説明

脱硝装置

【課題】固体尿素の温度を効率的に変化させて意図しない固体尿素の熱分解を抑制することができる脱硝装置を提供する。
【解決手段】エンジン排気の窒素酸化物濃度を抑制する脱硝装置20において、エンジン排気が流れる排気管103に接続する接続管105の流路に固体尿素21が臨むように当該固体尿素21を保持する保持手段22と、この保持手段22に保持された固体尿素21に光を照射して固体尿素21を輻射加熱する加熱手段23とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン排気の窒素酸化物濃度を抑制する脱硝装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械を含む作業機械はディーゼルエンジンを動力源とする場合が多いが、環境保全の観点からディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の抑制は不可欠である。
【0003】
エンジン排気の窒素酸化物濃度を抑制する技術としては、尿素SCR法のような選択還元脱硝技術が広く知られている(特許文献1等参照)。尿素SCR法では一般に還元剤として尿素水を排気ガス中に噴射するが、尿素水は水分割合が高く単位重量当たりのアンモニア発生量が少ない、寒冷地等では尿素水が凍結してしまう、また、時間経過や加温により尿素水がアンモニアに変化してしまう等の問題がある。
【0004】
そこで、尿素水の噴射に代え、電気ヒーターで加熱することによって固体尿素を気化させて排気ガス中に尿素を供給する技術が提唱されている(特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−504026号公報
【特許文献2】特開平5−272331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電気ヒーターによる加熱は空気を媒介とした伝導加熱であるため、尿素を運搬するキャリアガスに電気ヒーターからの熱が吸収される等、熱伝達効率は必ずしも高くない。したがって、電気ヒーターの入り切りによる固体尿素の温度変化は必ずしも迅速とは言えず、固体尿素が気化点に達する前に固体尿素が熱分解されて他の化合物に変化し、場合によっては液化して扱い難くなってしまう恐れがある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、固体尿素の温度を効率的に変化させて意図しない固体尿素の熱分解を抑制することができる脱硝装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジン排気の窒素酸化物濃度を抑制する脱硝装置において、エンジン排気が流れる排気管又はこの排気管に接続する接続管の流路に固体尿素が臨むように当該固体尿素を保持する保持手段と、この保持手段に保持された固体尿素に電磁波を照射して当該固体尿素を輻射加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記加熱手段は、前記固体尿素にレーザー光を照射するレーザー照射手段であることを特徴とする。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記固体尿素を挟んで前記加熱手段の反対側に設けられ、前記加熱手段から照射された電磁波を検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
(4)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記固体尿素を挟んで前記加熱手段の反対側に設けられ、前記加熱手段から照射された電磁波を反射する反射手段と、この反射手段で反射された電磁波を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
(5)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記加熱手段から照射され、前記固体尿素の表面で反射した電磁波を検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
(6)上記(1)−(5)のいずれかにおいて、好ましくは、前記加熱手段からの電磁波の前記固体尿素に対する照射位置を移動させて電磁波を前記固体尿素の表面に走査する走査手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
(7)上記(1)−(6)のいずれかにおいて、好ましくは、前記固体尿素に電磁波吸収物質を混合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キャリアガスへのエネルギー散逸や加熱手段の余熱が殆どないので、電気ヒーターを加熱源とする場合に比べて固体尿素の温度を効率的に変化させ、意図しない固体尿素の熱分解を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る脱硝装置の一適用例の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る脱硝装置の他の適用例の概略構成図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図10】本発明の第8実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第9実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【図12】本発明の第10実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0018】
