説明

脚マッサージ機

【課題】エアポンプの温度上昇を抑制し、熱による不具合の発生を低減することができる脚マッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ本体部12の内部に備えられたエアポンプ24は、マッサージ本体部12の外部に開口する連通ホース25から外気を吸引するように構成される。電磁弁22は、空気袋20を収縮させる際に用いる排出口22aがマッサージ本体部の外部と連通するように構成される。これにより、マッサージ本体部の外部と連通された電磁弁の排出口からエアポンプにて暖められた空気が排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気袋の膨縮により使用者の脚部の施療を行う脚マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気袋の膨縮により使用者の脚部の施療を行う脚マッサージ機が広く知られており、例えば特許文献1,2には、空気袋を設けた脚施療部と脚施療部の反対面側に使用者の脚を載せることができる脚載部とを有するマッサージ本体部を、支持台部に対して回転軸にて回転可能に支持して構成した脚マッサージ機が開示されている。
【0003】
特許文献1,2の脚マッサージ機では、空気袋に圧縮空気を供給するエアポンプと、圧縮空気の給排を調節する電磁弁とがマッサージ本体部の内部に備えられている。エアポンプにて生成される圧縮空気は、電磁弁を介して空気袋に供給されて空気袋が膨脹される。その後、電磁弁が供給側から排出側に切り替えられることで、空気袋に供給された圧縮空気が排出されて空気袋が収縮される。そして、これら空気袋が膨脹・収縮動作を繰り返されることで、脚施療部にて使用者の脚部が施療されるようになっている。
【特許文献1】特開2007−330699号公報
【特許文献2】特開2007−330700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の脚マッサージ機では、空気袋に供給する圧縮空気を生成する際に、エアポンプに設けられた吸引口からマッサージ本体部の内部の空気を吸引して圧縮空気の生成が行われている。また、膨張させた空気袋内の空気を排出する際には、電磁弁の排出側からその空気が同じくマッサージ本体部の内部へと排出されている。
【0005】
そのため、このようにエアポンプの吸入空気と空気袋の排出空気とがマッサージ本体部の内部で循環する構成では、マッサージ本体部において内外の空気の流通はある程度あるものの、エアポンプの駆動にて暖められた排出空気がエアポンプの吸引口から再吸い込みされてしまうため、エアポンプの温度が過度に高くなる傾向にあった。これにより、エアポンプや電磁弁、またこれらを制御する制御装置がマッサージ本体部の内部に備えられる場合、これらの誤動作や破損に至ることが懸念された。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エアポンプの温度上昇を抑制し、熱による不具合の発生を低減することができる脚マッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、マッサージ本体部の内部にエアポンプが備えられ、前記エアポンプにて吸引した空気から圧縮空気を生成し前記マッサージ本体部に設けた空気袋に供給して該空気袋を膨脹させ、前記空気袋の所定の膨張動作後に前記空気袋内の空気を排出して該空気袋を収縮させ、前記空気袋の膨縮動作により使用者の脚部を施療する脚マッサージ機であって、前記エアポンプは、前記マッサージ本体部の外部に開口する連通通路から外気を吸引するように構成されたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、エアポンプは、マッサージ本体部の外部に開口する連通通路から外気を吸引するように構成される。つまり、連通通路にてエアポンプ内に新気を吸引でき、エアポンプの駆動にて暖められた排出空気の再吸い込みを抑制できるため、エアポンプの温度上昇を抑制でき、熱による不具合の発生を低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脚マッサージ機において、前記マッサージ本体部は、回転軸にてその両側に設けられた支持台部に対して回転位置を選択可能に支持されるとともに、前記支持台部のカバー部材にて前記マッサージ本体部の両側面の少なくとも一部が隠蔽されるものであり、前記連通通路の開口は、前記マッサージ本体部の回転位置が変更されても前記カバー部材にて隠蔽される範囲内に設けられたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、マッサージ本体部は、回転軸にてその両側に設けられた支持台部に対して回転位置を選択可能に支持されるとともに、支持台部のカバー部材にてマッサージ本体部の両側面の少なくとも一部が隠蔽されるものであり、連通通路の開口は、マッサージ本体部の回転位置が変更されてもカバー部材にて隠蔽される範囲内に設けられる。つまり、連通通路の開口がカバー部材によって隠蔽されて使用者側から見えにくくなるため、連通通路の開口を閉塞してしまうことを抑制でき、また、外観向上に寄与できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の脚マッサージ機において、前記回転軸は、筒状に形成されるものであり、前記連通通路は、前記エアポンプの吸引口から前記回転軸の内部と接続する接続通路と、前記本体部の外部と連通する前記回転軸の内部通路とで構成したことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、回転軸は、筒状に形成されるものであり、連通通路は、エアポンプの吸引口から回転軸の内部と接続する接続通路と、本体部の外部と連通する回転軸の内部通路とで構成され、筒状の回転軸を利用して空気の吸引が行われる。