説明

脚立用延長梯子

【課題】 展開して梯子状にした脚立を簡単な操作で延長できると共に、梯子を安定させることができる脚立用延長梯子を提供する。
【解決手段】 基体1の下端に引掛け体5を、最上部に基体の縦杆に垂直な平面に対する投影形状が裏面側に開いたV字形の係合杆8を夫々装着し、上記引掛け体を介して梯子又は脚立の裏面側に係合させた基体を梯子又は脚立の裏面に当接させた後、表面側に突き抜けた固定機構の操作レバー18を所定の方向に回して固定片及び突起を夫々脚立のステップバー3に押し付けて、脚立に延長梯子を結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は脚立の延長梯子(以下単に延長梯子という)に係り、展開して梯子状にした脚立を簡単な操作で延長して長い梯子に変換できると共に、この長い梯子を立ち木や電柱に立て掛けたとき梯子を安定化することができる延長梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
梯子及び脚立の構造や使用目的はずっと以前から周知であるから、ここでは更に詳細な説明は省略する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2011−006439
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
梯子や脚部を拡開して梯子とした脚立を、電柱や樹木に立て掛けて梯子として使用するとき、当該梯子の最上段のステップバーと電柱等は点接触をするので、足場の悪いところではグラグラしたり、重心が変化すると滑ったりして大変危険である。
【0005】
そこで、本出願人は先に、上記特許文献1に記載された発明を以て、梯子、或いは展開して梯子状にした脚立の梯子を簡単な操作で延長できると共に、梯子を安定させることができる延長梯子を提案した。
【0006】
この延長梯子は、一対の縦杆を複数の水平なステップバーで連結した梯子状の基体と、この基体の最下段のステップバーに一体的に結合された断面L字形の部材で、基体に平行な前垂れ部を表面側に突出させた少なくとも1個の引掛け体と、基体の最上部にステップバーと平行な関係位置で装着され、基体の縦杆に垂直な平面に対する投影形状が裏面側に開いたV字形の係合杆と、引掛け体を梯子又は脚立の任意のステップバーに裏面側から係合させた基体を梯子又は脚立に取り外し可能に連結する固定機構とを有し、この固定機構は、引掛け体の上方における縦杆、又は引掛け体の上方における縦杆の水平方向における近傍において回動自在に支承された基体に垂直な支軸と、この支軸の表面側の端部に装着された基体に平行なアームと、このアームの自由端部に固設された支軸と平行なねじ杆と、このねじ杆と同軸に螺合する弾性体からなる押し付け体と、上記ねじ杆の表面側の端部に装着されたアームに平行な操作レバーとを備え、上記引掛け体を介して梯子又は脚立の裏面側に係合させた基体を梯子又は脚立の裏面に当接させた後、表面側に突き抜けた操作レバーを介して押し付け体を回動させ、これを梯子又は脚立のステップバーの下面に圧接させることにより引掛け体と押し付け体とを上下方向に拡開するようにしたものである。
【0007】
上記特許文献1に記載された延長梯子は、使用時立ち木や電柱等に立て掛けたとき梯子の上端がグラグラしないし、荷重を引掛け体のみが担持し固定機構には荷重が掛らないので合理的な構造であるが、延長梯子の上端部が梯子や脚立から離れると延長梯子が外れてしまう場合がある。
【0008】
この延長梯子の外れは、脚立等に延長梯子を組み付けたものを運搬するときにのみ生じ、使用時には両者が密着する方向に力を受けるので安全性には全く問題が無いが、運搬に気を使わなければならないということは使い勝手を少し損なう、等未だ改良の余地がある。
【0009】