<第1実施形態>
1.一適用例
図1は本発明の第1実施形態に係る脱硝装置の一適用例の概略構成図である。
【0019】
図1に示したディーゼルエンジン100は、これを搭載した図示しない作業機械(油圧ショベル等)の動力源である。このディーゼルエンジン100には、燃料管101と、吸気管102と、排気管103とが接続している。排気管103には、DPF(Diesel Particulate Filter)等のフィルターや触媒等といった排気を清浄化する清浄器104が設けられている。ディーゼルエンジン100は、燃料管101から供給された燃料を吸気管102から吸い込まれた空気(外気)とともに燃焼し、燃焼エネルギーを出力軸の回転動力に変換する。燃料を燃焼することによって生じた排気ガスは、排気管103を通り清浄器104で清浄化された上で排気(大気放出)される。
【0020】
本実施形態では、排気管103における清浄器104よりも排気の流れ方向の上流側(ディーゼルエンジン100側)の部分に尿素供給用の接続管105を接続しており、この接続管105に本実施形態に係る脱硝装置20を設けている。なお、本実施形態では清浄器104の上流側に接続管105を接続する場合を例に挙げて説明するが、排気管103における清浄器104の下流側に接続管105を接続する構成とすることもできる。
【0021】
2.構成
図2は本実施形態に係る脱硝装置20の概略構成図である。
【0022】
脱硝装置20は、固体尿素21を保持する保持手段22と、保持手段22に保持された固体尿素21に電磁波を照射して固体尿素21を輻射加熱する加熱手段23とを備えている。
【0023】
固体尿素21は、結晶化又はブリケット化等の方法で尿素を固体化して任意の形状に成形したものであり、図2に例示したような半球状に限らず、円柱状、角柱状等、据え付け性や収容性等に応じて形状は適宜変更可能である。
【0024】
保持手段22は、接続管105の内壁面に突状に設けた部材であり、固体尿素21の側部(例えば照射光の光軸を中心線とした場合の固体尿素21の外周部)を押さえるように配置されている。また、本実施形態では接続管105における水平に延在する部分に固体尿素21を設置するため、当該水平部分の流路の内壁面の下半部分に保持手段22を設置し、保持手段22で囲われたところに固体尿素21を嵌め込んである。固体尿素21は、この保持手段22によって接続管105の内部流路に臨むように保持されており、本実施形態に係る脱硝装置20を搭載する作業機械やディーゼルエンジン100の動作に起因する振動等によって位置が変化しないようになっている。保持手段22の構成は特に限定されず、例えば固体尿素21の全周を囲う枠状の部材で保持手段22を構成することもできるし、固体尿素21の外周部を間欠的に囲うように配置した複数の部材で保持手段22を構成することもできる。
【0025】
加熱手段23は、固体尿素21に光(電磁波の一例)を照射する照射部24と、この照射部24から発せられる光量(光度エネルギー)等を制御する光源制御部25とを備えている。本実施形態における照射部24は、例えばLED等の発光手段であり、接続管105の管壁を貫通して流路内に設置されている。照射部24は自己の光照射範囲に固体尿素21が収まるように図示しない支持手段によって接続管21に固定されている。光源制御部25は、照射部24と配線で接続されており、脱硝装置20を搭載する作業機械の運転席に設置された操作手段(図示せず)からの操作信号に応じて、或いは予め格納されたプログラムに従って、照射部24への給電量及び給電のタイミングを制御する。光源制御部25から電気が供給されると、照射部24は給電量に応じた光量で固体尿素21に向けて発光する。
【0026】
3.動作
上記構成の本実施形態に係る脱硝装置20において、光源制御部25からの給電によって照射部24が発光すると、照射部24から発せられた光が固体尿素21に入射する。固体尿素21に入射した光は、固体尿素21に吸収されて固体尿素21の温度を上昇させ、この温度上昇によって固体尿素21が気化する。このとき、排気管103中の排気ガスの流れに誘起されて接続管105内に空気(外気)が吸い込まれ、接続管105内には排気管103に向かう空気の流れが生じる。接続管105を流れる空気がキャリアガスとなり、気化した尿素や一部熱分解により発生したアンモニアが運搬され、排気管103を流れる排気ガスにそれらのガスが供給される。尿素はディーゼルエンジン100の排熱によってアンモニアに分解され、アンモニアとの化学反応によって排気ガス中の窒素酸化物(NOx)が水と窒素に還元される。
【0027】
4.作用効果
(1)加熱等の効率化
