説明

脊柱靱帯骨化症のマーカーペプチド

【課題】脊柱靱帯骨化症の診断剤、治療剤を提供する。
【解決手段】脊柱靱帯骨化症の診断の指標となる、以下の(a)又は(b)のCXCL7断片ポリペプチド(a)特定な配列のアミノ酸配列からなるポリペプチド(b)上記のアノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、付加、又は置換したアミノ酸配列からなり、かつ脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有するポリペプチド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊柱靱帯骨化症に関するマーカー、検査キット、検査方法、及び治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱靱帯骨化症(OSL)は、骨化した靱帯の部分により、後縦靱帯骨化症(OPLL)、黄色靱帯骨化症、前縦靱帯骨化症などに分類されている。
後縦靱帯骨化症(OPLL)は、脊椎椎体の後縁を連結し、脊柱のほぼ全長を縦走する後縦靱帯が骨化することにより、脊椎管狭窄をきたし、脊髄または神経根の圧迫障害を来す疾患である。後縦靱帯骨化症(OPLL)は、発症部分が頸椎であるため四肢麻痺を伴い重篤な疾患である。頸椎に最も多いが、胸椎や腰椎にも生じる。
黄色靭帯骨化症は、脊髄の後方に存在し、脊椎椎弓間を連結する黄色靭帯が骨化し、脊髄麻痺を生じる疾患であり、胸椎部に好発する。後縦靱帯骨化症患者では、前縦靱帯骨化を中心として、広汎に脊柱靭帯骨化をきたす強直性脊椎骨増殖症を約40%に合併し、また黄色靭帯骨化や棘上靭帯骨化の合併も多く、脊椎靭帯骨化の一部分症として捉える考えもある。
【0003】
従来、後縦靱帯骨化症の治療としては、前方よりの前方徐圧固定術後方よりの椎弓切除術、脊柱管拡大術が行われている。また、黄色靱帯骨化症の治療としては、椎弓切除術が行われている。これらの疾患の予後として、脊椎麻痺の多くは進行性であり、転倒などの軽微な外傷で、急に麻痺の発生や憎悪をきたすことがある。長期にわたり麻痺を放置すると、全横断性脊髄麻痺となり、手術を行っても回復は得られ難い。
このように、脊柱靱帯骨化症には有効な治療法が確立されていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、脊柱靱帯骨化症の診断の指標となるタンパクマーカー、これを用いた診断剤、及び治療剤を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、脊柱靭帯骨化症、とりわけ後縦靭帯骨化症の患者における、タンパク質等の発現状態を検討したところ、ある種のタンパク質の発現が靭帯骨化症においては、欠損することを見出した。
即ち、脊柱靱帯骨化症の患者の血漿中には、健常人の血漿中には存在する、ケモカインの1種であるpro-platelet basic protein (chemokine (C-X-C motif) ligand 7)CXCL7由来のペプチド断片が認められず欠損することを見出した。
このことから、当該断片ペプチドの血漿中における存在の有無により明確に脊柱靭帯骨化症の診断が可能となり、当該断片ペプチドは、新たな脊椎靭帯骨化症の指標ペプチドとなる。
【0006】
更に、CXCL7自体は、間質細胞由来因子1(SDF1)との協調作用がある場合には、破骨細胞再生機能を有することが知られているが(Biochemical and Biophysical Research Communication, Vol.378,462-466,2009)、CXCL7の欠損が柱靱帯骨化症を引き起こすことは定かではなかった。このような状況下で、本発明者らはCXCL7の断片ペプチドが脊柱靱帯骨化症において欠損することから、当該ペプチド断片の欠損が脊柱靭帯骨化症の原因の一つになっていることを見出した。従って、CXCL7ポリペプチドの断片ペプチドを補うことで、柱靱帯骨化症の治療効果が期待され、ポリペプチド、及びそれをコードするDNAは、脊柱靱帯骨化症の治療剤として有用であることが期待される。
【0007】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の脊柱靱帯骨化症に係るペプチドマーカー、脊柱靭帯骨化症の治療剤、脊柱靱帯骨化症の治療方法、脊柱靱帯骨化症の診断剤、脊柱靱帯骨化症の診断方法、脊柱靱帯骨化症の治療に有効となり得るCXCL7ポリペプチドの断片ペプチド、及びそれをコードするDNAを提供する。
項1.