そこでこの発明は、脚立に延長梯子を組み付けたとき両者が確りと結合されて分離しないようにした延長梯子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、一対の縦杆を複数の水平なステップバーで連結した梯子状の基体と、この基体の最下段のステップバーに一体的に結合された断面L字形の部材で、基体に平行な前垂れ部を表面側に突出させた少なくとも1個の引掛け体と、基体の最上部にステップバーと平行な関係位置で装着され、基体の縦杆に垂直な平面に対する投影形状が裏面側に開いたV字形の係合杆と、引掛け体を脚立の任意のステップバーに裏面側から引掛けた基体を脚立に取り外し可能に連結する固定機構とを有し、この固定機構は、引掛け体の上方における基体の縦杆、又は縦杆の水平方向における近傍において回動自在に支承された基体にほぼ垂直な左右一対の支軸と、各支軸に基端を回動可能に支承され、上記基体に平行な方向に延在すると共に、裏面側に固定片と突起とを連設した左右一対の操作レバーとを備え、上記引掛け体を介して脚立の裏面側に係合させた基体を脚立の裏面に当接させた後、自由端が相互に対向する態様で脚立の表面側に突き抜けた操作レバーを夫々上方に回動させ、脚立のステップバーと直交する上死点位置において上記固定片が脚立のステップバーの下側を押し上げると共に、突起がステップバーの表面に圧接するようにし、更に、各操作レバーを上死点位置から外側に少し回した角度位置でストッパーにより固定するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、上記操作レバーの支軸を、この支軸を含み基体に垂直な平面内において少し外側に傾けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成されたこの発明による延長梯子は、引掛け体を梯子の裏面側から任意の高さのステップバーに引掛け、次いで基体を梯子の裏面に近接させた後梯子の表面側に突き抜けた固定機構を操作すれば梯子に装着できるので、延長梯子の装着が非常に簡単である。
【0013】
また、基体の最上部に、縦杆に垂直な平面に対する投影形状が裏面側に開いたV字形の係合杆を装着したので、電柱や樹木などにこの係合杆のV字形を係合させることにより梯子が格段に安定して使用勝手が向上する。
【0014】
更にまた、通常の使用条件においては、固定機構に掛かる静荷重はゼロであり、延長梯子に印加される梯子の長さ方向の荷重は引掛け体によって担持される。
【0015】
そして、荷重を担持する引掛け体は構造が簡単であるから丈夫であり、従って延長梯子は長期間その機能を維持することができる。
【0016】
加えて、請求項2に記載の発明によれば、支軸が少し外側に傾くので、操作レバーの回動によりその裏面の突起が脚立のステップバーの表面に近接して抉れ、そのため操作レバーがさらに強く脚立のステップバーの表面に圧接されて脚立と延長梯子との結合が強固になる、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による延長梯子を、展開して梯子とした脚立に結合したものの正面図で、図面を明瞭にするため延長梯子の一部のステップバーの表示を省略して示す。
【図2】図1のII−II線による拡大一部断面図。
【図3】図2のIII−III線による拡大一部断面図。
【図4】図1のIV−IV線による一部断面平面図。
【図5】図4のV−V線による拡大側面図。
【図6】延長梯子の平面図。
【図7】固定機構の拡大正面図。
【図8】固定機構の一部断面拡大側面図。
【図9】固定機構の支軸部の一部断面拡大平面図で、金具の折り曲げ角度を誇張して示す。
【図10】図1の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
基体の下端に引掛け体を、最上部に基体の縦杆に垂直な平面に対する投影形状が裏面側に開いたV字形の係合杆を夫々装着し、上記引掛け体を介して梯子又は脚立の裏面側に係合させた基体を梯子又は脚立の裏面に当接させた後、表面側に突き抜けた固定機構の操作レバーを脚立のステップバーと交差するように回動させ、操作バーの裏面側に突設された突起を脚立のステップバーに抉るように押圧するので、延長梯子を脚立に簡単かつ容易に装着することができるばかりでなく、延長梯子と脚立の結合が強固になって運搬時取り扱いが便利になり、更に、係合杆を電柱等に係合させることにより、延長梯子と脚立を安定に電柱等に立て掛けることができ、そのため梯子の使用勝手が格段に向上する。
【実施例1】
【0019】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1において符号1は延長梯子の基体の全体を示し、この基体1は、一対の縦杆2、2を水平な複数(図示の実施例では3本)のステップバー3、3で連結した梯子状に成形されている。
【0020】
この構成は、図1に示す脚立10においても同様で、異なるところは、脚立10の縦杆2、2は漢字の八字形に配設されている点で、これら一対の脚立の縦杆2、2を複数の水平なステップバー3、3で結合する点は、延長梯子の基体1と同様である。
