説明

背圧調整器

塗料循環装置用背圧調整器において、調整器上流の塗料圧力を調整できるように、固定された構造体と流路の幅を変化させるために可動である面との間に少なくともその一部が配置される塗料用流路と、調整器の操作を制御する加圧流体の供給源に連通する開口を有する室と、を具備する塗料循環装置用背圧調整器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料循環装置に使用される背圧調整器(BPR)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造業で用いられる種類の従来の塗料吹付塗装装置には、別々の塗料ラインをいくつか(例えば30)設けているものがあり、各々の塗料ラインは異なる色の塗料を塗装ブースに供給する。一般に、一度に噴務されるのは常に一色のみであるため、どんな場合でも実際に使用されるのは1つのラインのみである。しかし、噴務されないときでも、色素が搬送流体から分離するのを防ぐために、装置を通過する各ラインにおいて塗料を最小速度で循環させる必要がある。
【0003】
塗料が所定の圧力で噴務されるようにするために、塗料ポンプと組み合わせてBPRを用いて、塗装ブースで所定の流体背圧を調整かつ維持する。従来の装置では、BPRは手動で調節され、コイルバネを使用しており、コイルバネは、流体の流量を制御することによってBPRの上流の塗料圧力を維持するために用いられる。また、多くの装置(特定の種類のタービン又はローブポンプを用いるものなど)では、ポンプは一定の圧力、流量で作動するように設定され、BPRは設定された圧力を維持するために用いられる。この種類の装置では、BPRは、塗料の「吹付け」に伴う流体の量の変化を補うために流量を調節することによって装置の圧力を制御する。このため、各ラインは通常、塗料が使用されるか単に循環されるだけかに関わらず、噴務するために必要な流動条件で操作される。これはきわめて非効率であり、エネルギーを大きく浪費することになる。例えば、装置を1日に24時間操作しても、噴務することが必要なのは各色毎に、例えば1日に1時間に過ぎない。塗料は1日1時間に見合った圧力で操作すればすむのに、装置を1日に24時間稼動させるのに見合った圧力及び流量で各ポンプも操作することになる。
【0004】
また、高めの速度及び圧力で長めの期間操作することを求められるポンプには、通常のポンプよりも短い期間でのメンテナンスが求められる。
【0005】
本発明の目的は、塗料循環装置に用いられる改良されたBPRを提供し、上記の問題を解決することにある。
【発明の開示】
【0006】
本発明によれば、塗料循環装置用背圧調整器において、調整器上流の塗料圧力を調整できるように、固定された構造体と流路の幅を変化させるために可動である面との間に少なくともその一部が配置される塗料用流路と、
調整器の操作を制御する加圧流体の供給源に連通する開口を有する室と、を具備する塗料循環装置用背圧調整器、が提供される。
【0007】
可動面は可撓性膜であることが望ましい。加圧流体は圧縮空気でもよい。
【0008】
操作上の必要条件に適合させるために調整器の操作を遠隔から制御できることが利点である。このように、背圧調整器は、塗料が使用されているか単に循環されているだけかに応じて、異なる態様で容易に操作可能である。これは、装置をさらに効率的に操作でき、エネルギーを節約できることを意味する。また、装置の個々の構成要素は、磨耗することが少なくなるため、寿命が延びる。
【0009】
このため、塗装ブースで塗料を使用する必要があるときにはライン圧力を供給し、塗装ブースで塗料を使用する必要のないときにはライン圧力を低下させるために、調整器は遠隔から調節できることが望ましい。
【0010】
また、所定の装置圧力を維持するために、流路の大きさは自動的に調節されることが望ましい。
【0011】
装置に供給される加圧流体の圧力は、流路を通る塗料の流れの制限を制御するために変化させてもよい。蓄積効果をもたらすために、2つ以上の空気室を用いてもよい。
【0012】
詳細な実施例では、加圧流体は、BPRの可動面によって付加される圧力を増加させるために供給されてもよく、これにより、装置内の塗料は、BPRを通過する前に圧力を上げておく必要がある。これは、加圧流体を用いて可動面を押し下げ、流路を収縮させることによって達成される。この作用は、塗料が使用されかつ一部の塗料が装置から取り出されるときに必要になる。塗料が使用されず、装置から取り出されもしないときには、加圧流体の供給をオフにし、その圧力を低下させることによって、流れに加圧しないことが可能になる。BPRの他の実施例では、所定の背圧及び付勢作用を軽減(即ち、付勢作用に対抗)するために用いられる加圧流体を設定するために、弾性付勢手段が設けられる。この装置では、この付勢手段は、加圧流体が供給されないときに流路を制限するために用いられてもよい。付勢手段は、コイルバネでもよく、調節可能な強さであることが望ましい。
