説明

脱毛用組成物

脱毛活性成分と、オレンジ油、シダーウッド油、パッチュリ油、マツ油、カブリューバ油、グアヤクウッド油、ラバンジン油、ベルガモット油、プチグレインパラグアイ油、ラベンダー油、ミント油、バージニアシダーウッド油、スイートオレンジ油およびグレープフルーツ油からなる群から選択される1つまたは複数の揮発性の精油とを含む脱毛用クリーム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱毛用クリーム組成物に関する。特に、本発明は、臭気特性が改善された脱毛用クリームに関する。
【背景技術】
【0002】
不必要な毛を除去するための脱毛用クリームは周知である。このようなクリームは、典型的には、毛のケラチンを分解する脱毛活性成分を含む。
【0003】
典型的には、脱毛用クリーム中の活性剤は、チオグリコール酸カリウムなどの硫黄含有化合物に基づく。不快な臭気は、一般に、この種の化合物に関連する。脱毛活性成分は、毛を弱くすることによってその効果を発揮する。そうする際、脱毛活性成分は、揮発性硫黄含有化合物の生成をもたらす還元剤として作用する。これらの硫黄含有化合物も不快な臭気を有する。
【0004】
さらに、使用時には、脱毛用クリームは使用者の皮膚に塗布され、活性成分がその効果を発揮する間、10分間までそのままにされる。
【0005】
それゆえ、現在入手可能なクリームの不快な臭気を避ける脱毛用クリームを使用することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、脱毛活性成分および1つまたは複数の揮発性の精油を含む脱毛用クリーム組成物が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様によると、
a.上で定義した組成物を皮膚に塗布するステップと、
b.皮膚の表面上の毛を分解するために、組成物に皮膚上での滞留時間を与えるステップと、
c.滞留時間の終わりに、組成物および脱毛された毛を皮膚から除去するステップと、
d.皮膚をすすぐステップと
を含む、脱毛の方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1つまたは複数の揮発性の精油は、オレンジ油、シダーウッド油、パッチュリ油、マツ油、カブリューバ油、グアヤクウッド油、ラバンジン油、ベルガモット油、プチグレインパラグアイ油、ラベンダー油、ミント油、バージニアシダーウッド油、スイートオレンジ(Citrus Aurantium dulcis)油およびグレープフルーツ(Citrus grandis)油からなる群から選択することができる。
【0009】
脱毛用組成物は、脱毛用クリーム組成物中にシリコーンワックス、タルクおよびポリアミド樹脂の少なくとも1つから選択される皮膚感触増強剤を含むことができる。特に、シリコーンワックス、タルクおよび/またはポリアミド樹脂は、組成物の毛除去特性に影響を及ぼすことなく脱毛用クリーム組成物に柔らかいビロードのような使用後感を与える。
【0010】
タルクは、望ましい粉状の使用後感を与えるので、化粧品に以前から使用されてきた他の鉱物よりも特に好ましい。さらに、タルクは組成物の色を変化させない。タルクは、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%の量で存在し得る。一実施形態では、組成物は1〜2重量%のタルクを含む。
【0011】
脱毛用クリーム組成物は、保湿剤をさらに含むことができる。適当な保湿剤には、グリセリン、プロピレングリコールおよびブチレングリコールなどのポリオールが含まれる。グリセリンが好ましい。保湿剤は、0〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で存在し得る。
【0012】
組成物は、鉱物の代替物として、またはこれに加えて、ポリアミド樹脂を含むことができる。ポリアミド樹脂は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%、例えば2重量%の量で存在し得る。ポリアミド樹脂は好ましくはナイロン−12である。
【0013】
組成物は、鉱物および/またはポリアミド樹脂の代替物として、あるいはこれに加えて、シリコーンワックスを含むこともできる。適当なシリコーンワックスには、C30〜C45アルキルメチコンならびにステアロキシトリメチルシランおよびステアリルアルコールから形成されるシリコーンワックスが含まれる。シリコーンワックスは好ましくはC30〜C45アルキルメチコンである。
【0014】
シリコーンワックスは、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%、例えば1〜2重量%の量で存在し得る。
【0015】
エモリエントは、鉱物油、シリコーンおよびエモリエントエステルの少なくとも1つから選択される。シリコーンワックス、鉱物および/またはポリアミド樹脂(および任意の保湿剤)と共に、エモリエントは、脱毛用クリーム組成物に所望の皮膚感触特性を与える重要な役割を果たす。
【0016】
エモリエントは、組成物の1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%の量で存在し得る。
【0017】
鉱物油は、組成物の0〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で存在し得る。
【0018】
シリコーンオイルは、組成物の0〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、例えば1〜4重量%の量で存在し得る。
【0019】
エモリエントエステルは、組成物の0〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、例えば1〜3重量%の量で存在し得る。
【0020】
エモリエントは本質的に鉱物油からなることが可能である。例えば、一実施形態では、組成物は、タルク、および本質的に鉱物油からなるエモリエントを含む。この実施形態では、エモリエントは、3〜6重量%、好ましくは5重量%の量で存在する。タルクは、0.3〜1重量%、好ましくは0.5重量%の量で存在する。本質的に鉱物油からなるエモリエントを使用する場合、組成物は、好ましくはグリセリンなどの保湿剤を含む。
【0021】
エモリエントがシリコーンオイル(単数または複数)を含む、または本質的にシリコーンオイル(単数または複数)からなることも可能である。好ましくは、シリコーンオイルの組み合わせが存在する。シリコーンオイルは、シクロペンタシロキサン、ジメチコノールおよびジメチコンの少なくとも1つを含むことができる。好ましくは、シリコーンオイルは、シクロペンタシロキサン、ジメチコノールおよびジメチコンを含む。シリコーンオイルは、0.1〜5重量%、好ましくは1〜2重量%のジメチコン、および/または1〜5重量%、例えば1〜3重量%のシクロペンタシロキサンおよびジメチコノールを含むことができる。
【0022】
エモリエントが本質的にエモリエントエステルからなることが可能である。しかしながら、エモリエントエステルは、好ましくは鉱物油および/またはシリコーンオイルと組み合わせて使用される。
【0023】
一実施形態では、エモリエントは、鉱物油、シリコーンオイルおよびエモリエントエステルの少なくとも2つを含む。例えば、エモリエントは、鉱物油およびシリコーンオイル、または鉱物油およびエモリエントエステル、またはシリコーンオイルおよびエモリエントエステルを含むことができる。一実施形態では、エモリエントは鉱物油、シリコーンオイルおよびエモリエントエステルを含む。
【0024】
任意の適当なシリコーンオイルを使用することができる。例には、シクロペンタシロキサン、ジメチコノールおよびジメチコンが含まれる。組成物中のシリコーンオイルの総量は、0.1〜10重量%、例えば2〜5重量%とすることができる。
