説明

能動的ケーシング位置合わせ制御システム及び方法

【課題】能動的ケーシング位置合わせ制御システム及び方法を提供すること。
【解決手段】能動的クリアランス制御システムを備えるタービンが、回転するロータ部品を取り囲むケーシング構造(26)の周りに円周方向に離間配置された複数のアクチュエータ(30)を含む。アクチュエータは、ロータに対してケーシング構造を偏心変位させるように構成される。ロータがケーシング構造の内部で回転するときに、ロータとケーシング構造の間の偏心を示すパラメータを検出するために、複数のセンサ(32)が、ケーシング構造26の周りに円周方向に離間配置される。センサ及びアクチュエータと連絡する制御装置(36)が、ロータとケーシング構造の間で検出される偏心を補償するために、ケーシング構造を偏心変位させるようにアクチュエータを制御するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガスタービンなどの回転機械に関し、より詳細には、ロータとそれを取り囲むケーシング構造の間のクリアランスを測定して制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンなどの回転機械は、一般にロータと呼ばれる部分を有し、ロータは、シュラウドなど静止ケーシング部品の内部で回転する。部品同士がぶつかり合わないように、ロータとシュラウドの間でクリアランス寸法を保たなければならない。これは、ガスタービンにおいて特に懸念される。
【0003】
ガスタービンは、燃焼室から放出される高温ガスを使用してロータを回転させ、ロータは、典型的には、シャフトの周りに円周方向に離間配置された複数のロータブレードを含む。ロータシャフトは、圧縮空気を燃焼室に供給するための圧縮機に結合され、さらに、いくつかの実施形態では、ロータの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するための発電機に結合される。ロータブレード(「動翼」と呼ばれることもある)は、通常、シャフトに沿って多段式に提供され、ケーシング構成の内部で回転し、ケーシング構成は、外側ケーシングと、各ステージそれぞれのための内側ケーシング又はシュラウドリングとを含むことがある。高温ガスがブレードに衝突するとき、シャフトが回転される。
【0004】
ブレードの先端とシュラウドリングの距離は、「クリアランス」と呼ばれる。クリアランスが増加するにつれて、高温ガスがクリアランスを通って逃げるので、タービンの効率が低下する。したがって、タービンの効率を最大にするために、ブレード先端とシュラウドの間のクリアランスを最小にすべきである。他方で、クリアランスの大きさが小さすぎると、ブレード、シュラウド、及び他の部品の熱膨張及び熱収縮により、ブレードがシュラウドに擦れることがあり、これは、ブレード、シュラウドリング、及びタービン全体の損傷を招くおそれがある。したがって、様々な動作条件下で最小限のクリアランスを保つことが重要である。
【0005】
タービンの動作中にケーシングの熱膨張を抑えるために、圧縮機からケーシングの周りにバイパス空気を送ることによって正確なクリアランスを保つことを試みる方法及びシステムが知られている。例えば、米国特許第6126390号に、受動的加熱/冷却システムが記載されており、そのシステムでは、タービンケーシングの冷却速度を制御する、又はさらにはケーシングを加熱するために、流入空気の温度に応じて、圧縮機又は燃焼室からタービンケーシングに気流が計量供給される。
【0006】
しかし、従来の受動的空気冷却システムは、ロータ及び/又はシュラウドの一様な円周膨張を仮定しており、ロータとシュラウドの間に生じる又は元々ある偏心を考慮することができない。偏心は、製造公差又は組立公差により生じることがあり、又はタービンの動作中に、軸受オイルリフト、軸受構造の熱的膨張、振動、タービン部品の不均一な熱膨張、ケーシングすべり、重力サグなどにより生じることがある。予想される偏心は設計時に考慮しなければならず、したがって、これらの偏心は、ブレードとシュラウドが擦れないようにしながら実現することができる最小の設計クリアランスの量を制限する。この問題に対処する従来の手法は、高温動作の際に生じる偏心を補償するために、低温組立て中に部品の相対位置を静的に調節することであった。しかし、この方法は、タービンの動作寿命中に生じる偏心の変動を正確に考慮することができない。
【0007】