脊柱靱帯骨化症の診断の指標となる、以下の(a)又は(b)のCXCL7断片ポリペプチド。
(a)配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、付加、又は置換したアミノ酸配列からなり、脊柱靱帯骨化症対して治癒効果を有するポリペプチド
項2.
脊柱靱帯骨化症の診断の指標となる、項1記載のポリペプチドをコードするDNAであり、且つ、以下の(c)、(d)、又は(e)のCXCL7断片ポリペプチドをコードするDNA。
(c) 配列番号2の塩基配列からなるDNA
(d) 配列番号2の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、脊柱靱帯骨化症に対して治癒効果を有するペプチド断片をコードするDNA
(e) 配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするDNA
項3.
項1に記載のポリペプチドを有効成分として含む脊柱靱帯骨化症の治療剤。
項4.
項2に記載のDNA、又はこのDNAを含むベクターを有効成分として含む脊柱靱帯骨化症の治療剤。
項5.
脊柱靱帯骨化症患者に、項1に記載のCXCL7断片ポリペプチド、項2に記載のCXCL7断片ポリペプチドをコードするDNA、又はこのDNAを含むベクターの有効量を投与することを含む、脊柱靱帯骨化症の治療方法。
項6.
項1に記載のCXCL7断片ペプチドに対する抗体を含む、脊柱靱帯骨化症の診断剤。
項7.
項1記載のCXCL7断片ペプチドからなる脊柱靭帯骨化症診断用のマーカー。
項8.
被験者から採取された試料中の項1に記載のCXCL7ペプチド断片の有無を検出する工程と、試料中にCXCL7ペプチド断片が実質的に検出されない場合に脊柱靭帯骨化症であると判断する工程を含む、脊柱靭帯骨化症の診断方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な脊柱靱帯骨化症におけるマーカー、柱靱帯骨化症の診断キット、柱靱帯骨化症の診断方法が提供されると共に、生体由来の安全な脊柱靱帯骨化症の治療剤が提供され、これまで有効な治療方法、手段のなかった脊柱靱帯骨化症の薬理的な治療方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】後縦脊柱靱帯骨化症患者、及び健常人の血清についてのSELDI−TOF/MSの結果を示す図である。
【図2】後縦脊柱靱帯骨化症患者、及び健常人の血清についてのSELDI−TOF/MSの結果を示す図である。
【図3】陽イオンカラムによる粗精製画分のSELDI分析結果を示す図である。
【図4】SP−STATによる精製結果を示す図である。
【図5】逆相HPLC精製結果を示す図である。
【図6】SDS−PAGEの結果を示す図である。
【図7】陽イオンカラムによる粗精製画分のSELDI分析結果を示す図である。
【図8】陽イオンカラムの素通り画分の再画分結果を示す図である。
【図9】陽イオンカラムの素通り画分のSP−STATカラムによる分離結果を示す図である。
【図10】逆相HPLCの結果を示す図である。
【図11】SDS−PAGEのゲルを銀染色した結果を示す図である。
【図12】SDS−PAGEの結果を示す図である。
【図13】SDS−PAGEゲルから切り出したバンドのPASIVEELUTION手順、及びSELDI分析結果を示す図である。
【図14】PMFによる純度検定結果示す図である。
【図15】PMF解析(SELDI)結果を示す図である。
【図16】LC−MS/MS分析結果をまとめた図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)CXCL7ポリペプチドの断片ペプチド
本発明のCXCL7ポリペプチドの断片ペプチドは、ケモカインCXCL7ポリペプチドの一部のペプチド部分が欠損し、断片となったペプチドである。pro-platelet basic protein (chemokine (C-X-C motif) ligand 7)は、ヒアルロン酸と硫酸化のグリコサミノグリカンのDNA合成、有糸分裂、糖分解、細胞内cAMP蓄積、プロスタグランジンE2分泌と合成を含むさまざまな細胞プロセスを刺激することが示されており、滑膜細胞によってプラスミノーゲンアクチベーターの形成と分泌を促進する。
本発明におけるCXCL7ペプチドの断片ペプチドとしては、特に、以下の(a)又は(b)のポリペプチドからなるCXCL7の断片ペプチドが好ましい。
(a)配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、付加、又は置換したアミノ酸配列からなり、かつ脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有するポリペプチドである。
本発明において、「1又は数個」は、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらにより好ましくは1〜3個、さらにより好ましくは1〜2個、最も好ましくは1個である。