このように、本実施形態では固体尿素21を照明し固体尿素21を光で輻射加熱するので、伝導加熱や対流加熱のようなキャリアガスへのエネルギー散逸がほとんどなく、効率的に固体尿素21を加熱することができる。したがって、固体尿素21の温度を気化点まで急勾配に上昇させることができる。また、加熱手段23の余熱も電気ヒーターに比べて少ないため、光照射の停止によって速やかに加熱を停止することができる。よって、電気ヒーターを加熱源とする場合に比べて固体尿素21の温度を効率的に変化させることができるので、他の化合物に変化し得る温度領域を速やかに通過させることができ、意図しない固体尿素21の熱分解を抑制することができる。
【0028】
また、光量や光の照射範囲の調節も容易であり、例えば光量を上げたり、レンズやミラー等の集光手段を用いて光の密度を上げたりすることによって、加熱効率をさらに向上させることも可能である。
【0029】
また、例えば照射部24が発する光を吸収し易い吸光物質(例えばカーボンブラック)を固体尿素21に混ぜることで、光の吸収効率を上げて固体尿素21の加熱効率をより向上させることもできる。
【0030】
(2)気化量制御の容易化
また、固体尿素21の気化量を制御する上でも本実施形態は有利である。すなわち、例えば電気ヒーターによる伝導加熱で固体尿素21を加熱する場合を考えると、電気ヒーターと加熱対象である固体尿素との間に介在する空気(キャリアガス)に電気ヒーターからの熱が散逸してしまう。キャリアガスは流動するうえ外気温で温度が大きく変化するため、キャリアガスに散逸する熱量は状況によって大きく変動する。また、電熱部が劣化し易いため電気ヒーターの発熱量自体も変化し易い。さらには、電気ヒーターは停止後の余熱が冷めるまでに時間を要する。したがって、固体尿素21の気化量を精度よく調整するには、キャリアガスへの熱の散逸や加熱停止後の電気ヒーターの余熱を考慮に入れなければならず、これが電気ヒーターの制御を難しくしていた。
【0031】
それに対し、本実施形態の場合、輻射加熱を原理としているためキャリアガスへのエネルギー散逸を考慮に入れる必要性が特にない。また、電気ヒーターに比べて照射部24は劣化し難く、光量変化も生じ難い。また、光照射の開始及び停止によって固体尿素21の気化の開始及び停止が速やかに行われ、電気ヒーターを用いる場合のように余熱の影響を考慮に入れる必要性もあまりない。したがって、本実施形態によれば、電気ヒーターを用いる場合に比べ、固体尿素21の気化量の制御を容易化することができる。
【0032】
(3)固体尿素の形状制御の容易化
例えばレンズやミラー等の集光手段を用いて光を集束させることにより、固体尿素21を局所的に加熱することができ、これによって気化に伴う固体尿素21の形状変化を調整することも容易である。
【0033】
(4)設置態様の柔軟化
また、レンズ、プリズム、ミラー等の屈折手段を用いて光路を任意に屈折させることができる。したがって、接続管21の周囲に配置された機器との関係等、何らかの理由で固体尿素21に照射部24を対向させて配置することができないような場合であっても、適宜屈折手段を利用して照射部24からの光を固体尿素21に導くことができる。このように、本実施形態の脱硝装置20は、接続管105に対する設置態様を柔軟に調整することができる。
【0034】
5.その他
なお、本実施形態では、固体尿素21に光を照射して固体尿素21を輻射加熱する加熱手段23を例示した。エネルギー強度の観点からは波長が短い光線の方が好ましいが、加熱手段23が照射する光は可視光線に限らず赤外線でも紫外線でも良い。また、輻射加熱を実現する上では、光に限らず、例えば電波、X線、γ線を含む電磁波を照射する手段、或いはα線やβ線等を含む粒子線を照射する手段も適用可能である。その場合、吸光物質(カーボンブラック等)を固体尿素21に混合するのと同じく、使用する電磁波に応じて電磁波を吸収し易い電磁波吸収物質を固体尿素21に混合すると、固体尿素21の加熱効率を高めることができる。
【0035】
また、本実施形態では固体尿素21の周囲を囲って当該固体尿素21を保持する保持手段22を例示したが、保持手段22の構成はこの例に限定されない。照射部24からの光が固体尿素21に入射し、気化した固体尿素21が接続管105の流路中を流れるキャリアガスで運ばれるように固体尿素21を保持することができれば良い。例えば、保持手段として針状の突起物を接続管105の内壁面に設け、これに突き刺して固体尿素21を固定する構成、場合によっては保持手段としての接着剤で固体尿素21を接続管105の内壁に接着する構成等も考えられる。また、接続管21の内壁面に保持手段として窪みを設け、この窪みに固体尿素21を嵌め込む構成とすることも考えられる。さらに、図2の保持手段22は接続管105の水平部分に設置された固体尿素21の周囲を囲うことで水平方向への固体尿素21の動きを拘束する構成となっていたが、例えば上部に固体尿素21の上部を抱える返し部(或いは爪部)を設け、水平方向のみならず鉛直方向への動きを拘束する構成とすることもできる。これらの例のように保持手段によって固体尿素21の動きが三次元的に拘束される場合には、固体尿素21の設置箇所は流路の水平部分には限定されず、傾斜した部分、或いは鉛直な部分にも脱硝装置20を設置することができる。
【0036】
6.他の適用例
図3は本実施形態に係る脱硝装置の他の適用例の概略構成図である。
【0037】