したがって、能動的位置合わせ制御システム及び方法が、タービン部品間で生じる偏心を広範な動作条件にわたって正確に検出して考慮するために必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0053042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の制御システムの欠点のいくつかに対処する能動的位置合わせ制御システム及び方法を提供する。本発明の追加の態様及び利点は、以下の説明に一部記載してあり、又は以下の説明から明らかになることがあり、又は本発明の実施により理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
位置合わせ制御システムを有するガスタービンの1つの特定の実施形態では、ロータブレードの1つ以上のステージを備えるロータが含まれる。ロータは、ケーシング構造の内部に収容され、ケーシング構造は、外側ケーシングと、ロータブレードの各ステージに関連する内側ケーシング又はシュラウドとを含むことがある。複数のアクチュエータが、シュラウドの周りに円周方向に離間配置されて、シュラウドを外側ケーシングに接続する。例えば、4つのアクチュエータが、シュラウドの周りに円周方向に90度間隔で離間配置されることがある。アクチュエータは、外側ケーシングに対して(したがってロータに対して)シュラウドを偏心変位させるように構成される。複数のセンサが、シュラウドの周りに円周方向に離間配置され、ロータがシュラウドの内部で回転するときに、ロータブレードとシュラウドの間のブレード先端クリアランスなど、ロータとシュラウドの間の偏心を示すパラメータを検出又は測定するように構成される。制御システムが、センサ及びアクチュエータと連絡して構成され、センサによって検出されたロータの偏心を補償するためにシュラウドを偏心変位させるようにアクチュエータを制御する。1つの特定の実施形態では、制御システムは、閉ループフィードバック制御システムであってよい。
【0011】
また、本発明は、ガスタービンにおいてクリアランスを制御するための方法であって、円周方向に離間配置されたロータブレードの1つ以上のステージを有するロータが、外側ケーシング及び内側シュラウドを有するケーシング構造の内部で回転する方法を包含する。ガスタービンの動作中、ロータとシュラウドの間の偏心を検出するためにシュラウドの周りの複数の位置にある能動的又は受動的手段によって、ロータブレードとシュラウドの間のブレード先端クリアランスなど、偏心を示すパラメータが感知される。この方法は、検出された偏心に応答して、ロータがシュラウドの内部で回転するときに、検出された偏心を補償するために外側ケーシングに対して(したがってロータに対して)シュラウドを偏心変位させることを含む。
【0012】
また、本発明は、回転機械全般に関するロータとケーシングの位置合わせシステムを包含する。このシステムは、外側ケーシング及び内側ケーシングを含むケーシング構造の内部で回転するロータを含む。複数のアクチュエータが、内側ケーシングの周りに円周方向に離間配置されて、内側ケーシングを外側ケーシングに接続する。アクチュエータは、外側ケーシングに対して(したがってロータに対して)内側ケーシングを偏心変位させるように構成される。複数のセンサが、内側ケーシングの周りに円周方向に離間配置され、ロータが内側ケーシングの内部で回転するときに、ロータと内側ケーシングの間のクリアランスなど、偏心を示すパラメータを検出するように構成される。制御システムが、複数のセンサ及び複数のアクチュエータと連絡し、複数のセンサによって検出されたロータと内側ケーシングの間の偏心を補償するために、内側ケーシングを偏心変位させるように複数のアクチュエータを制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】例示的な回転機械、特にガスタービンの概略図である。
【図2A】ガスタービンなど回転機械のロータとシュラウドの概して均一な同心関係を示す概略断面図である。
【図2B】ガスタービンなど回転機械のロータとシュラウドの偏心関係を示す概略断面図である。
【図3】ロータとシュラウドの間の偏心を補償するためにセンサ及びアクチュエータを組み込むガスタービンの概略断面図である。
【図4】制御システムの例示的な図である。
【図5】本発明の方法の一実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の特定の実施形態を参照し、それらの1つ以上の例を図面に示す。各実施形態は、本発明の態様の例示として提供するものであり、本発明を限定するものとみなすべきではない。例えば、1つの実施形態に関して図示又は説明する特徴を別の実施形態と合わせて使用して、さらなる実施形態を提供することができる。本発明は、本明細書で述べる実施形態に施されるこれら及び他の修正又は変形も含むものと意図される。