【0013】
このように、塗料が使用されているときには、加圧流体(例えば、圧縮空気)の供給は、オフにするか少なくして、バネが塗料装置を加圧できるようにする。加圧流体(例えば、圧縮空気)は、バネによって付加された圧力を減少させ、装置内の塗料を減圧するために供給できる。これは、流路が開くように、下方に付勢されたバネに抗して上方に押し上げるために圧縮空気を用いることによって達成されてもよい。
【0014】
加圧流体(例えば、圧縮空気)の供給に失敗しても、BPRが作動して、塗料が所定の装置圧力にあるようにするのがこの実施例の利点である。このため、塗料は使用のために常に加圧されるため塗装ブースでは流体装置の圧力損失が発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図面を参照すると、BPR45を用いる塗料循環装置40が図1に示される。すなわち、ポンプ42が塗料を塗料タンク41から塗料フィルタ43を介して塗装ブース44に供給するように操作される。このとき、未使用の塗料はリサイクルされ、BPR45を介して塗料タンク41に戻される。
【0016】
この構成では、BPR45は、循環装置の上流圧力を所望のレベル、通常は塗料使用時に5〜10barに制御するために用いられる。
【0017】
塗料循環装置40で用いられる従来の背圧調整器(BPR)10が図2に示される。この背圧調整器は、入口経路30及び出口経路31を有する本体部16を具備し、この入口経路30及び出口経路31は、塗料循環装置40で用いられる導管に取り付けるためのネジ式カップリング32、33をそれぞれ有する。構造体34を入口経路30と出口経路31との間に配置し、絞り流路35を形成する。可撓性ダイアフラム20を設けて構造体34からの距離を変化させることにより、絞り流路35の大きさを変化させる。図示されている例では、内側のダイアフラム20に平行にダイアフラム21をさらに設ける。釣鐘状上部ケーシング又はボンネット11を本体16の上端にフランジ取り付けし、ダイアフラム20、21の外周縁をガスケット23と共に閉じ込め、封止する。この組立体はネジ留め具19によって保持される。円盤17を釣鐘部11の下端内かつダイアフラム20及び21の上に配置する。釣鐘部11はコイルバネ15を内包する。バネ15の下端は円盤17の上端面の一部に支えられる。バネ15の上端はボタン14を支える。ボタン14は、釣鐘部11の上端を通るネジ穴に配置された調節ネジ12を支える。釣鐘部11の上端から突出するネジ12の頭部はハンドル22を備える。ネジ12の頭部と釣鐘部11の上端との間にロックナット13を設け、このロックナット13を緩めることにより、ネジ12が釣鐘部11に対する相対位置を変えるために回転できるようになる。ネジ12を所望の位置に位置決めすれば、ロックナット13を締めることにより、ネジ12をその位置に保持できる。
【0018】
図2からわかるように、ネジ12を締め付けると、ボタン14がバネ15へと押し下げられ、バネ15が圧縮される。次に、バネ15は円盤17を押し下げ、ダイアフラム21、20に接触する。バネ力が十分であれば、下方のダイアフラム20は構造体34に接触し、流路35を封止する。ネジ12を緩めると、逆の作用が生じ、流路35は開く。
【0019】
作動中に、塗料が入口経路30を介してBPR10に流入する。バネ15は所望の圧力をダイアフラム20に印加するように設定される。このように、BPR10を通過しようとする流入塗料圧力は、バネ15に抗してダイアフラム20に作用する。流入塗料圧力がバネ15からの圧力よりも大きい場合、ダイアフラム20は構造体34から離れ、これにより広めの流路35が生じて圧力を軽減する。流入塗料圧力が降下した場合、バネ15からの圧力が優勢になり、ダイアフラム20を構造体34に向かって押し付け、これにより狭い流路35が生じる。このように、BPRは、装置内の圧力変動の影響を絶えず調整する。その結果、BPR10の上流の塗料圧力は比較的一定に保持される。これは、塗料を装置から取り出す際には装置内を循環する塗料の流れや圧力が小さくなる傾向にあるため、ライン稼働中は特に望ましいことである。しかし、上記のように、BPR10は、流れを小さくすることによって失われた塗料分を自動的に補い、装置内の所定圧力を維持する。
【0020】
BPR10のような装置の主な問題点は、噴務する必要がないときにBPR10の上流の塗料を加圧するために、余分なエネルギーを用いることである。塗料をこのような高圧力で供給すると、経済的に使用した場合よりもポンプが早く摩耗する。
【0021】
図3に本発明によるBPR50の詳細を例示する。BPR50は、図1に示すような塗料循環装置に用いられる導管に取り付けるためのネジ式カップリング54、55をそれぞれ有する流入口52及び流出口53を有するバルブ本体51を具備する。流入口52と流出口53との間には構造体56が配置される。バルブ本体51を横切って第1ダイアフラム69が延び、構造体56の上面を覆う。図示の位置では、第1ダイアフラム69は構造体56の上面に接触する。この位置では、塗料が流入口52から流出口53へと通過する流路57が閉鎖されている。しかし、第1ダイアフラム69は、持ち上がって構造体56から離れることによって塗料の流れの制限を変化させることができるように可撓性である(詳細を以下で説明する)。
