するために吸入器の分解が必要であり、このことは、ある種の患者にとって困難であり、かつ負担となり得る操作である。
【0096】
吸入粉末用の硬ゼラチンカプセルの使用に関する他の欠点は、(a)周囲空気からの湿気の取り込みに対する予防が不十分であること、(b)カプセルが前もって極度の相対湿度に暴露されていた後での開封もしくは穿孔に関係する問題(破砕もしくは凹み(indenture)が起る)、および(c)カプセル破片の吸入の可能性である。さらに、多くのカプセル吸入器について、不十分な放出が報告されている(例えば、Nielsen et al, 1997)。
【0097】
カプセル吸入器の中には、WO92/03175に記載の通り、それから個々のカプセルを受入チャンバー(receiving chamber)(その中で穿孔および排出が起こる)へ移動することができる貯蔵庫を有しているものもある。他のカプセル吸入器は、用量放出のための空気路と直線上に並び得るカプセルチャンバーを有する回転式貯蔵庫を有する(例えば、WO91/02558およびGB 2242134)。それらには、ディスクまたはストリップ上に供される限定された数の単位用量を有するブリスター吸入器と共に複数回単位用量型の吸入器(b)が含まれる。
【0098】
ブリスター吸入器は、カプセル吸入器と比較して、優れた薬剤の湿気防止を提供する。粉末剤の利用は、カバーならびにブリスター箔を穿孔すること、またはカバー箔を剥離することにより可能である。帯状ブリスター(blister strip)をディスクの代わりに用いるとき、用量の数を増すことができるが、空のブリスター帯を交換することは患者にとって不便である。故に、このような装置は、帯の輸送およびブリスターポケットの開口に利用する仕組みを含む用量システムと共に、使い捨てとされる。
【0099】
複数回用量吸入器(c)は、予め測定された量の粉末製剤を装填していない。それらは、比較的大きい容器および患者によって用いられるべき用量測定方式(principle)で構成される。該容器は、容積置換(volumetric displacement)により大量の粉末から個々に小分けされる複数回用量を含有する。回転膜(例えば、EP0069715)もしくはディスク(例えば、GB 2041763;EP 0424790;DE 4239402およびEP 0674533)、回転可能シリンダー(例えば、EP 0166294;GB 2165159およびWO92/09322)および回転可能錐台(例えば、WO92/00771)を含む様々な用量測定方式を有し、それらは全て、容器からの粉末で充填されるべき空洞を有している。他の複数回用量デバイスは、一定量の粉末を容器から送達チャンバーもしくは空気路(air conduit)に移動させるための局所または周辺のくぼみを持つ測定用プランジャー(例えば、EP 0505321、WO92/04068およびWO92/04928)、または以下の特許出願:WO97/000703、WO03/000325およびWO03/061742に記載の、Genuair(登録商標)としても公知のNovolizer SD2FL(例えば、Sofotec)のような測定用スライドを有している。
【0100】
再現性のある用量測定は、複数回用量吸入デバイスにとって主要な問題の一つである。 粉末製剤は、投与量を測定するカップもしくは空洞の充填が多くは重力の影響下にあるので、良好でかつ安定な流動特性を示さなければならない。再充填された単回用量および複数の単位用量吸入器については、用量測定精度および再現性は、製造業者により保証され得る。他方、複数回用量吸入器は、遥かに多数の用量を含有することができ、投与量を充填するための操作数は概して少なくなる。
【0101】
複数回用量デバイス中の吸気性気流は、用量測定用空洞をしばしば直線的に通過し、そして複数回用量吸入器のかさ高く堅牢な用量測定システムは、この吸気性気流により撹拌されることがないため、粉末塊は空洞から単純に移送されるだけで、放出中に解凝集されることが殆どない。
【0102】
そのため、別の崩壊手段が必要となる。しかしながら、実際には、それらは必ずしも吸入器設計の一部でなくてもよい。複数回用量デバイス中の用量が多数であるため、空気路の内壁上の粉剤付着および解凝集手段は最小でなければならず、そして/またはこれらの部分の定期的な洗浄が、デバイス内の残存用量に影響することなく、可能でなければならない。ある複数回用量吸入器は、処方された用量が使用された後、取り替えられ得る使い捨ての薬物容器を有する(例えば、WO97/000703)。使い捨ての薬物容器を有するそのような半永久的な複数回用量吸入器のために、薬物の蓄積を防止する要求がなお更に厳格となる。
【0103】
吸入による投与用医薬は、制御された粒子サイズを有することが望ましい。気管支系内に吸入するための最適な粒子サイズは、通常1〜10μ、好ましくは2〜5μである。20μ以上のサイズを有する粒子は、吸入されるときに末梢気道に到達するには一般的には大き過ぎる。これらの粒子サイズを達成するために、製造される活性成分の粒子を、常套手段により、例えば微粉化法により、サイズの縮小が可能である。望ましい画分を、空気分粒(air classification)もしくは篩過により分離し得る。好ましくは、粒子は結晶であり得る。
【0104】
微分化粉剤で高用量の再現性を達成することは、それらの乏しい流動性および極度に高い凝集化傾向のために困難である。乾燥粉剤組成物の効率を改善するために、粒子は、吸入器中では大きいが、気道中に排出されるときには小さくなければならない。故に、ラクトースもしくはグルコースのような賦形剤が一般的に使用される。賦形剤の粒子サイズは、本発明中では吸入される薬剤より通常は遥かに大きいであろう。賦形剤がラクトースであるとき、それは、典型的に、粉末ラクトース、好ましくは、結晶性アルファラクトース一水和物として存在し得る。
【0105】
乾燥粉剤吸入器による利用とは別に、本発明の組成物を、噴射ガスを介して、もしくはいわゆる噴霧器により操作するエアロゾルで投与することができ、それを介して薬理学的に有効な物質の溶液を、吸入可能な粒子の霧が生じるように、高圧下で噴霧することができる。かかる噴霧器は、例えば、WO91/14468およびWO97/12687に記載されている。
【0106】
これらの液体製剤は、一般的に、MDI投与のための噴射剤または噴霧器を介する投与のための水の何れかであり得る適当な担体を含む。該製剤は、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸カリウム、ベンジルアルコール);pH安定化剤(例えば、酸性薬剤、アルカリ性薬剤、緩衝系);等張安定化剤(例えば、塩化ナトリウム);界面活性剤および湿潤剤(例えば、ポリソルベート、ソルビタンエステル);および/または、吸収促進剤(例えば、キトサン、ヒアルロン酸、界面活性剤)のようなさらなる成分を含み得る。該製剤はまた、本発明の塩と混合したとき、他の有効化合物の溶解性を改善する添加剤を含み得る。溶解促進剤は、シクロデキストリン、リポソーム、またはエタノール、グリセロールおよびプロピレングリコールのような共溶媒のような成分を含み得る。
【0107】
本発明の活性塩の製剤用のさらなる適当な担体は、「レミントン:薬局の科学および実践、第20版」(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition)、Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa., 2000の中に見出すことができる。
【0108】
加圧エアロゾル組成物は、バルブ、特に定量バルブを備えたキャニスター中に一般的に充填され得る。キャニスターは、W0 96/32150に記載の通り、所望により、例えばフルオロカーボン高分子であるプラスチック材料でコーティングされ得る。キャニスターは、口腔送達用に適した作動装置中に組み込まれ得る。
【0109】
本発明はまた、ヒト患者の肺機能、特にFEV1を正常化する方法であって、該患者に治療的有効量の、ラセミ体形態、立体異性体形態もしくは立体異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩形もしくは溶媒和物形態の、式(I)、
【化3】