これにより、例えば連通通路として、エアポンプとマッサージ本体部の外部とを繋ぐ接続通路のみで構成した場合と比較して、接続通路を回転軸の内部と接続して連通通路とする本発明の構成では、接続通路の必要長さを短くすることが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脚マッサージ機において、前記マッサージ本体部の内部には、前記空気袋の膨脹及び収縮を行わせる電磁弁が前記エアポンプと前記空気袋の間に設けられ、前記電磁弁は、前記空気袋を収縮させる際に用いる排出口が前記マッサージ本体部の外部と連通するように構成されたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、マッサージ本体部の内部には、空気袋の膨脹及び収縮を行わせる電磁弁がエアポンプと空気袋の間に設けられ、電磁弁は、空気袋を収縮させる際に用いる排出口がマッサージ本体部の外部と連通するように構成される。これにより、マッサージ本体部の外部と連通された電磁弁の排出口からエアポンプにて暖められた空気が排出されるため、暖められた空気がマッサージ本体部の内部にこもらず、エアポンプ及びマッサージ本体部の内部の温度上昇をより抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エアポンプの温度上昇を抑制し、熱による不具合の発生を低減することができる脚マッサージ機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態における脚マッサージ機の斜視図である。本実施形態の脚マッサージ機10の一対の支持台部11a,11bは、図示しない床面に載置されるとともに、使用者の脚部の施療を行うマッサージ本体部12を左右両側から支持し、図2に示すように、マッサージ本体部12の長手方向に挿通する回転軸13にてマッサージ本体部12を回転可能に支持している。
【0017】
支持台部11a,11bには、マッサージ本体部12の左右両側の側面14及び回転軸13の両端を覆うカバー部材15が設けられるとともに、カバー部材15の上部には、内側方向(マッサージ本体部12側方向)に向かって凹状に形成された取っ手15aが設けられている。尚、支持台部11a,11bは、図示しないロック機構により回転軸13、即ちマッサージ本体部12を複数の回転位置でそれぞれ固定できるようになっている。
【0018】
マッサージ本体部12は、その一面側(図における下側)に使用者の左右の脚部を施療するための脚施療部16と、脚施療部16と反対面側(図における上側)に使用者の脚部を載せることができる脚載部17とを備えている。
【0019】
脚施療部16は、使用者の左右の脚部を独立させ、施療を行うように2つの溝部16aが形成されており、施療時には使用者の脚部を挿入させて使用できるようになっている。脚載部17は、略平坦の載置面17aを有しており、その載置面17aにて使用者の脚部を休息させることが可能となっている。また、マッサージ本体部12は、支持台部11a,11bの前記ロック機構により、施療時にはその脚施療部16を上面側に配置させたり、非施療時にはその脚載部17を上面側にさせたり、即ち、使用者の好みの位置を選択可能に構成されている。
【0020】
脚施療部16の2つの溝部16aの内壁(マッサージ本体部12内部)には、空気袋20がそれぞれ設けられている。空気袋20は、接続ホース21を介し、空気袋20に対して空気の給排を行わせる電磁弁22と接続されている。電磁弁22は、接続ホース23を介してエアポンプ24と接続されるとともに、接続ホース23の接続口とは逆側に設けられた電磁弁22の排出口22aがマッサージ本体部12の内部空間に開放されている。尚、電磁弁22やエアポンプ24は図示しない制御装置により制御がなされている。
【0021】
エアポンプ24は、その吸引口24aがマッサージ本体部12の外部と連通される連通通路としての連通ホース25と接続されている。連通ホース25は、その先端である連通通路の開口としての吸い込み口25aがマッサージ本体部12の側面14、且つ、図3に示すようにマッサージ本体部12を回転させた時にカバー部材15により隠蔽される範囲A内となるように開口され、マッサージ本体部12とカバー部材15との隙間から外気が吸入可能に設けられている。
【0022】
そして、エアポンプ24の駆動に伴って、連通ホース25の吸い込み口25aによりマッサージ本体部12の外部から空気をエアポンプ24内に吸引し、エアポンプ24内で圧縮空気が生成される。このとき、電磁弁22が開放側から供給側に切り替わることで、圧縮空気が接続ホース23と電磁弁22と接続ホース21とを通じて空気袋20が膨脹する。一方、空気袋20の所定の膨張動作が終了すると、電磁弁22が供給側から開放側に切り替わり、空気袋20内の空気が接続ホース21と電磁弁22の排出口22aを通じてマッサージ本体部12の内部に排気され、該空気袋20が収縮する。施療時には、この膨張・収縮動作が繰り返されている。
【0023】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)エアポンプ24は、マッサージ本体部12の外部に開口する連通ホース25から外気を吸引するように構成される。つまり、連通ホース25を介してエアポンプ24内に吸引でき、エアポンプ24の駆動にて暖められた排出空気の再吸い込みを抑制できるため、エアポンプ24の温度上昇を抑制でき、熱による不具合の発生を低減することができる。そのため、エアポンプ24の長時間の使用等、エアポンプ24の仕様の条件を広げることが可能となる。