【0015】
図1は、ガスタービン10など、従来の回転機械の例示的実施形態を示す。ガスタービン10は、圧縮機12と、燃焼室14と、タービン16とを含む。圧縮機12は、タービンシャフト18によってタービン16に結合され、タービンシャフト18はさらに、発電機20に結合されることがある。タービン16は、タービンステージ22と、タービンステージ22それぞれの内側ケーシング又はシュラウド24(共通の単一のケーシング構造、又は個別のリングであってよい)と、外側ケーシング構造26とを含む。各タービンステージ22が、複数のタービンブレード23を含む。
【0016】
本明細書では、本発明の態様をガスタービン構成に関して説明する。しかし、本発明は、ガスタービンに限定されず、ロータとそれを取り囲むケーシング構造の間の偏心を検出して補償することが望まれる回転機械全般に適用可能であることを理解すべきである。
【0017】
従来のガスタービン構成の構造及び動作は当業者に周知であり、その詳細な説明は本発明の理解には必要ない。また、図1における簡略化したタービン10は、いかなるタイプの適切なタービン又は他の回転機械構成も表すように示してあるにすぎず、本発明のシステム及び方法は、様々なタービン構成で有用であり、いかなる特定のタイプのガスタービン又は他の回転機械にも限定されないことを理解すべきである。
【0018】
図2Aは、ロータシャフト18に取り付けられた個別のブレード又は動翼23を有するタービンステージ22を示す概略図である。タービンステージ22は、内側シュラウド24(すべてのタービンステージに共通の単一の内側ケーシング構造、又は個別のシュラウドリング)の内部で回転し、内側シュラウド24は、ケーシング構造26の外側ケーシング28の内部に同心で位置する。回転ブレード23の先端と内側シュラウド24の間で、理想的なブレード先端クリアランス34が望まれる。このクリアランス34は、図2Aでは説明のために大きく誇張してある。
【0019】
図2Bに示されるように、タービンステージ22と内側シュラウド24の間で偏心が生じることがある。これらの偏心は、製造又は組立公差、軸受位置合わせ、軸受オイルリフト、軸受構造の熱的膨張、振動、タービン部品の不均一な熱膨張、ケーシングすべり、重力サグなどの要因の任意の組合せによって生じることがある。図2Bに示されるように、この偏心関係は、性質上それ自体が偏心性をもつタービンブレードクリアランス34をもたらすことがある。偏心により、許容できる最小の仕様値未満のタービンブレードクリアランスが生じることがあり、その結果、ブレード23の先端と内側シュラウド24が擦れる可能性がある。さらに、偏心により、設計仕様値を超えるブレード先端クリアランスが生じることがあり、その結果、大きなロータ損失が生じることがある。
【0020】
図2A及び図2Bは、内側シュラウド24をケーシング構造26の外側ケーシング28に接続する働きをするアクチュエータ30を示す。以下でより詳細に述べるように、これらのアクチュエータ30は、本質的に瞬時に検出されるタービンステージ22とシュラウド24の間の偏心を能動的に補償するための手段にもなる。
【0021】
より詳細には、図3及び図4を参照すると、複数のアクチュエータ30が、内側シュラウド24の周りに円周方向に離間配置される。アクチュエータ30の数及び位置は変えることができるが、アクチュエータ30が、タービンステージ22と内側シュラウド24の間での検出された偏心を円周方向に完全に補償できるようにすることが望ましい。アクチュエータ30は、外側ケーシング28に対してシュラウド24を偏心変位させるように構成される。アクチュエータ30は、それらの設計又は構成については限定されず、いかなる様式の空気圧、水圧、電気、熱、又は機械作動機構を含むこともできる。例えば、アクチュエータ30は、個別に制御される電動機、空気圧又は水圧ピストン、サーボ、ねじ式又は歯車式構成などとして構成されることがある。例示した実施形態では、4つのアクチュエータ30が、シュラウド24の円周の周りに90度間隔で均等に離間配置される。上下のアクチュエータ30が垂直方向の調節を行い、左右のアクチュエータ30が水平方向の調節を行う。アクチュエータ30の組合せにより、望まれる程度がいかなるものであれ、内側シュラウド24の全周にわたる水平方向及び垂直方向調節を行うことができるようになる。
【0022】