【0021】
図示の実施例における縦杆2は、図2に示すように、例えば横断面形状がコ字形のアルミの形材であり、図2及び図3に示すように、横断面が細長い台形のステップバー3の両端を縦杆2のコ字形の内側に差し入れるようにして、例えばリベット4止めによりステップバー3を固定している。
【0022】
なお、図1及び図3に示すように、ステップバー3はその細い側面を表面側、に向ける関係位置で縦杆2に固定されている。
【0023】
一方、図1及び図4に示すように、基体の最下段のステップバー3には少なくとも1個(図1には2個)の引掛け体5、5が一体的に結合されている。
【0024】
この引掛け体5は、図5に示すように、基体に平行な前垂れ部6を表面側に突出させており、例えばねじ7によりステップバー3に固定されている。
【0025】
他方、図1及び図6に示すように、基体1の最上部にはステップバー3と平行な関係位置で係合杆8が一体的に装着されている。
【0026】
この係合杆8は、図6に示すように、基体の縦杆1に垂直な平面に対する投影形状が基体の裏側(図6で上方)に開いたV字形をしている。
【0027】
したがって、この係合杆8のV字形を電柱や立ち木などに立て掛けると(図10参照)、係合杆8が電柱等を抱持することになるので、延長梯子の上端が動かず梯子が安定する。
【0028】
なお、上記した理由から、係合杆8のV字形の裏面(図6で上面)をゴム引きすることが望ましい。
【0029】
また、図1に示すように、引掛け体5の上方には、引掛け体を梯子又は脚立の任意のステップバーに裏面側から係合させた基体を梯子又は脚立に取り外し可能に連結する固定機構9が配設されている。
【0030】
この固定機構9は、図7乃至図9に示すように、引掛け体5の上方における縦杆2(図1参照)、又は引掛け体の上方における縦杆2の水平方向における近傍に設けられた支軸11(図9参照)を備えている。
【0031】
ここに、縦杆2の水平方向における近傍、の意味は、支軸11が縦杆2を貫通しないという意味である。
【0032】
また、支軸11は有体物ではなく抽象的な概念であり、後述する操作レバーの回動中心線である。
【0033】
図示の実施例における支軸11は、図8及び図9に示すように、延長梯子の縦杆2に上下方向の位置を調節可能にボルト12止めされた第1及び第2金具13、14の自由端部(図9で左端部)に担持されている。
【0034】
図示の実施例における第1及び第2金具13、14は、断面が略L字形に折り曲げられた厚板材で、基体の縦杆2の背面に形成された長穴15に沿って上下位置を調節可能に装着されている。
【0035】
すなわち、図8及び図9に示すように、ボルト12の雄ねじ部分は、第2金具14の背面(図9で水平な部分)に形成された図示しない丸穴を通って縦杆2の長穴19を挿通し、第1金具の背面に形成された雌ねじ孔に螺合している。
【0036】
したがって、ボルト12を緩め、ボルトを介して一体的に連結された第1及び第2金具を長穴15に沿って上下移動させ、適切な位置に置いてボルト12を締めれば、第1及び第2金具を基体の縦杆2に確りと固定することができる。
【0037】
なお、図示の実施例では、第1金具13の脊板の側端縁が縦杆2の側板内面に接合するように設計されており、これによって第1金具13のボルト12周りの回り止めが施される。
【0038】
また、図9に示すように、第1及び第2金具13、14の袖部(図9で左側の部分)が背板に対して90度以上の関係角度になるように開いており、これに起因して支軸11が図9で上側に傾く。
【0039】
上記したように支軸が傾くようにしたのは意図的なものであり、後述するように、この支軸の周りを回動可能に設けられた操作レバーが脚立のステップバーと抉れるようにし、脚立と延長梯子との結合をより強固にすることを目的としている。
【0040】
図8及び図9に戻って、上記第1及び第2金具13、14の袖部に支軸ボルト16と遊嵌する図示しない同軸のボルト孔を形成し、スプリングワッシャー17付の支軸ボルトの雄ねじ部を第2金具14に開口したボルト孔、操作レバー18(図7参照)の基部に開口した図示しない支軸孔、筒状のスぺーサー19及び第1金具13の袖部に開口したボルト孔を挿通させた後、縦杆2の内側に突き出た支軸ボルトにナットを螺合させる。
【0041】