【0011】
また、CXCL7の断片ポリペプチドとしては、配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列との相同性が90%以上、特に95%以上、中でも98%以上であるアミノ酸配列からなり、かつ脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有するポリペプチドが好ましい。本発明におけるアミノ酸配列の相同性は、GENETYX (登録商標)Ver.8(ゼネティックス社製)を用いて計算した値である。
本発明において、脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有することは、脊柱靱帯骨化症患者に、乾燥重量に換算して、1日500mg注射投与した場合に、靱帯骨化が軽減若しくは完治されることをいう。
【0012】
CXCL7の断片ポリペプチドはヒトや種々の哺乳動物の血液、特に血漿等から、公知のタンパク質精製方法を組み合わせて精製することができる。また、配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるCXCL7の断片ペプチドは化学合成することもできる。更には、当該断片ペプチドをコードするDNAをベクターに組み込み、微生物等により組み換え体として製造することもできる。
【0013】
(II)CXCL7ペプチドの断片ペプチドをコードするDNA
上記した本発明のCXCL7ペプチド断片をコードするDNAも本発明に包含される。このDNAは、配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるCXCL7の断片ペプチドをコードするDNA、及び配列番号1のアミノ酸番号35〜128において、1又数個のアミノ酸が欠失、付加、又は置換したアミノ酸配列からなるペプチド断片であって、脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有するペプチド断片をコードするDNAである。中でも、配列番号2の塩基配列からなるDNA、又は配列番号2の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有するペプチド断片をコードするDNAが好ましい。
【0014】
本発明において「ストリンジェントな条件」は、一般的な条件、例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition,1989,Vol2,p11.45等に記載された条件を指す。具体的には、完全ハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる場合を指す。
配列番号2の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAとしては、配列番号2との相同性が、90%以上、中でも95%以上、特に98%以上である塩基配列からなるDNAであって、脊柱靱帯骨化症に対しての治癒効果を有するペプチド断片をコードするDNAが好ましい。本発明における塩基配列の相同性はGENETYX (登録商標)Ver.8(ゼネティックス社製)を用いて計算した値である。
【0015】
CXCL7ポリペプチドの断片ペプチドをコードするDNAはベクターに組み込み治療薬として用いることもでき、生体内にて当該断片ペプチド治療薬を生産できることから、推奨される。ベクターとしては、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、アルファウイルスベクター、EBウイルスベクター、パピローマウイルスベクター、フォーミーウイルスベクターなどのウイルスベクターが挙げられる。また、プラスミドベクターとしては、pBAsiベクター、pSUPERベクター、pSG5(Stratagene社製)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL、SV40(Pharmacia社製)等が挙げられる。
【0016】
特に、遺伝毒性、腫瘍原性、免疫原性が低い点で、プラスミドベクターが好ましく、中でもSV40ベクターが好ましい。
CXCL7の断片ペプチドをコードするDNA、及びそれを含むベクターはリポソームに封入することができる。核酸封入リポソームの作製方法は周知であり、例えば特開2004-143200号公報、特開2004-302250号公報に記載の方法により作製できる。
【0017】
(III)脊柱靱帯骨化症の診断剤
本発明においては、これらの断片ペプチドが、脊柱靱帯骨化症患者以外では、血漿中に存在するが、脊柱靱帯骨化症患者では血漿中に存在しないことから、当該断片ペプチドが、脊柱靱帯骨化症の診断のための指標(マーカー)ペプチドであることを見出した。
即ち、本発明の脊柱靭帯骨化症の診断剤は、上記した本発明のCXCL7ペプチド断片に対する抗体を含む。抗体は、ポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体の何れであってもよいが、特異性が高い点から、モノクローナル抗体が好ましい。