で示される5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン、すなわちヒドロキシキノリノン誘導体化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0110】
本発明はまた、ヒト患者の肺機能、特にFEV1の正常化に使用するための医薬の製造における、ラセミ体形態、立体異性体形態もしくは立体異性体の混合物の形態、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の、式(I)、
【化4】


で示される5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン化合物、すなわちヒドロキシキノリノン誘導体を提供する。
【実施例】
【0111】
実施例1
第二相臨床試験:喘息患者における吸入による、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン ヘミナパジシラートの単回用量の有効性、安全性、耐容性および薬物動態を、無作為化二重盲検ダブルダミー、プラセボおよび活性対照、並行群間比較試験で評価する。
【0112】
方法:2006 GINAガイドラインに定義の通り、スクリーニングの少なくとも6ヶ月前から、(Quanjerら、1993による)予測正常値の61−85%のFEV1を有する、軽度から中度の永続性喘息であると診断された男性を無作為に抽出し、いずれも乾燥粉末吸入器による、単回用量投与の5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン ヘミナパジシラート(Cyclohaler(登録商標)装置中、25μgの定量名目用量で)、2回投与(0および12時間の時点で)のサルメテロール (Cyclohaler(登録商標)装置中、50μgの定量名目用量で)、およびプラセボ投与を含む一連の処置を受けさせた。肺機能測定は、(肺活量測定による) FEV1、PEF、FVC、FEF25−75、および(ボディプレチスモグラフィーによる) sGawおよびRawを含んだ。
【0113】
結果:25名の男性(年齢18ないし70)が該試験に参加した。5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン(25μg)は、プラセボおよびサルメテロールと比較して、平均ピークおよびトラフFEV1が明確に増加した。平均トラフFEV1の増加は、2回用量で投与されたサルメテロールと比較して統計的に顕著に有意であった。以下の表に、未修正記述データを示す。
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
上記のFEV1値により示される通り、この肺機能の顕著な正常化は、図1に示す通り24時間に渡って観察され、臨床的に関連する効果がもたらされる。同様の傾向が、PEF、FVC、FEF25−75、sGawおよびRawで見られる。
【0116】
結論:単回用量の5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−(R)−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン (25 μg)は、迅速な発現と、驚くほど強力な長時間続く気管支拡張をもたらし、その結果、肺機能の顕著な正常化がもたらされる。このことは、得られた高いFEV1値により実証され、それは、サルメテロールによってもたらされた値より顕著に高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者の肺機能の正常化に吸入により使用するための、ラセミ体形態、立体異性体形態もしくは立体異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩形もしくは溶媒和物形態の、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン化合物。
【請求項2】
気管支拡張剤での処置に適切に応答しない慢性呼吸器疾患患者において、維持療法として吸入により使用するための、ラセミ体形態、立体異性体形態もしくは立体異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩形もしくは溶媒和物形態の、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン化合物。
【請求項3】
呼吸器の救急事態におけるレスキュー薬として吸入により使用するための、ラセミ体形態、立体異性体形態もしくは立体異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩形もしくは溶媒和物形態の、5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン化合物。

【図1】
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【公表番号】特表2012−518019(P2012−518019A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550474(P2011−550474)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001026
【国際公開番号】WO2010/094483
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(598032139)アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Almirall, S.A.
【Fターム(参考)】