本適用例が図1の適用例と相違する点は、排気管103に脱硝装置20を設置した点である。すなわち、図1の適用例では、排気管103に接続する接続管105に脱硝装置20を設置し、気化させた尿素を接続管105から排気管103に合流させる構成としたのに対し、本適用例では、排気管103に脱硝装置20を設置し、排気管103内で固体尿素21を気化させて排気ガス中に尿素を供給する構成としている。脱硝装置20自体の構成は変わらず、また排気管103に対する脱硝装置20の設置方法も接続管105に対する設置方法と同様である。また、図3では排気管103における清浄器104の上流側に脱硝装置20を設置した場合を例示しているが、排気管103における清浄器104の下流側に脱硝装置20を設置する構成も考えられる。
【0038】
本適用例においても、固体尿素21を輻射加熱することによって高い加熱効率が得られる利点は変わらない。但し、脱硝装置20の設置位置、例えばディーゼルエンジン100との距離によっては排気ガスの熱によって固体尿素21が気化或いは分解し得るため、気化量を精度良く調整する必要がある場合には、排気ガスの熱的影響の低い箇所に設置することが望ましい。
【0039】
<第2実施形態>
図4は本発明の第2実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0040】
本実施形態の脱硝装置20Aが第1実施形態と相違する点は、レーザー光を照射することによって固体尿素21を輻射加熱する加熱手段23Aを用いた点である。加熱手段23Aは、固体尿素21に電磁波としてレーザー光を照射する照射部24Aと、この照射部24Aの発するレーザー光のエネルギー等を制御する光源制御部25Aとを備えている。本実施形態における照射部24Aは、レーザー照射口が流路内に臨むように接続管105の管壁を貫通し、接続管105に対して図示しない支持手段によって固定されている。光源制御部25Aは、照射部24Aと配線で接続されており、操作手段(図示せず)からの操作信号に応じて、或いは予め格納されたプログラムに従って、照射部24Aへの給電量及び給電のタイミングを制御する。光源制御部25Aから電気が供給されると、照射部24Aは給電量に応じた光量のレーザー光を固体尿素21に照射する。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0041】
光等の電磁波を用いて固体尿素21を輻射加熱する場合、電磁波のエネルギー密度が高い方が効率的に固体尿素21を加熱し気化させることができる。光のエネルギー密度を上げる方法として、レンズやミラー等で集光することは第1実施形態で説明したが、その他、本実施形態のようにレーザー光を利用することも考えられる。本実施形態によれば、エネルギー密度の高いレーザー光を固体尿素21に入射させることで、固体尿素21をより効率良く加熱することができる。また、気化量の制御等の他の効果についても第1実施形態と同様に得ることができる。
【0042】
<第3実施形態>
図5は本発明の第3実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態の脱硝装置20Bが第1実施形態と相違する点は、接続管105の外部から固体尿素21に光を照射する点である。本実施形態では、接続管105の途中に流路を拡大した収容室105aを設け、この収容室105aに固体尿素21を設置している。この収容室105aの壁面は一部が開口しており、その開口部には光透過性の材質(例えばガラスやアクリル)で形成された透過窓26が嵌め込まれ、開口部が塞がれている。固体尿素21はこの透過窓26に対向する位置に保持手段22で固定されており、照射部24は透過窓26を挟んで固体尿素21に対向する位置で図示しない支持手段によって固定されている。すなわち照射部24は接続管105の外側に設置されている。その他の点については、加熱手段23の構成を含めて第1実施形態と同様である。
【0044】
本実施形態では、照射部24から照射された光が透過窓26を透過して収容室105a内の固体尿素21に入射し、これによって固体尿素21が加熱されて気化し排気管103を流れる排気ガスに供給される。固体尿素21の加熱原理は既述の実施形態と同様であり、本実施形態によっても既述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
加えて、本実施形態の場合、次の効果が得られる。例えば、光で輻射加熱することによって固体尿素21を気化させる場合、気化した尿素が光の照射範囲を出ると、条件によっては飽和量を超えた分子が凝固し再び固体粒子に戻り得る。通常キャリアガスによって尿素は下流側に流されるが、凝固した尿素や尿素由来のアンモニアが何らかの要因によって下流側に移動せずに加熱手段23の照射部24や電気配線、電気接続部等に付着すると、付着箇所を腐食させる等の不具合を生じさせる恐れがある。また、例えば一部の尿素が照射部24の背面側(固体尿素21と反対側)に回り込み、そこで凝固することで照射部24等に付着することもあり得る。それに対し、本実施形態では、照射部24を含めて加熱手段23を接続管105の外部に設けているので、気化した尿素が加熱手段23に接触することがなく上記の問題の発生を防止することができる。
【0046】