【0022】
第1ダイアフラム69には、垂直方向可動部材又はダイアフラム板58が配置される。可動部材58には、第2ダイアフラム59が配置される。ダイアフラム59の可動部材58とは反対の側と空気室キャップ68との間には、空気室60が設けられる。可動部材58と空気室60とを具備するハウジング61は、封止を施すとともに塗料の流失を防ぐために、第1ダイアフラム69の外側領域を挟み込みながらネジ式締結装置62aによってバルブ本体51に締結される。同様に、第2ダイアフラム59は、締結装置62bによって空気室キャップ68の外周縁とハウジング61との間に挟み込まれる。可動部材58は、ハウジング61のクリアランス空洞67内を垂直方向に動くことができる。ハウジング61にはさらに通気孔63が設けられ、可動部材58の動きに合わせて、可動部材58の周囲の外気を空洞67に流入させたり、空洞67から流出させたりしている。第2ダイアフラム59は、空気室60と空洞67との間を封止する。空気室キャップ68には、圧縮空気源に接続するための吸気孔64が設けられる。
【0023】
可動部材58が垂直方向に移動し、それに伴って第1及び第2ダイアフラム59、69が屈曲すると、流路57の大きさが変化する。圧縮空気が空気室60に供給されていないときには、可動部材58はハウジング61内を上下に自由に動くことができる。このため、BPR50に流入する塗料圧力が第1ダイアフラム69作用し、ほとんど抵抗がなく可動部材58を構造体56から離れる方向に付勢する。これにより、第1ダイアフラム69と構造体56との間に流路57が開通し、BPR50を通過する際の圧力の損失はほんのわずかである。
【0024】
空気室60の圧縮空気によって供給される力が十分に大きくなると、第2ダイアフラム59は下方向に撓んで、可動部材58を構造体56へ向けて第1ダイアフラム69に付勢、接触させ、これにより、流路57は収縮される。この空気の圧力と塗料圧力との差が十分な大きさであれば、第1ダイアフラム69は構造体56に接触するように押し付けられて、流路57を完全に封止する。この操作中に、塗料は入口経路52を介してBPR50に流入する。空気室60の空気圧は、BPRの上流の塗料圧力を制御するために、所望の力を可動部材58に印加するように設定される。このため、流入塗料圧力が増加した場合、第1ダイアフラム69及び可動部材58は構造体56から離れる方向に押し付けられ、これによって、流路57は拡張される。このため、塗料がさらにBPR50を通過するようになり、上流圧力が低下して設定値に戻る。流入塗料圧力が低下した場合、第2ダイアフラム59及び可動部材58に作用する空気圧は、これらを構造体56に向かって押し付け、流路57を狭め、BPR50を通る塗料の流れを制限し、上流圧力を増加させて設定値へと戻す。上記のように、このような条件下では、BPR50はBPR10と同じ機能を果たし、BPR50の上流の塗料圧力はほぼ一定に保持される。
【0025】
BPR50に関して、空気室60に印加された空気圧は装置内の塗料圧力を決定する。このため、装置内の塗料圧力は、空気室60に供給された空気圧を変化させるだけで変化させることが可能である。これは、空気の供給を制御して遠隔から実施可能である。
【0026】
図3に示す構成では、第2ダイアフラムは、収縮された流路57を通って流れる塗料に向かい合う第1ダイアフラム69の下方表面領域66に比べて、空気室60に向かい合う比較的大きな表面領域65を有する。これにより、この大きな表面領域65に付加された比較的小さな空気圧としてのエネルギーをダイアフラム59を介して効率よく伝達することができるため、さらに集中した、つまり、さらに大きな圧力を下方表面領域66を介して生成可能である。具体例としては、6barの空気圧が下方表面領域66では15barの圧力になる。
【0027】
本実施例では、空気圧を印加することによって、図2に示されたバネ15と実質的に同じ機能を果たすと考えられる。しかし、このBPR50の大きな利点は、塗料を使用していないときに、空気圧をオフに切り換えて塗料が比較的自由に循環できるようにすることである。この場合には、塗料は使用されていないため、装置内の塗料圧力を高く維持する必要がない。BPRの圧力を手動で設定する装置と比較して、塗料が使用中であるか否かに関わらず、BPR50は一般に、ポンプ及び装置の摩耗を少なくするとともに塗料を循環させるエネルギーをかなり少なくする。
【0028】
この装置の操作は、コンピュータ又はネットワークを介して制御及び監視してもよい。このようにして、ポンプ42の操作を制御可能であり、離れた場所から圧力を監視するためには変換器を使用する。また、この装置は、BPR50の操作をコンピュータによって遠隔から制御できるようにする。