複数のセンサ32が、シュラウド24の周りに円周方向に離間配置される。この特定の実施形態では、センサ32は、ロータステージ22がシュラウド24の内部で回転するときに、ロータブレード23の先端と内側シュラウド24の間のブレード先端クリアランス34を測定するように構成されたクリアランスセンサである。これらのセンサ32の数及び位置は変えることができるが、内側シュラウド24の円周の周りでのいかなる様式の偏心も検出するのに十分であることが望ましい。様々なタイプのブレード先端センサが、当技術分野で既知であって使用されており、そのようなセンサの任意の1つ又は組合せを、本発明の範囲及び精神の範囲内で使用することができる。例えば、センサ30は、容量センサや誘導センサなどの受動的デバイスであってよく、これらのセンサは、センサの下を金属ブレード先端が通過することによって発生されるキャパシタンス又はインダクタンスの測定値の変化に応答し、その変化の大きさが、ブレード先端クリアランスの相対的な程度を反映する。典型的には、これらのタイプの容量センサは、シュラウド24の内側円周面と面一になるように、シュラウド24の凹部に取り付けられる。代替実施形態では、センサ30は、いかなる様式又は構成の能動的感知デバイスであってもよく、例えばマイクロ波送信機/受信機センサや、レーザ送信機/受信機センサなどであってよい。さらなる1つの代替実施形態では、能動的センサ30は、光学構成を備えることがあり、この場合、光がタービンブレードに伝送され、タービンブレードから反射される。
【0023】
本発明は、センサのタイプ又は構成によっては限定されず、ロータとそれを取り囲む構造の間の偏心を示すパラメータを測定又は検出することによって偏心を検出するためのいかなる様式又は構成の既知のセンサ若しくは先進のセンサ、又は他のデバイスをも利用することができることが容易に理解できよう。本明細書で述べたように、このパラメータは、例えばブレード先端クリアランスであってよい。
【0024】
図4を参照すると、例示的な制御システム36が、センサ32及びアクチュエータ30と連絡して構成される。制御システムは、ソフトウェア実装プログラムを備えることがあり、これらのプログラムは、センサから受信された信号からロータ偏心の大きさ及び円周方向位置を計算し、ロータがシュラウドの内部で回転するときに、計算されたロータ偏心を補償するようにアクチュエータを制御する。
【0025】
制御システム36は、様々なそれぞれのセンサ32のブレード先端クリアランス測定値から偏心を計算するための任意の様式のハードウェア又はソフトウェアプログラム40を備えた構成の制御装置42を含む。制御システム36は、1つの特定の実施形態では、閉ループフィードバックシステム38として構成され、偏心は、センサ32が発生する信号から本質的に瞬時に計算される。次いで、制御システム36は、それぞれの各アクチュエータ30に制御信号33を発生する。アクチュエータ30は、制御信号33に応答して、外側ケーシング28に対して(したがってロータに対して)内側シュラウド24を移動させて、偏心を最小にして、許容限度内に入れる。内側シュラウド24が再位置決めされるとき、センサ32がブレード先端クリアランス34を継続的に感知し、計算される偏心が継続的に監視される。制御システム36は、任意の数の制御機能、例えば減衰回路又は時間遅延回路、或いは任意の他のタイプの既知の閉ループフィードバック制御システム機能を含むことができ、偏心を許容限度内で保つために必要な調節を最小回数でシステムが行うことを保証することが容易に理解できよう。例えば、制御システム36は、シュラウド24の位置の増分的調節を行い、各調節の合間に規定の待機期間を取るように構成することができ、それにより、次の調節を行う前に、検出された偏心の変化を安定させる。
【0026】
制御システム36は、例えば偏心設定値や調節制御値など、その機能に関連する入力35、又は任意の他の関連の制御システムからの入力35を受信することができる。さらに、センサからの出力37は、診断や保守など何らかの理由により、他の関連の制御システム又は機器によって使用されることがある。
【0027】
図5は、本発明による制御方法の一実施形態を例示する流れ図を示す。段階100で、タービンがシュラウドの内部で回転するときに、ブレード先端クリアランスが、シュラウドの周りの複数の位置で測定される。上述したように、ブレード先端クリアランスは、シュラウドの周りに円周方向に配設された任意の様式のセンサによって感知されることがある。
【0028】
段階110で、測定されたブレード先端クリアランスを使用して、シュラウドとロータの間の偏心の大きさ及び相対的な円周方向位置が計算される。
【0029】
段階120で、計算された偏心が、規定の許容限度と比較される。