これらの抗体は、周知の製造方法(例えばCurrent protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al.(1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.12〜11.13)に従って製造することができる。
【0018】
具体的には、本発明で用いるポリクローナル抗体を得る場合、CXCL7ペプチド断片を用いて家兎等の非ヒト動物を免疫し、この免疫動物の血清から常法に従って得ることができる。また本発明で用いるモノクローナル抗体を得る場合、例えば、CXCL7ペプチド断片の部分断片等を用いてマウス等の非ヒト動物を免疫し、この免疫動物の脾臓細胞と骨髄腫細胞とを細胞融合させることにより得られたハイブリドーマから得ることができる(Current protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al.(1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.4〜11.11)。
【0019】
CXCL7ペプチド断片については、脊柱靭帯骨化症の治療剤について説明した通りである。
例えば、被験者から採取された試料(血漿、血清、靱帯骨化組織など)を、本発明の診断剤であるCXCL7ペプチド断片に対する抗体を用いたウェスタンブロッティングに供して、CXCL7由来の断片ポリペプチドが欠損していることにより、脊柱靭帯骨化症であると診断することができる。即ち、本発明は、被験者から採取された試料中のCXCL7ペプチド断片の有無を検出する工程と、試料中にCXCL7ペプチド断片が実質的に検出されない場合に脊柱靭帯骨化症であると判断する工程を含む、脊柱靭帯骨化症の診断方法(検出方法)も包含する。
【0020】
(IV)脊柱靭帯骨化症の治療剤
また、本発明においては、上記説明した本発明のCXCL7の断片ペプチド、とりわけ、配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるCXCL7の断片ペプチド、当該ペプチドを有効成分として含む医薬組成物は脊柱靱帯骨化症の治療薬となり得る。
また、上記説明した本発明のCXCL7ポリペプチドの断片ペプチド、取り分け、配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるCXCL7の断片ペプチドをコードするDNA(特に上記説明した本発明の、CXCL7ポリペプチドの断片ペプチドをコードするDNA)も脊柱靱帯骨化症の治療剤、いわゆる遺伝子治療剤となり得る。このDNAは、通常、ベクターに組み込まれた状態で遺伝子治療剤として使用される。さらに、このDNA又は組換えベクターを封入したリポソームも遺伝子治療剤として使用できる。
【0021】
医薬製剤
製剤は、通常、非経口投与剤とすればよいが、経口投与剤とすることもできる。本発明の医薬の有効成分はポリペプチド又は該ペプチドをコードするDNAであるから、剤型は、吸収され易い非経口投与剤が好ましく、注射剤がより好ましい。非経口投与剤としては、注射剤、吸入剤、貼付剤、坐剤などが挙げられる。
【0022】
<注射剤>
注射剤としては、病態靭帯内注射剤、静脈内注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉内注射剤、点滴注射剤などが挙げられる。注射剤は、CXCL7の断片ポリペプチド又はそれをコードするDNAを通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液(注射剤用担体)に溶解、懸濁または乳化することによって調製できる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが挙げられる。適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが挙げられる。溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。
【0023】
注射剤中のCXCL7の断片ポリペプチドの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100 w/v%、好ましくは約0.1〜30w/v%とすればよい。
注射剤中のCXCL7ポリペプチドをコードするDNAの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100 w/v%、好ましくは約0.1〜30w/v%とすればよい。
【0024】
<貼付剤>