なお、図5では接続管105(収容室105aを除く部分)の流路径に対して大きな固体尿素21を用いる例として、接続管105の途中に流路を拡大した収容室105aを設けた構成を例示的に図示したが、収容室105aを設けなくても接続管105の流路を塞ぐことなく固体尿素21を接続管105の流路内に収めることができる場合には、単に接続管105に透過窓26を設ける構成とすれば足りる。
【0047】
<第4実施形態>
図6は本発明の第4実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0048】
本実施形態の脱硝装置20Cが第2実施形態と相違する点は、照射部24Aと固体尿素21をキャリアガスの流れ方向に並べて配置し、キャリアガスの流れ方向の上流側(つまり風上)から固体尿素21にレーザー光を照射する点である。加熱手段23Aの構成自体は第2実施形態と同様である。また、本実施形態では接続管105の鉛直に延びる部分に加熱手段23Aを設置し、管路が屈曲した部分に固体尿素21を設置しているが、流路構成は特に限定されない。その他の構成も第2実施形態と同様である。
【0049】
本実施形態においても、照射部24Aから照射されたレーザー光が固体尿素21に入射し、これによって固体尿素21が加熱されて気化しキャリアガスで運搬されて排気管103を流れる排気ガスに供給される。固体尿素21の加熱原理は既述の実施形態と同様であり、本実施形態によっても既述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
また、接続管105の流路中に照射部24Aを設置しているが、固体尿素21が風下にあるため、気化した尿素はキャリアガスによって全て下流へ流され、逆流して照射部24Aに接触することが基本的にない。したがって、本実施形態によっても、気化した尿素が凝固して加熱手段23Aに付着することを防止することができる。
【0051】
<第5実施形態>
図7は本発明の第5実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態の脱硝装置20Dが第1実施形態と相違する点は、加熱手段23Bが、固体尿素21にレーザー光を照射する照射部24Bと、照射部24Bをスイングさせる走査部27と、レーザー光の強度や照射時間、走査部27によるレーザー光の走査動作等を制御する光源制御部25Bとを備えている点、及び照射部24Bから照射されるレーザー光を検出する検出手段28を備えている点、の二点である。
【0053】
走査部27は、照射部24Bをスイングさせることでレーザー光の照射位置を移動させてレーザー光を固体尿素21の表面に走査するものであり、レーザー光の走査範囲は固体尿素21の全体をカバーしている。また、接続管105は、照射部24Bに対向する位置に、照射部24Bと反対側に窪んだ箱状の収容室105aAを有している。この収容室105aAは、レーザー光を透過する材質(ガラスやアクリル等)で形成された仕切板29で深さ方向(図7中の左右方向)に内部空間が区分されており、接続管105のキャリアガスの流れる流路に臨む側の空間には固体尿素21が収容され保持手段(図示せず)によって保持されている。
【0054】
前述した検出手段28は、収容室105aAのもう一方の空間に収容され、固体尿素21を挟んで照射部24Bの反対側に設けられている。電磁波としてレーザー光を用いているので、検出手段28にはフォトダイオード等の半導体受光装置を用いることができる。本実施形態において、この検出手段28は、照射部24B側から見て固体尿素21の中央部の背面側(図7中の左側)には設けられておらず、固体尿素21の隅部の背面側にのみ設けられている。このように検出手段28を小型化することでコストが抑えられるが、検出手段28の設置目的を果たす上では、図7に示した設置態様に限定されず、固体尿素21の中央部の背面側又は固体尿素21の背面の全体に検出手段28を設置することもできる。検出手段28の検出信号は光源制御部25Bに出力され、光源制御部25Bでは、検出手段28からの信号を基に、検出されたレーザー光の強度が演算される。
【0055】
その他の点については既述の実施形態と同様である。
【0056】
本実施形態は、例えばNOx還元用に多量の尿素を要する大型ディーゼルエンジンを搭載する建設機械等に特に好適に適用できる。すなわち、尿素の必要量に応じて、照射部24Bの照射面積(ビームスポット)に対して固体尿素21を大きく形成した場合でも、レーザー光のビームスポットを移動させていくことにより、固体尿素21の加熱領域を徐々に移動させて固体尿素21を順次気化させていき、最終的には固体尿素21の全体を気化させることができる。
【0057】
また、本実施形態の場合、固体尿素21が照射部24Bに近い側から気化していき、徐々にその体積を減らしていく。体積が減少し固体尿素21の厚みが薄くなっていくと、レーザー光の一部が固体尿素21を透過し始める。このレーザー光の透過成分は検出手段28で受光され、その強度が光源制御部25Bで演算される。レーザー光の透過成分は固体尿素21の残量が減少するにつれて強まっていくので、検出されたレーザー光の強度及びその変化によって固体尿素21の残量を知ることができる。
【0058】
固体尿素21の残量検出用に発光器や超音波発信器を追加することなく、加熱手段23Bの発するレーザー光で兼用することができることもメリットである。
【0059】