【0030】
段階130で、計算された偏心が限度内にある場合、段階100で監視プロセスが継続される。
【0031】
段階130で、計算された偏心が許容設定値を超える場合、制御システムがアクチュエータ制御信号を発生し、これらの信号が、シュラウドの周りに配設された様々なアクチュエータに印加されて、段階150で、ケーシング内部でシュラウドを偏心移動させて、偏心を補償する。上述したように、アクチュエータによって行われる調節は、増分的段階で行われることがあり、又は全体の偏心を補償するために計算された単一の段階で行われることもある。シュラウドに対する調節が1つ終わるたびに、段階100で監視が継続される。
【0032】
図4のシステム及び図5の方法で示される閉ループタイプのフィードバックシステムが本発明を限定するものではないことは容易に理解できよう。ロータとシュラウドの間の偏心を補償するために外側ケーシングの内部で内側シュラウドを偏心移動させるという目的を実現するために、当業者は様々なタイプの制御システムを容易に開発することができる。
【0033】
本発明の主題を、本発明の特定の例示的実施形態及び方法に関して詳細に説明してきたが、上述したことを当業者が理解すれば、そのような実施形態の代替形態、変形形態、及び等価形態を容易に形成することができることを理解されよう。したがって、本開示の範囲は、限定するものではなく例示であり、当業者に容易に明らかであるように、主題の開示は、そのような修正形態、変形形態、及び/又は追加形態を本発明の主題に包含することを除外しない。
【符号の説明】
【0034】
10 ガスタービン
12 圧縮機
14 燃焼室
16 ロータ/タービン
18 ロータ/タービンシャフト
20 発電機
22 タービンステージ
23 タービンブレード又は動翼
24 内側シュラウド/内側ケーシング
26 ケーシング構造
28 外側ケーシング
30 アクチュエータ
32 センサ
33 制御信号
34 ブレード先端クリアランス
35 入力
36 制御システム
37 出力
38 閉ループフィードバックシステム
40 ハードウェア又はソフトウェアプログラム
42 制御装置
100 ブレードクリアランスを測定する
110 偏心の大きさ及び位置を計算する
120 計算された偏心を限度と比較する
130 限度内かどうか判定する
140 アクチュエータ制御信号を発生する
150 ケーシング内部でシュラウドを偏心移動させる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリアランス制御システムを有するガスタービン(10)であって、
ロータブレード(23)の1つ以上のステージ(22)を備えるロータ(16)と、
前記ロータが内部に収容されたケーシング構造(26)であって、外側ケーシング(28)と、ロータブレードの各前記ステージに関連付けられた内側シュラウド(24)とを含むケーシング構造(26)と、
前記シュラウドの周りに円周方向に離間配置され、前記シュラウドを前記外側ケーシングに接続する複数のアクチュエータ(30)であって、前記外側ケーシングに対して前記シュラウドを偏心変位させるように構成された複数のアクチュエータ(30)と、
前記シュラウドの周りに円周方向に離間配置され、前記ロータが前記シュラウドの内部で回転するときに、前記ロータと前記シュラウドの間の偏心を示すパラメータを測定するように構成された複数のセンサ(32)と、
前記複数のセンサ及び前記複数のアクチュエータと連絡し、前記複数のセンサによって検出された前記ロータと前記シュラウドの間の偏心を補償するために、前記シュラウドを偏心変位させるように前記複数のアクチュエータを制御するように構成された制御システム(36)と
を備えるガスタービン(10)。
【請求項2】
前記制御システム(36)が、前記複数のセンサ(32)から受信される信号からロータ偏心の大きさ及び回転位置を計算し、前記ロータ(16)が前記シュラウドの内部で回転するときに、計算されたロータ偏心を補償するように前記複数のアクチュエータ(30)を制御するソフトウェア実装プログラムを有する閉ループフィードバックシステム(38)を備える、請求項1記載のガスタービン(10)。
【請求項3】
前記複数のセンサ(32)が、前記ロータブレードで反射される信号を送信及び受信することによって前記ロータブレード(23)と前記シュラウドの間のブレード先端クリアランス(34)を測定するために前記シュラウド(24)の周りに円周方向に離間配置された能動的クリアランスセンサ、或いは前記ロータブレードと前記シュラウドの間のブレード先端クリアランスを測定するために前記シュラウドの周りに円周方向に離間配置された受動的クリアランスセンサの任意の組合せである、請求項1又は2記載のガスタービン(10)。