【0029】
本発明の他の実施例が図4に示される。このBPR70は、圧縮空気とバネ71とを組み合わせて使用する。図2のBPR10と同様に、バネ71は、ネジ72の設定によって定められた下方向に一定の力を提供する。この例では、2つの圧縮空気室、上方室73及び下方室74が蓄積効果を発揮する。両室は可動部材77、78をそれぞれ具備する。可動部材77、78は下面75、76をそれぞれ有し、両室73、74の上壁をそれぞれ形成するダイアフラム79、80にそれぞれ取り付けられる。ダイアフラム79、80は、可動部材77、78と板82、83との間にそれぞれ挟まれている。バネ71は、上方室73において、第1柱81に下方向の力を及ぼし、ダイアフラム79の上面の板82を押し付けて可動部材77を押し下げる。可動部材77は、ハウジング88において、溝87を通って下方向に延びる第2柱85の上端に支持される。溝87は、第2柱85が垂直に動けるようにしつつ上方室73内の空気が逃げるのを防ぐシール89を備える。この構成は、下方室74の可動部材78、第3柱86、溝90及びシール91によって繰り返される。第3柱86は、主ダイアフラム93の上面の要素84に支持される。図3の実施例と同じように、BPR70は、主ダイアフラム93の下の塗料の流路を形成する、入口96、出口97及び構造体94をさらに具備する。
【0030】
上方室73及び下方室74を空気供給源に接続するために、空気供給入口(図示しない)が設けられる。2つの下面75、76には、2つの室73、74に供給された空気圧が作用し、図3の実施例の単一かつ広範な表面領域65の代わりとして、広大な総表面領域を形成する。これにより、装置をさらにコンパクトにすることができる。
【0031】
図に示すように、BPR70における空気圧は、バネ71からの下方向の力に抗して作用するように用いられる。これは、両室73、74に付加された空気圧が可動部材77、78の下面75、76に作用することによる。このように、供給された空気圧は、バネ71を圧縮して流路を開き、塗料がBPR70を制限なく通過できるようにするために用いることができる。
【0032】
BPR70が作動中で、かつ、塗料が使用中であるときには、圧縮空気(又は、このほかの流体)は両室73、74に供給されない。上方室73に空気圧がかかっていない場合、上方からのバネ力に抵抗する力が存在せず、バネ力は柱81、85、86及び可動部材77、78を介して要素84及び主ダイアフラム93に伝達される。この力は塗料圧力に対して作用し、上流の塗料圧力を維持するために流路95を収縮させようとする。この構造では、BPR70は、図2のBPR10と同じように作用し、BPR70の上流の塗料圧力は、設定値又は設定値近くに維持される。
【0033】
BPR10と同様に、装置内の圧力は、要素84に伝達されるバネ力によって定められる。このため、ネジ72は、装置内の塗料圧力の設定を調整するために用いることができる。これは通常、塗料を使用中であるときに適切になるようにするのに都合のよい大きさの装置内圧力を提供するように設定される。
【0034】
しかし、このBPR70の利点は、両室73、74に適切な空気圧を供給することによって、バネ71の高圧力を効果的にオフすることである。このため、両室73、74内の空気圧は、空気が可動部材77、78の下を移動して下面75、76に作用できるように、ダイアフラム79、80を上方に押し付けるために作用する。これは、板82、83にかかる下方向の圧力に対向し、これらの板を上方に押し上げる。空気圧がかかった状態で可動部材77、78が上方に動くとき、第3柱86は要素84から離れる方向に持ち上げられ、自由に動けるようになる。その結果、要素84は、主ダイアフラム93に下方向の力を付加せず、塗料がBPR70を制限なく通過する。この作用は、塗料が使用中であり、色素が搬送流体から分離するのを防ぐために、単に塗料を最小速度で循環させる必要があるときには望ましいものである。
【0035】
上記のように、オン・オフ機能を持たせるというのがBPR70に空気圧を供給する主な理由であるが、この構成は、バネ71からの力を遠隔から変化させるために用いることも可能である。したがって、ネジ72を調整することなく、要素84に向かって下方向に作用する力を変化させるために、空気圧を空気室73、74の一方または両方に供給できる。比較的低い空気圧をかけると、要素84にかかるバネ71の力はわずかに減少し、比較的高い空気圧をかけると、要素84にかかるバネ71の力は大きく減少する。このように、所望の装置内圧力を設定するために、一定の空気圧が供給される。
【0036】