そして、ナットの締め込み量を調節することによりスプリングワッシャー17の弾力を調節し、操作レバー18の摩擦トルクを適切な値に設定する。
【0042】
図9に示す実施例は、第2金具14の袖部とスぺーサー19挟まれた操作レバー18のトルクを大きくすれば操作レバーの動きが重くなるので、後に述べるように操作レバー18を脚立のステップバーと交差するように回したとき、その角度位置を安定に保ち信頼感が増大する、という考えに基づく。
【0043】
しかしながら、請求項2に記載の発明のように、最終的に抉りを利用して操作レバー18と脚立のステップバーを強固に結合する、という考えに立てば、抉り以前の操作レバー18の回動は円滑でも良い、という考えも成り立つ。
【0044】
なお、図9は金具の脊板と袖板の間の角度を90度よりずっと大きくなるように誇張して描いてあり、したがって、袖板や縦枠2の側板の間隙も実際より大きくなっている。
【0045】
実際には、これら2枚の袖板、縦杆2の側板などは隙間なく重合するようであり、この場合、スぺーサー19が無いと操作レバー18と第1金具13の袖板との間に挟まれた縦杆2の側板は、縦杆の材質がアルミニウム等の柔らかいものであるため、変形することがある。
【0046】
しかしながら、その変形は微小であって通常気にならない程度であるから、この場合はスぺーサー19を省略することができる。
【0047】
なお、図8に示すように第1及び第2金具13、14を上下方向に調節可能にする場合には、スぺーサー19と縦杆、或いは支軸ボルトと縦杆の側板との干渉を避けるための開口はやはり縦長にしなければならない。
【0048】
一方、上記操作レバー18は、図7に示すように、延長梯子に対する投影形状が細長いレバーであり、例えば図8に示すように、支軸11(図9参照)に垂直なその基部から少し上方を延長梯子の表面側に斜めに折り曲げて第1斜面部19を形成してある。
【0049】
また、この第1斜面部19の上端を基部と平行にして上方に延長して係合面21を形成し、更にまた、この係合面21の上端を第1斜面部19と同様に斜めに折り曲げて操作レバー18の自由端部(上端部)を延長梯子(或いは脚立)から離して操作レバー18を操作し易いようにしている。
【0050】
他方、上記第1斜面部19の上面には、図7及び図8に示すように、横断面コ字形の付番しないホルダに収納された硬質ゴム或いは合成樹脂製の固定片22がねじ止めされている。この固定片22は、例えば自転車のブレーキをそのまま転用することができる。
【0051】
上記固定片22の第1斜面部19における取付位置は、延長梯子を正面から見て操作レバー18が時計盤面に換算して12時の角度位置にあるとき(以下上死点という)、図8に示すように、脚立のステップバー3の下面を少し押し上げ気味に当接するように設定するものとする。
【0052】
また、図8に示すように、操作レバー18が上死点にあるとき脚立のステップバー3の表面に対向する係合面21の裏面側に、突起23が形成されている。
【0053】
この突起23を形成するには、例えば操作レバー18の材質がアルミニウムなど軟らかい材質の場合には、プレスやポンチ等に寄り操作レバー18の突起23に対応する表面部分を打刻して窪み24を形成すれば、上記突起23を形成することができる。
【0054】
なお、上記突起23の操作レバーの裏面からの突出量は例えば1ミリメートル以下の僅かのもので良い。
【0055】
また、上記突起23は必ずしも操作レバー18と一体でなくともよく、例えば上記係合面21の裏面側(図8で右側)にねじ込まれたビスの頭(図示せず)でも良い。
【0056】
更にまた、図8における係合面21とその上の斜面部との折り曲げ部26を脚立のステップバー3の位置にまで下げたもの(図示せず)でも良い。
【0057】
上記のように構成されたこの発明の一実施例による延長梯子は、図1及び図10に示すように、展開して梯子状にした脚立の任意のステップバー(図1では上から2番目のステップバー)3に、延長梯子の最下段の2個の引掛け体5を脚立の裏面側から引っ掛ける(図1及び図5参照)。
【0058】
次いで、上記引掛け体を介して脚立の裏面側に係合させた基体を脚立の裏面に当接させた後、操作レバー18、18の自由端が相互に対向する態様で、すなわち、図1において右側の操作レバー18を反時計方向に約180度、左側のそれを時計方向に約90度回した状態で脚立の表面側に突き抜けた操作レバー18、18を、図1に示すように、夫々上方に回動させる。