なお、本実施形態では照射部24Bをスイングさせてビームスポットを移動させる構成を採ったが、例えば照射部24Bを平面移動させてビームスポットを移動させる構成とすることもでき、ビームスポットを移動させる構成については図面に例示した構成に限定されない。また、1つのレーザー照射装置24Bで大型の固体尿素21を気化させるために走査部27を用いたが、時間当たりの尿素供給量をさらに増加させる必要がある場合には、照射部24Bを複数設ける構成とすることもできる。照射部24Bを増設することで、複数のビームスポットで固体尿素21の全体をカバーできる場合には、走査部27は必ずしも必要ない。これらの点は次の第6及び第7実施形態でも同様である。
【0060】
<第6実施形態>
図8は本発明の第6実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態の脱硝装置20Eが第5実施形態と相違する点は、固体尿素21を挟んで照射部24Bの反対側に設けた反射手段30でレーザー光を反射し、この反射手段30で反射されたレーザー光を検出手段28で検出する点である。
【0062】
検出手段28は、本実施形態では照射部24Bの近傍(例えば走査部27の側部)に受光面を固体尿素21側に向けて設置されている。
【0063】
反射手段30は、例えばミラーを用いることができ、本実施形態では第5実施形態で検出手段28を設置した箇所に設けられていて、固体尿素21を透過したレーザー光を検出手段28に向けて反射する。固体尿素21の中央部の背面側に反射手段30を設置する場合でも、反射光が検出手段28に向かうように設置する。固体尿素21の背面の全面に反射手段30を設置する場合には、例えば反射手段30の反射面を検出手段28のあたりを中心とする半球状に曲成し、いずれの箇所にレーザー光が入射しても反射光が検出手段28に向かうようにする。第5実施形態と同様に、検出手段28の検出信号は光源制御部25Bに出力され、光源制御部25Bでは、検出手段28からの信号を基に、検出されたレーザー光の強度が演算される。
【0064】
その他の点については第5実施形態と同様である。
【0065】
本実施形態も、第5実施形態と同様に、レーザー光を走査することで大型の固体尿素21を効果的に気化させることができる。そして、固体尿素21の体積が減少するうちにレーザー光が透過し始めるが、この透過成分は反射手段30で反射されて検出手段28で受光され、その強度が光源制御部25Bで演算される。よって、第5実施形態と同様に、検出されたレーザー光の強度及びその変化によって固体尿素21の残量を知ることができる。
【0066】
また、第5実施形態と同様、固体尿素21の残量検出用に発光器や超音波発信器を追加することなく、加熱手段23Bの発するレーザー光を兼用することができることもメリットである。
【0067】
<第7実施形態>
図9は本発明の第7実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施形態の脱硝装置20Fが第6実施形態と相違する点は、反射手段30とこれを設置するスペースを確保するための仕切板29を省略した点であり、固体尿素21で反射したレーザー光を検出手段28で検出する点である。
【0069】
本実施形態のようにレーザー光を走査する場合、反射光が戻ってくる位置も移動するため、図示したように受光面積が小さな検出手段28を用いると反射光を常時検出することはできないが、レーザー光の角度が固体尿素21の表面に対して垂直又はそれに近い角度になったときの反射成分を検出手段28で検出することができる。したがって、図9の構成でも反射成分を間欠的に検出手段28で検出することができる。その他の構成は第6実施形態と同様である。
【0070】
例えば固体尿素21にカーボンブラック等の吸光物質を混合した場合、カーボンブラック自体は加熱によって気化しないので、固体尿素21が気化してもカーボンブラックが残存する。この場合、レーザー光が透過しないので、第5及び第6実施形態のように透過光を検出する方式では固体尿素21の残量をうまく推測することができない可能性がある。
【0071】
そこで、本実施形態では、固体尿素21の表面で反射したレーザー光を検出手段28で検出し、その強度を光源制御部25Bで演算する。固体尿素21の体積が減少するうちに、固体尿素成分が減少し吸光物質の割合が高くなるため、レーザー光の反射率が低下する。すなわち、検出手段28で検出される反射光強度は初期の段階が最も大きく、固体尿素21の残量の減少に伴って低下していく。このことを利用することにより、検出されたレーザー光の強度及びその変化によって固体尿素21の残量を知ることができる。
【0072】
また、第5及び第6実施形態と同様、固体尿素21の残量検出用に発光器や超音波発信器を追加することなく、加熱手段23Bの発するレーザー光を兼用することができることもメリットである。
【0073】
<第8実施形態>
図10は本発明の第8実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態の脱硝装置20Gが第1実施形態と相違する点は、固体尿素21を保持する保持手段22Aを動かす駆動装置31を有している点である。すなわち、第5−第7実施形態では照射部24Bを動かすことでビームスポットを移動させる構成であったのに対し、本実施形態は固体尿素21を移動させることで固体尿素21に対してビームスポットを相対的に移動させる構成としている。