BPR70は、バネ71を囲む釣鐘状部101から構成される。別々のハウジング部88、92は、空気室73、74をそれぞれ囲む。本体部98が流入口96と流出口97との間に流路を形成する構造体94を具備する。ハウジング部88、92ひいては空気室73、74をいくつでも具備できるように、これらの部材はモデュール方式で組み立てられる。ハウジングにおけるボルト穴を一直線上に並べると溝99が形成され、溝99には、締め付けボルト(図示しない)が挿入されてモジュラーコンポーネントをまとめて締結する。図3のBPR50と同様に、通気孔102、103、104が釣鐘状部101及びハウジング部88、92にそれぞれ設けられ、板82、83及び要素84が移動するときに、板82、83及び要素84を囲む外気が周囲空洞105、106、100に流入しかつそれらから流出することが可能になる。
【0037】
図3のBPR50と同様に、BPR70の操作をコンピュータによって遠隔から制御できる。
【0038】
本発明は、操作者が塗布器の塗料循環装置を必要に応じて自動的に加圧又は減圧できるようにする。このため、BPRは自動的にオンになりライン圧力を供給し、あるいはオフになりライン圧力を低下させることができる。この性能は、エネルギーの使用量を節減し、装置の構成要素の磨耗を減らす。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明の詳細な実施例は、添付図面に示される。
【図1】BPRを使用する塗料循環装置の概略図。
【図2】先行技術から公知である従来のBPRの断面図。
【図3】本発明によるBPRの断面図。図4は、本発明による他のBPRの断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料循環装置用背圧調整器において、
調整器上流の塗料圧力を調整できるように、固定された構造体と流路の幅を変化させるために可動である面との間に少なくともその一部が配置される塗料用流路と、
調整器の操作を制御する加圧流体の供給源に連通する開口を有する室とを具備する塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項2】
前記可動面は可撓性膜の面である請求項1に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項3】
前記加圧流体は圧縮空気である請求項1に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項4】
流体の圧力は、前記流路を通る塗料の流れの制限を制御するために使用可能である、請求項1から3に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項5】
前記室に供給された加圧流体は、前記流路における塗料圧力に抗して前記流路を制限するための力を前記面に供給するために操作可能である請求項4に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項6】
前記供給源からの加圧流体は、調整器による塗料圧力の規制を排除するために操作可能である請求項1に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項7】
加圧流体が付加されないときに、前記流路における塗料圧力に抗して前記流路を制限するために操作可能である付勢手段を具備する請求項6に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項8】
前記付勢手段はコイルバネである請求項7に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項9】
前記付勢手段は調節可能な強さを有する請求項7又は8に記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項10】
前記調整器の上流の塗料圧力は、前記室に供給される流体圧力を変化させることにより調節可能な設定値に制御可能である請求項1から9のいずれかに記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項11】
蓄積効果のために2つ以上の室を使用する請求項1から10のいずれかに記載の塗料循環装置用背圧調整器。
【請求項12】
図3及び図4を参照して本明細書に記載され、かつ図3、4に示されたものと実質的に同じ塗料循環装置用背圧調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−507637(P2009−507637A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530642(P2008−530642)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002503
【国際公開番号】WO2007/031841
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(504186747)アイティーダブリュ リミティド (3)
【Fターム(参考)】