【0059】
すると、操作レバー18が脚立のステップバー3と直交する上死点位置において上記固定片22が脚立のステップバー3の下側を押し上げると共に、突起23がステップバーの表面に圧接する。
【0060】
前記したように、操作レバー18の支軸11は図9で上方、実際には水平方向に傾いている。
【0061】
すなわち、図9は延長梯子の支軸部の水平断面を示し、縦杆2のコ字形の凹部が下を向いているから、図1に当てはめてみれば上記コ字形の凹部を右側に、スプリングワッシャー17を下側にして見た状態となる。
【0062】
図9は図1で左側の支軸11及び操作レバーを示し、この左側の操作レバー18の支軸11はこの支軸を含み基体に垂直な平面内において少し外側、すなわち左側に傾いている。反対に、右側の操作レバー18の支軸11は右側に傾いている。
【0063】
したがって、左右の操作レバー18、18を夫々反時計方向、時計方向に回すと、操作レバー18の自由端部は脚立のステップバー3に近接し、その裏面側の前記突起23(図8参照)がステップバー3の表面に抉りつけられ、そのためステップバーと操作レバー18との係合がより強固になって延長梯子と脚立が確りと結合される。
【0064】
この操作レバー18の回動は、実際には、図1に示すように、左側の操作レバー18を更に反時計方向に少し回動させる(右側のものは時計方向)。
【0065】
その理由は、図7において操作レバー18を反時計方向に回動しようとすると、第2金具14の折り曲げ部であるストッパー25に阻まれ、反時計方向に回動しようとすると、固定片22が更に脚立のステップバーを押し上げなければならないので、結局操作レバー18は上死点位置より少し下がった状態が安定なのである。
【0066】
なお、脚立と延長梯子とを倉庫などに収納し、或いは運搬するときには、脚立の脚部の間に図1に示す要領で延長梯子を結合し、コンパクトに纏めると良い。
【符号の説明】
【0067】
1 基体
2 縦杆
3 ステップバー
4 リベット
5 引掛け体
6 前垂れ部
7 ねじ
8 係合杆
9 固定機構
10 脚立
11 支軸
12 ボルト
13 第1金具
14 第2金具
15 長穴
16 支軸ボルト
17 スプリングワッシャー
18 操作レバー
19 第1斜面部
21 係合面
22 固定片
23 突起
24 窪み
25 ストッパー
26 折り曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦杆を複数の水平なステップバーで連結した梯子状の基体と、この基体の最下段のステップバーに一体的に結合された断面L字形の部材で、基体に平行な前垂れ部を表面側に突出させた少なくとも1個の引掛け体と、基体の最上部にステップバーと平行な関係位置で装着され、基体の縦杆に垂直な平面に対する投影形状が裏面側に開いたV字形の係合杆と、引掛け体を脚立の任意のステップバーに裏面側から引掛けた基体を脚立に取り外し可能に連結する固定機構とを有し、この固定機構は、引掛け体の上方における基体の縦杆、又は縦杆の水平方向における近傍において回動自在に支承された基体にほぼ垂直な左右一対の支軸と、各支軸に基端を回動可能に支承され、上記基体に平行な方向に延在すると共に、裏面側に固定片と突起とを連設した左右一対の操作レバーとを備え、上記引掛け体を介して脚立の裏面側に係合させた基体を脚立の裏面に当接させた後、自由端が相互に対向する態様で脚立の表面側に突き抜けた操作レバーを夫々上方に回動させ、脚立のステップバーと直交する上死点位置において上記固定片が脚立のステップバーの下側を押し上げると共に、突起がステップバーの表面に圧接するようにし、更に、各操作レバーを上死点位置から外側に少し回した角度位置でストッパーにより固定するようにしたことを特徴とする脚立用延長梯子。
【請求項2】
上記操作レバーの支軸を、この支軸を含み基体に垂直な平面内において少し外側に傾けたことを特徴とする請求項1記載の脚立用延長梯子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−193526(P2012−193526A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57274(P2011−57274)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(510323897)
【Fターム(参考)】