【0075】
本実施形態では、図5に示した第3実施形態と同じように接続管105の途中に流路を拡大して形成した収容室105aを設けており、この収容室105aに透過窓26を設け、透過窓26を介して照射部24Aから固体尿素21にレーザー光を照射する構成である。
【0076】
上記の保持手段22Aは、固体尿素21の取り付け面を照射部24Aに向けて配設された円板状の部材であり、固体尿素21は保持手段22A上に固定されて照射部24Aに対向している。本実施形態における駆動装置31は電動モータ等の回転駆動装置であって、その出力軸が収容室105aの壁面を貫通して保持手段22Aに接続している。駆動装置31の出力軸の軸線Cはレーザー光の光軸とほぼ平行であり、レーザー光のビームスポットは駆動装置31の軸線Cを含む断面(図10の図示)において固体尿素21における軸線Cの片側全体をカバーしており、駆動装置31を駆動して固体尿素21を回転させることにより固体尿素21に相対してビームスポットが移動し、固体尿素21の全体にレーザー光が入射するようになっている。
【0077】
その他の点については既述の実施形態と同様である。
【0078】
本実施形態も、第5−第7実施形態と同様に、比較的大きな固体尿素21を1つの照射部24Aで気化させるのに有利な構成であり、同様の効果を奏することができる。
【0079】
なお、時間当たりの尿素供給量をさらに増加させる必要がある場合には、照射部24Aを複数設ける構成とすることもできる。また、固体尿素21を回転させてビームスポットを相対移動させる構成を採ったが、例えば保持手段22AをXY方向(平面方向)に移動させてビームスポットを相対移動させる構成とすることもでき、ビームスポットを相対移動させる構成については図面に例示した構成に限定されない。
【0080】
<第9実施形態>
図11は本発明の第9実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0081】
本実施形態の脱硝装置20Hが図6の第4実施形態と相違する点は、接続管105の途中に脱着部105bを設け、この脱着部105b内に保持手段22Bを介して固体尿素21を固定した点である。すなわち、固体尿素21の取替え、補充等に配慮した構成例である。
【0082】
脱着部105bは、図示したように両端の開口部にフランジを備えており、上流側及び下流側の接続管105に対してフランジ接続され、接続管105の一部を構成している。保持手段22Bは、固体尿素21を直接保持する保持部22Baと、この保持部22Baを接続管105の内壁に対して固定するアーム部22Bbとで構成されており、本実施形態ではキャリアガスの流れ方向にこの保持手段22Bが2箇所設けられている。保持部22Baは脱着部105bの流路断面のほぼ中央部に位置しており、アーム部22Bbは保持部22Baの外周部と脱着部105bの内周部とを接続している。言うまでもないが、保持部22Baの外周部と脱着部105bの内周部との間にはキャリアガスを流通させるだけの間隙があり、アーム部22Bbはこの間隙の全面を塞がないように構成されている。その他の点については第4実施形態と同様である。
【0083】
本実施形態においても、照射部24Aからのレーザー照射によって固体尿素21を気化させることができるので、既述の実施形態と同様の効果が得られる。加えて、接続管105の一部が脱着式にし、この脱着部105bに固体尿素21をセットする構成としている。脱着部105bを取り外し、固体尿素21がセットされた新たな脱着部105bと交換する、或いは取り外した脱着部105bに新たな固体尿素21をセットして再度接続管105に取り付けることにより、固体尿素21の充填又は交換の作業を容易に行うことができる。
【0084】
<第10実施形態>
図12は本発明の第10実施形態に係る脱硝装置の概略構成図である。同図において既出図面と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0085】
本実施形態の脱硝装置20Iが図11の第9実施形態と相違する点は、接続管105の途中に設けた脱着部105bAが1つのフランジで接続管105に脱着できる点である。
【0086】
本実施形態において、接続管105における脱着部105bAとの接続部105cは、脱着部105bAの上流側に接続する内周管路105caと、この内周管路105caの外周を覆うケーシング105cbとを備えている。内周管路105caは、脱着部105bAの上流側の接続管105から延びる直管状の管路である。ケーシング105cbは内周管路105caの外周側に環状のチャンバを形成するものであり、ケーシング105cbの内部に形成された環状チャンバは下流側の接続管105の流路に接続している。このケーシング105cbの開口端部には、フランジが設けられている。
【0087】
脱着部105bAは、上記の接続管105の接続部105cの内周管路105caに接続する内周管路105baと、ケーシング105cbに接続するケーシング105bbとを備えている。
【0088】
ケーシング105bbは一方の端面が開口し他方の端面が端壁105bdで閉止した円筒状の部材であり、開口部に設けたフランジを介して接続部105cのケーシング105cbに連結されている。