貼付剤としては、CXCL7の断片ポリペプチド又はそれをコードするDNAを含む基剤を支持体に支持させた硬膏剤、パップ剤、テープ剤、プラスター剤等が挙げられる。基剤としては、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、マンナン、アガロース、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン等のポリマー類;白色ワセリン、黄色ワセリン、パラフィン、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;ゲル化炭化水素(例えば、商品名プラスチベース、ブリストルマイヤーズスクイブ社製);ステアリン酸等の高級脂肪酸;セタノール、オクチルドデカノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール4000等);プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、濃グリセリン等の多価アルコール;モノオレイン酸エステル、ステアリン酸グリセリド等の脂肪酸エステル類;リン酸緩衝液などが挙げられる。さらに、溶解補助剤、無機充填剤、pH調節剤、保湿剤、防腐剤、粘稠剤、酸化防止剤、清涼化剤などの添加剤が添加されていてもよい。
【0025】
基剤中のCXCL7の断片ポリペプチドの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
基剤中のCXCL7の断片ポリペプチドをコードするDNAの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
これらは添付剤として使用するが、更に有効に実施するためには、添付した後、超音波浸透させることが推奨される。超音波浸透により、より効率的に患部に浸透させることが出来る。
【0026】
<吸入剤>
吸入剤としては、エアゾール剤、吸入用粉末剤、吸入用液剤(例えば、吸入用溶液、吸入用懸濁剤等)、カプセル状吸入剤等が挙げられる。吸入用液剤は用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。
吸入剤は常法に従い製造できる。例えば、CXCL7の断片ポリペプチド、又はそれをコードするDNAを乾燥粉末または液状にして、吸入噴射剤、担体、又はその両者に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。CXCL7ポリペプチド、又はDNAを粉末化する場合、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム等とともに微粉末にし、均一な混合物にするか、造粒して粉末剤を調製することができる。また、CXCL7の断片ポリペプチド又はそれをコードするDNAを液状にする場合、水、生理食塩液、バッファー等の液状担体に溶解すればよい。
噴射剤としては、従来公知の噴射剤、例えば、代替フロン、液化ガス噴射剤(例えば、フッ化炭化水素、液化石油、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等)、圧縮ガス(例えば、可溶性ガス(例えば、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等)、不溶性ガス(例えば、窒素ガス等)などが用いられる。
【0027】
吸入剤には、さらに、必要に応じて添加剤を配合してもよい。添加剤としては、吸入用液剤の場合は、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(例えば、カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等が挙げられる。また、吸入用粉末剤の場合は、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等)、矯味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリチルリチンアンモニウム塩、グリシン、オレンジ粉末等)、結合剤(例えば、デンプン、デキストリン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、白糖等)、賦形剤(例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、マルトース、セルロース等)、着色剤、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム等)、吸収促進剤(胆汁酸塩、キトサン等)等が挙げられる。
【0028】
噴霧剤中のCXCL7の断片ポリペプチドの含有量は、吸入用液剤の場合は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100 w/v%、好ましくは約0.1〜30w/v%とすればよい。また、吸入用粉末剤の場合は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
噴霧剤中のCXCL7ポリペプチドをコードするDNAの含有量は、吸入用液剤の場合は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100 w/v%、好ましくは約0.1〜30w/v%とすればよい。また、吸入用粉末剤の場合は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