【0025】
任意の適当なエモリエントエステルを使用することができる。適当な例には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸ミリスチル、セチルエステル、イソノナン酸イソトリデシル、安息香酸C12〜15アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドおよびテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルが含まれる。
【0026】
一実施形態では、エモリエントは鉱物油を含む。鉱物油は、3〜6重量%、好ましくは5重量%の量で存在し得る。好ましい実施形態では、エモリエントのこの組み合わせは、タルクおよびポリアミド樹脂の少なくとも1つと共に使用される。
【0027】
脱毛活性成分は、ケラチンを分解することができる化合物であり、例えば、チオグリコール酸カリウム、チオエリトリトール、チオグリセロール、チオグリコール、チオキサンチン、チオサリチル酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、NaHSO、LiS、NaS、KS、MgS、CaS、SrS、BaS、(NHS、ジヒドロリポ酸ナトリウム、6,8−ジチオオクタノエート、6,8−ジチオオクタン酸ナトリウム、例えばNaSHまたはKSHなど硫化水素の塩、チオグリコール酸、チオグリセロール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオマレイン酸、チオグリコール酸アンモニウム、モノチオグリコール酸グリセリル、チオグリコール酸モノエタノールアミン、モノエタノールアミン、チオグリコール酸、ジチオジグリコール酸ジアンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、チオ乳酸モノエタノールアミン、チオグリコールアミド、ホモシステイン、システイン、グルタチオン、ジチオスレイトール、ジヒドロリポ酸、1,3−ジチオプロパノール、チオグリコールアミド、グリセリルモノチオグリコレート、チオグリコールヒドラジン、ケラチナーゼ、硫酸ヒドラジン、二硫酸ヒドラジン、トリイソシアネート、チオグリコール酸グアニジン、チオグリコール酸カルシウムおよび/またはシステアミンなどの硫黄化合物であり得る。しかしながら、組成物は、好ましくは実質的に、またはより好ましくは完全に、組成物の熱力学的平衡または表面張力を壊す脱毛剤を含まない。このような剤の例には、アルカリ金属硫化物が含まれる。
【0028】
好ましい脱毛用化合物は、チオグリコレートまたはこれらの前駆物質であるチオグリコール酸である。最も好ましいのはチオグリコール酸カリウムであり、これはチオグリコール酸を中和源の水酸化カリウムと混合することによって製造することができる(上述のように、中和をもたらすのに必要とされるよりも過剰の水酸化カリウムは使用することはできない)。
【0029】
脱毛活性成分は、2〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは10〜15重量%の量で存在し得る。一実施形態では、組成物は、2〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは10〜15重量%の量のチオグリコール酸カリウムを含む。
【0030】
本発明の脱毛用クリーム組成物は、好ましくは水を含む。水は、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量で存在し得る。適当な量の水は、40〜70重量%、好ましくは50〜65重量%、より好ましくは55〜60重量%に及ぶ。
【0031】
脱毛用クリーム組成物は、任意で1つまたは複数の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性または非イオン性であり得る。界面活性剤は、好ましくは非イオン性である。適当な界面活性剤の例には、リン酸ステアリル、ステアリルアルコール、ステアリルグルコシド、セトステアリルアルコールおよび/またはセテアレス20が含まれる。界面活性剤は、脱毛用クリーム組成物の重量に対して、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%の量で存在する。
【0032】
脱毛用クリーム組成物は、任意でアルカリ度供給源を含む。これには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物などの水酸化物が含まれ得る。適当な水酸化物には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムが含まれる。好ましくは、任意で水酸化カリウムと共に、水酸化カルシウムが使用される。アルカリ度供給源(例えば、水酸化カルシウム)は、脱毛用クリーム組成物の0.1〜10重量%、好ましくは1〜6重量%、例えば2〜5重量%の量で存在し得る。
【0033】
脱毛用クリーム組成物は、好ましくは7を超える、例えば9〜12.5のpHを有する。
【0034】
任意で、組成物は、毛除去反応を促進する促進剤を含む。前記促進剤の例には、尿素、チオ尿素、ジメチルイソソルビド(DMI)、エトキシジグリコール(Transcutol)またはメチルプロピルジオール(MPジオール)が含まれる。好ましくは、促進剤は尿素である。本発明による組成物は、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは6〜10重量%の促進剤(例えば、尿素)を含む。
【0035】
脱毛用クリーム組成物は、顔料および粘土などのフィラーなどの他の任意の成分を含むことができる。適当な粘土の例には、ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、三ケイ酸マグネシウムおよび二酸化チタンが含まれる。緩衝系にナトリウムおよびマグネシウムイオンを供給し、脱毛の効率を向上させるので、粘土、好ましくはケイ酸ナトリウム・マグネシウムを、より好ましくは脱毛用組成物の重量に対して0.1〜10重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%の量包含するのが特に好都合である。
【0036】
脱毛用クリーム組成物は、望ましくは、グルコン酸ナトリウムなどのキレート剤を含む。キレート剤は、1重量%未満、好ましくは0.01〜0.5重量%、例えば0.05〜0.1重量%の量で存在し得る。
【0037】
脱毛用クリーム組成物は、相分離を防ぐ添加剤を含むこともできる。適当な添加剤には、アクリル酸のポリマーまたはコポリマー、例えばアクリレートコポリマーが含まれる。前記添加剤は、2重量%まで、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、例えば0.1〜0.4重量%の量で存在し得る。
【0038】
任意で、アロエベラおよびビタミンEなどの添加剤を組成物中に含めることもできる。前記添加剤は、組成物の1重量%未満、例えば0.1〜0.5重量%の量で使用される。
【0039】
組成物は、ベースクリーム、エアロゾルクリームまたはシャワークリームの形とすることができる。
【0040】
本発明の脱毛の方法において、組成物には皮膚上での滞留時間が与えられる。好ましくは、滞留時間は10分未満、より好ましくは6分以下でさえある。非常に適当には、滞留時間は1〜5分、約2〜3分が特に好ましい。
【0041】
本発明の組成物を使用すると、正常な皮膚の被験者に有意の皮膚刺激をもたらすことなく、わずか3分の滞留時間後の脱毛でも優れていることが分かる。
【0042】
組成物は、任意の手段によって、例えばスポンジ、へら、スクレーパー装置を使用して、皮膚から除去することができる。
【0043】
以下の実施例は、本発明をさらに説明する。
【表1】