【請求項4】
ガスタービン(10)においてクリアランスを制御するための方法であって、円周方向に離間配置されたロータブレード(23)の1つ以上のステージ(22)を有するロータ(16)が、内側シュラウド(24)を有するケーシング構造(26)の内部で回転し、
前記ガスタービンの動作中、前記ロータが前記シュラウドの内部で回転するときに、偏心を示すパラメータを感知することによって前記ロータとシュラウドの間の偏心を検出する段階と、
検出された偏心に応答して、前記ロータが前記シュラウドの内部で回転するときに、前記検出された偏心を補償するために、前記ケーシング構造の外側ケーシング(28)に対して前記シュラウドを偏心変位させる段階と
を含む方法。
【請求項5】
前記シュラウドの周りに円周方向に離間配置された能動的センサ(32)、又は前記シュラウドの周りに円周方向に離間配置された受動的センサの任意の組合せを用いて、前記シュラウドの周りの複数の位置で、前記ロータブレード(23)とシュラウド(24)の間のブレード先端クリアランス(34)を感知する段階と、前記ロータ(16)が前記シュラウドの内部で回転するときに前記偏心を継続的に補償するために、前記偏心の大きさ及び相対的な回転位置を計算する段階とを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記シュラウド(24)の周りの複数の位置でブレード先端クリアランス(34)を感知する段階と、前記偏心の大きさ及び相対的な回転位置を計算する段階と、閉ループフィードバックシステム(38)において、前記ロータが前記シュラウドの内部で回転するときに、前記偏心を補償するために前記外側ケーシングに対して前記シュラウドを偏心変位させるように、前記シュラウドを前記外側ケーシング(28)に接続する複数のアクチュエータ(30)を継続的に制御する段階とを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ロータとケーシングの位置合わせシステムであって、
ロータ(16)と、
前記ロータが内部に収容されたケーシング構造(26)であって、外側ケーシング(28)及び内側ケーシング(24)を含むケーシング構造(26)と、
前記内側ケーシングの周りに円周方向に離間配置され、前記内側ケーシングを前記外側ケーシングに接続する複数のアクチュエータ(30)であって、前記外側ケーシングに対して前記内側ケーシングを偏心変位させるように構成された複数のアクチュエータ(30)と、
前記内側ケーシングの周りに円周方向に離間配置され、前記ロータが前記内側ケーシングの内部で回転するときに、前記ロータと前記内側ケーシングの間の偏心を検出するように構成された複数のセンサ(32)と、
前記複数のセンサ及び前記複数のアクチュエータと連絡し、前記複数のセンサによって前記ロータと前記内側ケーシングの間で検出される偏心を補償するために、前記内側ケーシングを偏心変位させるように前記複数のアクチュエータを制御するように構成された制御システム(36)と
を備えるロータとケーシングの位置合わせシステム。
【請求項8】
前記制御システム(36)が、前記複数のセンサ(32)から受信される信号からロータ偏心の大きさ及び回転位置を計算し、前記ロータ(16)が前記内側ケーシングの内部で回転するときに、計算されたロータ偏心を補償するように前記複数のアクチュエータ(30)を制御するソフトウェア実装プログラムを有する閉ループフィードバックシステム(38)を備える、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のセンサ(32)が、前記ロータ(16)から反射された信号を送信及び受信する、前記内側ケーシング(24)の周りに円周方向に離間配置された能動的センサである、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記複数のセンサ(32)が、前記内側ケーシング(24)の周りに円周方向に離間配置された受動的センサである、請求項8記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−270755(P2010−270755A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114855(P2010−114855)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】