【0029】
<座剤>
坐剤は、CXCL7の断片ポリペプチド又はそれをコードするDNAを通常用いられる坐薬用基剤と混合することにより調製される。
座剤中のCXCL7ポリペプチドの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
座剤中のCXCL7ポリペプチドをコードするDNAの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
【0030】
<経口投与剤>
経口投与剤としては、散剤、顆粒剤、錠剤、タブレット剤、丸剤、カプセル剤、チュアブル剤、乳剤、液剤、シロップ剤などが挙げられる。固形製剤は、上記有効成分に、薬学的に許容される担体や添加剤を配合して調製される。例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、でんぷん、マンニットのような賦形剤;アラビアゴム、ゼラチン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースのような結合剤;カルメロース、デンプンのような崩壊剤;無水クエン酸、ラウリン酸ナトリウム、グリセロールのような安定剤などが配合される。さらに、ゼラチン、白糖、アラビアゴム、カルナバロウなどでコーティングしたり、カプセル化したりしてもよい。また、液体製剤は、例えば、上記の有効成分を、水、エタノール、グリセリン、単シロップ、又はこれらの混液などに、溶解又は分散させることにより調製される。
【0031】
経口投与剤中のCXCL7ポリペプチドの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%とすればよい。
経口投与剤中のCXCL7ポリペプチドをコードするDNAの含有量は、乾燥重量に換算して、例えば約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜30重量%とすればよい。
【0032】
使用方法
投与経路は、注射投与(病態靭帯内注入、静脈内注入、皮下注入、皮内注入、筋肉内注入、点滴)、経皮投与、気道内投与、直腸内投与、経口投与などが挙げられる。特に、注射投与が好ましく、病態靭帯内注入がより好ましい。
本発明の治療剤の使用対象は、脊柱靭帯骨化症患者である。脊柱靭帯骨化症には、後縦靱帯骨化症、黄色靱帯骨化症、及び前縦靱帯骨化症が含まれる。本発明の治療剤の対象としては、特に後縦靭帯骨化症患者等が好適である。
本発明の脊柱靭帯骨化症治療剤の使用量は、対象の症状や年齢などにより異なるが、非経口投与の場合、ヒト成人に対する1日投与量は以下の通りである。
【0033】
即ち、CXCL7ポリペプチドの1日投与量が、乾燥重量に換算して、約0.01 mg〜500 mgであることが好ましく、約0.1 mg〜200 mgであることがより好ましい。また、CXCL7ポリペプチドをコードするDNAのヒトへの1日投与量が、乾燥重量に換算して、約0.1μg〜1 gであることが好ましく、約0.1μg〜500 mgであることがより好ましい。
また、経口投与の場合、ヒト成人に対する1日投与量は以下の通りである。
即ち、CXCL7ポリペプチドの1日投与量が、乾燥重量に換算して、約0.1 mg〜1000 mgであることが好ましく、約1 mg〜500 mgであることがより好ましい。また、CXCL7ポリペプチドをコードするDNAのヒトへの1日投与量が、乾燥重量に換算して、約1μg〜1000mgであることが好ましく、約1μg〜500 mgであることがより好ましい。
本発明は、CXCL7タンパク質、それをコードするDNA、又はこのDNAを含むベクターの有効量を、ヒト脊柱靭帯骨化症患者に投与する、脊柱靭帯骨化症の治療方法も包含する。
本発明において、「治療」には、治癒させること、症状を緩和又は改善すること等が含まれる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を、実施例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
健常人の血清、及び後縦脊柱靭帯骨化症患者の血清のタンパク質プロファイル
A.解析サンプル
血清サンプル
健常人17名、及び後縦脊柱靭帯骨化症患者61名から血液を7ml採取し、遠心分離することで血清サンプルを集め、使用まで-80℃で保管した。血清サンプルを用いてCM10(陽イオン交換基固定チップ:バイオラッド株式会社製)による解析を行うため、被験試料血清サンプルを氷上解凍し、変性バッファーを用いて前処理を行った。CM10の表面に前処理済み血清サンプルを吸着させ、試料を除去した後、さらに非特異的タンパク質の除去を行った。チップを洗浄した後、EAM(エネルギー吸収分子:バイオラッド株式会社製)を添加して、チップを十分乾燥させた。SELDI-TOF/MS(Surface Enhanced Laser Desorption/Ionization-Time of Flight/Mass Spectrometry)による測定を行った。その結果、健常者や骨化なしの患者において発現するペプチドが、骨化症の患者では発現していないことが判明した(図1及び図2)。図1において、C1、C2は健常者の結果を示し、P1、P2は後縦脊柱靭帯骨化症患者の結果を示す。