【表2】

【表3】


【0044】
組成物は、当業者に既知の標準的技術を使用して製剤化することができる。
【0045】
本発明の組成物の利点は、現在入手可能な組成物を使用する際に個人が経験する不快な悪臭を減らす組成物が提供されるということである。前記の実施例の実施形態の悪臭スコアを以下に示す。
【表4】

【0046】
既知の組成物は、典型的には、4を超える悪臭スコアを有する。例えば、以下に示す製剤はスコアが4である。
【表5】

【0047】
さらなる修正および改善を、本明細書に開示の発明の範囲から逸脱することなく組み入れることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱毛活性成分と、
オレンジ油、シダーウッド油、パッチュリ油、マツ油、カブリューバ油、グアヤクウッド油、ラバンジン油、ベルガモット油、プチグレインパラグアイ油、ラベンダー油、ミント油、バージニアシダーウッド油、スイートオレンジ油およびグレープフルーツ油からなる群から選択される1つまたは複数の揮発性の精油と
を含む脱毛用クリーム組成物。
【請求項2】
前記揮発性の精油が、スイートオレンジ油およびグレープフルーツ油からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
皮膚増強剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記皮膚増強剤がタルクである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
保湿剤をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記保湿剤がグリセリンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
2〜20重量%の脱毛活性成分を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記脱毛活性成分がチオグリコール酸カリウムである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
1〜10重量%のエモリエントをさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記エモリエントが鉱物油である、請求項9に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−510982(P2012−510982A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539095(P2011−539095)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002817
【国際公開番号】WO2010/064017
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(506343612)レキット アンド コールマン (オーバーシーズ) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】