【0089】
内周管路105baは、内側の流路に第9実施形態の脱着部105bと同様に保持手段22Bを介して固体尿素21が固定された管路であり、支持部材105bcによって支持されてケーシングbbの流路断面のほぼ中央に位置している。ケーシング105bb,105cbがフランジで連結された状態で上記接続部105cの内周管路105caに一端(上流側端部)が接続する。内周管路105baの他端(下流側端部)と、ケーシング105bbの端壁105bdとの間には間隙が介在している。言うまでもないが、支持部材105bcは内周管路105baの外周部とケーシング105bbの内周部とを接続しており、内周管路105baの外周部とケーシング105bbの内周部との間の間隙を塞がないように構成されている。
【0090】
その他の点については第9実施形態と同様である。
【0091】
本実施形態において、キャリアガスは、照射部24Aが配置された接続管105から接続部105cの内周管路105caを介して脱着部105bAの内周管路105baに流入する。この内周管路105baを通過したキャリアガスは、ケーシング105bbの端壁105bdに当たって転向し、内周管路105baとケーシング105bbの間の環状流路を通って上記接続部105cのケーシング105cb内の環状チャンバに流入し、その後下流側の接続管105を通って排気管103に流入する。したがって、照射部24Aからのレーザー照射によって脱着部105bAの内周管路105baに取り付けた固体尿素21を気化させることで、上記のキャリアガスの流れに乗せて排気ガスに尿素を供給することができ、既述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
加えて、第9実施形態と同様、固体尿素21を取り付けた脱着部105bAを接続管105に対して脱着することができる。しかも、本実施形態の脱着部105bAにおいては内部流路を折り返すことで開口部が1箇所にまとまっているので、脱着部106bAの流路構成に合わせて接続管105の接続部105cを二重管構成とすることにより、1つのフランジで脱着部105bAを脱着することができる。したがって、2つのフランジの脱着作業(ボルト・ナットの付け外し)を要する第9実施形態に比べ、固体尿素21の充填又は交換に要する労力をより軽減することができる。
【0093】
<その他>
以上に説明した各例は適宜組み合わせ可能である。また、油圧ショベル等の作業機械のエンジン排気ガスの脱硝装置として本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、一般車両を含めてディーゼルエンジンを搭載した他の機械にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0094】
20,20A−I 脱硝装置
21 固体尿素
22,22A,B 保持手段
23,23A,B 加熱手段
27 走査手段
28 検出手段
30 反射手段
100 ディーゼルエンジン
103 排気管
105 接続管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン排気の窒素酸化物濃度を抑制する脱硝装置において、
エンジン排気が流れる排気管又はこの排気管に接続する接続管の流路に固体尿素が臨むように当該固体尿素を保持する保持手段と、
この保持手段に保持された固体尿素に電磁波を照射して当該固体尿素を輻射加熱する加熱手段と
を備えたことを特徴とする脱硝装置。
【請求項2】
請求項1の脱硝装置において、前記加熱手段は、前記固体尿素にレーザー光を照射するレーザー照射手段であることを特徴とする脱硝装置。
【請求項3】
請求項1又は2の脱硝装置において、
前記固体尿素を挟んで前記加熱手段の反対側に設けられ、前記加熱手段から照射された電磁波を検出する検出手段を備えたことを特徴とする脱硝装置。
【請求項4】
請求項1又は2の脱硝装置において、
前記固体尿素を挟んで前記加熱手段の反対側に設けられ、前記加熱手段から照射された電磁波を反射する反射手段と、
この反射手段で反射された電磁波を検出する検出手段と
を備えたことを特徴とする脱硝装置。
【請求項5】
請求項1又は2の脱硝装置において、
前記加熱手段から照射され、前記固体尿素の表面で反射した電磁波を検出する検出手段を備えたことを特徴とする脱硝装置。
【請求項6】
請求項1−5のいずれかの脱硝装置において、前記加熱手段からの電磁波の前記固体尿素に対する照射位置を移動させて電磁波を前記固体尿素の表面に走査する走査手段を備えたことを特徴とする脱硝装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれかの脱硝装置において、前記固体尿素に電磁波吸収物質を混合したことを特徴とする脱硝装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−72682(P2012−72682A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216904(P2010−216904)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】