【0035】
[実施例2]
精製条件の検討
血清450ΜLを陽イオン交換カラム(PH7.0)で分画し、0.1−0.2M NACL 画分を粗精製画分とした。この粗精製画分をSELDIに供してターゲットピークを確認した(図3)。
次に同画分を、図3に手順を示すとおり、SP−STATカラムを用いた陽イオン交換HPLCにより分離した。SP−STATのB3画分にターゲットタンパク質が含まれることを確認後(図4)、同画分をSUPERODS マイクロボアカラムを用いた逆相HPLCにて分離し、画分19(FR.19)にターゲットタンパク質が含まれていることを確認した(図5)。同画分をSDS−PAGEに供したのちに、泳動後のゲルを銀染色したところ、10 KDA付近にのみバンドが検出された(図6)。この結果から、上記精製プロトコルはターゲットタンパク質(M/Z10242,M/Z10451)の精製に適していることが判明し、同定解析のためにスケールアップ精製を行った。
【0036】
[実施例3]
ターゲットタンパク質の本精製(血清1.5ML)
血清1.5MLを精製検討と同様に陽イオン交換カラム(PH7.0)で分画し、0.1−0.2 M NACL 画分を粗精製画分とした。この粗精製画分をSELDIに供してターゲットピークを確認した(図7)。また、陽イオンカラム素通り画分を再画分した(図8)。
同画分をSP−STATカラムによる陽イオン交換HPLCにて分離した(図9)。フラクション容量を減らすために、流速は精製検討の1ML/MIN から 本精製では0.5ML/MIN に変更した。ターゲットタンパク質の含まれるD5画分を、SUPERODS逆相HPLCにて分離し(図10)、そのFR.19の一部分をSDS−PAGEに供した。還元剤DTT存在下と非存在下にて泳動したのちに銀染色したところ、DTT存在下では約10KDAの位置に単一バンドを示し、非存在下では10KDAよりも高分子側に単一バンドを示した(図11)。この結果から、ターゲットタンパク質は1種類のポリペプチド鎖であり、分子間S−S結合はなく分子内にS−S結合が存在することが示唆された。
なお、陽イオン交換カラムでの分画で得られた素通り画分にターゲットタンパク質が存在していたことから、同様のプロトコルで再精製を実施し、ターゲットタンパク質を回収精製した。
最終的に逆相フラクション19の全量をSDS−PAGEに供し(図12)、CBB染色後の10KDAバンドを切り出すことによりターゲットタンパク質を精製した。
【0037】
[実施例4]
精製品の質量と純度の検定
切り出した10KDAバンド(DTT非存在下)をPASSIVE ELUTIONにてゲルから抽出したのちに(図13)、その抽出液をSELDI(PMF解析)で分析したところ、10283DAのピークが検出された(図14)。なお、2500から200,000の質量範囲で他のピークは検出されなかった。この結果より、10KDAバンドはターゲットタンパク質であり、他の成分は含まれていないことが確認された。さらに、精製品の純度を確認するため、切り出したゲルバンド(DTT非存在下)を還元アルキル化(カルボキサミドメチル化)後にトリプシン消化し、生じたペプチド断片をSELDIで分析した(図15)。トリプシンのみのブランクと比較して、10KDAバンドに固有の4個のピークが検出された。主たるピークが1724.9DAで、1184.2DA、1569.7DA、1898.2DAのピークが微量に検出された。ピーク1898.2DAは2時間の消化では検出されたが、OVERNIGHTの消化で検出されなくなったことから、このピークは部分分解断片と推測される。
【0038】
以上、SDS−PAGEにて単一バンドであったこと、そのゲルバンドのPASSIVE ELUTION抽出液のSELDI分析で単一ピークとして検出されるとともにターゲットタンパク質の質量に一致したこと、さらに、トリプシン消化により生じたピークが4個と限定的な数であったことから、ターゲットタンパク質を泳動バンドゲル片として高純度に精製することができたと判断した。
なお、2本のターゲットタンパク質(M/Z10242,M/Z10451)は、SDS−PAGE後の最終精製段階まで挙動を共にしており、分離不可能であった。したがって、M/Z 10451を微量に含むM/Z 10242 精製品(バンドゲル)を同定解析に供した。
【0039】
[実施例5]
解析によるタンパク質同定
LC−MS/MS分析からMascot Search の結果、Pro−platelet basic protein precursor(human)と非常に高いスコア(Mowse Score:348)でヒットし、6種類のペプチド断片が同タンパク質の配列に一致した。
この結果、以下の配列番号3のアミノ酸配列において下線を付した部分(アミノ酸番号48〜62、76〜99、103〜112)がヒットした。