【0024】
(2)マッサージ本体部12は、回転軸13にてその両側に設けられた支持台部11a、11bに対して回転位置を選択可能に支持されるとともに、支持台部11a,11bのカバー部材15にてマッサージ本体部12の両側面14の少なくとも一部が隠蔽されるものであり、連通ホース25の吸い込み口25aは、マッサージ本体部12の回転位置が変更されてもカバー部材15にて隠蔽される範囲A内に設けられた。つまり、連通ホース25の吸い込み口25aがカバー部材15によって隠蔽されて使用者側から見えにくくなるため、吸い込み口25aを閉塞してしまうことを抑制でき、また、外観向上に寄与できる。
【0025】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、マッサージ本体部12の外部と連通される連通通路として、連通ホース25(吸い込み口25a)を用いているが、これに限らない。例えば、図4に示すように、回転軸13を筒状に形成し、回転軸13及びエアポンプ24を接続するとともに空気の流動を可能とした接続通路としての連通ホース30と、回転軸13の内部通路13aとからなる構成を連通通路として採用し、筒状の回転軸13を利用して空気の吸引が行われる。これにより、図4に示すようなエアポンプ24と回転軸13とが近い構成の場合、上記実施の形態の連通通路である連通ホース25(図2参照)と比較して、連通ホース30の必要長さを短くさせることができる。
【0026】
・上記実施形態では、特に言及していないが、図5に示すように、電磁弁22の排出口22aの先端に排気ホース40を接続し、排気ホース40にて排出口22aがマッサージ本体部12の外部と連通するように構成してもよい。因みに、図5では連通ホース25の吸い込み口25aを支持台部11a側の側面14に設け、電磁弁22の排出口22aと接続された排気ホース40を連通ホース25が設定される支持台部11a側の側面14とは逆側の支持台部11b側の側面14に設けている。このような構成にすることにより、マッサージ本体部12の外部と連通された排気ホース40からエアポンプ24にて暖められた空気が排出されるため、暖められた空気がマッサージ本体部12の内部にこもらず、エアポンプ24及びマッサージ本体部12の内部の温度上昇をより抑制することができる。
【0027】
・上記実施形態では、支持台部11a,11bにより、マッサージ本体部12の長手方向に挿通する回転軸13にてマッサージ本体部12を回転可能に支持、つまり回転式の脚マッサージ機10であるが、固定式の脚マッサージ機に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態における脚マッサージ機の斜視図である。
【図2】脚マッサージ機の内部構成を説明するための説明図である。
【図3】連通ホースの吸い込み口を説明するための説明図である。
【図4】別例における脚マッサージ機の内部構成を説明するための説明図である。
【図5】別例における脚マッサージ機の内部構成を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10…脚マッサージ機、11a,11b…支持台部、12…マッサージ本体部、13…回転軸(連通通路)、14…側面、15…カバー部材、20…空気袋、22…電磁弁、22a…排出口、24…エアポンプ、25…連通ホース(連通通路)、25a…吸い込み口(開口)、30…連通ホース(連通経路)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ本体部の内部にエアポンプが備えられ、前記エアポンプにて吸引した空気から圧縮空気を生成し前記マッサージ本体部に設けた空気袋に供給して該空気袋を膨脹させ、前記空気袋の所定の膨張動作後に前記空気袋内の空気を排出して該空気袋を収縮させ、前記空気袋の膨縮動作により使用者の脚部を施療する脚マッサージ機であって、
前記エアポンプは、前記マッサージ本体部の外部に開口する連通通路から外気を吸引するように構成されたことを特徴とする脚マッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載の脚マッサージ機において、
前記マッサージ本体部は、回転軸にてその両側に設けられた支持台部に対して回転位置を選択可能に支持されるとともに、前記支持台部のカバー部材にて前記マッサージ本体部の両側面の少なくとも一部が隠蔽されるものであり、
前記連通通路の開口は、前記マッサージ本体部の回転位置が変更されても前記カバー部材にて隠蔽される範囲内に設けられたことを特徴とする脚マッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載の脚マッサージ機において、
前記回転軸は、筒状に形成されるものであり、
前記連通通路は、前記エアポンプの吸引口から前記回転軸の内部と接続する接続通路と、前記本体部の外部と連通する前記回転軸の内部通路とで構成したことを特徴とする脚マッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の脚マッサージ機において、
前記マッサージ本体部の内部には、前記空気袋の膨脹及び収縮を行わせる電磁弁が前記エアポンプと前記空気袋の間に設けられ、
前記電磁弁は、前記空気袋を収縮させる際に用いる排出口が前記マッサージ本体部の外部と連通するように構成されたことを特徴とする脚マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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