MSLRLDTTPS CNSARPLHAL QVLLLLSLLL TALASSTKGQ TKRNLAKGKE
ESLDSDLYAE LRCMCIKTTS GIHPKNIQSL EVIGKGTHCN QVEVIATLKD
GRKICLDPDA PRIKKIVQKK LAGDESAD
【0040】
LC−MS/MS分析でヒットしたペプチド断片のうち、1183.60(理論値;Monoisotopic)、1568.80(理論値;Monoisotopic)、1723.83(理論値;Monoisotopic)は、SELDI分析においても、1184.2 (実測値;Average)、1569.7(実測値;Average)、1724.9(実測値;Average)として検出された。即ち、SELDI分析で検出された10kDaバンド固有ピークのすべてがLC−MS/MS 分析で同タンパク質にヒットした。
LC−MS/MS分析の結果を図16に示す。
Pro−platelet basic protein precursor(human ; gi | 4505981)は計算分子量13894.2(Average)であるが、SELDIによるターゲットの実測値10265.8(Average)よりも約3.6kDa大きい。このタンパク質に存在するペプチド(アミノ酸配列:1−34)が切断された分子量は、約10266となり、SELDI実測値10265.8(Average)とほぼ一致する。分子内S−S結合が2箇所存在する場合は分子量10261.8となる。
データベースから、翻訳後修飾として、アミノ酸配列43番目のArgのC末端側で切断されると、分子量約9292の断片を生じる。血清のSELDI分析で、実測値9288.5 のピークが検出されおり、Pro−platelet basic protein 由来ピークと一致する。
【0041】
以上の結果から、ターゲットピークm/z10242(実測値10265.8;Average)は、Pro−platelet basic protein precursor(human)のペプチド断片である配列番号1におけるアミノ酸番号35〜128からなるアミノ酸配列を有する、ポリぺプチドと判断された。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のCXCL7断片ぺプチドは、脊柱靱帯骨化症の診断の指標として好適に使用できる。また、このペプチド及びそれをコードするDNAは脊柱靱帯骨化症の治療剤として好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱靱帯骨化症の診断の指標となる、以下の(a)又は(b)のCXCL7断片ポリペプチド。
(a)配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、付加、又は置換したアミノ酸配列からなり、脊柱靱帯骨化症に対して治癒効果を有するポリペプチド
【請求項2】
脊柱靱帯骨化症の診断の指標となる、請求項1記載のポリペプチドをコードするDNAであり、且つ、以下の(c)、(d)、又は(e)のCXCL7断片ポリペプチドをコードするDNA。
(c) 配列番号2の塩基配列からなるDNA
(d) 配列番号2の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、脊柱靱帯骨化症に対して治癒効果を有するペプチド断片をコードするDNA
(e) 配列番号1のアミノ酸番号35〜128のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするDNA
【請求項3】
請求項1に記載のポリペプチドを有効成分として含む脊柱靱帯骨化症の治療剤。
【請求項4】
請求項2に記載のDNA、又はこのDNAを含むベクターを有効成分として含む脊柱靱帯骨化症の治療剤。
【請求項5】
脊柱靱帯骨化症患者に、請求項1に記載のCXCL7断片ポリペプチド、請求項2に記載のCXCL7断片ポリペプチドをコードするDNA、又はこのDNAを含むベクターの有効量を投与することを含む、脊柱靱帯骨化症の治療方法。
【請求項6】
請求項1に記載のCXCL7断片ペプチドに対する抗体を含む、脊柱靱帯骨化症の診断剤。
【請求項7】
請求項1記載のCXCL7断片ペプチドからなる脊柱靭帯骨化症診断用のマーカー。
【請求項8】
被験者から採取された試料中の請求項1に記載のCXCL7ペプチド断片の有無を検出する工程と、試料中にCXCL7ペプチド断片が実質的に検出されない場合に脊柱靭帯骨化症であると判断する工程を含む、脊柱靭帯骨化症の診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−97867(P2011−97867A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254357(P2009−254357)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(599045903)学校法人 久留米大学 (72)
【Fターム(参考)】